特許第6862260号(P6862260)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6862260
(24)【登録日】2021年4月2日
(45)【発行日】2021年4月21日
(54)【発明の名称】アンテナ装置
(51)【国際特許分類】
   H01Q 1/52 20060101AFI20210412BHJP
   H01Q 1/32 20060101ALI20210412BHJP
   H01Q 1/22 20060101ALI20210412BHJP
   B60R 1/12 20060101ALI20210412BHJP
   B60R 11/02 20060101ALN20210412BHJP
   B60R 11/04 20060101ALN20210412BHJP
【FI】
   H01Q1/52
   H01Q1/32 Z
   H01Q1/22 B
   B60R1/12 Z
   !B60R11/02 A
   !B60R11/04
【請求項の数】5
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2017-85984(P2017-85984)
(22)【出願日】2017年4月25日
(65)【公開番号】特開2018-186360(P2018-186360A)
(43)【公開日】2018年11月22日
【審査請求日】2019年11月18日
(73)【特許権者】
【識別番号】000006758
【氏名又は名称】株式会社ヨコオ
(74)【代理人】
【識別番号】100127306
【弁理士】
【氏名又は名称】野中 剛
(72)【発明者】
【氏名】林 健太郎
(72)【発明者】
【氏名】藤井 俊彦
(72)【発明者】
【氏名】清水 優
(72)【発明者】
【氏名】原田 雄三
【審査官】 鈴木 肇
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2017/046972(WO,A1)
【文献】 特開平06−290475(JP,A)
【文献】 特開平03−095998(JP,A)
【文献】 特開2015−095794(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01Q 1/00−25/04
B60R 1/00− 1/04
B60R 1/08− 1/12
B60R 9/00−11/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
アンテナ素子を有するアンテナ部と、
カメラ本体を有する撮像部と、
前記カメラ本体のレンズに光を入射させるカメラ用開口を有し、前記アンテナ部と前記撮像部とを覆う外装ケースと、
前記レンズと前記カメラ用開口との少なくとも一方を覆い、前記カメラ本体のノイズを抑制するカバーと、を備え、
前記カバーは、前記レンズと対向する側に導電性を有する部材が設けられていることを特徴とするアンテナ装置。
【請求項2】
前記導電性を有する部材は、透明導電性フィルム、若しくは、金属粉や金属線を有するプラスチックであることを特徴とする請求項1に記載のアンテナ装置。
【請求項3】
前記撮像部における前記カバーで覆われる部分以外は、シールド導体で覆われることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のアンテナ装置。
【請求項4】
前記カバーは、前記外装ケースの内壁に設けられていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のアンテナ装置。
【請求項5】
前記導電性を有する部材は、複数の金属線で構成される網が設けられていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載のアンテナ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カメラを含むアンテナ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、特許文献1のように、カメラを含む車載アンテナ装置が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2016−116048号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、カメラが発するノイズが受信した信号に重畳されるなど、近くに配置されたアンテナ素子の受信に悪影響を及ぼすおそれがある。
【0005】
したがって本発明の目的は、カメラが発するノイズの影響を受けにくいアンテナ装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係るアンテナ装置は、アンテナ素子を有するアンテナ部と、カメラ本体を有する撮像部と、カメラ本体のレンズに光を入射させるカメラ用開口を有し、アンテナ部と撮像部とを覆う外装ケースとを備え、レンズとカメラ用開口との少なくとも一方は、カメラ本体のノイズを抑制するカバーで覆われる。
【0007】
ノイズを抑制するカバーは、カメラ本体から発生しレンズがある側から漏れ出るノイズの影響がアンテナ部に及びにくくすることが出来る。
【0008】
好ましくは、カバーにおける少なくとも一方の面が透明導電性フィルムで覆われる、若しくは、カバーが金属を含んだ透明のプラスチックで構成される。
【0009】
さらに好ましくは、撮像部におけるカバーで覆われる部分以外は、シールド導体で覆われる。
【0010】
カメラ本体におけるレンズが設けられる側以外は、シールドされ、カバーによって、カメラ本体におけるレンズが設けられる側がシールドされる。
【発明の効果】
【0011】
以上のように本発明によれば、カメラが発するノイズの影響を受けにくいアンテナ装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】第1実施形態におけるアンテナ装置とウォッシャーの斜視図である。
図2】第1実施形態におけるアンテナ装置とウォッシャーの側面図である。
図3】第1実施形態におけるアンテナ装置とウォッシャーの断面構成図である。
図4】第1実施形態におけるアンテナ装置とウォッシャーであって外装ケースと内装ケースを省略したものの上面図である。
図5】第2実施形態におけるアンテナ装置の斜視図である。
図6】第2実施形態におけるアンテナ装置の側面図である。
図7】第2実施形態におけるアンテナ装置の断面構成図である。
図8】第2実施形態におけるアンテナ装置であって外装ケースと内装ケースを省略したものの上面図である。
図9】第2実施形態におけるアンテナ装置の背面図である。
図10】第2実施形態におけるアンテナ装置であって、外装ケースと、内装ケースと、ベースと、外装パッドが組み上げられる前の状態を示す斜視図である。
図11】第2実施形態におけるアンテナ装置であって、外装ケースと、ベースに取り付けられた内装ケースと、外装パッドが組み上げられる前の状態を示す斜視図である。
図12】第3実施形態におけるアンテナ装置の斜視図である。
図13】第3実施形態におけるアンテナ装置の側面図である。
図14】第3実施形態におけるアンテナ装置の断面構成図である。
図15】第3実施形態におけるアンテナ装置であって外装ケースと内装ケースを省略したものの上面図である。
図16】第3実施形態におけるアンテナ装置の背面図である。
図17】第4実施形態におけるアンテナ装置であって外装ケースと内装ケースを省略したものの上面図である。
図18】第4実施形態におけるアンテナ装置の背面図である。
図19】第5実施形態におけるアンテナ装置の断面構成図である。
図20】第5実施形態におけるアンテナ装置の背面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、第1実施形態について、図を用いて説明する。第1実施形態におけるアンテナ装置1は、ルーフ100など車両の上面に取り付けられ、アンテナケース2、アンテナ部3、撮像部4、ベース5、取付金具7を備える。
第1実施形態における当該車両は、アンテナ装置1と、さらに、ルーフ100上であってアンテナ装置1と離れた位置に設けられ、アンテナ装置1におけるカメラ用開口21とレンズ43の少なくとも一方がある領域に向けて、液体と気体の少なくとも一方を噴射させるウォッシャー9とを備える(図1図4参照)。
【0014】
方向を説明するために、アンテナ装置1が取り付けられる車両の前後方向をx方向、x方向と垂直な左右方向をy方向、x方向とy方向に垂直な略鉛直方向をz方向として説明する。図1において、xyz軸のそれぞれの矢印が指し示す方向をそれぞれ前方向、右方向、上方向と定義する。
【0015】
アンテナケース2は、アンテナ装置1を構成する部材を覆う部材で、外装ケース2a、外装パッド2b、内装ケース2cを有する。
外装ケース2aと内装ケース2cとで、いわゆる二重ケース構造となっており、内装ケース2cとベース5と撮像部4とで、少なくともベース5の上面における防水が確保される。
【0016】
外装ケース2aは、非透光性と電波透過性を有する合成樹脂製(ポリカーボネート(Polycarbonate)とASA(Acrylate Styrene Acrylonitrile)を含む合成樹脂などで形成された樹脂成型品)であり、例えば、x方向前側がx方向後側よりも低くなるように傾斜し、両側面が内側に湾曲したシャークフィン形状を有する。
外装ケース2aは、下面が開口し、アンテナ装置1を構成する部材であって、外装ケース2a以外のもの(内装ケース2c、アンテナ部3、撮像部4など)を、z方向上方から覆う。
【0017】
外装ケース2aには、内壁からz方向下方に突出するように、ベース5への取り付け用の第1係止爪2a1が設けられ、外装ケース2aをベース5に固定する際に、第1係止爪2a1は、ベース5に設けられた第2係止爪5aと係合する。
【0018】
外装ケース2aの背面には、レンズ43に光を入射させて、車両の後方を撮影するため、後述するカメラ本体41のレンズ43及びその近傍を覆わないように、カメラ用開口21が設けられる。
【0019】
カメラ用開口21は、外装ケース2aの背面における左右略中心を通るxz平面上に設けられる。
カメラ用開口21が、外装ケース2aの背面における左右略中心を通るxz平面上を通る位置関係に配置されるため、当該左右略中心から撮影が可能になり、左右のバランスが取れた状態で広範囲の画像を撮影することが可能になる。
また、カメラ用開口21が、外装ケース2aの背面における左右略中心からずれたxz平面上を通る位置関係に配置される形態に比べて、外装ケース2aの背面における左右略中心を通るxz平面上にカメラ本体41など大きな部材を配置出来るので、アンテナ装置1を低背化しやすい。
【0020】
外装パッド2bは、エラストマー(Elastomer)やゴムなどで形成された環状の弾性部材であり、外装ケース2aの下端周縁部に嵌入され、外装ケース2aの下端周縁部と車両との間の隙間の目隠しとして機能する。
外装パッド2bの下端であって、x方向後側の端部には、外装ケース2aと内装ケース2cの間に浸入した水の排出口として、排水切欠き2b1が設けられる。
【0021】
内装ケース2cは、下面と背面が開口し、アンテナ部3におけるアンテナケーブル35の一部(アンテナ基板33と接続される部分とベース開口5bに挿入される部分の間の領域)と、アンテナ素子31と、撮像部4におけるカメラケーブル45の一部(カメラ本体41と接続される部分とベース開口5bに挿入される部分の間の領域)を、z方向上方から覆う。
【0022】
内装ケース2cの背面における開口した部分には、ブラケット2c1とパッキンを介して、カメラ本体41が取り付けられ、当該ブラケット2c1と当該パッキンによって、内装ケース2cとカメラ本体41の間が密閉される。
【0023】
内装ケース2cは、非透光性と電波透過性を有する合成樹脂製(ポリカーボネート(Polycarbonate)とASA(Acrylate Styrene Acrylonitrile)を含む合成樹脂などで形成された樹脂成型品)である。
内装ケース2cの下端部には、ベース5とネジ止めするために使用されるネジ孔が設けられる。
【0024】
アンテナ部3は、アンテナ素子31、アンテナ基板33、アンテナケーブル35を有する。
【0025】
アンテナ素子31は、衛星放送受信用の平面アンテナなどで構成される形態であってもよいし、AM/FM放送の受信用に上部エレメントと下部エレメントとで構成される形態であってもよく、アンテナ基板33を介してベース5に取り付けられる。
第1実施形態では、ベース5にアンテナ基板33が取り付けられ、無給電素子が上面に配置され、受信周波数が2.4GHzであるパッチアンテナを含むアンテナ素子31がアンテナ基板33に実装される形態を説明するが、アンテナ素子31は、内装ケース2c若しくは外装ケース2aの内壁に取り付けられる形態であってもよい。
【0026】
アンテナケーブル35は、アンテナ基板33に設けられたアンテナアンプに電力を供給したり、アンテナ素子31で得られた信号を出力したりするために使用される。
アンテナ基板33から延びるアンテナケーブル35は、ベース開口5b、第1開口101を通って、ルーフ100のz方向下方に延びる。
【0027】
撮像部4は、CMOSなどの撮像素子を含むカメラ本体41、レンズ43、カメラケーブル45、カバー47を有する。
撮像部4は、カメラ本体41における撮像素子の撮像面が車両の後方を向くように配置される。
カメラ本体41で得られる画像信号は、動画像に対応するものであっても静止画像に対応するものであってもよい。
カメラ本体41における、回路基板や撮像素子を保持すると共に、レンズ43が設けられる略x方向後側以外を覆う筐体は、シールド導体を兼ねた金属(例えば、アルミニウム)で構成される。
【0028】
カメラ本体41の略x方向後側には、撮像素子の撮像面と対向するようにレンズ43が設けられる。
カメラ用開口21を介して、カメラ本体41のレンズ43に当該後方からの光が入射する。
カメラ本体41とレンズ43は、外装ケース2aのカメラ用開口21と対向する位置、すなわち、外装ケース2aの背面における左右略中心を通るxz平面上で且つカメラ用開口21と同じ高さの位置になるように、配置される。
カメラ用開口21、カメラ本体41、及びレンズ43が、いずれも外装ケース2aの背面における左右略中心を通るxz平面上を通り、略同じ高さの位置関係に配置されるため、カメラ用開口21からレンズ43に光を導く導光路を設ける必要がなく、必要最小限の大きさでアンテナ装置1に撮像部4を構成することが可能になる。
【0029】
ただし、カメラ本体41とレンズ43が、外装ケース2aのカメラ用開口21と対向しない位置に配置される形態であってもよい。
この場合には、カメラ用開口21とレンズ43の間を連結する筒状の導光路が設けられ、当該導光路の中にミラーなどの導光部材が設けられる形態であってもよい。
これによって、アンテナ装置1内におけるカメラ本体41などの配置の自由度を高めることが出来る。
後述するウォッシャー9の噴射部91から、当該導光部を介して、レンズ43がある領域まで、噴射媒体が噴射される。
【0030】
カメラ本体41に電力や制御信号を供給したり、カメラ本体41で得られた画像信号を出力したりするために使用されるカメラケーブル45は、カメラ本体41の略x方向前側から、パッキン、ブラケット2c1、内装ケース2c、ベース開口5b、第1開口101を通って、ルーフ100のz方向下方に延びる。
【0031】
カメラ本体41から延びるカメラケーブル45は、撮像素子の撮像面に垂直な略x方向で且つ略x方向前側に直線的に延び、ベース開口5bの上方近傍でz方向下側に折り曲げられてz方向下側に延びる。
【0032】
レンズ43の略x方向後側と側面を覆う領域には、レンズ43の保護のため、透光性を有する合成樹脂で形成されたカバー47が設けられる。
カバー47は、カメラ本体41とでレンズ43を密閉するように、カメラ本体41にネジ47aなどで着脱可能な状態で取り付けられる。
すなわち、カメラ用開口21とレンズ43の間には、カバー47が配置される。
【0033】
なお、レンズ43がカバー47で覆われる形態を説明するが、カメラ用開口21がカバー47で覆われる形態や、カメラ用開口21とレンズ43がカバー47で覆われる形態であってもよい。
また、カバー47は、カメラ本体41に取り付けられる形態に限らず、外装ケース2a(の内壁など)に取り付けられる形態であってもよい。
【0034】
カバー47の表面の一方若しくは両方には、透明の導電性フィルムが貼り付けられる。
当該導電性フィルムが、カバー47の内側面、すなわちレンズ43と対向する側の面に貼り付けられた場合には、噴射部91から当てられる噴射媒体によって導電性フィルムが傷むのを防ぐことが出来る。
【0035】
また、カバー47が、金属を含んだ透明のプラスチックで構成された形態(例えば、微細な銀粉などの金属粉を混ぜ込んだプラスチック、極めて細い金属線の網をカバー47における少なくともレンズ43と対向する位置に埋め込まれたプラスチックなど)であってもよい。
当該透明のプラスチックに混ぜ込む金属粉は、カメラ用開口21を介して入射した光がレンズ43に到達するのを妨害せず、カメラ本体41で得られる画像に写らない程度の大きさの粉状物で構成されるのが望ましい。
当該金属線の網は、カメラ用開口21を介して入射した光がレンズ43に到達するのを妨害せず、カメラ本体41で得られる画像に写らない程度の細さの金属線で構成されるのが望ましい。
【0036】
導電性フィルムが貼り付けられたカバー47、及び金属を含んだ透明プラスチックで構成されたカバー47は、シールド導体であり、カメラ本体41から発生しレンズ43がある側から漏れ出るノイズの影響がアンテナ部3(アンテナ素子31やアンテナケーブル35)に及びにくくする(ノイズの放射を抑制する、ノイズを遮断する)ことが出来る。
【0037】
また、カメラ本体41におけるレンズ43が設けられる側(略x方向後側で、カバー47で覆われる部分)以外は、前述の金属製の筐体によって、シールドされ、カバー47によって、カメラ本体41におけるレンズ43が設けられる側がシールドされる。
【0038】
ベース5は、アルミニウム等の金属製ベースで、略矩形形状を有する。
ベース5は、外装ケース2aの第1係止爪2a1と係合して外装ケース2aを係止する第2係止爪5aを外周部に有する。
【0039】
ベース5の上面には、アンテナ基板33と内装ケース2cが取り付けられる。
ベース5には、ベース開口5bが設けられ、アンテナケーブル35とカメラケーブル45は、ベース開口5bを通って、アンテナ装置1からルーフ100のz方向下側に延びる。
【0040】
カメラ本体41は、不図示のアースプレートを介して、ベース5に接続され、カメラ本体41が接地される。
カメラ本体41とベース5とのアース接続は、ブラケット21c若しくはカメラケーブル45を介して行われる形態であってもよい。
【0041】
なお、ベース5が樹脂で構成される形態であってもよい。
この場合、ベース5が金属で構成される形態に比べて、軽量化や低コスト化を実現しやすくなる。
また、カメラ本体41の接地は、カメラケーブル45の一部をルーフ100に接続する、若しくは、プレート(不図示)を使ってカメラ本体41の外部に設けられた基板(不図示)と接続することにより行われる。
【0042】
車両のルーフ100には、ベース5からz方向下方向に延びるボルトなど取付部材とアンテナケーブル35とカメラケーブル45が通る第1開口101と、ウォッシャー9の噴射部91若しくはホース92が通る第2開口102とが設けられる。
ベース5のルーフ100の上面への固定は、キャプチャーファスナーや爪付きワッシャーやナットなどの取付金具7を使って行われる。
噴射部91のルーフ100の上面への固定は、噴射部91に取り付けられたホース92がルーフ100の上方から第2開口102に挿入され、噴射部91を第2開口102に掛け止めするなどして行われる。
【0043】
ウォッシャー9は、水や洗浄液などの液体と空気などの気体の少なくとも一方(噴射媒体)を、カメラ用開口21とレンズ43の少なくとも一方がある領域に向けて噴射させる装置で、噴射部91と、タンク(不図示)と、ポンプ(不図示)と、ホース92を有する。
噴射部91は、ルーフ100上であって、カメラ用開口21よりもx方向後側に設けられた第2開口102からz方向上方に突出するように設けられる。
タンクは、液体と気体の少なくとも一方で構成された噴射媒体を保管する。
ポンプは、当該タンクから噴射媒体を汲み出す。
ホース92は、噴射部91と接続され、当該ポンプによって汲み出された噴射媒体が通る。
ホース92は、柔軟性がある樹脂、或いは、硬質な樹脂、或いは、これらの組み合わせで構成される。
【0044】
噴射部91は、カメラ本体41よりも高さが低い位置に配置される。
噴射部91は、カメラ用開口21とレンズ43の少なくとも一方がある領域、すなわち噴射媒体が噴射される領域と同じ高さか、当該領域よりも高さが低い位置に配置される。
第1実施形態〜第3実施形態、及び第5実施形態では、噴射部91は、当該領域よりも高さが低い位置に配置され、第4実施形態では、噴射部91は、当該領域と同じ高さの位置に配置される。
【0045】
第1実施形態では、外装ケース2aよりもx方向後側で、且つ外装ケース2aから離れた位置関係で、噴射部91が車両のルーフ100に取り付けられる。
また、撮像部4で撮像され、映像出力装置(不図示)で出力される画像に、噴射部91が映り込まないように、噴射部91と撮像部4の位置関係、撮像部4の画角、映像出力装置で表示する画像領域などが決定される。
【0046】
噴射部91から、カメラ用開口21とレンズ43の少なくとも一方がある領域、すなわちカバー47(カバー47が無い場合はレンズ43)など、カメラ本体41の撮像面側に設けられた部材に向けて噴射媒体が噴射され、これにより当該部材の汚れを洗浄したり当該部材に付着したゴミを除去したりすることが可能になる、すなわち、撮像部4で得られる画像をゴミや汚れが無い鮮明な画像にすることが可能になる。
【0047】
カバー47が設けられている場合には、カバー47によって、カメラ本体41やレンズ43に噴射部91から高圧の噴射媒体が当たらないため、カメラ本体41やレンズ43が直接噴射媒体に当たって、カメラ本体41やレンズ43が傷ついたり、噴射媒体がカメラ本体41に浸入したりするのを防ぐことが出来る。
また、カバー47は、着脱可能な状態で、カメラ本体41に取り付けられるので、既存のカバー47が汚れた場合などに、当該既存のカバー47を新しいカバー47に取り替えることも可能である。
【0048】
噴射部91が、カメラ用開口21とレンズ43の少なくとも一方がある領域と比べて同じか低い位置に配置されるので、噴射媒体を横から若しくは下から当該領域に噴射させることが可能になり、ウォッシャー9の噴射部91を当該領域よりも高い位置に配置して、噴射媒体を上から噴射させる形態に比べて、噴射媒体の経路(ホース92の長さ)を短くすることが可能になる。
【0049】
また、アンテナケース2から離れた位置に、噴射部91やホース92が設けられるので、噴射部91やホース92に流れる噴射媒体によるアンテナ素子31の干渉を抑制することが出来る。
なお、アンテナ素子31から第1距離d1(アンテナ素子31の受信周波数の略λ/4)よりも離れた位置に、噴射部91やホース92が設けられた場合には、噴射部91がアンテナ素子31よりもz方向上方に位置しても、噴射部91やホース92に流れる噴射媒体によってアンテナ素子31の干渉が生じる可能性は少ない。
【0050】
また、噴射媒体として、温めた状態の液体若しくは気体を使えば、カメラ用開口21がある領域が凍結していても、これを早期に融解させることが出来る。
【0051】
次に、第2実施形態について説明する(図5図11参照)。
第1実施形態では、アンテナケース2から離れて、噴射部91が配置されるが、第2実施形態では、アンテナケース2に噴射部91が取り付けられる。
以下、第1実施形態と異なる点を中心に説明する。
【0052】
第2実施形態におけるアンテナ装置1は、ルーフ100など車両の上面に取り付けられ、アンテナケース2、アンテナ部3、撮像部4、ベース5、取付金具7、ウォッシャー9を備え、第2実施形態における外装ケース2aのx方向後側には、噴射部91を保持するウォッシャー保持部2dが設けられる。
【0053】
ウォッシャー保持部2dは、噴射部91が取り付けられる孔を有する底面部2d1と、底面部2d1におけるy方向右側端でz方向上方に延びる右側面部2d2と、底面部2d1におけるy方向左側端でz方向上方に延びる左側面部2d3を有し、底面部2d1におけるx方向前側端は、外装ケース2aの背面に接続される。
【0054】
ウォッシャー保持部2dは、外装ケース2aと一体的に構成される形態であってもよいし、別体で外装ケース2aに取り付けられる形態であってもよい。
【0055】
外装パッド2bは、外装ケース2aと対向する部分だけでなく、ウォッシャー保持部2dと対向する部分にも設けられ、ウォッシャー保持部2dの底面部2d1における噴射部91が取り付けられる孔に対向する位置にホース92が通る孔を備える。
【0056】
右側面部2d2及び左側面部2d3における噴射部91のy方向の側面が対向する領域が底面部2d1よりもz方向上方に突出する量は、噴射部91が底面部2d1よりもz方向上方に突出する量よりも多くなるように、右側面部2d2、左側面部2d3、及び噴射部91の大きさや位置関係が決定される。
【0057】
噴射部91のルーフ100の上面への固定は、噴射部91に取り付けられたホース92が、底面部2d1の上方から、底面部2d1の孔と外装パッド2bの孔とルーフ100の第2開口102に挿入され、噴射部91を底面部2d1の孔に掛け止めするなどして行われる。
なお、第2開口102を設けずに、ホース92を、ベース5の上であって、且つアンテナ素子31よりもz方向下側の領域に配置して、ベース開口5bと第1開口101を通って、ルーフ100のz方向下側に引き出される形態であってもよい。
【0058】
アンテナケース2に噴射部91が設けられることにより、アンテナケース2から離れた位置に噴射部91が設けられる形態に比べて、走行中の風が噴射部91に当たりにくくなり、噴射部91による風切り音の発生を抑制することが可能になる。
また、右側面部2d2と左側面部2d3により、噴射部91のy方向の側面を覆うので、横風によって噴射部91から噴射される噴射媒体がy方向にずれるのを防ぐことが可能になる。
また、ホース92がアンテナケース2の内側を通るので、アンテナケース2の外側にホース92が通る形態に比べて、アンテナケーブル35などと一緒に配線しやすく出来る。
【0059】
次に、第3実施形態について説明する(図12図16参照)。
第1実施形態では、アンテナケース2から離れて噴射部91が構成され、第2実施形態では、外装ケース2aの背面に設けられたウォッシャー保持部2dに噴射部91が取り付けられるが、第3実施形態では、外装ケース2aの背面に噴射部91が取り付けられる。
以下、第1実施形態、及び第2実施形態と異なる点を中心に説明する。
【0060】
第3実施形態におけるアンテナ装置1は、ルーフ100など車両の上面に取り付けられ、アンテナケース2、アンテナ部3、撮像部4、ベース5、取付金具7、ウォッシャー9を備え、第3実施形態における外装ケース2aには、カメラ用開口21に加えて、ウォッシャー用開口22が設けられる。
【0061】
カメラ用開口21は、外装ケース2aの背面における左右略中心を通るxz平面上に設けられ、ウォッシャー用開口22は、外装ケース2aの背面における左右略中心を通るxz平面上であって、カメラ用開口21よりも下方に設けられる。
噴射部91は、先端(ノズルがある部分)が、ウォッシャー用開口22からx方向後側に突出するように取り付けられる。
【0062】
ホース92は、ベース5の上であって、アンテナ素子31よりもz方向下側の領域を通り、ベース開口5bと第1開口101を通って、ルーフ100のz方向下側に延びる。
従って、第3実施形態では、ルーフ100に第2開口102は設けられない。
【0063】
第3実施形態では、アンテナケース2の内部に、噴射部91とホース92が配置され、ホース92が第1開口101を通って配置されるため、ルーフ100に設けた1つの開口(第1開口101)を使って、ウォッシャー9を含むアンテナ装置1をルーフ100に取り付けることが可能になる。
【0064】
アンテナケース2に噴射部91が設けられることにより、アンテナケース2から離れた位置に噴射部91が設けられる形態に比べて、走行中の風が噴射部91に当たりにくくなり、噴射部91による風切り音の発生を抑制することが可能になる。
【0065】
ホース92は、第1開口101を通って、z方向下側に配線されるため、アンテナ素子31とホース92との距離dは短くなるが、ウォッシャー9(噴射部91、ホース92)はアンテナ素子31よりもz方向下側に位置するため、噴射部91やホース92に流れる噴射媒体によるアンテナ素子31の干渉を抑制することが出来る。
【0066】
次に、第4実施形態について説明する(図17図18参照)。
第1実施形態〜第3実施形態では、カメラ用開口21とカメラ本体41とレンズ43が、外装ケース2aの背面における左右略中心を通るxz平面上を通る位置関係に配置される形態を説明したが、第3実施形態では、カメラ用開口21とカメラ本体41とレンズ43が、外装ケース2aの背面における左右略中心からずれたxz平面上を通る位置関係に配置される。
以下、第1実施形態〜第3実施形態と異なる点を中心に説明する。
【0067】
第4実施形態におけるアンテナ装置1は、ルーフ100など車両の上面に取り付けられ、アンテナケース2、アンテナ部3、撮像部4、ベース5、取付金具7、ウォッシャー9を備え、第4実施形態におけるカメラ用開口21とカメラ本体41とレンズ43は、外装ケース2aの背面における左右略中心からx方向後側から見てy方向右側にずれたxz平面上を通る位置関係に配置される。
【0068】
これにより、x方向後側から見てy方向左側(撮像部4が設けられていない側)に空きスペースが出来るので、空きスペースに他の部品を配置することが可能になる。
例えば、ウォッシャー用開口22を、カメラ用開口21と同じ高さで、x方向後側から見てy方向左側に設け、すなわち、噴射部91を、カメラ用開口21とレンズ43の少なくとも一方がある領域と同じ高さに配置し、x方向後側から見てy方向左側から噴射媒体をカメラ用開口21(x方向後側から見てy方向右側)に向けて噴射させることが可能になる。
この場合でも、噴射部91やホース92に流れる噴射媒体によるアンテナ素子31の干渉を抑制するため、アンテナ素子31から第1距離d1(アンテナ素子31の受信周波数の略λ/4)の範囲内では、噴射部91やホース92をアンテナ素子31よりも高さが低い位置に配置するのが望ましい。
【0069】
次に、第5実施形態について説明する(図19図20参照)。
第1実施形態〜第4実施形態では、噴射部91のノズルがアンテナケース2の外側に配置され、アンテナケース2の外側からカメラ用開口21とレンズ43の少なくとも一方がある領域に向けて噴射媒体が噴射されるが、第5実施形態では、噴射部91のノズルがアンテナケース2の内側に配置され、アンテナケース2の内側(外装ケース2aと内装ケース2cの間の領域)でレンズ43がある領域に向けて噴射媒体が噴射される。
以下、第4実施形態と異なる点を中心に説明する。
【0070】
第5実施形態におけるアンテナ装置1は、ルーフ100など車両の上面に取り付けられ、アンテナケース2、アンテナ部3、撮像部4、ベース5、取付金具7、ウォッシャー9を備える。
第5実施形態における内装ケース2cとベース5の間、内装ケース2cとカメラ本体41の間、及びカメラ本体41とカバー47の間は、パッキンや防水パッドを用いて、防水可能な密閉構造とされる(第1実施形態〜第4実施形態における当該領域についても、防水可能な密閉構造とされていてもよい)。
少なくとも先端のノズルが、外装ケース2aと内装ケース2cの間に配置された状態で、噴射部91はベース5などに取り付けられる。
第5実施形態では、第4実施形態と比べて、外装ケース2aの背面の下部は、x方向後側に突出した形状を有し、カバー47は、噴射部91のノズルよりもx方向前側に位置するように配置される。
【0071】
これにより、外部から見えにくい状態で、アンテナ装置1に撮像部4の洗浄のためのウォッシャー9を配置することが可能になって、アンテナ装置1の見栄えが良くなる。
噴射部91から発せられる噴射媒体の一部は、カバー47で反射して外装ケース2aの内部に落ちる可能性があるが、アンテナ素子31やカメラ本体41の撮像素子などの電子部品が配置された内装ケース2cとベース5の間の密閉空間(二重ケース構造の内側空間)には浸入せず、排水切欠き2b1を介して外装ケース2aの外側に排出される。
【0072】
なお、第1実施形態〜第5実施形態では、アンテナ素子31がx方向前側に配置され、カメラ本体41がx方向後側に配置され、カメラ本体41よりもx方向後側にウォッシャー9が配置される形態を説明したが、アンテナ素子31とカメラ本体41の位置関係はこれに限るものではなく、例えば、アンテナ素子31がx方向後側に配置され、撮像素子の撮像面が車両の前方を向くカメラ本体41がx方向前側に配置される形態であってもよい。
この場合には、ウォッシャー9は、カメラ本体41よりもx方向前側に配置される。
【符号の説明】
【0073】
1 アンテナ装置
2 アンテナケース
2a 外装ケース
2a1 第1係止爪
2b 外装パッド
2b1 排水切り欠き
2c 内装ケース
2c1 ブラケット
2d ウォッシャー保持部
2d1 底面部
2d2 右側面部
2d3 左側面部
21 カメラ用開口
22 ウォッシャー用開口
3 アンテナ部
31 アンテナ素子
33 アンテナ基板
35 アンテナケーブル
4 撮像部
41 カメラ本体
43 レンズ
45 カメラケーブル
47 カバー
47a ネジ
5 ベース
5a 第2係止爪
5b ベース開口
7 取付金具
9 ウォッシャー
91 噴射部
92 ホース
100 ルーフ
101 第1開口
102 第2開口
d アンテナ素子と噴射部やホースの距離
d1 第1距離
図1
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図5
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