(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第1工程では、前記2個のモーターそれぞれの前記実効負荷の算出結果が上限値以下となるまで、前記加減速パターンが示す加速度、減速度、加速時間および減速時間の少なくとも1つを減らしつつ前記実効負荷算出処理を繰り返し、
前記第2工程では、前記2個のモーターそれぞれの前記実効負荷の算出結果が上限値以下となった際の前記加減速パターンで前記2個のモーターを動作させると決定する請求項1に記載のモーター動作決定方法。
前記第1工程では、前記対象期間での前記可動ユニットの前記可動方向における位置に応じて前記可動ユニットの重量を前記2個のモーターに配分した結果に基づき、前記2個のモーターそれぞれの前記実効負荷を算出する請求項1または2に記載のモーター動作決定方法。
部品実装を実行する可動ユニットを所定の可動方向に移動可能に支持するビームの両端部を、前記可動方向と交差する駆動方向に駆動する2個のモーターの動作を決定する演算を実行するモーター動作決定装置であって、
前記部品実装の手順に従って前記可動ユニットを移動させるために前記2個のモーターを動作させた際の対象期間における前記2個のモーターそれぞれの実効負荷を、前記対象期間における前記可動ユニットの前記可動方向における位置に応じて算出する実効負荷算出部と、
前記2個のモーターそれぞれの前記実効負荷の算出結果に基づき、前記部品実装を実行する際の前記2個のモーターの動作を決定する動作決定部と
を備え、
前記実効負荷算出部は、所定の加減速パターンに従って前記2個のモーターを動作させた際の前記2個のモーターそれぞれの前記実効負荷を算出する実効負荷算出処理を実行し、
前記動作決定部は、前記実効負荷算出処理の結果に基づき前記2個のモーターの動作を決定するモーター動作決定装置。
部品実装を実行する可動ユニットを所定の可動方向に移動可能に支持するビームの両端部を、前記可動方向と交差する駆動方向に駆動する2個のモーターの動作を決定する演算を実行するモーター動作決定装置であって、
前記部品実装の手順に従って前記可動ユニットを移動させるために前記2個のモーターを動作させた際の対象期間における前記2個のモーターそれぞれの実効負荷を、前記対象期間における前記可動ユニットの前記可動方向における位置に応じて算出する実効負荷算出部と、
前記2個のモーターそれぞれの前記実効負荷の算出結果に基づき、前記部品実装を実行する際の前記2個のモーターの動作を決定する動作決定部と
を備え、
前記実効負荷算出部は、前記対象期間での前記可動ユニットの前記可動方向における位置に応じて前記可動ユニットの重量を前記2個のモーターに配分した結果に基づき、前記2個のモーターそれぞれの前記実効負荷を算出し、
前記可動ユニットは、始点から移動を開始して終点で停止する移動動作を前記対象期間にN(Nは2以上の整数)回実行し、
前記実効負荷算出部は、前記移動動作での前記可動ユニットの前記可動方向における移動範囲を代表する代表位置を前記N回の移動動作それぞれについて求めて加算した値を前記Nで除算した平均位置に応じて、前記可動ユニットの重量を前記2個のモーターに配分した結果に基づき、前記2個のモーターそれぞれの前記実効負荷を算出するモーター動作決定装置。
部品実装を実行する可動ユニットを所定の可動方向に移動可能に支持するビームの両端部を、前記可動方向と交差する駆動方向に駆動する2個のモーターの動作を決定する演算を実行するモーター動作決定装置であって、
前記部品実装の手順に従って前記可動ユニットを移動させるために前記2個のモーターを動作させた際の対象期間における前記2個のモーターそれぞれの実効負荷を、前記対象期間における前記可動ユニットの前記可動方向における位置に応じて算出する実効負荷算出部と、
前記2個のモーターそれぞれの前記実効負荷の算出結果に基づき、前記部品実装を実行する際の前記2個のモーターの動作を決定する動作決定部と
を備え、
前記実効負荷算出部は、前記対象期間での前記可動ユニットの前記可動方向における位置に応じて前記可動ユニットの重量を前記2個のモーターに配分した結果に基づき、前記2個のモーターそれぞれの前記実効負荷を算出し、
前記可動ユニットは、始点から移動を開始して終点で停止する移動動作を前記対象期間にN(Nは2以上の整数)回実行し、
前記実効負荷算出部は、前記移動動作で加速中の前記可動ユニットの前記可動方向における移動範囲を代表する加速時代表位置を前記N回の移動動作それぞれについて求めて加算した値を前記Nで除算した加速時平均位置に応じて、加速中の前記可動ユニットの重量を前記2個のモーターに配分し、
前記移動動作で等速移動中の前記可動ユニットの前記可動方向における移動範囲を代表する等速時代表位置を前記N回の移動動作それぞれについて求めて加算した値を前記Nで除算した等速時平均位置に応じて、等速移動中の前記可動ユニットの重量を前記2個のモーターに配分し、
前記移動動作で減速中の前記可動ユニットの前記可動方向における移動範囲を代表する減速時代表位置を前記N回の移動動作それぞれについて求めて加算した値を前記Nで除算した減速時平均位置に応じて、減速中の前記可動ユニットの重量を前記2個のモーターに配分した結果に基づき、前記2個のモーターそれぞれの前記実効負荷を算出するモーター動作決定装置。
部品実装を実行する可動ユニットを所定の可動方向に移動可能に支持するビームの両端部を、前記可動方向と交差する駆動方向に駆動する2個のモーターの動作を決定する演算を実行するモーター動作決定装置であって、
前記部品実装の手順に従って前記可動ユニットを移動させるために前記2個のモーターを動作させた際の対象期間における前記2個のモーターそれぞれの実効負荷を、前記対象期間における前記可動ユニットの前記可動方向における位置に応じて算出する実効負荷算出部と、
前記2個のモーターそれぞれの前記実効負荷の算出結果に基づき、前記部品実装を実行する際の前記2個のモーターの動作を決定する動作決定部と
を備え、
前記可動ユニットは、前記部品実装において、部品供給部からピックアップした部品を基板に実装して前記部品供給部に戻るサイクルを繰り返し実行し、
前記実効負荷算出部は、前記サイクルの実行期間を前記対象期間として前記2個のモーターそれぞれの前記実効負荷を前記サイクル毎に算出し、
前記動作決定部は、前記2個のモーターの動作を前記サイクル毎に決定するモーター動作決定装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、部品実装を実行する可動ユニットをX方向に移動可能に支持するビームの両端部を、2個のモーターによりY方向に駆動する部品実装機がある。かかる部品実装機では、X方向における可動ユニットの位置に応じて、各モーターが可動ユニットから受ける重量が変化し、各モーターの実効負荷も変化する。したがって、可動ユニットからの重量の変化によらず、各モーターの実効負荷が過大とならないように制御することが求められる。
【0005】
両モーターは、可動ユニットがそれぞれに最も近接した際に最大重量を受ける。そのため、単純には、最大重量を受けた状態においてもモーターの実効負荷が過大とならないように、可動ユニットの位置によらずモーターの動作を一律に設定することが考えられる。ただし、例えば可動ユニットが両モーターの中央付近で動作する状況では、モーターの動作を過度に抑制することとなり、可動ユニットによる部品実装に要する時間が長くなる。
【0006】
この発明は上記課題に鑑みなされたものであり、部品実装を実行する可動ユニットを所定の可動方向に移動可能に支持するビームの両端部を、可動方向に交差する駆動方向に2個のモーターで駆動するにあたり、モーターの実効負荷が過大となるのを抑えつつ効率的な部品実装を可能とする技術の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係るモーター動作決定方法は、部品実装を実行する可動ユニットを所定の可動方向に移動可能に支持するビームの両端部を、可動方向と交差する駆動方向に駆動する2個のモーターの動作を決定するモーター動作決定方法であって、部品実装の手順に従って可動ユニットを移動させるために2個のモーターを動作させた際の対象期間における2個のモーターそれぞれの実効負荷を、対象期間における可動ユニットの可動方向における位置に応じて算出する第1工程と、2個のモーターそれぞれの実効負荷の算出結果に基づき、部品実装を実行する際の2個のモーターの動作を決定する第2工程とを備える。
【0008】
本発明に係るモーター動作決定プログラムは、部品実装を実行する可動ユニットを所定の可動方向に移動可能に支持するビームの両端部を、可動方向と交差する駆動方向に駆動する2個のモーターの動作を決定する演算をコンピューターに実行させるモーター動作決定プログラムであって、部品実装の手順に従って可動ユニットを移動させるために2個のモーターを動作させた際の対象期間における2個のモーターそれぞれの実効負荷を、対象期間における可動ユニットの可動方向における位置に応じて算出する第1工程と、2個のモーターそれぞれの実効負荷の算出結果に基づき、部品実装を実行する際の2個のモーターの動作を決定する第2工程とを、コンピューターに実行させる。
【0009】
本発明に係るモーター動作決定装置は、部品実装を実行する可動ユニットを所定の可動方向に移動可能に支持するビームの両端部を、可動方向と交差する駆動方向に駆動する2個のモーターの動作を決定する演算を実行するモーター動作決定装置であって、部品実装の手順に従って可動ユニットを移動させるために2個のモーターを動作させた際の対象期間における2個のモーターそれぞれの実効負荷を、対象期間における可動ユニットの可動方向における位置に応じて算出する実効負荷算出部と、2個のモーターそれぞれの実効負荷の算出結果に基づき、部品実装を実行する際の2個のモーターの動作を決定する動作決定部とを備える。
【0010】
このように構成された本発明(モーター動作決定方法、モーター動作決定プログラム、モーター動作決定装置)では、部品実装の手順に従って可動ユニットを移動させるために2個のモーターを動作させた際の対象期間における2個のモーターそれぞれの実効負荷が、対象期間における可動ユニットの可動方向における位置に応じて算出される。そして、2個のモーターそれぞれの実効負荷の算出結果に基づき、部品実装を実行する際の2個のモーターの動作が決定される。したがって、可動ユニットの位置によって各モーターにかかる重量の変化に応じて、2個のモーターの動作を適切に決定することができる。その結果、モーターの実効負荷が過大となるのを抑えつつ効率的な部品実装を行うことが可能となっている。
【0011】
具体的には、第1工程では、所定の加減速パターンに従って2個のモーターを動作させた際の2個のモーターそれぞれの実効負荷を算出する実効負荷算出処理を実行し、第2工程では、実効負荷算出処理の結果に基づき2個のモーターの動作を決定するように、モーター動作決定方法を構成しても良い。
【0012】
この際、第1工程では、2個のモーターそれぞれの実効負荷の算出結果が上限値以下となるまで、加減速パターンが示す加速度、減速度、加速時間および減速時間の少なくとも1つを減らしつつ実効負荷算出処理を繰り返し、第2工程では、2個のモーターそれぞれの実効負荷の算出結果が上限値以下となった際の加減速パターンで2個のモーターを動作させると決定するように、モーター動作決定方法を構成しても良い。このように決定された加減速パターンで2個のモーターを動作させることで、モーターの実効負荷が過大となるのを抑えつつ効率的な部品実装を行うことが可能となる。
【0013】
また、第1工程では、対象期間での可動ユニットの可動方向における位置に応じて可動ユニットの重量を2個のモーターに配分した結果に基づき、2個のモーターそれぞれの実効負荷を算出するように、モーター動作決定方法を構成しても良い。かかる構成では、2個のモーターのそれぞれが可動ユニットから受ける重量に応じて、2個のモーターそれぞれの実効負荷が算出され、こうして算出された実効負荷に応じて2個のモーターの動作が決定される。そのため、モーターの実効負荷が過大となるのを抑えつつ効率的な部品実装を行うことが可能となる。
【0014】
また、可動ユニットは、始点から移動を開始して終点で停止する移動動作を対象期間にN(Nは2以上の整数)回実行し、第1工程では、移動動作での可動ユニットの可動方向における移動範囲を代表する代表位置をN回の移動動作それぞれについて求めて加算した値をNで除算した平均位置に応じて、可動ユニットの重量を2個のモーターに配分した結果に基づき、2個のモーターそれぞれの実効負荷を算出するように、モーター動作決定方法を構成しても良い。かかる構成では、上記の平均位置を求めるといった簡単な演算により、2個のモーターのそれぞれが可動ユニットから受ける重量に応じて2個のモーターそれぞれの実効負荷を算出できる。
【0015】
また、可動ユニットは、始点から移動を開始して終点で停止する移動動作を対象期間にN(Nは2以上の整数)回実行し、第1工程では、移動動作で加速中の可動ユニットの可動方向における移動範囲を代表する加速時代表位置をN回の移動動作それぞれについて求めて加算した値をNで除算した加速時平均位置に応じて、加速中の可動ユニットの重量を2個のモーターに配分し、移動動作で等速移動中の可動ユニットの可動方向における移動範囲を代表する等速時代表位置をN回の移動動作それぞれについて求めて加算した値をNで除算した等速時平均位置に応じて、等速移動中の可動ユニットの重量を2個のモーターに配分し、移動動作で減速中の可動ユニットの可動方向における移動範囲を代表する減速時代表位置をN回の移動動作それぞれについて求めて加算した値をNで除算した減速時平均位置に応じて、減速中の可動ユニットの重量を2個のモーターに配分した結果に基づき、2個のモーターそれぞれの実効負荷を算出するように、モーター動作決定方法を構成しても良い。かかる構成では、上記の平均位置を求めるといった簡単な演算により、2個のモーターのそれぞれが可動ユニットから受ける重量に応じて2個のモーターそれぞれの実効負荷を算出できる。しかも、この平均位置は、可動ユニットの加速中、等速移動中および減速中のそれぞれについて個別に求められる。したがって、2個のモーターのそれぞれが可動ユニットから受ける重量をより的確に反映しつつ、2個のモーターそれぞれの実効負荷を算出できる。
【0016】
また、可動ユニットは、部品実装において、部品供給部からピックアップした部品を基板に実装して部品供給部に戻るサイクルを繰り返し実行し、第1工程では、サイクルの実行期間を対象期間として2個のモーターそれぞれの実効負荷をサイクル毎に算出し、第2工程では、2個のモーターの動作をサイクル毎に決定するように、モーター動作決定方法を構成しても良い。このように部品実装においては、部品供給部からピックアップした部品を基板に実装して部品供給部に戻るサイクル毎にモーターの実効負荷を算出して、モーターの動作を決定するのが合理的である。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、モーターの実効負荷が過大となるのを抑えつつ効率的な部品実装を行うことが可能となる。
【発明を実施するための形態】
【0019】
図1は本発明に係る部品実装機を模式的に示す部分平面図である。同図および以下の図では、鉛直方向に平行なZ方向、それぞれ水平方向に平行なX方向およびY方向からなるXYZ直交座標を適宜示す。この部品実装機1は、基台11の上に設けられた一対のコンベア12、12を備える。部品実装機1は、コンベア12によりX方向(基板搬送方向)の上流側から作業位置(
図1の基板2の位置)に搬入した基板2に対してヘッドユニット3により部品Cを実装し、部品実装を完了した基板2をコンベア12により作業位置からX方向の下流側へ搬出する。
【0020】
部品実装機1は、2個のヘッドユニット3それぞれをXY方向に個別に駆動するXY駆動機構4を備える。このXY駆動機構4は、それぞれX方向に平行に延設されてヘッドユニット3をX方向に移動可能に支持する一対のXビーム41、41を有する。各Xビーム41には、X方向に平行に延設されたボールネジ42と、ボールネジ42を回転駆動するXモーター43とが取り付けられている。Xモーター43は、ここの例ではサーボモーターである。そして、ボールネジ42のナットにヘッドユニット3が取り付けられている。さらに、XY駆動機構4は、それぞれY方向に平行に延設された一対のYビーム44、44を有する。各Xビーム41の一端は一方のYビーム44によりY方向に移動可能に支持され、各Xビーム41の他端は他方のYビーム44によりY方向に移動可能に支持される。各Yビーム44には、Xビーム41、41をY方向に駆動するYモーター45が取り付けられている。各Yモーター45は、ここの例ではリニアモーターであり、Xビーム41、41の端に取り付けられた可動子451、451と、Y方向に平行に延設された固定子452とを有する。そして、可動子451と固定子452との間に働く磁力によって可動子451とともにXビーム41がY方向に駆動される。かかるXY駆動機構4によれば、Xモーター43およびYモーター45によって、ヘッドユニット3をXY方向に移動させることができる。
【0021】
部品供給部5は、一対のコンベア12、12のY方向の両側のそれぞれに配設されている。部品供給部5では、X方向に並ぶ複数のテープフィーダー51(以下、単に「フィーダー51」と称する)が着脱可能に装着されている。各フィーダー51は集積回路、トランジスター、コンデンサ等の小片状の部品C(チップ部品)を所定間隔おきに収納したテープをY方向に間欠的に送り出すことによって、テープ内の部品Cを部品供給位置に供給する。
【0022】
ヘッドユニット3は、X方向に平行に配列された複数の実装ヘッド31を有している。各実装ヘッド31はZ方向(鉛直方向)に延びた長尺形状を有し、その下端に係脱可能に取り付けられた吸着ノズルによって部品Cを吸着・保持することが可能となっている。そして、ヘッドユニット3はフィーダー51の上方へ移動して、フィーダー51により供給される部品Cを吸着ノズルで吸着して保持する。それに続いて、ヘッドユニット3は作業位置の基板2の上方に移動して部品Cの吸着を解除することで、基板2に部品Cを実装する。
【0023】
また、部品供給部5とコンベア12との間には、部品認識カメラ6およびノズル保管部7が配置されている。部品認識カメラ6は、部品供給部5において吸着ノズルにより吸着された部品Cを撮像し、部品情報および位置ずれ情報を取得するための画像情報を提供する。この部品撮像は、部品供給部5から基板2への移動中にヘッドユニット3が部品認識カメラ6の上方を通過することで実行される。こうして取得された画像を解析することで、吸着された部品CのXY平面における位置ずれ量および回転角度を求めることが可能となっている。また、上記画像情報から部品Cが吸着ノズルに保持されているか否かを確認することも可能となる。
【0024】
ノズル保管部7は互いに異なる種類の複数の吸着ノズルを保管する機能を有している。部品Cに対応した吸着ノズルを取り付けるように指示された場合、ヘッドユニット3がノズル保管部7の上方まで移動した後に実装ヘッド31が鉛直方向Zに昇降して吸着ノズルを交換する。
【0025】
図2は
図1の部品実装機を備えた部品実装システムの電気的構成の一例を示すブロック図である。この部品実装システムSは、上述の部品実装機1とホストコンピューター9とを備える。部品実装機1は、
図1に示した機械的構成の他に、制御部110、記憶部120および通信部130を備える。制御部110は、CPU(Central Processing Unit)およびRAM(Random Access Memory)等で構成されたプロセッサーであり、部品実装機1の各部を制御する。記憶部120は例えばHDD(Hard Disk Drive)で構成され、基板2に部品Cを実装する手順を規定した実装プログラムPm等を記憶する。また、通信部130は、例えばLAN(Local Area Network)等のネットワークを介してホストコンピューター9から実装プログラムPmや各種データを受信して記憶部120に記憶する。そして、制御部110は実装プログラムPmに従って部品実装を実行する。
【0026】
ホストコンピューター9は例えばパーソナルコンピューターにより構成され、制御部91、記憶部92および通信部93を備える。制御部91は、CPUおよびRAM等で構成されたプロセッサーであり、ホストコンピューター9での演算機能を司る。特に制御部91は最適化プログラムPoを実行することで、後に説明するYモーター動作最適化を協働して実行する実効負荷算出部911および動作決定部912を構築する。記憶部92は例えばHDDで構成され、最適化プログラムPoを記憶する。通信部93は最適化プログラムPoの実行結果として得られた実装プログラムPmや各種データを、ネットワークを介して部品実装機1の通信部130に送信する。
【0027】
制御部91が実行する最適化プログラムPoは、部品実装機1での部品実装の手順を最適化する演算を規定する。特に本実施形態の最適化プログラムPoは、2個のYモーター45の加減速パターンを、次に説明する実装サイクル単位で最適化する処理(Yモーター動作最適化)を実行する。
【0028】
図3は実装サイクルの一例を模式的に示すタイミングチャートである。同図では、横軸が時間を示し、縦軸がヘッドユニット3を駆動するYモーター45の速度を示す。実装サイクルTcは、ヘッドユニット3が部品供給部5から部品Cをピックアップした後に基板2の上方に移動して各部品Cを対応する実装点に実装し、部品供給部5の上方に戻る往復動作である。この実装サイクルTcでは、始点から移動を開始して終点で停止する移動動作L
iを、Yモーター45がヘッドユニット3に繰り返し実行させる。
【0029】
つまり、ヘッドユニット3は4個の実装ヘッド31それぞれに部品Cを保持できるため、ヘッドユニット3は実装サイクルTcにおいて、
・1回目の移動動作L
1…4個の実装ヘッド31のそれぞれに部品Cを吸着したヘッドユニット3が部品供給部5の上方から基板2の第1実装点の上方へ移動する移動動作
・2回目の移動動作L
2…部品Cを第1実装点に実装したヘッドユニット3が第1実装点の上方から第2実装点の上方へ移動する移動動作
・3回目の移動動作L
3…部品Cを第2実装点に実装したヘッドユニット3が第2実装点の上方から第3実装点の上方へ移動する移動動作
・4回目の移動動作L
4…部品Cを第3実装点に実装したヘッドユニット3が第3実装点の上方から第4実装点の上方へ移動する移動動作
・5回目の移動動作L
5…部品Cを第4実装点に実装したヘッドユニット3が第4実装点の上方から部品供給部5の上方へ移動する移動動作
が順番に実行される。さらに、ヘッドユニット3は、全ての部品Cを基板2に実装するまで実装サイクルTcを繰り返すことで、部品実装を完了する。この際、Yモーター45は所定の加減速パターンでヘッドユニット3を加減速することでヘッドユニット3に移動動作L
iを実行させる。
【0030】
図4はYモーターの加減速パターンの一例を模式的に示すタイミングチャートである。この加減速パターンは、始点から移動を開始して終点で停止する移動動作L
iをヘッドユニット3に実行させる際のYモーター45の速度変化を規定する。この加減速パターンに従うと、Yモーター45は、加速期間Ta
iをかけて速度ゼロから加速度αで加速し、目標速度Vtに到達すると等速期間Tl
iの間等速で移動し、等速期間Tlが終了すると減速期間Td
iをかけて減速度βで速度ゼロまで減速する。ここで、減速度βは、減速する際の加速度であり正の値を取る。そして、Yモーター動作最適化では、ヘッドユニット3に移動動作L
iを実行させるYモーター45の加減速パターンの加速度αおよび減速度βを最適化することで、Yモーター45の過熱を抑制しつつ効率的な部品実装の実現を図る。この最適化は、実装サイクル単位で実行される。なお、
図3に示した、各移動動作L
i(i=1〜5)で、加速度αおよび減速度βはそれぞれ共通に設定される。
【0031】
図5はYモーター動作最適化の一例を示すフローチャートである。
図6はYモーター動作最適化の結果の一例を示す図である。
図7はYモーター動作最適化で実行されるヘッドユニットの重量配分の一例を模式的に示す図である。なお、
図6では、5回の実装サイクルTcを繰り返して部品実装を完了する場合が例示されている。また、
図7では、2個のYモーター45のうち、一方のYモーター45に符号45aが付され、他方のYモーター45に符号45bが付されている。
【0032】
ステップS101では、実効負荷算出部911が加減速パターンの加速度αおよび減速度βをデフォルト値に設定する。具体的には、
図6の1回目演算の表に示されるように、加速度αおよび減速度βのそれぞれがデフォルト値である4(G)に設定される。
【0033】
ステップS102では、実効負荷算出部911は、ステップS101で設定した加速度αおよび減速度βに基づき、Yモーター45a、45bそれぞれの実効推力Fcを、次式
Fc=(Σ(Fma
i2+×Ta
i+Fml
i2×Tl
i+Fmd
i2×Td
i)/Tc)
1/2
Fma
i:i番目の移動動作L
iの加速期間Ta
iでの推力
Fml
i:i番目の移動動作L
iの等速期間Tl
iでの推力
Fmd
i:i番目の移動動作L
iの減速期間Td
iでの推力
に基づき求める。なお、Σは、移動動作Lの順番を表す「i」についての加算を示す。また、加速期間推力Fma
i、等速期間推力Fml
iおよび減速期間推力Fmd
iは、次式
Fma
i=負荷質量M×加速度α+動摩擦力
Fml
i=動摩擦力
Fmd
i=負荷質量M×減速度β−動摩擦力
動摩擦力:等速移動に要する一定の推力
で与えられる。
【0034】
さらに、ステップS102では、実装サイクルTcにおけるヘッドユニット3のX方向における位置に基づき、Yモーター45a、45bそれぞれにかかる実質負荷質量を個別に求める。具体的には、実効負荷算出部911は次式に従ってYモーター45a、45bそれぞれにかかる実質負荷質量Mra、Mrbを計算する。
Mra=Mia+Mh×Da/D
Mrb=Mib+Mh×Db/D
【0035】
ここで、イニシャル質量Mia、Mibはそれぞれ、ヘッドユニット3をXビーム41から取り外した状態でYモーター45a、45bにかかる負荷質量であり、ヘッド質量Mhはヘッドユニット3の質量である。また、距離Dは、Yモーター45aの可動子451の重心とYモーター45bの可動子451の重心との間のX方向における距離であり、距離Daは、Yモーター45aの可動子451の重心とヘッドユニット3の重心との間のX方向への距離であり、距離Dbは、Yモーター45bの可動子451の重心とヘッドユニット3の重心との間のX方向への距離である。
【0036】
この際、ヘッドユニット3の重心のX方向における位置としては、移動動作L
iの移動先(終点)のX座標位置x3
iを、5回の移動動作L
iについて加算したΣx3
iを移動動作L
iの回数N(=5)で除算した平均位置Σx3
i/Nを用いる。つまり、Yモーター45aの可動子451の重心のX座標位置x45a
iと、Yモーター45bの可動子451の重心のX座標位置x45b
iとを用いると、
Da=Σx3
i/N−x45a
i
Db=x45b
i−Σx3
i/N
となる。
【0037】
そして、これらの式で求まる配分比(Da/D、Db/D)でヘッドユニット3のヘッド質量Mhを配分することで、Yモーター45a、45bそれぞれにかかる実質負荷質量Mra、Mrbが算出される。さらに、Yモーター45a、45bそれぞれの加速期間推力Fma
i、等速期間推力Fml
iおよび減速期間推力Fmd
iを求めるにあたっては、実質負荷質量Mra、Mrbが負荷質量Mとして用いられる。これによって、実装サイクルTcでのヘッドユニット3のX方向における位置を反映させた実効推力FcがYモーター45a、45bそれぞれについて算出される。
【0038】
実効推力Fcが求まると、実効負荷算出部911は、実効負荷率Rを、次式
R=Fc/Ft
Ft:Yモーター45の定格推力
に基づき算出する(ステップS103)。ステップS102、S103により実効負荷率Rを求める演算は、5回の実装サイクルTcのそれぞれについて求められる。その結果、
図6の1回目演算の表に示すように、1〜5回目の実装サイクルTcのそれぞれについて実効負荷率Rが算出される。なお、同図では、2個のYモーター45a、45bの実効負荷率Rのうち、大きい方の実効負荷率Rが示されている。
【0039】
ステップS104では、実効負荷算出部911は、Yモーター45a、45bの実効負荷率Rが上限値、すなわち100%以下であるかを判断する。
図6の1回目演算の表に示す例では、2、3および5回目の実装サイクルTcでの実効負荷率Rが100%を超えている(ステップS104で「NO」)。そこで、実効負荷算出部911は、ステップS105に進んで、該当する実装サイクルTcでの加減速パターンを変更する。具体的には、
図6の2回目演算の表に示すように、加減速パターンの加速度αおよび減速度βを3.8(G)に減少させる。そして、実効負荷算出部911は、上述と同様にステップS102、S103を実行して実効負荷率Rを再計算し、ステップS104でこれを上限値と比較する。
【0040】
図6の例では、2回目演算の表に示すように、2および5回目の実装サイクルTcの実効負荷率Rは100%以下に収まったが、3回目の実装サイクルTcでの実効負荷率Rは100%を超えている。そこで、実効負荷算出部911は、ステップS105に進んで、
図6の3回目演算の表に示すように、3回目の実装サイクルTcでの加減速パターンの加速度αおよび減速度βを3.6(G)に減少させる。そして、実効負荷算出部911は、上述と同様にステップS102、S103を実行して実効負荷率Rを再計算し、ステップS104でこれを上限値と比較する。その結果、
図6の3回目演算の表に示すように、1〜5回目の実装サイクルTcそれぞれにおいて、実効負荷率Rが100%以下となった(ステップS104で「YES」)。
【0041】
これを受けて、動作決定部912は、実効負荷率Rが100%以下となった際の加減速パターン、すなわち
図6の3回目演算の表に示される加減速パターンに基づき、各実装サイクルTcでYモーター45a、45bを動作させると決定する(ステップS106)。そして、
図5のY軸モーター動作最適化が終了する。
【0042】
以上に説明したように本実施形態では、部品実装の手順に従ってヘッドユニット3を移動させるために2個のYモーター45a、45bを動作させた際の実装サイクルTcにおける2個のYモーター45a、45bそれぞれの実効推力Fcが、実装サイクルTcにおけるヘッドユニット3のX方向における位置に応じて算出される。そして、2個のYモーター45a、45bそれぞれの実効推力Fcの算出結果に基づき、部品実装を実行する際の2個のYモーター45a、45bの動作(加減速パターン)が決定される。したがって、ヘッドユニット3の位置によって各Yモーター45a、45bにかかる重量の変化に応じて、2個のYモーター45a、45bの動作を適切に決定することができる。その結果、Yモーター45a、45bの実効推力Fcが過大となるのを抑えつつ効率的な部品実装を行うことが可能となっている。
【0043】
具体的には、2個のYモーター45a、45bそれぞれの実効推力Fcの算出結果が定格推力Ft以下となるまで、加減速パターンが示す加速度αおよび減速度βを減らしつつステップS102(実効負荷算出処理)を繰り返す。そして、2個のYモーター45a、45bそれぞれの実効推力Fcの算出結果が定格推力Ft以下となった際の加減速パターンで2個のYモーター45a、45bモーターを動作させると決定する。このように決定された加減速パターンで2個のYモーター45a、45bを動作させることで、Yモーター45a、45bの実効推力Fcが過大となるのを抑えつつ効率的な部品実装を行うことが可能となっている。
【0044】
また、ステップS102では、実装サイクルTcでのヘッドユニット3のX方向における位置に応じてヘッドユニット3の重量を2個のYモーター45a、45bに配分した結果に基づき、2個のYモーター45a、45bそれぞれの実効推力Fcを算出している。かかる構成では、2個のYモーター45a、45bのそれぞれがヘッドユニット3から受ける重量に応じて、2個のYモーター45a、45bそれぞれの実効推力Fcが算出され、こうして算出された実効推力Fcに応じて2個のYモーター45a、45bの動作が決定される。そのため、Yモーター45a、45bの実効推力Fcが過大となるのを抑えつつ効率的な部品実装を行うことが可能となっている。
【0045】
また、ヘッドユニット3は、始点から移動を開始して終点で停止する移動動作L
iを実装サイクルTc中にN(Nは2以上の整数)回実行する。ステップS102では、移動動作L
iでのヘッドユニット3のX方向における移動範囲を代表する代表位置(終点)をN回の移動動作L
iそれぞれについて求めて加算した値Σx3
iをNで除算した平均位置Σx3
i/Nに応じて、ヘッドユニット3の重量を2個のYモーター45a、45bに配分する。そして、この配分結果に基づき、2個のYモーター45a、45bそれぞれの実効推力Fcを算出している。かかる構成では、平均位置Σx3
i/Nを求めるといった簡単な演算により、2個のYモーター45a、45bのそれぞれがヘッドユニット3から受ける重量に応じて2個のYモーター45a、45bそれぞれの実効推力Fcを算出できる。
【0046】
また、ヘッドユニット3は、部品実装において、部品供給部5からピックアップした部品Cを基板2に実装して部品供給部5に戻る実装サイクルTcを繰り返し実行する。これに対して、ステップS102では、実装サイクルTcの実行期間を対象として2個のYモーター45a、45bそれぞれの実効推力Fcを実装サイクルTc毎に算出し、ステップS106では、2個のYモーター45a、45bの動作を実装サイクルTc毎に決定する。このように部品実装においては、ヘッドユニット3が実行する実装サイクルTc毎にYモーター45a、45bの実効推力Fcを算出して、Yモーター45a、45bの動作を決定するのが合理的である。
【0047】
このように本実施形態では、
図5のフローチャートが本発明の「モーター動作決定方法」の一例に相当し、ステップS102〜S105が本発明の「第1工程」の一例に相当し、ステップS106が本発明の「第2工程」の一例に相当し、ヘッドユニット3が本発明の「可動ユニット」の一例に相当し、Xビーム41が本発明の「ビーム」の一例に相当し、Yモーター45a、45bが本発明の「2個のモーター」の一例に相当し、X方向が本発明の「可動方向」の一例に相当し、Y方向が本発明の「駆動方向」の一例に相当し、実効推力Fcが本発明の「実効負荷」の一例に相当し、実装サイクルTcの実行期間が本発明の「対象期間」の一例に相当し、ステップS102が本発明の「実効負荷算出処理」の一例に相当し、定格推力Ftが本発明の「上限値」の一例に相当し、移動動作L
iが本発明の「移動動作」の一例に相当し、移動動作L
iの終点(移動先)が本発明の「代表位置」の一例に相当し、平均位置Σx3
i/Nが本発明の「平均位置」の一例に相当し、実装サイクルTcが本発明の「サイクル」の一例に相当し、ホストコンピューター9が本発明の「モーター動作決定装置」の一例に相当し、実効負荷算出部911が本発明の「実効負荷算出部」の一例に相当し、動作決定部912が本発明の「動作決定部」の一例に相当する。
【0048】
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて上述したものに対して種々の変更を加えることが可能である。例えば、上記実施形態では、ヘッドユニット3のヘッド質量MhをYモーター45a、45bそれぞれに配分する比(Da/D、Db/D)を求めるにあたって、実装サイクルTcにおけるヘッドユニット3の平均位置Σx3
i/Nが用いられていた。しかしながら、これら配分比の求め方は上記の例に限られず、適宜変更が可能である。
【0049】
そこで、移動動作L
iにおける加速期間Ta
i、等速期間Tl
iおよび減速期間Td
iそれぞれの期間で個別にヘッドユニット3のヘッド質量Mhを配分して、加速期間推力Fma
i、等速期間推力Fml
iおよび減速期間推力Fmd
iを求めても良い。この例では、加速期間Ta
iで加速中のヘッドユニット3のX方向における移動範囲を代表する加速時代表位置(例えば加速期間Ta
i終了時点でのヘッドユニット3の重心位置)が、N回の移動動作L
iそれぞれについて算出される。そして、これらを加算した値をNで除算した加速時平均位置に基づき分配比(Da/D、Db/D)を算出し、これらの配分比から求められる実質負荷質量Mra、Mrbが、加速期間Ta
iのYモーター45a、45bそれぞれにかかるとして、加速期間推力Fma
iが求められる。
【0050】
また、等速期間Tl
iで等速移動中のヘッドユニット3のX方向における移動範囲を代表する等速時代表位置(例えば等速期間Tl
i終了時点でのヘッドユニット3の重心位置)が、N回の移動動作L
iそれぞれについて算出される。そして、これらを加算した値をNで除算した等速時平均位置に基づき分配比(Da/D、Db/D)を算出し、これらの配分比から求められる実質負荷質量Mra、Mrbが、等速期間Tl
iのYモーター45a、45bそれぞれにかかるとして、等速期間推力Fml
iが求められる。
【0051】
さらに、減速期間Td
iで減速中のヘッドユニット3のX方向における移動範囲を代表する減速時代表位置(例えば減速期間Td
i終了時点でのヘッドユニット3の重心位置)が、N回の移動動作L
iそれぞれについて算出される。そして、これらを加算した値をNで除算した減速時平均位置に基づき分配比(Da/D、Db/D)を算出し、これらの配分比から求められる実質負荷質量Mra、Mrbが、減速期間Td
iのYモーター45a、45bそれぞれにかかるとして、減速期間推力Fmd
iが求められる。
【0052】
そして、これら加速期間推力Fma
i、等速期間推力Fml
iおよび減速期間推力Fmd
iに基づき実効推力Fcを算出することができる。かかる構成では、上記の平均位置を求めるといった簡単な演算により、2個のYモーター45a、45bのそれぞれがヘッドユニット3から受ける重量に応じて2個のYモーター45a、45bそれぞれの実効推力Fcを算出できる。しかも、この平均位置は、ヘッドユニット3の加速中、等速移動中および減速中のそれぞれについて個別に求められる。したがって、2個のYモーター45a、45bのそれぞれがヘッドユニット3から受ける重量をより的確に反映しつつ、2個のYモーター45a、45bそれぞれの実効負荷を算出できる。
【0053】
また、移動動作L
iでのヘッドユニット3の代表位置は、上述の移動先(終点)に限られず、例えば始点と終点との中間点でも良い。加速中、等速移動中および減速中のヘッドユニット3の代表位置も同様である。
【0054】
また、実効推力Fcを求める対象期間は、実装サイクルTcに限られない。したがって、実装サイクルTcより短い期間あるいは長い期間を対象期間として実効推力Fcを求めても良い。
【0055】
また、ステップS105で減少させる加減速パターンのパラメーターは、加速度αおよび減速度βに限られない。具体的には、加速度α、減速度β、加速期間Ta
iおよび減速期間Td
iの少なくとも1つを減少させれば良い。
【0056】
また、加減速パターンにおいて、加速度αと減速度βとを等しくする必要は無い。さらに、同一の実装サイクルTcにおいて各移動動作L
iで加速度αや減速度βを共通にする必要も無い。
【0057】
また、ヘッドユニット3の位置やYモーター45の可動子451の位置を、それぞれの重心で代表していた。しかしながら、ヘッドユニット3の位置やYモーター45の可動子451の位置の取り方はこれに限られない。
【0058】
また、ヘッドユニット3が具備する実装ヘッド31の個数も変更可能である。
【0059】
また、ヘッドユニット3の可動方向とYモーター45の駆動方向が直交している必要も無く、これらが交差していればヘッドユニット3を二次元的に移動させることは可能である。