特許第6862283号(P6862283)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6862283
(24)【登録日】2021年4月2日
(45)【発行日】2021年4月21日
(54)【発明の名称】屎渣処理装置
(51)【国際特許分類】
   C02F 11/12 20190101AFI20210412BHJP
   B01D 33/04 20060101ALI20210412BHJP
   E03F 5/14 20060101ALI20210412BHJP
【FI】
   C02F11/12ZAB
   B01D33/04 F
   E03F5/14
【請求項の数】10
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2017-105917(P2017-105917)
(22)【出願日】2017年5月29日
(65)【公開番号】特開2018-199112(P2018-199112A)
(43)【公開日】2018年12月20日
【審査請求日】2020年3月5日
(73)【特許権者】
【識別番号】598017790
【氏名又は名称】西日本高速道路エンジニアリング九州株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】505398963
【氏名又は名称】西日本高速道路株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100099508
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 久
(74)【代理人】
【識別番号】100182567
【弁理士】
【氏名又は名称】遠坂 啓太
(74)【代理人】
【識別番号】100197642
【弁理士】
【氏名又は名称】南瀬 透
(72)【発明者】
【氏名】橋本 真
【審査官】 富永 正史
(56)【参考文献】
【文献】 実開平02−100654(JP,U)
【文献】 特開2007−021488(JP,A)
【文献】 特開平02−248515(JP,A)
【文献】 特開2007−253020(JP,A)
【文献】 特開平06−000694(JP,A)
【文献】 特開平08−033816(JP,A)
【文献】 特表2016−525942(JP,A)
【文献】 特開平05−076898(JP,A)
【文献】 特開2007−238334(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C02F 11/00−11/20
B01D 33/04
E03F 5/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
トイレ施設で発生する屎尿やトイレットペーパーなどを含む汚物の排出経路内に前記排出経路の下流方向に向かって上り勾配をなす状態で配置され、前記汚物に混入した固形物を掻き上げるベルトコンベア式のスクリーンと、
前記排出経路内の汚物中から前記スクリーンによって掻き上げられ前記スクリーンの頂上部から落下する固形物を回収する屎渣カゴと、を備えた屎渣処理装置において、
前記屎渣カゴに回収された前記固形物に向かって水を噴射する第1噴水手段を備え
前記排出経路は、対向する壁体部と、底面と、を備え、
前記屎渣カゴは、前記排出経路の左右の前記壁体部の内側面に設けられた断面L字状の係止部材の間に着脱可能に嵌め込まれ、
前記屎渣カゴの開口縁部が、前記排水経路の前記底面から前記壁体部の上面までの高さの50%〜60%の高さの部分に位置するように前記屎渣カゴを保持したことを特徴とする屎渣処理装置。
【請求項2】
前記スクリーンの頂上部から落下する前記固形物を前記屎渣カゴに向かって誘導する誘導部材を備えた請求項1記載の屎渣処理装置。
【請求項3】
前記誘導部材に向かって水を噴射する第2噴水手段を備えた請求項2記載の屎渣処理装置。
【請求項4】
前記第1噴水手段、第2噴水手段の少なくとも一方の水噴射方向が変更可能である請求項1〜3の何れかの項に記載の屎渣処理装置。
【請求項5】
前記排出経路に対し、前記第1噴水手段及び前記第2噴水手段が着脱可能である請求項3または4記載の屎渣処理装置。
【請求項6】
前記排出経路を構成する壁体部に立設された垂直軸を中心にして前記第1噴水手段及び前記第2噴水手段が旋回可能である請求項3または4記載の屎渣処理装置。
【請求項7】
前記第1噴水手段及び前記第2噴水手段が前記垂直軸に着脱可能である請求項6記載の屎渣処理装置。
【請求項8】
前記屎渣カゴが、透液性を有する多孔板若しくは網材で形成され、その底面部と周面部との境界に、前記底面部の中心に向かって接近する方向の勾配を有する傾斜面を備えた請求項1〜7の何れかの項に記載の屎渣処理装置。
【請求項9】
前記屎渣カゴを形成する多孔板が、重力に従う方向を長径とする複数の長孔を有する請求項8記載の屎渣処理装置。
【請求項10】
前記屎渣カゴを形成する材料が、撥水性コーティングが施された材料、若しくは、撥水性材料である請求項1〜9の何れかの項に記載の屎渣処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、高速自動車道路のSA(サービスエリア)やPA(パーキングエリア)などのトイレ施設に設置されている浄化槽設備の前処理室に設けられている屎渣処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
高速自動車道路のSAやPAなどのトイレ施設には浄化槽設備が設置され、この浄化槽設備には、利用者がトイレを使用したときに発生する屎尿やトイレットペーパーなどを含む汚物が最初に流れ込む前処理室が設けられている。前処理室内には、浄化槽で処理できない屎渣(トイレから排出される屎尿などの汚物に混入した固形物)を取り除くための荒目スクリーンが配置されている。屎渣としては、ライター、貴金属類、装飾品、携帯電話、スマートホンあるいは生理用品などが一般的である。
【0003】
荒目スクリーンは、突起付きの複数の回転ベルトを有するベルトコンベア式の装置であり、汚物中に混入した固形物を突起付き回転ベルトによって掻き上げる機能を有する。トイレから流れてきた汚物中から荒目スクリーンによって掻き上げられた固形物は、荒目スクリーンの下方に設置された屎渣カゴに回収される。一方、荒目スクリーンを通過した比較的小さな屎渣は、破砕機によって細かく砕かれ、後段に設けられた処理槽へ送られる。
【0004】
ここで、本発明に関連する従来技術として、例えば、特許文献1に記載された「除塵脱水装置」などがある。この「除塵脱水装置」は、流入槽の下部に、押出機を備えた円筒スクリーンを配設し、円筒スクリーンの先端に、内部に搬送機を備えかつ上部から固形異物を取り出すようにした搬送筒を接続すると共に、この搬送筒内に乾燥用空気を吹き込む送風管を接続したことを特徴とするものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平9−220696号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
前処理室に配置されている荒目スクリーン及び屎渣カゴについては日常点検が行われ、このとき清掃及び動作確認も実施されているが、清掃作業の内、特に、屎渣カゴに回収された屎渣の均し作業に多くの労力と時間を要している。
【0007】
即ち、屎渣カゴに回収された屎渣は山状に堆積しており、これをそのまま放置すると、屎渣が溢れて漏出し、この後に配置された破砕機による破砕作業に悪影響を及ぼすので、山状に堆積した屎渣を手作業で均す必要があり、この均し作業に多くの労力と時間を要している。
【0008】
また、荒目スクリーンに付着した屎渣や屎渣カゴに山状に堆積した屎渣の一部が乾燥、固化して、清掃作業(洗い均し作業)の増大を招いたり、屎渣カゴが目詰まりし、本来は破砕機で処理可能なパルプ状のトイレットペーパーが屎渣カゴ内に多量に滞留したりするなどの問題が生じている。
【0009】
さらに、荒目スクリーンや屎渣カゴの清掃作業中は屎尿などの汚物の跳ね返りが発生するので、跳ね返りに含まれる雑菌類が作業者の衣服などに付着して悪影響を及ぼす可能性がある。
【0010】
一方、特許文献1に記載されている「除塵脱水装置」は、下水中に含まれる固形異物から固形汚物を除去し、脱水・乾燥を行う機能を有しているが、下水処理場で使用するための装置であるため、高速自動車道路のSAやPAなどのトイレ施設から発生する屎尿やトイレットペーパーなどを含む汚物中に混入した固形物(例えば、携帯電話、スマートホンあるいは貴金属類など)を分離回収する手段として使用することが困難である。
【0011】
そこで、本発明が解決しようとする課題は、トイレ施設の浄化槽設備の前処理室に配置された屎渣処理装置の点検・清掃作業を容易化及び効率化するとともに、点検・清掃作業中の労働安全衛生環境の向上を図ることができる屎渣処理装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明に係る屎渣処理装置は、トイレ施設で発生する屎尿やトイレットペーパーなどを含む汚物の排出経路内に前記排出経路の下流方向に向かって上り勾配をなす状態で配置され、前記汚物に混入した固形物を掻き上げるベルトコンベア式のスクリーンと、
前記排出経路内の汚物中から前記スクリーンによって掻き上げられ前記スクリーンの頂上部から落下する固形物を回収する屎渣カゴと、を備えた屎渣処理装置において、
前記屎渣カゴに回収された前記固形物に向かって水を噴射する第1噴水手段を備え
前記排出経路は、対向する壁体部と、底面と、を備え、
前記屎渣カゴは、前記排出経路の左右の前記壁体部の内側面に設けられた断面L字状の係止部材の間に着脱可能に嵌め込まれ、
前記屎渣カゴの開口縁部が、前記排水経路の前記底面から前記壁体部の上面までの高さの50%〜60%の高さの部分に位置するように前記屎渣カゴを保持したことを特徴とする。
【0013】
前記屎渣処理装置においては、前記スクリーンの頂上部から落下する前記固形物を前記屎渣カゴに向かって誘導する誘導部材を備えることが望ましい。
【0014】
前記屎渣処理装置においては、前記誘導部材に向かって水を噴射する第2噴水手段を備えることが望ましい。
【0015】
前記屎渣処理装置においては、前記第1噴水手段、第2噴水手段の少なくとも一方の水噴射方向が変更可能であることが望ましい。
【0016】
前記屎渣処理装置においては、前記排出経路に対し、前記第1噴水手段及び前記第2噴水手段が着脱可能である構成とすることができる。
【0017】
一方、屎渣処理装置においては、前記排出経路を構成する壁体部に立設された垂直軸を中心にして前記第1噴水手段及び前記第2噴水手段が旋回可能である構成とすることもできる。
【0018】
前記構成においては、前記第1噴水手段及び前記第2噴水手段が前記垂直軸に着脱可能であることが望ましい。
【0019】
次に、前記屎渣処理装置においては、前記屎渣カゴが、透液性を有する多孔板若しくは網材で形成され、その底面部と周面部との境界に、前記底面部の中心に向かって接近する方向の勾配を有する傾斜面を備えた構成とすることが望ましい。
【0020】
前記構成においては、前記屎渣カゴを形成する多孔板が、重力に従う方向を長径とする複数の長孔を有することが望ましい。
【0021】
前記屎渣処理装置においては、前記屎渣カゴを形成する材料として、撥水性コーティングが施された材料、若しくは、撥水性材料を使用することができる。なお、撥水性コーティングとしては、例えば、ポリテトラフルオロエチレン(商品名:テフロン)コーティングなどが好適である。
【発明の効果】
【0022】
本発明により、トイレ施設の浄化槽設備の前処理室に配置された屎渣処理装置の点検・清掃作業時間の短縮化及び作業の効率化を図るとともに、点検・清掃作業中の労働安全衛生環境の向上を図ることができる屎渣処理装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】本発明の第1実施形態である屎渣処理装置を示す一部省略正面図である。
図2図1中の矢線A方向から見た屎渣処理装置の一部省略平面図である。
図3図1中の矢線B方向から見た屎渣処理装置の一部省略側面図である。
図4図1に示す屎渣処理装置を構成する第1噴水手段及び第2噴水手段への給水経路を示す図である。
図5図1に示す屎渣処理装置を構成する屎渣カゴを示す正面図である。
図6図5中の矢線C方向から見た屎渣カゴの側面図である。
図7図5に示す屎渣カゴの一部省略斜視図である。
図8】本発明の第2実施形態である屎渣処理装置を示す一部省略平面図である。
図9図8中の矢線D方向から見た屎渣処理装置の一部省略正面図である。
図10図8中の矢印X方向から見た支持部材27付近を示す一部省略図である。
図11】旋回操作用治具を示す一部省略図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、図1図11に基づいて、本発明の第1,2実施形態である屎渣処理装置100,200について説明する。
【0025】
初めに、図1図7に基づいて、本発明の第1実施形態である屎渣処理装置100について説明する。図1図3に示す屎渣処理装置100は、高速自動車道路のSAやPAなどのトイレ施設の浄化槽設備の前処理室(図示せず)に配置されるものである。屎渣処理装置100は、排出経路10内に傾斜状態で配置されたベルトコンベア式の荒目スクリーン20と、屎渣カゴ30と、第1噴水手段40と、第2噴水手段50と、を備えている。
【0026】
排出経路10は、トイレ施設で発生する屎尿やトイレットペーパーなどを含む汚物を下流方向(矢印X方向)に沿って所定の処理装置(例えば、破砕機など)に向かって流動させるための経路である。排出経路10は、対向する壁体部14,14と、底面13と、を備えている。
【0027】
荒目スクリーン20は、その下端部20b側を排出経路10の底面13に接地させ、排出経路10内に排出経路10の下流方向(矢印X方向)に向かって上り勾配をなす状態で配置され、トイレ施設で発生する屎尿やトイレットペーパーなどを含む汚物に混入した固形物(図示せず)を掻き上げる機能を有するベルトコンベア式のスクリーンである。図1に示すように、本実施形態においては、荒目スクリーン20の下り勾配の傾斜角度Rを60度に設定しているが、これに限定するものではない。
【0028】
荒目スクリーン20は、排出経路10を横断する方向の2本の回転軸21a,21bと、回転軸21a,21bに掛け渡された複数の回転ベルト22と、回転軸21aを回転駆動するモータ23と、を備えている。それぞれの回転ベルト22には複数の突起(図示せず)が所定間隔に設けられている。
【0029】
屎渣カゴ30は、排出経路10内の汚物中から荒目スクリーン20によって掻き上げられ荒目スクリーン20の頂上部20から落下する固形物を回収するための容器である。図1図3に示すように、複数の第1噴水手段40は、屎渣カゴ30に回収された固形物に向かって水を噴射する機能を有する。第2噴水手段50は、屎渣カゴ30に設けられた誘導部材30xに向かって水を噴射する機能を有する。
【0030】
図1図3に示すように、第1噴水手段40及び第2噴水手段50は、荒目スクリーン20よりも下流側(矢印X方向の下方側)であって、荒目スクリーン20の頂上部20aより低い位置に配置されている。第1噴水手段40は、排出経路10の横断方向に所定間隔を置いて2つ配置されており、第2噴水手段50は、2つの第1噴水手段40の間に配置されている。
【0031】
図1図3に示すように、第1噴水手段40及び第2噴水手段50は、排出経路10を跨ぐような状態で壁体部14,14の上面14a,14aに載置された支持部材17に取り付けられている。支持部材17は、断面L字状のアングル材を組み合わせて形成され、排出経路10を跨ぐ横架部17aと、壁体部14,4の上面にそれぞれ当接する接地部17b,17bと、を有する。横架部17aの両端部分に位置する接地部17b,17b上には、それぞれPETボトル15を着脱可能に載置するためのトレイ部16,16が設けられている。横架部17aの上面には、横架部17aの長手方向に沿って、取っ手18が設けられている。
【0032】
2つの第1噴水手段40は、横架部17aに垂下状に係止された縦軸40aと、縦軸40aに直角交差するように係止された横軸40bと、を介して横架部17aに取り付けられている。第2噴水手段50は、横架部17aに垂下状に係止された縦軸50aと、縦軸50aに斜め交差するように係止された横軸50bと、を介して横架部17aに取り付けられている。
【0033】
横架部17aに対する縦軸40a,50aの係止位置、並びに、縦軸40a,50aに対する横軸40b,50bの係止角度はそれぞれ変更可能であるため、前記係止位置や前記係止角度を変更することにより、2つの第1噴水手段40の配置高さ、及び、第1噴水手段40からの水噴射方向はそれぞれ変更可能である。2つの第1噴水手段40はそれぞれ水が円錐状に拡散するように噴射する機能を有する。
【0034】
前述したように、第1噴水手段40及び第2噴水手段50は、支持部材17に一体的に取付けられており、支持部材17は排出経路10を跨ぐような状態で壁体部14,14の上面14a,14aに載置されている。このため、第1噴水手段40及び第2噴水手段50は排出経路10に対して着脱可能である。
【0035】
即ち、取っ手18を把持して持ち上げれば、支持部材17とともに第1噴水手段40及び第2噴水手段50は排出経路10から離脱可能であり、逆の操作をすれば、支持部材17とともに第1噴水手段40及び第2噴水手段50は排出経路10に装着可能である。このため、後述する係止部材12,12に対する屎渣カゴ30の着脱作業などを行うとき、支持部材17とともに第1噴水手段40及び第2噴水手段50を排出経路10から離脱させておけば、着脱作業を容易化することができる。
【0036】
第1噴水手段40及び第2噴水手段50を排出経路10に装着した後、水を入れたペットボトル15,15をそれぞれトレイ部16,16に載置すれば、水入りペットボトル15,15が錘となり、支持部材17に取り付けられた第1噴水手段40及び第2噴水手段50を安定保持することができる。
【0037】
図1図3に示すように、屎渣処理装置100においては、荒目スクリーン20の頂上部20aから落下する固形物を屎渣カゴ30に向かって誘導するシューター25が設けられている。2つの第1噴水手段40は、屎渣カゴ30内の底面部31に向かって水を噴射する機能を有し、第2噴水手段50は屎渣カゴ30に設けられた誘導部材30xの平面部分に向かって水を噴射する機能を有する。前述したように、第1噴水手段や第2噴水手段50の配置高さ、並びに、第1噴水手段や第2噴水手段50からの水噴射方向は変更可能である。
【0038】
図4に示すように、給水源(図示せず)に接続された給水管60は3本の送水管41,41,51に分岐され、それぞれ電動弁42,42,52及び送水ホース43,43,53を経由して第1噴水手段40,40,50に接続されている。電動弁42,42,52は電池式であり、タイマー機能を有している。また、タイマー機能は、週間タイマーを有しているので、噴水時間、噴水間隔を任意に設定することができる。
【0039】
図1図3図4に示すように、屎渣カゴ30は、排出経路10の左右の壁体部14,14の内側面11,11に設けられた断面L字状の係止部材12,12の間に着脱可能に嵌め込まれている。係止部材12,12はそれぞれ垂直部12aと水平部12bとを有している。係止部材12,12は排出経路10の底面13から上方に所定距離を隔てた位置に、矢印X方向に所定距離を隔てて設けられている。
【0040】
図1図4に示すように、屎渣カゴ30は、その傾斜面35,35がそれぞれ係止部材12,12の水平部12b,12bに当接して、水平部12b,12bの間に嵌り込んだ状態で水平姿勢に保持されている。本実施形態では、屎渣カゴ30の開口縁部30aが、排出経路10の底面13から50%〜60%程度の高さの部分に位置するように屎渣カゴ30を保持しているが、屎渣カゴ30の保持位置は限定されない。
【0041】
次に、図5図7に基づいて、屎渣カゴ30の構造、機能などについて説明する。図5図7に示すように、屎渣カゴ30は、透液性を有する多孔板で形成され、その長方形状の底面部31と、4つの長方形状の周面部32,32,33,33との境界に、それぞれ底面部31の中心線31cに向かって接近する方向に傾いた傾斜面34,34,35,35を備えている。また、傾斜面34,34と傾斜面35,35との接合縁部38,38,38,38はそれぞれ下方に向かうにつれて底面部31の中心線31cに向かって接近する方向に傾いた直線形状をなしている。対向する二つの周面部32,32の外面の開口縁部30a寄りの部分にはそれぞれ取っ手36,36が起立状に設けられている。
【0042】
図5図7に示すように、屎渣カゴ30において、対向する二つの周面部33,33のうちの一方の開口縁部30aから斜めに起立するような姿勢で平板状の誘導部材30xが設けられている。誘導部材30xは、複数のネジNを用いて、屎渣カゴ30の周面部33に着脱可能に取付けられている。誘導部材30xは、その上縁部30xaに近づくにつれて中心線31cから遠ざかる方向に傾斜した姿勢で周面部33に取り付けられている。周面部33に対する誘導部材30xの傾斜角度は25度であるが、これに限定するものではない。誘導部材30xの背面部分(屎渣カゴ30の外側に位置する部分)には補強用の複数のリブ30yが固着されている。
【0043】
図2図5図6に示すように、屎渣カゴ30の底面部31、4つの周面部32,32,33,33及び傾斜面34,34,35,35を形成する多孔板には、それぞれ複数の長孔37及び丸孔39が開設されている。また、4つの周面部32,32,33,33及び傾斜面34,34,35,35に開設された長孔37は、重力に沿った方向を長径とするように配列されている。
【0044】
さらに、屎渣カゴ30を形成する多孔板は、撥水性コーティングの1つであるポリテトラフルオロエチレンコーティング(商品名:テフロンコーティング)が施されたステンレス鋼製であるが、これに限定するものではない。
【0045】
図7に示すように、屎渣カゴ30は、底面部31と、4つの長方形状の周面部32,32,33,33との境界に、それぞれ底面部31に近づくにつれて底面部31の中心線31cに向かって接近する方向に傾いた姿勢をなす傾斜面34,34,35,35を備えている。このため、屎渣カゴ30の内面は、挟角が90度未満の谷状部分が存在しない形状となっている。
【0046】
次に、図1図7に基づいて屎渣処理装置100の機能や効果などについて説明する。図1図3に示すように、SAやPAのトイレ施設で発生する屎尿やトイレットペーパーなどを含む汚物が流れてくる排出経路10内に設置された屎渣処理装置100において、モータ23をONして荒目スクリーン20を作動させると、汚物中に混入した固形物やトイレットペーパーの塊などは荒目スクリーン20を構成する複数の回転ベルト22によって掻き上げられ、頂上部20aから落下し、シューター25で誘導されながら、屎渣カゴ30内へ回収される。また、シューター25よりも低い位置にて下降移動中の回転ベルト22などから落下する固形物やトイレットペーパーの塊などは誘導部材30xによって誘導され、屎渣カゴ30内へ回収される。
【0047】
屎渣処理装置100の運転時間の経過に伴い、固形物やトイレットペーパーの塊などが屎渣カゴ30内に山状に堆積していくので、点検作業の際に、電動弁42,42,52を開くと、給水管60から送水ホース43,43,53を経由して送給される水がそれぞれ第1噴水手段40及び第2噴水手段50から噴出する。
【0048】
2つの第1噴水手段40は屎渣カゴ30内の底面部31に向かって水を噴射するので、屎渣カゴ30内に形成された山状堆積物が平たく均されるとともに、トイレットペーパーの塊などは噴射水によって破砕され、屎渣カゴ30の長孔37や丸孔39を通過して排出経路10へ流出する。
【0049】
第2噴水手段50は、誘導部材30xの平面部分に向かって水を噴射するので、誘導部材30xに付着した固形物やトイレットペーパーなどが洗い落とされ、誘導部材30xの傾斜に沿って水流とともに滑落して屎渣カゴ30内へ回収される。
【0050】
このように第1噴水手段40及び第2噴水手段50からそれぞれ水を噴射することにより、屎渣カゴ30内の固形物や夾雑物などが洗浄され、トイレットペーパーの塊などは屎渣カゴ30から排出されるので、固形物や夾雑物を減量化することができる。また、第1噴水手段40及び第2噴水手段50による洗浄作業は、作業員の手作業に頼ることなく、自動的に行われるので、点検作業時の安全衛生環境が向上し、点検作業の短縮化、効率化を図ることができる。
【0051】
また、電動弁42,42,52は電池式であり、週間タイマーなどのタイマー機能を有しており、噴水時間や噴水間隔などを任意に設定することができるので、清掃作業の自動化、無人化を図ることもできる。
【0052】
図5図7に示すように、屎渣カゴ30は、底面部31と、4つの長方形状の周面部32,32,33,33との境界に、それぞれ底面部31に向かうにつれて底面部31の中心線31cに向かって接近する方向に傾斜した傾斜面34,34,35,35を備えている。このため、屎渣カゴ30の内面には挟角が90度未満の谷状部分が存在せず、屎渣の滞留や付着を防止することができるだけでなく、屎渣カゴ30内に収容された屎渣の排出作業も容易である。
【0053】
さらに、屎渣カゴ30の底面部31、4つの周面部32,32,33,33及び傾斜面34,34,35,35を形成する多孔板にはそれぞれ複数の長孔37が開設され、特に、4つの周面部32,32,33,33及び傾斜面34,34,35,35に開設された長孔37は、重力に沿った方向を長径とするように配列されている。このため、屎渣カゴ30内に回収されたパルプ状のトイレットペーパーは長孔37を円滑に通過して排出経路10へ流出され、目詰まりを防止することができる。
【0054】
屎渣カゴ30においては、長孔37の長径を30mm、短径を10mmとし、丸孔の内径を6mmとしている。長孔37の長径30mmは、荒目スクリーン20の回転ベルト22の配置間隔50mmより小さく、一般的なライター(サイズが25mm×11mm×80mm)が通過不能なサイズに設定しているが、これに限定するものではない。
【0055】
次に、図8図11に基づいて、本発明の第2実施形態である屎渣処理装置200について説明する。なお、図8図10に示す屎渣処理装置100の構成部分において、前述した屎渣処理装置100の構成部分と共通する部分については、図1図7中の符号と同符号を付して説明を省略する。
【0056】
図8図10に示すように、屎渣処理装置200においては、排出経路10を構成する壁体部14,14のうちの一方の壁体部14の上面14aに固定部材28b及び複数のアンカーボルト28cを介して垂直軸28が立設され、この垂直軸28に支持部材27の基端側の軸受部27xが回転可能に軸支されている。支持部材27の先端側にはリング状の治具受け部27yが設けられている。支持部材27の上面には取っ手18が設けられている。
【0057】
垂直軸28の上端側には、軸受部27xの離脱防止用の固定ボルト28aが螺着されている。軸受部27xの下端側の外周には、支持部材27と反対側に突出した突片部材27zが取り付けられている。突片部材27zには、ボールプランジャ29が、垂直軸28と平行に取り付けられている。ボールプランジャ29は、垂直軸28の固定部材28bに設けられた所定のロック位置に係脱可能に係合する。
【0058】
図8に示すように、第1噴水手段40及び第2噴水手段50は支持部材27とともに垂直軸28を中心にし、矢線S方向に沿って、旋回可能である。支持部材27は、排出経路10を直角に跨ぐ位置S1と、垂直軸28が存在する側の壁体部14に接近した位置S1と、の間の60度の範囲内を旋回可能である。
【0059】
垂直軸28を中心にして支持部材27を旋回させたとき、支持部材27が位置S1,S2に来たとき、ボールプランジャ29が固定部材28bのロック位置に係合して支持部材27がロックされる。また、固定部材28b上には、支持部材27の旋回範囲を位置S1,S2の間に規制するための複数のエンドストッパ28d,28dが立設されている。
【0060】
2つの第1噴水手段40は、支持部材27に垂下状に係止された縦軸40aと、縦軸40aに交差するように係止された横軸40bと、を介して支持部材27に取り付けられている。第2噴水手段50は、支持部材27に垂下状に係止された縦軸50aと、縦軸50aに交差するように係止された横軸50bと、を介して支持部材27に取り付けられている。
【0061】
支持部材27に対する縦軸40a,50aの係止位置、並びに、縦軸40a,50aに対する横軸40b,50bの係止角度はそれぞれ変更可能であるため、前記係止位置や前記係止角度を変更することにより、2つの第1噴水手段40の配置高さ、第1噴水手段40と第2噴水手段50との間隔、並びに、第1噴水手段40及び第2噴水手段50からの水噴射方向はそれぞれ変更可能である。
【0062】
図8図10に示すように、屎渣処理装置200は、排出経路10内に傾斜状態で配置されたベルトコンベア式の荒目スクリーン20と、屎渣カゴ30と、第1噴水手段40と、第2噴水手段50と、を備えている。このため、屎渣処理装置200は、図1図3に示す屎渣処理装置100と同様の作用効果を得ることができる。
【0063】
また、屎渣処理装置200においては、排出経路10を構成する壁体部14の上面14aに立設された垂直軸28を中心にして、支持部材27とともに第1噴水手段40及び第2噴水手段50が旋回可能である。このため、支持部材17を、図8中に示す位置S2の部分に退避させておけば、係止部材12,12に対する屎渣カゴ30の着脱作業などを容易化することができる。
【0064】
図11は、垂直軸28を中心にして支持部材27を旋回操作するときに使用する旋回操作用治具70を示している。図11に示すように、旋回操作用治具70は、棒状の本体部71と、本体部71の先端側をL字状に折り曲げて形成されたフック部72と、本体部71の基端側に形成されたロ字状の把持部73と、を備えている。
【0065】
図8中の矢線Sで示すように支持部材27を旋回させたいとき、壁体部14の上面14aなどに居る作業者(図示です)は、その手で旋回操作用治具70の把持部73を把持し、フック部72を、支持部材27の先端側の治具受け部27yに挿入すれば、把持部73を引いたり、押したりするだけの簡単な操作で支持部材27を旋回させることができる。
【0066】
さらに、図8図9に示す屎渣処理装置200においては、第1噴水手段40及び第2噴水手段50が垂直軸28に着脱可能である。即ち、固定ボルト28を緩めて垂直軸28から離脱させ、取っ手18を把持して、図9図10中に示す矢線G方向に持ち上げれば、第1噴水手段40及び第2噴水手段50は支持部材27とともに垂直軸28から取り外すことができ、逆の操作をすれば、支持部材27とともに第1噴水手段40及び第2噴水手段50を垂直軸28に取り付けることができる。このため、第1噴水手段40や第2噴水手段50のメンテナンスや位置調整、あるいは、支持部材27に取り付けられた各種部材の交換などを行うときの作業性も良好である。
【0067】
なお、図1図11に基づいて説明した屎渣処理装置100,200は、本発明に係る屎渣処理装置を例示するものであり、本発明に係る屎渣処理装置は前述した屎渣処理装置100,200に限定されない。
【産業上の利用可能性】
【0068】
本発明の屎渣処理装置は、高速自動車道路のSA(サービスエリア)やPA(パーキングエリア)のトイレ施設あるいはその他の公共施設のトイレなどに設置されている浄化槽設備の前処理手段として、広く利用することができる。
【符号の説明】
【0069】
10 排出経路
11 内側面
12 係止部材
12a 垂直部
12b 水平部
13 底面
14 壁体部
14a 上面
15 PETボトル
16 トレイ部
17,27 支持部材
17a 横架部
17b 接地部
18,36 取っ手
20 荒目スクリーン
20a 頂上部
20b 下端部
21a,21b 回転軸
22 回転ベルト
23 モータ
25 シューター
27x 軸受部
27y 治具受け部
27z 突片部材
28 垂直軸
28a 固定ボルト
28b 固定部材
28c アンカーボルト
28d エンドストッパ
30 屎渣カゴ
30a 開口縁部
30x 誘導部材
30xa 上縁部
30y リブ
31 底面部
31c 中心線
32,33 周面部
34,35 傾斜面
37 長孔
38 接合縁部
39 丸孔
40 第1噴水手段
40a,50a 縦軸
40b,50b 横軸
41,51 送水管
42,52 電動弁
43,53 送水ホース
50 第2噴水手段
60 給水管
70 旋回操作用治具
71 本体部
72 フック部
73 把持部
100,200 屎渣処理装置
R 傾斜角度
S1,S2 位置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11