(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明の実施形態について、図面を用いて以下に説明する。本発明に係る液晶表示装置は、例えば、画像を表示する表示パネルと、表示パネルを駆動する駆動回路(ソースドライバ、ゲートドライバ等)と、駆動回路を制御するタイミングコントローラと、外部から入力される入力映像信号に対して画像処理を行い、タイミングコントローラに画像データを出力する画像処理部と、表示パネルの背面側に配置されるバックライトと、バックライトから出射された光(例えば、青色LED光)を所望の色の光に変換して表示パネルに出射する色変換パネル(色変換部)と、を含んでいる。表示パネルの数は限定されず1枚であってもよいし、複数枚であってもよい。実施形態1では、1枚の表示パネルを備える液晶表示装置LCDを例に挙げ、実施形態2では、2枚の表示パネルを備える液晶表示装置LCDを例に挙げる。
【0018】
[実施形態1]
図1は、実施形態1に係る液晶表示装置LCDの概略構成を示す分解斜視図である。
図1に示すように、液晶表示装置LCDは、観察者に近い位置(表示面側:第1方向)に配置された表示パネルLCPと、表示パネルLCPより観察者から遠い位置(背面側:第2方向)に配置された色変換パネルCTPと、表示パネルLCP及び色変換パネルCTPを貼り合わせる接着剤ADHE(接着層)と、色変換パネルCTPの背面側に配置されたバックライトBLと、表示面側から表示パネルLCP及び色変換パネルCTPを覆うフロントシャーシFSとを含んでいる。
【0019】
図2は、実施形態1に係る液晶表示装置LCDの概略構成を模式的に示す図である。
図2に示すように、表示パネルLCPは、ソースドライバSDとゲートドライバGDとを含んでいる。また液晶表示装置LCDは、ソースドライバSD及びゲートドライバGDを制御するタイミングコントローラTCONと、タイミングコントローラTCONに画像データを出力する画像処理部IPUと、を含んでいる。画像処理部IPUは、外部のシステム(図示せず)から送信された入力映像信号Dataを受信し、周知の画像処理を実行した後、タイミングコントローラTCONに画像データDATを出力する。また画像処理部IPUは、タイミングコントローラTCONに同期信号等の制御信号(
図2では省略)を出力する。表示パネルLCPは入力映像信号Dataに応じた画像を表示領域DISP1に表示する。
【0020】
バックライトBLは、光源として例えばLED(Light Emitting Diode)を含んでいる。光源は、バックライトBLに含まれる導光板の側方に配置されてもよいし、表示パネルLCPの直下に配置されてもよい。本実施形態では、光源として、波長ピークが450nm近辺を持つ青色LEDを使用し、バックライトBLが青色光を出射する構成を例に挙げる。
【0021】
表示パネルLCPとバックライトBLとの間には、色変換パネルCTPが配置されている。色変換パネルCTPは、バックライトBLから出射された光(青色光)を、他の色の光(ここでは、赤色光及び緑色光)に変換して表示パネルLCPに出射する。すなわち、色変換パネルCTPは、赤色光、緑色光及び青色光を表示領域DISP2に出力する。
【0022】
図3は実施形態1に係る表示パネルLCPの概略構成を示す平面図であり、
図4は実施形態1に係る色変換パネルCTPの概略構成を模式的に示す平面図である。
図5は、
図3及び
図4の5−5´切断線における断面図である。
【0023】
図3及び
図5等を用いて、表示パネルLCPの概略構成について説明する。
図5に示すように、表示パネルLCPは、バックライトBL側(第2方向)に配置された薄膜トランジスタ基板TFTBと、観察者側(第1方向)に配置され、薄膜トランジスタ基板TFTBに対向する対向基板CFと、薄膜トランジスタ基板TFTB及び対向基板CFの間に配置された液晶層LCと、を含んでいる。表示パネルLCPの観察者側には偏光板POL1が配置されており、バックライトBL側には偏光板POL2が配置されている。
【0024】
薄膜トランジスタ基板TFTBには、
図3に示すように、列方向に延在する複数のソース線SLと、行方向に延在する複数のゲート線GLとが形成され、複数のソース線SLと複数のゲート線GLとのそれぞれの交差部近傍に薄膜トランジスタTFTが形成されている。表示パネルLCPを平面的に見て、隣り合う2本のソース線SLと隣り合う2本のゲート線GLとにより画素PIXが規定され、該画素PIXがマトリクス状(行方向及び列方向)に複数配置されている。複数のソース線SLは、行方向に等間隔で配置されており、複数のゲート線GLは、列方向に等間隔で配置されている。薄膜トランジスタ基板TFTBには、画素PIXごとに画素電極PXが形成されており、複数の画素PIXに共通する1つの共通電極CT(
図8等参照)が形成されている。薄膜トランジスタTFTを構成するソース電極(図示せず)はソース線SLに電気的に接続され、ドレイン電極DD(
図8等参照)はコンタクトホールCONT(
図8等参照)を介して画素電極PXに電気的に接続され、ゲート電極(図示せず)はゲート線GLに電気的に接続されている。
【0025】
図5に示すように、対向基板CFには、光を透過する光透過部と、光の透過を遮断するブラックマトリクスBM(遮光部)とが形成されている。光透過部には、各画素PIXに対応して複数のカラーフィルタFIL(着色層)が形成されている。光透過部は、ブラックマトリクスBMで囲まれており、例えば矩形状に形成されている。複数のカラーフィルタFILは、赤色(R色)の材料で形成され、赤色の光を透過する赤色カラーフィルタFILR(赤色層)と、緑色(G色)の材料で形成され、緑色の光を透過する緑色カラーフィルタFILG(緑色層)と、青色(B色)の材料で形成され、青色の光を透過する青色カラーフィルタFILB(青色層)と、を含んでいる。赤色カラーフィルタFILR、緑色カラーフィルタFILG、及び青色カラーフィルタFILBは、行方向にこの順に繰り返し配列され、同一色のカラーフィルタFILが列方向に配列され、行方向及び列方向に隣り合うカラーフィルタFILの境界部分にブラックマトリクスBMが形成されている。各カラーフィルタFILに対応して、複数の画素PIXは、
図3に示すように、赤色カラーフィルタFILRに対応する赤色画素PIXRと、緑色カラーフィルタFILGに対応する緑色画素PIXGと、青色カラーフィルタFILBに対応する青色画素PIXBと、を含んでいる。表示パネルLCPでは、赤色画素PIXR、緑色画素PIXG、青色画素PIXBが行方向にこの順に繰り返し配列されており、列方向には同一色の画素PIXが配列されている。また、赤色画素PIXR、緑色画素PIXG及び青色画素PIXBにより1個の表示ドットDOT1を構成している。
【0026】
タイミングコントローラTCONは、周知の構成を備えている。例えばタイミングコントローラTCONは、画像処理部IPUから出力される画像データDATと制御信号CS(クロック信号、垂直同期信号、水平同期信号等)とに基づいて、画像データDAと、ソースドライバSD及びゲートドライバGDの駆動を制御するための各種タイミング信号(データスタートパルスDSP、データクロックDCK、ゲートスタートパルスGSP、ゲートクロックGCK)とを生成する(
図3参照)。タイミングコントローラTCONは、画像データDAと、データスタートパルスDSPと、データクロックDCKとをソースドライバSDに出力し、ゲートスタートパルスGSPとゲートクロックGCKとをゲートドライバGDに出力する。
【0027】
ソースドライバSDは、データスタートパルスDSP及びデータクロックDCKに基づいて、画像データDAに応じたデータ信号(データ電圧)をソース線SLに出力する。ゲートドライバGDは、ゲートスタートパルスGSP及びゲートクロックGCKに基づいて、ゲート信号(ゲート電圧)をゲート線GLに出力する。
【0028】
各ソース線SLには、ソースドライバSDからデータ電圧が供給され、各ゲート線GLには、ゲートドライバGDからゲート電圧が供給される。共通電極CTには、コモンドライバ(図示せず)から共通電圧Vcomが供給される。ゲート電圧(ゲートオン電圧)がゲート線GLに供給されると、ゲート線GLに接続された薄膜トランジスタTFTがオンし、薄膜トランジスタTFTに接続されたソース線SLを介して、データ電圧が画素電極PXに供給される。画素電極PXに供給されたデータ電圧と、共通電極CTに供給された共通電圧Vcomとの差により電界が生じる。この電界により液晶分子LCB(
図8参照)を駆動してバックライトBL及び色変換パネルCTPから出射される光の透過率を制御することによって画像表示を行う。表示パネルLCPでは、赤色画素PIXR、緑色画素PIXG、青色画素PIXBそれぞれの画素電極PXに接続されたソース線SLに、所望のデータ電圧を供給することにより、カラー画像表示が行われる。
【0029】
次に、
図4及び
図5を用いて、色変換パネルCTPの構成について説明する。
図5に示すように、色変換パネルCTPは、バックライトBL側(第2方向)に配置された透明基板SUB3と、透明基板SUB3上に形成されたバンドパスフィルタBTRSと、バンドパスフィルタBTRS上に形成された色変換層CTLと、色変換層CTL上に形成された透明保護膜TFLと、を含んでいる。色変換パネルCTPは、平面的に見て、光の透過を遮断する遮光部BBNK(黒色遮光バンク)が行方向及び列方向に等間隔で形成されており、遮光部BBNKで囲まれた各開口領域(色ドットDOT)が、表示パネルLCPの各画素PIXに対応してマトリクス状に配置されている。すなわち、平面的に見て、
図4に示す赤色ドットDOTRが、
図3に示す赤色画素PIXRに重なり、
図4に示す緑色ドットDOTGが、
図3に示す緑色画素PIXGに重なり、
図4に示す青色ドットDOTBが、
図3に示す青色画素PIXBに重なっている。また、赤色ドットDOTR、緑色ドットDOTG及び青色ドットDOTBにより1個の表示ドットDOT2を構成している。表示パネルLCPの偏光板POL2と、色変換パネルCTPの透明保護膜TFLとの間に接着剤ADHEが配置され、これにより、表示パネルLCP及び色変換パネルCTPが互いに接着固定されている。
【0030】
図6(a)は、実施形態1に係る表示パネルLCPの表示ドットDOT1の具体的な構成を示す平面図であり、
図7は、実施形態1に係る色変換パネルCTPの表示ドットDOT2の具体的な構成を示す平面図である。
図6(a)に示すように、画素電極PXにスリットSLTが形成されてもよい。
図6(a)には、薄膜トランジスタTFTを構成する半導体層SEとドレイン電極DDとを示している。
図7に示すように、遮光部BBNKで囲まれた各開口領域(色ドットDOT)には、色変換層CTLが形成されている。具体的には、赤色ドットDOTRには赤色変換層CTLRが形成されており、緑色ドットDOTGには緑色変換層CTLGが形成されており、青色ドットDOTBには青色変換層CTLBが形成されている。平面的に見て、表示パネルLCPのブラックマトリクスBM(
図6(a)参照)と、色変換パネルCTPの遮光部BBNK(
図7参照)とは、互いに重なるように配置されている。
【0031】
図6(b)には、
図6(a)に示す画素PIXの開口部6bに配置される液晶分子LCBの動作を示している。表示パネルLCPの液晶層LCに含まれる液晶分子LCBは、ポジ型の液晶分子LCBPである。POL1は偏光板POL1の偏光軸を示し、POL2は偏光板POL2の偏光軸を示し、偏光軸POL1及び偏光軸POL2は互いに直交している。偏光軸POL2は、列方向(Y方向)に対して所定の角度THINを有している。また液晶分子LCBPの初期配向方向(配向軸)は、偏光軸POL2と同じ方向に設定されている。上記構成において、液晶層LCに電界(
図6(a)の矢印方向の電界)が印加されると、液晶分子LCBPは電界方向に回転(ここでは右回転)する。
【0032】
図8は
図6(a)及び
図7の8−8´切断線における断面図であり、
図9は
図6(a)及び
図7の9−9´切断線における断面図である。
図8及び
図9を用いて表示ドットDOT1、DOT2の断面構造について説明する。
【0033】
表示パネルLCPの薄膜トランジスタ基板TFTB(
図5参照)では、透明基板SUB2(ガラス基板)(第1基板)上にゲート線GLが形成されており、ゲート線GLを覆うようにゲート絶縁膜GSNが形成されている。ゲート絶縁膜GSN上には、アモルファスシリコン(a−Si)から成る半導体層SE、ソース線SL(ソース電極)及びドレイン電極DDが形成されており、これらを覆うように保護膜PAS及び有機絶縁膜OPASが形成されている。有機絶縁膜OPAS上には共通電極CTが形成されており、共通電極CTを覆うように保護膜UPASが形成されている。保護膜UPAS上には画素電極PXが形成されており、画素電極PXを覆うように配向膜ORIが形成されている。また、保護膜PAS、有機絶縁膜OPAS及び保護膜UPASにはコンタクトホールCONTが形成されており、画素電極PXの一部が、コンタクトホールCONTを介してドレイン電極DDに電気的に接続されている。
【0034】
対向基板CF1(
図5参照)では、透明基板SUB1(ガラス基板)(第2基板)上に、ブラックマトリクスBM及びカラーフィルタFIL(赤色カラーフィルタFILR、緑色カラーフィルタFILG、及び青色カラーフィルタFILB)が形成されている。カラーフィルタFILの表面にはオーバーコート膜OCが被覆されており、オーバーコート膜OC上に配向膜ORIが形成されている。
【0035】
薄膜トランジスタ基板TFTBと対向基板CFとの間には液晶層LCが設けられている。液晶層LCは、ネマティック液晶に液晶分子LCBが含まれて構成されている。
【0036】
色変換パネルCTPでは、透明基板SUB3(ガラス基板)上にバンドパスフィルタBTRSが形成されており、バンドパスフィルタBTRS上に遮光部BBNKが形成されている。遮光部BBNKで囲まれた領域には、量子ドットQD(波長変換粒子)と透明樹脂TNRとを含む色変換層CTLが形成されており、色変換層CTL上に透明保護膜TFLが形成されている。色変換層CTLは、赤色変換用の量子ドット(以下、赤色量子ドットRQDという。)と透明樹脂TNRとを含む赤色変換層CTLRと、緑色変換用の量子ドット(以下、緑色量子ドットGQDという。)と透明樹脂TNRとを含む緑色変換層CTLGと、量子ドットを含まず透明樹脂TNRから成る青色変換層CTLBと、を含んでいる。量子ドットQDは、半導体の微粒子であり、粒子径の大きさによって、入射された光の波長を変化させる。例えば、赤色量子ドットRQDの粒子径を6μmに設定し、緑色量子ドットGQDの粒子径を2.5μmに設定する。すなわち、色変換パネルCTPは、バックライトBLから出射された光を、量子ドットQDの粒子径や量子ドットQDの割合を色変換層CTLごとに変化させることにより、他の色の光に変換する。バンドパスフィルタBTRSは、バックライトBLから出射された光(例えば青色光)を透過し、表示パネルLCP側から入射する波長変換された光(例えば緑色光及び赤色光)を反射する性質を有する。バンドパスフィルタBTRSは、例えば、TiO
2、SiO
2等からなる誘電体多層膜で構成されている。
【0037】
図10は、液晶表示装置LCDのドライバの構成を示す図である。表示パネルLCPには、ソースドライバIC(SIC)が8個実装されており、ゲートドライバIC(GIC)が4個実装されている。
【0038】
図11は、従来の一般的な液晶表示装置の構成を示す断面図である。
図11は、赤色画素では液晶がオン状態であり、緑色画素及び青色画素では液晶がオフ状態であり、全体として赤色画像を表示する様子を示している。従来の液晶表示装置では、
図11に示すように、表示画面を斜め方向から見たときに、オン状態の液晶層から赤色カラーフィルタを通過する赤色光ROPと、オン状態の液晶層から緑色カラーフィルタを通過する緑色光GOPとにより混色(斜め混色)が生じる問題がある。
【0039】
図12は、実施形態1に係る液晶表示装置LCDの断面図を示し、全体として赤色画像を表示する様子を示している。実施形態1に係る液晶表示装置LCDでは、液晶層LCを上下から挟むようにして、カラーフィルタFILと色変換層CTLとが配置されている。このため、
図12に示すように、赤色変換層CTLRから出射された赤色光のうち緑色画素領域に進入した光は緑色カラーフィルタFILGにより吸収される。このように、赤色画素領域から緑色画素領域に進入した赤色光を緑色カラーフィルタFILGで遮光することができるため、
図11に示す斜め混色を抑えることができる。また、上記構成によれば、斜め混色を抑えるためにブラックマトリクスBMの幅を太くする必要がないため、画素PIXの開口率を向上させることができる。尚、ブラックマトリクスBMは省略されてもよく、この場合には開口率をさらに向上させることができる。実施形態1に係る液晶表示装置LCDは、特にIPS(In Plane Switching)方式(横電界方式ともいう。)の液晶表示装置に好適である。すなわち、IPS方式による表示を行うことで広視野角な表示が実現できる。従来、広視野角の表示を実現する上で、視野角方向の混色が発生し易いためブラックマトリクスBMの幅を広く取る必要があった。このため、開口率を犠牲にしなければならず、視野角及び開口率はトレードオフの関係にあった。本実施形態の構造によれば、開口率を犠牲にすることなく、視野角の混色が発生せず、明るく広い視野角のIPS方式の液晶表示装置LCDを実現できる。尚、IPS方式の液晶表示装置LCDでは、液晶層LCは、IPSモードで駆動される。
【0040】
ここで、色変換パネルCTPの製造方法について
図13を用いて説明する。
図13(a)は遮光部(BBNK)形成工程を示し、
図13(b)及び(c)は色変換層(CTL)形成工程を示し、
図13(d)は透明保護膜(TFL)形成工程を示している。
【0041】
先ず、
図13(a)に示すように、遮光部BBNK(黒色遮光バンク)を、二重結合を有するモノマーやオリゴマーをベースとする光硬化性樹脂に、遮光性を得るためカーボン顔料を添加し、光ラジカル重合により硬化する材料を塗布し、その後、ホトマスクを用いた露光、現像、乾燥の各工程を経て形成する。遮光部BBNKにより区画された各領域は、各色ドット(赤色ドットDOTR、緑色ドットDOTG及び青色ドットDOTB)を構成する。続く工程でインクジェット塗布を行う場合は、遮光部BBNKによってインク材料を分離しやすくするために最上層面に(接触角を大きくする)撥水材をあらかじめ添加する。この添加材は最上層の撥水性を高めるが、バンクレジストが除去されるバンク間の底面の親水性を高める(接触角を小さくする)効果を有する材料を選択することが好ましい。
【0042】
次に、
図13(b)に示すように、インクジェット装置で量子ドットQDを含むインク材料を塗布する。インク材料としては、量子ドットQDを、例えばエポキシ化合物からなる熱硬化性樹脂と例えば芳香族エステル溶媒に分散したインク材料を用いる。ここで溶媒は、例えば、ドデカンやキシレンのように異なる2つの沸点を有する混合材料を用いることで分散精度を上げることができる。インクジェット装置で塗布されたインク材料は、遮光部BBNKの最上層面は撥水性が高くはじかれるため、効率良く遮光部BBNK内で収まる。尚、青色変換層CTLBは、量子ドットを含まず透明の熱硬化樹脂、溶媒を主成分としたインク材料を用いる。
【0043】
次に、
図13(c)に示すように、加熱焼成及び乾燥を行う。これにより、溶媒は蒸発し、そのインク材料の体積が低下し硬化する。その際に少なくとも2種類の沸点の異なる溶媒を用いることで赤色量子ドットRQDあるいは緑色量子ドットGQDは精度良く透明樹脂TNRに分散される。この透明樹脂TNRに分散された赤色量子ドットRQD、緑色量子ドットGQDはバックライトBLの青色光を赤色光、緑色光にそれぞれ変換する。また赤色変換層CTLR、緑色変換層CTLG及び青色変換層CTLBの高さは遮光部BBNKより低くなる。これにより、発光した光が左右の画素へ広がることによる混色を防ぐことができる。さらに、青色変換層CTLBは量子ドットを含まないため、熱硬化された透明樹脂TNR層を形成し、バックライトBLの青色LEDから出射された青色光を透過させる。
【0044】
次に、
図13(d)に示すように、赤色変換層CTLR、緑色変換層CTLG及び青色変換層CTLBの上部に透明保護膜TFLを形成する。透明保護膜TFLは熱硬化あるいは紫外線硬化樹脂を用いて、それぞれ加熱あるいは紫外線で硬化させる。この透明保護膜TFLは、赤色変換層CTLR及び緑色変換層CTLGへの水分の吸着を防止するために、ITOのような透明酸化物と透明樹脂とを積層した構成としても良い。上記工程を経て形成された赤色変換層CTLR及び緑色変換層CTLGは、青色光からの変換光が約45nm以下、最小で30nm以下の発光波長スペクトルの半値幅を有しており、この範囲において色純度あるいは色再現性を向上することができる。
【0045】
上記製造方法では、赤色変換層CTLR、緑色変換層CTLG及び青色変換層CTLBの製造方法として湿式のインクジェット(分類として印刷法)を用いた例を説明した。上記製造方法は、現時点で高価な量子ドットを効率良く使用し得るものである。また上記製造製法では、感光性のネガレジストに量子ドットRQDあるいはGQDを分散させたレジスト材料を用い、これを塗布、露光、現像、乾燥(いわゆるホト工程)の3回のホト工程を用いても形成できることは言うまでもない。
【0046】
尚、量子ドットQDの構成材料としては、例えば、炭素、ケイ素、ゲルマニウム、錫等の周期表第14族元素の単体、リン(黒リン)等の周期表第15族元素の単体、セレン、テルル等の周期表第16族元素の単体、炭化ケイ素(SiC)等の複数の周期表第14族元素からなる化合物、酸化錫(IV)(SnO
2)、硫化錫(II、IV)(Sn(II)Sn(IV)S
3)、硫化錫(IV)(SnS
2)、硫化錫(II)(SnS)、セレン化錫(II)(SnSe)、テルル化錫(II)(SnTe)、硫化鉛(II)(PbS)、セレン化鉛(II)(PbSe)、テルル化鉛(II)(PbTe)等の周期表第14族元素と周期表第16族元素との化合物、窒化ホウ素(BN)、リン化ホウ素(BP)、砒化ホウ素(BAs)、窒化アルミニウム(AlN)、リン化アルミニウム(AlP)、砒化アルミニウム(AlAs)、アンチモン化アルミニウム(AlSb)、窒化ガリウム(GaN)、リン化ガリウム(GaP)、砒化ガリウム(GaAs)、アンチモン化ガリウム(GaSb)、窒化インジウム(InN)、リン化インジウム(InP)、砒化インジウム(InAs)、アンチモン化インジウム(InSb)等の周期表第13族元素と周期表第15族元素との化合物(あるいはIII−V族化合物半導体)、硫化アルミニウム(Al
2S
3)、セレン化アルミニウム(Al
2Se
3)、硫化ガリウム(Ga
2S
3)、セレン化ガリウム(Ga
2Se
3)、テルル化ガリウム(Ga
2Te
3)、酸化インジウム(In
2O
3)、硫化インジウム(In
2S
3)、セレン化インジウム(In
2Se
3)、テルル化インジウム(In
2Te
3)等の周期表第13族元素と周期表第16族元素との化合物、塩化タリウム(I)(TlCl)、臭化タリウム(I)(TlBr)、ヨウ化タリウム(I)(TlI)等の周期表第13族元素と周期表第17族元素との化合物、酸化亜鉛(ZnO)、硫化亜鉛(ZnS)、セレン化亜鉛(ZnSe)、テルル化亜鉛(ZnTe)、酸化カドミウム(CdO)、硫化カドミウム(CdS)、セレン化カドミウム(CdSe)、テルル化カドミウム(CdTe)、硫化水銀(HgS)、セレン化水銀(HgSe)、テルル化水銀(HgTe)等の周期表第12族元素と周期表第16族元素との化合物(あるいはII−VI族化合物半導体)、硫化砒素(III)(As
2S
3)、セレン化砒素(III)(As
2Se
3)、テルル化砒素(III)(As
2Te
3)、硫化アンチモン(III)(Sb
2S
3)、セレン化アンチモン(III)(Sb
2Se
3)、テルル化アンチモン(III)(Sb
2Te
3)、硫化ビスマス(III)(Bi
2S
3)、セレン化ビスマス(III)(Bi
2Se
3)、テルル化ビスマス(III)(Bi
2Te
3)等の周期表第15族元素と周期表第16族元素との化合物、酸化銅(I)(Cu
2O)、セレン化銅(I)(Cu
2Se)等の周期表第11族元素と周期表第16族元素との化合物、塩化銅(I)(CuCl)、臭化銅(I)(CuBr)、ヨウ化銅(I)(CuI)、塩化銀(AgCl)、臭化銀(AgBr)等の周期表第11族元素と周期表第17族元素との化合物、酸化ニッケル(II)(NiO)等の周期表第10族元素と周期表第16族元素との化合物、酸化コバルト(II)(CoO)、硫化コバルト(II)(CoS)等の周期表第9族元素と周期表第16族元素との化合物、四酸化三鉄(Fe
3O
4)、硫化鉄(II)(FeS)等の周期表第8族元素と周期表第16族元素との化合物、酸化マンガン(II)(MnO)等の周期表第7族元素と周期表第16族元素との化合物、硫化モリブデン(IV)(MoS
2)、酸化タングステン(IV)(WO
2)等の周期表第6族元素と周期表第16族元素との化合物、酸化バナジウム(II)(VO)、酸化バナジウム(IV)(VO
2)、酸化タンタル(V)(Ta
2O
5)等の周期表第5族元素と周期表第16族元素との化合物、酸化チタン(TiO
2、Ti
2O
5、Ti
2O
3、Ti
5O
9等)等の周期表第4族元素と周期表第16族元素との化合物、硫化マグネシウム(MgS)、セレン化マグネシウム(MgSe)等の周期表第2族元素と周期表第16族元素との化合物、酸化カドミウム(II)クロム(III)(CdCr
2O
4)、セレン化カドミウム(II)クロム(III)(CdCr
2Se
4)、硫化銅(II)クロム(III)(CuCr
2S
4)、セレン化水銀(II)クロム(III)(HgCr
2Se
4)等のカルコゲンスピネル類、バリウムチタネート(BaTiO
3)等が挙げられるが、SnS
2、SnS、SnSe、SnTe、PbS、PbSe、PbTe等の周期表第14族元素と周期表第16族元素との化合物、GaN、GaP、GaAs、GaSb、InN、InP、InAs、InSb等のIII−V族化合物半導体、Ga
2O
3、Ga
2S
3、Ga
2Se
3、Ga
2Te
3、In
2O
3、In
2S
3、In
2Se
3、In
2Te
3等の周期表第13族元素と周期表第16族元素との化合物、ZnO、ZnS、ZnSe、ZnTe、CdO、CdS、CdSe、CdTe、HgO、HgS、HgSe、HgTe等のII−VI族化合物半導体、As
2O
3、As
2S
3、As
2Se
3、As
2Te
3、Sb
2O
3、Sb
2S
3、Sb
2Se
3、Sb
2Te
3、Bi
2O
3、Bi
2S
3、Bi
2Se
3、Bi
2Te
3等の周期表第15族元素と周期表第16族元素との化合物、MgS、MgSe等の周期表第2族元素と周期表第16族元素との化合物が好ましく、中でも、Si、Ge、GaN、GaP、InN、InP、Ga
2O
3、Ga
2S
3、In
2O
3、In
2S
3、ZnO、ZnS、CdO、CdSがより好ましい。これらの物質は、毒性の高い陰性元素を含まないので耐環境汚染性や生物への安全性に優れており、また、可視光領域で純粋なスペクトルを安定して得ることができるので、発光素子の形成に有利である。これらの材料のうち、CdSe、ZnSe、CdSは、発光の安定性の点で好ましい。発光効率、高屈折率、安全性の経済性の観点から、ZnO、ZnSの量子ドットが好ましい。また、上記の材料は、1種で用いるものであってもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0047】
[実施形態2]
本発明の実施形態2について、図面を用いて以下に説明する。なお、説明の便宜上、実施形態1において示した構成要素と構成要素には同一の符号を付し、その説明を省略する。また、実施形態1において定義した用語については特に断らない限り本実施形態においてもその定義に則って用いるものとする。
【0048】
図14は、実施形態2に係る液晶表示装置LCDの概略構成を示す分解斜視図である。
図14に示すように、液晶表示装置LCDは、観察者に近い位置(表示面側:第1方向)に配置された表示パネルLCP1と、表示パネルLCP1より観察者から遠い位置(背面側:第2方向)に配置された表示パネルLCP2と、表示パネルLCP2の背面側に配置された色変換パネルCTPと、色変換パネルCTPの背面側に配置されたバックライトBLと、表示面側から表示パネルLCP1,LCP2及び色変換パネルCTPを覆うフロントシャーシFSと、表示パネルLCP1及び表示パネルLCP2を貼り合わせる接着剤ADHE1(接着層)と、表示パネルLCP2及び色変換パネルCTPを貼り合わせる接着剤ADHE2(接着層)と、を含んでいる。
【0049】
図15は、実施形態2に係る液晶表示装置LCDの概略構成を模式的に示す図である。
図15に示すように、表示パネルLCP1は、第1ソースドライバSD1と第1ゲートドライバGD1とを含み、表示パネルLCP2は、第2ソースドライバSD2と第2ゲートドライバGD2とを含んでいる。また液晶表示装置LCDは、第1ソースドライバSD1及び第1ゲートドライバGD1を制御する第1タイミングコントローラTCON1と、第2ソースドライバSD2及び第2ゲートドライバGD2を制御する第2タイミングコントローラTCON2と、第1タイミングコントローラTCON1及び第2タイミングコントローラTCON2に画像データを出力する画像処理部IPUと、を含んでいる。例えば、表示パネルLCP1は入力映像信号に応じたカラー画像を第1表示領域DISP1に表示し、表示パネルLCP2は入力映像信号に応じた白黒画像を第2表示領域DISP2に表示する。画像処理部IPUは、外部のシステム(図示せず)から送信された入力映像信号Dataを受信し、周知の画像処理を実行した後、第1タイミングコントローラTCON1に第1画像データDAT1を出力し、第2タイミングコントローラTCON2に第2画像データDAT2を出力する。また画像処理部IPUは、第1タイミングコントローラTCON1及び第2タイミングコントローラTCON2に同期信号等の制御信号(
図2では省略)を出力する。例えば第1画像データDAT1はカラー画像表示用の画像データであり、第2画像データDAT2は白黒画像表示用の画像データである。尚、表示パネルLCP1が白黒画像を表示し、表示パネルLCP2がカラー画像を表示する構成であってもよい。
【0050】
図16は、実施形態2に係る表示パネルLCP1の構成を示す平面図であり、
図17は、実施形態2に係る表示パネルLCP2の構成を示す平面図であり、
図18は、実施形態2に係る色変換パネルCTPの構成を示す平面図である。また
図19は、
図16〜
図18の19−19´切断線における断面図である。尚、実施形態2に係る表示パネルLCP1は、実施形態1に係る表示パネルLCP(
図3参照)と同一の構成を有し、実施形態2に係る色変換パネルCTPは、実施形態1に係る色変換パネルCTP(
図4参照)と同一の構成を有するため、これらの説明を省略する。以下では、主に、表示パネルLCP2の構成について説明する。
【0051】
図19に示すように、表示パネルLCP2は、バックライトBL側に配置された薄膜トランジスタ基板TFTB2と、観察者側に配置され、薄膜トランジスタ基板TFTB2に対向する対向基板CF2と、薄膜トランジスタ基板TFTB2及び対向基板CF2の間に配置された液晶層LC2と、を含んでいる。表示パネルLCP2の観察者側には偏光板POL3が配置されており、バックライトBL側には偏光板POL4が配置されている。表示パネルLCP1の偏光板POL2と、表示パネルLCP2の偏光板POL3との間には、接着剤ADHE2が配置されている。
【0052】
薄膜トランジスタ基板TFTB2には、
図17に示すように、列方向に延在する複数のソース線SL2と、行方向に延在する複数のゲート線GL2とが形成され、複数のソース線SL2と複数のゲート線GL2とのそれぞれの交差部近傍に薄膜トランジスタTFT2が形成されている。表示パネルLCP2を平面的に見て、隣り合う2本のソース線SL2と隣り合う2本のゲート線GL2とにより画素PIX2が規定され、該画素PIX2がマトリクス状(行方向及び列方向)に複数配置されている。複数のソース線SL2は、行方向に等間隔で配置されており、複数のゲート線GL2は、列方向に等間隔で配置されている。薄膜トランジスタ基板TFTB2には、画素PIX2ごとに画素電極PX2が形成されており、複数の画素PIX2に共通する1つの共通電極CT2(
図22等参照)が形成されている。薄膜トランジスタTFT2を構成するソース電極はソース線SL2に電気的に接続され、ドレイン電極DD2(
図21参照)はコンタクトホールCONT2(
図21参照)を介して画素電極PX2に電気的に接続され、ゲート電極はゲート線GL2に電気的に接続されている。
【0053】
対向基板CF2には、光を透過する光透過部と、ブラックマトリクスBM2(遮光部)が形成されている。ブラックマトリクスBM2は、平面視で薄膜トランジスタ基板TFTB2及びゲート線GL2の形成領域に重なるように行方向に延在して形成されている。光透過部には、カラーフィルタ(着色部)は形成されておらず、例えばオーバーコート膜OCが形成されている。
【0054】
第2タイミングコントローラTCON2は、周知の構成を備えている。例えば第2タイミングコントローラTCON2は、画像処理部IPUから出力される第2画像データDAT2と第2制御信号CS2(クロック信号、垂直同期信号、水平同期信号等)とに基づいて、第2画像データDA2と、第2ソースドライバSD2及び第2ゲートドライバGD2の駆動を制御するための各種タイミング信号(データスタートパルスDSP2、データクロックDCK2、ゲートスタートパルスGSP2、ゲートクロックGCK2)とを生成する(
図17参照)。第2タイミングコントローラTCON2は、第2画像データDA2と、データスタートパルスDSP2と、データクロックDCK2とを第2ソースドライバSD2に出力し、ゲートスタートパルスGSP2とゲートクロックGCK2とを第2ゲートドライバGD2に出力する。
【0055】
第2ソースドライバSD2は、データスタートパルスDSP2及びデータクロックDCK2に基づいて、第2画像データDA2に応じたデータ電圧をソース線SL2に出力する。第2ゲートドライバGD2は、ゲートスタートパルスGSP2及びゲートクロックGCK2に基づいて、ゲート電圧をゲート線GL2に出力する。
【0056】
各ソース線SL2には、第2ソースドライバSD2からデータ電圧が供給され、各ゲート線GL2には、第2ゲートドライバGD2からゲート電圧が供給される。共通電極CT2には、コモンドライバから共通電圧Vcomが供給される。ゲート電圧(ゲートオン電圧)がゲート線GL2に供給されると、ゲート線GL2に接続された薄膜トランジスタTFT2がオンし、薄膜トランジスタTFT2に接続されたソース線SL2を介して、データ電圧が画素電極PX2に供給される。画素電極PX2に供給されたデータ電圧と、共通電極CT2に供給された共通電圧Vcomとの差により電界が生じる。この電界により液晶分子LCBN(
図22参照)を駆動してバックライトBL及び色変換パネルCTPから出射される光の透過率を制御することによって画像表示を行う。表示パネルLCP2では、白黒画像表示が行われる。
【0057】
液晶表示装置LCDは、表示パネルLCP2の単位面積当たりの画素PIX2の数が、表示パネルLCP1の単位面積当たりの画素PIX1の数より少なくなるように構成されている。例えば、液晶表示装置LCDは、表示パネルLCP1の画素PIX1の数と表示パネルLCP2の画素PIX2の数とが3対1の割合で構成されている。具体的には、液晶表示装置LCDでは、表示パネルLCP1の3個の画素PIX1(赤色画素PIXR、緑色画素PIXG、青色画素PIXB)と、表示パネルLCP2の1個の画素PIX2とが、平面視で互いに重畳するように構成されている。表示パネルLCP2の1個の画素PIX2により1個の表示ドットDOT2を構成している。
【0058】
図20は、互いに重なり合う、表示パネルLCP1の画素PIX1と、表示パネルLCP2の画素PIX2との関係を示す平面図である。
図21(a)は、
図20(a)に示す画素PIX1の具体的な構成を示す平面図であり、
図21(b)は、
図20(b)に示す画素PIX2の具体的な構成を示す平面図である。
【0059】
図20に示す例では、表示パネルLCP1の1個の赤色画素PIXR、1個の緑色画素PIXG、及び1個の青色画素PIXBと、表示パネルLCP2の1個の画素PIX2とが平面視で互いに重なり合うように配置されている。表示パネルLCP1の各画素PIX1の面積(大きさ)が互いに等しい場合、表示パネルLCP2の1個の画素PIX2の面積は、表示パネルLCP1の1個の画素PIX1の面積の3倍となっている。尚、
図20(a)には、共通電極CT1に接続される共通配線CL1と、液晶容量CLC1とを示し、
図20(b)には、共通電極CT2に接続される共通配線CL2と、液晶容量CLC2とを示している。
図21(b)に示すように、画素電極PX2にスリットSLT2が形成されてもよい。
図21(b)には、薄膜トランジスタTFT2を構成する半導体層SE2とドレイン電極DD2とを示している。
【0060】
図22は
図21(a)及び(b)の22−22´切断線における断面図であり、
図23は
図21(a)及び(b)の23−23´切断線における断面図である。
図22及び
図23には、色変換パネルCTPの断面構造を含む、表示ドットDOT1、DOT2、DOT3の断面構造を示している。実施形態2に係る表示ドットDOT1の構造は、実施形態1に係る表示ドットDOT1(
図8参照)の構造と同一であり、実施形態2に係る表示ドットDOT3の構造は、実施形態1に係る表示ドットDOT2(
図8参照)の構造と同一である。
【0061】
表示パネルLCP2の薄膜トランジスタ基板TFTB2(
図19参照)では、透明基板SUB4(ガラス基板)上にゲート線GL2が形成されており、ゲート線GL2を覆うようにゲート絶縁膜GSNが形成されている。ゲート絶縁膜GSN上には、アモルファスシリコン(a−Si)から成る半導体層SE2(
図21(b)参照)、ソース線SL2(ソース電極)及びドレイン電極DD2(
図21(b)参照)が形成されており、これらを覆うように保護膜PAS及び有機絶縁膜OPASが形成されている。有機絶縁膜OPAS上には共通電極CT2が形成されており、共通電極CT2を覆うように保護膜UPASが形成されている。保護膜UPAS上には画素電極PX2が形成されており、画素電極PX2を覆うように配向膜(図示せず)が形成されている。また、保護膜PAS、有機絶縁膜OPAS及び保護膜UPASにはコンタクトホールCONT2(
図21(b)参照)が形成されており、画素電極PX2の一部が、コンタクトホールCONT2を介してドレイン電極DD2に電気的に接続されている。対向基板CF2(
図19参照)では、透明基板SUB3(ガラス基板)上に、平面視で薄膜トランジスタTFT2及びゲート線GL2の形成領域を覆うようにブラックマトリクスBM2が形成されている。ブラックマトリクスBM2を覆うようにオーバーコート膜OCが被覆されており、オーバーコート膜OC上に配向膜(図示せず)が形成されている。
【0062】
薄膜トランジスタ基板TFTB2と対向基板CF2との間には液晶層LC2が設けられている。液晶層LC2は、ネマティック液晶に液晶分子LCB(ネガ型の液晶分子LCBN)が含まれて構成されている。
【0063】
色変換パネルCTPは、接着剤ADHE2により、表示パネルLCP2の偏光板POL4に貼り付けられている。
【0064】
図24は、液晶表示装置LCDのドライバの構成を示す図である。表示パネルLCP1には、ソースドライバIC(SIC)が6個実装されており、ゲートドライバIC(GIC)が2個実装されている。表示パネルLCP2には、ソースドライバIC(SIC)が2個実装されており、ゲートドライバIC(GIC)が2個実装されている。
【0065】
実施形態2に係る液晶表示装置LCDによれば、複数の表示パネルを備える液晶表示装置において、実施形態1に係る液晶表示装置LCDと同様に、斜め混色を低減することができるとともに、画素の開口率を向上させることができる。尚、実施形態2に係る液晶表示装置LCDは、実施形態1に係る液晶表示装置LCDと同様に、IPS方式の液晶表示装置LCDであってもよい。この場合、表示パネルLCP1及び表示パネルLCP2が、IPS方式の液晶表示パネルであり、液晶層LC1及び液晶層LC2がIPSモードで駆動されてもよい。
【0066】
本発明に係る液晶表示装置は上記構成に限定されない。例えば、バックライトBLは、紫外光を出射する構成であってもよい。この構成では、青色変換層CTLBに、赤色量子ドットRQD及び緑色量子ドットGQDよりも粒子径の小さい量子ドットが含まれる。これにより、バックライトBLは紫外光を出射し、赤色変換層CTLRが紫外光を赤色光に変換し、緑色変換層CTLGが紫外光を緑色光に変換し、青色変換層CTLBが紫外光を青色光に変換する。また、カラーフィルタFILは、赤色カラーフィルタFILR、緑色カラーフィルタFILG、及び青色カラーフィルタFILBを含んでいる。
【0067】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記各実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で上記各実施形態から当業者が適宜変更した形態も本発明の技術的範囲に含まれることは言うまでもない。