(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1に示すように、気象管理システムは、気象管理装置1を備えている。気象管理装置1は、例えば、農家、営農会社、農業機械メーカ、農業のサービス会社等に設置された固定型のコンピュータ、管理者、作業者等が持ち運ぶことができる携帯型のコンピュータである。この実施形態では、気象管理装置1、固定型のコンピュータであって、例えば、サーバである。
【0012】
気象管理装置1は、様々な農業機械で検出した気象データを取得可能である。農業機械は、例えば、トラクタ、田植機、コンバイン、インプルメント等である。
まず、トラクタ、コンバイン、田植機、マルチコプターの農業機械の構成、及び、農業機械による気象データの取得について説明する。
図1に示すように、トラクタ10は、車体11と、原動機12と、変速装置13とを備えている。車体11は、車輪型又はクローラ型の走行装置を支持している。車体11は、走行装置によって走行することが可能である。原動機12は、ディーゼルエンジン、ガソリンエンジン等の内燃機関、電動モータ等である。変速装置13は、走行装置の変速ができると共に、車体11の前進、後進の切り替えを行うことができる。車体11には、運転席14が設けられ、運転席14には操縦装置15が設けられている。車体11の後部には、3点リンク機構等で構成された連結部16が設けられている。連結部16には、インプルメント(アタッチメント)17が着脱可能である。インプルメント17を連結部16に連結することによって、車体11によってインプルメント17を牽引することができる。インプルメント17は、耕耘する耕耘機、肥料を散布する施肥機、薬剤を散布する薬剤散布機、種を撒く播種機、収穫を行う収穫機等である。
【0013】
図2に示すように、車体11には、位置検出装置70Aが設けられている。位置検出装置70Aは、GPS、みちびき等の測位衛星のデータ(測位衛星システム)に基づいて自己の位置(緯度、経度)を検出する装置である。なお、位置検出装置70Aは、加速度を検出する加速度センサ、角速度を検出するジャイロセンサ等の慣性装置を有していてもよく、慣性装置で検出された加速度、角速度を用いて位置を補正してもよいし、その他の補正信号等によって位置を補正してもよく限定されない。
【0014】
トラクタ10は、制御装置19を備えている。制御装置19は、運転席14の周りに設置された操作具(操作レバー、操作スイッチ、操作ボリューム等)を操作したときの操作信号、車体11に搭載された様々なセンサの検出信号等に基づいてトラクタ1の走行系や作業系の制御を行う。例えば、制御装置19は、連結部16を操作具の操作信号に基づいて昇降する制御を行ったり、アクセルペダルセンサに基づいてディーゼルエンジンの回転数を制御する。なお、制御装置19は、トラクタ1の作業系や走行系を制御するものであればよく、制御方式は限定されない。
【0015】
また、トラクタ10は、気象検出装置75Aを備えている。気象検出装置75Aは、車体11、キャビン18、インプルメント17等に装着されていて、トラクタ10の周りの気象データを取得する。気象検出装置75Aは、風向を検出する風向計、風速を検出する風速計、温度を検出する温度計、湿度を検出する湿度計、雨量を検出する雨量計、照度を検出する照度計、天空を撮像するカメラ等である。気象検出装置75Aは、少なくとも風向計、風速計、温度計、湿度計、雨量計、照度計、カメラのいずれか1つで構成されていればよい。また、気象検出装置75Aは、風向計、風速計、温度計、湿度計、雨量計、照度計、カメラを少なくとも2つ以上組み合わせて構成してもよい。
【0016】
気象検出装置75Aは、気象データとして、風向、風速、気温、湿度、降雨量、天気(晴れ、曇り、雨、雷、雪)のデータを取得する。天気(晴れ、曇り、雨、雷、雪)は、カメラによって撮像した画像を解析して検出する。なお、天気は、カメラで撮像した画像と照度との組み合わせに基づいて検出してもよいし、照度と天気との関係を予め記憶しておき当該照度により検出してもよいし限定されない。
【0017】
また、トラクタ10は、記憶部20Aを備えている。記憶部20Aは、不揮発性のメモリ等であり、様々な情報を記憶する。記憶部20Aは、制御装置19、インプルメント17、位置検出装置70A、気象検出装置75A等に接続されていて、
図3Aに示すように、気象データと、位置検出装置70Aが検出した位置と、気象データの検出時間とを関連付けて記憶する。気象データの検出時間は、位置検出装置70Aが測位衛星から得られた時間を適用してもよいし、トラクタ10に時間を検出する計時部76Aを設けて計時部76Aが計時した時間(月、日、時刻)を適用してもよいし限定されない。計時部76Aを気象検出装置75Aに設けてもよい。
【0018】
なお、トラクタ10が圃場内に滞在している時間おいて気象検出装置75Aが検出した検出値(滞在中の検出値)の平均値を気象データとしてもよいし、気象検出装置75Aが検出した検出値を1時間、2時間に区切って平均した平均値を気象データとしてもよいし、トラクタ10が作業を開始してから終了するまでに気象検出装置75Aが検出した検出値の平均値であってもよい。或いは、気象データは、気象検出装置75Aが所定時間毎に検出した検出値であってもよい。
【0019】
以上、トラクタ10を作業のために圃場に滞在させるだけで、気象検出装置75Aが検出した気象データと、作業を行った圃場等の場所を示す位置(位置検出装置70Aが検出した位置)と、気象データの検出時間とが関連付けられた気象情報を取得し、記憶することができる。
図4に示すように、例えば、4月〜6月までの期間において、床土作り、畦作り、田越し、代掻き等の作業を、トラクタ1に装着したインプルメント17に行った場合、気象検出装置75Aは、床土作り、畦作り、田越し、代掻き等の作業単位で気象データを検出し、記憶部20Aに記憶することができる。なお、トラクタは、田植機40やコンバイン30が作業する時期に重複して、例えば、8月頃まで作業した場合は、4月〜8月の期間の気象情報を取得することができる。
【0020】
図1、
図2に示すように、コンバイン30は、車体31と、原動機32と、グレンタンク33と、刈取装置34と、脱穀装置(図示省略)と、制御装置35、測定装置36とを備えている。原動機32、グレンタンク33及び脱穀装置は車体31に設けられている。刈取装置34は、車体31の前部に設けられている。刈取装置34は、穀物を刈り取る装置である。脱穀装置は、刈り取った穀物を脱穀する装置である。グレンタンク33は、脱穀された穀物を貯留するタンクである。制御装置35は、原動機32を制御したり、脱穀装置を制御したり、刈取装置34を制御する。なお、コンバイン30にも、トラクタ10同様に操作具(操作レバー、操作スイッチ、操作ボリューム等)が設けられている。
【0021】
コンバイン30は、位置検出装置70Bを備えている。位置検出装置70Bは、位置(緯度、経度)を検出する装置であり、位置検出装置70Aと同様の構成であるため説明を省略する。コンバイン30は、気象検出装置75Bを備えている。気象検出装置75Aは、車体31等に装着されていて、コンバイン30の周りの気象データを取得する。気象検出装置75Bは、気象検出装置75Aと同様の構成であるため説明を省略する。
【0022】
コンバイン30は、記憶部20Bを備えている。記憶部20Bは、不揮発性のメモリ等であり、様々な情報を記憶する。記憶部20Bは、制御装置35、位置検出装置70B、気象検出装置75B等に接続されていて、
図3Bに示すように、気象データと、位置検出装置70Bが検出した位置と、気象データの検出時間とを関連付けて記憶する。気象データの検出時間は、位置検出装置70Bが測位衛星から得られた時間を適用してもよいし、コンバイン30に時間を検出する計時部76Bを設けて計時部76Bが計時した時間(月、日、時刻)を適用してもよいし限定されない。計時部76Bを気象検出装置75Bに設けてもよい。
【0023】
なお、コンバイン30が圃場に滞在している間において気象検出装置75Bが検出した検出値(滞在中の検出値)の平均値を気象データとしてもよいし、気象検出装置75Bが検出した検出値を1時間、2時間に区切って平均した平均値を気象データとしてもよいし、コンバイン30が作業を開始してから終了するまでに気象検出装置75Bが検出した検出値の平均値であってもよい。或いは、気象データは、気象検出装置75Bが所定時間毎に検出した検出値であってもよい。
【0024】
以上、コンバイン30を作業のために圃場に滞在させるだけで、気象検出装置75Bが検出した気象データと、作業を行った圃場等の場所を示す位置(位置検出装置70Bが検出した位置)と、気象データの検出時間とが関連付けられた気象情報を取得することができる。
図4に示すように、例えば、8月〜9月までの期間において、稲の収穫作業を、コンバイン30で行った場合、気象検出装置75Bは、収穫の作業単位で気象データを検出し、記憶部20Bに記憶することができる。
【0025】
図1、
図2に示すように、田植機40は、車体41と、原動機42と、変速装置43と、苗植付装置44とを備えている。原動機42及び変速装置43は車体41に設けられている。植付装置44は車体41の後部に設けられている。苗植付装置44は、車体41の後部に設けられた苗載せ台45に搭載された苗を当該苗載せ台45から取り出して、圃場等に植え付ける。また、車体41の後部側には、施肥機、播種機等のインプルメント17が取付可能である。
【0026】
田植機40は、制御装置46を備えている。制御装置46は、原動機42を制御したり、変速装置43等を制御する。なお、田植機40にも、トラクタ10及びコンバイン30と同様に操作具(操作レバー、操作スイッチ、操作ボリューム等)が設けられている。
また、田植機40は、位置検出装置70Cを備えている。位置検出装置70Cは、位置(緯度、経度)を検出する装置であり、位置検出装置70Aと同様の構成であるため説明を省略する。田植機40は、気象検出装置75Cを備えている。気象検出装置75Cは、車体41等に装着されていて、コンバイン30の周りの気象データを取得する。気象検出装置75Cは、気象検出装置75Aと同様の構成であるため説明を省略する。
【0027】
田植機40は、記憶部20Cを備えている。記憶部20Bは、不揮発性のメモリ等であり、様々な情報を記憶する。記憶部20Bは、制御装置46、位置検出装置70B、気象検出装置75C等に接続されていて、
図3Cに示すように、気象データと、位置検出装置70Cが検出した位置と、気象データの検出時間とを関連付けて記憶する。気象データの検出時間は、位置検出装置70Cが測位衛星から得られた時間を適用してもよいし、田植機40に時間を検出する計時部76Cを設けて計時部76Cが計時した時間(月、日、時刻)を適用してもよいし限定されない。計時部76Cを気象検出装置75Cに設けてもよい。
【0028】
なお、田植機40が圃場に滞在している間において気象検出装置75Cが検出した検出値(滞在中の検出値)の平均値を気象データとしてもよいし、気象検出装置75Cが検出した検出値を1時間、2時間に区切って平均した平均値を気象データとしてもよいし、田植機40が作業を開始してから終了するまでに気象検出装置75Cが検出した検出値の平均値であってもよい。
【0029】
以上、田植機40を作業のために圃場に滞在させるだけで、気象検出装置75Cが検出した気象データと、作業を行った圃場等の場所を示す位置(位置検出装置70Cが検出した位置)と、気象データの検出時間とが関連付けられた気象情報を取得することができる。
図4に示すように、例えば、6月〜7月までの期間において、田植作業を、田植機40で行った場合、気象検出装置75Cは、田植の作業単位で気象データを検出し、記憶部20Cに記憶することができる。
【0030】
以上、トラクタ、コンバイン、田植機の農業機械によって、様々な気象データを取得することができる。
図2に示すように、気象管理装置1は、気象取得部2を備えている。気象取得部2は、気象管理装置1に設けられた電気・電子部品、当該気象管理装置1に格納されたプログラム等から構成されている。
【0031】
気象取得部2は、種類が同じ機種(同一機種)の農業機械において、複数の農業機械から気象データを取得したり、或いは、種類が異なる農業機械において、複数の農業機械から気象データを取得する。
図10Aに示すように、同一機種の複数の農業機械、即ち、様々な圃場で作業している複数のトラクタ10の気象検出装置75Aが検出した気象データを気象取得部2は取得する。或いは、
図10Bに示すように、異なる時期に作業を行っているトラクタ10、コンバイン30、田植機40のそれぞれにおいて気象検出装置75A、75B、75Cが検出した気象データを気象取得部2は取得する。
【0032】
つまり、気象取得部2は、トラクタ10の気象検出装置75Aが検出した気象データを含む気象情報である第1気象情報と、コンバイン30の気象検出装置75Bが検出した気象データを含む気象情報である第2気象情報と、田植機40の気象検出装置75Cが検出した気象データを含む気象情報である第3気象情報とをそれぞれ取得することができる。
上述したように、気象取得部2は、トラクタ10で行った床土作り、畦作り、田越し、代掻き等のそれぞれの作業時における第1気象情報を作業単位で取得する。また、気象取得部2は、田植機40で行った田植時の第3気象情報を作業単位で取得する。また、気象取得部2は、コンバイン30で行った収穫時の第2気象情報を作業単位で取得する。つまり、気象取得部2は、農業機械で作業を行った場所に対応付けられた気象データを含む気象情報であって、複数の農業機械のそれぞれにおいて気象検出装置75A、75B、75で検出された複数の気象データを含む複数の気象情報(第1気象情報、第2気象情報、第3気象情報)を取得することができる。
【0033】
以下、気象取得部2の気象情報の取得について詳しく説明する。例えば、トラクタ10、コンバイン30、田植機40から直接通信又は間接通信により気象データを含む気象情報を取得する。
トラクタ10、コンバイン30、田植機40には、それぞれ通信装置60A、60B、60C、60Dが設けられている。通信装置60A、60B、60Cは、気象管理装置1に直接通信及び間接通信のいずれかを行う通信モジュールであって、例えば、通信規格であるIEEE802.11シリーズのWi-Fi(Wireless Fidelity、登録商標)、BLE(Bluetooth(登録商標) Low Energy)、LPWA(Low Power, Wide Area)、LPWAN(Low-Power Wide-Area Network)等により無線通信を行うことができる。また、通信装置60A、60B、60Cは、例えば、携帯電話通信網又はデータ通信網などにより無線通信を行うことができる。
【0034】
直接通信の場合、気象取得部2は、定期的又は不定期に、通信装置60A、60B、60Cに対して、気象データを含む気象情報の送信を要求する。通信装置60A、60B、60Cが気象情報の送信の要求を受信すると、トラクタ10、コンバイン30、田植機40は、要求に応じて、記憶部20A、20B、20Cのそれぞれに記憶された第1気象情報、第2気象情報、第3気象情報を通信装置60A、60B、60Cに介して気象管理装置1に送信する。気象管理装置1がトラクタ10、コンバイン30、田植機40から送信された第1気象情報、第2気象情報、第3気象情報を受信すると、気象取得部2は、第1気象情報、第2気象情報、第3気象情報を受け付ける。
【0035】
或いは、直接通信の場合、トラクタ10、コンバイン30、田植機40のそれぞれに設けた通信装置60A、60B、60Cから気象管理装置1に対して、記憶部20A、20B、20Cの第1気象情報、第2気象情報、第3気象情報を送信する。気象管理装置1がトラクタ10、コンバイン30、田植機40から送信された第1気象情報、第2気象情報、第3気象情報を受信すると、気象取得部2は、第1気象情報、第2気象情報、第3気象情報を取得する。
【0036】
一方、間接通信の場合、通信装置60A、60B、60Cは、定期的又は不定期に、記憶部20A、20B、20Cに記憶した第1気象情報、第2気象情報、第3気象情報を携帯端末61に送信する。携帯端末61は、スマートフォン、タブレット、PDA等であって、第1気象情報、第2気象情報、第3気象情報を受信すると一時的に受信した第1気象情報、第2気象情報、第3気象情報を記憶(保存)する。気象取得部2は、定期的又は不定期に、携帯端末61に対して、気象情報の送信を要求する。携帯端末61が気象情報の送信の要求を受信すると、当該携帯端末61は一時的に保存していた第1気象情報、第2気象情報、第3気象情報を気象管理装置1に送信する。気象管理装置1が携帯端末61から送信された第1気象情報、第2気象情報、第3気象情報を受信すると、気象取得部2は、気象データを受け付ける。或いは、間接通信の場合、携帯端末61から気象管理装置1に対して、第1気象情報、第2気象情報、第3気象情報を送信する。気象管理装置1が携帯端末61から送信された第1気象情報、第2気象情報、第3気象情報を受信すると、気象取得部2は、第1気象情報、第2気象情報、第3気象情報を取得する。
【0037】
したがって、気象管理装置1は、通信装置60A、60B、60Cから送信された第1気象情報、第2気象情報、第3気象情報を取得することができる。
上述した実施形態では、トラクタ10、コンバイン30、田植機40のそれぞれに通信装置60A、60B、60Cが設けられている場合に、気象取得部2によって気象データを含む気象情報を取得することについて説明したが、通信装置以外でも気象情報の取得が可能である。
【0038】
図2に示すように、トラクタ10、コンバイン30、田植機40のそれぞれには、USBメモリ、SDカード等の電子記憶媒体である記憶媒体が接続可能な入出力装置63を備えている。入出力装置63は、トラクタ10、コンバイン30、田植機40の制御装置、表示装置等に設けられていて、データを記憶媒体に書き込んだり、記憶媒体の情報を取得することが可能である。記憶媒体に入出力装置63を接続すると、記憶部20A、20B、20Cに記憶した第1気象情報、第2気象情報、第3気象情報が記憶媒体に転送される。記憶媒体は、携帯端末61、又は、パーソナルコンピュータ等の固定端末64に接続可能である。記憶媒体を、携帯端末61又は固定端末64に接続すると、当該記憶媒体が記憶している気象情報が携帯端末61又は固定端末64に転送される。携帯端末61又は固定端末64から気象管理装置1に対して、第1気象情報、第2気象情報、第3気象情報を送信する。気象管理装置1が携帯端末61又は固定端末64から送信された第1気象情報、第2気象情報、第3気象情報を受信すると、気象取得部2は、第1気象情報、第2気象情報、第3気象情報を受け付ける。
【0039】
したがって、第1気象情報、第2気象情報、第3気象情報が記憶媒体を介して携帯端末61又は固定端末64に転送された後、気象管理装置1は、携帯端末61又は固定端末64から送信された第1気象情報、第2気象情報、第3気象情報を受信することによって、当該第1気象情報、第2気象情報、第3気象情報を取得することができる。
図2に示すように、気象管理装置1は、記憶部3を備えている。記憶部3は、気象情報を記憶する。
【0040】
記憶部3は、気象取得部2が第1気象情報、第2気象情報、第3気象情報を取得した場合、取得した第1気象情報、第2気象情報、第3気象情報を記憶する。
図5に示すように、記憶部3に第1気象情報、第2気象情報、第3気象情報を記憶する場合、第1気象情報、第2気象情報、第3気象情報に文字、英数字等で示された管理情報が割り当てられ、管理情報と共に気象データが記憶される。管理情報とは、第1気象情報、第2気象情報、第3気象情報の演算、検索、整理等を行い易くするために設定された情報である。例えば、管理情報は、トラクタ、コンバイン、田植機等の農業機械を示す機械項目が割り当てられている。例えば、管理情報において、上位3桁の番号が001である場合、トラクタ10の第1気象情報であることを示し、上位3桁の番号が002である場合、コンバイン30の第2気象情報であることを示し、上位3桁の番号が003である場合、田植機40の第3気象情報であることを示している。
【0041】
気象管理装置1は、気象提供部4を備えている。気象提供部4は、気象管理装置1に設けられた電気・電子部品、当該気象管理装置1に格納されたプログラム等から構成されている。
気象提供部4は、気象取得部2で取得した気象データを、少なくとも携帯端末61及び固定端末64のいずれかに提供する。この実施形態では、携帯端末61が気象管理装置1に対して、気象データの要求を行った場合、気象提供部4は、携帯端末61の要求に応じて、気象データを提供する。
【0042】
携帯端末61が気象管理装置1に対して気象データの取得の要求をした場合、気象提供部4は、例えば、
図6に示すように、携帯端末61に気象表示画面M1を表示する。気象表示画面M1は、時間を入力する時間入力部80と、気象取得のエリア(所定の場所)を入力するエリア入力部81と、気象データを表示するデータ表示部82とを有している。
時間入力部80には、年、月、日、日等の時間が入力可能である。エリア入力部81には、予め設定された場所が入力可能である。データ表示部82は、時間入力部80に入力された時間及びエリア入力部81に入力された場所における気象データを表示する。時間入力部80において、2017年4月1日〜2017年11月1日が入力され、場所が、新潟第1地区が入力された場合、気象提供部4は、2017年4月1日〜2017年11月1日の期間で新潟第1地区に対応する気象データを、記憶部3から抽出し、抽出した気象データを表示する。詳しくは、気象提供部4は、記憶部3に記憶された第1気象情報、第2気象情報、第3気象情報のうち、気象データの検出時間が2017年4月1日〜2017年11月1日の間に入り且つ、位置(緯度、経度)が新潟第1地区に入る気象データを抽出し、抽出した気象データを数字、グラフ等でデータ表示部82に表示する。
【0043】
なお、
図6に示すように、気象表示画面M1は、データ表示部82に表示する気象データの項目を選択する項目選択部83を有していることが好ましい。項目選択部83は、項目として、風向、風速、気温、湿度、降雨量、天気を選択可能である。項目選択部83で選択可能な項目数は、1つでもよいが、2つ以上であってもよい。この場合、気象提供部4は、項目選択部83で選択された項目に対応する気象データをデータ表示部82に表示する。
図6では、気温の項目が選択され、新潟第1地区の2017年4月1日〜2017年11月1日における温度がグラフで表示されている。
【0044】
気象管理装置1は、農業機械に設けられた気象検出装置75A、75B、75Cで検出された気象データを取得する気象取得部2と、気象取得部2で取得した気象データを提供する気象提供部4とを備えている。これによれば、従来のように、固定型のセンサを設けなくても、少なくとも農作業を行う農業機械にて簡単に気象データを取得することができ、取得した気象データを携帯端末61又は固定端末64に確認することができる。
【0045】
気象取得部2は、農業機械で作業を行った場所に対応付けられた気象データを取得し、気象提供部4は、場所の気象データを提供する。これによれば、例えば、圃場などの場所で農業機械が作業するだけで、圃場などの気象データを取得することができ、取得した圃場などの気象データを簡単に携帯端末61又は固定端末64で確認することができる。
気象取得部2は、複数の農業機械のそれぞれにおいて気象検出装置75A、75B、75Cで検出された複数の気象データを取得し、気象提供部4は、複数の気象データを提供可能である。これによれば、例えば、作業の期間が異なるトラクタ10、田植機40、コンバイン30のそれぞれで気象データを確認することができる。
【0046】
さて、気象管理装置1は、気象データ作成部5を備えていてもよい。気象データ作成部5は、気象管理装置1に設けられた電気・電子部品、当該気象管理装置1に格納されたプログラム等から構成されている。
気象データ作成部5は、複数の圃場を1つの場所(地域)として設定し且つ設定された地域に対応する複数の気象データを時系列に対応付けることで気候データを作成する。言い換えれば、気象データ作成部5は、複数の圃場を1つのグループとして設定して、設定された1つのグループにおける複数の気象データを時系列に対応付けることで気象データを作成する。
【0047】
携帯端末61が気象管理装置1に接続し、所定の操作を行った場合、気象データ作成部5は、例えば、
図7に示すように、携帯端末61に設定画面M2を表示する。設定画面M2は、圃場を示す圃場マップH1を表示するマップ表示部100と、所定の場所(地域)を識別する場所識別情報を入力する場所入力部101とを有している。場所識別情報は、所定の場所(地域)を示す名称等である。
【0048】
設定画面M2では、マップ表示部100に示した圃場マップH1の圃場を、ポインタ103等により選択可能である。気象データ作成部5は、マップ表示部100において圃場マップH1の圃場が選択される毎に、選択された圃場の位置を保持する。例えば、マップ表示部100において、6つの圃場(圃場A、圃場B、圃場C、圃場D、圃場E、圃場F)が選択された場合、気象データ作成部5は、圃場A、圃場B、圃場C、圃場D、圃場E、圃場Fのそれぞれの位置(緯度、経度)を保持する。設定画面M2において、登録ボタン103が選択された場合、気象データ作成部5は、選択された複数の圃場、例えば、6つの圃場(圃場A、圃場B、圃場C、圃場D、圃場E、圃場F)を、場所入力部101に入力された所定の場所に設定する。
図8Aに示すように、例えば、場所入力部101に「新潟第1地区」が入力された場合、圃場A、圃場B、圃場C、圃場D、圃場E、圃場Fを新潟第1地区に設定する。
【0049】
気象データ作成部5は、所定の場所(地域)を設定後、所定の場所(地域)を設定する際に用いた複数の圃場A、圃場B、圃場C、圃場D、圃場E、圃場Fのそれぞれに対応する気象データを時系列に対応付けることで気象データを作成する。
図8Bに示すように、気象データ作成部5は、圃場A、圃場B、圃場C、圃場D、圃場E、圃場Fにおける気象データのうち、検出時間を並べ、並べた検出時間により日付毎の気象データを、所定の場所の気候データとして設定する。
【0050】
図8Bに示すように、気象データ作成部5は、例えば、圃場Aにおける4/1の気象データを新潟第1地区における4/1の気象データ、圃場Bにおける4/2の気象データを新潟第1地区における4/2の気象データ、圃場Aにおける6/1の気象データを新潟第1地区における6/1の気象データ、圃場Bにおける6/2の気象データを新潟第1地区における6/2の気象データ、圃場Aにおける9/1の気象データを新潟第1地区における9/1の気象データ、圃場Bにおける9/2の気象データを新潟第1地区における9/2の気象データに設定することで、所定の場所の気候データを作成する。
【0051】
言い換えれば、トラクタ10が4/1、4/2に作業したときに得られた気象データ、田植機40が6/1、6/2に作業したときに得られた気象データ、コンバイン30が9/1、9/2に作業したときに得られた気象データ等を、時系列に並べる一方で作業したときの圃場で得られた気象データを所定の地域の気象データに適用することで、所定の地域の気候データを作成することができる。気象データ作成部5によって作成された気候データは、記憶部3に記憶される。
【0052】
以上のように、気候データ作成部5は、複数の圃場を所定の場所(地域)として設定し且つ設定された所定の場所(地域)に対応する複数の気象データを時系列に対応付けることで気候データを作成する。これによれば、
図9に示すように、トラクタ10で作業したときに取得した気象データを含む第1気象情報と、田植機40で作業したときに取得した気象データを含む第3気象情報と、コンバイン30で作業したときに取得した気象データを含む第2気象情報とを用いて、所定の場所における気候データを作ることができる。
【0053】
なお、気象管理装置1において、気象データ作成部5によって気候データが作成され、気候データが記憶されている場合は、気象提供部4は、エリア入力部81に入力された所定の場所に対応する気候データを抽出し、抽出した気候データをデータ表示部82に表示する。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。