(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第2のボルトが、第2のボルト部と前記第2のボルト部の一方端側に設けられた第2の頭部を有し、前記第2のボルトは、前記第2の導電プレートに設けられた挿通孔に挿入された、
請求項10または11に記載される二次電池。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
この二次電池101は、封口板112の上面に絶縁部材124を介して接続プレート123を配置し、この接続プレート123を電極端子113に固定して電気接続するので、電極端子113を封口板112から高く突出させる必要があり、電極端子113の突出量(t)が大きくなり、二次電池101の全高が高くなるという問題があった。とくに、接続プレート123に接続される電極端子113は、固定部材118を介して接続プレート123に固定されるので、
図16に示すように、この電極端子113を介して複数の二次電池101をバスバー106で接続する際には、バスバー106の厚みとバスバー106を固定するためのナット109の厚みの分だけ電極端子113を高くする必要があり、さらに、電極端子113を高く突出させる必要があった。
【0006】
また、
図16の矢印で示すように、複数の二次電池101を連結するために、電極端子113にバスバー106を固定する際には、電極端子113のボルト部にナット109をねじ込んで締め付ける必要があり、このとき電極端子113に掛かる強いトルクにより、電池内部に無理な応力を作用させて集電部材116や電極体115に悪影響を及ぼすおそれがあった。
【0007】
本発明は、従来のこのような問題点に鑑みてなされたものである。本発明の目的の一は、二次電池の全高を低くして外形を小さくできる二次電池と複数の二次電池を備える組電池を提供することにある。さらに、本発明の他の目的は、バスバーとナットを用いて複数の二次電池を連結する際に、ナットの締め付けトルクにより電極端子に無理な応力を作用させるのを防止して、二次電池の損傷を有効に防止できる二次電池と複数の二次電池を備える組電池を提供することにある。
【0008】
上記目的を達成するために、本発明に係る二次電池によれば、正極及び負極を含む電極体と、開口部を有し、電極体を収納する外装缶と、外装缶の開口を閉塞する封口板と、電極体に電気接続され、封口板に取り付けられた一対の電極端子とを備えている。一対の電極端子は、封口板から絶縁された第1の電極端子と、封口板に電気接続された第2の電極端子とを備えている。さらに、二次電池は、内圧が設定圧力よりも高くなると第1の電極端子と封口板とを短絡させる短絡機構を備えており、短絡機構は、封口板に固定されて、外装缶内の圧力が設定圧力よりも高くなると作動する導電性の反転板と、反転板に対向して封口板の上面側に配置された反転板受け部とを備えている。反転板受け部は第1の出力端子を含み、第1の出力端子は封口板と電気的に絶縁されている。第1の出力端子は、第1の電極端子に電気接続されると共に、第1の電極端子から離間して配置されている。
なお、本明細書において二次電池の上下方向は、図において特定するものとする。
【0009】
上記構成により、第1の電極端子と別部材からなる第1の出力端子を反転板受け部に設けることで、バスバーやナットを接続するための部材の突出量を小さくして、二次電池の全高を低くできる。さらに、第1の出力端子を第1の電極端子から離間して配置することで、ナットの締め付けトルクにより電極端子に無理な応力が作用するのを防止して二次電池の損傷を有効に防止できる。とくに、本発明の二次電池では、短絡機構を備えるため封口板に配置される反転板受け部を有効に利用して第1の出力端子を配置しつつ、第1の出力端子を第1の電極端子に電気接続するので、第1の出力端子を配置するための部材を新たに設けることなく、部品点数を低減しながら低コストに製造できる。
【0010】
なお、二次電池が感圧式の短絡機構を備えることにより、電池が過充電状態となった場合の安全性を確保することができる。電池が過充電状態となった場合、電池内部で発生したガスにより電池内圧が上昇する。これにより短絡機構が作動し、封口板を介して正極端子と負極端子が電気的に接続される。したがって、短絡機構が作動した後は、電極体内に充電電流が流れ込むことを抑制でき、過充電が更に進行することを抑制できる。また、電極体内部のエネルギーも電極体外部において消費される。
【0011】
なお、電池の信頼性をより向上させるためには、ヒューズ部を設けることが好ましい。これにより、短絡機構及びヒューズ部により電流遮断機構を構成する。即ち、電流遮断機構は、二次電池の内圧が設定圧力よりも高くなると第1の電極端子と封口板とを短絡させる短絡機構と、短絡機構の短絡状態において、過電流で溶断されて電流を遮断するヒューズ部とを備える。これにより、電流遮断機構が作動した後は、過充電が更に進行することをより確実に防止できる。
【0012】
反転板受け部は、第1の電極端子と第1の出力端子を繋ぐ接続プレートを含み、第1の出力端子は、ボルト部とボルト部の一方端側に設けられた頭部を有するボルトであり、ボルトは、接続プレートに設けられた挿通孔に挿入された状態とすることができる。
【0013】
接続プレートは、挿通孔の下端側に頭部を嵌合させる嵌合凹部を備えることができる。上記構成により、反転板受け部を簡単な構造としながら、ボルトを接続プレートの定位置に固定できる。
【0014】
ボルトを、挿通孔または嵌合凹部に圧入して接続プレートに固定することができる。例えば、ボルト部を挿通孔に圧入する、あるいは、頭部を嵌合凹部に圧入することができる。上記構成により、ボルトを接続プレートに簡単かつ確実に固定できる。また、上記構成であれば頭部の平面視の形状を円形としても、締結時のボルトの空回りを防止できる。
【0015】
ボルトを反転板と対向する位置に配置して、反転板が作動したとき、頭部に反転板を接触させることができる。上記構成によると、反転板と対向する位置にボルトの頭部を配置して、反転板の作動時には、反転板を頭部に接触させて短絡できる。このため、反転板とボルトの材質を選択的に調整して、接触抵抗や通電抵抗を小さくすることができる。またボルトの形状や大きさ等を種々に変更することで、反転板との接続状態を簡単に調整することができる。
【0016】
頭部は、反転板との対向面に凹部を備えることができる。上記構成により、頭部に凹部を形成することで、反転された反転板との接触面積を大きくして接触抵抗や導通抵抗を小さくすることができる。
【0017】
頭部は、反転板との対向面に環状の凸部を備えることができる。上記構成により、頭部に環状の凸部を形成することで、反転された反転板との接触面積を大きくして接触抵抗や導通抵抗を小さくすることができる。
【0018】
第1の出力端子は、ボルト部とボルト部の一方端側に設けられた頭部を有するボルトであり、さらに、反転板の上方には絶縁ホルダーが配置されており、絶縁ホルダーが反転板と対向する位置に貫通孔を有し、貫通孔にボルトの一部を挿入して絶縁ホルダーの下面側にボルトを表出させることができる。上記構成により、絶縁ホルダーの貫通孔にボルトの一部を挿入することで、ボルトを定位置に配置しながら、貫通孔に挿通されたボルトを絶縁ホルダーの下面側に表出させることで、反転した反転板との導通を図ることができる。
【0019】
絶縁ホルダーは、貫通孔の上端に、頭部が配置される段差凹部を有することができる。上記構成により、絶縁ホルダーが反転板側に移動するのを有効に防止して、通常時において、ボルトが反転板と接触することを確実に防止できる。
【0020】
第2の電極端子に電気接続されて、外部に出力するための第2の出力端子を備えて、第2の出力端子を、封口板の上面側に配置された導電プレートを介して第2の電極端子に接続して、第2の電極端子から離間して配置することができる。
【0021】
上記構成により、第2の電極端子と別部材からなる第2の出力端子を設けることで、バスバーやナットを接続するための部材の突出量を小さくして、二次電池の全高を低くできる。さらに、第2の出力端子を第2の電極端子から離間して配置することで、ナットの締め付けトルクにより電極端子に無理な応力が作用するのを防止して二次電池の損傷を有効に防止できる。
【0022】
第1の出力端子と第2の出力端子は、対称の位置に配置することができる。上記構成により、第1の出力端子と第2の出力端子とを対称の位置に配置することで、複数の二次電池を交互に左右反転させた姿勢で積層する状態で、対向する第1の出力端子と第2の出力端子とを対向する位置に配置できる。このため、第1の出力端子と第2の出力端子とを理想的に接続しながら、複数の二次電池を直列に接続できる。
【0023】
第2の出力端子は、ボルト部とボルト部の一方端側に設けられた頭部を有するボルトとして、ボルト部を導電プレートに設けられた挿通孔に挿入した状態とすることができる。上記構成によると、第2の出力端子をボルト部の一端に頭部を有する安価なボルトとしながら、簡単な構造で導電プレートの定位置に固定できる。
【0024】
本発明の組電池は、上記のいずれかの二次電池を複数個備えており、複数の二次電池を第1の出力端子31に連結されるバスバーとナットとを用いて接続している。上記構成により、バスバーやナットを接続するための部材の突出量を小さくして、二次電池の全高を低くできるので、組電池の外形を小さくできる。また、第1の出力端子は、第1の電極端子から離間して配置されているので、
図14に示すように、第1の出力端子にかかる締め付けトルクが直接に第1の電極端子に作用することがなく、第1の電極端子や二次電池が損傷を受けるのが防止される。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以上、本発明の実施形態乃至実施例を図面に基づいて説明する。ただ、以下に示す実施形態乃至実施例は、本発明の技術思想を具体化するための二次電池及び複数の二次電池を備える組電池を例示するものであって、本発明は二次電池と組電池を以下のものに特定しない。また、本明細書は特許請求の範囲に示される部材を、実施形態の部材に特定するものでは決してない。特に実施形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対的配置等は特に特定的な記載がない限りは、本発明の範囲をそれのみに限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。さらに以下の説明において、同一の名称、符号については同一もしくは同質の部材を示しており、詳細説明を適宜省略する。さらに、本発明を構成する各要素は、複数の要素を同一の部材で構成して一の部材で複数の要素を兼用する態様としてもよいし、逆に一の部材の機能を複数の部材で分担して実現することもできる。
【0027】
(実施形態1)
本発明の実施形態1に係る二次電池を、
図1と
図2に示す。これらの図に示す二次電池1は、幅よりも厚さを小さくした外形の角形電池としている。二次電池1は、リチウムイオン二次電池、ニッケル水素二次電池、ニッケルカドミウム二次電池等の充放電可能な電池である。特に、二次電池1にリチウムイオン二次電池を使用すると、二次電池全体の体積や質量に対する充電容量を大きくできる特長がある。
【0028】
二次電池1は、
図1に示すように、正極及び負極を含む電極体15と、一面に開口部を有して電極体15を収納する有底筒状の外装缶11と、この外装缶11の開口部を閉塞する封口板12と、封口板12の両端部に配置されて、集電部材16を介して電極体15に電気接続された一対の電極端子とを備えている。電極体15は、正極と負極とをセパレータを挟んで渦巻き状に巻回した後、所定の厚さにプレス加工された状態で外装缶11の内部に挿入されている。外装缶11は、底を閉塞して、対向する両面を幅広面とする筒状で、図において上方を開口している。この形状の外装缶11は、アルミニウムやアルミニウム合金等の金属板をプレス加工して製作される。外装缶11の開口部は、金属板をプレス加工した平板状の封口板12により、レーザー溶接でもって閉塞されている。
【0029】
封口板12は、一対の電極端子13の間にガス排出弁14を設けている。ガス排出弁14は、外装缶11の内圧が所定値以上に上昇した際に開弁して、内部のガスを放出できるように構成される。ガス排出弁14を開弁させることで、外装缶11の内圧上昇を抑制できる。ガス排出弁14は、好ましくは封口板12の長手方向のほぼ中央に配置する。これにより、隣接する二次電池1同士を幅方向に反転させた姿勢で積層しても、常に封口板12の中央にガス排出弁14を揃えることができる。さらに、封口板12は、ガス排出弁に隣接して外装缶11に電解液を注入するための注液部19を設けている。二次電池1は、電極体15を外装缶11に挿入し、外装缶11の開口部を封口板12で気密に密閉した後、注液部19から電解液(図示せず)を注入して製作される。
【0030】
一対の電極端子13は、封口板12から絶縁された第1の電極端子13Aと、封口板12に電気接続された第2の電極端子13Bとを備えている。一対の電極端子13は、ガスケット17を介して、封口板12の定位置に固定されている。第1の電極端子13Aは、ガスケット17を介して、封口板12に絶縁状態で連結されている。第2の電極端子13Bは、ガスケット17を介して封口板12に連結されると共に、封口板12の上面側において、第2の電極端子13Bに固定される金属製の導電プレート26を介して封口板12に電気接続されている。封口板12に固定された正負の電極端子13は、二次電池1の内部において、集電部材16を介して電極体15に電気接続されている。この二次電池1は、封口板12及び外装缶11に接続された第2の電極端子13Bを正極とし、第1の電極端子13Aを負極としている。
【0031】
(電流遮断機構7)
二次電池1は、過充電等による熱暴走を回避するため、外装缶11の内部の内圧の上昇に反応して第2の電極端子13Bと電極体15の電気的接続を遮断する電流遮断機構7を備えている。図に示す電流遮断機構7は、二次電池1の内圧が設定圧力よりも高くなると第1の電極端子13Aと封口板12とを短絡させる短絡機構20と、第2の電極端子13Bに接続された集電部材16に設けられたヒューズ部21とを備えている。この電流遮断機構7は、電池の内圧が設定圧力よりも高くなって短絡機構20が短絡する状態で、ヒューズ部21に流れる過電流によってヒューズ部21が溶断されて電流を遮断する。
【0032】
(短絡機構20)
短絡機構20は、過充電などにより二次電池1の内部圧力が設定圧力より高くなると、短絡を誘導してヒューズ部21に大電流が流れるように機能する。
図1と
図3の短絡機構20は、封口板12に固定された導電性材料からなる反転板22と、反転板22に対向して封口板12の上面側に配置された金属製の反転板受け部25とを備えている。なお、ヒューズ部21が設けられない場合であっても、短絡機構20が設けられていると更なる過充電の進行は抑制できる。
【0033】
(反転板22)
反転板22は、
図1と
図3に示すように、溶接などの方法により封口板12に開口された短絡孔12Aに設けられている。この反転板22は、外周縁部が封口板12に電気的に接続されており、中央部が外装缶11の内部に向かって突出する姿勢で湾曲されている。反転板22は、二次電池1に過充電が発生して二次電池1の内部圧力が設定圧力より高くなると、反転されて上に膨らんで、すなわち、電極体15から離れる方向に突出し、反転板受け部25に接触することで短絡を誘発させる。
【0034】
なお、反転板22の作動圧は、ガス排出弁14の作動圧よりも低い値に設定することが好ましい。また、反転板22は、封口板12をプレス加工することにより形成してもよい。また、上述の例の短絡機構20では反転板22を1枚としているが、反転板は複数枚を積層することもできる。複数の反転板を積層してなる備える短絡機構は、各々の反転板の厚さや反転する設定圧力に差を設けることで、電池内の内圧の上昇に対してよりスムーズに反応させながら、一方の反転板が熱により溶融されても、他方の反転板で短絡を維持させてヒューズ部のヒューズ機能を作用させ続けることができる。なお、反転板22は金属製であることが好ましい。例えば、反転板22はアルミニウム又はアルミニウム合金製とすることが好ましい。
【0035】
(反転板受け部25)
反転板受け部25は、絶縁部材24を介して封口板12の上面に配置されており、封口板12に対して絶縁状態とされている。この反転板受け部25は、第1の電極端子13Aと電気的に接続されている。
図3に示す反転板受け部25は接続プレート23を含み、具体的には、接続プレート23の一部に開口された貫通孔23aに、第1の電極端子13Aを挿通させて、この第1の電極端子13Aを介して集電部材16に連結している。
図3に示す第1の電極端子13Aは、ロッド部28Aの一端に鍔部28Bを有する接続部材28としている。この接続部材28は、ロッド部28Aが、接続プレート23、絶縁部材24、封口板12、ガスケット17、及び集電部材16を貫通する状態でこれ等に挿通されており、鍔部28Bを接続プレート23の上面に当接させると共に、ロッド部28Aの先端部をカシメ加工して接続プレート23を集電部材16に電気接続している。このように、接続プレート23、絶縁部材24、封口板12、ガスケット17、及び集電部材16をまとめて接続部材28でカシメ固定する構造は、封口板表面からの突出高さを小さくして電池の高さを低くできる。なお、接続プレート23は、金属製であることが好ましい。例えば、接続プレート23はアルミニウム、アルミニウム合金、銅、又は銅合金製とすることが好ましい。特に、接続プレート23は、アルミニウム又はアルミニウム合金製とすることが好ましい。接続プレート23が銅又は銅合金製の場合は、表面にメッキを施すことが好ましい。
【0036】
(ヒューズ部21)
ヒューズ部21は、短絡機構20の短絡状態において、電池内に流れる過電流によって生じる熱で溶融されて切断される部位であって、短絡時における電流の導通経路に設けられている。
図1に示すヒューズ部21は、第2の電極端子13Bに接続された集電部材16に設けている。集電部材16に形成されるヒューズ部21は、短絡機構20の短絡状態において、集電部材16に流れる過電流で溶断される構成としている。
図1に示すヒューズ部21は、集電部材16に開口されたヒューズ孔21Aにより形成されており、具体的には、ヒューズ孔21Aの両側に形成された接続部21Bにより構成されている。この接続部21Bは、ヒューズ孔21Aの開口によって断面積が小さくなる部位であって、電気抵抗が局部的に大きくなることにより、二次電池1の短絡時に流れる大電流で生じる熱によって溶融されて電流を遮断するヒューズとして機能する。このヒューズ部21は、ヒューズ孔21Aが形成された領域において、接続部21Bが溶融されて切断されることにより、電気的に分離されて電流を遮断する。このヒューズ部21は、
図1に示すように、外装缶11に収納される電極体15よりも上部領域であって、電極端子13よりも外側の領域に配置される。
【0037】
なお、
図1に示す電流遮断機構7は、第2の電極端子13Bに接続された集電部材16にヒューズ部21を設けている。この構造は、短絡機構20とヒューズ部21とを離して配置することで、ヒューズ部21の溶断時や再導通時に発生るスパークにより短絡機構20に悪影響を及ぼすのを低減できる特徴がある。ただ、ヒューズ部は、第1の電極端子に接続された集電部材に設けることもできる。
【0038】
以上の電流遮断機構7は、二次電池1の内圧が設定圧力以上となると、反転板22が内圧で押し上げられるようにして変形して反転される。反転板22が反転されて反転板受け部25に接触すると、反転板22と反転板受け部25が導通されて短絡機構20が短絡する。短絡機構20が短絡すると、二次電池1を内部には大電流が流れ、この際に、導通経路に設けられたヒューズ部21が大電流によるジュール熱で加熱溶融されて切り離され、電流を遮断する。これにより、二次電池1の内圧が異常に上昇した場合に、二次電池1に流れる電流を遮断して二次電池1の安全性を保証する。
【0039】
(第1の出力端子31)
さらに、図に示す二次電池1は、反転板受け部25が第1の出力端子31を有する。第1の出力端子31は、接続プレート23を介して、第1の電極端子13Aに電気接続されている。
図1と
図3に示す第1の出力端子31は、ボルト部33Aの後端に頭部33Bを有するボルト33で、ボルト部33Aを上向きの姿勢として接続プレート23に貫通させている。接続プレート23は、ボルト部33Aを挿通するための挿通孔23bを開口しており、さらに、この挿通孔23bの下側開口部にはボルト33の頭部33Bを嵌合させる嵌合凹部23cを形成している。ボルト33は、
図2に示すように、頭部33Bの外形を多角形状(図においては六角形)としており、嵌合凹部23cの内形をこの頭部33Bの外形に沿う形状として頭部33Bを嵌合構造で固定できるようにしている。なお、頭部33Bの平面視の形状を多角形状とすることにより、ボルト33を空転させることなくナット9を締め付けできる。なお、頭部33Bの平面視の形状を円形とすることもできる。頭部33Bの平面視の形状を円形とする場合は、ボルト33を接続プレート23の挿入孔23bに圧入し、ボルト33を接続プレート23に固定することが好ましい。ボルト33は、ボルト部33Aを挿通孔23bに圧入して抜けないように固定し、あるいは、頭部33Bを嵌合凹部23cに圧入して外れないように固定し、あるいは頭部33Bをかしめて圧着して固定し、あるいはまた接着や溶着して固定することができる。なお、第1の出力端子31は金属製であることが好ましい。第1の出力端子31の材質は、特に限定されないが、接続プレート23を構成する材料よりも導電性の低い材料を用いることもできる。
【0040】
第1の出力端子31は、第1の電極端子13Aから離間して配置されている。
図1と
図2に示す二次電池1は、封口板12の端部に第1の電極端子13Aを配置しており、この第1の電極端子13Aから封口板12の中央部側に離間して第1の出力端子31を配置している。即ち、第1の出力端子31は、封口板12の長手方向において、第1の電極端子13Aよりも中央側(ガス排出弁14側)に配置されている。このように、第1の出力端子31を第1の電極端子13Aから離して配置することで、第1の出力端子31にバスバー6を配置してナット9で締め付けて固定する際に、第1の出力端子31に作用する締め付けトルクが第1の電極端子13Aに無理な応力を作用させるのを防止できる。第1の出力端子31と第1の電極端子13Aは、その間隔(d)を大きくすることでナット9を締め付ける際の締め付けトルクによる第1の電極端子13Aへの悪影響を低減できる。ただ、第1の出力端子31と第1の電極端子13Aとの間隔(d)を大きくするには、接続プレート23を長くする必要があって封口板12への配置に制約を受ける。したがって、第1の出力端子31と第1の電極端子13Aとの間隔(d)は、これ等のことを考慮して最適範囲に決定される。第1の出力端子31と第1の電極端子13Aとの間隔(d)は、例えば、接続プレート23の全長(L)の15%〜80%、好ましくは、25%〜70%とすることが好ましい。
【0041】
図1と
図3に示す二次電池は、第1の出力端子31であるボルト33の頭部33Bが、反転板22と対向する位置となるように配置している。この反転板受け部25は、
図3の鎖線で示すように、反転板22が反転する状態では、反転板22がボルト33の頭部33Bに接触して短絡が誘発される。この構造は、反転板22とボルト33の材質を選択的に最適な材質とすることで、接触抵抗や通電抵抗を小さくすることができる。ただ、第1の出力端子31であるボルト33は、
図4に示すように、反転板22と対向する位置から遠ざけて、すなわち、第1の電極端子13Aから離れる方向に位置をずらすこともできる。この構造では、反転する反転板22は、接続プレート23の下面に接触する。このように、第1の出力端子31と第1の電極端子13Aとの間隔(d)を大きくする構造は、ナット9を締め付ける際の締め付けトルクによる第1の電極端子13Aへの影響をより低減できる。さらに、第1の出力端子31であるボルト33は、
図4の鎖線で示すように、反転板22と対向する位置から近づけて、すなわち、第1の電極端子13Aに接近する方向に位置をずらすこともできる。このように、第1の出力端子31と第1の電極端子13Aとの間隔(d)を短くする構造は、電極体15から第1の出力端子31までの導通距離を短くして抵抗を小さくできる。また、
図4に記載のいずれかの構成であれば、第1の出力端子31が接続プレート23に対して下方に動くことがあっても、第1の出力端子31と反転板22が接触し反転板22が損傷したり、短絡機構20が誤作動を起すことを確実に防止できる。このような効果を得るためには、第1の出力端子31の中心軸を反転板22の中心からずれた位置に配置し、第1の出力端子31の少なくとも一部(例えば、頭部33Bの一部)が短絡孔12Aの外側に位置するようにすることが好ましい。さらに、第1の出力端子31の中心軸が短絡孔12Aの外側に位置するようにすることが好ましい。また、
図4に示すように、頭部33Bと封口板12の間に絶縁部材、例えば絶縁部材24の一部を配置することが好ましい。また、
図4に示すように第1の出力端子31を反転板22と対向する位置からずらし、反転板22が反転したときに反転板22が接続プレート23に接触するようにする場合は、接続プレート23の下面に突起を設け、この突起が反転板22と接触するようにすることが好ましい。
【0042】
(接続部材28の他の例)
さらに、反転板受け部25と集電部材16との接続は、
図5と
図6に示す構造とすることもできる。
図5に示す第1の電極端子13Aは、ロッド部28Aの一端に設けた鍔部を絶縁部材24の内形に沿う角形の端子板28Cとしており、この端子板28Cの外側面に反転板受け部25である接続プレート23を面接触状態で連結する構造としている。この接続部材28は、ロッド部28Aが、絶縁部材24、封口板12、ガスケット17、及び集電部材16を貫通する状態でこれ等に挿通されている。さらに、接続部材28は、端子板28Cを絶縁部材24の上面に当接させた状態で、ロッド部28Aの先端部をカシメ加工して端子板28Cを集電部材16に電気接続すると共に、端子板28Cを絶縁部材24の表面に配置している。さらに、接続部材28は、接続プレート23を連結するための連結凸部28Dを外側面から突出して設けている。接続プレート23は、連結凸部28Dと対向する位置に連結孔23dを開口しており、この連結孔23dに連結凸部28Dを嵌入させることで接続プレート23を端子板28Cの定位置に連結できるようにしている。この二次電池1は、その製造工程において、端子板28Cを備える接続部材28を介して集電部材16を封口板12に固定すると共に、集電部材16を外装缶11に収納して封口板12で閉塞した後、接続プレート23を端子板28Cに接続できる。このため、用途に応じてボルト33の形状変更を容易にできる特徴がある。なお、この例では、接続部材28と接続プレート23を銅材とし、ボルト33をメッキした鉄製とすることで、良好な接続が可能となる。
【0043】
さらに、
図6に示す接続部材28は、ロッド部28Aと端子板28Cとを異なる金属としている。図に示す接続部材28は、ロッド部28Aを銅材とし、端子板28Cをアルミニウム材としている。この構造は、接続プレート23をアルミ材とすることで、端子板28Cと接続プレート23の同種金属のレーザー溶接が容易となる。このため、軽量化が実現できる。
【0044】
さらに、
図5と
図6に示す二次電池1は、接続部材28の端子板28Cを接続プレート23と絶縁部材24の間に介在させるので、反転板22と接続プレート23との距離が長くなるが、
図5に示すように、頭部33Bの中央部に凸部33cを設けることで反転板22との距離を確保し、あるいは、
図6の鎖線で示すように、ボルト33の頭部33Bを厚く成形することで反転板22との距離を確保して、反転板22が作動して反転した際の反転板22とボルト33との接続を維持できる。
【0045】
(ボルト33の他の例)
さらに、ボルト33の頭部33Bを厚く成形して、反転板22と対向する位置に配置する構造は、
図7と
図8に示すように、頭部33Bの形状を種々に変更して反転板22との接触抵抗や導通抵抗を小さくすることができる。
【0046】
図7に示すボルト33は、頭部33Bの表面であって、図において反転板22と対向する面となる下面に凹部33aを形成している。頭部33Bに形成される凹部33aは、好ましくは、図の鎖線で示すように、反転した反転板22の表面に沿う断面形状とすることができる。このような構成によると、反転板22が反転したとき、反転板22と頭部33Bがより広い面積で接触し易くなり、頭部33Bと反転板22との接触抵抗や導通抵抗をより小さくすることができる。
【0047】
さらに、
図8に示すボルト33は、頭部33Bの表面であって、図において反転板22と対向する面となる下面に環状の凸部33bを形成している。
図8に示すボルト33は、頭部33Bの外周面に沿う環状の凸部33bを形成している。このボルト33も、図の鎖線で示すように、反転した反転板22の表面に沿う形状となるように凸部33bを形成することで、反転板22との接触抵抗や導通抵抗をより小さくすることができる。なお、環状の凸部33bにおいて、その一部に切欠きを設けた略環状の凸部、即ち、環状の凸部33bにおいて、凸部33bが一部途切れるような略環状の凸部としても、ある程度の効果が得られる。例えば、完全な環状の場合の全周の長さに対して、実際の凸部の長さが70%以上である場合、略環状の凸部とすることができる。
【0048】
(反転板受け部25の他の例)
さらに、反転板受け部25は、
図9に示すように、第1の電極端子13Aである接続部材28と接続プレート23とを一体的に形成することもできる。この反転板受け部25は、絶縁部材24を介して封口板12の上面に配置される接続プレート23を接続部材28の端子板28Cに兼用して、この接続プレート23から下方に突出するロッド部28Aを一体的に成形している。この構造は、接続プレートと接続部材とを一体化することで、異種金属の接合のような接触抵抗を生じさせることなく低抵抗にでき、しかも、部品点数を削減できる特徴が実現できる。
【0049】
以上のように、本発明の二次電池は、反転板受け部25が第1の出力端子31を有し、第1の出力端子31を第1の電極端子13Aから離間して配置することで、バスバー6及びナット9が連結される第1の出力端子31の突出量(t)を低くして二次電池1の全高を低くできる。また、ナット9を第1の出力端子31に締め付ける状態で、第1の出力端子31にかかる締め付けトルクにより第1の電極端子13Aに無理な応力が作用するのを防止できる。
【0050】
(絶縁ホルダー50)
さらに、反転板受け部25は、
図10ないし
図12に示す構造で封口板12の定位置に配置することもできる。
図10ないし
図12に示す例では、反転板22の上面に、樹脂等の絶縁材で成形された絶縁ホルダー50を配置している。
図10と
図11に示す絶縁ホルダー50は、反転板22と対向する部分にプレート部50Aを備えており、このプレート部50Aにはボルト33の一部を挿入する貫通孔50aを開口している。さらに、絶縁ホルダー50は、接続部材28と対向する部分には開口部50Bを設けている。そして、この開口部50B内に接続部材28と絶縁部材24とが配置されている。この構造の絶縁ホルダー50は、開口部50Bに接続部材28及び絶縁部材24を配置する状態で、封口板12の上面の定位置に配置される。さらに、図に示す絶縁ホルダー50は、上面の周囲に周壁50Cを設けており、この周壁50Cの内側に接続プレート23を嵌合させて定位置に配置できるようにしている。
【0051】
絶縁ホルダー50は、プレート部50Aに開口された貫通孔50aに、ボルト33の一部を挿入すると共に、貫通孔50aに挿入されたボルト33の一部を、貫通孔50aの下面側においてプレート部50Aから表出させている。
図10ないし
図12に示すボルト33は、頭部33Bの中央部に、下方に突出する柱状の凸部33Cを設けており、この凸部33Cを貫通孔50aに貫通させている。このボルト33は、頭部33Bに設けた凸部33Cを絶縁部材50に貫通させて下面側に表出させることにより、反転する反転板22と接触させて導通を図るようにしている。貫通孔50aは、凸部33Cを挿入できるが、頭部33Bは挿入できない内径としている。すなわち、貫通孔50aにおいて内径が最も小さい部分の内径は、ボルト33の頭部33Bにおいて外径が最も大きい部分の外径よりも小さくしている。これにより、反転板22の上方に配置されるボルト33が反転板22側に移動することを抑制している。よって、通常時において、ボルト33が下方に移動して反転板22と接触することを確実に防止できる。また、反転板22が反転した状態では、貫通孔50aから表出する凸部33Cに反転板22が接触するようにできる。
【0052】
絶縁ホルダー50の貫通孔50aには頭部33Bと凸部33Cが嵌合するように段差部が形成されていることが好ましい。
図10ないし
図12に示す絶縁ホルダー50は、貫通孔50aの上側開口部に、ボルト33の頭部33Bを挿入させる段差凹部50bを形成している。段差凹部50bは、頭部33Bを収納できるように、その内形を頭部33Bの外形に沿う形状とし、あるいは頭部33Bの外形よりもやや大きくすると共に、頭部33Bを収納できる深さとしている。
【0053】
以上の絶縁ホルダー50は、反転板受け部25を封口板12の定位置に配置しながら、接続プレート23に固定されたボルト33が反転板22側に移動するのを確実に防止できる。ただ、絶縁ホルダー50を備えて、この絶縁ホルダー50を介してボルト33を定位置に配置する構造では、必ずしもボルト33を圧入や溶接等の方法で接続プレート23に固定する必要はない。それは、絶縁ホルダー50の定位置にボルト33を配置すると共に、このボルト33のボルト部33Aを接続プレート23に貫通させる状態で接続プレート23を配置した後、接続プレート23から突出するボルト部33Aにバスバー6を挿通して、ナット9を締め付けることにより、接続プレート23とバスバー9とを電気接続できるからである。この場合は、ボルト33を空転させることなくナット9を締め付けできるようにするために、ボルト33の頭部33Bの平面視の形状を多角形状とし、段差凹部50bの内形を頭部33Bの外形に沿う形状とすることが好ましい。
【0054】
ボルト33は、頭部33Bを段差凹部50bに案内する状態で、貫通孔50aに挿入される凸部33Cの下端面がプレート部50Aの下面から表出するように凸部33Cを突出させている。
図10に示す絶縁ホルダー50は、プレート部50Aの下面を封口板12の上面と同一平面上に配置している。さらに、この絶縁ホルダー50は、貫通孔50aから表出する凸部33Cの下面をプレート部50Aの下面と同一平面上に配置している。ただ、ボルト33は、凸部33Cの下端をプレート部50Aの下面から突出させることもできる。
【0055】
図11に示す絶縁ホルダー50は、プレート部50Aの下面であって、貫通孔50aの開口縁の周囲に凹部50cを形成している。凹部50cは、反転板22と対向する領域に形成されている。この絶縁ホルダー50は、貫通孔50aの周囲に凹部50cを形成することにより、凸部33Cの下端を凹部50cの底面から突出する構造として、ボルト33の下面を反転板22側に表出させている。この構造は、反転板22が反転したときに、反転板22とボルト33の下面との接触を良好にできる。
【0056】
絶縁ホルダー50は、
図10と
図11に示すように、絶縁部材24と別体とすることができる。これにより、封口板12に第1の電極端子13Aである接続端子28を固定した後に、別途、絶縁ホルダー50を接続することができ、製造工程における自由度が向上する。なお、絶縁ホルダーは、絶縁部材の一部であるようにしてもよい。
【0057】
図12に示す絶縁ホルダー50は、絶縁部材24と一体構造としている。この絶縁ホルダー50は、第1の電極端子13Aである接続部材28と対向する位置に開口部を設けることなく下面をプレート部50Dで閉塞すると共に、このプレート部50Dには、接続部材28のロッド部28Aを貫通させる貫通孔50dを開口している。この構造は、絶縁部材24を絶縁ホルダー50と一体化することで、部品点数を削減できる。
【0058】
以上の絶縁ホルダー50は、一端部に接続部材28や絶縁部材24を連結するので、封口板12の上面の定位置に位置決めしながら配置できる。ただ、絶縁ホルダー50は、必ずしも一端部に接続部材28や絶縁部材24を連結する必要はなく、反転板22と対向するプレート部50Aのみで構成することもできる。この絶縁ホルダーは、図示しないが、接続プレートと反転板との間に配置されて、反転板の上方に配置されるボルトが反転板側に移動するのを阻止するストッパ部材として機能する。この絶縁ホルダーは、例えば、
図5や
図6に示す構造の絶縁部材24の内側であって、接続プレート23と反転板2との間に配置することができる。
【0059】
(第2の出力端子)
さらに、
図1と
図2に示す二次電池1は、第2の電極端子13Bに接続される電極体15からの出力を外部に出力するための第2の出力端子32も備えている。第2の出力端子32は、導電プレート26に固定されており、導電プレート26を介して、第2の電極端子13Bに電気接続されている。
図1と
図2に示す第2の出力端子32は、前述の第1の出力端子31と同様の構造としている。すなわち、第2の出力端子32は、ボルト部33Aの後端に頭部33Bを有するボルト33で、ボルト部33Aを上向きの姿勢として導電プレート26に貫通させている。導電プレート26は、ボルト部33Aを挿通するための挿通孔を開口しており、さらに、この挿通孔の下側開口部にはボルト33の頭部33Bを嵌合させる嵌合凹部を形成している。このボルト33も、頭部33Bを嵌合凹部に圧入して外れないように固定し、あるいは接着や溶着して固定することができる。また、ボルト33も、頭部33Bの外形を多角形状とし、嵌合凹部の内形をこの頭部33Bの外形に沿う形状として頭部33Bを嵌合構造で固定することもできる。
【0060】
導電プレート26は、第2の出力端子32を第2の電極端子13Bから離間して配置している。
図1と
図2に示す二次電池1は、封口板12の端部に第2の電極端子13Bを配置しており、この第2の電極端子13Bから封口板12の中央部側に離間して第2の出力端子32を配置している。
【0061】
第1の出力端子31と第2の出力端子32は、
図13に示すように、複数の二次電池1を交互に反転しながら積層する状態で、隣接する二次電池1の出力端子同士が対向する位置となるように配置することが好ましい。したがって、第2の出力端子32と第2の電極端子13Bとの間隔(d)は、好ましくは、第1の出力端子31と第1の電極端子13Aとの間隔(d)と等しくする。すなわち、第1の出力端子31と第2の出力端子32とを左右対称の位置となるように配置する。
【0062】
以上の二次電池1は、
図13に示すように、主面となる幅広面が互いに対向する姿勢で積層されると共に、上面及び側面が同一平面となるように積層されて組電池が形成される。互いに積層される複数の二次電池1は、隣接する二次電池1の対向する第1の出力端子31及び第2の出力端子32がバスバー6で連結されて互いに直列に接続される。隣接する二次電池1を互いに直列に接続する組電池10は、出力電圧を高くして出力を大きくできる。ただ、組電池は、隣接する二次電池を並列に接続、或いは、直列接続と並列接続とを組み合わせて多直多並に接続することもできる。
【0063】
二次電池1を直列に接続する組電池10は、
図13の平面図に示すように、隣接する二次電池1同士で対向する第1の出力端子31と第2の出力端子32が近接するような姿勢で、言い換えると二次電池1を交互に左右反転させた姿勢で積層する。これによって第1の出力端子31と第2の出力端子32を接続するバスバー6を小型化できる。
【0064】
(組電池10)
組電池10は、
図13に示すように、複数の二次電池1と、複数の二次電池1同士を積層する面に介在させて、二次電池1間を絶縁するセパレータ2と、複数の二次電池1とセパレータ2を交互に積層した電池積層体5の積層方向の端面に配置された一対のエンドプレート3と、電池積層体5の側面に配置され、エンドプレート3同士を締結する金属製の複数の締結部材4とを備えている。
【0065】
(セパレータ2)
セパレータ2は、樹脂等の絶縁部材で作製されており、隣接する二次電池1を電気的に絶縁している。なお、組電池は、必ずしも二次電池の間にセパレータを介在させる必要はない。例えば二次電池の外装缶を樹脂等の絶縁材で成形し、あるいは二次電池の外装缶の外周を熱収縮チューブや絶縁シート、絶縁塗料等で被覆する等の方法で、互いに隣接する二次電池同士を絶縁することによって、セパレータを不要とできる。
【0066】
(エンドプレート3)
エンドプレート3は、十分な強度を発揮する材質、例えば金属製とする。ただ、エンドプレートは、材質を樹脂製とすることや、さらに、この樹脂製のエンドプレートを金属製の材質からなる部材で補強して構成しても良い。
【0067】
(締結部材4)
締結部材4は、所定の厚さを有する金属板を折曲して所定の形状に加工してなるバインドバーとしている。このようなバインドバーは、十分な強度を有する材質、例えば、アルミニウムや鉄などの金属板、好ましくは、鋼板が使用できる。このように、金属板を折曲したバインドバーを締結部材4とすることで、安価に構成できる。