(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
各導電性コンタクト構造は、交互に設けられた前記N型及びP型半導体領域のうちの対応する領域と前記金属箔部分との間に直接配置された金属シード層を更に含む、請求項1から4の何れか一項に記載の太陽電池。
前記複数の非導電性材料領域は接着剤を更に含み、各導電性コンタクトに対して、前記金属箔部分が、交互に設けられた前記N型及びP型半導体領域のうちの対応する領域の上に直接配置され、かつ前記複数の非導電性材料領域のうちの1つの一部の上に直接配置される、請求項1から4の何れか一項に記載の太陽電池。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下の詳細な説明は、本質的に単に例示的であり、主題の実施形態又はこのような実施形態の適用及び使用を限定することは意図されていない。本明細書で使用するとき、「典型的な」という語は、「実施例、実例、又は例示としての役割を果たすこと」を意味する。本明細書で典型的として説明される実装形態はいずれも、必ずしも他の実装形態よりも好ましいか又は有利なものとして解釈されるべきではない。更には、前述の「技術分野」、「背景技術」、「発明の概要」、又は以下の「発明を実施するための形態」で提示される、明示又は暗示されるいずれの理論によっても、束縛されることを意図するものではない。
【0014】
本明細書は、「一実施形態(one embodiment)」又は「一実施形態(an embodiment)」への言及を含む。「一実施形態では(in one embodiment)」又は「一実施形態では(in an embodiment)」という語句の出現は、必ずしも、同じ実施形態を指すものではない。特定の機構、構造、又は特性を、本開示と矛盾しない任意の好適な方式で組み合わせることができる。
【0015】
用語法。 以下のパラグラフは、本開示(添付の「特許請求の範囲」を含む)で見出される用語に関する、定義及び/又はコンテキストを提供する。
【0016】
「備える」。この用語は、オープンエンド型である。添付の「特許請求の範囲」で使用されるとき、この用語は、付加的な構造又は段階を排除するものではない。
【0017】
「〜ように構成された」。様々なユニット又は構成要素が、タスクを実行する「ように構成された」として記述又は請求されることがある。そのようなコンテキストでは、「〜ように構成された」は、それらのユニット/構成要素が、動作中にそれらのタスクを実行する構造を含むことを示すことによって、その構造を含意するために使用される。それゆえ、ユニット/構成要素は、指定のユニット/構成要素が現時点で動作可能ではない(例えば、オン/アクティブではない)場合であっても、そのタスクを実行するように構成されていると言うことができる。ユニット/回路/構成要素が、1又は複数のタスクを実行する「ように構成された」と記載することは、そのユニット/構成要素に関して、米国特許法第112条第6項が適用されないことを、明示的に意図するものである。
【0018】
「第1の」、「第2の」など。本明細書で使用するとき、これらの用語は、それらが前に置かれる名詞に関する指標として使用されるものであり、いずれのタイプの(例えば、空間的、時間的、論理的などの)順序付けも暗示するものではない。例えば、「第1の」太陽電池への言及は、この太陽電池が順番における最初の太陽電池であることを必ずしも暗示するものではなく、その代わりに、用語「第1の」は、この太陽電池を別の太陽電池(例えば、「第2の」太陽電池)から区別するために使用される。
【0019】
「結合された」−以下の説明は、要素又はノード又は機構が一体に「結合された」ことについて言及する。本明細書で使用するとき、明示的に別段の定めがある場合を除き、「結合された」とは、1つの要素/ノード/機構が、別の要素/ノード/機構に、直接的又は間接的に連結される(又は、それと直接的若しくは間接的に連通する)ことを意味するものであり、これは、必ずしも機械的なものではない。
【0020】
更には、特定の用語法はまた、以下の説明において参照目的のためにのみ使用される場合があり、それゆえ、限定的であることは意図されていない。例えば、「上部」、「下部」、「上側」、及び「下側」などの用語は、参照された図面内での方向を指す。「前部」、「後方」、「後部」、「側部」、「外側」、及び「内側」などの用語は、説明中の構成要素について記述する本文及び関連図面の参照によって明らかにされる、一貫性はあるが任意の基準系内における、構成要素の諸部分の向き及び/又は位置を記述するものである。そのような用語法は、具体的に上述された語、それらの派生語、及び類似の意味の語を含み得る。
【0021】
「抑制する」−本明細書で使用するとき、抑制する、とは、効果を低減又は最小化することを説明するために使用される。構成要素又は機構が、作用、動作、若しくは条件を抑制するとして説明される場合、それは、完全に、その結果若しくは成果、又は将来の状態を完全に阻止し得るものである。更に、「抑制する」はまた、さもなければ生じ得るであろう成果、性能、及び/又は効果を、低減又は減少させることにも言及することができる。したがって、構成要素、要素、又は機構が、結果又は状態を抑制するとして言及される場合、これらの構成要素、要素、又は機構は、その結果若しくは状態を完全に阻止又は排除する必要はない。
【0022】
太陽電池の箔ベースのメタライゼーションに対する手法及び結果として得られる太陽電池について、本明細書で説明する。以下の説明では、多くの特定の詳細(例えば特定のペースト組成及びプロセスフロー動作)について述べて、本開示の実施形態の十分な理解が得られるようにする。これらの具体的な詳細なしに、本開示の実施形態を実践することができる点が、当業者には明らかとなるであろう。他の場合には、本開示の実施形態を不必要に不明瞭にしないために、リソグラフィ及びパターニング技術などの、周知の製造技術は詳細に説明されない。更には、図に示される様々な実施形態は、例示的な表現であって、必ずしも原寸に比例して描写されるものではないことを理解されたい。
【0023】
本明細書では、太陽電池を製造する方法について開示する。一実施形態では、太陽電池を製造する方法には、複数の交互に設けられたN型及びP型半導体領域を基板内又は基板の上側に形成することが伴う。本方法にはまた、交互に設けられたN型及びP型半導体領域のうち隣接する領域間にペーストを形成することが伴う。本方法にはまた、ペーストを硬化させて、交互に設けられたN型及びP型半導体領域間の位置に位置合わせされた非導電性材料領域を形成することが伴う。本方法にはまた、交互に設けられたN型及びP型半導体領域に金属箔を接着させることが伴う。本方法にはまた、交互に設けられたN型及びP型半導体領域間の位置に位置合わせされた金属箔を通してレーザアブレートして、交互に設けられたN型及びP型半導体領域と位置合わせされた残存する金属箔の領域を絶縁することが伴う。非導電性材料領域は、レーザアブレートしている間にレーザ停止部として働く。
【0024】
また本明細書では太陽電池について開示する。一実施形態では、太陽電池は基板を含む。複数の交互に設けられたN型及びP型半導体領域が基板内又は基板の上側に配置されている。複数の非導電性材料領域が、交互に設けられたN型及びP型半導体領域間の位置に位置合わせされている。複数の非導電性材料領域は結合剤及び不透明顔料を含んでいる。不透明顔料の量は複数の非導電性材料領域の組成物の全重量の約50%よりも大きい。複数の導電性コンタクト構造が、複数の交互に設けられたN型及びP型半導体領域に電気的に接続されている。各導電性コンタクト構造には、金属箔部分が、交互に設けられたN型及びP型半導体領域のうちの対応する領域の上側に配置され、領域と位置合わせされて含まれている。
【0025】
また本明細書では、太陽電池を製造するためのペースト及びペースト配合物が開示されている。一実施形態では、太陽電池の非導電性領域を形成するためのペーストは、結合剤、不透明顔料、ならびに結合剤及び不透明顔料と混合された有機媒体を含んでいる。不透明顔料はペーストの組成物の全重量の約25%超を構成し、一方で有機媒体はペーストの組成物の全重量の約50%未満を構成する。
【0026】
本明細書で説明する1又は複数の実施形態は、太陽電池用の金属(例えばアルミニウム)ベースのメタライゼーションを対象にしている。一般論として、バックコンタクト太陽電池は典型的に、太陽電池の背面上に2種類の極性のパターニングされた金属が必要である。予めパターニングされた金属がコスト、複雑さ、又は効率の理由で利用できない場合、ブランケット金属の低コスト、少量の材料処理がレーザベースのパターン化手法に有利に働くことが多い。一実施形態では、櫛形バックコンタクト(IBC)太陽電池用のアルミニウムメタライゼーションプロセスを開示している。一実施形態ではM2−M1プロセスを参照する。M2層は金属箔から製造してもよく、一方で、M1層は太陽電池の一部の上に形成された金属層(シード層と呼ばれることもある)である。
【0027】
高効率電池を得るためには、電池の背面上での金属パターニングプロセスは典型的に、2つの要求を満足しなければならない。(1)金属の完全な絶縁、及び(2)損傷がない処理。大量製造するためには、プロセスは高処理能力プロセス(例えば500ウェハ/時間を超える処理能力)である必要もあり得る。パターンが複雑な場合、シリコンの上部の厚い(例えば、1ミクロンを超える)又は高反射性金属(例えば、アルミニウム)をレーザを用いてパターニングすると、製造中に実質的な処理能力問題を引き起こす可能性がある。処理能力問題が起こり得るのは、厚くて及び/又は高反射性の金属を高速でアブレートするために必要なエネルギーが、その下にあるエミッタの損傷閾値を上回るレーザエネルギー(例えば、1J/cm
2よりも大きい)を必要とするからである。金属を完全に絶縁する必要があり、また金属厚さ及びレーザエネルギーは変動しているため、オーバーエッチングが金属パターニングに対して実施されることが多い。特に、金属を完全に取り除き、かつ損傷を与えるレーザビームにエミッタを露出することがない、利用可能な高処理能力/低コストのレーザ−エネルギーウィンドウは存在しないように思われる。
【0028】
より具体的には、いくつかの実施形態では、無機(又は他の)結合剤を含んだ誘電体レーザ停止部材料層について説明している。例えば、スクリーン印刷可能なペーストを、誘電体レーザ停止部層(又は損傷バッファ層)として用いるのに適している場合がある。一実施形態では、ペーストに、不透明顔料、有機ビヒクル、及び無機結合剤材料を組み込んで、レーザアブレーション耐性及び材料接着性を向上させる。一実施形態では、それに加えて又はその代わりに、ペーストに言及することは、インク、コロイド状材料、又はゲルを参照するべく用いられ得る。
【0029】
更なるコンテキストを与えるために、次世代の太陽電池に直面する主要な問題点は、光起電力電池性能に対するレーザ損傷であり、これはレーザを用いて電池上で金属構造体をパターニングするときに起こり得る。レーザを用いて金属構造体を完全に電気絶縁するときには、金属を完全に切断しなければならず、レーザエネルギーの一部が下にある構造体に達して、損傷を生じさせる場合がある。本明細書で説明する1又は複数の実施形態は、損傷バッファ材料として機能する材料を設けて、レーザエネルギーが重大な電池部品に損傷を与えずに、かつ完全な金属絶縁を可能にするようにデザインされている。このような問題を解決するこれまでの試みとしては、不透明顔料を含むポリマーのレーザ停止部層を用いることが挙げられる。しかし、このような試みは、ポリマー樹脂のレーザアブレーション耐性が低いために、あまり成功していない。別の潜在的な解決方法は、高焼成温度ガラスフリット又はセラミックベースの結合剤を用いることであり得るが、このような材料の必要な焼成温度は、摂氏500度を超える。この温度では電池性能が悪影響を受ける可能性がある。最後に、金属製のレーザ停止部層が、特にプリント回路基板業界で頻用されるが、電気絶縁の要求があるためソーラ産業では不適切であろう。
【0030】
一実施形態では、ペーストを、非導電性バッファ領域を形成するための前駆物質として太陽電池の表面に塗布する。1つのこのような実施形態では、ペーストには不透明顔料、結合剤、及び印刷ビヒクルが含まれる。印刷及び乾燥/硬化された後に、印刷されたフィルムは、その下にあるデバイスに対するレーザ処理中の損傷を妨げる働きをする。特定の実施形態では、ペーストを以下の原材料を用いて調合する。(1)不透明顔料(例えば、TiO
2、BaSO
4、ZnS、ZrO
2、Al
2O
3)、(2)ペースト配合物に対する有機ビヒクル(例えば、エチルセルロース、テルピネオール、グリコールエーテル)、及び(3)硬化温度が約摂氏450度未満の無機結合剤(例えば、シロキサン、シルセスキオキサン、他のアルコキシド)。
【0031】
一実施形態では、顔料は光散乱体としてペースト中に含まれていて(及び硬化された非導電性材料領域中に保持されていて)、下位層内へのレーザ浸透を最小限にし、またレーザ停止部層によって吸収されるレーザエネルギーを減らす。不透明顔料を用いて入射レーザエネルギーを反射、散乱、及び/又は吸収して、下位層内へのレーザ浸透を最小限にすることができる。好適な顔料は、レーザ投射下での熱劣化を最小限にするために高温安定性を有していてもよい。顔料に対する高屈折率は、光散乱を最大にするために有用であることができる。含まれる顔料は、レーザ波長を吸収してもよいし又はレーザ波長において透明であってもよい。最終的なフィルムは絶縁性であるという要求があるために電気絶縁性の顔料が好ましい。しかし、弱導電性の顔料を、十分に低い装填量で用いることができる。後で詳述するように、可能な不透明顔料としては以下が挙げられる(しかしこれらに限定されない)。TiO
2、BaSO4、ZnS、ZrO
2、Al
2O
3、カーボンブラック、カーボンナノチューブ、など。
【0032】
一実施形態では、ペーストの結合剤材料は有機又は無機のいずれかであってもよいが、結合剤材料の高温安定性は高くなければならず、特に主要なアブレーションメカニズムが熱アブレーションである長パルス幅レーザ(ナノ秒以上)に対してそうである。一実施形態では、結合剤を用いて、熱応力下での亀裂を伴うことなく、その下にある電池に接着させることができる。有機結合剤としては、ポリイミド及びセルロース化合物が挙げられ、無機結合剤としては、シロキサン、シルセスキオキサン、又は他の非Siアルコキシドが挙げられる。印刷ビヒクルは、溶媒、粘度調整剤、分散剤、及び他の広く用いられるスクリーン印刷ペースト原材料を含んでいてもよい。
【0033】
一実施形態では、前述の原材料の適切に調合された組み合わせによって、ペーストをウェハ上に、パターニングされたスクリーン印刷して、それに続いて乾燥/焼成動作を行なって、(1)有機ビヒクルを取り除き、また(2)無機(又は好適な有機)結合剤を硬化させて剛性の無機(又は有機)マトリックスにして、顔料粒子を所定の位置に保持することが可能になる。一実施形態では、結果として得られる無機ネットワークは、アブレーション耐性がポリマー結合剤よりも高いが、やはりガラスフリット結合剤(より高温のスクリーン印刷用途で用いられている)よりも焼成温度が低い。高温は、電池性能に対するその悪影響があるため、望ましくない場合があることを理解されたい。
【0034】
本明細書で説明する実施形態に対する代替的な手法としては、ガラスフリット結合剤を用いることを挙げることができる。しかし、ほとんどの低温焼成ガラスフリット結合剤には、有毒な化合物、例えば鉛及びカドミウムが含まれている。鉛フリー、カドミウムフリーのガラスを用いてもよいが、高い焼成温度が必要であるため、その後に電池性能劣化が生じる可能性がある。本明細書で説明する実施形態によって、太陽電池に接触するための金属フィンガーの堆積及びパターニングに対する完全乾燥プロセスが可能になる。優位点には、そうでない場合には堆積金属の電気メッキ及び/又はウェットエッチパターニングに付随がある、作業費用の低減を挙げることができる。結果として、そうでない場合には下位層に対する損傷が非常に望ましくなく金属構造の絶縁が必要である、レーザ処理を可能にすることができる。
【0035】
本開示の実施形態の別の態様では、「粘着性のある」損傷バッファ層が太陽電池に含まれている。コンテキストを与えるために、太陽電池に導電箔を接着させることは、箔の配置を機械的又は熱的にシフトさせ得るプロセス動作中に重大な問題となる可能性がある。一例として、レーザ溶接中に電池に箔が良好に接着されていないと、箔がシフトして、レーザと箔との位置合わせ不良が生じる可能性がある。別のプロセス例は、レーザパターニングである。溶接の強度が不十分であるか又は密度が不十分であると、パターニングの熱によって処理中に箔がシフトして、レーザパターンと箔との位置合わせが不十分になる場合がある。更に、接着剤を用いないと、箔は箔/シード(M1−M2)コンタクト領域間の領域での移動が「自由」となる場合があって、信頼性の問題が潜在的に生じる。他の実施形態では、接着剤を別個に塗布するか、又はM1−M2溶接部の密度を高くする。接着の解決に取り組むべく熱圧着接合を用いることもでき得るであろう。しかし熱圧着も高密度溶接も、M1が存在しない領域にM2が接着することにはならない。一実施形態では、損傷バッファ層はM1フィンガー間に配置されているため、箔をM1フィンガー領域(TC又は溶接によって)ならびに中間領域(例えば、「粘着性のある」損傷バッファによって)の両方に接着させることができる。
【0036】
一実施形態では、粘着性のある損傷バッファをレーザ溶接又は熱圧着動作の前に堆積する。そのバッファはスクリーン印刷を介して堆積してもよい。特定の実施形態では、接着剤バッファ層は、導電箔及びその下にあるシリコンエミッタ領域の両方との強力な接着性を示す。例えば、一実施形態としてアルミホイルを伴う場合、ペーストとして、シリコンアルコキシド(例えばポリフェニルシルセスキオキサン)及びアルミニウムアルコキシドの両方を含むものを用いて、シリコン及びアルミホイルの両方に対して強い接合を形成する。接着剤又は「粘着性のある」バッファ材料はまた、レーザ反射性及び/又は吸収性材料成分を含んで、その下にあるシリコンに対するレーザ損傷を防止してもよい。バッファ前駆物質ペーストを堆積させて部分硬化させた後に、スキージ方法を用いて、箔をウェハに「取付け」又は配置することができる。対になった組み合わせを次に硬化させて、接着剤を固定させてもよい。その後、箔電池にM1−M2コンタクト形成を施して(例えば、熱圧着又はレーザ溶接によって)、それに続いてレーザ箔パターニングを行なうことができる。代替案には、二層損傷バッファ(例えば、損傷バッファ材料を印刷した後にそこに接着剤を印刷することによって製造されるバッファ層)を用いることが伴ってもよい。しかし、このような代替的な手法は、そうでない場合には処理時間を増加させる場合がある。
【0037】
前述のペースト及び結果として得られる非導電性材料領域から利益を得ることができる処理の例示的な実施例では、アルミニウム(Al)箔(例えば、何らかの他の方式によって電池にレーザ溶接又は接合されている)をレーザパターニングして櫛形パターンのコンタクトフィンガーを形成することに基づくレーザ溝切手法によって、櫛形バックコンタクト太陽電池に対する新しい電極パターニング方法が得られる。このような手法の実施形態を実装して、複雑な位置合わせ及び/又はマスキングプロセスを回避して、ウェハ上のAl箔をパターニングするための損傷がない方法を得ることができる。一例としては、
図1A〜1Fに例示するのは、本開示の実施形態による箔ベースのメタライゼーションを用いた太陽電池の製造における種々の段階の断面図である。
図2は、本開示の実施形態により
図1A〜1Fに対応するような太陽電池を製造する方法における動作をリストにしたフローチャートである。
【0038】
図1Aに例示するのは、太陽電池の基板の背面の一部の上側にエミッタ領域が形成された後の太陽電池製造における段階である。
図1Aとフローチャート200の対応する動作202とを参照して、複数の交互に設けられたN型及びP型半導体領域が基板の上側に形成されている。特に、基板100の上側にN型半導体領域104及びP型半導体領域106が配置され、これらは薄い誘電体材料102上に配置されている。誘電体材料102は、N型半導体領域104又はP型半導体領域106それぞれと基板100との間の介在材料として存在する。基板100は受光面101を背面の反対側に有する。背面の上側では、N型半導体領域104及びP型半導体領域106が形成されている。
【0039】
一実施形態では、基板100は単結晶シリコン基板(例えば、バルクの単結晶N型ドープシリコン基板)である。しかしながら、基板100は、大域的太陽電池基板上に設けられた、多結晶シリコン層などの層であり得ることを理解されたい。一実施形態では、薄い誘電体層102は、厚さが約2ナノメートル以下のトンネリング酸化ケイ素層である。1つのこのような実施形態では、用語「トンネリング誘電体層」は非常に薄い誘電体層を指し、この層を通して電気導電を実現することができる。導電性は、量子トンネル現象及び/又は誘電体層内の薄い箇所を通る直接的な物理接続の小さい領域が存在することに起因してもよい。一実施形態では、トンネリング誘電体層は薄い酸化ケイ素層であるか又はそれを含んでいる。他の実施形態では、N型及びP型エミッタ領域は基板自体の中に形成される。この場合、別個の半導体領域(例えば領域104及び106)及び誘電体層102は含まれないであろう。
【0040】
一実施形態では、交互に設けられたN型及びP型半導体領域104及び106はそれぞれ、形成された多結晶シリコンである。多結晶シリコンの形成は、例えば、プラズマ強化化学蒸着(PECVD)プロセスを用いて行なう。1つのこのような実施形態では、N型多結晶シリコンエミッタ領域104にはN型不純物(例えばリン)がドープされている。P型多結晶シリコンエミッタ領域106には、P型不純物(例えばホウ素)がドープされている。
図1Aに示したように、交互に設けられたN型及びP型半導体領域104及び106の間には、トレンチ108が形成されていてもよく、トレンチ108は基板100内に部分的に延びている。更に、図示しないが、一実施形態では、底部反射防止コーティング(BARC)材料又は他の保護層(例えばアモルファスシリコン層)が、交互に設けられたN型及びP型半導体領域104及び106の上に形成されている。
【0041】
一実施形態では、
図1Aに示すように、受光面101は、テクスチャ化された受光面である。一実施形態では、やはり
図1Aに示すように、水酸化物ベースのウェットエッチング液を用いて、基板100の受光面101及び場合によりトレンチ108表面をテクスチャ化する。受光面をテクスチャ化するタイミングは変わってもよいことを理解されたい。例えば、テクスチャ化を、薄い誘電体層102を形成する前又は後に行なってもよい。一実施形態では、テクスチャ化された表面は、入射光を散乱させ、太陽電池の受光面101で反射される光の量を減少させるための規則的又は不規則な形状の表面を有するものであってもよい。
図1Aを再び参照して、更なる実施形態には、受光面101上に不動態化層及び/又は反射防止コーティング(ARC)層(層112として一括して示す)を形成することを含めることができる。不動態化層及び/又はARC層を形成するタイミングも変わってもよいことを理解されたい。
【0042】
図1Bに例示するのは、交互に設けられたN型及びP型半導体領域のうちの隣接する領域間にペーストを形成した後の太陽電池製造における段階である。
図1Bとフローチャート200の対応する動作204とを参照して、ペースト材料120の領域を、交互に設けられたN型及びP型半導体領域104及び106のうちの隣接する領域間に形成する。実施形態において、トレンチ108が形成された場合には、
図1Bに示すように、ペースト120をトレンチ108内に形成する。
【0043】
一実施形態では、ペースト材料120の領域を、ペーストをスクリーン印刷することよって形成する。1つのこのような実施形態では、スクリーン印刷によって、
図1Bに示したように、ペースト材料120の領域を、交互に設けられたN型及びP型半導体領域104及び106の露出面が残るパターンで形成することが可能になる。
【0044】
一実施形態では、ペースト材料120の領域を、太陽電池の非導電性領域を形成するのに適したペーストから形成する。1つのこのような実施形態では、ペーストには、結合剤、不透明顔料、ならびに結合剤及び不透明顔料と混合された有機媒体が含まれる。特定の実施形態では、不透明顔料は、ペーストの組成物の全重量の約25%超を構成し、一方で、有機媒体は、ペーストの組成物の全重量の約50%未満を構成する。
【0045】
一実施形態では、ペースト120を再び参照して、不透明顔料は、限定することなく、酸化チタン(TiO
2)、硫酸バリウム(BaSO
4)、硫化亜鉛(ZnS)、酸化ジルコニウム(ZrO
2)、酸化アルミニウム(Al
2O
3)、カーボンブラック、又はカーボンナノチューブなどのものである。他の不透明顔料としては、酸化亜鉛、炭酸カルシウム、及びシリケートを挙げることができる。上記不透明顔料は、概ね白色及び黒色顔料を対象にしていると見なしてもよい。しかし、光の特定の波長を対象とする顔料を、上記の顔料の代わりに又は上記の顔料に加えて用いてもよいことを理解されたい。一例としては、酸化クロムを緑色光(例えば緑色レーザ光線)に対する不透明顔料として用いてもよい。
【0046】
一実施形態では、ペースト120を再び参照して、結合剤は、限定することなく、シロキサン、シルセスキオキサン、又は非シリコンアルコキシドなどの無機結合剤である。1つのこのような実施形態では、無機結合剤は有機媒体中に溶解されている。結合剤に言及する場合、結合剤自体とすることもできるし、又はペーストを硬化させると実現される最終的な結合剤材料に対する前駆物質とすることもできることを理解されたい。別の実施形態では、結合剤は有機結合剤(例えば、限定することなく、ポリイミド又はセルロース)である。一実施形態では、全体に渡って、用語「セルロース」を用いた場合、セルロース又はセルロース誘導体又はセルロース誘導化合物を指すことができる。一実施形態では、結合剤はペーストの組成物の全重量の約20%超を構成する。しかし他の実施形態では、ペースト配合物はほんの5%の結合剤を含んでいてもよい。
【0047】
一実施形態では、ペースト120を再び参照して、有機媒体は、限定することなく、エチルセルロース、テルピネオール、グリコールエーテル、又は2−ブトキシエチルアセテートなどのものである。不透明顔料、結合剤、及び有機媒体に加えて、ペースト120にはまた、1又は複数の添加剤(例えば分散剤、粘度調整剤、希釈剤、接着促進剤、湿潤剤、消泡剤などが)含まれていてもよいことを理解されたい。
【0048】
一実施形態では、ペースト120を再び参照して、ペーストは硬化温度が約摂氏450度以下である。1つのこのような実施形態では、有機媒体の実質的にすべてが硬化温度において除去可能であるが、結合剤及び不透明顔料の何れもが硬化温度において実質的に除去可能ではない。一実施形態では、ペーストがガラスフリット材料を含まない。しかし他の実施形態では、ガラスフリット材料が含まれている。一実施形態では、ペーストは接着剤を更に含む。
【0049】
図1Cに例示するのは、ペーストを硬化させた後の太陽電池製造における段階である。
図1Cとフローチャート200の対応する動作206とを参照して、ペースト材料120の領域を硬化させて、交互に設けられたN型及びP型半導体領域間の位置に位置合わせされた非導電性材料領域122を形成する。
【0050】
一実施形態では、ペースト120を硬化させて非導電性材料領域122を形成することにはペーストを加熱することを伴うが、約摂氏450度以下の温度に制限される。このような低温焼成によって残る太陽電池の損傷は皆無かそれに近くてよい。しかし、他の実施形態では、ペーストの硬化を、最大で摂氏800〜900度の温度まで焼成することによって行なう(例えば、このような焼成の間に最小の損傷のみを受け得る電池構造に対して)。別の実施形態では、ペースト120を硬化させて非導電性材料領域122を形成することには、紫外線(UV)放射に曝露すること、又は加熱及びUV放射への曝露の組み合わせが伴う。一実施形態では、硬化させると、ペーストの有機媒体の実質的にすべてが取り除かれるが、ペーストの結合剤及び不透明顔料の実質的にすべてが保持される。1つのこのような実施形態では、ペーストの結合剤は無機結合剤であり、硬化させることには、無機結合剤を非導電性材料領域122の剛性無機マトリックスに転化させることが伴う。
【0051】
図1Dに例示するのは、
図1Cの構造上に金属層を形成した後の太陽電池製造における段階である。
図1Dとフローチャート200の対応する任意的な動作208とを参照して、金属層(太陽電池に対して金属シード層、又はM1層、と呼ばれることもある)を形成し、層124として示す。一実施形態では、金属層124を、複数の金属シード材料領域を提供するものと見なすことができる。交互に設けられたN型及びP型半導体領域104及び106のそれぞれの上に金属シード材料領域がある。すなわち、単一の連続した層を、非導電性材料領域122ならびに交互に設けられたN型及びP型半導体領域104及び106の両方の上に形成してもよいが、金属層124が交互に設けられたN型及びP型半導体領域104及び106に接触する領域を、対応する金属シード領域と見なしてもよい。代替的な実施形態では、パターニングされた金属層を形成して、対応する金属シード領域を設ける。いずれの場合でも、一実施形態では、金属層124はアルミニウム層である。特定のこのような実施形態では、アルミニウム層を物理蒸着によって約1ミクロン未満の厚さに形成する。他の実施形態では、金属層124に含まれる金属は、例えば、限定することなく、ニッケル、銀、コバルト又はタングステンである。
【0052】
図1Eに例示するのは、
図1Dの構造上に金属箔を位置決め(又は配置するか又は取り付けて)かつ接着させた後の太陽電池製造における段階である。
図1Eとフローチャート200の対応する動作210とを参照して、金属箔126が、交互に設けられたN型及びP型半導体領域104及び106に接着されている。図示した実施形態において、金属箔126は、金属層124上に配置されて溶接されているか、又は別の方法で金属層124に溶接領域128で結合している。1つのこのような実施形態では、
図1Dに示すように、溶接領域128は、交互に設けられたN型及びP型半導体領域104及び106の上側の位置に形成されている。
【0053】
一実施形態では、
図1Dに示したように、金属シード材料領域(例えば、金属層124)が、交互に設けられたN型及びP型半導体領域104及び106のそれぞれの上に設けられている。その実施形態では、金属箔126を複数の金属シード材料領域124に接着させることによって、金属箔126が交互に設けられたN型及びP型半導体領域104及び106に接着されている。特定のこのような実施形態では、技術、例えば、限定することなく、レーザ溶接プロセス、熱圧着プロセス又は超音波接合プロセスを用いる。
【0054】
一実施形態では、金属箔126は、厚さが約5〜100ミクロンの範囲、好ましくは厚さが約50ミクロン未満の範囲を有するアルミニウム(Al)箔である。一実施形態では、Al箔は、アルミニウムと第2の元素(例えば、限定することなく、銅、マンガン、シリコン、マグネシウム、亜鉛、スズ、リチウム、又はそれらの組み合わせ)とを含むアルミニウム合金箔である。一実施形態では、Al箔は焼き戻しグレード箔、例えば、限定することなく、F−グレード(製造されたままの)、O−グレード(最大ソフトの)、H−グレード(歪み硬化した)又はT−グレード(熱処理した)である。
【0055】
別の実施形態によれば、シードレス(124金属層がない)手法を実装してもよいことを理解されたい。このような手法では、金属箔126は、交互に設けられたN型及びP型半導体領域104及び106の材料に直接接着されている。これについては、
図3に関連して以下で詳細に説明する。例えば、一実施形態では、金属箔126を、交互に設けられたN型及びP型多結晶シリコン領域に直接接着させる。
【0056】
他の実施形態では、金属箔の代わりに、本明細書で説明する手法は、他のブランケットバルクメタライゼーション処理(例えば、ブランケット金属ペースト、ブランケットメッキなど)に好適であってもよい。ブランケット若しくはパターニングされた金属シード又はスパッタリングされたブランケット金属に基づく製造手法も、本明細書で説明するペーストから利益を得ることができる。更に、金属箔を記載する実施形態が、M1層又はM2層を参照していてもよいことを理解されたい。したがって、本明細書で説明する手法は、ブランケット堆積金属(シード形態又はバルク形態)例えば、ブランケット金属ペースト、メッキ金属、蒸着、スパッタリングなどを伴っていてもよい。
【0057】
図1Fに例示するのは、
図1Eの構造の金属箔をパターニングした後の太陽電池製造における段階である。
図1Fとフローチャート200の対応する動作212とを参照して、レーザアブレートする処理130を、交互に設けられたN型及びP型半導体領域104及び106の間の位置に位置合わせされた金属箔126を通して行なって、交互に設けられたN型及びP型半導体領域104及び106と位置合わせされた残存する金属箔126の領域を絶縁する。非導電性材料領域122は、レーザアブレートすること130の間にレーザ停止部として働く。
【0058】
一実施形態では、金属箔126を通してレーザアブレートすること130には、波長を有するレーザを用いることが伴う。ペースト120及び結果として得られる非導電性材料領域122は、レーザの波長の光を散乱又は吸収するための不透明顔料を含んでいる。一実施形態では、レーザアブレーション130をマスクがない方式で行なう。しかし他の実施形態では、マスク層を金属箔126の一部の上に、レーザアブレートする前に形成して、レーザアブレートした後に取り除く。
【0059】
前述したように、別の実施形態では、金属層124(すなわち、金属シード)を形成しない。一例としては、
図3に例示するのは、本開示の別の実施形態による箔ベースのメタライゼーションを有する別の太陽電池の断面図である。
図3を参照して、金属箔126を、交互に設けられたN型及びP型半導体領域104及び106に直接接着させる(例えば、溶接128によって)。その実施形態では、金属箔は非導電性材料領域122と直接接触するようになる。一実施形態では、ペースト120及び結果として得られる非導電性材料領域122には接着剤が含まれる。1つのこのような実施形態では、金属箔126を、交互に設けられたN型及びP型半導体領域104及び106の露出部分に直接接着させ、かつ非導電性材料領域122に直接接着させることを、スキージを用いて、交互に設けられたN型及びP型半導体領域104及び106ならびに非導電性材料領域122の露出部分に、金属箔126を取り付けることによって行なう。
【0060】
本明細書で説明する実施形態には、前述した1又は複数の手法により太陽電池を製造することが含まれる。
図1F及び3を参照して、一実施形態では、太陽電池は基板100を含んでいる。複数の交互に設けられたN型104及びP型106半導体領域が、基板100内(図示せず)又は上側(図示あり)に配置されている。複数の非導電性材料領域122は、交互に設けられたN型及びP型半導体領域104及び106の間の位置に位置合わせされる。一実施形態では、複数の非導電性材料領域122は結合剤と不透明顔料とを含み、不透明顔料の量は複数の非導電性材料領域の組成物の全重量の約50%よりも大きい。複数の導電性コンタクト構造が、複数の交互に設けられたN型及びP型半導体領域104及び106に電気的に接続されている。各導電性コンタクト構造には、交互に設けられたN型及びP型半導体領域104及び106の対応する領域の上側に配置された、金属箔部分126が、対応する領域と位置合わせされて含まれている。特定の実施形態では、特に
図1Fを参照して、各導電性コンタクト構造は、交互に設けられたN型及びP型半導体領域104及び106の対応する領域と金属箔部分126との間に直接配置された金属シード層124を更に含んでいる。
【0061】
一実施形態では、非導電性材料領域122の不透明顔料は、限定することなく、酸化チタン(TiO
2)、硫酸バリウム(BaSO
4)、硫化亜鉛(ZnS)、酸化ジルコニウム(ZrO
2)、酸化アルミニウム(Al
2O
3)、カーボンブラック、又はカーボンナノチューブなどのものである。一実施形態では、非導電性材料領域122の結合剤は、限定することなく、シロキサン、シルセスキオキサン、又は非シリコンアルコキシドなどの無機結合剤である。別の実施形態では、非導電性材料領域122の結合剤は、限定することなく、ポリイミド又はセルロースなどの有機結合剤である。
【0062】
一実施形態では、複数の非導電性材料領域122によって、太陽電池の太陽エネルギー吸収効率が増加する。1つのこのような実施形態では、IRタイプ波長光の背面反射の向上が実現される。すなわち、特に、テクスチャ化トレンチを備える黒バックシート適用例に対して見られるように、より長い波長を電池内に反射するようにデザインされた背面側でペーストを用いることによってIR透過から生じる典型的な損失を埋め合わせることができる。
【0063】
図3を特に参照して、一実施形態では、複数の非導電性材料領域122には更に接着剤が含まれる。各導電性コンタクトに対して、金属箔部分126は、交互に設けられたN型及びP型半導体領域104又は106の対応する領域上に直接配置され、また複数の非導電性材料領域122のうちの1つの一部の上に直接配置されている。1つのこのような実施形態では、複数の非導電性材料領域122には、シリコンアルコキシド若しくはアルミニウムアルコキシド、又はその両方が含まれる。
【0064】
特定の材料について前述の実施形態を参照して具体的に説明しているが、いくつかの材料については、本開示の実施形態の趣旨及び範囲内にある他のこのような実施形態を伴う他のもので容易に置き換えてもよい。例えば、一実施形態では、異なる材料基板(例えばIII−V族材料基板)を、シリコン基板の代わりに用いることができる。加えて、バックコンタクト型太陽電池の配置構成についてかなり言及しているが、本明細書中に説明される手法はフロントコンタクト型太陽電池にも適用してもよいことは理解されたい。他の実施形態では、前述した手法は、太陽電池以外を製造することに適用可能とすることができる。例えば、発光ダイオード(LED)の製造は、本明細書で説明する手法から利益を得る場合がある。
【0065】
このように、太陽電池の箔ベースのメタライゼーションに対する手法及び結果として得られる太陽電池について開示した。
【0066】
具体的な実施形態が上述されてきたが、これらの実施形態は、特定の機構に関して単一の実施形態のみが説明される場合であっても、本開示の範囲を限定することを意図するものではない。本開示で提供される機構の例は、別段の定めがある場合を除き、制約的であることよりも、むしろ例示的であることを意図するものである。上記の説明は、本開示の利益を有する当業者には明らかとなるような、変更、修正、及び等価物を包含することを意図するものである。
【0067】
本開示の範囲は、本明細書で対処される問題のいずれか又は全てを軽減するか否かにかかわらず、本明細書で(明示的又は暗示的に)開示される、あらゆる機構若しくは機構の組み合わせ、又はそれらのあらゆる一般化を含む。したがって、本出願(又は、本出願に対する優先権を主張する出願)の審査の間に、任意のそのような機構の組み合わせに対して、新たな請求項を形式化することができる。特に、添付の「特許請求の範囲」を参照して、従属請求項からの機構を、独立請求項の機構と組み合わせることができ、それぞれの独立請求項からの機構を、任意の適切な方式で、単に添付の請求項で列挙される具体的な組み合わせのみではなく、組み合わせることができる。
【0068】
一実施形態では、太陽電池を製造する方法は、複数の交互に設けられたN型及びP型半導体領域を基板内又は基板上側に形成することと、交互に設けられたN型及びP型半導体領域のうちの隣接する領域の間にペーストを形成することと、ペーストを硬化させて、交互に設けられたN型及びP型半導体領域間の位置に位置合わせされた非導電性材料領域を形成することと、交互に設けられたN型及びP型半導体領域に金属箔を接着させることと、交互に設けられたN型及びP型半導体領域間の位置に位置合わせされた金属箔を通してレーザアブレートして、交互に設けられたN型及びP型半導体領域と位置合わせされた残存する金属箔の領域を絶縁することであって、非導電性材料領域はレーザアブレートしている間にレーザ停止部として働いて、絶縁することと、を含む。
【0069】
一実施形態では、交互に設けられたN型及びP型半導体領域のうちの隣接する領域間にペーストを形成することが、ペーストをスクリーン印刷することを含む。
【0070】
一実施形態では、ペーストを硬化させて非導電性材料領域を形成することが、ペーストを約摂氏450度以下の温度にまで加熱すること、若しくは紫外線(UV)放射に曝露すること、又はその両方を行うことを含む。
【0071】
一実施形態では、ペーストを硬化させて非導電性材料領域を形成することが、ペーストの有機媒体の実質的にすべてを取り除いて、ペーストの結合剤及び不透明顔料の実質的にすべてを保持することを含む。
【0072】
一実施形態では、結合剤は無機結合剤であり、ペーストを硬化させて非導電性材料領域を形成することが、無機結合剤を非導電性材料領域の剛性無機マトリックスに転化させることを含む。
【0073】
一実施形態では、金属箔を通してレーザアブレートすることが、波長を有するレーザを用いることを含み、ペースト及び結果として得られる非導電性材料領域が、波長の光を散乱又は吸収するための不透明顔料を含む。
【0074】
一実施形態では、本方法は、金属箔を接着させることの前に、複数の金属シード材料領域を形成して、交互に設けられたN型及びP型半導体領域のそれぞれの上に金属シード材料領域を設けることが、交互に設けられたN型及びP型半導体領域に金属箔を接着させることが複数の金属シード材料領域に金属箔を接着させることを更に含む。
【0075】
一実施形態では、複数の金属シード材料領域に金属箔を接着させることが、レーザ溶接プロセス、熱圧着プロセス、及び超音波接合プロセスからなる群から選択される技法を用いることを含む。
【0076】
一実施形態では、交互に設けられたN型及びP型半導体領域に金属箔を接着させることが、金属箔を、交互に設けられたN型及びP型半導体領域の露出部分に直接接着させ、かつ非導電性材料領域に直接接着させることを含む。
【0077】
一実施形態では、ペースト及び結果として得られる非導電性材料領域は接着剤を含み、金属箔を、交互に設けられたN型及びP型半導体領域の露出部分に直接接着させ、かつ非導電性材料領域に直接させることが、スキージを用いて、交互に設けられたN型及びP型半導体領域の露出部分ならびに非導電性材料領域の露出部分に、金属箔を取り付けることを含む。
【0078】
一実施形態では、太陽電池は、基板と、基板内又は基板上側に配置された複数の交互に設けられたN型及びP型半導体領域と、交互に設けられたN型及びP型半導体領域間の位置に位置合わせされた複数の非導電性材料領域であって、複数の非導電性材料領域は結合剤及び不透明顔料を含み、不透明顔料の量が、複数の非導電性材料領域の組成物の全重量の約50%よりも大きい、非導電性領域と、複数の交互に設けられたN型及びP型半導体領域に電気的に接続された複数の導電性コンタクト構造であって、各導電性コンタクト構造は、交互に設けられたN型及びP型半導体領域の上側に配置された金属箔部分であって、かつ半導体領域のうちの対応する領域と位置合わせされた金属箔部分を含む、導電性コンタクト構造と、を含。
【0079】
一実施形態では、不透明顔料が、酸化チタン(TiO
2)、硫酸バリウム(BaSO
4)、硫化亜鉛(ZnS)、酸化ジルコニウム(ZrO
2)、酸化アルミニウム(A1
2O
3)、カーボンブラック、及びカーボンナノチューブからなる群から選択される。
【0080】
一実施形態では、結合剤が、シロキサン、シルセスキオキサン、及び非シリコンアルコキシドからなる群から選択される無機結合剤である。
【0081】
一実施形態では、結合剤が、ポリイミド及びセルロースからなる群から選択される有機結合剤である。
【0082】
一実施形態では、各導電性コンタクト構造は、交互に設けられたN型及びP型半導体領域のうちの対応する領域と金属箔部分との間に直接配置された金属シード層を更に含む。
【0083】
一実施形態では、複数の非導電性材料領域は接着剤を更に含み、各導電性コンタクトに対して、金属箔部分が、交互に設けられたN型及びP型半導体領域のうちの対応する領域の上に直接配置され、かつ複数の非導電性材料領域のうちの1つの一部の上に直接配置される。
【0084】
一実施形態では、複数の非導電性材料領域が、シリコンアルコキシド若しくはアルミニウムアルコキシド又はその両方を含む。
【0085】
一実施形態では、複数の非導電性材料領域によって、太陽電池の太陽エネルギー吸収効率が増加する。
【0086】
一実施形態では、太陽電池の非導電性領域を形成するためのペーストは、結合剤と、不透明顔料と、結合剤及び不透明顔料と混合された有機媒体とを含み、ペーストの組成物の全重量の約25%超が不透明顔料であり、ペーストの組成物の全重量の約50%未満が有機媒体である。
【0087】
一実施形態では、不透明顔料が、酸化チタン(TiO
2)、硫酸バリウム(BaSO
4)、硫化亜鉛(ZnS)、酸化ジルコニウム(ZrO
2)、酸化アルミニウム(A1
2O
3)、カーボンブラック、及びカーボンナノチューブからなる群から選択される。
【0088】
一実施形態では、結合剤が、シロキサン、シルセスキオキサン、及び非シリコンアルコキシドからなる群から選択される無機結合剤である。
【0089】
一実施形態では、無機結合剤が有機媒体中に溶解されている。
【0090】
一実施形態では、結合剤が、ポリイミド及びセルロースからなる群から選択される有機結合剤である。
【0091】
一実施形態では、ペーストの組成物の全重量の約20%超が結合剤である。
【0092】
一実施形態では、有機媒体が、エチルセルロース、テルピネオール、グリコールエーテル、及び2−ブトキシエチルアセテートからなる群から選択される。
【0093】
一実施形態では、ペーストは硬化温度が約摂氏450度以下であり、有機媒体の実質的にすべてが硬化温度において除去可能であるが、結合剤及び不透明顔料の何れもが、硬化温度において実質的に除去可能ではない。
【0094】
一実施形態では、ペーストがガラスフリット材料を含まない。
【0095】
一実施形態では、ペーストが接着剤を更に含む。