(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記隙間(11)は、0.05と0.5mmの間、好ましくは0.05と0.2mmの間、より好ましくは0.1と0.2mmの間、最も好ましくは約0.1mmの寸法を有する、請求項1または2に記載の支持体。
前記隙間(11)は、前記球状のボール(6)の外面(Se)の内、前記外面(Se)の50%以上の部分にわたって延在することが好ましい、請求項1乃至3の何れか1項に記載の支持体。
前記隙間(11)は、前記球状のボール(6)の均分円(E)が前記隙間(11)内に位置されるよう少なくとも前記球状のボール(6)の均分円帯(E1)にわたって延在するよう形成される、請求項1乃至4の何れか1項に記載の支持体。
前記シェル形の本体(5)は、前記シェル形の本体(5)の支持部分(8A)に設けられ、前記シェル形の本体(5)の内面(Si)に対して前記収容空洞(10)に突出するよう成形され、前記球状のボール(6)のベース部分(6A)を支持することを意図する支持部材(9)を有する、請求項1乃至6の何れか1項に記載の支持体。
前記シェル形の本体(5)には、前記球状のボール(6)に衝合するよう配置され、前記粘性流体(V)の望ましくない漏れを防止するために前記隙間(11)を閉じる密閉ガスケット(16)が設けられる、請求項1乃至9の何れか1項に記載の支持体。
前記カップ形の本体(8)は、使用の際に地上に面するベース部分(8a)を含み、前記ベース部分(8a)に対して反対側に開口される空洞(8c)を形成するように成形され、前記空洞(8c)は略球形であり前記球状のボール(6)を中に収容することを意図する内壁(S1)を有する、請求項1乃至10の何れか1項に記載の支持体。
前記リング状要素(12)は、前記カップ形の本体(8)に固定可能であり、貫通開口部(14)が設けられ、前記貫通開口部の自由縁(14a)は前記カップ形の本体(8)に対して反対方向に面し、前記支持部材に対して前記ビデオ撮影装置が方向付けられる能力を干渉によって制限する、請求項1乃至11の何れか1項に記載の支持体。
前記位置決めリング(17)は、前記カップ形の本体(8)と前記リング状要素(12)の間に介在し、前記球状のボール(6)に遊びをもって結合されることを意図する、請求項1乃至12の何れか1項に記載の支持体。
前記密閉ガスケット(16’)と前記位置決めリング(17)の間の中間位置に位置決めされ、前記隙間(11)を閉じるよう配置される、追加のガスケット(160’)を更に備える、請求項10に記載の支持体。
前記球状のボール(6)と前記ビデオ撮影装置用の前記取付手段の夫々に二つの反対側の端部(3a、3b)で堅く取り付けられる本質的に長手方向に延在するカラムを更に有する、請求項1乃至15の何れか1項に記載の支持体。
【背景技術】
【0003】
光学又はビデオ撮影装置用の支持体は、手だけでの撮影に対して撮影の質を改善するために長く使用されてきた。
【0004】
小型で、軽量で、簡単に運搬できる支持体が必要とされる幾つかの用途では、三脚よりも軽量で嵩張らない一脚が幅広く使用されている。
【0005】
一脚は、長さが伸縮自在に調節可能なロッドを備え、ロッドの第1の長手軸端部にはビデオ撮影装置を取り付けるための取付要素が設けられ、第2の端部には地上で支持するためのベースが設けられている。
【0006】
したがって、ベースに取り付けられる装置をベースに対して方向付ける関節部が設けられてもよい。
【0007】
支持ベースには、一脚の安定性を向上させるために小さい支持脚が設けられてもよい。
【0008】
しかしながら、このような一脚は、撮影の人間工学を改善する一方で、特に安定しておらず、三つの運動軸において相当な振動や揺動を受ける。
【0009】
更には、このような支持体では、ビデオ撮影装置を安定させることに関して高い精度を得ることができない。
【0010】
このような不都合な点は、例えば、パノラマ軸(panoramic axis)周りの装置の動きを必要とするビデオ又はフィルム撮影時に特に明らかである。
【0011】
このような不都合な点を克服するために、本願と同じ出願人によるWO2007/039000には、ロッド内に収容される円筒形の関節部を具備し、パノラマ軸の周りを回転可能なシリンダが回転自在に収容される筐体本体を備える一脚が提案されている。シリンダと筐体本体の壁の間には、シリンダがパノラマ軸の周りを回転した場合に生成される全ての衝撃や振動を緩和させる粘性流体が設けられている。
【0012】
これにより、パノラマ軸周りの位置決め調節が改善される。
【0013】
パノラマ軸周りに動き、高品質のフィルム撮影を可能にする一脚の支持体が得られる。
【0014】
この支持体により、パノラマ軸に対する安定性が相当改善されるが、パノラマ軸に対して、且つ互いに対して垂直な残りの二軸、すなわちチルト軸(tilt axis)とレベル軸(level axis)の周りの動きの調整はまだ完全に満足するものではない。
【0015】
これらの軸に沿った振動がフィルム撮影の質に対して与える影響は殆どないものの、これらの軸に沿った動きを改善する必要性が依然として残っている。
【0016】
しかしながら、チルト軸とレベル軸の周りを回転可能なシリンダに円筒形の関節部を設けることは、一脚の重量及び寸法を相当増加させるため、これまで断念されてきた。
【0017】
特にビデオを撮るとき、ビデオ撮影装置に使用される支持体のタイプに関係なく、幾つかの用途では、装置が非常に円滑に、すなわち撮影の質に負の効果をもたらす揺れや振動が全くないように動くことが求められる。
【発明を実施するための形態】
【0023】
図は、本発明に基づいて製造された光学又はビデオ撮影装置1用の方向付可能な一脚を示し、
図1乃至
図4及び
図4Aには本発明に係る一脚の第1のバージョンが示され、
図5及び
図5Aには本発明に係る一脚の第2のバージョンが示されている。
【0024】
図5及び
図5Aの一脚の様々な部分には、
図1乃至
図4の支持体の対応する部分に使用されるものと同じ符号を上付き文字とともに付し、
図1乃至
図4の一脚と異なる要素だけを以下に詳細に説明する。
【0025】
以下の説明は一脚についての説明であるが、以下により詳細に説明するように、本発明は、ビデオ撮影装置用の三脚支持体又は支持ヘッドにも適用することができる。
【0026】
本発明は、例えば、ビデオを撮影する場合など、ビデオ撮影装置に高い円滑度が要求される用途での使用に特に好適である。
【0027】
本発明は、小型で軽量であると同時に、質の高い撮影を確実にする支持体を製造するために使用されることが特に好適である。
【0028】
以下により詳細に説明するように、一脚1は、地上又は所望の支持表面で一脚1を安定して支持するための支持ベース2と、支持ベース2から延在し、長手軸Z’に沿って主に長手方向に展開されるカラム(column)3と、ベース2に設けられ、ベース2に対してカラム3を方向付け、したがって、カラム3に取り付けられるビデオ撮影装置を方向付けるのに好適な関節装置(articulation device)4と、を備えている。
【0029】
便宜上、三つの直交軸XYZを含むデカルト参照系を本説明では使用する。支持ベース2の支持面が水平面XYであり、カラム3の長手軸Z’が垂直軸Zと一致する、と仮定する。その際、一脚1のパノラマ軸(PAN)は垂直軸Zと一致し、チルト軸とレベル軸はX軸とY軸に夫々対応している。
【0030】
支持ベース2の支持面が水平面でない場合、パノラマ軸(PAN)が垂直軸Zと定義され、したがって、支持面に対して垂直でないことが理解される。
【0031】
関節装置4は、支持体または一般的な支持部材の支持ベースとビデオ撮影装置に取付手段によって夫々堅く取り付けられる第1の関節部材及び第2の関節部材を有し、ビデオ撮影装置は関節装置4を用いて支持部材に対して方向付可能となる。
【0032】
関節装置4は、カラム3に堅く取り付けられる球状のボール6を摺動可能に収容するための収容空洞10を画成するよう、中空のシェル形の本体(shell-shaped body)5を有している。
【0033】
シェル形の本体5は、
図1乃至
図4のバージョンのように、支持ベース2と一体に形成されてもよく、或いは、
図5のバージョンのように、支持ベース2とは別の要素として形成されてもよい。
【0034】
シェル形の本体5と球状のボール6は、関節装置4の第1の関節部材と第2の関節部材を夫々構成し、カラム3、したがって、ビデオ撮影装置を支持ベース2に対して方向付けるために相互に移動可能である。
【0035】
本発明に係る支持体の図示しない他のバージョンでは、球状のボールはベース又は一般的な支持部材に堅く取り付けられ、シェル形の本体はカラムに形成又は該カラムに別の方法で堅く取り付けられている。
【0036】
シェル形の本体5は、以下により詳細に説明するように、球状のボール6の収容空洞10を区切る内面「Si」を含んでいる。
【0037】
球状のボール6は、使用の際にシェル形の本体5の内面「Si」に少なくとも部分的に対向する外面「Se」によって外部的に区切られている。
【0038】
収容空洞10を区切るシェル形の本体5の内面「Si」と球状のボール6は、以下により詳細に説明するように、球状のボール6の外面「Se」と収容空洞10の内面「Si」の間に、収容空洞10における球状のボール6の回転を調整するのに好適な粘性流体「V」を含む隙間11が画成されるように成形される。
【0039】
粘性流体「V」は、以下により詳細に説明するように、上記内面と外面を夫々浸し、収容空洞10における球状のボール6の動きに摩擦を与えるよう球状のボール6の外面「Se」と収容空洞10の内面「Si」の間に介在する。
【0040】
したがって、このようにして粘性関節装置が得られる。
【0041】
球状のボール6の外面「Se」と収容空洞10の内面「Si」の間に粘性流体「V」が存在することにより、支持ベース2に対してカラム3が方向付けられるとき、球状のボール6の動きに生ずる振動を緩和させることが可能となり、カラムに取り付けられたビデオ撮影装置の安定性が改善される。
【0042】
粘性流体「V」は、収容空洞10における球状のボール6の動きに摩擦を与え、全ての衝撃を緩和させ、したがって、カラム3の安定性を向上させることを可能にする。
【0043】
流体「V」は、更に、球状のボール6の動きを更に円滑にし、すなわち、揺れがない状態を可能にする。したがって、カラム3に取り付けられたビデオ撮影装置の安定性もより円滑になり、揺れがなくなる。
【0044】
以下により詳細に説明するように、収容空洞10と球状のボール6の間に隙間11が設けられることにより、球状のボール6への所定の潤滑を確保し、したがって、本発明の一脚の作動において所定の摩擦度の確保が可能となる。
【0045】
隙間11は、0.05と0.5mmの間、好ましくは0.05と0.2mmの間、より好ましくは約0.1から0.2mm、最も好ましくは約0.1mmの寸法(厚さ)「d」を有している。
【0046】
これらの寸法を用いて、効果的な衝撃吸収が得られるとともに、球状のボールに与えられる摩擦の良好な調整が得られる。
【0047】
隙間11の寸法「d」は、該隙間11全体において実質的に一定であることが好ましい。
【0048】
一定且つ所定の寸法「d」の隙間11が設けられることにより、本発明の一脚で得られる摩擦効果を調整することが可能となる。
【0049】
隙間11の寸法「d」を変化させることにより、本発明の一脚で得られる摩擦効果を変更且つ調整することが可能となる。
【0050】
隙間11は、以下により詳細に説明するように、収容空洞10のある領域では、球状のボール6がシェル形の本体5の内面Siと直接接触するように、すなわち、粘性流体「V」が間に全く介在することのないように、球の形を有している。
【0051】
これにより、以下により詳細に説明するように、球状のボールの位置決め精度が向上する。
【0052】
粘性流体Vは、シリコン系グリースであることが好ましい。
【0053】
本発明の粘性関節装置の製造に使用され、回転中の二枚の壁の間、すなわち、球状のボール6の外面「Se」と収容空洞10の内面「Si」の間の相対速度に応じて増加する摩擦力を提供する流体又は粘性手段は特に好適である。
【0054】
該目的に好適な流体は、例えばCartoniによる米国特許第4899854号に記載されている。
【0055】
カラム3は、主に長手方向に二つの対向する長手軸端部3a、3bの間を延在する長手軸Z’に沿った円筒形の本体を有し、このとき、第1の長手軸端部3aは球状のボール6に堅く取り付けられ、第2の長手軸端部3bには、一脚1にビデオ撮影装置(図示せず)を取り付ける取付手段(図示せず)が設けられている。
【0056】
取付手段は、本分野では本質的に公知であり、詳細には説明しない。
【0057】
本バージョンでは、カラム3と取付手段は、球状のボール6をビデオ撮影装置に堅く固定する手段として機能する。
【0058】
カラム3は、伸縮タイプである、すなわち、全体的な長さを変化させるために該カラム3の長手軸Z’に沿って往復可能に摺動し得るよう、夫々が隣接する部材内に収容される複数の管状部材より形成されることが好ましい。管状部材の個数及びその長さは、一脚1で到達されるべき特定の構成要件及び/又は高さに基づいて選択される。
【0059】
カラム3には、所定の相互位置に管状部材をロックさせるロック装置(図示せず)を設けることが有利である。
【0060】
シェル形の本体5は、以下により詳細に説明するように、カップ形の本体8と、球状のボール6用の支持要素9と、位置決めリング17を有し、これら全ては協働して球状のボール6用の収容空洞10を形成する。
【0061】
支持ベース2は、使用の際に地上に面するベース部分8aを含み、ベース部分に対して反対側に開口される空洞8cを形成するように成形されるカップ形の本体8を有している。以下により詳細に説明するように、空洞8cは、略球形であり、球状のボール6をその中に収容することを目的とした内壁S1を有している。
【0062】
本発明の支持体への搭載のため、カップ形の本体8の空洞8cは、本質的に球状のボール6の均分円(equator)「E」を超えない程度に奥まで球状のボール6を収容するよう寸法が決められ、すなわち、カップ形の本体8は、収容空洞10に最大でも半球まで収容するよう寸法が決められる。
【0063】
図示するバージョンでは、カップ形の本体8は、収容空洞10に半球を収容するように寸法が決められるため、球状のボールの均分円「E」はカップ形の本体8の自由端部8Dに配置される。
【0064】
カップ形の本体8は、側壁8bを更に有し、側壁8bからカップ形の本体8に対応するピボットピン21を介して繋がった三本の脚部20が延在し、脚部20は、脚部20が半径方向にカップ形の本体8から外方に動かされて一脚1用の三脚用支持要素を形成する延在位置(図面参照)と、脚部がカップ形の本体8に向かって内方に引き込められた停止位置(図示せず)の間でカップ形の本体8に対して揺動することが可能になる。
【0065】
脚部20には、地上又は所望の支持面に対する一脚1の支持を改善するよう支持足22が設けられている。
【0066】
カップ形の本体8の内部には、内壁S1に対して空洞8c内に突出するように、カップ形の本体8の支持部分8Aに近接して位置決めされる支持部材9が更に設けられている。
【0067】
支持部材9は、球状のボール6を支持することを目的とし、球状のボール6の外面「Se」と合うように成形される支持壁9Aを含んでいる。
【0068】
支持部材9は、球状のボール6の重量が支持壁9Aにかかるように球状のボール6の重心下に位置決めされる。
【0069】
図示しないバージョンでは、支持部材9は重心の反対位置に設けられている。
【0070】
すなわち、支持部材9は、球状のボール6の垂直軸の二つの端部のうちの一方に設けられ、このとき、球状のボール6の軸は球状のボール6の二つの極をつなぐ直線である。
【0071】
支持部材9の存在により、収容空洞10内で球状のボール6を中心に配置し、隙間11内にグリースをより均一に分布させることによって隙間11の寸法を一定にし、隙間11内のグリースの望ましくない漏れを防止することが可能となる。
【0072】
支持部材9は、隙間11を閉じるように位置決めされるため、支持部材9の周りでは、粘性流体「V」が実質的に介在されない状態で球状のボール6は支持部材9と直接的に接触する。
【0073】
したがって、支持壁9Aは、隙間11を閉じ、且つ区切っている。
【0074】
これにより、支持ベース2に対するカラム3の何れの方向付けでも収容空洞10における球状のボール6の位置決めがより安定する。
【0075】
空洞8cに対して支持部材9の位置を変化させることにより、隙間11の寸法「d」が変化し、したがって、収容空洞10における球状のボール6の作用中に生成される摩擦も変化する。
【0076】
図示するバージョンでは、支持部材9は、例えば、PTFE等の低摩擦係数を有するテクノポリマーよりなるパッドを有している。
【0077】
シェル形の本体5は、球に対して支持部材9が与える圧力を変化させるよう、球状のボール6に対して支持部材9を移動させるためにユーザによって作動され得る調節要素90を更に有している。
【0078】
好都合なことに、調節要素90に作用することにより、収容空洞10に球状のボール6をロックさせ、その回転を防止するように支持部材9を移動することが可能となる。
【0079】
調節要素90の存在は、支持部材9が球状のボール6の重心に対して正反対の位置に設けられた場合に、特に好ましい。
【0080】
本発明の支持体の図示しないバージョンでは、調節要素が設けられなくてもよく、この場合、支持部材9の位置は設計段階で定められる。
【0081】
図示しない他のバージョンでは、支持部材9は、一緒に成形される等、カップ形の本体8と一体に形成され、この場合にも、所望であれば、支持部材9の位置は設計段階で定められてもよく、或いは、好適な調節手段を用いて調整されてもよい。
【0082】
一脚1は、更に、それ自体公知の固定要素13を用いてカップ状の本体8に固定可能であり、カップ状の本体8と協働してシェル状の本体5を画成するリング状要素12を更に有している。
【0083】
リング状要素12には貫通開口部14が設けられ、カップ形の本体8に対して反対方向に面したその自由縁14aは、以下により詳細に説明するように、シェル形の本体5に対して球状のボール6が方向付けられる能力を干渉によって制限する。
【0084】
貫通開口部14の内部プロフィール34は、収容凹み15をリング状要素12に画成するよう成形され、収容凹み15はカップ形の本体8に向かって開口され、密閉ガスケット16、カップ状の本体8に対して反対部分に開口されて凹み15と自由縁14aの間でリング状要素12の長手軸に沿って中間位置に位置決めされる台座35と、凹み15と台座35を離間するのに好適な突起部34cを受容するよう配置される。
【0085】
台座35は、以下により詳細に説明するように、一脚1を中心に配置するスペーサ要素を収容することを意図している。
【0086】
密閉ガスケット16は球状のボール6と衝合することを意図し、内部に含まれる粘性流体「V」の望ましくない損失又は漏れを防止するように隙間11を閉じるよう寸法が決められる。
【0087】
密閉ガスケット16は、エラストマー材料よりなる。
【0088】
シェル形の本体5は、以下により詳細に説明するように、更に、カップ形の本体8とリング状要素12の間に介在され、球状のボールと遊びをもって結合されることが意図される位置決めリング17を有している。
【0089】
位置決めリング17は、テクノポリマーよりなることが好ましい。
【0090】
したがって、位置決めリング17は、カップ形の本体8と協働して球状のボール6の収容空洞10を画成し、球状のボール6を収容空洞10内に固定させることを可能にする。
【0091】
更に、位置決めリング17は、以下により詳細に説明するように、隙間11を画成するよう協働する。
【0092】
位置決めリング17の内部プロフィールは、使用の際にカップ形の本体8に面し、カップ形の本体8と協働して隙間11を画成する第1の部分17Aと、使用の際にリング状要素12に面し、第1の部分17Aに対してより小さい球状のボール6の外面「Se」から離れたところに配置される第2の部分17Bと、を有するように成形される。
【0093】
第2の部分17Bには、隙間11の寸法「d」未満の遊び量が外面Seと位置決めリングの間に定められる。
【0094】
より少ない量の遊びが設けられることにより、収容空洞10における球状のボール6の動きにおいて球状のボール6によって生ずる粘性流体「V」の隙間11からの漏れが減少される。
【0095】
したがって、収容空洞10の内面「Si」は、カップ形の本体8の内壁「S1」、パッド9の支持壁9A、及び位置決めリング17の第1の部分17Aの内部プロフィールによって区切られ、密閉リング16によりベース部分8aに対して反対側で閉じられる。
【0096】
有利には、図示するバージョンでは、前述の通り、球状のボール6の均分円「E」がカップ形の本体8の自由端部8Dに配置されるよう、位置決めリング17は、球状のボールの均分円「E」未満の球状のボール6の円周部に位置決めされる。
【0097】
位置決めリング17により、収容空洞10における球状のボール6の位置決め及びセンタリングが改善され、粘性流体「V」の漏れが減少される。
【0098】
図5及び
図5Aに示すバージョンでは、本発明の一脚1’は、更に、密閉ガスケット16’と位置決めリング17’の間の中間位置に位置決めされ、隙間11からの粘性流体「V」の望ましくない漏れを防止するために隙間11を閉じるように配置される追加のガスケット160’を有している。
【0099】
追加のガスケット160’の存在により、粘性流体「V」に対する更なる密閉要素が提供され、ガスケット16’と協働して隙間11’内での粘性流体「V」の閉じ込めが改善される。
【0100】
追加のガスケット160’がテクノポリマー、好ましくはPTFEよりなることが有利である。
【0101】
有利には、一脚は、リング状要素12と追加のガスケット160’の間に介在し、球状のボール6の外面「Se」に対して追加のガスケット160’を押圧するよう配置される距離片55’を更に有している。
【0102】
本発明の支持体に定められる隙間11は、前述したとおり、支持部材9の支持面9Aと位置決めリング17の第2の部分17Bによって区切られ、ガスケット16及び/又は(設けられている場合には)追加のガスケット160’によって閉じられる、球の形を有している。
【0103】
隙間11は、球状のボール6の外面「Se」全体の50%以上の球状のボール6の外面「Se」の一部分にわたって延在することが好ましい。
【0104】
これにより、本発明の支持体によって得られる摩擦効果が改善され、収容空洞10内での球状のボール6の動きが最適化されることが可能となる。
【0105】
更に、隙間11は、少なくとも球状のボール6の均分円帯E1に沿って、すなわち、球状のボールの均分円「E」の周りに延在し、球状のボール6の均分円「E」が該隙間11内に位置されるよう形成されることが有利である。
【0106】
隙間11は、約20°に等しい球状のボール6の中心角「α」によって定義される均分円帯E1に沿って延在している。
【0107】
均分円帯E1は、球状のボール6の均分円「E」に対して対称的であることが有利である。
【0108】
球状のボール6の均分円「E」の周りに隙間11が設けられることにより、特にパノラマ軸に対する球状のボール6の位置決めを改善することが可能となる。
【0109】
これは、パノラマ軸周りの揺動において、球状のボール6の均分円「E」が、揺動軸から最も遠くに位置決めされる部分であるため、最大の応力を受ける球状のボール6の部分であるからである。
【0110】
隙間11内に配置される粘性流体「V」によって生ずる摩擦効果は、加えられる力及び重心アーム、すなわち、球状のボール6の重心からの距離に比例する。したがって、均分円帯E1に隙間11が配置されることにより、例えば躊躇や揺れによる速度変動の緩和が増加されるため、球状のボール6の動きを最適化し、得られる摩擦効果を最適化することが可能となる。
【0111】
この考案により、パノラマ軸に対して、並びに傾斜軸に対しての球状のボール6の揺動運動がより円滑になる。チルト軸周りの揺動において生ずる振動の緩和も図られる。
【0112】
したがって、全ての揺動軸に沿ったビデオ撮影装置の安定性が最適化され、より円滑になる。
【0113】
一脚1は、更に、球状のボール6及びカラム3の第1の長手軸端部3a夫々に二つの反対側にある長手軸端部分19a、19bで堅く取り付けられる、長手方向に展開する管状体(tubular body)19cを含む円筒形のシャンク(cylindrical shank)19を備えている。
【0114】
シャンク19は、支持ベース2から延在し、したがって、カラム3と球状のボール6の間に動作可能に介在され、カラム3を球状のボール6に堅く取り付けることを可能にし、カラム3、したがって、ビデオ撮影装置を支持ベース2に対して方向付可能にする。
【0115】
球状のボール6には、シャンク19が球状のボール6から半径方向に延在するよう配置される、シャンク19の第1の長手軸端部19aが固定される止り穴(blind hole)18が設けられている。
【0116】
図示するバージョンでは、止り穴18にはねじ山が付けられ、第1の長手軸端部19aは止り穴18に螺入されることによって固定され、同様にして、第2の長手軸端部19bもカラム3aの第1の端部に螺入される。しかしながら、シャンク19を球状のボール6及び/又はカラムに固定する他の方法が提供されてもよい。
【0117】
図示しないバージョンでは、ビデオ撮影装置を球状のボール6に取り付ける取付手段がシャンク自体に設けられてもよく、このとき、シャンク及び取付手段は球状のボール6をビデオ撮影装置に堅く固定する手段として機能する。
【0118】
更に、本バージョンにおいても、球状のボールはベース又は一般的な支持部材に堅く取り付けられる一方で、シェル形の本体はカラムに形成されるか、カラムに別の方法で堅く取り付けられる。
【0119】
本発明に係る粘性のある球状関節を有する支持体の本バージョンは、特に小型である。
【0120】
別のバージョンでは、シャンクは、三脚のクロス部材又は支持ベースに固定されたカラム等の支持部材に取り付けられてもよく、したがって、シェル形の本体にはビデオ撮影装置を取り付ける取付手段が設けられている。
【0121】
一脚1は、更に、第1の関節部材と第2の関節部材の間で相互の方向付けの可能性を調節するために作動されるセンタリング装置30を備えている。
【0122】
センタリング装置30は、シャンク19の円筒形の本体19cに嵌合され、センタリング装置30を作動させるために操作されるノブ31を有している。
【0123】
特に、以下により詳細に説明するように、ノブ31は、ノブ31がカラム3に隣接するシャンク19の第2の端部19bに固定される、すなわち、球状のボール6から離れた位置にある、
図1乃至
図3及び
図5Aに示す解放位置Wと、ノブ31が球状のボール6に隣接するシャンク19の第1の端部19aに固定され、台座35に収容され、カラム3のセンタリング要素として作用する、
図4、
図4A、及び
図5に示すセンタリング構成(centering configuration)W’の間で移動可能である。
【0124】
ノブ31は、リングの形態にあり、解放構成W及びセンタリング構成W’においてノブ31を安定して固定させるために、シャンク19の第一長手軸端部19a及び第2の長手軸端部19bに代替的に固定されるよう配置される固定部分32を含むシャンク19が挿入される長手軸孔を画成する。
【0125】
図1乃至
図4に示すバージョンでは、固定部分32にはねじ山が付けられ、シャンク19には固定部分32のねじ山と結合され得る対応するねじ山部分が設けられている。しかしながら、図示しない他のバージョンでは、ねじ山以外の好適な固定手段がノブ31をシャンク19に固定するために設けられてもよい。
【0126】
解放構成Wでは、ノブ31はシャンク19の第2の端部19bに取り付けられ、カラム3は支持ベース2に対して方向付けられるよう三軸(パノラマ、チルト、及びレベル)全てに対して動かされる状態にあり、貫通開口部14の自由縁14aはカラム3の動きに対する衝合要素を構成している。
【0127】
センタリング構成W’では、ノブ31は、球状のボール6の回転を制限するように貫通開口部14に挿入され、中心距離要素として作用する。
【0128】
ノブ31は、
図4A及び
図5に示すように、ノブの縁31Aが球状のボール6の外面「Se」に対して突き合わされるまでセンタリング構成W’において押される。
【0129】
代替的には、図示しない構成では、ノブ31はシャンクのねじ山部分の底部で停止する。
【0130】
ノブ31の寸法は、センタリング構成W’において、ノブ31の外縁31Bと貫通開口部14の内部プロフィール34の間に空間50が画成されるよう、すなわち、ノブ31とリング状要素12の間にある程度の遊びが許容されるよう、決められる。
【0131】
本構成では、固定部分32はシャンク19に遊びなく固定されているため、垂直軸Zからの球状のボール6の動きは貫通開口部14の内部プロフィール34に対するノブ31の干渉によって防止され、したがって、非常に制限されている。
【0132】
しかしながら、本構成では、垂直軸Zに沿った、すなわち、シャンク19の軸周りのカラム3の回転が許容される。ノブ31とリング状要素の間に空間50が設けられることにより、パノラマ軸周りのカラム3の回転が容易になり、つまり、高レベルの摩擦を克服する必要がない。
【0133】
同時に、垂直軸からのカラム3の望ましくない動きが防止されるため、ノブ31とリング状要素12の間の相互干渉により、一脚1は中心構成W’において安定することができる。
【0134】
ノブ31が中心構成W’にあるとして、シャンク19、したがって、カラム3は、支持ベース2の支持面に対して垂直な位置だけをとることができ、リング状要素12に対するノブ31の干渉により、空間50は別として、該位置からの全ての動きは防止される。
【0135】
支持面が水平な場合、カラムは垂直軸に沿って延在されるため、一脚がオペレータの手によって保持されなくても、定位置で維持される程度に十分に安定する。
【0136】
更に、中心構成W’では、パノラマ回転が許容されるため、パノラマ軸周りにカラムを回転させることによって円滑なパノラマ撮影を実施することが可能となる。
【0137】
ノブ31は、該ノブ31を作動させるためにオペレータによって把持されることが意図される把持部分51を含んでいる。
【0138】
図5及び
図5Aに示す一脚のバージョンでは、センタリング装置30’のノブ31は、ノブ31’をシャンク19’に固定するためにシャンク19’とクリック動作で係合するよう成形される。ノブ31’には、作動ボタン63’と予圧ばね62の間に動作可能に介在される、ノブ31’内に延在される作動ピン61’が設けられている。
【0139】
ピン61’には、シャンク19’の壁に設けられる対応する凹み65’とクリック動作で係合することができる係合歯64’が設けられている。
【0140】
作動ボタン63’の作動により、凹み65’から係合歯64’の係合を解放し、ノブ31’をシャンク19’に沿って移動させるためにシャンク19’に対してノブ31’をアンロックするように、ピン61’は移動される。
【0141】
予圧ばね62’は、シャンク19’に対してノブ31’をロックさせるために、対応する凹み内で係合歯64’を押すよう構成されている。
【0142】
本発明の粘性の球状結合により、該球状結合に取り付けられた装置で得られる撮影の質を大きく向上させることができる。
【0143】
本発明に係る、粘性摩擦での球状結合により、三つの全ての回転軸に沿って円滑なビデオ撮影を実施するビデオ撮影装置のための支持体、三脚、一脚、又は支持ヘッドを得ることができる。
【0144】
この利点は、本発明の粘性の球状結合を用いて得られ、得られた支持体の高度な寸法的小型さが維持される。
【0145】
WO2007/039000で提案されるタイプの一脚に対してより小型な一脚又は支持体を得ることができる。この違いは、本発明の粘性結合を設けたので、三つの異なる直交軸に沿った動きを改善するために専用の粘性結合を設ける必要がないことを考えるとより明らかである。
【0146】
更に、本発明に係る支持体のセンタリング装置により、支持体/装置システムは、垂直位置でしっかりと立つことができ、オペレータの手がなくても予想外の落下の危険性を回避することができる。
【0147】
更に、本発明に係る支持体のセンタリング装置により、例えば、水平方向の支持面における広視野撮影に対してチルト/レベルの動きが要求されない状況において、円滑なパノラマ撮影を実施することが可能となる。
【0148】
上述の通り、本発明の球状結合は、三脚、例えば、三脚のクロス部材に設けられてもよく、特に円滑且つ高品質な撮影を実施するためにビデオ撮影装置用の支持三脚が得られる。
【0149】
この場合、ビデオ撮影装置は、球状のボールのシャンク又は関節装置のシェル形の本体に好適な取付手段によって直接取り付けられる。
【0150】
本発明の球状結合は、ボールジョイントの位置決めヘッドにおいて使用されてもよい。
【0151】
上記した通り、流体関節装置の第1の関節部材及び第2の関節部材は、ビデオ撮影装置又は支持部材に同じように取り付けることができ、何れの場合にも、上述の利点を有する粘性のボールジョイント関節で支持することができる。