特許第6862428号(P6862428)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6862428アミノグリコシド誘導体および遺伝性疾患の治療におけるその使用
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6862428
(24)【登録日】2021年4月2日
(45)【発行日】2021年4月28日
(54)【発明の名称】アミノグリコシド誘導体および遺伝性疾患の治療におけるその使用
(51)【国際特許分類】
   C07H 15/224 20060101AFI20210419BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20210419BHJP
   A61P 21/04 20060101ALI20210419BHJP
   A61P 7/04 20060101ALI20210419BHJP
   A61P 13/12 20060101ALI20210419BHJP
   A61P 17/00 20060101ALI20210419BHJP
   A61P 27/02 20060101ALI20210419BHJP
   A61P 35/00 20060101ALI20210419BHJP
   A61K 31/7036 20060101ALI20210419BHJP
   C07H 15/23 20060101ALI20210419BHJP
   C12N 15/09 20060101ALN20210419BHJP
【FI】
   C07H15/224CSP
   A61P43/00 105
   A61P21/04
   A61P7/04
   A61P13/12
   A61P17/00
   A61P27/02
   A61P35/00
   A61K31/7036
   C07H15/23
   !C12N15/09 ZZNA
【請求項の数】29
【全頁数】166
(21)【出願番号】特願2018-511473(P2018-511473)
(86)(22)【出願日】2016年9月2日
(65)【公表番号】特表2018-528211(P2018-528211A)
(43)【公表日】2018年9月27日
(86)【国際出願番号】IL2016050968
(87)【国際公開番号】WO2017037719
(87)【国際公開日】20170309
【審査請求日】2019年9月2日
(31)【優先権主張番号】62/213,187
(32)【優先日】2015年9月2日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】62/213,143
(32)【優先日】2015年9月2日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】62/274,915
(32)【優先日】2016年1月5日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】516361934
【氏名又は名称】エロックス ファーマシューティカルズ リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110002952
【氏名又は名称】特許業務法人鷲田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】バーソヴ ティモール
(72)【発明者】
【氏名】トゥビア シュムエル
【審査官】 松澤 優子
(56)【参考文献】
【文献】 特表2013−542981(JP,A)
【文献】 特表2009−532461(JP,A)
【文献】 米国特許第03978214(US,A)
【文献】 NUDELMAN,I. et al.,Bioorganic & Medicinal Chemistry,2010年,Vol.18,p.3735-3746
【文献】 REGSTRY[online],2011年12月 9日,[令和2年4月28日検索],Retrieved from: STN,CAS登録番号 1350556-52-3
【文献】 REGSTRY[online],1984年11月16日,[令和2年4月28日検索],Retrieved from: STN,CAS登録番号 79504-04-4
【文献】 REGISTRY[online],2011年12月 9日,[令和2年4月28日検索],Retrieved from: STN,CAS登録番号 1350556-51-2
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07H
A61K
A61P
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記式Iにより表される化合物またはその薬学的に許容される塩。
【化1】
(式中:
点線は、任意選択で、6’位の立体配置がR配置またはS配置であることを示し;
は、Oであり;
環I中のC4’とC5’との間の破線の結合は、単結合または二重結合を表し;
環I中のC4’とC3’との間の破線の結合は、単結合または二重結合を表し;
Rx、RyおよびRzは、水素であるか、または存在せず、C4’とC5’との間の破線の結合が二重結合である場合、少なくともRzは存在せず、C4’とC3’との間の破線の結合が二重結合である場合、少なくともRyは存在せず;
Ry〜RyおよびRw〜Rwは、水素であり;
は、水素、あるいはヒドロキシアルキルであり
は、水素であり;
は、水素またはOR16であり、但しR16は水素であるか、C4’とC5’との間の破線の結合が二重結合である場合、Rは任意選択で存在せず、
は、OR16であり、但しR16は水素であるか、C4’とC3’との間の破線の結合が二重結合である場合、Rは任意選択で存在せず;
およびRは、OR16であり、R16は、独立に、単糖部分または水素であり;
〜Rは、水素であり、但し、Rが水素であるとき、C4’とC5’との間の破線の結合は二重結合である。)
【請求項2】
〜RがそれぞれOR16であり、R16が水素である、請求項1に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩
【請求項3】
〜RがそれぞれOR16であり、R、RおよびRにおいてR16が水素であり、RにおいてR16が単糖部分である、請求項1に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩
【請求項4】
がOR16であり、R16が水素である、請求項1に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩
【請求項5】
が水素である、請求項1に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩
【請求項6】
がOR16であり、R16が水素である、請求項1に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩
【請求項7】
がOR16であり、R16が単糖部分である、請求項1に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩
【請求項8】
前記単糖部分が、式IIにより表される、請求項1または7に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩
【化2】
(式中:
波線は、結合位置を意味し;
点線は、5”位の立体配置がR配置またはS配置であることを示し;
は、OR13またはNR1415であり;
10、R11およびR13が、それぞれ独立に、水素、置換または非置換のアルキル、置換または非置換のアルケニル、置換または非置換のアルキニル、置換または非置換のシクロアルキル、置換または非置換のアリール、置換または非置換のヘテロアリール、置換または非置換のアルカリル、およびアシルからなる群から選択され;
12は、水素、置換または非置換のアルキル、置換または非置換のアルケニル、置換または非置換のアルキニル、置換または非置換のシクロアルキル、置換または非置換のアリール、置換または非置換のヘテロアリール、置換または非置換のアルカリル、置換または非置換のアミン、置換または非置換のアミド、アシル、カルボキシレート、ならびに飽和もしくは不飽和のおよび/または置換もしくは非置換のヒドロキシアルキルからなる群から選択され;
14およびR15が、それぞれ独立に、水素、置換または非置換のアルキル、置換または非置換のアルケニル、置換または非置換のアルキニル、置換または非置換のシクロアルキル、置換または非置換のアリール、置換または非置換のヘテロアリール、置換または非置換のアルカリル、アシル、およびグアニジンまたはグアニンからなる群から選択されるか、あるいは、R14およびR15が存在する場合、共同で複素環を形成する。)
【請求項9】
式Ibにより表される化合物である、請求項7または8に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩
【化3】
【請求項10】
がOR13である、請求項8または9に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩
【請求項11】
がNR1415である、請求項8または9に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩
【請求項12】
12が水素以外である、請求項8〜11のいずれか一項に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩
【請求項13】
10、R11およびR13のうちの少なくとも1つはアシルである、請求項8〜11のいずれか一項に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩
【請求項14】
10、R11およびR13のうちの少なくとも1つはアシルである、請求項12に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩
【請求項15】
環I中のC4’とC5’との間の結合が単結合である、請求項1〜14のいずれか一項に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩
【請求項16】
環I中のC4’とC5’との間の結合が二重結合であり、RxまたはRが存在しない、請求項1〜14のいずれか一項に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩
【請求項17】
が水素であり、C4’とC5’との間の破線の結合が二重結合である、請求項1〜16のいずれか一項に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩
【請求項18】
がヒドロキシアルキルである、請求項1に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩
【請求項19】
前記ヒドロキシアルキルがヒドロキシメチルである、請求項18に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩
【請求項20】
請求項1〜19のいずれか一項に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩と、薬学的に許容される担体とを含む医薬組成物。
【請求項21】
未成熟終止コドンによるトランケーション変異および/またはタンパク質のトランケーション表現型を伴う遺伝性疾患の治療に使用するための、請求項1〜19のいずれか一項に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩
【請求項22】
前記遺伝性疾患が、嚢胞性線維症(CF)、デュシェンヌ型筋ジストロフィー(DMD)、毛細血管拡張性運動失調、ハーラー症候群、血友病A、血友病B、アッシャー症候群、テイ−サックス病、ベッカー型筋ジストロフィー(BMD)、先天性筋ジストロフィー(CMD)、第VII因子欠乏症、家族性心房細動、ヘイリー−ヘイリー病、マッカードル病、ムコ多糖症、腎症性シスチン症、多発性嚢胞腎、レット症候群、脊髄性筋萎縮症(SMA)、シスチン症、重度の表皮水疱症、ドラベ症候群、X連鎖性腎性尿崩症(XNDI)、X連鎖性網膜色素変性症および癌からなる群から選択される、請求項21に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩
【請求項23】
未成熟終止コドンによるトランケーション変異および/またはタンパク質のトランケーション表現型を伴う遺伝性疾患の治療に使用するための、請求項20に記載の医薬組成物。
【請求項24】
前記遺伝性疾患が、嚢胞性線維症(CF)、デュシェンヌ型筋ジストロフィー(DMD)、毛細血管拡張性運動失調、ハーラー症候群、血友病A、血友病B、アッシャー症候群、テイ−サックス病、ベッカー型筋ジストロフィー(BMD)、先天性筋ジストロフィー(CMD)、第VII因子欠乏症、家族性心房細動、ヘイリー−ヘイリー病、マッカードル病、ムコ多糖症、腎症性シスチン症、多発性嚢胞腎、レット症候群、脊髄性筋萎縮症(SMA)、シスチン症、重度の表皮水疱症、ドラベ症候群、X連鎖性腎性尿崩症(XNDI)、X連鎖性網膜色素変性症および癌からなる群から選択される、請求項23に記載の医薬組成物。
【請求項25】
がOR16であり、R16が水素である、請求項1に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩
【請求項26】
がOR16であり、R16が水素である、請求項1に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩
【請求項27】
下記式からなる群より選ばれる式により表される化合物である、請求項1に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩
【化4】
【請求項28】
下記式からなる群より選ばれる式により表される化合物である、請求項1または9に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩
【化5】
【請求項29】
下記式からなる群より選ばれる式により表される化合物である、請求項1に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩
【化6】
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、その一部の実施態様において、アミノグリコシド、より詳細には、これらに限定されないが新規のアミノグリコシド誘導体、ならびに終止コドン変異を有する遺伝子の発現を増加させること、および/または遺伝性疾患の治療におけるその使用に関する。
【背景技術】
【0002】
多くのヒト遺伝性疾患は、3つの終止コドン(UAA、UAGまたはUGA)の1つがアミノ酸をコードするコドンを置き換えることで、翻訳の早期終結を生じ、最終的にはトランケートされた不活性タンパク質をもたらすナンセンス変異に起因する。現在のところ何百ものこのようなナンセンス変異が公知であり、そのうち数種が、例えば嚢胞性線維症(CF:cystic fibrosis)、デュシェンヌ型筋ジストロフィー(DMD:Duchenne muscular dystrophy)、毛細血管拡張性運動失調、ハーラー症候群、血友病A、血友病B、テイ−サックス病、レット症候群、アッシャー症候群、重度の表皮水疱症などの致死的疾患の特定の症例において、主原因であることが示されている。このような疾患の多くに関して、現在のところ有効な治療はない。
【0003】
一部のアミノグリコシド化合物は、リボソームによる終止コドン変異のリードスルーを誘導し、mRNA分子の一部から全長タンパク質を生成する能力を有することから、数種の遺伝病の治療において治療的価値を有することが示されている。
【0004】
アミノグリコシドは、高い有用性を有する広域抗生物質であり、生命を脅かす感染の治療に一般的に使用されている。アミノグリコシド抗生物質、例えばパロモマイシンの作用機序(図1を参照)は、原核生物のリボソームとの相互作用、より具体的には16SリボソームRNAのデコード領域のA部位に結合することを含み、それによりタンパク質翻訳の阻害および翻訳忠実度への干渉が生じるということが認められている。
【0005】
細菌リボソーム構造の決定における数々の成功と、それに加えて細菌のA部位のオリゴヌクレオチドモデルの結晶構造およびNMR構造が、原核生物細胞におけるデコーデイング・メカニズムの理解、およびアミノグリコシドがどのようにしてその有害な遺伝子コードの読み違えを引き起こすのかの理解のための有用な情報をもたらした。これらの研究などから、対応しないmRNA−tRNA複合体に対するA部位の親和性は、アミノグリコシドの結合によって増加し、リボソームが対応しない複合体と対応する複合体とを効率的に識別しないようにするという仮説が立てられている。
【0006】
真核生物におけるアミノグリコシドによる終結抑制の増強は、原核生物においてアミノグリコシドがタンパク質合成中に翻訳忠実度に干渉するメカニズムと同様に生じると考えられる。すなわち、特定のアミノグリコシドのリボソームA部位への結合は、放出因子を挿入する代わりに、ほぼ対応する(near−cognate)mRNA−tRNA複合体を安定化させるコンフォメーションの変化を誘導すると考えられる。アミノグリコシドは、様々な終止コドンを顕著に異なる効率で抑制することが示されており(UGA>UAG>UAA)、抑制の有効性は、終止コドンのすぐ下流の第4のヌクレオチドの種類(C>U>A≧G)のみならず、終止コドン周辺の局所的な配列関係にさらに依存することが見出された。
【0007】
有効なリードスルー薬の望ましい特徴は、経口投与用であることと、細菌への作用がほとんどないことと考えられる。リードスルー薬の抗微生物活性は、抗生物質のいかなる不必要な使用もそうであるように、特に胃腸(GI:gastrointestinal)の生物相にとって望ましいものではない。これは、GI生物相の平衡を壊し、耐性が出現ことにより生じる副作用故である。この点において、上述の制約に加えて、臨床用のアミノグリコシドの大半は、細菌リボソームに対して極めて選択的であり、ヒト細胞の細胞質リボソームに対して有意な作用を発揮することはない。
【0008】
上述の制約を回避する目的で、生物医薬産業は、ナンセンスリードスルー活性に関して大きな化学物質ライブラリーをスクリーニングすることで、新しい終止コドン変異抑制薬を探索している。
【0009】
嚢胞性線維症膜貫通コンダクタンス制御タンパク質(CFTR:cystic fibrosis transmembrane conductance regulator protein)終止コドン変異のアミノグリコシド媒介抑制の最初の実験は、気管支上皮細胞株における機能的な全長CFTRの出現の測定によって、CFTR遺伝子に見出される未成熟終止コドン変異は、ゲンタマイシンファミリーのメンバーおよびgeniticin(登録商標)(G−418)により抑制できることを明かにした(図1を参照)。
【0010】
ヒトCFTR−G542X導入遺伝子を有するCFTR−/−トランスジェニックマウス変異体由来の腸組織の抑制実験によって、ゲンタマイシンによる処置、それより程度は低いがトブラマイシンによる処置は、処置マウスの腺におけるヒトCFTRタンパク質の出現を引き起こすことが示された。最も重要なことに、二重盲検プラセボ対照交差試験を使用した臨床研究から、ゲンタマイシンは、罹患した患者において終止コドン変異を抑制できること、さらに、ゲンタマイシンによる治療は、CFTR終止コドン変異を有する患者19人のグループにおいて、鼻粘膜を通過する膜貫通コンダクタンスを改善することが示された。インビトロの系、培養細胞株、または動物モデルでアミノグリコシドの治療的可能性が試験された他の遺伝性疾患としては、DMD、ハーラー症候群、腎性尿崩症、腎症性シスチン症、網膜色素変性症、および毛細血管拡張性運動失調が挙げられる。
【0011】
しかしながら、医薬品としてのアミノグリコシドの使用における主要な制約の1つは、哺乳動物に対するその高い毒性であり、典型的には腎臓(腎毒性)疾患および耳に関連する(聴器毒性)疾患で出現する。この毒性の起源は、例えばリン脂質との相互作用、ホスホリパーゼの阻害、およびフリーラジカルの形成などの様々な要因およびメカニズムの組合せに起因すると推定される。細菌リボソームに選択的であるとみなされているにもかかわらず、大部分のアミノグリコシドは、細菌のA部位に対するよりも低い親和性ではあるが、真核生物のA部位にも結合する。また哺乳類細胞における翻訳の阻害も、これらの薬剤の高い毒性の原因となり得る要因の1つである。その細胞傷害性に寄与しうる別の要因は、細菌のA部位に極めて近い配列を有する、ミトコンドリアリボソームの12S rRNAのA部位に対するアミノグリコシドの結合である。
【0012】
アミノグリコシドに関連する毒性を軽減する方法を理解し提供するために多くの研究が試みられており、そのような研究には、フリーラジカルレベルを低減するための抗酸化剤の使用、加えてアミノグリコシドがリン脂質と相互作用する能力を低減するためのポリ−L−アスパルテートおよびダプトマイシンの使用などが含まれる。近年、アミノグリコシドの取り込みにおけるメガリン(特に近位尿細管および内耳に豊富に存在するマルチリガンドのエンドサイトーシス受容体)の役割が明らかになっている。また、アミノグリコシドのメガリンへの結合と競合するアゴニストの投与も、アミノグリコシドの取り込みおよび毒性の低減をもたらした。加えて、毒性を低減するための手段として、アミノグリコシドの投与のスケジュールおよび/または投与方式の変更についての調査も行われている。
【0013】
アミノグリコシドの毒性を低減しようとする多大な努力にもかかわらず、投与スケジュールの変更以外には、終止コドン変異を抑制するためのアミノグリコシド投与の標準的な臨床診療および手順にまで発展した結果はほとんどなかった。例えば、臨床試験におけるゲンタマイシンの毒性水準未満の用量の使用は、インビトロの系と比較して、インビボの実験で得られるリードスルー効率の低減を引き起こす可能性が高かった。アミノグリコシドであるgeneticin(登録商標)(G−418硫酸塩または単にG−418としても公知である。図1を参照)は、インビトロの翻訳−転写系において最良の終結抑制活性を示したが、極めて低濃度であっても致死性を有することから、その治療剤としての使用は不可能である。例えば、ヒト線維芽細胞に対するG−418のLD50は、0.04mg/mlであるが、それと比較してゲンタマイシン、ネオマイシンおよびカナマイシンの場合は2.5〜5.0mg/mlである。
【0014】
一部のアミノグリコシド薬物、例えばG−418およびゲンタマイシン、に対する真核生物のリボソームの感受性の増加は興味深いが、それらが真核生物のリボソームと相互作用しているときの十分な構造データがないためにこれまで合理的に説明することはできなかった。G−418は非常に低濃度であっても極めて毒性が高いため、現状においては、ゲンタマイシンが様々な動物モデルおよび臨床試験で試験された唯一のアミノグリコシドである。アミカシンおよびパロモマイシンは、培養細胞に対してゲンタマイシンよりも比較的低毒性であり、終止コドン変異抑制療法のためのゲンタマイシンの代替物の代表になり得ることが一部の研究から示されているが、これらアミノグリコシドを用いた臨床試験はまだ報告されていない。
【0015】
これまでほぼ全ての抑制実験が臨床用の市販のアミノグリコシドを用いて実行されてきたが、ゲンタマイシン、アミカシン、およびトブラマイシンといった限られた数のアミノグリコシドしか、ヒトの内服用の抗生物質として臨床で使用されていない。これらのなかでも、トブラマイシンは終止コドン変異抑制活性を有さず、ゲンタマイシンが、動物モデルおよび臨床試験で終止コドン変異抑制活性に関して試験された唯一のアミノグリコシドである。近年、一連のネアミン誘導体が、脊髄性筋萎縮症(SPA;spinal muscular atrophy)患者由来の線維芽細胞におけるSMNタンパク質のリードスルーを促進することが示されたが、これらの化合物は元々、抗生物質として設計されたものであり、これらの誘導体のリードスルー活性のさらなる改善に関して何の結論も得られなかった。
【0016】
WO2007/113841およびWO2012/066546は、哺乳類細胞における低い細胞傷害性および低い抗微生物活性を発揮しながらも、高い未成熟終止コドン変異に対するリードスルー活性を示すように設計された、パロモマイシン由来のアミノグリコシドのクラスを開示しており、したがってこれらは、遺伝病の治療に使用することができる。このパロモマイシン由来のアミノグリコシドのクラスは、パロマミンのコアに、リードスルー活性の増強ならびに毒性および抗微生物活性の低下をもたらす特定の操作を施すことによって設計された。この操作は、パロマミンのコアの数々の位置になされた。
【0017】
【化1】
【0018】
これらの公報で教示されている例示的なパロマミンのコアの操作としては、アミノグリコシドのコアの6’位のヒドロキシル基;アミノグリコシドのコアの3’位、5位および/または6位への1つまたは複数の単糖部分またはオリゴ糖部分の導入;パロマミンのコアの1位への(S)−4−アミノ−2−ヒドロキシブチリル(AHB)部分の導入;アルキル、例えばメチル置換基などによる6’位の水素の置換;および5”位へのアルキル基の導入が挙げられる。
【0019】
追加の背景技術としては、Nudelman, I., et al., Bioorg Med Chem Lett, 2006. 16(24): p. 6310-5、Hobbie, S.N., et al., Nucleic Acids Res, 2007. 35(18): p. 6086-93、Kondo, J., et al., Chembiochem, 2007. 8(14): p. 1700-9、Rebibo-Sabbah, A., et al., Hum Genet, 2007. 122(3-4): p. 373-81、Azimov, R., et al., Am J Physiol Renal Physiol, 2008. 295(3): p. F633-41、Hainrichson, M., et al., Org Biomol Chem, 2008. 6(2): p. 227-39、Hobbie, S.N., et al., Proc Natl Acad Sci U S A, 2008. 105(52): p. 20888-93、Hobbie, S.N., et al., Proc Natl Acad Sci U S A, 2008. 105(9): p. 3244-9、Nudelman, I., et al., Adv. Synth. Catal., 2008. 350: p. 1682-1688、Nudelman, I., et al., J Med Chem, 2009. 52(9): p. 2836-45、Venkataraman, N., et al., PLoS Biol, 2009. 7(4): p. e95、Brendel, C., et al., J Mol Med (Berl), 2010. 89(4): p. 389-98、Goldmann, T., et al., Invest Ophthalmol Vis Sci, 2010. 51(12): p. 6671-80、Malik, V., et al., Ther Adv Neurol Disord, 2010. 3(6): p. 379-89、Nudelman, I., et al., Bioorg Med Chem, 2010. 18(11): p. 3735-46、Warchol, M.E., Curr Opin Otolaryngol Head Neck Surg, 2010. 18(5): p. 454-8、Lopez-Novoa, J.M., et al., Kidney Int, 2011. 79(1): p. 33-45、Rowe, S.M., et al., J Mol Med (Berl), 2011. 89(11): p. 1149-61、Vecsler, M., et al., PLoS One, 2011. 6(6): p. e20733、米国特許第3,897,412号、4,024,332号、4,029,882号、および3,996,205号、Greenberg et al., J. Am. Chem. Soc., 1999, 121, 6527-6541、Kotra et al., antimicrobial agents and chemotherapy, 2000, p. 3249-3256、Haddad et al., J. Am. Chem. Soc., 2002, 124, 3229-3237、Kandasamy, J. et al., J. Med. Chem. 2012, 55, pp. 10630-10643、Duscha, S. et al., MBio, 2014, 5(5), p. e01827-14、Huth, M.E. et al., J Clin Invest., 2015, 125(2), pp. 583-92、Shulman, E. et al., J Biol Chem., 2014, 289(4), pp. 2318-30、ならびにフランス国特許第2,427,341号、日本国特許4046189号が挙げられる。これらの文献の全ての教示は、本明細書に全体が記載されたものとして参照により組み込まれる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0020】
本発明は、アミノグリコシドに関し、当該アミノグリコシドは、未成熟終止コドン変異に対する高いリードスルー活性、哺乳類細胞における低毒性、および低抗微生物活性に加えて、改善されたバイオアベイラビリティーおよび/または細胞透過性を示し、遺伝病の治療において有利に使用することができる。ここで開示されるアミノグリコシドは、パロモマイシンの環I、環IIおよび任意選択で環IIIをベースとしたコア構造を特徴とする。
【0021】
本発明の一部実施形態の態様によれば、式Iにより表される化合物またはその薬学的に許容される塩を提供する。
【0022】
【化2】
【0023】
(式中:
点線は、6’位の立体配置がR配置またはS配置であることを示し;
は、OまたはSであり;
環I中のC4’とC5’との間の破線の結合は、単結合または二重結合を表し;
環I中のC4’とC3’との間の破線の結合は、単結合または二重結合を表し;
Rx、RyおよびRzは、それぞれ独立に、水素、アルキルもしくはシクロアルキルであるか、または存在せず、C4’とC5’との間の破線の結合が二重結合である場合、少なくともRzは存在せず、C4’とC3’との間の破線の結合が二重結合である場合、少なくともRyは存在せず;
Ry〜RyおよびRw〜Rwは、それぞれ独立に、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリールおよびシクロアルキルから選択され、これらはそれぞれ置換または非置換であるか、あるいは、それぞれR〜Rに関して本明細書で定義された通りであってもよく;
は、水素、置換または非置換のアルキル、置換または非置換のアルケニル、置換または非置換のアルキニル、置換または非置換のシクロアルキル、置換または非置換のアリール、置換または非置換のヘテロアリール、置換または非置換のアルカリル、置換または非置換のアミン、置換または非置換のアミド、アシル、カルボキシレート、ならびに飽和もしくは不飽和のおよび/または置換もしくは非置換のヒドロキシアルキル(例えば、−CH−OH)からなる群から選択され;
は、水素、置換または非置換のアルキル、置換または非置換のアルケニル、置換または非置換のアルキニル、置換または非置換のシクロアルキル、置換または非置換のアリール、置換または非置換のヘテロアリール、置換または非置換のアルカリルおよびアシルからなる群から選択され;
およびRは、それぞれ独立に、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロ脂環式、アリール、ヘテロアリール、アミンおよびOR16からなる群から選択され、R16は、独立に、水素、単糖部分、オリゴ糖部分、置換または非置換のアルキル、置換または非置換のアルケニル、置換または非置換のアルキニル、置換または非置換のシクロアルキル、置換または非置換のアリール、置換または非置換のヘテロアリール、置換または非置換のアルカリルおよびアシルから選択されるか、または存在せず、C4’とC5’との間の破線の結合が二重結合である場合、Rは任意選択で存在せず、C4’とC3’との間の破線の結合が二重結合である場合、Rは任意選択で存在せず;
およびRは、それぞれ独立に、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロ脂環式、アリール、ヘテロアリール、アミンおよびOR16からなる群から選択され、R16は、独立に、水素、単糖部分、オリゴ糖部分、置換または非置換のアルキル、置換または非置換のアルケニル、置換または非置換のアルキニル、置換または非置換のシクロアルキル、置換または非置換のアリール、置換または非置換のヘテロアリール、置換または非置換のアルカリルおよびアシルから選択され;
〜Rは、それぞれ独立に、本明細書で定義されたような水素、アシル、アミノ置換アルファ−ヒドロキシアシル、置換または非置換のアルキル、置換または非置換のアルケニル、置換または非置換のアルキニル、置換または非置換のシクロアルキル、置換または非置換のアリール、置換または非置換のアルカリル、カルボキシレート、スルホニル(アルキルスルホニルおよびアリールスルホニルなど)および細胞透過性基からなる群から選択される)。
【0024】
本明細書にわたり、環I、環IIおよび環IIIが存在する場合、それらのの立体配置は、いかなる可能な、適合性を有する配置であってもよい。したがって、本明細書で示す一般式中のこれら環の例示に限定されないことに留意されたい。例示的な立体配置は、以下に示す。
【0025】
本明細書に記載の実施形態のいずれかによれば、R、R、RおよびRのうちの少なくとも1つはOR16である。
【0026】
本明細書に記載の実施形態のいずれかによれば、R16はアリールである。
【0027】
本明細書に記載の実施形態のいずれかによれば、R、R、RおよびRのうちの少なくとも1つは、フェニルオキシ、1−アントリルオキシ、1−ナフチルオキシ、2−ナフチルオキシ、2−フェナントリルオキシおよび9−フェナントリルオキシからなる群から選択される。
【0028】
本明細書に記載の実施形態のいずれかによれば、R16は置換または非置換のヘテロアリールであり、R、R、RおよびRのうちの少なくとも1つは、独立に、置換または非置換のヘテロアリールオキシである。
【0029】
本明細書に記載の実施形態のいずれかによれば、R、R、RおよびRのうちの少なくとも1つは、独立に、2−アントリルオキシ、2−フリルオキシ、2−インドリルオキシ、2−ナフチルオキシ、2−ピリジルオキシ、2−ピリミジルオキシ、2−ピリルオキシ、2−キノリルオキシ、2−チエニルオキシ、3−フリルオキシ、3−インドリルオキシ、3−チエニルオキシ、4−イミダゾリルオキシ、4−ピリジルオキシ、4−ピリミジルオキシ、4−キノリルオキシ、5−メチル−2−チエニルオキシおよび6−クロロ−3−ピリジルオキシからなる群から選択される。
【0030】
本明細書に記載の実施形態のいずれかによれば、R16は置換アリールである。
【0031】
本明細書に記載の実施形態のいずれかによれば、R、R、RおよびRのうちの少なくとも1つはOR16であり、R16は、独立に、2−(N−エチルアミノ)フェニル、2−(N−ヘキシルアミノ)フェニル、2−(N−メチルアミノ)フェニル、2,4−ジメトキシフェニル、2−アセトアミドフェニル、2−アミノフェニル、2−カルボキシフェニル、2−クロロフェニル、2−エトキシフェニル、2−フルオロフェニル、2−ヒドロキシメチルフェニル、2−ヒドロキシフェニル、2−ヒドロキシフェニル、2−メトキシカルボニルフェニル、2−メトキシフェニル、2−メチルフェニル、2−N,N−ジメチルアミノフェニル、2−トリフルオロメチルフェニル、3−(N,N−ジブチルアミノ)フェニル、3−(N,N−ジエチルアミノ)フェニル、3,4,5−トリメトキシフェニル、3,4−ジクロロフェニル、3,4−ジメトキシフェニル、3,5−ジメトキシフェニル、3−アミノフェニル、3−ビフェニリル、3−カルボキシフェニル、3−クロロ−4−メトキシフェニル、3−クロロフェニル、3−エトキシカルボニルフェニル、3−エトキシフェニル、3−フルオロフェニル、3−ヒドロキシメチルフェニル、3−ヒドロキシフェニル、3−イソアミルオキシフェニル、3−イソブトキシフェニル、3−イソプロポキシフェニル、3−メトキシフェニル、3−メチルフェニル、3−N,N−ジメチルアミノフェニル、3−トリル、3−トリフルオロメチルフェニル、4−(ベンジルオキシ)フェニル、4−(イソプロポキシカルボニル)フェニル、4−(N,N−ジエチルアミノ)フェニル、4−(N,N−ジヘキシルアミノ)フェニル、4−(N,N−ジイソプロピルアミノ)フェニル、4−(N,N−ジメチルアミノ)フェニル、4−(N,N−ジ−n−ペンチルアミノ)フェニル、4−(n−ヘキシルオキシカルボニル)フェニル、4−(N−メチルアミノ)フェニル、4−(トリフルオロメチル)フェニル、4−アミノフェニル、4−ベンジルオキシフェニル、4−ビフェニリル、4−ブトキシフェニル、4−ブチルアミドフェニル、4−カルボキシフェニル、4−クロロフェニル、4−エトキシカルボニルフェニル、4−ヘキサンアミドフェニル、4−ヒドロキシメチルフェニル、4−ヒドロキシフェニル、4−ヨードフェニル、4−イソブチルフェニル、4−イソブチルアミドフェニル、4−イソプロポキシフェニル、4−イソプロピルフェニル、4−メトキシフェニル、4−メチルフェニル、4−n−ヘキサンアミドフェニル、4−n−ヘキシルオキシフェニル、4−n−ヘキシルフェニル、4−ニトロフェニル、4−ニトロフェニル、4−プロピオンアミドフェニル、4−トリル、4−トリフルオロメチルフェニルおよび4−バレロイルオキシカルボニルフェニルからなる群から選択される。
【0032】
本明細書に記載の実施形態のいずれかによれば、RはOR16であり、R16は水素である。
【0033】
本明細書に記載の実施形態のいずれかによれば、RはOR16であり、R16は、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、プロペニル、2−ヒドロキシエチル、3−ヒドロキシプロピル、2,3−ジヒドロキシプロピルおよびメトキシメチルからなる群から選択される。
【0034】
本明細書に記載の実施形態のいずれかによれば、R、R、RおよびRのうちの少なくとも1つまたはそれぞれは、OR16であり、R16は、独立に、アシルである。
【0035】
本明細書に記載の実施形態のいずれかによれば、R、R、RおよびRのそれぞれはOR16であり、R16は水素である。
【0036】
本明細書に記載の実施形態のいずれかによれば、R、R、RおよびRのうちの少なくとも1つはOR16であり、R16は単糖部分である。
【0037】
本明細書に記載の実施形態のいずれかによれば、単糖部分は、式IIにより表される。
【0038】
【化3】
【0039】
(式中:
波線は、結合位置を意味し;
点線は、5”位の立体配置がR配置またはS配置であることを示し;
は、OR13またはNR1415であり;
10、R11およびR13は、それぞれ独立に、、水素、置換または非置換のアルキル、置換または非置換のアルケニル、置換または非置換のアルキニル、置換または非置換のシクロアルキル、置換または非置換のアリール、置換または非置換のヘテロアリール、置換または非置換のアルカリル、およびアシルからなる群から選択され;
12は、水素、置換または非置換のアルキル、置換または非置換のアルケニル、置換または非置換のアルキニル、置換または非置換のシクロアルキル、置換または非置換のアリール、置換または非置換のヘテロアリール、置換または非置換のアルカリル、置換または非置換のアミン、置換または非置換のアミド、アシル、カルボキシレート、ならびに飽和もしくは不飽和のおよび/または置換もしくは非置換のヒドロキシアルキルからなる群から選択され;
14およびR15は、それぞれ独立に、、水素、置換または非置換のアルキル、置換または非置換のアルケニル、置換または非置換のアルキニル、置換または非置換のシクロアルキル、置換または非置換のアリール、置換または非置換のヘテロアリール、置換または非置換のアルカリル、アシル、および細胞透過性基からなる群から選択されるか、あるいは、R14およびR15は存在する場合、共同で複素環を形成する)。
【0040】
式IIにおいて、例えば6’、1”、2”、3”、4”および5”などの位置に示されていない置換基は、典型的には水素であるが、例えば、これらに限定されないが、Ry〜Ryに関して定義した他の置換基であることも想定される。
【0041】
本明細書に記載の実施形態のいずれかによれば、本化合物は式Ibにより表される。
【0042】
【化4】
【0043】
式Ibにおいて、例えば、6’、1”、2”、3”、4”および5”などの位置に示されていない置換基は、典型的には水素であるが、例えば、これらに限定されないが、Ry〜Ryに関して定義した他の置換基であることも想定される。
【0044】
本明細書に記載の実施形態のいずれかによれば、XはOR13である。
【0045】
本明細書に記載の実施形態のいずれかによれば、XはNR1415である。
【0046】
本明細書に記載の実施形態のいずれかによれば、R12は水素以外である。
【0047】
本明細書に記載の実施形態のいずれかによれば、R10、R11およびR13のうちの少なくとも1つは、存在する場合にはアシルである。
【0048】
本明細書に記載の実施形態のいずれかによれば、XはOである。
【0049】
本明細書に記載の実施形態のいずれかによれば、環I中のC4’とC5’との間の結合は単結合である。
【0050】
本明細書に記載の実施形態のいずれかによれば、環I中のC4’とC5’との間の結合は二重結合であり、RxまたはRおよびRzは存在しない。
【0051】
本明細書に記載の実施形態のいずれかによれば、環I中のC4’とC3’との間の結合は単結合である。
【0052】
本明細書に記載の実施形態のいずれかによれば、環I中のC4’とC3’との間の結合は二重結合であり、RxまたはRおよびRyは存在しない。
【0053】
本明細書に記載の実施形態のいずれかによれば、Rは水素以外である。
【0054】
本明細書に記載の実施形態のいずれかによれば、Rはヒドロキシアルキルである。
【0055】
本明細書に記載の実施形態のいずれかによれば、Rはヒドロキシメチルである。
【0056】
本明細書に記載の実施形態のいずれかによれば、Rは、置換もしくは非置換のアルキル、置換もしくは非置換のアルケニル、または置換もしくは非置換のアルキニルであるかまたはそれを含む。
【0057】
本明細書に記載の実施形態のいずれかによれば、Rは、メチル、エチル、プロピル、ブチルおよびペンチルからなる群から選択される。
【0058】
本明細書に記載の実施形態のいずれかによれば、Rは、アリールであるかまたはそれを含む。
【0059】
本明細書に記載の実施形態のいずれかによれば、Rは、フェニル、1−アントリル、1−ナフチル、2−ナフチル、2−フェナントリルおよび9−フェナントリルからなる群から選択される。
【0060】
本明細書に記載の実施形態のいずれかによれば、Rは、置換または非置換のヘテロアリールであるかまたはそれを含む。
【0061】
本明細書に記載の実施形態のいずれかによれば、Rは、2−アントリル、2−フリル、2−インドリル、2−ナフチル、2−ピリジル、2−ピリミジル、2−ピリル、2−キノリル、2−チエニル、3−フリル、3−インドリル、3−チエニル、4−イミダゾリル、4−ピリジル、4−ピリミジル、4−キノリル、5−メチル−2−チエニルおよび6−クロロ−3−ピリジルからなる群から選択される。
【0062】
本明細書に記載の実施形態のいずれかによれば、Rは、置換アリールであるかまたはそれを含む。
【0063】
本明細書に記載の実施形態のいずれかによれば、Rは、2−(N−エチルアミノ)フェニル、2−(N−ヘキシルアミノ)フェニル、2−(N−メチルアミノ)フェニル、2,4−ジメトキシフェニル、2−アセトアミドフェニル、2−アミノフェニル、2−カルボキシフェニル、2−クロロフェニル、2−エトキシフェニル、2−フルオロフェニル、2−ヒドロキシメチルフェニル、2−ヒドロキシフェニル、2−ヒドロキシフェニル、2−メトキシカルボニルフェニル、2−メトキシフェニル、2−メチルフェニル、2−N,N−ジメチルアミノフェニル、2−トリフルオロメチルフェニル、3−(N,N−ジブチルアミノ)フェニル、3−(N,N−ジエチルアミノ)フェニル、3,4,5−トリメトキシフェニル、3,4−ジクロロフェニル、3,4−ジメトキシフェニル、3,5−ジメトキシフェニル、3−アミノフェニル、3−ビフェニリル、3−カルボキシフェニル、3−クロロ−4−メトキシフェニル、3−クロロフェニル、3−エトキシカルボニルフェニル、3−エトキシフェニル、3−フルオロフェニル、3−ヒドロキシメチルフェニル、3−ヒドロキシフェニル、3−イソアミルオキシフェニル、3−イソブトキシフェニル、3−イソプロポキシフェニル、3−メトキシフェニル、3−メチルフェニル、3−N,N−ジメチルアミノフェニル、3−トリル、3−トリフルオロメチルフェニル、4−(ベンジルオキシ)フェニル、4−(イソプロポキシカルボニル)フェニル、4−(N,N−ジエチルアミノ)フェニル、4−(N,N−ジヘキシルアミノ)フェニル、4−(N,N−ジイソプロピルアミノ)フェニル、4−(N,N−ジメチルアミノ)フェニル、4−(N,N−ジ−n−ペンチルアミノ)フェニル、4−(n−ヘキシルオキシカルボニル)フェニル、4−(N−メチルアミノ)フェニル、4−(トリフルオロメチル)フェニル、4−アミノフェニル、4−ベンジルオキシフェニル、4−ビフェニリル、4−ブトキシフェニル、4−ブチルアミドフェニル、4−カルボキシフェニル、4−クロロフェニル、4−エトキシカルボニルフェニル、4−ヘキサンアミドフェニル、4−ヒドロキシメチルフェニル、4−ヒドロキシフェニル、4−ヨードフェニル、4−イソブチルフェニル、4−イソブチルアミドフェニル、4−イソプロポキシフェニル、4−イソプロピルフェニル、4−メトキシフェニル、4−メチルフェニル、4−n−ヘキサンアミドフェニル、4−n−ヘキシルオキシフェニル、4−n−ヘキシルフェニル、4−ニトロフェニル、4−ニトロフェニル、4−プロピオンアミドフェニル、4−トリル、4−トリフルオロメチルフェニルおよび4−バレロイルオキシカルボニルフェニルからなる群から選択される。
【0064】
本明細書に記載の実施形態のいずれかによれば、Rは、アミンであるかまたはそれを含む。
【0065】
本明細書に記載の実施形態のいずれかによれば、Rは、−NH、−NHCH、−N(CH、−NH−CH−CH−NH、−NH−CH−CH−OHおよび−NH−CH−CH(OCHからなる群から選択される。
【0066】
本明細書に記載の実施形態のいずれかによれば、Rは水素である。
【0067】
本明細書に記載の実施形態のいずれかによれば、Rはアルキルであり、好ましくはメチル、エチルおよびプロピルからなる群から選択される。
【0068】
本明細書に記載の実施形態のいずれかによれば、Rはアシルである。
【0069】
本明細書に記載の実施形態のいずれかによれば、Rは、水素、(R/S)−4−アミノ−2−ヒドロキシブチリル(AHB)、(R/S)−3−アミノ−2−ヒドロキシプロピオネート(AHP)、(R/S)−3−アミノ−2−ヒドロキシプロピオニル、5−アミノペンタノイル、5−ヒドロキシペンタノイル、ホルミル、−C(=O)−O−メチル、−C(=O)−O−エチル、−C(=O)−O−ベンジル、−β−アミノ−α−ヒドロキシプロピオニル、−δ−アミノ−α−ヒドロキシバレリル、−β−ベンジルオキシカルボニルアミノ−α−ヒドロキシプロピオニル、−δ−ベンジルオキシカルボニルアミノ−α−ヒドロキシバレリル、メチルスルホニル、フェニルスルホニル、ベンゾイル、プロピル、イソプロピル、−(CHNH、−(CHNH、−CHCH(NH)CH、−(CHNH、−(CHNH、−(CHNH−エチル、−(CHNH(CHNH、−(CHNH(CHNH、−(CHNH(CHNH(CHNH、−CH(−NH)CH(OH)、−CH(−OH)CH(NH)、−CH(−OH)−(CH(NH)、−CH(−NH)−(CH(OH)、−CH(−CHNH)−(CHOH)、−(CHNH(CHNH、−(CHNH(CHNH(CHNH、−(CHN(CHCHNH、−CH−C(=O)NH、−CH(CH)−C(=O)NH、−CH−フェニル、−CH(i−プロピル)−C(=O)NH、−CH(ベンジル)−C(=O)NH、−(CHOH、−(CHOHおよび−CH(CHOH)からなる群から選択される。
【0070】
本明細書に記載の実施形態のいずれかによれば、RおよびRは、それぞれ独立に、水素、(R/S)−4−アミノ−2−ヒドロキシブチリル(AHB)、(R/S)−3−アミノ−2−ヒドロキシプロピオネート(AHP)、(R/S)−3−アミノ−2−ヒドロキシプロピオニル、5−アミノペンタノイル、5−ヒドロキシペンタノイル、ホルミル、−COO−メチル、−COO−エチル、−COO−ベンジル、−β−アミノ−α−ヒドロキシプロピオニル、−δ−アミノ−α−ヒドロキシバレリル、−β−ベンジルオキシカルボニルアミノ−α−ヒドロキシプロピオニル、−δ−ベンジルオキシカルボニルアミノ−α−ヒドロキシバレリル、メチルスルホニル、フェニルスルホニル、ベンゾイル、プロピル、イソプロピル、−(CHNH、−(CHNH、−CHCH(NH)CH、−(CHNH、−(CHNH、−(CHNH−エチル、−(CHNH(CHNH、−(CHNH(CHNH、−(CHNH(CHNH(CHNH、−CH(−NH)CH(OH)、−CH(−OH)CH(NH)、−CH(−OH)−(CH(NH)、−CH(−NH)−(CH(OH)、−CH(−CHNH)−(CHOH)、−(CHNH(CHNH、−(CHNH(CHNH(CHNH、−(CHN(CHCHNH、−CH−C(=O)NH、−CH(CH)−C(=O)NH、−CH−フェニル、−CH(i−プロピル)−C(=O)NH、−CH(ベンジル)−C(=O)NH、−(CHOH、−(CHOHおよび−CH(CHOH)からなる群から選択される。
【0071】
本明細書に記載の実施形態のいずれかによれば、アミノ置換アルファ−ヒドロキシアシルは、(S)−4−アミノ−2−ヒドロキシブチリル(AHB)である。
【0072】
本明細書に記載の実施形態のいずれかによれば、細胞透過性基はグアニジルである。
【0073】
本明細書に記載の実施形態のいずれかによれば、本明細書に記載の非置換のアリールは、フェニル、1−アントリル、1−ナフチル、2−ナフチル、2−フェナントリルおよび9−フェナントリルからなる群から選択される。
【0074】
本明細書に記載の実施形態のいずれかによれば、本明細書に記載の置換または非置換のヘテロアリールは、2−アントリル、2−フリル、2−インドリル、2−ナフチル、2−ピリジル、2−ピリミジル、2−ピリル、2−キノリル、2−チエニル、3−フリル、3−インドリル、3−チエニル、4−イミダゾリル、4−ピリジル、4−ピリミジル、4−キノリル、5−メチル−2−チエニルおよび6−クロロ−3−ピリジルからなる群から選択される。
【0075】
本明細書に記載の実施形態のいずれかによれば、本明細書に記載の置換アリールは、2−(N−エチルアミノ)フェニル、2−(N−ヘキシルアミノ)フェニル、2−(N−メチルアミノ)フェニル、2,4−ジメトキシフェニル、2−アセトアミドフェニル、2−アミノフェニル、2−カルボキシフェニル、2−クロロフェニル、2−エトキシフェニル、2−フルオロフェニル、2−ヒドロキシメチルフェニル、2−ヒドロキシフェニル、2−ヒドロキシフェニル、2−メトキシカルボニルフェニル、2−メトキシフェニル、2−メチルフェニル、2−N,N−ジメチルアミノフェニル、2−トリフルオロメチルフェニル、3−(N,N−ジブチルアミノ)フェニル、3−(N,N−ジエチルアミノ)フェニル、3,4,5−トリメトキシフェニル、3,4−ジクロロフェニル、3,4−ジメトキシフェニル、3,5−ジメトキシフェニル、3−アミノフェニル、3−ビフェニリル、3−カルボキシフェニル、3−クロロ−4−メトキシフェニル、3−クロロフェニル、3−エトキシカルボニルフェニル、3−エトキシフェニル、3−フルオロフェニル、3−ヒドロキシメチルフェニル、3−ヒドロキシフェニル、3−イソアミルオキシフェニル、3−イソブトキシフェニル、3−イソプロポキシフェニル、3−メトキシフェニル、3−メチルフェニル、3−N,N−ジメチルアミノフェニル、3−トリル、3−トリフルオロメチルフェニル、4−(ベンジルオキシ)フェニル、4−(イソプロポキシカルボニル)フェニル、4−(N,N−ジエチルアミノ)フェニル、4−(N,N−ジヘキシルアミノ)フェニル、4−(N,N−ジイソプロピルアミノ)フェニル、4−(N,N−ジメチルアミノ)フェニル、4−(N,N−ジ−n−ペンチルアミノ)フェニル、4−(n−ヘキシルオキシカルボニル)フェニル、4−(N−メチルアミノ)フェニル、4−(トリフルオロメチル)フェニル、4−アミノフェニル、4−ベンジルオキシフェニル、4−ビフェニリル、4−ブトキシフェニル、4−ブチルアミドフェニル、4−カルボキシフェニル、4−クロロフェニル、4−エトキシカルボニルフェニル、4−ヘキサンアミドフェニル、4−ヒドロキシメチルフェニル、4−ヒドロキシフェニル、4−ヨードフェニル、4−イソブチルフェニル、4−イソブチルアミドフェニル、4−イソプロポキシフェニル、4−イソプロピルフェニル、4−メトキシフェニル、4−メチルフェニル、4−n−ヘキサンアミドフェニル、4−n−ヘキシルオキシフェニル、4−n−ヘキシルフェニル、4−ニトロフェニル、4−ニトロフェニル、4−プロピオンアミドフェニル、4−トリル、4−トリフルオロメチルフェニルおよび4−バレロイルオキシカルボニルフェニルからなる群から選択される。
【0076】
本明細書に記載の実施形態のいずれかによれば、本明細書に記載のアシルは、任意選択でハロ、ニトロ、ヒドロキシ、アミン、シアノ、チオシアノ、およびアルコキシの1つまたは複数で置換されていてもよい、2から18個の炭素原子を有する炭化水素アシルラジカルからなる群から選択される。
【0077】
本明細書に記載の実施形態のいずれかによれば、アシルは、飽和もしくは不飽和のおよび/または置換もしくは非置換の脂肪族カルボン酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、イソ酪酸、tert−ブチル酢酸、吉草酸、イソ吉草酸、カプロン酸、カプリル酸、デカン酸、ドデカン酸、ラウリン酸、トリデカン酸、ミリスチン酸、ペンタデカン酸、パルミチン酸、マルガリン酸、ステアリン酸、アクリル酸、クロトン酸、ウンデシレン酸、オレイン酸、ヘキシン酸、ヘプチン酸、オクチン酸、飽和または不飽和の脂環式カルボン酸、シクロブタンカルボン酸、シクロペンタンカルボン酸、シクロペンテンカルボン酸、メチルシクロペンテンカルボン酸、シクロヘキサンカルボン酸、ジメチルシクロヘキサンカルボン酸、ジプロピルシクロヘキサンカルボン酸、飽和または不飽和の脂環式の脂肪族カルボン酸、シクロペンタン酢酸、シクロペンタンプロピオン酸、シクロヘキサン酢酸、シクロヘキサン酪酸、メチルシクロヘキサン酢酸、置換または非置換の芳香族カルボン酸、安息香酸、トルイル酸、ナフトエ酸、エチル安息香酸、イソブチル安息香酸、メチルブチル安息香酸、芳香族脂肪族カルボン酸、フェニル酢酸、フェニルプロピオン酸、フェニル吉草酸、ケイ皮酸、フェニルプロピオル酸、ナフチル酢酸、ハロアルコキシ炭化水素カルボン酸、ニトロアルコキシ炭化水素カルボン酸、ヒドロキシアルコキシ炭化水素カルボン酸、アミノアルコキシ炭化水素カルボン酸、シアノアルコキシ炭化水素カルボン酸、チオシアノアルコキシ炭化水素カルボン酸、モノ酢酸、ジ酢酸、トリクロロ酢酸、1,2,3,4,5,6−ヘキサクロロシクロヘキサンカルボン酸、1,2−ジブロモ−4−メチルシクロヘキサンカルボン酸、1,6−ジブロモ−3−メチルシクロヘキサンカルボン酸、1−ブロモ−3,5−ジメチルシクロヘキサンカルボン酸、2−クロロシクロヘキサンカルボン酸、4−クロロシクロヘキサンカルボン酸、2,3−ジブロモ−2−メチルシクロヘキサンカルボン酸、2,4,6−トリニトロ安息香酸、2,5−ジブロモ−2−メチルシクロヘキサンカルボン酸、2−ブロモ−4−メチルシクロヘキサンカルボン酸、2−ニトロ−1−メチル−シクロブタンカルボン酸、3,4−ジニトロ安息香酸、3,5−ジニトロ安息香酸、3−ブロモ−2,2,3−トリメチルシクロペンタンカルボン酸、3−ブロモ−2−メチルシクロヘキサンカルボン酸、3−ブロモ−3−メチルシクロヘキサンカルボン酸、4−ブロモ−2−メチルシクロヘキサンカルボン酸、5−ブロモ−2−メチルシクロヘキサンカルボン酸、4,4’−ジクロロベンジル酸、4,5−ジブロモ−2−メチルシクロヘキサンカルボン酸、5−ブロモ−2−メチルシクロヘキサンカルボン酸、6−ブロモ−2−メチルシクロヘキサンカルボン酸、5,6−ジブロモ−2−メチルシクロヘキサンカルボン酸、6−ブロモ−3−メチルシクロヘキサンカルボン酸、アニス酸、シアノ酢酸、シアノプロピオン酸、エトキシギ酸(炭酸水素エチル)、没食子酸、ホモゲンチジン酸、o−、m−、およびp−クロロ安息香酸、乳酸、メバロン酸、o−、m−、p−ニトロ安息香酸、p−ヒドロキシ安息香酸、サリチル酸、シキミ酸、チオシアノ酢酸、トリメトキシ安息香酸、トリメトキシケイ皮酸、ベラトルム酸、α−およびβ−クロロプロピオン酸、α−およびγ−ブロモ酪酸ならびにα−およびδ−ヨード吉草酸、β−レソルシル酸からなる群から選択される酸から誘導されるものである。
【0078】
本発明の一部実施形態の態様によれば、本明細書の実施形態のいずれか1つに記載の化合物およびそれらのあらゆる組合せと、薬学的に許容される担体とを含む医薬組成物を提供する。
【0079】
本明細書に記載の実施形態のいずれかによれば、医薬組成物は、未成熟終止コドンのトランケーション変異および/またはタンパク質のトランケーション表現型を伴う遺伝性疾患の治療で使用するために、パッケージング材料中に梱包され、パッケージング材料の表面またはその内部に、その識別が印刷されたものである。
【0080】
本発明の一部実施形態の態様によれば、未成熟終止コドンのトランケーション変異および/またはタンパク質のトランケーション表現型を伴う遺伝性疾患を治療するための方法であって、上記遺伝性疾患の治療を必要とする対象に、治療有効量の本明細書の実施形態のいずれか1つに記載される化合物およびそれらのあらゆる組合せを投与することを含む方法を提供する。
【0081】
本発明の一部実施形態の態様によれば、未成熟終止コドンのトランケーション変異および/またはタンパク質のトランケーション表現型を伴う遺伝性疾患の治療で使用するための、本明細書の実施形態のいずれか1つに記載の化合物およびそれらのあらゆる組合せを提供する。
【0082】
本発明の一部実施形態の態様によれば、未成熟終止コドンのトランケーション変異および/またはタンパク質のトランケーション表現型を伴う遺伝性疾患を治療するための医薬品の製造における、本明細書の実施形態のいずれか1つに記載される化合物およびそれらのあらゆる組合せの使用を提供する。
【0083】
本明細書に記載の実施形態のいずれかによれば、遺伝性疾患は、嚢胞性線維症(CF)、デュシェンヌ型筋ジストロフィー(DMD)、毛細血管拡張性運動失調、ハーラー症候群、血友病A、血友病B、アッシャー症候群、テイ−サックス病、ベッカー型筋ジストロフィー(BMD:Becker muscular dystrophy)、先天性筋ジストロフィー(CMD:Congenital muscular dystrophy)、第VII因子欠乏症、家族性心房細動、ヘイリー−ヘイリー病、マッカードル病、ムコ多糖症、腎症性シスチン症、多発性嚢胞腎、レット症候群、脊髄性筋萎縮症(SMA:Spinal muscular atrophy)、シスチン症、重度の表皮水疱症、ドラベ症候群、X連鎖性腎性尿崩症(XNDI:X−linked nephrogenic diabetes insipidus)、X連鎖性網膜色素変性症およびがんからなる群から選択される。
【0084】
本発明の一部実施形態の態様によれば、未成熟終止コドン変異を有する遺伝子の発現レベルを増加させる方法であって、本明細書の対応する実施形態のいずれかに記載の化合物およびそれらのあらゆる組合せの存在下で、遺伝子をタンパク質に翻訳することを含む方法を提供する。
【0085】
本発明の一部実施形態の態様によれば、未成熟終止コドン変異を有する遺伝子の発現レベルを増加させるために使用するための、本明細書の対応する実施形態のいずれかに記載の化合物およびそれらのあらゆる組合せを提供する。
【0086】
本発明の一部実施形態の態様によれば、未成熟終止コドン変異を有する遺伝子の発現レベルを増加させるための医薬品の製造における、本明細書の対応する実施形態のいずれかに記載の化合物およびそれらのあらゆる組合せの使用を提供する。
【0087】
本明細書に記載の実施形態のいずれかによれば、未成熟終止コドン変異は、UGA、UAGおよびUAAからなる群から選択されるRNAコードを有する。
【0088】
本明細書に記載の実施形態のいずれかによれば、タンパク質は、細胞質内の翻訳系で翻訳される。
【0089】
本明細書に記載の実施形態のいずれかによれば、本化合物を、変異抑制量で使用する。
【0090】
本明細書に記載の実施形態のいずれかによれば、真核生物の細胞質内の翻訳系における本化合物の翻訳阻害IC50は、リボソームの翻訳系における本化合物の翻訳阻害IC50より大きい。
【0091】
本明細書に記載の実施形態のいずれかによれば、真核生物の細胞質内の翻訳系における本化合物の翻訳阻害IC50は、原核生物の翻訳系における本化合物の翻訳阻害IC50より大きい。
【0092】
別段の指定がない限り、本明細書で使用される全ての技術的および/または科学的な用語は、本発明が関連する当業者により一般的に理解されるのと同じ意味を有する。本明細書で説明したものに類似した、または同等な方法および材料も本発明の実施形態の実施または試験で使用することができるが、例示的な方法および/または材料が後述される。矛盾がある場合、定義を含めて本特許明細書が優先される。加えて、材料、方法、および実施例は単なる例示にすぎず、必ずしも限定を意図するものではない。
【0093】
単なる例示として、添付の図面を参照しながら、本発明のいくつかの実施形態について記載する。ここで、具体的な図面に詳細に参照するが、ここに示す詳細は例示に過ぎず、本発明の実施形態を例証するための考察を目的とすることを強調する。この観点から、図面とともに本記載を検討することで、当業者には、いかに本発明の実施形態を実施するかが明らかとなる。
【図面の簡単な説明】
【0094】
図1図1(背景技術)は、アミノグリコシドの公知ファミリーの一部の化学構造を示す図である。
図2図2A〜2Cは、未成熟終止コドン変異R168X(図2A)、R270X(図2B)およびR294X(図2C)を生じるレット症候群のリードスルーレベルを示す比較棒グラフであり、当該レベルは、0.3mMおよび1mMの濃度の本発明の一部の実施形態に係る例示化合物か、対照試料(化合物の添加なし)と、発現HEK293細胞とを接触させて測定および計算した、ホタル/ウミシイタケ発現比率と野生型(WT)で観察された発現比率との比較に基づくものである。
図3図3A〜3Cは、未成熟終止コドン変異R168X(図3A)、R270X(図3B)およびR294X(図3C)を生じるレット症候群のリードスルーレベルを示す比較棒グラフであり、当該レベルは、0.3mMおよび1mMの濃度の本発明の一部の実施形態に係る例示化合物か、対照試料(化合物の添加なし)と、発現HEK293細胞とを接触させて測定および計算した値であり、対照について観察されたホタル/ウミシイタケ発現比率(100%)に対する割合として表され、WTで観察された発現比率と比較したものである。
図4図4A〜4Fは、0〜50μMの濃度範囲の本発明の一部の実施形態に係る例示化合物であるNB144、NB145およびNB146を用いて実施した、嚢胞性線維症のG542Xナンセンス変異抑制用量応答性細胞非含有アッセイの結果を示す図である。図4Aは、WT配列の下流に見出されるホタルルシフェラーゼの発現レベルを示し、図4Bは、G542X変異配列の下流に見出されるホタルルシフェラーゼの発現レベルを示し、図4Cは、WT配列の上流に見出されるウミシイタケルシフェラーゼの発現レベルを示し、図4Dは、G542X変異配列の上流に見出されるウミシイタケルシフェラーゼの発現レベルを示し、図4Eは、WT配列で測定されたホタル/ウミシイタケ発現比率を示し、図4Fは、G542X変異配列で測定されたホタル/ウミシイタケ発現比率を示す。
図5図5A〜5Bは、0〜50μMの濃度範囲の本発明の一部の実施形態に係る例示化合物であるNB144、NB145およびNB146を用いて実施した、嚢胞性線維症のG542Xナンセンス変異抑制用量応答性細胞非含有アッセイの結果を示す図である。図5Aは、対照実験(化合物の添加なし)で得られた発現レベルに対する、変異配列の下流に見出されるホタルルシフェラーゼの発現レベルの割合を示し、図5Bは、対照実験で得られた発現レベルに対する、それぞれ変異配列の下流および上流のホタル/ウミシイタケ発現の比率を示す。
図6図6A〜6Fは、0〜50μMの濃度範囲の本発明の一部の実施形態に係る例示化合物であるNB150、NB151およびNB152を用いて実施した、嚢胞性線維症のG542Xナンセンス変異抑制用量応答性細胞非含有アッセイの結果を示す図である。図6Aは、WT配列の下流に見出されるホタルルシフェラーゼの発現レベルを示し、図6Bは、G542X変異配列の下流に見出されるホタルルシフェラーゼの発現レベルを示し、図6Cは、WT配列の上流で見出されるウミシイタケルシフェラーゼの発現レベルを示し、図6Dは、G542X変異配列の上流で見出されるウミシイタケルシフェラーゼの発現レベルを示し、図6Eは、WT配列で測定されたホタル/ウミシイタケ発現比率を示し、図6Fは、G542X変異配列で測定されたホタル/ウミシイタケ発現比率を示す。
図7図7A〜7Bは、0〜50μMの濃度範囲の本発明の一部の実施形態に係る例示化合物であるNB150、NB151およびNB152を用いて実施した、嚢胞性線維症のG542Xナンセンス変異抑制用量応答性細胞非含有アッセイの結果を示す図である。図7Aは、対照実験(化合物の添加なし)で得られた発現レベルに対する、変異配列の下流に見出されるホタルルシフェラーゼの発現レベルの割合を示し、図7Bは、対照実験で得られた発現レベルに対する、それぞれ変異配列の下流および上流のホタル/ウミシイタケ発現の比率を示す。
図8図8A〜8Cは、5μMの濃度の本発明の一部の実施形態に係る例示化合物であるNB144、NB145、NB146、NB150、NB151およびNB152を用いて実施した、レット症候群ナンセンス変異R168X(図8A)、R270X(図8B)およびR294X(図8C)の抑制の細胞非含有アッセイの結果を示す図であり、対照試料で測定したホタル/ウミシイタケ発現比率(化合物の添加なし;100%)に対するの割合としての、ホタル/ウミシイタケ発現の比率を示す。
図9図9A〜9Bは、化合物35(上のスペクトル)および化合物36(下のスペクトル)のH NMRの磁気異方性スペクトルを示す図であり、NMRスペクトル中で帰属されたプロトンの化学シフト値の差(図9A)、および対応するMαNPセクター則(Sector Rule)(図9B)を示す。
図10図10は、USH1遺伝病を表すR3Xナンセンス変異コンストラクトにおける、化合物1(−■−)、NB153(−▲−)、およびNB155(−△−)により誘導されたインビトロの終止コドン抑制レベルを示す比較プロットである。
図11図11A〜Dは、R3X(USH1)(図11A)、R245X(USH1)(図11B)、Q70X(HS)(図11C)、およびG542X(CF)(図11D)を表すナンセンスコンストラクトにおける、NB74(−△−)、NB156(−▲−)、およびゲンタマイシン(−−■−−)(左)、ならびにNB124(−Δ−)、NB157(−▲−)、およびゲンタマイシン(−−■−−)(右)により誘導されたインビトロの終止コドン抑制レベルを示す比較プロットである。
図12A図12Aは、終止コドン変異リードスルーの比較プロットであり、リードスルーのパーセントをNB156を与えたWTにおける濃度に対する関数として表し(50%ウミシイタケまでのリードスルー)、数々の異なる変異のリードスルーとの比較を示す。
図12B図12Bは、終止コドン変異リードスルーの比較プロットであり、未処理対照をNB156に曝露した後のリードスルーの増加倍率をNB156濃度の関数として表し、数々の異なる変異のリードスルーとの比較を示す。
図13A図13Aは、終止コドン変異リードスルーの比較プロットであり、リードスルーのパーセントをNB157を与えたWTにおける濃度に対する関数として表し(50%ウミシイタケまでのリードスルー)、数々の異なる変異のリードスルーとの比較を示す。
図13B図13Bは、終止コドン変異リードスルーの比較プロットであり、未処理対照をNB157に曝露した後のリードスルーの増加倍率をNB157濃度の関数として表し、数々の異なる変異のリードスルーとの比較を示す。
【発明を実施するための形態】
【0095】
本発明は、その一部の実施形態において、アミノグリコシド、より詳細には、これらに限定されないが新規のアミノグリコシド誘導体、ならびに終止コドン変異を有する遺伝子の発現を増加させること、および/または遺伝性疾患の治療におけるその使用に関する。
【0096】
具体的には、本発明は、その一部の実施形態において、未成熟終止コドン変異に対する高いリードスルー活性を示しつつも、哺乳類細胞に対する毒性作用が低く、さらには、バイオアベイラビリティーおよび/または細胞透過性の向上を特徴とする、パロモマイシン由来の新規アミノグリコシド化合物に関する。本発明の実施形態はさらに、これらの化合物を含有する医薬組成物、および遺伝性疾患の治療におけるその使用である。本発明の実施形態はさらに、これらの化合物を調製するプロセスである。
【0097】
本発明の原理および運用は、図面と添付の説明を参照することにより、よりよく理解することができる。
【0098】
本発明の少なくとも1つの実施形態を詳細に説明する前に、本発明は、以下の説明または実施例によって例示される詳細によって、その用途が必ずしも制限されるものではないことを理解されたい。本発明は、その他の実施形態、または種々の方法による実行または実施が可能である。また、本明細書で使用する表現および用語は、説明を目的とするものであり、限定とみなすべきではないことも理解されたい。
【0099】
上記で論じられたように、治療剤としてのアミノグリコシドの使用は、主としてその高い毒性のために制限される。遺伝性疾患の治療においてこのような使用は、さらに毒性にも転換し得る、アミノグリコシドの抗菌活性によっても制限される。
【0100】
アミノグリコシドに関連するさらなる制限としては、バイオアベイラビリティーが低いために典型的には静脈内または皮下投与を必要とすること、および真核細胞への透過性が不十分なために典型的には有害な副作用を伴う高用量の投与を必要とすることが挙げられる。アミノグリコシドの高い水溶性および極性が、腸の組織を介したその吸収度と細胞膜を介したその透過性を制限すると推定される。
【0101】
さらに上記で論じられたように、パロマミン構造に数々の構造的な操作を施すことによって、未成熟終止コドン変異に対する改善されたリードスルー活性を発揮しつつも、哺乳類細胞において毒性作用が低いことが示された合成アミノグリコシドが生み出されてきた。本明細書に全体が記載されたものとして参照により組み込まれるWO2007/113841およびWO2012/066546は、このようなアミノグリコシドを記載している。
【0102】
遺伝性疾患に対する治療効果をさらに改善する試みにおいて、このようなアミノグリコシドの構造と活性との相関をさらに解明しつつ、本発明者は、本明細書において式IおよびIaにより集合的に示される、パロマミン構造の様々な位置におけるさらなる修飾を設計した。
【0103】
本発明を実施するに当たり、例示的な新規アミノグリコシドの構造を調製した。後述する実施例で示すように、これらの化合物は、疾患を引き起こすナンセンス変異に対する高いリードスルー活性に加えて、毒性の低下を示すことがわかった。
【0104】
化合物:
本発明の一部実施形態の態様によれば、集合的に式Iaにより表される新規のアミノグリコシド(AMG)化合物(本明細書では「アミノグリコシド誘導体」とも称される)を提供する。
【0105】
【化5】
【0106】
式中:
点線は、6’位の立体配置がR配置またはS配置であることを示し;
は、OまたはSであり;
環I中のC4’とC5’との間の破線の結合は、単結合または二重結合を表し;
環I中のC4’とC3’との間の破線の結合は、単結合または二重結合を表し;
Rx、RyおよびRzは、それぞれ独立に、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルカリル、アリール、ヘテロアリールおよびシクロアルキルから選択されるか、または存在せず、C4’とC5’との間の破線の結合が二重結合である場合、少なくともRzは存在せず、C4’とC3’との間の破線の結合が二重結合である場合、少なくともRyは存在せず;
Ry〜RyおよびRw〜Rwは、それぞれ独立に、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルカリル、アリール、ヘテロアリールおよびシクロアルキルから選択され、これらはそれぞれ置換または非置換であるか、あるいは、それぞれR〜Rに関して本明細書で定義された通りであってもよく;
は、水素、置換または非置換のアルキル、置換または非置換のアルケニル、置換または非置換のアルキニル、置換または非置換のシクロアルキル、置換または非置換のアリール、置換または非置換のヘテロアリール、置換または非置換のアルカリル、置換または非置換のアミン、置換または非置換のアミド、アシル、カルボキシレート、ならびに飽和もしくは不飽和のおよび/または置換もしくは非置換のヒドロキシアルキル(例えば、−CH−OH)からなる群から選択され;
は、水素、置換または非置換のアルキル、置換または非置換のアルケニル、置換または非置換のアルキニル、置換または非置換のシクロアルキル、置換または非置換のアリール、置換または非置換のヘテロアリール、置換または非置換のアルカリルおよびアシルからなる群から選択され;
およびRは、それぞれ独立に、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロ脂環式、アリール、ヘテロアリール、アミンおよびOR16からなる群から選択され、R16は、独立に、(R〜Rの2つ以上が前記OR16である場合)、水素、単糖部分、オリゴ糖部分、置換または非置換のアルキル、置換または非置換のアルケニル、置換または非置換のアルキニル、置換または非置換のシクロアルキル、置換または非置換のアリール、置換または非置換のヘテロアリール、置換または非置換のアルカリルおよびアシルから選択されるか、または存在せず、C4’とC5’との間の破線の結合が二重結合である場合、Rは任意選択で存在せず、C4’とC3’との間の破線の結合が二重結合である場合、Rは任意選択で存在せず;
〜Rは、それぞれ独立に、水素、アシル、アミノ置換アルファ−ヒドロキシアシル、置換または非置換のアルキル、置換または非置換のアルケニル、置換または非置換のアルキニル、置換または非置換のシクロアルキル、置換または非置換のアリール、置換または非置換のアルカリル、カルボキシレート、スルホニル(アルキルスルホニルおよびアリールスルホニルなど)および細胞透過性基からなる群から選択される。
【0107】
本明細書に記載の実施形態のいずれかにおいて、本化合物は、式Iaに示した環Iおよび環IIを有する疑似二糖である。
【0108】
これらの実施形態において、R〜RはいずれもOR16ではなく、R16は、単糖またはオリゴ糖部分である。
【0109】
これらの実施形態の一部において、R〜Rの1つもしくは複数または全ては、OR16である。
【0110】
これらの実施形態の一部において、R〜Rの1つもしくは複数または全ては、OR16であり、R16は、独立に、置換でも非置換でもよいアリールである。これらの実施形態において、R〜Rの1つもしくは複数または全ては、本明細書で定義されたようなアリールオキシである。
【0111】
これらの実施形態の一部において、アリールは非置換であり、したがってR〜Rの1つまたは複数または全てが、独立に、フェニルオキシ、1−アントリルオキシ、1−ナフチルオキシ、2−ナフチルオキシ、2−フェナントリルオキシおよび9−フェナントリルオキシであり得るが、これらは限定的な例示ではない。
【0112】
これらの実施形態の一部において、OR16の1つまたは複数におけるアリールの1つまたは複数は、置換アリールであり、したがってR〜Rの1つまたは複数または全ては、独立に、アリールオキシであって、アリールが、2−(N−エチルアミノ)フェニル、2−(N−ヘキシルアミノ)フェニル、2−(N−メチルアミノ)フェニル、2,4−ジメトキシフェニル、2−アセトアミドフェニル、2−アミノフェニル、2−カルボキシフェニル、2−クロロフェニル、2−エトキシフェニル、2−フルオロフェニル、2−ヒドロキシメチルフェニル、2−ヒドロキシフェニル、2−ヒドロキシフェニル、2−メトキシカルボニルフェニル、2−メトキシフェニル、2−メチルフェニル、2−N,N−ジメチルアミノフェニル、2−トリフルオロメチルフェニル、3−(N,N−ジブチルアミノ)フェニル、3−(N,N−ジエチルアミノ)フェニル、3,4,5−トリメトキシフェニル、3,4−ジクロロフェニル、3,4−ジメトキシフェニル、3,5−ジメトキシフェニル、3−アミノフェニル、3−ビフェニリル、3−カルボキシフェニル、3−クロロ−4−メトキシフェニル、3−クロロフェニル、3−エトキシカルボニルフェニル、3−エトキシフェニル、3−フルオロフェニル、3−ヒドロキシメチルフェニル、3−ヒドロキシフェニル、3−イソアミルオキシフェニル、3−イソブトキシフェニル、3−イソプロポキシフェニル、3−メトキシフェニル、3−メチルフェニル、3−N,N−ジメチルアミノフェニル、3−トリル、3−トリフルオロメチルフェニル、4−(ベンジルオキシ)フェニル、4−(イソプロポキシカルボニル)フェニル、4−(N,N−ジエチルアミノ)フェニル、4−(N,N−ジヘキシルアミノ)フェニル、4−(N,N−ジイソプロピルアミノ)フェニル、4−(N,N−ジメチルアミノ)フェニル、4−(N,N−ジ−n−ペンチルアミノ)フェニル、4−(n−ヘキシルオキシカルボニル)フェニル、4−(N−メチルアミノ)フェニル、4−(トリフルオロメチル)フェニル、4−アミノフェニル、4−ベンジルオキシフェニル、4−ビフェニリル、4−ブトキシフェニル、4−ブチルアミドフェニル、4−カルボキシフェニル、4−クロロフェニル、4−エトキシカルボニルフェニル、4−ヘキサンアミドフェニル、4−ヒドロキシメチルフェニル、4−ヒドロキシフェニル、4−ヨードフェニル、4−イソブチルフェニル、4−イソブチルアミドフェニル、4−イソプロポキシフェニル、4−イソプロピルフェニル、4−メトキシフェニル、4−メチルフェニル、4−n−ヘキサンアミドフェニル、4−n−ヘキシルオキシフェニル、4−n−ヘキシルフェニル、4−ニトロフェニル、4−ニトロフェニル、4−プロピオンアミドフェニル、4−トリル、4−トリフルオロメチルフェニルおよび/または4−バレロイルオキシカルボニルフェニルであるアリールオキシであり得るが、これらは限定的な例示ではない。
【0113】
これらの実施形態の一部において、R〜Rの1つもしくは複数または全ては、OR16であり、R16は、独立に、置換でも非置換でもよいヘテロアリールである。これらの実施形態において、R〜Rの1つもしくは複数または全ては、本明細書で定義されたようなヘテロアリールオキシである。
【0114】
一部の実施形態において、R〜Rの1つまたは複数または全ては、独立に、2−アントリルオキシ、2−フリルオキシ、2−インドリルオキシ、2−ナフチルオキシ、2−ピリジルオキシ、2−ピリミジルオキシ、2−ピリルオキシ、2−キノリルオキシ、2−チエニルオキシ、3−フリルオキシ、3−インドリルオキシ、3−チエニルオキシ、4−イミダゾリルオキシ、4−ピリジルオキシ、4−ピリミジルオキシ、4−キノリルオキシ、5−メチル−2−チエニルオキシおよび6−クロロ−3−ピリジルオキシであってもよいが、これらは限定的な例示ではない。
【0115】
本明細書に記載の実施形態のいずれかにおいて、Rは、本明細書に記載されるように、アリールオキシまたはヘテロアリールオキシである。
【0116】
本明細書に記載の実施形態のいずれかにおいて、RはOR16であり、R16は置換または非置換のアルキルまたはアルケニル、例えば、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、プロペニル、2−ヒドロキシエチル、3−ヒドロキシプロピル、2,3−ジヒドロキシプロピルおよびメトキシメチルである。
【0117】
本明細書に記載の実施形態のいずれかにおいて、RはOR16であり、R16は水素である。
【0118】
本明細書に記載の実施形態のいずれかにおいて、RはOR16であり、R16は水素である。
【0119】
本明細書に記載の実施形態のいずれかにおいて、RおよびRのそれぞれは、OR16であり、R16は水素である。
【0120】
本明細書に記載の実施形態のいずれかにおいて、R〜Rの1つもしくは複数または全ては、OR16である。
【0121】
これらの実施形態の一部において、R〜Rのそれぞれにおいて、R16は水素である。
【0122】
これらの実施形態の一部において、R〜Rの1つもしくは複数または全てにおいて、R16は水素以外である。
【0123】
本明細書に記載の実施形態のいずれかにおいて、R〜Rの1つもしくは複数または全てがOR16である場合、およびR16部分の1つもしくは複数または全てが水素以外である場合、R16は、R〜Rのそれぞれにつき同一でもよいし、または異なっていてもよい。
【0124】
これらの実施形態の一部において、R〜Rの1つもしくは複数または全てにおいて、R16が水素以外である場合、R16は、例えば、独立に、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリールまたはヘテロアリールであってもよく、それぞれが、本明細書に記載されるように任意選択で置換されていてもよい。
【0125】
本明細書に記載の実施形態のいずれかにおいて、R〜Rの1つもしくは複数または全てにおいて、R16は、独立に、それぞれの位置でエステル(カルボン酸エステル)を形成するアシルである。
【0126】
本明細書にわたり、用語「アシル」は、−C(=O)−R’基を表しており、式中のR’は本明細書に記載される通りである。
【0127】
本明細書に記載の実施形態のいずれかにおいて、R16がアシルの場合、R’は、本明細書に記載されるように、任意選択で置換されていてもよい炭化水素鎖である。一部の実施形態において、炭化水素鎖の長さは、炭素原子数が2から18個である。一部の実施形態において、アシルは、任意選択でハロ、ニトロ、ヒドロキシ、アミン、シアノ、チオシアノ、およびアルコキシの1つまたは複数で置換されていてもよい炭素原子数が2から18個の炭化水素アシルラジカルである。
【0128】
本明細書において、用語「炭化水素」または「炭化水素ラジカル」は、その基礎骨格として、本明細書では骨格鎖とも称される炭素原子の鎖が、主として水素原子で置換されたものを包含する有機部分を表す。炭化水素は、飽和していてもよいし、または飽和していなくてもよく、脂肪族、脂環式および/または芳香族で一部が構成されていてもよく、任意選択で1つまたは複数の基(水素以外の)で置換されていてもよい。置換炭化水素は、1つまたは複数の置換基を有していてもよく、ここで各置換基は、独立に、例えば、本明細書に記載されるように、アルキル、シクロアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロ脂環式、アミン、ハロゲン化物、スルホネート、スルホキシド、ホスホネート、ヒドロキシ、アルコキシ、アリールオキシ、チオヒドロキシ、チオアルコキシ、チオアリールオキシ、シアノ、ニトロ、アゾ、アジ化物、スルホンアミド、カルボキシ、チオカルバメート、尿素、チオ尿素、カルバメート、アミド、およびヒドラジン、ならびに他の任意の置換基であり得る。
【0129】
炭化水素部分は、任意選択で、これらに限定されないが、1つまたは複数の酸素原子、窒素原子(−NR’−に関して本明細書で定義されたような置換または非置換である)および/または硫黄原子などの1つまたは複数のヘテロ原子で中断されていてもよい。
【0130】
炭化水素に関する本明細書に記載の実施形態のいずれかの実施形態において、炭化水素は、いかなるヘテロ原子によっても中断されず、またその骨格鎖中にヘテロ原子も含まず、さらに、アルキレン鎖であってもよいし、またはあらゆる順番で互いに共有結合した、アルキル、シクロアルキル、アリール、アルケンおよび/またはアルキンで構成されていてもよい。
【0131】
本明細書に記載の実施形態のいずれかにおいて、R16がアシルの場合、アシルは、カルボン酸から誘導されてもよい。したがってそれぞれの位置で形成されたエステルは、例えば、飽和もしくは不飽和のおよび/または置換もしくは非置換の脂肪族カルボン酸、これらに限定されないが、酢酸、プロピオン酸、酪酸、イソ酪酸、tert−ブチル酢酸、吉草酸、イソ吉草酸、カプロン酸、カプリル酸、デカン酸、ドデカン酸、ラウリン酸、トリデカン酸、ミリスチン酸、ペンタデカン酸、パルミチン酸、マルガリン酸、ステアリン酸、アクリル酸、クロトン酸、ウンデシレン酸、オレイン酸、ヘキシン酸、ヘプチン酸、オクチン酸など;飽和または不飽和の脂環式カルボン酸(これらに限定されないが、シクロブタンカルボン酸、シクロペンタンカルボン酸、シクロペンテンカルボン酸、メチルシクロペンテンカルボン酸、シクロヘキサンカルボン酸、ジメチルシクロヘキサンカルボン酸、ジプロピルシクロヘキサンカルボン酸など);飽和または不飽和の脂環式の脂肪族カルボン酸(これらに限定されないが、シクロペンタン酢酸、シクロペンタンプロピオン酸、シクロヘキサン酢酸、シクロヘキサン酪酸、メチルシクロヘキサン酢酸、置換または非置換の芳香族カルボン酸、安息香酸、トルイル酸、ナフトエ酸、エチル安息香酸、イソブチル安息香酸、メチルブチル安息香酸など);芳香族カルボン酸(これらに限定されないが、フェニル酢酸、安息香酸、フェニルプロピオン酸、フェニル吉草酸、ケイ皮酸、フェニルプロピオル酸、ナフチル酢酸など);ハロアルコキシ炭化水素カルボン酸;ニトロアルコキシ炭化水素カルボン酸;ヒドロキシアルコキシ炭化水素カルボン酸;アミノアルコキシ炭化水素カルボン酸;シアノアルコキシ炭化水素カルボン酸;チオシアノアルコキシ炭化水素カルボン酸;加えてモノ酢酸;ジ酢酸、トリクロロ酢酸;1,2,3,4,5,6−ヘキサクロロシクロヘキサンカルボン酸、1,2−ジブロモ−4−メチルシクロヘキサンカルボン酸、1,6−ジブロモ−3−メチルシクロヘキサンカルボン酸、1−ブロモ−3,5−ジメチルシクロヘキサンカルボン酸、2−クロロシクロヘキサンカルボン酸、4−クロロシクロヘキサンカルボン酸、2,3−ジブロモ−2−メチルシクロヘキサンカルボン酸、2,4,6−トリニトロ安息香酸、2,5−ジブロモ−2−メチルシクロヘキサンカルボン酸、2−ブロモ−4−メチルシクロヘキサンカルボン酸、2−ニトロ−1−メチル−シクロブタンカルボン酸、3,4−ジニトロ安息香酸、3,5−ジニトロ安息香酸、3−ブロモ−2,2,3−トリメチルシクロペンタンカルボン酸、3−ブロモ−2−メチルシクロヘキサンカルボン酸、3−ブロモ−3−メチルシクロヘキサンカルボン酸、4−ブロモ−2−メチルシクロヘキサンカルボン酸、5−ブロモ−2−メチルシクロヘキサンカルボン酸、4,4’−ジクロロベンジル酸、4,5−ジブロモ−2−メチルシクロヘキサンカルボン酸、5−ブロモ−2−メチルシクロヘキサンカルボン酸、6−ブロモ−2−メチルシクロヘキサンカルボン酸、5,6−ジブロモ−2−メチルシクロヘキサンカルボン酸、6−ブロモ−3−メチルシクロヘキサンカルボン酸、アニス酸、シアノ酢酸、シアノプロピオン酸、エトキシギ酸(炭酸水素エチル)、没食子酸、ホモゲンチジン酸、o−、m−、およびp−クロロ安息香酸、乳酸、メバロン酸、o−、m−、p−ニトロ安息香酸、p−ヒドロキシ安息香酸、サリチル酸、シキミ酸、チオシアノ酢酸、トリメトキシ安息香酸、トリメトキシケイ皮酸、ベラトルム酸、α−およびβ−クロロプロピオン酸、α−およびγ−ブロモ酪酸ならびにα−およびδ−ヨード吉草酸、β−レソルシル酸から誘導されたものであり得る。
【0132】
本明細書に記載の実施形態のいずれかにおいて、R〜Rの1つまたは複数は、アシルである。当該アシルは、R’が、それぞれ任意選択で1つまたは複数のアミン置換基で置換されていてもよいアルキルまたはアルカリルまたはアリールになるようなアシルである。
【0133】
一部の実施形態において、Rは、置換アルキルであり、一部の実施形態において、Rは、アシルがα−ヒドロキシアシルになるように、カルボニル基に対してα位においてヒドロキシで置換されている。
【0134】
一部の実施形態において、α−ヒドロキシアシルは、さらに1つまたは複数のアミン基で置換されており、アミノ置換α−ヒドロキシアシルである。
【0135】
本明細書に記載されるようなアシル基の実施形態の一部において、アミン置換基は、例えば、アシルに対してR部分のβ位、γ位、δ位、および/またはω位の1つまたは複数にあってもよい。
【0136】
例示的なアミノ置換α−ヒドロキシアシルとしては、本明細書ではAHBとも称される(S)−4−アミノ−2−ヒドロキシブチリル部分が挙げられるが、これらに限定されるものではない。本発明の一部の実施形態によれば、AHB部分の代わりに、α−ヒドロキシ−β−アミノプロピオニル(AHP)部分であってもよい。追加の例示的なアミノ置換α−ヒドロキシアシルとしては、L−(−)−γ−アミノ−α−ヒドロキシブチリル、L(−)−δ−アミノ−α−ヒドロキシバレリル、L−(−)−β−ベンジルオキシカルボニルアミノ−α−ヒドロキシプロピオニル、L−(−)−δ−ベンジルオキシカルボニルアミノ−α−ヒドロキシバレリルが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0137】
本明細書において特筆すべきことに、本発明の一部の実施形態によれば、カルボニル、ヒドロキシルおよびアミノ基の組合せを低級アルキルと共に含む、いずれかの立体化学を示す他の部分を、AHBおよび/またはAHPの代わりに任意選択の置換基とすることが想定される。このような部分としては、例えば、2−アミノ−3−ヒドロキシブタノイル、3−アミノ−2−ヒドロキシペンタノイル、5−アミノ−3−ヒドロキシヘキサノイルなどが挙げられる。
【0138】
本明細書に記載の実施形態のいずれかにおいて、R〜Rの1つまたは複数は、OR16以外である。本明細書に記載の実施形態のいずれかにおいて、R〜Rの1つまたは複数は、水素である。
【0139】
本明細書に記載の実施形態のいずれかにおいて、Rは水素である。
【0140】
本明細書に記載の実施形態のいずれかにおいて、Rは水素である。
【0141】
本明細書に記載の実施形態のいずれかにおいて、RおよびRはそれぞれ、水素である。
【0142】
本明細書に記載の実施形態のいずれかにおいて、R〜Rの1つまたは複数は、OR16であり、R16は、化合物が疑似三糖、疑似四糖、疑似五糖、疑似六糖などになるように、独立に、本明細書で定義されたような単糖部分またはオリゴ糖部分である。
【0143】
〜Rの1つまたは複数がOR16であり、R16が単糖部分またはオリゴ糖部分であり、且つR〜Rの1つまたは複数がOR16(但し、R16は単糖部分またはオリゴ糖部分である)ではない場合、当該OR16(但し、R16は単糖部分またはオリゴ糖部分である)ではないR〜Rの1つまたは複数は、R〜Rの対応する実施形態のいずれかに関して本明細書に記載される通りであり得る。
【0144】
用語「単糖」は、本明細書で使用する場合、当業界において周知であり、加水分解によってそれ以上分解できない単一の糖分子からなる糖の単純な形態を指す。単糖の最も一般的な例としては、グルコース(デキストロース)、フルクトース、ガラクトース、およびリボースが挙げられる。単糖は、炭水化物の炭素原子の数に従って分類することができる。すなわち、トリオースは、3個の炭素原子を有し、例えばグリセルアルデヒドおよびジヒドロキシアセトンなどであり;テトロースは、4個の炭素原子を有し、例えばエリトロース、トレオースおよびエリトルロースなどであり;ペントースは、5個の炭素原子を有し、例えばアラビノース、リキソース、リボース、キシロース、リブロースおよびキシルロースなどであり;ヘキソースは、6個の炭素原子を有し、例えばアロース、アルトロース、ガラクトース、グルコース、グロース、イドース、マンノース、タロース、フルクトース、プシコース、ソルボースおよびタガトースなどであり;ヘプトースは、7個の炭素原子を有し、例えばマンノヘプツロース、セドヘプツロースなどであり;オクトースは、8個の炭素原子を有し、例えば2−ケト−3−デオキシ−マンノ−オクトネート(octonate)などであり;ノノースは、9個の炭素原子を有し、例えばシアロースなどであり;デコース、は、10個の炭素原子を有する。単糖は、スクロースのようなオリゴ糖(一般的な糖)および他の多糖(例えばセルロースおよびデンプンなど)の構造単位である。
【0145】
用語「オリゴ糖」は、本明細書で使用する場合、グリコシル結合(−O−)を介して互いに連結された2つ以上の単糖単位を含む化合物を指し、このような単糖は本明細書において定義された通りである。オリゴ糖は、好ましくは2〜6個の単糖を含み、オリゴ糖は、より好ましくは2〜4個の単糖を含み、オリゴ糖は、最も好ましくは2つの単糖単位を有する二糖部分である。
【0146】
本明細書に記載の実施形態のいずれかにおいて、単糖は、ペントース部分であり、例えば式IIにより表されるペントース部分である。代替として、単糖部分は、ヘキソースである。さらなる代替として、単糖部分は、ペントースまたはヘキソース以外、例えば米国特許第3,897,412号に記載のヘキソース部分以外である。
【0147】
本明細書に記載の実施形態のいずれかにおいて、単糖部分は、式IIにより表されるリボースである。
【0148】
【化6】
【0149】
式中:
波線は、結合位置を意味し;
点線は、5”位の立体配置がR配置またはS配置であることを示し;
は、OR13またはNR1415であり;
10、R11およびR13は、それぞれ独立に、水素、置換または非置換のアルキル、置換または非置換のアルケニル、置換または非置換のアルキニル、置換または非置換のシクロアルキル、置換または非置換のアリール、置換または非置換のヘテロアリール、置換または非置換のアルカリル、およびアシルからなる群から選択され;
12は、水素、置換または非置換のアルキル、置換または非置換のアルケニル、置換または非置換のアルキニル、置換または非置換のシクロアルキル、置換または非置換のアリール、置換または非置換のヘテロアリール、置換または非置換のアルカリル、置換または非置換のアミン、置換または非置換のアミド、アシル、カルボキシレート、ならびに飽和もしくは不飽和のおよび/または置換もしくは非置換のヒドロキシアルキルからなる群から選択され;
14およびR15は、それぞれ独立に、、水素、置換または非置換のアルキル、置換または非置換のアルケニル、置換または非置換のアルキニル、置換または非置換のシクロアルキル、置換または非置換のアリール、置換または非置換のヘテロアリール、置換または非置換のアルカリル、アシル、および細胞透過性基からなる群から選択されるか、あるいは、R14およびR15が存在する場合、共同で複素環を形成する。
【0150】
一部の実施形態において、XはOR13である。
【0151】
一部の実施形態において、XはNR1415である。
【0152】
本明細書に記載の実施形態のいずれかにおいて、R12は水素以外である。これらの実施形態の一部において、R12は、アルキル、シクロアルキルまたはアリールであり、一部の実施形態において、R12は、アルキルであり、好ましくは低級アルキル、例えばメチルである。
【0153】
一部の実施形態において、R12は、Rに関して本明細書で定義された通りである。
【0154】
〜Rの1つまたは複数がOR16であり、R16が単糖部分またはオリゴ糖部分である実施形態のいずれかの一部において、単糖またはオリゴ糖部分/部分(複数)中のヒドロキシ基の1つまたは複数は、本明細書の対応する実施形態のいずれかに記載されるエステル(カルボン酸エステル)を形成するアシルで置換されている。
【0155】
本明細書に記載の実施形態のいずれかにおいて、R〜Rの1つはOR16であり、R16は、化合物が疑似三糖になるような単糖部分である。
【0156】
疑似三糖に関する本明細書に記載の実施形態のいずれかにおいて、R10およびR11、ならびにR13の1つもしくは複数または全ては、それらが存在する場合、本明細書に記載されるように、アシルであってもよい。
【0157】
疑似三糖に関する本明細書に記載の実施形態のいずれかにおいて、R〜Rの1つもしくは複数または全てはOR16であり、このとき、R〜Rの1つにおいてR16が単糖部分であり、その他のものにおいては、R16が本明細書で定義された通り(例えば、水素、アシル)である。
【0158】
本明細書に記載の実施形態のいずれかにおいて、RはOR16であり、R16は単糖部分である。
【0159】
これらの実施形態の一部において、本化合物は式Ibにより表される。
【0160】
【化7】
【0161】
式中、可変の基は、式IaおよびIIに関して本明細書に記載される通りであり、それらのあらゆる組合せを包含する。
【0162】
式IaおよびIbに関する本明細書に記載の実施形態のいずれかにおいて、XはOである。
【0163】
本明細書に記載の実施形態のいずれかにおいて、環I中のC4’とC5’との間の結合は単結合である。
【0164】
本明細書に記載の実施形態のいずれかにおいて、環I中のC4’とC5’との間の結合は二重結合である。これらの実施形態の一部において、RxおよびRzは存在しない。代替として、RおよびRzは存在しない。
【0165】
本明細書に記載の実施形態のいずれかにおいて、環I中のC4’とC3’との間の結合は単結合である。
【0166】
本明細書に記載の実施形態のいずれかにおいて、環I中のC4’とC3’との間の結合は二重結合である。これらの実施形態の一部において、RxおよびRyは存在しない。代替として、RおよびRyは存在しない。
【0167】
本明細書に記載の実施形態のいずれかにおいて、Rx、Rz、Ryが存在する場合、およびRy〜RyおよびRw〜Rwの1つもしくは複数または全ては、水素である。
【0168】
本明細書に記載の実施形態のいずれかにおいて、Rは水素以外である。
【0169】
本明細書に記載の実施形態のいずれかにおいて、Rはヒドロキシアルキルであり、当該アルキルは、さらに置換されていてもよいし、置換されていなくてもよい。
【0170】
本明細書に記載の実施形態のいずれかにおいて、Rはヒドロキシメチルである。
【0171】
本明細書に記載の実施形態のいずれかにおいて、Rは、それぞれ置換または非置換のアルキル、アルケニルまたはアルキニルである。
【0172】
本明細書に記載の実施形態のいずれかにおいて、Rはアルキルであり、好ましくは低級アルキル、例えばメチル、エチル、プロピル、ブチルまたはペンチルである。
【0173】
本明細書に記載の実施形態のいずれかにおいて、Rは、置換でも非置換でもよいアリールであるかまたはそれを含む。一部の実施形態において、Rは、非置換のアリールであり、フェニル、1−アントリル、1−ナフチル、2−ナフチル、2−フェナントリルまたは9−フェナントリルであってもよいが、これらに限定されるものではない。
【0174】
一部の実施形態において、Rは置換アリールであり、2−(N−エチルアミノ)フェニル、2−(N−ヘキシルアミノ)フェニル、2−(N−メチルアミノ)フェニル、2,4−ジメトキシフェニル、2−アセトアミドフェニル、2−アミノフェニル、2−カルボキシフェニル、2−クロロフェニル、2−エトキシフェニル、2−フルオロフェニル、2−ヒドロキシメチルフェニル、2−ヒドロキシフェニル、2−ヒドロキシフェニル、2−メトキシカルボニルフェニル、2−メトキシフェニル、2−メチルフェニル、2−N,N−ジメチルアミノフェニル、2−トリフルオロメチルフェニル、3−(N,N−ジブチルアミノ)フェニル、3−(N,N−ジエチルアミノ)フェニル、3,4,5−トリメトキシフェニル、3,4−ジクロロフェニル、3,4−ジメトキシフェニル、3,5−ジメトキシフェニル、3−アミノフェニル、3−ビフェニリル、3−カルボキシフェニル、3−クロロ−4−メトキシフェニル、3−クロロフェニル、3−エトキシカルボニルフェニル、3−エトキシフェニル、3−フルオロフェニル、3−ヒドロキシメチルフェニル、3−ヒドロキシフェニル、3−イソアミルオキシフェニル、3−イソブトキシフェニル、3−イソプロポキシフェニル、3−メトキシフェニル、3−メチルフェニル、3−N,N−ジメチルアミノフェニル、3−トリル、3−トリフルオロメチルフェニル、4−(ベンジルオキシ)フェニル、4−(イソプロポキシカルボニル)フェニル、4−(N,N−ジエチルアミノ)フェニル、4−(N,N−ジヘキシルアミノ)フェニル、4−(N,N−ジイソプロピルアミノ)フェニル、4−(N,N−ジメチルアミノ)フェニル、4−(N,N−ジ−n−ペンチルアミノ)フェニル、4−(n−ヘキシルオキシカルボニル)フェニル、4−(N−メチルアミノ)フェニル、4−(トリフルオロメチル)フェニル、4−アミノフェニル、4−ベンジルオキシフェニル、4−ビフェニリル、4−ブトキシフェニル、4−ブチルアミドフェニル、4−カルボキシフェニル、4−クロロフェニル、4−エトキシカルボニルフェニル、4−ヘキサンアミドフェニル、4−ヒドロキシメチルフェニル、4−ヒドロキシフェニル、4−ヨードフェニル、4−イソブチルフェニル、4−イソブチルアミドフェニル、4−イソプロポキシフェニル、4−イソプロピルフェニル、4−メトキシフェニル、4−メチルフェニル、4−n−ヘキサンアミドフェニル、4−n−ヘキシルオキシフェニル、4−n−ヘキシルフェニル、4−ニトロフェニル、4−ニトロフェニル、4−プロピオンアミドフェニル、4−トリル、4−トリフルオロメチルフェニルまたは4−バレロイルオキシカルボニルフェニルであってもよいが、これらに限定されるものではない。
【0175】
本明細書に記載の実施形態のいずれかにおいて、Rは、置換または非置換のヘテロアリールであるかまたはそれを含み、2−アントリル、2−フリル、2−インドリル、2−ナフチル、2−ピリジル、2−ピリミジル、2−ピリル、2−キノリル、2−チエニル、3−フリル、3−インドリル、3−チエニル、4−イミダゾリル、4−ピリジル、4−ピリミジル、4−キノリル、5−メチル−2−チエニルおよび6−クロロ−3−ピリジルであってもよいが、これらに限定されるものではない。
【0176】
本明細書に記載の実施形態のいずれかにおいて、Rは、本明細書で定義したように、アミンであるかまたはそれを含み、−NH、−NHCH、−N(CH、−NH−CH−CH−NH、−NH−CH−CH−OHおよび−NH−CH−CH(OCHであってもよいが、これらに限定されるものではない。
【0177】
本明細書に記載の実施形態のいずれかにおいて、Rはアルキルであり、一部の実施形態において、Rは、1から4個の炭素原子を有する低級アルキルであり、メチル、エチル、プロピル、ブチル、イソプロピル、およびイソブチルなどであるが、これらに限定されるものではない。
【0178】
本明細書に記載の実施形態のいずれかにおいて、Rは非置換のアルキルである。
【0179】
本明細書に記載の実施形態のいずれかにおいて、Rはメチルである。
【0180】
代替として、本明細書に記載の実施形態のいずれかにおいて、Rはシクロアルキルであり、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチルおよびシクロヘキシルなどであるが、これらに限定されるものではない。
【0181】
さらに代替として、本明細書に記載の実施形態のいずれかにおいて、Rはアリールであり、例えば置換または非置換のフェニルなどである。非限定的な例としては、非置換のフェニルおよびトルエンが挙げられる。
【0182】
さらに代替として、本明細書に記載の実施形態のいずれかにおいて、Rはアルカリルであり、例えば、置換または非置換のベンジルなどである。
【0183】
本明細書に記載の実施形態のいずれかにおいて、Rは、アルキル、シクロアルキルおよびアリール以外である。
【0184】
本明細書に記載の実施形態のいずれかにおいて、Rは、それぞれ非置換の、アルキル、シクロアルキルおよびアリール以外である。
【0185】
本明細書に記載の実施形態のいずれかにおいて、Rはメチル以外である。
【0186】
本明細書に記載の実施形態のいずれかにおいて、Rは水素である。
【0187】
本明細書に記載の実施形態のいずれかにおいて、Rは水素以外である。
【0188】
本明細書に記載の実施形態のいずれかにおいて、Rは、本明細書に記載されるように、この位置でエステルを形成するアシルである。
【0189】
一部の実施形態において、Rはアルキルであり、好ましくはメチル、エチルおよびプロピルからなる群から選択される。
【0190】
本明細書に記載の実施形態のいずれかにおいて、Rはアルキルであり、これらの実施形態の一部において、Rは置換アルキルであり、例えば、1つまたは複数のアミン基で置換されたアルキル(アミノアルキル)である。
【0191】
本明細書に記載の実施形態のいずれかにおいて、Rは、本明細書で定義されたような置換もしくは非置換のアルキル、または本明細書で定義されたような置換もしくは非置換のシクロアルキルである。
【0192】
本明細書に記載の実施形態のいずれかにおいて、Rは、本明細書で定義されたような置換または非置換のアリールである。
【0193】
本明細書に記載の実施形態のいずれかにおいて、Rはヒドロキシアルキルであり、Rは水素である。
【0194】
本明細書に記載の実施形態のいずれかにおいて、Rはヒドロキシアルキルであり、Rはアシルである。
【0195】
本明細書に記載の実施形態のいずれかにおいて、R〜Rの1つまたは複数およびR14およびR15の1つまたは複数は、存在する場合、独立に、本明細書に記載されるようにアルキル、または細胞透過性基であるか、あるいは本明細書に記載されるように、アシル、例えば、アルファ−ヒドロキシアシルもしくはアミノ置換アルファ−ヒドロキシアシルなどである。
【0196】
本明細書に記載の実施形態のいずれかにおいて、R〜Rの1つまたは複数およびR14およびR15の1つまたは複数は、存在する場合、スルホニル、例えば、アルキルスルホニルまたはアリールスルホニルである。
【0197】
〜Rの1つまたは複数およびR14およびR15の1つまたは複数により表される例示的な部分としては、これらが存在する場合、水素、(R/S)−4−アミノ−2−ヒドロキシブチリル(AHB)、(R/S)−3−アミノ−2−ヒドロキシプロピオニル(AHP)、5−アミノペンタノイル、5−ヒドロキシペンタノイル、ホルミル、−C(=O)−O−メチル、−C(=O)−O−エチル、−C(=O)−O−ベンジル、−β−アミノ−α−ヒドロキシプロピオニル、−δ−アミノ−α−ヒドロキシバレリル、−β−ベンジルオキシカルボニルアミノ−α−ヒドロキシプロピオニル、−δ−ベンジルオキシカルボニルアミノ−α−ヒドロキシバレリル、メチルスルホニル、フェニルスルホニル、ベンゾイル、プロピル、イソプロピル、−(CHNH、−(CHNH、−CHCH(NH)CH、−(CHNH、−(CHNH、−(CHNH−エチル、−(CHNH(CHNH、−(CHNH(CHNH、−(CHNH(CHNH(CHNH、−CH(−NH)CH(OH)、−CH(−OH)CH(NH)、−CH(−OH)−(CH(NH)、−CH(−NH)−(CH(OH)、−CH(−CHNH)−(CHOH)、−(CHNH(CHNH、−(CHNH(CHNH(CHNH、−(CHN(CHCHNH、−CH−C(=O)NH、−CH(CH)−C(=O)NH、−CH−フェニル、−CH(i−プロピル)−C(=O)NH、−CH(ベンジル)−C(=O)NH、−(CHOH、−(CHOHおよび−CH(CHOH)が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0198】
本明細書に記載の実施形態のいずれかにおいて、Rは、水素、(R/S)−4−アミノ−2−ヒドロキシブチリル(AHB)、(R/S)−3−アミノ−2−ヒドロキシプロピオニル、5−アミノペンタノイル、5−ヒドロキシペンタノイル、ホルミル、−C(=O)−O−メチル、−C(=O)−O−エチル、−C(=O)−O−ベンジル、−β−アミノ−α−ヒドロキシプロピオニル、−δ−アミノ−α−ヒドロキシバレリル、−β−ベンジルオキシカルボニルアミノ−α−ヒドロキシプロピオニル、−δ−ベンジルオキシカルボニルアミノ−α−ヒドロキシバレリル、メチルスルホニル、フェニルスルホニル、ベンゾイル、プロピル、イソプロピル、−(CHNH、−(CHNH、−CHCH(NH)CH、−(CHNH、−(CHNH、−(CHNH−エチル、−(CHNH(CHNH、−(CHNH(CHNH、−(CHNH(CHNH(CHNH、−CH(−NH)CH(OH)、−CH(−OH)CH(NH)、−CH(−OH)−(CH(NH)、−CH(−NH)−(CH(OH)、−CH(−CHNH)−(CHOH)、−(CHNH(CHNH、−(CHNH(CHNH(CHNH、−(CHN(CHCHNH、−CH−C(=O)NH、−CH(CH)−C(=O)NH、−CH−フェニル、−CH(i−プロピル)−C(=O)NH、−CH(ベンジル)−C(=O)NH、−(CHOH、−(CHOHまたは−CH(CHOH)である。
【0199】
本明細書に記載の実施形態のいずれかにおいて、Rは、水素、(R/S)−4−アミノ−2−ヒドロキシブチリル(AHB)、および(R/S)−3−アミノ−2−ヒドロキシプロピオニル(AHP)以外である。
【0200】
本明細書に記載の実施形態のいずれかにおいて、Rは水素以外であり、これらの実施形態の一部において、Rは、本明細書で定義されたようなアミノ置換アルファ−ヒドロキシアシル以外である。
【0201】
本明細書に記載の実施形態のいずれかにおいて、Rは、本明細書に記載されるように、アルキル、シクロアルキル、アリールおよび細胞透過性基以外である。
【0202】
本明細書に記載の実施形態のいずれかにおいて、RおよびRの一方または両方は、独立に、水素、(R/S)−4−アミノ−2−ヒドロキシブチリル(AHB)、(R/S)−3−アミノ−2−ヒドロキシプロピオネート(AHP)、(R/S)−3−アミノ−2−ヒドロキシプロピオニル、5−アミノペンタノイル、5−ヒドロキシペンタノイル、ホルミル、−COO−メチル、−COO−エチル、−COO−ベンジル、−β−アミノ−α−ヒドロキシプロピオニル、−δ−アミノ−α−ヒドロキシバレリル、−β−ベンジルオキシカルボニルアミノ−α−ヒドロキシプロピオニル、−δ−ベンジルオキシカルボニルアミノ−α−ヒドロキシバレリル、メチルスルホニル、フェニルスルホニル、ベンゾイル、プロピル、イソプロピル、−(CHNH、−(CHNH、−CHCH(NH)CH、−(CHNH、−(CHNH、−(CHNH−エチル、−(CHNH(CHNH、−(CHNH(CHNH、−(CHNH(CHNH(CHNH、−CH(−NH)CH(OH)、−CH(−OH)CH(NH)、−CH(−OH)−(CH(NH)、−CH(−NH)−(CH(OH)、−CH(−CHNH)−(CHOH)、−(CHNH(CHNH、−(CHNH(CHNH(CHNH、−(CHN(CHCHNH、−CH−C(=O)NH、−CH(CH)−C(=O)NH、−CH−フェニル、−CH(i−プロピル)−C(=O)NH、−CH(ベンジル)−C(=O)NH、−(CHOH、−(CHOHまたは−CH(CHOH)である。
【0203】
本明細書に記載の実施形態のいずれかにおいて、アミノ置換アルファ−ヒドロキシアシルは、(S)−4−アミノ−2−ヒドロキシブチリル(AHB)である。
【0204】
本明細書に記載の実施形態のいずれかにおいて、R〜Rのそれぞれは、水素、(R/S)−4−アミノ−2−ヒドロキシブチリル(AHB)、および(R/S)−3−アミノ−2−ヒドロキシプロピオニル(AHP)以外である。
【0205】
本明細書に記載の実施形態のいずれかにおいて、R〜Rのそれぞれは、水素以外であり、これらの実施形態の一部において、R〜Rのそれぞれは、本明細書で定義されたようなアミノ置換アルファ−ヒドロキシアシル以外である。
【0206】
本明細書に記載の実施形態のいずれかにおいて、R〜Rのそれぞれは、本明細書に記載されるように、アルキル、シクロアルキル、アリールおよび細胞透過性基以外である。
【0207】
本明細書にわたり、水素以外の置換基を有するアミンは、本明細書では「修飾されたアミン置換基」または単に「修飾されたアミン」と称される。
【0208】
本発明の一部の実施形態によれば、式IaおよびIbにより表されるアミノグリコシド構造の、1位(R)、2’位(R)、3位(R)または5”位(R14またはR15)のアミン置換基の一方または両方は、存在する場合、例えばアルキル、シクロアルキル、アルカリルおよび/もしくはアリールなどの疎水性部分、または生理学的なpHで正電荷を有し、化合物の細胞の透過性を増加させることができる基(また本明細書では同義的に「細胞透過性基」または「細胞透過基」とも称される)、例えば本明細書で定義されたようにグアニンもしくはグアニジン基など、または代替として、ヒドラジン、ヒドラジド、チオヒドラジド、尿素およびチオ尿素を含むように修飾されている。
【0209】
本明細書に記載の実施形態のいずれかにおいて、1つまたは複数のR〜RおよびR14およびR15は、存在する場合、本明細書で定義されたような細胞透過性基であり、一部の実施形態において、本明細書で定義されたようなグアニジルである。
【0210】
本明細書に記載の実施形態のいずれかにおいて、1つまたは複数のR〜RおよびR14およびR15は、存在する場合、例えばアルキル、シクロアルキル、アルカリルおよび/またはアリールなどの疎水性部分である。
【0211】
本明細書に記載の実施形態のいずれかにおいて、R〜RおよびR14およびR15はいずれも、存在する場合、疎水性部分、例えばアルキル、シクロアルキル、アルカリルおよび/またはアリールなどではない。
【0212】
本明細書に記載の実施形態のいずれかにおいて、R〜RおよびR14およびR15はいずれも、存在する場合、本明細書で定義されたような細胞透過性基ではない。
【0213】
本明細書に記載の実施形態のいずれかにおいて、R〜RおよびR14およびR15はいずれも、存在する場合、本明細書に記載されるように修飾されたアミンではない。
【0214】
本明細書に記載の実施形態のいずれかにおいて、1つまたは複数のR〜RおよびR14およびR15は、存在する場合、本明細書で定義されたようなアシルであり、これらの実施形態の一部においてアシルは、独立に、本明細書で定義されたようなアミノ置換アルファ−ヒドロキシアシルであってもよい。
【0215】
本明細書に記載の実施形態のいずれかにおいて、可変の基が非置換のアリールと定義される場合、非置換のアリールは常に、フェニル、1−アントリル、1−ナフチル、2−ナフチル、2−フェナントリルおよび/または9−フェナントリル等であってもよい。
【0216】
本明細書に記載の実施形態のいずれかにおいて、可変の基が置換または非置換のヘテロアリールと定義される場合、ヘテロアリールはいつでも、例えば、2−アントリル、2−フリル、2−インドリル、2−ナフチル、2−ピリジル、2−ピリミジル、2−ピリル、2−キノリル、2−チエニル、3−フリル、3−インドリル、3−チエニル、4−イミダゾリル、4−ピリジル、4−ピリミジル、4−キノリル、5−メチル−2−チエニルおよび/または6−クロロ−3−ピリジルであってもよい。
【0217】
本明細書に記載の実施形態のいずれかにおいて、可変の基が置換アリールと定義される場合、アリールはいつでも、例えば、2−(N−エチルアミノ)フェニル、2−(N−ヘキシルアミノ)フェニル、2−(N−メチルアミノ)フェニル、2,4−ジメトキシフェニル、2−アセトアミドフェニル、2−アミノフェニル、2−カルボキシフェニル、2−クロロフェニル、2−エトキシフェニル、2−フルオロフェニル、2−ヒドロキシメチルフェニル、2−ヒドロキシフェニル、2−ヒドロキシフェニル、2−メトキシカルボニルフェニル、2−メトキシフェニル、2−メチルフェニル、2−N,N−ジメチルアミノフェニル、2−トリフルオロメチルフェニル、3−(N,N−ジブチルアミノ)フェニル、3−(N,N−ジエチルアミノ)フェニル、3,4,5−トリメトキシフェニル、3,4−ジクロロフェニル、3,4−ジメトキシフェニル、3,5−ジメトキシフェニル、3−アミノフェニル、3−ビフェニリル、3−カルボキシフェニル、3−クロロ−4−メトキシフェニル、3−クロロフェニル、3−エトキシカルボニルフェニル、3−エトキシフェニル、3−フルオロフェニル、3−ヒドロキシメチルフェニル、3−ヒドロキシフェニル、3−イソアミルオキシフェニル、3−イソブトキシフェニル、3−イソプロポキシフェニル、3−メトキシフェニル、3−メチルフェニル、3−N,N−ジメチルアミノフェニル、3−トリル、3−トリフルオロメチルフェニル、4−(ベンジルオキシ)フェニル、4−(イソプロポキシカルボニル)フェニル、4−(N,N−ジエチルアミノ)フェニル、4−(N,N−ジヘキシルアミノ)フェニル、4−(N,N−ジイソプロピルアミノ)フェニル、4−(N,N−ジメチルアミノ)フェニル、4−(N,N−ジ−n−ペンチルアミノ)フェニル、4−(n−ヘキシルオキシカルボニル)フェニル、4−(N−メチルアミノ)フェニル、4−(トリフルオロメチル)フェニル、4−アミノフェニル、4−ベンジルオキシフェニル、4−ビフェニリル、4−ブトキシフェニル、4−ブチルアミドフェニル、4−カルボキシフェニル、4−クロロフェニル、4−エトキシカルボニルフェニル、4−ヘキサンアミドフェニル、4−ヒドロキシメチルフェニル、4−ヒドロキシフェニル、4−ヨードフェニル、4−イソブチルフェニル、4−イソブチルアミドフェニル、4−イソプロポキシフェニル、4−イソプロピルフェニル、4−メトキシフェニル、4−メチルフェニル、4−n−ヘキサンアミドフェニル、4−n−ヘキシルオキシフェニル、4−n−ヘキシルフェニル、4−ニトロフェニル、4−ニトロフェニル、4−プロピオンアミドフェニル、4−トリル、4−トリフルオロメチルフェニルおよび/または4−バレロイルオキシカルボニルフェニルであってもよい。
【0218】
本明細書に記載の実施形態のいずれかにおいて、式IaまたはIbの1位(R、環II)におけるアミン置換基は、Rが水素以外になるような、本明細書に記載されるように修飾されたアミンである。
【0219】
これらの実施形態の一部において、Rは、本明細書で定義されたようなアルキル、シクロアルキル、アルカリル、アリール、アシル、またはアミノ置換α−ヒドロキシアシル、例えば、(S)−4−アミノ−2−ヒドロキシブチリル(AHB)、もしくは(S)−4−アミノ−2−ヒドロキシプロピオニル(AHP)などであってもよい。
【0220】
がアルキルである実施形態の一部において、アルキルは、例えば、1〜4個の炭素原子を有する低級アルキルであってもよく、例えば、これらに限定されないが、本明細書に記載されるように、それぞれが任意選択で置換されていてもよいメチル、エチル、プロピル、ブチル、イソプロピル、およびイソブチルなどである。
【0221】
これらの実施形態の一部において、アルキルは、独立に、非置換のアルキルであり、例えば、これらに限定されないが、エチル、プロピルおよびイソプロピルなどである。
【0222】
これらの実施形態の一部において、アルキルは、独立に、置換メチルであり、例えば、これらに限定されないが、ベンジルなどのアルカリルなどである。
【0223】
代替として、Rはシクロアルキルであり、当該シクロアルキルは、例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチルおよびシクロヘキシルであってもよい。
【0224】
さらに代替として、Rはアリールであり、当該アリールは、例えば、置換または非置換のフェニルであってもよい。非限定的な例としては、非置換のフェニルおよびトルエンが挙げられる。
【0225】
本明細書に記載の実施形態のいずれかにおいて、Rは、本明細書に記載されるように、アルキル、シクロアルキルまたはアリールである。
【0226】
これらの実施形態の一部において、Rは、本明細書で定義されたようなアルキル、シクロアルキルまたはアリールであり、好ましくはアルキルである。
【0227】
これらの実施形態の一部において、Rは、本明細書で定義されたようなアルキル、シクロアルキルまたはアリールであり、好ましくはアルキルであり、Rは、OR16であり、R16は、水素である(Rがヒドロキシになるように)。
【0228】
本明細書に記載の実施形態のいずれかにおいて、Rはアルキルであり、一部の実施形態において、Rは1〜4個の炭素原子を有する低級アルキルである。
【0229】
一部の実施形態において、Rはアルキルであり、例えば、それぞれ任意選択で置換されていてもよい、エチル、プロピル、ブチル、イソプロピル、イソブチル、tert−ブチルなどである。
【0230】
一部の実施形態において、Rはメチルまたはエチルであり、好ましくは置換されたメチルまたはエチルである。これらの実施形態の一部において、メチルまたはエチルは、例えばシクロアルキルまたはアリールで置換されている。このような置換基はまた、当業界ではそれぞれアルキルシクロアルキルおよびアルカリルとも称される。例示的なアルカリルは、ベンジル(−CH−フェニル)である。
【0231】
一部の実施形態において、Rはプロピルまたはイソプロピルである。
【0232】
一部の実施形態において、Rはベンジルである。
【0233】
本明細書に記載の実施形態のいずれかにおいて、Rは、本明細書で定義されたような細胞透過性基であり、一部の実施形態において、Rはグアニジルである。
【0234】
本明細書に記載の実施形態のいずれかにおいて、Rは、本明細書で定義されたようなアルキル、シクロアルキルまたはアリールであり、好ましくはアルキルであり、Rは、本明細書で定義されたようなアルキルであり、好ましくは、エチル、プロピル、イソプロピルまたはベンジルである。
【0235】
本明細書に記載の実施形態のいずれかにおいて、Rは、本明細書で定義されたようなアルキル、シクロアルキルまたはアリールであり、好ましくはアルキルであり;Rは、本明細書で定義されたようなアルキルであり、好ましくは、エチル、プロピル、イソプロピルまたはベンジルであり;Rは、水素である。
【0236】
本明細書に記載の実施形態のいずれかにおいて、Rは、本明細書で定義されたようなアルキル、シクロアルキルまたはアリールであり、好ましくはアルキルであり;Rは、本明細書で定義されたような細胞透過基であり、好ましくは、グアニジンまたはグアニンであり;Rは、水素である。
【0237】
本明細書に記載の実施形態のいずれかにおいて、Rは、本明細書で定義されたようなアルキル、シクロアルキルまたはアリールであり、好ましくはアルキルであり;Rは、本明細書で定義されたような細胞透過基であり、好ましくは、グアニジンまたはグアニンであり、より好ましくはグアニジン(グアニジニル)である。
【0238】
例示的な疑似二糖化合物は、化合物NB144、NB145、NB146およびNB150である(表1を参照)。
【0239】
本明細書に記載の実施形態のいずれかにおいて、Rは、水素であるか、または例えば(S)−4−アミノ−2−ヒドロキシブチリル(AHB)、または(S)−4−アミノ−2−ヒドロキシプロピオニル(AHP)などの部分である。
【0240】
これらの実施形態の一部において、修飾されたアミンは、第3の糖部分(環III;例えば、式IaではRとして)内で化合物に導入されている。
【0241】
式Ia、およびそれらのあらゆる組合せに関する本明細書に記載される実施形態のいずれかは、式Ibに関する実施形態に包含される。
【0242】
式Ibの実施形態のいずれかの一部において、Rは、本明細書で定義されたようなアルキルである。
【0243】
式Ibの実施形態のいずれかの一部において、RおよびRは、式Iaに関する対応する実施形態のいずれかに記載される通りである。
【0244】
式Ibの実施形態のいずれかの一部において、R、RおよびRはそれぞれ、水素である。
【0245】
これらの実施形態の一部において、Rは、本明細書に記載されるように、アルキル、シクロアルキルまたはアリールであり、好ましくはアルキルである。
【0246】
一部の実施形態において、Rは、本明細書で定義されたようなアルキル、シクロアルキルまたはアリールであり、好ましくはアルキルであり;Rは、本明細書で定義されたようなアルキルであり、好ましくは、エチル、プロピル、イソプロピルまたはベンジルであり;Rは、式IIの単糖部分であり、R14およびR15は、両方とも水素である。
【0247】
例示化合物は、NB147(表1を参照)である。
【0248】
式Ibの実施形態のいずれかの一部において、Rは、本明細書で定義されたような水素、アシルまたはアミノ置換α−ヒドロキシアシルである。
【0249】
これらの実施形態の一部において、Xは、NR1415であり;R14およびR15の1つは、水素以外である。これらの実施形態の一部において、R14およびR15の1つは、例えばグアニジン基などの細胞透過性基である。代替として、R14およびR15の1つは、例えばRの実施形態のいずれかに関して定義された、アルキル、シクロアルキルまたはアリールである。
【0250】
本明細書に記載の実施形態のいずれかにおいて、Rは、本明細書で定義されたようなアルキル、シクロアルキルまたはアリールであり、好ましくはアルキルであり;Rは、本明細書で定義されたような水素またはアミノ置換α−ヒドロキシアシルであり;Rは、式IIの単糖部分であり;XはNR1415であり;R15はグアニジン基(グアニジニル;グアニジル)である。
【0251】
これらの実施形態の一部において、R14は水素である。
【0252】
例示化合物は、NB151およびNB152(表1を参照)である。
【0253】
式Ibに関する本明細書に記載の実施形態のいずれかにおいて、XはNR1415であり、R14は、特に別段の指定がない限り、水素またはメチルである。
【0254】
式Ibに関する本明細書に記載の実施形態のいずれかにおいて、XはNR1415であり、R14は水素である。
【0255】
式Ibに関する本明細書に記載の実施形態のいずれかにおいて、XはNR1415であり、R15は、本明細書で定義されたようなアシルである。
【0256】
式Ibに関する本明細書に記載の実施形態のいずれかにおいて、XはNR1415であり;R14およびR15の一方または両方は、置換もしくは非置換のアルキル、置換もしくは非置換のシクロアルキル、置換もしくは非置換のアリール、置換もしくは非置換のアルカリル、または置換もしくは非置換のヘテロアリール、またはアシルである。これらの用語は本明細書で定義された通りである。
【0257】
式Ibに関する本明細書に記載の実施形態のいずれかにおいて、XはNR1415であり;R14およびR15は共同で窒素を含有する複素環、例えば、モルホリン、ピペリジン、およびピペラジンなどを形成するものであるが、これらに限定されない。
【0258】
式Ibに関する本明細書に記載の実施形態のいずれかにおいて、XはOR13であり;R13は、R16に関して、対応する実施形態のいずれかについて本明細書で定義された通りである。これらの実施形態の一部において、R13は、本明細書の対応する実施形態のいずれかに記載される5”位でエステルを形成するアシルである。
【0259】
式IaおよびIbに関する本明細書に記載される実施形態ならびにそれらのあらゆる組合せのいずれかの一部において、6’位における立体配置は、R配置である。
【0260】
式Ib、およびそれらのあらゆる組合せに関する本明細書に記載の実施形態のいずれかにおいて、5”位における立体配置は、S配置である。
【0261】
以下の表1に、本発明の一部の実施形態に係る例示化合物を示す。
【0262】
【表1a】
【0263】
【表1b】
【0264】
追加の例示化合物としては、本明細書でNB153、NB155、NB156、NB157、NB154、NB158、およびNB159と称する化合物が挙げられ、これらの構造は、後述する実施例で示す。
【0265】
追加の例示化合物としては、本明細書で多重エステル化された化合物と称する化合物が挙げられ、このような化合物において、R〜Rの1つもしくは複数または2つ以上がOR16であり、R16、RおよびR13の1つまたは複数が存在する場合、化合物が少なくとも2つのエステルを含むように、それぞれ独立に、対応する位置でエステルを形成するアシルである。このような化合物の例示的な構造は、後述する実施例のスキーム14に示す。
【0266】
本発明の実施形態のいずれかの一部によれば、式IaまたはIbに包含される公知の化合物(本願の背景技術で引用した文献に記載のものを含む)は、本発明の範囲から排除する。
【0267】
本発明の範囲から排除される例示化合物としては、ゲンタマイシン、ジェネティシン(geneticin)、ホルチマイシン、アプラマイシン、アルベカシン、ジベカシン、ジェネティシン(G−418、G418)、ハベカシン、カナマイシン、リビドマイシン、パロモマイシン、ストレプトマイシンおよびトブラマイシンが挙げられるが、これらに限定されない。
【0268】
本発明の実施形態の範囲から排除されるさらなる例示化合物としては、式Iaにより表される化合物であって、Rが水素であり、Rが水素、AHBもしくはAHPであるか、またはWO2007/113841およびWO2012/066546で定義されたAHBおよびAHPの均等物である化合物、および式Ibにより表される化合物であって、Rが水素であり、Rが水素、AHBもしくはAHPであるか、またはWO2007/113841およびWO2012/066546で定義されたAHBおよびAHPの均等物である化合物が挙げられる。
【0269】
本発明の一部の実施形態によれば、Rが水素の場合、Rは、水素、AHBもしくはAHP、またはWO2007/113841およびWO2012/066546で定義されたAHBおよびAHPの均等物ではない、および/またはR14およびR15の一方または両方が存在する場合は、水素ではない。
【0270】
本発明の一部の実施形態によれば、アミノグリコシド構造の1位または5”位のアミン置換基の一方または両方が、本明細書で定義されたような修飾されたアミンであり、よって、Rおよび/またはR14とR15の一方または両方が水素でない。
【0271】
以下の表2に、本発明の範囲から排除される例示化合物の化学構造を示す。
【0272】
【表2a】
【0273】
【表2b】
【0274】
【表2c】
【0275】
【表2d】
【0276】
【表2e】
【0277】
本発明の一部の実施形態によれば、以下の式I’aにより表される化合物も、本発明の実施形態の範囲から排除される。
【0278】
【化8】
【0279】
式中:
点線は、6’位の立体配置がR配置またはS配置であることを示し;
R’は、アルキル、シクロアルキル、アルカリルまたはアリールであり;
R’はOR’であり、R’は、本明細書で定義されたような水素、置換または非置換のアルキル、置換または非置換のシクロアルキル、置換または非置換のアリール、置換または非置換のヘテロアリール、置換または非置換のアルカリル、およびアシルから選択され;
R’は、水素、アシル、アミノ置換アルファ−ヒドロキシアシル、置換または非置換のアルキル、置換または非置換のシクロアルキル、置換または非置換のアリール、置換または非置換のアルカリル、および細胞透過性基、例えばグアニルまたはグアニジルなどから選択され;
R’は、水素であるか、または式II’により表される単糖部分である。
【0280】
【化9】
【0281】
式中、
波線は、結合位置を意味し;
R’およびR’は、それぞれ独立に、水素、置換または非置換のアルキル、置換または非置換のシクロアルキル、置換または非置換のアリール、置換または非置換のアルカリル、置換または非置換のヘテロアリール、アシル、および細胞透過性基、例えばグアニルおよびグアニジニルなどから選択され、あるいは、R’およびR’は共同で複素環を形成し、
R’が水素である場合、R’は、水素、AHBまたはAHPではなく、ならびに/またはR’および/もしくはR’のうちの少なくとも1つは、存在する場合、水素ではない。
【0282】
本発明の一部の実施形態によれば、以下のような式I’bにより表される化合物またはその薬学的に許容される塩も、本発明の実施形態の範囲から排除される。
【0283】
【化10】
【0284】
式中:
点線は、6’位の立体配置がR配置またはS配置であることを示し;
R’は、水素、アルキル、シクロアルキルまたはアリールから選択され;
はOR’であり、R’は、水素、置換または非置換のアルキル、置換または非置換のシクロアルキル、置換または非置換のアリール、置換または非置換のヘテロアリール、置換または非置換のアルカリル、およびアシルから選択され;
R’は、水素、アシル、アミノ置換アルファ−ヒドロキシアシル、置換または非置換のアルキル、置換または非置換のシクロアルキル、置換または非置換のアリール、置換または非置換のアルカリル、および細胞透過性基から選択され;
R’およびR’は、それぞれ独立に、水素、置換または非置換のアルキル、置換または非置換のシクロアルキル、置換または非置換のアリール、置換または非置換のアルカリル、置換または非置換のヘテロアリール、アシル、および細胞透過性基から選択されるか、あるいは、R’およびR’は共同で複素環を形成し;
R’は、アルキル、シクロアルキルまたはアリールであり、
R’が水素である場合、R’は、水素、AHBまたはAHPではなく、ならびに/またはR’および/またはR’のうちの少なくとも1つは、存在する場合、水素ではない。
【0285】
本明細書に記載の実施形態のいずれかにおいて、表1に示した化合物は、本発明の範囲から排除される。
【0286】
本明細書に記載の実施形態のいずれかによれば、本明細書に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩は、式Icにより表される。
【0287】
【化11】
【0288】
式中:
点線は、6’位の立体配置がR配置またはS配置であることを示し;
はOまたはSであり;
Rx、RyおよびRzは、それぞれ独立に、水素、アルキルまたはシクロアルキルであり;
Ry〜RyおよびRw〜Rwは、それぞれ独立に、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリールおよびシクロアルキルから選択され、これらはそれぞれ置換または非置換であるか、あるいは、それぞれR〜Rに関して本明細書で定義された通りであってもよく;
は、置換または非置換のヒドロキシアルキル(例えば、−CH−OH)であり;
は、式Iaに関して本明細書に記載されるように、水素、置換または非置換のアルキル、置換または非置換のアルケニル、置換または非置換のアルキニル、置換または非置換のシクロアルキル、置換または非置換のアリール、置換または非置換のヘテロアリール、置換または非置換のアルカリルおよびアシルからなる群から選択され;
〜Rは、それぞれ独立に、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロ脂環式、アリール、ヘテロアリール、アミンおよびOR16からなる群から選択され、R16は、独立に、式Iaの対応する実施形態のいずれかに関して本明細書に記載されるように、水素、単糖部分、オリゴ糖部分、置換または非置換のアルキル、置換または非置換のアルケニル、置換または非置換のアルキニル、置換または非置換のシクロアルキル、置換または非置換のアリール、置換または非置換のヘテロアリール、置換または非置換のアルカリルおよびアシルから選択され;
〜Rは、それぞれ独立に、式Iaの対応する実施形態のいずれかに関して本明細書に記載されるように、水素、アシル、アミノ置換アルファ−ヒドロキシアシル、置換または非置換のアルキル、置換または非置換のアルケニル、置換または非置換のアルキニル、置換または非置換のシクロアルキル、置換または非置換のアリール、置換または非置換のアルカリル、カルボキシレート、スルホニル(アルキルスルホニルおよびアリールスルホニルなど)および細胞透過性基からなる群から選択される。
【0289】
これらの実施形態の一部において、1つまたは複数のR〜Rは、式IaおよびIbの対応する実施形態のいずれかに関して本明細書に記載されるように、単糖またはオリゴ糖である。
【0290】
式Icの実施形態のいずれかの一部において:
はOであり;
Rx、RyおよびRzは、それぞれ水素であり;
Ry〜RyおよびRw〜Rwは、それぞれ水素であり;
は、式IaまたはIbに関して本明細書に記載されるように、水素、置換または非置換のアルキル、置換または非置換のアルケニル、置換または非置換のアルキニル、置換または非置換のシクロアルキル、置換または非置換のアリール、置換または非置換のヘテロアリール、置換または非置換のアルカリルおよびアシルからなる群から選択され;
〜Rは、それぞれ独立に、OR16であり、R16は、独立に、式Iaの対応する実施形態のいずれかに関して本明細書に記載されるように、水素、単糖部分、オリゴ糖部分、置換または非置換のアルキル、置換または非置換のアルケニル、置換または非置換のアルキニル、置換または非置換のシクロアルキル、置換または非置換のアリール、置換または非置換のヘテロアリール、置換または非置換のアルカリルおよびアシルから選択され;
〜Rは、それぞれ独立に、式IaまたはIbの対応する実施形態のいずれかに関して本明細書に記載されるように、水素、アシル、アミノ置換アルファ−ヒドロキシアシル、置換または非置換のアルキル、置換または非置換のアルケニル、置換または非置換のアルキニル、置換または非置換のシクロアルキル、置換または非置換のアリール、置換または非置換のアルカリル、カルボキシレート、スルホニル(アルキルスルホニルおよびアリールスルホニルなど)および細胞透過性基からなる群から選択される。
【0291】
式Icの実施形態のいずれかの一部において:
はOであり;
Rx、RyおよびRzは、それぞれ水素であり;
Ry〜RyおよびRw〜Rwは、それぞれ水素であり;
は水素であり;
〜Rは、それぞれ独立に、OR16であり、R16は、水素であり;
〜Rは、それぞれ独立に、式IaまたはIbの対応する実施形態のいずれかに関して本明細書に記載されるように、水素、アシル、アミノ置換アルファ−ヒドロキシアシル、置換または非置換のアルキル、置換または非置換のアルケニル、置換または非置換のアルキニル、置換または非置換のシクロアルキル、置換または非置換のアリール、置換または非置換のアルカリル、および細胞透過性基からなる群から選択される。
【0292】
式Icの実施形態のいずれかの一部において:
はOであり;
Rx、RyおよびRzは、それぞれ水素であり;
Ry〜RyおよびRw〜Rwは、それぞれ水素であり;
は水素であり;
、RおよびRは、それぞれ独立に、OR16であり、R16は水素であり;
は、本明細書に記載されるように、式IIにより表される単糖であり、Xは、式IaまたはIbの対応する実施形態のいずれかに関して本明細書に記載されるように、好ましくはNR1415であり;
〜Rは、それぞれ独立に、式IaまたはIbの対応する実施形態のいずれかに関して本明細書に記載されるように、水素、アシル、アミノ置換アルファ−ヒドロキシアシル、置換または非置換のアルキル、置換または非置換のアルケニル、置換または非置換のアルキニル、置換または非置換のシクロアルキル、置換または非置換のアリール、置換または非置換のアルカリル、および細胞透過性基からなる群から選択される。
【0293】
式Icにより表される化合物は、本明細書では「ジオールを含有する」化合物とも称される。
【0294】
式Icに包含される例示化合物としては、NB153、NB155、NB156およびNB157が挙げられ、これらの構造は、後述する実施例で示す。
【0295】
本明細書に記載の実施形態のいずれかによれば、本明細書に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩は、式Idにより表される。
【0296】
【化12】
【0297】
式中:
点線は、6’位の立体配置がR配置またはS配置であることを示し;
は、OまたはSであり;
Rx、Ry〜Ry9およびRw〜Rwは、それぞれ独立に、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリールおよびシクロアルキルから選択され、これらはそれぞれ置換または非置換であるか、あるいは、それぞれR〜Rに関して本明細書で定義された通りであってもよく;
は、式IaまたはIbの対応する実施形態のいずれかで本明細書に記載されるように、水素、置換または非置換のアルキル、置換または非置換のアルケニル、置換または非置換のアルキニル、置換または非置換のシクロアルキル、置換または非置換のアリール、置換または非置換のヘテロアリール、置換または非置換のアルカリル、置換または非置換のアミン、置換または非置換のアミド、アシル、カルボキシレート、ならびに飽和もしくは不飽和のおよび/または置換もしくは非置換のヒドロキシアルキル(例えば、−CH−OH)からなる群から選択され;
は、式IaまたはIbの対応する実施形態のいずれかで本明細書に記載されるように、水素、置換または非置換のアルキル、置換または非置換のアルケニル、置換または非置換のアルキニル、置換または非置換のシクロアルキル、置換または非置換のアリール、置換または非置換のヘテロアリール、置換または非置換のアルカリルおよびアシルからなる群から選択され;
〜Rは、それぞれ独立に、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロ脂環式、アリール、ヘテロアリール、アミンおよびOR16からなる群から選択され、R16は、独立に、式IaまたはIbの対応する実施形態のいずれかで本明細書に記載されるように、水素、単糖部分、オリゴ糖部分、置換または非置換のアルキル、置換または非置換のアルケニル、置換または非置換のアルキニル、置換または非置換のシクロアルキル、置換または非置換のアリール、置換または非置換のヘテロアリール、置換または非置換のアルカリルおよびアシルから選択され;
〜Rは、式IaまたはIbの対応する実施形態のいずれかで本明細書に記載されるように、それぞれ独立に、本明細書で定義されたような水素、アシル、アミノ置換アルファ−ヒドロキシアシル、置換または非置換のアルキル、置換または非置換のアルケニル、置換または非置換のアルキニル、置換または非置換のシクロアルキル、置換または非置換のアリール、置換または非置換のアルカリル、カルボキシレート、スルホニル(アルキルスルホニルおよびアリールスルホニルなど)および細胞透過性基からなる群から選択される。
【0298】
これらの実施形態の一部において、1つまたは複数のR〜Rは、式IaおよびIbの対応する実施形態のいずれかに関して本明細書に記載されるように、単糖またはオリゴ糖である。
【0299】
式Idの実施形態のいずれかの一部において:
はOであり;
Rx、Ry〜Ry9およびRw〜Rwは、それぞれ水素であり;
は、式IaまたはIbの対応する実施形態のいずれかで本明細書に記載されるように、水素、置換または非置換のアルキル、置換または非置換のアルケニル、置換または非置換のアルキニル、置換または非置換のシクロアルキル、置換または非置換のアリール、置換または非置換のヘテロアリール、置換または非置換のアルカリル、置換または非置換のアミン、置換または非置換のアミド、アシル、カルボキシレート、ならびに飽和もしくは不飽和のおよび/または置換もしくは非置換のヒドロキシアルキル(例えば、−CH−OH)からなる群から選択され;
は、式IaまたはIbに関して本明細書に記載されるように、水素、置換または非置換のアルキル、置換または非置換のアルケニル、置換または非置換のアルキニル、置換または非置換のシクロアルキル、置換または非置換のアリール、置換または非置換のヘテロアリール、置換または非置換のアルカリルおよびアシルからなる群から選択され;
〜Rは、それぞれ独立に、OR16であり、R16は、独立に、式Iaの対応する実施形態のいずれかに関して本明細書に記載されるように、水素、単糖部分、オリゴ糖部分、置換または非置換のアルキル、置換または非置換のアルケニル、置換または非置換のアルキニル、置換または非置換のシクロアルキル、置換または非置換のアリール、置換または非置換のヘテロアリール、置換または非置換のアルカリルおよびアシルから選択され;
〜Rは、それぞれ独立に、式IaまたはIbの対応する実施形態のいずれかに関して本明細書に記載されるように、水素、アシル、アミノ置換アルファ−ヒドロキシアシル、置換または非置換のアルキル、置換または非置換のアルケニル、置換または非置換のアルキニル、置換または非置換のシクロアルキル、置換または非置換のアリール、置換または非置換のアルカリル、カルボキシレート、スルホニル(アルキルスルホニルおよびアリールスルホニルなど)および細胞透過性基からなる群から選択される。
【0300】
式Idの実施形態のいずれかの一部において:
はOであり;
Rx、Ry〜Ry9およびRw〜Rwは、それぞれ水素であり;
は、本明細書に記載されるように、水素、アルキル、シクロアルキルまたはアリールであり、好ましくは、本明細書に記載されるように、水素または低級アルキルであり;
は水素であり;
〜Rは、それぞれ独立に、OR16であり、R16は、水素であり;
〜Rは、それぞれ独立に、式IaまたはIbの対応する実施形態のいずれかに関して本明細書に記載されるように、水素、アシル、アミノ置換アルファ−ヒドロキシアシル、置換または非置換のアルキル、置換または非置換のアルケニル、置換または非置換のアルキニル、置換または非置換のシクロアルキル、置換または非置換のアリール、置換または非置換のアルカリル、および細胞透過性基からなる群から選択される。
【0301】
式Idの実施形態のいずれかの一部において:
はOであり;
Rx、Ry〜Ry9およびRw〜Rwは、それぞれ水素であり;
は、本明細書に記載されるように、水素、アルキル、シクロアルキルまたはアリールであり、好ましくは、本明細書に記載されるように、水素または低級アルキルであり;
は水素であり;
およびRは、それぞれ独立に、OR16であり、R16は、水素であり;
は、本明細書に記載されるように、式IIにより表される単糖であり、Xは、式IaまたはIbの対応する実施形態のいずれかに関して本明細書に記載されるように、好ましくはNR1415であり;
〜Rは、それぞれ独立に、式IaまたはIbの対応する実施形態のいずれかに関して本明細書に記載されるように、水素、アシル、アミノ置換アルファ−ヒドロキシアシル、置換または非置換のアルキル、置換または非置換のアルケニル、置換または非置換のアルキニル、置換または非置換のシクロアルキル、置換または非置換のアリール、置換または非置換のアルカリル、および細胞透過性基からなる群から選択される。
【0302】
式Idにより表される化合物は、本明細書では「不飽和のグルコサミン(環I)を含有する」化合物とも称される。式Idに包含される例示化合物としては、NB154、NB158およびNB159が挙げられ、これらの構造は、後述する実施例で示す。
【0303】
本明細書に記載の実施形態のいずれかによれば、本明細書に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩は、式Ieにより表される。
【0304】
【化13】
【0305】
式中:
点線は、6’位の立体配置がR配置またはS配置であることを示し;
は、OまたはSであり;
Rx、RyおよびRzは、それぞれ独立に、水素、アルキルまたはシクロアルキルであり;
Ry〜RyおよびRw〜Rwは、それぞれ独立に、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリールおよびシクロアルキルから選択され、これらはそれぞれ置換または非置換であるか、あるいは、それぞれR〜Rに関して本明細書で定義された通りであってもよく;
は、式IaまたはIbの対応する実施形態のいずれかで本明細書に記載されるように、水素、置換または非置換のアルキル、置換または非置換のアルケニル、置換または非置換のアルキニル、置換または非置換のシクロアルキル、置換または非置換のアリール、置換または非置換のヘテロアリール、置換または非置換のアルカリル、置換または非置換のアミン、置換または非置換のアミド、アシル、カルボキシレート、ならびに飽和もしくは不飽和のおよび/または置換もしくは非置換のヒドロキシアルキル(例えば、−CH−OH)からなる群から選択され;
は、式Iaに関して本明細書に記載されるように、水素、置換または非置換のアルキル、置換または非置換のアルケニル、置換または非置換のアルキニル、置換または非置換のシクロアルキル、置換または非置換のアリール、置換または非置換のヘテロアリール、置換または非置換のアルカリルおよびアシルからなる群から選択され;
〜Rは、それぞれ独立に、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロ脂環式、アリール、ヘテロアリール、アミンおよびOR16からなる群から選択され、R16は、独立に、式Iaの対応する実施形態のいずれかに関して本明細書に記載されるように、水素、単糖部分、オリゴ糖部分、置換または非置換のアルキル、置換または非置換のアルケニル、置換または非置換のアルキニル、置換または非置換のシクロアルキル、置換または非置換のアリール、置換または非置換のヘテロアリール、置換または非置換のアルカリルおよびアシルから選択され、R〜Rのうちの少なくとも1つは、OR16であり;
〜Rは、それぞれ独立に、式IaまたはIbの対応する実施形態のいずれかに関して本明細書に記載されるように、水素、アシル、アミノ置換アルファ−ヒドロキシアシル、置換または非置換のアルキル、置換または非置換のアルケニル、置換または非置換のアルキニル、置換または非置換のシクロアルキル、置換または非置換のアリール、置換または非置換のアルカリル、カルボキシレート、スルホニル(アルキルスルホニルおよびアリールスルホニルなど)および細胞透過性基からなる群から選択され、
OR16であるR〜Rの1つまたは複数におけるRおよびOR16のうちの少なくとも2つは、アシルである。
【0306】
これらの実施形態の一部において、1つまたは複数のR〜Rは、式IaおよびIbの対応する実施形態のいずれかに関して本明細書に記載されるように、単糖またはオリゴ糖である。
【0307】
式Ieの実施形態のいずれかの一部において:
はOであり;
Rx、RyおよびRzは、それぞれ水素であり;
Ry〜RyおよびRw〜Rwは、それぞれ水素であり;
は、式IaまたはIbの対応する実施形態のいずれかで本明細書に記載されるように、水素、置換または非置換のアルキル、置換または非置換のアルケニル、置換または非置換のアルキニル、置換または非置換のシクロアルキル、置換または非置換のアリール、置換または非置換のヘテロアリール、置換または非置換のアルカリル、置換または非置換のアミン、置換または非置換のアミド、アシル、カルボキシレート、ならびに飽和もしくは不飽和のおよび/または置換もしくは非置換のヒドロキシアルキル(例えば、−CH−OH)からなる群から選択され;
はアシルであり;
〜Rは、それぞれ独立に、OR16であり、R16は、独立に、式Iaの対応する実施形態のいずれかに関して本明細書に記載されるように、水素、単糖部分、オリゴ糖部分、置換または非置換のアルキル、置換または非置換のアルケニル、置換または非置換のアルキニル、置換または非置換のシクロアルキル、置換または非置換のアリール、置換または非置換のヘテロアリール、置換または非置換のアルカリルおよびアシルから選択され、R〜Rのうちの少なくとも1つはOR16であり、R16はアシルであり;
〜Rは、それぞれ独立に、式IaまたはIbの対応する実施形態のいずれかに関して本明細書に記載されるように、水素、アシル、アミノ置換アルファ−ヒドロキシアシル、置換または非置換のアルキル、置換または非置換のアルケニル、置換または非置換のアルキニル、置換または非置換のシクロアルキル、置換または非置換のアリール、置換または非置換のアルカリル、カルボキシレート、スルホニル(アルキルスルホニルおよびアリールスルホニルなど)および細胞透過性基からなる群から選択される。
【0308】
式Ieの実施形態のいずれかの一部において:
はOであり;
Rx、RyおよびRzは、それぞれ水素であり;
Ry〜RyおよびRw〜Rwは、それぞれ水素であり;
は、水素、アルキル、シクロアルキルまたはアリールであり、好ましくは、本明細書に記載されるように、水素または低級アルキルであり;
はアシルであり;
、RおよびRは、それぞれ独立に、OR16であり、R16は、アシルであり;
はOR16であり、R16は水素またはアシルであり;
〜Rは、それぞれ独立に、式IaまたはIbの対応する実施形態のいずれかに関して本明細書に記載されるように、水素、アシル、アミノ置換アルファ−ヒドロキシアシル、置換または非置換のアルキル、置換または非置換のアルケニル、置換または非置換のアルキニル、置換または非置換のシクロアルキル、置換または非置換のアリール、置換または非置換のアルカリル、および細胞透過性基からなる群から選択される。
【0309】
式Ieの実施形態のいずれかの一部において:
はOであり;
Rx、RyおよびRzは、それぞれ水素であり;
Ry〜RyおよびRw〜Rwは、それぞれ水素であり;
は、水素、アルキル、シクロアルキルまたはアリールであり、好ましくは本明細書に記載されるように、水素または低級アルキルであり;
はアシルであり;
およびRは、それぞれ独立に、OR16であり、R16は、アシルであり;
は、OR16であり、R16は、水素またはアシルであり;
は、本明細書に記載されるように、式IIにより表される単糖であり、Xは、式IaまたはIbの対応する実施形態のいずれかに関して本明細書に記載されるように、好ましくはNR1415であり;
〜Rは、それぞれ独立に、式IaまたはIbの対応する実施形態のいずれかに関して本明細書に記載されるように、水素、アシル、アミノ置換アルファ−ヒドロキシアシル、置換または非置換のアルキル、置換または非置換のアルケニル、置換または非置換のアルキニル、置換または非置換のシクロアルキル、置換または非置換のアリール、置換または非置換のアルカリル、および細胞透過性基からなる群から選択される。
【0310】
式Ieにより表される化合物は、本明細書では「多重エステル化した」化合物とも称される。
【0311】
式Ieに包含される例示化合物としては、後述する実施例のスキーム14に示した化合物が挙げられる。
【0312】
本明細書に記載される実施形態のいずれかおよびそれらのあらゆる組合せに関して、本化合物は、塩、例えば薬学的に許容される塩の形態であってもよい。
【0313】
成句「薬学的に許容される塩」は、本明細書で使用する場合、親化合物の電荷を有する化学種およびその対イオンを指し、これは、典型的には、投与される化合物の生物活性および特性を妨げずに、親化合物の溶解特性を修飾したり、および/または親化合物による生物へのあらゆる有意な刺激を低減したりするのに使用される。本明細書に記載の化合物の薬学的に許容される塩は、本化合物の合成中に、例えば、反応混合物から本化合物を単離したり、または本化合物を再結晶化したりする過程で代替的に形成することができる。
【0314】
本発明の実施形態の一部の状況において、本明細書に記載の化合物の薬学的に許容される塩は、任意選択で酸付加塩であってもよく、当該酸付加塩は、正電荷を有する形態(例えば、塩基性基がプロトン化されている形態)の本化合物の少なくとも1つの塩基性基(例えば、アミンおよび/またはグアニジン)と、薬学的に許容される塩を形成する、選択した塩基から誘導された少なくとも1つの対イオンとの組合せを含む。
【0315】
それゆえに本明細書に記載の化合物の酸付加塩は、本化合物の1つまたは複数の塩基性基と、それと当量の1つまたは複数の酸とで形成された複合体であり得る。
【0316】
本化合物中の電荷を有する基と、塩における対イオンとの化学量論的な割合に応じて、酸付加塩は、モノ付加塩(mono−addition salt)またはポリ付加塩(poly−addition salt)のいずれかであり得る。
【0317】
成句「モノ付加塩」は、本明細書で使用する場合、対イオンと、電荷を有する形態の本化合物との化学量論的な比率が1:1である塩であって、1モル当量の本化合物当たり1モル当量の対イオンを包含する塩を指す。
【0318】
成句「ポリ付加塩」は、本明細書で使用する場合、対イオンと、電荷を有する形態の本化合物との化学量論的な比率が1:1より大きく、例えば2:1、3:1、4:1などである塩であって、1モル当量の本化合物当たり2モル当量以上の対イオンを包含する塩を指す。
【0319】
薬学的に許容される塩の例としては、アンモニウムカチオンまたはグアニジニウムカチオンおよびそれらの酸付加塩が考えられるが、これらに限定されるものではない。
【0320】
酸付加塩としては、様々な有機酸および無機酸、例えば、塩化水素酸の酸付加塩をもたらす塩酸、臭化水素酸の酸付加塩をもたらす臭化水素酸、酢酸の酸付加塩をもたらす酢酸、アスコルビン酸の酸付加塩をもたらすアスコルビン酸、ベシル酸の付加塩をもたらすベンゼンスルホン酸、カンファースルホン酸の付加塩をもたらすカンファースルホン酸、クエン酸の酸付加塩をもたらすクエン酸、マレイン酸の酸付加塩をもたらすマレイン酸、リンゴ酸の酸付加塩をもたらすリンゴ酸、メタンスルホン酸(メシル酸)の付加塩をもたらすメタンスルホン酸、ナフタレンスルホン酸の付加塩をもたらすナフタレンスルホン酸、シュウ酸の酸付加塩をもたらすシュウ酸、リン酸の酸付加塩をもたらすリン酸、p−トルエンスルホン酸の付加塩をもたらすトルエンスルホン酸、コハク酸の酸付加塩をもたらすコハク酸、硫酸の酸付加塩をもたらす硫酸、酒石酸の酸付加塩をもたらす酒石酸、およびトリフルオロ酢酸の付加塩をもたらすトリフルオロ酢酸などを挙げることができるが、これらに限定されるものではない。これらの酸付加塩のそれぞれは、モノ付加塩またはポリ付加塩のいずれであってもよく、これらの用語は本明細書で定義された通りである。
【0321】
本発明の実施形態はさらに、本明細書に記載の化合物の、あらゆるエナンチオマー、ジアステレオマー、プロドラッグ、溶媒和物、水和物および/または薬学的に許容される塩を包含する。
【0322】
用語「エナンチオマー」は、本明細書で使用する場合、化合物の立体異性体であって、互いの完全な反転/鏡映(鏡像)によってのみその対応構造と重ね合わせることができるものを指す。エナンチオマーは、互いに右手と左手のようであると述べられることから、「対掌性」を有すると言われている。エナンチオマーは、それ自体が対掌性を有する環境(例えばあらゆる生物系)に存在する場合を除いて、同じ化学的および物理的特性を有する。本発明の実施形態において、化合物は1つまたは複数のキラル中心を有してもよく、それぞれがR配置またはS配置であり、あらゆる組合せをでもよい。本発明の一部の実施形態に係る化合物は、R配置またはS配置を示す、あらゆるキラル中心を有し得る。
【0323】
用語「ジアステレオマー」は、本明細書で使用する場合、互いにエナンチオマーではない立体異性体を指す。ある化合物の2つ以上の立体異性体が、等価な(関連する)立体中心の全てではないが1つまたは複数で異なる配置を有し、互いに鏡像ではない場合に、ジアステレオマー特性(diastereomerism)を発揮する。2つのジアステレオ異性体が1つの立体中心のみで互いに異なる場合、それらは、エピマーである。各立体中心(キラル中心)は、2つの異なる配置、したがって2つの異なる立体異性体をもたらす。本発明の文脈において、本発明の実施形態は、立体配置のあらゆる組合せ、すなわち、あらゆるジアステレオマーで生じる、複数のキラル中心を有する化合物を包含する。
【0324】
本明細書に記載の実施形態のいずれかによれば、6’位および5”位(が存在する場合)のそれぞれの立体配置は、独立に、R配置またはS配置である。
【0325】
本明細書に記載の実施形態のいずれかによれば、6’位の立体配置はR配置である。
【0326】
本明細書に記載の実施形態のいずれかによれば、5”位が存在する場合、その立体配置はS配置である。
【0327】
本明細書に記載の実施形態のいずれかによれば、6’位の立体配置はR配置であり、5”位が存在する場合、その立体配置はR配置またはS配置である。
【0328】
本明細書に記載の実施形態のいずれかによれば、6’位の立体配置はR配置であり、5”位が存在する場合、その立体配置はS配置である。
【0329】
用語「プロドラッグ」は、インビボで活性な化合物(活性な親薬物)に変換される薬剤を指す。プロドラッグは、典型的には、親薬物の投与を容易にするのに有用である。これらは、例えば、経口投与により生物的に利用可能であり得るが、親薬物はそうではない。またプロドラッグは、医薬組成物中の親薬物と比較して、改善された溶解性も有し得る。またプロドラッグは、インビボで活性な化合物の持続放出を達成するのに使用されることも多い。プロドラッグの例は、1つまたは複数のカルボン酸部分を有する本発明の化合物であって、エステル(「プロドラッグ」)として投与されるものであるが、これに限定されない。このようなプロドラッグは、インビボで加水分解されることにより、遊離の化合物(親薬物)を生じる。選択されたエステルは、プロドラッグの溶解特性と加水分解速度の両方に影響を与える可能性がある。
【0330】
用語「溶媒和物」は、溶質(本発明の化合物)と溶媒によって形成される、可変の化学量論(例えば、ジ、トリ、テトラ、ペンタ、ヘキサなど)を有する複合体であって、溶媒が溶質の生物活性を妨害しないものを指す。好適な溶媒としては、例えば、エタノール、酢酸などが挙げられる。
【0331】
用語「水和物」は、溶媒が水である、上記溶媒和物を指す。
【0332】
用語「ヒドロキシル」または「ヒドロキシ」は、本明細書で使用する場合、−OH基を指す。
【0333】
用語「アミン」は、本明細書で使用する場合、−NR’R”基を表しており、式中のR’およびR”は、それぞれ独立に、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロ脂環式、アリール、ヘテロアリール、アルカリル、アルクヘテロアリール、またはアシルであり、これらの用語は本明細書で定義された通りである。代替として、R’およびR”の一方または両方は、例えば、ヒドロキシ、アルコキシ、ヒドロキシアルキル、トリハロアルキル、シクロアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロ脂環式、アミン、ハロゲン化物、スルホネート、スルホキシド、ホスホネート、ヒドロキシ、アルコキシ、アリールオキシ、チオヒドロキシ、チオアルコキシ、チオアリールオキシ、シアノ、ニトロ、アゾ、スルホンアミド、カルボニル、C−カルボキシレート、O−カルボキシレート、N−チオカルバメート、O−チオカルバメート、尿素、チオ尿素、N−カルバメート、O−カルバメート、C−アミド、N−アミド、グアニル、グアニジンおよびヒドラジンであってもよい。
【0334】
用語「アルキル」は、本明細書で使用する場合、直鎖および分岐鎖の基を包含する脂肪族炭化水素を表す。アルキルは、1から20個の炭素原子、または1〜10個の炭素原子を有していてもよく、分岐状または非分岐状であってもよい。本発明の一部の実施形態によれば、アルキルは、1〜4個の炭素原子を有する低分子量(または低級)アルキル(すなわち、メチル、エチル、プロピルおよびブチル)である。
【0335】
本明細書において数値範囲、例えば「1〜10」、が述べられる場合、それは常にその基が、ここではアルキル基が、1個の炭素原子、2個の炭素原子、3個の炭素原子等の、10個までの炭素原子を含有し得ることを意味する。一部の実施形態において、アルキルは、1〜6または1〜4個の炭素原子を有する低級アルキルである。
【0336】
アルキルは、置換でも非置換でもよい。置換されている場合、置換基は、例えば、アルキル(分岐状のアルキルを形成する)、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロ脂環式、ハロ、トリハロアルキル、ヒドロキシ、アルコキシおよびヒドロキシアルキルの1つまたは複数であってもよく、これらの用語は以下で定義する通りである。アリールで置換されたアルキルは、本明細書では「アルカリル」とも称され、その例は、ベンジルである。
【0337】
「アルキル」が記載される場合、それは常に、アルケニルまたはアルキニルで置換可能である。本明細書で使用される用語「アルキル」はまた、飽和または不飽和の炭化水素も包含し、したがってこの用語はさらに、アルケニルおよびアルキニルも包含する。
【0338】
用語「アルケニル」は、本明細書で定義されたような不飽和のアルキルを表し、これは少なくとも2個の炭素原子および少なくとも1個の炭素−炭素二重結合を有し、例えば、アリル、ビニル、3−ブテニル、2−ブテニル、2−ヘキセニルおよびi−プロペニルである。アルケニルは、上述した1つまたは複数の基で置換されていても、非置換でもよい。
【0339】
用語「アルキニル」は、本明細書で定義されたような少なくとも2個の炭素原子および少なくとも1個の炭素−炭素三重結合を有する不飽和のアルキルである。アルキニルは、上述した1つまたは複数の基で置換されていても、非置換でもよい。
【0340】
用語「シクロアルキル」は、全て炭素の単環または縮合環(すなわち、隣接する一対の炭素原子を共有する環)であり、3個以上の炭素原子を含有する分岐状または非分岐状の基であって、環の1つまたは複数は、完全に共役したπ電子系を有さず、さらに置換でも非置換でもよい。例示的なシクロアルキル基としては、例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、またはシクロドデシルが挙げられる。シクロアルキルは、置換でも非置換でもよい。置換されている場合、置換基は、例えば、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロ脂環式、ハロ、トリハロアルキル、ヒドロキシ、アルコキシおよびヒドロキシアルキルの1つまたは複数であってもよく、これらの用語は以下で定義される通りである。
【0341】
用語「アリール」は、完全に共役したπ電子系を有する、全て炭素の単環または多環式の縮合環の(すなわち、隣接する一対の炭素原子を共有する環)を表している。アリール基は、非置換でもよいし、または1つまたは複数の基で置換されていてもよい。置換されている場合、置換基は、例えば、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロ脂環式、ハロ、トリハロアルキル、ヒドロキシ、アルコキシおよびヒドロキシアルキルの1つまたは複数であってもよく、これらの用語は以下で定義される通りである。
【0342】
用語「ヘテロアリール」は、単環または縮合環(すなわち、隣接する一対の原子を共有する環)であり、環中に、例えば窒素、酸素および硫黄などの1つまたは複数の原子を有し、加えて完全に共役したπ電子系を有する基を表す。ヘテロアリール基の例としては、ピロール、フラン、チオフェン、イミダゾール、オキサゾール、チアゾール、ピラゾール、ピリジン、ピリミジン、キノリン、イソキノリンおよびプリンが挙げられる。代表的な例は、チアジアゾール、ピリジン、ピロール、オキサゾール、インドール、プリンなどであるが、これらに限定されない。ヘテロアリール基は、非置換でもよいし、または1つまたは複数の基で置換されていてもよい。置換されている場合、置換基は、例えば、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロ脂環式、ハロ、トリハロアルキル、ヒドロキシ、アルコキシおよびヒドロキシアルキルの1つまたは複数であってもよく、これらの用語は以下で定義される通りである。
【0343】
用語「ヘテロ脂環式」は、本明細書で使用する場合、環中に例えば窒素、酸素および硫黄などの1つまたは複数の原子を有する単環または縮合環を表している。このような環はまた、1つまたは複数の二重結合を有する場合もある。しかしながら、このような環は、完全に共役したπ電子系を有さない。代表的な例は、モルホリン、ピペリジン、ピペラジン、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピランなどである。ヘテロ脂環式は、置換されていてもよいし、または置換されていなくてもよい。置換されている場合、置換基は、例えば、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロ脂環式、ハロ、トリハロアルキル、ヒドロキシ、アルコキシおよびヒドロキシアルキルの1つまたは複数であってもよく、これらの用語は以下で定義される通りである。
【0344】
用語「ハロゲン化物」は、本明細書で使用する場合、ハロ原子のアニオン、すなわちF、Cl、BrおよびIを指す。
【0345】
用語「ハロ」は、置換基としてのF、Cl、BrおよびI原子を指す。
【0346】
用語「アルコキシド」は、R’−Oアニオンを指し、式中のR’は本明細書の上記で定義した通りである。
【0347】
用語「アルコキシ」は、−OR’基を指し、式中のR’は、本明細書で定義されたようなアルキルまたはシクロアルキルである。
【0348】
用語「アリールオキシ」は、−OR’基を指し、式中のR’は、本明細書で定義されたようなアリールである。
【0349】
用語「ヘテロアリールオキシ」は、−OR’基を指し、式中のR’は、本明細書で定義されたようなヘテロアリールである。
【0350】
用語「チオアルコキシ」は、−SR’基を指し、式中のR’は、本明細書で定義されたようなアルキルまたはシクロアルキルである。
【0351】
用語「チオアリールオキシ」は、−SR’基を指し、式中のR’は、本明細書で定義されたようなアリールである。
【0352】
用語「チオヘテロアリールオキシ」は、−SR’基を指し、式中のR’は、本明細書で定義されたようなヘテロアリールである。
【0353】
用語「ヒドロキシアルキル」は、本明細書で使用する場合、本明細書で定義されたような1つまたは複数のヒドロキシ基で置換されたアルキル基を指し、例えば、ヒドロキシメチル、2−ヒドロキシエチルおよび4−ヒドロキシペンチルである。
【0354】
用語「アミノアルキル」は、本明細書で使用する場合、本明細書で定義されたような1つまたは複数のアミノ基で置換されたアルキル基を指す。
【0355】
用語「アルコキシアルキル」は、本明細書で使用する場合、1つまたは複数のアルコキシ基で置換されたアルキル基を指し、例えば、メトキシメチル、2−メトキシエチル、4−エトキシブチル、n−プロポキシエチルおよびt−ブチルエチルである。
【0356】
用語「トリハロアルキル」は、−CXを指し、式中Xは、本明細書で定義されたように、ハロである。例示的なハロアルキルは、CFである。
【0357】
「グアニジノ」または「グアニジン」または「グアニジニル」または「グアニジル」基は、−RaNC(=NRd)−NRbRc基を指し、式中のRa、Rb、RcおよびRdのそれぞれは、R’およびR”に関してそれぞれ本明細書で定義された通りである。
【0358】
「グアニル」または「グアニン」基は、RaRbNC(=NRd)−基を指し、式中のRa、RbおよびRdはそれぞれ、R’およびR”に関して本明細書で定義された通りである。
【0359】
本明細書に記載の実施形態のいずれかにおいて、グアニジン基は、−NH−C(=NH)−NHである。
【0360】
本明細書に記載の実施形態のいずれかにおいて、グアニル基は、HN−C(=NH)−基である。
【0361】
本明細書に記載されるアミン(修飾されたアミンを包含する)、グアニジンおよびグアニン基はいずれも、それらの遊離塩基の形態で示されているが、生理学的なpHにおけるそれらのイオン化された形態および/またはその塩の形態、例えば、本明細書に記載の薬学的に許容される塩の形態も包含することを意味する。
【0362】
アルキル、シクロアルキル、アリール、アルカリル、ヘテロアリール、ヘテロ脂環式、アシルおよび本明細書に記載される他の任意の部分が置換されている場合、それらは常に、1つまたは複数の置換基を包含する。当該置換基は、それぞれ独立に、ヒドロキシ、アルコキシ、チオヒドロキシ、チオアルコキシ、アリールオキシ、チオアリールオキシ、アルカリル、アルケニル、アルキニル、スルホネート、スルホキシド、チオスルフェート、スルフェート、サルファイト、チオサルファイト、ホスホネート、シアノ、ニトロ、アゾ、スルホンアミド、カルボニル、チオカルボニル、C−カルボキシレート、O−カルボキシレート、N−チオカルバメート、O−チオカルバメート、オキソ、チオオキソ、オキシム、アシル、ハロゲン化アシル、アゾ、アジ化物、尿素、チオ尿素、N−カルバメート、O−カルバメート、C−アミド、N−アミド、グアニル、グアニジル、ヒドラジンおよびヒドラジドであってもよいが、これらに限定されない。これらの用語は本明細書で定義された通りである。
【0363】
用語「シアノ」は、−C≡N基を表している。
【0364】
用語「ニトロ」は、−NO基を表している。
【0365】
用語「スルフェート」は、−O−S(=O)−OR’末端基、または−O−S(=O)−O−結合基を表しており、この用語およびこれらの成句は本明細書の上記で定義した通りであり、式中のR’は本明細書の上記で定義した通りである。
【0366】
用語「チオスルフェート」は、−O−S(=S)(=O)−OR’末端基または−O−S(=S)(=O)−O−結合基を表しており、これらの成句は本明細書の上記で定義した通りであり、式中のR’は本明細書の上記で定義した通りである。
【0367】
用語「サルファイト」は、−O−S(=O)−O−R’末端基または−O−S(=O)−O−基である結合基を表しており、これらの成句は本明細書の上記で定義した通りであり、式中のR’は本明細書の上記で定義した通りである。
【0368】
用語「チオサルファイト」は、−O−S(=S)−O−R’末端基または−O−S(=S)−O−基である結合基を表しており、これらの成句は本明細書の上記で定義した通りであり、式中のR’は本明細書の上記で定義した通りである。
【0369】
用語「スルフィン酸塩」は、−S(=O)−OR’末端基または−S(=O)−O−基である結合基を表しており、これらの成句は本明細書の上記で定義した通りであり、式中のR’は本明細書の上記で定義した通りである。
【0370】
用語「スルホキシド」または「スルフィニル」は、−S(=O)R’末端基または−S(=O)−結合基を表しており、これらの成句は本明細書の上記で定義した通りであり、式中のR’は本明細書の上記で定義した通りである。
【0371】
用語「スルホネート」または「スルホニル」は、−S(=O)−R’末端基または−S(=O)−結合基を表しており、これらの成句は本明細書の上記で定義した通りであり、式中のR’は本明細書で定義した通りである。
【0372】
用語「S−スルホンアミド」は、−S(=O)−NR’R”末端基または−S(=O)−NR’−結合基を表しており、これらの成句は本明細書の上記で定義した通りであり、式中のR’およびR”は本明細書で定義された通りである。
【0373】
用語「N−スルホンアミド」は、R’S(=O)−NR”−末端基または−S(=O)−NR’−結合基を表しており、これらの成句は本明細書の上記で定義した通りであり、式中のR’およびR”は本明細書で定義した通りである。
【0374】
用語「カルボニル」または「炭酸塩」は、本明細書で使用する場合、−C(=O)−R’末端基または−C(=O)−結合基を表しており、これらの成句は本明細書の上記で定義した通りであり、式中のR’は本明細書で定義された通りである。
【0375】
用語「チオカルボニル」は、本明細書で使用する場合、−C(=S)−R’末端基または−C(=S)−結合基を表しており、これらの成句は本明細書の上記で定義した通りであり、式中のR’は本明細書で定義された通りである。
【0376】
用語「オキソ」は、本明細書で使用する場合、(=O)基を表しており、酸素原子は、示された位置において二重結合で原子(例えば、炭素原子)に連結されている。
【0377】
用語「チオオキソ」は、本明細書で使用する場合、(=S)基を表しており、硫黄原子は、示された位置において二重結合で原子(例えば、炭素原子)に連結されている。
【0378】
用語「オキシム」は、=N−OH末端基または=N−O−結合基を表しており、これらの成句は本明細書の上記で定義した通りである。
【0379】
用語「ハロゲン化アシル」は、−(C=O)R””基を表しており、式中のR””は、本明細書の上記で定義されるハロゲン化物である。
【0380】
用語「アゾ」または「ジアゾ」は、−N=NR’末端基または−N=N−結合基を表しており、これらの成句は本明細書の上記で定義した通りであり、式中のR’は本明細書の上記で定義した通りである。
【0381】
用語「アジ化物」は、−N末端基を表している。
【0382】
用語「カルボキシレート」は、本明細書で使用する場合、C−カルボキシレートおよびO−カルボキシレートを包含する。
【0383】
用語「C−カルボキシレート」は、−C(=O)−OR’末端基または−C(=O)−O−結合基を表しており、これらの成句は本明細書の上記で定義した通りであり、式中のR’は本明細書で定義した通りである。
【0384】
用語「O−カルボキシレート」は、−OC(=O)R’末端基または−OC(=O)−結合基を表しており、これらの成句は本明細書の上記で定義した通りであり、式中のR’は本明細書で定義した通りである。
【0385】
カルボキシレートは、直鎖状であってもよいし、または環状であってもよい。環状の場合、R’と炭素原子とが一緒に連結されて、C−カルボキシレートの形態で環を形成し、この基はまた、ラクトンとも称される。代替として、R’とOとが一緒に連結されて、O−カルボキシレートの形態で環を形成する。環状カルボキシレートは、例えば形成された環中の原子が別の基に連結される場合、結合基として機能することができる。
【0386】
用語「チオカルボキシレート」は、本明細書で使用する場合、C−チオカルボキシレートおよびO−チオカルボキシレートを包含する。
【0387】
用語「C−チオカルボキシレート」は、−C(=S)−OR’末端基または−C(=S)−O−結合基を表しており、これらの成句は本明細書の上記で定義した通りであり、式中のR’は本明細書で定義した通りである。
【0388】
用語「O−チオカルボキシレート」は、−OC(=S)R’末端基または−OC(=S)−結合基を表しており、これらの成句は本明細書の上記で定義した通りであり、式中のR’は本明細書で定義した通りである。
【0389】
チオカルボキシレートは、直鎖状であってもよいし、または環状であってもよい。環状の場合、R’と炭素原子とが一緒に連結されて、C−チオカルボキシレートの形態で環を形成し、この基はまた、チオラクトンとも称される。代替として、R’とOとが一緒に連結されて、O−チオカルボキシレートの形態で環を形成する。環状チオカルボキシレートは、例えば形成された環中の原子が別の基に連結される場合、結合基として機能することができる。
【0390】
用語「カルバメート」は、本明細書で使用する場合、N−カルバメートおよびO−カルバメートを包含する。
【0391】
用語「N−カルバメート」は、R”OC(=O)−NR’−末端基または−OC(=O)−NR’−結合基を表しており、これらの成句は本明細書の上記で定義した通りであり、式中のR’およびR”は本明細書で定義された通りである。
【0392】
用語「O−カルバメート」は、−OC(=O)−NR’R”末端基または−OC(=O)−NR’−結合基を表しており、これらの成句は本明細書の上記で定義した通りであり、式中のR’およびR”は本明細書で定義された通りである。
【0393】
カルバメートは、直鎖状であってもよいし、または環状であってもよい。環状の場合、R’と炭素原子とが一緒に連結されて、O−カルバメートの形態で環を形成する。代替として、R’とOとが一緒に連結されて、N−カルバメートの形態で環を形成する。環状カルバメートは、例えば形成された環中の原子が別の基に連結される場合、結合基として機能することができる。
【0394】
用語「カルバメート」は、本明細書で使用する場合、N−カルバメートおよびO−カルバメートを包含する。
【0395】
用語「チオカルバメート」は、本明細書で使用する場合、N−チオカルバメートおよびO−チオカルバメートを包含する。
【0396】
用語「O−チオカルバメート」は、−OC(=S)−NR’R”末端基または−OC(=S)−NR’−結合基を表しており、これらの成句は本明細書の上記で定義した通りであり、式中のR’およびR”は本明細書で定義された通りである。
【0397】
用語「N−チオカルバメート」は、R”OC(=S)NR’−末端基または−OC(=S)NR’−結合基を表しており、これらの成句は本明細書の上記で定義した通りであり、式中のR’およびR”は本明細書で定義された通りである。
【0398】
チオカルバメートは、カルバメートに関して本明細書に記載されるように、直鎖状であってもよいし、または環状であってもよい。
【0399】
用語「ジチオカルバメート」は、本明細書で使用する場合、S−ジチオカルバメートおよびN−ジチオカルバメートを包含する。
【0400】
用語「S−ジチオカルバメート」は、−SC(=S)−NR’R”末端基または−SC(=S)NR’−結合基を表しており、これらの成句は本明細書の上記で定義した通りであり、式中のR’およびR”は本明細書で定義された通りである。
【0401】
用語「N−ジチオカルバメート」は、R”SC(=S)NR’−末端基または−SC(=S)NR’−結合基を表しており、これらの成句は本明細書の上記で定義した通りであり、式中のR’およびR”は本明細書で定義された通りである。
【0402】
用語「尿素」は、本明細書では「ウレイド」とも称され、−NR’C(=O)−NR”R”’末端基または−NR’C(=O)−NR”−結合基を表しており、これらの成句は本明細書の上記で定義した通りであり、式中のR’およびR”は、本明細書で定義された通りであり、R”’は、R’およびR”に関して本明細書で定義された通りである。
【0403】
用語「チオ尿素」は、本明細書では「チオウレイド」とも称され、−NR’−C(=S)−NR”R”’末端基または−NR’−C(=S)−NR”−結合基を表しており、式中のR’、R”およびR”’は本明細書で定義された通りである。
【0404】
用語「アミド」は、本明細書で使用する場合、C−アミドおよびN−アミドを包含する。
【0405】
用語「C−アミド」は、−C(=O)−NR’R”末端基または−C(=O)−NR’−結合基を表しており、これらの成句は本明細書の上記で定義した通りであり、式中のR’およびR”は本明細書で定義した通りである。
【0406】
用語「N−アミド」は、R’C(=O)−NR”−末端基またはR’C(=O)−N−結合基を表しており、これらの成句は本明細書の上記で定義した通りであり、式中のR’およびR”は本明細書で定義した通りである。
【0407】
用語「ヒドラジン」は、−NR’−NR”R”’末端基または−NR’−NR”−結合基を表しており、これらの成句は本明細書の上記で定義した通りであり、式中のR’、R”、およびR”’は本明細書で定義された通りである。
【0408】
本明細書で使用する場合、用語「ヒドラジド」は、−C(=O)−NR’−NR”R”’末端基または−C(=O)−NR’−NR”−結合基を表しており、これらの成句は本明細書の上記で定義した通りであり、式中のR’、R”およびR”’は本明細書で定義した通りである。
【0409】
本明細書で使用する場合、用語「チオヒドラジド」は、−C(=S)−NR’−NR”R”’末端基または−C(=S)−NR’−NR”−結合基を表しており、これらの成句は本明細書の上記で定義した通りであり、式中のR’、R”およびR”’は本明細書で定義した通りである。
【0410】
プロセス:
さらに本発明の実施形態によれば、本明細書に記載の化合物を調製するプロセスを提供する。
【0411】
これらのプロセスは、一般的に、パロマミン誘導体を提供すること、およびそれに所望の修飾を導入することにより、本明細書に記載される疑似二糖化合物を得ることによって実行する。
【0412】
本明細書に記載される疑似三糖化合物を調製するプロセスは、一般的に、アミノグリコシドの分野において公知のように、適切なアクセプターであるアミノグリコシド分子および対応するドナー分子を創出することによって実行する。
【0413】
一般的に、本発明の一部の実施形態に係る疑似三糖化合物の合成は、好適なアクセプターおよびドナー分子と、所望の式Iaの疑似三糖が得られるように、当該ドナーおよび当該アクセプターのそれぞれの保護された誘導体を反応させ、保護基を除去することを可能にする反応条件とを使用して達成される。
【0414】
用語「アクセプター」は、本明細書において、C3’位、C4’位、C6位またはC5位、好ましくはC5位に、利用可能な(保護されていない)ヒドロキシル基を有する、パロマミン由来の骨格構造であって、当該ヒドロキシル基はグリコシル化反応中に反応性を示し、グリコシルを受容できるものを表すために使用される。
【0415】
用語「ドナー」は、本明細書において、アクセプターと反応して最終的な疑似三糖化合物を形成するグリコシルを表すために使用される。
【0416】
用語「グリコシル」は、本明細書で使用する場合、単糖のヘミアセタール官能基からヒドロキシル基を除去することにより得られる化学基を指す。
【0417】
ドナーおよびアクセプターは、本発明の一部の実施形態に係る所望の化合物を形成するように設計される。以下にこの本発明の態様の一部の実施形態を記載し、本明細書に記載の化合物の例示的なサブセットの例示的な調製プロセスを示す。本発明の一部の実施形態に係る例示化合物のより詳細な調製プロセスは、後述する実施例で示す。
【0418】
本発明の一部の実施形態に係る疑似三糖化合物の合成は、一般的に、以下の工程を包含する。(i)パロマミン足場に存在する選択された位置の1つまたは複数のヒドロキシルおよびアミンを選択的に保護し、選択された位置(例えば、C5)を未保護のままにして、本明細書で定義されるドナー(グリコシル)化合物を自由に受容できるようにすることにより、アクセプター化合物を調製し、(ii)グリコシルに存在する選択された位置の1つまたは複数のヒドロキシルおよびアミンを選択的に保護し、1つの位置を未保護のままにして、本明細書で定義されるアクセプター化合物と自由にカップリングできるようにすることにより、ドナー化合物を調製し、(iii)ドナーとアクセプターとをカップリング反応に供し、そして(iii)保護基を除去して、所望の化合物を得る。
【0419】
成句「保護された基(protected group)」は、本明細書で使用する場合、基の官能性部分をブロックし、反応条件(例えば、本明細書に記載されるカップリング反応)下で他の基と反応しないようにその基を保護するように置換または修飾された基を指す。保護された基は、置換基を除去または再度修飾することにより、再生することができる。
【0420】
「保護されたアミノ基」または「保護されたヒドロキシル基」を使用した場合、これらは、保護された基が生成されるように、保護基がそれぞれの基と結合している、またはそれぞれの基の修飾に使用されていることを意味する。
【0421】
成句「保護基(protecting group)」は、本明細書で使用する場合、化合物の特定の官能基をブロックまたは保護しながらも、他の官能基は反応させるために一般的に採用される置換基または修飾を指す。保護基は、置換基の放出または再修飾によって、所望の保護されていない基を生成するように選択される。
【0422】
例えば、「アミノ保護基」または「アミン保護基」は、アミノ基に結合した置換基、またはアミノ基の修飾であって、化合物のアミノ官能性をブロックまたは保護し、それが化学反応に参加しないようにするものである。アミノ保護基は、置換基の除去、またはアミン基を再生する修飾によって除去される。
【0423】
好適な保護されたアミノ基としては、アジ化物(アジド)、N−フタルイミド、N−アセチル、N−トリフルオロアセチル、N−t−ブトキシカルボニル(BOC)、N−ベンジルオキシカルボニル(CBz)およびN−9−フルオレニルメチルエノキシカルボニル(Fmoc)が挙げられる。
【0424】
「ヒドロキシル保護基」または「ヒドロキシル保護基」は、ヒドロキシル基に結合している置換基、またはヒドロキシル基の修飾であって、化合物のヒドロキシル官能性をブロックまたは保護し、それが化学反応に参加しないようにするものである。ヒドロキシル保護基は、置換基の除去、またはヒドロキシル基を再生する修飾によって除去される。
【0425】
好適な保護されたヒドロキシ基としては、(2つの隣接するヒドロキシル基と共に1,3−ジオキサンを形成する)イソプロピリデンケタールおよびシクロヘキサノンジメチルケタール、(2つの隣接するヒドロキシル基と共に1,3−ジオキサンを形成する)4−メトキシ−1−メチルベンゼン、O−アセチル、O−クロロアセチル、O−ベンゾイルおよびO−シリルが挙げられる。
【0426】
保護基およびその使用の一般的な説明に関しては、T. W. Greene, Protective Groups in Organic Synthesis, John Wiley & Sons, New York, 1991を参照されたい。
【0427】
一部の実施形態によれば、保護されたアミノ基としては、アジド(N−)および/またはN−フタルイミド基が挙げられ、保護されたヒドロキシル基としては、O−アセチル(AcO−)、O−ベンゾイル(BzO−)および/またはO−クロロアセチルが挙げられる。
【0428】
本明細書において特筆すべきことに、適用可能な場合に「保護された基」は、化合物上の1つの反応性官能基が保護されている部分、または(例えば2つの官能性が隣接する場合に)1つより多くの官能基が同時に保護されている部分を指す。例えば、イソプロピリデンケタールにより同時に保護することができる2つのヒドロキシル基を指す。
【0429】
一部の実施形態において、ドナー化合物は、一般式IIIによって表すことができる保護された単糖である。
【0430】
一部の実施形態において、ドナー化合物は、本明細書で定義されたように、それらの1”位にLで表される脱離基を有し、任意選択で5”位に置換基R12を有する一般式IIIによって表すことができる保護された単糖である。
【0431】
【化14】
【0432】
式中:
Lは脱離基であり;
OTは、ドナーである保護されたヒドロキシル基であり;
12は、式Ibに関して本明細書で定義された通りであり(式IIIに示されるような5”位における配置は、非限定的な例である);
Dは、式Ibに関して定義されたNR1415の保護されたまたは保護されていない形態であり、式Ib中のR14およびR15が両方とも水素である場合、Dは、ドナーである保護されたアミン基である。
【0433】
成句「脱離基」は、本明細書で使用する場合、化学反応中に有機分子から分離し易い不安定性の原子、基または化学的部分を表しており、ここで分離は、典型的には、分離の際の脱離する原子、基または部分の相対的な安定性により促進される。典型的には、強酸の共役塩基であるあらゆる基が、脱離基として作用することができる。本発明の実施形態の一部に係る好適な脱離基の代表的な例としては、トリクロロアセトイミデート、アセテート、トシレート、トリフレート、スルホネート、アジ化物、ハロゲン化物、ヒドロキシ、チオヒドロキシ、アルコキシ、シアネート、チオシアネート、ニトロおよびシアノが挙げられるが、これらに限定されない。
【0434】
本発明の一部の実施形態によれば、ドナーであるヒドロキシル保護基のそれぞれは、O−ベンゾイルであり、R15またはR17のいずれかのドナーであるアミノ保護基は、アジドであるが、他の保護基も想定される。
【0435】
14およびR15の1つが水素以外である場合、それらは保護されていてもよいし、または保護されていなくてもよいことに留意されたい。典型的には、RおよびRの1つがグアニンまたはグアニジンである場合、反応条件(例えば、アクセプターとのカップリング反応の条件)に好適な保護基を使用することができる。任意選択で、グアニンまたはグアニジンは保護されていない。R14およびR15の1つがアルキル、アリールまたはシクロアルキルである場合、典型的には、式III中のDは、NR1415の保護されていない形態である。
【0436】
ドナー化合物の構造が、本発明の一部の実施形態により得られる化合物中の環IIIの絶対構造、すなわち、5”位の立体配置ならびに式Ib中のR14、R15およびR12の種類を設定する。
【0437】
本明細書に記載の化合物の調製で使用するのに好適な例示的な受容体分子は、式IVにより表される化合物である。
【0438】
【化15】
【0439】
式中:
点線は、6’位におけるS配置またはR配置を表し;
OPは、アクセプターである保護されたヒドロキシル基であり;
APは、アクセプターである保護されたアミン基であり;
は、式IaまたはIbに関して本明細書で定義された通りであり;
Aは、アクセプターである保護されたヒドロキシル基(OP)であるか;またはORを定義するそれ以外の基の1つであってもよく、これらの基は、その化学的性質および反応条件に基づき、保護されていても、未保護でもよく;
Bは、アクセプターである保護されたアミン基であり、Rが式Iaである場合は水素であり、それ以外の場合は、Rを定義する基の保護または未保護の形態である。
【0440】
本発明の一部の実施形態によれば、アクセプターである保護されたヒドロキシル基は、O−アセチルである。
【0441】
本発明の一部の実施形態によれば、ドナーであるアミノ保護基はアジドであるが、他の保護基も想定される。
【0442】
アクセプターの様々な位置に存在する、アクセプターである保護されたヒドロキシル基およびアクセプターである保護されたアミノ基は、各位置において同一でもよいし、または異なっていてもよい。
【0443】
一部の実施形態において、例えば、RがH以外の場合、ドナーとの反応の前に、部分Bを生成することによりアクセプターを調製する。
【0444】
アクセプター化合物の構造が、本発明の一部の実施形態に係る化合物中の環Iおよび環IIの絶対構造を設定する。
【0445】
一部の実施形態において、本発明の一部の実施形態による式Iaの疑似二糖化合物の合成は、式Vのアミノ保護された化合物を使用して達成される。
【0446】
【化16】
【0447】
式中:
点線は、6’位におけるS配置またはR配置を表し;
APは、アクセプターである保護されたアミン基であり;
は、式Iaに関して本明細書で定義された通りであり;
Aは、本明細書に記載のアクセプターである保護されたヒドロキシル基(OP)であるか;またはORを定義するそれ以外の基の1つであってもよく、これらの基は、その化学的性質および反応条件に基づき、保護されていても、未保護でもよい。
【0448】
本発明の実施形態はさらに、本発明の実施形態の化合物を調製するプロセスに関連して、本明細書に記載される中間化合物のいずれかを包含する。
【0449】
治療用途:
当業界で公知のように、遺伝病を引き起こす対立遺伝子の約3分の1が、トランケートされたタンパク質の産生を引き起こす早期終結(停止)コドン(PTC)を有する。1つの可能性がある治療アプローチとして、全長タンパク質の合成を可能にするためのこのようなPTCのリードスルーの誘導および/または促進が挙げられる。PTCは、ナンセンス変異、フレームシフト欠失および挿入などの変異、またはトランケートされたリーディングフレームを有するmRNAアイソフォームを生成する異常なスプライシングのいずれかによって生じる。これらの変異は、そのドミナントネガティブ型または機能獲得型の作用故に、トランケートされた、非機能的または有害なタンパク質の産生を引き起こしうる。
【0450】
一般的に、PTCのリードスルーは、サプレッサートランスファーRNA(tRNA)によって達成でき、これは、翻訳終結効率を減少させる因子であり、例えば、翻訳終結因子を対象とする短鎖干渉RNA(siRNA)、およびナンセンス変異領域を標的とするRNAアンチセンスなどである。本発明の目的の1つは、少なくとも1つの未成熟終止コドン変異に関連する遺伝性疾患の少なくとも1つに罹患した対象において、十分なレベルの機能性タンパク質を達成することを目的とした、薬理学的な治療アプローチを提供することである。本発明の実施形態によれば、提供する治療アプローチは、疾患を引き起こすPTCの翻訳リードスルーを誘導および/または促進して、全長機能性タンパク質の合成および発現を可能にすることを目的としている。
【0451】
上記で示された通り、臨床試験まで到達した、大規模に研究されたアプローチの1つは、リボソームのデコード部位に影響を及ぼす、アミノグリコシド抗生物質などの薬物によるリードスルーに基づくものであるが、アミノグリコシドは、その高濃度の使用および/または長期使用は、重度の副作用を伴う。本明細書で示す化合物は、未成熟終止コドン変異を有する生物において、最少の副作用しかし起こさずに、当該コドン変異のリードスルーを誘導および/または促進する能力を発揮するように設計された。このような活性故に、これらの化合物は、未成熟終止コドン変異に関連する遺伝性疾患の治療のための、治療活性を示す薬剤としての使用に適している。
【0452】
後述する実施例で示すように、本発明の実施形態に包含される例示化合物は、実際に未成熟終止コドン変異抑制活性を発揮することが明らかとなった。したがって、疾患を引き起こす未成熟終止コドン変異を特徴とする遺伝子のリードスルーの誘導において有用であり、未成熟終止コドン変異に関連するそれぞれの遺伝病または遺伝子疾患の治療において、有用性を発揮する。
【0453】
本発明の一部実施形態の態様によれば、本明細書で提供する、式IaまたはIbで表される化合物には、対応する実施形態のいずれかおよびそれらのあらゆる組合せが含まれ(そして式IC、IdおよびIeにより表される化合物も含まれ)、当該化合物は、未成熟終止コドン変異のリードスルーの誘導および/または促進、ならびに/あるいは未成熟終止コドン変異を有する遺伝子の発現増加、ならびに/あるいは未成熟終止コドン変異のリードスルーの誘導および/または促進、および/または未成熟終止コドン変異を有する遺伝子の発現増加のための医薬品の製造において使用するためのものである。
【0454】
本発明の一部実施形態の態様によれば、本明細書で提供する、式IaまたはIbで表される化合物には、対応する実施形態のいずれかおよびそれらのあらゆる組合せが含まれ(そして式IC、IdおよびIeにより表される化合物も含まれ)、当該化合物は、未成熟終止コドン変異に関連する遺伝性疾患の治療用であるか、または未成熟終止コドン変異に関連する遺伝性疾患を治療するための医薬品の製造用である。
【0455】
あらゆる未成熟終止コドン変異が想定される。一部の実施形態において、変異は、UGA、UAGまたはUAAと行ったRNAコードを有する変異である。
【0456】
本明細書に記載の実施形態のいずれかによれば、タンパク質は、細胞質内の翻訳系で翻訳される。
【0457】
本明細書に記載の実施形態のいずれかによれば、本化合物は、変異を抑制する量で使用される。
【0458】
本明細書に記載の実施形態のいずれかによれば、真核生物の細胞質内の翻訳系における本化合物の翻訳阻害IC50は、リボソームの翻訳系における本化合物の翻訳阻害IC50より大きい。
【0459】
本明細書に記載の実施形態のいずれかによれば、真核生物の細胞質内の翻訳系における本化合物の翻訳阻害IC50は、原核生物の翻訳系における本化合物の翻訳阻害IC50より大きい。
【0460】
本発明の一部実施形態の態様によれば、本明細書で提供する、式IaまたはIbで表される化合物には、対応する実施形態のいずれかおよびそれらのあらゆる組合せが含まれ(そして式IC、IdおよびIeにより表される化合物も含まれ)、当該化合物は、未成熟終止コドン変異に関連する遺伝性疾患の治療用であるか、または未成熟終止コドン変異に関連する遺伝性疾患の治療のための医薬品の製造用である。
【0461】
本発明の一部実施形態の態様によれば、未成熟終止コドン変異に関連する遺伝性疾患を治療する方法を提供する。本発明のこの態様によれば、本方法は、治療を必要とする対象に、本明細書で提供する化合物を、治療有効量で投与することで実行される。当該化合物は、本明細書で提供する、式IaまたはIbで表される化合物であり、対応する実施形態のいずれかおよびそれらのあらゆる組合せを含む(そして式IC、IdおよびIeにより表される化合物も含む)。
【0462】
本明細書で使用する場合、用語「治療する」は、病態の進行を無効化する、実質的に阻害する、減速させる、または逆転させることであって、病態に伴う臨床症状または審美的症状の実質的な改善、または病態に伴う臨床症状または審美的症状の出現の実質的な防止を含む。
【0463】
成句「治療有効量」は、本明細書で使用する場合、治療される病態の症状の1つまたは複数をある程度和らげると予想される、投与されるポリマーの量を表す。
【0464】
成句「遺伝性疾患」は、本明細書で使用する場合、しばしば親から受け継がれる1つまたは複数の欠陥のある遺伝子によって引き起こされ、欠陥性の劣性遺伝子を有する2体の健康なキャリアが繁殖した場合、または欠陥性遺伝子が優性である場合に、予期せず発生しうる慢性障害を指す。遺伝性疾患は、様々な遺伝形式で起こる可能性があり、そのような形式としては、子孫に影響を及ぼすのに必要な変異遺伝子のコピー数が1のみである常染色体優性形式、および子孫に影響を及ぼすために変異遺伝子のコピー数が2でなければならない常染色体劣性形式が挙げられる。
【0465】
成句「遺伝性疾患」は、本明細書で使用する場合、遺伝性疾患、遺伝病、遺伝的病態または遺伝的症候群を包含する。
【0466】
本発明の実施形態のいずれかの一部によれば、遺伝性疾患、遺伝病、遺伝的病態または遺伝的症候群は、未成熟終止コドン変異を有する遺伝子と関連しており、このような変異は、本明細書ではトランケーション変異および/またはナンセンス変異とも称され、遺伝子の誤った翻訳を引き起こす。誤った翻訳は、機能不全の必須タンパク質を産生するか、または必須タンパク質合成の低減もしくは消失を引き起こす。本発明の一部の実施形態において、本発明の実施形態の範囲に含まれる想定される遺伝性疾患は、未成熟終止コドン変異および/またはタンパク質のトランケーション表現型に関連する遺伝性疾患と称される。
【0467】
本発明の実施形態のいずれかの一部によれば、未成熟終止コドン変異および/またはタンパク質のトランケーション表現型に関連する遺伝性疾患は、全長ではあるがそれ以外の点で欠陥がある転写産物(mRNA)において、変異のリードスルーを誘導および/または促進する、言い換えれば、ナンセンス変異(未成熟終止コドン変異および/またはトランケーション変異)の抑制を誘導および/または促進することによって治療可能である。本発明の実施形態において、遺伝性疾患は、リードスルーを誘導および/または促進する化合物によって治療可能な遺伝性疾患である。
【0468】
未成熟終止コドン変異および/またはタンパク質のトランケーション表現型に関連する遺伝性疾患を同定するための方法は、当業界において周知であり、そのようなものとしては、完全なまたは部分的なゲノム解明、遺伝学的なバイオマーカーの検出、表現型の分類および遺伝情報の分析が挙げられる。
【0469】
このような方法は、しばしば、変異体/野生型(WT)配列の対を発生し、これらの対は、公知の手法で、遺伝性疾患が未成熟終止コドン変異および/またはタンパク質のトランケーション表現型に関連するかどうかを同定するのに使用することができる。
【0470】
このような遺伝性疾患を治療するために、化合物のリードスルーを誘導/促進する活性は、当業界において周知の方法により確立することができる。
【0471】
例えば、変異した遺伝子(遺伝性疾患を引き起こす遺伝子)の配列により中断された2つのレポーター遺伝子を含むプラスミドを、完全な細胞または無細胞系のいずれかのタンパク質発現プラットフォームにトランスフェクトし、試験化合物の存在下における2つの遺伝子の発現レベルの比率を、典型的には、試験化合物の濃度系列および重複系列を用いて測定し、野生型の遺伝子発現レベルの比率および/または試験された化合物を含有しない対照試料で測定された発現レベルの比率と比較する。
【0472】
留意すべきことに、リードスルー活性の実験モデル、すなわち未成熟終止コドン変異を含有する遺伝子のヌクレオチド配列は、未成熟終止コドン変異および/またはタンパク質のトランケーション表現型に関連する遺伝性疾患を同定する過程の副産物である。さらに留意すべきことに、ゲノムデータ収集における大きな進歩によって、上記過程は、現在では、十分に当業者の能力の範囲内であり、未成熟終止コドン変異および/またはタンパク質のトランケーション表現型に関連することが示された遺伝性疾患の場合のように、薬物候補の作用機序が一旦確立されれば、本明細書に記載したリードスルー誘導性化合物のいずれか1つの効能、選択性および安全性の同定、特徴付け、および評価は、十分に当業者の能力の範囲内である。さらに、本明細書に記載したリードスルー誘導性化合物をさらに医薬開発の慣例的なプロセスで処理することも十分に当業者の能力の範囲内である。
【0473】
本明細書ではリードスルー活性と称する、未成熟終止コドン変異および/またはトランケーション変異のリードスルーを試験するための手法は、当業界において公知であり、後述する実施例に例示的な実験方法のいくつかを提供する。このような手法により、本発明の一部の実施形態に係るリードスルー誘導性化合物を特徴付けることができる。他の方法もリードスルー誘導性化合物の特徴付けに使用可能であり、このような方法も本発明の範囲内であると想定されることを理解されたい。例えば、本明細書で提供する方法はまた、比較的短期間で何千もの化合物をアッセイすることのできるハイスループットスクリーニング技術にも適合させることができる。
【0474】
当業者であれば、本明細書で提供されるリードスルー誘導性化合物を、薬物としての使用における安全性に関して特徴付けたり、薬物候補を、その細胞傷害性とその効能とのバランスの観点から評価したりするために、多くのインビトロの手法が使用可能であることを理解するであろう。また当業者であれば、本明細書で提供するリードスルー誘導性化合物を、真核生物に対する選択性と原核生物に対する選択性との観点から特徴付けるために多くのインビトロの手法が使用可能であることを理解するであろう。さらにこのような手法は、比較的短期間で何千もの化合物をアッセイすることのできるハイスループットスクリーニング技術にも適合させることができる。
【0475】
少なくとも1つの未成熟終止コドンまたは他のナンセンス変異の存在に関連がある遺伝性の疾患、病気、病態および症候群の非限定的な例としては、がん、レット症候群、嚢胞性線維症(CF)、ベッカー型筋ジストロフィー(BMD)、先天性筋ジストロフィー(CMD)、デュシェンヌ型筋ジストロフィー(DMD)、第VII因子欠乏症、家族性心房細動、ヘイリー−ヘイリー病、血友病A、血友病B、ハーラー症候群、ルイ−バール症候群(毛細血管拡張性運動失調、AT:ataxia−telangiectasia)、マッカードル病、ムコ多糖症、腎症性シスチン症、多発性嚢胞腎、I、IIおよびIII型脊髄性筋萎縮症(SMA)、テイ−サックス病、アッシャー症候群、シスチン症、重度の表皮水疱症、ドラベ症候群、X連鎖性腎性尿崩症(XNDI)およびX連鎖性網膜色素変性症が挙げられる。
【0476】
少なくとも1つの未成熟終止コドンまたは他のナンセンス変異の存在に関連がある追加の遺伝性の疾患、病気、病態および症候群は、Kim M. Keeling, K.M Bedwell, D.M.による“Suppression of nonsense mutations as a therapeutic approach to treat genetic diseases”, Wiley Interdisciplinary Reviews: RNA, 2011, 2(6), p. 837-852、Bordeira-Carrico, R. et al.による“Cancer syndromes and therapy by stop-codon readthrough”, by, Trends in Molecular Medicine, 2012, 18(11), p. 667-678、およびそこで引用されたあらゆる文献に列挙されており、これらの全てが、参照によりその全体が本願に組み込まれる。
【0477】
本明細書に記載した方法および使用のいずれかにおいて、本明細書に記載の化合物は、それ自体で利用されるか、または本明細書で定義されたように、薬学的に許容される担体をさらに含む医薬組成物の一部を形成するかのいずれでもよい。
【0478】
本発明の一部実施形態の態様によれば、活性成分としての本明細書に記載される新規の化合物のいずれかと、薬学的に許容される担体とを含む、医薬組成物を提供する。
【0479】
「医薬組成物」は、本明細書で使用する場合、本明細書で提供する化合物の製剤であって、薬学的に許容される好適な担体および賦形剤などの、他の化学的要素を共に含むものである。医薬組成物の目的は、生物への化合物の投与を容易にすることである。
【0480】
以下、用語「薬学的に許容される担体」は、生物に著しい刺激を与えず、投与される化合物の生物活性および特性を無効にしない担体または希釈剤を指す。担体の例は、これらに限定されないが、プロピレングリコール、塩類溶液、有機溶媒と水とのエマルジョンおよび混合物、加えて固体(例えば、粉末化)およびガス状の担体である。
【0481】
本明細書において、用語「賦形剤」は、化合物の投与をさらに容易にするために医薬組成物に添加される不活性物質を指す。賦形剤の例としては、これらに限定されないが、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、様々な糖および種々のデンプン、セルロース誘導体、ゼラチン、植物油およびポリエチレングリコールが挙げられる。
【0482】
製剤化および薬物投与のための技術は、参照により本明細書に組み込まれる“Remington's Pharmaceutical Sciences” Mack Publishing Co., Easton, PA, latest editionに見出すことができる。
【0483】
本発明の医薬組成物は、当業界において周知の工程、例えば、従来の混合、溶解、顆粒化、糖衣錠の形成、湿式粉砕、乳化、カプセル化、封入または凍結乾燥といった工程を用いて製造することができる。
【0484】
したがって、本発明に従って使用するための医薬組成物は、本明細書で示した化合物の薬学的に使用可能な製剤への加工を容易にする賦形剤および助剤を含む、1つまたは複数の薬学的に許容される担体を使用し、従来の方式で製剤化することができる。適当な処方は、選ばれる投与経路によって決まる。
【0485】
一部の実施形態によれば、投与は、経口的に実行される。経口投与の場合、本明細書で示した化合物は、本化合物を当業界において周知の薬学的に許容される担体と組み合わせることにより容易に製剤化することができる。このような担体は、本明細書で示した化合物を、患者による経口摂取のために、錠剤、丸剤、糖衣錠、カプセル剤、液剤、ゲル剤、シロップ剤、スラリー剤、懸濁剤等として製剤化することを可能にする。経口で使用するための薬理学的な製剤は、固体賦形剤を使用し、任意選択で得られた混合物を磨り潰し、必要に応じて好適な助剤を添加した後、顆粒の混合物を加工して、錠剤または糖衣錠のコアを得ることにより作製することができる。好適な賦形剤は、特に、増量剤、例えばラクトース、スクロース、マンニトール、またはソルビトールなどの糖;セルロース製剤、例えばトウモロコシデンプン、小麦デンプン、米デンプン、ジャガイモデンプン、ゼラチン、トラガカントゴム、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボメチルセルロースナトリウムなど;および/または生理学的に許容されるポリマー、例えばポリビニルピロリドン(PVP)などである。必要に応じて、崩壊剤、例えば、架橋ポリビニルピロリドン、寒天、またはアルギン酸もしくはそれらの塩、例えばアルギン酸ナトリウムなどを添加してもよい。
【0486】
経口的に使用することができる医薬組成物としては、ゼラチンで製造されたプッシュフィット式のカプセル、加えてゼラチンおよび可塑剤(例えばグリセロールまたはソルビトールなど)で製造されたソフト封入カプセルが挙げられる。プッシュフィット式のカプセルは、ラクトースなどの増量剤、デンプンなどの結合剤、タルクまたはステアリン酸マグネシウムなどの潤滑剤、および任意選択で安定剤と混和した活性成分を含有してもよい。ソフトカプセル中で、本明細書で示した化合物は、脂肪油、流動パラフィン、または液体ポリエチレングリコールなどの好適な液体に溶解または懸濁されていてもよい。加えて、安定剤が添加されてもよい。全ての経口投与用の処方は、選択した投与経路に好適な投与量とするすべきである。
【0487】
注射の場合、本明細書で示した化合物は、水溶液、好ましくは生理学的に適合する緩衝液を用いて処方されてもよく、このような緩衝液としては、例えばプロピレングリコール、ポリエチレングリコールなどの有機溶媒を含有するか、または含有しない、例えばハンクス溶液、リンゲル液、または生理的緩衝塩類溶液などが挙げられる。
【0488】
経粘膜投与の場合、処方に浸透剤を使用する。このような浸透剤は、一般的に当業界において公知である。
【0489】
糖衣錠のコアは、好適なコーティングと共に提供される。この目的のために、濃縮した糖溶液を使用することができ、このような糖溶液は、任意選択で、アラビアゴム、タルク、ポリビニルピロリドン、カーボポールゲル、ポリエチレングリコール、二酸化チタン、ラッカー溶液および好適な有機溶媒または溶媒混合物を含有してもよい。活性アミノグリコシド化合物の用量の様々な組合せを識別したりまたは特徴付けたりするために、錠剤または糖衣錠コーティングに染料または顔料が添加されてもよい。
【0490】
口腔粘膜投与の場合、組成物は、従来の方式で製剤化された錠剤またはロゼンジの形態をとっていてもよい。
【0491】
吸入による投与の場合、本明細書で示した化合物は、好適な噴射剤、例えばジクロロジフルオロメタン、トリクロロフルオロメタン、ジクロロ−テトラフルオロエタンまたは二酸化炭素を使用した、加圧されたパックまたはネブライザーからのエアロゾルのスプレー供給(典型的には粉末状、液状および/またはガス状の担体を包含する)の形態で都合よく送達される。加圧されたエアロゾルのケースにおいて、投薬量単位は、定量を送達するためのバルブを提供することにより決定することができる。本明細書で示した化合物と、例えば、これらに限定されないがラクトースまたはデンプンなどの好適な粉末ベースとの粉末混合物を含有する、吸入器または注入器で使用するための、例えばゼラチンのカプセルおよびカートリッジの形態に製剤化されてもよい。
【0492】
本明細書で示した化合物は、例えばボーラス注射または連続注入による非経口投与のために製剤化されてもよい。注射のための処方は、例えばアンプルまたは複数回投与用容器の中に、任意選択で追加の保存剤を含む、単位剤形で提供されてもよい。組成物は、油性または水性の媒体中の懸濁液、溶液またはエマルジョンであってもよいし、例えば懸濁化剤、安定化剤および/または分散剤などの成形剤を含有してもよい。
【0493】
非経口投与用の医薬組成物には、水溶性の形態の化合物製剤である、化合物の水溶液が含まれる。加えて、本明細書で示した化合物の懸濁液は、適切な油性懸濁注射液およびエマルジョン(例えば、油中水型、水中油型または油中油中水型エマルジョン)として調製してもよい。好適な親油性溶媒または媒体としては、ゴマ油などの脂肪油、またはオレイン酸エチル、トリグリセリドもしくはリポソームなどの合成脂肪酸エステルが挙げられる。水性懸濁注射液は、懸濁液の粘度を増加させる物質、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ソルビトールまたはデキストランなどを含有してもよい。任意選択で、懸濁液はまた、好適な安定剤、または本明細書で示した化合物の溶解性を増加させて高度に濃縮した溶液の調製を可能にする薬剤を含有してもよい。
【0494】
代替として、本明細書で示した化合物は、使用前に、好適な媒体、例えば滅菌されたパイロジェンフリーの水で溶解させることのできる、粉末形態であってもよい。
【0495】
本明細書で示した化合物はまた、カカオバターや他のグリセリドなどの従来の坐剤基剤を使用して、坐剤または保留浣腸などの直腸用の組成物に製剤化することもできる。
【0496】
本明細書に記載される医薬組成物はまた、好適なゲル相の担体または賦形剤の固体を含んでいてもよい。このような担体または賦形剤の例としては、これらに限定されないが、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、様々な糖、デンプン、セルロース誘導体、ゼラチン、および例えばポリエチレングリコールなどのポリマーが挙げられる。
【0497】
本発明における使用に好適な医薬組成物としては、活性成分が、意図する目的を達成するのに有効な量で含有されている組成物が挙げられる。より具体的には、治療有効量は、障害の症状の予防、軽減、もしくは緩和、または治療される対象の生存を延長するのに有効な、本明細書で示した化合物の量を意味する。
【0498】
治療有効量の決定は、特に本明細書で提供する詳細な開示を鑑みれば、十分に当業者の能力の範囲内である。
【0499】
本発明の実施形態の方法で使用する本明細書で示したあらゆる化合物について、その治療有効量または用量は、初期のうちは動物における活性アッセイから推測することができる。例えば、活性アッセイによって決定される変異抑制レベル(例えば、トランケーション変異の実質的なリードスルーを達成する試験化合物の濃度)を含む循環濃度範囲を達成するように、動物モデルで用量を処方することができる。このような情報は、ヒトにおける有用な用量をより正確に決定するのに使用することができる。
【0500】
本明細書で示した化合物の毒性および治療効能は、実験動物を用いた標準的な医薬的手順によって決定することができ、例えば、対象化合物のEC50(最大作用の50%が観察される化合物の濃度)およびLD50(試験された動物の50%の死亡を引き起こす致死量)を決定することによって決定することができる。これらの活性アッセイおよび動物実験から得られたデータは、ヒトで使用するための投薬量範囲を処方するために使用することができる。
【0501】
投薬量は、採用される剤形および利用される投与経路に応じて様々であり得る。正確な処方、投与経路および投薬量は、患者の状態を考慮して個々の医師により選ぶことができる。(例えば、Fingl et al., 1975, in “The Pharmacological Basis of Therapeutics”, Ch. 1 p.1を参照。)
【0502】
本明細書で示した化合物の血漿濃度が、最小有効濃度(MEC:minimal effective concentration)と呼ばれる、所望の効果を維持するのに十分な値となるように、投薬量および投薬間隔を個々に調整することができる。MECは、製剤ごとに異なるが、インビトロのデータ、例えば、トランケーション変異を有する遺伝子全体の50〜90%の発現、すなわち変異コドンのリードスルーを達成するのに必要な化合物の濃度、から推測することができる。MECを達成するのに必要な投薬量は、個体の特徴および投与経路に依存すると考えられる。血漿濃度を決定するのに、HPLCアッセイまたはバイオアッセイを使用することができる。
【0503】
MEC値を使用して、投薬間隔も決定することができる。MECより高い血漿濃度を、時間の10〜90%、好ましくは30〜90%、最も好ましくは50〜90%にわたり維持するレジメンを使用して製剤が投与することができる。
【0504】
治療しようとする慢性状態の重症度および応答性に応じて、投与は、上述した遅延放出組成物の単回定期的投与であってもよく、ここで定期的な治療の持続は、数日から数週間であるか、または定期的な治療の間に十分な緩和が成し遂げられるまでであるか、または定期的な治療のために障害状態の実質的な減退が達成されるまででもよい。
【0505】
投与する組成物の量は、当然ながら、治療される対象、苦痛の重症度、投与方式、担当医師の判断などに依存するものである。本発明の組成物は、必要に応じて、FDA(米国食品医薬品局)により承認されたキット等のパックまたはディスペンサーデバイスに入れて提供してもよく、このようなパックまたはデバイスは、活性成分を含有する1つまたは複数の単位剤形を含有してもよい。パックは、例えば、金属またはプラスチックホイルを含み、例えば、ただしこれらに限定されないが、ブリスターパックまたは加圧容器(吸入用)などでありうる。パックまたはディスペンサーデバイスは、投与のための説明書が添付されていてもよい。パックまたはディスペンサーはまた、医薬品の製造、使用または販売を規制する政府機関により規定された形態で容器に付随する通知が添付されていてもよく、この通知は、組成物の形態がヒトまたは動物への投与用として当該機関により承認されていることを反映するものである。このような通知は、例えば、処方薬に関して米国食品医薬品局により承認されたラベルの形態であってもよいし、または承認された製品の差し込み物の形態であってもよい。また、本発明の実施形態に係る化合物を含み、適合可能な医薬用担体中に製剤化された組成物を調製し、適切な容器中に入れて、上記で詳述したように、表示した病態の治療または診断用であることを標識してもよい。
【0506】
したがって、一部の実施形態において、医薬組成物は、本明細書で定義されたような遺伝性疾患の治療、および/または本明細書に記載されるいずれかの用途用であって、パッケージング材料中に梱包され、パッケージング材料の表面またはその内部に、その識別が印刷されたものである。
【0507】
一部の実施形態において、医薬組成物は、本明細書で定義されたような遺伝性疾患の治療、および/または本明細書に記載されるいずれかの用途用である。
【0508】
本明細書に記載される組成物、方法および使用のいずれかにおいて、本化合物は、遺伝性疾患の治療、および/または未成熟終止コドン変異のリードスルー活性の誘導または促進、および/または本明細書に記載される未成熟終止コドン変異を有する遺伝子の発現の増加において有用な他の薬剤と組み合わせて利用することができる。
【0509】
本明細書で示した化合物またはそれを含有する医薬組成物は、定義によれば慢性である遺伝性疾患の治療を主たる目的とするため、治療される対象の寿命中ずっと投与されることが予期される。それゆえに、本化合物を含有する医薬組成物の投与様式は、投与が簡単で快適になるような投与様式、好ましくは自己投与による投与様式、さらに、患者の良好な生活状態および人生に対する犠牲が最も少なくなるような投与様式とするべきである。
【0510】
本明細書で示した化合物またはそれを含有する医薬組成物の繰り返しのおよび定期的な投与は、例えば、毎日(すなわち1日1回)実行することができ、より好ましくは、投与を毎週(すなわち週1回)実行し、より好ましくは、投与を毎月(すなわち月1回)実行し、最も好ましくは、投与を数カ月毎に(例えば、1.5カ月、2カ月、3カ月、4カ月、5カ月、またはさらには6カ月毎に)1回実行する。
【0511】
上記で論じられたように、トランケーション変異のリードスルー薬として目下公知のアミノグリコシドを使用することに関する制約の一部は、それらは主として抗細菌性である(抗生物質製剤として使用される)という事実に関連する。いずれの抗細菌剤の長期使用も、腸の微生物フローラを変更し、それにより例えば炎症性腸疾患の突発などの他の病状を引き起こしたりまたは悪化させたりする可能性がある。さらに、一部の病的な微生物株において耐性の出現を引き起こす可能性があることから、是認されがたく、生命を脅かすことすらある。
【0512】
一部の実施形態において、本明細書で示した化合物は、実質的に抗菌活性を有さない。「抗菌活性を有さない」とは、特定の株に対するそれらの最小阻害濃度(MIC:minimal inhibition concentration)が、この株に関して抗生物質とみなされる化合物の濃度よりかなり高いことを意味する。さらに、これらの化合物のMICは、トランケーション変異抑制活性を発揮するのに必要な濃度より顕著に高い。
【0513】
本明細書で示した化合物は、実質的に非殺菌性であるため、上述の副作用を生じることはない。したがって、当該化合物の標的とはならない、保護すら必要な場合もある、良性のおよび/または有益な微生物を含有し得る吸収経路を介して投与することが可能である。本明細書で示した化合物はこのような重要な特徴故に、慢性的な病態に対する特に有効な薬物となる。なぜならばこれらの化合物は、抗細菌性に関連した、累積的な副作用を引き起こすことなく、繰り返し生涯にわたり投与することが可能であり、さらには、経口投与または直腸投与、すなわち胃腸管を介して投与可能という、慢性障害の治療を目的とした薬物にとって非常に有用で重要な特徴を有する。
【0514】
一部の実施形態によれば、本明細書で示した化合物は、原核細胞の翻訳系に比べて真核細胞の翻訳系に選択的となるように選択および/または設計される、すなわち本化合物は、それらの原核細胞における活性、例えば細菌における活性などと比較して、真核細胞、例えば哺乳類(ヒト)などにおいてより高い活性を示す。いかなる特定の理論にも縛られることはないが、本明細書で示した化合物は、リボソームが遺伝子の翻訳に関与している間に16SリボソームRNAのA部位に結合することによって作用することが公知であり、真核生物のリボソームA部位に対してより高い親和性を有するか、またはそうではない場合は、原核生物のリボソームA部位や、原核生物の相対部位と類似したミトコンドリアのリボソームA部位と比べて、真核生物のA部位に対して選択的である。
【0515】
用語「約」は、本明細書で使用する場合、±10%を指す。
【0516】
用語「含む(comprises)」、「含む(comprising)」、「含む(includes)」、「含む(including)」、「有する(having)」およびその同根語は、「限定されるものではないが、含む(including but not limited to)」を意味する。
【0517】
用語「からなる(consisting of)」は、「含み、限定される(including and limited to)」を意味する。
【0518】
用語「実質的になる(consisting essentially of)」は、組成物、方法または構造が、追加の成分、ステップ、および/または部分を含んでいてもよいが、当該追加の成分、ステップ、および/または部分が、特許請求の範囲に記載された組成物、方法、または構造の基本的および新規な特徴を物質的に変化させない場合に限られることを意味する。
【0519】
本明細書で用いられる場合、単数形「a」、「an」および「the」は、文脈が別途明確に記述しない限り、複数の参照を含む。例えば、用語「化合物(a compound)」または「少なくとも1つの化合物」は、複数の化合物、例えばそれらの混合物などを包含してもよい。本出願にわたり、本発明の様々な実施形態が、範囲の様式で示される場合がある。範囲の様式での記載は、単に便宜上および簡潔さのためであり、本発明の範囲に対する不変の限定として解釈されるべきではないことが理解されるものとする。したがって、範囲の記載は、具体的に開示された全ての可能性がある部分範囲に加えてその範囲内の個々の数値を含むとみなされるものとする。例えば1から6などの範囲の記載は、具体的に開示された部分範囲、例えば1から3、1から4、1から5、2から4、2から6、3から6など、加えてその範囲内の個々の数値、例えば1、2、3、4、5、および6を含むとみなされるものとする。これは、範囲の幅に関係なく適用される。
【0520】
数値範囲は、本明細書に示される場合はいつでも、示された範囲内の引用された全ての数字(分数または整数)を包含することを意味する。第1の指定された数値と第2の指定された数値との間の「範囲である/範囲」および第1の指定された数値「から」第2の指定された数値の「範囲である/範囲」という成句は、本明細書において同義的に使用され、第1および第2の指定された数値と、それらの間の全ての分数のおよび整数の数値とを包含することを意味する。
【0521】
用語「方法」は、本明細書で使用する場合、所与のタスクを達成するための方式、手段、技術および手順であり、例えば、これらに限定されないが、公知であるか、または化学、薬理学、生物学、生化学および医療分野の技術者に公知の方式、手段、技術および手順から容易に開発されるかのいずれかの方式、手段、技術および手順などを指す。
【0522】
本出願から成立した特許の存続期間中、本明細書で定義されるような多くの関連する遺伝病および障害が見出されることが予測されるが、この用語の範囲は、このような全ての新しい障害および疾患を先験的に包含することを意図している。
【0523】
本発明の特徴であって、明確にするために個別の実施形態のとして記載したものは、組み合わせて1つの実施形態としても提供可能であることを理解されたい。逆に、簡潔にするために1つの実施形態として記載した本発明の様々な特徴を、個別に、または任意の適切な部分組合せで、または本発明で記載した他の実施形態との適切な組み合わせとして提供することもできる。様々な実施形態に関連して記載された特徴は、その特徴なしでは実施形態が動作不能でない限り、それらの実施形態の必須要件とは見なさない。
【0524】
以下の実施例で、上記で詳述された、さらに以下の特許請求の範囲の章で特許請求された本発明の様々な実施形態および態様の実験的な裏付けを記載する。
【実施例】
【0525】
以下に実施例を記載するが、これらは上記の説明と共に本発明の一部の実施形態を非限定的な様式で例示するものである。
【0526】
実施例1
本発明の実施形態の一部に係る細胞透過基を含有する例示化合物の化学合成
一般的に、アミノグリコシド(AG)抗生物質は、生理学的なpHで電荷を有し、したがってこれらは、胃腸管を介した吸収が限定的である可能性があることから、典型的には注射で投与される。加えてAGは、真核細胞への限定的な透過性を示すため、細胞内取り込みの制約を克服するためにはより多くの投薬量でそれらを投与することが必要であり、その結果、副作用を引き起こし、翻訳療法における使用を限定的なものとする。本実施例に記載の化合物は、これらの問題を解決するために設計された。
【0527】
胃腸管吸収の問題を和らげるために、疑似二糖足場上でパロマミン由来のアミノグリコシドのN1位に、アルキル/アリール基を結合させた。例示化合物NB144、NB145、NB146およびNB147(本明細書に記載の表1を参照)を、それぞれN−1位のイソプロピル、ベンジル、プロピルおよびプロピル置換を示すように調製した。
【0528】
細胞内取り込みの制約を和らげるために、細胞透過性基を有する一連の化合物を、それらの細胞内取り込みが増加するように調製した。これらの化合物は、足場上の様々な位置に細胞透過性基、例えばグアニジン基など、を導入することにより調製した。
【0529】
以下は、上記の表1に示される本発明の一部の実施形態に係る例示化合物を調製するためのプロセスである。
【0530】
化合物NB144、NB145およびNB146の合成を、以下の一般的なスキーム2に示したように、化合物1から開始して2工程で達成した(これまでにBaasov et al., Bioorg. Med. Chem.,2010, 18, pp. 3735-3746で報告された通りに調製した)(試薬および条件:(i)RCHO、HO、1MのHCl、NaBCNHまたはRCHO、MeOH、NaBH 0℃;(ii)PMe、NaOH、THF、室温)。
【0531】
【化17】
【0532】
第一アミンの脂肪族アルデヒドによるモノアルキル化を、シアノ水素化ホウ素ナトリウムを含む水中で実行し、一方でベンズアルデヒドの場合は、メタノール/NaBHを使用した。この工程の総収量は、35〜58%のモノアルキル化/ベンジル化生成物2a〜cであった(スキーム2)。次いでシュタウディンガー反応を実行して、最終的な化合物NB144、NB145およびNB146を68〜85%の優れた収量で得た。
【0533】
NB144の合成:
【化18】
【0534】
NB144を上記のスキーム2に従って、前駆化合物1から開始して調製した。化合物1(0.5グラム、1.2mmol)を溶解し、水(15mL)中で0℃で15分間撹拌し、塩酸の1M溶液を一滴ずつ添加して、反応混合物のpHを約2〜3に調整した。約2当量のイソブチルアルデヒド(0.2mL)を反応混合物に添加し、室温で15分間撹拌した。得られた溶液を0℃に冷却し、NaBCNH(30mg、1.5当量)を添加し、進行をTLCでモニターした。反応の1時間後、出発原料が消費されて望ましい生成物になるまで類似のプロセスを繰り返した。完了後、反応混合物を蒸発させ、カラムクロマトグラフィーに供し、モノアルキル化生成物である化合物2a(0.2グラム、35%)を得た。化合物2aをTHF(5mL)およびNaOH水溶液(1mM、5.0mL)の混合物中に溶解した。混合物を室温で10分間撹拌し、その後、PMe(THF中の1M溶液、2.0mL、2.0mmol)を添加した。TLC[CHCl/MeOH/HO/MeNH(EtOH中の33%溶液)10:15:6:15]により反応の進行をモニターしたところ、1時間後に完了が判明した。生成物をシリカゲルの短いカラムでのカラムクロマトグラフィーで精製した。カラムを、以下の溶媒:THF(200mL)、CHCl(200mL)、EtOAc(100mL)、およびMeOH(200mL)で洗浄した。次いで生成物をMeNH(EtOH中の33%溶液)およびMeOH(8:2)の混合物で溶出した。生成物を含有する分画を合わせて、乾燥するまで蒸発させた。残留物を、少量の水に再溶解し、再度蒸発させて(2〜3回繰り返す)、NB144の遊離アミンの形態を得た。上記の生成物をAmberlite CG50(NH型)の短いカラムに通過させることにより、分析的に純粋な生成物を得た。カラムを最初にMeOH/HO(3:2)の混合物で洗浄し、次いで生成物をMeOH/HO/NHOH(8:1:1)の混合物で溶出して、表題の化合物NB144を得た(0.150グラム、85%)。貯蔵および生物学的試験のために、NB144をその硫酸塩の形態に変換した:遊離塩基を水中に溶解し、HSO(0.1N)でpHを約7.0に調整し、凍結乾燥した。
【0535】
HNMR(500MHz,CDOD):「環I」:δ=1.21(d,3H,J=6.0Hz,CH)、2.70(dd,1H,J=3.4,J=10.0Hz,H−2’)、3.21(t,1H,J=10.0Hz,H−4’)、3.48(t,1H,J=9.0Hz,H−3’)、3.81(dd,1H,J=3.4,J=10.0Hz,H−5’)、4.09(m,1H,H−6’)、5.16(d,1H,J=2.5Hz,H−1’);「環II」:δ=1.11(m,1H,H−2ax)、2.14(td,1H,J=4.5,J=12.5Hz,H−2eq)、2.46(m,1H,H−1)、2.71(m,1H,H−3)、3.19(m,2H,H−4およびH−6)、3.44(t,1H,J=9.1Hz,H−5)。スペクトル中の追加のピークを以下のように同定した:δ=0.96(t,3H,J=3.1Hz)、0.97(t,3H,J=3.2Hz)、1.79(m,1H)、2.32(m,1H)、2.56(m,1H)。
【0536】
13CNMR(125MHz,CDOD):δ=16.6、20.8、20.9、29.0、34.6、51.5、55.8、57.4、58.9、67.8、73.6、75.8、76.5(2C)、77.8、90.9、103.2(C−1’)。
【0537】
MALDI TOFMS:C1736([M+H])の計算値m/e:394.2;実測値m/e:394.1。
【0538】
NB145の合成:
【化19】
【0539】
NB145を上記スキーム2に従って前駆化合物1から開始して調製した。化合物1(0.5グラム、1.2mmol)およびベンズアルデヒド(0.3グラム、4mmol)を溶解し、メタノール(15mL)中で室温で15分間撹拌した。得られた溶液を0℃に冷却し、NaBH(100mg)を添加し、進行をTLCでモニターした。完了後、反応混合物を蒸発させ、カラムクロマトグラフィーに供して、モノベンジル化された化合物2bを0.3グラム、50%収量で得た。化合物2bをTHF(5mL)およびNaOH水溶液(1mM、5.0mL)の混合物中に溶解した。混合物を室温で10分間撹拌し、その後、PMe(THF中の1M溶液、2.0mL、2.0mmol)を添加した。TLC[CHCl/MeOH/HO/MeNH(EtOH中の33%溶液)10:15:6:15]により反応の進行をモニターしたところ、1時間後に完了が判明した。生成物をシリカゲルの短いカラムでのカラムクロマトグラフィーで精製した。カラムを、以下の溶媒:THF(200mL)、CHCl(200mL)、EtOAc(100mL)、およびMeOH(200mL)で洗浄した。次いで生成物をMeNH(EtOH中の33%溶液)およびMeOH(8:2)の混合物で溶出した。生成物を含有する分画を合わせて、乾燥するまで蒸発させた。残留物を、少量の水に再溶解し、再度蒸発させて(2〜3回繰り返す)、NB145の遊離アミンの形態を得た。上記の生成物をAmberlite CG50(NH型)の短いカラムに通過させることにより、分析的に純粋な生成物を得た。カラムを最初にMeOH/HO(3:2)の混合物で洗浄し、次いで生成物をMeOH/HO/NHOH(8:1:1)の混合物で溶出して、NB145を得た(0.200グラム、75%収量)。貯蔵および生物学的試験のために、NB145をその硫酸塩の形態に変換した:遊離塩基を水中に溶解させ、HSO(0.1N)でpHを約7.0に調整し、凍結乾燥した。
【0540】
HNMR(500MHz,CDOD):「環I」:δ=1.21(d,3H,J=6.0Hz,CH)、2.73(dd,1H,J=4.6,J=10.3Hz,H−2’)、3.23(t,1H,J=10.0Hz,H−4’)、3.49(t,1H,J=9.0Hz,H−3’)、3.82(dd,1H,J=3.4,J=10.0Hz,H−5’)、4.12(m,1H,H−6’)、5.18(d,1H,J=2.5Hz,H−1’);「環II」:δ=1.15(m,1H,H−2ax)、2.23(td,1H,J=4.5,J=12.5Hz,H−2eq)、2.56(m,1H,H−1)、2.70(m,1H,H−3)、3.22(t,1H,J=9.2Hz,H−6)、3.28(t,1H,J=9.0Hz,H−4)、3.43(t,1H,J=9.1Hz,H−5)。スペクトル中の追加のピークを以下のように同定した:δ=3.65(d,1H,J=12.5Hz)、3.92(d,1H,J=12.5Hz)、7.28〜7.37(m,5H,Ar)。
【0541】
13CNMR(125MHz,CDOD):δ=16.4、34.2、51.1、51.6、57.2、57.8、67.6、73.2、75.7、76.3、76.4、77.7、90.2、102.9(C−1’)、128.3(Ar)、129.4(Ar)、129.6(Ar)、140.3(Ar)。
【0542】
MALDI TOFMS C2034([M+H])の計算値m/e:428.2;実測値m/e:428.1。
【0543】
NB146の合成:
【化20】
【0544】
NB146を上記スキーム2に従って化合物1から開始して調製した。化合物1(0.5グラム、1.2mmol)を溶解し、水(15mL)中で0℃で15分間撹拌し、塩酸の1M溶液を一滴ずつ添加して、反応混合物のpHを約2〜3に調整した。約2当量のプロピルアルデヒド(0.2mL)を反応混合物に添加し、室温で15分間撹拌した。得られた溶液を0℃に冷却し、NaBCNH(30mg、1.5当量)を添加し、進行をTLCでモニターした。反応の1時間後、出発原料が消費されて望ましい生成物になるまで類似のプロセスを繰り返した。完了後、反応混合物を蒸発させ、カラムクロマトグラフィーに供して、0.325g(58%)の化合物2cを得た。
【0545】
HNMR(500MHz,CDOD):「環I」:δ=1.27(d,3H,J=6.0Hz,CH)、3.09(dd,1H,J=4.2,J=10.5Hz,H−2’)、3.39(dd,1H,J=8.7,J=10.0Hz,H−4’)、3.94(m,2H,H−3’およびH−5’)、4.04(m,1H,H−6’)、5.73(d,1H,J=3.5Hz,H−1’);「環II」:δ=1.26(m,1H,H−2ax)、2.31(td,1H,J=4.5,J=12.5Hz,H−2eq)、2.54(m,1H,H−1)、3.15(m,1H,H−3)、3.46〜3.54(m,3H,H−4,H−5およびH−6)。スペクトル中の追加のピークを以下のように同定した:δ=0.98(t,3H,J=7.2Hz)、1.56(m,2H)、2.53(m,1H)、2.72(m,1H)。
【0546】
13CNMR(125MHz,CDOD):δ=11.9、18.1、23.6、32.6(C−2)、49.7、57.9、61.7、64.7、69.4、72.3、74.3、75.2、76.7、78.6、80.7、98.6(C−1’)。
【0547】
MALDI TOFMS C1630([M+H])の計算値m/e:432.2;実測値m/e:432.2。
【0548】
化合物2c(0.325グラム、0.75mmol)をTHF(5mL)およびNaOH水溶液(1mM、5.0mL)の混合物中に溶解した。混合物を室温で10分間撹拌し、その後、PMe(THF中の1M溶液、2.0mL、2.0mmol)を添加した。TLC[CHCl/MeOH/HO/MeNH(EtOH中の33%溶液)10:15:6:15]により反応の進行をモニターしたところ、1時間後に完了が判明した。生成物をシリカゲルの短いカラムでのカラムクロマトグラフィーで精製した。カラムを、以下の溶媒:THF(200mL)、CHCl(200mL)、EtOAc(100mL)、およびMeOH(200mL)で洗浄した。次いで生成物を80%MeOH中の20%MeNH(EtOH中の33%溶液)の混合物で溶出した。生成物を含有する分画を合わせて、乾燥するまで蒸発させた。残留物を、少量の水に再溶解し、再度蒸発させて(2〜3回繰り返す)、NB146の遊離アミンの形態を得た。上記の生成物をAmberlite CG50(NH型)の短いカラムに通過させることにより、分析的に純粋な生成物を得た。カラムを最初にMeOH/HO(3:2)の混合物で洗浄し、次いで生成物をMeOH/HO/NHOH(8:1:1)の混合物で溶出して、NB146を得た(0.175グラム、68%収量)。貯蔵および生物学的試験のために、化合物をその硫酸塩の形態に変換した:遊離塩基を水中に溶解し、HSO(0.1N)でpHを約7.0に調整し、凍結乾燥した。
【0549】
HNMR(500MHz,CDOD):「環I」:δ=1.21(d,3H,J=6.0Hz,CH)、2.71(dd,1H,J=4.2,J=10.3Hz,H−2’)、3.21(t,1H,J=10.0Hz,H−4’)、3.48(t,1H,J=9.6Hz,H−3’)、3.81(dd,1H,J=3.4,J=10.0Hz,H−5’)、4.09(m,1H,H−6’)、5.16(d,1H,J=2.5Hz,H−1’);「環II」:δ=1.10(m,1H,H−2ax)、2.14(td,1H,J=4.5,J=12.5Hz,H−2eq)、2.49(m,1H,H−1)、2.69(m,1H,H−3)、3.20(m,2H,H−4およびH−6)、3.44(t,1H,J=9.1Hz,H−5)。スペクトル中の追加のピークを以下のように同定した:δ=0.97(t,3H,J=7.2Hz)、1.57(m,2H)、2.49(m,1H)、2.71(m,1H)。
【0550】
13CNMR(125MHz,CDOD):δ=11.9、16.6、23.7、34.6(C−2)、49.7、51.4、57.4、58.9、67.8、73.5、75.8、76.5、76.6、77.8、90.8、103.2(C−1’)。
【0551】
MALDI TOFMS C1634([M+H])の計算値m/e:380.2;実測値m/e:380.1。
【0552】
NB147の合成:
【化21】
【0553】
NB147を、下記のスキーム3(試薬および条件:a)5.5当量のAcO、Py、−20℃、24時間;b)BF・OEt、MS、CHCl、−30℃、3時間;c)THF、0.5MのNaOH、60℃、24時間;d)PMe3、NaOH、THF、室温)に従って、化合物2c(NB146の前駆体、上記のスキーム2を参照)から開始して調製した。
【0554】
【化22】
【0555】
簡単に言えば、化合物2cを選択的にアセチル化して、必要なアクセプターAを得て、次いでこれを、公知技術のようにしてトリクロロアセトイミデートドナーBでグリコシル化して(Nudelman, I. et al., Bioorg. Med. Chem. Lett., 2006, 16, pp. 6310-6315)、対応する三糖Cを91%の単離した収量で得た。それに続く、全てのエステルおよびアミド保護を除去するための強塩基での処理(NaOH、60℃)、およびアジ化物をアミンに変換するためのシュタウディンガー反応を包含する2つの脱保護工程により、標的NB147を2工程で81%の収量で得た。最終産物は、全ての中間体も併せて、生成物の構造を割り当てるための1D−TOXYと連携させたH、1Cおよび2D−NMRを包含するあらゆる標準的な分析技術によって特徴付けられる。
【0556】
NB147の合成:
化合物2c(750mg、1.0当量)を無水ピリジン(8mL)中に溶解し、−20℃に冷却した。この温度で、無水酢酸(2.0mL、5.6当量)を一滴ずつ添加し、そのまま−20℃で反応を進行させた。TLCにより反応の進行をモニターしたところ、17時間後に完了が判明した。反応混合物をEtOAcで希釈し、NaHCOの水溶液、HCl(2%)、NaHCOの飽和水溶液、およびブラインで抽出した。合わせた有機相を無水MgSO上で脱水し、濃縮した。未精製の生成物を、シリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製して、化合物Aを得た(600mg、54%収量)。無水CHCl(15mL)を、粉末化し、火炎乾燥した4Å分子篩(2.0グラム)に添加し、続いてアクセプターA(500mg、1.0当量)および公知のドナーB(2.5グラム、4.0当量)を添加した。反応混合物を室温で10分間撹拌し、次いで−30℃に冷却した。この温度で、触媒となる量のBF・EtO(0.15ml)を添加し、混合物を−30℃で撹拌し、TLCにより反応の進行をモニターしたところ、60分後に完了が判明した。反応混合物を酢酸エチルで希釈し、飽和NaHCOおよびブラインで洗浄した。合わせた有機相をMgSO上で脱水し、蒸発させ、カラムクロマトグラフィー(EtOAc/ヘキサン)に供して、表題の化合物C(715mg)を91%収量で得た。上記工程で得た化合物C(715mg)を最少量のTHF中に溶解し、NaOHの0.5M溶液で処理し、60℃で一晩還流した。その後、反応混合物を室温に冷却し、乾燥するまで蒸発させた。未精製の生成物を、DOWEX−Hイオン交換カラムによって精製して、表題の化合物D(400mg)を95%収量で得た。
【0557】
H NMR(500MHz,CDOD):「環I」:δ=1.25(d,3H,J=6.0Hz,CH)、3.12(dd,1H,J=3.4,J=10.0Hz,H−2’)、3.34(t,1H,J=9.0Hz,H−4’)、3.96(m,1H,H−3’およびH−5’)、4.04(m,1H,H−6’)、6.00(d,1H,J=3.2Hz,H−1’);「環II」:δ=1.20(m,1H,H−2ax)、2.27(td,1H,J=4.5,J=12.5Hz,H−2eq)、2.54(m,1H,H−1)、3.24(t,1H,J=9.0Hz,H−6)、3.50(m,1H,H−3)、3.64(t,1H,J=9.5Hz,H−5)、3.72(t,1H,J=9.0Hz,H−4);「環III」:δ=3.48〜3.59(m,2H,H−5”およびH−5”)、4.01(m,1H,H−4”)、4.05(m,1H,H−3”) 4.15(m,1H,H−2”)、5.36(s,1H,H−1”)。スペクトル中の追加のピークを以下のように同定した:δ=0.98(t,3H,J=7.2Hz)、1.55(m,2H)、2.50(m,1H)、2.70(m,1H)。
【0558】
13C NMR(125MHz,CDOD):δ=11.9、17.9、23.8、32.7、49.7、54.4、58.0、62.3、64.9、69.3、72.5、72.6、74.4、75.1、76.3(2C)、76.9、82.4、86.2、97.3(C−1’)、110.7(C−1”)。
【0559】
MALDI TOFMS:C21371010([M+H])の計算値m/e:589.2;実測値m/e:589.1。
【0560】
THF(3mL)およびNaOH水溶液(1mM、5mL)の混合物中に上記工程で得た化合物D(380mg、1.0当量)を撹拌した溶液に、PMe(THF中の1M溶液、5mL、7.8当量)を添加した。反応の進行をTLC[CHCl/MeOH/HO/MeNH(EtOH中の33%溶液)、10:15:6:15]によりモニターしたところ、3時間後に完了が判明した。反応混合物を、シリカゲルの短いカラムでのフラッシュクロマトグラフィーによって精製した。カラムを、以下の溶媒:THF(100mL)、CHCl(100mL)、EtOH(50mL)、およびMeOH(100mL)で洗浄した。次いで生成物を80%MeOH中の5%MeNH溶液(EtOH中の33%溶液)の混合物で溶出した。生成物を含有する分画を合わせて、真空中で蒸発させた。上記の生成物をAmberlite CG50(NH型)の短いカラムに通過させることにより、純粋な生成物を得た。最初に、カラムを水で洗浄し、次いで生成物を水中の10%NHOHの混合物で溶出して、化合物NB147を得た(230mg、67%収量)。貯蔵および生物学的試験のために、化合物NB147を、以下のようにしてその硫酸塩の形態に変換した。遊離塩基の形態を水中に溶解させ、pHをHSO(0.1N)で6.7に調整し、凍結乾燥して、NB147の硫酸塩を得た。
【0561】
HNMR(500MHz,CDOD):「環I」:δ=1.22(d,3H,J=6.0Hz,CH)、2.61(dd,1H,J=3.4,J=9.0Hz,H−2’)、3.23(t,1H,J=10.0Hz,H−4’)、3.54(t,1H,J=9.6Hz,H−3’)、3.81(dd,1H,J=3.4,J=10.0Hz,H−5’)、4.12(m,1H,H−6’)、5.20(d,1H,J=3.5Hz,H−1’);「環II」:δ=1.12(m,1H,H−2ax)、2.10(td,1H,J=4.5,J=12.5Hz,H−2eq)、2.49(m,1H,H−1)、2.75(m,1H,H−3)、3.32(t,1H,J=9.0Hz,H−6)、3.38(t,1H,J=9.5Hz,H−4)、3.52(t,1H,J=9.0Hz,H−5);「環III」δ:2.80(dd,1H,J=7.0,J=13.5Hz,H−5”)、2.94(dd,1H,J=4.3,J=13.5Hz,H−5”)、3.86(m,1H,H−4”)、3.96(t,1H,J=5.4Hz,H−3”)、4.07(m,1H,H−2”)、5.26(d,1H,J=2.6Hz,H−1”)。スペクトル中の追加のピークを以下のように同定した:δ=0.97(t,3H,J=7.2Hz)、1.53(m,2H)、2.49(m,1H)、2.71(m,1H)。
【0562】
13CNMR(125MHz,CDOD):δc=11.9、16.7、23.7、34.7(C−2)、45.2、49.7、52.5、57.9、58.6、67.9、72.5、73.6、75.3、76.3、76.4、76.7、84.9、85.6、87.1、102.0(C−1’)、110.3(C−1”)。
【0563】
MALDI TOFMS:C214310([M+H])の計算値m/e:511.2;実測値m/e:511.1。
【0564】
NB150(そのTFA酸付加塩として示したもの)の合成:
【化23】
【0565】
NB150を下記のスキーム4に従って化合物1から開始して調製した。簡単に言えば、保護したグアニジニル化試薬および塩基としてのEtNによる遊離のN−1アミンのグアニジニル化により、所望の化合物3を得た。Boc脱保護をTFAにより行って、グアニジニウム部分に遊離アミンを有する化合物4を生産した。最終的に、シュタウディンガー反応を使用して、アジ化物の保護を除去し、結果として最終産物NB150を得た(スキーム4、試薬および条件:(a)EtN、HO/ジオキサン、81%(b)TFA、CHCl、0℃→25℃(c)(i)PMe、THF、0.1MのNaOH、(ii)生成物をイオン交換カラムからMeOH中の2%TFAの混合物を用いて溶出し、2工程で83%の収量であった)。
【0566】
【化24】
【0567】
O(1mL)中の化合物1(2.69グラム、1当量)の溶液に、1,4−ジオキサン(5mL)とN,N’−ジBoc−N”−トリフリルグアニジン(4.05グラム、1.5当量)とを、溶液が比較的透明なままになるように一部ずつ交互に添加した。5分後、NEt(3mL、3当量)を室温で添加した。24時間後、1,4−ジオキサンを蒸発させ、残った残留物およびHOを、CHCl(3×10mL)で抽出し、HOおよびブラインで洗浄し、MgSO上で脱水した。グアニジニル化した生成物から、シリカゲル上のフラッシュカラムクロマトグラフィー(CHCl/MeOH)により化合物3(3.51グラム、81%)を単離した。
【0568】
H NMR(500MHz,CDCl):「環I」:δ=5.37(d,1H,J=3.6Hz,H−1)、4.03(t,1H,J=9.7Hz,H−3)、4.04〜4.00(m,1H,H−6)、3.81(dd,1H,J=9.7,5.7Hz,H−5)、3.58(t,1H,J=9.3Hz,H−4)、3.37(dd,1H,J=10.5,4.2Hz,H−2)、1.31(d,3H,J=5.7Hz,CH3〜6);「環II」:δ=4.19〜4.10(m,1H,H−1)、3.67(t,1H,J=9.2Hz,H−5)、3.54〜3.47(m,1H,H−3)、3.41〜3.32(m,2H,H−4,H−6)、2.40(dt,1H,J=12.5,4.1Hz,H−2eq)、1.50(dd,1H,J=19.7,8.8Hz,H−2ax);スペクトル中の追加のピークを以下のように同定した:δ=11.46(s,1H,NH)、8.54(d,1H,J=7.0Hz,NH)、1.49(s,9H,Boc)、1.48(s,9H,Boc)。
【0569】
13C NMR(125MHz,CDCl):δ=162.7、157.2、153.2、98.7(C1’)、84.0(Boc)、82.2、80.3(Boc)、77.2(C5)、76.3、74.1(C4’)、73.6(C5’)、72.3(C3’)、70.3(C6’)、63.6、59.4(C3)、50.1(C1)、33.0(C2)、28.4(Boc)、28.2(Boc)、19.3(CH−6’)。
【0570】
MALDI TOFMS:C244111([M+H])の計算値m/e 632.6;実測値m/e 632.6。
【0571】
10℃のCHCl(15mL)中の化合物3(498mg、1当量)の溶液に、TFA(6mL)を一滴ずつ添加し、添加後、反応混合物をそのまま室温にした。TLC(CHCl/MeOH 8:2)により反応の進行をモニターしたところ、3時間で反応の完了が判明した。反応混合物を乾燥するまで蒸発させ、未精製の生成物4(686mg)を得た。未精製の生成物を、シュタウディンガー反応に供した。
【0572】
THF(3.0mL)およびNaOH水溶液(1mM、5.0mL)の混合物中に化合物4(686mg、1当量)を撹拌した溶液に、PMe(THF中の1M溶液、0.55mL、8当量)を一滴ずつ添加し、混合物をさらに一晩撹拌した。反応の完了は、TLC(TFA/MeOH 1:49)により示された。上記の混合物をAmberlite CG50(NH4+型)の短いカラムに通過させることにより、純粋な生成物を得た。カラムを、以下の溶媒:ヘキサン、THF、EtOAc、MeOHおよびCHCNで洗浄した。次いで生成物をTFA/MeOH(1:49)の混合物で溶出させて、NB150を得た。貯蔵および生物学的試験のために、NB150を水中に溶解させ、凍結乾燥して、NB150のTFA塩を得た(2工程で701mg、83%)。
【0573】
H NMR(500MHz,MeOD):「環I」:δ=5.41(d,1H,J=4.1Hz,H−1)、4.25(qd,1H,J=6.2,1.8Hz,H−6)、3.93(dd,1H,J=10.2,2.2Hz,H,5)、3.81(dd,1H,J=10.6,8.9Hz,H−4)、3.39〜3.27(m,2H)、1.22(d,3H,J=6.4Hz,CH−6);「環II」:δ=3.72(t,1H,J=9.6Hz,H−5)、3.62〜3.52(m,2H,H−1,H−6)、3.48〜3.35(m,2H,H−3,H−4)、2.30(dt,1H,J=12.4,4.1Hz,H−2eq)、1.71(dd,1H,J=24.9,12.3Hz,H−2ax)。
【0574】
13C NMR(125MHz,MeOD):δ=159.2、100.1(C1’)、85.6(C5)、77.0(C5’)、76.5、76.3(C4)、72.2、71.8(C4’)、66.0(C6’)、56.4、52.9、51.0(C3)、32.1(C2)、15.7(CH−6’)。
【0575】
MALDI TOFMS:C1429([M+H])の計算値m/e 380.4;実測値m/e 380.8。
【0576】
NB151およびNB152を、2つの異なるアクセプター6および7と、後述のスキーム5に示したようにグアニジニウム基を含有するドナー5とのグリコシル化反応と、それに続く脱保護工程により調製した。
【0577】
【化25】
【0578】
スキーム5におけるアクセプター6および7の合成を、これまでに公開された手順に従って実行した(Nudelman, I. et al., Bioorg. Med. Chem., 2010, 18, pp. 3735-3746)。後述のスキーム6で例示されるように、公知のリボース誘導体A(これまでに、Nudelman, I. et al., Bioorg. Med. Chem. Lett., 2006, 16, pp. 6310-6315で報告されている)からドナー5の合成を行った。
【0579】
ワンポット反応で2つの化学的工程を使用することによって、すなわち、H、Pd/Cによりアジ化物をアミンに還元し、得られたアミンをグアニジニウム試薬および塩基としてのEtNと反応させて、所望の化合物Bを得ることによって、化合物Aを化合物Bに変換した。次の2工程は、化合物Cを得るためのSTolのN−ブロモスクシンイミド(NBS)での脱保護、および最終的な活性ドナー5を得るためのトリクロロアセトイミデート基の置換であった(スキーム6、試薬および条件:(a)H、Pd/C、DIPEA、95%(b)NBS、アセトン/HO、−25℃、83%(c)CClCN、KCO、0℃→25℃、50%のドナー5)。
【0580】
【化26】
【0581】
ドナー5を、EtOAc(15mL)中の化合物A(6.87グラム、1当量)の溶液を撹拌することにより調製し、N,N’−ジBoc−N”−トリフリルグアニジン(5.48グラム、1当量;Santana, A.G. et al., J. Org. Chem., 2010, 75(15), pp. 5371-5374に従う)、20モル%のPd/C(5%w/w)、およびジエチルイソプロピルアミン(DIPEA)(2.71グラム、1.5当量)を添加した。3回の真空/水素サイクルを実行し、混合物をH雰囲気(バルーン)下で一晩さらに撹拌した。反応の完了は、TLCにより判明した(EtOAc/ヘキサン 1:4)。次いで反応混合物をCelite(登録商標)パッドで濾過し、これを酢酸エチルで2回洗浄し、合わせた濾液を蒸発させた。残留物のカラムクロマトグラフィー(EtOAc/ヘキサン 15:85)により、必要なグアニジニル化化合物Bを得た(9.44グラム、95%収量)。
【0582】
H NMR(400MHz,CDCl):δ=11.48(s,1H,NH)、8.73(t,1H,J=4.4Hz,NH)、7.91(dd,4H J=10.0,8.8Hz,STol)、7.51(t,4H,J=8.6Hz,Bz)、7.35(dd,4H,J=7.9Hz,Bz)、7.17(d,2H,J=7.8Hz,Bz)、5.65(t,1H,J=4.5Hz,H−2)、5.52(d,1H,J=4.0Hz,H−1)、5.38(t,1H,J=5.4Hz,H−3)、4.48(dt,1H,J=7.3,5.3Hz,H−4)、3.90(ddd,1H,J=13.6,5.5,4.5Hz,H−5)、3.55〜3.44(m,1H,H−5’)、1.49(s,9H,Boc)、1.45(s,9H,Boc)。
【0583】
13C NMR(125MHz,CDCl):δ=21.3(STol)、43.1(C−5)、72.9(C−3)、75.1(C−2)、79.4,80.2(C−4)、83.3,88.9(C−1)、127.7、128.5(2C)、129.2(2C)、129.9、130.1、133.5(2C)、134.7、139.1、153.1(Boc)、156.5(Boc)、163.5(Boc)、165.1(Bz)、165.3(Bz)。
【0584】
MALDI TOFMS:C3743S([M+H])の計算値m/e 706.8;実測値m/e 706.6。
【0585】
アセトン/HO(50:5mL)の混合物中に化合物B(3グラム、1当量)を撹拌した溶液を、−25℃に冷却した。10分間撹拌した後、NBS(3グラム、4当量)を一部ずつ添加した。反応の進行をTLC(EtOAc/ヘキサン 1:4)によりモニターしたところ、反応が1.5時間で完了したことが判明した。この段階で反応物をEtOAcで希釈した(50mL)。希釈した溶液を、NaHCO(2×30mL)で抽出した。次いで有機相を飽和NaCl溶液で洗浄し、無水MgSO上で脱水した。乾燥するまで溶媒を蒸発させ、カラムクロマトグラフィー(EtOAc/ヘキサン 1:4)に供して、化合物Cを得た(13.3グラム、83%)。
【0586】
MALDI TOFMS:C303710([M+H])の計算値m/e 600.6;実測値m/e 600.9。
【0587】
アルゴン雰囲気下で蒸留したCHCl(85mL)中に化合物C(6.66グラム、1当量)を撹拌した溶液を、0℃に冷却した。10分間撹拌した後、CClCN(12.82グラム、8当量)を一滴ずつ添加した。次いでKCO(4.6グラム、3当量)および乾燥させたMgSO(8.5グラム)を添加した。0℃で30分間撹拌した後、混合物をそのまま室温に温め、一晩撹拌した。反応の完了は、TLCにより判明した(EtOAc/ヘキサン 1:4)。次いで反応混合物をCelite(登録商標)パッドで濾過し、これをEtOAcで2回洗浄し、合わせた濾液を蒸発させた。残留物のカラムクロマトグラフィー(EtOAc/ヘキサン 15:85+1mlのEtN)により、必要なドナー5を得た(4グラム、48%)。
【0588】
H NMR(500MHz,CDCl):δ=11.41(s,1H,NH)、8.67(s,1H,NH)、8.64(t,1H,J=5.4Hz,NH)、7.96(dd,2H,J=8.2,1.1Hz,Bz)、7.90(dd,2H,J=8.2,1.0Hz,Bz)、7.56(t,1H,J=7.5Hz,Bz)、7.51(t,1H,J=7.5Hz,Bz)、7.40(t,2H,J=7.9Hz,Bz)、7.33(t,2H,J=7.9Hz,Bz)、6.54(s,1H,H−1)、5.91(d,1H,J=4.8Hz,H−2)、5.68(dd,1H,J=7.0,4.9Hz,H−3)、4.71(td,1H,J=7.2,4.7Hz,H−4)、4.03(ddd,1H,J=14.0,6.3,4.9Hz,H−5)、3.79(ddd,1H,J=13.9,7.3,4.9Hz,H−5’)、1.43(s,9H,Boc)、1.41(s,9H,Boc)。
【0589】
13C NMR(125MHz,CDCl):δ=28.1(Boc)、28.3(Boc)、43.5(C5)、72.6(C3)、74.9(C2)、80.9(C4)、102.7(C1)、128.5、128.6、129.9、130.0、133.5、133.7、153.0、156.6、160.6、163.5、165.0、165.4。
【0590】
MALDI TOFMS:C3237Cl10([M+H])の計算値m/e 745.0;実測値m/e 745.5。
【0591】
NB151(そのTFA酸付加塩ととして示したもの)の合成:
【化27】
【0592】
NB151を、後述のスキーム7に示すようにアクセプター6およびドナー5から開始して調製した(試薬および条件:(a)BF・EtO、CHCl、−30℃、54%(b)MeNH、52%(c)TFA、CHCl、0℃→25℃(d)(i)PMe、THF、0.1MのNaOH、(ii)生成物をイオン交換カラムからMeOH中の2%TFAの混合物を用いて溶出し、2工程で85%であった)。
【0593】
【化28】
【0594】
無水CHCl(19mL)を、粉末化し火炎乾燥した4Å分子篩(1.6グラム)に添加し、続いてアクセプター6(142mg、1当量)およびドナー5(546mg、3当量)を添加した。混合物を−50℃まで冷却し、BF・EtOを一滴ずつ添加した。反応の進行をTLC(EtOAc/ヘキサン 3:7)によりモニターしたところ、反応が30分間で完了したことが判明した。反応物をEtOAcで希釈し、Celite(登録商標)のパッドを通過させて濾過した。Celite(登録商標)をEtOAcで徹底的に洗浄した後、洗浄液を合わせ、乾燥するまで蒸発させた。粗生成物を、フラッシュクロマトグラフィー(EtOAc/ヘキサン 3:7)によって精製して、化合物Aを得た(496mg、40%)。
【0595】
H NMR(500MHz,CDCl):「環I」:δ=5.92(d,1H,J=4.0Hz,H−1)、5.38(dd,1H,J=10.7,9.3Hz,H−3)、4.98(dd,1H,J=6.7,2.0Hz,H−6)、4.95(dd,1H,J=10.5,9.3Hz,H−4)、4.45(dd,1H,J=10.6,2.0Hz,H−5)、3.80(dd,1H,J=10.9,3.9Hz,H−2)、1.24(d,3H,J=6.7Hz,CH−6);「環II」:δ=5.02(t,1H,J=9.9Hz,H−6)、3.83(t,1H,J=9.4Hz,H−5)、3.74(t,1H,J=9.7Hz,H−4)、3.58〜3.46(m,2H,H−1,H−3)、2.38(dt,1H,J=13.2,4.7Hz,H−2eq)、1.48(dd,1H,J=26.5,12.9Hz,H−2ax);「環III」:δ=5.62(d,1H,J=4.3Hz,H−1)、5.57(s,1H,H−3)、5.30(dd,1H,J=7.3,5.2Hz,H−2)、4.58(dt,1H,J=7.4,2.7Hz,H−4)、4.06(ddd,1H,J=14.5,6.0,3.9Hz,H−5)、3.59(ddd,1H,J=13.8,8.4,3.8Hz,H−5);スペクトル中の追加のピークを以下のように同定した:δ=11.53(s,1H,NH)、8.72(dd,1H,J=6.2,4.2Hz,NH)、7.92〜7.87(m,4H,Bz)、7.57〜7.49(m,2H,Bz)、7.39〜7.32(m,4H,Bz)、2.07(s,3H,Ac)、2.05(s,3H,Ac)、2.04(s,3H,Ac)、1.69(s,3H,Ac)、1.54(s,9H,Boc)、1.46(s,9H,Boc)。
【0596】
13C NMR(125MHz,CDCl):δ=170.2(Ac)、170.2(Ac)、170.1(Ac)、169.9(Ac)、165.6(Bz)、165.2(Bz)、163.5、156.4、153.4、133.8(Bz)、133.6(Bz)、129.9(Bz)、129.8(Bz)、128.6(Bz)、128.5(Bz)、108.1(C3”)、96.5(C1’)、80.1(C5)、79.5(C4”)、77.5(C4)、74.7(C1”)、73.7(C6)、72.2(C2”)、71.1(C3’)、70.2(C5’)、69.2(C4’)、68.7(C6’)、61.6(C2’)、58.9、58.6、43.8(C5”)、32.4(C2)、28.3(Boc)、28.3(Boc)、21.3(Ac)、21.0(Ac)、20.9(Ac)、20.7(Ac)、13.7(CH−6’)。
【0597】
MALDI TOFMS:C51641220([M+H])の計算値m/e 1166.1;実測値m/e 1166.1。
【0598】
化合物A(495mg)をMeNHの溶液(EtOH中の33%溶液、20mL)に室温で一晩溶解させた。反応の完了は、TLC(MeOH/EtOAc 1:4)により示された。その後、反応混合物を乾燥するまで蒸発させた。未精製の生成物を、カラムクロマトグラフィー(MeOH/EtOAc 1:4)に供して、化合物Bを得た(175mg、52%)。
【0599】
H NMR(500MHz,MeOD):「環I」:δ=5.95(d,1H,J=3.0Hz,H−1)、4.03〜3.99(m,1H,H−5)、3.98〜3.90(m,2H,H−3,H−6)、3.38(t,1H,J=8.9Hz,H−4)、3.17(dd,1H,J=10.6,5.2Hz,H−2)、1.24(d,3H,J=4.5Hz,CH−6);「環II」:δ=3.69(t,1H,J=10.0Hz,H−4)、3.62(t,1H,J=9.6Hz,H−5)、3.54(ddd,1H,J=15.4,10.9,4.4Hz,H−1)、3.48〜3.40(m,1H,H−3)、3.37(t,J=9.9Hz,H−6)、2.21(dt,1H,J=11.7,4.0Hz,H−2eq)、1.32(dd,1H,J=26.2,13.1Hz,H−2ax);「環III」:δ=5.35(s,1H,H−1)、4.21(d,1H,J=4.3Hz,H−2)、4.06〜3.99(m,1H,H−3)、3.85(dd,1H,J=14.2,1.1Hz,H−4)、3.43(dd,1H,J=13.9,1.3Hz,H−5);スペクトル中の追加のピークを以下のように同定した:δ=1.55(s,9H,Boc)、1.49(s,9H,Boc)。
【0600】
13C NMR(125MHz,MeOD):δ=164.4、157.7、154.0、111.4(C1”)、97.6(C1’)、85.2(C5)、81.6、77.6、77.0(C4)、76.4(C2”)、75.0、74.4、73.0、72.4、69.7、64.6、62.1、61.5、45.0(C5”)、33.3(C2)、28.6(Boc)、28.4(Boc)、18.3(CH−6’)。
【0601】
MALDI TOFMS:C29481214([M+Na])の計算値m/e 811.7;実測値m/e 811.8。
【0602】
−10℃のCHCl(10mL)中の化合物B(175mg、1当量)の溶液に、TFA(3.2mL)を一滴ずつ添加し、添加後、反応混合物をそのまま室温にした。TLC(CHCl/MeOH 8:2)により反応の進行をモニターしたところ、3時間で反応の完了が判明した。反応混合物を乾燥するまで蒸発させ、未精製の生成物C(185mg)を得た。未精製の生成物を、シュタウディンガー反応に供した。
【0603】
THF(3mL)およびNaOH水溶液(1mM、5.0mL)の混合物中に化合物C(185mg、1当量)を撹拌した溶液に、PMe(THF中の1M溶液、3mL、7.8当量)を一滴ずつ添加し、混合物をさらに一晩撹拌した。反応の完了は、TLC(TFA/MeOH 1:49)により示された。上記の混合物をAmberlite CG50(NH4+型)の短いカラムに通過させることにより、純粋な生成物を得た。カラムを、以下の溶媒:ヘキサン、THF、EtOAc、MeOHおよびCH3CNで洗浄した。次いで生成物をTFA/MeOH(1:49)の混合物で溶出し、NB151を得た。貯蔵および生物学的試験のために、NB151を水中に溶解し、凍結乾燥して、NB151のTFA塩を得た(2工程で574mg、85%)。
【0604】
H NMR(500MHz,MeOD):「環I」:δ=5.54(d,1H,J=4.0Hz,H−1)、4.30〜4.20(m,1H,H−6)、3.90(dd,1H,J=9.6,1.9Hz,H−5)、3.83(t,1H,J=9.6Hz,H−3)、3.40〜3.29(m,2H,H−2,H−4)、1.20(d,3H,J=7.3Hz,CH−6);「環II」:δ=3.97(t,1H,J=9.8Hz,H−4)、3.82(t,1H,J=8.9Hz,H−5)、3.64(t,1H,J=9.7Hz,H−6)、3.51(ddd,1H,J=18.4,14.2,8.3Hz,H−1)、3.31〜3.21(m,1H,H−3)、2.48(dt,1H,J=12.6,3.9Hz,H−2eq)、1.85(dd,1H,J=25.1,12.3Hz,H−2ax);「環III」:δ=5.31(d,1H,J=4.0Hz,H−1)、4.09(t,1H,J=4.9Hz,H−2)、4.06〜3.97(m,2H,H−3,H−4)、3.56〜3.46(m,2H,H−5)。
【0605】
13C NMR(125MHz,MeOD):δ=159.1、110.9(C1”)、98.5(C1’)、85.1、82.5、82.0(C4)、77.5(C5’)、75.6(C2”)、73.6(C6)、71.8、71.7、71.3、66.2(C6’)、55.8、50.9(C1)、50.9(C3)、44.5(C5”)、29.6(C2)、15.85(CH−C6’)。
【0606】
MALDI TOFMS:C193810([M+H])の計算値m/e 511.5;実測値m/e 511.9。
【0607】
NB152(そのTFA酸付加塩として示したもの)の合成:
【化29】
【0608】
NB152を、スキーム7に示すようにアクセプター7およびドナー5から開始して調製した(試薬および条件:(a)BF・EtO、CHCl、−30℃、40%(b)MeNH、78%(c)TFA、CHCl、0℃→25℃(d)(i)PMe、THF、0.1MのNaOH、(ii)イオン交換カラムからMeOH中の2%TFAの混合物を用いて生成物を溶出させ、2工程で88%であった)。
【0609】
【化30】
【0610】
粉末化し、火炎乾燥した4Å分子篩(5.85グラム)に、無水CHCl(78mL)を添加し、続いてアクセプター7(755mg、1当量)およびドナー5(2.3グラム、3当量)を添加した。混合物を−50℃まで冷却し、BF・EtOを一滴ずつ添加した。反応の進行をTLC(EtOAc/ヘキサン 3:7)によりモニターしたところ、反応が10分間で完了したことが判明した。反応物をEtOAcで希釈し、Celite(登録商標)のパッドを通過させて濾過した。Celite(登録商標)をEtOAcで徹底的に洗浄した後、洗浄液を合わせ、乾燥するまで蒸発させた。粗生成物を、フラッシュクロマトグラフィー(EtOAc/ヘキサン 3:7)によって精製して、化合物Aを得た(496mg、40%)。
【0611】
H NMR(500MHz,CDCl):「環I」:δ=5.90(d,1H,J=3.9Hz,H−1)、5.39(t,J=10.4Hz,1H)、4.98(dd,1H,J=12.2,8.0Hz,H−4)、4.48(d,1H,J=10.6Hz,H−5)、3.79(dd,1H,J=10.7,3.9Hz,H−2)、1.24(d,3H,J=6.7Hz,CH−6);「環II」:δ=4.91(t,1H,J=10.1Hz,H−6)、4.03〜3.96(m,1H,H−1)、3.93(t,1H,J=9.2Hz,H−5)、3.71(t,1H,J=9.4Hz,H−4)、3.64〜3.54(m,1H,H−3)、2.54(dt,1H,J=12.6,4.1Hz,H−2eq)、1.35(dd,1H,J=24.8,12.3Hz,H−2ax);「環III」:δ=5.69(d,1H,J=4.0Hz,H−1)、5.61(s,1H,H−3)、5.37(dd,1H,J=7.0,5.4Hz,H−2)、4.57(dd,1H,J=8.3,4.8Hz,H−4)、4.11〜4.01(m,1H,H−5)、3.61〜3.50(m,1H,H−5);スペクトル中の追加のピークを以下のように同定した:δ=11.54(s,1H)、8.72(t,J=4.3Hz,1H)、7.99〜7.78(m,6H,Bz)、7.42〜7.30(m,4H,Bz)、5.18(dd,1H,J=6.7,5.0Hz)、3.54〜3.45(m,2H)、2.14〜2.02(m,1H)、1.57〜1.52(m,1H)、2.29(s,3H,Ac)、2.21(s,3H,Ac)、2.07(s,3H,Ac)、2.06(s,3H,Ac)、2.05(s,3H,Ac)、1.54(s,9H,Boc)、1.45(s,9H,Boc)。
【0612】
13C NMR(125MHz,CDCl):δ=177.1、170.2(Ac)、170.1(Ac)、170.0(Ac)、169.9(Ac)、165.5(Bz)、165.1(Bz)、164.1、157.3、153.6、133.7(Bz)、129.7(Bz)、128.8(Bz)、108.1(C3”)、96.6(C1’)、80.5(C5)、78.9(C4”)、77.7(C4)、74.8(C1”)、73.3(C6)、72.2、71.5、70.9、70.4(C5’)、68.6(C4’)、61.6(C2’)、58.7(C3)、49.0(C1)、43.8(C5”)、32.9(C2)、28.3(Boc)、28.1(Boc)、21.0(Ac)、20.9(Ac)、20.5(Ac)、13.9(CH−6’)。
【0613】
MALDI TOFMS:C57731323([M+H])の計算値m/e 1309.3;実測値m/e 1309.7。
【0614】
化合物A(50mg)をMeNH(EtOH中の33%溶液、2mL)の溶液に室温で一晩溶解した。反応の完了は、TLC(MeOH/EtOAc 1:4)により示された。反応の完了後、反応混合物を乾燥するまで蒸発させた。未精製の生成物を、カラムクロマトグラフィー(MeOH/EtOAc 1:49)に供して、化合物Bを得た(27mg、78%)。
【0615】
H NMR(500MHz,MeOD):「環I」:δ=5.98(d,1H,J=2.8Hz,H−1)、4.08〜3.91(m,2H,H−5,H−6)、3.96(t,1H,J=9.5Hz,H−3)、3.36(t,1H,J=9.6Hz,H−4)、3.18(dd,1H,J=10.8,5.2Hz,H−2)、1.26(d,3H,J=3.9Hz,CH3〜6);「環II」:δ=3.63〜3.72(m,2H,H−1,H−4,H−5)、3.54〜3.58(m,1H,H−1)、3.34〜3.38(m,2H,H−3,H−6)、2.15(dt,1H,J=12.9,4.0Hz,H−2eq)、1.48(dd,1H,J=25.0,12.7Hz,H−2ax);「環III」:δ=5.37(s,1H,H−1)、4.19(d,1H,J=4.0Hz,H−2)、4.01(s,1H,H−3)、3.88(d,1H,J=15.2Hz,H−4)、3.38(d,2H,J=14.4Hz,H−5);スペクトル中の追加のピークを以下のように同定した:δ=4.15(dd,1H,J=3.9,8.8Hz)、3.53〜3.44(m,2H)、2.13〜1.99(m,1H)、1.92〜1.82(m,1H)、1.54(s,9H,Boc)、1.47(s,9H,Boc)。
【0616】
13C NMR(125MHz,MeOD):δ=177.4、164.5、157.7(Boc)、154.0(Boc)、111.4(C1”)、97.6(C1’)、86.1、81.6、80.5、77.1、76.5(C2”)、75.7(C5”)、75.1、74.5、73.2、72.3、70.2、69.4、64.6(C2’)、61.9(C1)、50.5、47.5、45.3、34.7、32.1(C2)、28.4(Boc)、26.3(Boc)、18.1(CH3〜6’)。
【0617】
MALDI TOFMS:C33551316([M+Na])の計算値m/e 912.8;実測値m/e 912.7。
【0618】
−10℃のCHCl(3.3mL)中の化合物B(109mg、1当量)の溶液に、TFA(1.3mL)を一滴ずつ添加し、添加後、反応混合物をそのまま室温にした。TLC(CHCl/MeOH 8:2)により反応の進行をモニターしたところ、2時間で反応の完了が判明した。反応混合物を乾燥するまで蒸発させ、未精製の生成物C(169mg)を得た。未精製の生成物を、シュタウディンガー反応に供した。
【0619】
THF(3mL)およびNaOH水溶液(1mM、5.0mL)の混合物中に化合物C(169mg、1当量)を撹拌した溶液に、PMe(THF中の1M溶液、2.74mL、7.8当量)を一滴ずつ添加し、混合物をさらに一晩撹拌した。反応の完了は、TLC(TFA/MeOH 1:49)により示された。上記の混合物をAmberlite CG50(NH4型)の短いカラムに通過させることにより、純粋な生成物を得た。カラムを、以下の溶媒:ヘキサン、THF、EtOAc、MeOHおよびCHCNで洗浄した。次いで生成物をTFA/MeOH(1:49)の混合物で溶出して、NB152を得た。貯蔵および生物学的試験のために、NB152を水中に溶解し、凍結乾燥して、NB152のTFA塩を得た(2工程で350mg、88%)。
【0620】
H NMR(500MHz,MeOD):「環I」:δ=5.52(d,1H,J=3.9Hz,H−1)、4.22(d,1H,J=5.8Hz,H−6)、3.88(d,1H,J=9.1Hz,H−5)、3.81(t,1H,J=9.6Hz,H−4)、3.36〜3.28(m,2H,H−2,H−3)、1.19(d,3H,J=6.32Hz,CH−6);「環II」:δ=3.93〜3.83(m,2H,H−1,H−4)、3.75(t,1H,J=9.1Hz,H−5)、3.60(t,1H,J=9.7Hz,H−6)、3.45〜3.37(m,1H,H−3)、2.20(dt,1H,J=13.1,3.8Hz,H−2eq)、1.69(dd,1H,J=25.2,12.4Hz,H−2ax);「環III」:δ=5.28(d,1H,J=3.5Hz,H−1)、4.07(t,1H,J=4.3Hz,H−2)、4.04〜3.96(m,2H,H−3,H−4)、3.49(t,2H,J=5.2Hz,H−5);スペクトル中の追加のピークを以下のように同定した:δ=4.21(dd,1H,J=4.5,8.9Hz)、3.14〜3.01(m,2H)、2.15〜2.03(m,1H)、2.03〜1.97(m,1H)。
【0621】
13C NMR(125MHz,MeOD):δ=176.2、159.2、111.2(C1”)、98.5(C1’)、86.0(C5)、82.44、82.1、77.4、75.8(C2”)、74.7(C6)、71.8、71.8、71.4(C4’)、71.0(C6’)、66.2、55.9、51.4(C3)、49.8、44.5(C5”)、37.8、32.7、31.7(C2)、15.9(CH−6’)。
【0622】
MALDI TOFMS:C234511([M+H])の計算値m/e 612.6;実測値m/e 612.9。
【0623】
実施例2
実施例1の化合物の細胞に基づくアッセイにおけるリードスルー活性
【0624】
実験方法:
本発明の実施形態に係る試験化合物によるナンセンス変異の抑制(リードスルー活性)を、例えば米国特許第8,895,519号およびVecsler, M. et al.[PLoS ONE, 2011, 6(6) p. e20733]に記載のように、インビトロにおいて、選ばれた遺伝子中に変異を内包するレポータープラスミドを使用して試験した。
【0625】
簡単に言えば、HEK−293T細胞をプラスミドでトランスフェクトし、トランスフェクションの24時間後に細胞を溶解し、ホタルルシフェラーゼおよびウミシイタケルシフェラーゼの発現レベルについて試験した。野生型(WT)プラスミドはホタルルシフェラーゼおよびウミシイタケルシフェラーゼの両方を発現したが、変異プラスミドは、挿入した配列に見出される終止コドンのためにウミシイタケルシフェラーゼのみを発現した。試験化合物のリードスルー活性アッセイにおいて、トランスフェクションの6時間後に本化合物を細胞懸濁液に添加した。本化合物が未成熟ナンセンス/終止コドン変異の抑制を発揮した場合には、ホタルルシフェラーゼが発現され、数倍異なる発現が観察された。
【0626】
結果:
試験化合物が、ヒト細胞において疾患を引き起こすナンセンス変異の機能的な抑制を誘導できるかどうかを決定するために、レット症候群を引き起こす天然に存在する未成熟終止コドン変異を含有するcDNAからの、ホタルルシフェラーゼおよびウミシイタケルシフェラーゼの合成をアッセイした。全てのケースにおいて、変異は、フレーム内にアルギニン残基の代わりにオーカー(UGA)終止コドンを導入しており、R168X、R270XおよびR294X変異はそれぞれ、UGAG、UGAAおよびUGAUテトラヌクレオチド終結シグナルをもたらす。
【0627】
レット症候群変異のリードスルー活性を表1に示した化合物を使用して試験し、変異抑制を、ホタル/ウミシイタケ比の値に基づいて計算し、試験化合物(対照)なしで得られた同比で値を正規化した。結果をWTで観察された発現レベルと比較する。一般的に、ウミシイタケレポーター遺伝子は試験した遺伝子の上流に存在し、ホタルレポーター遺伝子は下流に存在するため、リードスルー活性は、下流発現の上流発現に対する比(ホタル/ウミシイタケ発現の比)を計算して、この比の、WT配列を使用した同測定値に対する割合(パーセント)、すなわちWTで観察された発現レベル比の正規化した比として記録することにより定量化することができる。代替として、ホタル/ウミシイタケ発現比は、対照実験(リードスルー誘導性化合物なし)で観察されたホタル/ウミシイタケ発現比に対して正規化してもよい。WTにおけるホタル/ウミシイタケ発現比は、実質的にリードスルー誘導性化合物の存在に非感受性であり、さらに対照実験も、何も存在しないために実質的にリードスルー誘導性化合物の存在に非感受性であることから、2つの正規化方法は、下記で示された結果からわかるように、類似の傾向を示すと考えられる。
【0628】
同じ化合物および対照を使用するが、ただしWT配列を使用して測定した、同じホタル/ウミシイタケ発現比は、リードスルー活性に関係のない、試験化合物の一般的な発現レベルに対する作用を意味し、それによって試験化合物が、典型的なアミノグリコシド抗生物質のようにタンパク質合成阻害活性を発揮するかどうかを示すと考えられる。WT測定はまた、実験誤差の指標でもある。
【0629】
したがって、本発明の一部の実施形態に係る所与のリードスルー誘導性化合物が、ある程度のリードスルー活性を発揮する場合、測定は、対照(リードスルー誘導性化合物なし)で観察されたホタル/ウミシイタケ発現比と比較して大きいホタル/ウミシイタケ発現比、および高い比例値(数百パーセントもの規模で)を示すと考えられる。リードスルー活性がない場合、不活性な化合物と対照の両方に対するホタル/ウミシイタケ発現比は、絶対的に小さく、比例的に類似し、約100%の値となることが予測される。
【0630】
図2A〜2Cは、未成熟終止コドン変異R168X(図2A)、R270X(図2B)およびR294X(図2C)を引き起こすレット症候群のリードスルーレベルを示す比較棒グラフであり、これらは、表1に示した化合物を0.3mMおよび1mMの濃度で発現細胞と接触させた場合、および対照試料(化合物の添加なし)の場合に測定および計算した、ホタル/ウミシイタケ発現比とWTで観察された発現比との比較に基づくものである。
【0631】
図3A〜3Cは、未成熟終止コドン変異R168X(図3A)、R270X(図3B)およびR294X(図3C)を引き起こすレット症候群のリードスルーレベルを示す比較棒グラフであり、これらは、表1に示した化合物を0.3mMおよび1mMの濃度で発現細胞と接触させた場合、および対照試料(化合物の添加なし)の場合に測定および計算した値を、対照試料について観察された値(100%)に対するホタル/ウミシイタケ発現比として提供し、WTで観察された発現比との比較に基づくものである。
【0632】
図2A〜2Cからわかるように、本発明の一部の実施形態に係る例示化合物は、3種全てのレット症候群変異モデルにおいて傑出した用量依存性のリードスルー活性を示した。化合物NB150およびNB151は、0.3および1mMの用量でアミノグリコシド抗生物質製剤G418(Geneticin)で示されたレベルに類似したリードスルー活性を示した。この結果は、G418の有意な細胞傷害性に関連する可能性があり、したがってこれは、全体的な限定されたリードスルーレベルに関連していた。
【0633】
図3A〜3Cからわかるように、対照(未処理細胞)と比較したリードスルー活性は、野生型細胞では影響を受けない(およそ100%)。しかしながら、3種全てのレット症候群変異モデルにおいて、リードスルー活性に対して異なる処理の有意な用量依存性の影響がある(>100%)。化合物NB150、NB151およびNB152は、0.3および1mMの用量でアミノグリコシド抗生物質製剤G418(Geneticin)で示されたレベルに類似したリードスルー活性を示した。この結果は、G418の有意な細胞傷害性に関連する可能性があり、したがってこれは、全体的な限定されたリードスルーレベルに関連していた。
【0634】
実施例3
実施例1の化合物の細胞非含有アッセイにおけるリードスルー活性
【0635】
実験方法:
プラスミドをインビトロで転写させ、ウサギ網状赤血球(TNTミックス)を使用して翻訳し、次いでホタルルシフェラーゼおよびウミシイタケルシフェラーゼの発現レベルについて試験した。WTプラスミドは、ホタルルシフェラーゼおよびウミシイタケルシフェラーゼの両方を発現したが、変異プラスミドは、挿入された配列に見出される終止コドンのためにウミシイタケルシフェラーゼのみを発現した。化合物をインビトロの転写/翻訳反応混合物に添加することによって、リードスルーアッセイを試験化合物および対照で実施した。化合物が未成熟ナンセンス/終止コドン変異の抑制を発揮した場合は、ホタルルシフェラーゼが発現され、その発現において数倍異なる発現が観察された。
【0636】
結果:
嚢胞性線維症(CF)変異G542Xのリードスルー活性を表1に示した化合物を使用して試験し、変異抑制を、ホタル/ウミシイタケ発現比の値に基づいて計算し、WTおよび対照試料(試験化合物なし)の発現レベルに対して正規化した。
【0637】
図4A〜4Fは、本発明の実施形態に係る3つの例示化合物であるNB144、NB145およびNB146について、0〜50μMの濃度範囲内で実施した、嚢胞性線維症のG542Xナンセンス変異抑制の、用量応答性細胞非含有アッセイの結果を示す図である。図4Aは、WT配列の下流に見出されるホタルルシフェラーゼの発現レベルを示し、図4Bは、G542X変異配列の下流に見出されるホタルルシフェラーゼの発現レベルを示し、図4Cは、WT配列の上流に見出されるウミシイタケルシフェラーゼの発現レベルを示し、図4Dは、G542X変異配列の上流に見出されるウミシイタケルシフェラーゼの発現レベルを示し、図4Eは、WT配列で測定したホタル/ウミシイタケ発現比を示し、図4Fは、G542X変異配列で測定したホタル/ウミシイタケ発現比を示す。
【0638】
図4A〜4Fからわかるように、WT配列の上流または下流の発現レベルは、試験化合物の濃度に対して極めて非感受性であり、試験化合物が高濃度のとき、発現レベルの減少は相対的に小さく、これはおそらく残留したそれらのタンパク質合成阻害作用のためである(図4A、4Cおよび4Eを参照)。それとは際立って対照的に、変異配列の下流の発現レベルは強い用量依存性の応答を示す。これは、変異配列の上流では見られず(図4Bおよび4Dを参照)、それゆえに上流の発現レベルに対する下流の発現レベルの比率(ホタル/ウミシイタケ発現比)も強い用量依存性の応答を示し、これは、試験化合物の変異抑制活性の指標である(図4F)。
【0639】
図5A〜5Bは、本発明の実施形態に係る3つの例示化合物であるNB144、NB145およびNB146について、0〜50μMの濃度範囲内で実施した、嚢胞性線維症のG542Xナンセンス変異抑制の、用量応答性細胞非含有アッセイの結果を示す図である。図5Aは、対照実験(化合物の添加なし)で得られた発現レベルに対する割合としての、変異配列の下流に見出されるホタルルシフェラーゼの発現レベルを示し、図5Bは、対照実験における発現レベルに対する割合としての、変異配列の下流および上流におけるホタル/ウミシイタケ発現比を示す。
【0640】
図5A〜5Bからわかるように、本発明の実施形態に係る3つの例示化合物の変異抑制活性は、明らかに3種全ての化合物について用量依存性であり、特にNB146は、より高いタンパク質合成阻害作用(図4A、4Cおよび4Eを参照)を示し、この作用はホタルルシフェラーゼ遺伝子について顕著だった。
【0641】
図6A〜6Fは、本発明の実施形態に係る3つの例示化合物であるNB150、NB151およびNB152について、0〜50μMの濃度範囲内で実施した、嚢胞性線維症のG542Xナンセンス変異抑制の、用量応答性細胞非含有アッセイの結果を示す図であり、図6Aは、WT配列の下流に見出されるホタルルシフェラーゼの発現レベルを示し、図6Bは、G542X変異配列の下流に見出されるホタルルシフェラーゼの発現レベルを示し、図6Cは、WT配列の上流に見出されるウミシイタケルシフェラーゼの発現レベルを示し、図6Dは、G542X変異配列の上流に見出されるウミシイタケルシフェラーゼの発現レベルを示し、図6Eは、WT配列で測定したホタル/ウミシイタケ発現比を示し、図6Fは、G542X変異配列で測定したホタル/ウミシイタケ発現比を示す。
【0642】
図7A〜7Bは、本発明の実施形態に係る3つの例示化合物であるNB150、NB151およびNB152について、0〜50μMの濃度範囲で実施した、嚢胞性線維症のG542Xナンセンス変異抑制用量応答性細胞非含有アッセイの結果を示す図であり、図7Aは、対照実験(化合物の添加なし)で示された発現レベルに対する割合としての、変異配列の下流に見出されるホタルルシフェラーゼの発現レベルを示し、図7Bは、対照実験における発現レベルに対する割合としての、変異配列の下流および上流におけるホタル/ウミシイタケ発現比を示す。
【0643】
図6A〜6Fおよび図7A〜7Bからわかるように、化合物NB150、NB151およびNB152もまた、図4A〜4Fおよび図5A〜5Bにおいて例示化合物NB144、NB145およびNB146に関して観察されたのと実質的に同じ変異抑制活性、すなわち傑出した用量依存性のリードスルー活性を示した。これは、NB152について、特にウミシイタケルシフェラーゼ遺伝子に関して見られたように、タンパク質合成阻害とある程度相関している。
【0644】
図8A〜8Cは、本発明の実施形態に係る6つの例示化合物であるNB144、NB145、NB146、NB150、NB151およびNB152について、5μMの濃度で実施した、レット症候群のR168X(図8A)、R270X(図8B)およびR294X(図8C)ナンセンス変異抑制の細胞非含有アッセイの結果を示す。ここで示した通り、対照(未処理の細胞抽出物)と比較した場合、野生型細胞抽出物は影響を受けないが(およそ100%)、3種全てのレット症候群変異モデルにおいて、リードスルー活性に対して種々の処理が有意な影響(>>>100%)を与えた。
【0645】
図8A〜8Cからわかるように、試験化合物のリードスルー活性は、タンパク質合成阻害作用よりも顕著且つ実質的であることから、試験された例示化合物の、相対的に低い阻害性副作用と、ナンセンス変異を抑制することにおける有効性が実証された。N1置換誘導体のなかでも、NB146が、NB144およびNB145と比較してより優れた活性を示し、グアニジン誘導体のなかでも、疑似三糖NB152が、NB150およびNB151と比較してより高い活性を示した。これらのデータから、N1位に疎水性部分を包含することは、アミノグリコシドの生物学的作用に顕著な作用を有することが示唆される。
【0646】
実施例4
本発明の一部の実施形態に係る例示的なジオール含有アミノグリコシドの化学合成
【0647】
一般的な技術:
NMRスペクトル(1H、13C、DEPT、2D−COSY、1D TOCSY、HMQC、HMBCなど)を、Bruker Avance(商標)500分光計で慣例的に記録した。報告された化学シフト(ppmで)は、溶媒としてCDClを含む内部MeSi(δ=0.0)、および溶媒としてMeOD(δ=3.35)に対するものである。13C NMRスペクトルを、Bruker Avance(商標)500分光計において125.8MHzで記録し、化学シフトを、CDClの溶媒シグナル(δ=77.00)、またはMeODの溶媒シグナル(δ=49.0)に対して報告した(ppmで)。
【0648】
エレクトロスプレーイオン化(ESI)下でのBruker Daltonix Apex 3質量分析計、またはTSQ−70B質量分析計(Finnigan Mat)のいずれかで質量スペクトル分析を達成した。
【0649】
シリカゲル60F254(0.25mm、Merck)でのTLCにより反応をモニターし、10%HSO(800mL)中に(NH)Mo24・4HO(120グラム)および(NHCe(NO(5グラム)を含有する黄色の溶液を注入することによりスポットを可視化した。
【0650】
フラッシュカラムクロマトグラフィーをシリカゲル60(70〜230メッシュ)で実行した。
【0651】
全ての反応を、別段の指定がない限り、アルゴン雰囲気下で無水溶媒を用いて行った。
【0652】
G418(geneticin)およびゲンタマイシンをSigmaから購入した。全ての他の化学物質および生化学的物質を、別段の指定がない限り、商業的な供給源から得た。
【0653】
以下の表3に示した化合物NB153、NB155、NB156およびNB157は、上述した通り、さらに後述の詳細の通りに実質的に調製した。
【0654】
全ての構造を、質量分析と共に、1D TOCSY、2D COSY、2D H−13C HMQCおよびHMBCなどの様々な1Dおよび2DのNMR技術の組合せにより確認した。
【0655】
【表3a】
【0656】
【表3b】
【0657】
疑似二糖NB153およびNB155の合成:
NB153およびNB155疑似二糖は、6’,7’−ジオールのC6’位における2つのジアステレオマーであり、それぞれ6’−(R)配置および6’−(S)配置を示す。
【0658】
化合物NB153およびNB155の合成は、以下のスキーム8に示した。
【化31】
【0659】
試薬および条件:(i)(a)TIPSCl、DMF、4−DMAP、0〜25℃、83%;(b)PMBCl、NaH、DMF、0〜25℃、84%;(ii)(a)TBAF、THF、0〜25℃、88%;(b)IBX、EtOAc、80℃、85%;(c)CHP(Ph)I、n−BuLi、THF、0〜25℃、56%;(iii)KOsO・2HO、NMO、アセトン/HO/t−BuOH、93%(3:1の比率);(iv)(a)DDQ、CHCl/HO;(b)AcO、Py、0〜25℃、2工程で91%;(c)NaOMe、MeOH、60%;(v)PMe、THF、NaOH(0.1M)、73%[NB153];78%[NB155]。
【0660】
簡単に言えば、ペルアジド誘導体18をTIPSClで選択的に保護し、残存するヒドロキシルをpメトキシベンジル(PMB)基で保護して、19を得た。TBAFによるシリル基の選択的な脱保護に続いて、2−ヨードキシ安息香酸(IBX)による酸化およびウィッティヒ反応を行い、末端のアルケン20を得た。アルケン20をジヒドロキシ化して、6−ジアステレオマーの分離不可能な混合物としてジオール21を提供した。21のDDQによる処理に続いて、アセチル化(AcO)および脱アセチル化(NaOMe)工程を行い、6’−ジアステレオマーの混合物(約3:1の比率)を得て、これをカラムクロマトグラフィーによりうまく分離して、主要なジアステレオマー22および副ジアステレオマー23を得た。6’位における絶対配置を、以下で詳述するようにH−NMRの磁気異方性を使用することによって割り当て、それによりそれぞれ主および副ジアステレオマーの6−(R)−および6−(S)−配置を確立した。2つのジアステレオマー22および23を別々にシュタウディンガー反応に供して、それぞれ疑似二糖NB153およびNB155を生産した。
【0661】
(2R,3S,4R,5R,6S)−5−アジド−6−(((1R,2R,3S,4R,6S)−4,6−ジアジド−2,3−ジヒドロキシシクロヘキシル)オキシ)−2−(ヒドロキシメチル)テトラヒドロ−2H−ピラン−3,4−ジオール(化合物18)の合成:化合物18をこれまでに公開された手順[Nyffeler et al. J. Am. Chem. Soc. 2002, 124, 10773-10778]に従って調製した。簡単に言えば、パロマミン(1.0グラム、3.0mmol)、NaHCO(3.1グラム、36.9mmol)および硫酸銅(II)(6mg、0.24mmol)を水(5.0mL)中に溶解した。TfO(4.6mL、27.6mmol)およびNaN(3.6グラム、55.7mmol)から調製されたトリフリン酸アジドストック溶液を添加し、続いてメタノール(40mL)を添加して、均一な溶液を得た。反応混合物(青色)を室温で激しく撹拌し、反応の完了を青色から緑色への変化によりモニターした。48時間撹拌した後、TLC(EtOAc/MeOH 95:5)分析により反応の完了が判明した。乾燥するまで溶媒を蒸発させ、残留物を、カラムクロマトグラフィー(EtOAc100%)に供することによって、化合物18を得た(650mg、52%収量)。
【0662】
H NMR(500MHz,MeOD):「環I」:δ=H 5.69(d,1H,J=3.7Hz,H−1)、3.99(ddd,1H,J=9.9,4.1,2.6Hz,H−5)、3.94(dd,1H,J=10.2,9.1Hz,H−3)、3.84(dd,1H,J=11.9,2.3Hz,H−6)、3.78(dd,1H,J=11.8,4.4Hz,H−6)、3.46(dd,1H,J=9.7,9.3Hz,H−4)、3.13(dd,1H,J=10.5,3.7Hz,H−2);「環II」:δH 3.80(t,1H,J=8.8Hz,H−5)、3.77〜3.67(m,3H,H−1,H−3,H−4)、3.56(t,1H,J=9.6Hz,H−6)、2.59〜2.48(m,1H)、1.68(dd,1H,J=26.3,12.7Hz,H−2)。
【0663】
13C NMR(125MHz,MeOD):δ=C 99.3(C1’)、80.7、77.8(C5)、77.7(C6)、73.9(C5’)、72.4(C3’)、71.6、64.8(C2’)、62.1(C6’)、61.6、60.9、33.1(C2)。
【0664】
MALDI TOFMS:C1219([M+K]+)の計算値m/e 440.3;実測値m/e 440.2。
【0665】
(((2R,3S,4R,5R,6S)−5−アジド−6−(((1R,2R,3S,4R,6S)−4,6−ジアジド−2,3−ビス((4−メトキシベンジル)オキシ)シクロヘキシル)オキシ)−3,4−ビス((4−メトキシベンジル)オキシ)テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)メトキシ)トリイソプロピルシラン(化合物19)の合成:化合物18(11.6グラム、28.9mmol)を無水DMF(80mL)中に溶解し、0℃に冷却した。トリイソプロピルシリルクロリド(TIPSCl、8mL、37.3mmol)を一滴ずつ添加し、続いて4−DMAP(10.6グラム、86.7mmol)を添加した。反応混合物を撹拌しながらそのまま室温にし、TLC(EtOAc/ヘキサン 7:3)により反応の進行をモニターしたところ、5時間後に完了が判明した。反応混合物を酢酸エチル(50mL)およびHO(20mL)で希釈し、2つに相分離した。水相を酢酸エチルで徹底的に洗浄した(4×30mL)。合わせた有機相を、飽和NaCl溶液で洗浄し、無水MgSO上で脱水した。乾燥するまで溶媒を蒸発させ、残留物を、カラムクロマトグラフィー(EtOAc/ヘキサン 25:75)に供して、対応するシリルエーテル(18a)を得た(13.3グラム、83%)。
【0666】
H NMR(500MHz,CDCl):「環I」:δ=H 5.14(d,1H,J=4.0Hz,H−1)、4.09〜4.02(m,2H,H−3,H−6)、3.98(td,1H,J1=8.0,J2=4.5Hz,H−5)、3.82(dd,1H,J1=9.5,J2=8.0Hz,H−6)、3.66(t,1H,J=9.0Hz,H−4)、3.48(dd,1H,J1=10.5,J2=4.0Hz,H−2);「環II」:δ=H 3.52(t,1H,J=8.0Hz,H−5)、3.47〜3.37(m,2H,H−1,H−6)、3.34〜3.22(m,2H,H−3,H−4)、2.29(dt,1H,J1=12.0,J2=4.0Hz,H−2eq)、1.47(ddd,1H,J1=J2=J3=12.0Hz,H−2ax);スペクトル中の追加のピークを以下のように同定した:δ=H 1.16〜1.09(m,3H,TIPS)、1.07(s,12H,TIPS)、1.06(s,6H,TIPS)。
【0667】
13C NMR(125MHz,CDCl):δ=C 99.3(C1’)、83.4(C4)、76.1(C5)、75.5(C6)、75.1(C4’)、72.6(C3’)、69.6(C5’)、66.0(C6’)、63.5(C2’)、59.8(C1)、58.9(C3)、32.1(C2)、17.9(2C,TIPS)、11.8(TIPS)。
【0668】
MALDI TOFMS:C2139Si([M+Na]+)の計算値m/e 580.6;実測値m/e 580.3。
【0669】
DMF(200mL)中に上記のシリルエーテル(9.82グラム、17.6mmol)および水素化ナトリウム(3.38グラム、140mmol)を撹拌した溶液に、0℃でp−メトキシベンジルクロリド(14.3mL、105.3mmol)を添加した。TLC(EtOAc/ヘキサン 3:7)により反応の進行をモニターした。8時間後、反応が完了し、氷を少量ずつ添加して、反応をクエンチした。混合物を酢酸エチル(100mL)で希釈し、水(2×50mL)で洗浄した。合わせた水層をジエチルエーテル(2×50mL)で抽出し、合わせた有機相を無水MgSO上で脱水し、乾燥するまで蒸発させた。残留物をカラムクロマトグラフィーで精製し(EtOAc/ヘキサン 8:92)、それによって化合物19を得た(15.28グラム、84%)。
【0670】
H NMR(500MHz,CDCl):「環I」:δ=H 5.45(d,1H,J=3.5Hz,H−1)、3.94(m,2H,H−3,H−5)、3.88〜3.78(m,2H,H−6)、3.59(t,1H,J=9.5Hz,H−4)、3.17(dd,1H,J1=10.5,J2=3.5Hz,H−2);「環II」:δ=H 3.56〜3.42(m,2H,H−4,H−5)、3.41〜3.32(m,1H,H−1)、3.32〜3.20(m,2H,H−3,H−6)、2.17(dt,1H,J1=12.5,J2=4.0Hz,H−2eq)、1.34(ddd,1H,J1=J2=J3=12.5Hz,H−2ax); スペクトル中の追加のピークを以下のように同定した:δ=H 7.21(d,2H,J=8.0Hz,PMB)、7.17(d,6H,J=8.0Hz,PMB)、6.85〜6.72(m,8H,PMB)、4.86(d,1H,J=10.0Hz,PMB)、4.80〜4.65(m,6H,PMB)、4.61(d,1H,J=10.0Hz,PMB)、3.74〜3.68(m,12H,PMB)、1.04〜0.94(m,21H,TIPS)。
【0671】
13C NMR(125MHz,CDCl):δ=C 159.5(PMB)、159.4(PMB)、159.3(PMB)、159.2(PMB)、130.7(PMB)、130.3(PMB)、130.2(PMB)、129.9(PMB)、129.8(PMB)、129.7(PMB)、129.3(PMB)、128.7(PMB)、113.9(2C,PMB)、97.5(C1’)、84.5、84.4、79.8、77.9(C4’)、76.9、75.6(PMB)、75.2(PMB)、74.9(PMB)、74.5(PMB)、72.9、63.5(C2’)、62.3(C6’)、60.3(C1)、59.5、55.3(4C,PMB)、32.4(C2)、18.1(2C,TIPS)、12.1(TIPS)。
【0672】
MALDI TOFMS:C537111Si([M+Na]+)の計算値m/e 1061.2;実測値m/e 1061.6。
【0673】
(2R,3R,4R,5R,6R)−3−アジド−2−(((1R,2R,3S,4R,6S)−4,6−ジアジド−2,3−ビス((4−メトキシベンジル)オキシ)シクロヘキシル)オキシ)−4,5−ビス((4−メトキシベンジル)オキシ)−6−ビニルテトラヒドロ−2H−ピラン(化合物20)の合成:0℃でTHF(230mL)中に化合物19(19.82グラム、19mmol)を撹拌した溶液に、TBAF(11.05mL、38.1mmol)を添加し、TLC(EtOAc/ヘキサン 2:3)により反応の進行をモニターした。19時間後、乾燥するまで溶媒を蒸発させ、得られた残留物を、カラムクロマトグラフィー(EtOAc/ヘキサン 3:7)に供することによって、対応する6’−アルコールを得た(14.74グラム、88%)。
【0674】
H NMR(500MHz,CDCl):「環I」:δ=H 5.51(d,1H,J=4.0Hz,H−1)、3.98(dt,1H,J1=8.0,J2=2.0Hz,H−5)、3.92(t,1H,J=10.0Hz,H−3)、3.70(dd,1H,J1=12.0,J2=2.0Hz,H−6)、3.64(dd,1H,J1=12.0,J2=2.0Hz,H−6)、3.49(dd,1H,J1=10.0,J2=8.0Hz,H−4)、3.17(dd,1H,J1=10.0,J2=4.0Hz,H−2);「環II」:δ=H 3.53〜3.44(m,2H,H−4,H−5)、3.38(ddd,1H,J1=12.5,J2=10.0,J3=4.5Hz,H−1)、3.34〜3.24(m,2H,H−3,H−6)、2.20(dt,1H,J1=12.5,J2=4.5Hz,H−2eq)、1.36(ddd,1H,J1=J2=J3=12.5Hz,H−2ax);スペクトル中の追加のピークを以下のように同定した:δ=H 7.23(d,2H,J=8.0Hz,PMB)、7.20〜7.14(m,6H,PMB)、6.83〜6.75(m,8H,PMB)、4.89(d,1H,J=10.0Hz,PMB)、4.80〜4.68(m,6H,PMB)、4.55(d,1H,J=10.0Hz,PMB)、3.73〜3.7(m,12H,PMB)。
【0675】
13C NMR(125MHz,CDCl):δ=C 159.5(PMB)、159.4(2C,PMB)、159.2(PMB)、130.2(PMB)、130.1(2C,PMB)、129.9(PMB)、129.8(PMB)、129.6(2C,PMB)、128.8(PMB)、114.0(2C,PMB)、113.9(2C,PMB)、97.6(C1’)、84.4,84.3,79.8(C3’)、77.4,75.6(PMB)、75.2(PMB)、75.1(PMB)、74.6(PMB)、72.0(C5’)、63.3(C2’)、61.4(C6’)、60.3(C1)、59.5,55.3(3C,PMB)、32.4(C2)。
【0676】
MALDI TOFMS:C44H5111([M+Na]+)の計算値m/e 903.3;実測値m/e 903.9。
【0677】
上記反応から得た6’−アルコール(100mg、0.11mmol)を含む酢酸エチル(5mL)の溶液に、IBX(95mg、0.33mmol)を一部ずつ添加した。得られた懸濁液を80℃で加熱し、激しく撹拌した。反応の完了(3.5時間)がTLC(EtOAc/ヘキサン 2:3)により判明した後、反応物を室温に冷却し、Celite(登録商標)を通過させて濾過した。Celite(登録商標)を酢酸エチル(2×50mL)で徹底的に洗浄し、合わせた有機相を減圧下で蒸発させた。未精製の生成物を、フラッシュカラムクロマトグラフィー(EtOAc/ヘキサン 35:65)に供し、それによって6’−アルデヒドを得た(85mg、85%)。
【0678】
H NMR(500MHz,CDCl):「環I」:δ=H 9.53(s,1H,H−6)、5.56(d,1H,J=4.0Hz,H−1)、4.60(d,1H,J=10.0Hz,H−4)、3.98(dd,1H,J1=J2=10.0Hz,H−3)、3.52〜3.45(m,1H,H−5)、3.17(dd,1H,J1=10.0,J2=4.0Hz,H−2);「環II」:δ=H 3.53〜3.43(m,2H,H−4,H−5)、3.37(ddd,1H,J1=12.0,J2=10.0,J3=4.0Hz,H−1)、3.33〜3.24(m,2H,H−3,H−6)、2.20(dt,1H,J1=12.5,J2=4.0Hz,H−2eq)、1.35(ddd,1H,J1=J2=J3=12.5Hz,H−2ax);スペクトル中の追加のピークを以下のように同定した:δ=H 7.23(d,2H,J=8.0Hz,PMB)、7.19〜7.10(m,6H,PMB)、6.83〜6.72(m,8H,PMB)、4.89(d,1H,J=10.0Hz,PMB)、4.80〜4.64(m,6H,PMB)、4.51(d,1H,J=10.0Hz,PMB)、3.73(s,3H,PMB)、3.71(s,6H,PMB)、3.70(s,3H,PMB)。
【0679】
13C NMR(125MHz,CDCl):δ=C 197.3(CHO)、159.7(PMB)、159.6(2C,PMB)、159.2(PMB)、130.2(PMB)、130.0(PMB)、129.9(2C,PMB)、129.7(PMB)、129.6(PMB)、129.3(PMB)、128.6(PMB)、114.1(PMB)、114.0(3C,PMB)、97.5(C1’)、84.3,84.2,79.8(C3’)、78.0,77.6,75.6(PMB)、75.5(PMB)、75.2(C4’)、75.1(PMB)、74.8(PMB)、62.8(C2’)、60.2(C1)、59.1,55.4(PMB)、55.3(PMB)、32.21(C2)。
【0680】
MALDI TOFMS:C44H49N9O11([M+Na]+)の計算値m/e 902.3;実測値m/e 902.3。
【0681】
メチルトリフェニルホスホニウムヨージド(70mg、0.19mmol)を含む0℃の無水THFである冷却した懸濁液に、n−BuLi(ヘキサン中1.6M、136μL)を一滴ずつ添加し、得られた黄色の溶液を0℃でさらに30分間撹拌した。その後、前の工程で得た6’−アルデヒド(61mg、0.069mmol)を含む無水THF(0.3mL)を0℃でさらに添加し、反応液を室温で追加の1.5時間にわたりそのまま撹拌した。反応の完了がTLC(EtOAc/ヘキサン 2:3)により示された後、反応を飽和NHCl溶液でクエンチした。相分離し、水相を、エーテル(2×10mL)で抽出した。合わせた有機相を、ブラインで洗浄し、無水MgSOで脱水し、乾燥するまで蒸発させた。未精製の生成物を、フラッシュクロマトグラフィー(EtOAc/ヘキサン 2.5:7.5)によって精製して、化合物20を得た(27mg、56%)。
【0682】
H NMR(500MHz,CDCl):「環I」:δ=H 5.83〜5.74(m,1H,H−6)、5.47(d,1H,J=4.0Hz,H−1)、5.37(d,1H,J=16.5Hz,H−7trans)、5.21(d,1H,J=9.5Hz,H−7cis)、4.49(dd,1H,J1=9.5,J2=7.5Hz,H−5)、3.90(t,1H,J=9.5Hz,H−3)、3.25〜3.14(m,2H,H−2,H−4);「環II」:δ=H 3.54〜3.44(m,2H,H−4,H−5)、3.38(ddd,1H,J1=12.0,J2=9.5,J3=4.0Hz,H−1)、3.34〜3.25(m,2H,H−3,H−6)、2.21(dt,1H,J1=12.5,J2=4.0Hz,H−2eq)、1.38(ddd,1H,J1=J2=J3=12.5Hz,H−2ax);スペクトル中の追加のピークを以下のように同定した:δ=H 7.25〜7.09(m,8H,PMB)、6.84〜6.73(m,8H,PMB)、4.88(d,1H,J=10.0Hz,PMB)、4.77(dd,2H,J=10.0,2.5Hz,PMB)、4.74〜4.66(m,3H,PMB)、4.59(d,1H,J=10.5Hz,PMB)、4.52(d,1H,J=10.5Hz,PMB)、3.73(s,3H,PMB)、3.72(s,6H,PMB)、3.71(s,3H,PMB)。
【0683】
13C NMR(125MHz,CDCl3):δ=C 159.5(PMB)、159.4(2C,PMB)、159.2(PMB)、134.9(C6’)、130.3(PMB)、130.2(2C,PMB)、129.9(2C,PMB)、129.6(2C,PMB)、128.7(PMB)、118.8(C7’)、114.0(PMB)、113.9(2C,PMB)、97.6(C1’)、84.4、84.3、82.4(C4’)、79.4(C3’)、77.6、75.6(PMB)、75.3(PMB)、75.0(PMB)、74.6(PMB)、72.7(C5’)、63.4(C2’)、60.3(C1)、59.3、55.4(PMB)、55.3(PMB)、32.3(C2)。
【0684】
MALDI TOFMS:C45H51N9O10([M+Na]+)の計算値m/e 900.9;実測値m/e 900.5。
【0685】
1−((2R,3S,4R,5R,6S)−5−アジド−6−(((1R,2R,3S,4R,6S)−4,6−ジアジド−2,3−ビス((4−メトキシベンジル)オキシ)シクロヘキシル)オキシ)−3,4−ビス((4−メトキシベンジル)オキシ)テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)エタン−1,2−ジオール(化合物21)の合成:アセトン(5mL)中に化合物20(383mg、0.436mmol)を撹拌した溶液に、水(1.5mL)およびt−BuOH(5mL)、KOsO・2H2O(16mg、0.043mmol)およびNMO(181μL)を逐次的に添加した。反応の進行をTLC(EtOAc/ヘキサン 2:3)によりモニターしたところ、24時間後に完了が判明した。次いで乾燥するまで溶媒を蒸発させ、残留物をEtOAc中に溶解し、それにNaの水溶液を添加した。相分離し、有機相をブラインで洗浄し、MgSO上で脱水し、蒸発させた。未精製の生成物を、カラムクロマトグラフィー(EtOAc/ヘキサン 1:1)に供することによって、化合物21を6’−ジアステレオマーの混合物として得た(370mg、93%)。
【0686】
(2R,3S,4R,5R,6S)−5−アジド−6−(((1R,2R,3S,4R,6S)−4,6−ジアジド−2,3−ジヒドロキシシクロヘキシル)オキシ)−2−((R)−1,2−ジヒドロキシエチル)テトラヒドロ−2H−ピラン−3,4−ジオール(化合物22)および(2R,3S,4R,5R,6S)−5−アジド−6−(((1R,2R,3S,4R,6S)−4,6−ジアジド−2,3−ジヒドロキシシクロヘキシル)オキシ)−2−((S)−1,2−ジヒドロキシエチル)テトラヒドロ−2H−ピラン−3,4−ジオール(化合物23)の合成:上記で得た化合物21(220mg、1.0当量)を、塩化メチレンおよび水(20:1v/v、15mL)中の2,3−ジクロロ−5,6−ジシアノ−1,4−ベンゾキノン(DDQ)(383mg、6当量)と共に室温で撹拌した。DDQの添加後、暗緑色の電荷移動複合体が即座に形成され、反応が進行するにつれてゆっくりオレンジ色に変化した。TLC(EtOAc/MeOH 98:2)によって、反応が15時間後に完了したことが判明した。次いで溶媒を蒸発させ、残留物を事前の分析を行わずにシリカゲルカラム上にロードした。表題の化合物の高い極性のために、このカラムクロマトグラフィーにより、DDQ反応副産物の部分だけを除去することができた。それゆえに、分析的に純粋な生成物を得るために、生成物を含有する分画を合わせ、蒸発させ、次いで以下のように残留物を過アセチル化および脱アセチル化工程に供した。上記で得た粗生成物を無水ピリジン(5mL)中に溶解させ、0℃に冷却した。無水酢酸(0.73mL、9当量)を一滴ずつ添加し、続いて4−DMAP(0.621グラム、6当量)を添加した。反応の完了(2時間)がTLC(EtOAc/ヘキサン 2:3)により示された後、反応物をEtOAc(20mL)で希釈し、5%HCl溶液、飽和NaHCO、およびブラインで洗浄し、無水MgSO上で脱水した。乾燥するまで溶媒を蒸発させ、残留物を、カラムクロマトグラフィー(EtOAc/ヘキサン 3:7)に供することによって、対応する過酢酸塩を6’−ジアステレオマーの分離不可能な混合物として得た(150mg、2工程で91%)。
【0687】
上記で得た過酢酸塩(215mg、0.314mmol)を無水MeOH(5mL)中に溶解し、撹拌溶液にNaOMe(152mg、2.81mmol)を室温で一部ずつ添加した。TLC(EtOAc/MeOH 95:5)により反応の進行をモニターしたところ、4時間後に完了が判明した。反応混合物を短いシリカゲルカラムに通過し、生成物をMeOHで溶出した。本化合物を含む画分を合わせ、蒸発させ、未精製の生成物を追加のカラムクロマトグラフィー(EtOAc/MeOH 99:1)に供することにより、2つのジアステレオマー、すなわち主(Rf=0.36)および副(Rf=0.2)ジアステレオマーに完全に分離した。後に主ジアステレオマーを、以下で詳述するように、6’−(R)−ジアステレオマー(化合物22)に割り当て、副ジアステレオマーを6’−(S)−ジアステレオマー(化合物23)に割り当てた。
【0688】
主ジアステレオマー(22):H NMR(500MHz,MeOD):「環I」:δ=H 5.68(d,1H,J=4.0Hz,H−1)、4.04(dd,1H,J1=9.5,J2=4.0Hz,H−4)、3.97〜3.92(m,1H,H−6)、3.93(t,1H,J=10.0Hz,H−3)、3.79(dd,1H,J=11.5,3.5Hz,H−7)、3.70(dd,1H,J1=11.5,J2=7.0Hz,H−7)、3.58(t,1H,J=9.5Hz,H−5)、3.13(dd,1H,J1=10.0,J2=4.0Hz,H−2);「環II」:δ=H 3.57〜3.47(m,3H,H−3,H−4,H−5)、3.44(ddd,1H,J1=16.5,J2=8.5,J3=4.0Hz,H−1)、3.29(t,1H,J=9.5Hz,H−6)、2.26(dt,1H,J1=12.5,J2=4.0Hz,H−2eq)、1.43(ddd,1H,J1=J2=J3=12.5Hz,H−2ax)。
【0689】
13C NMR(125MHz,MeOD):δ=C 99.1(C1’)、80.5、77.9(C6)、77.9、74.8(C6’)、73.7(C4’)、72.9(C5’)、72.3(C3’)、64.5(C2’)、64.3(C7’)、61.7(C1)、61.0、33.3(C2)。
【0690】
MALDI TOFMS:C1327([M+H]+)の計算値m/e 432.3;実測値m/e 432.8。
【0691】
副ジアステレオマー(23):H NMR(500MHz,MeOD):環I’:δ=H 5.72(d,1H,J=3.6Hz,H−1)、4.00(ddd,1H,J1=6.8,J2=6.0,J3=1.1Hz,H−6)、3.97〜3.91(m,2H,H−5,H−3)、3.74〜3.67(m,2H,H−7,H−7)、3.64〜3.59(m,1H,H−4)、3.10(dd,1H,J1=10.5,J2=3.7Hz,H−1);「環II」:δ=H 3.57〜3.50(m,2H,H−1,H−6)、3.45〜3.37(m,2H,H−3,H−4)、3.26(t,1H,J=9.5Hz,H−5)、2.24(dt,1H,J1=12.8,J2=4.4Hz,H−2eq)、1.40(ddd,1H,J1=J2=J3=12.5Hz,H−2ax)。
【0692】
13C NMR(125MHz,MeOD):δ=C 99.1(C−1’)、80.1(C−4)、78.0(C−6)、77.8(C−5)、73.1(C−5’)、72.3(C−3’)、71.3(C−4’)、70.8(C−6’)、65.3(C−7’)、64.4(C−2’)、61.7(C−3)、61.1(C−1)、33.3(C−2)。
【0693】
MALDI TOFMS:C13H27N3O8([M+H]+)の計算値m/e 432.3;実測値m/e 432.8。
【0694】
(2R,3S,4R,5R,6S)−5−アミノ−6−(((1R,2R,3S,4R,6S)−4,6−ジアミノ−2,3−ジヒドロキシシクロヘキシル)オキシ)−2−((R)−1,2−ジヒドロキシエチル)テトラヒドロ−2H−ピラン−3,4−ジオール[NB153((R)−ジアステレオマー)]の合成:THF(3mL)およびNaOH水溶液(1mM、5mL)の混合物中に化合物22(82mg、0.19mmol)を撹拌した溶液に、PMe(THF中の1M溶液、0.15mL、2.5mmol)を添加した。反応の進行をTLC[CHCl/MeOH/HO/MeNH(EtOH中の33%溶液)、10:15:6:15]によりモニターしたところ、1時間後に完了が判明した。その後反応混合物をシリカゲルの短いカラムでのフラッシュクロマトグラフィーにより精製した。カラムを、以下の溶媒:THF(100mL)、CHCl(100mL)、EtOH(50mL)、およびMeOH(100mL)で洗浄した。次いで生成物を5%MeNH溶液(EtOH中の33%溶液)を含む80%MeOHである混合物で溶出した。生成物を含有する画分を合わせて、真空中で蒸発させた。上記の生成物をAmberlite CG50(NH4型)の短いカラムに通過させることにより、純粋な生成物を得た。最初に、カラムを水で洗浄し、次いで生成物を10%NHOH水溶液である混合物で溶出することによって、NB153(49.0mg、73%)を得た。貯蔵および生物学的試験のために、NB153を、以下のようにしてその硫酸塩の形態に変換した:遊離塩基の形態を水中に溶解させ、pHをHSO(0.1N)で6.7に調整し、凍結乾燥して、NB153の硫酸塩を白色の泡沫状の固体として得た。
【0695】
H−NMR(500MHz,MeOD,−NH2型):「環I」:δ=H 5.18(d,1H,J=4.0Hz,H−1)、3.98〜3.93(m,1H,H−6)、3.90(dd,1H,J1=10.0,J2=4.0Hz,H−4)、3.76(dd,1H,J1=11.5,J2=4.0Hz,H−7)、3.70(dd,1H,J1=11.5,J2=6.0Hz,H−7)、3.51(t,1H,J=10.0Hz,H−3)、3.44(m,1H,H−5)、2.74(dd,1H,J1=10.0,J2=4.0Hz,H−2);「環II」:δ=H 3.43(t,1H,J=9.0Hz,H−5)、3.20(t,1H,J=9.0Hz,H−4)、3.10(t,1H,J=9.5Hz,H−6)、2.77(ddd,1H,J1=10.5,J2=9.0,J3=5.0Hz,H−3)、2.66(ddd,1H,J1=10.5,J2=9.5,J3=5.0Hz,H−1)、2.02(dt,1H,J1=12.5,J2=4.0Hz,H−2eq)、1.22(ddd,1H,J1=J2=J3=12.5Hz,H−2ax)。
【0696】
13C NMR(125MHz,MeOD):δC 102.9(C−1’)、90.0(C−4)、78.2(C−6)、77.5、75.6(C−3’)、74.3(C−4’)、73.6(C−6’)、73.3、63.3(C−7’)、57.1(C−2’)、52.4(C−3)、51.3(C−1)、36.7(C2)。
【0697】
MALDI TOFMS:C1327([M+H]+)の計算値m/e 354.3;実測値m/e 354.8。
【0698】
(2R,3S,4R,5R,6S)−5−アミノ−6−(((1R,2R,3S,4R,6S)−4,6−ジアミノ−2,3−ジヒドロキシシクロヘキシル)オキシ)−2−((S)−1,2−ジヒドロキシエチル)テトラヒドロ−2H−ピラン−3,4−ジオール[NB155((S)−ジアステレオマー)]の合成:THF(3mL)およびNaOH水溶液(1mM、5mL)の混合物中に化合物23(52mg、0.12mmol)を撹拌した溶液に、PMe(THF中の1M溶液、0.15mL、2.5mmol)を添加した。反応の進行をTLC[CHCl/MeOH/HO/MeNH(EtOH中の33%溶液)、10:15:6:15]によりモニターしたところ、1時間後に完了が判明した。反応混合物を、シリカゲルの短いカラムでのフラッシュクロマトグラフィーによって精製した。カラムを、以下の溶媒:THF(100mL)、CHCl(100mL)、EtOH(50mL)、およびMeOH(100mL)で洗浄した。次いで生成物を5%MeNH溶液(EtOH中の33%溶液)を含む80%MeOHである混合物で溶出した。生成物を含有する画分を合わせて、真空中で蒸発させた。上記の生成物をAmberlite CG50(NH4型)の短いカラムに通過させることにより、純粋な生成物を得た。最初に、カラムを水で洗浄し、次いで生成物を10%NHOH水溶液である混合物で溶出することによって、NB155を得た(36.0mg、78%)。貯蔵および生物学的試験のために、NB155を、以下のようにしてその硫酸塩の形態に変換した:遊離塩基の形態を水中に溶解させ、pHをHSO(0.1N)で6.7に調整し、凍結乾燥して、NB155の硫酸塩を白色の泡沫状の固体として得た。
【0699】
H NMR(500MHz,MeOD,−NH2型):「環I」:δ=H 5.28(d,1H,J=3.8Hz,H−1’)、3.97(td,1H,J1=7.1,J2=1.0Hz,H−6’)、3.89〜3.82(m,1H,H−4’)、3.63(d,2H,J=7.2Hz,H−7’,H−7’)、3.59〜3.51(m,2H,H−5’,H−3’)、2.72(m,1H,H−2’);「環II」:δ=H 3.41(t,1H,J=9.1Hz,H−5)、3.20(t,1H,J=9.2Hz,H−4)、3.08(t,1H,J=9.4Hz,H−6)、2.74(m,1H,H−3)、2.64(ddd,1H,J1=12.2,J2=9.7,J3=4.1Hz,H−1)、2.00(dt,1H,J1=12.9,J2=4.1Hz,H−2eq)、1.21(ddd,1H,J1=J2=J3=12.3Hz,H−2ax)。
【0700】
13C NMR(125MHz,MeOD):δ=C 102.9(C−1’)、89.6(C−4)、79.0(C−6)、77.9(C−5)、75.8(C−3’)、72.3(C−4’)、71.1(C−5’)、70.2(C−6’)、63.2(C−7’)、57.1(C−2’)、52.4(C−1)、51.4(C−3)、37.7(C−2)。
【0701】
MALDI TOFMS:C1327([M+H]+)の計算値m/e 354.3;実測値m/e 354.8。
【0702】
疑似三糖NB156およびNB157の合成:
化合物NB156およびNB157の合成を以下のスキーム9に示したが、これらの合成は、NB153およびNB155の場合と実質的に同じ化学的変換を使用することにより、中間化合物22から達成した。
【0703】
【化32】
【0704】
試薬および条件:(i)AcO、Py.、−20℃、53%;(ii)BF−OEt、CHCl、−30℃、27の85%、28の93%;(iii)(a)MeNH、r.t.、80%(R=H)、98%(R=CH);(b)PMe、THF、NaOH(0.1M)、NB156の60%、NB157の64%。
【0705】
簡単に言えば、低温でAcOを用いた化合物22の位置選択的なアセチル化により、対応するC5アクセプター化合物24を得た。24をグリコシル化するために、もっぱらβ−アノマーとして、対応する疑似三糖27および28のそれぞれの単離収量が85%および93%となるように供給するトリクロロアセミデートドナー25および26を供給した。メチルアミンによる処理に続いて、シュタウディンガー反応を行い、NB156およびNB157を得た。
【0706】
NB156の合成:
(2R,3S,4R,5R,6S)−6−(((1R,2S,3S,4R,6S)−3−アセトキシ−4,6−ジアジド−2−ヒドロキシシクロヘキシル)オキシ)−5−アジド−2−((R)−1,2−ジアセトキシエチル)テトラヒドロ−2H−ピラン−3,4−ジイルジアセテート(24)の合成:化合物22(370mg、0.857mmol)を無水ピリジン(8mL)中に溶解し、−20℃に冷却した。無水酢酸(0.45mL、4.8mmol)を一滴ずつ添加し、反応をそのまま−20℃で進行させた。TLCにより反応の進行をモニターしたところ、17時間後に完了が判明した。反応混合物をEtOAcで希釈し、HClの水溶液(2%)、NaHCOの飽和水溶液、およびブラインで抽出した。合わせた有機相を無水MgSO上で脱水し、濃縮した。未精製の生成物を、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(EtOAc/ヘキサン 3:7)によって精製して、化合物24を得た(292mg、53%収量)。
【0707】
H NMR(500MHz,CDCl):「環I」:δ=H 5.45(dd,1H,J1=10.5,J2=9.3Hz,H−3’)、5.37(d,1H,J=3.5Hz,H−1’)、5.19(ddd,1H,J1=7.6,J2=4.0,J3=2.0Hz,H−6’)、5.07(dd,1H,J1=10.4,J2=9.2Hz,H−4’)、4.40(dd,1H,J1=10.5,J2=1.8Hz,H−5’)、4.31(dd,1H,J1=12.0,J2=4.1Hz,H−7’)、4.19〜4.08(m,1H,H−7’)、3.63〜3.56(m,1H,H−2’);「環II」:δ=H 4.91(dd,1H,J1=12.8,J2=7.1Hz,H−6) 3.66(td,1H,J1=9.6,J2=3.5Hz,H−5)、3.53(ddd,1H,J1=12.4,J2=10.1,J3=4.5Hz,H−1)、3.45(dd,1H,J1=19.1,J2=9.2Hz,H−4)、3.38〜3.31(m,1H,H−3)、2.38(dt,1H,J1=13.2,J2=4.4Hz,H−2eq)、1.58(ddd,1H,J1=J2=J3=12.6Hz,H−2ax)。スペクトル中の追加のピークを以下のように同定した:δ=H 2.17(s,3H,CHCO)、2.08(d,9H,J=1.5Hz,CHCO)、2.04(s,3H,CHCO)。
【0708】
13C NMR(125MHz,CDCl):δ=C 170.7(C=O)、170.6(C=O)、170.2(C=O)、170.0(C=O)、169.9(C=O)、98.5(C−1’)、82.9(C−4)、75.1(C−6)、74.6(C−5)、71.4(C−3’)、70.0(C−6’)、69.9(C−5’)、68.9(C−4’)、61.8(C−7’)、61.5(C−2’)、58.2(C−3)、58.0(C−1)、32.0(C−2)、20.96(CH)、20.92(CH)、20.89(CH)、20.86(CH)、20.8(CH)、20.7(CH)。
【0709】
MALDI TOFMS:C233113([M+Na]+)の計算値m/e 664.20;実測値m/e 664.20。
【0710】
(2S,3S,4S,5R)−2−(((1S,2S,3R,5S,6R)−2−アセトキシ−3,5−ジアジド−6−(((2S,3R,4R,5S,6R)−4,5−ジアセトキシ−3−アジド−6−((R)−1,2−ジアセトキシエチル)テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)オキシ)シクロヘキシル)オキシ)−5−(アジドメチル)テトラヒドロフラン−3,4−ジイルジベンゾエート(27)の合成:無水CHCl(15mL)を、粉末化し、火炎乾燥した4Å分子篩(2.0グラム)に添加し、続いてアクセプター化合物24(292mg、0.455mmol)およびドナー化合物25(1.0グラム、1.9mmol)を添加した。反応混合物を室温で10分間撹拌し、次いで−30℃に冷却した。触媒となる量のBF−EtO(50μL)を添加し、混合物を−30℃で撹拌し、TLCにより反応の進行をモニターしたところ、60分後に完了が判明した。反応混合物を酢酸エチルで希釈し、飽和NaHCOおよびブラインで洗浄した。合わせた有機相をMgSO上で脱水し、蒸発させ、カラムクロマトグラフィー(EtOAc/ヘキサン)に供して、化合物27を得た(393mg、85%収量)。
【0711】
H NMR(500MHz,CDCl):「環I」:δ=H 5.87(d,1H,J=3.8Hz,H−1)、5.42〜5.34(m,1H,H−3)、5.24〜5.13(m,1H,H−6)、5.10〜5.03(m,1H,H−4)、4.54(dd,1H,J1=10.5,J2=2.2Hz,H−5)、4.33(dd,1H,J1=12.0,J2=4.1Hz,H−7)、4.20(dd,1H,J1=11.9,J2=7.8Hz,H−7)、3.50(dd,1H,J1=10.9,J2=3.8Hz,H−2);「環II」:δ=H 5.01(t,1H,J=10.0Hz,H−6)、3.87(t,1H,J=9.3Hz,H−5)、3.71(t,1H,J=9.5Hz,H−4)、3.57〜3.48(m,2H,H−1,H−3)、2.38(dt,1H,J1=12.9,J2=4.3Hz,H−2eq)、1.52(ddd,1H,J1=J2=J3=12.7Hz,H−2ax);「環III」:δ=H 5.61(s,1H,H−1)、5.57(d,1H,J=4.7Hz,H−2)、5.42〜5.35(m,1H,H−3)、4.59〜4.47(m,1H,H−4)、3.63〜3.55(m,2H,H−5,H−5)。スペクトル中の追加のピークを以下のように同定した:δ=H 7.93(d,2H,J=7.1Hz,Ar)、7.87(d,2H,J=7.1Hz,Ar)、7.54(dt,2H,J1=19.0,J2=7.4Hz,Ar)、7.39(t,2H,J=7.8Hz,Ar)、7.34(t,2H,J=7.8Hz,Ar)、2.29(s,3H,CH)、2.08〜2.04(m,12H,4xCH)。
【0712】
13C NMR(125MHz,CDCl):δ=C 170.7(C=O)、170.1(C=O)、170.08(C=O)、170.06(C=O)、169.9(C=O)、165.5(Ar)、165.2(Ar)、133.8(Ar)、133.7(Ar)、129.8(Ar)、129.7(Ar)、128.8(Ar)、128.68(Ar)、128.63(Ar)、128.5(Ar)、107.7(C−1”)、96.1(C−1’)、80.9(C−4”)、79.8(C−5)、77.2(C−4)、74.5(C−2”)、73.9(C−6)、72.0(C−3’)、70.7(C−3”)、69.9(C−6’)、69.2(C−5’)、68.8(C−4’)、61.5(C−7’)、61.4(C−2’)、58.9(C−3)、58.3(C−1)、53.1(C−5”)、32.1(C−2)、21.04(CH)、21.03(CH)、20.8(CH)、20.7(CH)、20.6(CH)。
【0713】
MALDI TOFMS:C42461218([M+Na]+)の計算値m/e 1029.31;実測値m/e 1029.29。
【0714】
(2R,3S,4R,5R,6S)−5−アミノ−6−(((1R,2R,3S,4R,6S)−4,6−ジアミノ−2−(((2S,3S,4R,5R)−5−(アミノメチル)−3,4−ジヒドロキシテトラヒドロフラン−2−イル)オキシ)−3−ヒドロキシシクロヘキシル)オキシ)−2−((R)−1,2−ジヒドロキシエチル)テトラヒドロ−2H−ピラン−3,4−ジオール(NB156)の合成:グリコシル化生成物27(393mg、0.390mmol)を、MeNH(EtOH中の33%溶液、15mL)の溶液で処理し、TLC(EtOAc/MeOH 85:15)により反応の進行をモニターしたところ、12時間後に完了が判明した。反応混合物を乾燥するまで蒸発させ、カラムクロマトグラフィー(MeOH/EtOAc 2:8)に供することによって、対応する完全に脱エステル化したペルアジド誘導体を80%収量で得た(183mg)。
【0715】
H NMR(500MHz,MeOD):「環I」:δ=H 5.89(d,1H,J=3.8Hz,H−1)、3.97(dd,1H,J1=9.7,J2=4.6Hz,H−5)、3.84(dd,2H,J1=12.0,J2=7.1Hz,H−6,H−3)、3.69(d,1H,J=8.5Hz,H−7)、3.60(dd,1H,J1=11.6,J2=6.4Hz,H−7)、3.45(dd,1H,J1=10.0,J2=8.7Hz,H−4)、3.06(dd,1H,J1=10.6,J2=4.4Hz,H−2);「環II」:δ=H 3.62〜3.54(m,2H,H−4,H−5)、3.50〜3.43(m,1H,H−3)、3.40〜3.33(m,1H,H−1)、3.33〜3.26(m,1H,H−6)、2.12(dt,1H,J1=13.3,J2=4.4Hz,H−2 eq)、1.29(ddd,1H,J1=J2=J3=12.4Hz,H−2 ax);「環III」:δ=H 5.28(d,1H,J=0.8Hz,H−1)、4.11(dd,1H,J1=4.4,J2=0.8Hz,H−2)、3.98(dd,1H,J1=7.4,J2=4.2Hz,H−3)、3.94(dd,1H,J1=7.0,J2=3.4Hz,H−4)、3.49(dd,1H,J1=13.3,J2=2.8Hz,H−5)、3.41(dd,1H,J1=13.1,J2=6.3Hz,H−5)。
【0716】
13C NMR(125MHz,MeOD):δ=C 111.2(C−1”)、97.4(C−1’)、85.2(C−4)、82.3(C−5’)、77.6(C−6)、76.8(C−5)、76.3(C−2”)、74.6(C−6’)、73.3(C−3”)、73.2(C−4’)、72.7(C−4”)、72.5(C−3’)、64.7(C−2’)、64.1(C−7’)、61.9(C−3)、61.4(C−1)、54.5(C−5”)、33.1(C−2)。
【0717】
MALDI TOFMS:C18281211([M+Na]+)の計算値m/e 611.20;実測値m/e 611.19。
【0718】
THF(3mL)とNaOH水溶液(1mM、5mL)との混合物中に上記反応で得たペルアジド誘導体(183mg、0.311mmol)を撹拌した溶液に、PMe(THF中の1M溶液、0.22mL、3.0mmol)を添加した。反応の進行をTLC[CHCl/MeOH/HO/MeNH(EtOH中の33%溶液)、10:15:6:15]によりモニターしたところ、1時間後に完了が判明した。反応混合物を、シリカゲルの短いカラムでのフラッシュクロマトグラフィーによって精製した。カラムを、以下の溶媒:THF(100mL)、CHCl(100mL)、EtOH(50mL)、およびMeOH(100mL)で洗浄した。次いで生成物を5%MeNH溶液(EtOH中の33%溶液)を含む80%MeOHである混合物で溶出した。生成物を含有する画分を合わせて、真空中で蒸発させた。上記の生成物をAmberlite CG50(NH4型)の短いカラムに通過させることにより、純粋な生成物を得た。最初に、カラムを水で洗浄し、次いで生成物を10%NHOH水溶液である混合物で溶出することによって、化合物NB156を遊離塩基の形態として得た(90.0mg、60%)。
【0719】
貯蔵および生物学的試験のために、NB156を、以下のようにしてその硫酸塩の形態に変換した:遊離塩基の形態を水中に溶解させ、pHをHSO(0.1N)で6.7に調整し、凍結乾燥して、NB156の硫酸塩を白色の泡沫状の固体として得た。
【0720】
H NMR(500MHz,MeOD):「環I」:δ=H 5.18(d,1H,J=3.6Hz,H−1)、3.91(dt,1H,J1=6.3,J2=3.9Hz,H−6)、3.85(dd,1H,J1=10.2,J2=2.8Hz,H−5)、3.70(dd,1H,J1=11.5,J2=3.7Hz,H−7)、3.64(dd,1H,J1=11.5,J2=6.4Hz,H7)、3.50(dd,1H,J1=10.0,J2=9.0Hz,H−3)、3.40(t,1H,J=9.5Hz,H−4)、2.60(dd,1H,J=10.2,3.3Hz,H−2);「環II」:δ=H 3.44(t,1H,J=9.2Hz,H−5)、3.33(dd,1H,J1=11.0,J2=7.6Hz,H−4)、3.13(t,1H,J=9.5Hz,H−6)、2.79〜2.70(m,1H,H−3)、2.60(td,1H,J1=9.4,J2=4.4Hz,H−1)、1.93(dt,1H,J1=13.0,J2=4.0Hz,H−2eq)、1.16(ddd,1H,J1=J2=J3=12.4Hz,H−2ax);「環III」:δ=H 5.20(d,1H,J=2.7Hz,H−1)、4.04(dd,1H,J1=5.1,J2=2.8Hz,H−2)、3.95〜3.90(m,1H,H−3)、3.83(dt,1H,J1=5.3,J2=3.4Hz,H−4)、2.89(dd,1H,J1=13.2,J2=4.0Hz,H−5)、2.75(dd,1H,J1=13.2,J2=7.3Hz,H−5)。
【0721】
13C NMR(125MHz,MeOD):δ=C 110.6(C−1”)、101.7(C−1’)、86.8(C−4)、85.5(C−5)、84.7(C−4”)、78.8(C−6)、76.2(C−2”)、75.3(C−3’)、74.7(C−5’)、73.8(C−6’)、73.0(C−4’)、72.5(C−3”)、63.4(C−7’)、57.5(C−2’)、52.5(C−3)、52.3(C−1)、45.2(C−5”)、37.5(C−2)。
【0722】
MALDI TOFMS:C183611([M+H]+)の計算値m/e 485.24;実測値m/e 485.19。
【0723】
NB157の合成:
(2S,3S,4S,5R)−2−(((1S,2S,3R,5S,6R)−2−アセトキシ−3,5−ジアジド−6−(((2S,3R,4R,5S,6R)−4,5−ジアセトキシ−3−アジド−6−((R)−1,2−ジアセトキシエチル)テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)オキシ)シクロヘキシル)オキシ)−5−((S)−1−アジドエチル)テトラヒドロフラン−3,4−ジイルジベンゾエート(化合物28)の合成:無水CHl2(15mL)を、粉末化し火炎乾燥した4Å分子篩(2.0グラム)に添加し、続いてアクセプター化合物24(265mg、0.413mmol)およびドナー化合物26(0.895グラム、1.65mmol)を添加した。反応混合物を室温で10分間撹拌し、次いで−30℃に冷却した。この温度で、触媒となる量のBF−EtO(50μL)を添加し、混合物を−30℃で撹拌した。TLCにより反応の進行をモニターしたところ、60分後に完了が判明した。反応混合物を酢酸エチルで希釈し、飽和NaHCOおよびブラインで洗浄した。合わせた有機相をMgSO上で脱水し、蒸発させ、カラムクロマトグラフィー(EtOAc/ヘキサン)に供して、化合物28を93%収量で得た(393mg)。
【0724】
H NMR(600MHz,CDCl):「環I」:δ=H 5.88(d,1H,J=4.0Hz,H−1)、3.58(dd,1H,J1=10.7,J2=4.0Hz,H−2)、5.36(dd,1H,J1=10.6,J2=9.3Hz,H−3)、5.07(dd,1H,J1=10.5,J2=9.3Hz,H−4)、4.53(dd,1H,J1=10.6,J2=2.2Hz,H−5)、5.18(ddd,1H,J1=7.5,J2=4.1,J3=2.2Hz,H−6)、4.33(dd,1H,J1=12.0,J2=3.9Hz,H−7)、4.19(dd,1H,J1=12.1,J2=7.6Hz,H−7);「環II」:δ=H 5.01(t,1H,J=9.9Hz,H−6)、3.84(t,1H,J=9.4Hz,H−5)、3.71(t,1H,J=9.5Hz,H−4)、3.52(ddd,2H,J1=12.5,J2=10.0,J3=4.6Hz,H−1,H−3)、2.39(dt,1H,J1=5.2,J2=4.5Hz,H−2eq)、1.52(ddd,1H,J1=J2=J3=12.7Hz,H−2ax);「環III」:δ=H 5.60(t,2H,J=2.3Hz,H−1,H−2)、5.41(dd,1H,J1=7.6,J2=4.9Hz,H−3)、4.33(t,1H,J=7.3Hz,H−4)、3.77〜3.64(m,1H,H−5)、1.24(d,3H,J=6.8Hz,6−CH3)。スペクトル中の追加のピークを以下のように同定した:δ=H 7.92〜7.89(m,2H,Ar)、7.89〜7.85(m,2H,Ar)、7.60〜7.50(m,2H,Ar)、7.39(t,2H,J=7.8Hz,Ar)、7.34(t,2H,J=7.9Hz,Ar)、2.41〜2.35(m,3H,CH)、2.08(s,3H,CH)、2.07(s,3H,CH)、2.07(s,3H,CH)、2.05(s,3H,CH)。
【0725】
13C NMR(151MHz,CDCl):δ=C 170.7(C=O)、170.3(C=O)、170.07(C=O)、170.03(C=O)、169.9(C=O)、165.5(Ar)、165.0(Ar)、133.8(Ar)、133.7(Ar)、129.8(Ar)、129.7(Ar)、128.8(Ar)、128.6(Ar)、128.58(Ar)、128.56(Ar)、107.8(C−1”)、96.1(C−1’)、84.6(C−4”)、79.7(C−5)、77.6(C−4)、74.7(C−2”)、73.7(C−6)、72.0(C−3”)、71.0(C−3)、70.0(C−6’)、69.2(C−4’)、68.9(C−5’)、61.7(C−2’)、61.5(C−7’)、59.6(C−5”)、58.9(C−1)、58.5(C−3)、32.2(C−2)、21.1(CH)、21.0(CH)、20.8(CH)、20.79(CH)、20.78(CH)、15.8(C−6”,CH)。
【0726】
MALDI TOFMS:C43481218([M+Na]+)の計算値m/e 1043.32;実測値m/e 1043.30。
【0727】
(2R,3S,4R,5R,6S)−5−アミノ−6−(((1R,2R,3S,4R,6S)−4,6−ジアミノ−2−(((2S,3S,4R,5R)−5−((S)−1−アミノエチル)−3,4−ジヒドロキシテトラヒドロフラン−2−イル)オキシ)−3−ヒドロキシシクロヘキシル)オキシ)−2−((R)−1,2−ジヒドロキシエチル)テトラヒドロ−2H−ピラン−3,4−ジオール(NB157)の合成:グリコシル化生成物である化合物28(0.393グラム、0.384mmol)を、MeNH(EtOH中の33%溶液、15mL)の溶液で処理し、TLC(EtOAc/MeOH 85:15)により反応の進行をモニターしたところ、12時間後に完了が判明した。反応混合物を乾燥するまで蒸発させ、カラムクロマトグラフィー(MeOH/EtOAc 2:8)に供し、対応する完全に脱エステル化したペルアジド誘導体を98%収量で得た(230mg)。
【0728】
H NMR(600MHz,MeOD):「環I」:δ=H 5.98(d,1H,J=3.8Hz,H−1)、3.11(dd,1H,J1=10.5,J2=3.8Hz,H−2)、4.03(dd,1H,J1=9.7,J2=4.5Hz,H−4)、3.96〜3.88(m,2H,H−3,H−6)、3.50(dd,1H,J1=10.0,J2=8.8Hz,H−5)、3.75(dd,1H,J1=11.2,J2=2.5Hz,H−7)、3.66(dd,1H,J1=11.6,J2=6.5Hz,H−7);「環II」:δ=H 3.69〜3.64(m,1H,H−4)、3.60(t,1H,J=8.9Hz,H−5)、3.52(ddd,1H,J1=12.3,J2=9.7,J3=4.4Hz,H−3)、3.42(ddd,1H,J1=11.9,J2=9.7,J3=4.4Hz,H−1)、3.38〜3.33(m,1H,H−6)、2.18(dt,1H,J1=12.6,J2=4.4Hz,H−2eq)、1.52〜1.17(m,1H,H−2ax);「環III」:δ=H 5.31(d,1H,J=0.5Hz,H−1)、4.17(dd,1H,J1=4.8,J2=0.6Hz,H−2)、4.10(dd,1H,J1=7.2,J2=4.7Hz,H−3)、3.78〜3.70(m,1H,H−4)、3.69〜3.57(m,1H,H−5)、1.33(d,3H,J=6.7Hz,6−CH)。
【0729】
13C NMR(151MHz,MeOD):δ=C 110.79(C−1”)、97.41(C−1’)、86.03(C−4”)、85.24(C−5)、77.47(C−6)、76.76(C−4)、76.47(C−2”)、74.60(C−6’)、73.42(C−3)、73.31(C−4’)、72.77(C−3”)、72.60(C−3’)、64.66(C−2’)、64.13(C−7’)、61.96(C−1)、61.51(C−5’)、60.86(C−5”)、33.17(C−2)、16.06(C−6”,CH)。
【0730】
MALDI TOFMS:C19301211([M+Na]+)の計算値m/e 625.22;実測値m/e 625.20。
【0731】
THF(3mL)とNaOH水溶液(1mM、5mL)との混合物に上記反応から得たペルアジド誘導体(230mg、0.381mmol)を撹拌した溶液に、PMe(THF中の1M溶液、0.22mL、3.0mmol)を添加した。反応の進行をTLC[CHCl/MeOH/HO/MeNH(EtOH中の33%溶液)、10:15:6:15]によりモニターしたところ、1時間後に完了が判明した。反応混合物を、シリカゲルの短いカラムでのフラッシュクロマトグラフィーによって精製した。カラムを、以下の溶媒:THF(100mL)、CHCl(100mL)、EtOH(50mL)、およびMeOH(100mL)で洗浄した。次いで生成物を5%MeNH溶液(EtOH中の33%溶液)を含む80%MeOHである混合物で溶出した。生成物を含有する画分を合わせて、真空中で蒸発させた。上記の生成物をAmberlite CG50(NH4+型)の短いカラムに通過させることにより、純粋な生成物を得た。最初に、カラムを水で洗浄し、次いで生成物を10%NHOH水溶液である混合物で溶出することによって、NB157をその遊離塩基の形態で得た(123mg、64%)。
【0732】
貯蔵および生物学的試験のために、NB157を、以下のようにしてその硫酸塩の形態に変換した:遊離塩基の形態を水中に溶解させ、pHをHSO(0.1N)で6.7に調整し、凍結乾燥して、NB157の硫酸塩を白色の泡沫状の固体として得た。
【0733】
H NMR(600MHz,MeOD):「環I」:δ=H 5.25(d,1H,J=3.6Hz,H−1)、4.00〜3.94(m,1H,H−6)、3.90(dd,1H,J1=9.9,J2=3.5Hz,H−5)、3.56〜3.50(m,1H,H−3)、3.47(dd,1H,J1=18.3,J2=8.8Hz,H−4)、2.66(dd,1H,J1=10.3,J2=3.5Hz,H−2)、3.76(dd,1H,J1=11.5,J2=3.7Hz,H−7)、3.70(dd,1H,J1=11.5,J2=6.4Hz,H−7)、;「環II」:δ=H 3.48(dd,1H,J1=15.9,J2=6.7Hz,H−5)、3.37(dd,1H,J1=16.5,J2=7.2Hz,H−4)、3.18(dd,1H,J1=13.1,J2=5.6Hz,H−6)、2.78(dd,1H,J1=9.9,J2=8.2Hz,H−3)、2.64(dd,1H,J1=22.9,J2=10.3Hz,H−1)、1.96(dt,1H,J1=7.8,J2=3.7Hz,H−2eq)、1.23(ddd,1H,J1=J2=J3=12.5Hz,H−2ax);「環III」:δ=H 5.26(d,1H,J=2.7Hz,H−1)、4.05(d,1H,J=1.8Hz,H−2)、4.01(t,1H,J=5.7Hz,H−3)、3.56(t,1H,J=6.3Hz,H−4)、3.01〜2.86(m,1H,H−5)、1.16(d,3H,J=6.4Hz,6−CH)。
【0734】
13C NMR(151MHz,MeOD):δ=C 109.78(C−1”)、101.67(C−1’)、88.61(C−4”)、86.80(C−4)、84.86(C−5)、78.70(C−6)、76.28(C−2”)、75.46(C−3’)、74.72(C−5’)、73.79(C−6’)、73.07(C−4’)、72.30(C−3”)、63.43(C−7’)、57.55(C−2’)、52.53(C−3)、52.35(C−1)、50.68(C−5”)、49.85(C−4)、37.64(C−2)、19.37(C−6”,CH)。
【0735】
MALDI TOFMS:C193811([M+H]+)の計算値m/e 498.25;実測値m/e 499.26。
【0736】
NB153およびNB155の6’位における絶対配置の決定:
NB153およびNB155中の側鎖C6’−アルコールにおける絶対立体化学を決定するために、主C6’−ジアステレオマーであるアルコール31をスキーム10に示すように合成した。
【0737】
【化33】
【0738】
二級アルコール上の保護基の変化は、スキーム8の経路で経る様々な合成工程における中間生成物の収量および単離を改善すると仮定した。スキーム8におけるPMB保護を、スキーム10に示したベンジル保護で置き換えた。したがって、TIPS保護された化合物18aのベンジル化に続いて、TBAFでのシリルの脱保護を行い、6’−アルコール29を全体的に優れた収量で得た。デス−マーチンペルヨージナン(DMP)酸化により、対応するアルデヒドを得て、これを、ウィッティヒ試薬で処理して、末端のアルケン30を得た。ジヒドロキシル化工程に続いて、一級アルコールの選択的なベンジル化を行い、所望の6’−アルコール31を2つの6’−ジアステレオマーの混合物として得た。数々の異なる溶媒系でのカラムクロマトグラフィーを使用することによってこの混合物を分離する試みは、うまくいかないことが証明されており、イミダゾールの存在下におけるt−ブチルジメチルシリルクロリド(TBDMSCl)での混合物31のシリル化の進行は非常に遅く、主要な6’−ジアステレオマーの選択性が高いことが見出された。この利点を使用して、主要なジアステレオマー32のシリル化された生成物をその純粋な形態で単離することができた。32のTBAFでの処理により、望ましい生成物31が生産され、これを配置の割り当てに使用した。
【0739】
化合物31の6’位における絶対立体化学を割り当てるために、主要なジアステレオマー31を、DCC、4−DMAPおよびCSA6の存在下で、公知の絶対立体化学を有する(R)−2−メトキシ−2(1−ナフチル)プロパン酸[(R)−MαNP]33および[(S)−MαNP]34で別々にカップリングして、スキーム11に示すように、それぞれのエステル(R,X)−MαNP35および(S,X)−MαNP36を得た。
【0740】
【化34】
【0741】
((2R,3S,4R,5R,6S)−5−アジド−3,4−ビス(ベンジルオキシ)−6−(((1R,2R,3S,4R,6S)−4,6−ジアジド−2,3−ビス(ベンジルオキシ)シクロヘキシル)オキシ)テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)メタノール(29)の合成:DMF(5mL)中にシリルエーテル化合物18a(0.2グラム、0.358mmol)および水素化ナトリウム(0.114グラム、4.75mmol)を撹拌した溶液に、0℃で臭化ベンジル(0.255mL、2.14mmol)を添加した。TLC(EtOAc/ヘキサン 3:7)により反応の進行をモニターした。8時間後、反応が完了し、氷を少量ずつ添加して、反応をクエンチした。混合物を酢酸エチル(30mL)で希釈し、水(2×50mL)で洗浄した。合わせた水層をジエチルエーテル(2×50mL)で抽出し、合わせた有機相を無水MgSO上で脱水し、乾燥するまで蒸発させた。残留物をカラムクロマトグラフィー(EtOAc/ヘキサン 8:92)で精製して、過ベンジル化されたシリルエーテルを得た(0.243グラム、74%)。
【0742】
H NMR(500MHz,CDCl):「環I」:δ=H 5.46(d,1H,J=3.3Hz,H−1)、3.97(dd,1H,J1=17.7,J2=8.2Hz,H−3,H−5)、3.90(d,1H,J=11.6,H−6)、3.84(d,1H,J=11.0,H−6)、3.72〜3.53(m,1H,H−4)、3.19(dd,1H,J1=10.6,J2=4.4Hz,H−2);「環II」:δ=H 3.53(m,2H,H−4,H−5)、3.40(td,1H,J1=9.9,J2=5.3Hz,H−1)、3.30(ddd,2H,J1=17.6,J2=15.1,J3=9.2Hz,H−3,H−6)、2.21(dd,1H,J1=8.2,J2=4.2Hz,H−2eq)、1.34(dt,1H,J1=J2=J3=12.9Hz,H−2ax);スペクトル中の追加のピークを以下のように同定した:δ=H 7.28(m,20H,Bn)、4.94(m,2H,O(CH2)Bn)、4.80(m,6H,O(CH2)Bn)、1.14〜0.95(m,21H,TIPS)。
【0743】
13C NMR(125MHz,CDCl):δC 138.54(Bn)、138.17(Bn)、138.03(Bn)、137.49(Bn)、128.61(Bn)、128.58(Bn)、128.55(Bn)、128.31(Bn)、128.28(Bn)、128.14(Bn)、127.99(Bn)、127.78(Bn)、127.72(Bn)、127.10(Bn)、97.7(C1’)、84.8、84.62、80.2、77.3 76.0、75.7、75.2、74.9、72.9、63.5(C2’)、62.3(C6)、60.4(C1)、59.5、32.5(C2)、18.2(TIPS)、18.1(TIPS)、12.1(TIPS)。
【0744】
0℃でTHF(100mL)中に上記工程から得た過ベンジル化されたシリルエーテル化合物(9.24グラム、10.0mmol)を撹拌した溶液に、TBAF(9.0mL、31.0mmol)を添加し、TLC(EtOAc/ヘキサン 2:3)により反応の進行をモニターした。15時間後、乾燥するまで溶媒を蒸発させ、得られた残留物を、カラムクロマトグラフィー(EtOAc/ヘキサン 3:7)に供して、対応する過ベンジル化された6’−アルコール29を得た(7.0グラム、91%)。
【0745】
H NMR(500MHz,CDCl):「環I」:δ=H 5.60(d,1H,J=3.8Hz,H−1)、4.11(d,1H,J=10.0Hz,H−5)、4.05(t,1H,J=9.7Hz,H−3)、3.83(dd,1H,J1=12.0,J2=2.0Hz,H−6)、3.76(dd,1H,J1=12.1,J2=2.9Hz,H−6)、3.69〜3.57(m,1H,H−4)、3.28(dd,1H,J1=10.6,J2=4.6Hz,H−2);「環II」:δ=H 3.60〜3.57(m,2H,H−4,H−5)、3.55〜3.46(m,1H,H−1)、3.46〜3.37(m,2H,H−3,H−6)、2.31(dt,1H,J1=13.2,J2=4.5Hz,H−2eq)、1.47(ddd,1H,J1=J2=J3=10.6Hz,H−2ax);スペクトル中の追加のピークを以下のように同定した:δ=H 7.52〜7.28(m,20H,Bn)、5.04(d,1H,J=10.8Hz,O(CH)Bn)、4.93(dd,2H,J1=10.7,J2=6.0Hz,O(CH)Bn)、4.90〜4.86(m,3H,O(CH)Bn)、4.84(d,1H,J=10.5Hz,O(CH)Bn)、4.71(d,1H,J=11.2Hz,O(CH)Bn)。
【0746】
13C NMR(125MHz,CDCl):δ=C 138.0(Bn)、138.0(Bn)、137.8(Bn)、137.3(Bn)、128.6(Bn)、128.6(Bn)、128.5(Bn)、128.2(Bn)、128.1(Bn)、128.1(Bn)、128.0(Bn)、128.0(Bn)、127.7(Bn)、127.1(Bn)、97.7(C1’)、84.7、84.5、80.1(C3’)、77.6、77.5、76.0、75.6、75.3、75.0、72.0(C5’)、63.4(C2’)、61.4(C6’)、60.3、59.4、32.4(C2)。
【0747】
(2R,3R,4R,5R,6R)−3−アジド−4,5−ビス(ベンジルオキシ)−2−(((1R,2R,3S,4R,6S)−4,6−ジアジド−2,3−ビス(ベンジルオキシ)シクロヘキシル)オキシ)−6−ビニルテトラヒドロ−2H−ピラン(30)の合成:6’−アルコール29(1.0グラム、1.31mmol)の酢酸エチル(40mL)溶液に、IBX(1.1グラム、3.92mmol)を一部ずつ添加した。得られた懸濁液を80℃で加熱し、激しく撹拌した。反応の完了(3.5時間)がTLC(EtOAc/ヘキサン 2:3)により示された後、反応物を室温に冷却し、Celite(登録商標)を通過させて濾過した。Celite(登録商標)を酢酸エチル(2×50mL)で徹底的に洗浄し、合わせた有機相を減圧下で蒸発させた。未精製の生成物を、フラッシュカラムクロマトグラフィー(EtOAc/ヘキサン 35:65)に供して、6’−アルデヒドを得た(0.925グラム、92%)。
【0748】
H NMR(500MHz,CDCl):「環I」:δ=H 9.62(s,1H,H−6(CHO))、5.62(s,1H,H−1)、4.69(d,1H,J=9.9Hz,H−4)、4.01(t,1H,J=9.3Hz,H−3)、3.56(dd,1H,J1=18.0,J2=9.1Hz,H−5)、3.19(d,1H,J=14.0,H−2);「環II」:δ=H 3.56(dd,2H,J1=18.0,J2=9.1Hz,H−4,H−5)、3.44(d,1H,J=11.7Hz,H−1)、3.37(t,2H,J=8.2Hz,H−3,H−6)、2.28(d,1H,J1=10.2Hz,H−2eq)、1.44(ddd,1H,J1=J2=J3=14.0Hz,H−2ax);スペクトル中の追加のピークを以下のように同定した:δ=H 7.27(m,20H,Bn)、5.00(d,1H,J=10.9Hz,O(CH)Bn)、4.92〜4.75(m,6H,O(CH)Bn)、4.63(d,1H,J=10.7Hz,O(CH)Bn)。
【0749】
13C NMR(125MHz,CDCl):δ=C 197.2(CHO)、138.0(Bn)、137.5(Bn)、137.3(Bn)、137.1(Bn)、128.7(Bn)、128.6(Bn)、128.6(Bn)、128.6(Bn)、128.3(Bn)、128.3(Bn)、128.2(Bn)、128.1(Bn)、97.6(C1’)、84.6、84.3、80.1(C3’)、78.4、77.7、76.1、75.8、75.3、75.2、62.8(C2’)、60.3、59.1(C1)、32.2(C2)。
【0750】
0℃の無水THF中のメチルトリフェニルホスホニウムヨージド(0.966グラム、2.7mmol)の冷却した懸濁液に、n−BuLi(ヘキサン中1.6M、0.32mL)を一滴ずつ添加し、得られた黄色の溶液を0℃でさらに30分間撹拌した。無水THF(0.3mL)に、上記の工程で得た6’−アルデヒド(0.822グラム、1.08mmol)を0℃で添加し、反応液を室温でさらに1.5時間そのまま撹拌した。反応の完了がTLC(EtOAc/ヘキサン 2:3)により示された後、反応を飽和NHCl溶液でクエンチした。相分離し、水相をエーテル(2×10mL)で抽出した。合わせた有機相を、ブラインで洗浄し、無水MgSOで脱水し、乾燥するまで蒸発させた。未精製の生成物を、フラッシュクロマトグラフィー(EtOAc/ヘキサン 2.5:7.5)によって精製して、化合物30を得た(0.4グラム、50%)。
【0751】
H NMR(400MHz,CDCl):「環I」:δ=H 5.89(ddd,1H,J1=17.2,J2=10.4,J3=6.8Hz,H−6)、5.56(d,1H,J=3.9Hz,H−1)、5.47(d,1H,J=17.2Hz,H−7trans)、5.33〜5.27(m,1H,H−7cis)、4.64〜4.56(m,1H,H−5)、4.09(m,H−3)、3.32〜3.27(m,2H,H−2,H−4);「環II」:δ=H 3.69〜3.56(m,2H,H−4,H−5)、3.54〜3.45(m,1H,H−1)、3.45〜3.35(m,2H,H−3,H−6)、2.31(dt,1H,J1=13.2,J2=4.5Hz,H−2eq)、1.49(ddd,1H,J1=J2=J3=12.6Hz,H−2ax);スペクトル中の追加のピークを以下のように同定した:δ=H 7.32〜7.29(m,20H,Bn)、5.02(d,1H,J=10.9Hz,O(CH)Bn)、4.94(dd,1H,J1=9.9,J2=5.4Hz,O(CH)Bn)、4.89(d,1H,J=6.6Hz,O(CH)Bn)、4.83(dd,2H,J=10.7,8.5Hz,O(CH)Bn)、4.73(d,1H,J=10.9Hz,O(CH)Bn)、4.67(d,1H,J=10.9Hz,O(CH)Bn)、4.64〜4.56(m,1H,O(CH)Bn)。
【0752】
13C NMR(100MHz,CDCl):δ=C 138.2(Bn)、138.0(Bn)、138.0(Bn)、137.4(Bn)、134.9(Bn)、128.6(Bn)、128.5(Bn)、128.5(Bn)、128.5(Bn)、128.3(Bn)、128.2(Bn)、128.1(Bn)、127.9(Bn)、127.9(Bn)、127.7(Bn)、127.0(Bn)、118.9(C7’)、97.7(C1’)、84.7、84.5、82.7(C4’)、79.7(C3’)、77.7、76.05、75.6、75.3、75.0、72.7(C5’)、63.4(C2’)、60.3(C1)、59.3、32.4(C2)。
【0753】
1−((2R,3S,4R,5R,6S)−5−アジド−3,4−ビス(ベンジルオキシ)−6−(((1R,2R,3S,4R,6S)−4,6−ジアジド−2,3−ビス(ベンジルオキシ)シクロヘキシル)オキシ)テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)−2−(ベンジルオキシ)エタノール(31)の合成:アセトン(10mL)、水(3mL)およびt−BuOH(10mL)中に化合物30(402mg、0.53mmol)を撹拌した溶液に、K2OsO・2HO(16mg、0.051mmol)およびNMO(0.22mL)を逐次的に添加した。反応の進行をTLC(EtOAc/ヘキサン 2:3)によりモニターしたところ、24時間後に完了が判明した。その後、乾燥するまで溶媒を蒸発させ、残留物をEtOAc中に溶解し、それにNaの水溶液を添加した。相分離し、有機相をブラインで洗浄し、MgSO上で脱水し、蒸発させた。未精製の生成物を、カラムクロマトグラフィー(EtOAc/ヘキサン 1:1)に供して、ジヒドロキシ化した生成物を6’−ジアステレオマーの混合物として得た(300mg、72%)。
【0754】
トルエン/MeOH(10:1、7mL)中の上記工程で得たジヒドロキシ化した化合物(0.3グラム、0.378mmol)およびBuSnO(0.103グラム、0.413mmol)の混合物を3時間還流し、減圧下で濃縮した。トルエン(3mL)中のこの残留物の溶液に、臭化テトラブチルアンモニウム(0.122グラム、0.378mmol)およびBnBr(0.09mL、0.756mmol)を添加した。混合物を85℃で一晩撹拌し、CHCl(10mL)および飽和NaHCO(2mL)の添加によりクエンチした。Celite(登録商標)のパッドを介して濾過した後、有機相をHO(3mL)、ブライン(5mL)で洗浄し、MgSO上で脱水し、減圧下で濃縮した。未精製の生成物をカラムクロマトグラフィー(EtOAc/ヘキサン 2:3)で精製して、化合物31を6’−ジアステレオマーの混合物として得た(0.280グラム、84%)。
【0755】
(1−((2S,3S,4R,5R,6S)−5−アジド−3,4−ビス(ベンジルオキシ)−6−(((1R,2R,3S,4R,6S)−4,6−ジアジド−2,3−ビス(ベンジルオキシ)シクロヘキシル)オキシ)テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)−2−ベンジルオキシ)エトキシ)(tert−ブチル)ジメチルシラン(32)の合成:化合物31(205mg、0.232mmol)を無水DMF(5mL)中に溶解させ、0℃に冷却した。t−ブチルジメチルシリルクロリド(TBSCl、45mg、0.298mmol)を添加し、続いてイミダゾール(39mg、0.572mmol)を添加した。反応混合物を撹拌しながらそのまま室温にし、TLC(EtOAc/ヘキサン 3:7)により反応の進行をモニターした。TLCによれば、延長した反応時間(24時間)の後でさえも反応は完了せず、この段階で、酢酸エチル(10mL)およびHO(10mL)の混合物を添加することによって反応を止め、2つに相分離した。水相を酢酸エチル(4×30mL)で徹底的に洗浄した。合わせた有機相を飽和NaCl溶液で洗浄し、無水MgSO上で脱水した。乾燥するまで溶媒を蒸発させ、残留物を、カラムクロマトグラフィー(EtOAc/ヘキサン 25:75)に供して、対応するシリルエーテル(32)を純粋な主ジアステレオマーとして得た(85mg、23%)。
【0756】
1−((2R,3S,4R,5R,6S)−5−アジド−3,4−ビス(ベンジルオキシ)−6−(((1R,2R,3S,4R,6S)−4,6−ジアジド−2,3−ビス(ベンジルオキシ)シクロヘキシル)オキシ)テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)−2−(ベンジルオキシ)エタノール(純粋な主ジアステレオマーとしての31)の合成:室温でTHF(3mL)中に化合物32(60mg、0.06mmol)を撹拌した溶液に、TBAF(0.052mL、0.179mmol)を添加し、反応液を50℃で一晩還流した。反応の完了がTLC(EtOAc/ヘキサン 2:3)により示された後、乾燥するまで溶媒を蒸発させ、得られた残留物を、カラムクロマトグラフィー(EtOAc/ヘキサン 3:7)に供して、単一のジアステレオマー31を得た(52mg、95%)。
【0757】
H NMR(500MHz,CDCl):「環I」:δ=H 5.53(d,1H,J=3.9Hz,H−1)、4.17(dd,1H,J1=10.0,J2=2.4Hz,H−5)、4.12(m,1H,H−6)、3.96(dd,1H,J1=10.3,J2=8.9Hz,H−3)、3.69〜3.61(m,1H,H−4)、3.50〜3.45(m,2H,H−7,H−7)、3.22(dd,1H,J1=10.3,J2=3.9Hz,H−2)、3.59(BrS,1H,6’−OH);「環II」:δ=H 3.58〜3.49(m,2H,H−4,H−5)、3.44〜3.11(m,3H,H−1,H−3,H−6)、2.23(dt,1H,J1=13.2,J2=4.5Hz,H−2eq)、1.38(ddd,1H,J1=J2=J3=12.6Hz,H−2ax);スペクトル中の追加のピークを以下のように同定した:δ=H 7.29〜7.23(m,25H,Bn)、4.98(d,1H,J=10.8Hz,O(CH)Bn)、4.92〜4.74(m,6H,O(CH)Bn)、4.65(d,1H,J=11.1Hz,O(CH)Bn)、4.42(q,2H,J=11.9Hz,O(CH)Bn)。
【0758】
13C NMR(125MHz,CDCl):δ=C 138.0(Bn)、138.0(Bn)、137.9(Bn)、137.7(Bn)、137.3(Bn)、128.6(Bn)、128.6(Bn)、128.5(Bn)、128.5(Bn)、128.5(Bn)、128.3(Bn)、128.1(Bn)、128.1(Bn)、128.0(Bn)、127.9(Bn)、127.8(Bn)、127.7(Bn)、127.6(Bn)、127.0(Bn)、97.4(C1’)、84.6、84.4、80.8、78.4(C4’)、77.5、76.0(Bn)、75.6(Bn)、75.3(Bn)、74.6(Bn)、73.4(Bn)、71.8、71.6、71.2(C7’)、63.3(C2’)、60.2(C1)、59.5(C3)、32.4(C2)。
【0759】
(R,X)−エステルの合成:(R)−2−メトキシ−2(1−ナフチル)プロパン酸[(R)−MαNP](0.01グラム、0.04mmol)、4−ジメチルアミノピリジン(DMAP、0.006グラム、0.049mmol)、10−カンファースルホン酸(CSA、0.002グラム、0.008mmol)、および1,3−ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC、0.047グラム、0.22mmol)の混合物を、0℃でCHCl(3mL)中で撹拌した。上記で得た主要なアルコール31(0.038グラム、0.043mmol)をCHCl(2ml)中に溶解し、上記の撹拌した混合物にゆっくり添加し、室温で72時間そのまま反応させた。混合物をEtOAcで希釈し、1%HCl溶液、飽和NaHCOおよびブラインで洗浄した。合わせた有機相をMgSO上で脱水し、蒸発させ、カラムクロマトグラフィー(EtOAc/ヘキサン)に供して、所望のエステル(R,X)−35(0.008グラム、17%)を得た。
【0760】
H NMR(600MHz,CDCl):「環I」:δ=H 5.55(dd,1H,J=9.9,3.7Hz,H−6)、4.87(d,1H,J=3.4Hz,H−1)、3.86(d,1H,J=10.0Hz,H−4)、3.50〜3.46(m,1H,H−7)、3.38(d,1H,J=10.2Hz,H−3)、3.36〜3.32(m,1H,H−7)、1.55〜1.50(m,1H,H−5)、1.28(dd,1H,J1=10.4,J2=3.9Hz,H−2)、「環II」:δ=H 3.51(d,1H,J1=9.7Hz,H−6)、3.43(dt,3H,J1=12.1,J2=7.8Hz,H−4,H−5,H−3)、3.25(ddd,1H,J1=12.6,J2=10.0,J3=4.6Hz,H−1)、2.23(dd,1H,J1=10.9,J2=6.5Hz,H−2eq)、1.46〜1.39(m,1H,H−2ax);スペクトル中の追加のピークを以下のように同定した:δ=8.39(d,1H,J=8.7Hz,Ar)、7.80〜7.75(m,2H,Ar)、7.63(d,1H,J=6.4Hz,Ar)、7.54(t,2H,J=7.6Hz,Ar)、7.47〜7.40(m,2H,Ar)、7.38(d,2H,J=7.1Hz,Ar)、7.37〜7.33(m,2H,Ar)、7.32〜7.27(m,9H,Ar)、7.23(ddd,4H,J1=6.5,J2=4.7,J3=2.2Hz,Ar)、7.20(d,3H,J=8.0Hz,Ar)、7.09(ddd,1H,J1=8.5,J2=6.8,J3=1.5Hz,Ar)、7.06〜7.02(m,1H,Ar)、6.96〜6.92(m,2H,Ar)、5.01(d,1H,J=11.2Hz,O(CH)Bn)、4.88(d,2H,J=4.1Hz,O(CH)Bn)、4.84(d,1H,J=10.8Hz,O(CH)Bn)、4.59(d,1H,J=11.4Hz,O(CH)Bn)、4.50(d,1H,J=11.3Hz,O(CH)Bn)、4.44(d,1H,J=11.8Hz,O(CH)Bn)、4.25(d,1H,J=11.9Hz,O(CH)Bn)、3.99(d,1H,J=11.3Hz,O(CH)Bn)、3.71(d,1H,J=11.3Hz,O(CH)Bn)、3.07(s,1H,OCH)、2.02(s,3H,CH)。
【0761】
13C NMR(125MHz,CDCl):δ=C 173.3(Ar)、138.5(Ar)、138.4(Ar)、137.9(Ar)、137.7(Ar)、137.3(Ar) 135.3(Ar)、134.2(Ar)、131.8(Ar)、130.1(Ar)、128.9(Ar)、128.65(Ar)、128.62(Ar)、128.5(Ar)、128.46(Ar)、128.44(Ar)、128.22(Ar)、128.22(Ar)、127.76(Ar)、127.71(Ar)、127.5(Ar)、127.4(Ar)、127.2(Ar)、126.7(Ar)、126.4(Ar)、126.3(Ar)、126.2(Ar)、124.8(Ar)、99.7(C1’)、84.5、84.43(s)、81.1、79.8、77.0、76.7、76.1、75.1、74.2、74.2、73.7、72.7、70.2、69.8、61.8、60.2、59.1、50.7、32.3、31.1、29.8、21.5(CH)。
【0762】
(S,X)−エステル(36)の合成:(S)−2−メトキシ−2(1−ナフチル)プロパン酸[(S)−MαNP](0.007グラム、0.03mmol)、4−ジメチルアミノピリジン(DMAP、0.005グラム、0.04mmol)、10−カンファースルホン酸(CSA、0.001グラム、0.004mmol)、および1,3−ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC、0.034グラム、0.16mmol)の混合物を、0℃でCHCl(3mL)中で撹拌した。上記で得た主要なアルコール31(0.028グラム、0.031mmol)、をCHCl(2ml)中に溶解し、上記の撹拌した混合物にゆっくり添加し、室温で72時間そのまま反応させた。混合物をEtOAcで希釈し、1%HCl溶液、飽和NaHCOおよびブラインで洗浄した。合わせた有機相をMgSO上で脱水し、蒸発させ、カラムクロマトグラフィー(EtOAc/ヘキサン)に供して、所望のエステル(S,X)−36(0.007グラム、20%)を得た。
【0763】
H NMR(600MHz,CDCl):「環I」:δ=H 5.49(dd,1H,J=8.5,4.4Hz,H−6)、5.17(d,1H,J=3.8Hz,H−1)、4.04(d,1H,J=10.0Hz,H−4)、3.58(t,1H,J=9.8Hz,H−3)、3.25(d,1H,J=8.5Hz,H−7)、3.22(dd,1H,J1=10.7,J2=4.6Hz,H−7)、2.34(dd,1H,J1=17.0,J2=6.3Hz,H−5)、2.12〜2.02(m,1H,H−2) 「環II」:δ=H 3.51(dt,2H,J1=17.8,J2=9.3Hz,H−4,H−5)、3.46〜3.37(m,2H,H−1,H−6)、3.33〜3.27(m,1H,H−3)、2.25(dt,1H,J1=13.2,J2=4.5Hz,H−2eq)、1.43(ddd,1H,J1=J2=J3=12.6Hz,H−2ax);スペクトル中の追加のピークを以下のように同定した:δ=H 8.08(d,1H,J=8.8Hz,Ar)、7.89(d,1H,J=7.3Hz,)、7.76(dd,2H,J1=15.9,J2=8.1Hz,Ar)、7.46(t,2H,J=7.5Hz,)、7.44〜7.41(m,1H,Ar)、7.39(d,1H,J=7.5Hz,Ar)、7.36(t,2H,J=7.3Hz,Ar)、7.34〜7.27(m,8H,Ar)、7.25〜7.23(m,2H,Ar)、7.23〜7.19(m,6H,Ar)、7.16(t,1H,J=7.1Hz,Ar)、7.14〜7.09(m,3H,Ar)、6.91〜6.87(m,2H,Ar)、5.01(d,1H,J=11.1Hz,O(CH)Bn)、4.90〜4.79(m,3H,O(CH)Bn)、4.63(q,2H,J=11.1Hz,O(CH)Bn)、4.22〜4.15(m,2H,O(CH)Bn)、4.12(d,1H,J=11.0Hz,O(CH)Bn)、3.66(d,1H,J=11.0Hz,O(CH)Bn)、3.29(S,3H,OCH)、1.97(s,3H,CH)。
【0764】
13C NMR(125MHz,CDCl):δ=C 172.7(Ar)、138.3(Ar)、138.0(Ar)、137.9(Ar)、137.7(Ar)、137.3(Ar) 134.1(Ar)、130.5(Ar)、129.3(Ar)、129.1(Ar)、128.6(Ar)、128.6(Ar)、128.4(Ar)、128.4(Ar)、128.3(Ar)、128.3(Ar)、128.2(Ar)、127.9(Ar)、127.7(Ar)、127.7(Ar)、127.6(Ar)、127.6(Ar)、127.5(Ar)、126.9(Ar)、126.1(Ar)、125.6(Ar)、125.1(Ar)、125.1(Ar)、124.6(Ar)、97.1(C1’)、84.5(C5)、84.5(C4)、81.2、80.1(C3’)、77.9(C5’)、77.3、77.0(C4)、76.1、75.2、74.8、74.4、74.3(C6’)、72.8、70.4(C4’)、69.4(C7’)、62.5(C2’)、60.2(C3)、59.1(C1)、51.4(OCH)、32.3(C2)、29.85、21.9(CH)。
【0765】
次いで6’位(Xで示される)における絶対立体化学を、セクター則7に基づき、NMRスペクトル中の割り当てられたプロトンの化学シフト値の差に依存するH NMR磁気異方性によって決定した(図9A〜Bを参照)。図9Aで示されるように、H−5’(−0.82)の化学シフトにおける差[Δδ=δ(R,X)−δ(S,X)]はマイナスであったが、H−7’、7’(+0.23、+0.10)の場合はプラスであった。図9Bに示されるセクター則によれば、構造(R,X)−MαNP35および(S,X)−MαNP36は、OMαNPが前に配置され、H−6’が後ろに配置され、同時にΔδプラスとΔδマイナス部分がそれぞれ右側と左側に位置されるように配列される。これらのデータから、化合物31の6’炭素原子におけるR配置(X=R)を確認した。
【0766】
この研究から、主要なおよび副ジアステレオマーである化合物NB153およびNB155が、6’位における(R)−および(S)−配置を示す、すなわち6’−(R)−NB153および6’−(S)−NB155であることが確立された。
【0767】
実施例5
実施例4の例示化合物の活性アッセイ
実験アッセイ手順および結果分析は実質的に上述した通り行ったが、さらなる詳細を以下に示す。
【0768】
材料および方法:
全ての生物学的試験において、全ての試験されたアミノグリコシドは、それらの硫酸塩の形態であった[硫酸塩のMw(グラム/mol)は以下の通りであった:化合物1−437.1、NB74−564.3、NB124−605.9、NB153−526.8、NB155−512.2、NB156−705.9、NB157−746.6、G418−692.7、ゲンタマイシン−653.2]。
【0769】
二重のルシフェラーゼリードスルーアッセイ:
PCDH15、CFTR、およびIDUAのcDNA由来の、試験したナンセンス変異または対応する野生型(wt)コドンと、その上流および下流に隣接する4〜6個のコドンとを含むDNAフラグメントを、以下の相補的オリゴヌクレオチド対をアニーリングすることにより作製した。
【0770】
アッシャー症候群:
p.R3Xmut/wt:
5’−GATCCCAGAAGATGTTTT/CGACAGTTTTATCTCTGGACAGAGCT−3’、および
5’−CTGTCAGAGATAAAACTGTCA/GAAACATCTTCTG−3’。
p.R245Xmut/wt:
5’GATCCAAAATCTGAATGAGAGGT/CGAACCACCACCACCACCCTCGAGCT−3’および
5’−CGAGGGTGGTGGTGGTTGTTCG/ACCTCTCATTCAGATTTTG−3’。
【0771】
嚢胞性線維症:
p.G542Xmut/wt:
5’−TCGACCAATATAGTTCTTT/GGAGAAGGTGGAATCGAGCT−3’および
5’−CGATTCCACCTTCTCA/GAAGAACTATATTGG−3’。
【0772】
ハーラー症候群:
p.Q70Xmut/wt:
5’−TCGACCCTCAGCTGGGACT/CAGCAGCTCAACCTCGAGCT−3’および
5’−CGAGGTTGAGCTGCTA/GGTCCCAGCTGAGG−3’。
【0773】
p2LucプラスミドのポリリンカーのBamHIおよびSacI制限部位の間(p.R3Xおよびp.R245X)またはSalIおよびSacI制限部位の間(残りの全て)に、フレーム内となるようにフラグメントを挿入した。インビトロでのリードスルーアッセイのために、得られたプラスミドを、試験したアミノグリコシドを添加して、TNT網状赤血球ライセートクイック転写/翻訳組合せアッセイ(TNT Reticulocyte Lysate Quick Coupled Transcription/Translation System)を使用して転写および翻訳した。30℃での90分のインキュベーション後、デュアルルシフェラーゼレポーターアッセイシステム(Promega(商標))を使用してルシフェラーゼ活性を決定した。終止コドンのリードスルーを公知技術のようにして計算した[Grentzmann et al. RNA 1998, 4, 479-486]。
【0774】
タンパク質翻訳阻害試験:
異なるアミノグリコシドによるインビトロにおける原核生物の翻訳阻害を、pBESTlucプラスミド(Promega)を含む大腸菌S30の環状DNA抽出物を使用し、製造元のプロトコールに従って、転写/翻訳組合せアッセイで定量化した。様々な濃度の試験されたアミノグリコシドを含有した翻訳反応(25μL)を37℃で60分間インキュベートし、氷上で5分間冷却し、希釈試薬(トリス−リン酸緩衝液(25mM、pH7.8)、DTT(2mM)、1,2−ジアミノシクロヘキサンテトラアセテート(2mM)、グリセロール(10%)、Triton X−100(1%)およびBSA(1mg/mL))で96−ウェルプレートに希釈した。インビトロにおける真核生物の翻訳阻害を、製造元のプロトコールに従ってルシフェラーゼT7対照DNAプラスミドを含むTNT(登録商標)T7クイック転写/翻訳系の組合せ(Promega)を使用することによって定量化した。様々な濃度の試験したアミノグリコシドを含有する翻訳反応液(25μL)を30℃で60分間インキュベートし、氷上で5分間冷却し、希釈試薬で希釈し、96−ウェルプレートに移した。原核生物系と真核生物系の両方において、ルシフェラーゼアッセイ試薬(50μL;Promega)の添加直後に発光を測定し、FLx800蛍光マイクロプレートリーダー(Biotek)で光の放出を記録した。Grafit 5ソフトウェアを使用し、濃度−応答曲線を少なくとも2つの独立した実験のデータに当てはめることによって、半最大阻害濃度(IC50)値を得た。
【0775】
抗菌活性試験:
臨床研究所規格委員会(NCCLS:National Committee for Clinical Laboratory Standards)(NCCLS.“National Committee for Clinical Laboratory Standards, Performance standards for antimicrobial susceptibility testing.(臨床研究所規格委員会、抗微生物の感受性試験に関する性能基準)、第5情報別冊:“Approved Standard M100-S5(承認基準M100−S5)”ペンシルベニア州ビラノバ:NCCLS、1994)に従い、二重微量希釈法を使用してMIC値を測定することにより、2種の代表的なグラム陰性株菌(大腸菌R477−100)およびグラム陽性株(枯草菌ATCC−6633)菌について、比較抗菌活性を決定した。全ての実験を3回繰り返したところ、3つの異なる実験で類似した結果を得た。
【0776】
結果:
図10は、USH1遺伝病を代表するR3Xナンセンス変異コンストラクトにおける化合物1(−■−)、NB153(−▲−)、およびNB155(−△−)により誘導された、インビトロにおける終止コドンの抑制レベルを示す比較プロットを示す。
【0777】
これらの比較PTC抑制活性試験は、C7’−ヒドロキシル基(NB153)を化合物1に取り付けることにより、そのインビトロにおけるリードスルー活性が劇的に増加し、その作用はNB155の作用より顕著であることを示す。これらのデータは、追加のヒドロキシル基に起因する活性の改善を示し、RNA標的認識における6’位の立体化学の役割をさらに強調する。化合物1の活性と比べてNB155の活性が多少高いことが観察されたが、これは、NB155における追加の7’−ヒドロキシルによって、6’位における配置上の不利益を克服できることを示唆している。
【0778】
化合物NB156およびNB157における追加の7’−ヒドロキシルの影響を、以下に示すように、7’−ヒドロキシルが存在しない点が化合物NB156およびNB157と異なる、公知の化合物NB74およびNB124と比べることで評価した。
【0779】
【化35】
【0780】
一揃いのデュアルルシフェラーゼレポータープラスミドを使用して活性を試験し、当該プラスミドは、USH1、CF、およびMPS I−Hのそれぞれの特徴となるPCDH15、CFTR、およびIDUA遺伝子に由来する未成熟終止コドンの周りに異なる配列構造(contests)を含有するものである。例示したナンセンスレポーターは、USH1についてはR3XおよびR245X、CFについてはG542X、およびMPS I−HについてはQ70Xであった。
【0781】
得られたデータを図11A〜11Dに示した。これらは、R3X(USH1)(図11A)、R245X(USH1)(図11B)、Q70X(HS)(図11C)、およびG542X(CF)(図11D)を代表するナンセンスコンストラクトにおける、NB74(−△−)、NB156(−▲−)、およびゲンタマイシン(−−■−−)(左)ならびにNB124(−Δ−)、NB157(−▲−)、およびゲンタマイシン(−−■−−)(右)により誘導されたインビトロにおける終止コドン抑制レベルの比較プロットを示す。結果は、少なくとも3回の独立した実験の平均である。
【0782】
図11A〜11Dによって明らかに示されるように、NB153で示されたC7’−ヒドロキシル基の正の影響は、疑似三糖でも保持されている。試験した全ての変異において、NB156のリードスルー活性は、構造的に関連するNB74の活性より実質的に優れており、NB157の活性は、その構造的に関連するNB124より優れている。加えて、試験した全ての変異において、NB156およびNB157の両方の活性は、臨床薬であるゲンタマイシンの活性より有意に優れていた。
【0783】
真核生物の細胞質内リボソームへの特異性を評価するために、真核生物系における化合物NB74、NB124、NB156およびNB157の比較タンパク質翻訳阻害を、転写/翻訳組合せアッセイを使用して決定した。
【0784】
全ての生物学的試験において、全てのAGがそれらの硫酸塩の形態であったことから、濃度は、各AGの遊離アミン形態を指す。真核生物および原核生物に対する半最大阻害値(IC50EukおよびIC50Pro)は、公知のように、転写/翻訳組合せアッセイで活性ルシフェラーゼを検出することで定量化した。最小阻害濃度(MIC)値を、二重微量希釈方法を使用することによって決定した。
【0785】
以下の表4に、得られたデータを示す。
【0786】
【表4】
【0787】
得られたデータから、NB157(半最大阻害濃度値IC50Euk=1.2μM)が真核生物の翻訳を阻害する効能は、NB156の効能(IC50Euk=13.9μM)およびゲンタマイシンの効能(IC50Euk=62μM)よりも大きいことが示され、これは、図11A〜Dに示されるPTC抑制活性と類似している。加えて、NB156およびNB157は、それぞれが構造的に関連する化合物NB74およびNB124よりも1.85倍および1.25倍高く真核生物のリボソームに対して特異的である。これらのデータから、NB156およびNB157の上昇したPTC抑制活性は、それらの真核生物のリボソームに対する特異性の増加に関連することを示す。
【0788】
表4の測定されたIC50ProおよびMIC値から、NB156およびNB157が、原核生物のリボソームを阻害する効能とそれに続く抗菌活性が、それらの構造的に関連する化合物NB74およびNB124のそれぞれと非常に類似していることが示された。観察されたこれら化合物による細菌リボソームに対する類似の影響から、NB156およびNB157は、ゲンタマイシンおよびG418よりも聴器毒性が低いことが示唆される。
【0789】
したがって、本明細書では、新しい薬理作用ポイントである7’−ヒドロキシル基は、原核生物対真核生物における選択性およびそれに続くPTC抑制活性に有意に影響を与える、グルコサミン環(環I)の有用な構造的エレメントとして示す。
【0790】
さらなるアッセイを、実質的に上述と同様に実行した。図12A〜13Bに得られたデータの一部を示す。
【0791】
これらのアッセイにおいて、広範にわたる終止コドン変異の宝庫に対して、NB156およびNB157の存在下におけるリードスルーを試験した。簡単に言えば、漸増用量のNB156およびNB157の、ナンセンス変異に対するそれらのリードスルー特性を試験した。試験には、対照としてのそれぞれの特異的な相補的DNA(cDNA)の野生型(WT)配列と、終止コドン変異を保有するプラスミドとを使用して、デュアルルシフェラーゼアッセイを実施した。異なるcDNA由来のDNA断片は、変異型または野生型のコドンが、その上流側および下流側に隣接する4個〜6個のコドンによって囲まれているWTまたはナンセンス変異のいずれかを使用して調製した。各配列につき、cDNA配列をp2lucプラスミドのポリリンカーに挿入した。
【0792】
以下の表5に、試験した変異およびそれと関連する遺伝病を示す。
【0793】
【表5】
【0794】
図12Aは、終止コドン変異リードスルーの比較プロットであって、リードスルーのパーセントをNB156を用いたWTの濃度(50%ウミシイタケまでのリードスルー)に対する関数として示し、変異G542X、W392X、R1282X、Q2522X、R3X、Q70X、R578X、R168X、R245X、R31X、mdX、R270X、R3381X、R553X、Q251XおよびR294Xのリードスルーを比較したものである。
【0795】
図12Bは、終止コドン変異リードスルーの比較プロットであって、NB156に曝露した後の未処理対照におけるリードスルーの増加倍率をNB156の濃度に対する関数として示し、変異G542X、W392X、R1282X、Q2522X、R3X、Q70X、R578X、R168X、R245X、R31X、mdx、R270X、R3381X、R553X、Q251XおよびR294Xのリードスルーを比較したものである。
【0796】
図13Aは、終止コドン変異リードスルーの比較プロットであって、リードスルーのパーセントをNB157を用いたWTの濃度(50%ウミシイタケまでのリードスルー)に対する関数として示し、変異G542X、W392X、R1282X、Q2522X、R3X、Q70X、R578X、R168X、R245X、R31X、mdX、R270X、R3381X、R553X、Q251XおよびR294X(上記の表5を参照)のリードスルーを比較したものである。
【0797】
図13Bは、終止コドン変異リードスルーの比較プロットであって、NB157に曝露した後の未処理対照におけるリードスルーの増加倍率をNB157の濃度に対する関数として示し、変異G542X、W392X、R1282X、Q2522X、R3X、Q70X、R578X、R168X、R245X、R31X、mdX、R270X、R3381X、R553X、Q251XおよびR294X(上記の表5を参照)のリードスルーを比較したものである。
【0798】
追加の比較アッセイにおいて、NB156の終止コドン変異に対するリードスルー活性をNB74の活性と比較した。全ての試験された変異において、NB156は、NB74より活性であることが明らかとなった。
【0799】
これらのデータによって、NB156およびNB157による様々な終止コドン変異に対してリードスルー活性がさらに明らかとなった。
【0800】
実施例6
本発明の一部の実施形態に係る不飽和グルコサミン(環I)を含有する例示化合物
アミノグリコシド構造の例示的な新しい修飾を、環I(グルコサミン環)に不飽和を挿入することにより実施した。C4’−OHまたはC3’,C4’−ヒドロキシルを除き得、同時に環Iに不飽和基を導入することは、G1408とのよりよい偽対相互作用およびA1491との改善されたπ−πスタッキングのために、結合ポケット内で環を比較的「自由に」移動できるようにすると考えられた。
【0801】
化学合成
以下の例示的なアミノ糖化合物であるNB154、NB158およびNB159を合成した。
【0802】
【化36】
【0803】
全ての構造を、質量分析と共に、1D TOCSY、2D COSY、2D H−13C HMQCおよびHMBCなどの様々な1Dおよび2D NMR技術の組合せによって確認し、特徴付けた。
【0804】
NB154の合成:
以下のスキーム12に、NB154の合成を示す。
【0805】
【化37】
【0806】
簡単に言えば、合成はパロマミンから開始した。パロマミンは、過去に報告されているように、市販の硫酸パロモマイシン(paromomicin)の酸性(HCl/MeOH)加水分解によって得られる。最初に、CuSOの存在下でトリフリック無水物およびNaNからインサイチュでトリフリン酸アジドを生成する作用により、パロマミンをトリアジドに変換して、パロマミンペルアジド(18)を得た。パロマミンペルアジドを得たら、酸性条件下でベンズアルデヒドジメチルアセタールを使用して、4’,6’−OH基を対応するベブジリデン(bebzylidene)アセタール(42)に変換した。他のヒドロキシ基を、無水酢酸の存在下、塩基性条件下で酢酸エステルに変換した(43)。穏やかな酸性環境下での化合物43におけるアリーリデン基の脱保護によりジオール44が形成され、これをさらなるその後の官能基変換に供して所望の化合物を得た。選択的な酸化が実行されるように4’−OH基と6’−OH基を区別するために、化合物43中の6’−OH基を、tert−ブチルジフェニルシリルクロリド(TBDPSCl)での選択的な保護によりそのシリルエーテル45として保護し、一方で他のヒドロキシル基を、塩基条件(EtN)下で塩化メシル(MsCl)を使用してメシル酸エステルとしてマスクすることによって、化合物46を優れた収量で得た。
【0807】
TBAFを使用したシリル脱保護中の4’−OMエステル官能基の加水分解を回避するために、TBAF反応混合物をAcOHで緩衝化し、6’−OH官能性分子47得て、その分子で4’−OMエステルを無傷のままにした。ワンポット反応でのC−6’ヒドロキシル基のDMP酸化とそれに続く塩基性条件下における4’−OMエステルの付随的な消去により、対応するα、β−不飽和アルデヒド48の形成が優れた収量で起こる。化合物48は、ルーシェ還元条件でアリル型のアルコール49をもたらし、これをNaOMe、続いてシュタウディンガー反応で処理することで、疑似二糖NB154を得た。
【0808】
1,3,2’−ペルアジド−パロマミン(18)の合成:硫酸パロモマイシンを酸性条件(HCl/MeOH)下でパロマミンに加水分解した。CuSOの存在下でトリフリック無水物およびNaNからインサイチュでトリフリン酸アジドを生成することにより、パロマミンをトリアジドに変換した。
【0809】
トリフリン酸アジドの生成:0℃の水(9.0mL)およびトルエン(9.0mL)中にNaN(3.6グラム、18当量)を徹底的に撹拌した溶液に、トリフリック無水物(4.6mL、9.0当量)を一滴ずつ添加し、反応混合物を0℃で30分間撹拌した。その後温度を10℃に上げ、二相系を2時間撹拌した。次いでNaHCOの飽和水溶液を、ガスの評価が終わるまで一滴ずつ添加した。相分離し、水相をトルエン(2×9mL)で抽出した。合わせた有機相は、ジアゾ転移反応に使用した。
【0810】
ジアゾ転移反応:パロマミン(1.0グラム、1.0当量)、NaHCO(3.1グラム、12.0当量)および硫酸銅(II)を水(5.0mL)中に溶解した。トリフリン酸アジドストック溶液を添加し、続いてメタノール(40mL)を添加することにより、均一な溶液を得た。青色の反応混合物を室温で激しく撹拌した。アミンの完全な変換が、青色から緑色への変化により判明した。48時間撹拌した後、TLC(EtOAc/MeOH 95:5)分析により反応の完了が判明した。その後、乾燥するまで溶媒を蒸発させ、残留物をカラムクロマトグラフィー(EtOAc 100%)に供した。
【0811】
H NMR(500MHz,MeOD):「環I」:δ=5.69(d,1H,J=3.7Hz,H−1)、3.99(ddd,1H,J=9.9,4.1,2.6Hz,H−5)、3.94(dd,1H,J=10.2,9.1Hz,H−3)、3.84(dd,1H,J=11.9,2.3Hz,H−6)、3.78(dd,1H,J=11.8,4.4Hz,H−6)、3.46(dd,1H,J=9.7,9.3Hz,H−4)、3.13(dd,1H,J=10.5,3.7Hz,H−2);「環II」:δ=3.80(t,1H,J=8.8Hz,H−5)、3.77〜3.67(m,3H,H−1,H−3,H−4)、3.56(t,1H,J=9.6Hz,H−6)、2.59〜2.48(m,1H)、1.68(dd,1H,J=26.3,12.7Hz,H−2)。
【0812】
13C NMR(125MHz,MeOD):δ=99.3(C1’)、80.7、77.8(C5)、77.7(C6)、73.9(C5’)、72.4(C3’)、71.6、64.8(C2’)、62.1(C6’)、61.6、60.9、33.1(C2)。
【0813】
MALDI TOFMS:C1219([M+K])の計算値m/e 440.3;実測値m/e 440.2)。
【0814】
4’,6’−O−ベンジリデン−1,2’,3−トリアジド−パロマミン(42)の調製:化合物18(1グラム、2.49mmol)を乾燥DMF(20mL)中に溶解させ、ベンズアルデヒドジメチルアセタール(0.87mL、5.79mmol)および触媒となる量のCSAを添加した。反応混合物を60℃で撹拌し、TLC(EtOAc60%、ヘキサン40%)により反応の進行をモニターしたところ、2時間後に反応の完了が判明した。反応混合物をEtOAcで希釈し、NaHCOの飽和水溶液およびブラインで抽出した。合わせた有機相をMgSO上で脱水し、濾過し、減圧下で濃縮した。未精製の生成物を、フラッシュクロマトグラフィー(EtOAc/ヘキサン 1:1)によって精製して、化合物42を得た(1.0グラム、83%収量)。
【0815】
H NMR(600MHz,MeOD):「環I」:δ=5.69(d,1H,J=3.5Hz,H−1)、4.27(dd,1H,J=10.0,J=5.0Hz,H−6)、4.20(td,1H,J=10.1,J=5.0Hz,H−6)、4.15(t,1H,J=9.7Hz,H−3)、3.81(t,1H,J=10.1Hz,H−5)、3.59(t,1H,J=9.56Hz,H−4)、3.31(dd,1H,J=10.4,J=4.6Hz,H−2);「環II」:δ=3.57(t,1H,J=8.2Hz,H−5)、3.54〜3.48(m,2H,H−3,H−4)、3.45(ddd,1H,J=14.7,11.3,5.5Hz,H−1)、3.31(t,1H,J=9.7Hz,H−6)、2.28(dt,1H,J=8.5,J=3.9Hz,H−2eq)、1.46(ddd,1H,J=J=J=12.3Hz,H−2ax);スペクトル中の追加のピークを以下のように同定した:7.58〜7.50(m,2H)、7.43〜7.35(m,3H,Ar)、7.43〜7.35(m,3H,Ar)、5.63(s,1H,PhCH)。
【0816】
13C NMR(150MHz,MeOD):δ=139.10(Ar)、129.98(Ar)、129.07(Ar)、127.56(Ar)、103.14(PhCH)、100.36(C−1’)、83.06、81.33、77.82、77.81、69.85(C−5’)、69.59(C−6’)、65.23(s)、64.58(s)、61.76(s)、60.95(s)、33.21(C−2)。
【0817】
MALDI TOFMS:C1924([M+H]+)の計算値m/e 490.4;実測値m/e 490.0。
【0818】
4’,6’−O−ベンジリデン−1,2’,3−トリアジド−ペルアセチルパロマミン(43)の調製:化合物42(1.4グラム、2.94mmol)を無水ピリジン(8mL)中に溶解し、無水酢酸(1.4mL、14.8mmol)、および4−DMAP(3.2グラム、26.1mmol)を添加した。TLCにより反応の進行をモニターしたところ、4時間後に完了が判明した。反応混合物をEtOAcで希釈し、HClの水溶液(2%)、NaHCOの飽和水溶液、およびブラインで抽出した。合わせた有機相を無水MgSO上で脱水し、濃縮した。未精製の生成物を、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(EtOAc/ヘキサン 4:6)によって精製して、43を得た(1.32グラム、73%収量)。
【0819】
H NMR(600MHz,MeOD):「環I」:δ=5.57(dd,1H,J=10.3,J=9.6Hz,H−3)、5.15(d,1H,J=3.2Hz,H−1)、4.31(dt,2H,J=13.0,J=5.0Hz,H−5,H−6)、3.73(dd,1H,J=14.4,J=5.6Hz,H−6)、3.62(t,1H,J=9.3Hz,H−4)、3.24(dd,1H,J=10.5,J=4.0Hz,H−2);「環II」:δ=5.17(t,1H,J=9.7Hz,H−5)、4.92(t,1H,J=10.0Hz,H−6)、3.74〜3.56(m,2H,H−4,H−1)、3.46(ddd,1H,J=12.2,J=10.1,J=4.9Hz,H−3)、2.43(dt,1H J=13.0,J=4.5Hz,H−2)、1.59(ddd,1H,J=25.8,J=12.8Hz,H−2);スペクトル中の追加のピークを以下のように同定した:δ=7.44(dt,J=5.0,J=3.0Hz,2H,Ar)、7.39〜7.30(m,3H,Ar)、5.49(s,1H,PhCH)。
【0820】
13C NMR(150MHz,CDCl):δ=170.06(C=O)、169.76(C=O)、169.37(C=O)、136.93(Ar)、129.26(Ar)、128.36(Ar)、126.30(Ar)、101.74(PhCH)、100.22(C−1’)、79.17(C−4’)、78.72(C−4)、74.27(C−6)、73.72(C−5)、68.69(C−6’)、68.63(C−3’)、63.51(C−5’)、61.46(C−2’)、58.29(C−3)、57.68(C−1)、31.77(C−2)、20.87(CHCO)、20.67(CHCO)、20.64(CHCO)。
【0821】
(1S,2S,3R,4S,6R)−3−(((2S,3R,4R,5S,6R)−4−アセトキシ−3−アジド−5−ヒドロキシ−6−(ヒドロキシメチル)テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)オキシ)−4,6−ジアジドシクロヘキサン−1,2−ジイルジアセテート(44)の調製:化合物43(1.32グラム、2.14mmol)をAcOH/HO(5:1、10mL)の混合物中に溶解し、溶液を60℃で一晩撹拌した。反応の完了がTLCによって判明した後、水性の酢酸を蒸発により除去した。未精製の残留物をEtOAc中に溶解し、NaHCOの飽和水溶液、およびブラインで抽出した。合わせた有機相を無水MgSO上で脱水し、濃縮した。未精製の生成物を、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(EtOAc/ヘキサン 6:4)によって精製して、44を得た(771mg、68%収量)。
【0822】
H NMR(600MHz,CDCl):「環I」:δ=5.28(t,1H,J=9.9Hz,H−3)、5.13(d,1H,J=3.6Hz,H−1)、4.09(d,1H,J=10.0Hz,H−4)、3.95〜3.79(m,2H,H−6,H−6)、3.67(t,1H,J=9.1Hz,H−5)、3.28(dd,1H,J=10.3,J=3.5Hz,H−2);「環II」:δ=5.12(t,1H,J=9.8Hz,H−5)、4.91(t,1H,J=10.0Hz,H−6)、3.73〜3.67(m,1H,H−3)、3.63(t,1H,J=9.7Hz,H−4)、3.52(td,1H,J=12.1,4.6Hz,H−1)、2.42(dt,1H,J=13.2,J=4.4Hz,H−2)、1.59(ddd,1H,J=J=J=12.6Hz,H−2););スペクトル中の追加のピークを以下のように同定した:δ=2.15(s,3H,CHC=O)、2.11〜2.02(m,6H,CHC=O)。
【0823】
13C NMR(150MHz,CDCl):δ=171.78(C=O)、170.10(C=O)、169.73(C=O)、99.33(C−1’)、78.79(C−4)、74.21(C−6)、73.68(C−5)、73.03(C−3’)、72.62(C−4’)、69.45(C−5’)、61.64(C−6’)、61.02(C−2’)、58.71(C−1)、57.65(C−3)、31.98(C−2)、21.06(CHCO)、20.72(CHCO)、20.66(CHCO)。
【0824】
(1S,2S,3R,4S,6R)−3−(((2S,3R,4S)−4−アセトキシ−3−アジド−6−ホルミル−3,4−ジヒドロ−2H−ピラン−2−イル)オキシ)−4,6−ジアジドシクロヘキサン−1,2−ジイルジアセテート(48)の調製:0℃でCHCl(3mL)中に化合物47(88mg、0.145mmol)を撹拌した溶液に、DMP(123mg、0.289mmol)を一部ずつ添加し、得られた混合物を0℃で40分間撹拌した。次いで反応混合物をそのまま室温にし、さらに3時間撹拌した。反応の完了がTLCにより判明した後、EtN(0.2mL)をワンポットで室温で添加し、混合物を30分間撹拌した。その後、反応混合物をEtOAcで希釈し、水、続いてブラインで洗浄した。合わせた有機相を無水MgSO上で脱水し、濃縮した。未精製の生成物を、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(EtOAc/ヘキサン 3:7)によって精製して、48を得た(50mg、68%収量)。
【0825】
H NMR(600MHz,CDCl):「環I」:δ=5.93(d,1H,J=2.6Hz,H−4)、5.76(dd,1H,J=9.4,J=2.4Hz,H−3)、5.38(d,1H,J=2.6Hz,H−1)、3.71(dd,1H,J=9.4,J=2.7Hz,H−2);「環II」:δ=5.13(t,1H,J=9.9Hz,H−5)、4.90(t,1H,J=10.0Hz,H−6)、3.82(t,1H,J=9.8Hz,H−4)、3.60(ddd,1H,J=12.6,J=10.2,J=4.6Hz,H−1)、3.42(ddd,1H,J=12.6,J=10.0,J=4.6Hz,H−3)、2.31(dt,1H,J=13.5,J=4.6Hz,H−2)、1.49(ddd,1H,J=J=J=12.7Hz,H−2);スペクトル中の追加のピークを以下のように同定した:δ=9.24(s,1H,CHO)、2.14(s,3H,CHCO)、2.08(s,3H,CHCO)、2.06(s,3H,CHCO)。
【0826】
13C NMR(150MHz,CDCl):δ=185.12(CHO)、170.01(C=O)、169.87(C=O)、169.48(C=O)、148.79(C−5’)、116.71(C−4’)、98.98(C−1’)、79.20(C−4)、73.99(C−6)、73.25(C−5)、66.43(C−3’)、59.14(C−3)、58.50(C−2’)、57.84(C−1)、32.14(C−2)、20.91(CHCO)、20.69(CHCO)、20.64(CHCO)。
【0827】
(1S,2S,3R,4S,6R)−3−(((2S,3R,4S)−4−アセトキシ−3−アジド−6−(ヒドロキシメチル)−3,4−ジヒドロ−2H−ピラン−2−イル)オキシ)−4,6−ジアジドシクロヘキサン−1,2−ジイルジアセテート(49)の調製:0℃に冷却した乾燥MeOH(10mL)中にアルデヒド48(1.0グラム、1.97mmol)を撹拌した溶液に、CeCl・7HO(734mg、1.97mmol)およびNaBH(74mg、1.95mmol)を連続的に添加した。反応の進行をTLC(EtOAc/ヘキサン 2:3)によりモニターしたところ、1時間後に完了が判明した。MeOHを完全に蒸発させ、HOを添加した。水層をEtOAcで抽出した。合わせた有機相を、ブラインで洗浄し、MgSO上で脱水し、乾燥するまで蒸発させ、カラムクロマトグラフィー(シリカゲル、EtOAc/ヘキサン)で精製し、対応するアリルアルコール49を得た(960mg、96%)。
【0828】
H NMR(600MHz,CDCl):「環I」:δ=5.44(d,1H,J=5.9,H−3)、5.25(d,1H,J=2.4Hz,H−1)、5.03(d,1H,J=2.7Hz,H−4)、4.09〜3.96(m,2H,H−6,H−6)、3.58(dd,1H,J=7.0,J=2.5Hz,H−2);「環II」:δ=5.12(t,1H,J=9.9Hz,H−5)、4.89(t,1H,J=10.0Hz,H−6)、3.79(t,1H,J=9.8Hz,H−4)、3.69〜3.54(m,1H,H−1)、3.48(ddd,1H,J=12.6,J=10.0,J=4.6Hz,H−3)、2.30(dt,1H,J=13.4,J=4.5Hz,H−2eq)、1.44(ddd,1H,J=J=J=12.8Hz,H−2ax);スペクトル中の追加のピークを以下のように同定した:δ=2.57(brs,1H,6’−OH)、2.06(s,3H,CH)、2.04(s,6H,CH)。
【0829】
13C NMR(150MHz,CDCl):δ=170.0(CH−CO)、169.9(CH−CO)、169.4(CH−CO)、152.6(C5’)、98.3(C1’)、96.3(C4’)、78.8(C4)、73.9(C6)、73.3(C5)、66.6(C3’)、61.7(C6’)、59.3(C3)、58.9(C2’)、57.8(C1)、32.3(C2)、21.0(CH)、20.6(CH)、20.5(CH)。
【0830】
(1S,2R,3R,4S,6R)−4,6−ジアジド−3−(((2S,3R,4S)−3−アジド−4−ヒドロキシ−6−(ヒドロキシメチル)−3,4−ジヒドロ−2H−ピラン−2−イル)オキシ)シクロヘキサン−1,2−ジオール(50)の調製:アルゴン雰囲気下で乾燥MeOH(15mL)中にアルコール49(960mg、1.88mmol)を撹拌した溶液に、NaOMe(459mg、8.49mmol)を添加した。反応の進行をTLC(EtOAc/ヘキサン 3:2)によりモニターしたところ、6時間後に完了が判明した。次いで反応混合物をシリカゲルカラムのパッドを通過させ、カラムをMeOHで洗浄した。合わせた有機相を乾燥するまで蒸発させ、カラムクロマトグラフィー(シリカゲル、EtOAc/ヘキサン)で精製して、化合物50を得た(700mg、97%)。
【0831】
H NMR(500MHz,MeOD):「環I」:δ=5.80(d,1H,J=2.5Hz,H−1)、5.03(dt,1H,J=2.5,J=1.0Hz,H−4)、4.47〜4.39(m,1H,H−3)、4.06〜3.96(m,2H,H−6)、3.42(dd,1H,J=8.0,J=2.5Hz,H−2);「環II」:δ=3.61(t,1H,J=9.5Hz,H−4)、3.52(t,1H,J=9.5Hz,H−5)、3.46(ddd,1H,J=12.5,J=9.5,J=4.5Hz,H−3)、3.43〜3.37(m,1H,H−1)、3.26(t,1H,J=9.5Hz,H−6)、2.16(dt,1H,J=12.5,J=4.5Hz,H−2eq)、1.29(ddd,1H,J=J=J=12.5Hz,H−2ax)。
【0832】
13C NMR(125MHz,MeOD):δ=152.6、100.5(C4’)、99.6(C1’)、81.7(C4)、77.9(C6)、77.6(C5)、64.9(C3’)、63.8(C2’)、62.0(C1)、61.9(C6’)、61.6(C3)、33.7(C2)。
【0833】
MALDI TOFMS:C1217([M+Na])の計算値m/e 406.3;実測値m/e 406.3。
【0834】
(1S,2R,3R,4S,6R)−4,6−ジアミノ−3−(((2S,3R,4S)−3−アミノ−4−ヒドロキシ−6−(ヒドロキシメチル)−3,4−ジヒドロ−2H−ピラン−2−イル)オキシ)シクロヘキサン−1,2−ジオール(NB154)の調製:THF(3.0mL)およびNaOH水溶液(1mM、5.0mL)の混合物中に化合物50(256mg、1.0当量)を撹拌した溶液に、PMe(THF中の1M溶液、0.55mL、7.8当量)を添加した。反応の進行をTLC[CHCl/MeOH/HO/MeNH(EtOH中の33%溶液)、10:15:6:15]によりモニターしたところ、3.5時間後に完了が判明した。反応混合物を、シリカゲルの短いカラムでのフラッシュクロマトグラフィーによって精製した。カラムを、以下の溶媒:THF(100mL)、CHCl(100mL)、EtOH(50mL)、およびMeOH(100mL)で洗浄した。次いで生成物を80%MeOH中の5%MeNH溶液(EtOH中の33%溶液)の混合物で溶出した。生成物を含有する画分を合わせて、真空中で蒸発させた。上記の生成物をAmberlite CG50(NH型)の短いカラムに通過させることにより、純粋な生成物を得た。最初に、カラムを水で洗浄し、次いで生成物を水中の10%NHOHの混合物で溶出して、NB154を得た(184mg、90%)。
【0835】
貯蔵および生物学的試験のために、NB154を、以下のようにしてその硫酸塩の形態に変換した:遊離塩基の形態を水中に溶解し、pHをHSO(0.1N)で7に調整し、凍結乾燥して、NB154の硫酸塩を得た。
【0836】
H NMR(500MHz,MeOD):「環I」:δ=5.40(d,1H,J=2.5Hz,H−1)、4.98(d,1H,J=3.0Hz,H−4)、4.06(dd,1H,J=7.0,J=3.0Hz,H−3)、4.01〜3.91(m,2H,H−6)、2.92(dd,1H,J=7.0,J=2.5Hz,H−2);「環II」:δ=3.41〜3.35(m,2H,H−4,H−5)、3.09(t,1H,J=9.5Hz,H−6)、2.76〜2.70(m,1H,H−3)、2.66(ddd,1H,J=12.5,J=10.0,J=4.5Hz,H−1)、2.03(dt,1H,J=12.5,J=4.5Hz,H−2eq)、1.24(ddd,1H,J=J=J=12.5Hz,H−2ax)。
【0837】
13C NMR(125MHz,MeOD):δ=152.6、101.8(C1’)、101.5(C4’)、86.7、78.8(C6)、77.7、68.0(C3’)、62.5(C6’)、55.6(C2’)、52.4(C3)、51.2(C1)、36.6(C2)。
【0838】
MALDI TOFMS:C1223([M+H])の計算値m/e 306.3;実測値m/e 306.8。
【0839】
NB158およびNB159の合成:
NB158およびNB159を、スキーム13に示したようにして調製した。
【0840】
【化38】
【0841】
簡単に言えば、疑似三糖であるNB158およびNB159の合成を、ピリジン中の無水酢酸を使用した低温(−20℃)での50の位置選択的なアセチル化によって得られる、対応するアクセプター51から達成した。アクセプター51を、触媒となる量のBF・OEtを用いてトリクロロアセトイミデートドナー52および53とグリコシル化反応させることで、保護された疑似三糖54および55を、主として対応するβ−アノマーとして優れた収量で得た。メチルアミンおよびシュタウディンガー反応での疑似三糖54および55の全体的なエステル脱保護により、アジ化物を対応するアミンに変換することで、化合物NB158およびNB159を得た。
【0842】
((2S,3R,4S)−4−アセトキシ−2−(((1R,2S,3S,4R,6S)−3−アセトキシ−4,6−ジアジド−2−ヒドロキシシクロヘキシル)オキシ)−3−アジド−3,4−ジヒドロ−2H−ピラン−6−イル)酢酸メチル(51)の調製:化合物50(700mg、1.82mmol)を無水ピリジン(8mL)中に溶解し、−20℃に冷却した。この温度で、無水酢酸(0.6mL、6.19mmol)を一滴ずつ添加し、反応をそのまま−20℃で進行させた。TLCにより反応の進行をモニターしたところ、17時間後に完了が判明した。反応混合物をEtOAcで希釈し、NaHCOの水溶液、HCl(2%)、NaHCOの飽和水溶液、およびブラインで抽出した。合わせた有機相を無水MgSO上で脱水し、濃縮した。未精製の生成物を、シリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製して、51を得た(520mg、56%)。
【0843】
H NMR(600MHz,CDCl):「環I」:δ=5.62(d,1H,J=8.7,H−3)、5.59(d,1H,J=2.8Hz,H−1)、5.03(d,1H,J=2.7Hz,H−4)、4.52(q,2H,J=13.4Hz,H−6,H−6)、3.77(dd,1H,J=8.7,J=2.8Hz,H−2);「環II」:δ=4.86(t,1H,J=9.9Hz,H−6)、3.69(td,1H,J=9.5,J=4.3Hz,H−5)、3.58(t,1H,J=9.5Hz,H−4)、3.50(ddd,1H,J=12.6,J=10.0,J=4.6Hz,H−1)、3.37(ddd,1H,J=12.6,J=9.8,J=4.6Hz,H−3)、2.28(dt,1H,J=13.5,J=4.6Hz,H−2eq)、1.43(ddd,1H,J=J=J=12.6Hz,H−2ax);スペクトル中の追加のピークを以下のように同定した:δ=2.17(s,3H,CH)、2.12(s,3H,CH)、2.10(s,3H,CH)。
【0844】
13C NMR(150MHz,CDCl):δ=170.9(CH−CO)、170.4(CH−CO)、170.4(CH−CO)、148.2(C5’)、99.1(C4’)、98.8(C1’)、83.1(C4)、75.7(C6)、74.7(C5)、67.4(C3’)、62.4(C6’)、59.7(C2’)、59.1(C3)、58.0(C1)、32.6(C2)、21.1(CH)、20.9(CH)、20.9(CH)。
【0845】
グリコシル化生成物(54)の調製:無水CHCl(15mL)を粉末化し、火炎乾燥した4Å分子篩(2.0グラム)に添加し、続いてアクセプター51(270mg、0.53mmol)およびドナー52(1.115グラム、2.11mmol)を添加した。反応混合物を室温で10分間撹拌し、次いで−30℃に冷却した。この温度で、触媒となる量のBF・EtO(0.1ml)を添加し、混合物を−30℃で撹拌し、TLCにより反応の進行をモニターしたところ、60分後に完了が判明した。反応混合物を酢酸エチルで希釈し、飽和NaHCOおよびブラインで洗浄した。合わせた有機相をMgSO上で脱水し、蒸発させ、カラムクロマトグラフィー(EtOAc/ヘキサン)に供して、化合物54を80%収量で得た(370mg)。
【0846】
H NMR(600MHz,CDCl):「環I」:δ=5.69(d,1H,J=2.3,H−1)、5.43(dd,1H,J=6.4,J=4.0Hz,H−3)、5.07(d,1H,J=3.3Hz,H−4)、4.55(q,2H,J=13.3Hz,H−6,H−6)、3.92(dd,1H,J=6.8,J=2.3Hz,H−2);「環II」:δ=5.0(t,1H,J=10.1Hz,H−6)、3.87(t,1H,J=9.4Hz,H−5)、3.79(t,1H,J=9.6Hz,H−4)、3.49(ddd,1H,J=12.2,J=10.0,J=4.3Hz,H−1)、3.43(ddd,1H,J=12.1,J=9.8,J=4.5Hz,H−3)、2.34〜2.22(m,1H,H−2eq)、1.45(ddd,1H,J=J=J=12.7Hz,H−2ax);「環III」:δ=5.56(d,1H,J=1.1Hz,H−1)、5.55〜5.53(m,1H,H−2)、5.44(dd,1H,J=6.8,J=5.3Hz,H−3)、4.57〜4.49(m,1H,H−4)、3.66(dd,1H,J=13.5,J=3.6Hz,H−5)、3.56(dd,1H,J=13.3,J=6.0Hz,H−5);スペクトル中の追加のピークを以下のように同定した:δ=7.93(t,2H,J=4.2Hz,Ar)、7.88(dd,2H,J=8.3,J=1.2Hz,Ar)、7.59〜7.50(m,2H,Ar)、7.39(t,2H,J=7.9Hz,Ar)、7.34(t,2H,J=7.9Hz,Ar)、2.29(s,3H,CH)、2.10(s,3H,CH)、2.09(s,3H,CH)。
【0847】
13C NMR(150MHz,CDCl):δ=170.3(CH−CO)、170.1(CH−CO)、170.0(CH−CO)、165.5(C−CO)、165.2(C−CO)、149.3(C5’)、133.8(Ar)、133.7(Ar)、129.7(Ar)、129.7(Ar)、128.8(Ar)、128.7(Ar)、128.6(Ar)、128.5(Ar)、107.5(C1”)、97.9(C1’)、97.8(C4’)、80.8(C4”,C4)、78.9(C5)、74.7(C2”)、73.9(C6)、71.7(C3’)、66.8(C3”)、62.3(C6’)、59.8(C3)、59.3(C2’)、58.4(C1)、52.7(C5”)、32.5(C2)、21.1(CH)、20.9(CH)、20.8(CH)。
【0848】
化合物56の調製:グリコシル化生成物54(370mg、0.422mmol)を、MeNH(EtOH中の33%溶液、15mL)の溶液で処理し、TLC(EtOAc/MeOH 85:15)により反応の進行をモニターしたところ、12時間後に完了が判明した。反応混合物を乾燥するまで蒸発させ、カラムクロマトグラフィー(MeOH/EtOAc 2:8)に供して、対応する完全に保護されていないペルアジド誘導体56を97%収量で得た(237mg)。
【0849】
H NMR(600MHz,MeOD):「環I」:δ=5.83(d,1H,J=2.5,H−1)、5.02(dd,1H,J=1.8,J=1.1Hz,H−4)、4.35(dd,1H,J=4.4,J=2.4Hz,H−3)、4.05〜3.94(m,2H,H−6,H−6)、3.53(dd,1H,J=7.6,J=4.2Hz,H−2);「環II」:δ=3.70(t,1H,J=9.7Hz,H−4)、3.62(t,1H,J=9.1Hz,H−5)、3.49〜3.41(m,1H,H−3)、3.39(dt,1H,J=9.8,J=4.9Hz,H−1)、3.37〜3.34(m,1H,H−6)、2.12(dt,1H,J=13.0,J=4.5Hz,H−2eq)、1.23(ddd,1H,J=J=J=12.5Hz,H−2ax);「環III」:δ=5.37(d,1H,J=1.3Hz,H−1)、4.16(dd,1H,J=4.7,J=1.3Hz,H−2)、4.10(dd,1H,J=7.7,J=4.2Hz,H−3)、4.02(dd,1H,J=7.0,J=2.7Hz,H−4)、3.59(dd,1H,J=13.3,J=3.2Hz,H−5)、3.50(dd,1H,J=13.2,J=6.4Hz,H−5);
13C NMR(150MHz,MeOD):δ=152.8(C5’)、111.1(C1”)、100.1(C4’)、98.8(C1’)、83.9(C5)、82.4(C4”)、79.7(C4)、77.5(C6)、76.2(C2”)、72.4(C3”)、65.3(C3’)、64.0(C2’)、62.1(C6’)、61.9(C1)、61.7(C3)、54.2(C5”)、33.5(C2)。
【0850】
NB158の調製:THF(3mL)およびNaOH水溶液(1mM、5mL)の混合物中に化合物56(237mg、0.438mmol)を撹拌した溶液に、PMe(THF中の1M溶液、3.5mL、40.1mmol)を添加した。反応の進行をTLC[CHCl/MeOH/HO/MeNH(EtOH中の33%溶液)、10:15:6:15]によりモニターしたところ、3時間後に完了が判明した。反応混合物を、シリカゲルの短いカラムでのフラッシュクロマトグラフィーによって精製した。カラムを、以下の溶媒:THF(100mL)、CHCl(100mL)、EtOH(50mL)、およびMeOH(100mL)で洗浄した。次いで生成物を80%MeOH中の5%MeNH溶液(EtOH中の33%溶液)の混合物で溶出した。生成物を含有する画分を合わせて、真空中で蒸発させた。上記の生成物をAmberlite CG50(NH型)の短いカラムに通過させることにより、純粋な生成物を得た。最初に、カラムを水で洗浄し、次いで生成物を水中の10%NHOHの混合物で溶出して、NB158を得た(138mg、75%)。
【0851】
貯蔵および生物学的試験のために、NB158を、以下のようにしてその硫酸塩の形態に変換した:遊離塩基の形態を水中に溶解し、pHをHSO(0.1N)で6.7に調整し、凍結乾燥して、NB158の硫酸塩を得た。
【0852】
H NMR(600MHz,MeOD):「環I」:δ=5.40(d,1H,J=2.0,H−1)、5.01(d,1H,J=3.7Hz,H−4)、4.04(t,1H,J=5.3Hz,H−3)、4.0(s,2H,H−6,H−6)、3.09(dd,1H,J=5.1,J=1.9Hz,H−2);「環II」:δ=3.57〜3.50(m,2H,H−4,H−5)、3.19(t,1H,J=9.1Hz,H−6)、2.79(ddd,1H,J=12.5,J=9.3,J=4.3Hz,H−3)、2.67(ddd,1H,J=11.8,J=9.9,J=4.1Hz,H−1)、2.04(dt,1H,J=8.3,J=6.2Hz,H−2eq)、1.24(ddd,1H,J=J=J=12.3Hz,H−2ax);「環III」:δ=5.29(s,1H,H−1)、4.14(d,1H,J=5.4Hz,H−2)、4.06〜4.02(m,1H,H−3)、3.92〜3.87(m,1H,H−4)、2.98(dd,1H,J=13.0,J=4.4Hz,H−5)、2.84(dd,1H,J=12.9,J=8.4Hz,H−5);
13C NMR(150MHz,MeOD):δ=153.4(C5’)、110.6(C1”)、100.5(C4’,C1’)、84.9(C5)、84.45(C4)、84.41(C4”)、78.9(C6)、76.3(C2”)、72.8(C3”)、67.8(C3’)、62.3(C6’)、55.0(C2’)、52.5(C1)、51.4(C3)、45.4(C5”)、37.2(C2)。
【0853】
グリコシル化生成物(55)の調製:無水CHCl(15mL)を、粉末化し火炎乾燥した4Å分子篩(2.0グラム)に添加し、続いてアクセプター51(265mg、0.520mmol)およびドナー53(1.12グラム、2.06mmol)を添加した。反応混合物を室温で10分間撹拌し、次いで−30℃に冷却した。この温度で、触媒となる量のBF・EtO(0.1ml)を添加し、混合物を−30℃で撹拌し、TLCにより反応の進行をモニターしたところ、60分後に完了が判明した。反応混合物を酢酸エチルで希釈し、飽和NaHCOおよびブラインで洗浄した。合わせた有機相をMgSO上で脱水し、蒸発させ、カラムクロマトグラフィー(EtOAc/ヘキサン)に供して、化合物55を64%収量で得た(295mg)。
【0854】
H NMR(600MHz,CDCl):「環I」:δ=5.69(d,1H,J=2.4,H−1)、5.42(dd,1H,J=6.7,J=3.8Hz,H−3)、5.06(d,1H,J=3.0Hz,H−4)、4.54(q,2H,J=13.3Hz,H−6,H−6)、3.96(dd,1H,J=6.8,J=2.5Hz,H−2);「環II」:δ=4.99(t,1H,J=9.9Hz,H−6)、3.87(t,1H,J=9.5Hz,H−5)、3.78(t,1H,J=9.5Hz,H−4)、3.50(ddd,1H,J=12.6,J=10.1,J=4.6Hz,H−1)、3.41(ddd,1H,J=12.5,J=9.7,J=4.6Hz,H−3)、2.28(dt,1H,J=13.2,J=4.6Hz,H−2eq)、1.44(ddd,1H,J=J=J=12.7Hz,H−2ax);「環III」:δ=5.58(s,1H,H−1)、5.54(d,1H,J=4.9Hz,H−2)、5.44(dd,1H,J=7.5,J=5.1Hz,H−3)、4.31(dd,1H,J=7.1,J=6.0Hz,H−4)、3.67(p,1H,J=6.7Hz,H−5)、1.31(d,3H,J=6.8Hz,6−CH);スペクトル中の追加のピークを以下のように同定した:δ=7.89(ddt,4H,J=14.3,J=8.4,J=1.4Hz,Ar)、7.57〜7.50(m,2H,Ar)、7.40〜7.32(m,4H,Ar)、2.35(s,3H,CH)、2.10(s,3H,CH)、2.08(s,3H,CH)。
【0855】
13C NMR(150MHz,CDCl):δ=170.3(CH−CO)、170.2(CH−CO)、170.1(CH−CO)、165.5(C−CO)、165.0(C−CO)、149.3(C5’)、133.76(Ar)、133.71(Ar)、129.75(Ar)、129.69(Ar)、128.8(Ar)、128.66(Ar)、128.61(Ar)、128.5(Ar)、107.2(C1”)、97.88(C1’)、97.87(C4’)、80.7(C4”)、81.0(C4)、78.2(C5)、74.6(C2”)、73.7(C6)、71.9(C3’)、66.9(C3”)、62.3(C6’)、59.7(C3)、59.5(C2’)、58.8(C5”)、58.4(C1)、32.5(C2)、21.08(CH)、21.01(CH)、20.8(CH)、15.6(6”−CH)。
【0856】
化合物57の調製:グリコシル化生成物55(295mg、0.331mmol)を、MeNH(EtOH中の33%溶液、15mL)の溶液で処理し、TLC(EtOAc/MeOH 85:15)により反応の進行をモニターしたところ、12時間後に完了が判明した。反応混合物を乾燥するまで蒸発させ、カラムクロマトグラフィー(MeOH/EtOAc 2:8)に供して、対応する完全に保護されていないペルアジド誘導体57を99%収量で得た(180mg)。
【0857】
H NMR(600MHz,MeOD):「環I」:δ=5.91(d,1H,J=2.6,H−1)、5.06(d,1H,J=2.3Hz,H−4)、4.42(ddt,1H,J=8.0,J=2.7,J=1.4,Hz,H−3)、4.07〜3.99(m,2H,H−6,H−6)、3.55(dd,1H,J=7.9,J=3.6Hz,H−2);「環II」:δ=3.74(t,1H,J=9.6Hz,H−4)、3.66(t,1H,J=9.0Hz,H−5)、3.47(ddd,2H,J=12.1,J=8.2,J=3.3Hz,H−1,H−3)、3.42〜3.40(m,1H,H−6)、2.17(dt,1H,J=13.2,J=4.4Hz,H−2eq)、1.28(ddd,1H,J=J=J=12.3Hz,H−2ax);「環III」:δ=5.41(d,1H,J=1.9Hz,H−1)、4.22〜4.18(m,2H,H−2,H−3)、3.81(dd,1H,J=9.2,J=3.2Hz,H−4)、3.72〜3.66(m,1H,H−5)、1.40(d,3H,J=6.8Hz,6−CH)。
【0858】
13C NMR(150MHz,MeOD):δ=152.5(C5’)、110.5(C1”)、100.3(C4’)、98.6(C1’)、86.3(C4”)、83.4(C4)、79.4(C4)、77.4(C6)、76.2(C2”)、72.6(C3”)、65.3(C3’)、64.0(C2’)、62.1(C6’)、61.9(C1)、61.7(C3)、60.6(C5”)、33.5(C2)、16.0(6”−CH)。
【0859】
NB159の調製:THF(3mL)およびNaOH水溶液(1mM、5mL)の混合物中に化合物57(180mg、0.324mmol)を撹拌した溶液に、PMe(THF中の1M溶液、3.5mL、40.1mmol)を添加した。反応の進行をTLC[CHCl/MeOH/HO/MeNH(EtOH中の33%溶液)、10:15:6:15]によりモニターしたところ、3時間後に完了が判明した。反応混合物を、シリカゲルの短いカラムでのフラッシュクロマトグラフィーによって精製した。カラムを、以下の溶媒:THF(100mL)、CHCl(100mL)、EtOH(50mL)、およびMeOH(100mL)で洗浄した。次いで生成物を80%MeOH中の5%MeNH溶液(EtOH中の33%溶液)の混合物で溶出した。生成物を含有する画分を合わせて、真空中で蒸発させた。上記の生成物をAmberlite CG50(NH型)の短いカラムに通過させることにより、純粋な生成物を得た。最初に、カラムを水で洗浄し、次いで生成物を水中の10%NHOHの混合物で溶出し、NB159を得た(110mg、76%)。
【0860】
貯蔵および生物学的試験のために、NB159を、以下のようにしてその硫酸塩の形態に変換した:遊離塩基の形態を水中に溶解させ、pHをHSO(0.1N)で6.7に調整し、凍結乾燥して、NB159の硫酸塩を得た。
【0861】
H NMR(600MHz,MeOD):「環I」:δ=5.39(s,1H,H−1)、5.01(d,1H,J=3.4Hz,H−4)、4.02(t,1H,J=4.0Hz,H−3)、4.0(d,2H,J=2.7 H−6,H−6)、3.07(d,1H,J=6.2Hz,H−2);「環II」:δ=3.54(dd,2H,J=20.3,J=10.7Hz,H−4,H−5)、3.18(t,1H,J=9.3Hz,H−6)、2.79(ddd,1H,J=12.8,J=6.9,J=4.0Hz,H−3)、2.67(ddd,1H,J=9.6,J=5.1,J=3.9Hz,H−1)、2.04(dt,1H,J=13.1,J=4.3Hz,H−2eq)、1.24(ddd,1H,J=J=J=12.3Hz,H−2ax);「環III」:δ=5.29(s,1H,H−1)、4.11(dd,1H,J=14.7,J=6.2Hz,H−2,H−3)、3.59〜3.54(m,1H,H−4)、2.98(t,1H,J=5.8Hz,H−5)、1.19(d,3H,J=7.9Hz,6−CH)。
【0862】
13C NMR(150MHz,MeOD):δ=153.4(C5’)、109.8(C1”)、100.4(C1’)、100.3(C4’)、88.5(C4”)、84.5(C4)、84.0(C5)、78.8(C6)、76.4(C2”)、72.9(C3”)、67.8(C3’)、62.4(C6’)、55.0(C2’)、52.6(C1)、51.4(C3)、51.3(C5”)、37.2(C2)、18.9(6”−CH)。
【0863】
リードスルー活性
予備的な比較のためのインビトロのPTC抑制活性アッセイを、実質的に本明細書に記載した通りに実行したところ、NB154は、パロマミンよりほぼ3.5倍高いリードスルー活性を有し、程度の差はあるが、NB82の活性と類似の活性を有することが明らかとなった。
【0864】
比較のためのインビトロのPTC抑制活性アッセイを、実質的に本明細書に記載した通りに実行したところ、NB158およびNB159のどちらも、それらに対応する、構造的に関連する化合物NB30およびNB118と比較して、類似のまたはそれよりわずかに低い活性を示すことがさらに明らかとなった。
【0865】
しかしながら、NB154、NB158およびNB159について測定された原核生物タンパク質の合成阻害およびそれに続く抗菌活性は、以下の表6に示したように、対応するパロマミン、NB30、およびNB118よりも有意に低く、これは、これらの化合物は極めて低い毒性を示す可能性が高いことを示唆している。
【0866】
【表6】
【0867】
実施例7
本発明の一部の実施形態に係る多重エステル化した例示化合物
細胞透過性を改善する目的で、公知のアミノグリコシドへの追加の化学的修飾を導入した。この修飾は、プロドラッグタイプの化合物を生成するための、アミノグリコシドの2つ以上のヒドロキシ基の多重エステル化を含んでいた。この戦略の合理性は、(i)何らかの疎水性R−基を化合物に結合させることは、その脂肪親和性を改善すると予想され、したがって細胞の確率および取り込みを増加させること;(ii)細胞内エステラーゼが、プロドラッグを加水分解して、活性な薬物を再生すると考えられること;および(iii)所望のプロドラッグの薬物動態学的特性が改善される可能性があることであった。
【0868】
最初に、G418の以下の3つの多重エステル化した誘導体を合成した:ポリ安息香酸誘導体であるBz−G418、ポリイソ酪酸誘導体であるiBut−G418、およびポリ酢酸誘導体であるAc−G418。次いで同じ合成プロトコールを使用して、Bz−NB124も合成した。以下のスキーム14は、これらの化合物の化学構造を示す。
【0869】
【化39】
【0870】
多重エステル化したG418化合物の合成:
最終的な化合物63、65および67(それぞれBz−G418、iBut−G418およびAc−G418)の合成を市販のG418から実行した。これをスキーム15に示す。
【0871】
【化40】
【0872】
試薬および条件:(a)BocO、HO/MeOH、EtN、50℃、57%(b)RCOCl、Py、4−DMAP、72%(c)TFA、DCM、72%。
【0873】
まずG418を、その遊離のアミン基でのBoc保護に供し、それによって、後のエステル化誘導体およびTFAを介したBoc脱保護工程のための中間体として役立つ化合物61を得た。Boc保護戦略の選択は、エステル官能基を修飾することなくさらなる選択的な脱保護を実行する必要性から生じたものである。得られた最終的な化合物63、65および67は、TFA付加塩に変換され、それによりアミンがエステル官能基と反応することを防ぐ。
【0874】
G418と二炭酸ジ−tert−ブチルとの反応により、過Boc化および三Boc化した生成物の混合物を得て、ここから過Boc化生成物61をカラムクロマトグラフィーにより単離した。化合物61の単離後、合成を3つの異なる合成経路に分けた(スキーム15を参照)。塩化ベンゾイル、塩化アセチルおよび塩化イソブチリルでの化合物61のエステル化反応を別々に実行して、それぞれ化合物62、64、および66を得た。反応混合物を50℃に加熱して化合物62を得た。エステル化反応に続いて、TFAによりBoc保護基の除去を行い、それによって化合物63、65および67を得た。全ての得られた化合物において、4”ヒドロキシルは遊離のままであったが、これはおそらく3級のヒドロキシルの反応性がより低いためである。
【0875】
化合物61の調製:20mLのMeOH:HO(1:1)中にG418(5グラム、10.06mmol)を撹拌した溶液に、EtN(120mmol)を一滴ずつ添加し、続いて二炭酸ジ−tert−ブチル(13.095グラム、60mmol)を添加した。反応混合物を50℃に加熱し、そのまま一晩撹拌した。反応の進行をTLC[MeOH/EtOAc、1:9]によりモニターしたところ、24時間後に完了が判明した。その後、MeOHを蒸発させ、残存する水溶液をEtOAcで抽出し、ブラインで洗浄し、MgSO上で脱水した。残留物のカラムクロマトグラフィー(EtOAc/ヘキサン、100%EtOAc)により、化合物1を白色の固体として得た(3.96グラム、57%)。
【0876】
H NMR(500MHz,MeOD):δ=5.45(d,1H,J=9.6Hz,H−1’)、5.21(d,1H,J=2.3Hz,H−1”)、4.25〜4.01(m,4H)、3.79(dd,J=9.9,2.8Hz,1H)、3.63(t,J=8.4Hz,1H)、3.47(m,6H)、3.24〜3.17(m,1H) 2.94(s,3H,NCH3−C3”)、2.14〜1.92(m,1H,H−2)、1.44(m,4H,H−2,CH3−C4”)、1.24(d,J=6.2Hz,3H)。スペクトル中の追加のピークを以下のように同定した:δ1.44(m,36H,Boc)。
【0877】
13C NMR(126MHz,MeOD):δ=159.30(カルバメート)、159.03(カルバメート)、158.62(カルバメート)、158.05(カルバメート)、100.08(C−1”)、99.09(C−1’)、82.33,81.27(ROC(CH)、80.84(ROC(CH)、80.20(ROC(CH)、77.19(ROC(CH)、75.02、74.71、73.70、73.52、73.26、71.08、70.93、68.70、66.14、61.53、60.20、59.00、56.80、28.85(ROC(CH)、28.84(ROC(CH)、28.84(ROC(CH)、28.83(ROC(CH)、28.83(ROC(CH)、28.82(ROC(CH)、28.79(ROC(CH)、28.74(ROC(CH)、22.58、22.14。
【0878】
MALDI TOFMS:C407218([M+Na])の計算値m/e 919.48;実測値m/e 919.79。
【0879】
化合物62の調製:化合物61(0.6グラム、0.668mmol)を無水ピリジン(15mL)中に溶解した。溶液を氷槽中で撹拌しながら冷却し、塩化ベンゾイル(3mL、8.02mmol)を一滴ずつ添加した。氷槽を除去し、4−DMAP(触媒)を添加し、反応混合物を60℃に加熱し、一晩そのままにした。反応の進行をTLC(EtOAc/ヘキサン 5:5)によりモニターした。反応の完了がTLCにより判明した後、反応混合物をEtOAcで希釈し、5%HCl溶液、NaHCOおよびブラインで洗浄した。合わせた有機相をMgSO上で脱水し、蒸発させ、続いて残留物のカラムクロマトグラフィー(EtOAc/ヘキサン、4:6)に供することにより、化合物62を白色の固体として得た(0.687グラム、72%)。
【0880】
H NMR(500MHz,CDCl):「環I」:δ=5.49(d,1H,J=4.9Hz,H−1)、4.89〜4.77(m,2H,H−3,H−4)、4.69〜4.31(m,1H,H−6)、4.01(dd,1H,J=9.8,3.3Hz,H−5)、3.72(dd,1H,J=11.4,3.1Hz,H−2)、1.57〜0.63(m,3H,H−7)。「環II」:δ=5.45(dd,1H,J=7.6,3.5Hz,H−4)、5.19(dd,1H,J=14.8,4.8Hz,H−5)、4.08〜3.96(m,1H,H−6)、3.24〜2.98(m,2H,H−1,H−3)、1.92〜1.66(m,1H,H−2 eq)、.57〜0.63(m,1H,H−2 ax)「環III」:δ=5.47(dd,1H,J=7.9,1.5Hz,H−2)、5.32(d,1H,J=4.0Hz,H−1)、4.43(dd,1H,J=11.6,1.7Hz,H−3)、δ3.44(d,1H,J=12.9Hz,H−5)、2.89(s,3H,NCH−C3”)、2.57(d,1H,J=13.2Hz,H−5)、1.57〜0.63(m,3H,CH−C4”)。スペクトル中の追加のピークを以下のように同定した:δ=8.13〜7.20(m,25H,Ph)、1.57〜0.63(m,36H,Boc)。
【0881】
13C NMR(126MHz,CDCl):δ=165.83(C=O)、165.75(C=O)、165.34(C=O)、165.12(C=O)、165.07(C=O)、155.00(カルバメート)、154.84(カルバメート)、154.73(カルバメート)、154.67(カルバメート)、133.76(Ph)、133.66(Ph)、133.58(Ph)、133.41(Ph)、133.38(Ph)、133.22(Ph)、133.12(Ph)、132.95(Ph)、132.90(Ph)、130.15(Ph)、130.03(Ph)、129.99(Ph)、129.96(Ph)、129.90(Ph)、129.77(Ph)、129.41(Ph)、129.30(Ph)、128.79(Ph)、128.75(Ph)、128.67(Ph)、128.61(Ph)、128.54(Ph)、128.32(Ph)、128.23(Ph)、128.03(Ph)、98.12(C−1”)、96.84(C−1’)、80.18(C−5)、79.88(ROC(CH)、79.76(ROC(CH)、79.52(ROC(CH)、79.44 ROC(CH)、79.43(ROC(CH)、79.36(C−6’)、78.54(C−5’) 75.84(C−6)、73.03(C−4)、72.39(C−2”)、70.75(C−4’)、70.04(C−3’)、69.05(C−4) 69.20(C−5”)、55.67(s)、54.80(C−3”)、53.37(s)、52.89(C−3)、52.50(C−1)、49.15(C−2’)、49.13(s)、49.02(s)、41.26(NCH3−C3”)、31.54(s)、30.32(s)、29.62(s)、28.44(Boc)、28.21(Boc)、28.20(Boc)、28.18(ROC(CH)、28.15(ROC(CH)、28.09(ROC(CH)、28.02(ROC(CH)、27.89(ROC(CH)、27.88(ROC(CH)、27.86(C−6’−CH)、22.29、20.84(C−4”−CH)。
【0882】
MALDI TOFMS:C759223([M+Na])の計算値m/e 1440.55;実測値m/e 1440.41。
【0883】
G418−Bz(63)の調製:化合物62(0.687グラム、0.523mmol)を新たに蒸留したDCM(7mL)中に溶解し、氷槽で冷却し、TFA(2ml)を一滴ずつ添加した。反応混合物をそのまま室温にした。反応の進行をTLC(EtN/MeOH 1:9)によりモニターしたところ、4時間後に反応の完了が判明した。反応混合物をその後乾燥するまで蒸発させて、G418−Bzを得た。貯蔵および生物学的試験のために、G418−Bzを水およびメタノール中に溶解し、凍結乾燥して、G418−BzのTFA塩を得た(0.511グラム、72%)。
【0884】
H NMR(500MHz,MeOD):「環I」:δ=5.72(dd,1H,J=7.6,4.8Hz,H−3)、5.60(dd,1H,J=6.7,6.0Hz,H−4)、5.47(bs,1H,H−1)、5.40〜5.36(m,1H,H−6)、4.47(dd,1H,J=5.9,4.6Hz,H−5)、3.76(dd,1H,J=3.7,1.6Hz,H−2)、1.35(d,3H,J=3.6Hz,H−7)。「環II」:δ=5.64(d,1H,J=8.1Hz,H−5)、4.55(s,1H,H−4)、4.30(s,1H,H−6)、δ3.86〜3.67(m,2H,H−3,H−1) 2.55(dt,1H,J=12.5,4.2Hz,H−2 eq)、2.12(q,1H,J=12.8Hz,H−2 ax)。「環III」:δ=5.34(dd,1H,J=10.2,3.3Hz,H−2)、5.29(d,1H,J=4.1Hz,H−1)、3.82(d,1H,J=10.3Hz,H−3)、δ3.76(d,1H,J=15.1Hz,H−5)、3.13(d,1H,J=12.2Hz,H−5)、δ2.89(s,1H)、2.89(s,3H,NCH3−C3”)、1.26(s,3H,CH3−C4”)。スペクトル中の追加のピークを以下のように同定した:δ=8.16(d,2H J=7.5Hz,Ph)、8.03(dd,5H,J=16.4,7.5Hz,Ph)、7.93(d,2H,J=7.7Hz,Ph)、7.70(dd,3H,J=13.9,7.5Hz,Ph)、7.57(dt,6H,J=12.2,5.8Hz,Ph)、7.47〜7.25(m,10H,Ph)。
【0885】
13C NMR(126MHz,MeOD):δ=167.17(C=O)、166.89(C=O)、166.84(C=O)、166.42(C=O)、166.41(C=O)、163.61(TFA)、163.33(TFA)、163.06(TFA)、162.78(TFA)、135.21(Ph)、134.93(Ph)、134.89(Ph)、134.78(Ph)、134.56(Ph)、134.22(Ph)、134.03(Ph)、131.00(Ph)、130.98(Ph)、130.95(Ph)、130.85(Ph)、130.76(Ph)、130.71(Ph)、130.59(Ph)、130.47(Ph)、130.33(Ph)、130.22(Ph)、129.95(Ph)、129.76(Ph)、129.67(Ph)、129.63(Ph)、129.58(Ph)、129.51(Ph)、129.46(Ph)、104.39(C−1”)、99.84(C−1’)、83.40(C−5)、76.05(C−5’)、71.73(C−2”)、71.64(C−3’) 70.77(C−5)、70.44(C−6)、69.05(C−4) 68.50(C−4’)、63.51(C−5”)、52.46(C−3) 50.18(C−3”)、50.10(C−2’)、49.62(C−1) 36.05(NCH3−C3”)、29.15(C−2)、22.27(C−6’−CH)、16.94(C−4”−CH)。
【0886】
MALDI TOFMS:C556015([M+H])の計算値m/e 1017.08;実測値m/e 1018.18。
【0887】
化合物64の調製:化合物61(0.5グラム、0.557mmol)を無水ピリジン(15mL)中に溶解した。溶液を氷槽中で撹拌しながら冷却し、塩化イソブチリル(0.7ml、6.684mmol)を一滴ずつ添加した。氷槽を除去し、4−DMAP(触媒)を添加し、反応混合物を60℃に加熱し、一晩そのままにした。反応の進行をTLC(EtOAc/ヘキサン 4:6)によりモニターした。反応の完了がTLCにより判明した後、反応混合物をEtOAcで希釈し、5%HCl溶液、NaHCOおよびブラインで洗浄した。合わせた有機相をMgSO上で脱水し、蒸発させた。残留物のカラムクロマトグラフィー(EtOAc/ヘキサン、3:7)により、化合物64を白色の固体として得た(0.490、75%)。
【0888】
H NMR(500MHz,CDCl):「環I」:δ=5.27(dd,1H,J=11.8,3.5Hz,H−3)、5.05(d,1H,J=3.7Hz,H−1)、5.00〜4.96(m,2H,H−6,H−4)、4.59〜4.54(m,1H,H−5)、3.27(d,1H,J=11.9Hz,H−2)、1.45〜1.01(m,3H,H−7)。「環II」:δ=4.94(dd,1H,J=9.7,8.3Hz,H−5)、4.81〜4.73(m,1H,H−6)、4.24〜4.18(m,1H,H−4)、4.00〜3.90(m,1H,H−1,H−3)、1.45〜1.01(m,2H,H−2 eq,H−2 ax)。「環III」:δ=4.98(d,1H,J=4.7Hz,H−1)、4.89〜4.85(m,1H,H−2)、3.55(dd,1H,J=11.4,1.4Hz,H−3)、3.38(dd,1H,J=4.0,2.5Hz,H−5)、3.32(dd,1H,J=13.6,1.6Hz,H−5)、2.96(s,3H,NCH−C3”)、1.45〜1.01(m,3H,CH−C4”)。スペクトル中の追加のピークを以下のように同定した:δ=6.76(d,1H,J=1.3Hz,RNHCOOR)、5.85(d,1H,J=2.1Hz,RNHCOOR)、5.83(d,1H,J=2.3Hz,RNHCOOR)、5.72(d,1H,J=4.3Hz,RNHCOOR)、1.45〜1.01(m,71H,Boc,i−But)。
【0889】
13C NMR(126MHz,CDCl):δ=175.90(C=O)、175.50(C=O)、175.45(C=O)、175.39(C=O)、174.73(C=O)、157.49(カルバメート)、156.54(カルバメート)、156.16(カルバメート)、155.79(カルバメート)、99.41(C−1”)、99.01(C−1’)、83.09(s)、82.29(s)、81.73(C−6)、79.93(ROC(CH)、79.79(ROC(CH)、79.76(ROC(CH)、79.64(ROC(CH)、79.45(C−4)、77.40(s)、75.69(s)、74.74(C−5)、74.42(s)、73.50(s)、71.20(C−6’)、71.10(s)、70.59(C−3”)、70.51(s)、70.10(C−5”)、69.73(s)、69.05(C−4)、68.98(s)、68.91(C−2”)、68.37(C−4’)、67.47(s)、67.25(C−3’)、65.38(C−2’)、55.72(s)、54.52(C−5’)、52.60(s)、52.53(d,J=17.3Hz)、50.83(C−3)、49.23(C−1)、41.20(N−CH)、34.17(i−But)、34.10(i−But)、34.04(i−But)、33.98(i−But)、33.74(i−But)、29.91(s)、29.61(C−2)、28.40(i−But)、28.36(i−But)、28.34(i−But)、28.30(i−But)、28.26(i−But)、28.18(i−But)、22.90(s)、18.83(ROC(CH)、18.73(ROC(CH)、18.72(ROC(CH)、18.61(ROC(CH)、18.58(ROC(CH)、18.49(ROC(CH)、18.34(C−6’−CH)、17.91(C−4”−CH)。
【0890】
MALDI TOFMS:C6010223([M+Na])の計算値m/e 1270.46;実測値m/e 1270.42。
【0891】
G418−i−But(65)の調製:化合物64(0.490グラム、0.42mmol)を新たに蒸留したDCM(10mL)中に溶解し、氷槽で冷却し、TFA(2mL)を一滴ずつ添加し、反応混合物をそのまま室温にした。反応の進行をTLC(EtN/MeOH 1:9)によりモニターしたところ、4時間後に反応の完了が判明した。反応混合物を乾燥するまで蒸発させて、G418−i−Butを得た。貯蔵および生物学的試験のために、G418−i−Butを水およびメタノール中に溶解し、凍結乾燥して、G418−i−ButのTFA塩を得た(0.408グラム、78%)。
【0892】
H NMR(500MHz,MeOD):「環I」:δ=5.38(dd,1H,J=8.8,6.2Hz,H−3)、5.25(d,1H,J=5.9Hz,H−1)、5.23〜5.16(m,H,H−6)、5.07(dd,1H,J=6.6,6.1Hz,H−4)、4.09(dd,1H,J=6.0,5.3Hz,H−5)、3.62(dd,1H,J=4.6,2.0Hz,H−2)、1.31(d,3H,J=6.7Hz,H−7)。「環II」:δ=5.50(dd,1H,J=11.3,7.3Hz,H−5)、4.21〜4.14(m,2H,H−4,H−6)、3.70(m,2H,H−1.H−3)、2.61〜2.54(m,1H,H−2,eq)、2.17(ddd,J=12.69,1H,H−2,ax)。「環III」:δ=5.29(d,1H,J=3.1Hz,H−1)、5.21(dd,1H,J=8.8,2.7Hz,H−2)、3.66(d,1H,J=9.7Hz,H−3)、3.74(d,1H,J=13.0Hz,H−5)、3.45(d,1H,J=12.5Hz,H−5)、2.88(s,3H,NCH3−C3”)、1.38(s,3H,CH3−C4”)。スペクトル中の追加のピークを以下のように同定した:δ=1.21(m,35H,i−But)。
【0893】
13C NMR(126MHz,MeOD):δ=177.35(C=O)、177.3(C=O 177.19(C=O)、176.83(C=O)、176.67(C=O)、163.22(TFA)、162.94(TFA)、162.66(TFA)、162.38(TFA)、121.44(TFA)、119.12(TFA)、116.80(TFA)、114.47(TFA)、97.77(C−1”)、92.81(C−1’)、81.81(C−6)、77.48(C−4)、76.61(C−5’)、74.59(C−5)、70.03(C−3’)、69.71(C−6’)、69.24(C−5”)、69.05(C−4)、68.27(C−2”)、67.26(C−4’)、63.62(C−3”)、51.66(C−2’)、50.29(C−3)、49.86(C−1)、35.56(NCH3−C3”)、35.22(i−But)、35.18(i−But)、34.93(i−But)、34.87(i−But)、34.80(i−But)、28.61(C−2)、27.71(s)、23.19(s)、19.27(i−But)、19.24(i−But)、19.18(i−But)、19.16(i−But)、19.10(i−But)、18.98(i−But)、18.72(i−But)、18.67(C−6’−CH)、16.20(C−4”−CH)。
【0894】
MALDI TOFMS:C366313([M+HO])の計算値m/e 777.9;実測値m/e 777.54。
【0895】
化合物66の調製:化合物61(0.3グラム、0.334mmol)を無水ピリジン(8mL)中に溶解した。溶液を氷槽中で撹拌しながら冷却し、塩化アセチル(0.3ml、4.008mmol)を一滴ずつ添加した。氷槽を除去し、4−DMAP(触媒)を添加し、反応液を60℃に加熱し、一晩そのままにした。反応の進行をTLC(EtOAc/ヘキサン 6.5:4.5)によりモニターした。反応の完了がTLCにより判明した後、反応混合物をEtOAcで希釈し、5%HCl溶液、NaHCOおよびブラインで洗浄した。合わせた有機相をMgSO上で脱水し、蒸発させた。残留物のカラムクロマトグラフィー(EtOAc/ヘキサン、5:5)により、化合物66を白色の固体として得た(0.25グラム、68%)。
【0896】
H NMR(500MHz,CDCl):「環I」:δ=5.38(d,1H,J=11.5Hz,H−1)、5.20(dd,1H,J=2.4,1.3Hz,H−3)、4.60(dd,1H,J=11.4,3.5Hz,H−4)、4.45(dd,1H,J=11.8,1.3Hz,H−4)、4.14〜4.09(m,1H,H−5)、3.31(dd,1H,J=12.4,1.0Hz,H−2)、1.46〜1.20(m,3H,H−7)。「環II」:δ=3.95〜3.68(m,3H,H−4,H−5,H−6)、3.65〜3.20(m,2H,H−1,H−3)、2.73〜2.49(m,1H,H−2)、2.46〜2.26(m,1H,H−2)。「環III」:δ=5.20〜5.18(m,2H,H−1,H−2)、4.18〜4.12(m,1H,H−3)、3.80〜3.73(m,1H,H−5)、3.57〜3.51(m,1H,H−5)、2.94(s,3H,NCH3−C3”)、1.46〜1.20(m,3H,CH3−C4”)。スペクトル中の追加のピークを以下のように同定した:δ=6.74(s,1H,RNHCOOR)、5.90(s,1H,RNHCOOR)、5.88(s,1H,RNHCOOR)、5.52(s,2H,RNHCOOR)、2.13〜1.92(m,12H,Ac)、1.47〜1.21(m,36H,Boc)。
【0897】
13C NMR(126MHz,CDCl):δ=170.76(C=O)、170.59(C=O)、169.70(C=O)、169.31(C=O)、157.65(カルバメート)、156.98(カルバメート)、156.42(カルバメート)、155.63(カルバメート)、99.48(C−1”)、98.39(C−1’)、85.88(C−6)、82.50(C−4)、80.04(s)、79.95(ROC(CH)、79.80(ROC(CH)、79.64(ROC(CH)、79.38(ROC(CH)、79.29(s)、75.66(C−5)、74.32(s)、71.89(C−3’)、70.58(C−2’)、70.35(C−5’)、70.32(C−2”)、70.29(C−3”)、69.05(C−4)、68.70(C−6’)、60.35(C−5”)、54.37(C−4’)、50.28(C−3)、50.08(C−1)、41.19(N−CH)、30.50(C−2)、28.38(ROC(CH)、28.34(ROC(CH)、28.29(ROC(CH)、28.27(ROC(CH)、28.21(ROC(CH)、28.14(ROC(CH)、22.93(s)、21.70(C−4”−CH)、20.82(Ac)、20.72(Ac)、20.70(Ac)、20.63(Ac)、14.13(C−6’−CH)。
【0898】
MALDI TOFMS:C488022([M+Na])の計算値m/e 1088.16;実測値m/e 1088.27。
【0899】
G418−Ac(67)の調製:化合物66(0.25グラム、0.23mmol)を新たに蒸留したDCM(5mL)中に溶解し、氷槽で冷却し、TFA(1mL)を一滴ずつ添加した。反応混合物をそのまま室温にした。反応の進行をTLC(EtN/MeOH 1:9)によりモニターしたところ、4時間後に反応の完了が判明した。反応混合物を乾燥するまで蒸発させて、G418−Acを得た。貯蔵および生物学的試験のために、G418−Acを水およびメタノール中に溶解し、凍結乾燥して、G418−AcのTFA塩を得た(0.19グラム、73%)。
【0900】
H NMR(500MHz,MeOD):「環I」:δ=5.28(d,1H,J=3.8Hz,H−1)、5.08(dd,1H,J=10.5,9.3Hz,H−3)、4.67(dd,1H,J=10.0,8.8Hz,H−4)、4.62〜4.60(m,1H,H−6)、4.02(dd,1H,J=10.0,1.5Hz,H−5)、3.40(dd,1H,J=10.9,3.7Hz,H−2)、0.89(d,3H J=6.1Hz,H−7’)。)。「環II」:δ=3.82〜3.77(m,3H,H−4,H−5,H−6)、3.56〜3.46(m,2H,H−1,H−3)、2.52(dd,1H,J=8.0,4.0Hz,H−2)、2.00〜1.90(m,1H,H−2)。「環III」:δ=5.28(d,1H,J=4.2Hz,H−1)、5.14(dd,1H,J=11.2,3.1Hz,H−2)、3.66(d,1H,J=11.0Hz,H−3)、3.90(d,1H,J=6.9Hz,H−5)、3.56〜3.46(m,1H,H−52.76)、(s,3H,NCH−C3”)、1.26(s,3H,CH−C4”)。スペクトル中の追加のピークを以下のように同定した:δ=2.08(s,3H,アセテート)、2.00(s,3H,アセテート)、1.97(s,3H,アセテート)、1.97(s,3H,アセテート)。
【0901】
13C NMR(126MHz,MeOD):δ=171.65(カルボニル)、171.43(カルボニル)、171.09(カルボニル)、162.93(TFA)、162.64(TFA)、162.36(TFA)、162.05(TFA)、121.33(TFA)、119.00(TFA)、116.68(TFA)、114.36(TFA)、99.35(C−1’)、97.99(C−1”)、84.02(C−6)、83.43(C−4)、75.15(C−5)、73.17(C−5’)、70.85(C−6’)、70.62(C−2”)、70.16(C−3’)、69.57(C−4’)、69.09(C−5”)、69.05(C−4)、62.74(C−3”)、53.44(C−2’)、49.87(C−3)、49.73(C−1)、35.81(N−CH)、29.19(C−2)、22.05(C−4”−CH)、21.04(アセテート)、20.96(アセテート)、20.69(アセテート)、20.50(アセテート)、13.81(C−7’)。
【0902】
MALDI TOFMS:C284814([M+Na])の計算値m/e 664.32;実測値m/e 664.32。
【0903】
Bz−NB124の合成:
ベンジルエステルを特徴とし、本明細書ではNB124−BzエステルまたはBz−NB124とも称される、NB124の例示的な多重エステル化した形態を、以下のスキーム16に示したように調製した。
【0904】
【化41】
【0905】
出発原料NB124を公知の記載に基づき合成した[Kandasamy et al., J. Med. Chem. 2012]。その遊離アミン形態としてのNB124を、Boc保護で全てのアミンを保護することによりさらに修飾して、化合物71を得た。次に、2級のヒドロキシルを、塩化ベンゾイルでの処理によって対応する安息香酸エステルに変換して、化合物72を得た。最終的に、TFAでの処理によってBoc脱保護を実行し、それにより所望の化合物NB124−BzをTFA塩として得た。
【0906】
化合物71の調製:
10mLのMeOH:HO(1:1)中にNB124(0.5グラム、1.036mmol)を撹拌した溶液に、EtN(8.289mmol)を一滴ずつ添加し、続いて二炭酸ジ−tert−ブチル(4グラム、18.648mmol)を添加した。反応液を50℃に加熱した。反応の進行をTLC[MeOH/EtOAc、1:9]によりモニターしたところ、24時間後に完了が判明した。その後、MeOHを蒸発させ、残存する水溶液をEtOAcで抽出し、ブラインで洗浄し、MgSO上で脱水した。残留物のカラムクロマトグラフィー(EtOAc/ヘキサン、100%EtOAc)により、化合物71を白色の固体として得た(0.580グラム、60%)。
【0907】
H NMR(500MHz,MeOD):δ=5.52(s,1H,H−1’)、5.16(s,1H,H−1”)、4.12(m,3H)、3.89(dd,J=10.0,3.0Hz,1H)、3.78(d,J=6.3Hz,2H)、3.68〜3.48(m,6H)、3.43(dd,J=15.6,7.4Hz,1H)、3.33〜3.24(m,1H)、1.96(d,J=15.6Hz,1H)、1.51〜1.47(m,40H,Boc) 1.27(dd,6H,J=10.2,4.0Hz,C6’−CH,C5”−CH)。
【0908】
13C NMR(126MHz,MeOD):δ=157.27(カルバメート)、157.03(カルバメート)、156.85(カルバメート)、156.78(カルバメート)、109.99(C−1”)、96.61(C−1’)、86.23、84.35、82.32、79.38、78.78、77.17、74.09、73.66、72.83、72.30、70.49、70.11、69.28、66.91、62.86、60.09、55.20、55.12、51.03、49.64、34.47、29.46、29.31、27.46(カルバメート)、27.44(カルバメート)、27.33(カルバメート)、26.09、26.07、15.65、13.04。
【0909】
MALDI TOFMS:C397018([M+Na])の計算値m/e 905.99;実測値m/e 905.61。
【0910】
化合物72の調製:
化合物71(0.195グラム、0.129mmol)を無水ピリジン(8mL)中に溶解した。溶液を氷槽中で撹拌しながら冷却し、塩化ベンゾイル(0.2ml、1.552mmol)を一滴ずつ添加した。氷槽を除去し、4−DMAP(触媒)を添加し、反応液を50℃に加熱し、一晩そのままにした。反応の進行をTLC(EtOAc/ヘキサン 1:1)によりモニターした。反応の完了がTLCにより判明した後、得られた反応混合物をEtOAcで希釈し、5%HCl溶液、NaHCOおよびブラインで洗浄した。合わせた有機相をMgSO上で脱水し、蒸発させた。残留物のカラムクロマトグラフィー(EtOAc/ヘキサン、1:1)により、化合物70を白色の固体として得た(0.269グラム、80%)。
【0911】
H NMR(500MHz,CDCl):「環I」:δ=5.81(d,1H,J=4.1Hz,H−1)、5.55(dd,1H J=10.5,9.0Hz,H−3)、5.49(dd,1H J=5.6,4.3Hz,H−4)、5.26〜5.21(m,1H,H−6)、4.61(dd,1H,J=9.4,2.1Hz,H−5)、4.42(dd,1H,J=7.3,1.1Hz,H−2)、1.55(d,3H J=6.5Hz,H−7)。「環II」:δ=5.40(dd,1H,J=3.6,2.0Hz,H−4)、5.27(dd,1H,J=3.5,1.4Hz,H−5)、4.13〜4.05(m,1H,H−6)、3.93〜3.84(m,2H,H−1,H−3)、1.55(dd,1H,J=4.9,1.1Hz,H−2 eq)、1.24〜1.20(m,1H,H−2 ax)。「環III」:δ=5.39(d,1H,J=4.7Hz,H−1)、5.28(dd,1H,J=12.8,6.1Hz,H−3)、5.10(dd,1H,J=9.5,4.6Hz,H−2)、3.76〜3.64(m,1H,H−4)、1.55(d,1H,J=6.5Hz,H−5)、1.22(d,3H,J=6.3Hz,H−6)。スペクトル中の追加のピークを以下のように同定した:δ=8.14〜7.13(m,30H,Ph)、1.51(s,9H,Boc)、1.39(s,9H,Boc)、1.25(s,9H,Boc)、1.12(s,9H,Boc)。
【0912】
13C NMR(101MHz,CDCl):δ=166.39(C=O)、165.94(C=O)、165.49(C=O)、165.36(C=O)、164.94(C=O)、164.41(C=O)、155.59(カルバメート)、155.28(カルバメート)、155.05(カルバメート)、154.78(カルバメート)、133.44(Ph)、133.36(Ph)、133.23(Ph)、133.05(Ph)、132.95(Ph)、130.38(Ph)、130.24(Ph)、129.96(Ph)、129.88(Ph)、129.82(Ph)、129.55(Ph)、129.31(Ph)、129.11(Ph)、128.96(Ph)、128.87(Ph)、128.78(Ph)、128.29(Ph)、128.22(Ph)、128.13(Ph)、107.44(C−1”)、97.30(C−1’)、82.93(C−6)、81.67、80.03(ROC(CH)、79.56(ROC(CH)、79.40(ROC(CH)、79.19(ROC(CH)、78.32(C−3)、75.77(C−4)、75.68(C−3”) 75.15(C−5)、72.48(C−4’)、70.02(C−2”)、70.69(C−6’)、70.07(C−5’)、69.94(C−3’)、60.33(C−4”)、53.26(C−2’)、50.2(C−5”) 49.68(C−3)、47.64(C−1)、34.82(C−2)、28.47(ROC(CH)、28.42(ROC(CH)、27.95(ROC(CH)、27.80(ROC(CH)、20.97(C−7’)、17.73(C−6”)、14.18(C−6”)。
【0913】
MALDI TOFMS:C819424([M+Na])の計算値m/e 1530.81;実測値m/e 1530.81。
【0914】
NB124−Bzの調製:化合物72(0.189グラム、0.125mmol)を新たに蒸留したDCM(5mL)中に溶解し、氷槽で冷却し、TFA(1mL)を一滴ずつ添加した。反応混合物をそのまま室温にした。反応の進行をTLC(EtN/MeOH 1:99)によりモニターしたところ、4時間後に反応の完了が判明した。反応混合物を乾燥するまで蒸発させ、NB124−Bzを得た。貯蔵および生物学的試験のために、NB124−Bzを水およびメタノール中に溶解し、凍結乾燥して、NB124−BzのTFA塩を得た(0.191グラム、97%)。
【0915】
H NMR(500MHz,MeOD):「環I」:δ=6.53(d,1H,J=3.8Hz,H−1)、6.10(dd,1H J=10.6,9.9Hz,H−3)、5.76(dd,1H J=10.1,9.2Hz,H−4)、5.53〜5.47(m,1H,H−6)、4.53(dd,1H,J=9.8,3.9Hz,H−5)、4.09(d,1H J=13.5Hz,H−2)、1.46(d,3H,J=3.2Hz,H−7)。「環II」:δ=5.51(dd,1H,J=10.0,8.6Hz,H−4)、4.85〜4.81(m,1H,H−5)、4.47(dd,1H,J=10.1,8.2Hz,H−6)、3.88〜3.77(m,2H,H−1,H−3)、2.68〜2.61(m,1H,H−2)、2.19〜2.09(m,1H,H−2)。「環III」:δ=5.77(s,1H,H−1)、5.50(dd,1H,J=8.8,4.3Hz,H−3)、5.40(dd,1H,J=3.5,0.4Hz,H−2)、4.10(dd,1H,J=10.0,8.6Hz,H−4)、3.52〜3.46(m,1H,H−5)、0.96(d,3H,J=6.6Hz,H−6)。スペクトル中の追加のピークを以下のように同定した:δ=8.03〜7.81(m,Ph)、7.65〜7.24(m,Ph)、7.01(m,Ph)。
【0916】
13C NMR(126MHz,MeOD):δ=167.31(C=O)、167.13(C=O)、166.92(C=O)、166.76(C=O)、165.67(C=O)、165.14(C=O)、163.27(TFA)、162.99(TFA)、162.70(TFA)、162.43(TFA)、135.04(Ph)、134.91(Ph)、134.90(Ph)、134.87(Ph)、134.84(Ph)、134.57(Ph)、134.03(Ph)、130.97(Ph)、130.82(Ph)、130.70(Ph)、130.51(Ph)、129.95(Ph)、129.86(Ph)、129.69(Ph)、129.67(Ph)、129.60(Ph)、129.58(Ph)、129.50(Ph)、129.45(Ph)、129.34(Ph)、129.24(Ph)、129.02(Ph)、121.29(TFA)、118.98(TFA)、116.66(TFA)、114.35(TFA)、107.23(C−1”)、92.70(C−1’)、81.08(C−5)、80.78(C−2’)、76.93(C−6)、76.76(C−2”)、75.28(C−4)、72.95(C−3”)、72.48(C−5’)、71.82(C−3’)、71.48(C−6’)、70.92(C−4’)、53.85(C−4”)、52.34(C−5”)、50.26(C−3)、50.04(C−1)、29.28(C−2)、16.61(C−7’)、14.19(C−6”)。
【0917】
MALDI TOFMS:C616216([M+Na])の計算値m/e 1129.42;実測値m/e 1129.42。
【0918】
本発明をその特定の実施形態とともに記載したが、多数の代替法、改変および変法も当業者に明らかとなる。したがって、添付の特許請求の範囲の趣旨および広い範囲内に入るすべてのこのような代替法、改変および変法も包含するものとする。
【0919】
本明細書で述べた全ての刊行物、特許、および特許出願は、当該刊行物、特許、または特許出願について具体的かつ個別に記載した場合と同様に、参照によりそれらが完全に本明細書に組み込まれるものとする。さらに、本願におけるいかなる参考文献の引用または記載も、そのような参考文献が本願に対する従来技術として存在することの自認と解釈すべきではない。セクションの見出しの使用についても、それらを必ずしも限定として解釈すべきではない。
【配列表フリーテキスト】
【0920】
配列番号1: 1本鎖DNAオリゴヌクレオチド、18位のnはcまたはt
配列番号2: 1本鎖DNAオリゴヌクレオチド、21位のnはaまたはg
配列番号3: 1本鎖DNAオリゴヌクレオチド、23位のnはcまたはt
配列番号4: 1本鎖DNAオリゴヌクレオチド、22位のnはaまたはg
配列番号5: 1本鎖DNAオリゴヌクレオチド、19位のnはtまたはg
配列番号6: 1本鎖DNAオリゴヌクレオチド、16位のnはaまたはg
配列番号7: 1本鎖DNAオリゴヌクレオチド、19位のnはcまたはt
配列番号8: 1本鎖DNAオリゴヌクレオチド、16位のnはaまたはg
図1
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図13B