【実施例】
【0056】
[実施例1]
低分子RNAに関して濃縮されたイネ科のコメ胚芽(イネ)の抽出物の調製
低分子量RNA(最大長150ヌクレオチドを有する)濃縮水性抽出物を、イネ科(以前のgraminaceae)のコメ(イネ)から得る。
【0057】
第一のステップにおいて、粉末形態の5%のコメ胚芽を蒸留水に入れて10mM EDTA四ナトリウムを添加する、またはコメ胚芽粉末50gを蒸留水1kgに入れてEDTA四ナトリウム3.8gを添加する。このステップのpHは、抽出物を低分子量RNAに関して最適に濃縮するために、アルカリ性で10.5〜11の間でなければならない。
【0058】
混合物を周囲温度で2時間攪拌する。
【0059】
次に、プロテアーゼ(セリンエンドペプチダーゼであるAlcalase(登録商標)と、ブロメラインとからなる)を、使用する植物材料に関してそれぞれ2%で添加する、または各酵素1gを混合物に添加して、酵素的加水分解を実施する。pHを7.5〜8の間に調節する。
【0060】
次に、混合物を55℃で2時間加熱後、これらの同じ酵素を不活化するために80℃で2時間加熱する。
【0061】
次に、混合物を珪藻土(混合物1kgあたり10g)と共に4000gで10分間遠心分離して、固形物を除去する。
【0062】
このステップの後、任意選択の希釈の前に、必要に応じてpHを6〜6.5の間にするためおよび抽出物の低分子RNAを保存するために、pHをチェックする。
【0063】
次に、植物抽出物を透明化するために、0.2μmでの濾過滅菌まで漸減する多孔性の濾紙を通して連続的な濾過を実施する。
【0064】
一般的に、20〜50g/kgの乾燥重量抽出物、3〜15g/kgのタンパク質断片、5〜30g/kgの糖、1.5〜3g/kgのアミノ酸、300〜750mg/kgのフェノール化合物、および50〜400mg/kgの最大長150ヌクレオチドの低分子量RNAであると決定される、淡黄色のコメ胚芽の水性抽出物。
【0065】
それにもかかわらず、イネ種からのコメ胚芽に関して、得られた抽出物は、採取場所、採取年、季節、気候条件等などの要因に応じてかなりの変動を示し得る。
【0066】
より詳しくは、本実施例において、23g/kgの乾燥重量抽出物であると決定される水性抽出物が得られる。物理化学分析では、この抽出物が4.8g/kgのタンパク質断片、8.2g/kgの糖、2.3g/kgのアミノ酸、328mg/kgのフェノール化合物、および132mg/kgの最大長150ヌクレオチドの低分子量RNAの濃度を有することを示している。その後、この抽出物を水で希釈して、グリセロールなどの化粧品溶媒、および1.5%フェノキシエタノールなどの保存剤を添加することによって保存することができる。
【0067】
[実施例2]
方法の実施におけるpHおよび酵素的加水分解の影響に関する試験
本発明に従う方法の実施におけるpHの影響を試験するために、異なるpH値および異なるタイプの植物に関して抽出試験を行った。
【0068】
これらの抽出を、特にコメ胚芽(実施例1に記載のように)について実施した。本発明に従って検討したおよびより詳しく記述した全てのタイプの植物に関して、一般的に比較可能な結果を得ることができる。
【0069】
5%コメ胚芽粉末を水に入れる、またはコメ胚芽粉末50gを蒸留水1kgに入れ、10mM EDTA四ナトリウム(または3.8g)を添加する。濃水酸化ナトリウム1〜3mLを添加することによってpHを7または11に調節した後、混合物を周囲温度で2時間攪拌する。
【0070】
次に、この重要なステップの後に各抽出物に関して低分子量RNAの濃縮を観察するために、抽出方法の際に試料の収集を実施する。
【0071】
このように、低分子量RNAの存在を可視化するために2%アガロースゲルでの電気泳動を実施する(
図1A)。
【0072】
図1Aに例証するように、抽出物を低分子量RNAに関して濃縮するために最適なpHは、pH 11のアルカリpHであることが観察され得る。実際にpH7では抽出物は低分子量RNAを含まない(特徴的なバンドは存在しない)。
【0073】
このため、EDTA処置ステップの際のアルカリpHの使用は、本発明に従う方法の実施にとって必須の条件である。
【0074】
第二のステップにおいて、使用する植物材料に関して混合物中で各2%のプロテアーゼ(Alcalase(登録商標)と、ブロメラインとからなる)または各酵素1gによって酵素的加水分解を行う。6より低いpHは低分子量RNAの沈殿を引き起こすことから、酵素の活性に関して最適なpHであり、混合物中で低分子量RNAを可溶性に維持するために最適である7.5〜8の間にpHを調節する。
【0075】
混合物を、酵素の活性にとって最適な温度である55℃で2時間加熱した後、これらの同じ酵素を不活化するために80℃で2時間加熱する。
【0076】
次に、固形物を除去するために、混合物を珪藻土(混合物1kgあたり10g)と共に4000gで10分間遠心分離する。
【0077】
このステップの後、pHを6〜6.5の間にするためおよび抽出物の低分子RNAを保存するために、任意選択の希釈前にpHをチェックする。
【0078】
次に、植物抽出物を透明化するために、多孔性0.2μmでの濾過滅菌まで漸減する多孔性の濾紙を通して連続的な濾過を実施する。
【0079】
最終抽出物を、2%アガロースゲルでの電気泳動によって可視化する(
図1B)。
【0080】
図1Bに例証されるように、酵素の使用は、最終抽出物中の低分子量RNAの抽出収量を有利に改善することが認められる。
【0081】
この結果を異なるタイプの植物抽出物について観察した。酵素が低分子量RNAの抽出を増強するという事実は、タンパク質がしばしば核酸に結合しているという事実によるものであり得る。タンパク質のペプチド結合を分解する酵素によってタンパク質を分解すると、このように、小さいサイズ(10kDa未満)のタンパク質断片を作製し、それによってタンパク質に結合したRNAを解離させて放出させることが可能となり、このため抽出物中のその最終的な収量が増加する。
【0082】
[実施例3]
低分子RNAに関して濃縮されたマメ科のレンズマメ(レンズエスクレンタ)の抽出物の調製
低分子量RNA(最大長150ヌクレオチドを有する)濃縮水性抽出物をレンズマメ(レンズエスクレンタ)から得る。
【0083】
第一のステップにおいて、抽出方法の前日にレンズマメ40gを蒸留水で覆って、レンズマメを発芽させる。
【0084】
翌日、抽出方法で使用したレンズマメの4%に等しい量を得るために、蒸留水を添加する。
【0085】
レンズマメ(蒸留水1kgに関して十分な量の40g)を破砕して、10mM EDTA四ナトリウム(または3.8g)を添加する。NaOH溶液を添加することによってpHを11に調節し、混合物を周囲温度で2時間攪拌する。
【0086】
固形の破片を除去するために、大きい多孔性の濾過を実施することは有利である。
【0087】
酵素的加水分解を実施するために、HCl溶液の添加によってpHを7.5〜8の間に調節する前に酵素が可溶化することができるように注意して、プロテアーゼ(使用する植物材料に関して2%ブロメラインおよび2%Alcalase(登録商標))を濾液に添加する。
【0088】
濾液を55℃で2時間攪拌しながら維持し、その間に加水分解が起こる。
【0089】
植物水性粗抽出物を透明化するために、20〜50μmの間のサイズ、次いで7〜20μmの間のサイズを有する漸減する多孔性の濾紙を通して連続的な濾過を実施する。
【0090】
次に、酵素を不活化するために、抽出物を80℃で1時間加熱する。
【0091】
濾過を、0.3〜0.4μmの多孔性まで継続する。
【0092】
抽出方法のこのステップにおいて、pHを有利に6〜6.5の間にするためおよび抽出物の低分子RNAを保存するために、任意選択の希釈の前にpHを適切にチェックすることは重要である。
【0093】
一般的に、15〜25g/kgの乾燥重量抽出物、3〜8g/kgのタンパク質断片、2〜8g/kgの糖、1〜3g/kgのアミノ酸、300〜750mg/kgのフェノール化合物、および50〜150mg/kgの最大長150ヌクレオチドの低分子量RNAであると決定される、暗赤色のレンズマメの水性抽出物が得られる。
【0094】
しかし、同じ種のレンズマメ(レンズエスクレンタ)に関して、得られた抽出物は、採取場所、採取年、季節、気候条件等などの要因に応じてかなりの変動を示し得る。
【0095】
より詳しくは、本実施例において、15.4g/kgの乾燥重量抽出物、6.9g/kgのタンパク質断片、2.1g/kgの糖、1.4g/kgのアミノ酸、400mg/kgのフェノール化合物、および96mg/kgの最大長150ヌクレオチドの低分子量RNAであると決定される、水性抽出物が得られる。
【0096】
次に抽出物を、水、または例えば水および30%グリセロールを含む生理的に許容される溶媒で、最終抽出物が10g/kgの乾燥重量抽出物に調節されるように希釈する。
【0097】
物理化学分析では、Bioanalyseur(登録商標)(Agilent)による低分子量RNAの定量によって、
図2により詳しく例証されているように、希釈後、この抽出物が5.1g/kgのタンパク質断片、1.5g/kgの糖、0.8g/kgのアミノ酸、280mg/kgのフェノール化合物、および70mg/kgの低分子量RNA(最大長150ヌクレオチドを有する)の濃度を有することを示している。
【0098】
Bioanalyseur(登録商標)は、低分子量RNAの分析などの核酸の分析のために特異的な電子チップにより小型化された電気泳動を実施することが可能な装置である。これは、数マイクロリットルを使用して抽出物に含まれるサイズおよび濃度を決定することが可能である。結果は、縦軸に任意の蛍光単位(FU)および横軸にヌクレオチド(nt)数を示すグラフの形である。内部マーカーを各分析に加えて(
図2における4ヌクレオチドでのピーク)、分析の適切な実施をバリデートするための内部対照とする。
【0099】
[実施例4]
実施例3に従う抽出物(レンズマメ)中のDNAの非存在に関する試験
本発明に従う抽出物中で得られた核酸が実際にRNAであり、より詳しくは低分子量RNA(最大長150ヌクレオチドを有する)であり、DNAではないことを確認するために、DNAを特異的に分解するDNアーゼ(OPTIZYME(商標)、Fisher Bioreagent)を使用する試験を、供給元によって推奨されるプロトコールに従って実施した。
【0100】
500μg/mLのサケDNA(Sigma、31149−10g−F)を含む対照溶液および500μg/mLのトルラ酵母由来低分子量RNA(Sigma R6625−25G)を含む別の対照溶液を調製した。反応容積は、DNAまたはRNA1μgあたり、RNアーゼ1μL、10倍緩衝液1μLを含み、0.1容積%DEPC(ジエチルピロカーボネート)水で全量を10μLとした。反応混合物を、DNアーゼの反応の最適な条件である37℃で30分間インキュベートする。次に、50mM EDTA四ナトリウムを添加して、65℃で10分間加熱することによって酵素を不活化する。
【0101】
DNアーゼの作用後、実施例3に従う対照溶液および抽出物のプロファイルを可視化するために、低分子RNAをDNアーゼによる処置の前および後にBioanalyseur(登録商標)によって定量する。植物抽出物のDNアーゼによる処置の存在下または非存在下で得たプロファイルは同一であり、
図3に例証するように、同じまたはおよそ30mg/kgの量が残っている。内部マーカー(
図3における4ヌクレオチドでのピーク)を各分析に加えて、分析の適切な実施をバリデートするための内部対照とする。
【0102】
DNAを特異的に分解するがRNAは分解しない酵素であるDNAアーゼによる試験により、実施例3に従う抽出物の核酸が、DNアーゼによる処置後になおも存在することが証明されている。このため、これは実際にRNA、特に最大長150ヌクレオチドの低分子量RNAであり、DNAではない。
【0103】
[実施例5]
低分子RNAに関して濃縮されたアオイ科のオクラ(ハイビスカスエスクレンツス)の抽出物の調製
低分子量RNA(最大長150ヌクレオチドを有する)濃縮水性抽出物を、ハイビスカスエスクレンツス種のオクラの実から得る。
【0104】
第一のステップにおいて、解凍後、10%のハイビスカスエスクレンツスの実を蒸留水中で混合する、または例えば実100gを蒸留水1kg中で混合した後、EDTA四ナトリウムを最終濃度10mMまたは1kgあたり3.8gで添加して10分間破砕する。このステップにおけるpHは、抽出物を低分子RNAに関して濃縮するために最適なpHである10.5〜11の間である。
【0105】
次に、この混合物を45℃で2時間攪拌する。この段階の温度は20℃から80℃まで変更しうるが、この種に関して、45℃の温度は最終水性抽出物の低分子量RNAに関する濃縮に関して最善の結果を得ることを可能にする温度であることが判明している。
【0106】
2時間後、珪藻土(またはシリカ)を10g/kgの濃度で添加し、混合物をさらに10分間攪拌した後、4000gで10分間遠心分離する。
【0107】
次に、上清を収集する。この生抽出物は、特にタンパク質断片、糖、および低分子量RNAを含む。
【0108】
酵素的加水分解を実施するために、pHを7.5〜8の間に調節する前に酵素が可溶化することができるように注意して、プロテアーゼ(使用する植物材料の量に関して2%ブロメラインおよび2%Alcalase(登録商標))を添加する。
【0109】
粗溶液を攪拌しながら55℃で2時間維持し、その間に加水分解が起こる。酵素的加水分解により、低分子量タンパク質の断片(10kDa未満、高分子量タンパク質はおそらくアレルゲン性である)を得ることが可能となる。このようにして得られたそのようなタンパク質断片はさらに、皮膚に関して興味深い生物活性を有し得る。
【0110】
生抽出物の透明化を開始するために、20〜50μmの間のサイズ、次いで7〜20μmの間のサイズを有する漸減する多孔性の濾紙を使用して連続的な濾過を実施した後、80℃の高温で抽出物を一晩加熱するステップを行う。このステップは、プロテアーゼを不活化することが可能であり、プロテアーゼは強い熱の作用により、変性を受けて不活化される。
【0111】
次に、濾過を0.1〜0.3μmでの濾過滅菌まで継続する。
【0112】
次に、低分子量RNAが沈殿するのを防止するために、植物抽出物は、6〜8の間の最終pHを有しなければならない。抽出方法のこのステップにおいて、さらにより好ましくはpHを6〜6.5の間にするために、任意選択の希釈前に、pHを実際に確認しなければならない。
【0113】
一般的に、10〜20g/kgの乾燥重量抽出物、2〜5g/kgのタンパク質断片、2.5〜5g/kgの糖、0.1〜2g/kgのアミノ酸、0.2〜3g/kgのフェノール化合物、および10〜100mg/kgの最大長150ヌクレオチドの低分子量RNAであると決定される、淡黄色の水性抽出物が得られる。
【0114】
それにもかかわらず、同じ種(ハイビスカスエスクレンツス)のオクラの実に関して、得られた抽出物は、採取場所、採取年、季節、気候条件等などの要因に応じてかなりの変動を示し得る。
【0115】
本実施例において、より詳しくは、13.3g/kgの乾燥重量抽出物、3.2g/kgのタンパク質断片、3.9g/kgの糖、790mg/kgのアミノ酸、490mg/kgのフェノール化合物、および60mg/kgの最大長150ヌクレオチドの低分子量RNAであると決定される、水性抽出物が得られる。
【0116】
次に、例えば水および30%グリセロールを含む生理的に許容される溶媒で、最終抽出物が10g/kgの乾燥重量抽出物に調節されるように、抽出物を希釈する。
【0117】
物理化学分析では、希釈後、抽出物が、2.5g/kgのタンパク質断片、2.7g/kgの糖、520mg/kgのアミノ酸、320mg/kgのフェノール化合物、および35mg/kgの最大長150ヌクレオチドの低分子量RNAの濃度を有することを示している。
【0118】
[実施例6]
オクラ(ハイビスカスエスクレンツス)から低分子RNAを抽出する方法の実施におけるEDTA処置ステップの役割の証明
低分子量RNAの抽出におけるEDTA処置ステップの役割を証明する目的で、本発明に従う方法の特定の必須のステップを、抽出物を低分子量RNAに関して濃縮することが不可能となるように改変することによって、ハイビスカスエスクレンツスの実の抽出物を得た。
【0119】
15%の解凍したハイビスカスエスクレンツスの実を蒸留水と混合した後、破砕する、または実150gを蒸留水1kg中で混合する。
【0120】
次に、プロテアーゼを連続的に添加する。使用する植物材料に関して2%のAlcalase(登録商標)(または3g)をpH8、55℃(この酵素にとって最適な条件)で添加して2時間放置した後、2%ブロメライン(または3g)を4〜4.5の値に調節したpHで、55℃で添加して2時間放置する。
【0121】
次に、この混合物を遠心分離して固形の破片を除去する。
【0122】
生抽出物の透明化を開始するために、20〜50μmの間のサイズ、次いで7〜20μmの間のサイズを有する漸減する多孔性の濾紙を通して連続的な濾過を行い、次いで80℃の高温で抽出物を一晩加熱するステップを行う。
【0123】
濾過を、0.1〜0.3μmでの濾過滅菌まで継続する。
【0124】
得られた水性抽出物を、例えば水および30%グリセロールを含む生理的に許容される溶媒で、9.6g/kgの乾燥重量抽出物となるように希釈する。最終抽出物のpHは4〜4.5の間である。
【0125】
物理化学分析では、希釈後、最終植物抽出物が、2.2g/kgのタンパク質断片、3.8g/kgの糖、550mg/kgのアミノ酸、および243mg/kgのフェノール化合物の濃度を有することを示している。
【0126】
Bioanalyseur(登録商標)による分析では、低分子量RNAの濃度がこの抽出物に関してゼロであることを示している。この結果は、EDTA処置ステップを行わない抽出方法に基づいて得た抽出物が、低分子量RNAを含まないことを証明している。その結果、EDTA処置ステップは、本発明に従う低分子量RNAに富む抽出物を得るために必須である。
【0127】
[実施例7]
低分子RNAに関して濃縮されたパンヤ科のバオバブ(アダンソニアディギタータ)の抽出物の調製
低分子量RNA(最大長150ヌクレオチドを有する)濃縮水性抽出物を、アダンソニアディギタータ種のバオバブから得る。
【0128】
第一のステップにおいて、5%のバオバブ種子の油かす(アダンソニアディギタータ)を、乾燥状態で、もしくはEDTA四ナトリウムを最終濃度10mMで含む水中で直接破砕する、または蒸留水1kg中のバオバブの油かす50gにEDTA四ナトリウム3.8gを添加する。このステップのpHは、アルカリ性であり、より詳しくは抽出物を低分子量RNAに関して濃縮するために最適なpHである10.5〜11の間である。
【0129】
混合物を58℃で2時間攪拌する。
【0130】
この種に関して、タンパク質分解酵素による加水分解ステップを実施することは有利であり、使用する植物材料の量に関して2%パパイン(または1g)を添加する。必要であれば、混合物のpHを7〜8の間に調節し、混合物を、この酵素の最適な条件である58℃で2時間攪拌する。
【0131】
次に、pHを8に調節した後、固形物を除去するために、抽出物を4000gで10分間遠心分離する。
【0132】
植物抽出物を透明化するために、20〜50μmの間のサイズ、次いで7〜20μmの間のサイズを有する漸減する多孔性の濾紙を通して連続的な濾過を実施する。
【0133】
次に、酵素を熱により不活化するために、抽出物を80℃で8〜12時間加熱する。
【0134】
濾過を、0.3〜0.4μmの多孔性まで継続する。抽出方法のこのステップにおいて、pHを6〜6.5の間にするためおよび抽出物の低分子RNAを保存するために、任意選択の希釈の前に、pHを適切に確認しなければならない。一般的に、酸性pHによって核酸の沈殿が起こり、このため低分子量RNAの沈殿も起こり得る。
【0135】
一般的に、15〜25g/kgの乾燥重量抽出物、3〜8g/kgのタンパク質断片、2〜8g/kgの糖、0.05〜1g/kgのアミノ酸、0.05〜1g/kgのフェノール化合物、および10〜80mg/kgの最大長150ヌクレオチドの低分子量RNAであると決定される、暗赤色のバオバブの水性抽出物が得られる。
【0136】
しかし、アダンソニアディギタータ種から得た抽出物は、採取場所、採取年、季節、気候条件等などの要因に応じてかなりの変動を示し得る。
【0137】
本実施例において、より詳しくは、17g/kgの乾燥重量抽出物、5.3g/kgのタンパク質断片、5.4g/kgの糖、650mg/kgのアミノ酸、441mg/kgのフェノール化合物、および57mg/kgの最大長150ヌクレオチドの低分子量RNAであると決定される、水性抽出物が得られる。
【0138】
次に、抽出物を水および30%グリセロールの混合物中で希釈し、1.5%フェノキシエタノールを添加し、これによって、12g/kgの乾燥重量抽出物の最終抽出物を得ることが可能となる。
【0139】
物理化学分析では、希釈後、この抽出物が、2.9g/kgのタンパク質断片、4g/kgの糖、400mg/kgのアミノ酸、310mg/kgのフェノール化合物、および41mg/kgの最大長150ヌクレオチドの低分子量RNAの濃度を有することを示している。
【0140】
[実施例8]
バオバブ(アダンソニアディギタータ)からの低分子RNAの抽出方法の実施に関するEDTA処置ステップの役割の証明
低分子量RNAの抽出におけるEDTA処置ステップの役割を証明する目的で、本発明に従う方法の特定の必須のステップを、抽出物を低分子量RNAに関して濃縮することが不可能となるように改変することによって、バオバブ(アダンソニアディギタータ)の抽出物を同様に得た。
【0141】
第一のステップにおいて、10%のバオバブ種子の油かす(アダンソニアディギタータ)を破砕した後、水を添加する、またはバオバブの油かす100gを蒸留水1kg中に入れる。
【0142】
この種に関して、タンパク質分解酵素による加水分解を実施し、使用する植物材料に関して2%パパインまたは2gを添加する。pHを、7〜8の間の値に調節し、混合物を、酵素の活性に関して最適な条件である58℃で2時間攪拌する。この期間の後、pHを、化粧品成分に関して日常的に使用されるpHである4.5に低下させる。
【0143】
その後、抽出物を4000gで10分間遠心分離して固形物を除去する。次に、抽出物を、高温によって酵素を不活化するために、80℃で8〜12時間加熱する。
【0144】
次に、20〜50μmの間のサイズ、次いで0.3〜0.4μmまでの多孔性を有する漸減する多孔性の濾紙を使用して連続的な濾過を実施する。
【0145】
次に、12.5g/kgの乾燥重量抽出物、5.8g/kgのタンパク質断片、7.6g/kgの糖、540mg/kgのアミノ酸、および440mg/kgのフェノール化合物であると決定される、透明な黄色の抽出物が得られる。
【0146】
次に、抽出物を、30%グリセロールを含む最終抽出物が得られるように、水およびグリセロールで希釈し、10g/kgの乾燥重量抽出物に調節する。
【0147】
物理化学分析では、希釈後、植物抽出物が、3.25g/kgのタンパク質断片、5.1g/kgの糖、310mg/kgのアミノ酸、および250mg/kgのフェノール化合物の濃度を有することを示している。これらの抽出条件下(EDTA処置の非存在下)、Bioanalyseur(登録商標)による分析では、低分子量RNAの濃度がこの抽出物に関してゼロであることを示している。この結果は、EDTA処置(アルカリpHで)を行わない抽出方法を使用して得られた抽出物が、低分子量RNAを含まないことを確認する。EDTA処置ステップは、本発明に従う低分子量RNAに富む抽出物を得るために必須である。
【0148】
[実施例9]
オクラ(ハイビスカスエスクレンツス)およびバオバブ(アダンソニアディギタータ)の抽出物の調製における最終pHの影響に関する試験
抽出物を低分子量RNAに関して濃縮するために、抽出方法を、最終のpH調節ステップを除き、実施例5および7と同じ操作条件下で実施する。
【0149】
この抽出方法は、EDTA四ナトリウムによる処置ステップの後に酵素的加水分解ステップを伴って実施するが、抽出物を、pH6〜8の間ではなくて、4〜4.5の間の酸性pHに最終的に調節する。
【0150】
これによって、低分子量RNAの沈殿が起こり、Bioanalyseur(登録商標)による分析によって確認された結果は、このようにして得られたオクラ(ハイビスカスエスクレンツス)およびバオバブ(アダンソニアディギタータ)の抽出物のいぜれに関して低分子量RNAのゼロ濃度を与える。
【0151】
[実施例10]
低分子RNAに関して濃縮されたウリ科のカボチャ(ペポカボチャ)の抽出物の調製
低分子量RNA(最大長150ヌクレオチドを有する)濃縮水性抽出物を、ウリ科のカボチャ(ペポカボチャ)から得る。
【0152】
第一のステップにおいて、10%のカボチャ種子の油かすを、水と混合し、最終濃度が10mMとなるようにEDTA四ナトリウムを添加する、またはカボチャの油かす100gを蒸留水1kg中に入れてEDTA四ナトリウム3.8gを添加する。
【0153】
このステップでのpHは、抽出物を低分子量RNAに関して最適に濃縮するためにアルカリ性、より詳しくは10.5〜11の間でなければならない。
【0154】
混合物を45℃で2時間攪拌する。
【0155】
次に、酵素的加水分解をプロテアーゼによって実施し、使用する植物材料の量に関して2%Alcalase(登録商標)および4%パパイン、またはAlcalase(登録商標)2gおよびパパイン4gを混合物に添加する。pHを、これら2つの酵素の活性の最適なpHである7.5〜8の間に調節し、このpHはまた、6より低いpHがRNAを沈殿させ得ることから、混合物中で低分子量RNAを可溶性で維持するために最適なpHでもある。
【0156】
次に、混合物を、酵素の活性にとって最適な温度である50℃で2時間加熱した後、これらの同じ酵素を不活化するために80℃で2時間加熱する。
【0157】
次に、固形物を除去するために、混合物を珪藻土(混合物1kgあたり10g)と共に4000gで10分間遠心分離する。
【0158】
このステップの後、必要に応じてpHを6〜6.5の間にするためおよび抽出物の低分子RNAを保存するために、任意選択の希釈前にpHをチェックする
【0159】
植物抽出物を透明化するために、20〜50μmの間のサイズ、次いで7〜20μmの間のサイズを有する漸減する多孔性の濾紙を通して連続的な濾過を実施する。次に、濾過を、0.2μmでの濾過滅菌まで継続する。
【0160】
一般的に、20〜50g/kgの乾燥重量抽出物、3〜25g/kgのタンパク質断片、1〜10g/kgの糖、および50〜250mg/kgの最大長150ヌクレオチドの低分子量RNAであると決定される、淡黄色の水性抽出物が得られる。
【0161】
しかし、同じ種(ペポカボチャ)のカボチャに関して、得られた抽出物は、採取場所、採取年、季節、気候条件等などの要因に応じてかなりの変動を示し得る。
【0162】
本実施例において、より詳しくは、37.3g/kgの乾燥重量抽出物、18.4g/kgのタンパク質断片、3.8g/kgの糖、および168mg/kgの最大長150ヌクレオチドの低分子量RNAであると決定される、水性抽出物が得られる。
【0163】
次に、抽出物を、例えば水および30%グリセロールを含む生理的に許容される溶媒で希釈することができる。
【0164】
[実施例11]
低分子RNAに関して濃縮されたアカザ科または擬穀類科のキヌア(ケノポディウムキヌア)の抽出物の調製
低分子量RNA(最大長150ヌクレオチドを有する)濃縮水性抽出物を、アカザ科または擬穀類科のキヌアケノポディウムキヌアから得る。
【0165】
第一のステップにおいて、発芽したキヌア種子(最終重量の10%、または100g)を抽出プロセスに使用して、蒸留水1kgと混合した後、破砕し、EDTA四ナトリウムを、最終濃度10mMまたは3.8gが得られるように添加する。このステップでのpHは、アルカリ性で10.5〜11の間でなければならず、このため本発明に従う抽出物を、最大長150ヌクレオチドを有する低分子RNAに関して最適に濃縮するために、pHをNaOHによって調節する。混合物を55℃で2時間攪拌する。
【0166】
酵素的加水分解をプロテアーゼによって実施し、2%Alcalase(登録商標)および2%ブロメラインを混合物に添加する(使用する材料に関して)。pHを、これらの2つの酵素の活性の最適なpHである7.5〜8の間に調節するが、このpHはまた、6より低いpHがRNAを沈殿させ得ることから、混合物中で低分子量RNAを可溶性で維持するためにも最適である。
【0167】
混合物を、酵素の活性の最適な温度である45℃で2時間加熱する。
【0168】
次に、混合物を珪藻土(混合物1kgあたり10g)と共に4000gで10分間遠心分離して固形物を除去する。
【0169】
次に、これらの酵素を不活化するために、濾液を80℃で2時間加熱する。
【0170】
次に、植物抽出物を透明化するために、20〜50μmの間のサイズ、次いで7〜20μmの間のサイズを有する漸減する多孔性の濾紙を通して連続的な濾過を実施する。
【0171】
この濾過ステップの後、30%グリセロールを含む最終抽出物が得られるように、好ましくは水およびグリセロールで抽出物の希釈を実施することができる。
【0172】
次に、濾過を、0.2μmでの濾過滅菌まで継続する。
【0173】
一般的に、20〜50g/kgの乾燥重量抽出物、3〜15g/kgのタンパク質断片、10〜30g/kgの糖、0.5〜5g/kgのアミノ酸、100〜700mg/kgのフェノール化合物、および50〜250mg/kgの最大長150ヌクレオチドの低分子量RNAであると決定される、淡黄色の抽出物が得られる。
【0174】
非発芽キヌア種子からまたはキヌア粉からも、類似の結果を得ることができる。
【0175】
それにもかかわらず、同じ種のキヌア(ケノポディウムキヌア)に関して、得られた抽出物は、採取場所、採取年、季節、気候条件等などの要因に応じてかなりの変動を示し得る。
【0176】
より詳しくは、本実施例において、33g/kgの乾燥重量抽出物、9.5g/kgのタンパク質断片、21.6g/kgの糖、1.8g/kgのアミノ酸、364mg/kgのフェノール化合物、および173mg/kgの最大長150ヌクレオチドの低分子量RNAであると決定される、水性抽出物が得られる。
【0177】
次に、抽出物を、例えば水および30%グリセロールを含む生理的に許容される溶媒で希釈することができる。
【0178】
[実施例12]
低分子RNAに関して濃縮されたバラ科のバラ(ロサケンチフォリア)の抽出物の調製
低分子量RNA(最大長150ヌクレオチドを有する)濃縮水性抽出物を、バラ科のバラ(ロサケンチフォリア)から得る。本実施例において、新鮮な花全部を使用する。
【0179】
第一のステップにおいて、10%のバラを蒸留水に混合する、または例えば花100gを蒸留水1kgに添加した後、EDTA四ナトリウムを最終濃度10mMまたは1kgあたり3.8gで添加して10分間破砕する。このステップでのpHは、抽出物を低分子RNAに関して濃縮するために最適なpHである10.5〜11の間である。
【0180】
次に、この混合物を80℃で1時間攪拌する。この段階の温度は50℃〜80℃まで変更し得るが、この種に関して、温度80℃は、最終水性抽出物の低分子量RNAに関する濃縮に関して最善の結果を得ることを可能にする温度であることが見出されている。
【0181】
このステップの後、固形物を除去して植物抽出物を透明化するために、20〜50μmの間のサイズ、次いで7〜20μmの間のサイズの漸減する多孔性の濾紙を通して連続的な濾過を実施する。
【0182】
このステップにおいて、必要に応じてpHを6〜6.5の間にするためおよび抽出物の低分子RNAを保存するために、pHをチェックする。
【0183】
次に、濾過を、0.2μmでの濾過滅菌まで継続する。
【0184】
一般的に、5〜20g/kgの乾燥重量抽出物、1〜10g/kgのタンパク質断片、1〜10g/kgの糖、0.5〜2g/kgのフェノール化合物、および20〜200mg/kgの最大長150ヌクレオチドの低分子量RNAであると決定される、暗赤色の水性抽出物が得られる。
【0185】
それにもかかわらず、同じ種のバラ(ロサケンチフォリア)に関して、得られた抽出物は、採取場所、採取年、季節、気候条件等などの要因に応じてかなりの変動を示し得る。
【0186】
本実施例において、より詳しくは、11.3g/kgの乾燥重量抽出物、5.1g/kgのタンパク質断片、2.6g/kgの糖、1g/kgのフェノール化合物、および96mg/kgの最大長150ヌクレオチドの低分子量RNAであると決定される、水性抽出物が得られる。
【0187】
次に、抽出物を例えば、8g/kgの乾燥重量抽出物の最終抽出物を得ることができるように30%グリセロールで希釈することができる。
【0188】
物理化学分析では、希釈後、この抽出物が、4.6g/kgのタンパク質断片、2g/kgの糖、280mg/kgのアミノ酸、800mg/kgのフェノール化合物、および83mg/kgの最大長150ヌクレオチドの低分子量RNAの濃度を有することを示している。
【0189】
[実施例13]
低分子RNAに関して濃縮されたミカン科のビターオレンジの花(ダイダイ)の抽出物の調製
低分子量RNA(最大長150ヌクレオチドを有する)濃縮水性抽出物を、ミカン科のビターオレンジの花(ダイダイ)から得る。本実施例において、新鮮な花全部を使用する。
【0190】
第一のステップにおいて、5%のビターオレンジの花を蒸留水中で混合する、または例えば花50gに、1kgになるように蒸留水を添加した後、EDTA四ナトリウムを最終濃度10mMまたは1kgあたり3.8gで添加して5分間破砕する。このステップでのpHは、抽出物を低分子RNAに関して濃縮するために最適なpHである10.5〜11の間である。
【0191】
次に、この混合物を45℃で1時間攪拌する。この段階の温度は25℃〜50℃まで変更し得るが、この種に関して、温度45℃は、最終水性抽出物の低分子量RNAに関する濃縮に関して最善の結果を得ることを可能にする温度であることが見出されている。
【0192】
このステップの後、固形物を除去して植物抽出物を透明化するために、20〜50μmの間のサイズ、次いで7〜20μmの間のサイズの漸減する多孔性の濾紙を通して連続的な濾過を実施する。
【0193】
このステップにおいて、必要に応じてpHを6〜6.5の間にするためおよび抽出物の低分子RNAを保存するために、pHをチェックする。
【0194】
次に、濾過を、0.3〜0.5μmの多孔性まで継続する。
【0195】
一般的に、5〜20g/kgの乾燥重量抽出物、1〜10g/kgのタンパク質断片、1〜10g/kgの糖、200〜1000mg/kgのフェノール化合物、および10〜100mg/kgの最大長150ヌクレオチドの低分子量RNAであると決定される、コハク色の水性抽出物が得られる。
【0196】
それにもかかわらず、同じ種(ダイダイ)の花に関して、得られた抽出物は、採取した時間、採取年、季節、気候条件等などの要因に応じてかなりの変動を示し得る。
【0197】
本実施例において、より詳しくは、11.8g/kgの乾燥重量抽出物、4.5g/kgのタンパク質断片、3.8g/kgの糖、560mg/kgのフェノール化合物、および20mg/kgの最大長150ヌクレオチドの低分子量RNAであると決定される、水性抽出物が得られる。
【0198】
次に、抽出物を、水またはグリセロールなどの生理的に許容される溶媒で希釈することができる。
【0199】
[実施例14]
低分子RNAに関して濃縮されたユリ(リリウムカンディダム)の抽出物の調製
低分子量RNA(最大長150ヌクレオチドを有する)濃縮水性抽出物を、ユリ科のシロユリの球根(リリウムカンディダム)から得る。
【0200】
第一のステップにおいて、15%のユリの球根を蒸留水に入れる、または例えば球根150gを、EDTA四ナトリウムの最終濃度10mMまたは1kgあたり3.8gを含む蒸留水1kgに入れた後、溶液の破砕を5分間実施する。このステップでのpHは、抽出物を低分子RNAに関して濃縮するために最適なpHである10.5〜11の間である。
【0201】
次に、この混合物を65℃で30分間攪拌する。この段階の温度は50℃〜80℃まで変更し得て、攪拌時間は30分間〜1時間まで変更し得るが、この種に関して、温度65℃で30分間は、最終水性抽出物の低分子量RNAに関する濃縮に関して最善の結果を得ることを可能にする条件を構成することが見出されている。
【0202】
このステップの後、固形物を除去して植物抽出物を透明化するために、20〜50μmの間のサイズ、次いで7〜20μmの間のサイズの漸減する多孔性の濾紙を通して連続的な濾過を実施する。
【0203】
このステップにおいて、必要に応じてpHを6〜6.5の間にするためおよび抽出物の低分子RNAを保存するために、pHをチェックする。
【0204】
濾過を、2〜4μmの多孔性まで継続する。次に、30%グリセロールおよび1.5%フェノキシエタノールを添加することにより、抽出物を保存することができる。濾過を、0.2〜0.3μmの多孔性まで継続する。
【0205】
一般的に、10〜25g/kgの乾燥重量抽出物、0.5〜5g/kgのタンパク質断片、2〜15g/kgの糖、100〜500mg/kgのフェノール化合物、および10〜100mg/kgの最大長150ヌクレオチドの低分子量RNAであると決定される、黄色の水性抽出物が得られる。
【0206】
それにもかかわらず、同じ種のユリ(リリウムカンディダム)に関して、得られた抽出物は、採取場所、採取年、季節、気候条件等などの要因に応じてかなりの変動を示し得る。
【0207】
より詳しくは、本実施例において、16.3g/kgの乾燥重量抽出物、1.5g/kgのタンパク質断片、5.3g/kgの糖、200mg/kgのフェノール化合物、および20mg/kgの最大長150ヌクレオチドの低分子量RNAであると決定される、水性抽出物が得られる。
【0208】
次に、抽出物を、水またはグリセロールなどの生理的に許容される溶媒で希釈することができる。
【0209】
[実施例15]
低分子RNAに関して濃縮されたユリ科のユリ(リリウムティグリヌム)の抽出物の調製
低分子量RNA(最大長150ヌクレオチドを有する)濃縮水性抽出物を、ユリ科のオニユリの球根(リリウムティグリヌム)から得る。
【0210】
第一のステップにおいて、洗浄および解凍後、10%のユリの球根を蒸留水に混合する、または例えば球根100gを、EDTA四ナトリウムの最終濃度10mMまたは1kgあたり3.8gを含む蒸留水1kgに入れた後、混合物を5分間破砕する。このステップでのpHは、抽出物を低分子RNAに関して濃縮するために最適なpHである10.5〜11の間である。
【0211】
次に、この混合物を80℃で1時間攪拌する。この段階の温度は50℃〜80℃まで変更し得て、攪拌時間は30分間〜1時間まで変更し得るが、この種に関して、温度80℃で1時間は、最終水性抽出物の低分子量RNAに関する濃縮に関して最善の結果を得ることを可能にする条件を構成することが見出されている。
【0212】
このステップの後、固形物を除去して植物抽出物を透明化するために、20〜50μmの間のサイズ、次いで7〜20μmの間のサイズの漸減する多孔性の濾紙を通して連続的な濾過を実施する。
【0213】
このステップにおいて、必要に応じてpHを6〜6.5の間にするためおよび抽出物の低分子RNAを保存するために、pHをチェックする。濾過を、0.2〜0.3μmの多孔性まで継続する。
【0214】
一般的に、10〜25g/kgの乾燥重量抽出物、0.5〜5g/kgのタンパク質断片、5〜20g/kgの糖、100〜500mg/kgのフェノール化合物、および10〜100mg/kgの最大長150ヌクレオチドの低分子量RNAであると決定される、黄色の水性抽出物が得られる。
【0215】
それにもかかわらず、同じ種のユリ(リリウムティグリヌム)に関して、得られた抽出物は、採取場所、採取年、季節、気候条件等などの要因に応じてかなりの変動を示し得る。
【0216】
より詳しくは、本実施例において、17.9g/kgの乾燥重量抽出物、2.1g/kgのタンパク質断片、11.4g/kgの糖、200mg/kgのフェノール化合物、および54mg/kgの最大長150ヌクレオチドの低分子量RNAであると決定される、水性抽出物が得られる。
【0217】
次に、抽出物を、10g/kgの固形物の最終抽出物を得ることができるように、水、30%グリセロール、および1.5%フェノキシエタノールの混合物で希釈する。
【0218】
物理化学分析では、希釈後、この抽出物が、1.0g/kgのタンパク質断片、5.8g/kgの糖、100mg/kgのフェノール化合物、および30mg/kgの最大長150ヌクレオチドの低分子量RNAの濃度を有することを示している。
【0219】
[実施例16]
低分子RNAに関して濃縮されたトケイソウ科のパッションフルーツ(パッシフローラアラタ)の抽出物の調製
低分子量RNA(最大長150ヌクレオチドを有する)濃縮水性抽出物を、トケイソウ科のパッションフルーツ(パッシフローラアラタ)から得る。
【0220】
第一のステップにおいて、5%の果実粉末を蒸留水に混合する、または例えば果実粉末50gを蒸留水1kgと混合した後、溶液を5分間攪拌後、EDTA四ナトリウムを最終濃度10mMまたは1kgあたり3.8gで添加する。このステップでのpHは、抽出物を低分子RNAに関して濃縮するために最適なpHである10.5〜11の間である。
【0221】
次に、この混合物を50℃で1時間攪拌する。この段階の温度は25℃〜80℃まで変更し得て、攪拌時間は30分間〜1時間まで変更し得るが、この種に関して、温度50℃で60分間は、最終水性抽出物の低分子量RNAに関する濃縮に関して最善の結果を得ることを可能にする条件を構成することが見出されている。
【0222】
このステップの後、固形物を除去するために、混合物を4000gで10分間遠心分離する。
【0223】
次に、植物抽出物を透明化するために、20〜50μmの間のサイズ、次いで7〜20μmの間のサイズ、2〜4μmまでの漸減する多孔性の濾紙を通して連続的な濾過を実施する。
【0224】
このステップにおいて、必要に応じてpHを6〜6.5の間にするためおよび酸性pHに対して感受性である抽出物の低分子RNAを保存するために、pHをチェックする。
【0225】
濾過を、0.3〜0.5μmの多孔性まで継続する。
【0226】
一般的に、10〜30g/kgの乾燥重量抽出物、0.5〜5g/kgのタンパク質断片、2〜15g/kgの糖、100〜1500mg/kgのフェノール化合物、および10〜100mg/kgの最大長150ヌクレオチドの低分子量RNAであると決定される、コハク色の水性抽出物が得られる。
【0227】
次に、30%グリセロールなどの生理的に許容される溶媒を添加することにより、抽出物を希釈または保存することができる。
【0228】
本実施例において、30%溶媒の添加後、15g/kgの乾燥重量抽出物、2.3g/kgのタンパク質断片、3.0g/kgの糖、200mg/kgのフェノール化合物、および35mg/kgの最大長150ヌクレオチドの低分子量RNAであると決定される、水性抽出物が得られる。
【0229】
本発明の第三の態様に従って、本発明に従って得た低分子RNA濃縮水性抽出物を、活性なアンチエイジング剤として本発明に従う低分子RNAのそのような抽出物の有効量と、生理的に許容される媒体とを含む化粧品組成物の調製において使用することは有利である。
【0230】
有効量という表現は、抽出物の活性、特に化粧品活性、より詳しくは、皮膚の加齢の徴候に抵抗する活性または皮膚の水和を改善する活性を得るために必要であり、毒性ではない、本発明に従う抽出物の最少量を指す。
【0231】
本発明に従う低分子RNAの抽出物は、乾燥重量が5〜35g/kgの間である、その希釈型で使用することが有利である。
【0232】
本発明に従う低分子RNAの抽出物は、組成物の総重量に対する重量で、0.1〜5%の濃度、好ましくは1〜5%の濃度で組成物中に存在することが有利である。
【0233】
生理的に許容される媒体は、毒性、刺激、類似の不当なアレルギー反応等、または不耐性反応を引き起こすことなく、皮膚または粘膜の外層に接触させるために適し、妥当な利益/リスク比に釣り合う媒体を指す。
【0234】
本発明に従って使用することができる組成物は、任意の適切な経路によって、特に経口経路によって、または外用の局所経路によって適用することができ、組成物の処方は、当業者によって適応される。
【0235】
好ましくは、本発明に従う組成物は、局所経路による適用にとって適した形態である。したがって、これらの組成物は、生理的に許容される媒体、すなわちその適用時に不快感のリスクがなく、皮膚および付属器と適合性であり、全ての適した化粧品形態をカバーする媒体を含まなければならない。
【0236】
局所適用という表現は、本発明に従う低分子RNA濃縮水性抽出物、より詳しくは、抽出物を含む組成物が、皮膚または粘膜の表面に適用されるかまたは広げられるという事実を指す。
【0237】
皮膚は、より詳しくは顔の皮膚、特に目および口の周囲、鼻、額、首、手の皮膚、ならびに体の残りの皮膚を指す。
【0238】
本発明を実践するための組成物は、特に水性、水−アルコール、または油性溶液、水中油型乳剤、または油中水型乳剤、または多層乳剤の形態であり得る。それらはまた、皮膚、粘膜、唇、および/または毛髪に適用するために適した、懸濁剤または散剤の形態でもあり得る。
【0239】
これらの組成物は、いくぶん流動性であり得て、それらはまたクリーム、ローション、乳液、セラム、軟膏、ゲル、ペースト、またはフォームの形態であり得る。それらはまた、スティックなどの固体の形態でもあり得るか、またはそれらはエアロゾルの形態で皮膚に適用することができる。
【0240】
当該の適応分野において一般的に使用される生理的に許容される媒体として、例えば処方に必要な補助剤、例えば、溶媒、増粘剤、希釈剤、抗酸化剤、染料、日焼け止め、セルフタンニング剤、顔料、増量剤、保存剤、香料、消臭剤、精油、ビタミン、必須脂肪酸、界面活性剤、被膜生成ポリマー等を挙げることができる。
【0241】
全ての例において、当業者は、これらの補助剤ならびにその割合を、それらが本発明に従う組成物の所望の有利な特性にとって有害とならないように選択する。これらの補助剤は、例えば組成物の総重量の0.01〜20%に対応し得る。本発明に従う組成物が乳剤である場合、油相は、組成物の総重量に関して重量で、5〜80重量%、好ましくは5〜50重量%を表し得る。組成物に使用される乳化剤および乳化補助剤は、当該分野において通常使用されるものから選択される。例えば、それらは、組成物の総重量に関して重量で0.3〜30重量%の範囲の割合で使用することができる。
【0242】
本発明の別の有利な実施形態に従って、本発明に従う低分子RNA濃縮水性抽出物は、化粧品の分野において使用されるリポソームもしくは他の任意のナノカプセルもしくはマイクロカプセルなどの化粧品媒介体に封入するかもしくは含めることができ、または粉末有機ポリマー、タルクおよびベントナイトなどの無機支持体に吸着させることができる。
【0243】
本発明に従う組成物は、本発明に従う活性剤に加えて、本発明の活性剤に対して類似および/または補助的な美容効果を有する少なくとも1つの他の活性剤を含み得ることは有利である。本発明に従って、この活性剤は、「追加の活性剤」として定義される。
【0244】
例えば、追加の活性剤は、アンチエイジング剤、皮膚引き締め剤、美白剤、水和剤、排膿剤、微小循環促進剤、スクラブ剤、角質溶解剤、細胞外マトリクスの刺激剤、エネルギー代謝の活性化剤、抗菌剤、抗真菌剤、カーミング剤、抗フリーラジカル剤、抗UV剤、抗アクネ剤、抗炎症剤、麻酔薬、熱感を得る薬剤、フレッシュ感を得る薬剤、減量薬から選択することができる。
【0245】
そのような追加の活性剤は、
− ビタミンAおよび特にレチノイン酸、レチノール、プロピオン酸レチノール、パルミチン酸レチノール;
− ビタミンB3およびより詳しくはニコチンアミド、ニコチン酸トコフェロール;
− ビタミンB5、ビタミンB6、ビタミンB12、パンテノール;
− ビタミンC、特にアスコルビン酸、アスコルビルグルコシド、テトラパルミチン酸アスコルビル、アスコルビルリン酸マグネシウムおよびナトリウム;
− ビタミンE、F、H、K、PP、コエンザイムQ10;
− メタロプロテナーゼ阻害剤、またはTIMPの活性化剤;
− DHEA、その前駆体および誘導体;
− アルギニン、オルニチン、ヒドロキシプロリン、ジパルミチン酸ヒドロキシプロリン、パルミトイルグリシン、ヒドロキシリジン、メチオニンおよびその誘導体、N−アシル化アミノ酸化合物などのアミノ酸;
− ジ、トリ、テトラ、ペンタ、およびヘキサペプチドならびにその親油性誘導体を含む天然または合成ペプチド、その異性体誘導体、ならびに金属イオン(例えば、銅、亜鉛、マンガン、マグネシウム、およびその他)などの他の種と錯体を形成するその誘導体、からなる群から選択することができる。例として、MATRIXYL(登録商標)、ARGIRELINE(登録商標)、CHRONOGEN(商標)、LAMINIXYL IS(商標)、PEPTIDE Q10(商標)、COLLAXYL(商標)(フランス国特許第2827170号、ASHLAND(登録商標))、PEPTIDE VINCI 01(商標)(フランス国特許第2837098号、ASHLAND(登録商標))、PEPTIDE VINCI 02(商標)(フランス国特許第2841781号、ASHLAND(登録商標))、ATPeptide(商標)(フランス国特許第2846883号、ASHLAND(登録商標))の名称で商業的に知られているペプチド、またはASHLAND(登録商標)からATPeptide(商標)の名称で販売されている、配列Arg−Gly−Ser−NH
2を有する合成ペプチド;
− GP4G(商標)(フランス国特許第2817748号、ASHLAND(登録商標))の名称で販売されているアルテミアサリーナ(Artemia salina)の抽出物;
− 亜麻種子抽出物(Lipigenine(商標)、フランス国特許第2956818号、ASHLAND(登録商標))、ダイズ、スペルト、ブドウのつる、ナタネ、亜麻種子、コメ、トウモロコシ、エンドウの抽出物などの植物ペプチド抽出物;
− 酵母抽出物、例えばDynagen(商標)(フランス国特許第2951946号、ASHLAND(登録商標))、またはActopontine(登録商標)(フランス国特許第2944526号、ASHLAND(登録商標));
− デヒドロ酢酸(DHA);
− 合成または天然起源のフィトステロール;
− サリチル酸およびその誘導体、αおよびβヒドロキシ酸、シラノール;
− アミノ糖、グルコサミン、D−グルコサミン、N−アセチルグルコサミン、N−アセチル−D−グルコサミン、マンノサミン、N−アセチルマンノサミン、ガラクトサミン、N−アセチルガラクトサミン;
− ポリフェノール、イソフラボン、フラボノイドの抽出物、例えばブドウ抽出物、マツ抽出物、オリーブ抽出物;
− セラミドまたはリン脂質、動物起源の油、例えばスクアレンまたはスクアラン;スイートアーモンド、コプラ、トウゴマ、ホホバ、オリーブ、ナタネ、落花生、ヒマワリ種子、コムギ胚芽、トウモロコシ胚芽、ダイズ、ワタ、アルファルファ、ポピー、カボチャ、マツヨイグサ、キビ、オオムギ、ライムギ、ベニバナ、パッションフラワー、ヘーゼルナッツ、ヤシ、杏仁、アボカド、およびカレンデュラオイル;エトキシル化植物油、シアバターなどの脂質;
− 全てのUVスクリーンおよび日焼け止め、
− 環状AMPおよびその誘導体、アデニレートシクラーゼ酵素の活性化剤、およびホスホジエステラーゼ酵素阻害剤、センテラアジアチカ(Centella asiatica)抽出物、アシアチコシドおよびアシアチン酸、メチルキサンチン、テイン、カフェインおよびその誘導体、テオフィリン、テオブロミン、フォースコリン、エスクリンおよびエスクロシド、ACE阻害剤、Val−Trpペプチド、ニューロペプチドY阻害剤、エンケファリン、イチョウ(Ginkgo biloba)抽出物、ヤマノイモ抽出物(dioscorea)、ルチン、イェルバマテ抽出物、ガラナ抽出物、オリゴ糖、多糖、カルニチン、ツタ抽出物、ヒバマタ抽出物、ウツボグサ(Prunella vulgaris)加水分解抽出物、ケイカンカ(Celosia cristata)加水分解抽出物、アノゲイススレイオカルプス(Anogeissus leiocarpus)抽出物、キャッサバ(Manihot utilissima)葉の抽出物、パルミトイルカルニチン、カルノシン、タウリン、ニワトコ抽出物、ダルス(Palmaria palmata)抽出物などの藻類抽出物、を挙げることができる。
【0246】
例として、本発明に従って得た最大長150ヌクレオチドの低分子RNA濃縮水性抽出物を含む化粧品組成物の処方の例を以下に挙げる。
【0247】
[実施例17]
目の周囲用の香膏
【表1】
【0248】
調製方法:
1.相Aを透明になるまで主容器中でホモジナイズする;
2.25℃で、相Bに散布し、均一になるまで10分間ホモジナイズする;
3.25℃で、相Cを異なるビーカーに調製し、均一になるまで混合する。相Dに散布し、均一になるまで十分に混合する;
4.25℃で、相C+Dを主容器に添加して、均一になるまで混合する;
5.25℃で、相Eを主容器に添加し、均一になるまで混合する;
6.25℃で、相Fを予め混合し、これを主容器に添加して、均一になるまで混合する;
7.25℃で停止する。
【0249】
組成物は、pH 5.70〜6.20の間および粘度(D0)80,000〜130,000cps(Brookfield RVT/Spindle C/5 RPM/1分/25°C)を有する紫色の真珠様のクリームゲルの形態である。
【0250】
[実施例18]
リッチクリーム
【表2】
【0251】
調製方法:
1.相Aを主容器中でホモジナイズして、75〜80℃での加熱を開始する;
2.30℃で、相Bに散布し、加熱しながらホモジナイズする;
3.異なるビーカーにおいて、相Cを調製し、75〜80℃で均一になるまで加熱する;
4.75℃で、相Cを主容器に添加して、10分間ホモジナイズする;
5.温度を冷却させ、相Dを65℃で添加する。十分に混合して10分間ホモジナイズする;
6.相Eを主容器に添加する前に予め混合する;
7.相Eを60℃で添加する。十分に混合して10分間ホモジナイズする;
8.35℃で、相Fを予め混合してから添加し、十分に混合する;
9.相Gを主容器に添加する前に予め混合する;
10.相Gを35℃で添加する。十分に混合してホモジナイズする;
11.異なるビーカーにおいて、相Hを調製し、Natrosol(商標)を周囲温度で水中に散布し、調製物全体を60℃で加熱しながらホモジナイズする;
12.相Hを30℃で添加する。十分に混合してホモジナイズする;
13.25℃で停止する。
【0252】
組成物はこのように、pH 4.90〜5.40の間および粘度(D0)160,000〜210,000cps(Brookfield RVT/Spindle D/5 RPM/1分/25°C)を有するピンク色のバター様クリームの形態である。
【0253】
[実施例19]
フェイスセラム
【表3】
【0254】
調製方法:
1.周囲温度のビーカーに相Aの成分を秤取り、混合する。相Bを散布してホモジナイズする;
2.周囲温度で、相Cに散布し、調製物全体をホモジナイズし続ける;
3.周囲温度で、相Dを相ABCに添加し、ホモジナイズし続ける;
4.周囲温度で、相Eを添加し、ホモジナイズする;
5.周囲温度で、相Fを添加し、調製物全体をホモジナイズする;
6.周囲温度で、相Gを添加し、均一になるまで混合する;
7.25℃で停止する。
【0255】
組成物は、このように、pH 6.30〜7.10の間および粘度(D0)10,000〜15,000cps(Brookfield RVT/Spindle B/5 RPM/1分/25°C)を有する、なめらかで半透明のクリームイエローのゲルの形態である。
【0256】
[実施例20]
アンチエイジングマスク
【表4】
【0257】
調製方法
1.25℃で、相Aを主容器中でホモジナイズする;
2.25℃で、相Bに散布し、均一になるまで十分に混合する;
3.25℃で、相Cを添加して、均一になるまで十分に混合する;
4.異なるビーカーにおいて相Dを予め混合し、25℃で主容器に添加する;
5.25℃で、相Eを主容器に添加し、十分に混合する;
6.相Fを予め混合し、徐々に添加する。均一になるまで十分混合する;
7.異なるビーカーにおいて相Gを予め混合し、主容器に均一になるまで添加する;
8.25℃で停止する。
【0258】
組成物は、このように、pH 5.30〜5.80および粘度(D0) 70,000〜100,000cps(Brookfield RVT/Spindle C/5 RPM/1分/25°C)を有する、光っている緑色効果を有するゲルクリームの形態である。
【0259】
[実施例21]
セラム
【表5】
【0260】
調製方法
1.主容器に水を添加して、ハイローヘリックスブレードによって混合を開始する;
2.成分の残りを順に添加し、それぞれの添加の間に混合する。
【0261】
組成物は、このように、pH 5.75〜6.25の間および粘度(D0) 1100〜1400cps(Brookfield RVT/Spindle 3/20 rpm/25°C/1分)を有する、なめらかで半透明のセラムの形態である。
【0262】
第四の態様において、本発明は、皮膚の加齢の徴候に対処するための本発明に従う組成物の化粧品における使用に関する。
【0263】
「皮膚の加齢の徴候」という表現は、加齢による皮膚の外観の任意の変化、例えばしわおよび小じわ、きず、目の下のたるみ、目の周囲の黒ずみ、しなびる、皮膚の弾力性、ハリ、および/もしくは色合いの喪失のみならず、例えば皮膚の薄化などの変化した外観に系統的に反映されない皮膚の内部の任意の変化、または汚染およびUV照射などの環境ストレスの結果としての皮膚の任意の内部分解も意味すると理解される。
【0264】
皮膚のコラーゲンの発現に関する試験は、本発明のアンチエイジング効果を評価する1つの手段である。実際に、皮膚の線維芽細胞によって合成されるコラーゲンは、重要な生物学的役割を有する。コラーゲンは、皮膚などの組織の結合の原因であり、皮膚に対して抵抗性および柔軟性の特性を付与する。
【0265】
本発明はまた、皮膚の水和を改善するために本発明に従う組成物の化粧品における使用にも関する。
【0266】
皮膚の水和の改善は、例えば乾燥、堅さ、および不快感などの脱水による皮膚の外観の変化の任意の改善を意味すると理解される。
【0267】
ヒアルロン酸の発現およびヒアルロン酸の合成に関係する酵素の発現に関する試験は、本発明の水和効果を評価する1つの手段である。実際に、ヒアルロン酸は、真皮の細胞外マトリクスの主成分であり、同様に表皮にも存在し、皮膚の水和に関係している。
【0268】
この点において、本発明を、実施した試験の異なる結果によって以下に例証する。
【0269】
この効果に関して、以下の実施例22〜25に表すものと類似(表していない)である結果が、植物材料、より詳しくはケノポディウムキヌア(キヌア)、レンズエスクレンタ(レンズマメ)、イネ(コメ胚芽)、またはペポカボチャ(カボチャ)から得た、本発明に従う最大長150ヌクレオチドの他の低分子RNA濃縮水性抽出物についても得られた。
【0270】
[実施例22]
I型およびIII型コラーゲンの試験による真皮の細胞外マトリクスに及ぼす実施例5、6および9に従うオクラ(ハイビスカスエスクレンツス)の抽出物の効果の評価
本試験の目的は、真皮の細胞外マトリクスに及ぼすオクラ(ハイビスカスエスクレンツス)の3つの抽出物の効果を比較することである。実施例5に従って得た低分子量RNAに関して濃縮された第一の抽出物、実施例6に従って得た第二の抽出物(EDTA処置の非存在下)、および実施例9に従って沈殿後に得られた最後の抽出物。
【0271】
本試験の目的は、細胞外マトリクスの構造に関係するI型およびIII型コラーゲンタンパク質の発現に及ぼすハイビスカスエスクレンツスのこれら3つの抽出物の効果を評価することである。コラーゲンは、皮膚の弾力性およびハリを維持するために非常に重要である。
【0272】
プロトコール
直径6mmのヒト皮膚の生検を、特定の培地(DMEM 1g/L、HAMF12、SVF、および抗生物質)の存在下、6ウェルプレートに入れたインサート上で抽出物ビボでの培養で維持する。生検を48時間培養して、実施例5、6および9に従うオクラ(ハイビスカスエスクレンツス)の抽出物を、PBSで1/100もしくは3/100に希釈して、または1容積%および3容積%の最終濃度でそれぞれ、1日2回適用する。対照条件を、1×PBSを使用して作製する。生検表面に載せたおよそ20μLの液滴の形態で適用を行う。次に、生検をホルムアルデヒドで固定した後、パラフィンに包埋する。厚さ4μmの皮膚切片を調製する。マイクロ波インキュベーションによって特定の部位を露出後にI型およびIII型コラーゲンの標識を実施した後、トリプシンによる処置を行う。I型コラーゲン特異的ウサギポリクローナル抗体(Rockland,Ref.600−401−103−0.5)、III型コラーゲン特異的ウサギポリクローナル抗体(Rockland,Ref.600−401−105−0,5)、次に蛍光体に結合させた抗ウサギ二次抗体(Invitrogen,Ref.A21206)を使用して免疫標識を実施する。次に、生検を落射蛍光顕微鏡(Zeiss Axiovert 200M顕微鏡)下で調べる。得られた写真に基づいて、ソフトウェアVolocity(登録商標)画像解析ソフトウェア(PerkinElmer,Inc.)により蛍光の定量を実施した。
【0273】
結果
実施例5に従って得た低分子RNAに関して濃縮されたオクラ(ハイビスカスエスクレンツス)の1%および3%抽出物による処置により、抽出物ビボ試験に関して、1×PBSによって処置した対照条件と比較して、ならびに実施例6(EDTA処置を行わない)および9(沈殿後に得られた)に従って得たオクラ(ハイビスカスエスクレンツス)の抽出物による処置と比較して、I型およびIII型コラーゲンの発現の有意な増加を観察することが可能である。
【0274】
【表6】
【0275】
結論
低分子RNA(実施例5)に関して濃縮されたオクラ(ハイビスカスエスクレンツス)の1%および3%抽出物は、低分子RNA(実施例6および9)に関して濃縮されていないハイビスカスエスクレンツスの2つの抽出物と比較して、ヒトの抽出物ビボ皮膚においてより多くのI型およびIII型コラーゲンの発現を刺激する。
【0276】
[実施例23]
I型およびIII型コラーゲンの試験による真皮の細胞外マトリクスに及ぼす実施例7、8および9に従うバオバブ(アダンソニアディギタータ)抽出物の効果の評価
本試験の目的は、真皮の細胞外マトリクスに及ぼすバオバブ(アダンソニアディギタータ)の3つの抽出物の効果を比較することである。実施例7に従って得た低分子量RNAに関して濃縮された第一の抽出物、実施例8に従って得た第二の抽出物(EDTA処置を行わない)、および実施例9に従って沈殿後に得た最後の抽出物。
【0277】
本試験の目的は、細胞外マトリクスの構造に関係するI型およびIII型コラーゲンタンパク質の発現に及ぼすバオバブ(アダンソニアディギタータ)のこれらの3つの抽出物の効果を評価することである。コラーゲンは、皮膚の弾力性およびハリの維持にとって非常に重要である。
【0278】
プロトコール
直径6mmのヒト皮膚生検を、特定の培地(DMEM 1g/L、HAMF12、SVF、および抗生物質)の存在下、6ウェルプレートに入れたインサート上で抽出物ビボでの培養で維持する。生検を48時間培養して、実施例7、8および9に従うバオバブ(アダンソニアディギタータ)の抽出物を、PBSで1/100および3/100に希釈して、または1容積%および3容積%の最終濃度でそれぞれ、1日2回適用する。対照条件を1×PBSを使用して作製する。生検表面に載せたおよそ20μLの液滴の形態で適用を行う。次に、生検をホルムアルデヒドで固定した後、パラフィンに包埋する。厚さ4μmの皮膚切片を調製する。マイクロ波インキュベーションによって特定の部位を露出後にI型およびIII型コラーゲンの標識を実施した後、トリプシンによる処置を行う。I型コラーゲン特異的ウサギポリクローナル抗体(Rockland,Ref.600−401−103−0.5)、III型コラーゲン特異的ウサギポリクローナル抗体(Rockland,Ref.600−401−105−0.5)、次に蛍光体に結合させた抗ウサギ二次抗体(Invitrogen,Ref.A21206)を使用して免疫標識を実施する。次に、生検を落射蛍光顕微鏡(Zeiss Axiovert 200M顕微鏡)下で調べる。得られた写真に基づいて、ソフトウェアVolocity(登録商標)画像解析ソフトウェア(PerkinElmer,Inc.)により蛍光の定量を実施した。
【0279】
結果
実施例7に従って得た低分子RNAに関して濃縮されたバオバブ(アダンソニアディギタータ)の1%抽出物による処置により、抽出物ビボ試験に関して、1×PBSによって処置した対照条件と比較して、ならびに実施例8(EDTA処置を行わない)および9(沈殿後に得られた)に従って得たアダンソニアディギタータの1%抽出物による処置と比較して、I型コラーゲンの発現の有意な増加を観察することが可能である。
【0280】
実施例7に従って得た低分子RNAに関して濃縮されたバオバブ(アダンソニアディギタータ)の3%抽出物による処置により、抽出物ビボ試験に関して、1×PBSによって処置した対照条件と比較して、ならびに実施例8(EDTA処置を行わない)および9(沈殿後に得られた)に従って得たバオバブ(アダンソニアディギタータ)の3%抽出物による処置と比較して、I型およびIII型コラーゲンの発現の有意な増加を観察することが可能である。
【0281】
【表7】
【0282】
結論
低分子RNA(実施例7)に関して濃縮されたバオバブ(アダンソニアディギタータ)の1%抽出物は、低分子RNAに関して濃縮されていないアダンソニアディギタータの1%抽出物(実施例8および9)と比較して、抽出物ビボでヒト皮膚においてより多くのI型コラーゲンの発現を刺激する。
【0283】
低分子RNA(実施例7)に関して濃縮されたバオバブ(アダンソニアディギタータ)の3%抽出物は、低分子RNAに関して濃縮されていないアダンソニアディギタータの3%抽出物(実施例8および9)と比較して、抽出物ビボでヒト皮膚においてより多くのI型およびIII型コラーゲンの発現を刺激する。
【0284】
[実施例24]
ヒアルロンナンシンターゼ2(HAS2)の試験による真皮のヒアルロン酸の合成に及ぼす実施例7、8および9に従うバオバブ(アダンソニアディギタータ)の抽出物の効果の評価
本試験の目的は、ヒアルロン酸の合成に関係する酵素であるHAS2の発現に及ぼすバオバブ(アダンソニアディギタータ)の3つの抽出物の効果を比較することである。低分子量RNAに関して濃縮された第一の抽出物を実施例7に従って得て、第二の抽出物を実施例8(EDTA処置を行わない)に従って得て、および最後の抽出物を実施例9に従って沈殿後に得る。
【0285】
ヒアルロン酸は、皮膚の水和に関係する真皮の細胞外マトリクスの主成分である。加齢と共に、その再生は、そのHAS2合成酵素の発現と同様に妨害される(Rock et al.,2014)。
【0286】
プロトコール
ヒト線維芽細胞を特定の培地において培養し、長期間の処置(32回を超える継代)のために培養において維持する。各継代時に、細胞の一部を凍結する。次に、2つの正反対の継代、すなわち継代8回(若い継代)および継代32回(老齢の継代)を選択する。融解後、老齢または非老齢の線維芽細胞を、培養培地で1/100に希釈したまたは最終濃度1容積%の実施例7、8、および9に従うバオバブ(アダンソニアディギタータ)の抽出物によって48時間(1日2回適用)処置する。実施例7、8、および9に従うアダンソニアディギタータの3つの1%抽出物によって処置したまたは処置していない老齢または非老齢線維芽細胞におけるHAS2発現の評価を、免疫標識によって観察する。
【0287】
免疫標識を行うために、細胞をすすいで冷メタノールによって5分間固定する。非特異的部位を1%ウシ血清アルブミンによって15分間飽和させた後、細胞をHAS2特異的マウスモノクローナル抗体(Thermo Fisher,Ref.MAS−17087)の溶液と共にインキュベートした後、蛍光体と結合した抗マウス二次抗体(Invitrogen,Ref.A21202)の溶液と共にインキュベートする。次に、細胞を落射蛍光顕微鏡(Zeiss Axiovert 200M顕微鏡)下で調べる。得られた写真に基づいて、ソフトウェアVolocity(登録商標)画像解析ソフトウェア(PerkinElmer,Inc.)を使用して、蛍光の定量を実施した。
【0288】
結果
図4Aに例証するように、継代8回(若いと考えられる継代回数)の線維芽細胞では、実施例7に従って得た最大長150ヌクレオチドの低分子RNAに関して濃縮されたバオバブ(アダンソニアディギタータ)の1%抽出物による処置により、無処置条件と比較して、ならびに実施例8(EDTA処置を行わない)および9(沈殿後に得られた)に従って得たアダンソニアディギタータの1%抽出物による処置と比較して、HAS2発現の有意な増加を観察することが可能である。
【0289】
加えて、
図4Bに例証するように、文献と一致して、継代8回の線維芽細胞(P8)と継代32回の線維芽細胞(P32)(老齢)の間ではHAS2発現の有意な減少が観察される。
【0290】
老齢の線維芽細胞において、実施例7に従って得た本発明に従う低分子RNAに関して濃縮されたバオバブ(アダンソニアディギタータ)の1容積%抽出物による処置により、HAS2発現の維持を観察することが可能である。この維持は、実施例8(EDTA処置を行わない)および9(沈殿後に得られた)に従ってそれぞれ得たアダンソニアディギタータの抽出物によって処置した細胞では観察されない。
【0291】
結論
最大長150ヌクレオチドの低分子RNAに関して濃縮されたバオバブ(アダンソニアディギタータ)の1%抽出物(実施例7)は、無処置条件と比較して、ならびに実施例8(EDTA処置を行わない)および9(沈殿後に得られた)に従って得たアダンソニアディギタータの抽出物と比較して、線維芽細胞においてより多くのHAS2発現を刺激する。
【0292】
さらに、老齢の線維芽細胞において、本発明に従う低分子RNAに関して濃縮されたバオバブ(アダンソニアディギタータ)の1%抽出物(実施例7)は、非老齢線維芽細胞において観察されたHAS2発現レベルの維持を可能にする。低分子RNAに関して濃縮されていないアダンソニアディギタータの他の1%抽出物(実施例8および9)は、この維持を可能にしない。
【0293】
[実施例25]
ヒアルロン酸の発現レベルに及ぼす実施例5に従うオクラ(ハイビスカスエスクレンツス)の抽出物および実施例7に従うバオバブ(アダンソニアディギタータ)の抽出物の効果の評価
本試験の目的は、ヒアルロン酸の発現に及ぼす、実施例5および7に従ってそれぞれ得られたオクラ(ハイビスカスエスクレンツス)およびバオバブ(アダンソニアディギタータ)の最大長150ヌクレオチドの低分子量RNA濃縮抽出物の効果を標識によって可視化することである。
【0294】
ヒアルロン酸は、真皮の細胞外マトリクスの主成分であり、皮膚の水和に関係している。
【0295】
プロトコール
直径6mmのヒト皮膚生検を、特定の培地(DMEM 1g/L、HAMF12、SVF、および抗生物質)の存在下、6ウェルプレートに入れたインサート上で抽出物ビボでの培養で維持する。生検を48時間培養して、PBSで1容積%に希釈した、実施例5および7(それぞれ)に従うオクラ(ハイビスカスエスクレンツス)の抽出物もしくはバオバブ(アダンソニアディギタータ)の抽出物、または対照条件の1×PBSを1日2回適用する。生検表面に載せたおよそ20μLの液滴の形態で適用を行う。次に、生検をホルムアルデヒドで固定した後、パラフィンに包埋する。厚さ4μmの皮膚切片を調製する。切片を、ヒアルロン酸特異的ビオチン化タンパク質(Coger,ref:400−763−1A)の存在下、次に蛍光体に結合させたストレプトアビジン(Invitrogen,Ref:S32354)の存在下でインキュベートする。次に、生検を落射蛍光顕微鏡(Zeiss Axiovert 200M顕微鏡)下で調べる。得られた写真に基づいて、ソフトウェアVolocity(登録商標)画像解析ソフトウェア(PerkinElmer,Inc.)を使用して、蛍光の定量を実施した。
【0296】
結果
実施例5および7に従ってそれぞれ得られた低分子RNAに関して濃縮されたオクラ(ハイビスカスエスクレンツス)の抽出物またはバオバブ(アダンソニアディギタータ)の抽出物による処置により、1×PBSで処置した対照条件と比較して、表皮または真皮におけるヒアルロン酸発現の有意な増加を観察することが可能である。
【0297】
【表8】
【0298】
結論
最大長150ヌクレオチドの低分子RNAに関して濃縮されたオクラ(ハイビスカスエスクレンツス)の抽出物およびバオバブ(アダンソニアディギタータ)の抽出物(実施例5および7に従う)は、1×PBSによって処置した対照条件と比較して、抽出物ビボでヒト皮膚におけるヒアルロン酸発現を刺激する。
【0299】
当然、本発明は、上記で述べた実施形態および実施例に限定されず、当業者は、通常の作業を通して、明白に記述されていない他の実施形態を実施してもよく、それらも本発明の広い範囲によってカバーされる。
出願時の特許請求の範囲は以下の通りです。
[請求項1]
植物材料から最大長150ヌクレオチドの低分子RNA濃縮水性抽出物を得る方法であって、
a)前記植物材料を水に接触させるステップと、
b)エチレンジアミン四酢酸四ナトリウム(EDTA)を、10.5〜11の間のpHで、a)で得た混合物に添加するステップと、
c)次に、b)で得た前記混合物のpHをpH6〜8の間の値に調節するステップと、
d)残留固形植物材料を除去するようにおよび精製された水性粗抽出物を得るように、c)で得た前記混合物を精製するステップと、
e)pHをチェックして、必要に応じて6〜8の間の値、好ましくは6〜6.5の間の値に再調節するステップ
を含む方法。
[請求項2]
ステップa)において、植物材料を4重量%〜20重量%の植物材料/水の比率で水に接触させる、請求項1に記載の方法。
[請求項3]
ステップb)のエチレンジアミン四酢酸四ナトリウム(EDTA)処置が、温度20〜80℃で少なくとも1時間の攪拌時間で実施される、請求項1または2のいずれか1項に記載の方法。
[請求項4]
ステップd)において、c)で得た前記混合物を遠心分離する、請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
[請求項5]
ステップe)の前に、d)で得た水性粗抽出物の少なくとも1回の濾過、好ましくは濾過のカットオフを20〜50μmから0.1〜0.30μmへと低下させることによって水性粗抽出物の連続的な濾過を実施する、請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。
[請求項6]
ステップc)の前に、b)で得た前記混合物に対して直接、またはb)で得た前記混合物の遠心分離後の上清に対して実施される追加の加水分解ステップ、ならびに45〜65℃の間の温度および6〜8.5の間のpHにおける、少なくとも1時間の、カルボヒドラーゼ、セルラーゼ、および/またはプロテアーゼから選択される少なくとも1つの酵素の作用による前記残留植物材料の除去を含む、請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法。
[請求項7]
前記加水分解ステップの直後に、またはステップe)の前の前記連続的な濾過ステップのうちの2つのステップの間に実施される、酵素を65〜80℃の間の温度で少なくとも1時間不活化するステップを含む、請求項6に記載の方法。
[請求項8]
10〜20g/kgの濃度の珪藻土またはシリカを、ステップd)の前に前記混合物に添加する、請求項1〜7のいずれか1項に記載の方法。
[請求項9]
EDTA四ナトリウムの濃度が2〜15mMの間、好ましくは10mMである、請求項1〜8のいずれか1項に記載の方法。
[請求項10]
前記植物材料を、ステップa)で水に接触させる前に破砕する、請求項1〜9のいずれか1項に記載の方法。
[請求項11]
前記植物材料が、種子、果実、球根、花、葉、根、胚から、または油かすおよびビールかすから選択される植物の一部である、請求項1〜10のいずれか1項に記載の方法。
[請求項12]
前記植物材料が、トケイソウ科(Passifloraceae)、アオイ科(Malvaceae)、ザクロ科(Punicaceae)、マタタビ科(Actinidiaceae)、フトモモ科(Myrtaceae)、フクギ科(Clusiaceae)、パパイア科(Caricaceae)、キントラノオ科(Malphigiaceae)、ツツジ科(Ericaceae)、スグリ科(Grossulariaceae)、ナス科(Solanaceae)、イネ科(Poaceae)、マメ科(Fabaceae)、アオイ科(Malvaceae)、パンヤ科(Bombacaceae)、ウリ科(Cucurbitaceae)、アカザ科(Chenopodiaceae)、バラ科(Rosaceae)、ミカン科(Rutaceae)、ユリ科(Liliaceae)、アヤメ科(Iridaceae)、ヒガンバナ科(Amaryllidaceae)、ネギ科(Alliaceae)から選択される、請求項1〜11のいずれか1項に記載の方法。
[請求項13]
前記植物材料が、種ハイビスカスエスクレンツス(Hibiscus esculentus)(オクラ)、アダンソニアディギタータ(Adansonia digitata)(バオバブ)、ケノポディウムキノア(Chenopodium quinoa)(キヌア)、レンズエスクレンタ(Lens esculenta)(レンズマメ)、イネ(Oryza sativa)(コメ胚芽)、ペポカボチャ(Cucurbita pepo)(カボチャ)、ロサケンチフォリア(Rosa centifolia)(バラ)、ダイダイ(Citrus aurantium)(ビターオレンジツリー)、リリウムカンディダム(Lilium candidum)(ユリ)またはリリウムティグリヌム(Lilium tigrinum)(オニユリ)、パッシフローラアラタ(Passiflora alata)(パッションフラワー)から選択される、請求項12に記載の方法。
[請求項14]
前記抽出物の総重量と比較して重量で、5〜60g/kgの乾燥抽出物、10〜1000mg/kgの最大長150ヌクレオチドの低分子RNA、0.5〜30g/kgのタンパク質断片、および0.5〜50g/kgの糖を含み、DNAを含まない、請求項1〜13のいずれか1項に記載の方法によって得ることができる、最大長150ヌクレオチドの低分子RNAに関して濃縮された植物材料の水性抽出物。
[請求項15]
溶媒で希釈され、前記抽出物の総重量と比較して重量で、5〜35g/kgの乾燥抽出物、0.5〜20g/kgのタンパク質断片、0.5〜30g/kgの糖、および10〜500mg/kgの最大長150ヌクレオチドの低分子RNAを含む、請求項14に記載の抽出物。
[請求項16]
アンチエイジング活性剤としての請求項13〜15のいずれか1項に記載の前記抽出物の有効量と、生理的に許容される媒体とを含む組成物。
[請求項17]
前記抽出物が、前記組成物の総重量の1重量%〜5重量%の間の濃度で存在する、請求項16に記載の組成物。
[請求項18]
皮膚に局所適用されるために処方される、請求項16〜18のいずれか1項に記載の組成物。
[請求項19]
皮膚の加齢の徴候に対処するための、請求項16〜18のいずれか1項に記載の前記組成物の化粧品における使用。
[請求項20]
皮膚の水和を改善するための、請求項16〜18のいずれか1項に記載の前記組成物の化粧品における使用。