(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記有益剤が、シリコーン、脂質、及び油などのヘアコンディショニング剤;スタイリングポリマー;ワックス、日焼け止め剤、ボディファイング剤、並びにそれらの混合物から選択される、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
【背景技術】
【0002】
VALERIA FERNANDES MONTEIROら:「Morphological analysis of polymers on hair fibers by SEM and AFM」、MATERIALS RESEARCH、vol.6、no.4、2003年12月1日(2003−12−01)、501〜506頁、XP055270758、BR;及びJACALYN G GOULDら:「Electron microscopy−image analysis:Quantification of ultrastructural changes in hair fiber cross sections as a result of cosmetic treatment;Presented at the Society of Cosmetic Chemists Annual Meeting」J.SOC.COSMET.CHEM、vol.36、1985年1月1日(1985−01−01)、53〜59頁、XP055270759は、毛髪繊維に対する処理の効果を分析するための画像化及び顕微鏡ベースのアプローチを開示している。
【0003】
HYUNG JIN AHNら:「An ultrastuctural study of hair fiber damage and restoration following treatment with permanent hair dye」INTERNATIONAL JOURNAL OF DERMATOLOGY、vol.41、no.2、2002年2月1日(2002−02−01)、88〜92頁、XP055270760、英国;は、電子顕微鏡を使用した毛髪繊維の損傷及び回復の超微細構造研究を開示している。
【0004】
GIERAD LAPUTら:「3D Printed Hair:Fused Deposition Modelling of Soft Strands,Fibers and Bristles」、USER INTERFACE SOFTWARE AND TECHNOLOGY、2015年1月1日(2015−01−01)、593〜597頁、XP055270761は、3D印刷による毛髪繊維の生成を開示している。
【0005】
国際公開第14041186A1号には、身体の3Dモデリングのためのソフトウェアなどのシステム又は構成要素が記載されている。
【0006】
処理、プロトコル、及びヘアケアレジームなどの攻撃は、毛髪の表面及び構造に損傷を与えることが知られている。これらの有害な効果を緩和するための修復及び有益な処理が利用可能であるが、コンセプトを消費者が把握することが困難であり、修復処理の完全な効果を完全に理解することが困難な場合がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明の方法は、種々の修復及び有益な処理にさらされた毛髪繊維の特性を評価するために使用することができる。このようにして、毛髪に処理を適用することから生じる「平滑化」などの任意の表面改善を実証することが可能である。また、個人のニーズに応じて好適な製品を推薦することも可能になる。
【課題を解決するための手段】
【0010】
第1の態様では、本発明は、毛髪に対する修復及び有益な処理の効果及び沈着を分析する方法であって、
(i)少なくとも1つの毛髪表面の画像データを収集する工程、
(ii)少なくとも1つの有益剤を含む少なくとも1つの処理を毛髪表面に適用し、有益剤を毛髪表面に沈着させる工程、
(iii)工程(ii)から生じる毛髪表面の画像データを収集する工程、
(iv)工程(i)及び(iii)で収集された画像データを3Dプリンタから拡大された画像を作成するためのフォーマットに変換する工程、
(v)工程ivからのデータを使用して、3Dプリンタから毛髪表面の拡大された3Dモデルを生成する工程、
(vi)工程(iii)から生じる3Dモデルを工程(i)から生じる3Dモデルと比較する工程、
(vii)有益剤の沈着挙動を分析する工程、
(viii)工程(ii)に起因する任意の消費者の知覚可能な効果を分析する工程、並びに
(ix)工程(vii)の分析と工程(viii)の分析とを相関させる工程
を含む、方法を提供する。
【0011】
好ましくは、工程(ii)〜(vi)が繰り返される。有益剤に対する繰り返し又は長期の曝露による影響の評価を可能にするために、工程(ii)〜(vi)を複数回繰り返してもよい。例えば、2〜20回、好ましくは2〜8回である。
【0012】
この方法は、本発明の方法の工程(v)における拡大された画像/3Dモデルに示される特性を、工程(i)からの初期の画像/3Dモデルと比較することを可能にする。
【0013】
初期段階(i)で得られた拡大された画像に見られ得る特性は、毛髪繊維の外側のトポグラフィー側面、例えば、キューティクルリフト、キューティクル損傷(例えば、チッピング、割れ、形状の変化、及び破損)、キューティクルエロージョン、スプリットエンド、キンク、ブロブ、亀裂、穴、及び結び目である。初期の画像化段階(i)でこれらが存在する程度は、方法の開始時の毛髪の年齢及び状態に依存する。
【0014】
様々な有益剤が異なる方法で毛髪表面に沈着され、沈着の性質は、消費者が知覚する利益に影響を及ぼす可能性がある。例えば、沈着は、層状に、又は別個の粒子として、及び毛髪表面上の異なる位置で起こり得る。これらの態様は、方法の工程(ii)で与えられ、工程(v)から明らかである。
【0015】
毛髪表面に沈着させ得る有益剤の例としては、シリコーン、脂質、及び油などのヘアコンディショニング剤;スタイリングポリマー;ワックス、日焼け止め剤、ボディファイング剤、及びそれらの混合物が挙げられる。
【0016】
好ましいシリコーンは、DC5−7134(ダウコーニング(Dow Corning)より)である。好ましいスタイリングポリマーは、PSA Acudyne MD5800(ダウコーニング(Dow Corning)より)である。
【0017】
消費者が知覚可能な効果とは、例えば、損傷に対する認識の変化、保護に対する認識、又はリペアリングに対する認識を含む、有益剤による処理の結果として、消費者によって認識されるあらゆる変化である。これらは、ざらつき感、平滑性、柔らかさ、ざらざら感、乾燥感、保湿性、コーミングのしやすさ、及び摩擦などの特性によって知覚することができる。
【0018】
毛髪の性質をターゲットとする、個々のニーズに応じた好適な製品を推薦することが可能である。
【0019】
本発明の方法は、教育ツール、プレス、メディア、又は顧客との通信、販売時、サロンなどの専門的環境、並びに商業的材料、広告材料、及び宣伝材料に使用されてもよい。
【発明を実施するための形態】
【0020】
画像
好ましくは、画像は、トポグラフィック表面画像であり、より好ましくは、トポグラフィック表面画像は、Sensofar S neox又はレーザープロフィルメーターなどの3D光学プロファイラーを使用して生成される。
【0021】
トポグラフィック表面は、3Dプリンタに好適なフォーマットに変換され、好ましくは、トポグラフィック(3D)表面を記述する各点の空間座標(X、Y、Z)としてデジタルファイルにエクスポートされる。好ましくは、これは、プロフィルメーターを使用して完了される。好適なプロフィルメーターの一例は、調査される表面の3D画像を生成することができるSensofar S neoxプロフィルメーターである。プロフィロメーターソフトウェア、例えば、sensoSCAN v5は、各点のすべてのX、Y、Z座標のリストであるファイル「.dat」をエクスポートすることができる。
【0022】
好ましくは、拡大された3D画像は、100〜50,000、好ましくは30,000倍の倍率を有する。
【0023】
所望であれば、画像データの変換iv)は、拡大プロセスを含む。倍率は、好ましくは、解像度、単位、及び/又は座標軸の再スケールの変更によって達成され、新しい空間座標を有する新しいデジタルファイルを生成する。データポイントを拡大する好ましい方法は、Matlabを使用することである。この好ましい方法では、「.dat」ファイルをMatlabに行列としてインポートし、一連のMatlabスクリプトを使用して行列を操作し、解像度/スケールを変更する。行列が、各点のすべてのX、Y、Z座標のリストとして新しいASCIIファイル「.XYZ」にエクスポートされることが非常に好ましい。
【0024】
画像データは、3Dプリンタに好適な画像に変換される。好ましくは、ファイルは、3D−CADソフトウェアにインポートされ、3D表面を平行四辺形の面に適用して3Dオブジェクトを得る。得られた3D画像は、3Dプリンタ装置ソフトウェアと互換性のあるデジタルファイルにエクスポートされる。XYZファイルは、好ましくは、ソフトウェア変換パッケージ、例えば、それを3dファイルに変換して、.STLファイルとしてエクスポートすることができる「Rhino」ソフトウェアパッケージにインポートされる。
【0025】
3D画像を印刷して3Dオブジェクトを形成する。これは、入手可能な現代の3Dプリンタのいずれかを使用することで達成することができ、例は、EOS(Electro Optical Systems)EOSINT P380選択レーザー焼結プリンタ及び生成された拡大表面の3Dレプリカである。
【0026】
好ましくは、カラーリンスが3Dモデルに適用されて、関心領域を強調表示する。色は、表面の高さに応じて変えることができる。これは、キューティクルリフトの程度及び穴の深さなどを表示するのに有用である。
【0027】
毛髪
本発明の方法は、単一の毛髪繊維又は毛髪繊維束で実施することができる。
【0028】
毛髪は、好ましくはヒトの毛髪である。
【0029】
有益及び修復処理
好ましいタイプの処理は、毛髪への損傷の効果を低減又は緩和するものである。さらに好ましいタイプの処理は、スタイリング処理である。
【0030】
毛髪のための好ましい処理は、すすぎ落とされ、製品に残る。リーブオン製品には、コンディショニング製品並びにムース、ワックス、クリーム、及びジェルなどのスタイリング製品が含まれる。
【0031】
好ましい毛髪処理組成物は、シャンプー、リンスオフヘアコンディショナー、ヘアマスク、リーブオンコンディショナー組成物、及び前処理組成物から選択され、より好ましくはリンスオフヘアコンディショナー、ヘアマスク、リーブオンコンディショナー組成物、及び前処理組成物から選択され、最も好ましくはリンスオフヘアコンディショナー、ヘアマスク、及びリーブオンコンディショナー組成物から選択される。好適な前処理組成物の例は、油処理である。
【0032】
本発明で使用するためのリンスオフコンディショナーは、典型的には、濡れた毛髪の上に1〜2分間放置されてからすすぎ落とされるコンディショナーである。
【0033】
本発明で使用するためのヘアマスクは、典型的には、すすぎ落とされる前に、毛髪に3〜10分間、好ましくは3〜5分間、より好ましくは4〜5分間放置される処理である。
【0034】
本発明で使用するためのリーブオンコンディショナーは、典型的には、毛髪に適用され、毛髪上に10分超放置され、好ましくは、洗浄後に毛髪に適用され、次の洗浄まですすぎ落とされない。
【0035】
本発明の方法で使用するための処理組成物は、好ましくは、コンディショニング剤を含む。コンディショニング剤は、好ましくは、カチオン性界面活性剤から選択され、単独又は混合物として使用される。
【0036】
本発明の方法で使用するための組成物に有用なカチオン性界面活性剤は、水性組成物中に溶解したときに正に荷電されるアミノ又は第四級アンモニウム親水性部分を含有する。
【0037】
好適なカチオン性界面活性剤の例は、式
[N(R
1)(R
2)(R
3)(R
4)]
+(X)
−
(式中、R
1、R
2、R
3、及びR
4は、(a)1〜22個の炭素原子の脂肪族基;又は(b)最大22個の炭素原子を有する芳香族、アルコキシ、ポリオキシアルキレン、アルキルアミド、ヒドロキシアルキル、アリール、若しくはアルカリル基から選択され;Xは、ハロゲン(例えば、塩化物、臭化物)、酢酸、クエン酸、乳酸、グリコール酸、硝酸、硫酸、及びアルキル硫酸ラジカルから選択されるものなどの塩形成アニオンである)に対応するものである。
【0038】
脂肪族基は、炭素及び水素原子に加えて、エーテル結合、及びアミノ基などの他の基を含有することができる。より長い鎖の脂肪族基、例えば、約12個又はそれ以上の炭素原子の脂肪族基は、飽和又は不飽和であり得る。
【0039】
本発明の方法で使用するための組成物にとって最も好ましいカチオン性界面活性剤は、長いアルキル鎖がC
8〜C
14であるモノアルキル第四級アンモニウム化合物である。
【0040】
そのような材料の好適な例は、式
[N(R
5)(R
6)(R
7)(R
8)]
+(X)
−
(式中、R
5は、8〜14個の炭素原子を有する炭化水素鎖又は8〜14個の炭素原子を有し、置換基として若しくはラジカル鎖中の結合として存在するエーテル、エステル、アミド若しくはアミノ部分を含有する官能化ヒドロカルビル鎖であり、R
6、R
7、及びR
8は、(a)1〜約4個の炭素原子のヒドロカルビル鎖、又は(b)1〜約4個の炭素原子を有し、置換基若しくはラジカル鎖中の結合として存在する1つ以上の芳香族、エーテル、エステル、アミド、若しくはアミノ部分を含有する官能化ヒドロカルビル鎖から選択され、Xは、ハロゲン(例えば塩化物、臭化物)、酢酸、クエン酸、乳酸、グリコール酸、硝酸、硫酸、及びアルキル硫酸ラジカルから選択されるものなどの塩形成アニオンである)に対応する。
【0041】
官能化ヒドロカルビル鎖(b)は、アルコキシ(好ましくはC
1−C
3アルコキシ)、ポリオキシアルキレン、アルキルエステル、及びそれらの組み合わせから選択される1つ以上の親水性部分を好適に含有してもよい。
【0042】
好ましくは、炭化水素鎖R
1は、12〜14個の炭素原子、最も好ましくは12個の炭素原子を含有する。それらは、所望のヒドロカルビル鎖長を有する相当量の脂肪酸を含有する原料油から誘導されてもよい。例えば、パーム核油又はヤシ油からの脂肪酸は、C
8〜C
12ヒドロカルビル鎖の供給源として使用することができる。
【0043】
本発明の方法において使用するための組成物で使用するための上記一般式の典型的なモノアルキル第四級アンモニウム化合物は、
(i)塩化ラウリルトリメチルアンモニウム(アクゾ(Akzo)からArquad C35として市販されている)、塩化ココジメチルベンジルアンモニウム(アクゾ(Akzo)からArquad DMCB−80として市販されている)、(ii)式:
[N(R
1)(R
2)((CH
2CH
2O)
xH)((CH
2CH
2O)
yH]
+(X)
−
(式中、x+yは、2〜20の整数であり;R
1は、8〜14個、好ましくは12〜14個、最も好ましくは12個の炭素原子を有し、置換基として、又はラジカル鎖中の結合として存在するエーテル、エステル、アミド、若しくはアミノ部分を含有するヒドロカルビル鎖であり;R
2は、C
1−C
3アルキル基又はベンジル基であり、好ましくはメチルであり、Xは、ハロゲン(例えば、塩化物、臭化物)、酢酸、クエン酸、乳酸、グリコール酸、リン酸、硫酸、メト硫酸、及びアルキル硫酸ラジカルから選択されるものなどの塩形成アニオンである)の化合物を含む。
【0044】
好適な例は、塩化PEG−nラウリルアンモニウム(nはPEG鎖長である)、例えばPEG−2塩化ココモニウム(アクゾノーベル(Akzo Nobel)からEthoquad C12として市販されている);PEG−2塩化ココベンジルアンモニウム(アクゾノーベル(Akzo Nobel)からEthoquad CB12として市販されている);PEG−5ココモニウムメトサルフェート(レウォ(Rewo)からRewoquat CPEMして市販されている);PEG−15塩化ココモニウム(アクゾ(Akzo)からEthoquad C/25として市販されている)である。
【0045】
(iii)式:
[N(R
1)(R
2)(R
3)((CH
2)
n OH)]
+(X)
−
(式中、nは、1〜4の整数、好ましくは2であり;R
1は、8〜14個、好ましくは12〜14個、最も好ましくは12個の炭素原子を有するヒドロカルビル鎖であり;R
2及びR
3は、C
1−C
3アルキル基から独立して選択され、好ましくはメチルであり、X−は、ハロゲン(例えば塩化物、臭化物)、酢酸、クエン酸、乳酸、グリコール酸、硝酸、硫酸、アルキル硫酸ラジカルから選択されるものなどの塩形成アニオンである)の化合物。
【0046】
好適な例は、塩化ラウリルジメチルヒドロキシエチルアンモニウム(クラリアント(Clariant)からPrapagen HYとして市販されている)である。
【0047】
前述のカチオン性界面活性剤化合物のいずれかの混合物も好適であり得る。
【0048】
本発明の方法に使用するための毛髪組成物に使用するのに好適なカチオン性界面活性剤の例としては、塩化セチルトリメチルアンモニウム、塩化ベヘニルトリメチルアンモニウム、塩化セチルピリジニウム、塩化テトラメチルアンモニウム、塩化テトラエチルアンモニウム、塩化オクチルトリメチルアンモニウム、塩化ドデシルトリメチルアンモニウム、塩化ヘキサデシルトリメチルアンモニウム、塩化オクチルジメチルベンジルアンモニウム、塩化デシルジメチルベンジルアンモニウム、塩化ステアリルジメチルベンジルアンモニウム、塩化ジドデシルジメチルアンモニウム、塩化ジオクタデシルジメチルアンモニウム、塩化タロートリメチルアンモニウム、塩化ココトリメチルアンモニウム、及びそれらの対応する水酸化物が挙げられる。さらに好適なカチオン性界面活性剤には、CTFA表記のクオタニウム−5、クオタニウム−31、及びクオタニウム−18を有するそれらの材料が含まれる。前述の材料のいずれかの混合物も好適であり得る。特に有用なカチオン性界面活性剤は、塩化セチルトリメチルアンモニウムであり、例えば、ヘンケル(Henkel)のDEHYQUARTとして市販されている。
【0049】
カチオン性界面活性剤のレベルは、全組成物の好ましくは0.01〜10重量%、より好ましくは0.05〜5重量%、最も好ましくは0.1〜2重量%である。
【0050】
好ましいコンディショナーは、コンディショニングゲル相を含む。そのようなコンディショナー及びそれらを作製するための方法は、国際公開第2014/016354号、同2014/016353号、同2012/016352号、及び同2014/016351号に記載されている。
【0051】
コンディショニング組成物はまた、他の任意の成分を含んでもよい。そのような成分としては、脂肪質、沈着ポリマー、及びさらなるコンディショニング剤が挙げられるが、これらに限定されない。
【0052】
コンディショナー組成物は、好ましくは、脂肪質をさらに含む。コンディショニング組成物中の脂肪質とカチオン性界面活性剤との併用は、カチオン性界面活性剤が分散された構造化ラメラ又は液晶相の形成をもたらすので、特に有利であると考えられる。
【0053】
「脂肪物質」とは、脂肪族アルコール、アルコキシル化脂肪族アルコール、脂肪酸、又はそれらの混合物を意味する。好ましくは、脂肪物質のアルキル鎖は、完全に飽和される。
【0054】
代表的な脂肪物質は、8〜22個の炭素原子、より好ましくは16〜22個の炭素原子を含む。好適な脂肪族アルコールの例としては、セチルアルコール、ステアリルアルコール、及びそれらの混合物が挙げられる。これらの材料の使用は、それらが組成物の全体的なコンディショニング特性に寄与するという点でも有利である。
【0055】
アルキル鎖中に約12〜約18個の炭素原子を有するアルコキシル化(例えば、エトキシル化又はプロポキシル化)脂肪族アルコールは、脂肪族アルコール自体の代わりに、又はそれに加えて使用することができる。好適な例としては、エチレングリコールセチルエーテル、ポリオキシエチレン(2)ステアリルエーテル、ポリオキシエチレン(4)セチルエーテル、及びそれらの混合物が挙げられる。
【0056】
コンディショナー中の脂肪物質のレベルは、全組成物の0.01〜15重量%、好ましくは0.1〜10重量%、より好ましくは0.1〜5重量%であるのが好適である。カチオン性界面活性剤と脂肪族アルコールとの重量比は、10:1〜1:10、好ましくは4:1〜1:8、最適には1:1〜1:7、例えば1:3であるのが好適である。
【0057】
さらなるコンディショニング成分には、脂肪族アルコールと脂肪酸とのエステル、例えばパルミチン酸セチルが含まれる。
【0058】
本発明で使用するためのコンディショニング組成物は、好ましくは、ミセル構造化液体を含んでもよい。
【0059】
本組成物を含むコンディショナーのpHは、好ましくは3〜5である。より好ましくは、組成物のpHは、4.5〜5.5である。
【0060】
組成物が3.10未満のpHを有する場合、それは、強烈な処理のためのコンディショニングマスクの形態であることが好ましい。
【0061】
さらなるコンディショニング成分には、好ましくはヤシ油及びオリーブ油から選択されるコンディショニング油が含まれる。
【0062】
ここで、本発明を以下の非限定的な実施例によって例示する。
【0063】
実施例
標本毛髪繊維をヒトの頭部からサンプリングし、未処理の標本を以下の方法に従って画像化した。次いで、繊維をシリコーン又はスタイリングポリマーで処理し、前述のように画像化した。
【0064】
シリコーンは、DC5−7134(ダウコーニング(Dow Corning)より)であった。
【0065】
スタイリングポリマーは、Acudyne MD5800(ダウコーニング(Dow Corning)より)として入手可能な感圧接着剤(PSA)であった。
【0066】
シリコーンは、コンディショナーベースに組み込まれ、一方、PSAは、シャンプーベースで調製した。
【0067】
PSAスタイリングポリマーを含むシャンプー組成物を表2に示す。
【表1】
【0068】
シャンプー組成物は、以下の方法を使用して調製した。
【0069】
水を30℃に加熱し、オーバーヘッド撹拌機及びパドル(例えば、Heidolph)を使用して撹拌する。PSAエマルションを添加し、完全に混合するまで撹拌する。個々に残りの成分のそれぞれを添加し、各添加の間に組成物を完全に混合させる。NaCl及びNaOH使用して、必要に応じてpH及び粘度を調整する。
【0070】
以下の方法を使用して毛髪をシャンプーで処理した:
毛髪繊維を流水下で30秒間保持し、毛髪1g当たり0.1mlのシャンプーの用量で非皮下注射器を使用してシャンプーを適用し、30秒間毛髪に擦り込んだ。余分な泡は、流水の下に30秒間保持することによって除去され、シャンプー段階を繰り返した。流水下で毛髪を1分間すすぎ、ワイプを使用して余分な水を除去した。
【0071】
シリコーンを含むコンディショナー組成物を表3に示し、下記の方法で調製してもよい。
【0072】
水を81℃に加熱し、オーバーヘッド撹拌機及びパドル(例えば、Heidolph)を使用して撹拌する。脂肪物質と界面活性剤とを混合する。熱を維持し、30分間撹拌する。混合物を冷却し、残りの成分を混合する。高せん断で5分間(例えば、シルバーソンミキサーを使用して)混合する。
【表2】
【0073】
以下の方法を使用して毛髪をコンディショナーで処理した:
毛髪繊維を流水下で30秒間保持した。次いで、コンディショナーを、非皮下注射器により、毛髪1g当たり0.2mlのコンディショナーの用量で毛髪に適用し、毛髪に1分間マッサージをした。流水下で毛髪を1分間すすぎ、余分な水をワイプを使用して除去した。
【0074】
イメージング法
毛髪繊維のトポグラフィック表面は、Sensofar Sネオックスプロフィルメーターを有するセンソSCAN v5を使用してトポグラフィック(3D)表面を記述する各点の空間座標(X、Y、Z)としてデジタルファイルにエクスポートすることにより、3Dプリンタに好適なフォーマットに変換した。
【0075】
行列としてMatlabにインポートし、Matlabスクリプトを使用して行列を操作し、解像度/スケールを変更することで、得られたデジタルファイルデータを拡大した。次いで、行列を各点のすべてのX、Y、Z座標のリストとして新しいASCIIファイル「.XYZ」にエクスポートした。倍率は、30,000倍であった。
【0076】
画像データを3D−CADソフトウェアを使用して3Dプリンタに好適な画像に変換し、3D表面を平行四辺形の面に適用して3Dオブジェクトを得た。得られた3D画像は、「Rhino」ソフトウェアパッケージを使用して3Dプリンタ装置ソフトウェアと互換性のあるデジタルファイルにエクスポートして、それを3Dファイルに変換し、それを.STLファイルとしてエクスポートした。
【0077】
次いで、3D画像を印刷して3Dオブジェクトを形成した。これは、EOS(電気光学システム)EOSINT P380選択的レーザー焼結プリンタ及び拡大表面の3D複製を使用することによって達成された。
【0078】
得られた3D画像を比較することにより、毛髪に対する処理の効果が実証された。