【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の第一の態様によると、エアロゾル形成基体を加熱するための電気ヒーターと、少なくとも一つの電源と、触覚フィードバック装置と、コントローラーとを備えるエアロゾル発生装置が提供されている。触覚フィードバック装置は、第一の電気コイルと、第二の電気コイルと、第一の電気コイルおよび第二の電気コイルの中での動きのために構成された磁石とを備える。コントローラーは、少なくとも一つの電源から電気ヒーターおよび触覚フィードバック装置への電気エネルギーの供給を制御するように構成されており、コントローラーは、第一の電気コイルおよび第二の電気コイルの中の磁石の往復する動きを誘発するために、少なくとも一つの電源から第一の電気コイルおよび第二の電気コイルへの電気エネルギーの供給を交互に行うように構成されている。
【0005】
第一の電気コイルおよび第二の電気コイルの各々に電気エネルギーが供給されるたびに磁界が発生し、磁界は磁石と相互作用する。第一の電気コイルと第二の電気コイルとが交互に通電されるように電気エネルギーの供給を交互に行うことによって、発生した磁界は第一の電気コイルと第二の電気コイルの間で交互になる。発生した磁界が第一の電気コイルと第二の電気コイルの間で交互になると、第一の電気コイルによって発生した磁界が第二の電気コイルによって発生した磁界と反対になるようにエアロゾル発生装置が構成されている時に、結果として第一の電気コイルおよび第二の電気コイルの中に磁石の往復する動きがもたらされる。
【0006】
有利なことに、本発明によるエアロゾル発生装置の触覚フィードバック装置は、周知のエアロゾル発生物品で使用される周知の触覚フィードバック装置を超える多くの利点を提供する。例えば、多くの周知のエアロゾル発生装置は、非対称な質量がブラシ付き直流(DC)モーターによって駆動される偏心回転質量モーターを備える触覚フィードバック装置を使用する。経時的に、偏心回転質量モーター内のブラシによって提供される電気機械結合は故障しうる。本発明によるエアロゾル発生装置の触覚フィードバック装置は、電気機械整流の必要性をなくすことによって、こうした問題を克服する。
【0007】
多くの代替的な周知のエアロゾル発生装置は、交流電流(AC)が電磁コイルを励起するリニア共振アクチュエータを備える触覚フィードバック装置を使用し、これはその結果、バネ上に取り付けられた磁気質量を駆動する。経時的に、バネは故障しうる。本発明によるエアロゾル発生装置の触覚フィードバック装置は、こうした機械的構成要素の必要性をなくすことによって、こうした問題を克服する。すなわち、磁石は、こうした往復動を提供するためのバネを必要とすることなく、第一の電気コイルおよび第二の電気コイルの中で自由に往復移動するように構成されてもよい。
【0008】
リニア共振アクチュエータを駆動するためのACの要件では、インバータと組み合わせたAC電源またはDC電源のいずれかを必要とし、これらのどちらもリニア共振アクチュエータフィードバック装置を備える周知のエアロゾル発生装置の複雑性を増大させる。本発明によるエアロゾル発生装置の触覚フィードバック装置は、第一の電気コイルと第二の電気コイルの間で交互になるDC電源のみを使用して本発明による触覚フィードバック装置を実装することができるので、こうした問題を克服する。
【0009】
リニア共振アクチュエータは、磁石とバネとの組み合わせの共振周波数と一致する周波数にて動作するAC電源を用いて電磁コイルを駆動することによって機能する。従って、リニア共振アクチュエータフィードバック装置を備える周知のエアロゾル発生装置は、単一の周波数のみにてリニア共振アクチュエータを動作するように構成されている。本発明による触覚フィードバック装置は、触覚フィードバック効果を作り出すために機械的共振に依存しないので、本発明によるエアロゾル発生装置の触覚フィードバック装置は、こうした問題を克服する。このように、本発明による触覚フィードバック装置は、より広い範囲の周波数にて動作することができる。
【0010】
第一の電気コイルおよび第二の電気コイルの各々は、非磁性導電体で形成されることが好ましい。第一の電気コイルおよび第二の電気コイルの各々を非磁性の導電体から形成することは、磁石と第一の電気コイルおよび第二の電気コイルの各々を形成する材料との間のあらゆる磁気相互作用をなくすことによって、第一の電気コイルおよび第二の電気コイルの中の磁石の動きを容易にしうる。第一の電気コイルおよび第二の電気コイルの各々は、銅で形成されることが好ましい。
【0011】
第一の電気コイルは第一の電気巻線を備えてもよく、また第二の電気コイルは第一の電気巻線とは別個の第二の電気巻線を備えてもよい。
【0012】
触覚フィードバック装置は、第一の電気巻線の第一の端部における第一の電気的接続と、第一の電気巻線の第二の端部における第二の電気的接続と、第二の電気巻線の第二の端部における第三の電気的接続と、第二の電気巻線の第一の端部における第四の電気的接続とをさらに備えてもよい。第一の電気巻線および第二の電気巻線の各々の端部において電気的接続を提供することは、エアロゾル発生装置の中の他の電気回路への触覚フィードバック装置の電気的接続を容易にする。
【0013】
第二の電気的接続および第四の電気的接続は、共通の電気的接続によって互いに接続されていることが好ましい。すなわち、触覚フィードバック装置は、第一の電気巻線の第二の端部および第二の電気巻線の第一の端部へと接続された共通の電気的接続を備えることが好ましい。共通の電気的接続を提供することは、エアロゾル発生装置の中の他の電気回路への触覚フィードバック装置の電気的接続を単純化しうる。
【0014】
触覚フィードバック装置は第一の端部および第二の端部を有する共通の電気巻線を備えてもよく、第一の電気コイルは共通の電気巻線の第一の端部と中間部の間に延びる共通の電気巻線の第一の部分を備え、また第二の電気コイルは共通の電気巻線の中間部と第二の端部の間に延びる共通の電気巻線の第二の部分を備える。第一の電気コイルおよび第二の電気コイルを共通の電気巻線から形成することは、触覚フィードバック装置の製造を単純化しうる。
【0015】
触覚フィードバック装置は、共通の電気巻線の第一の端部における第一の電気的接続と、共通の電気巻線の中間部における共通の電気的接続と、共通の電気巻線の第二の端部における第三の電気的接続とをさらに備えてもよい。第一の電気的接続、共通の電気的接続、および第三の電気的接続を提供することは、エアロゾル発生装置の中の他の電気回路への触覚フィードバック装置の電気的接続を容易にしうる。第一の電気コイルと第二の電気コイルの両方に共通な、共通の電気的接続を提供することは、エアロゾル発生装置の中の他の電気回路への触覚フィードバック装置の電気的接続を単純化しうる。
【0016】
少なくとも一つの電源はDC電源を備えることが好ましい。上述のように、DC電源を使用することは有利なことに、エアロゾル発生装置の構造および動作を単純化しうる。コントローラーは、第一の電気コイルおよび第二の電気コイルの中の磁石の往復する動きを誘発するために、DC電源からの電気エネルギーの供給を第一の電気コイルと第二の電気コイルの間で交互に行うように構成されていることが好ましい。
【0017】
DC電源は、第一の端子および第二の端子を備えることが好ましい。触覚フィードバック装置が第一の電気的接続と、共通の電気的接続と、第三の電気的接続とを備える本明細書で説明される実施形態において、この装置は第一の端子と共通の電気的接続の間に電気的接続を提供するように構成されていることが好ましい。第一の端子と共通の電気的接続の間に電気的接続を提供することは、エアロゾル発生装置の構造および動作を単純化しうる。例えば、コントローラーがDC電源からの電気エネルギーの供給を第一の電気コイルおよび第二の電気コイルへと交互に行う間、DC電源の第一の端子は共通の電気的接続に接続されたままであってもよい。
【0018】
DC電源の第一の端子は、触覚フィードバック装置の共通の電気的接続へと恒久的に接続されてもよい。
【0019】
エアロゾル発生装置は、DC電源の第一の端子および共通の電気的接続に接続された共通の電気的スイッチを備えてもよく、コントローラーは、触覚フィードバック装置が起動した時に共通の電気的スイッチを閉じるように構成されている。共通の電気的スイッチは、パワー半導体デバイスであることが好ましい。
【0020】
コントローラーは、第一の電気コイルおよび第二の電気コイルの中の磁石の往復する動きを誘発するために、DC電源の第二の端子の電気的接続を第一の電気的接続および第三の電気的接続の各々へと交互に行うように構成されてもよい。第一のおよび第三の電気的接続の各々への第二の端子の電気的接続を交互に行うことは、DC電源からの電気エネルギーの供給を第一の電気コイルおよび第二の電気コイルの各々へと交互に行うための単純かつ好都合な配置を提供しうる。
【0021】
エアロゾル発生装置は、DC電源の第一の端子および第一の電気的接続へと接続された第一の電気的スイッチと、DC電源の第一の端子および第三の電気的接続へと接続された第二の電気的スイッチとを備えてもよく、コントローラーは、DC電源からの電気エネルギーの供給を第一の電気コイルおよび第二の電気コイルへと交互に行うために、第一の電気的スイッチおよび第二の電気的スイッチを交互に開閉するように構成されている。第一の電気的スイッチおよび第二の電気的スイッチの各々は、パワー半導体デバイスであることが好ましい。
【0022】
好ましい実施形態において、少なくとも一つの電源は電池である。例えば、少なくとも一つの電源はニッケル水素電池、ニッケルカドミウム電池、またはリチウムベースの電池(例えば、リチウムコバルト、リン酸鉄リチウム、またはリチウムポリマー電池)であってもよい。別の方法として、少なくとも一つの電源はコンデンサーなどの別の形態の電荷蓄積装置であってもよい。少なくとも一つの電源は再充電を必要とすることがあり、またエアロゾル発生装置を一つ以上のエアロゾル形成基体とともに使用するために十分なエネルギーの蓄積を可能にする容量を有しうる。
【0023】
コントローラーは、少なくとも一つの電源からの電気エネルギーの供給を第一の電気コイルおよび第二の電気コイルへと少なくとも約20Hzの周波数にて交互に行うように構成されていることが好ましく、少なくとも約50Hzで行うように構成されていることがより好ましく、少なくとも約75Hzで行うように構成されていることがより好ましく、少なくとも約100Hzで行うように構成されていることがより好ましい。コントローラーは、少なくとも一つの電源からの電気エネルギーの供給を第一の電気コイルおよび第二の電気コイルへと約250Hz未満の周波数にて交互に行うように構成されていることが好ましく、約200Hz未満で行うように構成されていることがより好ましい。コントローラーは、少なくとも一つの電源からの電気エネルギーの供給を第一の電気コイルおよび第二の電気コイルへと約20Hz〜約250Hzの周波数にて交互に行うように構成されていることが好ましく、約50Hz〜約200Hzで行うように構成されていることがより好ましい。
【0024】
コントローラーは、振幅変調によって少なくとも一つの電源から第一の電気コイルおよび第二の電気コイルの各々への電気エネルギーの供給を変化させるように構成されてもよく、これによって磁石が第一の電気コイルおよび第二の電気コイルの中を往復移動する距離は振幅変調に比例して変化する。
【0025】
コントローラーは、周波数変調によって少なくとも一つの電源からの電気エネルギーの供給が第一の電気コイルと第二の電気コイルの間で交互に行われる周波数を変化させるように構成されてもよく、これによって磁石が第一の電気コイルおよび第二の電気コイルの中を往復移動する周波数は周波数変調に比例して変化する。
【0026】
磁石は任意の適切な磁性材料で形成されてもよい。磁石は鉄、ニッケル、およびネオジムのうちの少なくとも一つを含んでもよい。磁石はネオジムを含むことが好ましい。磁石はネオジム、鉄、およびホウ素の合金を含むことが最も好ましい。
【0027】
磁石は、第一の電気コイルおよび第二の電気コイルの中の第一の方向に沿った動きのために構成されてもよく、第一の方向での磁石の長さは少なくとも約1ミリメートルであり、少なくとも約2ミリメートルであることが好ましい。第一の方向での磁石の長さは約5ミリメートル未満であってもよく、約4ミリメートル未満であることが好ましい。第一の方向での磁石の長さは約1ミリメートル〜約5ミリメートルであってもよく、約2ミリメートル〜約4ミリメートルであることが好ましい。
【0028】
磁石の質量は少なくとも約30ミリグラムであってもよく、少なくとも約40ミリグラムであることが好ましい。磁石の質量は約70ミリグラム未満であってもよく、約60ミリグラム未満であることが好ましい。磁石の質量は約50ミリグラムであることが好ましい。
【0029】
電気ヒーターは、抵抗ヒーターおよび誘導ヒーターのうちの少なくとも一つを備えてもよい。
【0030】
エアロゾル発生装置は携帯型であることが好ましい。エアロゾル発生装置は従来型の葉巻たばこまたは紙巻たばこと匹敵するサイズであってもよい。エアロゾル発生装置の全長は、およそ30mm〜およそ150mmであってもよい。エアロゾル発生装置の外径は、およそ5mm〜およそ30mmであってもよい。
【0031】
本発明の第二の態様によると、上述の実施形態のうちのいずれかによる、本発明の第一の態様によるエアロゾル形成基体とエアロゾル発生装置とを備えるエアロゾル発生システムが提供されている。
【0032】
電気ヒーターはエアロゾル形成基体を間接的に加熱してもよい。電気ヒーターは誘導ヒーターであってもよく、またエアロゾル発生システムは、エアロゾル形成基体と熱的に連通するサセプタをさらに備えてもよい。使用中にサセプタは誘導ヒーターによって加熱され、かつエアロゾル形成基体はサセプタによって加熱される。サセプタは、伝導熱伝達、対流熱伝達、放射熱伝達、およびこれらの組み合わせのうちの少なくとも一つによってエアロゾル形成基体を加熱するように構成されてもよい。
【0033】
エアロゾル形成基体は、エアロゾル発生システムを形成するようにエアロゾル発生装置と組み合わせられる、エアロゾル発生物品またはエアロゾル発生カートリッジの一部を形成してもよい。エアロゾル発生物品またはエアロゾル発生カートリッジは使い捨てであってもよい。
【0034】
エアロゾル形成基体はエアロゾル発生装置の一部を備えてもよい。
【0035】
エアロゾル発生システムは、液体貯蔵部分と、液体貯蔵部分の中に保存された液体エアロゾル形成基体とを備えてもよい。液体貯蔵部分はエアロゾル発生物品の一部、エアロゾル発生カートリッジ、またはエアロゾル発生装置の一部を形成してもよい。
【0036】
使用中に電気ヒーターは、液体エアロゾル形成基体の小さい部分を気化するために、液体エアロゾル形成基体の小さい部分を加熱する。液体エアロゾル形成基体は、加熱に伴い液体から放出される揮発性のたばこ風味化合物を含む、たばこ含有材料を含むことが好ましい。別の方法として、または追加的に、液体エアロゾル形成基体は非たばこ材料を含んでもよい。液体エアロゾル形成基体は水、溶媒、エタノール、植物エキス、および天然の風味または人工の風味を含んでもよい。液体エアロゾル形成基体はエアロゾル形成体をさらに含むことが好ましい。
【0037】
本明細書で使用される「エアロゾル形成体」という用語は、使用時にエアロゾルの形成を促進する任意の適切な周知の化合物または化合物の混合物を記述するために使用される。適切なエアロゾル形成体は、エアロゾル発生物品の作動温度で熱分解に対して実質的に耐性があることが好ましい。適切なエアロゾル形成体の例は、グリセリンおよびプロピレングリコールである。
【0038】
エアロゾル発生システムは、液体貯蔵部分と連通する毛細管芯をさらに備えてもよい。毛細管芯は、液体貯蔵部分の中の液体エアロゾル形成基体と接触するように配置される。使用中に液体エアロゾル形成基体は毛管作用によって毛細管芯に沿って液体貯蔵部分から移動され、そこで電気ヒーターによって加熱される。電気ヒーターが誘導ヒーターを備える実施形態において、エアロゾル発生システムはサセプタをさらに備えてもよい。使用中に誘導ヒーターはサセプタを加熱し、また液体エアロゾル形成基体は毛細管芯を介して液体貯蔵部分からサセプタに移動される。
【0039】
エアロゾル形成基体は液体ニコチン供与源を含んでもよい。
【0040】
エアロゾル形成基体は固体エアロゾル形成基体を含んでもよい。固体エアロゾル形成基体は、エアロゾル発生物品またはエアロゾル発生カートリッジの一部を形成しうることが好ましい。エアロゾル形成基体はたばこを含んでもよい。エアロゾル形成基体は、加熱に伴い基体から放出される揮発性のたばこ風味化合物を含むたばこ含有材料を含んでもよい。エアロゾル形成基体は非たばこ材料を含んでもよい。エアロゾル形成基体は、たばこ含有材料および非たばこ含有材料を含んでもよい。
【0041】
エアロゾル形成基体は少なくとも一つのエアロゾル形成体を含んでもよい。適切なエアロゾル形成体には例えば、多価アルコール(プロピレングリコール、トリエチレングリコール、1,3−ブタンジオールおよびグリセリンなど)、多価アルコールのエステル(グリセロールモノ−、ジ−またはトリアセテートなど)、およびモノ−、ジ−またはポリカルボン酸の脂肪族エステル(ドデカン二酸ジメチルおよびテトラデカン二酸ジメチルなど)が含まれるが、これらに限定されない。
【0042】
好ましいエアロゾル形成体は、多価アルコールまたはその混合物(例えばプロピレングリコール、トリエチレングリコール、1,3−ブタンジオールおよび最も好ましくはグリセリン)である。
【0043】
エアロゾル形成基体は単一のエアロゾル形成体を含んでもよい。別の方法として、エアロゾル形成基体は、二つ以上のエアロゾル形成体の組み合わせを含んでもよい。エアロゾル形成基体のエアロゾル形成体の含有量は、乾燥重量基準で5パーセントを超えてもよい。
【0044】
エアロゾル形成基体のエアロゾル形成体の含有量は、乾燥重量基準でおよそ5パーセント〜およそ30パーセントであってもよい。
【0045】
エアロゾル形成基体のエアロゾル形成体の含有量は、乾燥重量基準でおよそ20パーセントであってもよい。
【0046】
エアロゾル形成基体は、ニコチン供与源を含む第一のエアロゾル形成基体と、酸供与源を含む第二のエアロゾル形成基体とを備えてもよい。第一のエアロゾル形成基体および第二のエアロゾル形成基体は、エアロゾル発生物品またはエアロゾル発生カートリッジの一部を形成することが好ましい。使用時に電気ヒーターは、ニコチンおよび酸が気相で一緒に反応してニコチン塩粒子のエアロゾルを形成するように、第一のエアロゾル形成基体および第二のエアロゾル形成基体を加熱してニコチンおよび酸を揮発する。
【0047】
ニコチン供与源はニコチン、ニコチン塩基、ニコチン塩(ニコチン−HCl、ニコチン酒石酸塩、またはニコチン二酒石酸塩など)、またはニコチン誘導体のうちの一つ以上を含んでもよい。
【0048】
ニコチン供与源は天然ニコチンまたは合成ニコチンを含んでもよい。
【0049】
ニコチン供与源は純粋なニコチン、水性溶媒もしくは非水性溶媒中のニコチン溶液、または液体たばこ抽出物を含んでもよい。
【0050】
ニコチン供与源は電解質形成化合物をさらに含んでもよい。電解質形成化合物はアルカリ金属水酸化物、アルカリ金属酸化物、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属酸化物、アルカリ土類金属水酸化物、およびこれらの組み合わせから成る群から選択されてもよい。
【0051】
例えば、ニコチン供与源は水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、酸化リチウム、酸化バリウム、塩化カリウム、塩化ナトリウム、炭酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム、硫酸アンモニウムおよびこれらの組み合わせから成る群から選択される電解質形成化合物を含んでもよい。
【0052】
ある特定の実施形態において、ニコチン供与源はニコチン、ニコチン塩基、ニコチン塩、またはニコチン誘導体および電解質形成化合物の水溶液を含んでもよい。
【0053】
ニコチン供与源は他の構成成分をさらに含んでもよく、構成成分には例えば天然風味、人工風味、酸化防止剤などが挙げられるがこれらに限定されない。
【0054】
酸供与源は有機酸または無機酸を含んでもよい。酸供与源は有機酸を含むことが好ましく、カルボン酸を含むことがより好ましく、乳酸またはα−ケト酸もしくは2−オキソ酸を含むことが最も好ましい。
【0055】
酸供与源は乳酸、3−メチル−2−オキソペンタン酸、ピルビン酸、2−オキソペンタン酸、4−メチル−2−オキソペンタン酸、3−メチル−2−オキソブタン酸、2−オキソオクタン酸、およびこれらの組み合わせから成る群から選択される酸を含むことが好ましい。酸供与源は乳酸またはピルビン酸を含むことが好ましい。
【0056】
添付図面を参照しながら、例証としてのみ、本発明をさらに説明する。