(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記補強封止材において、前記第1区域と前記第2区域が互いに同一の物質で構成されて一体の構造を構成し、前記補強封止材が単一のボディで形成される、請求項1に記載の太陽電池パネルの製造方法。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、太陽電池パネルの生産性を向上し、不良率を低減することができる太陽電池パネル及びその製造方法を提供することにある。
【0008】
特に、本発明の目的は、封止材の使用量を大幅に増加させなく材料コストを削減しながら、ラミネート工程の時間を短縮することができラミネート工程中に太陽電池またはカバー部材の損傷を効果的に防止することができる太陽電池パネル及びその製造方法を提供することにある。また、本発明の他の目的は、ラミネート工程で太陽電池パネルの端の部分で発生することがある封止材の外部への流出を考慮して、太陽電池パネルの端部分が所望する封止特性を実現できる十分な厚さを有することができるようにする、太陽電池パネル及びその製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
〔本発明の一の態様〕
〔1〕 太陽電池パネルであって、
太陽電池と
前記太陽電池を封止し、前記太陽電池の一面上に位置する第1封止材及び、前記太陽電池の他面上に位置する第2封止材を含む封止材と、
前記第1封止材の上に位置し、ガラス基板を含む第1カバー部材と、
前記第2封止材の上に位置し、ガラス基板を含む第2カバー部材と、を備えてなり、
前記封止材が、中央領域と、前記中央領域の外側に位置し、前記中央領域より大きい厚さを有する補強領域が備えた外側領域を備えてなる、太陽電池パネル。
〔2〕 前記外側領域は、前記補強領域の外側に位置し、前記補強領域より小さい厚さを有する端が位置する端領域を更に備えてなる、〔1〕に記載の太陽電池パネル。
〔3〕 前記封止材の端からの厚さが前記中央領域の厚さと同じか、それより小さい、〔2〕に記載の太陽電池パネル。
〔4〕 前記補強領域の厚さが前記中央領域の厚さより30μm以上大きいか、又は前記中央領域の厚さに対する前記補強領域と、前記中央領域の厚さの差の割合が10%以上である、〔1〕に記載の太陽電池パネル。
〔5〕 前記太陽電池が、外側に位置する外側太陽電池、それと前記外側太陽電池の内側に位置する内側太陽電池を備える複数の太陽電池を備え、
前記補強領域が、前記外側太陽電池の少なくとも一部と重畳して位置する、〔1〕に記載の太陽電池パネル。
〔6〕 前記補強領域が、前記内側太陽電池に重畳されないように位置する、〔5〕に記載の太陽電池パネル。
〔7〕 前記補強領域は、前記外側太陽電池の端に向かいながら、厚さが徐々に大きくなる部分を備えてなる、〔5〕に記載の太陽電池パネル。
〔8〕 前記外側領域は、前記補強領域の外側に位置し、前記補強領域より小さい厚さを有する端が位置する端領域を更に備え、
前記端領域は、前記太陽電池パネルの端に向かいながら、厚さが徐々に小さくなる、〔5〕に記載の太陽電池パネル。
〔9〕 前記太陽電池パネルは、中央部の外側に位置し、前記中央部より大きい厚さを有する補強部が備える外側部を備えてなる、〔1〕に記載の太陽電池パネル。
〔10〕 前記太陽電池パネルの前記外側部は、前記補強部の外側に位置し、前記補強部より小さい厚さを有する端が位置する端部を更に備えてなる、〔9〕に記載の太陽電池パネル。
〔11〕 前記中央領域が前記補強領域及び前記外側領域のそれぞれより大きい面積を有する、〔1〕に記載の太陽電池パネル。
〔12〕 前記太陽電池は、一方向に沿って電気的に接続されて太陽電池ストリングを形成する複数の太陽電池を備え、
前記外側領域又は前記補強領域が、前記一方向と交差する交差方向の両側に位置する両側縁から前記一方向に沿ってそれぞれ長く続く、〔1〕に記載の太陽電池パネル。
〔13〕 前記太陽電池が複数の配線材によって一方向に接続される複数の太陽電池を備え、
前記配線材の幅が250μm乃至500μmであるか、又は前記配線材が円形又はラウンドになった部分を備え、
前記配線材の数が6個乃至33個である、〔1〕に記載の太陽電池パネル。
〔14〕 太陽電池パネルの製造方法であって、
太陽電池と、前記太陽電池の一面上に位置する第1封止材と、前記太陽電池の他面上に位置する第2封止材と、前記第1封止材の上に位置し、ガラス基板を備えてなる第1カバー部材と、前記第2封止材の上に位置し、ガラス基板を備えてなる第2カバー部材とを積層して積層構造体を形成する段階と、
前記積層構造体に熱と圧力を加えてラミネートする段階を含んでなり、
前記第1封止材及び第2封止材の内、少なくとも1つが、ベース部分と、前記ベース部分の上に位置し、前記太陽電池の少なくとも一部と重畳される重畳部を備える補強部分を備え、前記ベース部分が位置した第1区域より前記ベース部分及び前記補強部分が一緒に位置した第2区域が、更に大きい厚さを有する補強封止材で構成されてなる、太陽電池パネルの製造方法。
〔15〕 前記ラミネートするステップの後に、前記第1カバー部材と前記第2カバー部材との間に位置する封止材が、
中央領域と、前記中央領域の外側に位置し、前記中央領域より大きい厚さを有する補強領域が備えられる外側領域を備えてなるか、又は、
前記太陽電池パネルが中央部の外側に位置し、前記中央部より大きい厚さを有する補強部が備える外側部を備えてなる、〔14〕に記載の太陽電池パネルの製造方法。
〔16〕 前記太陽電池の幅に対する前記重畳部の幅の比率が10%以上であるか、又は、
前記補強部の幅が5cm以上である、〔14〕に記載の太陽電池パネルの製造方法。
〔17〕 前記補強封止材において、前記第1区域が、前記第2区域より大きな面積を有し、
前記補強封止材において、前記補強部分が、少なくとも前記太陽電池パネルの端部分又は角部分に位置する、〔14〕に記載の太陽電池の製造方法。
〔18〕 前記ベース部分が第1厚さを有し、
前記補強部が第2厚さを有し、
前記第2厚さが前記第1厚さより小さい、〔14〕に記載の太陽電池パネルの製造方法。
〔19〕 前記補強封止材において、前記ベース部分と前記補強部分が互いに同一の物質で構成されて一体の構造を構成し、前記補強封止材が単一のボディを有したり、又は
前記補強封止材において、前記補強部が前記ベース部分と他の物質を有したり別に形成され、前記ベース部分に付着したり、前記ベース部分の上に置かれる、〔14〕に記載の太陽電池パネルの製造方法。
〔20〕 前記補強封止材において、前記ベース部分と前記補強部分が互いに異なる物質を備え、
前記補強部が前記ベース部分より低硬度及び高い弾性を有する、〔19〕に記載の太陽電池パネルの製造方法。
【0010】
本発明の実施の形態に係る太陽電池パネルは、太陽電池を封止する封止材が、中央領域と、中央領域の外側に位置し、中央領域より大きい厚さを有する補強領域が備えられる外側領域を含む。または、太陽電池を囲む縫合材(enCApsulant)が、中央領域と、中央領域の外側に位置し、中央領域より大きい厚さを有する厚膜領域が備えられる外側領域を含む。ここで、封止材は、太陽電池の一面上に位置する第1封止材、太陽電池の他面上に位置する第2封止材を含むことができる。本実施の形態において、第1封止材の上に位置する第1カバー部材及び第2封止材の上に位置する第2カバー部材がそれぞれガラス基板を含むことができる。
【0011】
本実施の形態において外側領域は、補強領域の外側に位置し、補強領域より小さい厚さを有する端が位置する端領域をさらに含むことができる。一例として、封止材の端からの厚さが前記領域の厚さと同じかそれより小さいことができる。そして補強領域の厚さが中央領域の厚さよりも30μm 以上大きいか、または前記中央領域の厚さに対する前記補強領域と、前記中央領域の厚さの差の割合が10%以上で有り得る。
【0012】
本実施の形態においては、太陽電池が、外側に位置する外側太陽電池、それと外側太陽電池の内側に位置する内側太陽電池を備える複数の太陽電池を含み、補強領域が外側太陽電池の少なくとも一部と重畳して位置し、内側太陽電池に重畳されないように位置することができる。
【0013】
補強領域は、外側太陽電池の端に向かいながら、厚さが徐々に大きくなる部分を含むことができる。端領域は、太陽電池パネルの端に向かいながら、厚さが徐々に小さくなることができる。
【0014】
これに対応して、太陽電池パネルは、、中央部の外側に位置し、中央部より大きな厚さを有する補強部が備えられる外側部を含むことができる。そして外側部は、補強部の外側に位置し、補強部より小さい厚さを有する端が位置する端部をさらに含むことができる。
【0015】
本実施の形態において、中央領域が補強領域及び外側領域のそれぞれより大きい面積を有することができる。
【0016】
一例として、太陽電池は、一方向に沿って電気的に接続されて太陽電池ストリングを形成する複数の太陽電池を含み、外側領域または補強領域が一方向と交差する交差方向の両側に位置する両側縁で一方向に沿ってそれぞれ長くつながることができる。しかし、本発明がこれに限定されるものではなく、外側領域または補強領域が、これと他の方向に形成されるか、またはこれと別の位置に形成されることもできる。
【0017】
前記太陽電池が複数の配線材によって一方向に接続される複数の太陽電池を含むことができる。前記配線材の幅が250μm乃至500μmであるか、または前記配線材が円形またはラウンドになった部分を含むことができる。前記配線材の数が6個乃至33個で有り得る。
【0018】
本発明の実施の形態に係る太陽電池パネルの製造方法は、太陽電池と、第1及び第2封止材、第1及び第2カバー基板を積層して積層構造体を形成し、これに熱と圧力を加えてラミネートする。このとき、第1及び第2封止材の少なくとも1つが、ベース部分と、ベース部分の上に位置し、太陽電池の少なくとも一部と重畳される重畳部を備える補強部分を備える。または、太陽電池を囲む縫合材が、中央部分と、中央部分の外側に位置し、中央部分よりも大きな厚さを有する厚膜部分が備えられる。これにより、第1及び第2封止材の少なくとも1つが、ベース部分が位置した第1区域又は中央部分よりベース部分及び補強部分が一緒に位置した第2区域または厚膜部分がさらに大きな厚さを有する補強封止材で構成される。ここで、太陽電池の一面上に第1封止材と、第1カバー部材が位置し、太陽電池の他面上に位置する第2封止材と第2カバー部材が位置する。本実施の形態において、第1カバー部材及び第2カバー部材がそれぞれガラス基板を含むことができる。
【0019】
これにより、ラミネートするステップの後に、第1カバー部材と第2カバー部材との間に位置する封止材が、中央領域と、中央領域の外側に位置し、中央領域よりも大きい厚さを有する補強領域が備えられる外側領域を含むことができる。または、太陽電池パネルが中央部の外側に位置し、中央部より大きな厚さを有する補強部に備えられる外側部を含むことができる。
【0020】
一例として、太陽電池の幅の重畳部の幅の比率が10%以上であるか、または補強部分の幅が5cm以上で有り得る。
【0021】
補強封止材において第1領域が第2領域より大きい面積を有し、補強封止材で補強部分が、少なくとも太陽電池パネルの端または角部分に位置することができる。
【0022】
ここで、ベース部分が第1厚さを有し、補強部分が第2厚さを有し、第2厚さが第1厚さより小さいことがある。
【0023】
本実施の形態において補強封止材でベース部分と補強部分が互いに同一の物質で構成されて一体の構造を構成して補強封止材が単一のボディを有することができる。または、補強封止材で補強部分がベース部分と他の物質を有したり別に形成されてベース部分に付着したり、ベース部分の上に置かれることができる。このとき、補強部分がベース部分より低硬度及び高い弾性を有することができる。
【発明の効果】
【0024】
本実施の形態に係ると、太陽電池パネルの端部で封止材が中央領域より厚い厚さを有する補強領域を備えて、太陽電池パネルの端の部分で発生することができる封止材の厚さの低減の問題を防止することができる。これにより、太陽電池パネルで全体的に優れた封止特性を有することができ、ラミネート工程中に圧力が集中する部分で発生することができる太陽電池及びカバー部材の損傷を防止することができる。これにより、太陽電池パネルの信頼性を向上し、太陽電池パネルの製造時の不良率を低減することができる。
【0025】
そして、補強部分によって、高い温度及び/または十分な圧力でラミネート工程が実行されることができるところ、ラミネート工程の工程時間を効果的に短縮することができる。一方、ラミネート工程中封止材の外部への流出が大きく問題にならず、相対的に小さな圧力が加わる封止材の中央領域は、相対的に小さな厚さを有し、封止材の材料コストを最小化にすることができる。これにより、太陽電池パネルの製造時の生産性を大幅に向上することができる。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下においては、添付した図面を参照して、本発明の実施の形態を詳細に説明する。しかし、本発明は、このような実施の形態に限定されるものではなく、様々な形態に変形することができることはもちろんである。
【0028】
図では、本発明を明確かつ簡略に説明するために説明と関係ない部分の図示を省略し、明細書全体を通じて同一または極めて類似の部分に対しては、同一の図面参照符号を使用する。そして、図面では、説明をさらに明確にするために厚さ、広さなどを拡大または縮小して示したところ、本発明の厚さ、広さなどは図面に示されたところに限定されない。
【0029】
そして、明細書全体においてどのような部分が他の部分を“含む”とするとき、特に反対される記載がない限り、他の部分を排除するものではなく、他の部分をさらに含むことができる。また、層、膜、領域、板などの部分が他の部分“上に”あるとする時、これは他の部分“真上に”ある場合だけでなく、その中間に他の部分が位置する場合も含む。層、膜、領域、板などの部分が他の部分“真上に”あるとするときは、中間に他の部分が位置しないことを意味する。
【0030】
図1は、本発明の一実施の形態に係る太陽電池パネルを概略的に示す斜視図であり、
図2は
図1のII−II線に沿った切断して見た概略的な断面図である。
図1及び
図2においては、封止材130及びこれを含む太陽電池パネル100の形状を概略的にのみ示し、具体的な形状は、後で、
図6を参照して、詳細に説明する。
【0031】
図1及び
図2を参照すると、本実施の形態に係る太陽電池パネル100は、太陽電池10と、太陽電池10を封止して太陽電池10の一面及び他面上位置する第1及び第2封止材(131、132)を含む封止材130と、第1封止材131上に位置し、ガラス基板を含む第1カバー部材110と、 第2封止材132の上に位置し、ガラス基板を含む第2カバー部材120を含む。このとき、封止材130は、、中央領域(
図6の参照符号CA、以下同じ)と、中央領域(CA)の外側に位置し、中央領域(CA)より大きい厚さを有する補強領域(
図6の参照符号EA1、以下同じ)が備えられる外側領域(
図6の参照符号EA、以下同じ)を含む。これをさらに詳細に説明する。
【0032】
このとき、太陽電池10は、光の入射によって電子及び正孔が生成される光電変換部と、光電変換部に電気的に接続されて生成された電子及び正孔を収集する電極(
図3の参照符号42、44、以下同じ)を含むことができる。光電変換部及び電極(42、44)は、多様な構造を有することができる。一例として、太陽電池10は、両面受光型(bi−facial)構造を有することができる。本発明の実施の形態に係る太陽電池パネル100に適用することができる太陽電池10の一例を後に
図3及び
図4を参照して、詳細に説明する。
【0033】
第1カバー部材110は、第1封止材131上に位置して太陽電池パネル100の前面を構成し、第2カバー部材120は、第2封止材132上に位置し、太陽電池パネル100の後面を構成する。第1カバー部材110及び第2カバー部材120は、それぞれ、外部の衝撃、湿気、紫外線などから太陽電池10を保護することができる絶縁物質で構成されることができる。
【0034】
例えば、第1カバー部材110及び第2カバー部材120のそれぞれが、優れた耐久性、絶縁特性、防湿性、光透過性等を有するガラス基板で有り得る。それでは、太陽電池パネル100の両面にガラス基板が位置して、両面で優れた透過性を有することができ、高強度によって高い耐久性を有することができ、優れた耐湿性、耐紫外線特性、絶縁特性などを有することができる。これにより、太陽電池10を物理的及び化学的に安定に保護することができる。
【0035】
本実施の形態においては、複数の太陽電池10がインターコネクタ142及び/またはバスリボン145によって電気的に直列、並列または直並列に接続することができる。一例として、複数の太陽電池10がインターコネクタ142によって第1方向(図のy軸方向)に沿って接続されて1つの列からなる太陽電池ストリング(S)を構成し、第1方向と交差する第2方向(図のx軸方向)に複数の太陽電池ストリング(S)が位置することができる。そしてバスリボン145は、太陽電池ストリング(S)の端部で、これと交差する方向に配置され、隣接した太陽電池ストリング(S)を接続したり、太陽電池ストリング(S)を電気が逆流するのを防止するジャンクションボックス(図示せず)に接続することができる。例えば、バスリボン145は、太陽電池ストリング(S)のインターコネクタ142の両端に交互に接続して、太陽電池ストリング(S)を直列に接続することができる。しかし、本発明がこれに限定されるものではなく、バスリボン145が、様々な配置、接続構造などを有することができる。
【0036】
インココネクタ142及び/またはバスリボン145には、リボン、ワイヤーなどの太陽電池10を接続することができる様々な構造、形状が適用されることができる。一例として、インターコネクタ142及び/またはバスリボン145は、はんだ物質を用いたテビン(tabbing)工程を用いて、太陽電池10またはインターコネクタ142に電気的及び物理的に接続することもできる。または、インターコネクタ142及び/またはバスリボン145が導電性接着物質で構成された導電性フィルムで有り得る。しかし、本発明がこれに限定されるものではない。一例として、太陽電池パネル100が一つの太陽電池10だけを含むこともでき、複数の太陽電池10がインターコネクタ142及びバスリボン145に以外に、他の接続部材によって電気的に接続することもできる。
【0037】
例えば、インターコネクタ142は、は、1つの太陽電池10の前面に位置する第1電極42と、これに隣接した太陽電池10の後面に位置する第2電極44を接続するように形成することができる。しかし、本発明がこれに限定されるものではなく、他の形で隣接した太陽電池10を接続することもできる。
【0038】
封止材130は、、互いに電気的に接続された太陽電池10の前面に位置する第1封止材131と、互いに電気的に太陽電池10の後面に位置する第2封止材132を含むことができる。
図6においては、第1封止材131と第2封止材132が一定の境界を有することを例示したが、ラミネート工程で、第1封止材131と第2封止材132が一体化されて封止材130を形成するので、第1封止材131と第2封止材132の境界が明確でないこともある。
【0039】
封止材130は、水分と酸素が太陽電池10に流入されることを防止し、太陽電池パネル100の各要素を化学的に結合する。封止材130は、透光性及び接着性を有する絶縁物質をベース物質で含む。例えば、封止材130は、エチレン酢酸ビニル樹脂(EVA)、ポリビニルブチラール(PVB)、ケイ素樹脂、エステル系樹脂、オレフィン系樹脂、ポリエチレン系樹脂、アイオノマー(ionomer)などをベース物質として含むことができる。特に、第1封止材131と第2封止材132が、エチレン酢酸ビニルで構成されて、低材料コスト的にも優れた特性を有するようにすることができる。しかし、本発明がこれに限定されるものではない。したがって、封止材130が、前述した説明以外の様々な物質を含むことがあり、様々な形態を有することができる。
【0040】
ここで、第1封止材131と第2封止材132は、互いに異なる物質を含むことができる。一例として、第1及び第2封止材(131、132)の内1つが、全体的に、他の1つの一部または全体と他の物質を含むこともでき、第1及び第2封止材(131、132)の内1つの少なくとも一部が異なる一つの一部または全体と他の物質を含むこともできる。その他の様々な変形が可能である。
【0041】
本実施の形態においては、前述したように、封止材130が中央領域(CA)及び外側領域(EA)を有することができる。以下では、
図3及び
図4を参照して、本発明の実施の形態に係る太陽電池パネル100に含めることができる太陽電池10の一例を先に説明した後、前述したような封止材130を詳細に説明する。
【0042】
図3は、
図1に示した太陽電池パネル100に含めることができる太陽電池10の一例を示す断面図であり、
図4は、
図3に示した太陽電池10の概略平面図である。
図3は
図1のIII−III線に沿った断面図である。
【0043】
図3及び
図4を参照すると、太陽電池10は、ベース領域14を含む半導体基板12と、半導体基板12に、または半導体基板12上に形成される導電型領域(20、30)と、導電型領域(20、30)に接続される電極(42、44)を含む。半導体基板12、導電型領域(20、30)などが光電変換に関与する光電変換部を構成することができる。ここで、導電型領域(20、30)は、互いに異なる導電型を有する第1導電型領域20と第2導電型領域30を含むことができ、電極(42、44)は、第1導電型領域20に接続される第1電極42と第2導電型領域30に接続される第2電極44を含むことができる。これをさらに詳細に説明する。
【0044】
半導体基板12は、第1または第2導電型ドーパントを相対的に低いドーピング濃度で含めて第1または第2導電型を有するベース領域14を含むことができる。そして、半導体基板12の一面(一例として、前面)側には、第1導電型を有する第1導電型領域20が形成されることができる。そして、半導体基板12の他面(一例として、リア)側には、第2導電型を有する第2導電型領域30が形成されることができる。このとき、第1及び第2導電型領域(20、30)は、ベース領域14と、他の導電型を有したり、ベース領域14と同じ導電型を有しながら、ベース領域14より高いドーピング濃度を有する。
【0045】
本実施の形態においては、第1または第2導電型ドーパントとしては、n型またはp型を示すことができる様々な物質を使用することができる。 p型ドーパントとしては、ボロン(B)、アルミニウム(Al)、ガリウム(Ga)、インジウム(In)などを使用することができ、n型である場合には、りん(P)、ヒ素(As)、ビスマス(Bi)、アンチモン(Sb)などの5族元素を使用することができる。一例として、p型ドーパントがボロン(B)であり、n型ドーパントがりん(P)で有り得る。
【0046】
第1及び第2導電型領域(20、30)の内、ベース領域14と、他の導電型を有する一つの領域は、エミッタ領域の少なくとも一部を構成する。エミッタ領域は、ベース領域14とpn接合を形成して光電変換によってキャリアを生成する。第1及び第2導電型領域(20、30)の内、ベース領域14と同じ導電型を有する他の一つは、電界(surface field)領域の少なくとも一部を構成する。電界領域は、半導体基板12の表面で再結合によって、キャリアが損失することを防止する電界を形成する。一例として、本実施の形態においては、ベース領域14が第2導電型を有し、第1導電型領域20がエミッタ領域を構成し、第2導電型領域30が後部電界領域を構成することができる。しかし、本発明がこれに限定されるものではない。
【0047】
半導体基板12、またはこれに形成されたベース領域14、第1及び第2導電型領域(20、30)は、ドーパントを含む単一結晶質半導体(例えば、単一単結晶または多結晶質半導体、一例として、単結晶または多結晶シリコン、特に単結晶シリコン)で構成されることができる。このように結晶性が高く、欠陥の少ないベース領域14または半導体基板12をベースにした太陽電池10は、電気的特性が優れる。そして、半導体基板12の前面及び/または後面には反射を最小化することができる反射防止構造(一例として、ピラミッド形状等を有するテクスチャリング構造)が形成されることができる。
【0048】
本実施の形態においては、第1及び第2導電型領域(20、30)が、半導体基板12の一部を構成するドーピング領域で構成されることができる。他の例として、第1及び第2導電型領域(20、30)の内、少なくとも1つが、半導体基板12の上に半導体基板12と別に形成されることができる。この場合に、第1または第2導電型領域(20、30)が非晶質半導体層、微結晶質半導体層、または多結晶質半導体層(一例として、非晶質シリコン層、微結晶シリコン層または多結晶シリコン層)で構成されことができる。このとき、第1または第2導電型領域(20、30)と半導体基板12との間に別の層(トンネル層、パッシベーション層など)が形成されることもある。
【0049】
そして、少なくとも半導体基板12の前面上(さらに正確には、半導体基板12の前面に形成された第1導電型領域20の上)に第1絶縁膜である第1パッシベーション膜22及び/または反射防止膜24が位置することができる。そして、少なくとも半導体基板12の後面上(さらに正確には、半導体基板12の後面に形成された第2導電型領域30の上)に第2絶縁膜である第2パッシベーション膜32が位置することができる。
【0050】
第1パッシベーション膜22、反射防止膜24及び第2パッシベーション膜32は、開口部(102、104)を除外し、実質的に半導体基板12上に全体的に形成することができる。一例として、第1パッシベーション膜22、反射防止膜24または第2パッシベーション膜32は、シリコン窒化膜、水素を含むシリコン窒化膜、シリコン酸化膜、シリコン酸化窒化膜、アルミニウム酸化膜、シリコン炭化膜、MgF2、ZnS、TiO2及びCeO2からなる群から選択されたいずれか1つの単一膜または2つ以上の膜が組み合わせられた多層膜構造を有することができる。一例として、第1パッシベーション膜22及び/または反射防止膜24、第2パッシベーション膜32は、優れた絶縁特性、パッシベーション特性などを有することができるようにドーパントなどを備えていないことがある。しかし、本発明がこれに限定されるものではない。
【0051】
第1電極42は、第1開口部102の少なくとも一部を埋めながら形成され、第1導電型領域20に電気的に接続(一例として、接触形成)され、第2電極44は、第2開口部104の少なくとも一部を埋めながら形成され、第2導電型領域30に電気的に接続(一例として、接触形成)される。第1及び第2電極(42、44)は、様々な導電性物質(一例として、金属)で構成され、様々な形状を有することができる。
【0052】
例えば、第1及び第2電極(42、44)を導電性物質で銀(Ag)、アルミニウム(Al)、金(Au)、チタニウム(Ti)、タングステン(W)、銅(Cu)の内、少なくとも一つを含むことができる。このとき、第1及び第2電極(42、44)は、様々な方法によって形成することができる。一例として、第1及び第2電極(42、44)の内、少なくとも1つが、印刷、メッキ、スパッタリング等により製造することができる。その他のさまざまな方法で、第1及び第2電極(42、44)を形成することができる。第1電極42は、一定のピッチを有しながら互いに離隔され、一方向に形成される複数のフィンガー電極42aを含むことができる。図においては、フィンガー電極42aが互いに平行し、半導体基板12の端に平行したことを例示したが、本発明がこれに限定されるものではない。そして、第1電極42は、フィンガー電極42aと交差(一例として、直交)する方向に形成されてフィンガー電極42aを接続するバスバー電極42bを含むことができる。バスバー電極42bには、インターコネクタ142が付着することができる。このようなバスバー電極42bは1つだけ備えられることもでき、
図4に示すように、フィンガー電極42aのピッチよりさらに大きいピッチを有しながら複数本で備えてもよい。このとき、フィンガー電極42aの幅よりバスバー電極42bの幅が大きくなることができるが、本発明がこれに限定されるものではない。したがって、バスバー電極42bの幅がフィンガー電極42aの幅と同じか、それより小さい幅を有することができる。
【0053】
第2電極44は、第1電極42のフィンガー電極42a及びバスバー電極42bにそれぞれ対応するフィンガー電極及びバスバー電極を含むことができる。第2電極44のフィンガー電極及びバスバー電極に対しては、第1電極42のフィンガー電極42a及びバスバー電極42bの内容がそのまま適用されることができる。第1電極42のフィンガー電極42aの幅、ピッチ等は、第2電極44のフィンガー電極の幅、ピッチなどと同じであることもあり、互いに異なることができる。第1電極42のバスバー電極42bの幅は、第2電極44のバスバー電極の幅と同じであることもあり、互いに異なることもあるが、第1電極42のバスバー電極42b と第2電極44のバスバー電極は、同じ位置で同じピッチを有するように配置されることができる。
【0054】
このように本実施の形態においては、第1及び第2電極(42、44)が一定のパターンを有しながら部分的に形成される。これにより、第1及び第2電極(42、44)が形成されない部分に光が入射されることができる。太陽電池10が、半導体基板12の前面及び後面に光が入射することができる両面受光型(bi−facial)構造を有する。しかし、本発明が特定の第1及び第2電極(42、44)の形状に限定されるものではなく、様々な形状を有することができる。また、図においては、両面受光型構造を示したが、第2電極44が半導体基板12の後面に全体的に形成されるなど、様々な変形が可能である。
【0055】
以下においては、
図5〜
図7を参照して、本発明の実施の形態に係る太陽電池パネル100の封止材130と、第1及び第2カバー部材(110、120)を詳細に説明する。
【0056】
図5は、本発明の一実施の形態に係る太陽電池パネル100を示す概略的な平面図であり、
図6は、
図5のVI−VI線に沿って切断して見た断面図である。明確な理解及び簡単な図示のために、
図5においては、太陽電池10と封止材130の中央領域(CA)及び外側領域(EA)を基本にして示した。
【0057】
図5及び
図6を参照すると、本実施の形態においては、封止材130が中央領域(CA)と、中央領域(CA)の外側に位置し、中央領域(CA)より大きい厚さを有する補強領域(EA1)が備えられる外側領域(EA)を含むことができる。これにより、太陽電池パネル100は、中央部の外側に位置し、中央部より大きな厚さを有する補強部が備えられる外側部を含むことができる。ここで、封止材130の厚さは、第1カバー部材110と第2カバー部材120との間の距離(すなわち、第1カバー部材110の内側面と第2カバー部材120の内側面との間の距離)で定義することができる。そして、太陽電池パネル100の厚さは、第1カバー部材110の外側面と第2カバー部材120の外側面との間の距離として定義されることができる。
【0058】
中央領域(CA)は、太陽電池パネル100の中心を含みながら、これに接続される領域として、太陽電池パネル100の中心からの封止材130の第1厚さT1と実質的に同じ厚さを有する領域を意味することができる。一例として、中央領域(CA)の厚さは、太陽電池パネル100の中心部分での封止材130の第1厚さT1と30μm未満または10%未満の差を有することができる。このような差は、封止材130自体による厚さの差、封止材130の厚さを測定する装備などの誤差などにより発生することができる程度の差である。このような中央領域(CA)は、複数の太陽電池10の内、太陽電池パネル100の外側に隣接して位置する外側太陽電池10a以外の内側太陽電池10bが位置した部分を含むように位置することができる。本明細書において外側太陽電池10aは、太陽電池パネル100の端に最も近い最外側太陽電池を意味することができる。そして外側領域(EA)は、太陽電池パネル100の端の少なくとも一部を含む領域であるが、本実施の形態においては、外側領域(EA)が中央領域(CA)の第1厚T1より大きい厚さを有する補強領域(EA1)を含む。このような補強領域(EA1)または外側領域(EA)は、外側太陽電池10aの少なくとも一部と重畳されながら、太陽電池パネル100の外側付近に位置することができる。
【0059】
このように封止材130が外側付近で相対的に厚い厚さを有する補強領域(EA1)を備えるように形成されると、太陽電池パネル100の製造の時シラミネート工程(
図8B参照、以下同じ)で封止材130の外部への流出によって、太陽電池パネル100の端付近で封止材130の厚さが減少することを最小化または防止することができる。これにより、太陽電池パネル100の端から封止材130が、最小限の封止特性を維持することができる厚さを有することができる。また、太陽電池パネル100の端または角付近で発生することができる太陽電池10、第1または第2カバー部材(110、120)の損傷を防止することができる。特に、第1カバー部材110及び第2カバー部材120がそれぞれガラス基板を含む太陽電池パネル100において、ラミネート工程中に太陽電池パネル100の端または角の部分に圧力が集中され、その部分で封止特性が大きく低下したり、第1または第2カバー部材(110、120)を構成するガラス基板が割れる問題を効果的に防止することができる。
【0060】
一方、従来にはラミネート工程中に太陽電池パネル100の端または角の部分に圧力が集中して太陽電池パネル100の端または角の部分で封止特性が大きく低下したり、太陽電池10、第1または第2カバー部材(110、120)が損傷することがあった。このような問題は、第1カバー部材110及び第2カバー部材120がそれぞれガラス基板を含む場合に、さらに深刻に発生することができる。
【0061】
ここで、ラミネート工程の前に封止材130の一部の領域(例えば、端またはコーナー領域)を厚くしてもラミネート工程で加えられる熱及び圧力によってラミネート工程中またはラミネート工程の後に端またはコーナー領域で封止材130の厚さが他の部分と同じになるか、または減少することができる。これにより、封止材130の一部の領域を厚くにしてもラミネート工程の後に、太陽電池パネル100が補強領域(EA1)を備えなければ、太陽電池パネル100の端または角付近で発生する封止材130の流出を防止したり、第1または第2カバー部材(110、120)に加えられる圧力を緩衝することに難しさがある。そこで、本実施の形態においては、ラミネート工程後も封止材130の外側に相対的に厚い厚さを有する補強領域(EA1)が残留するようにして、太陽電池パネル100の端または角付近で封止材130の流出が起きても太陽電池パネル100の端から封止材130が一定水準以上の厚さを有して封止特性を向上することができる。そして補強領域(EA1)の残留によりラミネート工程で厚い厚さを有する領域が一種の緩衝作用をするようにする。これにより、ラミネート工程で、第1または第2カバー部材(110、120)を構成するガラス基板が割れる問題を効果的に防止することができる。
【0062】
これと違って、気泡を除去するための厚さで補助封止膜などをさらに備える場合には、端部分での封止材の外部への流出によって端部で封止材の厚さが所望する厚さより薄くなる問題を解決することが難しかった。
【0063】
一例として、本実施の形態において外側領域(EA)は、前述した補強領域(EA1)と、この外側に位置し、補強領域(EA1)の最大厚さである第2厚さT2より小さい厚さを有する端が位置する端領域(EA2)を含むことができる。ここで、補強領域(EA1)は外側太陽電池10aの少なくとも一部に重畳して位置することができる。このとき、補強領域(EA1)は、太陽電池パネル100の端に隣接した外側太陽電池10aの端に向かいながら封止材130の厚さが徐々に大きくなる部分を含むことができる。そして端領域(EA2)は、太陽電池パネル100の端に向かいながら封止材130の厚さが徐々に小さくなることができる。一例として、補強領域(EA1)は封止材130の厚さが第1厚さT1から徐々に大きくなって最大厚さである第2厚さT2に到達した部分までで定義されることができ、端領域(EA2)は、補強領域(EA1)は封止材130の厚さが最大厚さである第2厚さT2から太陽電池パネル100の端からの厚さである第3厚さT3まで徐々に小さくなる部分に定義することができる。
【0064】
本実施の形態において、第1及び第2カバー部材(110、120)の厚さが全体的に均一(例えば、10%以内、一例として、5%以内の誤差を有する)して太陽電池パネル100の厚さが封止材130の厚さと実質的に同一または類似した形態を有する。これにより、太陽電池パネル100は、実質的に同一の厚さを有する中央部と、中央部の外側に位置し、中央部より大きな厚さを有する補強部が備える外側部を含むことができる。このとき、太陽電池パネル100の外側部は、補強部の最大厚さより小さい厚さを有する端が位置する端部をさらに含むことができる。ここで、補強部には中央部より外側に向かいながら、太陽電池パネル100の厚さが徐々に大きくなる部分が含まれることができる。そして端部は太陽電池パネル100の端に向かいながら、太陽電池パネル100の厚さが徐々に小さくなることができる。一例として、太陽電池パネル100の厚さが補強部から外側太陽電池10aの端を向けながら徐々に増加して最大厚さに達した後、端部から太陽電池パネル100の端を向けながら徐々に減少することができる。
【0065】
ここで、補強領域(EA1)の第2厚さT2が、中央領域(CA)の第1厚さT1より30μm以上(さらに具体的には、30μm乃至500μm)大きくなることがあり得る。一例として、補強領域(EA1)の第2厚さT2が、中央領域(CA)の第1厚さT1より60μm 以上(さらに具体的に、60μm乃至300μm )大きくなることがある。または、中央領域(CA)の第1厚さT1の補強領域(EA1)の第2厚さT2と、中央領域(CA)の第1厚さT1の差の割合が10%以上(一例でば、10%乃至35%)で有り得る。このような厚さの差を有さなければ補強領域(EA1)による効果を十分に実現しながらも材料コストを削減することができる。第1厚さT1と第2厚さT2の差が大きすぎると(例えば、500μmを超えると)、太陽電池パネル100の構造的安定性が低下することができる。しかし、本発明がこれに限定されるものではなく、補強領域(EA1)の厚さは、多様に変形することができる。
【0066】
本実施の形態において、一例として、太陽電池パネル100の端からの封止材130の厚さである第3厚さT3が第2厚さT2より小さく、第1厚さT1と同じかそれより小さいことができる。特に、封止材130の第3厚さT3が第1厚さT1より小さいことがある。補強領域(EA1)が備えられる場合にも、端付近での封止材130の外部への流出によって封止材130の第3厚さT3が小さくなることがあるからである。これを防止するために、ラミネート装置を全体的に変更したり、追加の部材を用いると、製造工程が複雑になって生産性が低下することができる。本実施の形態においては、前述した場合にも、第1厚さT1の第3厚さT3の割合が80%以上(一例として、90%以上)で有り得る。補強領域(EA1)によって第3厚さT3が第1厚さT1に比べて過度に小さくなることを防止したからである。
【0067】
太陽電池パネル100の中心から端に向かう方向に見たとき補強領域(EA1)の幅より端領域(EA2)の幅がさらに大きくなることがある。これによると、端領域(EA2)で封止材130の厚さが緩やかに減って構造的安定性を向上することができる。しかし、本発明がこれに限定されるものではなく、補強領域(EA1)の幅が端領域(EA2)の幅と同じか、それより大きくなることがある。太陽電池パネル100の中心から端に向かう方向に見るとき、補強領域(EA1)で厚さが増加するほど(つまり、傾きの絶対値)が端領域(EA2)で厚さが減少するほど(すなわち、傾きの絶対値)と同じであることもあり、大きいか、小さいこともある。一例として、補強領域(EA1)で厚さが増加するほど(つまり、傾きの絶対値)が端領域(EA2)で厚さが減少するほど(つまり、傾きの絶対値)より大きいことがある。これによると、端領域(EA2)で封止材130の厚さが緩やかに減って構造的安定性を向上させることができる。しかし、本発明がこれに限定されるものではなく多様に変形することができる。
【0068】
一例として、封止材130が最大厚さである第2厚さT2を有する部分は、外側太陽電池10aの外側境界部に隣接して位置することができる。つまり、封止材130が最大厚さである第2厚さT2を有する部分は、外側太陽電池10aの外側境界から外側太陽電池10aの長さ(一例として、最大の長さ)の20%以内に位置することができる。しかし、本発明がこれに限定されるものではない。したがって封止材130が最大厚さである第2厚さT2を有する部分の位置が外側太陽電池10aの外側境界と一致するか、外側太陽電池10aの外側境界の内側に位置するか、または外側太陽電池10aの外側境界の外側に位置することができる。その他の様々な変形が可能である。
【0069】
図6においては、太陽電池パネル100の中央部、補強部及び端部の境界がそれぞれ封止材130の中央領域(CA)、補強領域(EA1)及び端領域(EA2)の境界にそれぞれ一致する位置に位置することを例示した。しかし、本発明がこれに限定されるものではない。したがって封止材130の厚さの差が第1及び第2カバー部材(110、120)にそのまま反映されず、太陽電池パネル100の中央部、補強部または端部の境界がそれぞれ封止材130の中央領域(CA)、補強領域(EA1)または端領域(EA2)の境界と完全に一致しなく若干の差があることもある。
【0070】
本実施の形態において、中央領域(CA)が外側領域(EA)、補強領域(EA1)及び端領域(EA2)のそれぞれより大きい面積を有することができる。つまり、外側領域(EA)は、太陽電池パネル100または封止材130の全体の面積に対して50%未満の面積比率を有することができる。具体的に、外側領域(EA)または補強領域(EA1)は外側太陽電池10aの少なくとも一部に重畳して位置するが、内側太陽電池10bには、重畳しないように位置することがある。これによれば、外側領域(EA)または補強領域(EA1)の面積を減らして封止材130の材料コストを減らすことができる。しかし、本発明がこれに限定されるものではない。
【0071】
一例として、
図5に示すように、太陽電池ストリング(S)が、第1方向(図のy軸方向)に沿って長く続き、外側領域(EA)(またはこれに含まれた補強領域(EA1)、以下同じ)が第1方向と交差する第2方向(図のx軸方向)の両側にそれぞれ外側領域(EA)が位置して第1方向に長く続く形状を有することができる。太陽電池ストリング(S)の両側端部(すなわち、第1方向での両側端部)には、バスリボン(
図1の参照符号145、以下同じ)が位置するので、ラミネート工程時の圧力が加わっても、第1または第2カバー部材(110、120)、太陽電池10などの損傷または割れなどの現象があまり深刻である一方、第2方向での両側には、バスリボン145などが全く位置しなくてラミネート工程時の圧力によって、相対的で容易に第1または第2カバー部材(110、120)、太陽電池10などの損傷または割れなどの現象が発生することができる。これを考慮して、本実施の形態においては、外側領域(EA)が第2方向での両側でそれぞれ位置するようにして、圧力による第1または第2カバー部材(110、120)、太陽電池10などの損傷または割れ現象を効果的に防止することができる。このとき、外側領域(EA)が、太陽電池ストリング(S)と平行な方向または長軸方向に長く続く形状を有し少ない数の補強部分132bが十分な面積を有することができ、圧力が集中する部分を効果的に補強することができる。そして、太陽電池ストリング(S)と交差する方向または短縮方向に外側領域(EA)が位置しなくて材料コストを削減することができる。このような場合、第2方向から見たとき封止材130または太陽電池パネル100の厚さが中央領域(CA)または中央部より外側領域(EA)または外側部の少なくとも一部(例えば、補強領域(EA1)または補強部)でさらに大きくなることがある。これとは違って、太陽電池パネル100の長さ方向での両側端部に補強部分が位置すれば、太陽電池パネル100の長さ方向に沿って発生することができる封止材130の厚さの低減の問題を解決することが難しいことがある。
【0072】
しかし、本発明がこれに限定されるものではなく、外側領域(EA)が、少なくとも太陽電池パネル100の端または角の部分で、少なくとも一部位置することができる。一変形例として、例えば、
図7の(a)に示すように、外側領域(EA)が太陽電池ストリング(S)と交差する方向または短縮方向に長く続く形状を有することもできる。このような場合に、第1方向から見たとき封止材130または太陽電池パネル100の厚さが中央領域(CA)または中央部より外側領域(EA)または外側部の少なくとも一部で、さらに大きくなることがある。それでは、外側領域(EA)の面積を減らして材料コストを削減することができる。他の例として、
図7の(b)に示すように、外側領域(EA)が、太陽電池パネル100の全体の端に沿って連続的に長く続くフレーム形状を有して外側領域(EA)による効果を最大化することができる。このような場合に、第1及び第2方向のそれぞれで見るとき、封止材130または太陽電池パネル100の厚さが中央領域(CA)または中央部より外側領域(EA)または外側部の少なくとも一部で、さらに大きくなることがある。また他の例として、
図7の(c)に示すように、外側領域(EA)が、太陽電池パネル100の四隅のそれぞれに対応して部分的に位置することができる。これによれば、外側領域(EA)の面積を最小化することができる。このような場合にコーナー付近で一方向から見るとき、封止材130または太陽電池パネル100の厚さが中央領域(CA)または中央部より外側領域(EA)または外側部の少なくとも一部で、さらに大きくなることがある。また他の例として、
図7の(d)に示したように、外側領域(EA)が、太陽電池ストリング(S)と平行な方向または長軸方向で複数位置することもある。外側領域(EA)は、そのほかに、様々な平面形状を有することができる。
【0073】
このような封止材130の中央領域(CA)と外側領域(EA)(特に、補強領域(EA1))の厚さの差は、第1及び第2封止材(131、132)の内、少なくとも1つが補強封止材で構成されることによるもので有り得る。ここで、補強封止材とは、ベース部分(
図8Aの参照符号132a、以下同じ)と、ベース部分132aの上に位置し、太陽電池10の一部と重畳される、重畳部(OP)を備える補強部分(
図8Aの参照符号132b、以下同じ)を備える封止材を意味することができる。補強封止材については、後で
図8A乃至
図8C、
図10及び
図11を参照して、さらに詳細に説明する。このような補強封止材が補強部分132bを備えるとラミネート工程中の圧力によって押されても他の部分より相対的に大きい厚さを有する部分が残留されるので、補強部分132bが位置する部分に対応するように補強領域( EA1)が位置することができる。ここで、補強部分132bに対応するように補強領域(EA1)が位置するということは、補強部分132bと補強領域(EA1)が完全に一致するだけでなく、補強部分132bが存在していた部分の少なくとも一部と重畳されるよう補強領域(EA1)が位置することを意味することができる。一例として、補強領域(EA1)が補強部分132bより小さい領域で補強部分132bと同一又は類似の形状を有することもあり補強部分132bと、他の形状及び/または面積を有することもできる。または、補強領域(EA1)が補強部分132bと同じか、それより大きな領域で補強部分132bと同一又は類似の形状及び/または面積を有することもあり補強部分132bと、他の形状及び/または面積を有することもある。この場合には、補強部分132bの少なくとも一部が内側に移動して補強領域(EA1)が内側に延長されて位置するものであり、補強領域(EA1)の外側には、縁領域{EA2}が位置することができる。
【0074】
一例として、太陽電池パネル100の製造方法において積層工程(
図8A参照、以下同じ)またはラミネート工程時の上部の方向または圧力が加わる方向の位置になる第2封止材132が補強封止材で構成されることができる。このような構造を有するとラミネート工程中に補強部分132bまたは補強領域(EA1)による緩衝効果を最大化することができる。しかし、本発明がこれに限定されるものではない。したがって、第1封止材131が補強封止材で構成されたり、第1及び第2封止材(131、132)がそれぞれ補強封止材で構成されることもある。また、補強部分132bが第1または第2封止材(131、132)で第1または第2カバー部材(110、120)に対向する面、またはその逆の面、または第1または第2封止材(131、132)の両面に位置することもできる。その他の様々な変形が可能である。
【0075】
前述した封止材130の形状により、第1及び/または第2カバー部材(110、120)が、一部屈曲したり、ラウンドになるか傾斜部分を備える形状を有することができる。例えば、外側領域(EA)(または、外側部)においては、第2厚さT2を有する部分では、外部に向かって突出する突出部の形状を有することができる。一例として、補強領域(EA1)(または、補強部)と端領域(EA2)(または、端部分)が一種のガウス分布の少なくとも一部に対応する形状を有することができる。この場合に外側領域(EA)は、第2厚さT2を有する部分では、外部に向かって突出する突出部の形状を有する第2厚さT2を有する部分の両側に変曲点を有しながら凹に形成される凹部の形状を有することができる。しかし、本発明がこれに限定されるものではなく、外側領域(EA)が全体的に外部に向かって突出する突出部の形状を有することもできる。
【0076】
そして、一例として、
図6は、第2封止材132が補強封止材で構成される場合にも、第1及び第2カバー部材(110、120)が対称される形状を有することを例示した。これはラミネート工程で圧力を一定水準以下に維持したり、空気などで圧力を加えるからであるが、これによると、構造的安定性を向上することがある。しかし、本発明がこれに限定されるものではない。補強部分132bが第1及び第2封止材(131、132)の内、いずれか1つに備えられる場合に、これに隣接する第1または第2カバー部材(110、120)が、一部屈曲したり、ラウンドになれたり傾斜部分を含み、これに隣接しない第1または第2カバー部材(110、120)が平らな平板形状を有することができる。そのほか、さまざまな変形が可能である。
【0077】
このとき、補強封止材で補強部分132bがベース部分132aと同一の物質で構成されることもできる。この場合には、第1または第2封止材(131、132)、または封止材130が境界なしで同一の物質で構成されて一体の構造及び単一のボディを構成することができる。それでは、太陽電池10の一面(前面または後面)に基づいて見ると外側領域(EA)または補強領域(EA1)が中央領域(CA)と同一の物質を有することができる。
【0078】
または、補強封止材で補強部分132bがベース部分132aと他の物質を有することができる。それでは、太陽電池10の一面(前面または後面)に基づいて見るとき外側領域(EA)または補強領域(EA1)の少なくとも一部が中央領域(CA)と他の物質を有する部分を含むことができる。一例として、外側領域(EA)または補強領域(EA1)で中央領域(CA)と他の物質を有する部分は、他の部分より低硬度及び高い弾性を有する物質で構成されることができる。それでは、補強領域(EA1)での低硬度及び高弾性によって緩衝作用を最大化することができる。しかし、本発明がこれに限定されるものではない。これにより、ベース部分132aと補強部分132bの物質は、多様に変形することができる。前述したように、第2封止材132が補強部分132bを備える場合には、封止材132から他の物質で構成された部分の少なくとも一部が太陽電池10と第2カバー部材120との間で外側付近に位置することができる。しかし、本発明がこれに限定されるものではない。
【0079】
ここで、第1及び第2封止材(131、132)の内、いずれか1つが補強封止材で構成される場合に、補強封止材のベース部分132a及び補強部分132bは、第1及び第2封止材(131、132)の内、他の一つの一部または全体と同一の物質または他の物質を有することができる。
【0080】
以下においては、太陽電池パネル100の製造方法を詳細に説明しながら、封止材130のベース部分132a及び補強部分132bと、封止材130の第1区域(A1)及び第2区域(A2)を詳細に説明する。
【0081】
図8A乃至及び
図8Cは、本発明の実施の形態に係る太陽電池パネル100の製造方法を概略的に示す図である。
図9は、本発明の一実施の形態に係る太陽電池パネル100に適用することができるベース部分132a及び補強部分132bを有する封止材130(一例として、第2封止材132)と太陽電池10を一緒に示す概略的な平面図である。
【0082】
まず、
図8Aに示すように、積層工程においては、ラミネート装置の作業台200上に第1カバー部材110、第1封止材131、太陽電池10及び第1封止材132及び第2カバー部材120を積層した積層構造体100aを位置させる。
図8A及び
図8Bには、明確な理解のために、第1カバー部材110、第1封止材131、太陽電池10及び第1封止材132及び第2カバー部材120を互いに離隔して示したが、実際には互いに接触した状態で位置することができる。
【0083】
このとき、第1及び第2封止材(131、132)の内、少なくとも一つ、一例として、本実施の形態では、第2封止材132が、ベース部分132aと、ベース部分132aの上に位置し太陽電池10の少なくとも一部と重畳される重畳部(OP)を備える補強部分132bを備える。
【0084】
このように補強部分132bが、太陽電池10の少なくとも一部と重畳される重畳部(OP)を備えるように配置されると、補強部分132bによる効果を効果的に実現することができる。一例として、補強部分132bが、太陽電池パネル100の端に隣接して、少なくとも外側太陽電池10aと、重畳される重畳部(OP)を備えることができる。外側太陽電池10aの幅の重畳部(OP)の幅の比率が10%以上で有り得る。または、補強部分132bの幅(W)が5cm以上(一例として、7cm以上)で有り得る。このような範囲内で補強部分132bによる効果を最大化することができる。このとき、重畳部(OP)は、内側太陽電池10bには、重畳しないように位置することができる。
【0085】
そして、補強部分132bせずに、ベース部分132aのみ備えた第1区域(A1)がベース部分132a及び補強部分132bが一緒に備えた第2区域(A2)より大きい面積を有することができる。つまり、補強部分132bは、封止材130の全体の面積に対して50%未満の面積比率を有することができる。これによれば補強部分132bの面積を減らして封止材130の材料コストを削減することができる。しかし、本発明がこれに限定されるものではない。
【0086】
このとき、ベース部分132aが一定の厚さT10を有し補強部分132bが一定の厚さT20を有する。これにより、補強部分132bせずに、ベース部分132aのみ備えた第1区域(A1)は、ベース部分132aの厚さT10だけを有し、ベース部分132a及び補強部分132bが一緒に備えされた第2区域(A2)は、ベース部分132aの厚さT10及び補強部分132bの厚さT20の合に相当する厚さを有することができる。例えば、第1区域(A1)が100〜600μmの厚さを有することができ、第2区域(A2)が150〜1100μmの厚さを有することができる。これにより、補強部分132bが備えられた第2区域(A2)が相対的に厚い厚さを有することができる。このように補強部分132bは、ラミネート工程時の圧力が集中して、第1及び第2カバー部材(110、120)、及び/または太陽電池10に損傷を与えることができる部分に部分的に形成されて厚さを増加させる部分として、緩衝作用または補強作用をする部分である。そして、第1区域(A1)は、相対的に薄い厚さを有するので、第1区域(A1)で封止材130の体積または厚さを減らして材料コストを削減することができる。
【0087】
特に、本実施の形態においては、ラミネート工程後にも補強部分132bの少なくとも一部に対応する部分に形成された補強領域(EA1)が中央領域(CA)より相対的に大きい厚さを有することができるようにする補強封止材を使用することができる。それでは、補強封止材の補強部分132bによって封止材130が外部に流出することを防止することができ、緩衝作用を最大化してラミネート工程中に、第1及び第2カバー部材(110、120)、及び/または太陽電池10の損傷または割れ現象などを効果的に防止することができる。
【0088】
一例として、補強部分132bの厚さT20がベース部分132aの厚さT1より小さいことができる。これとは違って補強部分132bの厚さT2が大きければ、第1区域(A1)と第2区域(A2)との間の段差が大きくなり、所望しない工程不良などが発生することができる。一例として、補強部分132bの厚さT10のベース部分132aの厚さT20の割合(T20/T10)が0.3乃至0.8で有り得る。しかし、本発明がこれに限定されるものではない。
【0089】
補強部分132bは、
図5及び
図7に示した外側領域(EA)と対応する形状を有することができる。
【0090】
例えば、
図5に示した外側領域(EA)に対応するように、
図9に示すように、補強部分132bが太陽電池ストリング(S)が延長される第1方向(図のy軸方向)に沿って長く続き、第1方向と交差する第2方向(図のx軸方向)の両側にそれぞれ補強部分132bが位置することができる。このような補強部分132bを備える補強封止材を用いると、
図5に示すような外側領域(EA)が形成されることができる。
【0091】
そして一変形例として、
図7の(a)に示した外側領域(EA)(または補強領域(EA1)、以下同じ)に対応するように、補強部分132bが太陽電池ストリング(S)と交差する方向または短縮方向に長く続く形状を有することもできる。他の例として、
図7の(b)に示した外側領域(EA)に対応するように、補強部分132bが太陽電池パネル100の全体の端に沿って連続的に長く続くフレーム形状を有することもできる。また他の例として、
図7の(c)に示した外側領域(EA)に対応するように、補強部分132bがベース部分132aまたは太陽電池パネル100の四隅のそれぞれに対応して部分的に位置することができる。これによれば補強部分132bの面積を最小化することができる。また他の例として、
図7の(d)に示した外側領域(EA)に対応するように、補強部分132bが太陽電池ストリング(S)と平行な方向または長軸方向で複数で位置することもできる。補強部分132bは、そのほかに、様々な平面形状を有することができる。
【0092】
続いて、
図8Bに示すように、ラミネート工程では、積層構造体100aに熱及び圧力を加えて、第1カバー部材110、第1封止材131、太陽電池10及び、第1封止材132及び第2カバー部材120を一体化する。つまり、ラミネート工程の高い温度で封止材130が溶融して硬化して圧力によって圧着される第1カバー部材110と第2カバー部材120の間のスペースを封止材130が完全に満たしながら、太陽電池10を封止することができる。これにより、封止材130によって、第1カバー部材110と第2カバー部材120の間のスペースが完全に満たすことができる。これによって、
図8Cに示すような太陽電池パネル100が製造される。一例として、空気圧を提供して、第1カバー部材110、第1封止材131、太陽電池10及び、第1封止材132及び第2カバー部材120を一体化することができる。これによれば、太陽電池10などに大きな圧力を加えずに、ラミネート工程が実行されることができる。
【0093】
第1及び第2カバー部材(110、120)が全て、ガラス基板を備える太陽電池パネル100の製造時補強部分132bを備える補強封止材を使用しないとラミネート工程中に第1及び第2カバー部材(110、120)、及び/または太陽電池10の損傷または割れ現象などがひどく発生することがあるが、本実施の形態においては、補強部分132bを備える補強封止材を使用して、これを効果的に防止することができる。
【0094】
前述したように、本実施の形態においては、ラミネート工程後にも封止材130が、互いに異なる厚さを有する中央領域(CA)及び外側領域(EA)(一例として、補強領域(EA1))を備えることができ、これに対応するように、太陽電池パネル100の外側部で中央部より大きな厚さを有する部分(補強部)が備えられることがある。このような構造では、封止材130の外部への流出によって、太陽電池パネル100の端で発生することができる封止材130の厚さの低減現象を効果的に防止し、第1及び第2カバー部材(110、120)、及び/または太陽電池10の損傷または割れ現象をさらに効果的に防止することができる。これにより、太陽電池パネル100の製造時の不良率を低減することができる。
【0095】
図8A〜
図8Cにおいては、ベース部分132aと補強部分132bが互いに同一の物質で構成されながら、一体の構造を構成して、補強部分132bを備える補強封止材が単一のボディを有することを例示した。このような補強封止材は、押出加工(extrusion)によって形成されることができる。一例としては、Tダイ(T−die)、カレンダーリング(CAlendering)などを利用した押出加工で形成することができる。
【0096】
しかし、本発明がこれに限定されるものではない。変形例として、
図10に示すように、ベース部分132aと補強部分132bが互いに他の物質を有したり別に形成することができる。このようなベース部分132aと補強部分132bは、接着層(図示せず)によって接続されて使用されたり、別の接着層なしにベース部分132aの上に補強部分132bを乗せて置いて積層構造体100aの一部を形成することにより、使用することができる。ベース部分132aと補強部分132bが互いに他の物質を含む場合には、補強部分132bが緩衝作用を最大化することができる物質で構成されることができる。例えば、補強部分132bがベース部分132aより低い硬度及び高い弾性を有し緩衝作用を最大化することができる。しかし、本発明がこれに限定されるものではなく、ベース部分132a及び補強部分132bは、様々な物質を有することができる。
【0097】
図11の(a)に、本発明の実施の形態とのように補強部分132bを備える補強封止材を備えた太陽電池パネルを撮影した写真を添付しており、
図11の(b)に、本発明の補強部分を備えていない封止材を備えた比較例に係る太陽電池パネルを撮影した写真を添付しました。実施の形態及び比較例による太陽電池パネルは、封止材が補強部分を備えたかどうかだけを除外し、他の構造、物質、特性などがすべて同一であった。
図11の(a)に示すように、本発明の実施の形態に係る太陽電池パネルにおいては、太陽電池の割れ現象が発生しなかったが、
図11の(b)に示すように、比較例に係る太陽電池パネルにおいては、太陽電池の割れ現象が発生したことが分かる。このことから、補強部分132bを備える第1及び/または第2封止材(131、132)によってラミネート工程での太陽電池の割れ現象を防止することができることが分かる。
【0098】
そして、補強部分132bによって高い温度及び/または十分な圧力でラミネート工程を行うことができるところ、ラミネート工程の工程時間を効果的に短縮することができる。例えば、ラミネート工程の工程時間を20%まで短縮することができる。一方、ラミネート工程中、相対的に小さな圧力が加わる第1及び/または第2封止材(131、132)の部分は、相対的に小さな厚さを有するベース部分132aのみ位置させて封止材130の材料コストを最小化することができる。これにより、太陽電池パネル100の製造時の生産性を大幅に向上することができる。
【0099】
以下においては、本発明の他の実施の形態に係る太陽電池パネルを詳細に説明する。前述した説明と同一又は極めて類似の部分については詳細な説明を省略し、互いに異なる部分についてのみ詳細に説明する。そして、前述した実施の形態またはこれを変形した例と下の実施の形態またはこれを変形した例を、互いに結合したものもまた、本発明の範囲に属する。
【0100】
図12は、本発明のまた他の実施の形態に係る太陽電池パネルを示す断面図である。
【0101】
図12を参照すると、本実施の形態に係る太陽電池パネル100においては、第1及び第2カバー部材(110、120)の内、少なくとも1つが、厚さが他の部分を含むことができる。
【0102】
例えば、前述した実施の形態のように封止材130は、中央領域(CA)と、中央領域(CA)の外側に位置し、中央領域(CA)より大きい厚さを有する補強領域( EA1)が備えられる外側領域(EA)を含むことができる。第1または第2カバー部材(110、120)は、中央部分と、中央部分より薄い厚さを有する外側部分を含むことができる。これは、ガラス基板で構成される第1または第2カバー部材(110、120)の製造工程で圧延工程等により第1または第2カバー部材(110、120)の外側部の厚さが中央部より薄くなることがあるからである。このような場合には、太陽電池パネル100の外側部が中央部より大きな厚さを有する補強部を含むこともでき、太陽電池パネル100の中央部と同じ厚さを有したり、中央部より小さい厚さを有することもできる。
【0103】
図12においては、第1及び第2カバー部材(110、120)がそれぞれ相対的に薄い厚さを有する外側部分を備えたことを例示した。しかし、本発明がこれに限定されるものではなく、第1及び第2カバー部材(110、120)の内、少なくとも1つが相対的に薄い厚さを有する外側部分を備えることもできる。また、
図12においては、第1または第2カバー部材(110、120)の両側端に位置する外側部分が相対的に薄い厚さを有することを例示した。しかし、本発明がこれに限定されるものではなく、第1または第2カバー部材(110、120)の端の内、少なくとも一つに位置する外側部分が相対的薄い厚さを有することができる。この時には、相対的薄い厚さを有する外側部分の位置等を考慮して補強部分(
図8または
図10の参照符号132b、以下同じ)、補強領域(EA1)などを位置することができる。
【0104】
図13は、本発明のまた他の実施の形態に係る太陽電池パネルを示す断面図である。
【0105】
図13を参照すると、本実施の形態に係る太陽電池パネル100においては、第1または第2カバー部材(110、120)の表面(特に、内面)に反射を防止するための反射防止構造(110a、120a)が形成されることができる。反射防止構造(110a、120a)は、表面粗さを増加させることができる様々な形状、大きさなどを有する凹凸部で構成することができる。反射防止構造(110a、120a)によって太陽電池パネル100に入射される光量を最大化して、太陽電池パネル100の出力を向上することができる。
【0106】
ところで、反射防止構造(110a、120a)を備える場合には、ラミネート工程中に加わる圧力によって封止材130の外部への流出がさらに多く起こることができる。このような構造で、前述した実施の形態のように封止材130が、中央領域(CA)と、中央領域(CA)の外側に位置し、中央領域(CA)より大きい厚さを有する補強領域(EA1)が備えられる外側領域(EA)を含むことができる。それでは、端付近で封止材130の外部への流出が相対的多く発生できる構造で封止材130の外部への流出を効果的に防止することができる。
【0107】
図13においては、第1及び第2カバー部材(110、120)が均一な厚さを有して太陽電池パネル100が封止材130と類似な厚さの形態を有することを例示した。しかし、本発明がこれに限定されるものではなく、第1及び第2カバー部材(110、120)の内、少なくとも1つが、
図12を参照した実施の形態のように、互いに異なる厚さを有する部分を含むこともできる。そして、
図13においては、第1及び第2カバー部材(110、120)がそれぞれ反射防止構造(110a、120a)を有することを例示した。しかし、本発明がこれに限定されるものではなく、第1及び第2カバー部材(110、120)の内、少なくとも1つが反射防止構造(110a、120a)を有することもできる。また、
図13においては、第1及び第2カバー部材(110、120)の内面に反射防止構造(110a、120a)が形成されたことを例示した。しかし、本発明がこれに限定されるものではなく、第1または第2カバー部材(110、120)の外面にも反射防止構造(110a、120a)が形成されることもできる。その他の様々な変形が可能である。
【0108】
前述した実施の形態においては、中央領域(CA)より外側領域(EA)の少なくとも一部(例えば、補強領域(EA1)または端領域(EA2))が厚い厚さを有することを例示した。しかし、本発明がこれに限定されるものではない。この他の実施の形態を
図14を参照して説明する。
【0109】
図14は、本発明のまた他の実施の形態に係る太陽電池パネルを示す断面図である。
【0110】
図14に示すように、第1及び/または第2封止材(131、132)が補強封止材を用いて形成された場合でも、中央領域(CA)と外側領域(EA)が実質的に同一の厚さを有し太陽電池パネル100の厚さが均一することもできる。この場合には、中央領域(CA)の密度より外側領域(EA)の少なくとも一部(例えば、補強領域(EA1)または端領域(EA2))の密度がさらに大きいか、または
図14の拡大円に示したように、太陽電池パネル100の外側領域に段差(SP)または厚さが変化する傾斜部が位置することができる。これは補強封止材で相対的に厚い補強部分132bが位置した部分が他の部分と同じレベルで圧縮しなければならないので、当該部分の密度がさらに大きくなったり、これによって厚さの変化が発生するためである。ただし、このような場合には、ラミネート工程中に補強領域(EA1)による緩衝作用が十分でなくて封止材130の外部への流出を防止したり、カバー部材(110、120)の損傷を防止する効果が十分でないことがある。
【0111】
図4においては、太陽電池10の一面に基づいて、バスバー電極(42b、44b)が3つの備え、インターコネクタ142が3つ備えられたことを例示したが、本発明がこれに限定されるものではない。バスバー電極(42b、44b)及びこれに一対一接続されるインターコネクタ142の数が2つ以上で有り得る。
【0112】
一例として、インターコネクタ142がワイヤ形状の配線材で構成されることができる。このような例を
図15及び
図16を参照して、詳細に説明する。
図15は、本発明の他の実施の形態に係る太陽電池パネルに含まれる太陽電池及びそれに接続された配線材を示した前面平面図である。
図16は、
図15に示した太陽電池及びそれに接続された配線材を切断して見た部分断面図である。
【0113】
図15及び
図16を参照すると、ワイヤ形状の配線材は、一例として、各太陽電池10の一面に基づいてリボンの数(例えば、2つ〜5つ)より多くの数で備えることができる。それでは、小さな幅を有する配線材によって光損失及び材料コストを最小化しながら、多くの数の配線材によってキャリアの移動距離を減らすことができる。このように光の損失を減らしながら、キャリアの移動距離を減らして太陽電池10の効率及び太陽電池パネル100の出力を向上することができ、配線材による材料コストを減らして太陽電池パネル100の生産性を向上することができる。
【0114】
一例として、一面に基づいて、バスバー電極42b及びインターコネクタ142の数がそれぞれ6個乃至33個(例えば、8つ乃至33個、一例として、10個乃至33個、特に、10〜15個)で有り得、互いに均一な間隔を置いて位置することができる。
【0115】
そしてワイヤ形状の配線材は、相対的に広い幅(例えば、1mmを超過)を有するリボンより小さい幅を有することができる。一例として、配線材の最大幅が1mm以下(一例として、500μm以下、さらに具体的には、250〜500μm)で有り得る。ここで、配線材の最大幅は、配線材の中心を通る幅の内、最も大きな幅を意味することができる。配線材が前述した最大幅を有するとき配線材の抵抗を低く維持し、光損失を最小化限しながらも太陽電池10に円滑に取り付けることができる。
【0116】
このように、小さな幅を有する配線材の数を多い数で使用する場合に、太陽電池10に配線材を取り付ける工程が複雑になることを防止するために、本実施の形態において配線材は、コア層142aとこれの表面に形成されるはんだ層142bを一緒に備えた構造を有することができる。それでは、複数の配線材を太陽電池10に載せておいた状態で、熱と圧力を加える工程によって、多くの数の配線材を効果的に取り付けることができる。
【0117】
このような配線材またはこれに含まれて配線材の大部分を占めるコア層142aがラウンドになった部分を含むことができる。つまり、配線材またはコア層142aの断面は、少なくとも一部が円形、または円形の一部、楕円形、または楕円形の一部、または曲線からなる部分を含むことができる。
【0118】
このような形状を有すると、はんだ層142bをコア層142aの表面上に全体的に位置する構造で配線材を形成して、はんだ物質を別々に塗布する工程などを省略し、太陽電池10の上に直接配線材を位置させて配線材を取り付けることができる。これにより、配線材の付着工程を単純化することができる。また、配線材のラウンドになった部分で反射または乱反射が誘導され、配線材に反射された光が太陽電池10に再入射され、再利用されることができる。これによれば、太陽電池10に入射される光量が増加されるので、太陽電池10の効率及び太陽電池パネル100の出力を向上することができる。しかし、本発明がこれに限定されるものではない。したがって配線材を構成するワイヤが四角形などの多角形の形状を有することができ、その他の様々な形状を有することができる。
【0119】
本実施の形態において配線材は、金属からなるコア層142aと、コア層142aの表面上に形成され、はんだ物質を含み電極(42、44)とはんだ付けが可能にするはんだ層142bを含むことができる。つまり、はんだ層142bは、一種の接着層のような役割をすることができる。一例として、コア層142aは、Ni、Cu、Ag、Alなどを主な物質(一例として、50wt%以上含む物質、さらに具体的に90wt%以上含まれる物質)で含むことができる。はんだ層142bは、Pb、Sn、SnIn、SnBi、SnPb、SnPbAg、SnCuAg、SnCuなどのはんだ物質を主物質として含むことができる。しかし、本発明がこれに限定されるものではなく、コア層142a及びはんだ層142bが、様々な物質を含むことができる。
【0120】
一方、テビン工程によって配線材を太陽電池10に付着すると、
図16に示すように、太陽電池10に取り付けまたは接続された配線材の部分でのはんだ層142bの形状が変化することになる。
【0121】
さらに具体的に、配線材は、はんだ層142bによってバスバー電極42b(一例として、バスバー電極42bの長さ方向に位置する複数のパッド部422に取り付けることができる。テビン工程によって配線材が太陽電池150に取り付ける時、テビン工程中、各はんだ層142bが第1または第2電極(42、44)(さらに具体的には、パッド部422)の方向に全体的にずり落ちて、各パッド部422に隣接した部分またはパッド部422とコア層142aとの間に位置した部分ではんだ層142bの幅がパッド部422を向かいながら徐々に大きくなることができる。一例として、はんだ層142bでパッド部422に隣接した部分は、コア層142aの幅または直径と同じか、それより大きな幅を有することができる。このとき、はんだ層142bの幅は、パッド部422の幅と同じか、それより小さいことがある。
【0122】
このように、複数の配線材を含む構造では、配線材が太陽電池10の端の近くに位置するようになるため、積層工程中に太陽電池10に圧力がさらに多く与えることができる。また、複数の配線材は、ラウンドになった形状を有するか、幅に比べて相対的に厚さが厚いので、平らな形状を有するリボンに比べてラミネート工程での圧力を分散する効果が少ないことがある。このように配線材が備えられたらラミネート工程での圧力分散効果が大きくなくてラミネート工程中に太陽電池10などに亀裂が生じるなどの問題がさらに多く発生することができる。このような構造に本実施の形態に係る封止材130が適用されてラミネート工程中に太陽電池10などに亀裂が生じるなどの問題を効果的に防止することができる。
【0123】
このような本発明は、国家研究開発事業の支援によるもので、課題固有番号20163010012430(省庁名:産業通商資源部、研究管理の専門機関:韓国エネルギー技術評価院)及び課題固有番号1415148844(省庁名:産業通商資源部、研究管理の専門機関:韓国産業技術振興院)によるものです。
【0124】
以上、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明したが、本発明の権利範囲はこれに限定されるものではなく、次の請求の範囲で定義している本発明の基本的な概念を利用した当業者の様々な変形及び改良形態また、本発明の権利範囲に属するものである。