(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0026】
本開示の概念は様々な修正及び代替の形態の影響を受けやすいが、本開示の特定の例示の実施形態が例示として図面に示され、本明細書において詳細に記載される。しかしながら、本開示の概念を開示される特定の形態に限定しようとするものではなく、反対に、本発明の趣旨及び範囲内にある全ての修正、等価物、及び代替物を、添付の特許請求の範囲によって定義されるものとして包含することを意図することを理解すべきである。
【0027】
解剖学的参照を表す、前、後、内側、外側、上、下などの用語は、本明細書の全体を通じて、本明細書において述べられる整形外科用インプラント及び外科器具に関して、並びに患者の自然の解剖学的構造に関して使用されうる。これらの用語は、解剖学の研究及び整形外科学の分野のいずれにおいても広く理解された意味を有するものである。明細書及び特許請求の範囲におけるこれらの解剖学的基準を表す用語の使用は、特に断らないかぎりは、それらの広く理解されている意味と一貫性を有するものとする。
【0028】
図1〜11を参照し、整形外科用器具システム10(以降、システム10)が使用される。システム10は、膝全置換手順などの、関節形成手順中に使用される。しかしながら、システム10は膝全置換手順の実施に関して以下で記載されているものの、システム10に関連するいくつかの概念は、全身の他の様々な関節の置換手順において使用され得ることが理解されるべきである。
【0029】
図1に示されるように、システム10は、脛骨基部トライアルコンポーネント14、複数のインサートコンポーネント16、大腿骨トライアルコンポーネント18、及び複数の脛骨軸受トライアルコンポーネント20を含む、複数のトライアルコンポーネント12を有する。システム10はまた、脛骨キールパンチ22(
図7参照)、並びに複数の外科用ツール、例えば、位置合わせハンドル26、及び嵌入ハンドル28(
図12参照)を含み、これらは、以下により詳細に記載されるように、整形外科処置の実施中に、トライアルコンポーネント12及び他の外科用器具を操作するために使用される。
【0030】
システム10は、患者の自然関節と置換することになる膝プロテーゼのプロテーゼコンポーネントの寸法を決定し、選択するために使用され得る。このため、大腿骨トライアルコンポーネント18は、患者の大腿骨602の外科的に準備された遠位端600に取り付けられ(
図13参照)、一方で脛骨基部トライアルコンポーネント14は、患者の脛骨606の外科的に準備された近位端604に取り付けられる(
図13参照)。脛骨軸受トライアルコンポーネント20のうちの1つは、大腿骨トライアルコンポーネント18と脛骨基部トライアルコンポーネント14との間において脛骨基部トライアルコンポーネント14上に位置付けられる。以下でより詳細に記載されるように、外科医は、埋め込まれる様々な種類のプロテーゼのそれぞれの種類及び構成を決定するために、整復プロセスにおいてシステム10を使用する。
【0031】
システム10は、外科整形手順の実施中に、脛骨トレーなどの脛骨プロテーゼコンポーネントの埋め込みのために、患者の脛骨606の近位端604を外科的に準備するために使用され得る。脛骨基部トライアルコンポーネント14及びガイドタワー24は、患者の脛骨606の近位端604上に位置付けられ、外科医はトライアルコンポーネント14及びタワー24を用いて患者の脛骨606の近位端604の穴をリーマにより拡大しながら、例えば外科用ドリルを案内する。したがって、キールパンチ22は、ガイドタワー24が除去される前に、患者の脛骨606の近位端604内に埋め込まれる。以下でより詳細に記載されるように、外科医が膝プロテーゼのコンポーネントを挿入する前に、キールパンチ22で追加的な整復が行なわれてもよい。
【0032】
図1に見ることができるように、基部トライアルコンポーネント14は、上面32、下面34、及び表面32と表面34との間に延びる外側側壁36を有するプレート30を含む。プレート30は、上面32に画定されたプレート開口部38を有している。プレート開口部38は、中央開口部40、及びそこから外側に延びる一対の細長い開口部42を有する。内壁44が、開口部38から下方に延びてプレート30を通じた通路46を画定している。内壁44は、上側壁48、及び上側壁48から内側にオフセット又は間隔をおいた下側壁50を有している。上側壁48及び下側壁50は、共にそれらの間に棚面52を画定する。以下でより詳細に記載されるように、通路46の構成は、様々な外科用ドリル、パンチ及び他の器具が、患者の脛骨606の近位端604内に前進することを可能にする。脛骨基部トライアルコンポーネント14は、様々な寸法の脛骨に適合するように、複数の異なる寸法に形成され得ることを理解されたい。
【0033】
プレート30はまた、レバー受容ノッチ54を含み、これはその前側側面56内に画定される。ノッチ54は、位置合わせハンドル26に関連付けられたレバー66を受容するように構成される(
図15参照)。
【0034】
次に、
図2〜
図5を参照すると、インサートコンポーネント16は脛骨評価コンポーネント又は「評価弾丸状部」として具現化される。脛骨評価コンポーネント16は、基部トライアルコンポーネント14のプレート開口部38内に独立して位置付けられるように構成される。それぞれの脛骨評価コンポーネント16は、内部に画定された周辺リム82を有する基部プレート78を有する。リム82は、脛骨評価コンポーネント16が基部トライアルコンポーネント14上に設置されると、基部トライアルコンポーネント14の棚面52と係合するように構成される下面84を有する。基部プレート78は、基部トライアルコンポーネント14の中央開口部40内に受容されるような寸法の中央プラットフォーム86を含む。本体80はまた、中央プラットフォーム86から外側に延びる一対の突起部88、90を含む。突起部88、90は、基部トライアルコンポーネント14の細長い開口部42内に受容される大きさである。
【0035】
脛骨評価コンポーネント16の基部プレート78は、その上面96から上に延びる中央柱94を含む。柱94は、その上端内に形成されたコネクタ98を有する。コネクタ98は、脛骨評価コンポーネント16をハンドル28に固定するために、嵌入ハンドル28に関連付けられた係止フランジを受容するように構成される。コネクタ98は、中央柱94の長手方向軸から離れる方向に前方に延びるフランジ100を含む。フランジ100は、その内部に画定された傾斜面102を有する。具体的には、フランジ100の下面104は脛骨評価コンポーネントの基部プレート78の上面96に実質的に平行に延び、それに対して、フランジの上面106は前方から後方の方向に上方に傾斜している。換言すれば、
図3に明瞭に見ることができるように、フランジの上面106及び下面104の前縁は互いに集中し、フランジ100の先端縁108を形成する。上面106は前方から後方の方向に上方に傾斜し、そのため、フランジ100の上面106が下面104から離間した距離は、その先端縁108と反対側のフランジ100の端部においてより大きい。以下においてより詳細に説明されるように、このような傾斜面は脛骨軸受トライアルアセンブリ20の据え付けを容易にする。
【0036】
図2及び
図4に最もうまく示されるように、中央柱94はまた、その上端内に画定された開口部112を有する。内壁が開口部112から下方に延び、脛骨評価コンポーネント16を貫通する中央通路114を画定する。開口部112は、嵌入ハンドル28に関連付けられたガイドピン(図示せず)を受容するように構成される(
図12参照)。中央通路114の内壁は、脛骨評価コンポーネント16が単一の所定の配向でのみ嵌入ハンドル28に取り付けられることを許す鍵状部位(図示せず)を有する。
【0037】
脛骨評価コンポーネント16の中央柱94は、柱の曲面状側壁から突起部90に向かって外側に延びる回転止めブロック又は突出部120を有する。以下においてより詳細に説明されるように、回転止め突出部120は脛骨軸受トライアルコンポーネント20と係合し、脛骨軸受トライアルコンポーネント20が脛骨基部トライアルコンポーネント14に対して回転することを阻止するか又は許す。他の実施形態では、突出部120は、例えば、中央柱94の他方の側に形成され、それにより、突起部88に向かって延びる場合もあり得ることを理解されたい。また、他の実施形態では、脛骨評価コンポーネント16は追加の回転止め突出部を含む場合があることも理解されたい。例示的な実施形態では、回転止め突出部120は、その内部に画定された傾斜面116を有する。具体的には、
図2に見ることができるように、突出部の前方上面118の一部分は前方から後方の方向に上方に傾斜している。以下においてより詳細に説明されるように、このような傾斜面116は脛骨軸受トライアルアセンブリ20の据え付けを容易にする。
【0038】
脛骨評価コンポーネント16の中央柱94は、柱94の長手方向軸から外側に延びる一対の鍔部122を有する。
図2に見ることができるように、鍔部122のうちの一方は突起部90に向かって外側に延び、他方の鍔部は突起部88に向かって延びる。鍔部122のそれぞれの上面は、その内部に画定された傾斜面124を有する。鍔部の傾斜面124は前方から後方の方向に上方に傾斜している。具体的には、
図3及び
図5に最もうまく見ることができるように、傾斜面124の前端126は脛骨評価コンポーネントの基部プレート78の上面96と同一平面上にあり、それに対して、傾斜面の後端128は脛骨評価コンポーネントの基部プレート78の上面96から上方に離間している。その結果、傾斜面124は前方から後方の方向に上方に傾斜している。以下においてより詳細に説明されるように、このような傾斜面は脛骨軸受トライアルアセンブリ20の据え付けを容易にする。
【0039】
図1に戻ると、脛骨評価コンポーネント16は、スパイク付きコンポーネント及びスパイク無しコンポーネントとして具現化されてもよい。スパイク付き脛骨評価コンポーネント16は、突起部88、90からそれぞれ下方に延びる一対の取り付けスパイク130を含む。各スパイク130は、患者の脛骨606の近位端604と係合するように構成された、上方円筒区分134及び尖った円錐先端部136を含み、それによって基部挿入部126を、患者の脛骨606の近位端604へと一時的に固定する。
【0040】
上記のように、システム10はまた、患者の大腿骨602の遠位端600へと固定されるように構成される大腿骨トライアルコンポーネント18を含む(
図13参照)。大腿骨トライアルの一例が、Thomas Wogomanによる2012年6月22日に出願された「Polymer Femoral Trial Component」と題する、同時係属中の米国特許出願第13/530,239号に示され、説明されている。同出願は本明細書において参照により明示的に組み込まれている。大腿骨トライアルコンポーネント18は、外科医が、患者の自然大腿骨顆を模倣する大腿骨プロテーゼコンポーネントを選択するのを補助する。そのため、大腿骨トライアルコンポーネント18は、自然大腿骨の顆を近似するように形状を与え得る(すなわち、湾曲させ得る)、一対の顆表面140、142を含む。
【0041】
次に
図6を参照すると、システム10の複数の脛骨軸受トライアルコンポーネント20が示される。上述のように、本明細書に記載されている例示的な実施形態において、脛骨軸受トライアルコンポーネント20は、外科医が、膝プロテーゼのプロテーゼ脛骨軸受コンポーネントの寸法及び構成を選択するのを補助するように構成される複数部品アセンブリである。
図6に示されるように、所与の脛骨トライアルコンポーネント20が、複数の脛骨軸受面トライアルコンポーネント192の1つ、及び複数のトライアルシム190の1つと組み合わせられてもよい。一実施形態では、軸受面トライアルコンポーネント192は異なる寸法及び/又は構成で提供されてもよく、それぞれのシム190は異なる厚さを有してもよい。それぞれのシム190は、それぞれの軸受面トライアルコンポーネント192に固定されるように構成されているため、外科医は、1つの寸法及び構成の脛骨軸受トライアルコンポーネント20を組み立て、その脛骨軸受トライアルコンポーネント20の性能を評価し、その後、埋め込まれるプロテーゼ脛骨軸受コンポーネントの構成の種類及び構成を手術中に決定するために、必要に応じて脛骨軸受トライアルコンポーネント20を修正することができる。
【0042】
図6に見ることができるように、脛骨軸受トライアルコンポーネント20はそれぞれ、その後面196内に画定される先端縁194を有する。以下においてより詳細に説明されるように、脛骨軸受トライアルコンポーネント20の据え付けの間において、脛骨軸受トライアルコンポーネント20の先端縁194は脛骨評価コンポーネント16の傾斜面に接触して乗り上がり、それにより、患者の脛骨606の亜脱臼を伴うことなく、脛骨軸受トライアルコンポーネント20の据え付けを容易にする。
【0043】
図6に戻ると、軸受面トライアルコンポーネント192の一方は、固定軸受面トライアルコンポーネントである。用語「固定軸受面トライアルコンポーネント」とは、本明細書で使用されるとき、軸受面トライアルコンポーネント192及びシム190が取り付けられたときに、脛骨基部トライアルコンポーネント14に対して適所に固定される軸受表面トライアルを指す(すなわち、それは、脛骨基部トライアルコンポーネント14に対して、前方−後方方向、又は内側−外側方向に実質的に回転又は移動しないように構成される)。このような固定軸受面トライアルコンポーネント192は、外科医の好みにより、十字靭帯保持トライアル、後方安定化トライアル、補正トライアル、又は他の表面トライアル構成として具現化され得る。
【0044】
図6に示される他方の軸受面トライアル192は可動軸受面トライアルコンポーネントとして具現化される。用語「可動軸受面トライアルコンポーネント」とは、本明細書で使用されるとき、軸受面トライアル及びシムが取り付けられたときに、脛骨基部トライアルコンポーネント14に対する回転が許される軸受面トライアルトライアルコンポーネントを指す(すなわち、それは、脛骨基部トライアルコンポーネント14に対して、前方−後方方向、又は内側−外側方向に実質的に回転又は移動するように構成される)。可動軸受面トライアルコンポーネントは、外科医の好みにより、十字靭帯保持トライアル、後方安定化トライアル、補正トライアル、又は他の表面トライアル構成として具現化され得る。固定したバージョンと同様に、可動軸受面トライアルコンポーネントが後方安定化トライアルとして具現化される実施形態では、可動軸受面トライアルコンポーネントは、その上方軸受面から上方に延びるスパインを含み得る。
【0045】
外科医は、シム190の1つを軸受面トライアルコンポーネント192の1つと組み合わせ、脛骨軸受トライアルコンポーネント20を形成し得る。例えば、外科医は、固定軸受面トライアルコンポーネント192の1つを選択し、シム20をそこに固定し、固定軸受トライアルコンポーネント20を形成する。外科トライアル手順時には、固定軸受トライアルコンポーネントを前進させ、それにより、回転止め突出部120はシム190のスロット232内に受容され、中央柱94はシムの中央通路222内に受容される。シム190の内壁は回転止め突出部120と協働し、固定軸受トライアルコンポーネントが基部トライアルコンポーネント14に対して回転するのを阻止する。
【0046】
あるいは、外科医は、シム190の一方を、可動軸受面トライアルコンポーネント192と組み合わせて、可動軸受トライアルコンポーネント20を形成してもよい。外科トライアル手順時には、可動軸受トライアルコンポーネントを前進させ、それにより、回転止め突出部120はシム190のスロット234内に受容され、中央柱94はシムの中央通路222内に受容される。シム190のスロット234の寸法及び弓形の形状は、可動軸受トライアルコンポーネントが基部トライアルコンポーネント14に対して回転することを許す。可動軸受トライアルコンポーネントが一方の方向に回転されると、回転止め突出部120は、例えば、およそ50度などの、規定された距離の回転を許すためのストッパの役割を果たす。
【0047】
次に
図7〜
図11を参照すると、システム10はキールパンチ22を更に含む。キールパンチ22は、患者の脛骨606をプロテーゼコンポーネントのために準備するために、基部トライアルコンポーネント14のプレート開口部38を通して患者の脛骨606の近位端604内に挿入されるように構成される。キールパンチ22は、内部に画定された周辺リム82を有する基部プレート78を有する。キールパンチ22の基部プレート78は脛骨評価コンポーネント16の基部プレート78と同様の構成を有する。そのため、脛骨評価コンポーネント16に関してすでに記載されたそれらの特徴と同様である特徴を説明するために、同様の参照符合がキープパンチ22の説明において利用される。キールパンチの基部プレート78のリム82は、キールパンチ22が基部トライアルコンポーネント14上に設置されると、基部トライアルコンポーネント14の棚面52と係合するように構成される下面84を有する。キールパンチ22の基部プレート78はまた、基部トライアルコンポーネント14の中央開口部40内に受容される寸法になされた中央プラットフォーム86、及び中央プラットフォーム86から外側に延びる一対の突起部88、90を含む。突起部88、90は、基部トライアルコンポーネント14の細長い開口部42内に受容される大きさである。
【0048】
図7〜
図11に見ることができるように、キールパンチ22の中央柱94は脛骨評価コンポーネント16の中央柱94と同一である。そのため、柱のコネクタ98のフランジ100は、その内部に画定された傾斜面102を有し、傾斜面116もまた柱の回転止め突出部120内に画定されている。傾斜面124もまた柱の鍔部122のそれぞれの内部に画定されている。脛骨評価コンポーネント16に関して上述したのと同様の仕方で、このような傾斜面はキールパンチ22への脛骨軸受トライアルコンポーネント20の据え付けを容易にする。
【0049】
図7及び
図8に見ることができるように、テーパのついた円筒形柱又は弾丸状部138がキールパンチの基部プレート78の下面から下方に延びる。一対の鋸歯状翼140が弾丸状部138から離れる方向に外側に延びる。鋸歯状翼140のうちの一方は弾丸状部138の内側部から内側に延び、他方の鋸歯状翼は弾丸状部138の外側部から外側に延びる。弾丸状部138は、その長さに沿って直径が変化する円形の断面を有している(すなわち、弾丸状部138の直径は上方−下方方向にテーパしている)。そのように、弾丸状部138の上端における断面直径は、弾丸状部138の下端(すなわち、その先端)における断面直径よりも大きくなっている。複数の下方に延びる歯142が、鋸歯状翼140のそれぞれに画定される。歯142は、患者の脛骨606と噛合して、患者の脛骨606の近位端604に脛骨インプラントを受容するようなサイズの開口部を画定する。
【0050】
上記のように、システム10はまた、使用中に基部トライアルコンポーネント14上に位置付けられるように構成された、ガイドタワー24(
図14参照)を含む。ガイドタワーの一例が、David Waiteらによる2012年6月22日に出願された「SURGICAL INSTRUMENT ASSEMBLIES FOR USE IN SURGICALLY PREPARING A TIBIA FOR IMPLANTATION OF A PROSTHETIC COMPONENT」と題する、同時係属中の米国特許出願第13/530,952号に示され、説明されている。同出願は本明細書において参照により組み込まれている。ガイドタワー24は、外科医によって、患者の脛骨606内へのキールパンチ22の前進を位置合わせし、案内するために用いられる。
【0051】
次に、
図12〜
図15を参照すると、システム10を利用する整形外科処置の部分が示される。外科医はまず、患者の大腿骨602の遠位端600の切除、及び患者の脛骨606の近位端604の切除を行い、これらの端部をトライアル整復のために外科的に準備する。例えば、患者の脛骨606の外科的に準備された近位端604はまた、脛骨トライアルコンポーネント14を受容するように構成された、切除された表面614を含む。
【0052】
次に、外科医は最初のトライアル整復を実行する。この際、外科医はシステム10を使用して、固定軸受膝プロテーゼ又は可動軸受膝プロテーゼの埋め込みのための、患者大腿骨602及び脛骨606の安定性及び運動学を評価及び点検する。トライアル整復プロセスにおいて、外科医は、
図13に示されるように、患者の大腿骨602の遠位端600上に大腿骨トライアルコンポーネント18を据え付ける。
【0053】
図12に示されるように、外科医はまた、患者の脛骨606の切除された表面614上に脛骨基部トライアルコンポーネント14を位置付ける。次に、外科医は、基部トライアルコンポーネント14のプレート開口部38内に配置される脛骨評価コンポーネント16のうちの1つを選択してもよい。外科医が固定軸受トライアルコンポーネントを所望する場合には、外科医は、スパイク無し脛骨評価コンポーネント16を選択し、それを、コンポーネントのリム82の下面84が基部トライアルコンポーネント14の棚面52と係合するように、手でプレート開口部38内に位置付けてもよい。外科医が可動軸受トライアルコンポーネントを所望する場合には、外科医は、
図12に示されるように、スパイク付き脛骨評価コンポーネント16を選択してもよい。
【0054】
スパイク付き脛骨評価コンポーネント16を基部トライアルコンポーネント14のプレート開口部38内に位置付けるために、外科医は脛骨評価コンポーネント16を嵌入ハンドル28に取り付けてもよい。次に、脛骨評価コンポーネント16及び嵌入ハンドル28はプレート開口部38の上に位置付けられ、次に、外科医はハンドル28に力を加え、脛骨評価コンポーネント16を患者の脛骨606の近位端604内に突き刺してもよい。この際、脛骨評価コンポーネント16の突起部88、90から延びるスパイク130は、患者の脛骨606の近位端604内に推進される。外科医は、コンポーネントのリム82の下面84が脛骨基部トライアルコンポーネント14の棚面52と係合するまで、脛骨評価コンポーネント16を患者の脛骨606内に推進し続ける。
【0055】
選択された脛骨評価コンポーネント16(すなわち、スパイク付き又はスパイク無し)が適切に配置されると、外科医は、トライアルシム190及び脛骨軸受面トライアルコンポーネント192を選択してもよい。外科医が固定軸受トライアルコンポーネントを所望する場合には、固定軸受面トライアルコンポーネント192が選択され、トライアルシム190の一方に取り付けられてもよい。
【0056】
次に、外科医は、組み立てられた脛骨軸受面トライアルコンポーネント192及びシム190の後縁を脛骨基部トライアルコンポーネント14と大腿骨トライアルコンポーネント18との間の間隙内に前進させる。
図16〜
図20の漸進運動図に見ることができるように、脛骨軸受面トライアルコンポーネント192の後縁/先端縁194及びシム190の後縁/先端縁194が前方から後方の方向に移動されるにつれて、先端縁194は脛骨評価コンポーネントの中央柱94の傾斜面102、116、124に接触し、傾斜面102、116、124に乗り上がる。脛骨軸受面トライアルコンポーネント192及びシム190の先端縁が脛骨評価コンポーネントの中央柱94の傾斜面102、116、124に乗り上がるにつれて、脛骨軸受面トライアルコンポーネント192の後縁は脛骨基部トライアルコンポーネント14から離れる方向に上方に移動され、それにより、同様に、大腿骨トライアルコンポーネント18を脛骨基部トライアルコンポーネント14から離れる方向に上方に移動させる(
図18及び
図19参照)。これは脛骨基部トライアルコンポーネント14と大腿骨トライアルコンポーネント18との間の間隙の寸法を増大させ、それにより、組み立てられた脛骨軸受面トライアルコンポーネント192及びシム190を、患者の脛骨606の亜脱臼をほとんど又は全く伴うことなく、それらの間に滑り込ませることを可能にする。
図20に示されるように、シム190内に形成されたスロット232の先端縁が回転止め突出部120の後端縁を通り越すと、シム190(及びそれゆえそれに固定された脛骨軸受面トライアルコンポーネント192)は、回転止め突出部120がシム190のスロット232内に受容され、中央柱94がシムの中央通路222内に受容される位置内にパチンと落ちてはまる。
【0057】
図13に示されるように、固定軸受トライアルコンポーネント20が適所にある状態で、外科医は、前後方向の安定性、内側−外側安定性及び前方−後方(「A/P」)平面及び内側−外側(「M/L」)平面の全体的な位置合わせに留意しながら、患者の膝を慎重に伸展する。脛骨基部トライアルコンポーネント14の回転位置合わせは、ハンドル26を使用してトライアル14及び軸受トライアルコンポーネント20を大腿骨トライアルコンポーネント18に対して回転させ、膝を完全に伸展させた状態で調節されてもよい。基部トライアルコンポーネント14の回転は普通、脛骨結節の内側〜中央1/3の接合部を中心とする。
【0058】
運動範囲が評価される際、膝が伸展と屈曲との間で運動するにつれて大腿骨トライアルコンポーネント上の負荷は後方に平行移動する。性能を改善するために、外科医は固定軸受トライアルコンポーネント20を脛骨基部トライアルコンポーネント14から除去し、シム190及び/又は軸受面トライアルコンポーネント192を交換してもよい。固定軸受トライアルコンポーネント20を基部トライアルコンポーネント14から取り外すための除去ツール(図示せず)が用いられてもよい。外科医は分離ツール(図示せず)を使用してシム190を固定軸受面トライアルコンポーネント192から取り外してもよい。外科医はその後、異なる厚さを有する別のシム190を選択するか、又は例えば、十字靭帯保持若しくは後方安定化した固定軸受面トライアルコンポーネント192などの、別の構成を有する固定軸受面トライアルコンポーネント192を選択してもよい。場合によっては、外科医は可動軸受面トライアルコンポーネント192に切り替えてもよい。外科医は、様々な組み合わせのシム190及び軸受面トライアルコンポーネント192を試し続け、どの最終的なインプラントが屈曲及び伸展時に最高の安定性を有し、一方で完全な伸展を可能にすることになるのかを確かめてもよい。シム190及び軸受面トライアルコンポーネント192の見直された組み合わせを選択すると、2つのコンポーネントを互いに組み立て、上述した仕方で脛骨基部トライアルコンポーネント14と大腿骨トライアルコンポーネント18との間の間隙内に前方に前進させる。
【0059】
外科医が代わりに可動軸受トライアルコンポーネント20を所望する場合には、可動軸受面トライアルコンポーネント192が選択され、トライアルシム190の一方に取り付けられてもよい。次に、外科医は、組み立てられた脛骨軸受面トライアルコンポーネント192及びシム190の後縁を、固定軸受トライアルコンポーネント20に関して上述したのと同じ仕方で、基部トライアルコンポーネント14と大腿骨トライアル18との間の間隙内に前進させる。
図16〜
図20の漸進運動図に見ることができるように、脛骨軸受面トライアルコンポーネント192の後縁/先端縁194及びシム190の後縁/先端縁194が前方から後方の方向に移動されるにつれて、先端縁は脛骨評価コンポーネントの中央柱94の傾斜面102、116、124に接触し、傾斜面102、116、124に乗り上がる。脛骨軸受面トライアルコンポーネント192及びシム190の先端縁が脛骨評価コンポーネントの中央柱94の傾斜面102、116、124に乗り上がるにつれて、脛骨軸受面トライアルコンポーネント192の後縁は脛骨基部トライアルコンポーネント14から離れる方向に上方に移動され、それにより、同様に、大腿骨トライアルコンポーネント18を脛骨基部トライアルコンポーネント14から離れる方向に上方に移動させる(
図18及び
図19参照)。これは脛骨基部トライアルコンポーネント14と大腿骨トライアルコンポーネント18との間の間隙の寸法を増大させ、それにより、組み立てられた脛骨軸受面トライアルコンポーネント192及びシム190を、患者の脛骨606の亜脱臼をほとんど又は全く伴うことなく、それらの間に滑り込ませることを可能にする。シム190内に形成された弓形のスロット234の先端縁が回転止め突出部120の後端縁を通り越すと、シム190(及びそれゆえそれに固定された脛骨軸受面トライアルコンポーネント192)は、回転止め突出部120がシム190のスロット234内に受容され、中央柱94がシムの中央通路222内に受容される位置内にパチンと落ちてはまる。上述したように、シム190のスロット234の寸法及び弓形の形状は、可動軸受トライアルコンポーネント20が基部トライアルコンポーネント14に対して回転することを許す。可動軸受トライアルコンポーネント20が一方の方向に回転されると、回転止め突出部120は、例えば、およそ50度などの、規定された距離の回転を許すためのストッパの役割を果たす。
【0060】
大腿骨トライアルコンポーネント18、脛骨基部トライアルコンポーネント14及び可動軸受トライアルコンポーネント20が適所にある状態で、外科医は膝を伸展させ、前方−後方方向の安定性、内側−外側安定性及びA/P及びM/L平面の全体的な位置合わせに留意してもよい。可動軸受トライアルコンポーネント20は、基部トライアルコンポーネント14を中心に回転可能であるため、外科医はまた、軸受の回転及び膝蓋大腿関節の軌道を評価することができる。
【0061】
外科医がトライアル整復に満足すると、脛骨トライアルコンポーネント20及び脛骨評価コンポーネント16は脛骨基部トライアルコンポーネント14から除去される。
【0062】
次に、
図14を参照すると、トライアル整復の実行後、次に、外科医は患者の脛骨606の近位端604の外科的準備を続ける。具体的には、ガイドタワー24を、その固定ピン(図示せず)が脛骨基部トライアルコンポーネント14の指定された孔を通して患者の脛骨606の近位端604内に延びるように、脛骨基部トライアルコンポーネント14上に位置付ける。次に、外科医は基部トライアルコンポーネント14及びタワー24をガイドとして使用して、患者の脛骨606の近位端604の穴をリーマにより外科的に拡大してもよい。その後、
図14に示されるように、ガイドタワー24が除去される前に、嵌入ハンドル28を使用して、キールパンチ22が患者の脛骨606の近位端604内に埋め込まれる。患者の脛骨606の穴をリーマにより拡大し、キールパンチ22を据え付けるための代表的な手順が、David Waiteらによって出願され、2012年6月22日に出願された「METHOD OF SURGICALLY PREPARING A TIBIA FOR IMPLANTATION OF A PROSTHETIC COMPONENT」と題する米国特許出願第13/530,945号に説明されている。同出願は本明細書において参照により組み込まれている。
【0063】
その後、外科医は追加のトライアル整復が必要かどうかを判断する。必要である場合には、外科医は、患者の脛骨606の近位端604の脛骨基部トライアルコンポーネント14上に設置されたキールパンチ22を利用して、追加のトライアル整復を行ってもよい。
図15に示されるように、外科医は固定軸受トライアルコンポーネント20又は可動軸受トライアルコンポーネント20を組み立て、脛骨評価コンポーネント16に関して上述したのと同じ仕方で、患者の脛骨606の亜脱臼をほとんど又は全く伴うことなく、トライアルコンポーネント20を、脛骨基部トライアルコンポーネント14と大腿骨トライアルコンポーネント18との間の間隙内に、キールパンチ22の中央柱94及び回転止め突出部120の上に前方に前進させてもよい。外科医はその後、膝の位置合わせ及び安定性に満足するまで、整復を繰り返してもよい。
【0064】
追加のトライアル整復が完了すると、外科医は嵌入ハンドル28を使用してキールパンチ22を患者の脛骨606から除去してもよい。この結果生じる、患者の脛骨606の近位端604内に外科的に形成された構造は、固定軸受膝プロテーゼ又は可動軸受膝プロテーゼの脛骨トレーを受容するように構成される。次に、外科医はプロテーゼの残りのコンポーネントの外科処置を完了する。
【0065】
図面及び上述の記載において本開示を詳細に例証し記載してきたが、かかる例証及び記載は、特性を制限するものではなく例示として見なされるものとし、単なる例示の実施形態が図示され記載されており、本開示の趣旨の範囲内にある全ての変更及び修正が保護されることを望むものであることを理解されたい。
【0066】
本開示は、本明細書において述べた方法、装置、及びシステムの様々な特徴に基づく多くの利点を有するものである。本開示の方法、装置、及びシステムの代替的実施形態は、ここで述べた特徴の全てを含むわけではないが、こうした特徴の利点の少なくとも一部から利益を享受するものであることに留意されよう。当業者であれば、本発明の1つ又は2つ以上の特徴を取り入れた、特許請求の範囲において定義される本開示の趣旨及び範囲に包含される方法、装置、及びシステムを独自に容易に実施することが可能である。
【0067】
〔実施の態様〕
(1) 整形外科膝プロテーゼを埋め込む外科処置の間に使用するための整形外科用器具システムであって、
患者の脛骨の外科的に準備された近位端上に位置付けられるように適合された脛骨基部トライアルコンポーネントであって、前記脛骨基部トライアルコンポーネントは、その内部に画定された開口部を有する、脛骨基部トライアルコンポーネントと、
前記脛骨基部トライアルコンポーネント内に画定された前記開口部内に受容される形状になされたインサートコンポーネントであって、前記インサートコンポーネントは、基部プレート、及び前記基部プレートの上面から上方に延びる中央柱を有し、前記中央柱の上面は、その内部に画定された傾斜面を有し、前記傾斜面は前方から後方の方向に上方に傾斜する、インサートコンポーネントと、
内部に画定された開口部を有する脛骨軸受トライアルコンポーネントであって、前記インサートコンポーネントの前記中央柱は、前記脛骨軸受トライアルアセンブリの前記開口部内に受容されるように構成される、脛骨軸受トライアルコンポーネントと、
を備える、整形外科用器具システム。
(2) 前記中央柱が、前記中央柱の長手方向軸から外側に延びる鍔部を含み、
前記傾斜面が前記鍔部の上面内に画定される、
実施態様1に記載の整形外科用システム。
(3) 前記鍔部内に画定された前記傾斜面が前端及び後端を有し、
前記鍔部内に画定された前記傾斜面の前記前端は前記基部プレートの前記上面と同一平面上にあり、
前記鍔部内に画定された前記傾斜面の前記後端は前記基部プレートの前記上面から上方に離間している、
実施態様2に記載の整形外科用システム。
(4) 前記中央柱が、前記インサートコンポーネントを外科用ハンドルに固定するように構成されるコネクタを含み、
前記コネクタは、前記中央柱の長手方向軸から離れる方向に前方に延びるフランジを含み、
前記傾斜面が前記コネクタの前記フランジの上面内に画定される、
実施態様1に記載の整形外科用システム。
(5) 前記中央柱が、前記中央柱の長手方向軸から離れる方向に延びる細長い回転止め突出部を更に含み、
前記傾斜面が前記細長い回転止め突出部の上面内に画定される、
実施態様1に記載の整形外科用システム。
【0068】
(6) 前記インサートコンポーネントが、その上面と反対側の下面を含み、
前記インサートコンポーネントが脛骨評価コンポーネントを画定し、前記脛骨評価コンポーネントは、前記インサートコンポーネントの前記下面から下方に延びる一対の骨係合スパイクを有する、
実施態様1に記載の整形外科用システム。
(7) 前記脛骨軸受トライアルコンポーネントが、
関節面を有する脛骨軸受面トライアルコンポーネント、及び
前記脛骨軸受面トライアルコンポーネントに取り外し可能に固定されたシム、
を含む、実施態様1に記載の整形外科用システム。
(8) 前記インサートコンポーネントが、その上面と反対側の下面を含み、
前記インサートコンポーネントがキールパンチを画定し、前記キールパンチは、前記インサートコンポーネントの前記下面から下方に延びる一対の鋸歯状翼を有する、
実施態様1に記載の整形外科用システム。
(9) 整形外科膝プロテーゼを埋め込む外科処置の間に患者の脛骨の近位端を外科的に準備するために使用するための外科用器具であって、前記外科用器具は、
キールパンチであって、(i)基部プレート、(ii)前記基部プレートの上面から上方に延びる中央柱であって、前記中央柱の上面は、その内部に画定された傾斜面を有し、前記傾斜面は前方から後方の方向に上方に傾斜する、中央柱、及び(iii)前記基部プレートの下面から下方に延びる一対の鋸歯状翼、を含む、キールパンチ
を備える、外科用器具。
(10) 前記中央柱が、前記中央柱の長手方向軸から外側に延びる鍔部を含み、
前記傾斜面が前記鍔部の上面内に画定される、
実施態様9に記載の外科用器具。
【0069】
(11) 前記鍔部内に画定された前記傾斜面が前端及び後端を有し、
前記鍔部内に画定された前記傾斜面の前記前端は前記基部プレートの前記上面と同一平面上にあり、
前記鍔部内に画定された前記傾斜面の前記後端は前記基部プレートの前記上面から上方に離間している、
実施態様10に記載の外科用器具。
(12) 前記中央柱が、前記キールパンチを外科用ハンドルに固定するように構成されるコネクタを含み、
前記コネクタは、前記中央柱の長手方向軸から離れる方向に前方に延びるフランジを含み、
前記傾斜面が前記コネクタの前記フランジの上面内に画定される、
実施態様9に記載の外科用器具。
(13) 前記中央柱が、前記中央柱の長手方向軸から離れる方向に延びる細長い回転止め突出部を更に含み、
前記傾斜面が前記細長い回転止め突出部の上面内に画定される、
実施態様9に記載の外科用器具。
(14) 前記外科的パンチが、前記基部プレートの前記下面から下方に延びるテーパのついた円筒形柱を更に含み、
前記一対の鋸歯状翼のうちの一方が、前記テーパのついた円筒形柱の内側部に固定され、そこから内側に延び、他方の鋸歯状翼が、前記テーパのついた円筒形柱の外側部に固定され、そこから外側に延びる、
実施態様9に記載の外科用器具。
(15) 膝プロテーゼのプロテーゼコンポーネントのトライアルを行う方法であって、前記方法は、
脛骨基部トライアルコンポーネントを患者の脛骨の外科的に準備された近位端上に位置付けることと、
インサートコンポーネントを、前記脛骨基部トライアルコンポーネント内に画定された開口部内に挿入することであって、前記インサートコンポーネントは、(i)基部プレート、及び(ii)前記基部プレートの上面から上方に延びる中央柱であって、前記中央柱の上面は、その内部に画定された傾斜面を有する、中央柱、を有する、挿入することと、
脛骨軸受トライアルコンポーネントの先端縁が前記傾斜面に接触して乗り上がり、それにより、前記脛骨軸受トライアルコンポーネントの後縁を、前記脛骨基部トライアルコンポーネントから離れる方向に上方に移動させるように、前記脛骨軸受トライアルコンポーネントを前方から後方の方向に前進させることと、を含む、方法。
【0070】
(16) 前記脛骨軸受トライアルコンポーネントを前記前方から後方の方向に前進させることが、前記脛骨軸受トライアルコンポーネントの前記先端縁が前記傾斜面に接触して乗り上がり、それにより、大腿骨トライアルコンポーネント及び前記脛骨基部トライアルコンポーネントを互いから離れる方向に移動させるように、前記脛骨軸受トライアルコンポーネントを前記前方から後方の方向に前進させることを含む、実施態様15に記載の方法。
(17) 前記脛骨軸受トライアルコンポーネントが、シムに固定された脛骨軸受面トライアルコンポーネントを含み、
前記脛骨軸受トライアルコンポーネントを前記前方から後方の方向に前進させることが、前記シムの先端縁が前記傾斜面に接触して乗り上がり、それにより、前記脛骨軸受面トライアルコンポーネントの後縁を前記脛骨基部トライアルコンポーネントから離れる方向に上方に移動させるように、前記脛骨軸受トライアルコンポーネントを前記前方から後方の方向に前進させることを含む、実施態様15に記載の方法。
(18) 前記中央柱が、前記中央柱の長手方向軸から外側に延びる鍔部を含み、
前記傾斜面が前記鍔部の上面内に画定され、
前記脛骨軸受トライアルコンポーネントを前記前方から後方の方向に前進させることが、前記シムの先端縁が前記鍔部の前記傾斜面に接触して乗り上がり、それにより、前記脛骨軸受面トライアルコンポーネントの後縁を前記脛骨基部トライアルコンポーネントから離れる方向に上方に移動させるように、前記脛骨軸受トライアルコンポーネントを前記前方から後方の方向に前進させることを含む、実施態様17に記載の方法。
(19) 前記中央柱が、前記インサートコンポーネントを外科用ハンドルに固定するように構成されるコネクタを含み、
前記コネクタは、前記中央柱の長手方向軸から離れる方向に前方に延びるフランジを含み、
前記傾斜面が前記コネクタの前記フランジの上面内に画定され、
前記脛骨軸受トライアルコンポーネントを前記前方から後方の方向に前進させることが、前記脛骨軸受面トライアルコンポーネントの先端縁が前記コネクタの前記傾斜面に接触して乗り上がり、それにより、前記脛骨軸受面トライアルコンポーネントの後縁を前記脛骨基部トライアルコンポーネントから離れる方向に上方に移動させるように、前記脛骨軸受トライアルコンポーネントを前記前方から後方の方向に前進させることを含む、実施態様17に記載の方法。
(20) 前記中央柱が、前記中央柱の長手方向軸から離れる方向に延びる細長い回転止め突出部を更に含み、
前記傾斜面が前記細長い回転止め突出部の上面内に画定され、
前記脛骨軸受トライアルコンポーネントを前記前方から後方の方向に前進させることが、前記シムの先端縁が前記回転止め突出部の前記傾斜面に接触して乗り上がり、それにより、前記脛骨軸受面トライアルコンポーネントの後縁を前記脛骨基部トライアルコンポーネントから離れる方向に上方に移動させるように、前記脛骨軸受トライアルコンポーネントを前記前方から後方の方向に前進させることを含む、実施態様17に記載の方法。
【0071】
(21) 前記インサートコンポーネントが、その上面と反対側の下面を含み、
前記インサートコンポーネントが脛骨評価コンポーネントを画定し、前記脛骨評価コンポーネントは、前記インサートコンポーネントの前記下面から下方に延びる一対の骨係合スパイクを有し、
前記インサートコンポーネントを、前記脛骨基部トライアルコンポーネント内に画定された前記開口部内に挿入することが、前記脛骨評価コンポーネントの前記骨係合スパイクを、前記脛骨基部トレールコンポーネント内に画定された前記開口部を通して骨組織内に挿入することを含む、実施態様15に記載の方法。
(22) 前記インサートコンポーネントが、その上面と反対側の下面を含み、
前記インサートコンポーネントがキールパンチを画定し、前記キールパンチは、前記インサートコンポーネントの前記下面から下方に延びる一対の鋸歯状翼を有し、
前記インサートコンポーネントを、前記脛骨基部トライアルコンポーネント内に画定された前記開口部内に挿入することが、前記キールパンチの前記鋸歯状翼を、前記脛骨基部トレールコンポーネント内に画定された前記開口部を通して骨組織内に挿入することを含む、実施態様15に記載の方法。