(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記肥満予防又は治療効果を示す薬学的製剤が、GLP−1受容体アゴニスト、レプチン(Leptin)受容体アゴニスト、DPP−IV阻害剤、Y5受容体アンタゴニスト、MCH(Melanin-concentrating hormone)受容体アンタゴニスト、Y2/3受容体アゴニスト、MC3/4受容体アゴニスト、胃/膵臓リパーゼ阻害剤、5HT2cアゴニスト、β3A受容体アゴニスト、アミリン(Amylin)受容体アゴニスト、グレリン(Ghrelin)アンタゴニスト及びグレリン受容体アンタゴニストからなる群から選択される、請求項7に記載の医薬組成物。
【背景技術】
【0002】
近年、経済成長やライフスタイルの変化により食習慣にも様々な変化が生じている。特に、多忙な現代人には、ファーストフードなどの高カロリー食品や運動不足による過体重及び肥満が増加している。世界保健機関(World Health Organisation, WHO)によれば、全世界的に10億人以上の成人が過体重であり、そのうち少なくとも300万人が臨床的に肥満であり、特にヨーロッパで毎年25万人、全世界で250万人以上が過体重関連で死亡しているという(非特許文献1)。
【0003】
過体重及び肥満は、血圧とコレステロール値を増加させて心臓疾患、糖尿、関節炎などの各種疾患の発病又は悪化の原因となっている。また、過体重及び肥満は、成人だけでなく、子供や青少年においても、動脈硬化、高血圧、脂質異常症、又は心臓疾患などの発病率を増加させる主要因となっている。
【0004】
このように、肥満は全世界的な疾病であり、各種疾患の原因となり得る深刻な疾病であるが、個人の自主的な努力により克服できると信じられており、肥満患者は患者自身の自制力が弱いことによるものと評価されている。しかし、肥満は治療が容易でなく、その理由は、肥満は食欲調節及びエネルギー代謝のメカニズムに関連する複雑な疾患であるからである。よって、肥満を治療するためには、患者自身の努力だけでなく、食欲調節及びエネルギー代謝に関する異常なメカニズムを治療する方法が同時に行われなければならないので、前記異常なメカニズムを治療する医薬を開発する努力が続けられている。そのような努力の結果として、リモナバン(rimonabant、サノフィ・アベンティス社)、シブトラミン(sibutramin、アボット社)、コントレイブ(Contrave、武田薬品)、オルリスタット(orlistat、ロシュ社)などの医薬が開発されているが、これらは致命的な副作用があったり、肥満治療効果が不十分であるという欠点がある。例えば、リモナバン(rimonabant、サノフィ・アベンティス社)は中枢神経障害の副作用があり、シブトラミン(sibutramin、アボット社)とコントレイブ(Contrave、武田薬品)は心血管副作用があり、オルリスタット(orlistat、ロシュ社)は服用1年で約4kgの体重減少効果を示すにすぎないことが報告されている。よって、肥満患者に安全に処方できる肥満治療剤はほとんど存在しないのが現状である。
【0005】
このように、従来の肥満治療剤の問題を解消し得る肥満治療剤を開発する研究が盛んに行われており、最近ではグルカゴン誘導体に関心が集まっている。グルカゴンは、薬物治療、疾病、ホルモンや酵素の欠乏などの原因で血糖値が下がり始めると膵臓で産生される。グルカゴンは、肝臓にグリコーゲンを分解してグルコースを放出するように働きかけ、血糖レベルを正常レベルまで引き上げる役割を果たす。それだけでなく、グルカゴンは、血糖上昇効果以外に、食欲を抑制し、脂肪細胞のホルモン感受性リパーゼ(hormone sensitive lipase)を活性化させて脂肪分解を促進することにより、抗肥満効果を示すことが報告されている。このようなグルカゴンの誘導体の1つであるグルカゴン様ペプチド−1(glucagon-like peptide-1, GLP-1)は、糖尿病患者の高血糖症を減少させる治療剤として開発中の物質であり、インスリンの合成と分泌を促進し、グルカゴンの分泌を阻害し、空腹を抑制し、グルコースの使用を増進すると共に、食物摂取を阻害する機能を有する。GLP−1と約50%のアミノ酸相同性を有するトカゲ毒(lizard venom)から作られるエキセンディン−4(exendin-4)も、GLP−1受容体を活性化させて糖尿病患者の高血糖症を減少させることが知られている。しかし、前記GLP−1を含む肥満治療用医薬は、嘔吐と吐気の副作用を伴うという問題のあることが報告されている。
【0006】
よって、前記GLP−1の代案として、GLP−1とグルカゴンの二つのペプチドの受容体に結合するオキシントモジュリン(oxyntomodulin)が脚光を浴びている。前記オキシントモジュリンは、グルカゴンの前駆体であるプレグルカゴン(pre-glucagon)から作られるペプチドであり、GLP−1の食物摂取阻害、満腹感増進の効能と、グルカゴンの脂肪分解機能を有することから、抗肥満治療剤としての可能性が高まっている。
【0007】
このようなオキシントモジュリンペプチドの二重機能(dual function)に基づき、肥満治療を目的とする薬剤を開発する研究が盛んに行われている。例えば、特許文献1には、オキシントモジュリンを有効成分として含む、ヒトの過体重を治療するための経口、非経口、粘膜(mucosal)、直腸、皮下又は経皮投与用の薬学的組成物が開示されている。しかし、オキシントモジュリンを含む肥満治療剤は、生体内での半減期が短く、1日3回高用量を投与しても肥満治療効果は低レベルであることが報告されている。よって、オキシントモジュリンを修飾することにより、生体内での半減期を延長するか、又は肥満治療効果を増大する努力が続けられている。
【0008】
例えば、デュアルアゴニストオキシントモジュリン(メルク社)は、オキシントモジュリンの2番目のアミノ酸L−セリンをD−セリンに置換してジペプチジルペプチダーゼIV(dipeptidyl peptidase-IV, DPP-IV)に対する抵抗性を増加させると共に、C末端にコレステロール部位を付着して血中半減期を延長させたものである。ZP2929(ジーランド社)は、オキシントモジュリンの2番目のアミノ酸L−セリンをD−セリンに置換してDPP−IV抵抗性を高め、17番目のアミノ酸であるアルギニンをアラニンに置換してプロテアーゼに対する抵抗性を増加させ、27番目のアミノ酸であるメチオニンをリシンに置換して酸化的安定性を高め、20番目と24番目のアミノ酸であるグルタミンと28番目のアミノ酸であるアスパラギンをそれぞれアスパラギン酸、アラニン及びセリンに置換して脱アミド化に対する安定性(deamidation stability)を高めたものである。しかし、半減期を延長させたデュアルアゴニストオキシントモジュリン(メルク社)の場合も、天然型オキシントモジュリンの半減期である8〜12分よりは長くなったが、依然として1.7時間と生体内での半減期が非常に短く、薬物の投与用量も数mg/kgと非常に高いレベルである。よって、オキシントモジュリン又はその誘導体は、依然として短い半減期と低い薬効により毎日投与しなければならず、過剰量の薬物を投与しなければならないという2つの大きな欠点がある。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明は上記目的を達成するためになされたものであり、本発明の一実施形態によれば、下記式1のアミノ酸配列を含む新規なペプチドを提供する。
【0020】
前記式において、R1はヒスチジン、デスアミノ−ヒスチジル(desamino-histidyl)、ジメチル−ヒスチジル(N-dimethyl-histidyl)、β−ヒドロキシイミダゾプロピオニル(beta-hydroxyimidazopropionyl)、4−イミダゾアセチル(4-imidazoacetyl)、β−カルボキシイミダゾプロピオニル(beta-carboxy imidazopropionyl)、又はチロシンであり、
X1はAib(aminoisobutyric acid)、d−アラニン、グリシン、Sar(N-methylglycine)、セリン又はd−セリンであり、
X2はグルタミン酸又はグルタミンであり、
X3はロイシン又はチロシンであり、
X4はセリン又はアラニンであり、
X5はリシン又はアルギニンであり、
X6はグルタミン又はチロシンであり、
X7はロイシン又はメチオニンであり、
X8はアスパラギン酸又はグルタミン酸であり、
X9はグルタミン酸、セリン、α−メチルグルタミン酸又は欠失した配列であり、
X10はグルタミン、グルタミン酸、リシン、アルギニン、セリン又は欠失した配列であり、
X11はアラニン、アルギニン、バリン又は欠失した配列であり、
X12はアラニン、アルギニン、セリン、バリン又は欠失した配列であり、
X13はリシン、グルタミン、アルギニン、α−メチルグルタミン酸又は欠失した配列であり、
X14はアスパラギン酸、グルタミン酸、ロイシン又は欠失した配列であり、
X15はフェニルアラニン又は欠失した配列であり、
X16はイソロイシン、バリン又は欠失した配列であり、
X17はアラニン、システイン、グルタミン酸、リシン、グルタミン、α−メチルグルタミン酸又は欠失した配列であり、
X18はトリプトファン又は欠失した配列であり、
X19はアラニン、イソロイシン、ロイシン、セリン、バリン又は欠失した配列であり、
X20はアラニン、リシン、メチオニン、グルタミン、アルギニン又は欠失した配列であり、
X21はアスパラギン又は欠失した配列であり、
X22はアラニン、グリシン、トレオニン又は欠失した配列であり、
X23はシステイン、リシン又は欠失した配列であり、
X24はアラニン、グリシン及びセリンの組み合わせで構成された2〜10個のアミノ酸を有するペプチド又は欠失した配列であり、及び
R2はKRNRNNIA(配列番号32)、GPSSGAPPPS(配列番号33)、GPSSGAPPPSK(配列番号34)、HSQGTFTSDYSKYLD(配列番号35)、HSQGTFTSDYSRYLDK(配列番号36)、HGEGTFTSDLSKQMEEEAVK(配列番号37)又は欠失した配列である(ただし、式1のアミノ酸配列が配列番号1と同じ場合は除く)。
【0021】
本発明における「ペプチド」とは、2つ以上のα−アミノ酸がペプチド結合により連結された形態の化合物を意味する。本発明の目的上、GLP−1受容体とグルカゴン受容体の両方を活性化させて抗肥満効果を示すペプチドを意味する。本発明におけるペプチドは、オキシントモジュリンの一部のアミノ酸を付加、欠失又は置換して修飾することにより、GLP−1受容体とグルカゴン受容体の両方を活性化させることができ、本来のオキシントモジュリンに比べて前記各受容体を高いレベルで活性化し得る、ペプチド、ペプチド誘導体、ペプチド模倣体などを含む。
【0022】
本明細書におけるアミノ酸は、IUPAC−IUB命名法に従って次のように略語で記載した。
アラニン A アルギニン R
アスパラギン N アスパラギン酸 D
システイン C グルタミン酸 E
グルタミン Q グリシン G
ヒスチジン H イソロイシン I
ロイシン L リシン K
メチオニン M フェニルアラニン F
プロリン P セリン S
トレオニン T トリプトファン W
チロシン Y バリン V
【0023】
本明細書における前記ペプチドは、オキシントモジュリンのアミノ酸配列(HSQGTFTSDYSKYLDSRRAQDFVQWLMNTKRNRNNIA,配列番号1)においてアミノ酸の置換、付加、欠失又は翻訳後修飾(例えば、メチル化、アシル化、ユビキチン化、分子内の共有結合)が生じ、グルカゴン及びGLP−1受容体を同時に活性化し得る任意のペプチドを含む。前記アミノ酸の置換又は付加の際に、ヒトタンパク質において通常観察される20種のアミノ酸だけでなく、異常又は非天然型アミノ酸を用いることができる。異常アミノ酸の商業的出所には、シグマSigma−Aldrich社、ChemPep社、Genzyme pharmaceuticals社が含まれる。これらのアミノ酸が含まれるペプチドと定型的なペプチド配列は、民間のペプチド合成会社、例えば米国のAmerican peptide company社やBachem社、又は韓国のAnygen社から合成及び購入することができる。
【0024】
本発明のペプチドは、野生型オキシントモジュリンのグルカゴン受容体及びGLP−1受容体に対する活性を向上させるために、配列番号1で表されるアミノ酸配列の1番目のアミノ酸であるヒスチジンのαカーボンを欠失させた4−イミダゾアセチル(4-imidazoacetyl)、N末端アミノ基を欠失させたデスアミノ−ヒスチジル(desamino-histidyl)、N末端アミノ基を2つのメチル基で修飾したジメチル−ヒスチジル(N-dimethyl-histidyl)、N末端アミノ基をヒドロキシ基に置換したβ−ヒドロキシイミダゾプロピオニル(beta-hydroxyimidazopropionyl)、又はN末端アミノ基をカルボキシ基に置換したβ−カルボキシイミダゾプロピオニル(beta-carboxy imidazopropionyl)に置換することができる。また、GLP−1受容体と結合する部位を、疎水性結合とイオン結合を強化するアミノ酸に置換するか、又はそれらを組み合わせることができる。また、オキシントモジュリン配列の一部の配列をGLP−1のアミノ酸配列又はExendin−4のアミノ酸配列に置換してGLP−1受容体の活性を向上させることができる。
【0025】
また、オキシントモジュリン配列の一部の配列を、αへリックスを強化する配列に置換することができる。式1のアミノ酸配列の10、14、16、20、24及び28番目のアミノ酸を、αへリックスをサポートすることが知られているTyr(4−Me)、Phe、Phe(4−Me)、Phe(4−Cl)、Phe(4−CN)、Phe(4−NO
2)、Phe(4−NH
2)、Phg、Pal、Nal、Ala(2−thienyl)又はAla(benzothienyl)で構成されるアミノ酸又はアミノ酸誘導体に置換することができ、挿入されるαへリックスをサポートするアミノ酸又はアミノ酸誘導体の種類及び数は限定されないことが好ましい。また、10番目と14番目、12番目と16番目、16番目と20番目、20番目と24番目、及び24番目と28番目を、それぞれ環を形成し得るグルタミン酸又はリシンに置換して環を形成することができ、挿入される環の数も限定されないことが好ましく、下記式2〜6から選択されるアミノ酸配列を有するペプチドであることが最も好ましい。
【0026】
本発明の一態様において、本発明のペプチドは、オキシントモジュリンのアミノ酸配列に、エキセンディン又はGLP−1の配列に置換した式2のアミノ酸を含むオキシントモジュリン誘導体である。
【0028】
本発明の他の態様において、本発明のペプチドは、オキシントモジュリンのアミノ酸配列の一部とエキセンディン又はGLP−1の配列の一部を好ましいアミノ酸リンカーで連結した下記式3のアミノ酸を含むオキシントモジュリン誘導体である。
【0030】
本発明のさらに他の態様において、本発明のペプチドは、オキシントモジュリンのアミノ酸配列の一部を、GLP−1受容体との結合力を向上させるアミノ酸に置換した、例えば26番目のLeuを、GLP−1受容体との疎水性結合により疎水性を増加させるアミノ酸であるIle又はValに置換した下記式4を含むオキシントモジュリン誘導体に関する。
【0032】
本発明のさらに他の態様において、本発明のペプチドは、天然型オキシントモジュリンのGLP−1受容体及びグルカゴン受容体の活性を向上させるために、アミノ酸配列の一部を欠失させたり、アミノ酸の一部を挿入したり、アミノ酸の一部を他のアミノ酸に置換した下記式5を含むオキシントモジュリン誘導体に関する。
【0034】
式2〜5において、R1は式1における構成と同一であり、
AはSQGTFTSDYSKYLDSRRAQDFVQWLMNT(配列番号38)、
SQGTFTSDYSKYLDEEAVRLFIEWLMNT(配列番号39)、
SQGTFTSDYSKYLDERRAQDFVAWLKNT(配列番号40)、
GQGTFTSDYSRYLEEEAVRLFIEWLKNG(配列番号41)、
GQGTFTSDYSRQMEEEAVRLFIEWLKNG(配列番号42)、
GEGTFTSDLSRQMEEEAVRLFIEWAA(配列番号43)及び、
SQGTFTSDYSRQMEEEAVRLFIEWLMNG(配列番号44)からなる群から選択され、
BはSQGTFTSDYSKYLDSRRAQDFVQWLMNT(配列番号38)、
SQGTFTSDYSKYLDEEAVRLFIEWLMNT(配列番号39)、
SQGTFTSDYSKYLDERRAQDFVAWLKNT(配列番号40)、
GQGTFTSDYSRYLEEEAVRLFIEWLKNG(配列番号41)、
GQGTFTSDYSRQMEEEAVRLFIEWLKNG(配列番号42)、
GEGTFTSDLSRQMEEEAVRLFIEWAA(配列番号43)、
SQGTFTSDYSRQMEEEAVRLFIEWLMNG(配列番号44)、
GEGTFTSDLSRQMEEEAVRLFIEW(配列番号45)、及び
SQGTFTSDYSRYLD(配列番号46)からなる群から選択され、Cはアラニン、グリシン及びセリンの組み合わせで構成された2〜10個のアミノ酸を有するペプチドであり、
D1はセリン、グルタミン酸又はアルギニンであり、
D2はアルギニン、グルタミン酸又はセリンであり、
D3はアルギニン、アラニン又はバリンであり、
D4はアルギニン、バリン又はセリンであり、
D5はグルタミン、アルギニン又はリシンであり、
D6はイソロイシン、バリン又はセリンであり、
D7はメチオニン、アルギニン又はグルタミンであり、
D8はトレオニン、グリシン又はアラニンであり、
E1はセリン、Aib、Sar、d−アラニン又はd−セリンであり、E2はセリン又はグルタミン酸であり、
E3はアルギニン又はリシンであり、
E4はグルタミン又はリシンであり、
E5はアスパラギン酸又はグルタミン酸であり、
E6はグルタミン、システイン又はリシンであり、
E7はシステイン、リシン又は欠失した配列であり、
R3はKRNRNNIA(配列番号32)、GPSSGAPPPS(配列番号33)又はGPSSGAPPPSK(配列番号34)であり、
R4はHSQGTFTSDYSKYLD(配列番号35)、HSQGTFTSDYSRYLDK(配列番号36)又はHGEGTFTSDLSKQMEEEAVK(配列番号37)であり、及び
R5はKRNRNNIA(配列番号32)、GPSSGAPPPS(配列番号33)、GPSSGAPPPSK(配列番号34)又は欠失した配列である(ただし、式2〜5のアミノ酸配列が配列番号1と同じ場合は除く)。
【0035】
本発明の新規ペプチドは下記式6であることが好ましい。
【0037】
式6において、R1はヒスチジン、デスアミノ−ヒスチジル(desamino-histidyl)、4−イミダゾアセチル(4-imidazoacetyl)又は、チロシンであり、
X1はAib(aminoisobutyric acid)、グリシン又はセリンであり、
X2はグルタミン酸又はグルタミンであり、
X3はロイシン又はチロシンであり、
X4はセリン又はアラニンであり、
X5はリシン又はアルギニンであり、
X6はグルタミン又はチロシンであり、
X7はロイシン又はメチオニンであり、
X8はアスパラギン酸又はグルタミン酸であり、
X9はグルタミン酸、α−メチルグルタミン酸又は欠失した配列であり、
X10はグルタミン、グルタミン酸、リシン、アルギニン又は欠失した配列であり、
X11はアラニン、アルギニン又は欠失した配列であり、
X12はアラニン、バリン又は欠失した配列であり、
X13はリシン、グルタミン、アルギニン、α−メチルグルタミン酸又は欠失した配列であり、
X14はアスパラギン酸、グルタミン酸、ロイシン又は欠失した配列であり、
X15はフェニルアラニン又は欠失した配列であり、
X16はイソロイシン、バリン又は欠失した配列であり、
X17はアラニン、システイン、グルタミン酸、グルタミン、α−メチルグルタミン酸又は欠失した配列であり、
X18はトリプトファン又は欠失した配列であり、
X19はアラニン、イソロイシン、ロイシン、バリン又は欠失した配列であり、
X20はアラニン、リシン、メチオニン、アルギニン又は欠失した配列であり、
X21はアスパラギン又は欠失した配列であり、
X22はトレオニン又は欠失した配列であり、
X23はシステイン、リシン又は欠失した配列であり、
X24はグリシンで構成された2〜10個のアミノ酸を有するペプチド又は欠失した配列であり、
R2はKRNRNNIA(配列番号32)、GPSSGAPPPS(配列番号33)、GPSSGAPPPSK(配列番号34)、HSQGTFTSDYSKYLD(配列番号35)、HSQGTFTSDYSRYLDK(配列番号36)、HGEGTFTSDLSKQMEEEAVK(配列番号37)又は欠失した配列である(ただし、式1のアミノ酸配列が配列番号1と同じ場合は除く)。
【0038】
本発明のペプチドは、配列番号1〜31のペプチドからなる群から選択されるものであることがより好ましい。実施例2−1の表1に示すオキシントモジュリン誘導体であることがさらに好ましい。
【0039】
また、オキシントモジュリンは、GLP−1とグルカゴンの二つのペプチド活性を有しており、GLP−1がインスリン分泌による血糖降下効果があるのに対しグルカゴンは血糖上昇効果があり、また、GLP−1は食物摂取の抑制と胃排出遅延効果があり、グルカゴンは脂肪分解及びエネルギー代謝量増加による体重減少効果があるなど、互いに異なる生物学的効能がある。一つのペプチドの中に前記の二つのペプチドが存在する場合、どちらか一方の効果が大きいと、望まざる効果が現れることがある。例えばグルカゴンの効果がGLP−1の効果よりも大きい場合、血糖値が上がることがあり、GLP−1の効果が大きい場合は吐き気や嘔吐などの副作用が強くなることがある。したがって、本発明のオキシントモジュリン誘導体は、無条件的な活性増加のための誘導体のみを開示しているのではない。例えば、オキシントモジュリンの1番目と11番目のアミノ酸は、グルカゴン活性を低下させることが知られており、グルカゴンとGLP−1の活性比を調整する際に上記のアミノ酸を変化させることができる。
【0040】
本発明者らは、in vitro実験により、本発明のペプチドがオキシントモジュリンに比べて、GLP−1受容体及びグルカゴン受容体に対する優れた活性を示すことを確認したので、本発明のペプチドがGLP−1受容体及びグルカゴン受容体を活性化し、従来のオキシントモジュリンよりも優れた肥満治療効果を示すものと予想される。また、in vivoで食物摂取抑制効果を確認した結果、従来のオキシントモジュリンより食物抑制効果に優れることが確認された(
図1)。
【0041】
本発明のオキシントモジュリン誘導体の治療効果を向上させるために、用いられるPEG、糖鎖などをはじめとする高分子の修飾や、アルブミン、トランスフェリン、脂肪酸、免疫グロブリンなどとの融合などの通常の技術を用いてオキシントモジュリン誘導体を変異させると、天然型オキシントモジュリンよりも優れた治療学的効果が現れるということは、当業者にとって周知の事実であるので、前記オキシントモジュリン誘導体の変異体も本発明の範囲に含まれる。
【0042】
本発明のさらに他の態様において、本発明は、前記ペプチドをコードするポリヌクレオチドを提供する。
【0043】
本発明においてポリヌクレオチドについて用いられる「相同性」とは、野生型(wild type)アミノ酸配列や野生型核酸配列と類似する程度を示すものであり、前記ペプチドをコードするポリヌクレオチド配列と75%以上、好ましくは85%以上、より好ましくは90%以上、さらに好ましくは95%以上同一である遺伝子配列を含む。このような相同性の比較は、肉眼で行うか、購入が容易な比較プログラムを用いて行う。市販のコンピュータプログラムは、2つ以上の配列間の相同性を百分率(%)で計算することができる。相同性(%)は、隣接する配列について計算される。前記ペプチドをコードするポリヌクレオチドをベクターに挿入してそれを発現させることにより、前記ペプチドを多量に確保することができる。
【0044】
本発明のさらに他の態様において、本発明は、前記ペプチドを含む肥満の予防又は治療用薬学的組成物を提供する。
【0045】
本発明における「予防」とは、前記ペプチド又は組成物の投与により肥満の発生を抑制又は遅延させるあらゆる行為を意味し、本発明における「治療」とは、前記ペプチド又は組成物の投与により肥満の症状を好転させたり、好適に変更させるあらゆる行為を意味する。
【0046】
本発明における「投与」とは、任意の適切な方法で患者に所定の物質を導入することを意味し、前記組成物の投与経路は、特にこれらに限定されるものではないが、前記組成物を生体内の標的に到達させ得るあらゆる一般的な経路で投与することができ、例えば腹腔内投与、静脈内投与、筋肉内投与、皮下投与、皮内投与、経口投与、局所投与、鼻内投与、肺内投与、直腸内投与などが挙げられる。
【0047】
本発明における「肥満」とは、体内に脂肪組織が過剰に蓄積された状態であり、ボディマス指数(体重(kg)を身長(m)の2乗で割った値)が25以上であれば肥満と定義される。通常、肥満は、長期間にわたりエネルギー消費量より栄養素を過剰に摂取する場合にエネルギー不均衡により誘発される。肥満は、身体全体に影響を及ぼす代謝疾患であり、糖尿病及び脂質異常症に罹患する可能性が高くなり、性機能障害、関節炎、心血管系疾患の発症リスクが高くなり、場合によっては癌の発生にも関連する。
【0048】
本発明の薬学的組成物は、薬学的に許容される担体、賦形剤又は希釈剤を含んでもよい。本発明における「薬学的に許容」とは、治療効果を示す程度の十分な量と副作用を起こさないことを意味し、疾患の種類、患者の年齢、体重、健康状態、性別、薬物に対する感受性、投与経路、投与方法、投与回数、治療期間、配合又は同時に用いられる薬物などの医学分野における公知の要素により当業者が容易に決定することができる。
【0049】
本発明の誘導体を含む薬学的組成物は、薬学的に許容される担体をさらに含んでもよい。前記担体は、特にこれらに限定されるものではないが、経口投与の場合は、結合剤、潤滑剤、崩壊剤、賦形剤、溶解剤、分散剤、安定化剤、懸濁剤、色素、香料などを用いることができ、注射剤の場合は、緩衝剤、保存剤、鎮痛剤、溶解剤、等張化剤、安定化剤などを混合して用いることができ、局所投与の場合は、基剤、賦形剤、潤滑剤、保存剤などを用いることができる。
【0050】
本発明の組成物の剤形は、前述したような薬学的に許容される担体と混合して様々な形態に製造することができる。例えば、経口投与の場合は、錠剤、トローチ剤、カプセル、エリキシル剤、懸濁剤、シロップ、ウエハなどの形態に製造することができ、注射剤の場合は、使い捨てアンプル又は複数回投与形態に製造することができる。その他、溶液、懸濁液、錠剤、丸剤、カプセル、徐放型製剤などに剤形化することができる。
【0051】
なお、製剤化に適した担体、賦形剤及び希釈剤としては、ラクトース、グルコース、スクロース、ソルビトール、マンニトール、キシリトール、エリトリトール、マルチトール、澱粉、アカシア、アルギネート、ゼラチン、リン酸カルシウム、ケイ酸カルシウム、セルロース、メチルセルロース、微晶質セルロース、ポリビニルピロリドン、水、メチルヒドロキシベンゾエート、プロピルヒドロキシベンゾエート、タルク、ステアリン酸マグネシウム、及び鉱物油などを用いてもよい。また、充填剤、抗凝集剤、潤滑剤、湿潤剤、香料、防腐剤などをさらに含んでもよい。
【0052】
また、本発明の薬学的組成物は、錠剤、丸剤、散剤、顆粒剤、カプセル剤、懸濁剤、内用液剤、乳剤、シロップ剤、滅菌水溶液剤、非水性溶剤、凍結乾燥剤及び坐剤からなる群から選択されるいずれかの剤形を有する。
【0053】
また、前記組成物は、薬学的分野における通常の方法による患者の体内投与に適した単回投与型の製剤、好ましくはペプチド医薬品の投与に有用な製剤形態に剤形化し、当業界で通常用いる投与方法を用いて経口、又は皮膚、静脈内、筋肉内、動脈内、骨髄内、髄膜腔内、心室内、肺、経皮、皮下、腹腔内、鼻腔内、消化管内、局所、舌下、膣内、直腸経路を含む非経口投与経路で投与することができるが、これらに限定されるものではない。
【0054】
また、前記ペプチドは、生理食塩水や有機溶媒のように薬剤に許容された様々な担体(carrier)と混合して用いることができ、安定性や吸収性を向上させるために、グルコース、スクロース、デキストランなどの炭水化物、アスコルビン酸(ascorbic acid)、又はグルタチオンなどの抗酸化剤(antioxidants)、キレート剤(chelating agents)、低分子タンパク質、又は他の安定化剤(stabilizers)を薬剤として用いることができる。
【0055】
本発明の薬学的組成物の投与量と回数は、治療する疾患、投与経路、患者の年齢、性別、体重、及び疾患の重症度などの様々な関連因子と共に、活性成分である薬物の種類により決定される。
【0056】
本発明の組成物の総有効量は、単回投与量(single dose)で患者に投与してもよく、複数回投与量(multiple dose)で長期間投与される分割治療方法(fractionated treatment protocol)により投与してもよい。本発明の薬学的組成物は、疾患の程度に応じて有効成分の含有量を変えてもよい。本発明のペプチドの総用量は、1日体重1kg当たり約0.0001μg〜500mgであることが好ましい。しかし、前記ペプチドの用量は、薬学的組成物の投与経路及び治療回数だけでなく、患者の年齢、体重、健康状態、性別、疾患の重症度、食餌、及び排泄率などの様々な要因を考慮して患者に対する有効投与量が決定されるので、これらを考慮すると、当該分野における通常の知識を有する者であれば、前記本発明の組成物の特定の用途に応じた適切な有効投与量を決定することができるであろう。本発明による薬学的組成物は、本発明の効果を奏するものであれば、その剤形、投与経路及び投与方法が特に限定されるものではない。
【0057】
本発明の薬学的組成物は、生体内持続性及び力価に優れるので、本発明の薬学的製剤の投与回数及び頻度を著しく減少させることができる。
【0058】
また、前記薬学的組成物は、単独で又は他の肥満予防又は治療効果を示す薬学的製剤と併用して投与することができる。前記肥満予防又は治療効果を示す薬学的製剤は、特にこれらに限定されるものではないが、GLP−1受容体アゴニスト、レプチン(Leptin)受容体アゴニスト、DPP−IV阻害剤、Y5受容体アンタゴニスト、MCH(Melanin-concentrating hormone)受容体アンタゴニスト、Y2/3受容体アゴニスト、MC3/4受容体アゴニスト、胃/膵臓リパーゼ阻害剤、5HT2cアゴニスト、β3A受容体アゴニスト、アミリン(Amylin)受容体アゴニスト、グレリン(Ghrelin)アンタゴニスト、グレリン受容体アンタゴニストなどである。
【0059】
本発明のさらに他の態様において、本発明は、前記ペプチド又はそれを含む薬学的組成物を個体に投与する段階を含む、肥満の予防又は治療方法を提供する。
【0060】
本発明における前記個体とは、肥満が疑われる個体であり、前記肥満が疑われる個体は、肥満が発病しているか、発病する可能性のある、ヒトをはじめとするマウス、家畜などを含む哺乳動物を意味するが、本発明のペプチドで治療可能な個体は限定されることなく含まれる。本発明のペプチドを含む薬学的組成物を肥満が疑われる個体に投与することにより、個体を効率的に治療することができる。前記肥満については前述した通りである。
【0061】
本発明の治療方法は、ペプチドを含む薬学的組成物を薬学的有効量で投与することを含んでもよい。好適な総1日用量は、正常な医学的判断の範囲内で担当医により決定され、1回又は数回に分けて投与することができる。しかし、発明の目的上、特定患者に対する具体的な治療的有効量は、達成しようとする反応の種類と程度、場合によっては他の製剤が用いられるか否かをはじめとする具体的な組成物、患者の年齢、体重、一般健康状態、性別、食餌、投与時間、投与経路、組成物の分泌率、治療期間、具体的な組成物と併用又は同時投与される薬物をはじめとする様々な因子と医薬分野で周知の類似因子に応じて異なる量を適用することが好ましい。
【0062】
本発明のさらに他の態様において、本発明は、肥満の予防又は治療用医薬の製造における前記ペプチドの用途を提供する。
【実施例】
【0063】
以下、実施例を挙げて本発明をより詳細に説明する。しかし、これらの実施例は本発明を例示的に説明するためのものであり、本発明の範囲がこれらの実施例に限定されるものではない。
【実施例1】
【0064】
in vitro活性用細胞株の作製
実施例1−1:GLP−1に対してcAMP反応を示す細胞株の作製
ヒトGLP−1受容体遺伝子のcDNA(OriGene Technologies, Inc. USA)においてORF(open reading frame)に相当する部分を鋳型とし、HindIII切断部位とEcoRI切断部位をそれぞれ含む下記正方向及び逆方向プライマーを用いたPCRを行い、PCR産物を得た。
正方向プライマー:5’−CCCGGCCCCCGCGGCCGCTATTCGAAATAC−3’(配列番号47)
逆方向プライマー:5’−GAACGGTCCGGAGGACGTCGACTCTTAAGATAG−3’(配列番号48)
【0065】
前記PCR産物を公知の動物細胞発現ベクターであるx0GC/dhfrにクローニングして組換えベクターx0GC/GLP1Rを製造した。
【0066】
前記組換えベクターx0GC/GLP1Rを、DMEM/F12(10%FBS)培地で培養したCHO DG44細胞株にリポフェクタミン(Lipofectamine, invitrogene, USA)を用いて形質転換し、1mg/mLのG418及び10nMのメトトラキサート(methotraxate)を含む選択培地で選択培養した。そこから限界希釈法で単一クローン細胞株を選別し、そのうちGLP−1に対して優れた濃度依存的cAMP反応を示す細胞株を最終的に選別した。
【0067】
実施例1−2:グルカゴンに対してcAMP反応を示す細胞株の作製
ヒトグルカゴン受容体遺伝子のcDNA(OriGene Technologies, Inc. USA)においてORFに相当する部分を鋳型とし、EcoRI切断部位とXhoI切断部位をそれぞれ含む下記正方向及び逆方向プライマーを用いたPCRを行い、PCR産物を得た。
正方向プライマー:5’−CAGCGACACCGACCGTCCCCCCGTACTTAAGGCC−3’(配列番号49)
逆方向プライマー:5’−CTAACCGACTCTCGGGGAAGACTGAGCTCGCC−3’(配列番号50)
【0068】
前記PCR産物を公知の動物細胞発現ベクターであるx0GC/dhfrにクローニングして組換えベクターx0GC/GCGRを製造した。
【0069】
前記製造した組換えベクターx0GC/GCGRを、DMEM/F12(10%FBS)培地で培養したCHO DG44細胞株にリポフェクタミンを用いて形質転換し、1mg/mLのG418及び10nMのメトトラキサートを含む選択培地で選択培養した。そこから限界希釈法で単一クローン細胞株を選別し、そのうちグルカゴンに対して優れた濃度依存的cAMP反応を示す細胞株を最終的に選別した。
【実施例2】
【0070】
オキシントモジュリン誘導体のin vitro活性の確認
実施例2−1:オキシントモジュリン誘導体の合成
オキシントモジュリン誘導体のin vitro活性を測定するために、下記アミノ酸配列を有するオキシントモジュリン誘導体を合成した(表1)。
【0071】
【表1】
【0072】
表1において、太字及び下線で示すアミノ酸は環形成を意味し、Xと表記されたアミノ酸は非天然型アミノ酸であるα−メチルグルタミン酸を意味する。また、CAは4−イミダゾアセチル(4-imidazoacetyl)を意味し、DAはデスアミノ−ヒスチジル(desamino-histidyl)を意味する。
【0073】
実施例2−2:オキシントモジュリン誘導体のin vitro活性の測定
実施例2−1で合成したオキシントモジュリン誘導体の抗肥満効能を測定するために、実施例1−1及び1−2で製造した細胞株を用いてin vitroで細胞活性を測定する方法を行った。
【0074】
前記各細胞株は、CHO(chinese hamster ovary)にヒトGLP−1受容体及びグルカゴン受容体遺伝子をそれぞれ発現するように形質転換されたものであり、GLP−1とグルカゴンの活性を測定するのに適する。よって、それぞれの形質転換細胞株を用いて各オキシントモジュリン誘導体の活性を測定した。
【0075】
具体的には、前記各細胞株を1週間に2又は3回継代培養し、96ウェルプレートに各ウェル当たり1×10
5個の継代培養した細胞株を分注して24時間培養した。
【0076】
前記培養した細胞をKRB緩衝液で洗浄し、1mMのIBMXを含むKRB緩衝液40mlに懸濁させ、次いで5分間常温で静置した。オキシントモジュリン(配列番号1)又はオキシントモジュリン誘導体(代表的には、配列番号2〜6、8、10〜13、17、18、23〜25、27〜30及び31)を1000nMから0.02nMまで5倍ずつ連続的に希釈し、それを40mLずつ前記細胞に添加し、次いで37℃の温度条件でCO
2培養器にて1時間培養した。次に、細胞溶解緩衝液(cell lysis buffer)を20mLずつ加えて細胞を溶解させ、前記細胞溶解物をcAMP assay kit(Molecular Device, USA)にかけてcAMP濃度を測定し、そこからEC
50値を算出して比較した。EC
50値を表2に示す。
【0077】
【表2】
【0078】
表2から分かるように、配列番号1の天然型オキシントモジュリンのin vitro活性に比べて優れたGLP−1受容体と、グルカゴン受容体のそれぞれの活性及び活性比が異なるオキシントモジュリン誘導体が確認された。
【0079】
オキシントモジュリンは、GLP−1受容体とグルカゴン受容体の活性化により、食欲抑制及び満腹感増進、脂肪細胞分解促進による肥満治療効果があることが知られている。本発明によるオキシントモジュリン誘導体は、野生型オキシントモジュリンに比べてGLP−1受容体及びグルカゴン受容体に対して高いin vitro活性を有するので、従来のオキシントモジュリンに比べて優れた効能を有する肥満治療剤として用いることができる。
【実施例3】
【0080】
オキシントモジュリン誘導体のin vivo活性の確認
オキシントモジュリン誘導体のin vivo肥満治療活性を測定するために、ob/obマウスにおいて、対照薬物として天然型オキシントモジュリンを用い、オキシントモジュリン誘導体投与による飼料摂取量の変化を測定した。
【0081】
具体的には、肥満糖尿病製剤の効能試験に一般に最も多く用いられるモデル動物であるob/obマウスを16時間絶食させ、1もしくは10mg/kgのオキシントモジュリン、又は0.02、0.1、1もしくは10mg/kgの配列番号2のオキシントモジュリン誘導体をそれぞれ投与し、2時間の飼料摂取量を測定した(
図1)。
図1はオキシントモジュリン又はオキシントモジュリン誘導体の投与量による飼料摂取量の変化を示すグラフである。
図1から分かるように、1mg/kgのオキシントモジュリン誘導体を投与した場合、10mg/kgのオキシントモジュリンを投与した場合よりも優れた飼料摂取抑制効果を示すことが確認された。
【0082】
すなわち、本発明のオキシントモジュリン誘導体は、従来の野生型オキシントモジュリンに比べて抗肥満効果が著しく高く、少量を投与しても肥満治療効果に優れるので、従来は抗肥満効能が低く、1日に3回高用量を投与しなければならなかった野生型オキシントモジュリンの問題が改善されたことが分かる。