(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記電解セルの前記一方の面、及び前記他方の面の内の少なくともいずれかの面と前記保持材の間に設けられ、当該一方の面、及び当該他方の面の内の少なくとも一方の面と前記保持材の間を密封する第2シール材と、
を更に備える請求項2に記載の電気化学セル。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。本実施形態は、本発明を限定するものではない。
【0010】
(第1実施形態)
第1実施形態に係る電気化学セルは、電解セルよりも硬度が低い保持材を介して電解セルを支持することで、曲げ応力による電解セルの変形抑制を図ったものである。より詳しく、以下に説明する。
【0011】
まず、
図1及び
図2に基づき、本実施形態に係る電気化学セル1の全体構成を説明する。
【0012】
図1は、本実施形態に係る電気化学セル1の構成を示す模式図であり、左図は、電気化学セル1を構成する構成部材を示す図であり、右図は、構成部材を積層した電気化学セル1を示す図である。この
図1に示すように、本実施形態に係る電気化学セル1は、単位セル100と、第1セパレータ200aと、第2セパレータ200bと、水素極側の集電材300と、酸素極側の集電材400と、を備えて構成される。本実施形態に係る電気化学セル1は、積層することでスタック化し、出力を増加させることが可能である。或いは、積層せずに、単一で使用することも可能である。
【0013】
図2は、第1実施形態に係る単位セル100の構成を示す模式図であり、左図は、単位セル100を構成する構成部材を示す図であり、右図は、構成部材を積層した単位セル100を示す図である。
【0014】
図2の左図に示すように、第1実施形態に係る単位セル100は、電解セル102と、第1保持材104aと、第2保持材104bと、第1シール材106と、第2シール材108とを、備えて構成されている。
【0015】
すなわち、本実施形態に係る電気化学セル1は、電解セル102と、第1保持材104aと、第2保持材104bと、第1シール材106と、第2シール材108と、第1セパレータ200aと、第2セパレータ200bと、水素極側の集電材300と、酸素極側の集電材400とを、備えて構成されている。なお、第1シール材106は、絶縁体でもよく、或いはシール性と絶縁性を持った材料でもよい。
【0016】
再び
図1に示すように、単位セル100は、例えば、600〜1000℃の高温条件下において、酸素極側に供給される酸化剤ガス(O
2)と水素極側に供給される還元剤ガス(H
2)を用いて発電する。発電した電力は外部負荷に供給される。このように単位セル100は、固体酸化物形燃料電池(Solid Oxide Fuel Cell:SOFC)として機能する。
一方、水蒸気などの電気分解を行う場合には、外部負荷に代えて外部電源が接続され、発電時の逆反応が進行する。すなわち、単位セル100は、上記したSOFCにおける反応の逆反応を動作原理とし、固体酸化物形電解セル102(Solid Oxide Electrolysis Cell:SOEC)としても機能する。なお、単位セル100は、SOFCまたはSOECとしてのみ機能するものでもよい。
【0017】
第1セパレータ200aと、第2セパレータ200bとは、後述する絶縁体とシールド材とを介して組み合わされ、セパレータ200として構成される。このため、第1セパレータ200aと、第2セパレータ200bとは絶縁状態である。また、セパレータ200は、シールド材により気密性が保たれ、水素マニュピュレ−202、及び酸素マニュピュレ−タ204以外からは、ガスが排出されないように構成されている。すなわち、セパレータ200は、酸素極側に供給される酸化剤ガス(O
2)と水素極側に供給される還元剤ガス(H
2)とを分配する。例えば、水素マニュピュレ−タ202を介して供給される還元剤ガス(H
2)は、単位セル100の水素極側に供給され、酸素マニュピュレ−タ204を介して供給される酸化剤ガス(O
2)は、単位セル100の酸素極側に供給される。
【0018】
水素極側の第1セパレータ200aは、水素極側の集電材300を配置し、その上に単位セル100を配置する。さらに、単位セル100の酸素極側に酸素極側の集電材400を配置し、第2セパレータ200bを配置する。セパレータの材質などについては特に問わず、動作温度である600〜1000℃の温度域でも導電性があり、さらには、単位セル100と熱膨張係数が近いものが望ましい。
【0019】
水素極側の集電材300は、例えばNi金属等であり、単位セル100の水素極と第1セパレータ200aとを電気的に接続する。酸素極側の集電材400も水素極側の集電材300と同等の金属であり、単位セル100の酸素極と第2セパレータ200bとを電気的に接続する。
【0020】
再び
図2に戻り、電解セル102は、電解反応を行う。この電解セル102は、例えば電解質膜と、電解質膜の一方の面に設けられる酸素極と、電解質膜の他方の面に設けられる水素極と、水素極の電解質膜側とは反対側の面に設けられる水素極多孔質基材とを備え、これらが積層されたものである。すなわち、本実施形態に係る電解セル102は、電解質膜と、電解質膜の一方の面に設けられた酸素極と、電解質膜の他方の面に設けられた水素極とを少なくとも有する矩形の平板状セルである。また、酸素極の大きさは電解質膜よりも小さく、電解質膜の外周には酸素極で覆われていない部分が存在する。なお、平板状セルの形状は矩形に限定されず、丸い形状や、五角形などの多角形でもよい。
【0021】
電解セル102は、例えば、600〜1000℃の高温条件下において、発電時には、酸素極で酸素が解離して酸素イオンを生じる。この酸素イオンが、電解質膜を通って水素極へ移動し、水素極で、酸素イオンと水素とが反応して水が生成する。このときに生じた電子が取り出されて、外部負荷で消費される。一方、水蒸気などの電気分解を行う場合には、外部負荷に代えて外部電源が接続され、発電時の逆反応が進行する。すなわち、電解セル102に外部電源から供給された電力により、水素極で、供給された水蒸気(水)が水素と酸素イオンに分解され、水素が放出される。
【0022】
第1保持材104aと、第2保持材104bとは、端部が圧着され、保持材104として構成される。すなわち、保持材104は、電解セル102よりも硬度が低く、電解セル102を保持する。第1保持材104a、及び第2保持材104bは、例えば金属板で構成されている。第1保持材104aは、第1開口105aを有している。この第1開口105aを介して電解セル102の水素極と、水素極側の集電材300(
図1)が電気的に接続される。これにより、電解セル102の水素極、水素極側の集電材300、及び第1セパレータ200aが電気的に接続される。一方で、第2保持材104bは、第2開口105bを有している。この第2開口105bを介して電解セル102の酸素極と、酸素極側の集電材400(
図1)が電気的に接続される。これにより、電解セル102の酸素極、酸素極側の集電材400、及び第2セパレータ200bが電気的に接続される。
【0023】
第1保持材104a及び第2保持材104bの対向する面は平面状であり、電解セル102の上下を挟みこみ、第1保持材104a及び第2保持材104bの端部を圧着した圧着端部で固定される。
【0024】
第1シール材106は、開口107を有し、第1保持材104a及び第2保持材104bの対向する面の間に配置され、第1保持材104a及び第2保持材104bの周辺部を密封する。第1シール材106は、特に材質は問わないが、電気的な絶縁性が高いものが望ましい。第1シール材106は、例えば、アルミナ、ジルコニア、シリカ、少なくともこれらが含まれる材料、などで構成される。なお、本実施形態では、第1シール材106は、矩形のリング状に形成されるが、形状についてはこれに限らない。例えば、第1保持材104a及び第2保持材104bの周辺部を密封する形状であれば、他の形状でもよい。このように、第1保持材104a及び第2保持材104bの周辺部は、第1シール材106を介して圧着されている。
【0025】
これらのことから分かるように、圧着端部でリークを止める為の第1シール材106を設け、シールを行うこととした。これにより、電解セル102にシールのための過剰な圧縮応力がかかることを防ぐとともに、面圧不均一等の影響で電解セル102に曲げ応力がかかった場合、電解セル102よりもたわみやすい保持材104が変形し、電解セル102が変形することを防ぐことができる。
【0026】
第2シール材108は、開口109を有し、本実施形態では電解セル102の酸素極側の面と、保持材104の間に設けられ、酸素極側の面と保持材104の間を密封する。第2シール材108も第1シール材106と同等の材料で構成されている。なお、第2シール材108は、電解セル102の燃料極側の面と、保持材104の間にも配置してよい。すなわち、第2シール材108は、酸素極側の面、及び燃料極側の面の内の少なくとも一方の面と保持材104の間を密封する。第2シール材108も第1シール材106と同等の材料であり、例えば、アルミナ、ジルコニア、シリカ、少なくともこれらが含まれる材料、などで構成される。なお、本実施形態では、第2シール材108は、矩形のリング状に形成されるが、形状についてはこれに限らない。酸素極側の面、及び燃料極側の面の内の少なくとも一方の面と保持材104の間を密封する形状であれば、他の形状でもよい。
【0027】
図3は、単位セル100の構成を示す図であり、
図3(a)は、上面図であり、右半分は第1保持材104aを除いた図であり、
図3(b)の右半分は、A−A’断面図である。この
図3に示すように、電解セル102は、電解セル102の周縁領域の少なくとも一部を保持材104に挟さまれ保持されている。また、圧着端部は、電解セル102の側面の外周に支持部1040を有し、セパレータ200a、200b(
図1)はこの支持部1040を支持する。このように、セパレータ200a、200bが保持材104を支持する際に、保持材104が介在することで、電解セル102に対して、直接的に圧力がかからないように構成されている。
【0028】
これらから分かるようにセパレータセパレータ200a、200b間に圧力がかかっても、電解セル102に直接的に圧力がかからないように構成されている。また、応力が単位セル100にかかっても、電解セル102よりも硬度の低い保持材104が介在し、電解セル102の損傷が抑制される。
【0029】
図4は、
図3の丸枠内で示した構成を拡大して示す図であり、
図4(a)は、単位セル100を構成する構成部材を示す図であり、
図3(b)は、構成後の単位セル100を示す図である。この図に示すように、第1シール材106及び第2シール材108は、圧縮され、配置された面間を密封している。これにより、酸素極側の面から酸素ガスを含むガスが水素極側に流入することが防がれている。同様に、水素極側の面から水素ガスを含むガスが酸素極側に流入することが防がれている。
【0030】
なお、本実施形態に係る第1保持材104aは、第1保持材104aの下面と、支持部1040の下面に段差を設けているが、これに限定されず、1保持材104aの下面と支持部1040の下面とを面一に構成してもよい。また、第1保持材104aの下面と、支持部1040の下面に段差を設ける場合には、第2保持材104bの上面と支持部1040の上面とを面一に構成してもよい。
【0031】
図5は、第1実施形態に係る電気化学セル1の構成図であり、
図5(a)は、電気化学セル1の上面図であり、第2セパレータ200b、酸素極側の集電材400、及びセパレータ間の絶縁体114、第4シール材116を除いた状態の図であり、
図5(b)は、電気化学セル1のB−B’断面図である。この
図5(a)に示すように、保持材104の支持部1040(
図4)の上面に絶縁体110及び第3シール材112が配置されている。
【0032】
また、この
図5(b)に示すように、第1セパレータ200a及び第2セパレータ200b間には、絶縁体114と第4シール材116が配置されている。さらにまた、第1セパレータ200aは、第1保持材104aの第1開口105aを介して水素極と電気的に接続され、第2セパレータ200bは、第2保持材104bの第2開口105bを介して酸素極と電気的に接続されている。
【0033】
図6は、
図5(b)の枠内を拡大した図である。この
図6に示すように第1セパレータ200a及び第2セパレータ200b間は、絶縁体114と第4シール材116とを介して組み合わされている。また、保持材104の支持部1040とセパレータ200a、200bとの間にも絶縁体110及びシール材112が配置されている。このように、第1セパレータ200a及び第2セパレータ200b間は、絶縁されるとともに、気密性が保たれるように構成されている。なお、本実施形態では、気密性と絶縁性を増すため、保持材104の支持部1040とセパレータ200aとの間にも絶縁体110及びシール材112が配置されているが、これに限定されず、支持部1040とセパレータ200aとの間の絶縁体110及びシール材112は配置しなくともよい。シール材108と、支持部1040とセパレータ200bとの間の絶縁体110及びシール材112により、気密性が保たれるためである。
【0034】
絶縁体110、114については、特に材質は問わず、電気的な絶縁性が高いものが望ましい。材質は例えば、アルミナ、ジルコニア、シリカ、少なくともこれらが含まれる材料、などが挙げられる。また、形状についても特に問わない。密度については、緻密なものが望ましいが、多孔質でも構わない。また、シール材と同じ材質のものを用いてもよい。
【0035】
このように、電気化学セル1は、電解セル102と、電解セル102の上下を挟みこみ、端部を圧着した圧着端部で固定された薄い金属板の保持材104と、電解セル102に通電を行う集電材300、400と、それらを覆うセパレータ200a、200bと、各所のリークを防ぐためのシール材106、108、112、116と、セパレータ間の導通を防ぐための絶縁体110、114を積層して構成されている。なお、シール材は保持材104間、および、保持材104と電解セル102間だけでなく、電解セル102の側面に配置しても良い。なお、保持材104a、104b間にはシール材だけでなく、絶縁体を挟んでもよい。なお、シール材106、108、112、116をシール性と絶縁性を持った材料で構成してもよく、同様に絶縁体110、114をシール性と絶縁性を持った材料で構成してもよい。
【0036】
以上のように、本実施形態よれば、電気化学セル1は、電解セル102よりも硬度が低い保持材104を介して電解セル102を支持することとした。これにより、電気化学セル1に曲げ応力が生じても、保持材104が応力を吸収することで、電解セル102の変形を抑制できる。
【0037】
(変形例)
第1実施形態に係る電気化学セル1は、第1保持材104a及び第2保持材104bの対向する面の間に第1シール材106を配置し、電解セル102の酸素極側の面、及び電解セル102の燃料極側の面の内の少なくとも一方の面と、保持材104の間に第2シール材108を配置した。本変形例では、第1シール材106、第2シール材108をシール接着剤とすることで相違する。電気化学セル1の構成は、第1実施形態と同等であるので、説明を省略する。
【0038】
シール接着剤は、ガラスシートやセラミックス系接着剤等で構成される。例えば、電解セル102を保持材104で挟み込む際に、ガラス遷移点を超える高温でシール接着剤を溶融させ、第1保持材104a及び第2保持材104bを接着できる。なお、シール接着剤には、接着性を向上させるためにセラミックス製のフィラー等を混入しても良い。
【0039】
本変形例によれば、第1保持材104a及び第2保持材104bの対向する面の間にシール接着剤を配置することとした。これにより、第1保持材104a及び第2保持材104b間の接着力を向上可能である。このため、より確実にセル保持第1保持材104a及び第2保持材104bを接着することが可能になるとともに、電気化学セル1の製造時に電解セルの周囲に圧縮応力をかけることを避け、電解セルが変形する可能性を下げることができる。
【0040】
(第2実施形態)
第1実施形態に係る保持材104の支持部1040は平板状に構成されていたのに対し、第2実施形態に係る保持材104の支持部1040は、波状に構成されることで相違する。
【0041】
図7は、第2実施形態に係る単位セル100の構成を示す図であり、
図7(a)は、底面図であり、
図7(b)の右半分は、C−C’断面図である。第1実施形態と同等の構成には、同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
【0042】
この
図7に示すように、保持材104における圧着端部の支持部1040を波状に構成している。すなわち、支持部1040は、水素極側に尖った突起状の形状をしている。このように、ガスの通過する経路が長くなることで圧力損失が増加し、シール性を向上させることができる。これにより、必要な平均面圧を低下させ、単位セル100が変形する可能性を低減させることが可能である。なお、本実施形態では、支持部1040は、水素極側に尖った突起状の形状をしているが、これに限定されず、支持部1040を、酸素極側に尖った突起状の形状に構成してもよい。
【0043】
本実施形態によれば、保持材104とセパレータ間に設けたシール材を支持部1040の突起形状で抑えることとした。これにより、局所的に面圧を高めてシール材の圧縮度を向上させることが可能であり、ガス漏洩の可能性をより低下できる。また、支持部1040は、水素極側に尖った突起状の形状をしているので、水素還元剤の漏洩の可能性をより低下させることができる。
【0044】
(第3実施形態)
第1実施形態では、第1セパレータ200a上に、単位セル100を配置していたが、本実施形態では、位置決めピン206を介して単位セル100を第1セパレータ200a上に、配置することで相違する。
【0045】
図8は、第3実施形態に係る電気化学セル1の構成図であり、
図8(a)は、電気化学セル1の上面図であり、第2セパレータ200b、酸素極側の集電材400、セパレータ間の絶縁体114及び第4シール材116を除いた状態の図であり、
図8(b)は、D−D’断面図である。
【0046】
第1実施形態と同等の構成には、同一の符号を付し、重複する説明は省略する。保持材104の端部に設置位置固定用の位置決めピン穴117を設けている。また、第1セパレータ200aに位置決めピン206を設けている。すなわち、保持材104は、端部に位置決めピン206に対応する位置決めピン穴117を有する。
【0047】
本実施例によれば、位置決めピン206を介して単位セル100を第1セパレータ200a上に、配置することとした。これにより、単位セル100の位置が位置決めピン206及び位置決めピン穴117を介して、一定の箇所に収まるため、位置ずれによる応力の不均一を防ぐことが可能になり、単位セル100が変形することを防ぐことができる。
【0048】
(第4実施形態)
第1実施形態では、第1セパレータ200a上に、単位セル100を配置していたが、本実施形態では、位置決め台座208を介して単位セル100を第1セパレータ200a上に、配置することで相違する。
【0049】
図9は、第4実施形態に係る電気化学セル1の構成図であり、
図9(a)は、電気化学セル1の上面図であり、第2セパレータ200b、酸素極側の集電材400、セパレータ間の絶縁体114及び第4シール材116を除いた状態を示す図であり、
図9(b)は、E−E’断面図である。第1実施形態と同等の構成には、同一の符号を付し、重複する説明は省略する。保持材104の端部に位置固定用の切欠き118を設けている。また、第1セパレータ200aに位置決め台座208を設けている。すなわち、保持材104は、端部に位置決め台座208に対応する切欠き118を有する。
【0050】
本実施例によれば、位置決め台座208を介して単位セル100を第1セパレータ200a上に、配置することとした。これにより、単位セル100の位置が位置決め台座208及び切欠き118を介して、一定の箇所に収まるため、位置ずれによる応力の不均一を防ぐことが可能になり、単位セル100が変形することを防ぐことができる。
【0051】
(第5実施形態)
第1実施形態では、電解セル102と保持材104の間に第2シールド材を配置していたが、本実施形態では、更に保持材104にガスシールドのためのガス経路122を設けていることで相違する。
【0052】
図10は、単位セル100の構成を示す図であり、
図10(a)は、底面図であり、
図10(b)のは、F−F’断面図である。第1実施形態と同等の構成には、同一の符号を付し、重複する説明は省略する。この
図10に示すように、保持材104の上流側にガス侵入穴120を設け、ガス経路122を設けている。
【0053】
本実施例によれば、保持材104にガスシールドのためのガス経路122を設けることとした。これにより、上流側の高圧のガスが第1保持材104aと第2保持材104bとの間などの単位セル100の隙間に充填され、下流部で発生する低圧なガスがこの領域に侵入しにくくなり、発生した水素ガス、酸素ガスの漏えいを防ぐことができる。