(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
電子デバイスによって、タッチスクリーン上でユーザによってトリガされたタッチイベントを取得することであり、前記タッチイベントはタッチ点のタッチ位置を含む、前記取得することと、
前記タッチ位置が位置するターゲット領域が、前記電子デバイスの前記タッチスクリーン上に位置する第1タッチ領域にある場合に、
前記電子デバイスによって、前記タッチ点が偶発的なタッチ点であるかどうかを判定すること、及び
前記電子デバイスによって、前記タッチ点が偶発的なタッチ点であるときに前記タッチイベントを捨て、次いで、該捨てられたタッチイベントが誤認イベントであるかどうかを判定し、前記捨てられたタッチイベントが前記誤認イベントであるならば前記タッチイベントを再送すること、又は前記電子デバイスによって、前記タッチ点が偶発的なタッチ点でないときに前記タッチイベントを報告することと、
前記タッチ位置が位置する前記ターゲット領域が、前記電子デバイスの前記タッチスクリーン上に位置する、前記第1タッチ領域とは異なる第2タッチ領域にある場合に、
前記電子デバイスによって、前記タッチイベントを報告することと
を有し、
偶発的なタッチイベントが前記第2タッチ領域で起こる確率は、偶発的なタッチイベントが前記第1タッチ領域で起こる確率よりも小さく、
前記誤認イベントは、前記電子デバイスがタッチ点を、該タッチ点が偶発的なタッチ点でないときに偶発的なタッチ点と決定するトリガイベントであり、
前記電子デバイスによって、前記捨てられたタッチイベントが誤認イベントであるかどうかを判定することは、
前記電子デバイスによって、直近の第1期間内の過去のタッチデータを取得することであり、該過去のタッチデータは、前記直近の第1期間内に前記ユーザによってトリガされた過去のタッチ点について生成された実際のタッチパラメータを示すために使用される、前記取得することと、
前記電子デバイスによって、前記過去のタッチデータに基づいて、前記電子デバイスによって現在使用されているターゲット誤認防止パラメータを決定することと、
前記電子デバイスによって、前記ターゲット誤認防止パラメータを使用することによって、前記捨てられたタッチイベントが誤認イベントであるかどうかを判定することと
を有する、
タッチ制御方法。
前記電子デバイスの前記タッチスクリーンは、第3タッチ領域を更に有し、偶発的なタッチイベントが前記第3タッチ領域で起こる確率は、偶発的なタッチイベントが前記第1タッチ領域で起こる確率よりも小さく、偶発的なタッチイベントが前記第2タッチ領域で起こる確率よりも大きく、
前記タッチ位置が位置する前記ターゲット領域が前記第3タッチ領域にある場合に、当該方法は、
前記電子デバイスによって、該電子デバイスが現在表示インターフェイスで第1アプリケーションを実行しているとき、前記タッチ点が偶発的なタッチ点であるかどうかを判定すること、又は
前記電子デバイスによって、該電子デバイスが現在表示インターフェイスで第2アプリケーションを実行しているとき、前記タッチイベントを報告すること
を更に有する、
請求項1乃至4のうちいずれか一項に記載の方法。
当該電子デバイスの前記タッチスクリーンは、第3タッチ領域を更に有し、偶発的なタッチイベントが前記第3タッチ領域で起こる確率は、偶発的なタッチイベントが前記第1タッチ領域で起こる確率よりも小さく、偶発的なタッチイベントが前記第2タッチ領域で起こる確率よりも大きく、
当該電子デバイスが現在表示インターフェイスで第1アプリケーションを実行しているとき、前記決定ユニットは、前記タッチ点が偶発的なタッチ点であるかどうかを判定するよう更に構成され、あるいは、当該電子デバイスが現在表示インターフェイスで第2アプリケーションを実行しているとき、前記実行ユニットは、前記タッチイベントを報告するよう更に構成される、
請求項6乃至9のうちいずれか一項に記載の電子デバイス。
【発明の概要】
【0006】
本発明の実施形態は、アプリケーションシナリオの変化又はユーザのタッチ癖の変化によりタッチ点が偶発的なタッチ点と誤って決定される確率を下げ、それによって、電子デバイスによって実行される偶発タッチ防止の正確さを改善するよう、タッチ制御方法及び装置を提供する。
【0007】
上記の目的を達成するために、以下の技術的解決法が、本発明の実施形態で使用される。
【0008】
第1の態様に従って、本発明の実施形態は、タッチスクリーン上でユーザによってトリガされたタッチイベント(このとき、タッチイベントはタッチ点のタッチ位置を含む。)を電子デバイスが取得することを含むタッチ制御方法を提供する。タッチ位置が位置するターゲット領域が第1タッチ領域(このとき、第1タッチ領域は、電子デバイスのタッチスクリーン上に位置する。)にある場合に、電子デバイスは更に、タッチ点が偶発的なタッチ点であるかどうかを判定し、すなわち、タッチ点2対して偶発タッチ防止動作を実行してよい。次いで、電子デバイスは、タッチ点が偶発的なタッチ点であると決定するとき、タッチイベントを捨てる。相応して、電子デバイスは更に、タッチ点が偶発的なタッチ点でないと決定するとき、タッチイベントを報告してよく、それにより、その後に、電子デバイスは、タッチイベントに対応する動作を実行する。このようにして、タッチスクリーン上での第1タッチ領域の区分を通じて、偶発的なタッチ点が識別される必要がある領域において偶発タッチ点識別動作が目標とされるように実行され得、それによって、偶発的なタッチ点を識別する精度及び効率は改善される。
【0009】
可能な設計方法で、電子デバイスのタッチスクリーンは、第1タッチ領域とは異なる第2タッチ領域を更に含み、偶発的なタッチイベントが第2タッチ領域で起こる確率は、偶発的なタッチイベントが第1タッチ領域で起こる確率よりも小さい。方法は、電子デバイスによって、タッチ位置が位置するターゲット領域が第2タッチ領域にある場合にタッチイベントを報告することを更に含む。
【0010】
タッチスクリーンは第1タッチ領域及び第2タッチ領域に分けられ、偶発的なタッチイベントが異なるタッチ領域で起こる確率は異なる。すなわち、異なる領域は、異なる偶発タッチ防止レベルを有している。このようにして、電子デバイスは、偶発的なタッチイベントの発生の確率が比較的小さい第2タッチ領域では上記の偶発タッチ防止動作を実行する必要がなく、タッチイベントを直接報告し、それによって、偶発的なタッチ点を識別する効率は改善される。
【0011】
可能な設計方法で、方法は、前記電子デバイスによって、前もってセットされた期間内に電子デバイスがターゲット領域でユーザ操作を取得しない場合に、
ターゲット領域を第2タッチ領域から第1タッチ領域へ調整することを更に含む。このようにして、異なる時点で且つ異なるユーザの癖について、ターゲット領域は、偶発的なタッチイベントの発生のリスクが異なっている異なるタッチ領域として設定され、それによって、電子デバイスによって偶発的なタッチ点を識別する精度は改善される。
【0012】
可能な設計方法で、タッチ点が偶発的なタッチ点と識別されるとき、電子デバイスによってタッチイベントを捨てることの後で、方法は、電子デバイスによって、捨てられたタッチイベントが誤認イベントであるかどうかを判定することであり、誤認イベントは、電子デバイスがタッチ点を、該タッチ点が偶発的なタッチ点でないときに偶発的なタッチ点と決定するトリガイベントである、前記判定することと、電子デバイスによって、捨てられたタッチイベントが誤認イベントで
あるときにタッチイベントを再送することとを更に含む。
【0013】
可能な設計方法で、電子デバイスによって、捨てられたタッチイベントが誤認イベントであるかどうかを判定することの後で、方法は、捨てられたタッチイベントが誤認イベントであると電子デバイスが決定するとき、L>0として、電子デバイスによって、直近の期間L内に誤認イベントがターゲット領域で起こる誤認回数を取得することと、電子デバイスによって、誤認回数が閾値よりも多いとき、
ターゲット領域を第1タッチ領域から第2タッチ領域へ調整することとを更に含む。
【0014】
次のタッチイベントがターゲット領域で起こるとき、ターゲット領域は第2タッチ領域に更新されているので、すなわち、ターゲット領域の偶発タッチ防止レベルが直近の期間L内のユーザのタッチ癖に基づいて更新されているので、電子デバイスは、ターゲット領域の更新された偶発タッチ防止レベルに基づいて、偶発タッチ防止動作を実行すべきかどうかを判定する。このようにして、誤認現象は、同じ場所で複数回起こることを防止され得、それによって、誤認リスクは下げられる。
【0015】
可能な設計方法で、電子デバイスによって、タッチ点が偶発的なタッチ点であるかどうかを判定することは、T>0として、電子デバイスによって、直近の期間T内の過去のタッチデータを取得することであり、該過去のタッチデータは、直近の期間T内にユーザによってトリガされた過去のタッチ点について生成された実際のタッチパラメータを示すために使用される、前記取得することと、電子デバイスによって、過去のタッチデータに基づいて、電子デバイスによって現在使用されているターゲット偶発タッチ防止パラメータを決定することと、電子デバイスによって、ターゲット偶発タッチ防止パラメータを使用することによって、タッチイベントにおけるタッチ点が偶発的なタッチ点であるかどうかを識別することとを含む。
【0016】
過去のタッチデータは、直近の期間T内のユーザのタッチ癖を反映することができ、タッチスクリーンに対するユーザのタッチ操作は、通常は連続的である。従って、過去のタッチデータに基づいて決定されるターゲット偶発タッチ防止パラメータも、比較的正確に、現在のユーザのタッチ癖を反映することができる。このようにして、ターゲット偶発タッチ防止パラメータを使用することによって電子デバイスが偶発的なタッチ点を識別する精度は、更に改善されることになる。
【0017】
可能な設計方法で、過去のタッチデータは、一対一でN個の過去のタッチ点に対応するN組の実際のタッチパラメータを含み、実際のタッチパラメータの各組は、j個の特性値を含み、このとき、N≧1且つj≧1である。電子デバイスによって、過去のタッチデータに基づいて、電子デバイスによって現在使用されているターゲット偶発タッチ防止パラメータを決定することは、1≦x≦jとして、電子デバイスによって、実際のタッチパラメータの各組に含まれるx番目の特性値に対して加重平均化を実行して、直近の期間T内のユーザのタッチ癖を示すために使用されるターゲットタッチパラメータにおけるx番目の特性値を求めることと、電子デバイスによって、ターゲットタッチパラメータに基づいて、現在使用されているターゲット偶発タッチ防止パラメータを予測することとを含む。
【0018】
夫々の偶発的なタッチ点について電子デバイスによって決定されるターゲット偶発タッチ防止パラメータは、異なってよいことが分かる。毎回決定されるターゲット偶発タッチ防止パラメータは、ユーザの最新のタッチ癖に基づいて生成される。これは、誤認防止動作のための異なるアプリケーションシナリオにおける異なるユーザの要件を満足することができ、それによって、偶発的なタッチ点を識別する精度は改善される。
【0019】
可能な設計方法で、前記電子デバイスによって、前記捨てられたタッチイベントが誤認イベントであるかどうかを判定することは、T>0として、電子デバイスによって、直近の期間T内の過去のタッチデータを取得することであり、該過去のタッチデータは、直近の期間T内に前記ユーザによってトリガされた過去のタッチ点について生成された実際のタッチパラメータを示すために使用される、前記取得することと、
電子デバイスによって、過去のタッチデータに基づいて、電子デバイスが現在使用しているターゲット誤認防止パラメータを決定することと、電子デバイスによって、ターゲット誤認防止パラメータを使用することによって、偶発的なタッチ点が誤認点であるかどうかを識別することとを含む。
【0020】
夫々の偶発的なタッチ点について電子デバイスによって決定されるターゲット誤認防止パラメータは、異なってよいことが分かる。毎回決定されるターゲット誤認防止パラメータは、ユーザの最新のタッチ癖に基づいて生成される。これは、誤認防止動作のための異なるアプリケーションシナリオにおける異なるユーザの要件を満足することができ、それによって、誤認点を識別する精度は改善される。
【0021】
可能な設計方法で、電子デバイスのタッチスクリーンは第3タッチ領域を更に含み、偶発的なタッチイベントが第3タッチ領域で起こる確率は、偶発的なタッチイベントが第1タッチ領域で起こる確率よりも小さく、偶発的なタッチイベントが第2タッチ領域で起こる確率よりも大きい。タッチ位置が位置するターゲット領域が第3タッチ領域にある場合に、方法は、電子デバイスによって、電子デバイスが現在表示インターフェイスで第1アプリケーションを実行しているときには、タッチ点が偶発的なタッチ点であるかどうかを判定すること、又は電子デバイスによって、電子デバイスが現在表示インターフェイスで第2アプリケーションを実行しているときには、タッチイベントを報告することを更に含む。
【0022】
第1タッチ領域及び第2タッチ領域以外に、タッチスクリーンは第3タッチ領域を更に含み、このとき、偶発的なタッチイベントが第3タッチ領域で起こる確率は、偶発的なタッチイベントが第1タッチ領域で起こる確率と、偶発的なタッチイベントが第2タッチ領域で起こる確率との間にある。このようにして、タッチ点が第3タッチ領域にあるとき、偶発タッチ防止動作を実行すべきかどうかは、具体的には、電子デバイスで現在実行されているアプリケーションに基づいて決定されてよく、それによって、偶発的なタッチ点を識別する効率は改善される。
【0023】
第2の態様に従って、本発明の実施形態は、タッチイベントはタッチ点のタッチ位置を含む、タッチスクリーン上でユーザによってトリガされたタッチイベントを取得するよう構成される取得ユニットと、タッチ位置が位置するターゲット領域が、電子デバイスのタッチスクリーン上に位置する第1タッチ領域にある場合に、タッチ点が偶発的なタッチ点であるかどうかを判定するよう構成される決定ユニットと、タッチ点が偶発的なタッチ点であるときにはタッチイベントを捨て、又はタッチ点が偶発的なタッチ点でないときにはタッチイベントを報告するよう構成される実行ユニットとを含む電子デバイスを提供する。
【0024】
可能な設計方法で、電子デバイスのタッチスクリーンは、第1タッチ領域とは異なる第2タッチ領域を更に含み、このとき、偶発的なタッチイベントが第2タッチ領域で起こる確率は、偶発的なタッチイベントが第1タッチ領域で起こる確率よりも小さい。実行ユニットは、タッチ位置が位置するターゲット領域が第2タッチ領域にある場合にタッチイベントを報告するよう更に構成される。
【0025】
可能な設計方法で、調整方法は、前もってセットされた期間内に電子デバイスがターゲット領域でユーザ操作を取得しない場合に、
ターゲット領域を第2タッチ領域から第1タッチ領域へ調整するよう構成される。
【0026】
可能な設計方法で、決定ユニットは、捨てられたタッチイベントが誤認イベントであるかどうかを判定するよう更に構成され、誤認イベントは、電子デバイスがタッチ点を、該タッチ点が偶発的なタッチ点でないときに偶発的なタッチ点と決定するトリガイベントである。実行ユニットは、捨てられたタッチイベントが誤認イベントで
あるときにタッチイベントを再送するよう更に構成される。
【0027】
可能な設計方法で、取得ユニットは、捨てられたタッチイベントが誤認イベントであると電子デバイスが決定するとき、L>0として、直近の期間L内に誤認イベントがターゲット領域で起こる誤認回数を取得するよう更に構成される。調整ユニットは、誤認回数が閾値よりも多いとき、
ターゲット領域を第1タッチ領域から第2タッチ領域へ調整するよう更に構成される。
【0028】
可能な設計方法で、取得ユニットは、T>0として、直近の期間T内の過去のタッチデータを取得するよう更に構成され、該過去のタッチデータは、直近の期間T内にユーザによってトリガされた過去のタッチ点について生成された実際のタッチパラメータを示すために使用される。決定ユニットは、過去のタッチデータに基づいて、電子デバイスによって現在使用されているターゲット偶発タッチ防止パラメータを決定するよう更に構成される。
決定ユニットは、ターゲット偶発タッチ防止パラメータを使用することによって、タッチ点が偶発的なタッチ点であるかどうかを判定するよう更に構成される。
【0029】
可能な設計方法で、取得ユニットは、T>0として、直近の期間T内の過去のタッチデータを取得するよう更に構成され、該過去のタッチデータは、直近の期間T内にユーザによってトリガされた過去のタッチ点について生成された実際のタッチパラメータを示すために使用される。決定ユニットは、過去のタッチデータに基づいて、電子デバイスによって現在使用されているターゲット誤認防止パラメータを決定するよう更に構成される。
決定ユニットは、ターゲット誤認防止パラメータを使用することによって、捨てられたタッチイベントが誤認イベントであるかどうかを判定するよう更に構成される。
【0030】
可能な設計方法で、電子デバイスのタッチスクリーンは第3タッチ領域を更に含み、偶発的なタッチイベントが第3タッチ領域で起こる確率は、偶発的なタッチイベントが第1タッチ領域で起こる確率よりも小さく、偶発的なタッチイベントが第2タッチ領域で起こる確率よりも大きい
。電子デバイスが現在表示インターフェイスで第1アプリケーションを実行しているとき、
決定ユニットが、タッチ点が偶発的なタッチ点であるかどうかを判定するよう
更に構成され、
あるいは、電子デバイスが現在表示インターフェイスで第2アプリケーションを実行しているとき、
実行ユニットがタッチイベントを報告するよう更に構成される。
【0031】
第3の態様に従って、本発明の実施形態は、プロセッサ、メモリ、バス、及び通信インターフェイスを含む電子デバイスを提供する。メモリは、コンピュータ実行可能命令を記憶するよう構成され、プロセッサは、バスを使用することによってメモリへ接続され、電子デバイスが作動するとき、プロセッサは、メモリに記憶されているコンピュータ実行可能命令を実行して、電子デバイスが上記の可能な設計方法のうちいずれか1つに従うタッチ制御方法を実行することを可能にする。
【0032】
第4の態様に従って、本発明の実施形態は、コンピュータ可読記憶媒体を提供する。コンピュータ可読記憶媒体は、命令を記憶している。命令が上記の可能な設計方法のうちいずれか1つにおける電子デバイスで実行されるとき、電子デバイスは、上記の可能な設計方法のうちいずれか1つに従うタッチ制御方法を実行することを可能にされる。
【0033】
第5の態様に従って、本発明の実施形態は、命令を含むコンピュータプログラム製品を提供する。コンピュータプログラム製品が上記の可能な設計方法のうちいずれか1つに従う電子デバイスで実行されるとき、電子デバイスは、上記の可能な設計方法のうちいずれか1つに従うタッチ制御方法を実行することを可能にされる。
【0034】
本発明の実施形態において、電子デバイスの名称は、デバイスに対する制限を構成しない。実際の実施中に、デバイスは他の名称で存在してもよい。デバイスは、デバイスの機能が本発明におけるデバイスの機能と同様であるという条件で、本発明の続く特許請求の範囲及びそれらの同等の技術の範囲内にある。
【0035】
その上、第2の態様乃至第5の態様における如何なる設計方法の技術的効果についても、第1の態様又は第2の態様における異なる設計方法の技術的効果を参照されたい。詳細は、ここで再度記載されない。
【発明を実施するための形態】
【0037】
以下で述べられている「第1」及び「第2」との語は、単に説明を目的としており、示されている技術的特徴の相対的な重要性の指示若しくは暗示又はその量の暗黙的な指示として解釈されるべきではない。従って、「第1」又は「第2」によって限定されている特徴は、明示的又は暗黙的に、1つ以上の特徴を含む可能性がある。本発明の実施形態の説明において、特に述べられない限りは、「複数の〜」は2つ以上を意味する。
【0038】
本発明の実施形態は、携帯電話機、装着型デバイス、AR(augmented reality,拡張現実)\VR(virtual reality,仮想現実)デバイス、タブレットコンピュータ、ノートブックコンピュータ、UMPC(ultra-mobile personal computer,ウルトラモバイル・パーソナル・コンピュータ)、ネットブック、又はPDA(personal digital assistant,パーソナル・デジタル・アシスタント)のような、タッチスクリーンを設けられたあらゆる電子デバイスに適用され得るタッチ制御方法を提供する。本発明の実施形態は、それに対して制限を課さない。
【0039】
従来の偶発タッチ防止プロセスでは、通常は、タップ中のスクリーン上でのタッチ点の滞在期間(又は滞在時間範囲)、タッチ・アンド・ホールド中のスクリーン上でのタッチ点の滞在期間(又は滞在時間範囲)、及び偶発タッチ防止動作が実行される必要がある偶発タッチ防止領域のような、固定の偶発タッチ防止パラメータの組が、電子デバイスにおいて前もってセットされる。このようにして、タッチスクリーン上でタッチ点を検出するとき、電子デバイスは、偶発タッチ防止パラメータに対応する実際のタッチパラメータ、例えば、スクリーン上でのタッチ点の実際の座標を取得し得る。この場合に、実際の座標が、上記の偶発タッチ防止パラメータに基づき設定されている偶発タッチ防止領域に位置する場合には、電子デバイスは、タッチ点を偶発的なタッチ点として使用し、タッチ点の関連情報をブロックし得る。
【0040】
しかし、上記の偶発タッチ防止パラメータは固定値の組であるから、偶発タッチ防止パラメータは全てのユーザに適用されない。例えば、異なるユーザの手の形、異なるアプリケーションシナリオ、及び異なるユーザのタッチ癖について、タッチ点は、スクリーン上でのそのタッチ点について生成された実際のタッチパラメータが偶発タッチ防止パラメータに対応しないときに、必ずしも偶発的なタッチ点ではない。
【0041】
この関連で、本発明の実施形態で提供されるタッチ制御方法では、ユーザが電子デバイスのタッチスクリーン上でタッチイベントA(例えば、スライド操作、タップ操作、又はピンチ・アンド・ストレッチ操作)をトリガするとき、タッチイベントAにおけるタッチ点が偶発的なタッチ点であるかどうかを判定するために、電子デバイスは、ユーザの過去のタッチデータ、例えば、直近の期間T(T>0)内に収集されたN(N≧1)個のタッチ点の夫々について生成された実際のタッチパラメータを取得してよい。このようにして、現時点で電子デバイスによって使用されるターゲット偶発タッチ防止パラメータが、過去のタッチデータを使用することによって決定され得る。その後に、ターゲット偶発タッチ防止パラメータは、タッチイベントAにおけるタッチ点が偶発的なタッチ点であるかどうかを識別するために次いで使用される。
【0042】
過去のタッチデータは、直近の期間T内のユーザのタッチ癖を反映することができ、タッチスクリーンに対するユーザのタッチ操作は、通常は連続的である。従って、過去のタッチデータに基づいて決定されるターゲット偶発タッチ防止パラメータも、比較的正確に、現在のユーザのタッチ癖を反映することができる。このようにして、ターゲット偶発タッチ防止パラメータを使用することによって電子デバイスが偶発的なタッチ点を識別する精度は、更に改善されることになる。
【0043】
例えば、
図2に示されるように、ウェブページを閲覧するために電子デバイスを使用するとき、ユーザは、ページめくり動作を完了するよう習慣的に右から左へスライドする。通常、
図2のスクリーンの右端にある領域1は、電子デバイスに前もってセットされた誤動作領域である。この場合に、先行技術が依然として使用される場合には、領域1にタッチ点があることを電子デバイスが検出するたびに、電子デバイスはタッチ点を自動的にブロックする。電子デバイスは、ユーザの指が領域1の境界の外にスライドした後にのみ、タッチ点の関連情報(例えば、タッチ点の座標)をプロセッサへ報告する。プロセッサは、タッチ点の関連情報に基づいて、対応するページめくり動作を実行する。
【0044】
加えて、本発明の実施形態では、なお
図2に示されるように、初めて領域1でタッチ点を検出するときには、電子デバイスは、先行技術で見られるように、依然として自動的にタッチ点をブロックすることができる。しかし、その上、電子デバイスは、今回はタッチ点がタッチスクリーン上でスライドするときに、実際のタッチパラメータ、例えば、タッチ点の移動、又はタッチ点の滞在期間、を更に取得する。この場合に、10秒内に、電子デバイスは、同じ位置でユーザによってトリガされたスライド操作を3回続けて検出することがある。電子デバイスが4度目に領域1においてタッチ点を検出するとき、電子デバイスは、先の10秒内に収集された3組の過去のタッチデータに基づいて、現在のターゲット偶発タッチ防止パラメータにおいて、領域1は誤動作領域に属さないと決定してよい。すなわち、領域1において偶発的なタッチ点を検出する必要がない。この場合に、電子デバイスは、直ちに、タッチ点の関連情報をプロセッサへ報告し得る。プロセッサは、タッチ点の関連情報に基づいて、対応するページめくり動作を実行し、それによって、電子デバイスの応答速度は改善される。
【0045】
本発明の実施形態では、異なる各時点で電子デバイスによって使用されるターゲット偶発タッチ防止パラメータは、ユーザの過去のタッチデータにより変化する変数であることが分かる。このようにして、偶発的なタッチ点を識別する工程で、ユーザの現在のタッチ癖及び現在のアプリケーションシナリオはより良く満足され得、それによって、より正確な偶発タッチ防止効果が得られる。
【0046】
加えて、本発明の実施形態で提供されるタッチ制御方法では、電子デバイスのタッチスクリーンは、代替的に、異なるタッチ領域に分けられてよい。偶発的なタッチイベントが異なる領域で起こる確率は、異なってよい。この関連で、偶発タッチ防止レベルの概念が導入され得る。異なるタッチ領域は、対応する偶発タッチ防止レベルを有している。偶発タッチ防止レベルが高ければ、偶発的なタッチイベントが起こる確率も高くなる。
【0047】
例えば、
図3に示されるように、タッチスクリーン上の領域は、領域2及び領域3に分けられてよい。偶発タッチ防止レベルは、レベル1(最も低い偶発タッチ防止レベル)、レベル2、及びレベル3(最も高い偶発タッチ防止レベル)を含む。
図3に示されるように、領域2の偶発タッチ防止レベルはレベル3である。すなわち、偶発的なタッチイベントが領域2で起こる可能性がある。この場合に、電子デバイスは、領域2におけるタッチ点が偶発的なタッチ点であるかどうかを識別する必要があり、具体的に言えば、偶発タッチ防止動作を実行する必要がある。領域3の偶発タッチ防止レベルはレベル1である。すなわち、偶発的なタッチイベントは領域3ではほとんど起きない。この場合に、電子デバイスは、領域3におけるタッチ点に対して偶発タッチ防止動作を実行する必要がない。
【0048】
タッチスクリーン上で分割されたタッチ領域は、固定であっても、あるいは、具体的なアプリケーションシナリオ又はユーザの癖に従って調整されてもよい。この場合に、固定位置において、例えば、タッチ点が位置するターゲット領域において、電子デバイスが第1アプリケーションを実行しているときに、ターゲット領域は、タッチイベントが起こる確率が比較的高い第1タッチ領域に属してよく、あるいは、電子デバイスが第2アプリケーションを実行しているときに、ターゲット領域は、タッチイベントが起こる確率が比較的低い第2タッチ領域に属してよい。
【0049】
すなわち、各タッチ領域の偶発タッチ防止レベルは、固定であっても、あるいは、具体的なアプリケーションシナリオ又はユーザの癖に従って調整されてもよい。本発明の実施形態は、それに制限を課さず、詳細は、後の実施形態で与えられる。
【0050】
このようにして、偶発的なタッチ点が識別される必要がある領域で目標とされるように偶発タッチ点識別動作を実行するために、タッチスクリーン上の異なるタッチ領域ごとに、対応する偶発タッチ防止レベルが設定され得、それによって、偶発的なタッチ点を識別する効率は改善される。その上、任意のタッチ領域の偶発タッチ防止レベルは、異なる時点で且つ異なるユーザの癖ごとに、タッチ領域に対して対応する偶発タッチ防止レベルを設定するよう更に更新されてもよく、それによって、電子デバイスによって偶発的なタッチ点を識別する精度は改善される。
【0051】
電子デバイスの構成要素は、
図4を参照して以下で具体的に記載される。
【0052】
RF回路21は、情報受信及び送信プロセス又は呼び出しプロセスの間に信号を受信及び送信するよう構成されてよい。特に、RF回路は、無線アクセスデバイスからダウンリンク情報を受信し、次いでダウンリンク情報を処理のためにプロセッサ27へ送り、そして、アップリンクデータを無線アクセスデバイスへ送る。通常、RF回路は、制限なしに、アンテナ、少なくとも1つの増幅器、トランシーバ、カプラ、低雑音増幅器(low noise amplifier,LNA)、デュプレクサ、などを含む。その上、RF回路21は、無線通信を通じてネットワーク及び他のデバイスとも通信し得る。
【0053】
メモリ22は、ソフトウェアプログラム及びモジュールを記憶するよう構成されてよい。プロセッサ27は、メモリ22に記憶されているソフトウェアプログラム及びモジュールを実行して、電子デバイスの様々な機能アプリケーションを実行するとともに、データ処理を実行する。
【0054】
入力ユニット23は、入力された数字又は文字情報を受け取り、電子デバイスのユーザ設定及び機能制御に関連したキー信号入力を生成するよう構成されてよい。具体的に、入力ユニット23は、タッチスクリーン341及び他の入力デバイス342を含んでよい。
【0055】
表示ユニット24は、ユーザによって入力された情報又はユーザに提供される情報、及び電子デバイスの様々なメニューを表示するよう構成されてよい。表示ユニット24は、表示パネル351を含んでよい。任意に、表示パネル351は、液晶ディスプレイ(liquid crystal display,LCD)、有機発光ダイオード(organic light-emitting diode,OLED)、などの形で構成されてよい。
【0056】
カメラ25も、入力デバイスとして使用されてよく、具体的に、収集されたアナログ映像又は画像信号をデジタル信号に変換し、更には、デジタル信号をメモリ22にセーブするよう構成される。具体的に、カメラ25は、フロントカメラ、リアカメラ、内蔵カメラ、外付けカメラ、などを含んでよい。本発明の実施形態は、それに制限を課さない。
【0057】
電子デバイスは、重力センサ並びに、光学センサ、ジャイロスコープ、気圧計、湿度計、温度計、及び赤外線センサのような他のセンサを更に含んでよく、詳細は、ここでは記載されない。
【0058】
オーディオ回路26、スピーカ371、及びマイクロホン372は、ユーザと電子デバイスとの間のオーディオインターフェイスを提供し得る。オーディオ回路26は、受け取られたオーディオデータを電気信号に変換し、電気信号をスピーカ371へ送ってよい。スピーカ371は、電気信号を出力のために音響信号に変換する。その上、マイクロホン372は、収集された音響信号を電気信号に変換する。オーディオ回路26は、電気信号を受信し、電気信号をオーディオデータに変換し、オーディオデータをRF回路21へ出力して、オーディオデータを、例えば、他の電子デバイスへ送るか、又はオーディオデータを更なる処理のためにメモリ22へ出力する。
【0059】
プロセッサ27は、電子デバイスの制御センターであり、様々なインターフェイス及びラインを使用することによって電子デバイス全体の様々な部分を接続する。メモリ22に記憶されているソフトウェアプログラム及び/又はモジュールを起動又は実行し、且つ、メモリ22に記憶されているデータを呼び出すことによって、プロセッサ27は、電子デバイスの様々な機能を実行するとともに、データを処理し、それによって、電子デバイスに対する全体的なモニタリングを実行する。任意に、プロセッサ27は、1つ以上の処理ユニットを含んでよい。
【0060】
図示されていないが、電子デバイスは、電源、WiFi(wireless fidelity,ワイヤレス・フィデリティ)モジュール、ブルートゥースモジュール、などを更に含んでよく、詳細は、ここでは記載されない。
【0061】
本発明の実施形態で提供されるタッチ制御方法は、具体的な実施形態を参照して以下で詳細に記載される。
図5に示されるように、方法は、次のステップを含む。
【0062】
101.電子デバイスは、毎回タッチスクリーン上でユーザによってトリガされるタッチ点について生成される実際のタッチパラメータを収集する。
【0063】
ステップ101で、
図6に示されるように、タッチスクリーン上にタッチ点(例えば、点P1)があることを電子デバイスが検出するとき、電子デバイスは、点P1がタッチスクリーンに現れる時点から、点P1がタッチスクリーンから離れる時点までの期間内に生成される実際のタッチパラメータ、例えば、点P1がタッチスクリーンに現れる時点、点P1がタッチスクリーンから離れる時点、点P1の変位、点P1の座標、及び点P1の位置で生成されるキャパシタンス信号、を追跡するようトリガされる。実際のタッチパラメータの具体的な内容は、本発明のこの実施形態において制限されない。実際のタッチパラメータは、ユーザのタッチ癖を表す如何なるパラメータであってもよい。
【0064】
例えば、電子デバイスによって毎回収集される実際のタッチパラメータは、ベクトルによって表現されてよい。例えば、点P1が依然として例として使用される。収集された実際のタッチパラメータi
1=[X
11,X
12,・・・X
1j]、ここで、j>0であって、X
11は、点P1がタッチスクリーンに現れる時点を表すことができ、X
12は、点P1がタッチスクリーンから離れる時点を表すことができ、・・・そして、X
1jは、点P1の変位を表すことができる。
【0065】
同様に、点P2を検出するとき、電子デバイスは、対応する実際のタッチパラメータi2=[X
21,X
22,・・・X
2j]を取得し得る。このようにして、
図7に示されるように、最初のタッチ点がタッチスクリーンに現れる時点から、最後のタッチ点がタッチスクリーンから離れる時点までの期間は、完全な学習サイクルとして使用されてよい。電子デバイスは、現在の学習サイクルにおいてY(Y≧1)組の実際のタッチパラメータi
1乃至i
Yを取得し得る。その後に、タッチイベントを取得した後、電子デバイスは、Y(Y≧1)組の実際のタッチパラメータに対して機械学習を実行して、ユーザがスクリーンをタップするときのスクリーン上でのタッチ点の滞在期間(又は滞在時間範囲)、及びタッチ・アンド・ホールド中のスクリーン上でのタッチ点の滞在期間(又は滞在時間範囲)のような、ターゲット偶発タッチ防止パラメータを学習し得る。学習されたターゲット偶発タッチ防止パラメータは、ユーザのタッチ癖を反映することができるので、ターゲット偶発タッチ防止パラメータを使用することによって電子デバイスが偶発的なタッチ点を識別する精度は、更に改善されることになる。
【0066】
102.電子デバイスは、目標時点で、タッチスクリーン上でユーザによってトリガされたタッチイベントを取得する。
【0067】
ステップ102で、電子デバイスは、目標時点(ここで、目標時点は、電子デバイスが最初にユーザの実際のタッチパラメータを収集する時点よりも後である。)で、タッチスクリーン上でユーザによってトリガされたタッチイベント、例えば、タップ操作又はスライド操作を取得する。タッチイベントは、少なくとも1つのタッチ点のタッチ位置を含む。
【0068】
103.タッチイベントに応答して、電子デバイスは、目標時点に最も近い期間T内のユーザの過去のタッチデータを取得し、ここで、過去のタッチデータは、T>0及びN≧1として、期間T内に記録されたN組の実際のタッチパラメータを含む。
【0069】
次いで、ステップ103で、電子デバイスは、ステップ101で取得されたY組の実際のタッチパラメータから、目標時点に最も近い期間T内に収集されたN(N≦Y)組の実際のタッチパラメータを取得してよい。N組の実際のタッチパラメータは、ユーザの過去のタッチデータとして使用されてよく、過去のタッチデータは、直近の期間T内のタッチスクリーンに対するユーザのタッチ癖を反映する。過去のタッチデータは、例えば、スライド操作を実行するための変位の値、及びユーザの手形のサイズである。
【0070】
加えて、異なるアプリケーションシナリオ又は異なるタッチイベントによって、電子デバイスは、Tの具体的な値を調整してよい。例えば、タッチイベントが、タッチ操作のような、比較的従来のタッチイベントであるとき、Tの値は、より大きく設定されてよい。このようにして、その後に、電子デバイスは、比較的広い範囲の過去のタッチデータの中で、より正確なターゲット偶発タッチ防止パラメータを決定することができる。他の例として、タッチイベントがゲームシナリオでトリガされるとき、ゲームシナリオでトリガされるタッチイベントは全て比較的短く、一点に集中しているので、Tの値は、より小さく設定されてよい。このようにして、取得される過去のタッチデータの大部分がゲームシナリオで生成され、そして、ユーザが直近の期間T内にタッチスクリーン上でゲームをやるときのユーザのタッチ癖を反映する。その後に、電子デバイスは、過去のタッチデータの中で、ゲームシナリオのためのより正確なターゲット偶発タッチ防止パラメータを決定することができる。
【0071】
104.電子デバイスは、過去のタッチデータに基づいて、現在使用されているターゲット偶発タッチ防止パラメータを決定する。
【0072】
105.電子デバイスは、ターゲット偶発タッチ防止パラメータを使用することによって、タッチイベントにおけるタッチ点が偶発的なタッチ点であるかどうかを判定する。
【0073】
具体的に、ステップ104で、電子デバイスは、ステップ103で取得されたN組の実際のタッチパラメータに基づいて機械学習を実行して、N組の実際のタッチパラメータに適合するターゲットタッチパラメータを取得し得る。
【0074】
N=3のとき、3組の実際のタッチパラメータが例として使用される。実際のタッチパラメータ1はi
1=[X
11,X
12,・・・X
1j]であり、実際のタッチパラメータ2はi
2=[X
21,X
22,・・・X
2j]であり、実際のタッチパラメータ3はi
3=[X
31,X
32,・・・X
3j]である。次いで、加重平均化が、3組の実際のタッチパラメータにおける各特性値に対して実行され、ターゲットタッチパラメータにおける対応する特性値が得られる。この場合に、ターゲットタッチパラメータはQ=[X′
1,X′
2,・・・X′
j]であり、ここで、X′
1=K
11×X
11+K
21×X
21+K
31×X
31且つK
11+K
21+K
31=1、X′
2=K
12×X
12+K
22×X
22+K
32×X
32且つK
12+K
22+K
32=1、・・・、X′
j=K
1j×X
1j+K
2j×X
2j+K
3j×X
3j且つK
1j+K
2j+K
3j=1。
【0075】
ステップ101で収集された実際のタッチパラメータと同様に、X′
1は、直近の期間T内でタッチ点がタッチスクリーンに現れる時点を示すために使用され、X′
2は、直近の期間T内でタッチ点がタッチスクリーンから離れる時点を示すために使用され、・・・、X′
jは、直近のT内のタッチ点の変位を示すために使用される。
【0076】
加えて、K
1j、K
2j、K
3jの値は、インクリメントであるよう設定されてよい。すなわち、現時点により近い実際のタッチパラメータにおける特性値は、より大きい。この場合に、計算されたターゲットタッチパラメータQは、現時点でのユーザのタッチ癖により近く、ターゲットタッチパラメータQを使用することによってその後に予測されるターゲット偶発タッチ防止パラメータは、より正確である。
【0077】
このようにして、電子デバイスは、ターゲットタッチパラメータQに基づいて、現在のターゲット偶発タッチ防止パラメータを推定することができる。例えば、ターゲット偶発タッチ防止パラメータがタッチスクリーン上でのタッチ点の滞在時間範囲を含む場合には、電子デバイスは、タッチスクリーン上でのタッチ点の滞在期間としてターゲットタッチパラメータQに含まれている、直近の期間T内にタッチ点がタッチスクリーンから離れる時点X′
2から、直近の期間T内にタッチ点がタッチスクリーンに現れる時点X′
1の間の差、を使用してよい。例えば、X′
1−X′
2=20。すなわち、滞在期間は20(単位ms)である。この場合に、精度が±5msであるとき、20±5msがターゲット偶発タッチ防止パラメータに含まれる滞在時間範囲であることが決定され得る。
【0078】
タッチスクリーンに対するユーザのタッチ操作は、通常は連続的である。従って、過去のタッチデータに基づいて決定されるターゲット偶発タッチ防止パラメータ(例えば、滞在時間範囲)は、比較的正確に、現在のユーザのタッチ癖を反映し得る。このようにして、ステップ105で、ステップ102でのタッチスクリーン上でのタッチイベントにおけるタッチ点の滞在期間が20±5msの滞在時間範囲内にないとき、電子デバイスは、タッチ点が偶発的なタッチ点であると決定することができる。
【0079】
確かに、タッチスクリーン上でのタッチ点の滞在時間範囲がターゲット偶発タッチ防止パラメータとして使用されることは、一例として使用されているにすぎない。ターゲット偶発タッチ防止パラメータは、偶発的なタッチ点を識別するために使用されるあらゆるパラメータ、例えば、タップ操作を行うためにユーザによって使用される期間(若しくは時間範囲)、タッチ・アンド・ホールド操作を行うためにユーザによって使用される期間(若しくは時間範囲)、又はタッチ点のキャパシタンス信号、であってよいことが理解され得る。本発明の実施形態は、それに制限を課さない。
【0080】
加えて、電子デバイスは更に、ステップ101で収集されたY組の実際のタッチパラメータを、異なるタッチイベントに基づいて分類してよい。例えば、タップ操作に対応するY1(Y1≦Y)組の実際のタッチパラメータが、1タイプとして分類され、スライド操作に対応するY2(Y2≦Y)組の実際のタッチパラメータが、1タイプとして分類される。
【0081】
この場合に、ステップ102でトリガされたタッチイベントがスライド操作であるとき、電子デバイスは、上記のY2組の実際のタッチパラメータに含まれる直近の期間T内の実際のタッチパラメータを過去のタッチデータとして使用してよい。このようにして、過去のタッチデータに基づいてターゲット偶発タッチ防止パラメータを決定するとき、電子デバイスは、偶発タッチ防止識別プロセスの精度を改善するために、タッチイベントのタイプに基づいて、目標とされるように、異なるターゲット偶発タッチ防止パラメータを生成し得る。
【0082】
ステップ102乃至ステップ105は、ただ1つのタッチイベントを一例として使用することによって記載されている点が留意されるべきである。ステップ102乃至ステップ105におけるタッチ制御方法は、持続的に循環し得ることが理解され得る。この場合に、タッチイベントごとに電子デバイスによって決定されるターゲット偶発タッチ防止パラメータは、異なることがある。毎回決定されるターゲット偶発タッチ防止パラメータは、ユーザの最新のタッチ癖に基づいて生成される。これは、偶発タッチ防止動作のための異なるアプリケーションシナリオにおける異なるユーザの要件を満足することができる。
【0083】
106.(任意)タッチイベントにおけるタッチ点が偶発的なタッチ点であるとき、電子デバイスは、過去のタッチデータに基づいて、現在使用されているターゲット誤認防止パラメータを決定する。
【0084】
107.(任意)電子デバイスは、ターゲット誤認防止パラメータを使用することによって、電子デバイスによって実行されている偶発タッチ防止動作が誤認イベントであるかどうかを判定する。
【0085】
誤認イベントは、電子デバイスがタッチ点を、そのタッチ点が偶発的なタッチ点でないときに偶発的なタッチ点として決定するために、電子デバイスがタッチ点に応答することができないトリガイベントである。誤認点は、偶発的なタッチ点でないが、電子デバイスによって偶発的なタッチ点と決定されるタッチ点である。
【0086】
誤認イベントを回避するために、1つのタッチ点が偶発的なタッチ点であると決定した後に、電子デバイスは、移動軌跡又はタップ期間のような、偶発的なタッチ点の実際のタッチパラメータを引き続き検出し、更には、実際のタッチパラメータを、前もってセットされた誤認防止パラメータと比較してよい。例えば、1つの変位の閾値が誤認防止パラメータにおいて設定される。実際のタッチパラメータにおいて取得された変位の値が閾値を越えるとき、偶発的なタッチ点と誤って見なされているタッチイベントにおけるタッチ点の関連情報を再送するために、偶発的なタッチ点は誤認点と決定され得る。
【0087】
本発明のこの実施形態で、ターゲット偶発タッチ防止パラメータと同様に、電子デバイスは、ユーザの過去のタッチデータに基づいて、現在のユーザのタッチ癖を満足するターゲット誤認防止パラメータを更に決定してよい。
【0088】
ターゲット誤認防止パラメータは、偶発的なタッチ点が誤認点であるかどうかを判定するために電子デバイスによって使用される1つ以上のパラメータ(又はパラメータインターバル)である。ターゲット偶発タッチ防止パラメータは、タッチ点が偶発的なタッチ点であるかどうかを判定するために電子デバイスによって使用される1つ以上のパラメータ(又はパラメータインターバル)である。
【0089】
違いは、ターゲット誤認防止パラメータに含まれるパラメータがターゲット偶発タッチ防止パラメータに含まれるパラメータとは異なり得る点である。例えば、ターゲット偶発タッチ防止パラメータは、ユーザがタップ操作を行う期間(若しくは時間範囲)、又はユーザがタッチ・アンド・ホールド操作を行う期間(若しくは時間範囲)を含んでよい。ターゲット誤認防止パラメータは、ユーザの手形のサイズなどを更に含んでよい。
【0090】
ステップ104と同様に、ステップ106で、電子デバイスは、過去のタッチデータ、すなわち、ステップ103で取得されたN組の実際のタッチパラメータに基づいて機械学習をやはり実行して、N組の実際のタッチパラメータに適合するターゲットタッチパラメータQ=[X′
1,X′
2,・・・X′
j]を得ることができる。
【0091】
この場合に、ユーザの手形のサイズがターゲット
誤認防止パラメータであることが、一例として使用される。電子デバイスは、ターゲットタッチパラメータQにおけるタッチ点のキャパシタンス信号に基づいて、ユーザの手形のサイズを決定し得る。
【0092】
このようにして、ステップ107で、電子デバイスは、タッチイベントにおけるユーザの手形のサイズを、ターゲット誤認防止パラメータにおけるユーザの手形のサイズと比較してよい。2つのサイズの間の類似性が閾値に満たないとき、電子デバイスは、タッチイベントにおけるタッチ点が誤認点でないと決定し得る。すなわち、タッチイベントにおけるタッチ点は、まさしく、偶発的なタッチ点である。そうでなければ、電子デバイスは、タッチイベントにおけるタッチ点が誤認点であると決定し得る。
【0093】
夫々の偶発的なタッチ点について電子デバイスによって決定されるターゲット誤認防止パラメータは、異なってよいことが分かる。毎回決定されるターゲット誤認防止パラメータは、ユーザの最新のタッチ癖に基づいて生成される。これは、誤認防止動作のための異なるアプリケーションシナリオにおける異なるユーザの要件を満足することができ、それによって、誤認点を識別する精度は改善される。
【0094】
確かに、ターゲット誤認防止パラメータがターゲット偶発タッチ防止パラメータと同じである場合には、電子デバイスは、ステップ104で決定されたターゲット偶発タッチ防止パラメータを、ステップ106でターゲット誤認防止パラメータとして直接使用してよい。代替的に、ターゲット誤認防止パラメータの中の1つ以上のパラメータが、ターゲット偶発タッチ防止パラメータの中の1つ以上のパラメータと同じである。この場合に、電子デバイスは、ターゲット偶発タッチ防止パラメータの中のパラメータとは異なるパラメータを決定しさえすればよい。本発明のこの実施形態は、それに制限を課さない。
【0095】
本発明のこの実施形態は、タッチ制御方法を提供する。方法において、電子デバイスのタッチスクリーンは、1つ以上のタッチ領域に分けられてよい。各タッチ領域は、対応する偶発タッチ防止レベルを有している。偶発タッチ防止レベルが高いほど、偶発的なタッチイベントがタッチ領域で起こる確率は大きくなる。
【0096】
例えば、
図8に示されるように、タッチスクリーンは3つのタッチ領域、すなわち、第1領域、第2領域、及び第3領域に分けられてよい。第1領域は、縦向きのタッチスクリーンの左下角及び右下角に位置し、第2領域は、縦向きのタッチスクリーンの上境界及びタッチスクリーンの中央領域に位置し、第3領域は、第1領域及び第2領域とは異なる部分である。
【0097】
通常、第1領域では、偶発的なタッチが起こりやすい。従って、第1領域の偶発タッチ防止レベルは、レベル3として設定されてよい(偶発タッチ防止レベルがレベル1、レベル2及びレベル3を含むとして、レベル3は最も高いレベルであり、レベル1は最も低いレベルである。)。通常、第2領域では、偶発的なタッチは起こらない。従って、第2領域の偶発タッチ防止レベルは、レベル1として設定されてよい。第3領域では、偶発的なタッチは起きることもあれば起きないこともある。従って、第3領域の偶発タッチ防止レベルは、レベル2として設定されてよい。
【0098】
偶発タッチ防止レベルは、偶発タッチ防止動作を実行すべきかどうかに直接関係する。偶発タッチ防止レベルが比較的高いとき、例えば、第1領域の偶発タッチ防止レベルがレベル3であるとき、電子デバイスは、その領域で起こるタッチ点に対して偶発タッチ防止動作を実行する必要がある、すなわち、タッチ点が偶発的なタッチ点であるかどうかを識別する必要がある。偶発タッチ防止レベルが比較的低いとき、例えば、第2領域の偶発タッチ防止レベルがレベル1であるとき、電子デバイスは、その領域で起こるタッチ点に対して偶発タッチ防止動作を実行する必要がない。偶発タッチ防止レベルがレベル2であるとき、電子デバイスは、偶発タッチ防止動作を実行する頻度を下げるか、又は偶発タッチ防止動作を実行する条件を緩和してよい。代替的に、電子デバイスは更に、ユーザ設定又は具体的なアプリケーションシナリオのような条件に従って、偶発タッチ防止動作を実行すべきかどうかを決定してもよい。
【0099】
例えば、第1領域は、レッド領域と呼ばれ得る。タッチイベントにおけるタッチ点がレッド領域にあるとき、電子デバイスは、タッチ点が偶発的なタッチ点であるかどうかを識別する必要がある。第2領域は、グリーン領域と呼ばれ得る。タッチイベントにおけるタッチ点がグリーン領域にあるとき、電子デバイスは、タッチ点が偶発的なタッチ点であるかどうかを識別する必要がなく、タッチイベントを直接プロセッサへ報告する。プロセッサは更に、タッチイベントに対応する動作のみを実行する。その上、第3領域は、イエロー領域と呼ばれ得る。タッチイベントにおけるタッチ点がイエロー領域にあるとき、電子デバイスは、現在実行されている具体的なアプリケーションに基づいて、タッチ点が偶発的なタッチ点であるかどうかを識別すべきかどうかを決定してよい。
【0100】
このようにして、偶発的なタッチ点が識別される必要がある領域で目標とされるように偶発タッチ防止動作を実行するために、タッチスクリーン上の異なるタッチ領域ごとに、対応する偶発タッチ防止レベルが設定され得、それによって、偶発的なタッチ点を識別する効率は改善される。
【0101】
更に、上記の領域のうちいずれか1つの偶発タッチ防止レベルは固定であってよい。例えば、第1領域の偶発タッチ防止レベルは常にレベル3として設定されてよく、第2領域の偶発タッチ防止レベルは常にレベル1として設定されてよい。代替的に、上記の領域のうちいずれか1つの偶発タッチ防止レベルは、ユーザのタッチ癖に基づいて電子デバイスによって実時間で調整されてもよい。例えば、第3領域の偶発タッチ防止レベルは、デフォルトでレベル3として設定されてよい。前もってセットされた期間内に第3領域で誤認イベントが起こらないときに、第3領域の偶発タッチ防止レベルはレベル2に下げられてよい。
【0102】
確かに、領域の分割並びに領域の形状及びサイズは、代替的に、当業者によって設定又は調整されてよい。本発明の実施形態は、それに制限を課さない。
【0103】
上記の偶発タッチ防止レベルについてのセキュリティメカニズムに基づいて、本発明の実施形態はタッチ制御方法を提供する。
図9に示されるように、方法は、次のステップを含む。
【0104】
201.電子デバイスは、タッチスクリーン上でユーザによってトリガされたタッチイベントを取得し、このとき、タッチイベントは、タッチ点のタッチ位置を含む。
【0105】
ステップ201で、ユーザは、電子デバイスのタッチスクリーン上でタッチイベントをトリガする。タッチイベントにおけるタッチ点(例えば、
図10に示される点P2)を検出した後、電子デバイスは、タッチスクリーン上でのキャパシタンス信号の変化に基づいて、タッチ点のタッチ位置、例えば、点P2の座標P2(x,y)を決定してよい。
【0106】
202.タッチイベントに応答して、電子デバイスは、タッチスクリーン上の各領域の偶発タッチ防止レベルを更新する。
【0107】
図8の第1領域、第2領域、及び第3領域を一例として用いると、タッチイベントを検出するたびに、電子デバイスは、現時点での3つの領域の偶発タッチ防止レベルを更新する。
【0108】
第1領域及び第2領域の偶発タッチ防止レベルは固定であってよい。この場合に、ステップ202で、第1領域及び第2領域の更新された偶発タッチ防止レベルは、更新の前の第1領域及び第2領域の偶発タッチ防止レベルと同じである。具体的に言えば、第1領域の偶発タッチ防止レベルはレベル3のままであり、第2領域の偶発タッチ防止レベルはレベル1のままである。
【0109】
第3領域の偶発タッチ防止レベルは時間とともに変化し得る。すなわち、毎回第3領域に対して設定される偶発タッチ防止レベルは、暫定である。第3領域の偶発タッチ防止レベルがレベル1であるとき、期間T1(T1>0)の後、第3領域で偶発的なタッチイベントが起こるリスクは高くなる。従って、第3領域の偶発タッチ防止レベルはレベル2に更新されてよい。同様に、第3領域の偶発タッチ防止レベルがレベル2であるとき、期間T2(T2>0)の後、第3領域の偶発タッチ防止レベルはレベル3に更新されてよい。
【0110】
例えば、第3領域の偶発タッチ防止レベルは、最初はレベル1である。上記のタッチイベントを検出するとき、電子デバイスは、タッチイベントのトリガ時間と、第3領域の偶発タッチ防止レベルの最後の更新のリフレッシュ時間との間の時間差を計算してよい。時間差がT1よりも大きいとき、第3領域の偶発タッチ防止レベルはレベル2に更新されてよい。すなわち、この場合に、第3領域で偶発的なタッチイベントが起こる確率は、ある程度増大する。
【0111】
確かに、ユーザは、代替的に手動で、各領域の偶発タッチ防止レベルを設定するか、あるいは、各領域の偶発タッチ防止レベルのためのルールを更新してよい。代替的に、電子デバイスが、サーバによって送信された命令又はデータ、例えば、90%のユーザによって使用されサーバによってプッシュされるターゲット偶発タッチ防止パラメータ又はターゲット誤認防止パラメータに従って、各領域の偶発タッチ防止レベルを更新してもよい。本発明のこの実施形態は、それに制限を課さない。
【0112】
203.電子デバイスは、タッチ位置を含むターゲット領域の偶発タッチ防止レベルを決定する。
【0113】
具体的に、タッチ点P2のタッチ位置P2(x,y)が取得されているので、
図11に示されるように、前もってセットされたサイズを有し且つ点P2を含む領域が、ターゲット領域として使用されてよい。この場合に、ステップ203で、ターゲット領域の偶発タッチ防止レベルが更に決定されてよい。
図11に示されるように、ターゲット領域は第3領域の中にあり、第3領域の偶発タッチ防止レベルはレベル2に更新されている。この場合に、ターゲット領域の偶発タッチ防止レベルはレベル2と決定され得る。
【0114】
依然として
図11に示されるように、点P2がタッチスクリーンの端に位置するとき、点P2の周りの半径R(R>0)内にある(円形又は長方形)領域がターゲット領域として使用されてよい。代替的に、点P2がタッチスクリーンの中央に位置するとき、点P2を中心として使用して複数のピクセル(例えば、30×30ピクセル)によって形成される領域が、ターゲット領域として使用されてもよい。本発明のこの実施形態は、それに制限を課さない。
【0115】
204.電子デバイスは、ターゲット領域のターゲット偶発タッチ防止レベルに基づいて、タッチイベントに対して偶発タッチ防止動作を実行すべきかどうかを決定する。
【0116】
例えば、偶発タッチ防止レベルがレベル3であるとき、電子デバイスは、タッチイベントに対して偶発タッチ防止動作を実行する。
【0117】
偶発タッチ防止レベルが比較的低く、レベル1であるとき、電子デバイスは、タッチイベントに対して偶発タッチ防止動作を実行せず、タッチイベントにおけるタッチ点の関連情報を、電子デバイスのプロセッサのようなモジュールへ報告する。その後に、プロセッサは、タッチ点の関連情報に基づいて、対応する動作、例えば、アンロック動作を実行する。
【0118】
偶発タッチ防止レベルがレベル2であるとき、電子デバイスは、偶発タッチ防止動作を実行する頻度を下げてよく、例えば、元の頻度の50%で偶発タッチ防止動作を実行してよい、すなわち、取得された2つのタッチ点のうちのいずれか1つに対して偶発タッチ防止動作を実行してよい。代替的に、レベル1の場合に偶発タッチ防止動作を実行するために電子デバイスによって使用される偶発タッチ防止パラメータと比べて、電子デバイスは、偶発タッチ防止動作を実行する条件を緩和するよう、偶発タッチ防止パラメータを調整してよい。例えば、電子デバイスは、タップ期間を20msから30msに調整してよい。この場合に、タッチスクリーン上でのタッチ点の滞在期間が30msよりも長いとき、電子デバイスは、タッチ点を偶発的なタッチ点と決定する。代替的に、電子デバイスは更に、現在のアプリケーションシナリオに基づいて、偶発タッチ防止動作を実行すべきかどうかを決定してよい。例えば、タッチ精度に対する要求が高くないアプリケーションが電子デバイスの表示インターフェイスで実行されているとき、電子デバイスは、タッチイベントに対して偶発タッチ防止動作を実行する必要がなく、タッチイベントを直接報告してよい。タッチ精度に対する要求が比較的高いアプリケーションが電子デバイスの表示インターフェイスで実行されているとき、電子デバイスは、タッチイベントに対して偶発タッチ防止動作を実行する。
【0119】
タッチイベントに対して偶発タッチ防止動作を実行するために電子デバイスによって使用される方法については、ステップ101乃至ステップ105の関連する記載を参照されたく、詳細は、ここで再度記載されない。
【0120】
205.(任意)タッチイベントにおけるタッチ点が偶発的なタッチ点であるとき、電子デバイスは、偶発的なタッチ点が誤認点であるかどうかを判定する。
【0121】
206.(任意)偶発的なタッチ点が誤認点であるとき、電子デバイスは、ターゲット領域で起こる誤認の数に基づいて、ターゲット領域の偶発タッチ防止レベルを更新する。
【0122】
ステップ106で記載されたように、ステップ205で、タッチイベントにおけるタッチ点が偶発的なタッチ点であることを決定した後、タッチ点が誤認点であるかどうかを判定するために、電子デバイスは、タッチ点の実際のタッチパラメータを引き続き検出し、前もってセットされた誤認防止パラメータと実際のタッチパラメータを比較してよい。
【0123】
タッチイベントにおけるタッチ点に対して誤認防止動作を実行するために電子デバイスによって使用される方法については、ステップ106及びステップ107の関連する記載を参照されたく、詳細は、ここで再度記載されない。
【0124】
更に、タッチ点が誤認点である場合には、それは、ステップ204で行われた偶発タッチ防止動作で誤りが起きたことを示す。この場合に、電子デバイスは、タッチ点が誤認点と決定される誤認時間を記録してよい。
【0125】
この場合に、ステップ206で、電子デバイスは、直近の期間L(L>0)内にターゲット領域で誤認イベント(すなわち、偶発的なタッチ点が誤認点と決定されること)が起こる回数を取得してよい。数が閾値よりも多い場合には、それは、ターゲット領域におけるユーザのタッチ行動がユーザの通常の行動であることを示す。従って、電子デバイスは、ターゲット領域の偶発タッチ防止レベルを下げてよい。
【0126】
例えば、依然として
図11に示されるように、ターゲット領域の偶発タッチ防止レベルは3であり(すなわち、ターゲット領域はレッド領域に属する。)、ユーザがターゲット領域でタッチイベントをトリガした後、タッチイベントにおけるタッチ点が偶発的なタッチ点であると電子デバイスが決定するならば、電子デバイスは更に、タッチ点に対して誤認防止動作を実行してよい。この場合に、偶発的なタッチ点が誤認点であることを決定するならば、電子デバイスは更に、直近の期間L内にターゲット領域で起きた誤認の数を取得する。3回の(又は3回よりも多い)連続した誤認がターゲット領域で起こる場合に、それは、ユーザが、点P2を誤ってタッチしているのではなく、点P2を意図的にタッチしていることを示す。従って、電子デバイスは、ターゲット領域の偶発タッチ防止レベルをレベル3からレベル1に下げてよい(すなわち、ターゲット領域をレッド領域からグリーン領域に下げる。)。このようにして、次のタッチイベントがターゲット領域で起こるとき、ターゲット領域の偶発タッチ防止レベルはレベル1に更新されているので、電子デバイスは、現在のタッチイベントに対して偶発タッチ防止動作を実行する必要がない。このようにして、誤認現象は、同じ場所で複数回起こることを防止され得、それによって、誤認リスクは下げられる。
【0127】
更に、ステップ206で、すなわち、誤認の数に基づいてターゲット領域の偶発タッチ防止レベルを更新した後に、電子デバイスは更に、ターゲット領域の偶発タッチ防止レベルの更新のリフレッシュ時間を記録してよい。例えば、ターゲット領域の偶発タッチ防止レベルはレベル2である。誤認の数が前もってセットされた閾値よりも多いとき、電子デバイスは、ターゲット領域の偶発タッチ防止レベルをレベル1に更新し、現在の時間を、ターゲット領域の偶発タッチ防止レベルがレベル1に更新されたリフレッシュ時間として記録する。誤認の数が前もってセットされた閾値以下であるとき、電子デバイスは依然としてターゲット領域の偶発タッチ防止レベルをレベル2のままとし、現在の時間を、ターゲット領域の偶発タッチ防止レベルがレベル2に更新されたリフレッシュ時間として記録する。
【0128】
このようにして、次のタッチイベントがターゲット領域でその後に検出されるとき、ステップ202と同様に、電子デバイスは、リフレッシュ時間とタッチイベントのトリガ時間との間の時間差に基づいて、ターゲット領域の偶発タッチ防止レベルを更新してよい。
【0129】
ステップ201乃至ステップ206における偶発タッチ防止レベルは、1つ以上のアプリケーションシナリオのために設定及び更新されてよい点が留意されるべきである。例えば、アプリケーションAを実行しているとき、電子デバイスは、電子デバイスのタッチスクリーンを
図11に示されるように異なる領域に分割し、ステップ201乃至ステップ206に従って、アプリケーションAを実行しているときのユーザのタッチ癖を学習して、異なる領域ごとの対応する偶発タッチ防止レベルを更新する。アプリケーションBを実行しているとき、電子デバイスは、アプリケーションAを実行しているときに取得される各領域の偶発タッチ防止レベルを捨て、再びステップ201乃至ステップ206に従って、アプリケーションBを実行しているときのユーザのタッチ癖を更に学習して、異なる領域ごとの対応する偶発タッチ防止レベルを更新してよい。このようにして、アプリケーションAが実行されるときに取得される各領域の偶発タッチ防止レベルは、アプリケーションBに影響を及ぼさず、それによって、様々なアプリケーションシナリオにおいて電子デバイスによって偶発的なタッチ点(又は誤認点)を識別する精度は、改善される。
【0130】
本発明の実施形態で提供される上記の2つのタッチ制御方法、すなわち、ステップ101乃至ステップ107で提供されるタッチ制御方法、及びステップ201乃至ステップ206で提供されるタッチ制御方法では、電子デバイスは、タッチ制御プロセスを完了するために上記の2つの信号報告方法のうちの少なくとも1つを選択することができる点が留意されるべきである。すなわち、上記の2つのタッチ制御方法は、使用するために一体化又は結合されてよい。これは、実際の経験又は実際の適用シナリオに従って当業者によって設定されてよい。本発明の実施形態は、それに制限を課さない。
【0131】
加えて、当業者は、銅ピラー検出などを通じてタッチスクリーン上でタッチ感度及び精度を検出してもよい。本発明の実施形態で、異なるタッチ領域は異なる偶発タッチ防止レベルを有し得るので、検出を通じて得られる各領域でのタッチ感度及び精度は、異なり得る。本発明の実施形態は、それに制限を課さない。
【0132】
上記の機能を実装するために、電子デバイスなどは、様々な対応する機能を実行するためのハードウェア構造及び/又はソフトウェアモジュールを含むことが理解され得る。当業者は、本明細書で開示されている実施形態で記載されるユニット及びアルゴリズムステップの例と組み合わせて、本発明の実施形態がハードウェア形態又はハードウェアとコンピュータソフトウェアとの組み合わせの形で実装され得ることに容易に気付くはずである。機能がハードウェア又はコンピュータソフトウェアによって駆動されるハードウェアによって実行されるかどうかは、技術的解決法の設計制約及び特定の用途に依存する。当業者は、特定の用途ごとに、記載される機能を実装するために、異なる方法を使用し得るが、実施は、本発明の実施形態の適用範囲を越えることが考えられるべきではない。
【0133】
本発明の実施形態で、機能モジュール分割は、方法の例に従って電子デバイスで行われ得る。例えば、様々な機能モジュールは、対応する機能に従って分割されてよく、あるいは、2つ以上の機能は、1つの処理モジュールに一体化されてもよい。一体化されたモジュールは、ハードウェアの形で実装されても、あるいは、ソフトウェア機能モジュールの形で実装されてもよい。本発明の実施形態におけるモジュール分割は、一例であって、単に論理的な機能分割である点が留意されるべきである。実際の実施では他の分割方法が存在し得る。
【0134】
様々な機能モジュールが対応する機能に従って分割されるとき、
図12は、上記の実施形態における電子デバイスの可能な略構造図である。電子デバイスは、取得ユニット1101、決定ユニット1102、調整ユニット1103、及び実行ユニット1104を含む。
【0135】
取得ユニット1101は、電子デバイスが
図5のプロセス101乃至プロセス103及び
図9のプロセス201を実行することを助けるよう構成される。決定ユニット1102は、電子デバイスが
図5のプロセス104及びプロセス106並びに
図9のプロセス203及びプロセス204を実行することを助けるよう構成される。調整ユニット1103は、電子デバイスが
図9のプロセス202及びプロセス206を実行することを助けるよう構成される。実行ユニット1104は、電子デバイスが
図3のプロセス105及びプロセス107並びに
図9のプロセス205を実行することを助けるよう構成される。上記の方法の実施形態におけるステップの全ての関連する内容は、対応する機能モジュールの機能説明を参照可能である。詳細は、ここで再度記載されない。
【0136】
一体化されたユニットが使用されるとき、
図13は、上記の実施形態における電子デバイスの可能な略構造図である。電子デバイスは、処理モジュール1302及び通信モジュール1303を含む。処理モジュール1302は、電子デバイスの動作を制御及び管理するよう構成される。通信モジュール1303は、UEが他のネットワークエンティティと通信することを助けるよう構成される。電子デバイスは、電子デバイスのプログラムコード及びデータを記憶するよう構成される記憶モジュール1301を更に含んでよい。
【0137】
処理モジュール1302は、中央演算処理装置(Central Processing Unit,CPU)、汎用プロセッサ、デジタル信号プロセッサ(Digital Signal Processor,DSP)、特定用途向け集積回路(Application-Specific Integrated Circuit,ASIC)、フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ(Field Programmable Gate Array,FPGA)、若しくは他のプログラム可能な論理デバイス、トランジスタ論理デバイス、ハードウェア部品、又はそれらの組み合わせのような、プロセッサ又はコントローラであってよい。コントローラ/プロセッサは、本発明で開示される内容を参照して記載される様々な論理ブロック、モジュール、及び回路の例を実装又は実行してよい。代替的に、プロセッサは、計算機能を実装するプロセッサの組み合わせ、例えば、1つ以上のマイクロプロセッサの組み合わせ、又はDSPとマイクロプロセッサとの組み合わせであってもよい。通信モジュール1303は、トランシーバ、トランシーバ回路、通信インターフェイス、などであってよい。記憶モジュール1301はメモリであってよい。
【0138】
処理モジュール1302がプロセッサであり、通信モジュール1303がRFトランシーバ回路であり、記憶モジュール1301がメモリであるとき、本発明のこの実施形態で提供される電子デバイスは、
図4に示される電子デバイスであってよい。
【0139】
上記の実施形態の全て又は一部は、ソフトウェア、ハードウェア、ファームウェア、又はそれらの任意の組み合わせによって実装されてよい。ソフトウェアプログラムが実施形態を実装するために使用されるとき、実施形態は、全て又は部分的にコンピュータプログラム製品の形で実装されてよい。コンピュータプログラム製品は、1つ以上のコンピュータ命令を含む。コンピュータプログラム命令がコンピュータでロードされ実行されるとき、本発明の実施形態に従うプロシージャ又は機能は、全て又は部分的に生成される。コンピュータは、汎用コンピュータ、専用コンピュータ、コンピュータネットワーク、又は他のプログラム可能な装置であってよい。コンピュータ命令は、コンピュータ可読記憶媒体に記憶されても、あるいは、1つのコンピュータ可読記憶媒体から他のコンピュータ可読記憶媒体へ送信されてもよい。例えば、コンピュータ命令は、ウェブサイト、コンピュータ、サーバ、又はデータセンターから他のウェブサイト、コンピュータ、サーバ、又はデータセンターへ有線(例えば、同軸ケーブル、光ファイバ、若しくはデジタル加入者回線(DSL))又は無線(例えば、赤外線、電波、及びマイクロ波、など)で送信されてよい。コンピュータ可読記憶媒体は、コンピュータによってアクセスされる任意の使用可能な媒体又は、1つ以上の使用可能な媒体を組み込む、サーバ若しくはデータセンサのようなデータ記憶デバイスであってよい。使用可能な媒体は、磁気媒体(例えば、ソフトディスク、ハードディスク、又は磁気テープ)、光学媒体(例えば、DVD)、半導体媒体(例えば、固体状態ディスクSolid State Disk(SSD))、などであってよい。
【0140】
上記の説明は、本願の具体的な実施にすぎず、本願の保護範囲を制限する意図はない。本願が開示されている技術的範囲内の如何なる変形又は置換も、本願の保護範囲内にあるべきである。従って、本願の保護範囲は、特許請求の範囲の保護範囲に従うべきである。