(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
上記シート本体に荷重を印加して圧縮し、当該荷重を解放した後に、上記シート本体の荷重の印加前後における表面粗さRzの差が8以下である請求項1〜4のいずれか1項に記載の熱伝導性シート。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本技術が適用された熱伝導性シート、及びその製造方法、熱伝導性シートの実装方法について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、本技術は、以下の実施形態のみに限定されるものではなく、本技術の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変更が可能であることは勿論である。また、図面は模式的なものであり、各寸法の比率等は現実のものとは異なることがある。具体的な寸法等は以下の説明を参酌して判断すべきものである。また、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることは勿論である。
【0022】
本技術が適用された熱伝導性シートは、少なくとも高分子マトリックス成分(バインダ樹脂)と繊維状の熱伝導性充填剤とを含む熱伝導性樹脂組成物が硬化されてなるシート本体を有する。また、熱伝導性シートは、高分子マトリックス成分に対する熱伝導性充填剤の体積割合が、1.00〜1.70であり、熱伝導性充填剤が、繊維状熱伝導性充填剤を含む。さらに、繊維状の熱伝導性充填剤は、シート本体の表面から突出し、また、バインダ樹脂の未硬化成分で被覆されている。
【0023】
このような熱伝導性シートは、シート表面上に繊維状の熱伝導性充填剤が突出することにより、タック性が低減又は消失されている。また、実使用時において、予めプレスすることにより、あるいは電子部品と放熱部材との間に挟持される等によりシート本体に荷重が印加されると、シート表面上に突出していた繊維状の熱伝導性充填剤がシート本体内に埋没するとともに、シート本体内に担持されているバインダ樹脂の未硬化成分が滲み出し、これによりタック性が発現する。したがって、熱伝導性シートは、実装前においてはタック性が低減又は消失されることで良好な取り扱い性、作業性を有するとともに、実装時にはタック性が発現することで、シート表面に凹凸を有する場合にも、電子部品や放熱部材との密着性が向上され、熱抵抗の低減が図られる。
【0024】
また、熱伝導性シートは、高分子マトリックス成分に対する熱伝導性充填剤の体積割合を、1.00〜1.70とすることにより、電子部品等への実装時において荷重を印加された後、位置ズレを修正する等の要因で、当該荷重が解除された場合にも、シート本体が90%以上の厚さに回復される。このとき、シート本体内に埋没していた繊維状の熱伝導性充填剤も、再度シート表面上に突出し、タック性が低減又は消失する。したがって、熱伝導性シートは、再実装に供された場合にも、取り扱い性、密着性が最初と変わらず、リワーク性に優れる。
【0025】
高分子マトリックス成分に対する熱伝導性充填剤の体積割合が1.70より多いと、シート厚さの回復率が90%に満たず、炭素繊維のシート表面からの突出長さが短くなり、そのため、タックが残存し、リワーク性に劣る。また、高分子マトリックス成分に対する熱伝導性充填剤の体積割合が1.00に満たないと、熱抵抗の上昇を招く恐れがある。
【0026】
また、本技術が適用された熱伝導性シートは、少なくとも高分子マトリックス成分と熱伝導性充填剤とを含む熱伝導性樹脂組成物が硬化されてなるシート本体を有する。また、熱伝導性シートは、熱伝導性充填剤の含有量が50〜63体積%であり、熱伝導性充填剤が繊維状熱伝導性充填剤を含み、熱伝導性充填剤における繊維状熱伝導性充填剤の体積割合が0.22〜0.42である。さらに、繊維状熱伝導性充填剤は、シート本体の表面から突出するとともに、バインダ樹脂の未硬化成分で被覆されている。
【0027】
このような熱伝導性シートによっても、シート表面上に繊維状の熱伝導性充填剤が突出することにより、タック性が低減又は消失されている。また、実使用時において、予めプレスすることにより、あるいは電子部品と放熱部材との間に挟持される等によりシート本体に荷重が印加されると、シート表面上に突出していた繊維状の熱伝導性充填剤がシート本体内に埋没するとともに、シート本体内に担持されているバインダ樹脂の未硬化成分が滲み出し、これによりタック性が発現する。したがって、熱伝導性シートは、実装前においてはタック性が低減又は消失されることで良好な取り扱い性、作業性を有するとともに、実装時にはタック性が発現することで、シート表面に凹凸を有する場合にも、電子部品や放熱部材との密着性が向上され、熱抵抗の低減が図られる。
【0028】
また、熱伝導性シートは、熱伝導性充填剤の含有量を50〜63体積%とし、且つ熱伝導性充填剤における繊維状熱伝導性充填剤の体積割合を0.22〜0.42とすることにより、電子部品等への実装時において荷重を印加された後、位置ズレを修正する等の要因で、当該荷重が解除された場合にも、シート本体が90%以上の厚さに回復される。このとき、シート本体内に埋没していた繊維状の熱伝導性充填剤も、再度シート表面上に突出し、タック性が低減又は消失する。したがって、熱伝導性シートは、再実装に供された場合にも、取り扱い性、密着性が最初と変わらず、リワーク性に優れる。
【0029】
熱伝導性充填剤の含有量が63体積%よりも多いと、シート厚さの回復率が90%に満たず、炭素繊維のシート表面からの突出長さが短くなり、そのため、タックが残存し、リワーク性に劣る。また、熱伝導性充填剤における繊維状熱伝導性充填剤の体積割合が0.22に満たないと、タックが残存し、リワーク性に劣る他、熱抵抗の上昇を招く恐れがある。
【0030】
[熱伝導性シート]
図1に本技術が適用された熱伝導性シート1を示す。熱伝導性シート1は、少なくとも高分子マトリックス成分(バインダ樹脂)と繊維状の熱伝導性充填剤とを含む熱伝導性樹脂組成物が硬化されてなるシート本体2を有する。
【0031】
シート本体2の表面2a上には、後述する繊維状の熱伝導性充填剤10が突出されている。これにより、熱伝導性シート1は、タック性が低減、又は消失されている。ここで、タック性が低減、又は消失とは、人が触れたときに粘着性を感じない程度にまでタック性が落ちていることをいい、これにより熱伝導性シート1は、取り扱い性や作業性が向上されている。なお、熱伝導性シート1は、シート本体2より若干のバインダ樹脂の未硬化成分11が滲み出し、表面に突出する熱伝導性充填剤10を被覆しているが、後に詳述するように、熱伝導性充填剤10が所定の長さ以上にシート表面より突出することで、タック性が低減又は消失されている。
【0032】
(高分子マトリックス成分)
シート本体2を構成する高分子マトリックス成分は、熱伝導性シート1の基材となる高分子成分のことである。その種類については、特に限定されず、公知の高分子マトリックス成分を適宜選択することができる。例えば、高分子マトリックス成分の一つとして、熱硬化性ポリマーが挙げられる。
【0033】
前記熱硬化性ポリマーとしては、例えば、架橋ゴム、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、ビスマレイミド樹脂、ベンゾシクロブテン樹脂、フェノール樹脂、不飽和ポリエステル、ジアリルフタレート樹脂、シリコーン樹脂、ポリウレタン、ポリイミドシリコーン、熱硬化型ポリフェニレンエーテル、熱硬化型変性ポリフェニレンエーテル等が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0034】
なお、前記架橋ゴムとしては、例えば、天然ゴム、ブタジエンゴム、イソプレンゴム、ニトリルゴム、水添ニトリルゴム、クロロプレンゴム、エチレンプロピレンゴム、塩素化ポリエチレン、クロロスルホン化ポリエチレン、ブチルゴム、ハロゲン化ブチルゴム、フッ素ゴム、ウレタンゴム、アクリルゴム、ポリイソブチレンゴム、シリコーンゴム等が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0035】
また、これら熱硬化性ポリマーの中でも、成形加工性及び耐候性に優れるとともに、電子部品に対する密着性及び追従性の点から、シリコーン樹脂を用いることが好ましい。前記シリコーン樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じてシリコーン樹脂の種類を適宜選択することができる。
【0036】
上述した成形加工性、耐候性、密着性等を得る観点からは、前記シリコーン樹脂として、液状シリコーンゲルの主剤と、硬化剤とから構成されるシリコーン樹脂であることが好ましい。そのようなシリコーン樹脂としては、例えば、付加反応型液状シリコーン樹脂、過酸化物を加硫に用いる熱加硫型ミラブルタイプのシリコーン樹脂等が挙げられる。これらの中でも、電子機器の放熱部材としては、電子部品の発熱面とヒートシンク面との密着性が要求されるため、付加反応型液状シリコーン樹脂が特に好ましい。
【0037】
前記付加反応型液状シリコーン樹脂としては、ビニル基を有するポリオルガノシロキサンを主剤、Si−H基を有するポリオルガノシロキサンを硬化剤とした、2液性の付加反応型シリコーン樹脂等を用いることが好ましい。
【0038】
ここで、液状シリコーン成分は、主剤となるシリコーンA液成分と硬化剤が含まれるシリコーンB液成分を有し、シリコーンA液成分とシリコーンB液成分との配合割合としては、シリコーンA液成分量がシリコーンB液成分量以上に含まれていることが好ましい。これにより、熱伝導性シート1は、シート本体2に柔軟性を付与するとともに、プレス工程によってシート本体2の表面2a,2bにバインダ樹脂における高分子マトリックス成分の未硬化成分を滲み出させ、タック性を発現させることができる。
【0039】
また、本発明の熱伝導性シートは、高分子マトリックス成分に対する熱伝導性充填剤の体積割合を1.00〜1.70とすることで、あるいは熱伝導性充填剤の含有量を50〜63体積%とすることで、印加荷重を除去した後の回復率を90%以上とすることができ、リワーク性を備えることができる。
【0040】
[繊維状熱伝導性充填剤]
熱伝導性シート1に含まれる繊維状の熱伝導性充填剤は、シートの熱伝導性を向上させるための成分である。熱伝導性充填剤の種類については、熱伝導性の高い繊維状の材料であれば特に限定はされないが、より高い熱伝導性を得られる点からは、炭素繊維を用いることが好ましい。
【0041】
なお、熱伝導性充填剤については、一種単独でもよいし、二種以上を混合して用いてもよい。また、二種以上の熱伝導性充填剤を用いる場合には、いずれも繊維状の熱伝導性充填剤であってもよいし、繊維状の熱伝導性充填剤と別の形状の熱伝導性充填剤とを混合して用いてもよい。
【0042】
前記炭素繊維の種類について特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。例えば、ピッチ系、PAN系、PBO繊維を黒鉛化したもの、アーク放電法、レーザー蒸発法、CVD法(化学気相成長法)、CCVD法(触媒化学気相成長法)等で合成されたものを用いることができる。これらの中でも、高い熱伝導性が得られる点から、PBO繊維を黒鉛化した炭素繊維、ピッチ系炭素繊維がより好ましい。
【0043】
また、前記炭素繊維は、必要に応じて、その一部又は全部を表面処理して用いることができる。前記表面処理としては、例えば、酸化処理、窒化処理、ニトロ化、スルホン化、あるいはこれらの処理によって表面に導入された官能基若しくは炭素繊維の表面に、金属、金属化合物、有機化合物等を付着あるいは結合させる処理等が挙げられる。前記官能基としては、例えば、水酸基、カルボキシル基、カルボニル基、ニトロ基、アミノ基等が挙げられる。
【0044】
さらに、前記炭素繊維の平均繊維長(平均長軸長さ)についても、特に制限はなく適宜選択することができるが、確実に高い熱伝導性を得る点から、50μm〜300μmの範囲であることが好ましく、75μm〜275μmの範囲であることがより好ましく、90μm〜250μmの範囲であることが特に好ましい。
【0045】
さらにまた、前記炭素繊維の平均繊維径(平均短軸長さ)についても、特に制限はなく適宜選択することができるが、確実に高い熱伝導性を得る点から、4μm〜20μmの範囲であることが好ましく、5μm〜14μmの範囲であることがより好ましい。
【0046】
前記炭素繊維のアスペクト比(平均長軸長さ/平均短軸長さ)については、確実に高い熱伝導性を得る点から、8以上であることが好ましく、9〜30であることがより好ましい。前記アスペクト比が8未満であると、炭素繊維の繊維長(長軸長さ)が短いため、熱伝導率が低下してしまうおそれがあり、一方、30を超えると、熱伝導性シート中での分散性が低下するため、十分な熱伝導率を得られないおそれがある。
【0047】
ここで、前記炭素繊維の平均長軸長さ、及び平均短軸長さは、例えばマイクロスコープ、走査型電子顕微鏡(SEM)等によって測定し、複数のサンプルから平均を算出することができる。
【0048】
また、熱伝導性シート1における前記繊維状の熱伝導性充填剤の含有量としては、前記高分子マトリックス成分に対する体積割合を1.00〜1.70とする限り特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、4体積%〜40体積%であることが好ましく、5体積%〜35体積%であることがより好ましい。前記含有量が、4体積%未満であると、十分に低い熱抵抗を得ることが困難になるおそれがあり、40体積%を超えると、熱伝導性シート1の成型性及び前記繊維状の熱伝導性充填剤の配向性に影響を与えてしまうおそれがある。また、熱伝導性シート1における繊維状熱伝導性充填剤を含む熱伝導性充填剤の含有量は、15体積%〜75体積%であることが好ましく、特に熱伝導性充填剤の含有量を50〜63体積%とし、且つ熱伝導性充填剤における繊維状熱伝導性充填剤の体積割合を0.22〜0.42とすることが好ましい。
【0049】
[シート表面突出/シリコーン被覆]
繊維状熱伝導性充填剤は、シート本体2の表面から突出し、また、バインダ樹脂の未硬化成分で被覆されている。繊維状熱伝導性充填剤のシート本体2の表面からの突出長さは50μmより長いことが好ましい。これにより、熱伝導性シート1の実装前においては、タック性が低減又は消失されて、作業性、取り扱い性を向上することができる。
【0050】
熱伝導性シート1は、繊維状熱伝導性充填剤が未硬化成分で被覆されていることから、電子部品等に搭載した際に接触熱抵抗を下げることができる。また、熱伝導性シート1は、シート本体2の表面2aにはバインダ樹脂の未硬化成分が存在するが、繊維状熱伝導性充填剤が突出することにより、作業の際の指の感覚ではタックを感じないが、電子部品等に搭載した際に、付着して位置合わせ等の作業が可能とされている。
【0051】
なお、繊維状熱伝導性充填剤のシート本体2の表面からの突出長さは、シート本体2の表面から突出する繊維状熱伝導性充填剤の基部から先端までの長さをいう。また、熱伝導性シート1は、繊維状熱伝導性充填剤がシート本体2の表面から50μmより長く突出することでタック性を低減又は消失できるが、シート本体2の表面2aに突出している繊維状熱伝導性充填剤の量に応じて後述するシート状にスライスする工程により適宜長さを調整してもよい。なお、シート本体2の表面からの炭素繊維の突出長さは、高倍率の実態顕微鏡を用いて測定することができる。
【0052】
[無機物フィラー]
熱伝導性シート1は、熱伝導性充填剤として、無機物フィラーをさらに含有させてもよい。無機物フィラーを含有させることにより、熱伝導性シート1の熱伝導性をより高め、シートの強度を向上できる。前記無機物フィラーとしては、形状、材質、平均粒径等については特に制限がされず、目的に応じて適宜選択することができる。前記形状としては、例えば、球状、楕円球状、塊状、粒状、扁平状、針状等が挙げられる。これらの中でも、球状、楕円形状が充填性の点から好ましく、球状が特に好ましい。
【0053】
前記無機物フィラーの材料としては、例えば、窒化アルミニウム(窒化アルミ:AlN)、シリカ、アルミナ(酸化アルミニウム)、窒化ホウ素、チタニア、ガラス、酸化亜鉛、炭化ケイ素、ケイ素(シリコン)、酸化珪素、金属粒子等が挙げられる。これらは、一種単独で使用してもよいし、二種以上を併用してもよい。これらの中でも、アルミナ、窒化ホウ素、窒化アルミニウム、酸化亜鉛、シリカが好ましく、熱伝導率の点から、アルミナ、窒化アルミニウムが特に好ましい。
【0054】
また、前記無機物フィラーは、表面処理が施されたものを用いることができる。前記表面処理としてカップリング剤で前記無機物フィラーを処理すると、前記無機物フィラーの分散性が向上し、熱伝導性シートの柔軟性が向上する。
【0055】
前記無機物フィラーの平均粒径については、無機物の種類等に応じて適宜選択することができる。前記無機物フィラーがアルミナの場合、その平均粒径は、1μm〜10μmであることが好ましく、1μm〜5μmであることがより好ましく、4μm〜5μmであることが特に好ましい。前記平均粒径が1μm未満であると、粘度が大きくなり、混合しにくくなるおそれがある。一方、前記平均粒径が10μmを超えると、熱伝導性シート1の熱抵抗が大きくなるおそれがある。
【0056】
さらに、前記無機物フィラーが窒化アルミニウムの場合、その平均粒径は、0.3μm〜6.0μmであることが好ましく、0.3μm〜2.0μmであることがより好ましく、0.5μm〜1.5μmであることが特に好ましい。前記平均粒径が、0.3μm未満であると、粘度が大きくなり、混合しにくくなるおそれがあり、6.0μmを超えると、熱伝導性シート1の熱抵抗が大きくなるおそれがある。
【0057】
なお、前記無機物フィラーの平均粒径は、例えば、粒度分布計、走査型電子顕微鏡(SEM)により測定することができる。
【0058】
[その他の成分]
熱伝導性シート1は、上述した、高分子マトリックス成分及び繊維状熱伝導性充填剤、適宜含有される無機物フィラーに加えて、目的に応じてその他の成分を適宜含むこともできる。その他の成分としては、例えば、磁性金属粉、チキソトロピー性付与剤、分散剤、硬化促進剤、遅延剤、微粘着付与剤、可塑剤、難燃剤、酸化防止剤、安定剤、着色剤等が挙げられる。また、磁性金属粉の含有量を調整することにより、熱伝導性シート1に電磁波吸収性能を付与してもよい。
【0059】
[熱伝導性シートの製造方法]
次いで、熱伝導性シート1の製造工程について説明する。本技術が適用された熱伝導性シート1の製造工程は、バインダ樹脂に繊維状の熱伝導性充填剤その他の熱伝導性充填剤が含有された熱伝導性樹脂組成物を所定の形状に成型して硬化させ、熱伝導性成形体を形成する工程(工程A)と、上記熱伝導性成形体をシート状にスライスし、熱伝導性シートを形成する工程(工程B)と、必要に応じて、熱伝導性シートをプレスすることにより、上記バインダ樹脂の未硬化成分を滲み出させる工程(工程C)とを有する。
【0060】
[工程A]
この工程Aでは、上述した高分子マトリックス成分(バインダ樹脂)及び繊維状熱伝導性充填剤、適宜含有される無機物フィラー、その他の成分を配合し、熱伝導性樹脂組成物を調製する。上述したように、本技術が適用された熱伝導性シートの製造方法では、高分子マトリックス成分に対する熱伝導性充填剤の体積割合が1.00〜1.70となるように調整する。あるいは熱伝導性充填剤の含有量を50〜63体積%とし、且つ熱伝導性充填剤における繊維状熱伝導性充填剤の体積割合が0.22〜0.42となるように調整する。なお、各成分を配合、調製する手順については特に限定はされず、例えば、高分子マトリックス成分に、繊維状熱伝導性充填剤、適宜、無機物フィラー、磁性金属粉、その他成分を添加し、混合することにより、熱伝導性樹脂組成物の調製が行われる。
【0061】
次いで、炭素繊維等の繊維状の熱伝導性充填剤を一方向に配向させる。この充填剤の配向方法は、一方向に配向させることができる手段であれば特に限定はされない。例えば、中空状の型内に前記熱伝導性樹脂組成物を高剪断力下で押し出すこと又は圧入することによって、比較的容易に繊維状の熱伝導性充填剤を一方向に配向させることができ、前記繊維状の熱伝導性充填剤の配向は同一(±10°以内)となる。
【0062】
上述した、中空状の型内に前記熱伝導性樹脂組成物を高剪断力下で押し出すこと又は圧入する方法として、具体的には、押出し成型法又は金型成型法が挙げられる。前記押出し成型法において、前記熱伝導性樹脂組成物をダイより押し出す際、あるいは前記金型成型法において、前記熱伝導性樹脂組成物を金型へ圧入する際、前記熱伝導性樹脂組成物が流動し、その流動方向に沿って繊維状熱伝導性充填剤が配向する。この際、ダイの先端にスリットを取り付けると繊維状熱伝導性充填剤がより配向されやすくなる。
【0063】
中空状の型内に押出し又は圧入された前記熱伝導性樹脂組成物は、当該型の形状、大きさに応じたブロック形状に成型され、繊維状の熱伝導性充填剤の配向状態を維持したまま前記高分子マトリックス成分を硬化させることによって硬化されることにより、熱伝導性成形体が形成される。熱伝導性成形体とは、所定のサイズに切断して得られる熱伝導性シート1の元となるシート切り出し用の母材(成形体)のことをいう。
【0064】
中空状の型及び熱伝導性成形体の大きさ及び形状は、求められる熱伝導性シート1の大きさ、形状に応じて決めることができ、例えば、断面の縦の大きさが0.5cm〜15cmで横の大きさが0.5cm〜15cmの直方体が挙げられる。直方体の長さは必要に応じて決定すればよい。
【0065】
前記高分子マトリックス成分を硬化させる方法や条件については、高分子マトリックス成分の種類に応じて変えることができる。例えば、前記高分子マトリックス成分が熱硬化樹脂の場合、熱硬化における硬化温度を調整することができる。さらに、該熱硬化性樹脂が、液状シリコーンゲルの主剤と、硬化剤とを含有するものである場合、80℃〜120℃の硬化温度で硬化を行うことが好ましい。また、熱硬化における硬化時間としては、特に制限はないが、1時間〜10時間とすることができる。
【0066】
ここで、工程Aでは、高分子マトリックス成分の全量が硬化しているわけではなく、未硬化成分が担持されている。この未硬化成分は、熱伝導性シートをプレスすることによりシート表面に滲み出て、シート表面にタック性を付与することができる。
【0067】
[工程B]
図2に示すように、熱伝導性成形体6をシート状にスライスし、熱伝導性シート1を形成する工程Bでは、配向した繊維状の熱伝導性充填剤の長軸方向に対して、0°〜90°の角度となるように、熱伝導性成形体6をシート状に切断する。これにより、熱伝導性充填剤10は、シート本体の厚み方向に配向される。
【0068】
また、熱伝導性成形体6の切断については、スライス装置を用いて行われる。スライス装置については、前記熱伝導性成形体6を切断できる手段であれば特に限定はされず、公知のスライス装置を適宜用いることができる。例えば、超音波カッター、かんな(鉋)等を用いることができる。
【0069】
熱伝導性成形体6のスライス厚みは、熱伝導性シート1のシート本体2の厚みとなり、熱伝導性シート1の用途に応じて適宜設定することができ、例えば0.5〜3.0mmである。
【0070】
なお、工程Bでは、熱伝導性成形体6から切り出された熱伝導性シート1に切れ込みを入れることにより、複数の熱伝導性シート1に小片化してもよい。
【0071】
以上の工程を経て製造された熱伝導性シート1は、スライス面であるシート本体2の表面に繊維状の熱伝導性充填剤が突出され、タック性が低減、又は消失されている。これにより熱伝導性シート1は、取り扱い性や作業性が向上されている。
【0072】
[工程C]
熱伝導性シート1の製造工程では、必要に応じて、熱伝導性シート1をプレスすることにより、バインダ樹脂の未硬化成分を滲み出させる工程Cを有してもよい。これにより、熱伝導性シート1は、シート本体2から滲み出たバインダ樹脂の未硬化成分で両面を全面にわたって被覆し、タック性を発現させることができる。
【0073】
前記プレスについては、例えば、平盤と表面が平坦なプレスヘッドとからなる一対のプレス装置を使用して行うことができる。また、ピンチロールを使用してプレスを行ってもよい。
【0074】
前記プレスの際の圧力としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、低すぎるとプレスをしない場合と熱抵抗が変わらない傾向があり、高すぎるとシートが延伸する傾向があるため、0.1MPa〜100MPaの圧力範囲とすることが好ましく、0.5MPa〜95MPaの圧力範囲とすることがより好ましい。
【0075】
ここで、上述したように、熱伝導性成形体は、高分子マトリックス成分の全量が硬化しているわけではなく、成形体シートは、シート本体にバインダ樹脂(高分子マトリックス成分)の未硬化成分が担持されており、プレス工程によって該未硬化成分の一部を効率よくシート表面に滲み出させる。これにより、熱伝導性シート1は、シート表面にタック性を有する。
【0076】
その他、プレス工程を経ることにより、熱伝導性シート1は表面2aにバインダ樹脂の未硬化成分が担持されており、これによっても熱伝導性シート1の密着性を増し、軽荷重時の界面接触抵抗を軽減することができる。
【0077】
このように、本技術によれば、薄く切り出され、バインダ樹脂の未硬化成分を多く含まないシート本体からもシート表面の全面にわたって未硬化成分を滲み出させて被覆することができる。また、バインダ樹脂の硬化が進み、比較的硬く形状維持性に優れる反面、バインダ樹脂の未硬化成分を多く含まないシート本体からも、シート表面の全面にわたって未硬化成分を滲み出させて被覆することができる。
【0078】
したがって、本技術によって製造された熱伝導性シートによれば、シート表面の凹凸にかかわらず、電子部品や放熱部材との密着性を向上させ、熱抵抗を小さくできる。また、本技術によって製造された熱伝導性シートによれば、電子部品や放熱部材と密着させるための粘着剤をシート表面に塗布する必要が無く、シートの熱抵抗があがらない。さらに、バインダ樹脂に熱伝導性充填剤を含有させた熱伝導性シートでは、低荷重領域からの熱抵抗を小さくできるだけでなく、タック力(粘着力)が優れており、実装性、熱特性も向上させることができる。
【0079】
[剥離フィルム]
なお、上述した工程Cにおいては、
図3に示すように、熱伝導性シート1の少なくとも一方の面、好ましくは両面に、プラスチックフィルム11を貼付した状態でプレスすることが好ましい。プラスチックフィルムとしては、例えばPETフィルムが用いられる。また、プラスチックフィルムは、成形体シートの表面への貼付面に剥離処理を施してもよい。
【0080】
熱伝導性シート1のシート本体2の表面にプラスチックフィルム11を貼付することにより、プレス工程においてシート表面に滲み出された未硬化成分は、プラスチックフィルム11との間で働く張力によってシート表面に保持され、シート表面を全面にわたって覆う樹脂被覆層を形成することができる。
【0081】
なお、熱伝導性シート1は、実使用時にプラスチックフィルムが剥離されることにより、粘着性を有するシート表面が露出され、電子部品等への実装に供される。
【0082】
[使用形態例]
実使用時においては、熱伝導性シート1は、適宜プラスチックフィルム11が剥離され、例えば、半導体装置等の電子部品や、各種電子機器の内部に実装される。このとき、熱伝導性シート1は、シート本体2の表面にはタック性が低減又は消失され、あるいはプラスチックフィルム11が貼付されているため、取り扱い性に優れるとともに、電子部品等に押し当てて荷重が印加されるとタックが発現し、作業性にも優れる。
【0083】
熱伝導性シート1は、例えば、
図4に示すように、各種電子機器に内蔵される半導体装置50に実装され、熱源と放熱部材との間に挟持される。
図4に示す半導体装置50は、電子部品51と、ヒートスプレッダ52と、熱伝導性シート1とを少なくとも有し、熱伝導性シート1がヒートスプレッダ52と電子部品51との間に挟持される。熱伝導性シート1を用いることによって、半導体装置50は、高い放熱性を有し、またバインダ樹脂中の磁性金属粉の含有量に応じて電磁波抑制効果にも優れる。
【0084】
電子部品51としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、CPU、MPU、グラフィック演算素子、イメージセンサ等の各種半導体素子、アンテナ素子、バッテリーなどが挙げられる。ヒートスプレッダ52は、電子部品51の発する熱を放熱する部材であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。熱伝導性シート1は、ヒートスプレッダ52と電子部品51との間に挟持される。また熱伝導性シート1は、ヒートスプレッダ52とヒートシンク53との間に挟持されることにより、ヒートスプレッダ52とともに、電子部品51の熱を放熱する放熱部材を構成する。
【0085】
熱伝導性シート1の実装場所は、ヒートスプレッダ52と電子部品51との間や、ヒートスプレッダ52とヒートシンク53との間に限らず、電子機器や半導体装置の構成に応じて、適宜選択できることは勿論である。また、放熱部材としては、ヒートスプレッダ52やヒートシンク53以外にも、熱源から発生する熱を伝導して外部に放散させるものであればよく、例えば、放熱器、冷却器、ダイパッド、プリント基板、冷却ファン、ペルチェ素子、ヒートパイプ、金属カバー、筐体等が挙げられる。
【0086】
[作業性、リワーク性]
また、熱伝導性シート1は、位置ズレを修正したり、一旦組み立てた後に何らかの事情で解体し、再度組み立てる等の要因で一端電子部品等から剥離して、再度貼り直しを行うリワーク作業を行うことができる。このとき、熱伝導性シート1は、電子部品等への載置する際に荷重が印加されることによりタック性を発現させて電子部品へ貼付され、次いで、熱伝導性シートを貼りなおす際には、荷重を解放し、電子部品等から剥離され、再度、電子部品上等に貼付される。
【0087】
ここで、上述したように、本技術が適用された熱伝導性シート1は、高分子マトリックス成分(バインダ樹脂)に対する熱伝導性充填剤の体積割合が1.00〜1.70とされている。あるいは、本技術が適用された熱伝導性シート1は、熱伝導性充填剤の含有量を50〜63体積%とし、且つ熱伝導性充填剤における繊維状熱伝導性充填剤の体積割合を0.22〜0.42とされている。また、繊維状熱伝導性充填剤は、シート本体2の表面から突出し、また、バインダ樹脂の未硬化成分で被覆されている。
【0088】
このような熱伝導性シート1は、電子部品等への実装時において荷重を印加された後、当該荷重が解除された場合にも、シート本体2が90%以上の厚さに回復される。
【0089】
また、高分子マトリックス成分(バインダ樹脂)に対する熱伝導性充填剤の体積割合が1.00〜1.70とされた熱伝導性シート1は、適度な柔軟性を有し、熱伝導性成形体をシート状にスライスしたときのスライス面における表面粗さが低く、例えば最大Rz値も熱伝導性充填剤として繊維状熱伝導性充填剤を含み且つ前記体積割合が1.70よりも大きい熱伝導性シートよりも低い。また、荷重を印加された後においてはさらにRz値は下がるが、荷重印加前後におけるRz値の差は、熱伝導性充填剤として繊維状熱伝導性充填剤を含み且つ前記体積割合が0.6よりも大きい熱伝導性シートよりも小さい。
【0090】
また、熱伝導性充填剤の含有量を50〜63体積%とし、且つ熱伝導性充填剤における繊維状熱伝導性充填剤の体積割合を0.22〜0.42とされた熱伝導性シート1は、適度な柔軟性を有し、熱伝導性成形体をシート状にスライスしたときのスライス面における表面粗さが低く、例えば最大Rz値も熱伝導性充填剤として繊維状熱伝導性充填剤を含み、熱伝導性充填剤の含有量が63体積%よりも大きい熱伝導性シートよりも低い。また、荷重を印加された後においてはさらにRz値は下がるが、荷重印加前後におけるRz値の差は、熱伝導性充填剤として繊維状熱伝導性充填剤を含み、熱伝導性充填剤の含有量が63体積%よりも大きい熱伝導性シートよりも小さい。
【0091】
このような印加荷重の解放後のRz値の低さと、上述した印加荷重の解放後において厚さが90%以上の回復率を備える熱伝導性シート1は、印加荷重の解放後における繊維状熱伝導性充填剤のシート表面からの突出長さが、当初と同様になる。
【0092】
すなわち、熱伝導性シート1は、いったん電子部品等から剥離され、再度、シート表面上に繊維状熱伝導性充填剤が突出することにより、タック性が低減又は消失される。そして、再貼付時において、予めプレスすることにより、あるいは電子部品と放熱部材との間に挟持される等によりシート本体2に荷重が印加されると、シート表面上に突出していた繊維状の熱伝導性充填剤がシート本体2内に埋没するとともに、シート本体2内に担持されているバインダ樹脂の未硬化成分が滲み出し、これにより再度タック性が発現する。
【0093】
したがって、熱伝導性シートは、リワーク作業時においても、実装前においてはタック性が低減又は消失されることで良好な取り扱い性、作業性を有するとともに、実装時にはタック性が発現することで、シート表面に凹凸を有する場合にも、電子部品や放熱部材との密着性が向上され、熱抵抗の低減を図ることができる。
【0094】
なお、このような熱伝導性シート1は、リワーク作業時のみならず、1回目の実装作業前に予めプレス工程を設けた場合にも、同様の効果を奏し、良好な作業性を有する。
【実施例】
【0095】
次いで、本技術の実施例について説明する。本実施例では、繊維状熱伝導性充填剤としての炭素繊維と、アルミナとを含有するシリコーン組成物(熱伝導性樹脂組成物)を調整し、シリコーン硬化物(熱伝導性成形体)を成形、シート状にスライスすることにより熱伝導性シートを得た。得られた熱伝導性シートをプレスし、プレス前後のシート厚み、プレス前後のサンプルをASTM−D5470に準拠した方法により0.8kgf/cm
2の荷重を掛けた熱抵抗、プレス前後のデュロメータ硬度規格ASTM−D2240におけるタイプOO硬度、プレス前後の熱伝導性シート表面からの炭素繊維の距離、プレス前後の熱伝導性シートの表面粗さ(Rz値)を評価した。
【0096】
[実施例1]
実施例1では、表1に示すように、2液性の付加反応型液状シリコーンに、シランカップリング剤でカップリング処理した平均粒径1μmと5μmの混合アルミナ粒子46.2体積%、平均繊維長200μmのピッチ系炭素繊維14体積%を混合し、シリコーン組成物を調製した。2液性の付加反応型液状シリコーン樹脂は、オルガノポリシロキサンを主成分とするものを使用し、シリコーンA剤とB剤との配合比が、53:47となるように配合した。実施例1におけるバインダ樹脂の合計量は39.8体積%、炭素繊維の配合量は14体積%であり、バインダ樹脂に対する炭素繊維の体積割合は、0.35である。また、熱伝導性充填剤の含有量は60.2体積%であり、バインダ樹脂合計量に対する熱伝導性充填剤の体積割合は1.51、熱伝導性充填剤における炭素繊維の体積割合は0.23である。
【0097】
得られたシリコーン組成物を、中空四角柱状の金型(50mm×50mm)の中に押出成形し、50mm□のシリコーン成型体を成型した。シリコーン成型体をオーブンにて100℃で6時間加熱してシリコーン硬化物とした。シリコーン硬化物を、厚みが1.0mmとなるようにスライサーで切断し、熱導電性シートを得た。次に、この熱伝導性シートを剥離処理されたPETフィルムで挟み、熱伝導性シートを87℃、0.5MPa、3分の条件でプレスした。
【0098】
[実施例2]
実施例2では、実施例1で作成したシリコーン硬化物を、厚みが2.0mmとなるようにスライサーで切断し、熱導電性シートを得た。次に、この熱伝導性シートを剥離処理されたPETフィルムで挟み、熱伝導性シートを87℃、0.5MPa、3分の条件でプレスした。実施例2におけるバインダ樹脂の合計量は39.8体積%、炭素繊維の配合量は14体積%であり、バインダ樹脂に対する炭素繊維の体積割合は、0.35である。また、熱伝導性充填剤の含有量は60.2体積%であり、バインダ樹脂合計量に対する熱伝導性充填剤の体積割合は1.51、熱伝導性充填剤における炭素繊維の体積割合は0.23である。
【0099】
[実施例3]
実施例3では、実施例1で作成したシリコーン硬化物を、厚みが3.0mmとなるようにスライサーで切断し、熱導電性シートを得た。次に、この熱伝導性シートを剥離処理されたPETフィルムで挟み、熱伝導性シートを87℃、0.5MPa、3分の条件でプレスした。実施例3におけるバインダ樹脂の合計量は39.8体積%、炭素繊維の配合量は14体積%であり、バインダ樹脂に対する炭素繊維の体積割合は、0.35である。また、熱伝導性充填剤の含有量は60.2体積%であり、バインダ樹脂合計量に対する熱伝導性充填剤の体積割合は1.51、熱伝導性充填剤における炭素繊維の体積割合は0.23である。
【0100】
[実施例4]
実施例4では、表1に示すように、2液性の付加反応型液状シリコーンに、シランカップリング剤でカップリング処理した平均粒径1μmと5μmの混合アルミナ粒子46.2体積%、平均繊維長200μmのピッチ系炭素繊維14体積%を混合し、シリコーン組成物を調製した。2液性の付加反応型液状シリコーン樹脂は、オルガノポリシロキサンを主成分とするものを使用し、シリコーンA剤とB剤との配合比が、58:42となるように配合した。実施例4におけるバインダ樹脂の合計量は39.8体積%、炭素繊維の配合量は14体積%であり、バインダ樹脂に対する炭素繊維の体積割合は、0.35である。また、熱伝導性充填剤の含有量は60.2体積%であり、バインダ樹脂合計量に対する熱伝導性充填剤の体積割合は1.51、熱伝導性充填剤における炭素繊維の体積割合は0.23である。
【0101】
得られたシリコーン組成物を、中空四角柱状の金型(50mm×50mm)の中に押出成形し、50mm□のシリコーン成型体を成型した。シリコーン成型体をオーブンにて100℃で6時間加熱してシリコーン硬化物とした。シリコーン硬化物を、厚みが3.0mmとなるようにスライサーで切断し、熱導電性シートを得た。次に、この熱伝導性シートを剥離処理されたPETフィルムで挟み、熱伝導性シートを87℃、0.5MPa、3分の条件でプレスした。
【0102】
[実施例5]
実施例5では、表1に示すように、2液性の付加反応型液状シリコーンに、シランカップリング剤でカップリング処理した平均粒径1μmと5μmの混合アルミナ粒子46.2体積%、平均繊維長200μmのピッチ系炭素繊維14体積%を混合し、シリコーン組成物を調製した。2液性の付加反応型液状シリコーン樹脂は、オルガノポリシロキサンを主成分とするものを使用し、シリコーンA剤とB剤との配合比が、50:50となるように配合した。実施例5におけるバインダ樹脂の合計量は39.8体積%、炭素繊維の配合量は14体積%であり、バインダ樹脂に対する炭素繊維の体積割合は、0.35である。また、熱伝導性充填剤の含有量は60.2体積%であり、バインダ樹脂合計量に対する熱伝導性充填剤の体積割合は1.51、熱伝導性充填剤における炭素繊維の体積割合は0.23である。
【0103】
得られたシリコーン組成物を、中空四角柱状の金型(50mm×50mm)の中に押出成形し、50mm□のシリコーン成型体を成型した。シリコーン成型体をオーブンにて100℃で6時間加熱してシリコーン硬化物とした。シリコーン硬化物を、厚みが3.0mmとなるようにスライサーで切断し、熱導電性シートを得た。次に、この熱伝導性シートを剥離処理されたPETフィルムで挟み、熱伝導性シートを87℃、0.5MPa、3分の条件でプレスした。
【0104】
[実施例6]
実施例6では、表1に示すように、2液性の付加反応型液状シリコーンに、シランカップリング剤でカップリング処理した平均粒径1μmと5μmの混合アルミナ粒子36体積%、平均繊維長200μmのピッチ系炭素繊維14体積%を混合し、シリコーン組成物を調製した。2液性の付加反応型液状シリコーン樹脂は、オルガノポリシロキサンを主成分とするものを使用し、シリコーンA剤とB剤との配合比が、53:47となるように配合した。実施例6におけるバインダ樹脂の合計量は50体積%、炭素繊維の配合量は14体積%であり、バインダ樹脂に対する炭素繊維の体積割合は、0.28である。また、熱伝導性充填剤の含有量は50体積%であり、バインダ樹脂合計量に対する熱伝導性充填剤の体積割合は1.00、熱伝導性充填剤における炭素繊維の体積割合は0.28である。
【0105】
得られたシリコーン組成物を、中空四角柱状の金型(50mm×50mm)の中に押出成形し、50mm□のシリコーン成型体を成型した。シリコーン成型体をオーブンにて100℃で6時間加熱してシリコーン硬化物とした。シリコーン硬化物を、厚みが3.0mmとなるようにスライサーで切断し、熱導電性シートを得た。次に、この熱伝導性シートを剥離処理されたPETフィルムで挟み、熱伝導性シートを87℃、0.5MPa、3分の条件でプレスした。
【0106】
[実施例7]
実施例7では、表1に示すように、2液性の付加反応型液状シリコーンに、シランカップリング剤でカップリング処理した平均粒径1μmと5μmの混合アルミナ粒子49体積%、平均繊維長200μmのピッチ系炭素繊維14体積%を混合し、シリコーン組成物を調製した。2液性の付加反応型液状シリコーン樹脂は、オルガノポリシロキサンを主成分とするものを使用し、シリコーンA剤とB剤との配合比が、53:47となるように配合した。実施例7におけるバインダ樹脂の合計量は37体積%、炭素繊維の配合量は14体積%であり、バインダ樹脂に対する炭素繊維の体積割合は、0.38である。また、熱伝導性充填剤の含有量は63体積%であり、バインダ樹脂合計量に対する熱伝導性充填剤の体積割合は1.70、熱伝導性充填剤における炭素繊維の体積割合は0.22である。
【0107】
得られたシリコーン組成物を、中空四角柱状の金型(50mm×50mm)の中に押出成形し、50mm□のシリコーン成型体を成型した。シリコーン成型体をオーブンにて100℃で6時間加熱してシリコーン硬化物とした。シリコーン硬化物を、厚みが3.0mmとなるようにスライサーで切断し、熱導電性シートを得た。次に、この熱伝導性シートを剥離処理されたPETフィルムで挟み、熱伝導性シートを87℃、0.5MPa、3分の条件でプレスした。
【0108】
[実施例8]
実施例8では、表1に示すように、2液性の付加反応型液状シリコーンに、シランカップリング剤でカップリング処理した平均粒径1μmと5μmの混合アルミナ粒子35.2体積%、平均繊維長200μmのピッチ系炭素繊維25体積%を混合し、シリコーン組成物を調製した。2液性の付加反応型液状シリコーン樹脂は、オルガノポリシロキサンを主成分とするものを使用し、シリコーンA剤とB剤との配合比が、53:47となるように配合した。実施例8におけるバインダ樹脂の合計量は39.8体積%、炭素繊維の配合量は25体積%であり、バインダ樹脂に対する炭素繊維の体積割合は、0.63である。また、熱伝導性充填剤の含有量は60.2体積%であり、バインダ樹脂合計量に対する熱伝導性充填剤の体積割合は1.51、熱伝導性充填剤における炭素繊維の体積割合は0.42である。
【0109】
得られたシリコーン組成物を、中空四角柱状の金型(50mm×50mm)の中に押出成形し、50mm□のシリコーン成型体を成型した。シリコーン成型体をオーブンにて100℃で6時間加熱してシリコーン硬化物とした。シリコーン硬化物を、厚みが3.0mmとなるようにスライサーで切断し、熱導電性シートを得た。次に、この熱伝導性シートを剥離処理されたPETフィルムで挟み、熱伝導性シートを87℃、0.5MPa、3分の条件でプレスした。
【0110】
[実施例9]
実施例9では、表1に示すように、2液性の付加反応型液状シリコーンに、シランカップリング剤でカップリング処理した平均粒径1μmと5μmの混合アルミナ粒子48.2体積%、平均繊維長200μmのピッチ系炭素繊維12体積%を混合し、シリコーン組成物を調製した。2液性の付加反応型液状シリコーン樹脂は、オルガノポリシロキサンを主成分とするものを使用し、シリコーンA剤とB剤との配合比が、53:47となるように配合した。実施例9におけるバインダ樹脂の合計量は39.8体積%、炭素繊維の配合量は12体積%であり、バインダ樹脂に対する炭素繊維の体積割合は、0.30である。また、熱伝導性充填剤の含有量は60.2体積%であり、バインダ樹脂合計量に対する熱伝導性充填剤の体積割合は1.51、熱伝導性充填剤における炭素繊維の体積割合は0.20である。
【0111】
得られたシリコーン組成物を、中空四角柱状の金型(50mm×50mm)の中に押出成形し、50mm□のシリコーン成型体を成型した。シリコーン成型体をオーブンにて100℃で6時間加熱してシリコーン硬化物とした。シリコーン硬化物を、厚みが3.0mmとなるようにスライサーで切断し、熱導電性シートを得た。次に、この熱伝導性シートを剥離処理されたPETフィルムで挟み、熱伝導性シートを87℃、0.5MPa、3分の条件でプレスした。
【0112】
[実施例10]
実施例10では、表1に示すように、2液性の付加反応型液状シリコーンに、シランカップリング剤でカップリング処理した平均粒径4μmの混合アルミナ粒子45体積%、平均繊維長150μmのピッチ系炭素繊維14体積%を混合し、シリコーン組成物を調製した。2液性の付加反応型液状シリコーン樹脂は、オルガノポリシロキサンを主成分とするものを使用し、シリコーンA剤とB剤との配合比が、47:53となるように配合した。実施例10におけるバインダ樹脂の合計量は39.8体積%、炭素繊維の配合量は14体積%であり、バインダ樹脂に対する炭素繊維の体積割合は、0.35である。また、熱伝導性充填剤の含有量は59体積%であり、バインダ樹脂合計量に対する熱伝導性充填剤の体積割合は1.48、熱伝導性充填剤における炭素繊維の体積割合は0.24である。
【0113】
得られたシリコーン組成物を、中空四角柱状の金型(50mm×50mm)の中に押出成形し、50mm□のシリコーン成型体を成型した。シリコーン成型体をオーブンにて100℃で6時間加熱してシリコーン硬化物とした。シリコーン硬化物を、厚みが3.0mmとなるようにスライサーで切断し、熱導電性シートを得た。次に、この熱伝導性シートを剥離処理されたPETフィルムで挟み、熱伝導性シートを87℃、0.5MPa、3分の条件でプレスした。
【0114】
[比較例1]
比較例1では、表2に示すように、2液性の付加反応型液状シリコーンに、シランカップリング剤でカップリング処理した平均粒径4μmの混合アルミナ粒42.5体積%、平均繊維長150μmのピッチ系炭素繊維23体積%を混合し、シリコーン組成物を調製した。2液性の付加反応型液状シリコーン樹脂は、オルガノポリシロキサンを主成分とするものを使用し、シリコーンA剤とB剤との配合比が、58:42となるように配合した。比較例1におけるバインダ樹脂の合計量は34.1体積%、炭素繊維の配合量は23体積%であり、バインダ樹脂に対する炭素繊維の体積割合は、0.67である。また、熱伝導性充填剤の含有量は65.5体積%であり、バインダ樹脂合計量に対する熱伝導性充填剤の体積割合は1.92、熱伝導性充填剤における炭素繊維の体積割合は0.35である。
【0115】
得られたシリコーン組成物を、中空四角柱状の金型(50mm×50mm)の中に押出成形し、50mm□のシリコーン成型体を成型した。シリコーン成型体をオーブンにて100℃で6時間加熱してシリコーン硬化物とした。シリコーン硬化物を、厚みが1.0mmとなるようにスライサーで切断し、熱導電性シートを得た。次に、この熱伝導性シートを剥離処理されたPETフィルムで挟み、熱伝導性シートを87℃、0.5MPa、3分の条件でプレスした。
【0116】
[比較例2]
比較例2では、比較例1で作成したシリコーン硬化物を、厚みが2.0mmとなるようにスライサーで切断し、熱導電性シートを得た。次に、この熱伝導性シートを剥離処理されたPETフィルムで挟み、熱伝導性シートを87℃、0.5MPa、3分の条件でプレスした。比較例2におけるバインダ樹脂の合計量は34.1体積%、炭素繊維の配合量は23体積%であり、バインダ樹脂に対する炭素繊維の体積割合は、0.67である。また、熱伝導性充填剤の含有量は65.5体積%であり、バインダ樹脂合計量に対する熱伝導性充填剤の体積割合は1.92、熱伝導性充填剤における炭素繊維の体積割合は0.35である。
【0117】
[比較例3]
比較例3では、比較例1で作成したシリコーン硬化物を、厚みが3.0mmとなるようにスライサーで切断し、熱導電性シートを得た。次に、この熱伝導性シートを剥離処理されたPETフィルムで挟み、熱伝導性シートを87℃、0.5MPa、3分の条件でプレスした。比較例3におけるバインダ樹脂の合計量は34.1体積%、炭素繊維の配合量は23体積%であり、バインダ樹脂に対する炭素繊維の体積割合は、0.67である。また、熱伝導性充填剤の含有量は65.5体積%であり、バインダ樹脂合計量に対する熱伝導性充填剤の体積割合は1.92、熱伝導性充填剤における炭素繊維の体積割合は0.35である。
【0118】
[比較例4]
比較例4では、表2に示すように、2液性の付加反応型液状シリコーンに、平均粒径5μmの水酸化アルミニウム粒子51体積%、平均繊維長150μmのピッチ系炭素繊維12体積%を混合し、シリコーン組成物を調製した。2液性の付加反応型液状シリコーン樹脂は、オルガノポリシロキサンを主成分とするものを使用し、シリコーンA剤とB剤との配合比が、50:50となるように配合した。比較例4におけるバインダ樹脂の合計量は36.4体積%、炭素繊維の配合量は12体積%であり、バインダ樹脂に対する炭素繊維の体積割合は、0.33である。また、熱伝導性充填剤の含有量は63体積%であり、バインダ樹脂合計量に対する熱伝導性充填剤の体積割合は1.73、熱伝導性充填剤における炭素繊維の体積割合は0.19である。
【0119】
得られたシリコーン組成物を、中空四角柱状の金型(50mm×50mm)の中に押出成形し、50mm□のシリコーン成型体を成型した。シリコーン成型体をオーブンにて100℃で6時間加熱してシリコーン硬化物とした。シリコーン硬化物を、厚みが3.0mmとなるようにスライサーで切断し、熱導電性シートを得た。次に、この熱伝導性シートを剥離処理されたPETフィルムで挟み、熱伝導性シートを87℃、0.5MPa、3分の条件でプレスした。
【0120】
[比較例5]
比較例5では、表2に示すように、2液性の付加反応型液状シリコーンに、平均粒径5μmの水酸化アルミニウム粒子51体積%、平均繊維長150μmのピッチ系炭素繊維12体積%を混合し、シリコーン組成物を調製した。2液性の付加反応型液状シリコーン樹脂は、オルガノポリシロキサンを主成分とするものを使用し、シリコーンA剤とB剤との配合比が、58:42となるように配合した。比較例5におけるバインダ樹脂の合計量は36.4体積%、炭素繊維の配合量は12体積%であり、バインダ樹脂に対する炭素繊維の体積割合は、0.33である。また、熱伝導性充填剤の含有量は63体積%であり、バインダ樹脂合計量に対する熱伝導性充填剤の体積割合は1.73、熱伝導性充填剤における炭素繊維の体積割合は0.19である。
【0121】
得られたシリコーン組成物を、中空四角柱状の金型(50mm×50mm)の中に押出成形し、50mm□のシリコーン成型体を成型した。シリコーン成型体をオーブンにて100℃で6時間加熱してシリコーン硬化物とした。シリコーン硬化物を、厚みが3.0mmとなるようにスライサーで切断し、熱導電性シートを得た。次に、この熱伝導性シートを剥離処理されたPETフィルムで挟み、熱伝導性シートを87℃、0.5MPa、3分の条件でプレスした。
【0122】
[比較例6]
比較例6では、表2に示すように、2液性の付加反応型液状シリコーンに、シランカップリング剤でカップリング処理した平均粒径1μmの窒化アルミニウム粒子70.6体積%、平均粒径5μmの水酸化アルミニウム粒子5.2体積%、平均粒径4μmのアルミナ粒子3.3体積%を混合し、シリコーン組成物を調製した。2液性の付加反応型液状シリコーン樹脂は、オルガノポリシロキサンを主成分とするものを使用し、シリコーンA剤とB剤との配合比が、58:42となるように配合した。比較例6におけるバインダ樹脂の合計量は18.8体積%、炭素繊維の配合量は0体積%であり、バインダ樹脂に対する炭素繊維の体積割合は、0である。また、熱伝導性充填剤の含有量は79.1体積%であり、バインダ樹脂合計量に対する熱伝導性充填剤の体積割合は4.21、熱伝導性充填剤における炭素繊維の体積割合は0である。
【0123】
得られたシリコーン組成物を、剥離処理されたPETに挟み1mm厚となるようバーコータで塗布し、オープンにて100℃で6時間加熱して熱伝導性シートを得た。
【0124】
[比較例7]
比較例7では、表2に示すように、得られたシリコーン組成物を、剥離処理されたPETに挟み2mm厚となるようバーコータで塗布した他は、比較例6と同じ条件とした。
【0125】
[比較例8]
比較例8では、表2に示すように、得られたシリコーン組成物を、剥離処理されたPETに挟み3mm厚となるようバーコータで塗布した他は、比較例6と同じ条件とした。
【0126】
【表1】
【0127】
【表2】
【0128】
表1に示すように、実施例1−10に係る熱伝導性シートは、高分子マトリックス成分(バインダ樹脂)に対する熱伝導性充填剤の体積割合が1.00〜1.70であるため、あるいは熱伝導性充填剤の含有量を50〜63体積%とし、且つ熱伝導性充填剤における繊維状熱伝導性充填剤の体積割合を0.22〜0.42であるため、デュロメータ硬度規格ASTM−D2240におけるタイプOOの値が15〜40であり、比較例1−5に比して低い。また、プレス後においてRz値は改善され、かつシート厚さの回復率が90%以上となった。このため、実施例1−10に係る熱伝導性シートでは、プレス前後における炭素繊維のシート表面からの突出長さが60μmと、プレス前後でほぼ変わらず50μm以上であった。なお、実施例1−10に係る熱伝導性シートは、いずれもプレスの前後において、0.3kgf/cm
2の荷重を印加した際における熱抵抗は、1.9℃・cm
2/W以下であった。
【0129】
これら実施例1−10に係る熱伝導性シートそのものにはタック性はなく、ガラス板上で自由に移動させることができるが、ガラス板に指で押し付けたところタックが発現し、ガラスに密着することが確認できた。したがって、実施例1−10によれば、実装前においてはシート表面のタック性が低減又は消失され、取り扱い性、作業性に優れ、プレスすることによりタック性を発現させ、電子部品等に対する密着性に優れ熱抵抗の低減を図るとともに、リワーク性を備えることができる熱伝導性シートを得ることが分かった。
【0130】
一方、比較例1−5に係る熱伝導性シートは、高分子マトリックス成分(バインダ樹脂)に対する熱伝導性充填剤の体積割合が1.70よりも大きく、あるいは熱伝導性充填剤の含有量が63体積%より多い又は熱伝導性充填剤における繊維状熱伝導性充填剤の体積割合が0.22に満たないため、デュロメータ硬度規格ASTM−D2240におけるタイプOOの値も55以上と高い。また、プレス後においてRz値は比較的改善されたものの、シート厚さの回復率が90%に満たず、炭素繊維のシート表面からの突出長さが10μmと短い。そのため、ガラス板上で熱伝導性シートを自由に移動させることができず、位置合わせが困難であった。また、剥がした後の熱伝導性シートは、タックが残存し、リワーク性に劣るものであった。比較例6−8に係る熱伝導性シートは、繊維状の熱伝導性充填剤が含まれておらず、シート表面にタック性を有することから、比較例1−5と同様、ハンドリング性、リワーク性に劣るものであった。
【解決手段】少なくとも高分子マトリックス成分と熱伝導性充填剤とを含むバインダ樹脂が硬化されてなるシート本体2を有し、高分子マトリックス成分に対する熱伝導性充填剤の体積割合が、1.00〜1.70であり、熱伝導性充填剤が、繊維状熱伝導性充填剤10を含み、繊維状熱伝導性充填剤10は、シート本体2の表面から突出する。