【課題を解決するための手段】
【0005】
この目的は、独立請求項の特徴部によって達成される。更なる実施態様の形式は、従属請求項、説明及び図面から明らかである。
【0006】
第1の態様によれば、この目的は、ユーザー機器に通信ネットワークへの無線アクセスを提供する無線アクセスネットワーク(RAN)スライスによって解決される。RANスライスは、RANスライス識別子によって一意に識別される。RANスライスは、ユーザー機器にRANスライスへのアクセスを提供する基地局と、RANスライスを識別するRANスライス識別子をハンドリングするように構成されたアクセス及びモビリティ管理機能(AMF)エンティティと、RANスライスを介したユーザー機器のデータ通信をハンドリングするように構成されたセッション管理機能(SMF)エンティティとを備える。基地局は、RANスライスに接続するための、ユーザー機器を発信元とするアタッチ要求を受信し、このアタッチ要求がRANスライス識別子を含まない場合、RANスライスへのアクセスを拒否するように構成される。
【0007】
RANスライスは、通信ネットワークのサブネットワークとすることができる。RANスライスは、基地局、特にgNodeBと、AMF及びSMFとを備える。RANスライスは、ユーザープレーン機能(UPF:user plane function)のような、通信ネットワーク、特に5Gネットワークの更なる機能エンティティを備えることができる。
【0008】
ユーザー機器は、コンピューターシステム、特に、移動電話、スマートフォン、タブレットコンピューター、ラップトップコンピューター等とすることができる。ユーザー機器は、モノのインターネット(IoT:Internet of Things)デバイス、特にセンサーとすることもできる。
【0009】
RANスライス識別子は、RANスライスに一義的に割り当てることができる一意コードを含むことができる。RANスライス識別子は、RANスライスを識別する。
【0010】
AMFエンティティは、RANスライス識別子をハンドリングするように構成される。AMFエンティティは、RAN制御プレーンインターフェースの終端、モビリティ管理、アクセス認証、アクセス認可等のような1つ以上の機能を更にハンドリングすることができる。
【0011】
SMFエンティティは、RANスライスを介したユーザー機器のデータ通信をハンドリングするように構成される。SMFは、ローミング機能、セッション管理、ユーザープレーン機能(UPF)エンティティの選択及び制御等を1つのみ又は組み合わせてハンドリングするように更に構成することができる。
【0012】
ユーザー機器は、通信ネットワークへのアクセスを要求するために、通信ネットワーク、すなわち基地局に向けてアタッチ要求信号を送信するように構成される。基地局は、AMFエンティティにアタッチ要求をハンドオーバーすることができる。RANスライスは、優先ユーザー機器のために予約されるRANスライスとすることができ、したがって、優先RANスライスとすることができる。
【0013】
一実施形態では、基地局は、アタッチ要求がRANスライス識別子を含む場合、ユーザー機器に対してRANスライスへのアクセスを許可するように構成される。
【0014】
ユーザー機器は、優先ユーザー機器として登録することができ、したがって、そのRANスライスに関係付けられたRANスライス識別子を含むことができる。
【0015】
一実施形態では、アタッチ要求は、送信スライス識別子を含む。基地局は、送信スライス識別子がRANスライス識別子に対応するか否かを特定するために、送信スライス識別子をRANスライス識別子と比較するように構成される。基地局は、送信識別子がRANスライス識別子とは異なる場合、RANスライスへのアクセスを拒否するように構成される。
【0016】
ユーザー機器は、所定のRANスライスを選択するためにスライス識別子を有することができ、アタッチ要求内のこのスライス識別子を送信する。スライス識別子は、ユーザー機器に対して、優先RANスライスへのアクセスを許可するために、ユーザー機器にハンドオーバーされている場合がある。
【0017】
一実施形態では、コネクション要求は、送信スライス識別子を含む。基地局は、送信スライス識別子又はアタッチ要求をAMFエンティティに向けて転送するように構成される。AMFエンティティは、送信スライス識別子がRANスライス識別子に対応するか否かを特定するために、送信スライス識別子をRANスライス識別子と比較するように構成される。AMFエンティティは、送信識別子がRANスライス識別子とは異なる場合、基地局に向けて拒否信号を送信するように構成される。基地局は、拒否信号に応答して、ユーザー機器によるRANスライスへのアクセス要求を拒否するように構成される。
【0018】
基地局は、RANスライスへのアクセスを許可する判断をAMFエンティティにハンドオーバーする。これは、基地局のリソースが解放されるので、有利であり得る。
【0019】
一実施形態では、基地局は、RANスライスのみへのアクセスを提供するように構成される。
【0020】
一般に、基地局は、複数のアクセス要求をハンドリングするとともに、複数のRANスライスへのアクセスを提供することができる。1つのRANスライスのみへのアクセスを提供するために基地局を予約することによって、有利に基地局のリソースを用いることができ、したがって、優先ユーザー機器のための使用が更に高まる。
【0021】
一実施形態では、アタッチ要求は、RAN識別子と、ユーザー機器についてのターゲットスライスを識別するターゲットネットワークスライス識別子とを含む。基地局は、ユーザー機器に対してRANスライスへのアクセスを許可するように構成される。基地局は、ターゲットネットワークスライス識別子を有するアタッチ要求を、AMFエンティティに向けて転送するように構成される。AMFエンティティは、ターゲットネットワークスライスに向けたユーザー機器の通信の転送を管理するように構成される。
【0022】
基地局及びAMFに対するアクセス及び割り当て機能の機能上の分割は、エンティティの各々のリソースを節約する。
【0023】
一実施形態では、RANスライスは、RANスライスから通信ネットワーク、特にターゲットネットワークスライスに向けられたユーザー機器の通信をルーティングするように構成されたルーターを備える。
【0024】
ユーザー機器の通信ネットワークに排他的に向けられた通信をルーティングするための、RANスライスにおける専用ルーターは、ユーザー機器の利益を高め、特に、共通ネットワークコネクションに対して速度及び/又は可能な送信データレートを高める。
【0025】
一実施形態では、基地局は、アタッチ要求が別のネットワーク識別子を含む場合、アタッチ要求を、当該別のネットワーク識別子によって識別される別の通信ネットワークの別の基地局に向けて転送するように構成される。
【0026】
当該別の基地局は、一意RANスライス識別子に関係付けられたネットワークコンテンツをハンドリングするために排他的に予約された、所定数の基地局の中の所定の1つの基地局とすることができる。
【0027】
一実施形態では、基地局は、アタッチ要求を、ユーザー機器から、又は、アタッチ要求を受信した別の基地局から受信するように構成される。
【0028】
ユーザー機器は、そのRANスライスに割り当てられた基地局に直接コンタクトすることもできるし、そのアタッチ要求がそのRANスライスのためのアタッチ要求であることを判断し、そのアタッチ要求を、そのRANスライスに関係付けられた基地局にハンドオーバーする別の基地局にコンタクトすることもできる。
【0029】
一実施形態では、基地局は、RANスライスの通信容量を示すRANスライスコネクティビティパラメーター、特に、周波数帯域、アクセス通信技術を送信するように構成される。
【0030】
優先RANスライスは、公衆陸上移動体ネットワーク(PLMN:public land mobile network)選択を実行するコネクティビティパラメーターを選ぶことができる。コネクティビティパラメーターは、端末からRANスライスへのコネクティビティ速度を高めるために所定のものとすることができる。さらに、送信RANスライスコネクティビティパラメーターを選ぶことは、それぞれのコアネットワークへのコネクションも改善することができる。RANスライスは、適切な周波数帯及びそれぞれの無線アクセス技術(RAT:radio access technology)を求めて探索する必要がない。ブートストラップサーバーへのリンクコネクションの場合、リンクコネクションを高速化することができるRANスライスの予約リソースを用いることができる。
【0031】
一実施形態では、基地局及び/又はAMFエンティティは、RANスライスを介したユーザー機器の通信のための通信リソース、特に、通信帯域幅、信号処理リソース及びメモリを提供するように構成される。
【0032】
RANスライスを介した通信のためにリソースを提供することにより、エンティティが、優先RANスライスを提供するとともに、加えて、優先されていない他のユーザー機器のための共通ネットワーク動作を実行することが可能になる。
【0033】
一実施形態では、アタッチ要求は、ユーザー優先度インジケーションを更に含む。ユーザー優先度インジケーションは、ユーザー機器に割り当てられた通信リソースを示す。基地局及び/又はAMFは、ユーザー優先度インジケーションに従って、通信のためのRANスライスの通信リソース、特に、通信帯域幅、信号処理リソース及びメモリを割り当てるように構成される。
【0034】
有効なRANスライスインジケーターを送信するユーザー機器は、RANスライスへのアクセスを許可される。ユーザー優先度インジケーションを用いることは、有効なユーザー機器の優先度ヒエラルキーを提供する。
【0035】
一実施形態では、アタッチ要求は、ユーザー機器識別情報、特に国際移動体加入識別子(IMSI:international mobile subscriber identity)を更に含む。AMF及び/又は基地局は、ユーザー機器識別情報に割り当てられた通信のための通信リソース、特に、通信帯域幅、信号処理リソース及びメモリを割り当てるように構成される。
【0036】
特定のユーザー機器をRANスライスへのアクセスを許可するように優先させることができる。特定のユーザー機器とは、例えば、所定の人物、特に、政治家、ボディーガード、消防士等の移動電話である。
【0037】
一実施形態では、基地局及び/又はAMFは、RANスライスの外部に配置された共有データバンクからの通信リソースの送信を要求するように構成される。
【0038】
基地局又はAMFが追加のリソースを要求した場合、RANスライスに向けて追加の送信リソースを分配することができる。これは、RANスライスの自身のリソースが不足する場合に有用であり得る。
【0039】
第2の態様によれば、目的は、無線アクセスネットワーク(RAN)スライスを用いてユーザー機器に通信ネットワークへの無線アクセスを提供する通信方法によって解決される。RANスライスは、RANスライス識別子によって一意に識別され、ユーザー機器にRANスライスへのアクセスを提供する基地局を備える。RANスライスは、RANスライスを識別するRANスライス識別子をハンドリングするように構成されたアクセス及びモビリティ管理機能(AMF)エンティティと、RANスライスを介したユーザー機器のデータ通信をハンドリングするように構成されたセッション管理機能(SMF)エンティティとを備える。通信方法は、
RANスライスに接続するための、ユーザー機器からのアタッチ要求を受信することと、
アタッチ要求がRANスライス識別子を含まない場合、基地局によって、RANスライスへのアクセスを拒否することと、
を含む。
【0040】
以下の図面に対して、本発明の実施態様が説明される。