(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
第四級アンモニウム塩が、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、または、2−ヒドロキシエチルトリメチルアンモニウムヒドロキシドである請求項1から4のいずれかに記載のシリコーン重合体の製造方法。
第四級アンモニウム塩の量が、加水分解性シラン化合物の全量1モルに対して、0.001〜0.1モルである請求項1から5のいずれかに記載のシリコーン重合体の製造方法。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明のシリコーン重合体の製造方法は、式(1)で表される加水分解性シラン化合物
R
1Si(OR
2)
3 (1)
(式中、R
1は、3−グリシドキシプロピル基、または、メタクリロイル基を示し、R
2は、炭化水素基を示す。)
および、式(2)で表される加水分解性シラン化合物
R
3Si(OR
4)
3 (2)
(式中、R
3は、炭素数1から3の炭化水素基を示し、R
4は、炭化水素基を示す。)
を、第四級アンモニウム塩および水の存在下で反応して、シリコーン重合体を製造するシリコーン重合体の製造方法であって、式(1)で表される加水分解性シラン化合物と式(2)で表される加水分解性シラン化合物の合計量を1モルとしたとき、水の量が、合計量1モルに対して、1.2〜2.0モルであり、反応時間が
13〜30時間であるシリコーン重合体の製造方法である。
【0018】
式(1)で表される加水分解性シラン化合物について説明する。
R
1Si(OR
2)
3 (1)
において、R
1は、3−グリシドキシプロピル基、または、メタクリロイル基を示す。メタクリロイル基は、3−メタクリロキシプロピル基が好ましい。
【0019】
R
2は、炭化水素基である。炭化水素基としては、炭素数1〜20の直鎖状炭化水素基、分岐状炭化水素基が好ましい。炭素数1〜20の直鎖状炭化水素基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基が好ましい。より好ましくは、メチル基、エチル基である。分岐状炭化水素基としては、iso−プロピル基等の炭化水素基が好ましい。
【0020】
したがって、式(1)で表される加水分解性シラン化合物の具体例としては、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリ−n−プロポキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリ−iso−プロポキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリ−n−プロポキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリ−iso−プロポキシシラン等を挙げることができる。
【0021】
これらの中でも本発明においては、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリ−n−プロポキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリ−n−プロポキシシランが好ましく用いられる。
【0022】
式(1)で表される加水分解性シラン化合物は、価格が低廉な、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシランがより好ましい。
【0023】
式(2)で表される加水分解性シラン化合物について説明する。
R
3Si(OR
4)
3 (2)
において、R
3は、炭素数1から3の炭化水素基を示す。炭素数1から3の直鎖状炭化水素基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基が好ましい。より好ましくは、メチル基、エチル基である。分岐状炭化水素基としては、iso−プロピル基等の炭化水素基が好ましい。
【0024】
R
4は、炭化水素基である。炭化水素基としては、炭素数1〜20の直鎖状炭化水素基、分岐状炭化水素基が好ましい。炭素数1〜20の直鎖状炭化水素基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基が好ましい。より好ましくは、メチル基、エチル基である。分岐状炭化水素基としては、iso−プロピル基等の炭化水素基が好ましい。
【0025】
したがって、式(2)で表される化合物の具体例としては、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリ−n−プロポキシシラン、メチルトリ−iso−プロポキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、エチルトリ−n−プロポキシシラン、エチルトリ−iso−プロポキシシラン、n−プロピルトリメトキシシラン、n−プロピルトリエトキシシラン、n−プロピルトリ−n−プロポキシシラン、n−プロピルトリ−iso−プロポキシシラン等を挙げることができる。
【0026】
これらの中でも本発明においては、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、n−プロピルトリメトキシシラン、n−プロピルトリエトキシシランが好ましく用いられる。より好ましくは、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシランである。
【0027】
本発明のシリコーン重合体の製造方法では、第4級アンモニウム塩の存在下で反応を行う。第4級アンモニウム塩の存在下で反応を行うことにより、金属が混入しない。
【0028】
第4級アンモニウム塩としては、例えば、テトラブチルアンモニウムフルオライド、ベンジルトリブチルアンモニウムクロライド、ベンジルトリエチルアンモニウムクロライド、ベンジルトリメチルアンモニウムクロライド、テトラ−n−ブチルアンモニウムクロライド、テトラエチルアンモニウムクロライド、テトラメチルアンモニウムクロライド、ベンジルトリ−n−ブチルアンモニウムブロマイド、ベンジルトリエチルアンモニウムブロマイド、ベンジルトリメチルアンモニウムブロマイド、n−オクチルトリメチルアンモニウムブロマイド、ヘキシルトリメチルアンモニウムブロマイド、テトラブチルアンモニウムブロマイド、テトラエチルアンモニウムブロマイド、テトラデシルトリメチルアンモニウムブロマイド、テトラメチルアンモニウムブロマイド、テトラ−n−プロピルアンモニウムブロマイド、テトラブチルアンモニウムアイオダイド、テトラエチルアンモニウムアイオダイド、テトラメチルアンモニウムアイオダイド、テトラ−n−プロピルアンモニウムアイオダイド、トリメチルフェニルアンモニウムアイオダイド、ベンジルトリメチルアンモニウムヒドロキシト゛、フェニルトリメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラブチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラプロピルアンモニウムヒドロキシド、テトラブチルアンモニウムヒドロゲンスルフェート、テトラブチルアンモニウムテトラフルオロボレート、テトラメチルアンモニウムチオシアネート、テトラメチルアンモニウム−p−トルエンスルフォネート、2−ヒドロキシエチルトリメチルアンモニウムヒドロキシドなどが挙げられる。
なかでも、テトラブチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラプロピルアンモニウムヒドロキシド、2−ヒドロキシエチルトリメチルアンモニウムヒドロキシドなどの第4級アンモニウム塩が好ましく、さらに、価格が低廉なテトラメチルアンモニウムヒドロキシドまたは2−ヒドロキシエチルトリメチルアンモニウムヒドロキシドが好ましい。
【0029】
第4級アンモニウム塩の量は、式(1)で表される加水分解性シラン化合物と、
R
1Si(OR
2)
3 (1)
(式中、R
1は、3−グリシドキシプロピル基、または、メタクリロイル基を示し、R
2は、炭化水素基を示す。)
式(2)で表される加水分解性シラン化合物の
R
3Si(OR
4)
3 (2)
(式中、R
3は、炭素数1から3の炭化水素基を示し、R
4は、炭化水素基を示す。)
合計量を1モルとしたとき、合計量1モルに対して、0.001〜1.0モルが好ましく、0.005〜0.5モルがさらに好ましい。0.001モル以上であれば反応が速やかに進行し、1.0モル以内であれば、含有水分量が少ないシリコーン重合体を生産することができ、シリコーン重合体の生産性が良く、経済的に好ましい。
【0030】
本発明のシリコーン重合体の製造方法では、水の存在下で反応を行う。
水の量は、式(1)で表される加水分解性シラン化合物と、
R
1Si(OR
2)
3 (1)
(式中、R
1は、3−グリシドキシプロピル基、または、メタクリロイル基を示し、R
2は、炭化水素基を示す。)
式(2)で表される加水分解性シラン化合物の
R
3Si(OR
4)
3 (2)
(式中、R
3は、炭素数1から3の炭化水素基を示し、R
4は、炭化水素基を示す。)
合計量を1モルとしたとき、合計量1モルに対して、1.2〜2.0モルである。1.2モル以上であれば反応が速やかに進行し、2.0モル以内であれば、含有水分量が低いシリコーン重合体を生産することができる。水の量は、式(1)で表される加水分解性シラン化合物と、式(2)で表される加水分解性シラン化合物の合計量を1モルとしたとき、合計量1モルに対して、1.2〜1.8モルが好ましい。
【0031】
反応では、有機溶媒を使用してもよい。有機溶媒としては、トルエン、キシレン等の非プロトン性溶媒、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン系溶媒、メタノール、エタノール、2−プロパノール等のアルコール溶媒、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン等のエーテル溶媒等の溶媒を使用することができる。また、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、乳酸エチルなどの高沸点溶媒を使用しても良い。また非プロトン性溶媒を使用した場合は、水と混合しないため反応が遅くなると推測され、そのような場合は水に可溶なアルコール溶媒を加えて反応させてもよい。有機溶媒は2種類以上用いても良い。
【0032】
反応温度は0〜100℃が好ましく、さらに好ましくは20〜80℃である。反応温度が0℃以上であれば反応が短時間で完了し、また100℃以下であれば工業化が容易である。
【0033】
反応では、加水分解性シラン化合物に第4級アンモニウム塩を添加しても良いし、第4級アンモニウム塩を含む有機溶媒や水等に加水分解性シラン化合物を添加しても良い。
【0035】
本発明で反応開始時間は、加水分解性シラン化合物に第4級アンモニウム塩を添加した場合は、本発明で必要な第4級アンモニウム塩の全量の添加が終了した時間であり、第4級アンモニウム塩を含む有機溶媒や水等に加水分解性シラン化合物を添加した場合は、本発明で必要な加水分解性シラン化合物の全量の添加が終了した時間である。
【0036】
本発明で反応終了時間は、第4級アンモニウム塩、または、反応で用いた溶媒を除去する方法を開始した時間である。
【0037】
このため、本発明で反応時間は、反応開始時間から反応終了時間までの時間である。
【0038】
本発明では、反応が終了した後に、第4級アンモニウム塩や反応溶媒を除去することができる。
【0039】
第4級アンモニウム塩を除去する方法としては、第4級アンモニウム塩と当量以上の酸で中和する方法やイオン交換水で洗浄する方法、イオン交換樹脂による方法が挙げられる。これらの方法は反応に使用した第4級アンモニウム塩に合わせて単独もしくはこれらを組み合わせてまたは1回以上実施することができる。これらの方法を行う際に有機溶媒を使用してもよい。
【0040】
酸としては、特に限定されるものではないが、例えば、塩酸、リン酸、硝酸等の無機酸や、酢酸、プロピオン酸、ブタン酸、ペンタン酸、ヘキサン酸、ヘプタン酸、オクタン酸、ノナン酸、デカン酸、シュウ酸、マレイン酸、メチルマロン酸、アジピン酸、セバシン酸、没食子酸、酪酸、メリット酸、アラキドン酸、ミキミ酸、2−エチルヘキサン酸、オレイン酸、ステアリン酸、リノール酸、リノレイン酸、サリチル酸、安息香酸、p−アミノ安息香酸、p−トルエンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、モノクロロ酢酸、ジクロロ酢酸、トリクロロ酢酸、トリフルオロ酢酸、ギ酸、マロン酸、スルホン酸、フタル酸、フマル酸、クエン酸、酒石酸、コハク酸、グルタル酸等を挙げることができる。これらの中でも、シュウ酸、マレイン酸、メチルマロン酸、アジピン酸、オレイン酸、ステアリン酸、リノール酸、リノレイン酸、サリチル酸、安息香酸、p−アミノ安息香酸、p−トルエンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、マロン酸、フタル酸、フマル酸、クエン酸、酒石酸、コハク酸、グルタル酸等が好ましく、更に好ましくはシュウ酸、マレイン酸、サリチル酸、安息香酸、マロン酸、フタル酸、フマル酸、クエン酸、酒石酸、コハク酸、グルタル酸等が挙げられる。
【0041】
有機溶媒の例としては、トルエン、キシレン等の非プロトン性溶媒、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン系溶媒、メタノール、エタノール、2−プロパノール等のアルコール溶媒、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン等のエーテル溶媒、酢酸エチル等の溶媒を使用することができる。また、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、乳酸エチルなどの高沸点溶媒が挙げられる。
【0042】
溶媒を除去する方法としては、濃縮が挙げられ、濃縮の方法としては、加熱もしくは減圧またはこれらの組み合わせる方法が挙げられる。
【0043】
濃縮するときの加熱の温度は、使用する溶媒の沸点にあわせて変更することができ、30から150℃が好ましく、より好ましくは30から100℃である。また減圧をすることにより温度を低下させることが好ましい。加熱温度が30℃以上であれば濃縮が速やかに行われ、150℃以内であると工業化の際に容易である。
【0044】
濃縮にて、反応や、第4級アンモニウム塩の除去操作で使用した溶媒を除去する場合、シリコーン重合体の濃度が、好ましくは、20から99%、より好ましくは、30から99%となるように、溶媒の除去量をコントロールすることができる。
【0045】
本発明のシリコーン重合体の製造方法で製造されたシリコーン重合体が含有する水分量は
、0.05重量%未満であり、より好ましくは、0.04重量%未満である。
【0058】
本発明のシリコーン重合体
の製造方法において、シリコーン重合体は、重量平均分子量(ポリスチレン換算)が、500〜20000の範囲であることが好ましい。より好ましくは500〜10000の範囲であり、さらに好ましくは500〜5000の範囲である。
【0059】
本発明のシリコーン重合体
の製造方法において、シリコーン重合体の分散度は、1.0〜10.0の範囲にあるものが好ましく、1.5〜5.0の範囲にあるものが最も好ましい。
【0060】
本発明のシリコーン重合体
の製造方法において、シリコーン重合体は、ゲル浸透クロマトグラフィの測定で得られるピークの数が2以上であるシリコーン重合体であることが好ましい。
【0061】
本発明の
シリコーン重合体の製造方法において、ゲル浸透クロマトグラフィの測定で得られるピークの数が2以上あるシリコーン重合体は、分子量分布領域を変曲点で分離して得られるピークの数が2以上であるシリコーン重合体である。分子量分布が高くなると得られるピークの数は大きくなるが、分散度が高いポリマとなるため特性が得られない場合がある。よってピークの数は2〜10が好ましく、さらに2〜5がさらに好ましい。
【0062】
ゲル浸透クロマトグラフィは分子の大きさを区別することで表れるピークであることから、2以上のピークがあることは、本発明のシリコーン重合体は、通常、分子の立体構造が複数存在することを示唆する。
【0063】
本発明のシリコーン重合体
の製造方法において、シリコーン重合体は、分子の立体構造には次の籠型の構造が含まれていても良い。代表的な籠型構造は下記一般式
【0065】
(式中、Rは一般的な有機基を示す)
で示されるケイ素原子を8つ有するT8構造と、下記一般式
【0067】
(式中、Rは一般的な有機基を示す)
で示されるケイ素原子を10個有するT10構造と、下記一般式
【0069】
(式中、Rは一般的な有機基を示す)
で示されるケイ素原子を12個有するT12構造が挙げられる。それら構造は完全縮合した形では無く、部分的にシラノールが残っている下記構造式
【0071】
(式中、Rは一般的な有機基を示す)
の構造も含まれる。
【0072】
本発明のシリコーン重合体
の製造方法において、シリコーン重合体は、有機溶媒に可溶であり、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、メチルシクロヘキサノン等のケトン溶媒、メタノール、エタノール、イソプロパノール、n−ブタノール、シクロへキサノール等のアルコール溶媒、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素溶媒、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、乳酸エチル等のエステル溶媒、ジエチルエーテル、ジブチルエーテル、テトラヒドロフラン等のエーテル溶媒、アセトニトリル、ベンゾニトリル等のニトリル系溶媒、プロピレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールジエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等のグリコール系溶媒に可溶であり、例えばプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートなどの有機溶媒に溶解させた場合は、シリコンウェハーやガラス基板上に有機溶媒に溶解させたシリコーン共重合体をスピンコートすることができ、基板上の膜厚を調整したり、平坦で緻密な膜を形成できることから、沸点の高い溶媒に溶解することは特に好ましい。
【実施例】
【0073】
以下、実施例を示して本発明を具体的に説明する。
【0074】
以下の実施例において、測定には下記装置を使用し、原料は試薬メーカー(東京化成工業(株)、和光純薬工業(株)、ナカライテスク(株)、信越化学工業(株))から購入した一般的な試薬を用いた。
【0075】
[重量平均分子量(Mw)測定]
HLC−8220GPCシステム(東ソー(株)製)を使用した。カラムには、TSKgelSuperHZ3000、TSKgelSuperHZ2000、TSKgel1000(いずれも東ソー(株)製)を用いた。検出はRIで行い、リファレンスカラムとしてTSKgelSuperH−RCを使用した。溶媒にはテトラヒドロフランを使用し、カラムとリファレンスカラムの流速は0.35mL/minで行った。測定温度はプランジャーポンプ、カラム共に40℃で行った。サンプルの調整にはシリコーン重合体約0.025gを10mlのテトラヒドロフランで希釈し、1μL注入した。分子量分布計算には、TSK標準ポリスチレン(東ソー製、A−500、A−1000、A−2500、A−5000、F−1、F−2、F−4、F−10、F−20、F−40、F−80)を標準物質として使用して算出した。
【0076】
[水分測定]
カールフィッシャー滴定装置、EBU−61―KF(京都電子工業(株)製)を使用した。カールフィッシャー試薬には、HYDRANAL(登録商標)コンポジット5K(Sigma−Aldrich製)を使用した。溶剤には、HAYASHI(登録商標)−Solvent CEケトン用(林純薬工業(株)製)を使用した。カールフィッシャー滴定装置に、溶剤を投入し、カールフィッシャー試薬で溶剤中の水分を除去した後、シリコーン重合体を約3mLカールフィッシャー滴定装置に投入し、カールフィッシャー試薬を滴下し、容量滴定法にて検体中の水分を定量した。
【0077】
[赤外分光法]
赤外分光光度計(以下、「IR」という。)は、IRPrestige−21((株)島津製作所製)を使用した。臭化カリウムの板に試料を少量塗布し、別の臭化カリウムの板に挟んで赤外を透過させて測定した。
【0078】
[実施例1]
撹拌機、還流冷却器、滴下ろう斗及び温度計を備えた5L四つ口フラスコに25%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液9.6g、イオン交換水111.7g、2−プロパノール272.3g、メチルイソブチルケトン1815.5gを仕込んだ。40℃まで昇温した後、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン727.9gとメチルトルメトキシシラン179.8gを滴下ろう斗を用いて2.5時間かけて滴下した。その後40℃にて24時間反応させた。反応後、1%クエン酸水を添加し中和し、分液した。分液した油層にイオン交換水746.9gを添加し撹拌後、分液した。同様の操作をもう2回実施し、油層を濃縮したところ、無色透明液体の3−グリシドキシプロピルトリメトキシシランとメチルトリメトキシシランのシリコーン重合体603.7gを得た。得られた3−グリシドキシプロピルトリメトキシシランとメチルトリメトキシシランのシリコーン重合体をGPCにて分析したところ、分子量(Mw)3120、2つの変曲点が存在し、ピーク数は3本であった。水分量は0.01%以下であった。IRにて分析したところ、シラノール基に由来する3200−3700cm
−1のピークは小さく、シラノール基の量が少ないシリコーン重合体を合成できたことが分かった。
【0079】
[実施例2]
撹拌機、還流冷却器、滴下ろう斗及び温度計を備えた5L四つ口フラスコに25%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液24.1g、イオン交換水100.9g、2−プロパノール272.3g、メチルイソブチルケトン1815.5gを仕込んだ。40℃まで昇温した後、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン727.9gとメチルトルメトキシシラン179.8gを滴下ろう斗を用いて2.5時間かけて滴下した。その後40℃にて24時間反応させた。反応後、1%クエン酸水を添加し中和し、分液した。分液した油層にイオン交換水746.9gを添加し撹拌後、分液した。同様の操作をもう2回実施し、油層を濃縮したところ、無色透明液体の3−グリシドキシプロピルトリメトキシシランとメチルトリメトキシシランのシリコーン重合体603.7gを得た。得られた3−グリシドキシプロピルトリメトキシシランとメチルトリメトキシシランのシリコーン重合体をGPCにて分析したところ、分子量(Mw)2960、2つの変曲点が存在し、ピーク数は3本であった。水分量は0.01%以下であった。IRにて分析したところ、シラノール基に由来する3200−3700cm
−1のピークは小さく、シラノール基の量が少ないシリコーン重合体を合成できたことが分かった。
【0080】
[実施例3]
撹拌機、還流冷却器、滴下ろう斗及び温度計を備えた5L四つ口フラスコに25%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液72.2g、イオン交換水64.8g、2−プロパノール272.3g、メチルイソブチルケトン1815.5gを仕込んだ。40℃まで昇温した後、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン727.9gとメチルトルメトキシシラン179.8gを滴下ろう斗を用いて2.5時間かけて滴下した。その後40℃にて24時間反応させた。反応後、1%クエン酸水を添加し中和し、分液した。分液した油層にイオン交換水746.9gを添加し撹拌後、分液した。同様の操作をもう2回実施し、油層を濃縮したところ、無色透明液体の3−グリシドキシプロピルトリメトキシシランとメチルトリメトキシシランのシリコーン重合体603.7gを得た。得られた3−グリシドキシプロピルトリメトキシシランとメチルトリメトキシシランのシリコーン重合体をGPCにて分析したところ、分子量(Mw)2560、2つの変曲点が存在し、ピーク数は3本であった。水分量は0.01%であった。
【0081】
[実施例4]
撹拌機、還流冷却器、滴下ろう斗及び温度計を備えた5L四つ口フラスコに25%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液158.8g、2−プロパノール272.3g、メチルイソブチルケトン1815.5gを仕込んだ。40℃まで昇温した後、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン727.9gとメチルトルメトキシシラン179.8gを滴下ろう斗を用いて2.5時間かけて滴下した。その後40℃にて24時間反応させた。反応後、1%クエン酸水を添加し中和し、分液した。分液した油層にイオン交換水746.9gを添加し撹拌後、分液した。同様の操作をもう2回実施し、油層を濃縮したところ、無色透明液体の3−グリシドキシプロピルトリメトキシシランとメチルトリメトキシシランのシリコーン重合体603.7gを得た。得られた3−グリシドキシプロピルトリメトキシシランとメチルトリメトキシシランのシリコーン重合体をGPCにて分析したところ、分子量(Mw)2440、2つの変曲点が存在し、ピーク数は3本であった。水分量は0.01%であった。
【0082】
[実施例5]
撹拌機、還流冷却器、滴下ろう斗及び温度計を備えた5L四つ口フラスコに48%2−ヒドロキシエチルトリメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液44.8g、イオン交換水118.9g、2−プロパノール272.3g、メチルイソブチルケトン1815.5gを仕込んだ。40℃まで昇温した後、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン727.9gとメチルトルメトキシシラン179.8gを滴下ろう斗を用いて2.5時間かけて滴下した。その後40℃にて24時間反応させた。反応後、1%クエン酸水を添加し中和し、分液した。分液した油層にイオン交換水746.9gを添加し撹拌後、分液した。同様の操作をもう2回実施し、油層を濃縮したところ、無色透明液体の3−グリシドキシプロピルトリメトキシシランとメチルトリメトキシシランのシリコーン重合体603.7gを得た。得られた3−グリシドキシプロピルトリメトキシシランとメチルトリメトキシシランのシリコーン重合体をGPCにて分析したところ、分子量(Mw)2760、2つの変曲点が存在し、ピーク数は3本であった。水分量は0.01%であった。
【0083】
[実施例6]
撹拌機、還流冷却器、滴下ろう斗及び温度計を備えた5L四つ口フラスコに25%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液33.7g、イオン交換水93.7g、2−プロパノール298.8g、メチルイソブチルケトン1991.8gを仕込んだ。40℃まで昇温した後、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン935.9gとメチルトルメトキシシラン59.9gを滴下ろう斗を用いて1.5時間かけて滴下した。その後40℃にて24時間反応させた。反応後、1%クエン酸水を添加し中和し、分液した。分液した油層にイオン交換水746.9gを添加し撹拌後、分液した。同様の操作をもう2回実施し、油層を濃縮したところ、無色透明液体の3−グリシドキシプロピルトリメトキシシランとメチルトリメトキシシランのシリコーン重合体687.7gを得た。得られた3−グリシドキシプロピルトリメトキシシランとメチルトリメトキシシランのシリコーン重合体をGPCにて分析したところ、分子量(Mw)2640、2つの変曲点が存在し、ピーク数は3本であった。水分量は0.01%以下であった。
【0084】
[実施例7]
撹拌機、還流冷却器、滴下ろう斗及び温度計を備えた5L四つ口フラスコに25%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液33.7g、イオン交換水93.7g、2−プロパノール272.3g、メチルイソブチルケトン1815.5gを仕込んだ。40℃まで昇温した後、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン727.9gとメチルトルメトキシシラン179.8gを滴下ろう斗を用いて2時間かけて滴下した。その後40℃にて24時間反応させた。反応後、1%クエン酸水を添加し中和し、分液した。分液した油層にイオン交換水746.9gを添加し撹拌後、分液した。同様の操作をもう2回実施し、油層を濃縮したところ、無色透明液体の3−グリシドキシプロピルトリメトキシシランとメチルトリメトキシシランのシリコーン重合体603.7gを得た。得られた3−グリシドキシプロピルトリメトキシシランとメチルトリメトキシシランのシリコーン重合体をGPCにて分析したところ、分子量(Mw)2990、2つの変曲点が存在し、ピーク数は3本であった。水分量は0.01%以下であった。
【0085】
[実施例8]
撹拌機、還流冷却器、滴下ろう斗及び温度計を備えた5L四つ口フラスコに25%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液33.7g、イオン交換水87.4g、2−プロパノール272.3g、メチルイソブチルケトン1815.5gを仕込んだ。40℃まで昇温した後、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン727.9gとメチルトルメトキシシラン179.8gを滴下ろう斗を用いて2.5時間かけて滴下した。その後40℃にて24時間反応させた。反応後、1%クエン酸水を添加し中和し、分液した。分液した油層にイオン交換水746.9gを添加し撹拌後、分液した。同様の操作をもう2回実施し、油層を濃縮したところ、無色透明液体の3−グリシドキシプロピルトリメトキシシランとメチルトリメトキシシランのシリコーン重合体603.7gを得た。得られた3−グリシドキシプロピルトリメトキシシランとメチルトリメトキシシランのシリコーン重合体をGPCにて分析したところ、分子量(Mw)2020、2つの変曲点が存在し、ピーク数は3本であった。水分量は0.02%であった。
【0086】
[実施例9]
撹拌機、還流冷却器、滴下ろう斗及び温度計を備えた5L四つ口フラスコに25%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液33.7g、イオン交換水109.5g、2−プロパノール272.3g、メチルイソブチルケトン1815.5gを仕込んだ。40℃まで昇温した後、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン727.9gとメチルトルメトキシシラン179.8gを滴下ろう斗を用いて2.5時間かけて滴下した。その後40℃にて24時間反応させた。反応後、1%クエン酸水を添加し中和し、分液した。分液した油層にイオン交換水746.9gを添加し撹拌後、分液した。同様の操作をもう2回実施し、油層を濃縮したところ、無色透明液体の3−グリシドキシプロピルトリメトキシシランとメチルトリメトキシシランのシリコーン重合体603.7gを得た。得られた3−グリシドキシプロピルトリメトキシシランとメチルトリメトキシシランのシリコーン重合体をGPCにて分析したところ、分子量(Mw)2530、2つの変曲点が存在し、ピーク数は3本であった。水分量は0.03%であった。
【0087】
[実施例10]
撹拌機、還流冷却器、滴下ろう斗及び温度計を備えた5L四つ口フラスコに25%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液33.7g、イオン交換水93.7g、2−プロパノール272.3g、メチルイソブチルケトン1815.5gを仕込んだ。40℃まで昇温した後、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン727.9gとメチルトルメトキシシラン179.8gを滴下ろう斗を用いて2.5時間かけて滴下した。その後40℃にて20時間反応させた。反応後、1%クエン酸水を添加し中和し、分液した。分液した油層にイオン交換水746.9gを添加し撹拌後、分液した。同様の操作をもう2回実施し、油層を濃縮したところ、無色透明液体の3−グリシドキシプロピルトリメトキシシランとメチルトリメトキシシランのシリコーン重合体603.7gを得た。得られた3−グリシドキシプロピルトリメトキシシランとメチルトリメトキシシランのシリコーン重合体をGPCにて分析したところ、分子量(Mw)2860、2つの変曲点が存在し、ピーク数は3本であった。水分量は0.01%であった。
【0088】
[実施例11]
撹拌機、還流冷却器、滴下ろう斗及び温度計を備えた5L四つ口フラスコに25%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液33.7g、イオン交換水93.7g、2−プロパノール272.3g、メチルイソブチルケトン1815.5gを仕込んだ。40℃まで昇温した後、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン727.9gとメチルトルメトキシシラン179.8gを滴下ろう斗を用いて2.5時間かけて滴下した。その後40℃にて16時間反応させた。反応後、1%クエン酸水を添加し中和し、分液した。分液した油層にイオン交換水746.9gを添加し撹拌後、分液した。同様の操作をもう2回実施し、油層を濃縮したところ、無色透明液体の3−グリシドキシプロピルトリメトキシシランとメチルトリメトキシシランのシリコーン重合体603.7gを得た。得られた3−グリシドキシプロピルトリメトキシシランとメチルトリメトキシシランのシリコーン重合体をGPCにて分析したところ、分子量(Mw)2870、2つの変曲点が存在し、ピーク数は3本であった。水分量は0.01%であった。
【0089】
[比較例1]
撹拌機、還流冷却器、滴下ろう斗及び温度計を備えた5L四つ口フラスコに25%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液33.7g、イオン交換水212.6g、2−プロパノール272.3g、メチルイソブチルケトン1815.5gを仕込んだ。40℃まで昇温した後、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン727.9gとメチルトルメトキシシラン179.8gを滴下ろう斗を用いて2.5時間かけて滴下した。その後40℃にて3時間反応させた。反応後、1%クエン酸水を添加し中和し、分液した。分液した油層にイオン交換水746.9gを添加し撹拌後、分液した。同様の操作をもう2回実施し、油層を濃縮したところ、無色透明液体の3−グリシドキシプロピルトリメトキシシランとメチルトリメトキシシランのシリコーン重合体603.7gを得た。得られた3−グリシドキシプロピルトリメトキシシランとメチルトリメトキシシランのシリコーン重合体をGPCにて分析したところ、分子量(Mw)2930、水分量は0.32%であった。IRにて分析したところ、シラノール基に由来する3200−3700cm
−1のピークは大きく、シラノール基の量が多いシリコーン重合体であることが分かった。
【0090】
[比較例2]
撹拌機、還流冷却器、滴下ろう斗及び温度計を備えた5L四つ口フラスコに25%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液33.7g、イオン交換水93.6g、2−プロパノール272.3g、メチルイソブチルケトン1815.5gを仕込んだ。40℃まで昇温した後、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン727.9gとメチルトルメトキシシラン179.8gを滴下ろう斗を用いて2.5時間かけて滴下した。その後40℃にて5時間反応させた。反応後、1%クエン酸水を添加し中和し、分液した。分液した油層にイオン交換水746.9gを添加し撹拌後、分液した。同様の操作をもう2回実施し、油層を濃縮したところ、無色透明液体の3−グリシドキシプロピルトリメトキシシランとメチルトリメトキシシランのシリコーン重合体603.7gを得た。得られた3−グリシドキシプロピルトリメトキシシランとメチルトリメトキシシランのシリコーン重合体をGPCにて分析したところ、分子量(Mw)2930、水分量は0.08%であった。
【0091】
[比較例3]
撹拌機、還流冷却器、滴下ろう斗及び温度計を備えた5L四つ口フラスコに25%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液36.7g、イオン交換水231.9g、2−プロパノール341.5g、メチルイソブチルケトン2276.5gを仕込んだ。40℃まで昇温した後、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン1072.9gとメチルトルメトキシシラン65.4gを滴下ろう斗を用いて2.5時間かけて滴下した。その後40℃にて5時間反応させた。反応後、1%クエン酸水を添加し中和し、分液した。分液した油層にイオン交換水746.9gを添加し撹拌後、分液した。同様の操作をもう2回実施し、油層を濃縮したところ、無色透明液体の3−グリシドキシプロピルトリメトキシシランとメチルトリメトキシシランのシリコーン重合体603.7gを得た。得られた3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシランとメチルトリメトキシシランのシリコーン重合体をGPCにて分析したところ、分子量(Mw)2220、水分量は0.20%であった。
【0092】
それぞれの実施例、比較例で用いた加水分解性シラン化合物及びその混合比、得られたシリコーン重合体を表1、表2に示す。なお、表1、表2中の各表記は、以下の加水分解性シラン化合物を表す。
(B−1):3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン
(B−2):メチルトリメトキシシラン
【0093】
【表1】
【0094】
【表2】