(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記車載カメラが乗客の顔を撮像した顔画像を前記車両から受信し、顔画像認証を行う顔画像認証手段を備えることを特徴とする請求項1又は2に記載の車両管理サーバ。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、国が官民ITS構想・ロードマップ2016で提示しているように、「限定地域での無人自動走行移動サービス」の実現に向けた取り組みが加速している。これは、制限された区域(限定地域)内において、地域公共交通に近いイメージのサービスを行おうとするものであり、基本的には、限定地域内から地域公共交通までをつなぐ移動手段という想定であるが、自宅玄関前からの乗降の可能性も検討されている。既に大学や企業による公道での自動走行技術実証も進められており、この流れでいけば、政府のロードマップのとおり、2020年度にはサービスが普及し始めているかもしれないと、期待されている。ただし、一般道路を含む完全無人自動走行にはまだまだ困難な課題が多く、限定地域で人間が同乗して自動化の試みが今後も続くと予想される。
【0007】
発明者らは、主に以下の3つの社会的課題を意識し、実社会に組み込まれる無人自動走行移動サービスの早期立ち上げをめざしている。
(1)バスやタクシーの運転手不足時代の到来という深刻な社会的課題
(2)利用者の減少から運転手人件費が負担となり、公共交通が維持できない地域が加速的に増大
(3)生活密着型の新しい移動手段がないと、急速に進む高齢化時代を支えられない
特に(3)の社会的な課題については、高齢化が進むコミュニティに対して、実証検討を行うなどの具体的な活動を進めている。
【0008】
その実証検討の中で、無人自動走行移動サービスの具体的課題の一つとして、上記のような限定地域での交通システムを利用した、子供や一人暮らしの高齢者等の見守り対象者の見守りシステムが重要であるとの認識に至った。特に、車両が自動運転の場合、いかに自動運転技術が進んだとしても、子供や高齢者だけで乗車させるのは不安がある(これは有人運転であっても同様であるが)。また、親や家族等の見守者は、単に車両に見守り対象者が乗降した場所や時刻だけでなく、乗降時の周囲環境、乗降時の様子、乗車中の様子(顔色、周囲との会話)など、車内外の状況、つまり乗車前から下車後の状況までを連続して知りたいと思う。車両に乗る前でも車両を降りてからでも危険は存在するからである。
【0009】
しかしながら、上記の特許文献1に記載のシステムは、車両を利用した見守りシステムではあるものの、乗降日時、停車地、乗降者名の通知にとどまり、乗降時の周囲環境や乗車中の状態までを通知するものではない。また、特許文献2に記載のシステムは、車両に搭載されたシステムによって、対象(車内の個人所有物、子供、ペット等)の位置を観測し、対象の周囲環境を監視するものであるが、自動運転の車両までを想定したものではない。また、特許文献3に記載のシステムは、親が所定位置に子供がいることを通知された場合に、子供の特徴を示すランドセル、帽子、及び、ニックネームで識別するだけでは、本当に自分の子供であるか確信が持てず不安を抱くことがあるので、顔画像を用いて子供を確認しようとするものであるが、車両との関係はない。
【0010】
したがって、本発明では、上記のような課題にかんがみ、自動運転車両(人間が同乗しての自動運転を含む)が、被見守り者の乗降場所、乗降時刻だけでなく、乗降前後の周囲環境、乗降時及び乗車中の様子など、車内外の状況までを広く見守ることが可能な見守りシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決するため、本発明は、以下のような解決手段を提供する。
【0012】
(1)車両が送迎時に見守り対象者を見守る見守り送迎システムにおける車両管理サーバであって、前記車両から、前記見守り対象者が乗降する際の、周囲の映像、当該見守り対象者の映像、及び当該見守り対象者の車内の映像を、前記車両に搭載した車載カメラで撮像した映像を受信する車両映像受信手段と、前記受信した映像を記録する記録手段と、前記記録手段から、前記見守り対象者の見守り者に通知する情報を設定された条件に従って抽出する通知情報抽出手段と、前記抽出した通知情報を、前記見守り者の端末に送信する見守り者端末送信手段と、を備えることを特徴とする。
【0013】
(2)上記(1)の構成において、前記車両は、無人自動運転車又は人間が同乗した半自動運転車であることを特徴とする。
【0014】
(3)上記(1)又は(2)の構成において、前記車載カメラが乗客の顔を撮像した顔画像を前記車両から受信し、顔画像認証を行う顔画像認証手段を備えることを特徴とする。
【0015】
(4)上記(1)から(3)までのいずれかの構成において、前記見守り者からのメッセージを受信する見守り者メッセージ受信手段と、前記メッセージを前記見守り対象者が乗車中又は乗車する予定の車両の車載端末に送信する車載端末送信手段を備えることを特徴とする。
【0016】
(5)車両が送迎時に見守り対象者を見守る見守り送迎システムにおける車載端末であって、前記車両に前記見守り対象者が乗降する際の、周囲の映像、当該見守り対象者の映像、及び当該見守り対象者の車内の映像を、前記車両に搭載した車載カメラで撮像した映像を記録する記録手段と、前記記録手段から、前記見守り対象者の見守り者に通知する情報を設定された条件に従って抽出する通知情報抽出手段と、前記抽出した通知情報を、前記見守り者の端末に送信する見守り者端末送信手段と、を備えることを特徴とする。
【0017】
(6)上記(5)の構成において、前記車両に乗車中の乗客との会話を行う車載コミュニケーション装置を備えることを特徴とする。
【0018】
(7)上記(5)又は(6)の構成において、前記車両の乗客の顔を撮像し、顔画像の認証を行う顔画像認証手段と、前記顔画像が未登録である場合に、前記乗客のユーザ登録を行うユーザ登録手段と、を備えることを特徴とする。
【0019】
(8)車両が送迎時に見守り対象者を見守る見守り方法であって、前記車両に前記見守り対象者が乗降する際の、周囲の映像、当該見守り対象者の映像、及び当該見守り対象者の車内の映像を、前記車両に搭載した車載カメラで撮像した映像を記録する段階と、前記記録された映像から、前記見守り対象者の見守り者に通知する情報を設定された条件に従って抽出する段階と、前記抽出した通知情報を、前記見守り者の端末に送信する段階と、を含むことを特徴とする。
【0020】
(9)上記(8)に記載の見守り方法の各段階をコンピュータに実行させることを特徴とするプログラム。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、自動運転車両(人間が同乗しての自動運転を含む)が、被見守り者の乗降場所、乗降時刻だけでなく、乗降前後の周囲環境、乗降時及び乗車中の様子など、車内外の状況までを広く見守ることが可能な見守りシステムを提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、添付図面を参照して、本発明を実施するための形態(以下、実施形態)について詳細に説明する。以降の図においては、実施形態の説明の全体を通して同じ要素には同じ番号又は符号を付している。また、機能構成の図において、機能ブロック間の矢印は、データの流れ方向、又は処理の流れ方向を表す。
【0024】
(見守り送迎サービスのイメージ)
図1は、本発明の実施形態に係る見守り送迎サービスのイメージを示す図である。見守り送迎サービス(以下、本サービス)は、地域密着型の交通システムの自動運転車又は半自動運転車(人間が同乗しての自動運転)を用いた送迎サービスにおいて、単なる送迎だけでなく、子供や高齢者等の見守り対象者(被見守り者)の車内外の状態を見守り、必要な場合には、見守り者に通知することを兼ね備えたサービスである。また、逆に、見守り者側から車両へメッセージを送信し、被見守り者が車両に乗降する際などに、被見守り者に対してそのメッセージを伝えるサービスも行う。
【0025】
図示するように、車両10、及び見守り対象者(この例では、子供A,B,C,高齢者D)の見守り者(X,Y)が所持する端末である見守り者端末20(20a,20b)は、無線通信ネットークで車両管理サーバ100に接続されている。子供Aは、車両10に既に乗車中であり、子供B,Cはまさにこれから乗車しようとしているところである。また、高齢者Dは、乗車するために車両10に向かっている途中である。
【0026】
車両10は、自動運転のための複数の車載カメラ12及び各種センサを備えており、車内外の映像(音声を含む)を撮像することができる。本サービスでは、これらの車載カメラ12等を利用して、子供や高齢者等の、乗降前後、乗降時、乗車中の映像を撮像して記録しておき、必要なときに見守り者に送信することができる。乗降前後の映像は、車両ボディに装着されたカメラ、防犯カメラ等の外部カメラ30、又は他の車両10′から撮像した映像である。外部カメラ30及び他の車両10′は、近距離無線通信によって、自らが撮った映像を近接する車両10に送信することができる。また、車両10に乗客が乗車中の映像は、車内の複数の車載カメラ12によって撮像される。車載カメラ12の映像は一定時間ごと又は所定の操作時に、車両管理サーバ100に送信され記録される。記録された映像は、見守り者端末20から閲覧することができる。
【0027】
車両管理サーバ100は、車両10から送信され記憶した映像をあらかじめ見守り者が設定した条件に従って、見守り者端末20に送信する。例えば、設定条件としては、自分が見守っている見守り対象者が映っている映像に限定し、さらに、特定の場所(例えば、学校、塾、病院、老人センターなど)や時間帯を指定してもよい。ただし、個人のプライバシーの観点から、撮像した映像は、見守り者が実際に見守っている見守り対象者以外の人物の画像は、ボカシを入れたり、閲覧できないようにしたりしてもよい。
【0028】
図2は、本サービスで使用する車両10の構成を示す図である。車両10には、複数の車載カメラが備えられ、この車載カメラには、車両10のボディの前後左右等に装着され、主に車外の対象物を撮像する車外用カメラ(図の例では、■で表す12a,12b,12c,12d)、と、車内に設置される車内用カメラ(図の例では、●で表す12e、12f、12g)がある。車外用カメラは、走行時及び停車時に周囲の物体や人間を撮像し記録する。車外用カメラは、車外の物体や人間を検知するセンサとしても機能する。また、車内用カメラは、車内の乗客の様子や車内から見た周囲の状況を撮像し記録する。また、車両のボディの4隅のコーナー等には、赤外線センサや超音波センサなどを備える(図示せず)。
【0029】
また、車両10には、車載端末11が搭載される。車載端末11は、車両10の車載カメラ12を制御し、また、各種情報を集積し、外部との通信を制御する制御装置である。車載端末11は、カーナビゲーションシステムに組み込まれていてもよい。
【0030】
また、車両10には、車載コミュニケーション装置13を備えていてもよい。車載コミュニケーション装置13は、乗客間の会話、車両と乗客との会話、乗客が被見守り対象者である場合は乗客と見守り者との遠隔での会話など、車内におけるコミュニケーションを制御する装置である。また、車載コミュニケーション装置13には、スピーカ(後述の指向性スピーカ136及び一般スピーカ137)が備えられ、乗客全員への発話と、特定の個人向けの発話とを区別して制御する。車載端末11、車載コミュニケーション装置13について詳しくは後述する。
【0031】
(見守り送迎システムの機能構成)
図3は、本発明の第1の実施形態に係る見守り送迎システム(以下、本システム)における車両10及び車両管理サーバ100の機能構成を示す図である。
【0032】
本システムは、主として、地域密着型の交通システムを構成する複数の車両10と、複数の見守り者端末20と、車両管理サーバ100とがネットワーク40を介して無線通信で接続されている。
【0033】
(車両)
車両10は、前述した車載端末11、複数の車載カメラ12、車載コミュニケーション装置13に加え、後述のユーザID取得手段14と、近距離無線通信手段15と、見守り状況表示手段16とを備えている。
【0034】
車載端末11は、前述したように、車両の様々な情報を管理し制御する制御装置であり、車両管理サーバ100(以下、単にサーバ)と通信可能で、車内外で撮像した映像を含む各種の情報をサーバに送信する。また、サーバから各種情報を受信する。
【0035】
車載カメラ12は、
図2で説明したように、車両10に搭載されたカメラの総称であって、車両10のボディの前後左右、運転席の天井、後部座席の天井等に装着される。
【0036】
車載コミュニケーション装置13(
図2では車内後部座席の後ろの位置に設置されている)は、
図2で説明したように、車両10の乗客と車両がコミュニケーションすることを可能にするための装置である。車載コミュニケーション装置13は、乗客を検知すると、その乗客に向かって発話したり、乗客からの音声に反応して、返答したりして会話することが可能な人工知能を備えている。また、詳細は後述するが、複数の乗客に対しては、それぞれの位置を検知し、それぞれの乗客に向けて指向性スピーカ136で発話し、その発話に対して、乗客が応答した言葉に反応し、乗客と個別に会話することができる。もちろん、非指向性の一般スピーカ137で乗客全員に向かって発話することも可能である。
【0037】
ユーザID取得手段14(ユーザ識別手段)は、本システムに登録された乗客のユーザIDを取得する手段であり、例えば、会員カード若しくは交通系ICカード、又はユーザ端末(図示せず)を乗車時に読み取って、ユーザIDを取得する読取機である。この読取機は、乗車口に設置されていてもよいし、バスなどの大型車両では各座席に設置されていてもよい。もちろん、降車時には、そのユーザIDの課金先から乗車料金を自動的に支払うようにする。本システムの車両10には、未登録のユーザであっても乗車できるが、その際には、車載カメラ12を使って乗客の顔画像を撮像し、撮像した顔画像が未登録であれば、その場でユーザ登録をすることもできる。この顔画像を使ったユーザ登録については詳しくは後述する。
【0038】
近距離無線通信手段15は、近接する外部カメラ30及び他の車両10'と通信して、それらが撮った映像を受信し、あたかも車両10が撮った映像のようにしてサーバに送信することができる。すなわち、外部カメラ30や他の車両10’の車載カメラも、車載カメラ12の一部と考えてもよい。
【0039】
見守り状況表示手段16は、現在だれを見守っているかを車外から認識できるように表示する。車外の人が車両の見守り状況を把握できることでより安全な見守りシステムを提供することができる。個別の見守りではなく、例えば小学校から児童が一斉に帰宅するようなときに「児童見守り中」などと車外の表示部に表示することによって、傍で見ている保護者等が安心することができる。
【0040】
(車両管理サーバ)
車両管理サーバ100は、車両映像受信手段101、顔画像認証手段102、ユーザ登録手段103、見守り者メッセージ受信手段104、車載端末送信手段105、通知情報抽出手段106、見守り者端末送信手段107、車両映像記録DB110、ユーザ登録DB120を備えている。
【0041】
車両映像受信手段101は、車両10から車載カメラ12で撮像した様々な車両映像を定期的に受信し、車両映像の記録手段である車両映像記録DB110に一定期間記録する。ここで記録される車両映像には、映像(音声を含む)とその映像の付加情報(映像の記録開始終了時刻、記録時間、そのときの乗客情報等)を含む。なお、車両映像記録DB110に記録されたデータは一定期間経過後は消去される。
【0042】
顔画像認証手段102は、車載カメラ12が乗客の顔を撮像し、その顔画像を車両10から受信し、乗客の顔画像の認証を行う。顔画像がユーザ登録DB120に登録されていなければ、車載端末11にその旨を通知し、車載端末11が車載コミュニケーション装置13を使って、その乗客に声をかけ、新規にユーザ登録するか否かを尋ねる。乗客が新規登録を希望すれば、ユーザ登録手段103は、登録のための必要なデータを車両10に送信し、ユーザ登録DB120に登録する。この登録はすべて音声でも行うことができる。乗客が子供や高齢者等の見守り対象者の場合は、親や家族等の見守り者の連絡先を尋ね、その連絡先に通知し、見守り者の確認を求める。新規ユーザ登録は乗車中に行ってもよいし下車後に行ってもよい。このようにすることで、見守り対象者である可能性が高く、かつユーザ端末を持たない子供や高齢者であっても、車内でユーザ登録をすることができる。
【0043】
また、顔画像認証手段102は、顔画像を含む予約情報の登録を受付け、場合によっては、この登録が無い場合は乗車を拒否するような設定を設けてもよい。このようにすることで、子供専用の車に怪しい少年や大人を乗車させないようにすることが可能となる。
【0044】
見守り者メッセージ受信手段104は、見守り者からのメッセージを受信し、車載端末送信手段105に対して、そのメッセージを車載端末11に送信するように指示する。送信先の見守り対象者がまだ乗車していない場合は、車載端末11は、そのメッセージを所定時間保存する。なお、見守り対象者が既に下車している場合は、その旨を見守り者端末20に送信する。
【0045】
車載端末送信手段105は、見守り者端末20からのメッセージを車載端末11に送信する他、サーバ側からの情報を必要に応じて車載端末11に送信する。
【0046】
通知情報抽出手段106は、車両映像記録DB110に記録された情報から、あらかじめ設定された通知条件に従って、見守り者に通知すべき通知情報を抽出し、かつユーザ登録DB120から見守り者の通知先を抽出し、その通知情報を、見守り者端末送信手段107に指示し、見守り者端末20に送信させる。通知条件には、例えば、通知間隔、映像の要否、映像が要の場合は、そのタイミングと必要な映像(例えば、乗降時の前後1分間のみの映像が必要で、車内の映像は不要など)などが含まれる。また、通知情報抽出手段106は、プライバシー保護が必要であれば、抽出した映像に対して、見守り対象者以外の人物の顔にボカシ等を入れる加工処理も行う。映像が不要な場合は、乗車場所、乗車時刻、下車場所、下車時刻を含むテキスト情報だけが通知される。ただし、事故やその他の異状を車両10が検出した場合は、通知条件にかかわらず映像が通知されるようにしてもよい。なお、通知情報には、被見守り者のID、見守り者のID、見守り者のメールアドレス又は電話番号、被見守り者の乗車時刻、下車時刻、乗車中の前後を含む車内外の映像や会話の記録が含まれる。
【0047】
(車載コミュニケーション装置)
図4は、車載コミュニケーション装置13の機能構成を示す図である。車載コミュニケーション装置13は、車両と乗客とのコミュニケーションを主として音声で行うための装置である。そのための会話手段、スピーカ(イヤホンを含む)、マイク等を備えている。画像でのコミュニケーションのための表示装置を備えていてもよい。聴覚が不自由な人のために骨伝導イヤホンを備えていてもよい。
【0048】
車載コミュニケーション装置13は、
図4で示すように、検知手段131と、コミュニケーション内容決定手段132と、個人的情報発信手段133と、一般情報発信手段114と、コミュニケーション内容解析手段135と、指向性スピーカ136と、一般スピーカ137と、指向性マイクロフォン138と、コミュニケーション内容DB130とを備える。なお、車載コミュニケーション装置13は、乗客が所持するユーザ端末と交信することで乗客とのコミュニケーションをとってもよい。
【0049】
検知手段131は、車両に乗車した人間を検知する手段と、検知した情報に基づき、乗客の位置を判定する判定手段と、により乗客の位置を検知する。このとき、検知手段131は、車載カメラ12で撮像した画像から、乗客の位置を検知するようにしてもよい。なお、ユーザID取得手段14が車両の各座席に対応付けて接続されたID読取機である場合には、ユーザIDを読み取ったID読取機が対応付けられた座席を乗客の位置と見なしてもよい。
【0050】
コミュニケーション内容決定手段132は、車内での会話を記録し、コミュニケーション内容DB130を参照して、乗客に発信するコミュニケーションの内容の情報を決定する。また、コミュニケーション内容決定手段132は、見守り者端末20から被見守り者へのメッセージを受信して記憶しておき、当該被見守り者が乗車した際に、そのメッセージを通知するようにしてもよい。
【0051】
また、コミュニケーション内容決定手段132は、乗降時や乗降場所が通常と異なる場合(例えば、毎週月曜日はスイミングスクールが17:00終了するので17:30に乗車する人が、通常と異なる時間に乗車した場合など)に、あるいは予め乗降日時や乗降場所が予定されているのもかかわらず、予定と異なる時刻や場所で乗降した場合に、通知情報を送信してもよい。
【0052】
車載コミュニケーション装置13は、車内での個人的な情報を他人に聞かれたくない乗客のために、個人的情報発信手段133を備えていてもよい。個人的情報発信手段133は、検知手段131が検知した方向の乗客にのみ、コミュニケーション内容決定手段132が決定した、個人的な内容を含む言葉である個人的情報を発信する。例えば、見守り者からのメッセージなどは個人的情報に該当することもある。詳細には、個人的情報発信手段133は、所定範囲(検知手段131で検知した方向の乗客のみが含まれる範囲)にのみ音を発音する指向性スピーカ136により、コミュニケーション内容決定手段132が決定した個人的情報が示す言葉を発音する。
【0053】
また、個人的情報発信手段133は、複数の乗客がいた場合、乗客ごとの個人的情報を発信することもできる。なお、個人的情報発信手段133は、検知手段131で検知した方向の乗客が所持しているユーザ端末にのみ、個人的情報を発信してもよい。この場合、ユーザ端末は、例えば、ユーザ端末に接続された骨伝導イヤホン等に、個人的情報発信手段133から受信した個人的情報が示す言葉を発音してもよい。このようにすることで、車両に同乗する他の乗客に個人的情報を聞かれることがなくなる。
【0054】
一般情報発信手段134は、他の乗客に聞かれてもよい会話内容を発信するもので、乗客全員に、コミュニケーション内容決定手段132が決定した、個人的情報以外の言葉である一般情報を発信する。詳細には、一般情報発信手段134は、所定範囲より広い範囲(乗客全員が聞こえる範囲)に音を発音する一般スピーカ137により、コミュニケーション内容決定手段132が決定した一般情報が示す言葉を発音する。なお、一般情報発信手段134は、乗客全員のユーザ端末に、一般情報を発信してもよい。この場合、ユーザ端末は、スピーカ等により、一般情報発信手段134から受信した一般情報が示す言葉を発音してもよい。
【0055】
コミュニケーション内容解析手段135は、個人的情報発信手段133が発信した個人的情報に応じたユーザの音声や、一般情報発信手段134が発信した一般情報に応じたユーザの音声を、指向性マイクロフォン138により集音し、集音したユーザの音声の内容や、音声の有無を解析し、解析した結果に応じてコミュニケーション内容DB130を更新する。
【0056】
指向性スピーカ136は、所定範囲にのみ音を発音し、車両の座席ごとに設けられており、各座席に座っている乗客のみに聞こえる音を発音する。
【0057】
一般スピーカ137は、指向性スピーカ136が発音する所定範囲より広い範囲に音を発音し、乗客全員が聞くことができる音を発音する。
【0058】
指向性マイクロフォン138は、所定範囲から発生された音を集音し、車両の座席ごとに設けられており、各座席に座っている乗客が発した音声を集音する。
【0059】
上記の本システムの機能構成は、あくまで一例であり、一つの機能ブロック(データベース及び機能処理部)を分割したり、複数の機能ブロックをまとめて一つの機能ブロックとして構成したりしてもよい。各機能処理部は、装置に内蔵されたCPU(Central Processing Unit)が、ROM(Read Only Memory)、フラッシュメモリ、SSD(Solid State Drive)、ハードディスク等の記憶装置に格納されたコンピュータ・プログラムを読み出し、CPUにより実行されたコンピュータ・プログラムによって実現される。すなわち、各機能処理部は、このコンピュータ・プログラムが、記憶装置に格納されたデータベース(DB;Data Base)やメモリ上の記憶領域からテーブル等の必要なデータを読み書きし、場合によっては、関連するハードウェア(例えば、入出力装置、表示装置、通信インターフェース装置)を制御することによって実現される。また、本発明の実施形態におけるデータベース(DB)は、商用データベースであってよいが、単なるテーブルやファイルの集合体をも意味し、データベースの内部構造自体は問わないものとする。
【0060】
(車内でのコミュニケーション内容)
図5は、車載コミュニケーション装置13によって記録された車内での乗客の会話の様子を示した図である。詳細な説明は省略するが、この例では、当初、子供Aだけが乗車中であり、途中で下校中の子供B、子供Cが乗車し、続いて、高齢者Dが乗車して、それぞれの人物が下車するまでの間、車内での会話内容がコミュニケーション内容DB130に記録されている。会話には車両も自動応答で参加している。また、会話には見守り者のメッセージも含まれる。会話内容には、高齢者Dに家族から伝言メッセージが入り、高齢者Dが車内でその伝言メッセージを聞いたり、子供Bに母親からのメッセージが入り、子供B、高齢者Dが会話したり、子供Bが下車する様子などが記録されている。もちろん、会話内容だけでなく、そのときどきの車載カメラ12が撮像した映像も記録されている。したがって、例えば、子供Bの母親は、我が子が、車を降りてから寄り道せず、自宅の玄関までちゃんと到着したことを確認できる。
【0061】
このような車内での会話内容や映像の記録は、見守り者端末20から閲覧することができるので、見守り対象者の乗降場所や乗降時刻だけでなく、乗降前後の周囲環境、乗降時及び乗車中の様子など、車内外の状況まで広く見守ることが可能となる。また、子供や高齢者がスマートフォンや携帯電話などの連絡手段を所持していなくとも、見守り者からのメッセージを車内で聞くこともできる。もちろん、その場でメッセージに応答することもできる。メッセージは、車両側に記録されているので、見守り者及び見守り対象者とも、いつでもその内容を確認することができる。すなわち、車両が見守り者と見守り対象者との間の連絡手段となる。
【0062】
(見守り者への通知画面)
図6は、見守り者への通知画面例を示す図である。既に述べたように、車両は、見守り対象者の乗車前、乗車途中、乗車中、下車途中、下車後の一連の状況を映像で記録することができる。例えば、
図6(a)は、子供Bが乗車するときの様子、
図6(b)は、子供A,B,Cの乗車中の様子、
図6(c)は、子供Bが下車し、確かに自宅玄関まで戻った様子が表示されている。見守り者は、画面下部のサムネイル画像201〜203から、閲覧したいシーンを選んで、動画や静止画で子供の様子を確認することができる。また、子供が乗車中の車両又は乗車する予定の車両が分かっていれば、メッセージをこの画面から車両に送信することもできる。さらに、他の乗客がいないときなどメッセージを車内で再生するタイミング、また、他の乗客に聞かれたくない内容を含んでいることなどを指定してもよい。
【0063】
(ユーザ登録画面)
図7は、乗客が顔画像認証で新規にユーザ登録する際の画面例を示した図である。車両には車載カメラ12が搭載されているので、それらのカメラを利用して、乗客の顔画像を撮像し、その画像をサーバに送り、車内でユーザ登録することが可能である。顔画像は複数の車載カメラ12で撮ったものを使ってもよい。そうすれば顔認証の精度が上がる。
【0064】
サーバは、車両から送られてきた顔画像がユーザ登録DB120登録されているか否かを判断し、登録されていなければ、ユーザ登録を勧める。
【0065】
図7の画面は、このときのユーザ登録の様子を対話形式の画面で示したものである。乗客がユーザ端末を所持していれば、その画面に表示してもよいし、ユーザ端末を所持していなければ、車載端末11の表示装置に表示してもよい。ここで、乗客からの入力はすべて音声で行うことができ、発話は普通の話し言葉であってもよい。
【0066】
ユーザ登録には、見守り対象者の住所氏名、生年月日、家族などの見守り者の住所氏名、生年月日、電話番号、メールアドレス等の情報が必要であるが、特に見守り対象となるような高齢者は、端末の操作が苦手又は全くできない人が多いので、この例のように、家族等の見守り者の名前と電話番号さえ聞き出すことができれば、サーバからその見守り者に連絡し、顔画像を送信し、確かに本人であることを確認できれば、見守り者のほうで必要な情報を入力してもらってもよい。
【0067】
また、このとき、車内に他の乗客が乗っている場合は、そのことを検知し、車載コミュニケーション装置13がそのことを検知し、プライバシーを守るため、イヤホン若しくは指向性スピーカ136、指向性マイクロフォン138などを使って、登録時の個人情報を他人に聞かれないようにもできる。
【0068】
(第2の実施形態)
図8は、本発明の第2の実施形態に係る見守り送迎システムの機能構成を示す図である。第1の実施形態では、主な機能をサーバ側に設けたが、第2の実施形態では、主な機能を車両側に設ける。具体的には、第2の実施形態の車載端末11Aには、顔画像認証手段102、車両映像記録DB110、通知情報抽出手段106、見守り者端末送信手段107、制御部108を備える。車載コミュニケーション装置13、ユーザID取得手段14、及び近距離無線通信手段15は、車載端末11Aに含まれると考えてもよい。上記の各手段の機能は、
図3の機能ブロックと同様なので説明は省略する。
【0069】
また、第2の実施形態の車両管理サーバ100Aには、車載端末11Aからの顔認証依頼を受けて、ユーザを登録するユーザ登録手段103及びユーザ登録DB120が残る。また、車両管理サーバ100Aには、見守り者からのメッセージを受信する見守り者メッセージ受信手段104、及び受信した見守り者からのメッセージを、被見守り者及び見守り者のIDや氏名等を確認後、車載端末11Aに送信する車載端末送信手段105も残る。
【0070】
このように、第2の実施形態では、主な機能を車両側に備えるため、サーバ側の負荷が第1の実施形態に比べ、大幅に軽減される。
【0071】
(実施形態の効果)
本システムによれば、地域密着型交通の車両を利用して、被見守り者の乗降場所、乗降時刻だけでなく、乗降前後の周囲環境、乗降時及び乗車中の様子など、車内外の状況までを広く見守ることが可能な見守りシステムを提供することができる。また、車両は、自動運転車(人間が同乗した半自動運転を含む)であってもよい。また、車載カメラを利用して顔認証が可能なので、乗車時に乗客の識別が可能な他、新規のユーザ登録も車内でできる。このとき、他の人間が乗車しているときは登録時の個人情報を聞かれないように制御できる。また、見守り者からの被見守り者に対するメッセージを車両が受信することができるので、乗客がスマートフォンなどのユーザ端末を所持していなくとも、車内でメッセージを聞いたり、その返信を音声で送信したりすることができる。また、車両にコミュニケーション装置を備えるので、乗降時や乗車中の会話や映像を見守り者の端末に通知することができる。
【0072】
なお、上記の実施形態では、車両が無人自動運転車又は半自動運転車であることを想定して説明したが、本システムは自動運転でない車両であっても適用が可能である。その場合でも、車載端末が車載カメラ等の制御、車外との通信、乗客とのコミュニケーションをすべて制御するので、見守り対象者に対する負担を運転者にほとんどかけない。
【0073】
以上、実施形態を用いて本発明を説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施形態に記載の範囲に限定されないことは言うまでもない。上記実施形態に、多様な変更又は改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。また、そのような変更又は改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【0074】
なお、上記の実施形態では、本発明を物の発明として、見守り送迎システムにおける見守り車両管理サーバ、車載端末について主に説明したが、本発明は、方法の発明(見守り方法)又は見守り方法のそれぞれの段階をコンピュータに実行させるプログラムの発明としても捉えることもできる。