(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6862638
(24)【登録日】2021年4月5日
(45)【発行日】2021年4月21日
(54)【発明の名称】床板連結具
(51)【国際特許分類】
E04G 7/28 20060101AFI20210412BHJP
E04B 5/02 20060101ALI20210412BHJP
【FI】
E04G7/28 302
E04B5/02 J
【請求項の数】6
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2017-103738(P2017-103738)
(22)【出願日】2017年5月25日
(65)【公開番号】特開2018-199904(P2018-199904A)
(43)【公開日】2018年12月20日
【審査請求日】2020年3月11日
(73)【特許権者】
【識別番号】591225291
【氏名又は名称】双福鋼器株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100120341
【弁理士】
【氏名又は名称】安田 幹雄
(72)【発明者】
【氏名】丸山 博文
【審査官】
瓦井 秀憲
(56)【参考文献】
【文献】
特開2005−194805(JP,A)
【文献】
米国特許第04759654(US,A)
【文献】
韓国公開特許第10−2012−0136012(KR,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04G 7/28
E04F 15/02
E04B 5/02
E04C 2/40
F16B 2/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数条の長孔(3a)を形成した床表部(3A)と、この床表部(3A)の側端から下向きに延設された縦壁部(3B)と、この縦壁部(3B)の下端から内向きに延設された受け壁部(3C)とを有する床板(3)を、間隔をおいて隣接させて側端同士を連結する床板連結具において、
隣接する床板(3)の各床表部(3A)の長孔(3a)に係合する係合突起(5a)を有していて各床表部(3A)の端部に上から当接する一対の翼部(5A)と、各翼部(5A)から下向き屈曲されていて床板(3)の縦壁部(3B)に対面する側部(5B)と、両側部(5B)の下端を繋ぐ底壁部(5C)とを有する連結体(5)と、
この連結体(5)の一対の側部(5B)を貫通していて隣接する床板(3)の各受け壁部(3C)に下方から当接する押圧部材(6)と、
この押圧部材(6)と一対の翼部(5A)とで隣接する床板(3)の端部を挟持するべく、押圧部材(6)を連結体(5)の底壁部(5C)から引き離して受け壁部(3C)に押圧する押圧手段(7)とを備えていることを特徴とする床板連結具。
【請求項2】
前記押圧手段(7)は押圧部材(6)にボルト(7a)を螺合して貫通しており、このボルト(7a)の先端は連結体(5)の底壁部(5C)に当接しており、ボルト(7a)の頭部は連結体(5)の一対の側部(5B)間に位置していることを特徴とする請求項1に記載の床板連結具。
【請求項3】
前記押圧部材(6)は、連結体(5)の一対の側部(5B)の間隔(T)より狭い幅(W)と、一対の側部(5B)の間隔(T)より長くかつ隣接する床板(3)の受け壁部(3C)に当接する長さ(L)とを有しており、
前記連結体(5)の両側部(5B)には、押圧部材(6)が貫通しかつ底壁部(5C)からの引き離し移動を許容する貫通窓(8)が形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の床板連結具。
【請求項4】
前記連結体(5)の各側部(5B)の貫通窓(8)は、押圧部材(6)の引き離し移動を許容する縦窓部(8a)と、この縦窓部(8a)と交差していて押圧部材(6)を貫通位置から底壁部5C上へ略90度回動するのを許容する横窓部(8b)とが形成されていることを特徴とする請求項3に記載の床板連結具。
【請求項5】
前記連結体(5)の一対の側部(5B)の少なくとも一方には、対向する側部(5B)に向かって突出していてその側部(5B)と当接することにより両側部(5B)の間隔を維持する間隔設定部(9)が設けられていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の床板連結具。
【請求項6】
前記床板(3)の床表部(3A)の長孔(3a)は、端部が平面視略半円形に形成されており、
前記連結体(5)の翼部(5A)の係合突起(5a)は、長孔(3a)の略半円形の端部に略適合する円弧面(5b)を有していることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の床板連結具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、作業床等を構成する床材を間隔を開けて連結する床板連結具に関する。
【背景技術】
【0002】
床材を間隔を開けて連結する床板連結具として、特許文献1に開示された床板材連結金具がある。
この床板材連結金具は、平坦なウエブ部と前記ウエブ部の両側から下向き直角に折り曲げたフランジ部と前記フランジ部の下端に形成した内向きのリップ部とを持つ断面形状で前記ウエブ部に床板材幅方向をなす長穴を床板材長手方向に間隔をあけて複数個設けた長尺の床板材を、受け材に載せて敷き並べるに際して、床板材幅方向に若干の隙間をあけて並ぶ床板材相互を前記隙間をあけた状態で連結する床板材連結金具であって、上部部材と下部部材と両部材を結合させる締着部材とからなり、前記上部部材は、若干の隙間をあけて隣接する床板材の境界近傍に載る平板部と、前記平板部の床板材幅方向の両端部に形成された、それぞれの床板材の長穴に嵌入する下向きの突起部と、床板材幅方向の中央位置に形成された、隣接する床板材間の前記隙間上に位置する締着部材挿通穴とを備え、前記下部部材は、前記床板材間の隙間の幅より狭い横幅寸法と隣接する床板材の各リップ部端縁間の距離より長い縦幅寸法を持ち、かつ、縦幅方向両端に各リップ部端縁に係合する上向き突起部を備えて、上部部材とともに隣接する床板材の境界部分の互いに逆向きの2つの略コ字形部分全体を上下面から挟持するものであり、前記上部部材又は下部部材又はその両方に、前記床板材間の隙間に嵌合する、上部部材の一部又は下部部材の一部として形成された隙間規制手段を備え、前記締着部材は、前記上部部材の締着部材挿通穴に上から挿入されて上部部材と下部部材とを締着結合するものである(請求項1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第4308029号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前記従来技術は、上部部材又は下部部材又はその両方に、床板材間の隙間に嵌合する、上部部材の一部又は下部部材の一部として形成された隙間規制手段を備えているので、隣接する床板材同士を一定間隔を開けて連結しておけるが、ウエブ部から下向き直角に折り曲げたフランジ部と上部部材及び/又は下部部材の一部と当接する部位は極めて小さく、床板材に曲げ力が加わったときにその曲げ力に対抗する強度を上部部材又は下部部材に持たせることは困難な構造になっている。
【0005】
本発明は、このような従来技術の問題点を解決できるようにした床板連結具を提供することを目的とする。
本発明は、隣接する床板間に配置される連結体に、連結する床板に曲げ力が加わってもその曲げ力に対抗する強度を持たせることのできる床板連結具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明における課題解決のための具体的手段は、次の通りである。
第1に、複数条の長孔3aを形成した床表部3Aと、この床表部3Aの側端から下向きに延設された縦壁部3Bと、この縦壁部3Bの下端から内向きに延設された受け壁部3Cとを有する床板3を、間隔をおいて隣接させて側端同士を連結する床板連結具において、
隣接する床板3の各床表部3Aの長孔3aに係合する係合突起5aを有していて各床表部3Aの端部に上から当接する一対の翼部5Aと、各翼部5Aから下向き屈曲されていて床板3の縦壁部3Bに対面する側部5Bと、両側部5Bの下端を繋ぐ底壁部5Cとを有する連結体5と、
この連結体5の一対の側部5Bを貫通していて隣接する床板3の各受け壁部3Cに下方から当接する押圧部材6と、
この押圧部材6と一対の翼部5Aとで隣接する床板3の端部を挟持するべく、押圧部材6を連結体5の底壁部5Cから引き離して受け壁部3Cに押圧する押圧手段7とを備えていることを特徴とする。
【0007】
第2に、前記押圧手段7は押圧部材6にボルト7aを螺合して貫通しており、このボルト7aの先端は連結体5の底壁部5Cに当接しており、ボルト7aの頭部は連結体5の一対の側部5B間に位置していることを特徴とする。
第3に、前記押圧部材6は、連結体5の一対の側部5Bの間隔Tより狭い幅Wと、一対の側部5Bの間隔Tより長くかつ隣接する床板3の受け壁部3Cに当接する長さLとを有しており、
前記連結体5の両側部5Bには、押圧部材6が貫通しかつ底壁部5Cからの引き離し移動を許容する貫通窓8が形成されていることを特徴とする。
【0008】
第4に、前記連結体5の各側部5Bの貫通窓8は、押圧部材6の引き離し移動を許容する縦窓部8aと、この縦窓部8aと交差していて押圧部材6を貫通位置から底壁部5C上へ略90度回動するのを許容する横窓部8bとが形成されていることを特徴とする。
第5に、前記連結体5の一対の側部5Bの少なくとも一方には、対向する側部5Bに向かって突出していてその側部5Bと当接することにより両側部5Bの間隔を維持する間隔設定部9が設けられていることを特徴とする。
【0009】
第6に、前記床板3の床表部3Aの長孔3aは、端部が平面視略半円形に形成されており、
前記連結体5の翼部5Aの係合突起5aは、長孔3aの略半円形の端部に略適合する円弧面5bを有していることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、隣接する床板間に配置される連結体に、連結する床板に曲げ力が加わってもその曲げ力に対抗する強度を持たせることができる。
即ち、請求項1に係る発明は、連結体5は一対の翼部5Aと、各翼部5Aから下向き屈曲されて縦壁部3Bに対面する側部5Bと、両側部5Bの下端を繋ぐ底壁部5Cとを有し、押圧部材6が受け壁部3Cより下方で側部5Bを貫通しているので、縦壁部3Bに対面する側部5B及び底壁部5Cを十分大きくでき、床板3に曲げ力が加わっても側部5Bでその曲げ力に対抗でき、連結体5の連結強度を確保できる。
【0011】
請求項2に係る発明は、ボルト7aは押圧部材6に螺合しかつ先端が連結体5の底壁部5Cに当接しているので、ボルト7aの螺合位置と先端との間の距離が短く、押圧部材6を床板3の受け壁部3Cに確実にかつ強力に押圧することができる。
請求項3に係る発明は、連結体5の両側部5Bには、押圧部材6が貫通しかつ底壁部5Cからの引き離し移動を許容する貫通窓8が形成されているので、押圧部材6を貫通窓8に貫通させて、床板3の受け壁部3Cに当接させることができ、受け壁部3Cに対する押圧部材6の当接姿勢を容易にかつ正確に実現できる。
【0012】
請求項4に係る発明は、連結体5の各側部5Bの貫通窓8は、押圧部材6の引き離し移動を許容する縦窓部8aと、この縦窓部8aと交差していて押圧部材6を貫通位置から底壁部5C上へ略90度回動するのを許容する横窓部8bとが形成されているので、押圧部材6を底壁部5C上の姿勢と貫通窓8を貫通する姿勢とに容易に変更できる。
請求項5に係る発明は、連結体5の一対の側部5Bの少なくとも一方には、対向する側部5Bに向かって突出した間隔設定部9が設けられているので、この間隔設定部9が側部5Bと当接することにより両側部5Bの間隔を維持でき、床板3に曲げ力が加わっても側部5Bでその曲げ力に対抗でき、連結体5の連結強度を確保できる。
【0013】
請求項6に係る発明は、連結体5の翼部5Aの係合突起5aは、長孔3aの略半円形の端部に略適合する円弧面5bを有しているので、隣接する床板3に離れる方向の力が加わっても係合突起5aの広い範囲で支持でき、連結体5の連結強度をより高めることができる。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1〜5において、床板連結具1は作業床等を構成する床板3を2枚間隔をおいて隣接させて、その側端同士を連結するものである。
一般的な床板3は、複数条の長孔3aを形成した床表部3Aと、この床表部3Aの側端から下向きに延設された縦壁部3Bと、この縦壁部3Bの下端から内向きに延設された受け壁部3Cとを有し、両端部が断面C形(コ字形)に形成されている。
【0016】
前記長孔3aは床表部3Aの側端の縁と直交する方向に長い孔であり、孔の端部は平面視略半円形に形成されており、その長孔3aが床表部3Aの側端の縁に沿って多数条形成されている。
前記床板3は、建設基礎上に一定間隔置きに連続して並べられ、隣接する2枚の床板3の側端間に僅かな間隙を形成し、その間隙に床板連結具1の連結体5を挿入配置して、2枚の床板3の側端同士を連結する。
【0017】
床板連結具1は、上部が開放されたボックス形状の連結体5と、連結体5の下部に貫通配置される押圧部材6と、この押圧部材6を上昇させる押圧手段7とを備えている。
前記連結体5は隣接する床板3の各床表部3Aの端部に上から当接する一対の翼部5Aと、各翼部5Aの対向する内端部から下向き屈曲されて縦壁部3Bに対面する側部5Bと、両側部5Bの下端を繋ぐ底壁部5Cと、側部5Bの側端部から対向する側部5Bの側端部に向かって突出していて互いに当接可能な間隔設定部9とを有しており、両側部5B間の上部は上方に開放されている。
【0018】
前記各翼部5Aは先端部(外端部)の2箇所に下向きに屈曲した係合突起5aを有している。この係合突起5aは床表部3Aの長孔3aに係合可能であり、長孔3aの略半円形の端部に略適合する円弧面5bを有している。
隣接する2枚の床板3が外力を受けて離れようとするとき、係合突起5aの円弧面5bは長孔3aの略半円形の端部と係合し、円弧面5bの両端が長孔3aの端部に点接触する場合よりも広い範囲で面接触し、両翼部5Aが床板3の離間を規制する。
【0019】
前記両翼部5A、両側部5B、底壁部5C及び間隔設定部9は、1枚の鋼板を切り抜き、プレス成形し、折り曲げ加工したものであり、各翼部5Aから側部5Bにかけて、また各側部5B内においても縦方向に長いリブ5pが複数本形成されている。また、両側部5Bには側面視L字状の貫通窓8が形成され、底壁部5Cの略中央部に当て凹部5sが形成されている。
【0020】
間隔設定部9は一対の側部5Bの各側端からそれぞれ対向内方向に壁形状に突出しており、対向するもの同士は先端が当接又は近接している。
前記連結体5の各側部5Bの貫通窓8は、縦方向に長い縦窓部8aと、この縦窓部8aと交差していて横方向に長い横窓部8bとが連通して形成されている。
前記縦窓部8aは各側部5Bの下部から床板3の縦壁部3Bとオーバラップする高さまで形成されていて、押圧部材6の引き離し移動を許容する開口である。
【0021】
前記横窓部8bは両側部5Bの両横窓部8bで押圧部材6を貫通位置から底壁部5C上へ略90度回動するのを許容する開口である。
前記押圧部材6は断面コ字形状の溝型鋼であり、中央部に押圧手段7のボルト7aが螺合する雌ネジ部6aが形成されている。ボルト7aは頭部にドライバ溝が形成されている。
【0022】
前記ボルト7aは雌ネジ部6aに螺合しかつ先端を当て凹部5sに当接させている状態から電動工具等の回動工具を使用して回動すると、押圧部材6は底壁部5Cから引き離し移動(上昇)され、床板3の受け壁部3Cに押圧され、かつ押圧部材6と一対の翼部5Aとで隣接する床板3の端部を挟持し、連結体5を挟んで2枚の床板3を連結固定する。
この押圧部材6は、連結体5の一対の側部5Bの間隔Tより狭い幅Wと、一対の側部5Bの間隔Tより長くかつ隣接する床板3の受け壁部3Cに当接する長さLとを有している。連結体5の幅Wは一対の側部5Bのリブ5pの間隔より広くなっており、上下寸法Hはリブ5pの間隔tより小さくなっている。
【0023】
押圧部材6はボルト7aに螺合した状態で、一対の側部5B間に上方から挿入することは困難であり、押圧部材6はボルト7aに螺合する前に床板3の下方で一対の側部5Bの貫通窓8に側方から貫通し、その貫通した押圧部材6に側部5B間の上方からボルト7aを挿入しかつ雌ネジ部6aに螺合する。
押圧部材6に螺合した押圧手段7のボルト7aは、先端が底壁部5Cの当て凹部5sに係合し、先端のフラツキは防止され、ボルト7aの頭部は連結体5の一対の側部5B間に位置していて、上方からドライバを係合して回動することができる。
【0024】
現実的には、押圧部材6を床板3の下方で一対の側部5Bの貫通窓8に挿通させることは困難であるので、連結体5を床板3間に挿入する前に、押圧部材6を貫通窓8から挿通し、または一対の側部5B間に上方から挿入して、底壁部5C上に沿わせて載置しておき、その静止した押圧部材6に側部5B間の上方からボルト7aを挿入しかつ雌ネジ部6aに螺合しておく。
【0025】
このように押圧部材6及びボルト7aを組み込んだ連結体5を床板3間に挿入し、連結体5の上方から回転工具でボルト7aを回動させる。このとき、ボルト7aと雌ネジ部6aとの摩擦抵抗等により押圧部材6がボルト7aとともに一体的に回動するようになる。ボルト7aは軸心が鉛直姿勢、押圧部材6は長手方向が水平姿勢である。
押圧部材6はボルト7aの回動により底壁部5Cから離れるように上昇しながら回動トルクを受け、押圧部材6の両端が両側部5Bの両横窓部8bに対向すると、横窓部8b内で回動し、縦窓部8aの縁に当接するまでボルト7aと共に略90度回動する。
【0026】
前記横窓部8bは上縁が縦窓部8aに向かって上向きに傾斜した傾斜縁8cになっており、押圧部材6の両端が横窓部8b内で上昇するにつれて、縦窓部8aに向かって回動するように案内している。
前記押圧手段7のボルト7aを緩めるとき、押圧部材6はボルト7aから緩め方向の回動トルクを受け、押圧部材6は傾斜縁8cに沿って下降しながら、側部5Bと平行になるように回動し、両側部5B間に入って底壁部5Cの上方にそれと平行になる。
【0027】
前記構成の床板連結具1は、床板3を建設基礎上に一定間隔置きに連続して並べた後に、押圧部材6及びボルト7aを組み込んだ連結体5を、2枚の床板3の側端間に挿入し、翼部5Aの係合突起5aを床表部3Aの長孔3aに係合し、上方から回転工具でボルト7aを回動させて、押圧部材6の両端を横窓部8bから突出させて縦窓部8aの縁に当接するまで略90度回動し、さらに押圧部材6をボルト7aの回動により底壁部5Cから離れるように上昇させて、その両端を床板3の受け壁部3Cに押圧し、押圧部材6と一対の翼部5Aとで隣接する2枚の床板3の端部を挟持し、連結体5を挟んで2枚の床板3を連結固定する。
【0028】
2枚の床板3を連結固定した床板連結具1は、床板3に曲げ力等の外力が加わったときに、翼部5A及び側部5Bの広い面でその荷重を受け、一対の側部5Bは底壁部5Cで連結されていることによりその間隔は変形しないように規制され、また、間隔設定部9が側部5Bと当接することにより両側部5Bの間隔は確実に維持され、連結体5または床板3が変形したり、屈曲したりするのが防止され、2枚の床板3を強固に連結しておくことになる。
【0029】
なお、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、部材の形状、構成及び組み合わせ等を変更したりすることもできる。
例えば、間隔設定部9は、一方の側部5Bの端部から対向方向に突出させて、その先端を対向する他方の側部5Bの端部に当接するようにしたり、一方又は両方の側部5Bから対向内方向に突出する部材を固定して、その固定部材の先端を対向する他方の側部5B又は固定部材に当接するようにしたりしてもよい。
【0030】
また、連結体5は間隔設定部9を割愛してもよい。
さらに、押圧部材6を帯板、中実又は中空の棒材で形成したり、押圧手段7のボルト7aを六角穴付きボルトを使用したりしてもよい。
【符号の説明】
【0031】
1 床板連結具
3 床板
3A 床表部
3B 縦壁部
3C 壁部
3a 長孔
5 連結体
5A 翼部
5B 側部
5C 底壁部
5a 係合突起
5b 円弧面
5p リブ
5s 当て凹部
6 押圧部材
6a 雌ネジ部
7 押圧手段
7a ボルト
8 貫通窓
8a 縦窓部
8b 横窓部
8c 傾斜縁
9 間隔設定部
H 押圧部材の上下寸法
L 押圧部材の長さ
T 側部の間隔
W 押圧部材の幅
t リブの間隔