【実施例】
【0076】
以下に、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、これらの実施例に限定されるものではない。
【0077】
まず実施例及び比較例に用いた樹脂型分散剤溶液と透明樹脂溶液、顔料分散体、感光性着色組成物の調整方法について説明する。
【0078】
[樹脂型分散剤溶液の調製]
市販の樹脂型分散剤(BASF社製EFKA4300)と、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを用いて不揮発分40重量%溶液に調製し、樹脂型分散剤溶液として使用した。
【0079】
[顔料分散樹脂溶液の調製]
セパラブル4口フラスコに温度計、冷却管、窒素ガス導入管、撹拌装置を取り付けた反応容器に、シクロヘキサノン370部を入れ、容器に窒素ガスを注入しながら80℃に加熱して、同温度でメタクリル酸(MAA)23部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)17部、n−ブチルメタクリレート(BMA)25部、ベンジルメタクリレート(BzMA)22部、パラクミルフェノールエチレンオキサイド変性アクリレート(東亞合成株式会社社製「アロニックスM110」)13部、および2,2'-アゾビスイソブチロニトリル12.0部の混合物を1時間かけて滴下し、重合反応を行った。
滴下終了後、さらに80℃で3時間反応させた後、アゾビスイソブチロニトリル3.0部をシクロヘキサノン50部に溶解させた溶液を加え、さらに80℃で1時間反応を続けて、アクリル樹脂溶液を得た。室温まで冷却した後、樹脂溶液約2gをサンプリングして180℃、20分加熱乾燥して不揮発分を測定し、先に合成した樹脂溶液に不揮発分が20質量%になるようにシクロヘキサノンを添加して、顔料分散樹脂溶液を調製した。
【0080】
[透明樹脂溶液1の調製]
反応容器にシクロヘキサノン70部を入れ、容器に窒素ガスを注入しながら80℃に加熱して、同温度でベンジルメタクリレート12.3部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート4.6部、メタクリル酸5.3部、パラクミルフェノールエチレンオキサイド変性アクリレート(東亞合成株式会社製「アロニックスM110」)7.4部、アゾビスイソブチロニトリル0.4部の混合物を2時間かけて滴下して重合反応を行った。
滴下終了後、さらに80℃で3時間反応させた後、アゾビスイソブチロニトリル0.2部をシクロヘキサノン10部に溶解させたものを添加し、さらに80℃で1時間反応を続けて、非感光性透明樹脂共重合体溶液を得た。室温まで冷却した後、非感光性透明樹脂溶液約2gをサンプリングして180℃、20分加熱乾燥して不揮発分を測定し、先に合成した非感光性透明樹脂溶液に不揮発分が20質量%になるようにシクロヘキサノンを添加して非感光性樹脂溶液を調製し透明樹脂溶液1を得た。得られた透明樹脂溶液1の質量平均分子量Mwは20000であった。
【0081】
[透明樹脂溶液2の調製]
反応容器にシクロヘキサノン70部を入れ、容器に窒素ガスを注入しながら80℃に加熱して、同温度でベンジルメタクリレート12.3部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート4.6部、メタクリル酸5.3部、アゾビスイソブチロニトリル0.4部の混合物を2時間かけて滴下して重合反応を行った。
滴下終了後、さらに80℃で3時間反応させた後、3−クロロ−2−ヒドロキシプロピルメタクリレート7.4部、アゾビスイソブチロニトリル0.2部をシクロヘキサノン10部に溶解させたものを添加し、さらに80℃で1時間反応を続けて、非感光性透明樹脂共重合体溶液を得た。室温まで冷却した後、非感光性透明樹脂溶液約2gをサンプリングして180℃、20分加熱乾燥して不揮発分を測定し、先に合成した非感光性透明樹脂溶液に不揮発分が20質量%になるようにシクロヘキサノンを添加して非感光性樹脂溶液を調製し透明樹脂溶液2を得た。得られた透明樹脂溶液2の質量平均分子量Mwは15000であった。
ここで得られた透明樹脂溶液2は、前述の一般式(1)で表される化合物として3−クロロ−2−ヒドロキシプロピルメタクリレートを含有するものである。
【0082】
[顔料分散体の調製]
・赤色顔料分散体PR
下記組成の混合物を均一に攪拌混合した後、直径1mmのジルコニアビーズを用いて、アイガーミル(アイガージャパン社製「ミニモデルM−250 MKII」)で5時間分散した後、5μmのフィルタで濾過し、赤色顔料分散体PRを調製した。
赤色顔料1:C.I.Pigment Red 254 7.5部
(BASF社製「イルガフォーレッド B−CF」)
赤色顔料2:C.I.Pigment Red 177 1.2部
(BASF社製「クロモフタールレッド A2B」)
黄色顔料1:C.I.Pigment Yellow 150 1.0部
(ランクセス社製「E4GN」)
ジケトピロロピロール系顔料誘導体 2.3部
樹脂型分散剤溶液 3.0部
顔料分散樹脂溶液 34.0部
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 51.0部
【0083】
・緑色顔料分散体PG−1
下記組成の混合物を使用し、赤色顔料分散体PRと同様にして、緑色顔料分散体PG−1を調製した。
緑色顔料1:C.I.Pigment Green58 9.0部
(DIC社製「ファストゲングリーン A110」)
黄色顔料2:C.I.Pigment Yellow138 3.0部
(BASF社製「PALIOTOL YELLOW K0 961HD」)
樹脂型分散剤溶液 3.0部
顔料分散樹脂溶液 34.0部
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 51.0部
【0084】
・緑色顔料分散体PG−2
下記組成の混合物を使用し、赤色顔料分散体PRと同様にして、緑色顔料分散体PG−2を調製した。
緑色顔料1:C.I.Pigment Green58 10.0部
(DIC社製「ファストゲングリーン A110」)
樹脂型分散剤溶液 3.0部
顔料分散樹脂溶液 36.0部
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 51.0部
【0085】
・緑色顔料分散体PG−3
下記組成の混合物を使用し、赤色顔料分散体PRと同様にして、緑色顔料分散体PG−3を調製した。
緑色顔料2:C.I.Pigment Green36 9.0部
(東洋インキ製造社製「リオノールグリーン6YK」)
黄色顔料2:C.I.Pigment Yellow138 3.0部
(BASF社製「PALIOTOL YELLOW K0 961HD」)
樹脂型分散剤溶液 3.0部
顔料分散樹脂溶液 34.0部
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 51.0部
【0086】
・青色顔料分散体PB
下記組成の混合物を使用し、赤色顔料分散体PRと同様にして、青色顔料分散体PBを調製した。
青色顔料1:C.I.Pigment Blue 15:6 9.8部
(BASF製「ヘリオゲンブルーL−6700F」)
紫色顔料1:C.I.Pigment Violet 23 2.2部
(トーヨーカラー社製「リオノゲンバイオレットR−6200」)
樹脂型分散剤溶液 2.4部
顔料分散樹脂溶液 25.6部
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 60.0部
【0087】
[赤色感光性着色組成物の調整]
下記の混合物を均一になるように攪拌混合した後、1μmのフィルタで濾過して赤色感光性樹脂組成物を調整した。
・顔料分散体 : 赤色顔料分散体PR 50.0部
・透明樹脂 : 透明樹脂溶液1 7.0部
・光重合性モノマー : 東亞合成社製「アロニックスM520」 4.0部
・光重合開始剤 : BASF社製「イルガキュアーOXE02」 1.8部
・有機溶剤 : プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 37.2部
【0088】
[緑色感光性着色組成物1の調整]
下記の混合物を均一になるように攪拌混合した後、1μmのフィルタで濾過して緑色感光性着色組成物を調整した。
・顔料分散体 : 顔料分散体PG−1 50.0部
・透明樹脂 : 透明樹脂溶液1 10.0部
・光重合性モノマー1:3−クロロ−2−ヒドロキシプロピルメタクリレート3.0部
・光重合性モノマー2: 東亞合成社製「アロニックスM520」 3.0部
・光重合開始剤1 : BASF社製「イルガキュアー379」 0.7部
・光重合開始剤2 : BASF社製「イルガキュアー907」 0.4部
・光重合開始剤3 : BASF社製「イルガキュアーOXE02」 0.1部
・有機溶剤 : プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 32.8部
【0089】
[緑色感光性着色組成物2の調整]
下記の混合物を均一になるように攪拌混合した後、1μmのフィルタで濾過して緑色感光性着色組成物を調整した。
・顔料分散体 : 顔料分散体PG−1 50.0部
・透明樹脂 : 透明樹脂溶液1 10.0部
・光重合性モノマー1:3−クロロ−2−ヒドロキシプロピルアクリレート 3.0部
・光重合性モノマー2: 東亞合成社製「アロニックスM520」 3.0部
・光重合開始剤1 : BASF社製「イルガキュアー379」 0.7部
・光重合開始剤2 : BASF社製「イルガキュアー907」 0.4部
・光重合開始剤3 : BASF社製「イルガキュアーOXE02」 0.1部
・有機溶剤 : プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 32.8部
【0090】
[緑色感光性着色組成物3の調整]
下記の混合物を均一になるように攪拌混合した後、1μmのフィルタで濾過して緑色感光性着色組成物を調整した。
・顔料分散体 : 顔料分散体PG−1 50.0部
・透明樹脂 : 透明樹脂溶液1 10.0部
・光重合性モノマー1:3−ブロモ−2−ヒドロキシプロピルメタクリレート3.0部
・光重合性モノマー2: 東亞合成社製「アロニックスM520」 3.0部
・光重合開始剤1 : BASF社製「イルガキュアー379」 0.7部
・光重合開始剤2 : BASF社製「イルガキュアー907」 0.4部
・光重合開始剤3 : BASF社製「イルガキュアーOXE02」 0.1部
・有機溶剤 : プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 32.8部
【0091】
[緑色感光性着色組成物4の調整]
下記の混合物を均一になるように攪拌混合した後、1μmのフィルタで濾過して緑色感光性着色組成物を調整した。
・顔料分散体 : 顔料分散体PG−1 50.0部
・透明樹脂 : 透明樹脂溶液1 10.0部
・光重合性モノマー1:3−ブロモ−2−ヒドロキシプロピルアクリレート 3.0部
・光重合性モノマー2: 東亞合成社製「アロニックスM520」 3.0部
・光重合開始剤1 : BASF社製「イルガキュアー379」 0.7部
・光重合開始剤2 : BASF社製「イルガキュアー907」 0.4部
・光重合開始剤3 : BASF社製「イルガキュアーOXE02」 0.1部
・有機溶剤 : プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 32.8部
【0092】
[緑色感光性着色組成物5の調整]
下記の混合物を均一になるように攪拌混合した後、1μmのフィルタで濾過して緑色感光性着色組成物を調整した。
・顔料分散体 : 顔料分散体PG−1 50.0部
・透明樹脂 : 透明樹脂溶液1 10.0部
・光重合性モノマー1:3-フルオロ-2-ヒドロキシプロピルメタクリレート 3.0部
・光重合性モノマー2: 東亞合成社製「アロニックスM520」 3.0部
・光重合開始剤1 : BASF社製「イルガキュアー379」 0.7部
・光重合開始剤2 : BASF社製「イルガキュアー907」 0.4部
・光重合開始剤3 : BASF社製「イルガキュアーOXE02」 0.1部
・有機溶剤 : プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 32.8部
【0093】
[緑色感光性着色組成物6の調整]
下記の混合物を均一になるように攪拌混合した後、1μmのフィルタで濾過して緑色感光性着色組成物を調整した。
・顔料分散体 : 顔料分散体PG−1 50.0部
・透明樹脂 : 透明樹脂溶液1 10.0部
・光重合性モノマー1:3-フルオロ-2-ヒドロキシプロピルアクリレート 3.0部
・光重合性モノマー2: 東亞合成社製「アロニックスM520」 3.0部
・光重合開始剤1 : BASF社製「イルガキュアー379」 0.7部
・光重合開始剤2 : BASF社製「イルガキュアー907」 0.4部
・光重合開始剤3 : BASF社製「イルガキュアーOXE02」 0.1部
・有機溶剤 : プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 32.8部
【0094】
[緑色感光性着色組成物7の調整]
下記の混合物を均一になるように攪拌混合した後、1μmのフィルタで濾過して緑色感光性着色組成物を調整した。
・顔料分散体 : 顔料分散体PG−2 50.0部
・透明樹脂 : 透明樹脂溶液1 10.0部
・光重合性モノマー1:3−クロロ−2−ヒドロキシプロピルメタクリレート3.0部
・光重合性モノマー2: 東亞合成社製「アロニックスM520」 3.0部
・光重合開始剤1 : BASF社製「イルガキュアー379」 0.7部
・光重合開始剤2 : BASF社製「イルガキュアー907」 0.4部
・光重合開始剤3 : BASF社製「イルガキュアーOXE02」 0.1部
・有機溶剤 : プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 32.8部
【0095】
[緑色感光性着色組成物8の調整]
下記の混合物を均一になるように攪拌混合した後、1μmのフィルタで濾過して緑色感光性着色組成物を調整した。
・顔料分散体 : 顔料分散体PG−3 50.0部
・透明樹脂 : 透明樹脂溶液1 10.0部
・光重合性モノマー1:3−クロロ−2−ヒドロキシプロピルメタクリレート3.0部
・光重合性モノマー2: 東亞合成社製「アロニックスM520」 3.0部
・光重合開始剤1 : BASF社製「イルガキュアー379」 0.7部
・光重合開始剤2 : BASF社製「イルガキュアー907」 0.4部
・光重合開始剤3 : BASF社製「イルガキュアーOXE02」 0.1部
・有機溶剤 : プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 32.8部
【0096】
[緑色感光性着色組成物9の調整]
下記の混合物を均一になるように攪拌混合した後、1μmのフィルタで濾過して緑色感光性着色組成物を調整した。
・顔料分散体 : 顔料分散体PG−1 50.0部
・透明樹脂 : 透明樹脂溶液1 10.0部
・光重合性モノマー : 3−クロロプロピルメタクリレート 6.0部
・光重合開始剤1 : BASF社製「イルガキュアー379」 0.7部
・光重合開始剤2 : BASF社製「イルガキュアー907」 0.4部
・光重合開始剤3 : BASF社製「イルガキュアーOXE02」 0.1部
・有機溶剤 : プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 32.8部
【0097】
[緑色感光性着色組成物10の調整]
下記の混合物を均一になるように攪拌混合した後、1μmのフィルタで濾過して緑色感光性着色組成物を調整した。
・顔料分散体 : 顔料分散体PG−1 50.0部
・透明樹脂 : 透明樹脂溶液2 10.0部
・光重合性モノマー : 東亞合成社製「アロニックスM520」 6.0部
・光重合開始剤1 : BASF社製「イルガキュアー379」 0.7部
・光重合開始剤2 : BASF社製「イルガキュアー907」 0.4部
・光重合開始剤3 : BASF社製「イルガキュアーOXE02」 0.1部
・有機溶剤 : プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 32.8部
【0098】
[緑色感光性着色組成物11の調整]
下記の混合物を均一になるように攪拌混合した後、1μmのフィルタで濾過して緑色感光性着色組成物を調整した。
・顔料分散体 : 顔料分散体PG−1 50.0部
・透明樹脂 : 透明樹脂溶液1 10.0部
・光重合性モノマー : 東亞合成社製「アロニックスM520」 6.0部
・光重合開始剤1 : BASF社製「イルガキュアー379」 0.7部
・光重合開始剤2 : BASF社製「イルガキュアー907」 0.4部
・光重合開始剤3 : BASF社製「イルガキュアーOXE02」 0.1部
・有機溶剤 : プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 32.8部
【0099】
[緑色感光性着色組成物12の調整]
下記の混合物を均一になるように攪拌混合した後、1μmのフィルタで濾過して緑色感光性着色組成物を調整した。
・顔料分散体 : 顔料分散体PG−2 50.0部
・透明樹脂 : 透明樹脂溶液1 10.0部
・光重合性モノマー : 東亞合成社製「アロニックスM402」 6.0部
・光重合開始剤1 : BASF社製「イルガキュアー379」 0.7部
・光重合開始剤2 : BASF社製「イルガキュアー907」 0.4部
・光重合開始剤3 : BASF社製「イルガキュアーOXE02」 0.1部
・有機溶剤 : プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 32.8部
【0100】
[緑色感光性着色組成物13の調整]
下記の混合物を均一になるように攪拌混合した後、1μmのフィルタで濾過して緑色感光性着色組成物を調整した。
・顔料分散体 : 顔料分散体PG−3 50.0部
・透明樹脂 : 透明樹脂溶液1 10.0部
・光重合性モノマー : 東亞合成社製「アロニックスM520」 6.0部
・光重合開始剤1 : BASF社製「イルガキュアー379」 0.7部
・光重合開始剤2 : BASF社製「イルガキュアー907」 0.4部
・光重合開始剤3 : BASF社製「イルガキュアーOXE02」 0.1部
・有機溶剤 : プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 32.8部
【0101】
[青色感光性着色組成物の調整]
下記の混合物を均一になるように攪拌混合した後、1μmのフィルタで濾過して青色感光性着色組成物を調整した。
・顔料分散体 : 青色顔料分散体PB 35.0部
・透明樹脂 : 透明樹脂溶液溶液1 12.0部
・光重合性モノマー : 東亞合成社製「アロニックスM520」 4.0部
・光重合開始剤 : BASF社製「イルガキュアーOXE02」 1.8部
・有機溶剤 : プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 47.2部
【0102】
[実施例1]
上記の感光性着色組成物を用いてフィルタセグメントを形成した。あらかじめストライプ状の樹脂ブラックマトリクス(膜厚1.2μm)が形成してあるガラス基板に、赤色感光性着色組成物をスピンレスコートにより仕上り膜厚が2.3μmとなるように塗布した。90℃で5分間乾燥の後、赤色フィルタセグメント形成用のストライプ状フォトマスクを介して、高圧水銀灯の光を50mJ/cm
2照射し、アルカリ現像液にて60秒間現像して、ストライプ形状の赤色フィルタセグメントを得た。その後、230℃で20分処理して硬膜した。
【0103】
なお、アルカリ現像液は以下の組成からなる。
炭酸ナトリウム 1.5質量%
炭酸水素ナトリウム 0.5質量%
陰イオン系界面活性剤(花王・ペリレックスNBL) 8.0質量%
水 90.0質量%
【0104】
次に、上記の緑色感光性着色組成物1を用いてスピンレスコートにより仕上り膜厚が2.3μmとなるように塗布した。90℃で5分間乾燥した後、前述の赤色フィルタセグメントと隣接した位置にパターンが形成されるようにフォトマスクを通して露光し現像して、ストライプ形状の緑色フィルタセグメントを得た。その後、230℃で20分処理して硬膜した。
【0105】
さらに、赤色、緑色と全く同様にして、上記の青色感光性着色組成物についても同様にスピンレスコートにより仕上り膜厚が2.3μmとなるように塗布した。90℃で5分間乾燥した後、赤色、緑色のフィルタセグメントと隣接した位置にパターンが形成されるようにフォトマスクを通して露光し現像することで、青色フィルタセグメントを得た。
これで、透明基板上に赤、緑、青3色のストライプ状のフィルタセグメントを有するカラーフィルタが得られた。
【0106】
[液晶表示パネルの作製]
次に、本発明のカラー表示装置の一実施例として、液晶表示パネルの作製事例を以下に示す。まず、得られた実施例1のカラーフィルタの着色組成物側に、オーバーコート層を形成し、その上にポリイミド配向層を形成した。他方、別の(第2の)板厚0.7mmの無アルカリガラス基板の一方の表面にTFTアレイおよび画素電極を形成した。
【0107】
このようにして準備された2つのガラス基板を電極層同士が対面するよう対向させ、スペーサビーズを用いて両基板の間隔を一定に保ちながら位置合わせし、液晶組成物注入用開口部を残すように周囲をLCD用シール剤「フォトレックS」を用いて封止した。
次いで、開口部から液晶組成物を注入し、開口部を封止した。その後、クリーンオーブンにて120℃で60分加熱をした。そして、この貼り合せを行ったガラス基板の表面にクロスニコルとなるよう偏光板を貼り合せて液晶表示パネルを得た。
【0108】
<液晶表示パネルの評価>
作製した液晶表示パネルについて、以下のようにして耐光性評価を行った。
[耐光性評価]
液晶表示パネルをキセノンウェザーメーターCi35A(ATLAS社製)にて、照度0.5mW/cm
2(波長340nm)、温度63℃、湿度50%の条件下にて200時間照射し、試験前後に顕微分光光度計(大塚電子社製LCF−1100)を用い、緑色フィルタセグメントのC光源での分光特性評価を行い、色差値ΔE
*abを計算した。なお、測定の際のリファレンスには板厚0.7mmの無アルカリガラスを用いた。耐光性評価の判定基準については、○:ΔE
*ab≦3、×:ΔE
*ab>3、とした。
【0109】
得られた表示パネルの耐光性評価を実施したところ、ΔE
*abは2.4であった。
【0110】
[実施例2]
緑色感光性着色組成物2を用いること以外は実施例1と同様にして、液晶表示パネルを得た。得られた表示パネルの耐光性評価を実施したところ、ΔE
*abは2.1であった。
【0111】
[実施例3]
緑色感光性着色組成物3を用いること以外は実施例1と同様にして、液晶表示パネルを得た。得られた表示パネルの耐光性評価を実施したところ、ΔE
*abは2.8であった。
【0112】
[実施例4]
緑色感光性着色組成物4を用いること以外は実施例1と同様にして、液晶表示パネルを得た。得られた表示パネルの耐光性評価を実施したところ、ΔE
*abは2.6であった。
【0113】
[実施例5]
緑色感光性着色組成物5を用いること以外は実施例1と同様にして、液晶表示パネルを得た。得られた表示パネルの耐光性評価を実施したところ、ΔE
*abは2.4であった。
【0114】
[実施例6]
緑色感光性着色組成物6を用いること以外は実施例1と同様にして、液晶表示パネルを得た。得られた表示パネルの耐光性評価を実施したところ、ΔE
*abは2.1であった。
【0115】
[実施例7]
緑色感光性着色組成物7を用いること以外は実施例1と同様にして、液晶表示パネルを得た。得られた表示パネルの耐光性評価を実施したところ、ΔE
*abは2.2であった。
【0116】
[実施例8]
緑色感光性着色組成物8を用いること以外は実施例1と同様にして、液晶表示パネルを得た。得られた表示パネルの耐光性評価を実施したところ、ΔE
*abは1.9であった。
【0117】
[実施例9]
緑色感光性着色組成物9を用いること以外は実施例1と同様にして、液晶表示パネルを得た。得られた表示パネルの耐光性評価を実施したところ、ΔE
*abは2.4であった。
【0118】
[実施例10]
緑色感光性着色組成物10を用いること以外は実施例1と同様にして、液晶表示パネルを得た。得られた表示パネルの耐光性評価を実施したところ、ΔE
*abは2.8であった。
【0119】
[液晶表示装置の作製]
以上の実施例1〜10により得られた液晶表示パネルに広視野角表示が可能なように最適化された光学補償層を設けた。さらに、バックライトユニットと組み合わせて液晶表示装置を得た。
【0120】
得られた液晶表示装置のバックライトを点灯し、外観観察をした結果、色表示特性は良好であった。
【0121】
次に、比較例として以下のように実施した。
[比較例1]
緑色感光性着色組成物11を用いること以外は実施例1と同様にして、液晶表示パネルを得た。得られた表示パネルの耐光性評価を実施したところ、ΔE
*abは10.6であった。
【0122】
[比較例2]
緑色感光性着色組成物12を用いること以外は実施例1と同様にして、液晶表示パネルを得た。得られた表示パネルの耐光性評価を実施したところ、ΔE
*abは6.3であった。
【0123】
[比較例3]
緑色感光性着色組成物13を用いること以外は実施例1と同様にして、液晶表示パネルを得た。得られた表示パネルの耐光性評価を実施したところ、ΔE
*abは4.2であった。
【0124】
以上の実施例1〜10、及び比較例1〜3における耐光性評価結果をまとめて表1に示す。
【0125】
【表1】
【0126】
表1の結果に示したとおり、実施例1〜10ではいずれも耐光性評価結果において良好なカラーフィルタを得ることができた。一方、比較例1〜3ではいずれもΔE
*abの値が大きく、耐光性は不充分という結果となった。
【0127】
実施例1〜9で用いた緑色感光性着色組成物1〜9は、いずれも光重合性モノマーに前記一般式(1)の化合物を含んでいる。また、実施例10に用いた緑色感光性着色組成物10は、透明樹脂溶液に前記一般式(1)の化合物を含むアクリル樹脂を含有している。
一方、比較例1〜3で用いた緑色感光性着色組成物11〜13は、光重合性モノマーおよび透明樹脂溶液に、前記一般式(1)の化合物を含まない。
これらの結果から、本発明の緑色感光性着色組成物を用いたことにより、良好な耐光性が得られたことがわかる。