(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
被選別物が落下する落下空間と、前記被選別物を検出する光学検出手段が配設される密閉空間とを有し、前記両空間の隔壁に前記光学検出手段による前記被選別物の検出を可能とする透明板を有してなる光学式選別機の光学部であって、
前記光学部の前記落下空間には前記透明板に当接し該透明板を清掃するワイパー、前記密閉空間には前記透明板に沿って前記ワイパーを摺動させる往復駆動機構を配設し、前記ワイパー及び前記往復駆動機構の可動部のそれぞれにマグネットを取り付け、前記両マグネットが前記透明板を介して吸着することにより、前記ワイパーと前記往復駆動機構の可動部とを一体移動可能に連結する一方、
前記ワイパーの上部には断面C形の係合部を設け、前記落下空間には前記ワイパーを往復移動案内するガイドシャフトを配設し、前記ワイパーの前記係合部を前記ガイドシャフトに着脱可能に係合することを特徴とする光学式選別機における光学部のワイパー機構。
前記往復駆動機構がリードスクリューを備える一方で、前記落下空間の側部には反射板と該反射板に当接する第2ワイパーを配設し、前記リードスクリューの回転を動力伝達機構を介して前記第2ワイパーの揺動軸に伝達することで、前記ワイパーと前記第2ワイパーを一体駆動可能とする請求項1又は2記載の光学式選別機における光学部のワイパー機構。
被選別物が落下する落下空間と、前記被選別物を検出する光学検出手段が配設される密閉空間とを有し、前記両空間の隔壁に前記光学検出手段による前記被選別物の検出を可能とする透明板を有してなる光学式選別機の光学部であって、
前記光学部の前記落下空間には前記透明板に当接し該透明板を清掃するワイパー、前記密閉空間には前記透明板に沿って前記ワイパーを摺動させる往復駆動機構を配設し、前記ワイパーと前記往復駆動機構の可動部とを前記両空間の隔壁を介して磁力により一体移動可能に連結する一方、
前記往復駆動機構がリードスクリューを備える一方で、前記落下空間の側部には反射板と該反射板に当接する第2ワイパーを配設し、前記リードスクリューの回転を動力伝達機構を介して前記第2ワイパーの揺動軸に伝達することで、前記ワイパーと前記第2ワイパーを一体駆動可能とすることを特徴とする光学式選別機における光学部のワイパー機構。
【背景技術】
【0002】
従来、米・麦類・豆類・ナッツ類等の穀粒、ペレット・ビーズ等の樹脂片、医薬品、鉱石類、シラス等の細かい物品、その他の粒状物やシート状物等からなる原料を色彩等に基づいて良品と不良品に選別したり、原料に混入する異物等を排除したりする光学式選別機は周知である。
【0003】
前記光学式選別機は、シュートの下端等から落下する粒状物等を、光学部において光学検出装置により検出し、該検出信号に基づいて良否判定し、該良否判定結果に基づいて落下軌跡から排除して選別し、良否別に排出するものである。
【0004】
ところで、前記光学式選別機は、前記光学部に密閉空間を設け、前記密閉空間内に前記光学検出装置を構成する光源、バックグラウンド及び受光センサーを配設するとともに、前記密閉空間の前記粒状物等を検出する側の隔壁にガラス等の透明板を装着するものである。
これにより、前記光学式選別機は、前記光学検出装置が前記粒状物等の落下に伴い飛散する粉塵等により汚損することを防止し、前記光学検出装置による前記粒状物の検出を可能とすることができる。
【0005】
ところが、前記光学式選別機は、前記光学部において前記透明板の前記粒状物等が落下する空間側の面に前記粉塵等が付着するために、選別精度が低下する問題がある。
【0006】
そこで、前記透明板の前記粒状物等が落下する空間側の面をワイパーにより清掃するワイパー機構が提案されている(特許文献1〜3を参照。)。
【0007】
特許文献1に記載されたワイパー機構は、粒状物等が落下する空間にスクリューシャフトを配設し、前記スクリューシャフトの動作を利用してワイパーを往復駆動するものである。
また、特許文献2に記載されたワイパー機構は、粒状物等が落下する空間に無端状ワイヤーを配設し、前記無端状ワイヤーの動作を利用してワイパーを往復駆動するものである。
さらに、特許文献3に記載されたワイパー機構は、粒状物等が落下する空間にロッドレスシリンダを配設し、前記ロッドレスシリンダの動作を利用してワイパーを往復駆動するものである。
【0008】
前記特許文献1〜3に記載されたワイパー機構によれば、前記光学部において前記透明板の前記粒状物等が落下する空間側の面をワイパーにより清掃することができるため、光学式選別機の選別精度の低下を防ぐことができる。
しかしながら、前記特許文献1〜3に記載されたワイパー機構は、いずれも粒状物等が落下する空間にワイパーの往復駆動機構を配設するものであり、前記往復駆動機構が前記粉塵等により汚損する問題がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
そこで、本発明は、光学部の透明板を清掃するワイパーの往復駆動機構が粉塵等により汚損することがない光学式選別機における光学部のワイパー機構を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するため、本発明の光学式選別機における光学部のワイパー機構は、
被選別物が落下する落下空間と、前記被選別物を検出する光学検出手段が配設される密閉空間とを有し、前記両空間の隔壁に前記光学検出手段による前記被選別物の検出を可能とする透明板を有してなる光学式選別機の光学部であって、
前記光学部の前記落下空間には前記透明板に当接し該透明板を清掃するワイパー、前記密閉空間には前記透明板に沿って前記ワイパーを摺動させる往復駆動機構を配設し、前記ワイパーと前記往復駆動機構の可動部とを前記両空間の隔壁を介して磁力により一体移動可能に連結することを特徴とする。
【0012】
本発明の光学式選別機における光学部のワイパー機構は、
前記ワイパー及び前記往復駆動機構の可動部のそれぞれにマグネットを取り付け、前記両マグネットが前記透明板を介して吸着することにより前記ワイパーと前記往復駆動機構の可動部とを一体移動可能に連結する
。
【0013】
本発明の光学式選別機における光学部のワイパー機構は、
前記ワイパーの上部に断面C形の係合部を設け、前記落下空間に前記ワイパーを往復移動案内するガイドシャフトを配設し、前記ワイパーの前記係合部を前記ガイドシャフトに着脱可能に係合する
。
【0014】
本発明の光学式選別機における光学部のワイパー機構は、
前記ワイパーの前記係合部先端に前記隔壁への当接部を設けることが好ましい。
また、本発明の光学式選別機における光学部のワイパー機構は、
前記往復駆動機構がリードスクリューを備える一方で、前記落下空間の側部には反射板と該反射板に当接する第2ワイパーを配設し、前記リードスクリューの回転を動力伝達機構を介して前記第2ワイパーの揺動軸に伝達することで、前記ワイパーと前記第2ワイパーを一体駆動可能とすることが好ましい。
【0015】
本発明の光学式選別機における光学部のワイパー機構は、
被選別物が落下する落下空間と、前記被選別物を検出する光学検出手段が配設される密閉空間とを有し、前記両空間の隔壁に前記光学検出手段による前記被選別物の検出を可能とする透明板を有してなる光学式選別機の光学部であって、
前記光学部の前記落下空間には前記透明板に当接し該透明板を清掃するワイパー、前記密閉空間には前記透明板に沿って前記ワイパーを摺動させる往復駆動機構を配設し、前記ワイパーと前記往復駆動機構の可動部とを前記両空間の隔壁を介して磁力により一体移動可能に連結する一方、
前記往復駆動機構がリードスクリューを備える一方で、前記落下空間の側部には反射板と該反射板に当接する第2ワイパーを配設し、前記リードスクリューの回転を動力伝達機構を介して前記第2ワイパーの揺動軸に伝達することで、前記ワイパーと前記第2ワイパーを一体駆動可能とすること
を特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明の光学式選別機における光学部のワイパー機構は、光学部の落下空間には透明板に当接し前記透明板を清掃するワイパー、密閉空間には前記透明板に沿って前記ワイパーを摺動させる往復駆動機構を配設し、前記ワイパーと前記往復駆動機構の可動部とを前記両空間の隔壁を介して磁力により一体移動可能に連結するので、ワイパーの往復駆動機構が粉塵等により汚損することがない。
【0017】
本発明の光学式選別機における光学部のワイパー機構は、前記ワイパーの上部に断面C形の係合部を設け、前記落下空間に前記ワイパーを往復移動案内するガイドシャフトを配設し、前記ワイパーの前記係合部を前記ガイドシャフトに着脱可能に係合する
ので、ワイパーの交換作業が容易となる。
【0018】
本発明の光学式選別機における光学部のワイパー機構は、前記ワイパーの前記係合部先端に前記隔壁への当接部を設けることとすれば、当該光学部を傾斜配置した場合でも、前記当接部が前記隔壁に当接することで前記ワイパーが前記ガイドシャフトを軸として回動することがなく、前記ワイパーが前記透明板に当接した状態を維持することができる。また、仮に前記ワイパーに前記透明板から離間する力が作用した場合でも、前記ワイパーと前記往復駆動機構の可動部とが前記両空間の隔壁を介して磁力により一体移動可能に連結されるので、前記ワイパーが前記透明板から離間することを防止できる。
【0019】
本発明の光学式選別機における光学部のワイパー機構は、往復移動中の前記ワイパーが人の手や障害物などによって遮られ想定外の力が加わった場合、前記ワイパー及び前記駆動機構の可動部に備えられたマグネットが離間し前記駆動機構の可動部のみが移動することで、前記ワイパーによって人に怪我をさせたり、前記障害物および前記ワイパーが破損したりすることを防ぐことができる。また、前記ワイパーの移動を遮るものがなくなった状態で前記駆動機構の可動部が再度往復移動することで、前記ワイパーに取り付けられたマグネットと前記駆動機構の可動部に取り付けられたマグネットが吸着し、前記ワイパーの離間を自己復旧することができる。
【0020】
本発明の光学式選別機における光学部のワイパー機構は、前記往復駆動機構がリードスクリューを備える一方で、前記落下空間の側部には反射板と該反射板に当接する第2ワイパーを配設し、前記リードスクリューの回転を動力伝達機構を介して前記第2ワイパーの揺動軸に伝達することで、前記ワイパーと前記第2ワイパーを一体駆動可能とすることとすれば、新たな駆動源を設けることなく反射板を清掃することができる。
【0021】
また、本発明の光学式選別機における光学部のワイパー機構は、前記光学部が検出位置を流れる被選別物に向けて上方向および下方向から光を照射する光源・バックグラウンドモジュールを備えるものであれば、前記反射板の上側と下側を前記第2のワイパーによって清掃することで、前記反射板の効果を維持することができる。
【発明を実施するための形態】
【0023】
本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
<光学式選別機>
図1は光学式選別機の一例の斜視図を示す。
前記光学式選別機1は、粒状物を供給する粒状物供給部2、粒状物を選別する光学部3、選別後の粒状物を排出する排出部4を備える。
【0024】
前記粒状物供給部2は、図示しない原料タンクと、前記原料タンク内の粒状物を前記光学部3に供給するシュート21を備える。
前記光学部3は、前記光学式選別機1の所定位置に設置され、前記粒状物供給部2から供給される粒状物を選別する光学ユニット30を備える。
前記排出部4は、前記光学部3で選別される粒状物を良否別に排出する図示しない排出ホッパを備える。
【0025】
前記光学ユニット30は、粒状物を検出する光学検出装置と、粒状物を排除するエジェクタ装置と、前記光学検出装置の検出信号を処理し粒状物の良否判定を行う信号処理回路基板と、前記信号処理回路基板の良否判定結果に基づいて前記エジェクタ装置を駆動するエジェクタ駆動回路基板を筐体31とともに一体化して光学部3をユニット化したものである。
また、前記光学部3における粒状物の良否判定は、粒状物である原料の良品と不良品の判定に限るものでなく、原料と該原料に混入する異物の判定や原料の種別の判定なども含むものである。
【0026】
前記粒状物供給部2において、前記原料タンクから繰り出される粒状物は、前記シュート21の表面上を流下し、前記シュート21の下端から所定の軌跡に沿って自由落下する。
前記自由落下する粒状物は、前記光学部3において、前記光学検出装置により検出され、前記光学検出装置の検出信号が前記信号処理回路基板で処理されて良否判定される。そして、前記良否判定結果に基づいて前記エジェクタ駆動回路基板によりエジェクタ装置が駆動され、前記エジェクタ装置により前記粒状物が落下軌跡から排除されて良否選別される。
前記良否選別された粒状物は、前記排出部4において、前記排出ホッパから良否別に排出される。
【0027】
<光学部>
図2は光学ユニットの斜視図を示す。
図3は光学ユニットの平面図を示す。
前記光学ユニット30は、中央に粒状物の落下空間S1を有する筐体31を備える。
前記筐体31は、主に側面フレーム32a,32b、筒状カバー34a,34b、天板37a,37b、側面カバー50,50から構成される。
前記筐体31には、前記落下空間S1の前方及び後方に図示しない一対の光学検出装置、前記落下空間S1内であって後方側にエジェクタ装置、前記落下空間S1の側方に図示しない信号処理回路基板及びエジェクタ駆動回路基板がそれぞれ配設され、一体化されている。
【0028】
図4は光学ユニットの断面斜視図であって落下空間S1内の説明図を示す。
図5は光学ユニットの側面断面図であって
図3のB−B断面図を示す。
前記筐体31は、前記落下空間S1の両側方に一対の側面フレーム32a,32bを有し、前記両側面フレーム32a,32bが複数のシャフト33で連結されて骨組みが構成される。
【0029】
前記両側面フレーム32a,32b間であって前記落下空間S1の前方及び後方には、樹脂と金属の複合板から構成されて折り曲げ形成される一対の筒状カバー34a,34bが配設される。
前記各筒状カバー34a,34bの内部には、それぞれカメラモジュール35a,35b、光源・バックグラウンドモジュール36a,36bなど前記光学検出装置の各構成要素が配設される。前記各筒状カバー34a,34bの上部には、前記カメラモジュール35a,35bなどを前記各筒状カバー34a,34b内に配設するための開口が設けられ、前記各開口は天板37a,37bにより閉蓋される。前記両側面フレーム32a,32bには、前記光源・バックグラウンドモジュール36a,36bなどを前記各筒状カバー34a,34b内に配置するための開口が設けられ、前記各開口は、側面カバー50,50により閉蓋される。
ここで、前記カメラモジュール35a,35bは、粒状物を検出する受光センサーとしての機能をもつ。
前記各筒状カバー34a,34bは、開口部であって他の部材との連結部にパッキンが施され、内部が密閉空間S2とされる。
【0030】
前記各筒状カバー34a,34bの前記落下空間S1側には開口が設けられ、前記各開口には前記落下空間S1の前壁及び後壁を構成する透明なガラス板38a,38bが装着される。また、前記各ガラス板38a,38bの前記落下空間S1側の面には後述するフロントワイパー61,61が設けられる。
前記各筒状カバー34a,34bの前記落下空間S1側に設けられる開口には、前記ガラス板38a,38bに代えて、他の材料からなる透明板を装着することができる。
【0031】
前記各側面フレーム32a,32bは、前記落下空間S1の両側壁を構成する端板41,41を一体に有し、前記各端板41,41の上部であって前記落下空間S1側の内面には当該落下空間S1の両側部における光量を確保するための一対のミラー42,42が装着される。前記各ミラー42,42の前面には後述するサイドワイパー81,81が設けられ、前記各端板41,41の外側には前記各サイドワイパー81,81を動作させる後述するサイドワイパーモジュールが配設される。
前記各端板41,41の上部であって前記落下空間S1側の内面には、前記ミラー42,42に代えて、他の材料からなる反射板を装着することができる。
【0032】
前記落下空間S1内であって後方側にはノズル、バルブ及びマニホールドを備えるバルブモジュール45が配設される。また、前記落下空間S1内であって前方側には前記バルブモジュール45に対向して飛散防止板46が配設される。
前記バルブモジュール45は前記エジェクタ装置を構成し、前記落下空間S1の後方の筒状カバー34b内に配設されるエアー配管47と接続される。
【0033】
前記各端板41,41の外側であって、前記各サイドワイパーモジュールの下方には、それぞれ前記光学検出装置の検出信号を処理し粒状物の良否判定を行う信号処理回路基板48、前記信号処理回路基板48の良否判定結果に基づいて前記エジェクタ装置を駆動するエジェクタ駆動回路基板49が配設される。
そして、前記信号処理回路基板48及び前記エジェクタ駆動回路基板49の外側であって前記各フレーム32a,32bの外端部には、それぞれ側面カバー50,50が装着されている。
【0034】
<ワイパー機構>
図6は、本発明の実施の形態におけるワイパー機構の説明図であって正面右側からの斜視図を示す。
図7はリードスクリューとその可動部の説明図を示す。
図8はワイパーを取り付ける様子の説明図を示す。
図9はワイパー機構の右側面図を示す。
図10はサイドワイパーモジュールの平面図を示す。
図11はサイドワイパーモジュールの内部構造図を示す。
本発明の実施の形態において、光学部3は、前記落下空間S1の前方側及び後方側に配設されて前記各ガラス板38a,38bを清掃する一対のワイパー機構60を備える。
前記一対のワイパー機構60は略同様の構成のため、ここでは前記落下空間S1の後方側に配設されるワイパー機構60を例として説明する。
【0035】
前記ワイパー機構60は、前記光学部3の落下空間S1側に配設されて前記ガラス板38bに当接するフロントワイパー61と、前記光学部3の筒状カバー34bの内部であって密閉空間S2内に配設されて前記フロントワイパー61を往復駆動するフロントワイパーモジュール71を備える。
【0036】
前記フロントワイパー61はワイパーフレーム62を有し、前記ワイパーフレーム62には例えばゴム製のワイパーブレード63が固着され、前記ワイパーブレード63が前記ガラス板38bに当接する。また、前記ワイパーフレーム62には前記ワイパーブレード63が固着される位置の上方にマグネット装着部64が形成され、該マグネット装着部64にマグネット65が装着される。
前記ワイパーフレーム62の上部には断面C形の係合部66が設けられ、さらに前記係合部66の先端には当接部67が設けられる。
【0037】
前記落下空間S1内であって前記ガラス板38bの上部前面には、前記フロントワイパー61の移動を案内するガイドシャフト68が配設される。前記フロントワイパー61は、前記係合部66が前記ガイドシャフト68に着脱可能に係合する。
また、前記フロントワイパー61は、前記当接部67の先端が前記ガラス板38bの上方に位置する前記筒状カバー34bに当接する。
【0038】
前記フロントワイパーモジュール71は、リードスクリュー72、前記リードスクリュー72を回転駆動するモータ73、前記リードスクリュー72に装着されて該リードスクリュー72の回転にともない往復移動するナット74、前記ナット74の移動を案内するガイドシャフト75を備える。
前記ナット74には前記ガラス板38bに当接するマグネットホルダ76が一体に形成され、前記マグネットホルダ76にはマグネット77が装着される。
【0039】
前記ワイパー機構60は、前記フロントワイパー61の前記マグネット装着部64に装着されるマグネット65と、前記ナット74に一体に形成される前記マグネットホルダ76に装着されるマグネット77とが、前記ガラス板38bを介して吸着することで、前記フロントワイパー61と前記ナット74とが一体移動可能に連結される。
【0040】
本発明の実施の形態におけるワイパー機構60は、前記光学部3の落下空間S1側に前記ガラス板38bに当接するフロントワイパー61、前記密閉空間S2内に前記フロントワイパー61を往復駆動するフロントワイパーモジュール71を配設し、前記フロントワイパー61側のマグネット65と、前記フロントワイパーモジュール71側のマグネット77が前記ガラス板38bを介して吸着することで、前記フロントワイパー61と前記フロントワイパーモジュール71のナット74を一体移動可能に連結するので、フロントワイパー61の往復駆動機構が粉塵等により汚損することがない
【0041】
また、本発明の実施の形態におけるワイパー機構60は、前記ワイパーフレーム62の上部に断面C形の係合部66を設け、前記落下空間S1内であって前記ガラス板38bの上部前面に前記フロントワイパー61の移動を案内するガイドシャフト68を配設し、前記フロントワイパー61は、前記係合部66が前記ガイドシャフト68に着脱可能に係合するので、当該フロントワイパー61の交換作業が容易となる。
【0042】
さらに、本発明の実施の形態におけるワイパー機構60は、前記ワイパーフレーム62の前記係合部66の先端に前記ガラス板38bの上方に位置する前記筒状カバー34bに当接する当接部67を設けてなるので、光学ユニット30を傾斜配置した場合でも、前記フロントワイパー61は、前記当接部67が前記筒状カバー34bに当接することで前記ガイドシャフト68(係合部66)を軸として回動することがなく、前記ガラス板38bに当接した状態が維持される。仮に、前記フロントワイパー61に前記ガラス板38bから離間する力が作用した場合でも、前記フロントワイパー61側のマグネット65と、前記フロントワイパーモジュール71側のマグネット77が前記ガラス板38bを介して吸着するので、前記フロントワイパー61が前記ガラス板38bから離間することを防止できる。
【0043】
本発明の実施の形態におけるワイパー機構60は、往復移動中の前記フロントワイパー61が人の手や障害物などによって遮られ想定外の力が加わった場合、前記フロントワイパー61側のマグネット65と前記フロントワイパーモジュール71側のマグネット77が離間して前記フロントワイパーモジュール71のナット74等の可動部のみが移動することで、前記フロントワイパー61によって人に怪我をさせたり、前記障害物および前記フロントワイパー61が破損したりすることを防ぐことができる。また、前記フロントワイパー61の移動を遮るものがなくなった状態で前記ナット74等の可動部を再度往復移動することで、前記フロントワイパー61側のマグネット65と前記フロントワイパーモジュール71側のマグネット77が吸着し、前記フロントワイパー61の離間を自己復旧することができる。
【0044】
上記本発明の実施の形態において、前記フロントワイパー61側のマグネット65と、前記フロントワイパーモジュール71側のマグネット77は、前記ガラス板38bを介して吸着することとしたが、例えば筒状カバー34bなど、前記落下空間S1と前記密閉空間S2を隔てる他の隔壁部分を介して吸着することもできる。
【0045】
本発明の実施の形態において、前記ワイパー機構60は、さらに、前記落下空間S1の内面であって両側部に装着されるミラー42に当接するサイドワイパー81、及び前記落下空間S1の外側に配設されるサイドワイパーモジュール91を備える。
前記サイドワイパー81は、サイドワイパーフレーム82に例えばゴム製のサイドワイパーブレード83が固着され、該サイドワイパーブレード83が前記ミラー42に当接する。
【0046】
前記サイドワイパーモジュール91は、
図11に示すようにギヤ列等の動力伝達機構を有し、前記リードスクリュー72の回転を、前記動力伝達機構を介して前記サイドワイパー81のワイパーシャフト104a,104bに伝達し、前記サイドワイパー81を揺動駆動する。
【0047】
前記フロントワイパーモジュール71の可動部往路(
図8においてフロントワイパーモジュール71のナット74等の可動部が左方向へ移動する経路)において、
図11に示す前記リードスクリュー72およびピニオンギヤ78が反時計回りに回転し、アイドラ2段ギヤ94、アイドラ95、アイドラ96を介しスイングギヤ98が回転する。この時、前記スイングギヤ98はリング駆動ギヤ99と噛合い、前記リング駆動ギヤ99は時計回りに回転し、リンク100、リンクアーム101を介して、レバーギヤ102が正転逆転を繰り返す。さらに、前記レバーギヤ102の回転によりワイパーギヤ103a,ワイパーギヤ103bが正転逆転し、前記ワイパーギヤ103a,前記ワイパーギヤ103bに取り付けられた前記サイドワイパー81,81が上下に揺動する。
【0048】
前記フロントワイパーモジュール71の可動部復路において、
図11に示す前記リードスクリュー72および前記ピニオンギヤ78が時計回りに回転し、前記アイドラ2段ギヤ94、前記アイドラ95、前記アイドラ96を介し前記スイングギヤ98が回転する。この時、前記スイングギヤ98は前記リング駆動ギヤ99と噛合わず前記リング駆動ギヤ99は停止し、前記サイドワイパー81,81が
図11に示す水平状態でない場合、スプリング108の力によって前記サイドワイパー81,81は水平位置に引き戻される。
【0049】
仮に前記サイドワイパー81,81が上側にある場合、固定プレート109の中央に設けられた突起が前記スプリングアーム107bのストッパーとなり、センター出しギヤ105の下部に設けられた突起がスプリングアーム107aを左へ押し出した状態であり、前記スイングギヤ98と前記リング駆動ギヤ99が外れると、前記スプリング108の力で前記スプリングアーム107aが前記センター出しギヤ105の突起部を引き戻し、前記サイドワイパー81,81を水平状態に戻す。
【0050】
前記サイドワイパー81,81が下側にある場合、前記固定プレート109の中央に設けられた突起が前記スプリングアーム107aのストッパーとなり、前記センター出しギヤ105の下部に設けられた突起が前記スプリングアーム107bを右へ押し出した状態であり、前記スイングギヤ98と前記リンク駆動ギヤ99が外れると、前記スプリング108の力で前記スプリングアーム107bが前記センター出しギヤ105の突起部を引き戻し、前記サイドワイパー81,81を水平状態に戻す。
【0051】
したがって、本発明の実施の形態におけるワイパー機構60は、前記フロントワイパーモジュール71の可動部往路において、サイドワイパー81,81が揺動運動を行ってミラー42の上部および下部の清掃を行い、前記フロントワイパーモジュール71の可動部復路において、前記ミラー42へ向かう光の少ない水平位置で前記サイドワイパー81,81が停止する。
【0052】
本発明の実施の形態におけるワイパー機構60によれば、光学部3が検出位置を流れる粒状物に向けて上方向および下方向から光を照射する光源・バックグラウンドモジュール36a,36bを備えるので、前記ミラー42の上側と下側を前記サイドワイパー81,81によって清掃することで、前記ミラー42の効果を維持することができる。
【0053】
本発明の実施の形態におけるワイパー機構60は、前記フロントワイパーモジュール71にリードスクリュー72を備える一方で、前記落下空間S1内の側部にはミラー42及び該ミラー42に当接するサイドワイパー81を配設し、前記リードスクリュー72の回転を、動力伝達機構を介して前記サイドワイパー81の揺動軸84に伝達することで、前記フロントワイパー61と前記サイドワイパー81を一体駆動可能とするので、新たな駆動源を設けることなくミラー42を清掃することができる。
【0054】
本発明の実施の形態において、前記ワイパー機構60は、ユニット化した光学部3に配設されることを例としたが、ユニット化されていない光学部3にも適用できる。
【0055】
また、上記本発明の実施の形態において、前記ワイパー機構60は、シュートの表面上を流下する粒状物を選別対象とする光学式選別機の光学部に配設される場合を例としたが、例えばコンベア上を搬送される粒状物、シート状物及びフィルム状物等を選別対象とする光学式選別機の光学部に配設することもできる。
【0056】
本発明のワイパー機構は、上記実施の形態に限らず、本発明の範囲を逸脱しない限りにおいて、その構成を適宜変更できることはいうまでもない。