(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に開示された手法を用いると、構成の複雑化やコストの増大化を招くことが考えられ、温度検出に基づき実行する制御の実用価値等とのバランス上、より簡易であって、しかも、ある程度の正確性を担保し得る手法が求められる。
【0006】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、密閉型の筐体を備え、その筐体の内部に温度センサが設けられる浴室内設置装置において、その温度センサのセンサ読み値に基づいて浴室内の雰囲気温度を簡易にかつ正確に検出し得る浴室内設置装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明では、密閉型に構成された筐体と、この筐体の内部に設けられた温度センサと、動作制御を行うためのマイクロコンピュータとを備
え、浴室内の空間に臨んで設置される浴室内設置装置を対象にして、次の技術的手段を講じることとした。すなわち、前記マイクロコンピュータとして、前記温度センサから出力される温度に係るセンサ読み値に対し、所定の付加値を付加することにより、前記浴室内の雰囲気温度を取得する構成と
し、かつ、前記浴室内設置装置の動作状況を判別し、判別された動作状況に応じて前記付加値を変更する構成とした(請求項1)。
【0008】
この発明の場合、密閉型の筐体内に設けられた温度センサを用いたとしても、その筐体の内部温度の温度上昇による影響が加味されたセンサ読み値に対し、その温度上昇による影響分を控除するための付加値を付加する演算を行っているため、浴室内の雰囲気温度(浴室温度)を簡易かつより正確に取得することが可能となる。これにより、浴室温度が過度に低温であり、入浴のために浴室内に入室するには寒過ぎる場合に、所定の対応制御をより的確に行うことが可能となる。ここで、筐体が密閉型とは、内圧変動を吸収するための手段が必要となる完全密閉構造のみならず、内圧変動を吸収するための微小な空気孔(呼吸孔)を備えた密閉型を含む趣旨である。又、温度センサは、筐体内に備えられた回路基板に設けることができる。
【0009】
又、本発明の浴室内設置装置
の場合、特に、マイクロコンピュータとして、浴室内設置装置の動作状況を判別し、判別された動作状況に応じて付加値を変更する構成と
しているため、筐体内に設けられた回路基板が動作を開始することによる発熱によって筐体の内部温度が上昇してしまい、この結果、温度センサのセンサ読み値にも影響するという場合でも、浴室内の雰囲気温度について正確に取得することが可能となる。
【0010】
本発明の浴室内設置装置において、マイクロコンピュータとして、外気温を検出するための外気温温度センサからの温度情報に基づいて付加値を変更する構成とすることができる(請求項
2)。このようにすることにより、浴室を構成する壁面に浴室内設置装置が設置され、その壁面からの放射熱の影響を受けて筐体内の温度上昇の度合が変化したとしても、その変動分を加味して付加値が変更されるため、浴室内の雰囲気温度について正確に取得することが可能となる。
【0011】
あるいは、本発明の浴室内設置装置において、マイクロコンピュータとして、カレンダ機能を備え、このカレンダ機能により得られる現時点に係る情報に基づいて、付加値を変更する構成とすることができる(請求項
3)。このようにすることにより、外気温を検出することなく、現時点に係る情報から現在の季節等を割り出すことで、季節変動等に基づく平均的な外気温変動が推測可能となり、これに基づき、外気温変動分を加味することが可能となる。この結果、浴室内の雰囲気温度について正確に取得することが可能となる。
【発明の効果】
【0012】
以上、説明したように、本発明の浴室内設置装置によれば、密閉型の筐体内に設けられた温度センサを用いたとしても、その筐体の内部温度の温度上昇による影響が加味されたセンサ読み値に対し、その温度上昇による影響分を控除するための付加値を付加する演算を行っているため、浴室内の雰囲気温度(浴室温度)を簡易かつより正確に取得することができる。これにより、浴室温度が過度に低温であり、入浴のために浴室内に入室するには寒過ぎる場合に、所定の対応制御をより的確に行うことができるように
なる。特に、筐体内に設けられた回路基板が動作を開始することによる発熱によって筐体の内部温度が上昇してしまい、この結果、温度センサのセンサ読み値にも影響するという場合でも、浴室内の雰囲気温度について正確に取得することが可能となる。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0015】
図1は、本発明に係る浴室内設置装置として浴室リモコン3を例にした説明図である。
【0016】
浴室1には浴槽2が設置され、その浴室1を構成する壁面11の適所には浴室リモコン3が設置されている。浴室1外には給湯器4が設置され、この給湯器4から浴槽2での入浴等に用いられる湯や、図外の台所の給湯栓で用いられる湯が注湯又は給湯されるように構成されている。この給湯器4の作動制御を行うコントローラ41には浴室リモコン3や台所リモコン42等が通信可能に接続され、各リモコン3,42からの操作信号等や、逆にコントローラ41からの表示信号又は動作信号等が送出可能となっている。
【0017】
給湯器4は、例えば、給水された水を熱交換器に通し、通過する際に燃焼バーナの燃焼熱により熱交換加熱し、所定温度まで昇温された湯を浴槽2に注湯したり、給湯栓(図示省略)に給湯したりするように構成されたものである。
【0018】
図2は、浴室リモコン3の拡大断面説明図である。この浴室リモコン3は、密閉型に構成された筐体31の内部に、回路基板32や、液晶表示部33等が収容されて構成されている。回路基板32には、制御用の各種電子部品等が実装されている。加えて、回路基板32には、サーミスタにより構成された温度センサ5が配設されている。
【0019】
筐体31は、一例を示すと、前面ケース311と、後面ケース312との両者の接合面同士を熱溶着することで、内部を密閉状態に維持し得るように組み付けられている。その熱溶着部313は、壁面11への取付ネジ孔314,314(
図3参照)を迂回しつつ、筐体31の周縁位置に沿って無端状に延びるように配置されている。
【0020】
なお、熱溶着の手法としては、接合面間に溶着用の金属線を配置し、通電することにより発熱させて接合面同士を熱溶着させることができる。その他、例えば一方を他方よりも高いレーザー光の透過性を有する合成樹脂とし、他方をレーザー光の吸収性を有する合成樹脂として、互いの接合面間をレーザー溶着することができる。もちろん、溶着手法以外に、接着等の手法を用いて密閉型に構成することができる。
【0021】
前面ケース311の前面、並びに、筐体31の上下面及び左右側面には、これらを覆うように絶縁カバープレート315が筐体31に対し接着又は熱溶着等の手段により組み付けられている。又、絶縁カバープレート315の表示面位置に液晶表示部33が臨むように配設され、その液晶表示部33の前面には、表示窓を備えた透明の表示部カバープレート316が絶縁カバープレート315の表示面位置に接着又は溶着等の手段により組み付けられている。又、液晶表示部33の下側位置には、例えば押圧式の複数の操作スイッチ34が設けられている。
【0022】
後面ケース312の四隅には、裏面から後方に突出するL字状の凸部317,317,…が形成され、これら凸部317,317,…が筐体31を壁面11に設置する際に壁面11に当接するようにされている。又、後面ケース312の中央位置には回路基板32からの電気配線321を筐体31外に導くための貫通孔が形成され、この貫通孔には電気配線321を通し
たグロメット318が嵌め込まれている。そして、このグロメット318を取り囲むように取付筒部319が後方に突出して形成され、この取付筒部319を壁面11に形成した貫通孔111に内嵌させた状態で筐体31は固定されるようになっている。
【0023】
又、後面ケース312には、例えばグロメット318の外周側位置であって、取付筒部319の内周側位置に、微小径の空気孔320が後面ケース312を貫通して形成されている。この空気孔320は、密閉された筐体31内の内圧上昇を外部に逃がして内外圧を均衡化させるために形成されるものである。
【0024】
さらに、後面ケース312には、取付筒部319を囲むよう所定厚を有するシール用のパッキン35が予め貼着されている。このパッキン35は、例えば合成ゴムや発泡樹脂等の弾性素材により形成され、前記凸部317の突出寸法よりも所定量だけぶ厚く形成されている。すなわち、後面ケース312と壁面11との間に挟み込まれた状態で、筐体31が図外の取付ネジにより壁面11に締め付けられて、各凸部317が壁面11に当接された状態に設置された状態では、各凸部317の突出寸法よりもぶ厚く形成された分だけパッキン35が圧縮変形し、より高いシール性を発揮することになる。
【0025】
なお、
図2又は
図3中の符号36は逃がし溝である。この逃がし溝36は、後面ケース312と壁面11との間に発生する結露水を集めて下側中央位置361まで導いて落下させるようになっている。
【0026】
以上の浴室リモコン3は、電気配線321によりコントローラ41と通信可能に接続されている。そして、コントローラ41は、各種検出信号や操作信号等に基づいて、給湯器4の作動制御、各リモコン3,42の表示・報知等の作動制御、あるいは、その他の機器(例えば浴室乾燥機12又は蓋開閉装置13等)の作動制御等を実行するようになっている。このコントローラ41が「マイクロコンピュータ」を構成するものであり、MPUや書き換え可能メモリを備え、メモリに記憶されたプログラム及び各種データに基づいて前記の各種作動制御を実行するようになっている。
【0027】
以下、浴室リモコン3の内部に設けられた温度センサ5からのセンサ読み値に基づいて浴室1内の雰囲気温度(以下、単に「浴室温度」という)を取得(検出)し、検出した雰囲気温度に基づいて対応する動作制御を実行するという浴室温度対応制御について、
図4を参照しつつ説明する。かかる浴室温度対応制御は、コントローラ41の浴室温度対応制御部により実行される。コントローラ41は、まず、温度センサ5から出力される温度に係るセンサ読み値Yrに、式(1)の如く付加値Ydを付加することで、浴室温度Yを検出する(ステップS1)。
Y=Yr+Yd …式(1)
そして、この浴室温度Yが所定の閾値Yw以下の低温であれば(ステップS2でYES)、対応制御を実行する(ステップS3)。閾値Ywとしては、入浴者が裸で浴室1に入室するには寒過ぎると考えられる温度値を設定することができる。
【0028】
対応制御としては、浴室リモコン3及び/又は台所リモコン42に対し表示処理指令を発し、例えば「浴室内が寒い状況にありますので、入浴に際しご注意下さい。」というテキスト文字による案内表示を、ユーザーに対し注意喚起のために液晶表示部33に表示させる。あるいは、「入浴前に、浴槽の蓋を予め開けておいて浴室内を暖めて下さい。」と対策に係る案内を追加表示することができる。もちろん、これらのテキスト文字による案内表示に加えて、又は、代えて、音声による案内を行うことができる。
【0029】
又、浴室乾燥機12(
図1参照)が浴室1に設置されている場合には、対応制御として、浴室温度Yが少なくとも閾値Ywを超える温度まで上昇するように浴室乾燥機12を作動させることができる。このような浴室乾燥機12の作動制御を行う場合には、前記の注意喚起のための案内表示に加え、例えば「浴室内を浴室乾燥機を作動させて加温させます。」というように、作動状況についての案内表示を追加することができる。
【0030】
さらに、蓋開閉装置13が浴槽2に設けられている場合には、対応制御として、閉状態の蓋を強制的に開状態に駆動させることができる。このような蓋開閉装置13の作動制御を行う場合には、前記の注意喚起のための案内表示に加え、例えば「浴室内を加温させるために、浴槽の蓋を開作動させます。」というように、作動状況についての案内表示を追加することができる。
【0031】
前記の付加値Ydとは、温度センサ5のセンサ読み値を、本来の浴室温度に近くなるように補正するための値であり、通常は負の値(例えば−2℃)が固定値として設定される。すなわち、温度センサ5のセンサ読み値は、密閉型の筐体31内に設けられていることに起因して、本来の浴室温度よりも高めの値を示す傾向にある。つまり、筐体31の内部温度が密閉型であるために上昇傾向となり、この温度上昇の影響を受けて温度センサ5のセンサ読み値も、本来の浴室温度よりも高めの値を示すことになる。このため、本来の浴室温度の検出値を得るために、温度センサ5のセンサ読み値から温度上昇分を控除(つまり負の値の付加値を付加)する必要がある。付加値Ydとしてどのような温度値を設定するかについては、予め浴室モデルにおいて試験することで適正値を定めることができる。
【0032】
筐体31内が密閉型であるために内部温度に影響する要因は、以下の通り、種々のものから考えられる。すなわち、浴室リモコン3の動作状況の如何に基づく回路基板32等の発熱や、外気温の如何により壁面11からの放射熱の影響が考えられる。外気温の如何は、外気温自体の如何の他に、季節の如何又は現時点が何月かによって把握することが可能であり、加えて、それらの影響の度合は設置地域の如何によっても大きく左右される。
【0033】
具体的には、浴室リモコン3が運転スイッチのONにより動作可能状態に入った後、コントローラ41からの作動制御により動作(例えば表示動作、インターホンによる通話動作等)が開始されると、回路基板32上の各種機器(例えばレギュレータ、蛍光管表示機器等)が発熱し、これにより、筐体31内において、より高い温度上昇を招くことになる。又、筐体31が固定される壁面11からの熱伝導による影響を受けて、筐体31内の内部温度を低下させる傾向になったり、より上昇させる傾向になったりと変化する。例えば、筐体31の内部温度がたとえ上昇したとしても冬場は壁面11が冷やされるため筐体31の内部温度は冷え易くなる一方、夏場は壁面11が熱せられるため、筐体31の内部温度も冷え難くなるばかりか、より上昇させる要因ともなる。
【0034】
以上を考慮して、前記の付加値Ydの値を、ユーザー自ら設定変更したり、各種要因毎に変更処理したりし得るようになっている。その手法は次の通りである。
【0035】
まず、ユーザー自ら設定変更する処理は、
図5に示すように、ユーザーからの設定要求が有るか否かを判定し(ステップS11)、有れば(ステップS11でYES)、その設定操作された入力値に対応して付加値Ydを変更する(ステップS12)。かかる設定処理は、コントローラ41の設定処理部により行われる。ユーザーが設定操作するには、浴室リモコン3の操作スイッチ34の操作によりメニュー画面を表示させ、そこに表示される各種設定ボタンから例えば「浴室温度設定」を選択すればよい。具体的数値を直接に設定するには、さらに「数値設定」を選択し、温度調整ボタン(例えば、上昇は上向きの三角印のボタン、下降は下向きの三角印のボタン)を用いて所望の温度値を設定すればよい。
【0036】
又、設置されている地域を設定するには「地域設定」を選択し、表示される地域別の名称(例えば「近畿」、「北陸」、「九州」等)から自己の設置地域を選択すればよい。地域がユーザーにより設定されると、設定処理部は予め記憶設定されている地域別付加値のテーブルから該当する地域に対応する付加値を読み込み、これを付加値Ydとして設定することになる。地域別付加値のテーブルとしては、南側の地域であるほど、基本の付加値(例えば−2℃)よりも大きいマイナスの値の付加値が設定され、逆に北側の地域であるほど、基本の−側の付加値をより大きく減じた付加値が設定されている。例えば東北であれば、基本の付加値(例えば−2℃)に対し+1℃を加算した値が付加値Ydとして設定する。
【0037】
浴室リモコン3の動作状況の如何により付加値の変更(基本の付加値の補正)を行う処理は、
図6に示すように、浴室リモコン3が各種動作(運転スイッチのON、インターホン通話等)を開始したか否かを判定し(ステップS21)、動作開始があれば(ステップS21でYES)、その動作種別を判定する(ステップS22)。このような処理や、以下で説明する変更に係る処理は、コントローラ41の変更処理部により行われる。そして、動作別付加値のテーブルから該当する動作に対応する付加値を読み込み、これを付加値Ydとして設定する(ステップS23)。例えば、運転スイッチONであれば、基本の付加値(例えば−2℃)に対し、さらに−1℃を追加した値の付加値が設定されている。又、インターホン通話動作の場合には発熱度合がより高まるため、基本の付加値に対し、さらに−2℃を追加した値の付加値が設定されている。なお、インターホン通話の場合、通信頻度が高いほど発熱量も急増するため、インターホン通話の開始のみならず、通信頻度を判定することにより、基本の付加値に対する追加値を増減するようにしてもよい。
【0038】
外気温の如何により付加値の変更(基本の付加値の補正)を行う処理は、
図7に示すように、まず、外気温情報を取得し(ステップS31)、取得した外気温に係る情報に基づき、外気温別付加値のテーブルから該当する外気温に対応する付加値を読み込み、これを付加値Ydとして設定する(ステップS32)。例えば、外気温別付加値のテーブルとして、所定の外気温範囲毎に付加値を予め設定したものを用いることができる。この場合、外気温が低い側の範囲であるほど、基本の付加値(例えば−2℃)を減じるように設定されている。例えば外気温が5℃以下の低温であれば、基本の付加値(例えば−2℃)に+1℃を加えた値を付加値Ydとして設定する。なお、外気温情報の取得は、例えば給湯器4に設けられている外気温センサ(F点サーミスタ)からの検出情報を用いることができる。
【0039】
さらに、外気温情報を用いる代わりに、外気温の変化傾向を表す季節別、又は、年月日の内の月別に付加値を変更することができる。すなわち、
図8に示すように、現時点に係る情報を取得し(ステップS41)、その情報に基づき現時点が属する季節に対応する付加値を、予め記憶設定された季節別付加値テーブルから読み込み、それを付加値Ydとして設定する(ステップS42)。季節別付加値テーブルとしては、より寒くなると考えられる季節であるほど、基本の付加値(例えば−2℃)をより減じた値が付加値Ydとして設定されている。例えば、最も暑い夏季であれば基本の付加値に−1℃を追加した値を、最も寒い冬季であれば基本の付加値に+1℃を追加した値を、それぞれ付加値Ydとして設定する。
【0040】
現時点に係る情報は、コントローラ41に備えられたカレンダ機能(日付データ)を用いて取得することができ、カレンダ機能から取得される現時点の日付が例えば12月〜2月の範囲に属すれば、現時点の季節は冬季であると判定する。季節別の代わりに、現時点が何月に属するかの情報に基づき付加値を変更することもできる。
【0041】
但し、以上は、温度センサ5が
図2に示す例の如く浴室リモコン3内の浴室空間側(表側)の部位に設けられた場合であるが、温度センサ5が例えば浴室リモコン3内の浴室空間とは反対側の壁面11側(裏側)の部位に設けられる場合には、さらに次のような補正を加えることができる。すなわち、かかる場合には、外気温の如何により壁面11から受ける放射熱の影響がより大きくなると考えられるため、前述の外気温の如何により付加値Ydの変更(基本の付加値の補正)を行う処理や、外気温の変化傾向を表す季節別、又は、年月日の内の月別に付加値Ydを変更する処理等において、温度センサ5が浴室リモコン3内の表側の部位に設けられる場合よりも裏側の部位に設けられる場合の方が、より大きい補正量となるようにする。例えば、前述の外気温別付加値のテーブルをそのように設定することができる。
【0042】
以上の実施形態の場合、密閉型の筐体31内に設けられた温度センサ5を用いたとしても、その筐体31の内部温度の温度上昇による影響を排除することができ、浴室1内の雰囲気温度(浴室温度)を簡易かつより正確に検出することができる。これにより、浴室温度の如何による所定の対応制御をより的確に行うことができるようになる。又、温度センサ5を浴室リモコン3内の裏側の部位に設ける場合には、付加値Ydを前記表側の部位に設ける場合よりも大きい補正量となるように変更することで、浴室1内の雰囲気温度(浴室温度)の簡易かつ正確な検出をより効果的に行うことができる。
【0043】
<他の実施形態>
本発明は前記実施形態に限らず、種々の形態を含むものである。すなわち、前記実施形態では空気孔319を有するものを示したが、これに限らず、空気孔がなく完全密閉型の筐体を有し、その筐体の内部に温度センサが設けられたものに対し本発明を適用することができる。このような完全密閉型に構成された筐体の場合には、内圧変動を吸収するための手段を筐体に付設すればよい。
【0044】
又、前記実施形態では、浴室内設置装置として浴室リモコン3を対象にした例を説明したが、浴室リモコン3以外にも、例えば浴室テレビ14(
図1参照)を浴室内設置装置として本発明を適用することができる。
【0045】
さらに、浴室対応制御部や設定処理部等を含むマイクロコンピュータを、給湯器4のコントローラ41に設けた例を説明したが、これに限らず、前記マイクロコンピュータを浴室リモコン3の回路基板32に搭載することができる。