(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記情報処理装置は、前記第1の装置との間の前記セキュリティレベルが第1のレベルである場合に前記顔領域を含む前記画像を送信し、前記第1の装置との間の前記セキュリティレベルが前記第1のレベルより低い第2のレベルである場合に前記第1の特徴抽出部により抽出された特徴量を送信する、請求項1〜6のいずれか一項に記載の情報処理システム。
前記中継装置は、前記情報処理装置から前記顔領域を含む前記画像を受信した場合に、前記中継装置とネットワークを介して接続された第2の装置との間のセキュリティレベルに応じて、前記顔領域を含む画像、前記第4の特徴抽出部により抽出された特徴量のうち少なくともいずれか一方を前記第2の装置へ送信し、前記情報処理装置から前記第1の特徴抽出部により抽出された特徴量を受信した場合に、前記第1の特徴抽出部により抽出された特徴量を前記第2の装置へ送信する、請求項10に記載の情報処理システム。
前記中継装置は、前記第2の装置との間の前記セキュリティレベルが第1のレベルである場合に前記顔領域を含む前記画像を送信し、前記第2の装置との間の前記セキュリティレベルが前記第1のレベルより低い第2のレベルである場合に、前記第4の特徴抽出部により抽出された特徴量を送信する、請求項11に記載の情報処理システム。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0025】
また、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する複数の構成要素を、同一の符号の後に異なるアルファベットを付して区別する場合もある。ただし、実質的に同一の機能構成を有する複数の構成要素の各々を特に区別する必要がない場合、同一符号のみを付する。
【0026】
<<1.第一の実施形態>>
<1−1.背景>
現在、街のいたるところに監視カメラが設置されており、監視カメラの数は増加傾向にある。また、監視カメラの多くはネットワークに接続され、ネットワークを介して監視カメラから得られる画像(静止画像、または動画像)を用いた多様な応用が考えられる。
【0027】
例えば、監視カメラの撮像により得られた撮像画像を、ネットワークを介してサーバへ送信し、当該サーバにおいて必要な処理を行うことで、防犯等に活用することが提案されている。
【0028】
撮像画像の送信に関し、例えば特許文献1には、監視カメラによる撮像画像をいくつかの中間サーバへ送信し、人物検出に必要な処理をこれらの中間サーバで分担させることで、リアルタイムに処理を行う技術が記載されている。
【0029】
また、特許文献1によれば、更なる送信先へのデータ送信を、中間サーバにおける人物検出時のみに制限することによって、システムの運用コストを削減することが可能である。
【0030】
また、特許文献2には、監視カメラによる撮像画像を、監視カメラ所有者の意思に基づいて、公開サーバ、または非公開サーバへ配信(送信)し、一般のユーザに対して閲覧等の利用を可能にする技術が記載されている。
【0031】
しかし、上記の特許文献1、2に記載の技術では、送信元である監視カメラと、送信先のサーバとの間のセキュリティが考慮されておらず、例えば撮像画像に人物が含まれる場合に、当該人物のプライバシーが侵害される恐れがあった。例えば、監視カメラとサーバとの間の通信において、セキュリティ的に信頼性の低いネットワーク(無料の公衆Wi−Fi等)が用いられていた場合には、監視カメラとサーバとの間の通信内容が盗み取られる恐れがある。撮像画像が盗み取られた場合、当該人物がいつどこにいたのか、また、当該人物が何をしていたのか、という情報が撮像画像を目視することで確認され得る。
【0032】
そこで、本件発明者は、上記事情を一着眼点にして本発明の実施形態を創作するに至った。本発明の実施形態による監視システムは、送信元と送信先との間のセキュリティに関する情報に基づいて、情報の送信を行うことで、プライバシーを保護することが可能である。以下、本発明の第一の実施形態において上記の効果を実現するための構成例を詳細に説明する。
【0033】
<1−2.構成例>
(監視システム)
図1は、本発明の第一の実施形態に係る監視システム901の構成例を示す説明図である。
図1に示すように、本実施形態に係る監視システム901は、監視装置1、セキュリティ管理サーバ2、画像認識サーバ3(3A〜3C)、及びネットワーク5(通信網)を有する情報処理システムである。
【0034】
監視装置1は、例えば監視カメラであり、撮像により周囲の画像(撮像画像)を取得し、撮像画像に対して画像処理等の処理を施して得られる処理結果を他の装置へ送信する。
図1に示す例では、監視装置1は、ネットワーク5を介して画像認識サーバ3A〜3Cへ処理結果を送信する。
【0035】
また、監視装置1は、後述するセキュリティ管理サーバ2から提供される監視装置1と画像認識サーバ3との間のセキュリティの高さを示すセキュリティレベルに応じて、処理や送信する処理結果を異ならせる。例えば、監視装置1は、監視装置1と画像認識サーバ3との間のセキュリティが高い場合に、より情報量が多くプライバシー情報を含むような処理結果を画像認識サーバ3へ送信する。また、監視装置1は、監視装置1と画像認識サーバ3との間のセキュリティが低い場合に、より情報量が少なくプライバシー情報を含まないような処理結果を画像認識サーバ3へ送信する。なお、監視装置1の詳細な構成、監視装置1が行う処理、監視装置1が送信する処理結果等については
図3を参照して後述する。
【0036】
セキュリティ管理サーバ2は、監視装置1と画像認識サーバ3との間のセキュリティに関するセキュリティ情報を管理するサーバであり、セキュリティ情報が格納されたセキュリティDB21を記憶する。
図2は、セキュリティ情報の一例を示す表である。
図2に示すように、セキュリティ情報は、例えば宛先(送信先)、送信元(監視装置1)と送信先との間のネットワークの種別、及び送信元と送信先との間のセキュリティの高さを示すセキュリティレベルが対応付けられた情報である。
【0037】
図2ではセキュリティレベルが「高」または「低」の2段階の例を示しているが、セキュリティレベルは3段階以上であってもよく、数値により表されてもよい。以下では、セキュリティレベルが2段階であり、第1のレベルである「高」、または第1のレベルより低い第2のレベルである「低」、のうちいずれかである場合を例に説明を行う。
【0038】
なお、セキュリティ情報は、例えば、予めユーザにより生成(設定)されて、セキュリティDB21に格納されてもよい。また、セキュリティ情報は、セキュリティ管理サーバ2が、ネットワーク5に接続された装置や、装置間のデータ送信の流れ(経路)等を監視することで、動的に生成されてもよい。
【0039】
例えば、セキュリティ管理サーバ2は、送信先ごとに、装置間(送信元と送信先との間)のネットワーク種別を特定する。また、セキュリティ管理サーバ2は、特定されたネットワーク種別が、セキュリティ的に信頼性の低い種別のネットワーク(例えば無料公衆Wi−Fi)である場合に、当該装置間のセキュリティレベルを「低」と設定して、セキュリティ情報を生成してもよい。また、セキュリティ管理サーバ2は、特定されたネットワーク種別がセキュリティ的に信頼性の高い種別のネットワーク(例えばVPN(Virtual Private Network))である場合や、当該装置間でSSL(Secured Socket Layer)等のプロコトルによる暗号化が施された通信が行われている場合に、当該装置間のセキュリティレベルを「高」と設定して、セキュリティ情報を生成してもよい。
【0040】
セキュリティ管理サーバ2は、例えば監視装置1からの要求に応じて、当該要求により指定される送信先と対応付けられたセキュリティレベルを監視装置1へ提供(送信)する。
【0041】
画像認識サーバ3(3A〜3C)は、ネットワーク5を介して監視装置1から受信した処理結果に基づいて、処理を行う。ここで、画像認識サーバ3は、例えば監視装置1よりも処理性能が高いことが望ましい。係る場合、画像認識サーバ3は、より情報量の多い処理結果を監視装置1から受信することで、当該処理結果に対する後段の処理を監視装置1が行うよりも高速に行うことが可能である。したがって、監視装置1と画像認識サーバ3との間で十分なセキュリティが確保されている場合には、画像認識サーバ3は、より情報量の多い処理結果を受信することが望ましい。なお、本実施形態においては監視装置1よりも画像認識サーバ3の方が処理性能が高いものとして説明を行う。
【0042】
なお、以下では、一例として画像認識サーバ3が、撮像画像に含まれる人物の顔に基づいて当該人物が誰であるかを認識する顔認証処理を行う例を説明する。また、画像認識サーバ3の詳細な構成については
図4を参照して後述する。
【0043】
ネットワーク5は、ネットワーク5に接続されている装置、またはシステムから送信される情報の有線、または無線の伝送路である。例えば、ネットワーク5は、インターネット、電話回線網、衛星通信網等の公衆回線網や、Ethernet(登録商標)を含む各種のLAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)等を含んでもよい。また、ネットワーク5は、IP−VPN(Internet Protocol-Virtual Private Network)等の専用回線網を含んでもよい。
【0044】
上記のように、本実施形態に係る情報処理システムによれば、監視装置1が、送信先(画像認識サーバ3)との間のセキュリティレベルに応じて異なる処理結果を送信することにより、プライバシーを保護することが可能である。また、当該セキュリティレベルが高い場合に、より情報量の多い処理結果が画像認識サーバ3へ送信されることで、全体的な処理の高速化が実現され得る。以下、本実施形態において、上記の効果を実現するための、監視装置1、及び画像認識サーバ3のより詳細な構成について順次説明する。
【0045】
(監視装置)
図3は、本実施形態に係る監視装置1の構成例を示すブロック図である。
図3に示すように、本実施形態に係る監視装置1は、通信部110、制御部120、顔検出部130、特徴抽出部140、及び撮像部190を備える情報処理装置である。
【0046】
通信部110は、監視装置1による他の装置との間の通信を仲介する通信インタフェースである。通信部110は、任意の無線通信プロトコルまたは有線通信プロトコルをサポートし、例えば
図1を参照して説明したネットワーク5を介して、または直接に他の装置との間の通信接続を確立する。また、通信部110は、制御部120の制御に従って情報の送受信を行う。
【0047】
例えば、通信部110は、制御部120の制御に従い、
図1に示したネットワーク5を介して接続された画像認識サーバ3(本実施形態における第1の装置)との間のセキュリティレベルに応じた情報を、画像認識サーバ3へ送信する。例えば、通信部110は、制御部120の制御に従い、後述する顔検出部130により検出された顔領域を含む顔画像、後述する特徴抽出部140により抽出された特徴量のうち、少なくともいずれか一方を、画像認識サーバ3へ送信する。
【0048】
制御部120は、監視装置1の各構成の動作制御、及び監視装置1の各構成への情報の入出力を制御する。例えば、制御部120は、通信部110を制御して、他の装置へ情報を送信させ、または情報を受信させる。
【0049】
例えば、制御部120は、セキュリティ管理サーバ2へ、画像認識サーバ3との間のセキュリティレベルを要求する信号を送信させ、セキュリティ管理サーバ2からセキュリティレベルを受信(取得)させる、セキュリティ情報取得部として機能する。
【0050】
また、制御部120は、取得したセキュリティレベルに応じて、顔検出部130により検出された顔領域を含む顔画像、特徴抽出部140により抽出された特徴量のうち、少なくともいずれか一方を、画像認識サーバ3へ送信させる。
【0051】
例えば、制御部120は、画像認識サーバ3との間のセキュリティレベルが「高」(第1のレベル)である場合に、顔領域を含む顔画像を画像認識サーバ3へ送信させてもよい。また、制御部120は、画像認識サーバ3との間のセキュリティレベルが「低」(第2のレベル)である場合に、特徴抽出部140により抽出された特徴量を画像認識サーバ3へ送信させてもよい。
【0052】
係る構成により、個人のプライバシーが侵害され得る顔画像は、画像認識サーバ3との間のセキュリティレベルが高い(「高」である)場合にのみ送信される。また、画像認識サーバ3との間のセキュリティレベルが低い(「低」である)場合には、顔画像が送信されず、特徴量が送信される。特徴量は、単体では個人を特定することが困難な情報であるため、もしも監視装置1と画像認識サーバ3との間の通信内容が盗み取られた場合であっても、個人を特定することは困難であり、撮像画像に映る人物のプライバシーが保護される。
【0053】
また、制御部120は、後述する撮像部190が周囲を撮像して得られた撮像画像を撮像部190から取得する撮像画像取得部としても機能する。制御部120は、撮像部190から取得した撮像画像を顔検出部130へ提供する。
【0054】
また、制御部120は、画像認識サーバ3との間のセキュリティレベルが「高」である場合に、顔検出部130から顔画像を取得する。また、制御部120は、画像認識サーバ3との間のセキュリティレベルが「低」である場合に、顔検出部130を制御し、顔画像を特徴抽出部140へ提供させる。
【0055】
また、制御部120は、画像認識サーバ3との間のセキュリティレベルが「低」である場合に、特徴抽出部140を制御して、特徴量の抽出を行わせてもよい。また、制御部120は、画像認識サーバ3との間のセキュリティレベルが「高」(第1のレベル)である場合に、特徴抽出部140に特徴量の抽出を行わせなくてもよい。係る構成によれば、セキュリティレベルが「高」である場合には、監視装置1の処理負荷が軽減される。
【0056】
また、制御部120は、画像認識サーバ3との間のセキュリティレベルが「低」である場合に、特徴抽出部140を制御して、特徴量の抽出を行わせてもよい。また、制御部120は、画像認識サーバ3との間のセキュリティレベルが「高」である場合に、特徴抽出部140に特徴量の抽出を行わせなくてもよい。係る構成によれば、セキュリティレベルが「高」である(高い)場合には、監視装置1の処理負荷が軽減される。
【0057】
顔検出部130は、撮像画像から顔領域を検出する。例えば、顔検出部130は、下記非特許文献1に記載されるような、画像特徴量の統計的学習に基づく物体検出手法を用いて顔領域を検出してもよい。なお、顔検出部130による顔検出の方法は係る例に限定されず、多様な顔検出手法が用いられ得る。
【0058】
非特許文献1:P. Viola and M. Jones, “Rapid object Detection using a Boosted Cascade of Simple Features.” Proc. of IEEE Conf. Computer Vision and Pattern Recognition 2001, (米国), IEEE, 2001年, vol.1, pp.511-518
【0059】
また、本実施形態に係る顔検出部130は、撮像画像から顔領域を含む顔画像を切り出し、制御部120の制御に応じて制御部120または特徴抽出部140へ提供する。なお、顔画像は、例えば検出された顔領域に外接するような矩形画像であってもよいし、顔領域を含むような所定の形状(例えば所定のアスペクト比を有する矩形)の画像であってもよい。
【0060】
特徴抽出部140(第1の特徴抽出部)は、顔検出部130から顔画像が提供された場合に、顔画像に含まれる顔領域から、顔認証のための特徴量の抽出(取得)を行う。特徴抽出部140による特徴量抽出手法は多様なものであり得るが、例えば下記非特許文献2に記載されるような手法により、顔の目、鼻、口といった特徴点の位置を検出し、特徴量を抽出してもよい。
【0061】
非特許文献2:T. F. Cootes, G. J. Edwards, and C. J. Taylor, “Active Appearance Models.” IEEE Transactions on Pattern Analysis and Machine Intelligence, (米国), IEEE, 2001年, vol.23, Issue6, pp.681-685
【0062】
特徴抽出部140は、抽出した特徴量を制御部120へ提供する。なお、上述したように、特徴抽出部140は、画像認識サーバ3との間のセキュリティレベルが「高」(第1のレベル)である場合に特徴量の抽出を行わなくてもよい。係る構成によれば、セキュリティレベルが「高」である(高い)場合には、監視装置1の処理負荷が軽減される。また、画像認識サーバ3の処理性能が監視装置1の処理性能よりも高い場合、特徴量の抽出が画像認識サーバ3により行われることで、全体的な処理時間が短縮され得る。
【0063】
撮像部190は、周囲の画像(撮像画像)を取得するカメラモジュールである。例えば、撮像部190は、CCD(Charge Coupled Device)またはCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)等の撮像素子を用いて実空間を撮像することにより、光を電気信号に変換し、撮像画像を生成する。撮像部190は、撮像画像を制御部120へ提供する。
【0064】
以上、本実施形態による監視装置1の構成例について説明したが、
図3に示す監視装置1の構成は一例であって、本実施形態はこれに限定されない。例えば、監視装置1は、周囲に関する情報を取得するために、IR(infrared:赤外線)カメラ、深度カメラ、ステレオカメラ、人感センサ、またはマイクロフォン等の他のセンサをさらに備えていてもよい。また、撮像部190や、上述した他のセンサは、監視装置1に含まれず、監視装置1に接続される外部装置であってもよく、係る場合、監視装置1は当該外部装置から、撮像画像やセンシングされた情報を取得してもよい。
【0065】
(画像認識サーバ)
画像認識サーバ3はネットワーク5を介して上述した監視装置1から受信した顔画像、または、監視装置1の特徴抽出部140により抽出された特徴量を用いて顔認証を行うサーバである。
図4は、本実施形態に係る画像認識サーバ3の構成例を示すブロック図である。
図4に示すように、画像認識サーバ3は、通信部310、制御部320、特徴抽出部330、顔認証部340、及び記憶部350、を備える。
【0066】
通信部310は、画像認識サーバ3による他の装置との間の通信を仲介する通信インタフェースである。通信部310は、任意の無線通信プロトコルまたは有線通信プロトコルをサポートし、例えば
図1を参照して説明したネットワーク5を介して、または直接に他の装置との間の通信接続を確立する。また、通信部310は、制御部320の制御に従って情報の送受信を行う。
【0067】
制御部320は、画像認識サーバ3の各構成の動作制御、及び画像認識サーバ3の各構成への情報の入出力を制御する。例えば、制御部320は、通信部310を制御して、他の装置へ情報を送信させ、または情報を受信させる。
【0068】
例えば、制御部320は、監視装置1へ、顔認証のための情報を要求する信号を送信させる。また、制御部320は、顔認証のための情報として、監視装置1から顔画像、または監視装置1の特徴抽出部140により抽出された特徴量を受信させる。また、制御部320は、後述する顔認証部340による顔認証の結果を不図示の他の装置へ送信させてもよい。
【0069】
また、制御部320は、通信部310が監視装置1から受信した情報に応じて、後述する特徴抽出部330、及び顔認証部340に処理を行わせる。
【0070】
例えば、通信部310が監視装置1から顔画像を受信した場合、制御部320は、受信された顔画像を特徴抽出部330へ提供し、特徴量の抽出を行わせる。さらに、制御部320は、顔認証部340を制御し、特徴抽出部330により抽出された特徴量を用いた顔認証を行わせる。
【0071】
一方、通信部310が監視装置1から特徴量を受信した場合、制御部320は、受信された特徴量(監視装置1の特徴抽出部140により抽出された特徴量)を顔認証部340へ提供し、当該特徴量を用いた顔認証を行わせる。
【0072】
係る構成により、監視装置1から顔画像が送信された場合であっても特徴量が送信された場合であっても、画像認識サーバ3は顔認証を行うことが可能である。また、上述したように本実施形態において、画像認識サーバ3は、監視装置1よりも処理性能が高いため、画像認識サーバ3は、顔画像を監視装置1から受信することで、特徴量の抽出を監視装置1が行うよりも高速に行うことが可能である。その結果、全体的な処理時間が短縮され得る。
【0073】
特徴抽出部330(第2の特徴抽出部)は、通信部310が監視装置1から顔画像を受信した場合に、顔画像に含まれる顔領域から、顔認証のための特徴量の抽出(取得)を行う。特徴抽出部330による特徴量抽出手法は多様なものであり得るが、特徴抽出部330は、例えば上述した監視装置1の特徴抽出部140と同様に特徴量の抽出を行ってもよい。特徴抽出部330は、抽出した特徴量を顔認証部340へ提供する。
【0074】
顔認証部340は、通信部310が受信した特徴量(監視装置1の特徴抽出部140により抽出された特徴量)、または特徴抽出部330により抽出された特徴量を用いて、顔認証を行う。顔認証部340による顔認証の手法は多様なものであり得るが、顔認証部340は、例えば下記非特許文献3に記載されたような手法により、顔認証を行ってもよい。
【0075】
非特許文献3:赤松茂. "コンピュータによる顔の認識―サーベイ―." 電子情報通信学会論文誌 D 80.8 (1997),pp.2031−2046.
【0076】
なお、顔認証部340は、顔認証を行う際に、制御部320を介して提供され、後述する記憶部350に記憶される顔認証DB351を参照してもよい。顔認証DB351は、例えば特徴量と人物の情報とが対応付けて格納されたデータベースである。顔認証部340は、監視装置1から受信された特徴量、または特徴抽出部330により抽出された特徴量と、顔認証DB351に含まれる特徴量と、のマッチングを行うことで特徴量に対応する人物を特定し得る。
【0077】
記憶部350は、画像認識サーバ3の動作に用いられるプログラム及びデータを記憶する。また、
図4に示すように、記憶部350は、顔認証部340が顔認証を行う際に参照する顔認証DB351を記憶する。
【0078】
<1−3.動作例>
以上、本発明の第一の実施形態に係る監視システム901の構成例について説明した。続いて、本実施形態の動作例について、
図5を参照して説明する。
図5は本実施形態に係る監視システム901の処理フローを示すシーケンス図である。
【0079】
図5に示すように、まず画像認識サーバ3から監視装置1へ、顔認証のための情報を要求する信号が送信される(S101)。続いて、監視装置1は、撮像部190の撮像により撮像画像を取得する(S102)。さらに、監視装置1の顔検出部130により撮像画像から顔領域が検出される(S103)。
【0080】
続いて、監視装置1からセキュリティ管理サーバ2へ、画像認識サーバ3との間のセキュリティレベルを要求する信号が送信され(S104)、セキュリティ管理サーバ2からセキュリティレベルが送信される(S105)。
【0081】
監視装置1と画像認識サーバ3との間のセキュリティレベルが「高」であった場合、監視装置1は、ステップS103で検出された顔領域を含む顔画像を画像認識サーバ3へ送信する(S111)。続いて、画像認識サーバ3の特徴抽出部330が、ステップS111で受信した顔画像の顔領域から特徴量の抽出を行い(S112)、顔認証部340がステップS112で抽出された特徴量を用いて顔認証を行う(S113)。
【0082】
一方、監視装置1と画像認識サーバ3との間のセキュリティレベルが「低」であった場合、監視装置1の特徴抽出部140が、ステップS103で検出された顔領域から特徴量を抽出する(S121)。続いて、監視装置1は、ステップS121で特徴抽出部140により抽出された特徴量を画像認識サーバ3へ送信する(S122)。続いて、画像認識サーバ3の顔認証部340は、ステップS122で受信した特徴量を用いて顔認証を行う(S123)。
【0083】
<1−4.効果>
以上、本発明の第一の実施形態について説明した。本実施形態によれば、監視装置1が送信元である監視装置1と送信先である画像認識サーバ3との間のセキュリティレベルに基づいて、情報の送信を行うことで、プライバシーを保護することが可能である。また、監視装置1と画像認識サーバ3との間のセキュリティレベルが高い場合には、監視装置1から画像認識サーバ3へ顔画像が送信されることで、特徴量の抽出をより高速に行うことが可能であり、全体的な処理時間が短縮され得る。
【0084】
<<2.第二の実施形態>>
続いて、以下では、第二の実施形態として、監視システムが監視装置1と画像認識サーバ3との間で情報の中継を行う中継装置を有する例を説明する。
【0085】
<2−1.構成例>
(監視システム)
図6は、本発明の第二の実施形態に係る監視システム902の構成例を示す説明図である。
図6に示すように、本実施形態に係る監視システム902は、監視装置1、セキュリティ管理サーバ2(2A、2B)、画像認識サーバ3(3A〜3C)、ネットワーク5A、5B(通信網)、及び中継サーバ6を有する情報処理システムである。なお、本実施形態に係る監視システム902は、一部において第一の実施形態に係る監視システム902と同様の構成を有するため、適宜省略しながら説明を行う。
【0086】
本実施形態に係る監視装置1は、第一の実施形態に係る監視装置1と同様に、撮像により周囲の画像(撮像画像)を取得し、撮像画像に対して画像処理等の処理を施して得られる処理結果(例えば顔認証のための情報)を他の装置へ送信する。ただし、本実施形態に係る監視装置1は、ネットワーク5Aを介して中継サーバ6(本実施形態における第1の装置)へ処理結果を送信する点において第一の実施形態に係る監視装置1と異なる。また、本実施形態に係る監視装置1は、セキュリティ管理サーバ2Aから、中継サーバ6との間のセキュリティレベルを取得し、中継サーバ6との間のセキュリティレベルに応じた処理を行う。本実施形態に係る監視装置1は、処理結果の送信先、及び取得して用いるセキュリティレベルが異なる点を除いて、
図3を参照して説明した第一の実施形態に係る監視装置1と実質的に同様の構成を有する。
【0087】
本実施形態に係るセキュリティ管理サーバ2(2A、2B)は、第一の実施形態に係るセキュリティ管理サーバ2と同様に、装置間のセキュリティに関するセキュリティ情報を管理するサーバである。本実施形態に係るセキュリティ管理サーバ2A、2Bは、それぞれ監視装置1と中継サーバ6との間のセキュリティ情報が格納されたセキュリティDB21A、中継サーバ6と画像認識サーバ3との間のセキュリティ情報が格納されたセキュリティDB21Bを記憶する。本実施形態に係るセキュリティ情報は、送信元と送信先が異なる点を除いて
図2を参照して説明した第一の実施形態に係るセキュリティ情報と同様であるため、説明を省略する。
【0088】
なお、以下では、監視装置1と中継サーバ6との間のセキュリティレベルをセキュリティレベル(1−6)と表記し、中継サーバ6と画像認識サーバ3との間のセキュリティレベルをセキュリティレベル(6―3)と表記することで、区別する場合がある。
【0089】
本実施形態に係る画像認識サーバ3(3A〜3C)は、ネットワーク5Bを介して中継サーバ6から受信した情報に基づいて、処理を行う。本実施形態に係る画像認識サーバ3は、第一の実施形態に係る画像認識サーバ3と同様に、例えば顔認証を行う。本実施形態に係る画像認識サーバ3は、中継サーバ6から情報を受信する点を除いて、
図4を参照して説明した第一の実施形態に係る画像認識サーバ3と実質的に同様の構成を有する。
なお、本実施形態においては監視装置1よりも中継サーバ6の方が処理性能が高く、また、中継サーバ6よりも画像認識サーバ3の方が処理性能が高いものとして説明を行う。
【0090】
ネットワーク5(5A、5B)は、第一の実施形態に係るネットワーク5と同様、ネットワーク5に接続されている装置、またはシステムから送信される情報の有線、または無線の伝送路である。なお、
図6に示すネットワーク5Aと、ネットワーク5Bは異なる種別のネットワークであってもよい。例えば、ネットワーク5AはLANのような狭い範囲のネットワークであってもよく、ネットワーク5BはWANのようなより広範囲のネットワークであってもよい。また、ネットワーク5Aはネットワーク5Bよりもセキュリティ的な信頼性が高いことが望ましい。
【0091】
中継サーバ6は、監視装置1と画像認識サーバ3との間で情報の中継を行う中継装置である。また、中継サーバ6は、監視装置1から顔画像を受信した場合に、セキュリティ管理サーバ2Bから、中継サーバ6と画像認識サーバ3との間のセキュリティレベル(6−3)を取得し、セキュリティレベル(6−3)に応じて、監視装置1から受信した顔画像をそのまま中継するか、または監視装置1から受信した顔画像から特徴量を抽出し、抽出された特徴量を中継(送信)するか選択する。係る構成により、中継サーバ6と画像認識サーバ3との間のセキュリティレベルに応じてプライバシーが保護され得る。
【0092】
(中継サーバ)
以下、このような中継サーバ6の詳細な構成について
図7を参照して説明する。
図7は、本実施形態に係る中継サーバ6の構成例を示すブロック図である。
【0093】
図7に示すように、本実施形態に係る中継サーバ6(中継装置)は、通信部610、制御部620、及び特徴抽出部630を備える情報処理装置である。
【0094】
通信部610は、中継サーバ6による他の装置との間の通信を仲介する通信インタフェースである。通信部610は、任意の無線通信プロトコルまたは有線通信プロトコルをサポートし、例えば
図6を参照して説明したネットワーク5A、5Bを介して、または直接に他の装置との間の通信接続を確立する。また、通信部610は、制御部620の制御に従って情報の中継、及び送受信を行う。
【0095】
例えば、通信部610は、監視装置1から顔画像を受信した場合、制御部620の制御に従い、
図6に示したネットワーク5Bを介して接続された画像認識サーバ3(本実施形態における第2の装置)との間のセキュリティレベルに応じた情報を、画像認識サーバ3へ送信する。例えば、通信部610は、監視装置1から顔画像を受信した場合、制御部620の制御に従い、当該顔画像、後述する特徴抽出部630により抽出された特徴量のうち、少なくともいずれか一方を、画像認識サーバ3へ送信する。
【0096】
また、通信部610は、監視装置1から監視装置1の特徴抽出部140により抽出された特徴量を受信した場合に、当該特徴量を画像認識サーバ3へ送信する。
【0097】
制御部620は、中継サーバ6の各構成の動作制御、及び中継サーバ6の各構成への情報の入出力を制御する。例えば、制御部620は、通信部610を制御して、他の装置へ情報を送信させ、または情報を受信させる。
【0098】
例えば、制御部620は、通信部610が監視装置1から顔画像を受信した場合、通信部610を制御し、セキュリティ管理サーバ2Bへ、画像認識サーバ3との間のセキュリティレベル(6−3)を要求する信号を送信させ、セキュリティ管理サーバ2Bからセキュリティレベル(6−3)を受信(取得)させる、セキュリティ情報取得部として機能する。
【0099】
また、制御部620は、取得した画像認識サーバ3との間のセキュリティレベル(6−3)に基づいて通信部610を制御し、受信した顔画像、後述する特徴抽出部630により抽出された特徴量のうち、少なくともいずれか一方を、画像認識サーバ3へ送信させる。
【0100】
例えば、制御部620は、画像認識サーバ3との間のセキュリティレベル(6−3)が「高」(第1のレベル)である場合に、監視装置1から受信した顔画像を画像認識サーバ3へ送信(中継)させてもよい。また、制御部620は、画像認識サーバ3との間のセキュリティレベルが「低」(第2のレベル)である場合に、特徴抽出部630により抽出された特徴量を画像認識サーバ3へ送信させてもよい。
【0101】
特徴抽出部630(第4の特徴抽出部)は、通信部610が監視装置1から顔画像を受信し、セキュリティレベル(6−3)が「低」である場合に、顔画像に含まれる顔領域から、顔認証のための特徴量の抽出(取得)を行う。特徴抽出部630による特徴量抽出手法は多様なものであり得るが、特徴抽出部630は、例えば上述した監視装置1の特徴抽出部140と同様に特徴量の抽出を行ってもよい。
【0102】
係る構成により、個人のプライバシーが侵害され得る顔画像は、セキュリティレベル(1−6)、及びセキュリティレベル(6−3)が共に高い(「高」である)場合にのみ送信される。また、セキュリティレベル(1−6)、セキュリティレベル(6−3)のうち少なくともいずれかが低い(「低」である)場合には、顔画像が送信されず、特徴量が送信される。特徴量は、単体では個人を特定することが困難な情報であるため、もしも監視装置1と中継サーバ6との間の通信内容や、中継サーバ6と画像認識サーバ3との間の通信内容が盗み取られた場合であっても、個人を特定することは困難であり、撮像画像に映る人物のプライバシーが保護される。
【0103】
ここで、セキュリティレベル(1−6)が高い場合には、セキュリティレベル(6−3)が低い場合であっても監視装置1は特徴量の抽出を行わなくてもよいため、プライバシーを保護しつつ、監視装置1の処理負荷が軽減されるという効果がある。また、監視装置1よりも中継サーバ6、及び画像認識サーバ3の方が処理性能が高い場合、特徴量の抽出を後段の装置に任せることにより、全体的な処理時間が短縮されるという効果がある。
【0104】
例えば、監視装置1から中継サーバ6を中継させずに画像認識サーバ3へ情報を送信するとセキュリティレベルが低い場合に、監視装置1とセキュリティレベルの高い接続が可能な中継サーバ6により中継を行うことが可能であれば、上述の効果を好適に享受することが可能である。
【0105】
<2−2.動作例>
以上、本発明の第二の実施形態に係る監視システム902の構成例について説明した。続いて、本実施形態の動作例について、
図8を参照して説明する。
図8は本実施形態に係る監視システム902の処理フローを示すシーケンス図である。
【0106】
図8に示すように、まず画像認識サーバ3から中継サーバ6へ、顔認証のための情報を要求する信号が送信され(S201)、続いて中継サーバ6から監視装置1へ当該信号が送信される(S202)。
【0107】
続いて、監視装置1は、撮像部190の撮像により撮像画像を取得する(S203)。さらに、監視装置1の顔検出部130により撮像画像から顔領域が検出される(S204)。
【0108】
続いて、監視装置1は、セキュリティ管理サーバ2Aから監視装置1と中継サーバ6との間のセキュリティレベル(1−6)を取得する(S205)。なお、ステップS205の処理は、
図5に示したステップS104、ステップS105の処理と同様にセキュリティ管理サーバ2Aとの通信により実現され得る。
【0109】
ステップS205で取得された監視装置1と中継サーバ6との間のセキュリティレベル(1−6)が「高」であった場合、監視装置1は、ステップS204で検出された顔領域を含む顔画像を中継サーバ6へ送信する(S211)。続いて、中継サーバ6は、セキュリティ管理サーバ2Bから中継サーバ6と画像認識サーバ3との間のセキュリティレベル(6−3)を取得する(S212)。
【0110】
ステップS212で取得された中継サーバ6と画像認識サーバ3との間のセキュリティレベル(6−3)が「高」であった場合、中継サーバ6は、ステップS211で受信した顔領域を含む顔画像を画像認識サーバ3へ送信する(S221)。続いて、画像認識サーバ3の特徴抽出部330が、ステップS221で受信した顔画像に基づいて、特徴量の抽出を行い(S222)、顔認証部340がステップS222で抽出された特徴量を用いて顔認証を行う(S223)。
【0111】
ステップS212で取得された中継サーバ6と画像認識サーバ3との間のセキュリティレベル(6−3)が「低」であった場合、中継サーバ6の特徴抽出部630は、ステップS211で受信した顔画像の顔領域から、特徴量の抽出を行う(S231)。続いて、中継サーバ6は、ステップS231で特徴抽出部630により抽出された特徴量を画像認識サーバ3へ送信する(S232)。続いて、画像認識サーバ3の顔認証部340は、ステップS232で受信した特徴量を用いて顔認証を行う(S233)。
【0112】
ステップS205で取得された監視装置1と中継サーバ6との間のセキュリティレベル(1−6)が「低」であった場合、監視装置1の特徴抽出部140が、ステップS204で検出された顔領域から特徴量を抽出する(S241)。続いて、監視装置1は、ステップS241で特徴抽出部140により抽出された特徴量を中継サーバ6へ送信する(S242)。中継サーバ6は、ステップS242で受信した特徴量を画像認識サーバ3へ送信する(S243)。続いて、画像認識サーバ3の顔認証部340は、ステップS243で受信した特徴量を用いて顔認証を行う(S244)。
【0113】
<2−3.効果>
以上、本発明の第二の実施形態について説明した。本実施形態によれば、監視装置1、及び中継サーバ6が送信元と送信先との間のセキュリティレベルに基づいて、情報の送信を行う。上述したように、セキュリティレベルが低くなる手前の装置で特徴量を抽出し、それ以降の通信では特徴量のみを送信することで、撮像画像に映る人物のプライバシーを保護することが可能である。また、監視装置1との間のセキュリティレベルが高い接続が可能な中継サーバ6により中継を行わせることで、プライバシーを保護しつつ、監視装置1の処理負荷を軽減させ、さらに全体的な処理時間が短縮され得る。
【0114】
<2−4.補足>
なお、上記では、監視装置1と画像認識サーバ3との間で情報の中継を行う中継装置が1つ(中継サーバ6)のみである例を説明したが、本技術は係る例に限定されない。例えば、監視システム902は、情報の中継を行う中継装置を複数有してもよく、監視装置1と画像認識サーバ3との間で複数の中継装置による複数回の中継が行われてもよい。また、中継装置は、顔画像を受信した場合に、送信先(第2の装置)との間のセキュリティレベルに応じて、顔画像、または当該中継装置が有する特徴抽出部630により抽出された特徴量のうち、少なくともいずれか一方を送信先(次の中継装置、または画像認識サーバ3)へ送信してもよい。
【0115】
<<3.変形例>>
以上、本発明の第一の実施形態、及び第二の実施形態について説明した。以下では、上記各実施形態の幾つかの変形例を説明する。なお、以下に説明する各変形例は、単独で各実施形態に適用されてもよいし、組み合わせで各実施形態に適用されてもよい。また、各変形例は、各実施形態で説明した構成に代えて適用されてもよいし、各実施形態で説明した構成に対して追加的に適用されてもよい。
【0116】
<3−1.変形例1>
上記実施形態では、画像認識サーバ3の特徴抽出部330が行う特徴量の抽出が、監視装置1の特徴抽出部140と同様に行われる例を説明したが、本技術は係る例に限定されない。例えば、画像認識サーバの特徴抽出部(第2の特徴抽出部)は、監視装置1の特徴抽出部140(第1の特徴抽出部)とは異なる方法で特徴量の抽出を行ってもよい。以下では係る例について、変形例1として
図9を参照して説明する。
【0117】
図9は変形例1に係る画像認識サーバ3−2の構成例を示すブロック図である。なお、
図9に示す各構成のうち、
図4に示した各構成と実質的に同様の構成については同一の符号を付してあるため、説明を省略する。
【0118】
本変形例に係る制御部321は、
図4を参照して説明した制御部320と同様、画像認識サーバ3−2の各構成の動作制御、及び画像認識サーバ3−2の各構成への情報の入出力を制御する。以下、本変形例に係る制御部321が行う制御のうち、
図4を参照して説明した制御部320と異なる点を主に説明する。
【0119】
通信部310が特徴量を受信した場合、本変形例に係る制御部321は、受信した特徴量を第1の顔認証部341へ提供し、当該特徴量を用いた顔認証を行わせる。
【0120】
一方、通信部310が顔画像を受信した場合、本変形例に係る制御部321は、受信された顔画像を特徴抽出部332へ提供し、特徴量の抽出を行わせる。さらに、制御部321は、第2の顔認証部342を制御し、特徴抽出部332により抽出された特徴量を用いた顔認証を行わせる。
【0121】
本変形例に係る特徴抽出部332(第2の特徴抽出部)は、通信部310が顔画像を受信した場合に、顔画像に含まれる顔領域から、顔認証のための特徴量の抽出(取得)を行う。本変形例に係る特徴抽出部332が行う特徴量の抽出の方法は、監視装置1の特徴抽出部140が行う特徴量の抽出の方法とは異なってもよい。例えば、特徴抽出部332は、特徴抽出部140とは異なるアルゴリズムやパラメータにより、特徴量の抽出を行ってもよい。
【0122】
また、係る場合、特徴抽出部332により抽出される特徴量の種別や形式等は特徴抽出部140により抽出される特徴量の種別や形式等とは異なり得る。そのため、画像認識サーバ3−2は、抽出される特徴量に応じた顔認証部(第1の顔認証部341、及び第1の顔認証部342)を有する。
【0123】
なお、特徴抽出部332による特徴量の抽出に係る計算量は、監視装置1の特徴抽出部140による特徴量の抽出に係る計算量よりも大きくてもよい。係る構成によれば、例えば画像認識サーバ3−2の処理性能が監視装置1の処理性能よりも高い場合に、より計算量が大きい代わりに、後段の顔認証がより高精度に行われる特徴量を抽出することが可能となる。
【0124】
本変形例に係る第1の顔認証部341、及び第2の顔認証部342は、
図4を参照して説明した顔認証部340と同様に、顔領域から抽出された特徴量を用いて顔認証を行う。ただし、本変形例に係る第1の顔認証部341が用いる特徴量は、監視装置1の特徴抽出部140により抽出された特徴量、または監視装置1と画像認識サーバ3−2との間で中継を行う中継装置により抽出された特徴量に限られる。また本変形例に係る第2の顔認証部342が用いる特徴量は、特徴抽出部332により抽出された特徴量に限られる。
【0125】
また、上述したように、第1の顔認証部341と、第2の顔認証部342は、顔認証に用いる特徴量が異なり、第2の顔認証部342は、より大きな計算量を要する方法で抽出された特徴量を用いることが可能である。そのため、第1の顔認証部341より、第2の顔認証部342の方が精度の高い顔認証を行うことが可能となり得る。
【0126】
記憶部360は、画像認識サーバ3−2の動作に用いられるプログラム及びデータを記憶する。また、
図9に示すように、記憶部360は、第1の顔認証部341が顔認証を行う際に参照する顔認証DB361、及び第2の顔認証部342が顔認証を行う際に参照する顔認証DB362を記憶してもよい。上述したように、第1の顔認証部341と、第2の顔認証部342は顔認証に用いる特徴量が異なるため、参照するデータベースも異なり得る。
【0127】
なお、上記では画像認識サーバ3−2が行う特徴量の抽出方法について説明したが、第二の実施形態における中継装置が行う特徴量の抽出方法が、監視装置または画像認識サーバが行う特徴量の抽出方法と異なっていてもよい。
【0128】
<3−2.変形例2>
また、画像認識サーバが、より情報量の多い処理結果(例えば顔画像)を受信した場合に、より多様な処理を行うことも可能である。以下では係る例について、変形例2として
図10を参照して説明する。
【0129】
図10は変形例2に係る画像認識サーバ3−3の構成例を示すブロック図である。なお、
図10に示す各構成のうち、
図4に示した各構成と実質的に同様の構成については同一の符号を付してあるため、説明を省略する。
【0130】
本変形例に係る制御部322は、
図4を参照して説明した制御部320と同様、画像認識サーバ3−3の各構成の動作制御、及び画像認識サーバ3−3の各構成への情報の入出力を制御する。以下、本変形例に係る制御部322が行う制御のうち、
図4を参照して説明した制御部320と異なる点を主に説明する。
【0131】
通信部310が特徴量を受信した場合、本変形例に係る制御部322は、上述した制御部320と同様に受信された特徴量を顔認証部340へ提供し、当該特徴量を用いた顔認証を行わせる。
【0132】
また、通信部310が顔画像を受信した場合、本変形例に係る制御部322は、上述した制御部320と同様に受信された顔画像を特徴抽出部330(第2の特徴抽出部)へ提供し、特徴量の抽出を行わせる。さらに、制御部322は、顔認証部340に、当該特徴量を用いた顔認証を行わせる。
【0133】
また、通信部310が顔画像を受信した場合、本変形例に係る制御部322は、さらに後述する特徴抽出部335(第3の特徴抽出部)へ顔画像を提供し、特徴量の抽出を行わせる。さらに、制御部322は、後述する処理部345に、特徴抽出部335が抽出した特徴量を用いた処理を行わせる。
【0134】
特徴抽出部335(第3の特徴抽出部)は、顔領域から、後述する処理部345が行う処理のための特徴量を抽出する。特徴抽出部335が行う特徴量の抽出の方法は、監視装置1の特徴抽出部140が行う特徴量の抽出の方法や、特徴抽出部330が行う特徴量の抽出の方法とは異なってもよい。
【0135】
処理部345は、特徴抽出部335により抽出された特徴量を用いて、処理を行う。処理部345が行う処理は多様であるが、例えば、下記特許文献3に記載されたような、人物の性別、年齢などの属性を推定する処理であってもよい。
【0136】
特許文献3:特開2014−229012号公報
【0137】
係る構成によれば、本変形例に係る画像認識サーバ3−2は、顔画像を受信した場合に、顔認証に加え、さらなる多様な処理を行うことが可能となる。例えば上述したように人物の属性を推定する処理が行われる場合、監視(撮像)される範囲を通過する人物の統計データを得ることが可能であり、例えばマーケティング用途への応用などが可能となる。
【0138】
<<4.ハードウェア構成>>
以上、本発明の各実施形態を説明した。上述した顔検出処理、特徴抽出処理、通信制御処理、顔認証処理等の情報処理は、ソフトウェアと、監視装置1、セキュリティ管理サーバ2、画像認識サーバ3、中継サーバ6のハードウェアとの協働により実現される。以下では、本発明の実施形態に係る情報処理装置である監視装置1、セキュリティ管理サーバ2、画像認識サーバ3、中継サーバ6のハードウェア構成例として、情報処理装置1000のハードウェア構成について説明する。
【0139】
図11は、本発明の実施形態に係る情報処理装置1000のハードウェア構成を示す説明図である。
図11に示したように、情報処理装置1000は、CPU(Central Processing Unit)1001と、ROM(Read Only Memory)1002と、RAM(Random Access Memory)1003と、入力装置1004と、出力装置1005と、ストレージ装置1006と、通信装置1007とを備える。
【0140】
CPU1001は、演算処理装置及び制御装置として機能し、各種プログラムに従って情報処理装置1000内の動作全般を制御する。また、CPU1001は、マイクロプロセッサであってもよい。ROM1002は、CPU1001が使用するプログラムや演算パラメータなどを記憶する。RAM1003は、CPU1001の実行において使用するプログラムや、その実行において適宜変化するパラメータなどを一時記憶する。これらはCPUバスなどから構成されるホストバスにより相互に接続されている。主に、CPU1001、ROM1002及びRAM1003とソフトウェアとの協働により、例えば、制御部120、320〜322、620、顔検出部130、特徴抽出部140、330,332、335、顔認証部340、処理部345等の機能が実現される。
【0141】
入力装置1004は、マウス、キーボード、タッチパネル、ボタン、マイクロフォン、スイッチ及びレバーなどユーザが情報を入力するための入力手段と、ユーザによる入力に基づいて入力信号を生成し、CPU1001に出力する入力制御回路などから構成されている。情報処理装置1000のユーザは、該入力装置1004を操作することにより、情報処理装置1000に対して各種のデータを入力したり処理動作を指示したりすることができる。
【0142】
出力装置1005は、例えば、液晶ディスプレイ(LCD)装置、OLED装置及びランプなどの表示装置を含む。さらに、出力装置1005は、スピーカ及びヘッドホンなどの音声出力装置を含む。例えば、表示装置は、撮像された画像や生成された画像などを表示する。一方、音声出力装置は、音声データなどを音声に変換して出力する。
【0143】
ストレージ装置1006は、データ格納用の装置である。ストレージ装置1006は、記憶媒体、記憶媒体にデータを記録する記録装置、記憶媒体からデータを読み出す読出し装置及び記憶媒体に記録されたデータを削除する削除装置などを含んでもよい。ストレージ装置1006は、CPU1001が実行するプログラムや各種データを格納する。なお、ストレージ装置1006は、記憶部350、360に対応する。
【0144】
通信装置1007は、例えば、通信網に接続するための通信デバイスなどで構成された通信インタフェースである。また、通信装置1007は、無線LAN(Local Area Network)対応通信装置、LTE(Long Term Evolution)対応通信装置、有線による通信を行うワイヤー通信装置、またはブルートゥース(登録商標)通信装置を含んでもよい。なお、通信装置1007は、通信部110、310,610に対応する。
【0145】
<<5.むすび>>
以上説明したように、本発明の実施形態によれば、送信元と送信先との間のセキュリティに関する情報に基づいて、撮像画像に基づく情報の送信を行い、プライバシーを保護することが可能である。
【0146】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【0147】
例えば、上記実施形態では顔領域を含む画像として、顔画像が送信される例を説明したが、本発明は係る例に限定されない。例えば、セキュリティレベルが「高」である場合に、監視装置から撮像画像(顔領域を含む画像の一例)が送信されてもよい。また、係る場合、撮像画像と共に、撮像画像のうち顔領域を指定する情報が監視装置から送信されることで、撮像画像を受信した装置は、顔検出処理を行わなくても、撮像画像から顔領域を特定することが可能である。また、特徴量が送信される場合に、撮像画像の顔領域にモザイク処理が施されたモザイク画像が特徴量と同時に送信されてもよい。
【0148】
また、上記実施形態では、セキュリティレベルを含むセキュリティに関するセキュリティ情報をセキュリティ管理サーバが管理する例を説明したが、本発明は係る例に限定されない。例えば、セキュリティ情報は、監視装置1や中継サーバ6が管理し、記憶してもよい。
【0149】
また、特徴抽出部による特徴量の抽出は、上述した例に限定されず、例えば自動的に設計されるものであってもよい。例えば、顔認証用に学習されて得られたニューラルネットワークにおける特徴抽出を行う部分(例えば畳み込み層、プーリング層等)が特徴抽出部に相当すると解されてもよい。係る場合には、当該ニューラルネットワークにおいて認識処理を行う部分(例えば全結合層)が顔認証部に相当すると解されてもよい。
【0150】
また、上記実施形態では、画像認識サーバが顔認証処理を行う例を説明したが、本発明は係る例に限定されない。例えば、画像認識サーバが他の画像処理、画像認識、画像解析等の処理を行う場合にも上述したような本発明を適用することが可能である。
【0151】
例えば、画像認識サーバは人物追跡を行ってもよい。係る場合、監視装置は顔検出部に代えて、または加えて、人物領域を検出する人物検出部を備えてもよい。また、係る場合、監視装置、中継装置、及び画像認識サーバが有する特徴抽出部は、人物追跡に用いられる特徴量を抽出してもよい。また、係る場合、画像認識サーバは、顔認証部に代えて、または加えて、特徴量に基づいて時系列的に人物の照合、追跡を行う追跡部を備えてもよい。
【0152】
また、画像認識サーバは行動認識を行ってもよい。係る場合、監視装置は顔検出部に代えて、または加えて、人物領域を検出する人物検出部を備えてもよい。また、係る場合、監視装置、中継装置、及び画像認識サーバが有する特徴抽出部は、行動認識に用いられる特徴量を抽出してもよい。また、係る場合、画像認識サーバは、顔認証部に代えて、または加えて、特徴量に基づいて人物の行動を認識する行動認識部を備えてもよい。
【0153】
上記のように、監視装置は画像認識サーバが行う処理に応じた領域を検出する検出部(顔検出部、人物検出部等)を備え、特徴抽出部は当該処理に応じた特徴量を抽出し、画像認識サーバは、当該処理を行う処理部(顔認証部、追跡部、行動認識部等)を備えてよい。
【0154】
また、上記実施形態における各ステップは、必ずしもシーケンス図として記載された順序に沿って時系列に処理される必要はない。例えば、上記実施形態の処理における各ステップは、もシーケンス図として記載した順序と異なる順序で処理されても、並列的に処理されてもよい。
【0155】
また、上記実施形態によれば、CPU1001、ROM1002、及びRAM1003などのハードウェアを、上述した監視装置1、セキュリティ管理サーバ2、画像認識サーバ3、中継サーバ6の各構成と同様の機能を発揮させるためのコンピュータプログラムも提供可能である。また、該コンピュータプログラムが記録された記録媒体も提供される。