(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に、本発明を実施するための形態について図面を用いて説明する。ただし、以下に述べる実施形態には、本発明を実施するために技術的に好ましい種々の限定が付されているが、発明の範囲を以下の実施形態及び図示例に限定するものではない。
【0010】
《情報処理システム1の構成》
まず、
図1を参照して、本実施形態の構成を説明する。
図1は、本実施形態の情報処理システム1の概略構成図である。
【0011】
本実施形態の情報処理システム1は、入力される情報に基づき、所定の商品又は役務を対象とした広告としてのPOPを作成するためのシステムであって、ユーザにより入力される商品又は役務の価格に適したデザインのPOPを作成できるシステムである。
【0012】
図1に示すように、情報処理システム1は、サーバ(情報処理装置)4と、ユーザ端末であるスマートフォンやタブレット端末等の携帯端末2a、2bと、POS(Point Of Sales)端末3a、3bと、印刷装置11と、を備えて構成され、各装置が通信ネットワークNを介して通信接続される。携帯端末2a、2bは、PC(personal computer)等であっても良く、以下の説明ではユーザ端末と記すことがある。
【0013】
なお、携帯端末2a、2b及びPOS端末3a、3bがサーバ4と通信接続するものとしたが、これに限られるものではなく、サーバ4によるサービスの提供を受けるユーザの数に応じて複数のユーザ端末やPOS端末が存在し、それらがサーバ4と通信接続する。また、ユーザ端末を介してサーバ4によるサービス(例えば、後述するPOPデータ作成処理)の提供を受けるユーザと、POS端末を介してサーバ4によるサービス(例えば、売上データの管理)の提供を受けるユーザとは必ずしも共通していなくても良い。
【0014】
サーバ4は、販売促進を目的とする広告データとしてPOPデータを作成し、作成されたPOPデータを管理する。また、サーバ4は、ユーザ端末からの要求に応じて、POPデータを作成するための情報を入力する入力画面5、作成されたPOPデータのプレビュー画面6A、6B等をユーザ端末に配信する。また、サーバ4は、POS端末3a、3bから売上データを収集・集計して管理することで、商品又は役務の市場における平均価格やそれらの価格の標準偏差を算出する。
【0015】
携帯端末2a、2b等のユーザ端末は、サーバ4から送信される各種表示情報を受信して表示し、またユーザの操作入力を受け付けてその操作情報をサーバ4へ送信する。
【0016】
POS端末3a、3bは、ユーザが経営又は所属する店舗等で売上登録処理(顧客の購入商品の売上個数、売上金額等の登録等)を行うとともに、売上登録により蓄積された売上データを1日の終了時にサーバ4へ送信する。
【0017】
印刷装置11は、電子写真式、インクジェット式等の家庭用又は業務用プリンタであって、入力される印刷指示に応じて、POPデータ等を用紙上にプリントしてPOP等を作成する。
【0018】
通信ネットワークNは、インターネットにより構成されているものとするが、LAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)等を含めても良く、電話回線、専用線、移動体通信網、通信衛星網、CATV(Cable Television)回線等を含めても良い。
【0019】
また、情報処理システム1は、各種ユーザ端末で利用される他のアプリケーションプログラムを実行可能なように構成されていても良い。当該アプリケーションプログラムとしては、例えば、店舗等の日別・月別の売上集計や分析を行う売上管理業務や、固定資産税や個人事業税等の納税処理を行う会計管理業務や、従業員の給与計算の処理を行う給与管理業務や、店舗等の人員シフトの管理と従業員の勤怠管理の処理を行う就業管理業務や、関連事業者や従業員への通達文書の作成・管理を行う文書管理業務等を行うものが挙げられ、これらが実行可能とされていることで、情報処理システム1が経営支援システムとして機能するものとしても良い。
【0020】
《サーバ4の構成》
次いで、サーバ4の内部構成を説明する。
図2に、サーバ4の内部構成を示す。また、
図3に、記憶部45に記憶されるデータテーブルの一例を示す。なお、
図3には、POPデータ構成要素のうちレイアウトについて設定された高級感度を示しているが、他のPOPデータ構成要素についても同様にそれぞれ高級感度が設定されているものである。
【0021】
図2に示すように、サーバ4は、CPU(Central Processing Unit)41と、操作入力部42と、RAM(Random Access Memory)43と、サーバ表示部44と、記憶部45と、通信部46と、計時部47と、を備えて構成され、各部がバス48を介して接続されている。
【0022】
CPU41は、記憶部45に記憶されているシステムプログラムを読み出し、RAM43のワークエリアに展開し、当該システムプログラムに従って各部を制御する。また、CPU41は、記憶部45に記憶されている処理プログラムを読み出してワークエリアに展開し、後述するPOPデータ作成処理等のサーバ4側の処理を始めとする各種処理を実行し、選択手段、作成手段及び取得手段として機能する。
【0023】
操作入力部42は、カーソルキー、文字、数字入力キー及び各種機能キー等を備えたキーボードを含む構成とし、ユーザによる各キーの押下入力を受け付けてその操作情報をCPU41に出力する。また、操作入力部42は、マウス等のポインティングデバイスを含み、位置入力を受け付けて操作情報としてCPU41に出力することとしても良い。
【0024】
RAM43は、揮発性のメモリーである。また、RAM43は、実行される各種プログラムやこれら各種プログラムに係るデータ等を格納するワークエリアを有する。
【0025】
サーバ表示部44は、LCD(Liquid Crystal Display)、CRT(Cathode Ray Tube)等で構成され、CPU41からの表示制御信号に従って画面表示を行う。
【0026】
記憶部45は、磁気記録媒体を有するHDD(Hard Disk Drive)等により構成される。記憶部45には、CPU41で実行されるシステムプログラムや処理プログラム、Webサーバプログラム等のアプリケーションプログラム、これらのプログラムの実行に必要なデータ等が記憶されている。処理プログラムには、後述するPOPデータ作成処理等のサーバ4側の処理を始めとする各種処理を実行するためのプログラムが含まれる。
これらのプログラムは、コンピュータ読み取り可能なプログラムコードの形態で記憶部45に格納されている。CPU41は、当該プログラムコードに従った動作を逐次実行する。
【0027】
また、記憶部45は、POPデータ作成処理等に用いられる各種データをあらかじめ記憶する。すなわち、記憶部45は、例えば、POPデータのレイアウト、POPデータに含まれるアイキャッチ、書体、背景、フォント色、テクスチャ、イラスト等のPOPデータ構成要素(広告データ構成要素)を記憶する。また、記憶部45は、ユーザが経営又は所属する店舗又は会社の業種・業態等を含むユーザ情報等を記憶する。記憶部45に記憶されるPOPデータ構成要素は、入力画面5に入力される情報(商品の名称、キャッチコピー及び画像データ)から導き出される単語や配色、ユーザ情報に含まれる業種・業態、計時部47により特定される季節・イベント等と各々対応付けられている。
【0028】
また、記憶部45は、記憶されるPOPデータ構成要素ごとにあらかじめ対応付けて設定されている高級感度を、
図3に示すようなデータテーブルとして記憶する。高級感度は、そのPOPデータ構成要素が加わることによりPOPデータ全体から感じられる高級感の変動度合いを示す指標であって、高級感度の値が高いほど、そのPOPデータ構成要素を用いて作成されるPOPデータ全体から感じられる高級感が高まりやすい。高級感度が高いPOPデータ構成要素としては、例えば、画像が含まれないレイアウト、比較的暗い色調のフォント色や背景、複雑な模様が含まれる背景やイラスト等が挙げられ、
図3に示す例においては、「2」や「1」の高級感度が設定されたレイアウトA〜Cが該当する。また、高級感度が低いPOPデータ構成要素としては、例えば、画像が多く含まれるレイアウト、淡色系のフォント色や背景、シンプルな模様が含まれる背景やイラスト等が挙げられ、
図3に示す例においては、「0」の高級感度が設定されたレイアウトDが該当する。
【0029】
また、記憶部45は、POPデータ作成処理等においてユーザにより入力される各種データを記憶する。すなわち、記憶部45は、例えば、入力画面5で入力される画像データ、過去に作成されたPOPデータの作成履歴等を記憶する。
【0030】
また、記憶部45は、POS端末3a、3bから収集・集計された、POS端末を利用するユーザごとの売上データファイルを記憶する。当該売上データファイルには、POS端末を利用するユーザが経営又は所属する店舗等の業種・業態等のユーザ情報も含まれる。また、当該売上データファイルは、POS端末3a、3bから受信される売上データにより適宜更新される。
【0031】
通信部46は、モデム、TA(Terminal Adapter)、ルータ、ネットワークカード等により構成される。通信部46は、通信ネットワークN上のユーザ端末やPOS端末等の外部機器と通信接続してデータ送受信を行う。
【0032】
計時部47は、計時回路を内蔵し、現在の時刻及び日付を計時して現在の時刻情報として出力する。
【0033】
《携帯端末2aの構成》
次いで、携帯端末2aを例にとってユーザ端末の内部構成を説明する。
図4に、携帯端末2aの内部構成を示す。
【0034】
図4に示すように、携帯端末2aは、CPU21と、操作入力部22と、RAM23と、端末表示部24と、記憶部25と、通信部26と、計時部27と、を備えて構成され、各部がバス28を介して接続されている。
なお、携帯端末2bも略同様に構成されている。
【0035】
CPU21、操作入力部22、RAM23、端末表示部24、記憶部25、通信部26、計時部27は、それぞれ、サーバ4のCPU41、操作入力部42、RAM43、サーバ表示部44、記憶部45、通信部46、計時部47の構成と同様であり、異なる部分を主として説明する。
【0036】
CPU21は、記憶部25に記憶されているシステムプログラムを読み出し、RAM23のワークエリアに展開し、当該システムプログラムに従って各部を制御する。また、CPU21は、記憶部25に記憶されている処理プログラムを読み出してワークエリアに展開し、後述するPOPデータ作成処理等の携帯端末2a側の処理を始めとする各種処理を実行する。
【0037】
記憶部25は、磁気記録媒体を有するHDD等により構成される。記憶部25には、CPU21で実行されるシステムプログラムや処理プログラム、Webブラウザ等のアプリケーションプログラム、これらのプログラムの実行に必要なデータ等が記憶されている。当該処理プログラムには、後述するPOPデータ作成処理等の携帯端末2a側の処理を始めとする各種処理を実行するためのプログラムが含まれる。
【0038】
通信部26は、通信ネットワークN上のサーバ4等の外部機器と通信を行う。
【0039】
《サーバ4の動作》
上記のように構成されるサーバ4の動作について、
図5〜
図9を参照して説明する。
図5は、POPデータ作成処理の一例を示すフローチャートである。
図6は、端末表示部24に表示される情報入力前の入力画面5を示す図である。
図7は、端末表示部24に表示される情報入力後の入力画面5を示す図である。
図8は、入力された価格が高額である場合に端末表示部24に表示されるプレビュー画面6Aの一例を示す図である。
図9は、入力された価格が高額でない場合又は価格が入力されない場合に端末表示部24に表示されるプレビュー画面6Bの一例を示す図である。
【0040】
サーバ4は、ユーザ端末を介してユーザにより入力されたテキストや画像データに基づき、対象の商品又は役務を紹介するPOPデータを複数種作成するPOPデータ作成処理を行うよう構成されている。
【0041】
具体的には、
図5に示すように、サーバ4のCPU41は、ユーザ端末よりPOPデータ作成用のプログラムの実行が要求されたときに、
図6に示す入力画面5を端末表示部24に表示させる(ステップS101)。入力画面5は、POPデータの作成に必要な情報を入力する画面である。当該必要な情報としては、作成するPOPデータにて紹介する対象の商品の名称(商品名)、対象の商品の価格、対象の商品のキャッチコピー及び対象の商品の画像データであり、これらのうち対象の商品の名称及び画像データの少なくとも一方が、本実施形態において対象の商品を特定する特定情報を構成する。したがって、入力画面5には、それらの各情報を入力するための入力欄として、商品名入力欄51、価格入力欄52、キャッチコピー入力欄53及び画像データ入力欄54が設けられている。ユーザにより価格入力欄52に価格が入力されることで、CPU41は、POPデータに載せる商品の価格の入力を受け付ける。また、入力画面5には、各入力欄51〜54の他に、紹介する商品をPOPデータに追加する際に選択される商品追加ボタン55、情報入力後POPデータを作成する際に選択される作成ボタン56、入力画面5の表示を終了する際に選択されるキャンセルボタン57、キャッチコピー入力の参考となる情報(例えば、キャッチコピーのサンプルやトレンドワード等)を表示する際に選択される参考ボタン58等が設けられている。
【0042】
入力画面5において、ユーザにより商品追加ボタン55が選択されると、入力画面5に商品名入力欄51、価格入力欄52、キャッチコピー入力欄53及び画像データ入力欄54が各一つずつ追加される。ユーザにより、追加された各入力欄51〜54に情報が入力されることで、CPU41は、二種の商品の紹介が含まれたPOPデータを作成することができる。よって、商品追加ボタン55が複数回選択され、各入力欄51〜54に情報が入力されることで、CPU41は、複数種の商品の紹介が含まれたPOPデータを作成することができる。
【0043】
なお、入力画面5の各入力欄51〜54には、一つの商品について少なくとも特定情報、すなわち対象商品の商品名及び画像データの少なくとも一方が入力されていれば良いが、入力される情報が多いほど作成されるPOPデータの精度が向上するため、各入力欄51〜54の全てに情報が入力されることが好ましい。
【0044】
次に、
図5に示すように、CPU41は、入力が完了したか否かを判定する(ステップS102)。具体的には、例えば、CPU41は、ユーザにより少なくとも商品名入力欄51に対象商品の商品名が入力されるか、又は画像データ入力欄54に対象商品の画像データが入力された上で、作成ボタン56が選択された場合に、入力が完了したと判定する。
【0045】
入力が完了したと判定されると(ステップS102;YES)、CPU41は、価格入力欄52に対象の商品の価格が入力されているか否かを判定する(ステップS103)。入力が完了していないと判定されると(ステップS102;NO)、CPU41は、再びステップS102の処理を行う。
【0046】
対象の商品の価格が入力されていないと判定されると(ステップS103;NO)、CPU41は、商品名入力欄51、キャッチコピー入力欄53及び画像データ入力欄54に入力された情報(以下、入力情報ともいう)に基づき、POPデータ構成要素を選択する(ステップS107)。
【0047】
具体的には、CPU41は、入力された商品名、キャッチコピー及び画像データに適したレイアウト、フォント色、書体、背景、テクスチャ、イラスト、アイキャッチ等の各POPデータ構成要素を記憶部45から選択する。
【0048】
商品名入力欄51やキャッチコピー入力欄53に商品名やキャッチコピーのテキストが入力されている場合には、CPU41は、入力されたテキストを形態素解析し、当該テキストに含まれる単語を抽出する。そして、CPU41は、抽出された単語にそれぞれ対応付けられたPOPデータ構成要素を記憶部45から選択する。
例えば、
図7に示すように、商品名入力欄51に「ゆず塩ラーメン」が入力された場合には、CPU41はこれを形態素解析して、「ゆず」、「塩」及び「ラーメン」の単語を抽出する。そして、CPU41は、例えば、「ゆず」の単語に対応付けられた黄色や緑色のフォント色、柚子のイラスト等のPOPデータ構成要素を選択する。また、例えば、「ラーメン」の単語に対応付けられた、ラーメンの紹介に適したレイアウト等のPOPデータ構成要素を選択する。
【0049】
また、画像データ入力欄54に商品の画像データが入力されている場合には、CPU41は、入力された画像データに対して画像解析を行い、例えば、当該画像データを構成する配色や、当該画像データが示す商品の名称(単語)等を特定する。CPU41は、画像解析結果により導き出される配色や単語に対応付けられたPOPデータ構成要素を記憶部45から選択する。
例えば、
図7に示すように、画像データ入力欄54に「ラーメン」の画像データが入力された場合には、CPU41はこれを画像解析して、その画像データの配色や、画像データが示す商品の名称である「ラーメン」の単語を特定する。そして、特定された配色に対応付けられたフォント色や背景等のPOPデータ構成要素を選択したり、「ラーメン」の単語に対応付けられた、ラーメンの紹介に適したレイアウト等のPOPデータ構成要素を選択したりする。
【0050】
また、CPU41は、入力画面5に入力された情報だけでなく、さらに、記憶部45にユーザ情報として記憶されるユーザの業種・業態や、計時部47により特定される現在の季節・イベントに基づいて、POPデータ構成要素を選択しても良い。具体的には、ユーザの業種・業態が例えば「中華料理店」を示す場合には、「中華料理店」の業種・業態に対応付けられた赤色のフォント色や、赤色を基調とした背景等のPOPデータ構成要素を選択する。また、計時部47により特定される季節・イベントが例えば「春」や「夏」である場合には、「春」や「夏」の季節・イベントに対応付けられた暖色系のフォント色等のPOPデータ構成要素を選択する。また、計時部47により特定される季節・イベントが例えば「クリスマス」である場合には、「クリスマス」の季節・イベントに対応付けられたイラスト等のPOPデータ構成要素を選択する。
【0051】
図5に示すように、対象商品の価格が入力されていると判定されると(ステップS103;YES)、CPU41は、対象商品の基準価格を取得する(ステップS104)。基準価格は、対象商品の提供者とは異なる提供者により提供される商品の価格が母集団に含まれるように導出される。具体的には、CPU41は、POS端末3a、3bから収集・集計され、記憶部45に記憶される売上データファイルに基づき、商品名入力欄51に入力された名称、又は画像データ入力欄54に入力された画像データを画像解析して特定される名称の商品の市場における平均価格及び当該商品の価格の標準偏差を算出する。ここで算出する平均価格及び標準偏差は、記憶部45に記憶される売上データファイルにおいて共通する業種・業態における対象商品の価格の平均価格及び標準偏差である。これにより、例えばスーパーマーケットで販売される「ラーメン」と中華料理店で提供される「ラーメン」とを区別して、平均価格及び標準偏差を算出することができ、より正確な市場価格を取得することができる。そして、CPU41は、算出された平均価格に標準偏差を足し合わせた額を基準価格として取得する。
【0052】
次に、CPU41は、ステップS104で取得された対象商品の基準価格に基づき、入力された価格が高額であるか否かを判定する(ステップS105)。具体的には、CPU41は、入力された価格が、基準価格以上である場合に、高額であると判定する。
【0053】
入力された価格が高額でないと判定されると(ステップS105;NO)、CPU41は、上記したステップS107の処理を行う。
【0054】
一方、入力された価格が高額であると判定されると(ステップS105;YES)、CPU41は、入力情報に基づき、高級感度が所定値以上のPOPデータ構成要素を選択する(ステップS106)。これにより、CPU41は、POPデータの態様を、価格入力欄52にてユーザによる入力を受け付けた価格に対応した態様に設定することができる。具体的には、CPU41は、上記ステップS107の処理と同様にして、商品名入力欄51又はキャッチコピー入力欄53に入力されるテキストを形態素解析したり、画像データ入力欄54に入力される画像データを画像解析したりすることで、入力情報から単語や配色を導き出す。そして、導き出された単語や配色に対応付けられたPOPデータ構成要素の中から、高級感度が所定値以上のものを選択する。例えば、入力情報から導き出された単語や配色に対応付けられたPOPデータ構成要素に
図3に示すレイアウトA〜Dが含まれ、かつ所定値が「1」に設定されている場合には、CPU41は、高級感度が「2」や「1」のレイアウトA〜Cを選択する。これにより、入力価格が基準価格以上である場合に、入力価格が基準価格よりも低い場合に比べて、高級感度が高いPOPデータ構成要素を選択する確率が高くなる。
【0055】
次に、CPU41は、ステップS106又はS107の処理にて選択されたPOPデータ構成要素を記憶部45から取得し、それらを入力画面5で入力された情報と組み合わせて複数種のPOPデータを作成する(ステップS108)。なお、選択されたPOPデータ構成要素の数が、作成するPOPデータの数に対して多い場合には、選択されたPOPデータ構成要素の中から必要数をランダムで選択するものとしても良い。
【0056】
次に、CPU41は、作成された複数種のPOPデータを端末表示部24に表示させる(ステップS109)。具体的には、ステップS106にて高級感度が所定値以上のPOPデータ構成要素が選択された場合には、
図8に示すプレビュー画面6Aが端末表示部24に表示され、ステップS107にてPOPデータ構成要素が選択された場合には、
図9に示すプレビュー画面6Bが端末表示部24に表示される。すなわち、ユーザにより入力される価格が市場価格と比べて高額である場合には、画像が含まれないレイアウト等、高級感度が所定値以上のPOPデータ構成要素が用いられた
図8に示すようなPOPデータが作成される。そして、当該POPデータは、ユーザにより入力される価格が市場価格と比べて高額でない場合に作成される、
図9に示すようなPOPデータよりも高級感のあるデザインであり、対象商品の価格に適したデザインのPOPデータを作成することができる。
【0057】
また、CPU41は、プレビュー画面6A又6Bにおいて、ステップS108にて作成される複数種のPOPデータを、過去に作成されたPOPデータの作成履歴に基づいて一つずつ順番に端末表示部24に表示する。すなわち、過去に作成されたPOPデータにおいて、例えば特定のレイアウトや書体が高い頻度で使用されている場合には、当該レイアウトや書体を使用したPOPデータを優先的に端末表示部24に表示させる。CPU41は、POPデータが端末表示部24に表示された状態で、ユーザによりスワイプ操作やタップ操作等が行われることで、他のPOPデータを端末表示部24に順次表示させる。
【0058】
以上のようにしてPOPデータ作成処理を行う。
【0059】
なお、上記プレビュー画面6A又は6BにいずれかのPOPデータが表示された状態でユーザにより決定ボタン61が選択された場合に、CPU41は、当該POPデータを選択する。一方で、ユーザにより戻るボタン62が選択された場合には、CPU41は、端末表示部24に再び入力画面5を表示させる。CPU41は、POPデータを選択した後、当該POPデータを完成版として記憶部45に記憶させても良いし、ユーザにより所定の操作がなされた場合には、当該POPデータの編集画面(図示略)を端末表示部24に表示させるものとしても良い。これにより、当該POPデータに含まれる各POPデータ構成要素を更にユーザの所望に応じて変更し、変更後の、よりユーザの好みに近いPOPデータを完成版として記憶部45に記憶させることができる。
【0060】
また、CPU41は、上記作成された完成版のPOPデータについてユーザ端末から印刷の実行が要求された場合には、通信部46を介して当該POPデータを印刷装置11に出力し、印刷装置11に印刷させるものとしても良い。
【0061】
《本実施形態の技術的効果》
本実施形態によれば、サーバ4が、所定の商品を対象としたPOPを作成する際にPOPに載せる商品の価格の入力を受け付け、POPの態様を入力を受け付けた価格に対応した態様に設定するCPU41を備え、CPU41が、当該商品の提供者とは異なる提供者により提供される商品の価格が母集団に含まれるように導出された基準価格との相対比較結果に基づいて、POPの態様を設定するので、対象の商品の価格に適したデザインのPOPを作成することができる。
【0062】
また、本実施形態によれば、対象の商品の販売促進を目的としたPOPデータを作成するサーバ4が、ユーザにより入力される対象の商品を特定する特定情報及び対象の商品の価格に基づき、POPデータを構成するPOPデータ構成要素を選択し、選択されるPOPデータ構成要素を取得して、ユーザにより入力される特定情報及び価格と組み合わせることでPOPデータを作成し、特定情報に基づき特定される対象の商品について基準価格を取得するCPU41と、を備え、CPU41が、ユーザにより入力される価格が基準価格以上である場合に、当該価格が基準価格よりも低い場合に比べて、あらかじめPOPデータ構成要素と対応付けて設定されている高級感度が高いPOPデータ構成要素を選択するので、対象の商品の価格に適したデザインのPOPを作成することができる。
【0063】
また、CPU41が、対象の商品の市場における平均価格に基づき基準価格を取得するので、より対象の商品の価格に適したデザインのPOPを作成することができる。
【0064】
また、CPU41が、対象の商品の市場における平均価格及びその標準偏差に基づき基準価格を取得するので、より対象の商品の価格に適したデザインのPOPを作成することができる。
【0065】
《その他》
なお、上記実施形態における記述は、本発明に係る好適な情報処理装置の一例であり、これに限定されるものではない。
【0066】
例えば、上記した実施形態では、サーバ4は、各種データを記憶部45に記憶し、各種表示画面を端末表示部24に表示させるものとしたが、これに限られるものではない。例えば、サーバ4が、各種データを記憶部45に記憶し、各種表示画面をサーバ表示部44に表示させるように構成されていても良い。また、携帯端末2aが、各種データを記憶部25に記憶し、各種表示画面を端末表示部24に表示するように構成されていても良く、この場合には携帯端末2a自体が情報処理装置として機能する。
【0067】
また、上記した実施形態では、POPデータ構成要素と、あらかじめPOPデータ構成要素と対応付けて設定されている高級感度とが記憶部45に記憶されているものとしたが、これに限られるものではない。例えば、それらがサーバ4の外部装置にあらかじめ記憶され、CPU41が必要に応じて当該外部装置にアクセスしてそれらを取得するものとしても良い。
【0068】
また、上記した実施形態では、CPU41が、入力価格と、対象の商品の提供者とは異なる提供者により提供される商品の価格が母集団に含まれるように導出された基準価格との相対比較結果に基づいて、POPの態様を設定するものとしたが、これに限られるものではない。
例えば、基準価格は、対象の商品と同様な商品であって対象の商品の提供者とは異なる提供者により提供される商品の価格が母集団に含まれるように導出されるものであっても良い。したがって、例えば入力された商品名が「ゆず塩ラーメン」である場合、「ゆず塩ラーメン」だけでなく、当該商品名を形態素解析して抽出された単語のうち「ラーメン」を必須として、「塩ラーメン」や「ゆずラーメン」の価格を母集団に含めても良いし、「ラーメン」の価格を母集団に含めても良い。この場合、商品名を形態素解析して抽出される単語のうちいずれを必須とするかは、あらかじめ定められているものとしても良い。
また、例えば、対象の商品と同様な商品であって対象の商品の提供者とは異なる提供者により提供される商品の価格が母集団に含まれるように、対象商品の市場における価格に対する入力価格の偏差値を導出し、導出された偏差値に基づいて、POPの態様を設定するものとしても良い。これにより、より対象の商品の価格に適したデザインのPOPを作成することができる。
【0069】
また、上記した実施形態では、CPU41が、算出された平均価格に標準偏差を足し合わせた額を基準価格として取得するものとしたが、これに限られるものではない。
例えば、CPU41が、算出された平均価格に所定値を足し合わせたり、掛け合わせたりして算出される額を基準価格として取得するものとしても良い。また、例えば、商品名ごとにあらかじめ設定された基準価格が記憶部45に記憶され、CPU41がこれを取得するものとしても良いし、ユーザにより商品名ごとに設定された基準価格が記憶部45に記憶され、CPU41がこれを取得するものとしても良い。
また、例えば、CPU41が、段階的に値が異なる複数の基準価格を取得するものとしても良い。この場合には、ユーザにより入力された価格が、複数の基準価格のうちいずれの基準価格を越えているかに応じて、高級感度の異なるPOPデータ構成要素を段階的に選択するものとしても良い。例えば、入力価格が第1の基準価格以上である場合には高級感度「1」のPOPデータ構成要素を選択し、入力価格が第1の基準価格よりも高い第2の基準価格以上である場合には高級感度「2」のPOPデータ構成要素を選択するようにしても良い。
【0070】
また、上記した実施形態では、サーバ4が、POS端末3a、3bと通信接続し、POS端末3a、3bから収集・集計した売上データを管理することで、対象商品の平均価格及び対象商品の価格の標準偏差を算出するものとしたが、これに限られるものではない。例えば、サーバ4がPOS端末3a、3bと通信接続せず、外部サーバ(図示略)にアクセスして対象商品の平均価格や対象商品の価格の標準偏差を取得するものとしても良い。
【0071】
また、上記した実施形態では、CPU41が対象商品の市場における平均価格を算出するものとしたが、これに限られるものではない。例えば、CPU41は、地域ごとの市場における平均価格を算出するものとしても良い。この場合には、例えば、ユーザの経営又は所属する店舗等が存在する地点から半径所定距離範囲内の地域における平均価格を算出するものとしても良いし、ユーザの経営又は所属する店舗等が存在する都道府県や地方における平均価格を算出するものとしても良い。
【0072】
また、上記した実施形態では、入力価格が高額であると判定された場合、CPU41が、入力情報から導き出される単語や配色等に対応付けられるPOPデータ構成要素の中から、高級感度が所定値以上のものを選択するものとしたが、これに限られるものではない。例えば、CPU41は、高級感度が所定値以上のPOPデータ構成要素の中から、入力情報から導き出される単語や配色等に対応付けられるものを選択するものとしても良い。また、例えば、CPU41は、高級感度が所定値以上のPOPデータ構成要素が選択される確率を重み付けした上で、入力情報から導き出される単語や配色等に対応付けられるPOPデータ構成要素からランダムでPOPデータ構成要素を選択するものとしても良い。
【0073】
また、上記した実施形態では、作成された複数種のPOPデータをプレビュー画面6A又は6Bにおいて一つずつ順番に表示されるものとしたが、これに限られるものではなく、例えば、作成された複数種のPOPデータが複数ずつ順番に表示されるものとしても良いし、一覧表示されるものとしても良い。
【0074】
また、上記した実施形態では、入力画面5に商品に関する情報を入力し、当該商品を紹介するPOPデータを作成するものとしたが、これに限られるものではなく、例えば、入力画面5に役務に関する情報を入力し、当該役務を紹介するPOPデータを作成するものとしても良い。
【0075】
また、上記した実施形態では、本発明に係るプログラムのコンピュータ読み取り可能な媒体としてハードディスクや半導体の不揮発性メモリー等を使用した例を開示したが、この例に限定されない。その他のコンピュータ読み取り可能な媒体として、CD−ROM等の可搬型記録媒体を適用することが可能である。また、本発明に係るプログラムのデータを通信回線を介して提供する媒体として、キャリアウェーブ(搬送波)も適用される。
【0076】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、本発明の範囲は、上述の実施の形態に限定するものではなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲とその均等の範囲を含む。
以下に、この出願の願書に最初に添付した特許請求の範囲に記載した発明を付記する。付記に記載した請求項の項番は、この出願の願書に最初に添付した特許請求の範囲の通りである。
〔付記〕
<請求項1>
所定の商品又は役務を対象とした広告を作成する際に前記広告に載せる商品又は役務の価格の入力を受け付ける受付手段と、
前記広告の態様を前記受付手段により入力を受け付けた価格に対応した態様に設定する設定手段と、
を備え、
前記設定手段は、前記商品又は役務と同様な商品又は役務であって前記商品又は役務の提供者とは異なる提供者により提供される商品又は役務の価格が母集団に含まれるように導出された基準価格との相対比較結果に基づいて、前記広告の態様を設定することを特徴とする情報処理装置。
<請求項2>
所定の商品又は役務を対象とした広告を作成する際に前記広告に載せる商品又は役務の価格の入力を受け付ける受付手段と、
前記広告の態様を前記受付手段により入力を受け付けた価格に対応した態様に設定する設定手段と、
を備え、
前記設定手段は、前記商品又は役務と同様な商品又は役務であって前記商品又は役務の提供者とは異なる提供者により提供される商品又は役務の価格が母集団に含まれるように導出された価格の偏差値に基づいて、前記広告の態様を設定することを特徴とする情報処理装置。
<請求項3>
対象の商品又は役務の販売促進を目的とした広告データを作成する情報処理装置であって、
ユーザにより入力される前記対象の商品又は役務を特定する特定情報及び前記対象の商品又は役務の価格に基づき、前記広告データを構成する広告データ構成要素を選択する選択手段と、
前記選択手段により選択される前記広告データ構成要素を取得して、ユーザにより入力される前記特定情報及び前記価格と組み合わせることで前記広告データを作成する作成手段と、
前記特定情報に基づき特定される前記対象の商品又は役務について基準価格を取得する取得手段と、を備え、
前記選択手段は、ユーザにより入力される前記価格が前記基準価格以上である場合に、前記価格が前記基準価格よりも低い場合に比べて、あらかじめ前記広告データ構成要素と対応付けて設定されている高級感度が高い前記広告データ構成要素を選択することを特徴とする情報処理装置。
<請求項4>
前記取得手段は、前記対象の商品又は役務の市場における平均価格に基づき前記基準価格を取得することを特徴とする請求項3に記載の情報処理装置。
<請求項5>
前記取得手段は、前記対象の商品又は役務の市場における平均価格及びその標準偏差に基づき前記基準価格を取得することを特徴とする請求項3又は4に記載の情報処理装置。
<請求項6>
対象の商品又は役務の販売促進を目的とした広告データを作成する情報処理装置であって、
ユーザにより入力される前記対象の商品又は役務を特定する特定情報及び前記対象の商品又は役務の価格に基づき、前記広告データを構成する広告データ構成要素を選択する選択手段と、
前記選択手段により選択される前記広告データ構成要素を取得して、ユーザにより入力される前記特定情報及び前記価格と組み合わせることで前記広告データを作成する作成手段と、
前記特定情報に基づき特定される前記対象の商品又は役務について基準価格を取得する取得手段と、を備え、
前記選択手段は、ユーザにより入力される前記価格が前記基準価格以上である場合に、前記価格が前記基準価格よりも低い場合に比べて、あらかじめ前記広告データ構成要素と対応付けて設定されている高級感度が高い前記広告データ構成要素を選択する確率を高くすることを特徴とする情報処理装置。