特許第6862947号(P6862947)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6862947情報処理装置、電気治療器、システムおよびプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6862947
(24)【登録日】2021年4月5日
(45)【発行日】2021年4月21日
(54)【発明の名称】情報処理装置、電気治療器、システムおよびプログラム
(51)【国際特許分類】
   A61N 1/36 20060101AFI20210412BHJP
【FI】
   A61N1/36
【請求項の数】6
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2017-49571(P2017-49571)
(22)【出願日】2017年3月15日
(65)【公開番号】特開2018-149237(P2018-149237A)
(43)【公開日】2018年9月27日
【審査請求日】2020年1月20日
(73)【特許権者】
【識別番号】503246015
【氏名又は名称】オムロンヘルスケア株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】特許業務法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】渡邉 由依
(72)【発明者】
【氏名】鮫島 充
(72)【発明者】
【氏名】田畑 信
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 哲也
(72)【発明者】
【氏名】高松 昇三
【審査官】 宮崎 敏長
(56)【参考文献】
【文献】 特開平07−088197(JP,A)
【文献】 特開平06−327745(JP,A)
【文献】 特開2009−232967(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61N 1/26
A61N 1/32 − A61N 1/36
A61H 23/02
A61H 39/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気治療器を制御するための制御情報を生成する情報処理装置であって、
前記情報処理装置を制御する制御部を備え、
前記制御部は、
押圧体による押圧力の変化を、生体への刺激レベルを示す刺激波形に変換する圧力変換部と、
前記押圧体にかかる時系列の加速度成分の変化から、当該押圧体の移動方向と移動距離を検出し、検出された移動方向と移動距離に基づき前記生体における押圧部位を取得する部位取得部と、を含み、前記加速度成分は、互いに直交する各軸の方向にかかる加速度成分を含み、
取得される前記押圧部位に、当該押圧部位における前記押圧力の変化に対応した前記刺激波形を関連付けて前記制御情報を生成する、情報処理装置。
【請求項2】
前記電気治療器は、
生体に接触可能であって、印加される電圧に応じた電流を前記生体に出力するよう構成される電極部を有し、
前記刺激波形は、前記電圧の波形を含む、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記電気治療器は、
前記生体に接触可能に構成される熱電変換素子を含み、
前記制御部は、さらに、
前記押圧体の温度を測定する温度センサの出力から、前記熱電変換素子に印加される電圧の波形を取得する温度取得部を含み、
取得される前記押圧部位に、当該押圧部位における前記押圧力の変化に対応した前記刺激波形と前記熱電変換素子に印加される電圧の波形とを関連付けて前記制御情報を生成する、請求項1または2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか1項に記載の情報処理装置を備える、電気治療器。
【請求項5】
電気治療器と、
前記電気治療器を制御する制御情報を生成する情報処理装置と、を備え、
前記情報処理装置は、
押圧体による押圧力の変化を、生体への刺激レベルを示す刺激波形に変換する圧力変換部と、
前記押圧体にかかる時系列の加速度成分の変化から、当該押圧体の移動方向と移動距離を検出し、検出された移動方向と移動距離に基づき前記生体における押圧部位を取得する部位取得部と、を含み、前記加速度成分は、互いに直交する各軸の方向にかかる加速度成分を含み、
取得される前記押圧部位に、当該押圧部位における前記押圧力の変化に対応した前記刺激波形を関連付けて前記制御情報を生成する、システム。
【請求項6】
電気治療器を制御する制御情報を生成する方法をコンピュータに実行させるためのプログラムであって、
前記方法は、
押圧体による押圧力の変化を、生体への刺激レベルを示す刺激波形に変換するステップと、
前記押圧体にかかる時系列の加速度成分の変化から、当該押圧体の移動方向と移動距離を検出し、検出された移動方向と移動距離に基づき前記生体における押圧部位を取得するステップと、前記加速度成分は、互いに直交する各軸の方向にかかる加速度成分を含み、
取得される前記押圧部位に、当該押圧部位における前記押圧力の変化に対応した前記刺激波形を関連付けて前記制御情報を生成するステップと、を備える、プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、情報処理装置、電気治療器、システムおよびプログラムに関し、特に、身体への電気治療に関する情報を処理する情報処理装置、電気治療器、システムおよびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
圧力センサの出力から指圧等の波形を生成し、生成された波形を用いて電気治療器を制御する技術が提案されている。例えば、特許文献1(特開平7−88197号公報)の低周波治療器では、CPUは圧力センサにかかる圧力の強弱および圧力のパターンを検出し、低周波パルスを制御するための情報としてメモリに保存し記憶を行う。
【0003】
また、特許文献2(特開平9−135910号公報)の低周波治療器は、感圧素子を押圧して波形を入力し、この入力波形(即ち押圧力)に応じて刺激波形を出力する。
【0004】
また、特許文献3(特開平9−135909号公報)の低周波治療器の制御部は、入力された波形、あるいは波形記憶部から読出した波形に応じた、例えば、モム、タタク等の刺激波形を生成し、出力する。
【0005】
また、特許文献4(特開平9−75464号公報)の低周波治療器は、手の指等による圧力に応じた強さ、幅の信号を発生するコントローラを備え、コントローラに指により圧力を加えると、その圧力に応じた低周波がケース本体内で発生され、導子電極に印加される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平7−88197号公報
【特許文献2】特開平9−135910号公報
【特許文献3】特開平9−135909号公報
【特許文献4】特開平9−75464号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
電気治療器のユーザは、施術者による施術内容を忠実に再現した治療内容を受けたいとの要望がある。
【0008】
本開示は、上記のような実情に鑑みてなされたものであって、ある局面における目的は、施術者による施術内容の高い再現性を可能にする情報処理装置、電気治療器、システムおよびプログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この開示にかかる情報処理装置は、電気治療器を制御するための制御情報を生成する情報処理装置であって、情報処理装置を制御する制御部を備え、制御部は、押圧体による押圧力の変化を、生体への刺激レベルを示す刺激波形に変換する圧力変換部と、押圧体にかかる加速度から、生体における押圧部位を取得する部位取得部と、を含み、取得される押圧部位に、当該押圧部位における押圧力の変化に対応した刺激波形を関連付けて制御情報を生成する。
【0010】
好ましくは、電気治療器は、生体に接触可能であって、印加される電圧に応じた電流を生体に出力するよう構成される電極部を有し、刺激波形は、電圧の波形を含む。
【0011】
好ましくは、電気治療器は、生体に接触可能に構成される熱電変換素子を含み、制御部は、さらに、押圧体の温度を測定する温度センサの出力から、熱電変換素子に印加される電圧の波形を取得する温度取得部を含み、取得される押圧部位に、当該押圧部位における押圧力の変化に対応した刺激波形と熱電変換素子に印加される電圧の波形とを関連付けて制御情報を生成する。
【0012】
この開示の他の局面に従う電気治療器は、上記の情報処理装置を備える。
この開示の他の局面に従うシステムは、電気治療器と、電気治療器を制御する制御情報を生成する情報処理装置と、を備え、情報処理装置は、押圧体による押圧力の変化を、生体への刺激レベルを示す刺激波形に変換する圧力変換部と、押圧体にかかる加速度から、生体における押圧部位を取得する部位取得部と、を含み、取得される押圧部位に、当該押圧部位における押圧力の変化に対応した刺激波形を関連付けて制御情報を生成する。
【0013】
この開示の他の局面に従うプログラムは、電気治療器を制御する制御情報を生成する方法をコンピュータに実行させるためのプログラムであって、方法は、押圧体による押圧力の変化を、生体への刺激レベルを示す刺激波形に変換するステップと、押圧体にかかる加速度から、生体における押圧部位を取得するステップと、取得される押圧部位に、当該押圧部位における押圧力の変化に対応した刺激波形を関連付けて制御情報を生成するステップと、を備える。
【発明の効果】
【0014】
この開示によれば、施術者による施術内容の再現性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】実施の形態1に従う情報処理システム1の概略的な構成を示す図である。
図2】実施の形態1にかかる手袋装置21の概略的な構成を示す図である。
図3】実施の形態1にかかる低周波治療器20の外観を端末装置10と関連付けて示す図である。
図4】実施の形態1にかかる手袋装置21の内部構成を概略的に示す図である。
図5】実施の形態1にかかる低周波治療器20の内部構成を概略的に示す図である。
図6】実施の形態1にかかる端末装置10の構成図である。
図7】実施の形態1にかかる手袋装置21の機能構成を示す図である。
図8】圧力データから電気的刺激レベルへの変換の概要を説明する図である。
図9】加速度データから治療部位と治療時間を決定する概要を説明する図である。
図10】温度データから発熱素子2bに印加する電圧波形を取得する概要を説明する図である。
図11】関連付け情報124を模式的に示す図である。
図12】実施の形態1にかかる処理フローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
実施の形態について、以下、図面を参照しながら説明する。同一の部品および相当部品には同一の参照番号を付し、重複する説明は繰り返さない場合がある。
【0017】
実施の形態1の用語は以下のように定義され得る。
「電気治療器」は、身体の部位に装着される電極に電圧を印加することにより、電極を介して、当該部位に電気的刺激を与える機器であるが、電気治療器の種類は、これに限定されない。
【0018】
[実施の形態1]
<システム構成>
図1は、実施の形態1に従う情報処理システム1の概略的な構成を示す図である。
【0019】
図1を参照して、情報処理システム1は、サーバ30、端末装置10、「電気治療器」の一例である低周波治療器20、および「情報処理装置」の一実施例である手袋装置21を備える。これらは、ネットワーク41またはネットワーク43を介して相互に通信する。手袋装置21は、主に施術者の手に装着可能に構成される。
【0020】
端末装置10は、低周波治療器20を制御するための制御情報を、低周波治療器20に送信する。端末装置10は、たとえば、タッチパネルを備える携帯可能なスマートフォンである。なお、端末装置10は、折り畳み式携帯電話、タブレット端末装置、据え置き型のPC(personal computer)、PDA(Personal Data Assistance)などのような他のタイプの端末装置であってもよい。
【0021】
ネットワーク41は、端末装置10と、サーバ30とを互いに接続するために、インターネット、移動体端末通信網などの各種ネットワークを含む。ネットワーク43は、端末装置10と低周波治療器20,手袋装置21とを接続するために、近距離無線通信方式を採用しており、典型的には、BLE(Bluetooth(登録商標) low energy)が採用される。ただし、ネットワーク43は、これに限られず、有線通信方式を採用してもよいし、無線LAN(local area network)などのその他の無線通信方式を採用してもよい。
【0022】
サーバ30は、低周波治療器20を制御するための制御情報を、低周波治療器20に送信する。この場合に、サーバ30が、中継器を介して制御情報を低周波治療器20に送信することができる。この中継器は、例えば端末装置10を含む。
【0023】
<手袋装置21の構成>
図2は、実施の形態1にかかる手袋装置21の概略的な構成を示す図である。実施の形態1では、低周波治療器20の制御情報を取得するために、手袋装置21が用いられる。例えば施術者は手袋装置21を手に装着した状態で、被験者の生体の治療の部位に対して指圧等を施術するとき、手袋装置21は、低周波治療器20の制御情報を取得する。この場合、手袋装置21が装着される手(掌)または指は「押圧体」の一実施例であるが、「押圧体」はこれに限定されない。
【0024】
手袋装置21は、端末装置10を含む外部の装置と通信するための通信部107、治療の部位に対する押圧力を検出するための圧力センサ109、押圧体にかかる加速度を検出するための加速度センサ110、および押圧体またはその周囲(または付近)の温度を測定するための温度センサ113を備える。
【0025】
図2を参照して、圧力センサ109は、手袋装置21が装着された場合に、押圧体が位置する部位に対応して設けられる。例えば、指圧に用いる手(掌)または指に対応した位置に少なくとも1つ以上が設置される。加速度センサ110および温度センサ113は、設置する場所は限定されないが、好ましくは指圧に用いる手(掌)または指の付近に設置される。
【0026】
なお、実施の形態1では、施術時において上記の押圧力、加速度および温度を検出するために施術者が装着する手袋装置21を用いたが、手袋型に限定されない。例えば、治療の部位を足で踏んで施術する場合は、手袋型に代えて靴下型の装置を用いる。この場合、足は「押圧体」の一実施例である。また、圧力センサ109および温度センサ113は、手袋型,靴下型に限定されず、例えば施術される側である被験者の治療部位に取り付けるタイプであってもよい。
【0027】
<低周波治療器20の構成>
図3は、実施の形態1にかかる低周波治療器20の外観を端末装置10と関連付けて示す図である。図3を参照して、低周波治療器20は、パッド2、ホルダ3、および本体部4を備える。低周波治療器20は、いわゆるコードレスタイプであり、制御情報に従い制御される。
【0028】
(パッド2)
パッド2は、身体の部位に接触されるように構成される「電極部」の一実施例である。パッド2はシート状の形状を有し、使用者の身体の部位、より特定的には治療すべき部位などに接触するように取り付けられる。パッド2の外表面のうち、身体に対向する表面(下面)には、導電層2aおよび発熱素子2bが設けられる。パッド2は、導電性のゲルなどを使用してユーザの皮膚上に貼り付けられ、導電層2aを通してユーザに治療内容に応じた周波数のパルス電流が供給される。
【0029】
パッド2は、取付部(図示せず)および治療部2Yを有する。取付部は、ホルダ3によって保持される。取付部には、ホルダ3が位置決めされて配置される。治療部2Yは、取付部の左右両外側に設けられ、治療部2Yの身体に対向する表面には導電層2aが露出している。導電層2aは、本体部4に対向する表面にも露出しており、この露出部分が電極を構成する。また、発熱素子2bは、治療部2Yの身体に対向する表面にメッシュ状に印刷された発熱体を含む。発熱素子2bは、流れる電流量に従い発熱量が変化する。これにより治療部2Yが装着される治療部位における体感温度を変化させる。
【0030】
(本体部4)
図2に示すように、本体部4は、略直方体の形状を有するケース4aを外装体として含んでいる。ケース4aとホルダ3との間には、係合部5が形成されており、本体部4(ケース4a)は、係合部5により、ホルダ3に着脱可能に取り付けられる。本体部4には、低周波治療器20を制御するためにユーザが操作するスイッチ48Sが設けられる。また、本体部4は、低周波治療器20の動作状態などの情報を出力するための表示部(図示せず)を備える。
【0031】
本体部4は、ホルダ3に取り付けられた状態で、パッド2の導電層2aに低周波パルス電流を供給する。具体的には、本体部4は、基板および当該基板の上に実装された電気回路などを内蔵する。
【0032】
<手袋装置21の回路構成>
図4は、実施の形態1にかかる手袋装置21の内部構成を概略的に示す図である。図4を参照して、手袋装置21は、CPU(Central Processing Unit)を含む制御部101、手袋装置21の動作に関する情報を表示する表示部102、手袋装置21に対するユーザ(施術者)の操作を受付けるためのキー・ボタンを含む操作部103、メモリ部104、タイマ105、通信部107、電源部108、圧力センサ109、加速度センサ110、マイク112および温度センサ113を含む。マイク112は、施術者の発話による音声等の各種の音声を集音する。
【0033】
メモリ部104は、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read-Only Memory)、フラッシュメモリなどによって実現される。メモリ部104の記憶領域には、制御部101のCPUによって実行されるプログラム、またはCPUによって用いられるデータなどが格納される。
【0034】
加速度センサ110は、上記に述べたように押圧体にかかる加速度を測定し、測定された加速度成分を制御部101に出力する。加速度成分は、例えばX軸、Y軸およびZ軸の各方向にかかる加速度に比例した電圧出力を含む。なお、加速度センサ110は、3軸に限定されず、6軸の方向の加速度成分を検出する、例えばジャイロセンサであってもよい。
【0035】
<低周波治療器20の回路構成>
図5は、実施の形態1にかかる低周波治療器20の内部構成を概略的に示す図である。図5を参照して、低周波治療器20は、主たる構成要素として、操作部201、表示部202、CPU(Central Processing Unit)を含む制御部203、PWM(Pulse Width Modulation)回路209を有した電流生成部204、発熱素子2bに接続された温度制御部205、記憶部206、通信部207、LED(Light Emitting Diode)部208およびスピーカ210を備える。図示されないが、低周波治療器20は、各構成要素に電力を供給する電源部を備える。電源部としては、例えば、アルカリ乾電池が用いられる。電源部は、電池電圧を安定化して各構成要素に供給する駆動電圧を生成する。
【0036】
制御部203は、典型的には、CPU(Central Processing Unit)またはMPU(Multi Processing Unit)を含む。制御部203は、記憶部206に記憶されたプログラムを読み出して実行することで、低周波治療器20の各部の動作を制御する制御部として機能する。
【0037】
記憶部206は、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read-Only Memory)、フラッシュメモリなどによって実現される。記憶部206は、制御部203により実行される各種のプログラム、上記の制御情報および各種のデータなどを記憶する。
【0038】
操作部201は、低周波治療器20に対するユーザの操作入力を受け付けるために、例えばスイッチ48Sおよび各種スイッチを含む。ユーザが操作部201を操作すると、制御部203は、操作内容を受け付けて、受付けた操作内容に従い各部を制御する。
【0039】
通信部207は、端末装置10と通信するための回路を有する。通信部207は、端末装置10から制御情報を受信し、制御部203に出力する。受信された制御情報は、記憶部206に格納されてもよい。
【0040】
制御部203は、制御情報に従う、PWM制御信号(電圧信号など)および発熱素子2bに印加する電圧波形を、それぞれ、PWM回路209および温度制御部205に出力する。
【0041】
電流生成部204は、パッド2からユーザの身体の部位(より特定的には治療すべき部位)に流れる電流(以下、「治療電流」ともいう。)を生成する回路である。電流生成部204のPWM回路209は、制御部203からのPWM制御信号に従い、パルス電流を一定に保つとともに出力電流量を調節しながら、PWM制御信号により指示されたパラメータ(例えば、振幅、デユーティ比(周期)等)を有したパルス電流を出力する。このように、電流生成部204から出力される治療電流の波形(以下、「治療波形」ともいう)は、制御部203からのPWM制御信号によって決定される。なお、治療電流は、パルス電流に限定されず、交流を用いてもよいし、両種類の電流を選択的に用いてもよい。
【0042】
電流生成部204が出力する治療電流は、例えば低周波のパルス電流を含む。低周波のパルス電流を用いた治療波形のパルス幅は例えば約100μsecの短いものを含む。また、パルス振幅の最大値は例えば約100Vである。電流生成部204が、PWM制御信号により指示されたパラメータに従い、パルス波形(振幅、パルス幅、周期など)を変えることで、「もみ」、「たたき」、「押し」、「さすり」といった様々な種類の刺激を治療部位に与えることができる。
【0043】
また、上記のパラメータが変更されることで、治療部位に対する治療内容を変更(調整)することができる。具体的には、パルスの振幅またはパルス幅は変化し、「もみ」、「たたき」、「押し」、「さすり」などの刺激の「強さ」(電気刺激強度)の調整が、またパルス群の出現サイクルを変えることで「もみ」、「たたき」、「押し」、「さすり」などの刺激の「速さ」の調整がそれぞれ可能である。
【0044】
なお、実施の形態1では、身体の状態または電極が接触される部位の状態(乾燥している、または湿っているなど)にかかわらず略一定の電気刺激強度を感覚させるようにしている。そのために、低周波治療器20は、生体インピーダンスを測定し、測定された生体インピーダンスから、上記に述べたパラメータの値の調整を行ってもよい。なお、生体インピーダンスの測定方法は周知の方法を用いることができるので、ここでは説明を繰返さない。
【0045】
温度制御部205は、制御部203からの電圧波形に従い発熱素子2bに電圧を印加する。発熱素子2bは、印加される電圧の大きさに応じた発熱量となるように発熱して、発熱素子2bが接触する治療部位における体感温度を変化させることが可能となる。
【0046】
<端末装置10の構成>
図6は、実施の形態1にかかる端末装置10の構成図である。図6を参照して、端末装置10は、主たる構成要素として、CPU152、タイマ153、メモリ154、端末装置10に対するユーザの操作を受付ける操作部156、ディスプレイ158、アンテナ162を介した無線のための通信部160、メモリインターフェイス(I/F)164、通信インターフェイス(I/F)166、音声出力のためのスピーカ168および音声入力のためのマイク170とを含む。
【0047】
CPU152は、メモリ154に記憶されたプログラムを実行することにより、各部を制御する。
【0048】
メモリ154の記憶領域は、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read-Only Memory)、フラッシュメモリ、ハードディスク装置などにより構成される。メモリ154には、CPU152によって実行されるプログラム、またはCPU152によって用いられるデータなどが格納される。
【0049】
操作部156は、端末装置10に対する操作入力を受付ける。典型的には、操作部156は、タッチパネルを含んで実現される。タッチパネルは、ディスプレイ158上に設けられる。また、操作部156は、スイッチ・ボタンなどを含んでもよい。
【0050】
通信部160は、アンテナ162を介して移動体通信網に接続し無線通信のための信号を送受信する。これにより、端末装置10は、たとえば、LTE(Long Term Evolution)などの移動体通信網を介して他の通信装置(たとえば、サーバ30、他の端末装置10)との通信が可能となる。
【0051】
メモリインターフェイス164は、外部の記憶媒体165からデータを読出す。CPU152は、メモリインターフェイス164を介して記憶媒体165に格納されているデータを読出して、当該データをメモリ154に格納する。CPU152は、メモリ154からデータを読出して、メモリインターフェイス164を介して当該データを外部の記憶媒体165に格納する。
【0052】
記憶媒体165は、CD(Compact Disc)、DVD(Digital Versatile Disk)、BD(Blu-ray(登録商標) Disc)、USB(Universal Serial Bus)メモリ、SD(Secure Digital)メモリカードなどの不揮発的にプログラムまたはデータを格納する媒体を含む。
【0053】
通信I/F(Interface)166は、端末装置10と手袋装置21または低周波治療器20との間で通信を制御するために、アダプタやコネクタなどによって実現される。本実施の形態では、通信方式として、BLE(Bluetooth(登録商標) low energy)が採用される。ただし、通信方式は、無線LANなどによる無線通信方式であってもよいし、USB(Universal Serial Bus)などを利用した有線通信方式であってもよい。
【0054】
(手袋装置21の機能構成)
図7は、実施の形態1にかかる手袋装置21の機能構成を示す図である。図7の構成は、主に、圧力センサ109、加速度センサ110および温度センサ113からの出力に基づき、押圧体による押圧がなされている部位に、当該押圧部位で取得された押圧力に従う電気的刺激波形および発熱素子2bに印加される電圧波形を関連付けて、低周波治療器20の制御情報を生成する機能を示す。
【0055】
各部の機能は、主に、CPU101がコンピュータプログラムを実行することにより実現される。なお、各部は、コンピュータプログラムで実現されるものに限定されず、コンピュータプログラムと回路の組合せにより実現されてもよい。
【0056】
図7を参照して、CPU101は、圧力センサ109、加速度センサ110および温度センサ113からの出力を受付けるセンサ出力取得部121、圧力センサ109により検出される押圧力の変化を、生体への電気的刺激波形に変換する圧力変換部122a、加速度センサ110の出力から押圧体による押圧部位を取得する部位取得部122b、温度センサ113の出力から発熱素子2bに印加する電圧の波形を取得する温度取得部122c、および上記に述べた関連付けのための処理を行う関連付処理部123を備える。
【0057】
センサ出力取得部121は、圧力センサ109、加速度センサ110および温度センサ113からの出力(アナログ出力)を、フィルタ処理した後に、デジタルのデータに変換する。これにより、圧力センサ109、加速度センサ110および温度センサ113からの出力は、それぞれ、圧力データ、加速度データおよび温度データとして取得される。
【0058】
圧力変換部122aは、圧力センサ109からの圧力データを、生体への刺激レベルを表す電圧波形に変換する。図8は、圧力データから電気的刺激レベルへの変換の概要を説明する図である。図8を参照して、圧力変換部122aは、センサ出力取得部121からの圧力データ(図8の上段を参照)の波形を、振幅またはパルス幅を変調することにより、低周波治療器20のための治療波形に適合した電圧波形に変換する。変換後の電圧波形は、例えば振幅、パルス幅、周期、デューティ比等のパラメータにより規定される。この電圧波形(図8の下段を参照)は、例えば上記に述べたPWM制御信号の波形に相当する。
【0059】
部位取得部122bは、加速度センサ110からの加速度データから、電気的刺激を与えるべき治療部位と治療時間とを決定する。図9は、加速度データから治療部位と治療時間を決定する概要を説明する図である。部位取得部122bは、時系列に入力する加速度データから、入力順に従いX軸、Y軸およびZ軸の各加速度成分を抽出する。抽出した各軸の方向にかかる加速度成分を、予め定められた演算式に従い処理することにより、加速度データの入力開始時点からの押圧体の移動量(移動方向と移動距離)を検出する。これにより、部位取得部122bは図9(A)の加速度データから、押圧体の時間経過に従う位置の変化を示す図9(B)の位置情報を取得する。図9(B)によれば、押圧体は、施術開始時点に位置P1であったとすると、開始時点から時間t1までは位置P1に居て、その後の時間t1からt2までは位置P2に居て、そして時間t2以降は位置P3に居るというように、時間の経過に従い位置P1→位置P2→位置P3と移動したことが示される。これら位置P1、P2およびP3は、それぞれ、押圧体による施術がなされた治療部位に対応する。
【0060】
温度取得部122cは、温度センサ113の出力が示す温度データから、発熱素子2bに印加する電圧波形を取得する。図10は、温度データから発熱素子2bに印加する電圧波形を取得する概要を説明する図である。図10の上段の温度データは、施術開始時点から時間t1までの温度と、その後の時間t1からt2までの温度、そして時間t2以降の温度とは異なっている。温度取得部122cは、温度データを、低周波治療器20の発熱素子2bの回路特性に従って変調処理を実施することにより、図10の下段の電圧波形を取得する。
【0061】
関連付処理部123は、施術者が手袋装置21を装着して施術を実施するとき、例えば手袋装置21を装着した施術者により生体が押圧されるとき、検出される押圧体による治療部位の情報に、当該部位で取得された電圧波形を関連付けて、低周波治療器20の制御情報を生成する。
【0062】
図11は、関連付け情報124を模式的に示す図である。図11に示されるように、関連付処理部123は、各治療部位(位置P1〜P3のそれぞれ)に、当該治療部位における施術中に取得された電極部に印加する電圧波形と発熱素子2bに印加する電圧波形とを関連付け(例えば、紐付け)る。関連付け情報124は、低周波治療器20を制御するための「制御情報」の一実施例である。
【0063】
関連付処理部123は、図11の関連付け情報124を記憶部(例えば、メモリ部104)に格納するための格納処理部123a、および図11の関連付け情報124を、通信部107を介して外部の装置(例えば、低周波治療器20、または端末装置10等)に送信するための送信処理部123bを含む。
【0064】
(処理フローチャート)
図12は、実施の形態1にかかる処理フローチャートである。このフローチャートに従うプログラムは、手袋装置21のメモリ部104に格納される。CPU101は、メモリ部104からプログラムを読出し、読出されたプログラムを実行する。ここでは、施術者は手袋装置21を装着する。施術の開始時に、操作部103の開始ボタンを操作し、施術を行い、その後、終了ボタンを操作して施術を終了する。
【0065】
図12を参照して、CPU101は、施術が開始されるか否かを判断する(ステップS1)。例えば、CPU101は、操作部103の出力に基づき、開始ボタンが操作されたか否かに基づき施術が開始されるか否かを判断する。
【0066】
CPU101は、施術が開始されないと判断すると(ステップS1でNO)、ステップS1を繰返すが、施術が開始されたと判断すると(ステップS1でYES)、センサ出力取得部121は、圧力センサ109、加速度センサ110および温度センサ113からの出力をデジタルデータに変換する(ステップS3)。
【0067】
圧力変換部122a、部位取得部122bおよび温度取得部122cは、センサ出力取得部121を介して、それぞれ、圧力センサ109、加速度センサ110および温度センサ113からの圧力データ、加速度データおよび温度データを入力し、これらに基づき電極部に印加する電圧波形(図8参照)、部位の情報(図9参照)および発熱素子2bに印加する電圧波形(図10参照)を取得する(ステップS5)。
【0068】
関連付処理部123は、圧力変換部122aが出力する治療部位の各位置に、当該部位で取得された電極部へ印加する電圧波形と発熱素子2bに印加する電圧波形とを関連付けて、関連付け情報124(図11参照)を生成する(ステップS7)。
【0069】
格納処理部123aは、関連付け情報124を記憶部に格納する。または、送信処理部123bは、関連付け情報124を、通信部107を介して低周波治療器20または端末装置10に送信する。
【0070】
CPU101は、施術が終了するか否かを判断する(ステップS9)。例えば、CPU101は、操作部103の出力に基づき、終了ボタンが操作されたか否かに基づき施術が終了するか否かを判断する。
【0071】
CPU101は、施術が終了しないと判断するときは(ステップS9でNO)、ステップS3に戻り、以降の処理を同様に繰返すが、施術は終了すると判断すると(ステップS9でYES)、一連の処理を終了する。
【0072】
(関連付け情報124に従う低周波治療器20の動作)
低周波治療器20は、手袋装置21からの関連付け情報124を、通信部207を介して受信したとき、制御部203は、関連付け情報124に従い各部を制御する。この場合の動作を説明する。
【0073】
なお、ここでは、被験者は身体表面の位置P1、P2およびP3に、それぞれ、低周波治療器20を装着している。また、各低周波治療器20は、操作部201からの操作内容に従い、自己が装着された位置(位置P1〜P3のいずれか)を示す装着位置情報を記憶している。
【0074】
まず、低周波治療器20の制御部203は、操作部201を介して治療開始の操作を受付けると、動作を開始する。まず、制御部203は、関連付け情報124から治療部位の情報、電極部に印加する電圧波形の情報および発熱素子2bに印加する電圧波形の情報を抽出する。制御部203は、記憶している装着位置情報と抽出された治療部位の情報とを比較し、比較の結果に基づき、当該装着位置に対応の治療部位の治療時間を判断する。例えば、装着位置は位置P1であると判断したときは、治療時間は開始時点から時間t1までと判断する。同様に、当該装着位置は、位置P2であると判断したときは、治療時間は時間t1から時間t2までと判断する。同様に、当該装着位置は、位置P3であると判断したときは、治療時間は時間t2から治療終了までと判断する。
【0075】
制御部203は、タイマ(図示せず)の出力が、上記の対応の治療時間を示すと判断するときは、当該装着位置に関連付けされている電極部への印加電圧波形の情報(すなわち、PWM制御信号)を電流生成部204(より特定的にはPWM回路209)に出力し、同様に、関連付けされている発熱素子2bの印加電圧波形の情報を温度制御部205に出力する。治療部位には、電圧波形に従う治療電流による電気的刺激がなされるとともに、加温がなされる。
【0076】
これにより、被験者は、治療部位を位置P1、位置P2および位置P3と変化させながら、各治療部位において、施術者がなした施術内容(もむ、たたく、さする等の刺激と手(掌,指など)による温熱)の再現による治療を受けることができる。
【0077】
なお、低周波治療器20は、送信処理部123bから送信される関連付け情報124に従って動作するケースに限定されず、低周波治療器20の記憶部206に関連付け情報124を格納する場合には、記憶部206から読出された関連付け情報124に従って動作することも可能である。
【0078】
(変形例1)
上記の実施の形態1では、図7の機能を手袋装置21に備えたが、端末装置10またはサーバ30に備えるとしてもよい。その場合には、端末装置10またはサーバ30が「情報処理装置」の一実施例となる。
【0079】
変形例1では、手袋装置21は、施術時に取得される圧力センサ109、加速度センサ110および温度センサ113からの出力を、端末装置10またはサーバ30に送信する。端末装置10またはサーバ30は、受信した各センサの出力から、図7の構成を用いて、図12のフローチャートに従い関連付け情報124を生成し、生成された関連付け情報を格納する、または外部装置に送信する。
【0080】
(変形例2)
上記の実施の形態1では、治療部位への温熱の効果を与えたが、変形例2のように、治療部位に冷却の効果を与えることも可能である。
【0081】
例えば、パッド2の外表面のうち、身体に対向する表面(下面)に、導電層2aおよびペルチェ素子2cが設けられる。ペルチェ素子2cは、温度制御部205からの電圧波形に従い印加される電圧に応じた冷却効果(吸熱,放熱)を奏する。
【0082】
このように、治療部位における施術者の施術内容に従い体感温度を変化させるための熱電変換素子としては、上記の加温のための発熱素子2b、または冷却のためのペルチェ素子2c、またはこれらの組合せを用いることができる。なお、体感温度を変化させる素子は、これらに限定されない。
【0083】
(変形例3)
変形例3は、実施の形態1の関連付け情報124の変形例を示す。上記の関連付け情報124には、施術時にマイク112から集音した施術者の発話の音声データが含まれてもよい。この場合には、低周波治療器20による治療時に、各治療部位について、施術者の施術内容に応じた発話をスピーカ210から再生出力することができる。これにより、再生された発話内容を聞いた被験者に対してプラセボ効果をもたらすことが可能となる。
【0084】
(変形例4)
変形例4は、実施の形態1の電気治療器の変形例として、マッサージ機を例示する。マッサージ機は、モータで駆動することにより、モータに接続された揉み玉などの施療子を回転させて、身体の治療部位を施療子によりマッサージする。
【0085】
変形例4では、実施の形態1の関連付け情報124の電極部に印加する電圧波形は、施療子のモータを駆動するための駆動信号に適用される。また、施療子に発熱素子またはペルチェ素子などの熱電変換素子が内蔵される場合には、関連付け情報124を用いて、施療子に内蔵された熱電変換素子への印加電圧を変化させることが可能である。
【0086】
(変形例5)
変形例5は、関連付け情報124を低周波治療器20に供給するルートの変形例を示す。実施の形態1では、手袋装置21は、関連付け情報124を低周波治療器20に直接送信したが、手袋装置21は、関連付け情報124を端末装置10などの中継器を経由して、低周波治療器20に供給(送信)するとしてもよい。端末装置10を中継する場合は、手袋装置21の格納処理部123aは、関連付け情報124を端末装置10のメモリ154に格納するとしてもよい。これにより、低周波治療器20は、手袋装置21と通信することなく、端末装置10から関連付け情報124を受信することができる。
【0087】
また、手袋装置21は、関連付け情報124を端末装置10とサーバ30を経由して、低周波治療器20に供給するとしてもよい。例えば、端末装置10は、手袋装置21から受信した関連付け情報124を、サーバ30に送信(アップロード)する。サーバ30は、受信した関連付け情報124を内部のメモリに格納する。サーバ30は、端末装置10または低周波治療器20から要求を受信したとき、格納されている関連付け情報124を要求元(端末装置10または低周波治療器20)に送信(ダウンロード)する。
【0088】
この場合は、手袋装置21の格納処理部123aは、端末装置10を中継装置として用いて、関連付け情報124の格納先をサーバ30にすることができる。サーバ30は、ユーザからのリクエストに応じて、低周波治療器20のための治療波形のデータ(すなわち、関連付け情報124)を配信する配信サーバとしても構成することができる。
【0089】
[実施の形態2]
上述した図12のフローチャートに示す方法は、コンピュータ(CPU)が実行するプログラムとして提供することができる。この方法を実現するためプログラムは、サーバ30または端末装置10または低周波治療器20または手袋装置21の記憶部に格納される。このプログラムは、通信回線を経由し、サーバ30または端末装置10または低周波治療器20の記憶部にダウンロードされてもよい。
【0090】
または、例えば、端末装置10においては、メモリI/F164を介して、外部の記憶媒体165から読出されたプログラムがメモリ154にロード(格納)されるとしてもよい。また、サーバ30または低周波治療器20または手袋装置21においても、このような外部の記憶媒体を利用したプログラムのダウンロードがなされてもよい。
【0091】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した説明ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0092】
1 情報処理システム、2 パッド、2b 発熱素子、2c ペルチェ素子、10 端末装置、20 低周波治療器、21 手袋装置、30 サーバ、41,43 ネットワーク、109 圧力センサ、110 加速度センサ、113 温度センサ、121 センサ出力取得部、122a 圧力変換部、122b 部位取得部、122c 温度取得部、123 関連付処理部、123a 格納処理部、123b 送信処理部、124 関連付け情報、204 電流生成部、205 温度制御部。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12