(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6862974
(24)【登録日】2021年4月5日
(45)【発行日】2021年4月21日
(54)【発明の名称】空気調和機の室内機
(51)【国際特許分類】
F24F 13/20 20060101AFI20210412BHJP
【FI】
F24F1/0007 401E
F24F13/20 207
【請求項の数】2
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2017-56305(P2017-56305)
(22)【出願日】2017年3月22日
(65)【公開番号】特開2018-159498(P2018-159498A)
(43)【公開日】2018年10月11日
【審査請求日】2020年2月28日
(73)【特許権者】
【識別番号】000006611
【氏名又は名称】株式会社富士通ゼネラル
(74)【代理人】
【識別番号】110002653
【氏名又は名称】特許業務法人アズテックIP
(72)【発明者】
【氏名】小椋 拓
【審査官】
安島 智也
(56)【参考文献】
【文献】
特開平11−159801(JP,A)
【文献】
特開2008−267656(JP,A)
【文献】
特開2018−159497(JP,A)
【文献】
実開昭56−018826(JP,U)
【文献】
中国特許出願公開第1721782(CN,A)
【文献】
米国特許出願公開第2009/0113915(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24F 1/0007
F24F 13/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
正面中央に吸込口が設けられ、正面上部に上部吹出口が設けられ、正面下部に下部吹出口が設けられ、内部に熱交換器が設けられ、内部の上部に上部モータで駆動される上部クロスフローファンが設けられ、内部の下部に下部モータで駆動される下部クロスフローファンが設けられ、前記上部クロスフローファンと前記下部クロスフローファンにより前記吸込口から吸い込んだ空気を前記熱交換器で冷媒と熱交換して前記上部吹出口と前記下部吹出口から吹き出す空気調和機の床置き型の室内機において、
前記吸込口の左側と右側のいずれか一方に、前記上部モータを保持する上部モータホルダと前記下部モータを保持する下部モータホルダが配置され、前記上部モータホルダと前記下部モータホルダの間に電装品箱が配置され、
前記上部モータホルダと前記下部モータホルダのいずれか一方の正面にスイッチ取付面が形成され、前記上部モータホルダと前記下部モータホルダのいずれか他方の正面に通信線端子取付面が形成され、
前記スイッチ取付面にスイッチ部が取り付けられ、前記通信線端子取付面に室外機との通信を行う通信線を接続する通信線端子部が取り付けられている、
ことを特徴とする空気調和機の床置き型の室内機。
【請求項2】
請求項1に記載の室内機において、
前記吸込口の左側と右側のいずれか他方に、電源端子台と配管接続部が配置され、該配管接続部に電子膨張弁が配置されていることを特徴とする空気調和機の床置き型の室内機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、空気調和機の床置き型の室内機に関する。
【背景技術】
【0002】
室内の壁面を背にするように床面に設置される床置き型の室内機として、上部クロスフローファンと下部クロスフローファンにより、室内機本体の正面中央に形成された吸込口から吸い込んだ空気を、室内機内部に配置された熱交換器の冷媒と熱交換した後に、室内機正面上部に形成された上部吹出口と室内機正面下部に形成された下部吹出口から、それぞれ室内に吹き出す構成のものがある(例えば、特許文献1)。
【0003】
このような床置き型の室内機では、上部クロスフローファンを駆動する上部モータが室内機左側の上部に配置されるとともに、下部クロスフローファンを駆動する下部モータが室内機左側の下部に配置され、それら上部モータと下部モータの間に電装品箱が配置される。一方、外部電源を取り込む電源端子台は室内機右側の上部に配置され、熱交換器の配管と室外機の配管を接続する配管接続部は室内機右側の下部に配置される。
【0004】
1台の室外機に対して1台あるいは2台以上の室内機が接続される空気調和機では、冷媒の流量を制御する電子膨張弁が室外機側に設置されるので、上記した室内機をほぼそのまま適用することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2008−267656号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところが、1台あるいは2台以上の室外機に対して2台以上の室内機が接続され冷媒流量可変制御型の空気調和機では、各室内機に電子膨張弁を配置する必要があるが、そのほかに、各室内機に冷媒系統アドレスや室内機アドレスの設定を行うためのスイッチ部や、室外機との間で通信を行うための通信線を接続する通信線端子部を配置しなければならない。このため、冷媒流量可変制御型の空気調和機では、スイッチ部や通信線端子部を配置するためのスペースが、冷媒流量可変制御型以外の空気調和機の場合よりも余分に要求されるので、室内機が大型化する懸念がある。
【0007】
本発明の目的は、スイッチ部や通信線端子部等を配置するスペースの配置を工夫して、小型化を可能にした床置き型の室内機を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、請求項1にかかる発明は、正面中央に吸込口が設けられ、正面上部に上部吹出口が設けられ、正面下部に下部吹出口が設けられ、内部に熱交換器が設けられ、内部の上部に上部モータで駆動される上部クロスフローファンが設けられ、内部の下部に下部モータで駆動される下部クロスフローファンが設けられ、前記上部クロスフローファンと前記下部クロスフローファンにより前記吸込口から吸い込んだ空気を前記熱交換器で冷媒と熱交換して前記上部吹出口と前記下部吹出口から吹き出す空気調和機の床置き型の室内機において、前記吸込口の左側と右側のいずれか一方に、前記上部モータを保持する上部モータホルダと前記下部モータを保持する下部モータホルダが配置され、前記上部モータホルダと前記下部モータホルダの間に電装品箱が配置され、前記上部モータホルダと前記下部モータホルダのいずれか一方の正面にスイッチ取付面が形成され、前記上部モータホルダと前記下部モータホルダのいずれか他方の正面に通信線端子取付面が形成され、前記スイッチ取付面にスイッチ部が取り付けられ、前記通信線端子取付面に室外機との通信を行う通信線を接続する通信線端子部が取り付けられている、ことを特徴とする。
請求項2にかかる発明は、請求項1に記載の室内機において、前記吸込口の左側と右側のいずれか他方に、電源端子台と配管接続部が配置され、該配管接続部に電子膨張弁が配置されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、上部モータホルダや下部モータホルダの正面にスイッチ部や通信線端子部を配置するので、スイッチ部や通信線端子部のために特別なスペースを作成する必要がなく、室内機の小型化が可能となる。また、配管接続部に電子膨張弁を配置することで、さらに室内機の小型化が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】空気調和機の床置き型の室内機の斜視図である。
【
図2】同室内機の吸込グリルと前面パネルを取り外した正面図である。
【
図4】同室内機の吸込グリルと前面パネルを取り外した状態を左前法から見た斜視図である。
【
図6】同室内機のスイッチ部の取付部分の断面図である。
【
図7】同室内機の通信線端子部の取付説明図である。
【
図8】同室内機の通信線端子部の取付部分の断面図である。
【
図9】同室内機の吸込グリルと前面パネルを取り外した状態を右前方から見た斜視図である。
【
図10】同室内機の電子膨張弁配線の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
図1〜
図4に示す本実施例の床置き型の室内機100において、1は中央に吸込口1aが設けられた吸込グリルであり、室内機100の正面に取り付けられる。2は室内機100の前面を閉じる前面パネルであり、吸込グリル1の吸込口1aが正面の中央に位置するように取り付けられ、上部に表示部2aが形成されている。3は室内機100の正面の左側を閉じる左パネル、4は室内機100の正面の右側を閉じる右パネル、5は室内機100の背面を閉じる背面パネルである。背面パネル5は上面部5a、左側面部5b、右側面部5cを有する。6は前面パネル2の上部に形成される上部吹出口、7は上部吹出口6の開閉度合を調整する上部開閉フラップである。8は前面パネル2の下部に形成される下部吹出口、9は下部吹出口8の開閉度合を調整する下部開閉フラップである。
【0012】
10は吸込グリル1の背面に位置するよう配置された熱交換器である。11は室内機100の冷媒系統アドレスや室内機アドレス等の各種設定を行うためのスイッチ部、12は室内機100を制御する制御基板が内蔵された電装品箱、13は室内機100の電装品箱12と室外機との間に配線される通信線を接続するための通信線端子部である。これらのスイッチ部11、電装品箱12、通信線端子部13は、いずれも室内機100の左側の内側、つまり背面パネル5の左側面部6bと左パネル3で囲まれた内側に上下方向に並べて配置されている。14は熱交換器10の上端10aと上部吹出口6の間に配置された表示器ホルダである。15は室内機100の背面側に電源コード(図示せず)が引き出される電源接続部、16は室外機と接続する配管が接続される配管接続部である。17は冷媒の流量を調節する電子膨張弁であり、その配管接続部6の中に配置されている。これらの電源接続部15、配管接続部16、電子膨張弁17は、いずれも室内機100の右側の内側、つまり背面パネル5の右側面部6cと右パネル4で囲まれたの内側に配置されている。
【0013】
18は上部吹出口7の内側において熱交換器10の背面上部に配置された上部クロスフローファン、19は下部吹出口8の内側において熱交換器10の背面下部に配置された下部クロスフローファンである(
図3参照)。20は上部クロスフローファン18を回転駆動する上部モータ(
図6参照)、21は下部クロスフローファン19を回転駆動する下部モータ(
図8参照)であり、いずれも室内機100の左側、つまり背面パネル5の左側面部6bと左パネル3で囲まれた内側に配置されている。上部クロスフローファン18が上部モータ20によって駆動され、下部クロスフローファン19が下部モータ21によって駆動されると、室内空気が、吸込グリル1から熱交換器10に吸い込まれて冷媒と熱交換され、上部吹出口6と下部吹出口8から室内に吹き出される。
【0014】
22は上部モータホルダであり、上部モータ20を室内機フレーム24に保持している。23は下部モータホルダであり、下部モータ21を室内機フレーム24に保持している。前記したスイッチ部11は上部モータホルダ22の正面に取り付けられ、前記した通信線端子部13は下部モータホルダ23の正面に取り付けられている。そして、電装品箱12はスイッチ部11と通信線端子部13の間に配置されている。
【0015】
図5と
図6はスイッチ部11の取り付けの説明図である。上部モータホルダ22には正面側にスイッチ取付面221が形成されている。スイッチ部11はディップスイッチやロータリスイッチ等のデジタルスイッチ111aが搭載されたスイッチ基板111と、そのスイッチ基板111が内部に装填されるボックス形状の樹脂製のスイッチボックス112とで構成されている。スイッチボックス112は、その開放面112aが正面を向く姿勢で上部モータホルダ22のスイッチ取付面221にネジ止めされる。スイッチ基板111は操作部であるデジタルスイッチ111aが正面を向く姿勢でスイッチボックス112に装填されネジ止めされる。このスイッチ基板111に接続される配線(図示せず)は電装品箱12に接続される。よって、このスイッチ基板111に対しては、左パネル3を取り外すことで、室内機100の正面から容易にアクセスすることができ、冷媒系統アドレスや室内機アドレス等の各種設定の作業が容易となる。
【0016】
図7と
図8は通信線端子部13の取り付けの説明図である。下部モータホルダ23には正面側に通信線端子取付面231が形成されている。通信線端子部13は通信線端子台131と端子台取付板132とで構成される。下部モータホルダ23の通信線端子取付面231に端子台取付板132をネジ止めし、その端子台取付板132に通信線端子台131をネジ止めすることにより、通信線端子台131は端子131aが正面を向く姿勢で取り付けられる。この通信線端子台131には、電装品箱12から引き出される配線と室外機から引き込まれる配線の両者が接続される。この通信線端子部13に対しても、左パネル3を取り外すことにより、室内機100の正面から容易にアクセスすることができ、通信線の配線作業が容易となる。
【0017】
このように、本実施例では、上部モータ20を保持する上部モータホルダ22が左上部に配置され、下部モータ21を保持する下部モータホルダ23が左下部に配置されている床置き型の室内機100において、上部モータホルダ22の正面にスイッチ部11を取り付け、下部モータホルダ23の正面に通信線端子部13を取り付ける点に特徴を持っている。
【0018】
冷媒流量可変制御型でない通常の床置き型の室内機でも、上部モータホルダや下部モータホルダは取り付けられているので、その上部モータホルダをスイッチ取付面221を備えた上部モータホルダ22に置き換え、下部モータホルダを通信線端子取付面231を備えた下部モータホルダ23に置き換えることによって、冷媒流量可変制御型の室内機に容易に対応させることができる。
【0019】
また、冷媒流量可変制御型の室内機では、上記したスイッチ部11や通信線端子部13の他に、電子膨張弁17も搭載する必要があり、前記したように本実施例ではその電子膨張弁17を配管接続部16に配置している。しかし、配管接続部16は右パネル4の内側に位置しているので、左パネル3の内側に配置されている電装品箱12と電子膨張弁17の間を接続する膨張弁配線25は、電装品箱12と電子膨張弁17の間に配置されている熱交換器10の近くを経由して配線する必要がある。
【0020】
そこで、本実施例では、その膨張弁配線25を、
図9〜
図11に示すように、表示器ホルダ14と熱交換器10の上端10aとの間にできるスペースS1内に沿わせている。表示器ホルダ14は、LED等を有する表示基板26が内部に装填される表示基板ホルダ141と、その表示基板ホルダ141を保持した状態で前面パネル2の表示部2aの背面に配置される前面ホルダ142からなる。
【0021】
表示基板ホルダ141は、表示基板26を収容する溝形状の基板収容部141aと、その基板収容部141aを閉じる蓋141bと、配管接続部16の配管温度を測定する温度センサ27のセンサ配線28をガイドする配線ガイド部141cと、この配線ガイド部141cの下部に下方向に突出するように形成された膨張弁配線25用の配線押え片141dとを備える。
【0022】
前面ホルダ142には、背面側にガイド片142a,142bが
図10、
図11の紙面に垂直方向に形成され、このガイド片142a,142bの間に表示基板ホルダ141がガイドされ保持される。
【0023】
前面パネル2の表示部2aは30度程度の角度で上方向を向くように傾斜して形成されており、その表示部2aの傾斜に合わせて表示器ホルダ14が配置されている。このため、表示基板ホルダ141も同様に傾斜し、その配線押え片141dと配線ガイド部141cの下片141c1は、熱交換器10の上端10aとの間でスペースS1を生成する。
【0024】
したがって、表示器ホルダ14を取り付ける前に、このスペースS1内に予め膨張弁配線25を這わせておくと、表示器ホルダ14を取り付けた際に、その膨張弁配線25は熱交換器10の上端10aと配線押え片141dと配線ガイド部141cの下片141c1によって周囲が囲まれ、熱交換器10の上端10aから脱落することなく、その熱交換器10に沿って右パネル4の内側から左パネル3の内側に配置され保持される。
【0025】
このように、膨張弁配線25は表示器ホルダ14と熱交換器11の上端10aとの間のスペースS1にガイドされるので、その膨張弁配線25のための専用の配線ガイド部品が不要となる。
【0026】
また、冷媒流量可変制御型対応でない従来の床置き型の室内機では、センサ配線28をガイドする配線ガイド部141cが表示基板ホルダに形成されているが、本実施例では、このような表示基板ホルダに配線押え片141dを追加した表示基板ホルダ141とすることのみで、膨張弁配線25をガイドすることができるので、表示基板ホルダ141の設計が容易となる。
【0027】
なお、上部モータ20、下部モータ21、上部モータホルダ22及び下部モータホルダ23は、室内機100の右側、つまり背面パネル5の右側面部5cと右パネル4の内側に配置することもできる。また、スイッチ部11を下部モータホルダ23の正面に取り付け、通信線端子部13を上部モータホルダ22の正面に取り付けることもできる。
【符号の説明】
【0028】
1:吸込グリル、1a:吸込口、2:前面パネル、2a:表示部、3:左パネル、4:右パネル、5:背面パネル、5a:上面部、5b:左側面部、5c:右側面部、6:上部吹出口、7:上部開閉フラップ、8:下部吹出口、9:下部開閉フラップ、10:熱交換器、11:スイッチ部、111:スイッチ基板、111a:デジタルスイッチ、112:スイッチボックス、12:電装品箱、13:通信線端子部、131:通信線端子台、132:端子台取付板、14:表示器ホルダ、141:表示基板ホルダ、141a:基板収容部、141b:蓋、141c:配線ガイド部、141c1:下片、141d:配線押え片、142:前面ホルダ、142a,142b:ガイド片、15:電源接続部、16:配管接続部、17:電子膨張弁、18:上部クロスフローファン、19:下部クロスフローファン、20:上部モータ、21:下部モータ、22:上部モータホルダ、221:スイッチ取付面、23:下部モータホルダ、231:通信線端子取付面、24:室内機フレーム、25:膨張弁配線、26:表示基板、27:温度センサ、28:センサ配線