特許第6862978号(P6862978)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6862978
(24)【登録日】2021年4月5日
(45)【発行日】2021年4月21日
(54)【発明の名称】電気機器の端子装置
(51)【国際特許分類】
   H01R 9/22 20060101AFI20210412BHJP
【FI】
   H01R9/22
【請求項の数】5
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2017-56623(P2017-56623)
(22)【出願日】2017年3月22日
(65)【公開番号】特開2018-160358(P2018-160358A)
(43)【公開日】2018年10月11日
【審査請求日】2019年9月13日
(73)【特許権者】
【識別番号】508296738
【氏名又は名称】富士電機機器制御株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105854
【弁理士】
【氏名又は名称】廣瀬 一
(74)【代理人】
【識別番号】100103850
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 秀▲てつ▼
(72)【発明者】
【氏名】高野 芳弘
【審査官】 藤島 孝太郎
(56)【参考文献】
【文献】 実開平04−014375(JP,U)
【文献】 特開2005−235400(JP,A)
【文献】 特開平05−220252(JP,A)
【文献】 実開平06−068312(JP,U)
【文献】 実開昭59−005890(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01R 9/00
9/15−9/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
当金を装着した雄ねじ部を有する端子ねじと、
該端子ねじが螺合される端子板と、
少なくとも前記端子ねじが前記端子板から離間するときから前記当金を前記端子板に対して進退自在に案内し、且つ前記当金がストッパ片に当接する端子ねじ保持位置で当該当金の抜け出しを防止する案内保持部と、
該案内保持部の一側部に形成されたばね装着部内に配置されたコイルばねと、を備え、
前記コイルばねは、コイル部と、該コイル部の一端側から延長し、前記案内保持部に対向する側面に前記雄ねじ部に沿って接する第1端部と、前記コイル部の他端側から延長する第2端部とを備え
前記コイルばねは、1つの前記端子ねじの雄ねじ部を前後に挟んで、一対設けられており、一対のコイルばねの前記第2端部が、前記端子ねじが前記端子ねじ保持位置にある状態で、前記当金の前記端子板との対向面の前記雄ねじ部を挟む前後位置で接する電気機器の端子装置。
【請求項2】
一対設けられたコイルばねは、前記第1端部同士が連結されている請求項に記載の電気機器の端子装置。
【請求項3】
前記コイル部は、前記端子ねじが前記端子ねじ保持位置から前記雄ねじ部が前記端子板に螺合する方向に向かうときに巻き締め方向となるように前記第1端部及び第2端部が接続されている請求項1又は2に記載の電気機器の端子装置。
【請求項4】
前記ばね装着部は、前記コイルばねのコイル部を収納する収納部を備えている請求項1乃至3のうちいずれか一項に記載の電気機器の端子装置。
【請求項5】
前記第2端部の先端には、前記雄ねじ部から離れる方向に折り曲げた棒部が形成されている請求項1乃至4のうちいずれか一項に記載の電気機器の端子装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、接続導体を接続する電気機器の端子装置に関する。
【背景技術】
【0002】
操作スイッチ、表示灯などの電気機器は、接続導体を接続する端子装置を備えている。この端子装置としては、接続導体の接続を容易にするためばね力を利用して端子ねじを押し上げる所謂ねじアップ端子が適用されている。
このねじアップ端子としては、例えば特許文献1に記載されたものが提案されている。
特許文献1に記載されたねじアップ端子は、端子カバーに、保持部とこれに連接する絶縁部とで断面L字状に形成し、保持部に対向して端子ねじを螺合させる端子板が配置され、端子ねじには、雄ねじ部と、ドライバー溝を有する頭部と、雄ねじ部及び頭部の間に連設され接続導体を締付ける当金を遊嵌させた首部とで構成され、当金は当金本体と表示片とから側面視略L字状に形成されている。そして、絶縁部の保持部側内面に捩じりコイルばねを装着する。この捩じりコイルばねは、一端が絶縁部に保持され、他端が端子ねじの当金及び表示部に係合するように配置されている。
【0003】
すなわち、捩じりコイルばねの他端は、端子ねじを接続導体の端子部を通じて端子板に螺合させた状態では表示部の側面に係合し、この状態から端子ねじを端子板から緩めることにより、当金及び表示部が上昇すると表示部の側面から当金の下面に係合することになり、端子ねじの頭部を保持部に当接させた状態で保持する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】実開平6−68312号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、特許文献1に記載された端子装置にあっては、端子ねじが端子板より抜け出すタイミングで捩じりコイルばねの他端が当金の底面に係合して、端子ねじの頭部を保持部に当接させた状態で保持することができ、ねじアップ端子として作用する。しかしながら、特許文献1に記載された端子装置では、捩じりコイルばねの一端を絶縁部に固定支持する必要があるという課題がある。しかも、端子ねじを接続導体の端子を通じて端子板に締付けた状態では、捩じりコイルばねの他端が端子ねじの頭部側に係合しないように表示部で受ける必要があり、表示部を設けない場合には適用することができないという課題がある。
そこで、本発明は、上記特許文献1に記載された先行技術の課題に着目してなされたものであり、コイルばねの一端を支持することなく、当金のみに係合してねじアップ端子機能を発揮できる電気機器の端子装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明の一態様に係る電気機器の端子装置は、当金を装着した雄ねじ部を有する端子ねじと、この端子ねじが螺合される端子板と、少なくとも端子ねじが端子板から離間するときから当金を端子板に対して進退自在に案内し、且つ端子ねじ保持位置で当金の抜け出しを防止する案内保持部と、この案内保持部の一側部に形成されたばね配置部内に配置されたコイルばねと、を備え、コイルばねは、コイル部と、該コイル部の一端側から延長し、前記案内部に対向する側面に前記雄ねじ部に沿って接する第1端部と、前記コイル部の他端側から延長し、前記端子ねじが前記端子ねじ保持位置にある状態で、当金の端子板との対向面における雄ねじ部から外れた側方部に接する第2端部とを備えている。
【発明の効果】
【0007】
本発明の一態様によれば、端子ねじを端子ねじ保持位置で保持するコイルばねの第2端部を雄ねじ部から外れた側方部に接するように配置することで、第2端部の長さを長く設定することが可能となり、端子ねじの端子ねじ保持位置から接続導体接続位置に達するまでの間で第2端部を当金に当接させることができる。このため、コイルばねを支持する支持部を設ける必要がなく、端子装置を簡易な構成とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の一実施形態に係る端子装置をその一側面を切り欠いて示す斜視図である。
図2図1の端子装置の接続導体の端子を挿入した状態を示す斜視図である。
図3図1の端子装置の接続導体を固定した状態を示す斜視図である。
図4】端子装置を示す拡大断面図である。
図5】端子装置への接続導体の接続動作を示す拡大断面図である。
図6】コイルばねを示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
次に、図面を参照して、本発明の一実施の形態を説明する。以下の図面の記載において、同一又は類似の部分には同一又は類似の符号を付している。ただし、図面は模式的なものであり、厚みと平面寸法との関係、各層の厚みの比率等は現実のものとは異なることに留意すべきである。したがって、具体的な厚みや寸法は以下の説明を参酌して判断すべきものである。又、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることはもちろんである。
【0010】
また、以下に示す実施の形態は、本発明の技術的思想を具体化するための装置や方法を例示するものであって、本発明の技術的思想は、構成部品の材質、形状、構造、配置等を下記のものに特定するものでない。本発明の技術的思想は、特許請求の範囲に記載された請求項が規定する技術的範囲内において、種々の変更を加えることができる。
以下、本発明に係る端子装置を操作スイッチに適用した場合の一実施形態について説明する。
操作スイッチ1は、図1に示すように、操作部2と、連結用ベース3と、接点部4とを備えている。
【0011】
操作部2は、接点部4の接点を開閉操作するものであり、操作部本体11と押しボタン12と取付ナット13とを備えている。操作部本体11は、押しボタン12を摺動可能に支持する円筒状の頭部11aとこの頭部11aから押しボタン12とは反対側に突出する連結用胴部11bとを備えている。連結用胴部11bには、頭部11a側に雄ねじ部11cが形成され、この雄ねじ部11cに取付ナット13が螺合されている。連結用胴部11bを図示しない取付パネルに形成した貫通孔内に挿通し、取付パネルから突出した端部に連結用ベース3を装着した状態で、取付ナット13を回動させて取付パネル側に接触させることにより、操作スイッチ1を取付パネルに固定することができる。
【0012】
連結用ベース3は、操作部2及び接点部4間を連結するものであり、操作部2の胴部11bに着脱可能に装着され、操作部2とは反対側に接点部4が装着される。
接点部4は、内部に開閉接点機構を有する3個の接点ユニット5A、5B及び5Cを備えている。この場合、接点ユニットは必ずしも3個設ける必要はなく、使用目的に応じて1個〜3個の接点ユニットを使用することができる。
【0013】
接点ユニット5A〜5Cのそれぞれは、同一構造を有するので、接点ユニット5Aを代表として内部構造を説明する。
接点ユニット5Aは、図2及び図3に示すように、連結用ベース3に装着される接点フレーム21と、この接点フレーム21の連結用ベース3とは反対側に装着される接点ケース22とを備えている。
【0014】
接点フレーム21は、中央部に可動接触子23を保持し、操作部2の押しボタン12と連動する可動接点ホルダ24を左右に摺動可能に保持している。
接点ケース22には、可動接触子23に対向して上下方向に所定距離と離れて配置された一対の固定接触子25a及び25bと、これら固定接触子25a及び25bに連結された26A及び26Bとを備えている。一対の固定接触子25a及び25bと、可動接触子23とで接点機構27が構成されている。本実施形態では、押しボタン12を押圧していない状態で、可動接触子23が固定接触子25a及び25bから離間しているa接点(常開接点)の構成を有するが、押しボタン12を押圧していない状態で、可動接触子23が固定接触子25a及び25bに接触しているb接点(常閉接点)の構成とすることもできる。
【0015】
端子装置26A及び26Bは、図2及び図5に示す外部の接続導体としての接続ケーブル31の先端に取付けられた接続端子32を接続するためのものであり、ねじアップ端子の構成を有する。
これら端子装置26A及び26Bは、互いに面対称に構成されているので、端子装置26Aについて構成を説明する。この端子装置26Aは、図4で拡大図示するように、端子ねじ41と、端子板42と、案内保持部43と、ばね装着部44と、捩じりコイルばね45とを備えている。
【0016】
端子ねじ41は、頭部41aとこの頭部41aに一体に連結された雄ねじ部41bと、雄ねじ部41bの頭部41a側に装着された皿ばね41c及び当金41dとを備えている。当金41dは、接続端子32を締付けるためのものであり、雄ねじ部41bの頭部41a側に抜け落ちることなく嵌合されている。
端子板42は、方形の板状に形成され、一端が固定接触子25aに一体に連結され、他端が例えば90度折り曲げられて接点フレーム21に形成された支持凹部21a内に嵌合保持されて、板面が左下方に傾斜されている。この端子板42には、端子ねじ41の雄ねじ部41bが螺合する雌ねじ部42aが形成されている。そして、端子板42の延長線状の接点ケース22に接続ケーブル31の接続端子32を挿通する挿通孔22aが形成されている。
【0017】
案内保持部43は、接点ケース22の端子板42の右表面に対して直角方向に右端部側に延長して形成されており、端子ねじ41の当金41dを端子板42に対して直角方向に進退自在に案内する。
この案内保持部43は、接点ケース22の挿通孔22aを形成した下側面部22bの内面に右斜め下方に端子板42に対して直角方向に延長して形成した側壁43aと、接点ケース22の接点機構27と分離する隔壁22cと一体に形成された隔壁22cの左端から右下方向に斜めに端子板42に対して直角方向に延長する側壁43bとを有する。
【0018】
ここで、側壁43aは、端子板42側の端部が挿通孔22aの開口部まで形成されている。側壁43aの端子板42側とは反対側の端部には当金41dが当接するストッパ片43cが配置されている。一方、隔壁22c及び側壁43b間には、ばね装着部44が形成されている。
このばね装着部44は、隔壁22cと平行な上側壁44aと、この上側壁44aの隔壁22cの左端側に下方に突出する突出部44bと、側壁43bに設けた開口部44cと、この開口部44cの右端側から上側壁44aと平行に延長する下側壁44dと、この下側壁44dから上側壁44a側に突出する突出部44eとで略三角形状に形成されている。
【0019】
ここで、開口部44cの前後方向(すなわち図4で紙面と直交する方向)の幅は後述する捩じりコイルばね45の第2端部45d及び45fを挿通可能な長さとされ、端子ねじ41の当金41dの前後方向の幅より狭くされている。したがって、側壁43bは、開口部44cの位置でも端子ねじ41の当金41dを端子板42に対して進退自在に案内することができる。
【0020】
このばね装着部44に捩じりコイルばね45が装着されている。この捩じりコイルばね45は、図6に示すように、前後方向の直線上に所定間隔離して配置された一対のコイル部45a及び45bを有する。コイル部45aは左巻きとされ、コイル部45bは右巻きとされている。
コイル部45aには、内側端から接線方向に左方に延長する第1端部45cと、コイル部45aの外側端から下方に延長する第2端部45dとが形成されている。第2端部45dは、コイル部45aの外側端から一旦接線方向に左方に延長する棒部45d1と、この棒部45d1の先端から90度折り曲げて下方に延長する棒部45d2と、この棒部45d2の下端から僅かに左方に折り曲げて斜め下方に延長する棒部45d3と、この棒部45d3の下端から90度折り曲げて端子ねじ41の雄ねじ部41bから離れる方向すなわち前方に延長する棒部45d4とで構成されている。
【0021】
コイル部45bには、内側端から左方に延長する第1端部45eと、コイル部45bの外側端から下方に延長する第2端部45fとが形成されている。第2端部45fは、コイル部45bの外側端から一旦接線方向に左方に延長する棒部45f1と、この棒部45f1の先端から90度折り曲げて下方に延長する棒部45f2と、この棒部45f2の下端から僅かに左方に折り曲げて斜め下方に延長する棒部45f3と、この棒部45f3の下端から90度折り曲げて後方に延長する棒部45f4とで構成されている。
【0022】
そして、第1端部45c及び第1端部45eの左端部間が連結部45gで連結されて一体化されて、2つのコイル部45a及び45bを有する捩じりコイルばね45が形成されている。ここで、第2端部45d及び45f間の間隔は、端子ねじ41の雄ねじ部41bの外径より大きく、当金41dの幅より狭くなるように設定されている。
この捩じりコイルばね45は、負荷が掛かっていない状態で、図5に示すように、第1端部45c及び45eに対して第2端部45dの棒部45d2及び第2端部45fの棒部45f2が略90度となるように設定されている。
【0023】
この捩じりコイルばね45は、ばね装着部44にコイル部45a及び45bを、上側壁44a、下側壁44d及び突出部44eで囲まれる空間に挿入し、第1端部45c及び45eを上側壁44aに接触させ、第2端部45d及び45fを、開口部44cを通じて案内保持部43側に突出させている。
そして、捩じりコイルばね45の第2端部45d及び45fは、端子ねじ41が端子板42から離間し、且つ当金41dが案内保持部43のストッパ片43cに当接している端子ねじ保持位置にある状態で、当金41dの端子板42との対向面に形成された前後方向に延長する突条41eの雄ねじ部41bを挟む前後位置に接触されている。この状態では、捩じりコイルばね45の第2端部45dの前方に折り曲げられた棒部45d4と、第2端部45fの後方に折り曲げられた棒部45f4とが当金41dに形成された前後方向に延長する突条41eに当接している。
【0024】
次に、上記実施形態の動作について図5を伴って説明する。
先ず、図5(a)に示すように、端子ねじ41が端子板42から離間して捩じりコイルばね45の第2端部45d及び45fによって当金41dが端子板42から離れる方向に付勢されて当金41dがストッパ片43cに当接する端子ねじ保持位置にあるものとする。この端子ねじ保持位置では、端子ねじ41の雄ねじ部41bの先端と端子板42との間に接続ケーブル31の接続端子32を挿通可能な隙間が形成されている。このとき、捩じりコイルばね45の第2端部45d及び45fが雄ねじ部41bを前後で挟むように当金51dに接触するので、当金51dが傾くことなく端子板42と平行な状態で保持される。
【0025】
しかも、当金41dの前後方向に延長する突条41eに捩じりコイルばね45の第2端部45dの前方に折り曲げられた棒部45d4と第2端部45fの後方に折り曲げられた棒部45f4が当接しているので、当金41dをより安定に保持することができる。
この端子ねじ41が端子ねじ保持位置にある状態で、図5(a)に示すように、接点ケース22の挿通孔22aに左斜め下方から接続ケーブル31の接続端子32を対向させ、この姿勢を保って接続ケーブル31の接続端子32を右斜め上方に移動させる。これによって、接続端子32が、挿通孔22aを通じて端子板42と端子ねじ41の雄ねじ部41bの端部との間の隙間に挿通される。そして、接続端子32に形成された貫通孔32aの中心が雄ねじ部41bの中心と略一致する状態とする。
【0026】
この接続ケーブル31の接続端子32の挿通状態で、図5(b)に示すように、接点ケース22の端子ねじ41の頭部41aに対向する開口部22dから例えばねじ回しを挿入して端子ねじ41の頭部41aの係合溝に係合させてから端子ねじ41を捩じりコイルばね45の捩じり力に抗して端子板42側に押し込み、雄ねじ部41bを端子板42の雌ねじ部42aに当接させる。このとき、捩じりコイルばね45は、第2端部45d及び45fがコイル部45a及び45bを中心として反時計方向に回動することになり、コイル部45a及び45bがそれぞれ巻き締められる。このため、コイル部45a及び45bのコイル径が短くなる。
【0027】
この状態で、図5(c)に示すように、ねじ回しを回転させて端子ねじ41の雄ねじ部41bを端子板42の雌ねじ42aに螺合させ、当金41dが接続ケーブル31の接続端子32に当接し、皿ばね41cで端子ねじ41を端子板42から離れる方向の弾発力を発生させるように締付ける。これによって、端子ねじ41の当金41d及び端子板42間に接続ケーブル31の接続端子32を固定することができる。
【0028】
このとき、端子ねじ41の雄ねじ部41bを端子板42の雌ねじ部42aに螺合させることにより、端子ねじ41の頭部41aが端子板42側に移動し、これに伴って当金41dも端子板42側に移動する。このため、捩じりコイルばね45の第2端部45d及び45fは、先端の棒部45d4及び45f4が当金41dの端子板42との対向面に形成された突条41eに接触している状態から中間部の棒部45d2及び42f2が当金41dの端部に接触する状態となり、最終的に、図5(c)に示すように、棒部45d3及び45d4の接続部と棒部45f3及び45f4の接続部が当金41dの上側面の角部に接触する状態となる。この場合も、捩じりコイルばね45のコイル部45a及び45bは巻き締められてコイル径が最小となる。
【0029】
このように、接続ケーブル31の接続端子32を端子ねじ41の当金41dと端子板42とで挟持した状態で、捩じりコイルばね45の第2端部45dの棒部45d3及び45d4の連結部と第2端部45fの棒部45f3及び45f4の連結部とが当金41dの上側面の角部に接触している。また、接続ケーブル31の接続端子32の厚みが当金41dの厚みより薄く設定されている。
【0030】
このため、接続ケーブル31の接続端子32を挿入しない状態で、端子ねじ41の雄ねじ部41bを端子板42の雌ねじ部42aに螺合させて当金41dが端子板42に直接接触する状態となっても、捩じりコイルばね45の第2端部45dの棒部45d4及び第2端部45fの棒部45f4が当金41dの上端部に接触することになり、捩じりコイルばね45の第2端部45d及び45fが当金41dから外れることを防止できる。
【0031】
この接続ケーブル31の接続端子32の固定状態から、接続ケーブル31の接続端子32を取り外すには、図5(c)の状態で、ねじ回しで端子ねじ41を反時計方向に回転させることにより、端子ねじ41の頭部41aが端子板42から離れる方向に移動する。このとき、当金41dも頭部41aと同様に端子板42から離れる方向に移動するので、捩じりコイルばね45の第2端部45d及び45fの棒部45d2及び45f2が当金41dの上端の角部に接触しながら棒部45d3及び45f3が当金41dの端子板42との対向面内に対向することになる。
【0032】
このため、図5(b)に示すように、端子ねじ41の雄ねじ部41bが端子板42の雌ねじ部42dから離脱した状態で、捩じりコイルばね45の第2端部45dの棒部45d2及び45d3の連結部と第2端部45fの棒部45f2及び45f3の連結部が当金41dの突条45eに接触している。したがって、この状態で、ねじ回しを端子ねじ41の頭部41aから取り外すことにより、捩じりコイルばね45の捩じり力によって当金41dが端子板42ら離れる方向に移動されて、端子ねじ41が端子ねじ保持位置に復帰する。
【0033】
このように、上記実施形態によると、端子ねじ41が端子板42から離間して当金41dがストッパ片43cに当接している端子ねじ保持位置にある状態で、捩じりコイルばね45によって当金41dの端子板42との対向面を支持している。この捩じりコイルばね45は2つのコイル部45a,45bと、各コイル部45a及び45bの一端に設けた第1端部45c及び45eと他端に設けた第2端部45d及び45fを有し、第1端部45c及び45eがばね装着部44の上側壁44aに接触され、第2端部45d及び45fが端子ねじ41の当金41dの端子板42との対向面に接触されている。
【0034】
したがって、端子ねじ41を端子板42側に押し込んだり、端子板42に螺合させたりしたときに、第2端部45d及び45fが第1端部45c及び45e側に移動することにより、第1端部45c及び45eを上側壁44aに押し付ける力が作用する。
このため、捩じりコイルばね45が移動しないように支持部を設ける必要がなく、単に捩じりコイルばね45をばね装着部44に配置するだけで済み、別途支持部材を配置する必要がない。
【0035】
しかも、捩じりコイルばね45の第2端部45d及び45fは、端子ねじ41の雄ねじ部41bから前後方向に外れか位置に設けられているので、雄ねじ部41bの影響を受けることなく長さを長くすることができる。
このため、端子ねじ41が端子ねじ保持位置から接続ケーブル31の接続端子32を固定する位置まで移動する間に、先端部の棒部45d4,45f4又は中央部の棒部45d2,45f2を端子ねじ41の当金41dに接触させることができ、別途第2端部45d及び45fの回動を規制する部材を設ける必要がない。したがって、端子装置26A及び26Bの構成を簡易化することができるとともに、小型化することができる。さらに、組立作業も容易となる。
【0036】
また、捩じりコイルばね45のコイル部45a及び45bが、端子ねじ41が端子ねじ保持位置から端子板42に向かって移動する際に、第2端部45d及び45fの移動に伴って巻き締められるように巻回されている。このため、コイル部45a及び45bのコイル径が端子ねじ保持位置で最大径となり、端子ねじ41が端子板42に向かうに従いコイル径が小さくなる。したがって、ばね装着部44のコイル部45a及び45bを収納する収納部の大きさを、コイル部45a及び45bが第2端部45d及び45fの移動によって巻き広げられる場合に比較して小さくすることができる。
【0037】
すなわち、コイル部45a及び45bを上記実施形態とは逆巻きとした場合には、第2端部45d及び45fが第1端部45c及び45e側に移動するにしたがって、コイル径が増加することになり、第2端部45d及び45fが第1端部45c及び45eに一番接近したときのコイル径でコイル部の収納部の大きさを設計することになり、コイル部の収納部の大きさが大きくなる。
【0038】
なお、上記実施形態においては、捩じりコイルばね45として、2つのコイル部45a及び45bの第1端部45c及び45eを連結部45gで連結した場合について説明したが、これに限定されるものではなく、連結部45gを中間部で分割して2つの捩じりコイルばねとし、これらをそれぞればね装着部44に装着するようにしても、上記実施形態と同様の作用効果を得ることができる。
【0039】
さらには、分割した捩じりコイルばねの一方を省略して、1つのコイル部を有する捩じりコイルばねで端子ねじ41の当金41dを支持するようにしてしてもよい。
また、上記実施形態では、コイル部45a及び45bが巻き締め方向となる場合について説明したが、これに限定されるものではなく、コイル部45a及び45bを巻き広げ方向とすることもできる。
【0040】
また、上記実施形態では、2つのコイル部45a及び45bの内側を第1端部45c及び45eとし、外側を第2端部45d及び45fとした場合について説明したが、これに限定されるものではなく、コイル部45a及び45bの外側を第1端部45c及び45eとし、内側を第2端部45d及び45fとすることもできる。この場合、第2端部45d及び45fが端子ねじ41の雄ねじ部41bに接触する場合には、中間の棒部45d2及び45f2を雄ねじ部41bを避けるように外側に傾斜させればよい。
【0041】
また、上記実施形態では、端子装置を押しボタンスイッチに適用した場合について説明したが、これに限らず切換スイッチや、表示灯、電磁接触器、電磁リレーなどの各種電気機器の端子装置として適用することができる。この場合、接点部の有無は問わない。
【符号の説明】
【0042】
1…操作スイッチ、2…操作部、3…連結用ベース、4…接点部、5A〜5C…接点ユニット、21…接点フレーム、22…接点ケース、22a…挿通孔、26A,26B…端子装置、31…接続ケーブル、32…接続端子、41…端子ねじ、41a…頭部、41b…雄ねじ部、41c…皿ばね、41d…当金、42…端子板、42a…雌ねじ部、43…案内保持部、43a,43b…側壁、43c…ストッパ片、44…ばね装着部、45…捩じりコイルばね、45a,45b…コイル部、45c,45e…第1端部、45d,45f…第2端部、45g…連結部
図1
図2
図3
図4
図5
図6