特許第6863002号(P6863002)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6863002
(24)【登録日】2021年4月5日
(45)【発行日】2021年4月21日
(54)【発明の名称】管理システム
(51)【国際特許分類】
   B65G 1/137 20060101AFI20210412BHJP
【FI】
   B65G1/137 A
【請求項の数】3
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2017-67630(P2017-67630)
(22)【出願日】2017年3月30日
(65)【公開番号】特開2018-167971(P2018-167971A)
(43)【公開日】2018年11月1日
【審査請求日】2019年10月23日
(73)【特許権者】
【識別番号】501428545
【氏名又は名称】株式会社デンソーウェーブ
(74)【代理人】
【識別番号】110000110
【氏名又は名称】特許業務法人快友国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】添田 紀恵
【審査官】 小川 悟史
(56)【参考文献】
【文献】 特開2007−219730(JP,A)
【文献】 特開2006−089163(JP,A)
【文献】 特開2009−220922(JP,A)
【文献】 特開2003−093476(JP,A)
【文献】 特開平06−052343(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65G 1/137
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
1個以上の物品を収容する第1容器と、
前記第1容器を収容する第2容器と、
サーバと、
を備え、
前記1個以上の物品のそれぞれは、当該物品を特定するための物品IDが記憶された物品RFIDタグを備えており、
前記第1容器は、
前記1個以上の物品を収容する第1収容部と、
前記第1収容部内に収容されている前記1個以上の物品に備えられた1個以上の前記物品RFIDタグに記憶された1個以上の前記物品IDを読み取るための第1読取処理を実行する第1リーダと、
前記第1読取処理が実行される特定の場合に、前記第1読取処理によって読み取られた第1読取情報と、前記第1容器を特定するための第1容器IDと、を含む第1出力情報を前記サーバに送信する第1制御部と、
前記第1容器IDが記憶された第1RFIDタグと、
を備えており、
前記第2容器は、
前記1個以上の物品が収容された前記第1容器を収容する第2収容部と、
前記第2収容部内に収容されている前記1個以上の物品に備えられた前記1個以上の物品RFIDタグに記憶された前記1個以上の物品IDと、前記第2収容部内に収容されている前記第1容器に備えられた前記第1RFIDタグに記憶された前記第1容器IDを読み取るための第2読取処理を実行する第2リーダと、
前記第2読取処理によって読み取られた第2読取情報と、前記第2容器を特定するための第2容器IDと、を含む第2出力情報を前記サーバに送信する第2制御部と、
を備えており、
前記サーバは、
前記第1容器から受信される前記第1出力情報を利用して、前記第1容器IDと前記1個以上の物品IDとを対応付けて記憶し、
前記第1容器IDと前記1個以上の物品IDとが対応付けて記憶されている状況で、前記第2容器から前記第2出力情報を受信する場合であって、前記第2出力情報に含まれる前記第2読取情報に含まれるIDが、前記第1容器IDと前記1個以上の物品IDとのうちの少なくとも1個と一致する場合に、前記第2出力情報に含まれる前記第2容器IDと、記憶済みの前記第1容器ID及び前記1個以上の物品IDと、を対応付けて記憶し、
前記第1制御部は、さらに、
前記第1収容部に収容される前記物品の個数を示す個数情報を取得し、
前記個数情報が取得された後で、前記第1リーダが前記第1読取処理を実行することによって読み取られた前記物品IDの個数が、前記個数情報が示す前記物品の個数と一致する前記特定の場合に、前記第1出力情報を前記サーバに送信する、
管理システム。
【請求項2】
前記第1容器は、さらに、前記第1収容部に取り付けられており、ユーザが前記個数情報を入力可能な入力部を備え、
前記第1制御部は、前記入力部において入力された前記個数情報を取得する、請求項に記載の管理システム。
【請求項3】
前記第1容器は、さらに、前記第1収容部に取り付けられており、前記個数情報が示す前記物品の個数と、前記第1リーダが前記第1読取処理を実行することによって読み取られた前記物品IDの個数と、のうちの少なくとも一方を表示可能な表示部を備える、請求項に記載の管理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書で開示する技術は、管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に開示されている管理システムは、複数の物品(荷物)を収容する容器(パレット)を備えており、複数の物品のそれぞれは、当該物品を特定するための物品IDが記憶された物品RFIDタグを備えている。また、特許文献1の管理システムは、複数の物品RFIDタグに記憶されている複数の物品IDを読み取るための読取処理を実行するリーダを備えている。このリーダは、読取処理によって複数の物品IDを一括で読み取ることができる。リーダによって読み取られた複数の物品IDは、情報管理のために利用される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第5820680号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の管理システムでは、リーダが、複数の物品RFIDタグに記憶されている複数の物品IDを一括で読み取る際に、複数の物品IDのうちのいくつかの物品IDを読み落としてしまう(即ち読み取りに失敗する)ことがある。このような読み落としは、例えば、リーダの電波が何らかの障害によっていくつかの物品まで届かないことなどに起因して起こり得る。リーダが物品IDを読み落としてしまうと、物品の流通過程において、読み落とされた物品IDに係る物品がどこに存在しているのかが分からなくなる。その一方で、リーダにすべての物品IDを確実に読み取らせようとするならば、リーダは、複数回の読み取り処理を行わなければならなくなる場合があり、物品の流通をスムーズに行えないおそれがある。そこで本明細書は、物品の流通過程において、物品がどこに存在しているのかを速やかに把握することができる技術を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本明細書が開示する管理システムは、1個以上の物品を収容する第1容器と、前記第1容器を収容する第2容器と、サーバと、を備えている。前記1個以上の物品のそれぞれは、当該物品を特定するための物品IDが記憶された物品RFIDタグを備えている。前記第1容器は、前記1個以上の物品を収容する第1収容部と、前記第1収容部内に収容されている前記1個以上の物品に備えられた1個以上の前記物品RFIDタグに記憶された1個以上の前記物品IDを読み取るための第1読取処理を実行する第1リーダと、前記第1読取処理が実行される特定の場合に、前記第1読取処理によって読み取られた第1読取情報と、前記第1容器を特定するための第1容器IDと、を含む第1出力情報を前記サーバに送信する第1制御部と、前記第1容器IDが記憶された第1RFIDタグと、を備えている。前記第2容器は、前記1個以上の物品が収容された前記第1容器を収容する第2収容部と、前記第2収容部内に収容されている前記1個以上の物品に備えられた前記1個以上の物品RFIDタグに記憶された前記1個以上の物品IDと、前記第2収容部内に収容されている前記第1容器に備えられた前記第1RFIDタグに記憶された前記第1容器IDを読み取るための第2読取処理を実行する第2リーダと、前記第2読取処理によって読み取られた第2読取情報と、前記第2容器を特定するための第2容器IDと、を含む第2出力情報を前記サーバに送信する第2制御部と、を備えている。前記サーバは、前記第1容器から受信される前記第1出力情報を利用して、前記第1容器IDと前記1個以上の物品IDとを対応付けて記憶する。また、前記サーバは、前記第1容器IDと前記1個以上の物品IDとが対応付けて記憶されている状況で、前記第2容器から前記第2出力情報を受信する場合であって、前記第2出力情報に含まれる前記第2読取情報に含まれるIDが、前記第1容器IDと前記1個以上の物品IDとのうちの少なくとも1個と一致する場合に、前記第2出力情報に含まれる前記第2容器IDと、記憶済みの前記第1容器ID及び前記1個以上の物品IDと、を対応付けて記憶する。
【0006】
上記の構成によると、まず、第1容器IDと、第1収容部内に収容されている1個以上の物品の1個以上の物品IDとが、互いに対応付けられてサーバに記憶される。その状況で、第2リーダが第2読取処理を実行する。第2読取処理では、第2リーダが、第2収容部に収容されている第1容器IDと1個以上の物品IDとを一括で読み取ることを試行する。このとき、第2リーダは、第1容器IDと1個以上の物品IDとのうちのいくつかのIDを読み落とすことがある。その後、第2読取処理で取得された第2読取情報に含まれているIDが上記の第1容器IDと1個以上の物品IDとのうちの少なくとも1個と一致する場合には、サーバが、第2容器IDと第1容器IDと1個以上の物品IDとを対応付けて記憶する。この構成によれば、第2リーダが第2読取処理を実行する際に第1容器IDと1個以上の物品IDとのうちのいくつかのIDを仮に読み落としたとしても、読み取りに成功したIDがサーバに記憶されている第1容器IDと1個以上の物品IDとのうちの少なくとも1個と一致すれば、サーバは、第2容器IDと、既に記憶されている第1容器IDと1個以上の物品IDと、を対応付けて記憶することができる。そのため、第2リーダがいくつかのIDを読み落としたとしても、サーバが、第2容器IDと第1容器IDと1個以上の物品IDとを対応付けることができる。その結果、第2リーダが第2読取処理でいくつかのIDを読み落としたとしても、サーバのユーザ(例えば管理システムの管理者)が、第1容器と1個以上の物品が第2容器に収容されていることを把握できる。この場合、第2リーダは、すべてのIDを確実に読み取るために、複数回の読み取り処理を行う必要もない。よって、上記の管理システムによると、物品の流通過程において、物品がどこに存在しているのかを速やかに把握することができる。
【0007】
上記の管理システムにおいて、前記第1制御部は、さらに、前記第1収容部に収容される前記物品の個数を示す個数情報を取得してもよい。また、前記第1制御部は、前記個数情報が取得された後で、前記第1リーダが前記第1読取処理を実行することによって読み取られた前記物品IDの個数が、前記個数情報が示す前記物品の個数と一致する前記特定の場合に、前記第1出力情報を前記サーバに送信してもよい。
【0008】
上記の構成によると、第1読取処理で読み取られた物品IDの個数と個数情報が示す物品の個数(第1容器に収容される物品の個数)とが一致した場合に、サーバが第1容器IDと1個以上の物品IDとを対応付けて記憶することができる。物品IDの個数と物品の個数とが一致しない場合は、第1容器IDと1個以上の物品IDとがサーバに記憶されない。その結果、サーバにおいて、第1容器の第1容器IDと、第1収容部内に収容されている1個以上の物品の1個以上の物品IDとが、対応付けられて記憶される状況が適切に形成される。そのため、その後、第2リーダが第2読取処理を実行する際に読み落としが発生したとしても、管理システムのユーザが、第1容器と1個以上の物品が第2容器に収容されていることを適切に把握することができる。
【0009】
また、上記の管理システムにおいて、前記第1容器は、さらに、前記第1収容部に取り付けられており、ユーザが前記個数情報を入力可能な入力部を備えていてもよい。また、前記第1制御部は、前記入力部において入力された前記個数情報を取得してもよい。
【0010】
上記の構成によると、第1収容部に収容される物品の個数をユーザ(例えば物流現場の作業員等)が指定することができる。ユーザが指定した物品の個数と、第1容器に実際に収容された物品の個数とが一致した場合に、サーバに第1容器IDと1個以上の物品IDとを対応付けて記憶させることができる。
【0011】
また、上記の管理システムにおいて、前記第1容器は、さらに、前記第1収容部に取り付けられており、前記個数情報が示す前記物品の個数と、前記第1リーダが前記第1読取処理を実行することによって読み取られた前記物品IDの個数と、のうちの少なくとも一方を表示可能な表示部を備えていてもよい。
【0012】
上記の構成によると、表示部を視たユーザが、個数情報が示す物品の個数と第1読取処理で読み取られた物品IDの個数との少なくとも一方を把握することができる。そのため、物品の個数と物品IDの個数との対応をユーザが把握することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】管理システムの概要を示す図。
図2】物品と第1容器と第2容器とサーバの構成を示すブロック図。
図3】容器の制御部が実行する容器側処理を示すフローチャート。
図4】サーバの制御部が実行するサーバ側処理を示すフローチャート。
図5】データベースに登録される第1容器IDと物品IDの一例を示すテーブル。
図6】データベースに登録される第2容器IDと第1容器IDと物品IDの一例を示すテーブル。
【発明を実施するための形態】
【0014】
(管理システム2の構成;図1図2
図1に示すように、管理システム2は、複数の物品3と、複数の第1容器10と、第2容器20と、サーバ100とを備えている。この管理システム2では、RFID(Radio Frequency IDdentifier)の技術が用いられる。RFIDの技術は、無線通信技術の1つであり、電波を用いて非接触で情報を読み書きすることができる技術である。RFIDの技術では、1回の読取処理で複数の情報を読み取ることができる。この技術では、リーダによって、複数のRFIDタグに記憶されている複数の情報を一括で読み取ることができる。以下に説明する物品RFIDタグ4、RFIDタグ13、RFIDタグ23、リーダ12、リーダ22ではRFIDの技術が用いられる。
【0015】
(物品3の構成;図1図2
複数の物品3はいずれも同様の構成を備えている。代表としてそのうちの1個の物品3について説明する。物品3は、例えば宅配用の荷物である。図2に示すように、物品3は、物品RFIDタグ4を備えている。物品RFIDタグ4が物品3に取り付けられている。物品RFIDタグ4は、物品IDを記憶している。物品RFIDタグ4に記憶されている物品IDは、その物品RFIDタグ4を備えている物品3を特定するための情報である。物品IDは、物品3に固有の情報である。物品IDは、例えば「0−001」、「0−002」等で示される。
【0016】
(第1容器10の構成;図1図2
複数の第1容器10はいずれも同様の構成を備えている。代表としてそのうちの1個の第1容器10について説明する。第1容器10は、例えば、複数の物品3を収容できるオリコン、カゴ車、パレット、トラックのコンテナ等である。第1容器10は、複数の物品3を収容する収容部11を備えている。収容部11は、例えば4個の物品3を収容する。また、第1容器10は、図2に示すように、リーダ12と、RFIDタグ13と、入力部14と、表示部15と、通信インターフェース16と、制御部17と、メモリ18とを備えている。以下では、インターフェースのことを「I/F」と記載する。これらの各要素12〜18は、いずれも収容部11に取り付けられている(図1参照)。
【0017】
リーダ12は、通信範囲内にあるRFIDタグに記憶されている情報を無線通信で読み取ることができる。リーダ12は、物品IDを読み取るための第1読取処理を実行することができる。リーダ12は、第1容器10に収容される物品3が備えている物品RFIDタグ4に記憶されている物品IDを読み取ることができる。リーダ12は、複数の物品RFIDタグ4に記憶されている物品IDを一括で読み取ることができる。リーダ12は、第1容器10に収容される複数の物品3に係る複数の物品IDを一括で読み取ることができる。
【0018】
RFIDタグ13は、リーダ(例えば後述のリーダ22)から出力される電波を受信して電力を生成し、生成した電力を利用して当該リーダと通信(例えば情報の送信)を実行することができるタグである。RFIDタグ13は、第1容器10を特定するための第1容器IDを記憶している。第1容器IDは、第1容器10に固有の情報である。第1容器IDは、例えば「1−001」、「1−002」等で示される。
【0019】
入力部14は、複数のキーを備える。ユーザは、入力部14を操作して、各種の情報を入力可能である。例えば、ユーザ(例えば物流現場の作業員)は、入力部14を操作して、第1容器10に収容される物品3の個数を示す個数情報を第1容器10に入力可能である。
【0020】
表示部15は、各種の情報を表示可能なディスプレイである。表示部15は、入力部14から入力された個数情報が示す物品3の個数と、リーダ12が読み取った物品IDの個数を表示可能である。入力部14と表示部15とは、タッチパネルとして一体に構成されていてもよい。
【0021】
通信I/F16は、RFIDの技術に従った無線通信を実行するための無線通信インターフェースである。
【0022】
制御部17は、第1容器10に関する各種の制御を行う。制御部17は、メモリ18内のプログラムに従って様々な処理を実行する。制御部17が実行する処理(図3参照)の内容については後述する。
【0023】
メモリ18は、上記のプログラムに加えて、各種の情報を記憶する。メモリ18は、第1容器10を特定するための第1容器IDを記憶している。
【0024】
(第2容器20の構成;図1図2
図1に示すように、第2容器20は、例えば、複数の第1容器10を収容可能なオリコン、カゴ車、パレット、トラックのコンテナ、物流倉庫等である。第2容器20は、複数の第1容器10を収容可能な収容部21を備えている。収容部21は、例えば3個の第1容器10を収容する。収容部21は、複数の物品3が収容されている複数の第1容器10を収容する。収容部21は、複数の物品3を、第1容器10に収容することなく直接収容部21内に収容することも可能である。収容部21は、複数の支持台31を備えている。各支持台31の上に各第1容器10が配置される。また、収容部21にはタイヤが取り付けられている。
【0025】
第2容器20は、収容部21のサイズが第1容器10の収容部11のサイズよりも大きいことを除けば、基本的に第1容器10と同様の構成を有する。即ち、図2に示すように、第2容器20も、第1容器10と同様に、リーダ22と、RFIDタグ23と、入力部24と、表示部25と、通信I/F26と、制御部27と、メモリ28とを備えている。これらの各要素22〜28は、いずれも収容部21に取り付けられている(図1参照)。
【0026】
リーダ22は、通信範囲内にあるRFIDタグに記憶されている情報を無線通信で読み取ることができる。リーダ22は、物品IDと第1容器IDを読み取るための第2読取処理を実行することができる。リーダ22は、第2容器20に収容される第1容器10が備えているRFIDタグ13に記憶されている第1容器IDを読み取ることができる。また、リーダ22は、その第1容器10に収容される物品3が備えている物品RFIDタグ4に記憶されている物品IDを読み取ることができる。リーダ22は、複数のRFIDタグ13に記憶されている複数の第1容器IDと、複数の物品RFIDタグ4に記憶されている複数の物品IDとを一括で読み取ることができる。リーダ22は、第2容器20に収容される複数の第1容器10に係る複数の第1容器IDと、第1容器10に収容される複数の物品3に係る複数の物品IDとを一括で読み取ることができる。
【0027】
RFIDタグ23は、リーダ(例えば図示しない他の容器のリーダ)から出力される電波を受信して電力を生成し、生成した電力を利用して当該リーダと通信(例えば情報の送信)を実行することができるタグである。RFIDタグ23は、第2容器20を特定するための第2容器IDを記憶している。第2容器IDは、第2容器20に固有の情報である。第2容器IDは、例えば「2−001」等で示される。
【0028】
入力部24は、複数のキーを備える。ユーザは、入力部24を操作して、各種の情報を入力可能である。表示部25は、各種の情報を表示可能なディスプレイである。入力部24と表示部25とは、タッチパネルとして一体に構成されていてもよい。通信I/F26は、RFIDの技術に従った無線通信を実行するための無線通信インターフェースである。
【0029】
制御部27は、第2容器20に関する各種の制御を行う。制御部27は、メモリ28内のプログラムに従って様々な処理を実行する。制御部27が実行する処理(図3参照)の内容については後述する。
【0030】
メモリ28は、上記のプログラムに加えて、各種の情報を記憶する。メモリ28は、第2容器20を特定するための第2容器IDを記憶している。
【0031】
(サーバ100の構成;図1図2
サーバ100は、管理システム2の管理者によって設置されるサーバであり、物品3の位置や数等の管理に用いられるサーバである。通信I/F116と、制御部117と、メモリ118とを備えている。通信I/F116は、RFIDの技術に従った無線通信を実行するための無線通信インターフェースである。
【0032】
制御部117は、管理システム2に関する各種の制御を行う。制御部117は、メモリ118内のプログラムに従って様々な処理を実行する。制御部117が実行する処理(図4参照)の内容については後述する。
【0033】
メモリ118は、上記のプログラムに加えて、各種の情報を記憶する。メモリ118は、第2容器IDと第1容器IDと物品IDとに関するデータベース120を記憶している。データベース120には、第2容器IDと第1容器IDと物品IDとが対応付けられた組合せ情報(図5図6参照)が含まれている。組合せ情報を参照することにより、管理者は、どの容器内に、どの容器(又は物品)が収容されているのかの階層関係を把握することができる。
【0034】
(容器側処理;図3
続いて、図3を参照して、第1容器10の制御部17及び第2容器20の制御部27が実行する容器側処理の内容を説明する。以下では、第1容器10の制御部17が図3の処理を実行する場合を例として処理の内容を説明するが、第2容器20の制御部27も基本的に同様の処理を実行している。
【0035】
ユーザは、第1容器10に物品3等を収容する場合、入力部14に所定の読取開始指示を入力することができる。この際、ユーザは、第1容器10に収容する物品3の個数を示す個数情報を合わせて入力することができる。
【0036】
S11では、制御部17は、読取開始指示とともに、個数情報が併せて入力されたか否かを判断する。個数情報が入力されている場合は、制御部17は、S11でYESと判断してS12に進む。一方、個数情報が入力されていない場合は、制御部17は、S11でNOと判断してS21に進む。
【0037】
S12では、制御部17は、入力された個数情報が示す個数(即ち、第1容器10に収容する物品3の個数)を表示部15に表示する。
【0038】
続くS13では、制御部17は、リーダ12による読取処理を開始する。具体的には、制御部17は、リーダ12を起動させ、リーダ12の通信可能範囲である収容部11内に電波を出力し、収容部11内に存在する1個以上の物品RFIDタグ4のそれぞれから、当該物品RFIDタグ4に記憶されている物品IDを一括して読み取ることを試行する。リーダ12が1個以上の物品IDを読み取ると、それら1個以上の物品IDを含む読取情報がリーダ12から制御部17に供給される。第1容器10のリーダ12が実行する読取処理が第1読取処理の一例である。また、第1容器10のリーダ12の読取処理によって得られる読取情報が、第1読取情報の一例である。
【0039】
リーダ12が1個以上の物品RFIDタグ4を一括で読み取る際に、例えば何らかの障害物の影響等によって、いくつかの物品IDを読み落とすことがある。例えば、4個の物品3に係る4個の物品IDのうち、1個の物品IDをリーダ12が読み落とすことがある。3個の物品IDのみをリーダ12が読み取ることがある。このように、リーダ12は、いくつかの物品IDの読み取りに成功し、他のいくつかの物品IDの読み取りに失敗する。RFIDの技術では、複数のRFIDタグに記憶されている複数の情報をリーダが一括で読み取る際に、時々読み取りに失敗することがある。リーダ12が複数の物品IDのうちのいくつかの物品IDを読み取ると、それらの物品IDを含む読取情報がリーダ12から制御部17に供給される。
【0040】
続いて、S14では、制御部17が、リーダ12から供給された読取情報を取得する。この読取情報には、リーダ12が読み取りに成功した1個以上の物品IDが含まれている。
【0041】
続いて、S15では、制御部17は、この時点で取得済みのIDの個数と、入力された個数情報が示す個数とが、一致するか否かを判断する。S13で実行された読取処理の結果として取得された物品IDの個数は、リーダ12が読み取りに成功した物品IDの個数である。取得済みの物品IDの個数と個数情報が示す個数とが一致する場合は、S15で制御部17がYESと判断してS31に進む。一方、両者が一致しない場合は、S15で制御部17がNOと判断してS13に戻る。リーダ12がいくつかの物品IDの読み取りに失敗した場合は、S15で制御部17がNOと判断する。
【0042】
制御部17は、S15でNOと判断した場合は、S13からS15の処理を繰り返す。制御部17は、第1容器10に収容されている全ての物品3に係る物品IDをリーダ12が読み取るまで、S13からS15の処理を繰り返す。すなわち、読取情報に含まれている複数の物品IDの個数と、入力部14から入力された物品3の個数とが一致するまで、制御部17がS13からS15の処理を繰り返す。
【0043】
一方、S21(即ち、個数情報が入力されなかった場合)においては、制御部17は、リーダ12による読取処理を開始する。S21の内容はS13と同様であるため詳しい説明を省略する。
【0044】
続くS22では、S14と同様に、制御部17は、リーダ12から供給された読取情報を取得する。この読取情報には、リーダ12が読み取りに成功した1個以上の物品IDが含まれている。S22を終えると、制御部17は、S31に進む。
【0045】
S31では、制御部17が、読取情報と第1容器IDとを含む出力情報を生成する。制御部17は、上記で取得した読取情報と、メモリ18に記憶されている第1容器IDとを利用して出力情報を生成する。そのため、出力情報には、第1容器10を特定する第1容器IDと、読取情報に含まれている複数の物品IDが含まれている。S13からS15の処理を経た後のS31の時点では、読取情報には、第1容器10に収容されている全ての物品3に係る物品IDが含まれている。S13からS15の処理を経た後に出力される出力情報が、第1出力情報の一例である。一方、S21、S22を経た後のS31の時点では、読取情報には、全ての物品IDが含まれていない可能性もある(即ち読み落としが発生している可能性もある)。
【0046】
続いて、S32では、制御部17が、S31で生成された出力情報をサーバ100に送信する。制御部17は通信I/F16を介して出力情報を無線通信で送信する。サーバ100の制御部117が通信I/F116を介して出力情報を受信する。続いて、S33では、制御部17が、後述するS55でサーバ100が送信する完了情報を受信する。制御部17は通信I/F16を介して完了情報を無線通信で受信する。その後、制御部17は処理を終了する。
【0047】
第2容器20の制御部27が図3の容器側処理を実行する場合も、基本的には上記の第1容器10の場合と同様である。ただし、第2容器20の場合、ユーザは、第2容器20に、物品3を収容済みの第1容器10を収容させる場合には、入力部14に、読取開始指示とともに、物品3の個数と第1容器10の個数との合計数を示す個数情報を合わせて入力することができる。即ち、個数情報は、収容部21に収容されているすべての要素(第1容器10、物品3)の個数を示す数である。そのため、S13、S21においては、リーダ22は、その第2容器20に収容されている第1容器10に係る第1容器IDと、その第1容器10に収容されている全ての物品3に係る物品IDとを一括で読み取ることを試行する。リーダ22が第1容器IDと複数の物品IDを読み取ると、その第1容器IDと複数の物品IDを含む読取情報がリーダ22から制御部27に供給される。第2容器20のリーダ22が実行する読取処理が第2読取処理の一例である。また、第2容器20のリーダ22の読取処理によって得られる読取情報が、第2読取情報の一例である。また、S14、S22において取得される読取情報には、第1容器IDと1個以上の物品IDのうち、リーダ22が読み取りに成功した少なくとも1個のIDが含まれている。また、S15では、制御部27は、読取情報に含まれるIDの個数と、入力された個数情報とが一致するか否かを判断する。
【0048】
(サーバ側処理;図4
続いて、図4を参照して、サーバ100の制御部117が実行するサーバ側処理の内容を説明する。サーバ100は、起動している間、図4の処理を繰り返し実行している。S51では、制御部117は、いずれかの容器(第1容器10又は第2容器20)から出力情報(図3のS32参照)を受信することを監視する。制御部117は、いずれかの容器(第1容器10又は第2容器20)から出力情報を受信すると、S51でYESと判断してS52に進む。
【0049】
S52では、制御部117は、出力情報内の読取情報に含まれるID(物品ID、容器ID)を含む組合せ情報が、データベース120内に存在するか否かを判断する。制御部117は、読取情報に含まれているIDを検索キーとして、データベース内を検索する。第1容器IDと複数の物品IDとを含む組合せ情報がデータベース内に存在するか否かを制御部117が判断する。読取情報に含まれているIDが複数存在する場合には、制御部117は、検索キーとするIDを順次変更して検索を行う。その結果、検索キーのIDと一致するIDを含む組合せ情報がデータベース内に1個も存在しない場合、制御部117はS52でNOと判断し、S53に進む。一方、検索キーのIDと一致するIDを含む組合せ情報がデータベース内に1個でも既に存在する場合は、制御部117はS52でYESと判断し、S55に進む。
【0050】
S53では、制御部117は、出力情報に含まれる容器IDと、読取情報に含まれる各ID(物品ID、容器ID)と、を対応付けた組合せ情報をデータベース120に登録する。即ち、制御部117は、容器IDと読取情報に含まれる各IDとを含む組合せ情報をデータベース120に新規登録する(図5参照)。
【0051】
一方、S55では、制御部117は、出力情報に含まれる容器IDを、検索キーのIDと一致するIDを含む組合せ情報(以下「特定された組合せ情報」と呼ぶ)と対応付けてデータベース120に登録する。即ち、制御部117は、既にデータベース120内に存在する組合せ情報に、出力情報に含まれる容器IDを対応付けて登録する。
【0052】
S54では、制御部117は、完了情報を、出力情報の送信元の容器(第1容器10又は第2容器20)に送信する。S54を終えると、制御部117は、S51に戻り、新たに出力情報を受信することを監視する。
【0053】
(具体例;図1図5図6
続いて、図1図5図6を参照して、管理システム2で物品3を管理する際に、図3図4のフローチャートによって実現される具体例を説明する。この例では、図1に示すように、3個の第1容器10のそれぞれに、4個の物品3を収容し、さらに、それら3個の第1容器10を第2容器20に収容する状況を想定している。
【0054】
まず、ユーザ(例えば作業員)は、物品ID「0−001」〜「0−004」を有する4個の物品3を、容器ID「1−001」を有する第1容器10に収容する。そして、ユーザは、入力部14において、物品3の個数である「4」を示す個数情報とともに、読取開始指示を入力する。
【0055】
第1容器10の制御部17は、読取開始指示とともに個数情報が入力されたと判断し(図3のS11でYES)、表示部15に個数「4」を表示させる(S12)。そして、制御部17は、リーダ12を起動して読取処理を行う(S13)。この具体例では、1回目の読取処理の結果、制御部17は、2個の物品ID「0−001」、「0−002」のみを取得する(S14)。制御部17は、この時点で取得済みのIDの数「2」が、個数情報が示す個数「4」と一致しないと判断し(S15でNO)、再度読取処理を行う(S13、S14)。この結果、制御部17は、残りの2個の物品ID「0−003」、「0−004」を取得する。制御部17は、この時点で取得済みのIDの数「4」が、個数情報が示す個数「4」と一致すると判断し(S15でYES)、読取情報(即ち、読み取られた4個の物品ID「0−001」〜「0−004」)と、メモリ18に記憶されている容器ID「1−001」と、を含む出力情報を生成し、サーバ100に送信する(S31、S32)。
【0056】
この具体例では、同様の処理が、容器ID「1−002」、「1−003」を有する他の第1容器10においても実行される。図1に示すように、容器ID「1−002」を有する第1容器10には、物品ID「0−011」〜「0−014」を有する4個の物品3が収容され、容器ID「1−003」を有する第1容器10には、物品ID「0−021」〜「0−024」を有する4個の物品3が収容される。
【0057】
サーバ100の制御部117は、容器ID「1−001」を有する第1容器10から、上記の出力情報を受信する(図4のS51でYES)。制御部117は、読取情報に含まれる4個の物品ID「0−001」〜「0−004」を順次検索キーとして、データベース内を検索する(S52)。この時点では、データベース120には、物品ID「0−001」〜「0−004」を含む組合せ情報は登録されていない(S52でNO)。そのため、制御部117は、容器ID「1−001」と、4個の物品ID「0−001」〜「0−004」と、を含む組合せ情報(図5の符号200)をデータベース120に登録する(S53)。その後、制御部117は第1容器10に完了情報を送信する(S54)。
【0058】
サーバ100の制御部117は、容器ID「1−002」を有する第1容器10から出力情報を受信する場合、及び、容器ID「1−003」を有する第1容器10から出力情報を受信する場合にも、同様の処理を実行する。この結果、データベース120には、容器ID「1−002」と4個の物品ID「0−011」〜「0−014」とを含む組合せ情報、及び、容器ID「1−003」と4個の物品ID「0−021」〜「0−024」とを含む組合せ情報(図5の符号210、220)とがさらに登録される。この結果、データベース120内には、図5に示されるような各組合せ情報200、210、220が登録される。
【0059】
次に、容器ID「1−001」〜「1−003」を有する3個の第1容器10が集積される集配センターにおいて、ユーザ(例えば集配センターの作業員)は、容器ID「1−001」〜「1−003」を有する3個の第1容器10を、容器ID「2−001」を有する第2容器20に収容する。この場合、ユーザは、入力部14において、読取開始指示のみを入力し、個数情報は入力しない。
【0060】
第2容器20の制御部27は、読取開始指示とともに個数情報が入力されていないと判断し(図3のS11でNO)、すぐにリーダ22を起動して読取処理を行う(S21)。この具体例では、読取処理の結果、制御部27は、2個の容器ID「1−001」、「1−003」と、10個の物品ID「0−001」〜「0−003」、「0−012」〜「0−014」、「0−021」〜「0−024」のみを取得する(S14)。即ち、この具体例では、読取処理の際に読み落としが発生し、1個の容器ID「1−002」と、2個の物品ID「0−004」、「0−011」とが読み取れていない。この場合、制御部27は、読取情報(即ち、読み取られた各ID)と、メモリ18に記憶されている容器ID「2−001」と、を含む出力情報を生成し、サーバ100に送信する(S31、S32)。
【0061】
サーバ100の制御部117は、容器ID「2−001」を有する第2容器20から、上記の出力情報を受信する(図4のS51でYES)。制御部117は、読取情報に含まれる各IDを順次検索キーとして、データベース内を検索する(S52)。
【0062】
例えば、制御部117は、まず、容器ID「1−001」を検索キーとしてデータベース120内を検索する(S52)。この時点では、データベース120には、図5に示す各組合せ情報200、210、220が登録されている。即ち、データベース120には、容器ID「1−001」を含む組合せ情報200(即ち、容器ID「1−001」と4個の物品ID「0−001」〜「0−004」との組合せ情報)が存在する。そのため、制御部117は、組合せ情報200を特定することができる(S52でYES)。
【0063】
続いて、制御部117は、容器ID「1−003」を検索キーとしてデータベース120内を検索することにより、組合せ情報220(即ち、容器ID「1−003」と4個の物品ID「0−021」〜「0−024」との組合せ情報)を特定することができる(S52でYES)。
【0064】
また、制御部117は、物品ID「1−012」を検索キーとして、組合せ情報210(即ち、容器ID「1−002」と4個の物品ID「0−011」〜「0−014」との組合せ情報)を特定することができる(S52でYES)。
【0065】
そして、制御部117は、組合せ情報200に、出力情報に含まれる容器ID「2−001」を対応付けてデータベース120に登録する(図6参照。S55)。同様に、制御部117は、組合せ情報210、220にも、出力情報に含まれる容器ID「2−001」を対応付けてデータベース120に登録する(図6参照。S55)。即ち、この具体例では、第2容器20のリーダ22が物品ID「0−004」の読み取りに失敗しているが、制御部117は、容器ID「2−001」と組合せ情報200、210、220を対応付けて登録することができる。この結果、図6に示すように、第2容器20において読み落としが発生する場合であっても、データベース120内には、容器ID「2−001」と対応付けられた組合せ情報200、210、220が含まれることになる。
【0066】
以上、実施例に係る管理システム2について説明した。上記の説明から明らかなように、管理システム2では、サーバ100が、第1容器10から受信される出力情報を利用して、第1容器IDと複数の物品IDとを対応付けてメモリ118に記憶する。また、この状況で、サーバ100が、第2容器20から出力情報を受信する場合であって、その出力情報に含まれる読取情報に含まれるID(第2容器20のリーダ22が読み取りに成功した少なくとも1個のID)が、メモリ118に記憶されている第1容器IDと複数の物品IDとのうちの少なくとも1個と一致する場合には、出力情報に含まれる第2容器IDと、記憶済みの第1容器ID及び複数の物品IDと、を対応付けてメモリ118に記憶する。
【0067】
この構成によれば、リーダ22が読取処理を実行する際に第1容器IDと複数の物品IDとのうちのいくつかのIDを仮に読み落としたとしても、読み取りに成功したIDが第1容器IDと複数の物品IDとのうちの少なくとも1個と一致すればよい。そのため、リーダ22がいくつかのIDを読み落としたとしても、サーバ100の制御部117が、第2容器IDと第1容器IDと複数の物品IDとを対応付けることができる(図6参照)。その結果、サーバ100の管理者は、データベース120を参照することで、第1容器10と複数の物品3が第2容器20に収容されていることを把握できる。この場合、リーダ22は、収容部21内のすべてのIDを確実に読み取るために、複数回の読み取り処理を行う必要もない。よって、本実施例の管理システム2を利用すれば、管理者は、物品3の流通過程において、各物品3がどこに存在しているのかを速やかに把握することができる。
【0068】
また、上記の管理システム2では、第1容器10のユーザが、入力部14に個数情報を入力して読取開始指示を行うと、第1容器10の制御部17は、リーダ12によって読み取られた物品IDの個数が、個数情報が示す物品3の個数と一致する場合に限り(図3のS15でYES)、出力情報をサーバ100に送信する。そのため、その結果、サーバ100において、第1容器10の容器IDと、収容部11内に収容されている物品3の物品IDとが、対応付けられて記憶される状況(図5参照)が確実に形成される。そのため、その後、第2容器20のリーダ22が読取処理を実行する際に読み落としが発生したとしても、サーバ100の管理者が、第1容器10と物品3とが第2容器20に収容されていることを適切に把握することができる。
【0069】
また、上記の管理システム2では、第1容器10が、個数情報を入力可能な入力部14を備えている。そのため、第1容器10に収容する物品3の個数をユーザが指定することができる。
【0070】
また、上記の管理システム2では、個数情報が示す物品3の個数を表示可能な表示部15を備えている。そのため、表示部15を視たユーザが、個数情報が示す物品3の個数を把握することができる。
【0071】
(対応関係)
上記の収容部11が第1収容部の一例であり、リーダ12が第1リーダの一例であり、RFIDタグ13が第1RFIDタグの一例であり、制御部17が第1制御部の一例である。また、上記の収容部21が第2収容部の一例であり、リーダ22が第2リーダの一例であり、制御部27が第2制御部の一例である。
【0072】
以上、一実施例について説明したが、具体的な態様は上記実施例に限定されるものではない。以下の説明において、上述の説明における構成と同様の構成については、同一の符号を付して説明を省略する。
【0073】
上記の実施例では、複数の物品3を第1容器10に収容する場合について説明したが、1個の物品3を第1容器10に収容する場合であってもよい。この場合は、第2容器20のリーダ22が、第1容器10に係る第1容器IDと1個の物品3に係る1個の物品IDとのうち、いずれかのIDを読み取ると、そのIDを含む読取情報がリーダ22から制御部27に供給される。
【0074】
上記の実施例では、第1容器10の制御部17が、個数情報が示す物品3の個数を表示部15に表示していた(図3のS12参照)。他の実施例では、第1容器10の制御部17が、リーダ12によって読み取られた物品IDの個数を表示部15に表示してもよい。制御部17が、読取情報に含まれている物品IDの個数を表示部15に表示する。表示部15は、物品3の個数と物品IDの個数との両方または一方を表示可能である。
【0075】
また、他の実施例では、第2容器20が、図示省略する第3容器に収容されてもよい。複数の第2容器20が第3容器に収容されてもよい。第3容器は、第2容器20と同様の構成を備えている。第3容器の制御部が、第2容器20の制御部27と同様の処理を実行する。また、この場合は、サーバ100の制御部117が、第2容器IDと第1容器IDと複数の物品IDとを対応付けてメモリ118に記憶されているデータベース120に登録する。また、この状況で、サーバ100の制御部117が次の処理を実行する。すなわち、制御部117が、第3容器から出力情報を受信する場合であって、その出力情報に含まれる読取情報に含まれるIDが、メモリ118に記憶されている第2容器IDと第1容器IDと複数の物品IDとのうちの少なくとも1個と一致する場合に、第3容器からの出力情報に含まれる第3容器IDと、メモリ118に記憶済みの第2容器ID、第1容器ID及び複数の物品IDと、を対応付けてデータベース120に登録する。
【0076】
また、更に他の実施例では、図示省略する第3容器が、図示省略する第4容器に収容されてもよい。第2容器20以降の容器を収容する容器の個数は特に限定されるものではない。なお、全ての容器を収容する最も外側の容器は、RFIDタグを備えていなくてもよい。
【0077】
本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組合せに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成するものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
【符号の説明】
【0078】
2 :管理システム
3 :物品
4 :物品RFIDタグ
10 :第1容器
11 :収容部
12 :リーダ
13 :RFIDタグ
14 :入力部
15 :表示部
16 :通信I/F
17 :制御部
18 :メモリ
20 :第2容器
21 :収容部
22 :リーダ
23 :RFIDタグ
24 :入力部
25 :表示部
26 :通信I/F
27 :制御部
28 :メモリ
31 :支持台
100 :サーバ
116 :通信I/F
117 :制御部
118 :メモリ
図1
図2
図3
図4
図5
図6