(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6863188
(24)【登録日】2021年4月5日
(45)【発行日】2021年4月21日
(54)【発明の名称】吸収性材料をシート状に成形した成形体の検査装置
(51)【国際特許分類】
G01B 5/06 20060101AFI20210412BHJP
A61F 13/84 20060101ALI20210412BHJP
A61F 13/15 20060101ALI20210412BHJP
【FI】
G01B5/06 101
A61F13/84 100
A61F13/15 320
【請求項の数】5
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2017-169258(P2017-169258)
(22)【出願日】2017年9月4日
(65)【公開番号】特開2019-45326(P2019-45326A)
(43)【公開日】2019年3月22日
【審査請求日】2019年12月27日
(73)【特許権者】
【識別番号】000122298
【氏名又は名称】王子ホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000028
【氏名又は名称】特許業務法人明成国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】池田 達哉
【審査官】
國田 正久
(56)【参考文献】
【文献】
特開2009−129390(JP,A)
【文献】
特開2008−207916(JP,A)
【文献】
特開2013−013523(JP,A)
【文献】
特開2010−155674(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01B 5/06
A61F 13/84
A61F 13/15
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
吸収性繊維と粒状または粉状の吸収性樹脂とを含む吸収性材料をシート状に成形した成形体の検査装置であって、
搬送方向に搬送される前記成形体に接触する複数のロールであって、前記搬送方向に交差する方向である前記成形体の幅方向に沿って延び、前記幅方向に沿った長さが前記成形体よりも短く、前記幅方向における位置が異なるように各ロールが配置されている、複数のロールと、
前記複数のロールについての、前記搬送方向及び前記幅方向に交差する方向である前記成形体の厚み方向における位置を検出する検出部と、
前記検出部の検出結果を出力する出力部と、
前記ロールに接続され、前記厚み方向についての前記ロールの位置に連動して変位する連動部材と、を備え、
前記検出部は、前記連動部材の変位の方向について前記連動部材を挟んで配置され、前記連動部材の接触によって移動可能に構成されている一対の接触式のセンサを備える、検査装置。
【請求項2】
請求項1に記載の検査装置であって、
前記成形体は、前記厚み方向における厚みが前記搬送方向及び前記幅方向において略一定であり、
前記検出部は、前記複数のロールについての、前記厚み方向における予め定められた位置の範囲よりも上方又は下方への移動を検出し、
前記出力部は、前記検出部が前記ロールの前記厚み方向における予め定められた位置の範囲よりも上方又は下方への移動を検出した場合に、前記成形体に厚み不良があることを出力する、検査装置。
【請求項3】
請求項1に記載の検査装置であって、
前記成形体は、前記厚み方向における厚みが前記搬送方向において異なる、予め定められたパターンの凹凸を有しており、
前記検出部は、前記複数のロールについての、前記厚み方向における上方及び下方への移動を検出して、検出した前記ロールの上方及び下方への移動が、前記予め定められたパターンの凹凸に対応する前記厚み方向における上方及び下方への移動であるか否かを判定し、
前記出力部は、前記予め定められたパターンの凹凸に対応する前記厚み方向における上方及び下方への移動でないと判定された場合に、前記成形体に厚み不良があることを出力する、検査装置。
【請求項4】
請求項1から請求項3までのいずれか一項に記載の検査装置であって、
前記複数のロールは、前記幅方向に沿ってジグザグに配置されている、検査装置。
【請求項5】
請求項1から請求項3までのいずれか一項に記載の検査装置であって、
前記複数のロールは、前記搬送方向における位置が互いに異なるように配置されている、検査装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、吸収性材料をシート状に成形した成形体の検査装置に関する。
【背景技術】
【0002】
吸収性物品の製造ラインにおいて用いられる不良検査装置が知られている(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2013−13523号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、吸収性材料をシート状に成形した成形体の新規な検査装置及び検査方法を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、上述の課題を解決するためになされたものであり、以下の形態として実現することが可能である。
吸収性繊維と粒状または粉状の吸収性樹脂とを含む吸収性材料をシート状に成形した成形体の検査装置であって、
搬送方向に搬送される前記成形体に接触する複数のロールであって、前記搬送方向に交差する方向である前記成形体の幅方向に沿って延び、前記幅方向に沿った長さが前記成形体よりも短く、前記幅方向における位置が異なるように各ロールが配置されている、複数のロールと、
前記複数のロールについての、前記搬送方向及び前記幅方向に交差する方向である前記成形体の厚み方向における位置を検出する検出部と、
前記検出部の検出結果を出力する出力部と、
前記ロールに接続され、前記厚み方向についての前記ロールの位置に連動して変位する連動部材と、を備え、
前記検出部は、前記連動部材の変位の方向について前記連動部材を挟んで配置され、前記連動部材の接触によって移動可能に構成されている一対の接触式のセンサを備える、検査装置。
【0006】
本発明の一形態によれば、吸収性材料をシート状に成形した成形体の検査装置が提供される。この検査装置は;搬送方向に搬送される前記成形体に接触する複数のロールであって、前記搬送方向に交差する方向である前記成形体の幅方向に沿って延び、前記幅方向に沿った長さが前記成形体よりも短く、前記幅方向における位置が異なるように各ロールが配置されている、複数のロールと;前記複数のロールについての、前記搬送方向及び前記幅方向に交差する方向である前記成形体の厚み方向における位置を検出する検出部と;前記検出部の検出結果を出力する出力部と;を備える。
この形態によれば、成形体の厚み方向における各ロールの位置を検出することにより、成形体の幅方向における厚み不良の箇所を特定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】第1実施形態における検査装置100の構成を示す外観模式図である。
【
図2】第1実施形態の検査装置100の構成を説明するための図である。
【
図4】第2実施形態の検査装置100aの構成を説明するための図である。
【
図5】第3実施形態における検査装置100bの構成を示す外観模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
A.第1実施形態
図1は、第1実施形態における検査装置100の構成を示す外観模式図である。
図1には、成形体200の搬送される方向である搬送方向MDと、搬送方向に交差する方向である成形体200の幅方向CDと、搬送方向MD及び幅方向CDに交差する方向である成形体200の厚み方向TDと、が示されている。本実施形態では、搬送方向MDと幅方向CDと厚み方向TDとは、互いに垂直である。
【0009】
検査装置100は、成形体200の厚み方向TDにおける不良(以下、厚み不良)を検査する装置である。成形体200は、吸収性繊維や吸収性樹脂を含む吸収性材料をシート状に成形することによって作製される。シート状とは、幅方向CD及び搬送方向MDに広がる形状である。本実施形態において、成形体200は、厚み方向TDにおける厚みが幅方向CD及び搬送方向MDにおいて略一定になるように作製される。具体的には、まず、細かく粉砕された吸収性材料を、外周に多数の微細孔を備える円柱状の吸引ドラムに向かって開口しているチャンバー内に供給する。次に、当該チャンバーから、微細孔から空気を吸引しつつ回転する吸引ドラムの表面にそれらを吹き付けて吸着・堆積させてシート状に成形する。このようにして、成形体200が作製される。本実施形態では、シート状に成形された成形体200は、図示しない搬送装置により搬送方向MDに搬送されるシート300上に配置されて、搬送される。成形体200は、使い捨て紙オムツ等の吸収性物品の構成要素であり、例えば、フラッフパルプマットである。
【0010】
図1に示すように、検査装置100は、複数のロール10を備える。各ロール10は、搬送される成形体200に接触して回転する。幅方向CDに沿った各ロール10の長さL1は、幅方向CDに沿った成形体200の長さL2よりも短い。本実施形態では、各ロール10の長さL1の合計は、成形体200の長さL2以上である。複数のロール10は、幅方向CDにおける位置が、互いに異なるように配置されている。本実施形態では、複数のロール10は、幅方向CDに沿ってジグザグ(千鳥状)に配置されている。
【0011】
図2は、本実施形態の検査装置100が厚み不良を検出する構成を説明するための図である。本実施形態では、検査装置100は、ロール10ごとに、支持部20と、連動部材30と、上方センサ31と、下方センサ32と、出力部90と、を備える。上方センサ31と下方センサ32とをあわせて「検出部」とも呼ぶ。
【0012】
支持部20は、ロール10を回転自在に支持する部材である。連動部材30は、支持部20を介してロール10に接続されており、厚み方向TDにおけるロール10の位置に連動して厚み方向TDに変移する部材である。上方センサ31は、厚み方向TDにおける連動部材30の上方に配置された接触式のセンサである。下方センサ32は、厚み方向TDにおける連動部材30の下方に配置された接触式のセンサである。上方センサ31は連動部材30の接触により上方へ移動可能なように構成されており、下方センサ32は連動部材30が接触により下方へ移動可能なように構成されている。
【0013】
検出部としての上方センサ31及び下方センサ32は、複数のロール10についての成形体200の厚み方向TDにおける位置を検出する。上方センサ31及び下方センサ32は、複数のロール10について、厚み方向TDにおける予め定められた位置の範囲よりも上方又は下方への移動を検出するように配置されている。具体的には、上方センサ31及び下方センサ32は、連動部材30が各センサ31、32に接触した場合に、厚み不良があると判定可能な位置に配置されている。すなわち、連動部材30が上方センサ31と下方センサ32の間にある場合には、成形体200の厚みは、予め定められた規格を満たす。連動部材30が上方センサ31に接触した場合には、その連動部材30が接続されたロール10の接触する箇所では、成形体200の厚みが規格よりも大きい。連動部材30が下方センサ32に接触した場合には、その連動部材30が接続されたロール10の接触する箇所では、成形体200の厚みが規格よりも小さい。
【0014】
出力部90は、検出部の検出結果を出力する装置である。本実施形態では、連動部材30が上方センサ31又は下方センサ32に接触した場合に、検出部から出力部90に信号が送信される。出力部90は、信号を受信して、警告灯、文字による表示、音声等により、厚み不良があることを報知する。本実施形態では、出力部90は、連動部材30が上方センサ31又は下方センサ32のいずれに接触したかを報知することができるように構成されている。
【0015】
図3は、本実施形態の検査装置100による効果を説明するための、比較例の検査装置100cを示す図である。比較例の検査装置100cは、幅方向CDに沿って延びる一つのロール10cを備える点で、本実施形態の検査装置100と異なる。ロール10cの幅方向CDに沿った長さL1cは、成形体200の長さL2以上である。
【0016】
例えば、吸収性材料の粉砕が十分でなく、成形体200を作製する吸引ドラムが塊状の吸収性材料を吸引した場合には、成形体200の当該塊状の吸収性材料が位置する箇所では、厚みが大きくなる。このような場合には、比較例の検査装置100cでは、ロール10c全体が厚み方向TDの上方へ移動するため、成形体200の幅方向CDにおける厚みの大きい箇所を、特定することができないおそれがある。
【0017】
同様に、例えば、吸引ドラムの外周の一部に閉塞した微細孔がある場合には、その閉塞した微細孔には、十分に吸収性材料が吸着・堆積せず、成形体200の一部に吸収性材料が欠落した箇所が生じる。その結果、成形体200の吸収性材料が欠落した箇所では、厚みが小さくなる。このような場合に、例えば、成形体200において、吸収性材料が欠落した箇所以外の厚みが規格内であれば、比較例の検査装置100cでは、ロール10cの厚み方向TDの位置が変化しないおそれがある。そのため、比較例の検査装置100cでは、成形体200の幅方向CDの一部に厚みが小さい箇所があることや、幅方向CDにおける厚みの小さい箇所を、特定することができないおそれがある。
【0018】
本実施形態の検査装置100は、幅方向CDに沿った長さL1が成形体200の長さL2よりも短く、幅方向CDにおける位置が異なるように配置された、複数のロール10を備えるので、成形体200に厚みが大きい箇所がある場合には、厚みの大きい箇所に接触したロール10のみが厚み方向TDの上方へ移動する。また、成形体200に厚みが小さい箇所がある場合には、厚みの小さい箇所に接触したロール10のみが厚み方向TDの下方へ移動する。そのため、成形体200の厚み方向TDにおける各ロール10の位置を検出することにより、成形体200の幅方向CDにおける厚み不良の箇所を特定することができる。
【0019】
また、本実施形態の検査装置100では、各ロール10の厚み方向TDにおける位置を検出する検出部としての上方センサ31、下方センサ32を備える。そのため、ロール10が接触する箇所における成形体200の厚みが大きく、ロール10に接続される連動部材30が上方センサ31に接触すると、その上方センサ31から信号を受信した出力部90により報知がなされる。その結果、成形体200の箇所のうち、上方センサ31に接触した連動部材30に接続されるロール10の接触箇所において、成形体200の厚みが大きいことを判断することができる。また、ロール10が接触する箇所における成形体200の厚みが小さく、連動部材30が下方センサ32に接触すると、その下方センサ32から信号を受信した出力部90により報知がなされる。そのため、成形体200の箇所のうち、下方センサ32に接触した連動部材30に接続されるロール10の接触箇所において、成形体200の厚みが小さいことを判断することができる。すなわち、本実施形態の検査装置100によれば、成形体200の幅方向CDにおける厚み不良の箇所を、容易に特定することができる。
【0020】
また、本実施形態の検査装置100では、各ロール10は幅方向CDに沿ってジグザグに配置されているので、幅方向CDにおいて互いに近接するロール10が接触する可能性を減少させることができる。
【0021】
B.第2実施形態
図4は、第2実施形態の検査装置100aの構成を説明するための図である。検査装置100aについて、第1実施形態と異なる点を主に説明する。検査装置100aは、厚み方向TDにおける厚みが搬送方向MDにおいて異なる、予め定められたパターンの凹凸を有するように作製された成形体200aを検査する装置である。成形体200aは、吸収性材料をチャンバー内に供給し、チャンバーから吸引ドラムの表面にそれらを吹き付けて吸着・堆積させてシート状に成形し、成形されたシートに公知の方法により予め定められたパターンの凹凸加工を施すことにより作製される。成形体200aは、例えば、生理用ナプキン等の生理用品である。
【0022】
検査装置100aは、撮像装置35と、判定部37と、出力部90aと、を備える。撮像装置35と判定部37とを合わせて「検出部」とも呼ぶ。
【0023】
撮像装置35は、複数のロール10についての、厚み方向TDにおける上方及び下方への移動を撮像する。本実施形態では、撮像装置35は、各ロール10に接続された連動部材30の厚み方向TDにおける位置の範囲を連続的に撮像して、ロール10の上方及び下方への移動を検出する。撮像装置35は、連動部材30に代えて、各ロール10を撮像してもよい。
【0024】
判定部37は、CPUとメモリを備えるコンピュータである。判定部37は、撮像装置35により撮像された各ロール10の上方への移動及びロール10の下方への移動が、予め定められたパターンの凹凸に対応する上方への移動及び下方への移動であるか否かを判定する。具体的には、判定部37のメモリには、成形体200aの予め定められたパターンの凹凸に対応する連動部材30の上方及び下方への移動パターンが記憶されている。判定部37は、撮像装置35によって連続的に撮像された各連動部材30の上方及び下方への移動パターンが、メモリに記憶された移動パターンであるか否かを判定する。
【0025】
判定部37は、検出された移動パターンが、予め定められたパターンの凹凸に対応する厚み方向TDにおける上方及び下方への移動でないと判定した場合に、出力部90aに信号を送信する。出力部90aは、信号を受信した場合に、警告灯、文字による表示、音声等により、成形体200aに厚み不良があること及び厚み不良の幅方向CDにおける箇所を報知する。
【0026】
本実施形態の検査装置100aは、第1実施形態の検査装置100と同様に、幅方向CDに沿った長さL1が成形体200aの長さL2よりも短く、幅方向CDにおける位置が異なるように配置された、複数のロール10を備える。また、成形体200aは、予め定められた凹凸パターンを有し、検査装置100aは、各ロール10について、各ロール10の上方及び下方への移動が、予め定められたパターンの凹凸に対応する厚み方向TDにおける上方及び下方への移動であるか否かを判定する。そのため、成形体200aの幅方向における凹凸パターンの不良箇所、すなわち厚み不良の箇所を特定することができる。
【0027】
C.第3実施形態
図4は、第3実施形態における検査装置100bの構成を示す外観模式図である。検査装置100bは、上述の実施形態と同様に、幅方向CDに沿った長さL1bが成形体200の長さL2よりも短く、幅方向CDにおける位置が異なるように配置された、複数のロール10bを備える。複数のロール10bは、成形体200の搬送方向MDにおける位置が互いに異なるように配置されている。本実施形態では、複数のロール10bは、成形体200の幅方向CDの一端t1側に位置するロール10bから、他端t2側に位置するロール10bにいたるまで、ロール10bの位置が次第に搬送方向MDの下流へずれるように配置されている。本実施形態における検査装置100bのその他の構成は、上述の第1実施形態又は第2実施形態と同様であるため説明を省略する。
【0028】
本実施形態の検査装置100bによっても、上述の実施形態と同様の効果を奏することができる。
【0029】
D.他の実施形態
D1.上記第1実施形態において、検査装置100は、上方センサ31及び下方センサ32を備えていなくともよい、この場合には、検査装置100は、第2実施形態の検査装置100aと同様に、検出部として、撮像装置と、判定部と、を備えていてもよい。判定部37は、CPUとメモリとを備え、撮像装置35により撮像された各ロール10に接続された連動部材30の上下動が、メモリに記憶された予め定められた範囲内の上下動であるか否かを判定する。判定部は、上下動が、予め定められた範囲内の上下動でない場合に出力部90に信号を出力するように構成されていてもよい。
【0030】
D2.上記第2実施形態において、検出部は、上方センサ31と下方センサ32と判定部37とにより構成されていてもよい。上方センサ31は、例えば、連動部材30が上方センサ31に接触した場合に、連動部材30の上方への移動とともに所定の位置から上方へ移動するように構成され、下方センサ32は、連動部材30が下方センサ32に接触した場合に、連動部材30の下方への移動とともに、所定の位置から下方へ移動するセンサとして構成される。判定部37のメモリには、成形体200aの予め定められたパターンの凹凸に対応する連動部材30の上方センサ31及び下方センサ32の連動部材30の接触パターンが記憶されており、判定部37は、上方センサ31及び下方センサ32への連動部材30の接触、すなわち、上方センサ31及び下方センサ32の上方及び下方への移動パターンが、メモリに記憶された移動パターンであるか否かを判定するように構成されていてもよい。
【0031】
D3.上記種々の実施形態において、検出部として上方センサ31、下方センサ32を用いる場合には、上方センサ31、下方センサ32は、ロール10が成形体200から受ける厚み方向TDの力(荷重)を検知するように構成されていてもよい。検出部は、ロール10が厚み方向TDの上方に移動した場合に、ロール10から受ける力が大きくなり、ロール10が厚み方向TDの下方に移動した場合に、ロール10から受ける力が小さくなるように構成されていてもよい。このようにして、厚み方向TDにおけるロールの位置を検出してもよい。
【0032】
D4.上記種々の実施形態において、シート300を搬送する搬送装置を制御する制御部を備えることとし、制御部は、厚み不良がある場合には、搬送装置を停止してもよい。検査装置100、100a、100bでは、各ロール10、10bの上下動あるいは上下の移動パターンにより、成形体200、200aの厚み不良の箇所が特定可能であるため、搬送装置を停止して、幅方向における厚み不良の箇所を除去することができる。なお、成形体200、200aの搬送方向MDの一部を切断して除去可能な除去装置により、当該厚み不良の箇所の除去を行ってもよい。
【0033】
D5.上記実施形態において、検査装置は、各ロールに代えて、成形体200、200aに接触する、例えば、金属製、プラスチック製の棒状部材を備えていてもよい。
【0034】
本発明は、上述の実施形態や変形例に限られるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において種々の構成で実現することができる。例えば、発明の概要の欄に記載した各形態中の技術的特徴に対応する実施形態中の技術的特徴は、上述の課題の一部又は全部を解決するために、あるいは、上述の効果の一部又は全部を達成するために、適宜、差し替えや、組み合わせを行うことが可能である。また、その技術的特徴が本明細書中に必須なものとして説明されていなければ、適宜、削除することが可能である。
【符号の説明】
【0035】
10、10b…ロール
10c…比較例の検査装置におけるロール
20…支持部
30…連動部材
31…上方センサ
32…下方センサ
35…撮像装置
37…判定部
90、90a…出力部
100、100a、100b…検査装置
100c…比較例の検査装置
200、200a…成形体
CD…幅方向
MD…搬送方向
TD…厚み方向
t1…一端
t2…他端
L1、L1b、L1c…幅方向におけるロールの長さ
L2…幅方向における成形体の長さ