(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記走行制御部は、前記画像認識結果に基づいて前記レールが分岐する分岐部の有無及びその形状を判別し、前記分岐部において分岐した複数の前記レールのうち、前記走行部が走行していない前記レールが存在する場合は、走行していない前記レールを優先的に選択するように、前記分岐部のそれぞれにおいて進行方向を決定し、決定した進行方向に走行させるように前記走行部を制御する請求項1に記載の車両。
前記情報取得部は、前記レールに沿って離散的に配置された複数の位置表示装置の位置情報を読み取る位置情報読取部を含み、前記情報取得部は、前記位置情報読取部により読み取った前記位置表示装置のそれぞれの位置情報と、複数の前記位置表示装置が前記レールによってどのように接続されているかを示す接続情報と、を取得する請求項2に記載の車両。
前記情報取得部は、前記位置情報と前記接続情報とに加えて、隣り合う前記位置表示装置の距離を示す距離情報と、複数の前記位置表示装置のそれぞれに設定される前記走行部に対する設定走行速度を示す速度情報と、複数の前記位置表示装置のそれぞれを通過した際の前記走行部の前記ガイドローラの位置を示すローラ情報と、の少なくとも一つを取得する請求項5に記載の車両。
【発明を実施するための形態】
【0010】
1.実施形態
車両を備えた物品搬送設備の実施形態について図面に基づいて説明する。
図1から
図3に示すように、物品搬送設備は、走行経路1に沿って設置された走行レール2と、走行レール2上を走行経路1に沿って走行する物品搬送車3と、を備えている。
図3に示すように、走行レール2は、左右一対のレール部2Aによって構成されている。本実施形態では、物品搬送車3は、半導体基板を収容するFOUP(Front Opening Unified Pod)を物品Wとして搬送する。なお、走行レール2が、レールに相当し、物品搬送車3が、車両に相当する。
【0011】
図1に示すように、走行経路1は、1つの環状の主経路4と、複数の物品処理部を経由する環状の副経路5と、これら主経路4と副経路5とを接続する接続経路6と、を備えている。走行経路1は、副経路5を複数備えている。物品搬送車3は、主経路4及び複数の副経路5においては、いずれも同じ周回方向(
図1では反時計回り)に走行し、走行経路1に沿って一方向に走行する。なお、
図1においては、物品搬送車3の走行方向を矢印で示している。
【0012】
走行経路1は、直線状に設定された直線部1Aと曲線状に設定された曲線部1Bとを備えている。具体的には、主経路4は、平行な一対の直線部1Aと、一対の直線部1Aの端部同士を接続する一対の曲線部1Bと、で形成されている。複数の副経路5の夫々は、主経路4と同様に、一対の直線部1Aと一対の曲線部1Bとで形成されている。接続経路6は、主経路4に接続される曲線部1Bと、副経路5に接続される直線部1Aと、で形成されている。このように、走行経路1は、直線部1Aと曲線部1Bとを組み合わせて設定されている。
【0013】
次に、物品搬送車3について説明する。
図2及び
図3に示すように、物品搬送車3は、天井から吊り下げ支持された走行レール2上をその走行レール2に沿って走行する走行部9と、走行レール2より下方に位置して走行部9に吊り下げ支持された本体部10と、を備えている。なお、上下方向Zに見て、物品搬送車3の前後方向Xに対して直交する方向を幅方向Yと称する。また、物品搬送車3の後方から前方を見た状態で、幅方向Yにおける左右方向を特定する。
【0014】
本体部10には、本体部10に昇降自在に備えられて物品Wを吊り下げ状態で支持する支持部13が備えられている。
走行部9として、第一走行部9Fと、この第一走行部9Fと前後方向Xに並ぶ状態で備えられた第二走行部9Rと、が備えられている。なお、前後方向Xに並ぶ一対の走行部9のうち、前後方向Xで前方側に位置する走行部9を第一走行部9Fとし、前後方向Xで後方側に位置する走行部9を第二走行部9Rとしている。
【0015】
第一走行部9Fには、電動式の第一モータ14と、この第一モータ14によって回転駆動される左右一対の走行輪15が装備されている。左右一対の走行輪15は、走行レール2を構成する左右一対のレール部2Aの夫々の上面を走行する状態で、第一走行部9Fに装備されている。また、第一走行部9Fには、車体上下方向に沿う軸心周り(上下軸心周り)で自由回転する左右一対の案内輪16が装備されている。左右一対の案内輪16は、前後方向Xに並ぶ状態で第一走行部9Fに2組装備されている。
第二走行部9Rには、第一走行部9Fと同様に、第一モータ14と1組の左右一対の走行輪15と2組の左右一対の案内輪16とが装備されている。
【0016】
図2及び
図3に示すように、第一走行部9Fには、走行輪15よりも上方側箇所に、上下軸心(上下方向Zに沿う軸心)周りで回転する左右一対の案内補助輪19と、案内補助輪19を幅方向Yに移動させる第二モータ20と、が装備されている。左右一対の案内補助輪19は、前後方向Xに並ぶ状態で第一走行部9Fに2組装備されている。
第二走行部9Rには、第一走行部9Fと同様に、第二モータ20と2組の前後一対の案内補助輪19とが装備されている。
【0017】
第一走行部9Fは、第二モータ20によって案内補助輪19を幅方向Yに移動させることによって、前後一対の案内補助輪19の位置を右案内位置と左案内位置とに移動させるように構成されている。右案内位置は、前後一対の案内補助輪19が第一走行部9Fの幅方向Yの中央より右側に位置して、案内レール21に対して右側から当接する位置である。左案内位置は、前後一対の案内補助輪19が第一走行部9Fの幅方向Yの中央より左側に位置して、案内レール21に対して左側から当接する位置である。
第二走行部9Rは、第一走行部9Fと同様に、第二モータ20にて案内補助輪19の位置を右案内位置と左案内位置とに移動させるように構成されている。
【0018】
図1、
図4及び
図5に示すように、走行レール2が分岐する分岐部7では、走行レール2が分岐しているため物品搬送車3の進行方向が2つあり、物品搬送車3は複数の進行方向から1つの進行方向を決定する必要がある。物品搬送車3は、案内補助輪19の位置を右案内位置又は左案内位置に移動させることで、進行方向を決定する。なお、
図1では、複数ある分岐部7の内の1つに符号を付している。
【0019】
物品搬送車3が分岐部7を走行する場合について、
図4及び
図5に示すように、物品搬送車3が主経路4の分岐部7を走行する場合を例に説明する。本実施形態における分岐部7では、進行方向として、主経路4を継続して走行する直進方向と、主経路4から接続経路6に乗り移るように走行する分岐方向と、がある。図示の例では、進行方向に向かって左側が直進方向、右側が分岐方向となっている。
分岐部7の進行方向として直進方向を選択した場合では、
図4に示すように、物品搬送車3は、案内補助輪19を左案内位置に移動させた状態で分岐部7に進入することで、案内補助輪19が案内レール21の左側に位置する状態で走行する。そのため、物品搬送車3は、案内補助輪19が案内レール21により案内されながら、分岐部7を直進方向に走行する。
また、分岐部7の進行方向として分岐方向を選択した場合では、
図5に示すように、物品搬送車3は、案内補助輪19を右案内位置に移動させた状態で分岐部7に進入することで、案内補助輪19が案内レール21の右側に位置する状態で走行する。そのため、物品搬送車3は、案内補助輪19が案内レール21によって案内されながら、分岐部7を分岐方向に走行する。
【0020】
図1及び
図6に示すように、走行レール2が合流する合流部8では、走行レール2が合流している。なお、
図1では、複数ある合流部8のうちの1つを例示している。
物品搬送車3が合流部8を走行する場合について、
図6に示すように、物品搬送車3が主経路4の合流部8を走行する場合を例に説明する。この合流部8では、進行方向に対して右側から接続経路6が合流している。このように、自車が走行する進行方向に対して右側から他の経路が合流している場合は、案内補助輪19を左案内位置に移動させた状態で合流部8に進入することで、案内補助輪19が案内レール21の左側に位置する状態で走行する。
ちなみに、図示は省略するが、自車が走行する進行方向に対して左側から他の経路が合流している場合は、案内補助輪19を右案内位置に移動させた状態で合流部8に進入することで、案内補助輪19が案内レール21の右側に位置する状態で走行する。
【0021】
図7に示すように、物品搬送車3は、検出部23(
図3参照)と走行距離センサ24とローラ位置検出センサ27と記憶部25(
図2参照)と走行制御部H(
図2参照)とを備えている。検出部23は、走行レール2に沿って離散的に複数配置された被検出体26に示されている位置情報を読み取る。本実施形態では、被検出体26は、当該被検出体26が設置されている位置を示す情報である位置情報をバーコードで示している。検出部23は、被検出体26に示されているバーコードを読み取るバーコードリーダにより構成されている。走行距離センサ24は、ロータリエンコーダにより構成されており、物品搬送車3の走行距離を計測する。例えば、走行距離センサ24は、走行輪15の回転量を計測する。ローラ位置検出センサ27は、案内補助輪19の位置を検出する。なお、被検出体26が、位置表示装置に相当し、検出部23が、位置表示装置の位置情報を読み取る位置情報読取部に相当する。
【0022】
図3に示すように、被検出体26は、走行経路1を走行する物品搬送車3の検出部23により検出可能な位置に設置されている。本実施形態では、被検出体26は、走行レール2の下面に、走行経路1に沿って複数設置されている。そして、被検出体26は、例えば、分岐部7の上流端から設定距離だけ上流側の位置(以下、分岐部7の入口と称する)や分岐部7の下流端から設定距離だけ下流側の位置(以下、分岐部7の出口の称する)、及び、曲線部1Bの上流端から設定距離だけ上流側の位置(以下、曲線部1Bの入口と称する)及び曲線部1Bの下流端から設定距離だけ下流側の位置(以下、曲線部1Bの出口と称する)等に設置されている。
【0023】
走行経路1は、物品搬送車3が走行すべき仮想の経路である。記憶部25は、走行用マップ情報を記憶している。走行用マップ情報は、走行経路1(走行レール2)の形状及び接続関係の情報である基本マップ情報に、走行経路1の複数地点のそれぞれの位置情報等の物品搬送車3の走行に必要な各種情報を関連付けた情報である。走行制御部Hは、上位のコントローラから搬送指令が指令されると、記憶部25に記憶されている走行用マップ情報に基づいて搬送指令により指定された搬送元から搬送先に物品Wを搬送するための経路を設定する設定制御と、設定制御によって設定された経路に沿って走行して物品Wを搬送元から搬送先に搬送するように物品搬送車3を制御する搬送制御と、を実行する。
【0024】
走行制御部Hは、搬送制御の実行により走行部9が走行レール2に沿って走行している場合は、走行用マップ情報、検出部23の検出情報、及び走行距離センサ24の検出情報に基づいて、走行部9の現在の位置を判別する。
また、走行制御部Hは、分岐部7の入口に設置された被検出体26を検出部23によって検出した場合は、分岐部7における走行部9の走行方向を物品Wの搬送元や搬送先に対応した方向とするべく、案内補助輪19の位置を右案内位置又は左案内位置に移動させるように第二モータ20を制御する。
このように、走行制御部Hは、分岐部7において、決定した進行方向に対応する位置に案内補助輪19を移動させる。なお、案内補助輪19が、分岐部7を走行するときに走行部9を進行方向に案内するガイドローラに相当する。
【0025】
また、記憶部25には、走行部9に対して設定された設定走行速度を示す走行速度情報が位置情報に関連付けられた状態で記憶されている。設定走行速度は、レールの形状等に応じて設定されると好適である。例えば、レールの曲率が大きくなるに従って、設定走行速度を低く設定すると良い。本実施形態では、レールの形状が曲線状か直線状かに応じて、曲線状の場合の設定走行速度を直線状の場合の設定走行速度よりも低く設定している。従って、走行制御部Hは、搬送制御において、曲線部1Bの入口に設置された被検出体26を検出部23によって検出した場合は、物品搬送車3の走行速度が第一走行速度となるように第一モータ14を制御する。また、走行制御部Hは、搬送制御において、曲線部1Bの出口に設置された被検出体26を検出部23によって検出した場合は、物品搬送車3の走行速度が第二走行速度となるように第一モータ14を制御する。ここで、第一走行速度は、曲線部1Bを走行する場合の走行速度であり、第二走行速度は、直線部1Aを走行する場合の走行速度である。第一走行速度は、第二走行速度より遅い速度に設定されている。
このように、走行制御部Hは、各被検出体26に対応する位置情報に関連付けられた走行速度情報に基づいて、走行部9が直線部1Aを走行する場合は走行部9を比較的高速の第二走行速度で走行させ、走行部9が曲線部1Bを走行する場合は走行部9を比較的低速の第一走行速度で走行させるように、走行部9を制御する。
【0026】
走行制御部Hは、新規の物品搬送設備が設置された場合や、既存の物品搬送設備であっても設備レイアウトの変更等によって走行経路が変更された場合などであって、走行用マップ情報が未整備の場合に、新たに走行用マップ情報を作成するために必要な情報を収集する学習制御を実行する。走行制御部Hが学習制御を実行する場合は、物品搬送車3に撮像装置30を搭載し、記憶部25には、基本マップ情報が記憶される。つまり、学習制御を開始するときは、記憶部25には基本マップ情報が記憶されている。ここで、基本マップ情報は、走行経路1又は走行レール2の形状及び接続関係の情報を有しているが、上述した位置情報や走行速度情報は有していない。なお、記憶部25は、基本マップ情報を記憶したマップ記憶部に相当する。
【0027】
撮像装置30は、物品搬送車3に対して着脱自在に構成されている。走行制御部Hが学習制御を実行する場合は、
図8に示すように撮像装置30を物品搬送車3に搭載し、走行制御部Hが学習制御を実行しない場合は、
図2に示すように撮像装置30を物品搬送車3から取り外す。本実施形態では、撮像装置30は、物品搬送車3の前方を撮像することができるように本体部10の前面に取り付けられている。なお、撮像装置30が、ステレオカメラにより構成されていると好適である。このようにすれば、撮像装置30により、前方の設備構成を含む風景を撮像するだけでなく、前方の設備の各部位との距離も検出することができる。
【0028】
図7に示すように、物品搬送車3は情報取得部28を備えている。この情報取得部28は、検出部23により読み取った被検出体26のそれぞれの位置情報と、複数の被検出体26が走行レール2によってどのように接続されているかを示す接続情報と、を取得する。そして、情報取得部28は、取得した位置情報及び接続情報を、基本マップ情報に関連付けた状態で記憶部25に記憶させる。
検出部23は、走行レール2に沿って離散的に配置された複数の被検出体26の位置情報を読み取る位置情報読取部に相当する。そして、情報取得部28は、検出部23を含んでおり、走行レール2に沿って走行することで通過する複数地点のそれぞれの位置情報とその取得順序を取得する。また、情報取得部28は、複数の被検出体26のそれぞれの位置情報の取得順序と、各位置情報を取得した際に走行部9が走行した走行経路とに基づいて、複数の被検出体26が走行レール2によってどのように接続されているかを示す接続情報を取得する。更に、情報取得部28は、検出部23に加えて、距離情報を取得する走行距離センサ24、ローラ情報を取得するローラ位置検出センサ27、速度情報を取得するための撮像装置30、並びに、位置情報及び接続情報を基本マップ情報に関連付けた状態で記憶部25に記憶させる走行制御部Hを含んでいる。
【0029】
次に、学習制御について説明する。
学習制御では、走行レール2に沿って走行部9を走行させる。この際、走行制御部Hは、曲線部1Bに対応した第一走行速度で基本的に走行するように走行部9を制御する。走行制御部Hは、学習制御の実行中は、基本マップ情報、分岐部7における案内補助輪19の位置を示すローラ情報、及び走行距離センサ24の検出情報に基づいて、走行部9の現在の位置を判別する。
【0030】
そして、学習制御では、撮像装置30が撮像した撮像情報に基づいて走行レール2のレール形状を認識し、画像認識結果に基づいて走行部9の制御を行う。
説明を加えると、走行制御部Hは、画像認識結果に基づいて走行レール2が分岐する分岐部7の有無及びその形状を判別し、分岐部7のそれぞれにおける進行方向を決定する。この際、走行制御部Hは、分岐部7において分岐した複数の走行レール2のうち、走行部9が走行していない走行レール2が存在する場合は、走行していない走行レール2を優先的に選択するように進行方向を決定し、決定した進行方向に走行させるように走行部9を制御する。また、分岐部7において直進方向の走行レール2と分岐方向の走行レール2との双方が走行していない走行レール2である場合や、双方が走行済みの走行レール2である場合は、予め設定された優先順位に基づいて一方の走行レール2を選択する。本実施形態では、分岐方向の走行レール2が直進方向の走行レール2よりも優先順位が高く設定されている。
【0031】
学習制御では、走行部9を走行レール2に沿って走行させて、通過する複数地点のそれぞれに設置された被検出体26に示された位置情報を検出部23によって読み取る。このように、走行レール2に沿って離散的に配置された複数の位置情報を検出部23によって順次読み取ることで、複数地点のそれぞれの位置情報と、複数地点の位置情報の取得順序と、を取得する。また、走行レール2に沿った走行経路として見た場合には、連続して取得した位置情報を示す被検出体26は走行レール2によって順に接続されている。従って、走行部9を走行レール2に沿って走行させて複数の被検出体26が示す位置情報とその取得順序を取得すると共に、走行部9が走行した走行経路(すなわち各分岐部7での進行方向)の情報を参照することで、複数の被検出体26が走行レール2によってどのように接続されているかを示す接続情報を取得する。
そして、検出部23によって読み取った位置情報は、基本マップ情報における地点、具体的には、位置情報を読み取ったときに走行部9が存在する位置に対応する地点と関連付けた状態で、記憶部25に記憶される。このように、情報取得部28としての走行制御部Hは、基本マップ情報に複数の位置情報を関連付けた状態で記憶部25に記憶させる。
【0032】
また、学習制御では、検出部23によって位置情報を読み取った場合は、距離情報と速度情報とローラ情報とを取得し、これら距離情報、速度情報及びローラ情報の夫々を位置情報と関連付けた状態で記憶部25に記憶させる。
【0033】
距離情報は、前回の位置情報を読み取ってから今回の位置情報を読み取るまでの走行部9の走行距離(隣り合う被検出体26の距離)を示す情報である。走行制御部Hは、検出部23の検出情報と走行距離センサ24の検出情報に基づいて距離情報を取得する。
【0034】
速度情報は、位置情報を読み取った被検出体26が設置されている位置における走行部9に対する設定走行速度を示す情報である。本実施形態では、走行制御部Hは、画像認識結果に基づいて適切な設定走行速度の情報を取得する。具体的には、走行制御部Hは、画像認識結果に基づく走行レール2の形状、例えば走行レール2の曲率等に応じて適切な走行速度を判定する。すなわち、走行レール2の形状が曲線状である場合には、走行部9の走行安定性を保つために、走行速度を遅く設定することが望ましい。その場合において、走行レール2の曲率が大きくなるに従って走行速度を遅くすることが望ましい。逆に、走行レール2の形状が直線状である場合や曲線状であっても曲率が小さい場合には、走行速度を速くすることができる。本例では、走行制御部Hは、画像認識結果に基づいて前方側の走行レール2の形状が曲線形状であると判別した場合は、設定走行速度を第一走行速度とし、前方側の走行レール2の形状が直線形状であると判断した場合は、設定走行速度を第一走行速度より速い第二走行速度とする。
【0035】
ローラ情報は、被検出体26を通過したときの案内補助輪19の位置を示す情報である。走行制御部Hは、ローラ位置検出センサ27の検出情報に基づいてローラ情報を取得する。このローラ情報に基づいて、分岐部7での走行部9の進行方向を確認することができる。
【0036】
図9に示すように、物品搬送車3の走行を開始する地点をスタート地点Sとし、被検出体26が設置されている地点を読み取り地点Pとした場合、走行制御部Hが学習制御を実行することで、スタート地点Sから破線の矢印で示すように物品搬送車3が走行する。そして、情報取得部28が、複数の読み取り地点Pのそれぞれにおいて位置情報を取得すると共に、各位置情報の取得順序を取得する。走行制御部Hは、取得した位置情報を、基本マップ情報に関連付けた状態で記憶部25に記憶する。更に、本実施形態では、情報取得部28は、位置情報と接続情報とに加えて、隣り合う被検出体26の距離を示す距離情報と、複数の被検出体26のそれぞれに設定された走行部9に対する設定走行速度を示す速度情報と、複数の被検出体26のそれぞれを通過した際の走行部9の案内補助輪19の位置を示すローラ情報と、を取得し、走行制御部Hは、取得した距離情報と速度情報とローラ情報とを位置情報に関連付けた状態で記憶部25に記憶する。
【0037】
2.その他の実施形態
次に、車両のその他の実施形態について説明する。
【0038】
(1)上記実施形態では、学習制御を実行するには、記憶部25に基本マップ情報を記憶させ、取得した位置情報と接続情報とを、基本マップ情報に関連付けた状態で記憶部25に記憶させる構成を例として説明した。しかし、これに限定されず、基本マップ情報を記憶部25に記憶させずに学習制御を実行しても良い。この場合、情報取得部28により取得した位置情報と接続情報とを、予め定めた形式で記憶部25に記憶させるとよい。
【0039】
(2)上記実施形態では、分岐部7において分岐した複数の走行レール2のうち、走行部9が走行していない走行レール2を優先的に選択するように、分岐部7における走行部9の走行方向を決定したが、分岐部7において分岐した複数の走行レール2のうちランダムで走行レール2を選択するように、分岐部7における走行部9の走行方向を決定してもよい。
【0040】
(3)上記実施形態では、位置情報取得部が、走行レール2に沿って離散的に配置された複数の被検出体26の位置情報を読み取ることで、複数地点のそれぞれの位置情報とその取得順序を取得する構成を例として説明したが、位置情報を取得する手段はこれに限定されない。例えば、情報取得部28は、GPS衛星等から送信される情報を取得することで、複数地点のそれぞれの位置情報とその取得順序を取得するように構成されていてもよい。
【0041】
(4)上記実施形態では、案内補助輪19を備え、この案内補助輪19を移動させることで分岐部7における走行部9の進行方向を制御したが、案内補助輪19を備えずに、走行輪15を操舵することで分岐部7における走行部9の走行方向を制御してもよい。
【0042】
(5)上記実施形態では、情報取得部28は、位置情報と接続情報と距離情報と速度情報とローラ情報とを記憶部25記憶させたが、情報取得部28は、少なくとも位置情報を取得すればよく、接続情報と距離情報と速度情報とローラ情報を取得しない、又は、これら接続情報と距離情報と速度情報とローラ情報の一部のみを取得する構成であってもよい。
【0043】
(6)上記実施形態では、車両を、天井近くに設置された走行レール2に沿って走行する物品搬送車3としたが、車両を、床面上に設置されたレールに沿って走行する搬送車としてもよい。また、車両は、物品Wを搬送する以外の目的で走行する車両であってもよい。
【0044】
(7)なお、上述した各実施形態で開示された構成は、矛盾が生じない限り、他の実施形態で開示された構成と組み合わせて適用することも可能である。その他の構成に関しても、本明細書において開示された実施形態は全ての点で単なる例示に過ぎない。従って、本開示の趣旨を逸脱しない範囲内で、適宜、種々の改変を行うことが可能である。
【0045】
3.上記実施形態の概要
以下、上記において説明した車両の概要について説明する。
【0046】
車両は、撮像装置を搭載し、レールに沿って走行し、
前記レールに沿って走行する走行部と、前記撮像装置が撮像した画像に基づいて
前記車両の走行方向に沿った前記レールの形状であるレール形状を画像認識し、画像認識結果に基づいて前記走行部の制御を行う走行制御部と、前記レールに沿って走行することで通過する複数地点のそれぞれの位置情報とその取得順序を取得する情報取得部と、前記情報取得部により取得した情報を記憶する記憶部と、を備える。
【0047】
この構成によれば、走行制御部は、画像識別結果に基づいて走行するレールの形状を認識して走行部を制御することができるため、走行用マップ情報を完備していない状態であっても走行部をレールに沿って走行させることができる。そして、そのような走行中に、情報取得部によってレールに沿った複数地点のそれぞれの位置情報とその取得順序を取得し、その取得した情報を記憶部に記憶させることができる。このように記憶部に記憶された位置情報の取得順序の情報を利用することで、基本マップ情報に位置情報を関連付ける作業を簡素化することができる。従って、基本マップ情報に位置情報を関連付けた走行用マップ情報を作成するための作業を簡素化することができる。
【0048】
ここで、前記走行制御部は、前記画像認識結果に基づいて前記レールが分岐する分岐部の有無及びその形状を判別し、前記分岐部において分岐した複数の前記レールのうち、前記走行部が走行していない前記レールが存在する場合は、走行していない前記レールを優先的に選択するように、前記分岐部のそれぞれにおいて進行方向を決定し、決定した進行方向に走行させるように前記走行部を制御すると好適である。
【0049】
この構成によれば、走行制御部は、分岐部を走行する場合に未だ走行していないレールの方を優先的に走行するため、分岐部において分岐するレールの数だけ走行部が分岐部を走行することで、分岐する複数のレールの夫々を走行することができる。そのため、設置されたレールを網羅するように効率的に走行部を走行させることができる。
【0050】
また、前記情報取得部は、前記レールに沿って離散的に配置された複数の位置表示装置の位置情報を読み取る位置情報読取部を含み、前記情報取得部は、前記位置情報読取部により読み取った前記位置表示装置のそれぞれの位置情報と、複数の前記位置表示装置が前記レールによってどのように接続されているかを示す接続情報と、を取得すると好適である。
【0051】
この構成によれば、走行部がレールに沿って走行することで、レールに沿って離散的に配置された複数の位置表示装置の位置情報を位置情報読取部によって読み取ることができる。また、複数の位置情報の取得順序を取得すると共に、分岐部で進行方向の情報を取得することにより、複数の位置表示装置がレールによってどのように接続されているかを示す接続情報を適切に取得することができる。
【0052】
また、前記
車両が走行し得る走行経路の各部において前記レールが直線状であるか曲線状であるかの情報、並びに、前記走行経路の全体に存在する分岐部及び合流部の情報である基本マップ情報を記憶したマップ記憶部を更に備え、前記情報取得部は、取得した前記位置情報及び前記接続情報を、前記基本マップ情報に関連付けた状態で前記マップ記憶部に記憶させると好適である。
【0053】
この構成によれば、情報取得部により自動的に、位置情報及び接続情報を基本マップ情報に関連付けた状態でマップ記憶部に記憶させることができる。そのため、基本マップ情報に位置情報や接続情報を関連付けた走行用マップ情報を作成するための作業を更に簡素化できる。
【0054】
また、前記走行部は、前記分岐部を走行するときに前記走行部を前記進行方向に案内するガイドローラを備え、前記走行制御部は、前記分岐部において、決定した進行方向に対応する位置に前記ガイドローラを移動させると好適である。
【0055】
この構成によれば、分岐部における進行方向を決定した場合に、その決定した進行方向に適した位置にガイドローラを移動させるため、走行部は、ガイドローラによって案内されながら進行方向に走行することになる。そのため、走行部を進行方向に沿って適切に走行させることができる。
【0056】
また、前記情報取得部は、前記位置情報と前記接続情報とに加えて、隣り合う前記位置表示装置の距離を示す距離情報と、複数の前記位置表示装置のそれぞれに設定される前記走行部に対する設定走行速度を示す速度情報と、複数の前記位置表示装置のそれぞれを通過した際の前記走行部の前記ガイドローラの位置を示すローラ情報と、の少なくとも一つを取得すると好適である。
【0057】
この構成によれば、距離情報を取得することで、隣り合う位置表示装置の距離を把握することができる。そのため、この取得した距離情報に基づいて、基本マップ情報に位置情報を関連付けた状態で適切に記憶させることができる。また、速度情報については、例えば、画像認識結果に基づいてレールの形状(例えば曲率等)に応じた適切な走行速度の情報を取得することが可能である。そのため、複数の位置表示装置のそれぞれに対応する位置でのレールの形状に応じた、走行部に対する設定走行速度を示す速度情報を、基本マップ情報に関連付けた状態で記憶させることができる。また、ローラ情報を取得することによって、位置情報取得部によって位置表示装置の位置情報を読み取ったときのガイドローラの位置を把握することができる。よって、分岐部での進行方向を確認できる情報を取得することができる。そして、これらの情報を取得することにより、基本マップ情報に位置情報を関連付けた走行用マップ情報を作成する場合に、当該走行用マップ情報の精度を高めることが可能となる。
また、前記走行制御部は、前記レール形状の前記画像認識結果に基づく前記レールの曲率に応じて、前記走行部の走行速度を制御すると好適である。