(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6863257
(24)【登録日】2021年4月5日
(45)【発行日】2021年4月21日
(54)【発明の名称】廃棄物焼却炉ボイラの閉塞および腐食の抑制方法
(51)【国際特許分類】
F22B 37/38 20060101AFI20210412BHJP
F22B 37/00 20060101ALI20210412BHJP
F22B 37/56 20060101ALI20210412BHJP
【FI】
F22B37/38 E
F22B37/00 A
F22B37/56 B
【請求項の数】4
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2017-237440(P2017-237440)
(22)【出願日】2017年12月12日
(65)【公開番号】特開2019-105393(P2019-105393A)
(43)【公開日】2019年6月27日
【審査請求日】2020年2月7日
(73)【特許権者】
【識別番号】000004123
【氏名又は名称】JFEエンジニアリング株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002963
【氏名又は名称】特許業務法人MTS国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100080458
【弁理士】
【氏名又は名称】高矢 諭
(74)【代理人】
【識別番号】100076129
【弁理士】
【氏名又は名称】松山 圭佑
(74)【代理人】
【識別番号】100144299
【弁理士】
【氏名又は名称】藤田 崇
(74)【代理人】
【識別番号】100150223
【弁理士】
【氏名又は名称】須藤 修三
(72)【発明者】
【氏名】川崎 翔太
(72)【発明者】
【氏名】内山 武
(72)【発明者】
【氏名】北川 尚男
(72)【発明者】
【氏名】中山 剛
(72)【発明者】
【氏名】山本 浩
【審査官】
古川 峻弘
(56)【参考文献】
【文献】
実開平03−104625(JP,U)
【文献】
米国特許第04996951(US,A)
【文献】
特開2010−196935(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F22B 37/00,37/38,37/56
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
廃棄物焼却炉ボイラの伝熱管で熱交換される排ガス入熱量と蒸気受熱量との関係から導いた、伝熱管に付着した灰の厚み
tを求める
次の計算式
【数1】
から灰の厚み推定値を求め、
前記灰の厚み推定値に基づき、付着灰除去装置の運転を制御することを特徴とする廃棄物焼却炉ボイラの閉塞および腐食の抑制方法。
【請求項2】
前記灰の厚み推定値を閾値未満に保持するように、前記付着灰除去装置の運転を制御することを特徴とする請求項1に記載の廃棄物焼却炉ボイラの閉塞および腐食の抑制方法。
【請求項3】
前記付着灰除去装置を所定時間毎に運転し、該付着灰除去装置を運転しても前記灰の厚み推定値が閾値未満にならない時は、該付着灰除去装置を再度運転することを特徴とする請求項2に記載の廃棄物焼却炉ボイラの閉塞および腐食の抑制方法。
【請求項4】
前記灰の厚み推定値が閾値以上である時は前記付着灰除去装置を運転し、該付着灰除去装置を運転しても前記灰の厚み推定値が閾値未満にならない時は、該付着灰除去装置を再度運転することを特徴とする請求項2に記載の廃棄物焼却炉ボイラの閉塞および腐食の抑制方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、廃棄物焼却炉ボイラの閉塞および腐食の抑制方法に係り、特に、廃棄物焼却炉に付設したボイラの伝熱管に付着する灰によるボイラの閉塞を抑制するとともに、伝熱管の腐食を防止することが可能な廃棄物焼却炉ボイラの閉塞および腐食の抑制方法に関する。
【背景技術】
【0002】
発電設備を有するごみ焼却施設の運営において、発電量・売電量の維持と向上は、ごみの安定処理に次ぐ最重要項目のひとつである。ごみ焼却施設における発電は、焼却炉でのごみの燃焼から得られる高温の排ガスからボイラにて熱回収を行い、所定の温度・圧力の蒸気を発生させてタービン発電機に導入することにより行われている。ボイラは、排ガスからの放射熱を受けて蒸気を発生させる放射伝熱面を備える放射室、排ガスと伝熱管(過熱器とも称する)の対流伝熱面との熱交換により蒸気を発生し更に過熱する対流伝熱室とを備えている。
【0003】
放射室には、排ガス流路を囲む鋼製側壁の外側に加温水を流通させ放射加熱により蒸気を発生させる放射伝熱管が放射伝熱面として配設されている。対流伝熱室には、排ガス流路内に排ガスと接触して対流伝熱により蒸気を発生させ更に過熱する伝熱管が対流伝熱面として配設されている。対流伝熱面は水平方向に伝熱管が複数配設された伝熱管群が高さ方向に複数段配設されて構成されている。対流伝熱室には、排ガス流路内に水を加熱して加温水とする伝熱管を有するエコノマイザが配設されることがある。また、ボイラの下流側には、ボイラに供給する水を加熱するために排ガス流路内に水を加熱して加温水とする伝熱管を有する別置エコノマイザが連設されることもある。
【0004】
ごみ焼却において発生する排ガス中には、塩素・硫黄・重金属類等を含む小粒径のダスト(飛灰)が含まれるが、これらがボイラの放射伝熱面、対流伝熱面に付着すると、その付着ダストが断熱材の役割をするので伝熱効率が低下する。それにより、熱回収効率も低下する。その結果、蒸気発生量が低下し、タービン発電機の発電量が減少する。その他にも、伝熱管表面に付着したダスト層の厚みが増加して伝熱管同士の間隙が付着ダストにより閉塞し、排ガスの流通に支障が生じることもある。さらに、廃棄物焼却炉から排出される排ガスには、廃棄物に含まれる成分と、排ガス中の塩化水素との反応により生成した塩化物が含まれている。この塩化物が伝熱管表面の灰層に付着して、一部が融解して灰層内へ浸透すると、塩化物中の塩素の作用により、伝熱管の腐食、減肉が生じる。更に、灰の厚みが増すと灰による断熱作用が大きくなり、伝熱管内を流送する蒸気との熱交換が低下して灰の表面が高温化し、灰の一部が溶着して強く付着するため、灰が落ちにくくなるという問題がある。
【0005】
このため、伝熱管に付着した灰を定期的に除去する設備が必要となる。
【0006】
この問題を解決するために、特許文献1には、複数の固体燃料を混合燃焼する際、各固体燃料の灰成分の組成を測定し、各固体燃料のスラグ割合に基づいた混合比率を算出することでボイラの灰付着を抑制することが可能な灰付着抑制装置が開示されている。
【0007】
特許文献2には、灰分の組成に基づいて、灰の付着予測を効率よく行うことが可能な燃焼炉における灰の付着予測方法が開示されている。
【0008】
特許文献3には、プローブに付着する燃焼灰の重量を測定し、測定結果を燃焼炉内のプローブを配設した位置近傍の側壁や配管などの構造に、どの程度の燃焼灰が付着しているかの指標として用いることで、燃焼灰の付着量を予測することが可能な灰除去システムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2011−27281号公報
【特許文献2】特開2012−13252号公報
【特許文献3】特開2012−52771号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、特許文献1や特許文献2は、あらかじめ決められた基準値に基づいてボイラを運転させるため、運転中の状況変化に対する運転条件の変更には対応できないという課題があった。
【0011】
特許文献3では、プローブによる測定が定点的であるため、ボイラ全体を網羅することができず、ムラができやすいという課題があった。そのため、燃焼灰が付着したままのところもあり、ボイラの運転に支障をきたすという課題があった。
【0012】
本発明は、前記課題に鑑みてなされたもので、廃棄物焼却炉に付設したボイラの伝熱管に付着する灰の厚みを所定値以下に抑制するとともに、伝熱管の腐食を防止することが可能な廃棄物ボイラの閉塞および腐食の抑制方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
廃棄物焼却炉ボイラ内に伝熱管表面と同温度となるようにした伝熱管と同材質の腐食試験片を設置し、サンプリング時間毎に取り出し、付着灰の厚み(単に灰の厚みとも称する)と腐食減量から求めた腐食速度を測定した。
【0014】
灰の厚みと伝熱管の腐食速度との関係を
図1に示す。
【0015】
図1から明らかなように、灰の厚みを所定値以下に抑制することで、ボイラの腐食を抑制する効果が得られる。腐食を抑制するためには、灰の厚みを閾値(例えば5mm)以下に保持することが望ましい。灰の厚みを5mm以下に保持することにより、腐食速度を1.0mm/y以下として、腐食を抑制できる。灰の厚みを3mm以下とすれば、腐食速度を0.3mm/y以下として、さらに腐食を抑制でき、より好ましい。伝熱管表面に付着した灰の厚みを5mm以下にすることにより、灰層に浸透した、腐食の原因となる塩化物から塩素の揮発が促進され、塩素と排ガス中の硫黄成分との交換が促進され、硫酸化物となって腐食が抑制される。
【0016】
本発明における廃棄物焼却炉のボイラの閉塞および腐食の抑制方法は、上記知見に基づいてなされたもので、廃棄物焼却炉ボイラの伝熱管で熱交換される排ガス入熱量と蒸気受熱量との関係から導いた、伝熱管に付着した灰の厚み
tを求める
次の計算式
【数2】
から灰の厚み推定値を求め、前記灰の厚み推定値に基づき、付着灰除去装置の運転を制御することにより、前記課題を解決するものである。
【0017】
ここで、前記灰の厚み推定値を閾値未満に保持するように、前記付着灰除去装置の運転を制御することができる。
【0018】
又、前記付着灰除去装置を所定時間毎に運転し、該付着灰除去装置を運転しても前記灰の厚み推定値が閾値未満にならない時は、該付着灰除去装置を再度運転することができる。
【0019】
又、前記灰の厚み推定値が閾値以上である時は前記付着灰除去装置を運転し、該付着灰除去装置を運転しても前記灰の厚み推定値が閾値未満にならない時は、該付着灰除去装置を再度運転することができる。
【0020】
前記灰の厚みは、例えば次のようにして推定できる。
【0021】
図2に示す如く、過熱器内の伝熱管8の微小区間Δxにおいて排ガスと蒸気との熱交換が行われている際、
図2中に示したような物理量を設定する。ここで、rは伝熱管8の外径、tは灰の厚み、T
vは入口蒸気の温度、T
v+ΔT
vは出口蒸気の温度、T
gは入口排ガスの温度、T
g+ΔT
gは出口排ガスの温度、Q
vは蒸気の流量、Q
gは排ガスの流量、C
vは蒸気の比熱、C
gは排ガスの比熱、V
vは入口蒸気の流速、V
gは入口排ガスの流速である。
【0022】
このとき、排ガスから蒸気への熱流量q、および排ガスおよび蒸気の入熱量は以下の式により近似できる。
【0023】
【数3】
【0024】
これらの式を過熱器の伝熱管配置と伝熱管本数に応じて展開して積分し、過熱器入口と出口における各物理量の測定値を用いて連立方程式を解くことによって、灰の厚みtを求めることができる。
【0025】
ここで、kは定数であり、蒸気の流量Q
vは蒸気を使った発電量等から推定でき、排ガスの流量Q
gは吸引ブロア等の流量から推定できる。
【0026】
従って、温度T
v、T
v+ΔT
v、T
g、T
g+ΔT
gを測定すればよい。
【0027】
灰の厚み推定値を所定値以下に抑制するための付着灰除去装置は、スートブロワ、振動付与装置(ハンマリング装置)、圧力波発生装置など、求められる条件を満たすことが可能な装置(方法)であれば種類を問わない。
【発明の効果】
【0028】
本発明によれば、廃棄物焼却炉に付設したボイラの伝熱管に付着する灰の厚みを所定値以下にしてボイラの閉塞を抑制するとともに、伝熱管の腐食を防止することが可能となる。
【0029】
更に、ボイラ稼働中であっても、排ガスおよび蒸気のデータから付着灰の厚みを推定し、付着灰除去装置の運転頻度(回数)をリアルタイムに変更することができる。
【0030】
又、ボイラ稼働中に定期的に付着灰の厚みの推定をしているため、付着灰除去装置の運転頻度(回数)を最適な状態に制御することができ、従って、ボイラの長寿命化ならびにメンテナンスコストの低下を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【
図1】発明者らの実験により得られた灰の厚みと伝熱管の腐食速度との関係を示す線図
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。なお、本発明は以下の実施形態及び実施例に記載した内容により限定されるものではない。又、以下に記載した実施形態及び実施例における構成要件には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のもの、いわゆる均等の範囲のものが含まれる。更に、以下に記載した実施形態及び実施例で開示した構成要素は適宜組み合わせてもよいし、適宜選択して用いてもよい。
【0033】
まず、本発明が適用される、廃棄物焼却炉と連設されるボイラについて説明する。
図3に示す如く、焼却炉10に連設され、排ガスから熱回収するためのボイラ20は、排ガスの流通路を屈曲せしめる2つの変向部21、22により区分され、排ガス流れ方向の上流側から、第1放射室26、第2放射室28、及び対流伝熱室30を備えている。焼却炉10から排ガスを受け入れる第1放射室26の入口近傍はガス混合室24となっている。焼却炉10から導入される排ガスは、第1放射室26の下方から上方へ、第2放射室28の上方から下方へ、対流伝熱室30の下方から上方へ流通される。
【0034】
前記第1放射室26及び第2放射室28は、排ガスからの放射熱を受けて蒸気を発生させる放射伝熱面をそれぞれ備えている。
【0035】
前記対流伝熱室30は、排ガス流れ方向の上流側から、スクリーン管32、3次過熱器34、2次過熱器36、1次過熱器38、及びエコノマイザ42を備えている。3次過熱器34、2次過熱器36、1次過熱器38は、それぞれ、水平方向に配列した複数の伝熱管を高さ方向に多段に設けた伝熱管群を備え、該伝熱管群が対流伝熱面を構成しており、排ガスとの熱交換により蒸気を発生して更に過熱するようにされている。スクリーン管32には伝熱管が旗形に備えられ、対流伝熱室30に導入される排ガスを冷却するようにされている。
【0036】
本発明を実施するため、本実施形態においては、伝熱管に付着した灰を除去する付着灰除去装置として、燃料ガスと酸化剤ガスを高圧下で混合し燃焼して圧力波を発生させボイラ20の対流伝熱室30内へ圧力波を放出する圧力波発生装置を設け、該圧力波発生装置の圧力波放出ノズル62、64を、前記対流伝熱室30に配設している。
【0037】
前記圧力波放出ノズル62、64はそれぞれ、スクリーン管32と3次過熱器34との間、及び、2次過熱器36と1次過熱器38との間に設けることができる。また、これらの位置に設けられたマンホール(図示省略)に圧力波放出ノズルを取り付けることもできる。さらに、
図3には示していないが、例えば、圧力波放出ノズルをスクリーン管32と3次過熱器34との間、3次過熱器34と2次過熱器36との間、2次過熱器36と1次過熱器38との間、及び1次過熱器38とエコノマイザ42との間の4箇所のうち、少なくとも1箇所に設けることとしてもよいし、前記の4箇所に設け、設けたうちの1箇所のみを稼働させる等、設置箇所や設置個数等に関して柔軟に対応することができるのは、言うまでもない。
【0038】
対流伝熱室30に配設された圧力波放出ノズル62、64からの圧力波の発生を制御するため、対流伝熱室30入口の過熱器上流側での排ガス温度を測定する上流側排ガス温度測定器72と、過熱器の下流側の温度を測定する下流側蒸気温度測定器74と、過熱器の上流側の温度を測定する上流側蒸気温度測定器76と、過熱器下流側での排ガス温度を測定する下流側排ガス温度測定器78と、圧力波発生装置の運転を制御する圧力波発生制御装置70とを備えている。前記圧力波発生制御装置70は、以下に説明するような手順に従って、圧力波放出ノズル62、64から圧力波を放出するように圧力波発生装置を制御する。
【0039】
圧力波発生装置は、その混合ガスホルダに燃料ガス(例えばメタンガス)と酸化剤ガス(例えば酸素ガス)を高圧下で充填、混合し、前記圧力波発生制御装置70から与えられる指示により混合ガスを点火プラグで着火し、爆発燃焼させて圧力波を発生させる。爆発燃焼時の混合ガスホルダ内の圧力は例えば最高53.2barに達する。これにより、ボイラ20の対流伝熱室30に配設された圧力波放出ノズル62、64の先端から対流伝熱室30内部に圧力波が放出される。これにより、対流伝熱室30の伝熱管に振動及び風圧が与えられ、付着灰が剥離され除去される。
【0040】
前記圧力波発生制御装置70における圧力波放出ノズル62、64の制御は、例えば
図4に示す第1実施例のように、焼却炉10、ボイラ20の運転中に予め定めた所定時間毎に付着灰除去運転を行うことができる。
【0041】
即ち、焼却炉10のボイラ20が運転中のステップ100において、ステップ110で予め定めた所定時間、例えば2時間が経過したと判定された時はステップ120に進み、付着灰除去装置である、例えば圧力波発生装置を運転する。そしてステップ130で灰の厚みtを推定し、ステップ140で閾値以上であると判定された時はステップ120に戻って、圧力波発生装置を再び運転する。
【0042】
一方、ステップ140で灰の厚みtが閾値未満となったと判定された時は処理を終了する。
【0043】
又は、
図5に示す第2実施例のように、灰の厚みの推定を連続して行い、灰の厚みが閾値以上となった時、付着灰除去装置を運転することとしてもよい。
【0044】
この第2実施例では、所定時間経過するのを待つことなく、ステップ200で灰の厚みtを推定し、ステップ210で閾値以上となった時は、ステップ220で付着灰除去装置を運転する。他の点は第1実施例と同じであるので、同じ符号を付して説明を省略する。
【0045】
付着灰除去装置で灰を落とし続けても、灰の厚み推定値を閾値(例えば5mm)以下に保持することが難しいと判断された場合、警告信号等を出す。これに応じて焼却炉の燃焼条件、ボイラの蒸気発生条件を調整し、灰付着の進行を緩和するように制御する等、適切な措置を行うことができる。
【0046】
なお、閾値の下限値から上限値に至る範囲を設定し、その範囲内で灰の厚み推定値に応じて付着灰除去装置の運転頻度(間隔/回数)、除去作用の強度などの運転条件を定めるように適正運転条件のデータベースを作成しておき、適宜、自動運転するようにしてもよい。
【0047】
又、廃棄物焼却炉の過去の運転における廃棄物焼却処理データ(処理量、廃棄物の種類、成分等)と、灰付着状況データとを蓄積しておき、そのデータと本発明の実施形態に係る付着灰除去装置の運転制御と組み合わせて自動運転するようにしてもよい。
【0048】
前記説明では、本発明を都市ごみ焼却炉に連設されたボイラに適用していたが、本発明の適用対象はこれに限定されない。
【符号の説明】
【0049】
8…伝熱管
10…焼却炉
20…ボイラ
26…第1放射室
28…第2放射室
30…対流伝熱室
32…スクリーン管
34…3次過熱器
36…2次過熱器
38…1次過熱器
42…エコノマイザ
62、64…圧力波発生ノズル
70…圧力波発生制御装置
72…上流側排ガス温度測定器
74…下流側蒸気温度測定器
76…上流側蒸気温度測定器
78…下流側排ガス温度測定器