特許第6863273号(P6863273)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6863273
(24)【登録日】2021年4月5日
(45)【発行日】2021年4月21日
(54)【発明の名称】芳香装置用カートリッジ及び芳香装置
(51)【国際特許分類】
   B65D 85/00 20060101AFI20210412BHJP
   A61L 9/12 20060101ALI20210412BHJP
   F24F 1/008 20190101ALI20210412BHJP
【FI】
   B65D85/00 A
   A61L9/12
   F24F1/008
【請求項の数】16
【全頁数】28
(21)【出願番号】特願2017-504561(P2017-504561)
(86)(22)【出願日】2015年10月23日
(86)【国際出願番号】JP2015079942
(87)【国際公開番号】WO2016143188
(87)【国際公開日】20160915
【審査請求日】2018年9月6日
(31)【優先権主張番号】62/130,217
(32)【優先日】2015年3月9日
(33)【優先権主張国】US
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】000002185
【氏名又は名称】ソニーグループ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】特許業務法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】藤田 修二
(72)【発明者】
【氏名】角田 夕香里
(72)【発明者】
【氏名】寒川 恒俊
(72)【発明者】
【氏名】志村 重輔
【審査官】 星 浩臣
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2011/0226866(US,A1)
【文献】 特開2003−061545(JP,A)
【文献】 米国特許第06399027(US,B1)
【文献】 特表平11−501834(JP,A)
【文献】 国際公開第2014/182987(WO,A2)
【文献】 特開平01−123932(JP,A)
【文献】 特表平08−504606(JP,A)
【文献】 実開平05−082442(JP,U)
【文献】 欧州特許出願公開第01561477(EP,A1)
【文献】 特開2008−278770(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61L 9/00−9/22
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
本体部と、
前記本体部に設けられ、両端が開口し、少なくとも1つの分岐部で分岐し、複数の出口開口部を有するエア流路と、
前記エア流路の内面の少なくとも一部に保持された香料と、
前記エア流路を複数備え、複数の前記エア流路のうちの一部のエア流路を開放させるための少なくとも1つの開口部を有する複数のマスクと、
を備え、前記複数のマスクが回転可能に支持され、前記複数のエア流路の入口開口部又は出口開口部が、直径が異なる複数の同心円の円周上に配置され、前記複数のマスクの各々の前記開口部が、前記複数の同心円の円周上に設けられる、芳香装置用カートリッジ。
【請求項2】
前記エア流路の内径が、10〜1,000μmの範囲内の値である、請求項1に記載の芳香装置用カートリッジ。
【請求項3】
前記エア流路を複数備える、請求項1又は2に記載の芳香装置用カートリッジ。
【請求項4】
前記エア流路の出口開口部が、開口端に向かって拡径するテーパ形状を有する、請求項1〜3のいずれか1項に記載の芳香装置用カートリッジ。
【請求項5】
前記エア流路の入口開口部が、開口端に向かって拡径するテーパ形状を有する、請求項1〜4のいずれか1項に記載の芳香装置用カートリッジ。
【請求項6】
前記エア流路が、複数の入口開口部を有し、少なくとも1つの合流部で合流する、請求項1〜5のいずれか1項に記載の芳香装置用カートリッジ。
【請求項7】
前記複数のマスクは、前記エア流路の入口開口部が設けられた面及び出口開口部が設けられた面のうちのいずれか一方あるいは両方に備えられる、請求項に記載の芳香装置用カートリッジ。
【請求項8】
前記複数のマスクの位置を切り換えることにより、1つの開口部のみが開放される、請求項7に記載の芳香装置用カートリッジ。
【請求項9】
前記複数のマスクの各々は、それぞれの前記同心円の円周上に1つずつ配置された複数の前記開口部を有する、請求項に記載の芳香装置用カートリッジ。
【請求項10】
前記同心円の円周上に1つずつ配置された前記複数の開口部は、前記複数のマスクの各々の中心点から所定の径方向に延びる線上に配置される、請求項に記載の芳香装置用カートリッジ。
【請求項11】
前記同心円の円周上に1つずつ配置された前記複数の開口部は、前記複数のマスクの各々の中心点と任意の前記開口部の中心点とを結ぶ線に平行な線であって、前記任意の開口部に接する二つの線により挟まれた領域に、他の前記開口部が重ならないように配置される、請求項に記載の芳香装置用カートリッジ。
【請求項12】
前記エア流路内に、流路内表面を増加させる表面増加部を有する、請求項1〜11のいずれか1項に記載の芳香装置用カートリッジ。
【請求項13】
前記表面増加部は、前記エア流路の軸を中心に回転対称となる構造、前記エア流路の軸方向に並進対称となる構造、及び、前記エア流路の軸方向に鏡映対称となる構造を有する、請求項12に記載の芳香装置用カートリッジ。
【請求項14】
前記エア流路を軸方向に見たときに、前記表面増加部は、所定の軸で交差する格子状を有する、請求項12又は13に記載の芳香装置用カートリッジ。
【請求項15】
本体部、前記本体部に設けられ、両端が開口し、少なくとも1つの分岐部で分岐し、複数の出口開口部を有するエア流路と、前記エア流路の内面の少なくとも一部に保持された香料と、前記エア流路を複数備え、複数の前記エア流路のうちの一部のエア流路を開放させるための少なくとも1つの開口部を有する複数のマスクとを備えたカートリッジと、前記カートリッジの前記エア流路にエアを供給する送風部と、を備え、前記複数のマスクが回転可能に支持され、前記複数のエア流路の入口開口部又は出口開口部が、直径が異なる複数の同心円の円周上に配置され、前記複数のマスクの各々の前記開口部が、前記複数の同心円の円周上に設けられる、芳香装置。
【請求項16】
前記複数のマスクを回転させるためのアクチュエータを備える、請求項15に記載の芳香装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、芳香装置用カートリッジ及び芳香装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、液体の香料を超音波振動子に滴下して気化させたり、香料を水とともに蒸発させて気化させたりして、香りを拡散させる芳香装置が知られている。しかしながら、そのような芳香装置では、拡散の際の希釈率が低くなりやすく、比較的多くの液体の香料が必要とされる。また、特許文献1には、多孔質粒子中に液体の香料を吸着させ、当該多孔質粒子が充填された空間に空気を通すことにより、液体の香料を気化させる芳香装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2014−67293号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載の芳香装置も、多孔質粒子の表面に液体の香料を吸着させるものであり、多量の香料が必要になる。また、特許文献1に記載の芳香装置は、多孔質粒子の表面に液体の香料を吸着させるものであるため、当該多孔質粒子を収容する格納容器が必要であり、芳香装置が大型化する。
【0005】
そこで、本開示では、芳香装置が大型化することを抑制しつつ、比較的少量の香料を用いて、効率的に芳香させることが可能な、新規かつ改良された芳香装置用カートリッジ及び芳香装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示によれば、本体部と、本体部に設けられ、両端が開口するエア流路と、エア流路の内面の少なくとも一部に保持された香料と、を備えた、芳香装置用カートリッジが提供される。
【0007】
また、本開示によれば、本体部、本体部に設けられ、両端が開口するエア流路、及び、エア流路の内面の少なくとも一部に保持された香料を備えたカートリッジと、カートリッジのエア流路にエアを供給する送風部と、を備える、芳香装置が提供される。
【発明の効果】
【0008】
以上説明したように本開示によれば、芳香装置が大型化することを抑制しつつ、比較的少量の香料を用いて、効率的に芳香させることができる。
なお、上記の効果は必ずしも限定的なものではなく、上記の効果とともに、または上記の効果に代えて、本明細書に示されたいずれかの効果、または本明細書から把握され得る他の効果が奏されてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】第1の実施の形態にかかる芳香装置の一例を示す斜視図である。
図2】同実施形態にかかる芳香装置の断面図である。
図3】同実施形態にかかる芳香装置の分解斜視図である。
図4】同実施形態にかかる芳香装置の構成例を示すブロック図である。
図5】同実施形態にかかる芳香装置の別の構成例を示すブロック図である。
図6】同実施形態にかかる香料カートリッジの一例を示す斜視図である。
図7】同実施形態にかかる香料カートリッジの構成例を示す斜視図である。
図8】香料カートリッジのエア流路を示す説明図である。
図9】エア流路の出口開口部を示す断面図である。
図10】エア流路の入口開口部を示す断面図である。
図11】エア流路の入口開口部及び出口開口部を示す断面図である。
図12】出口開口部側に分岐部を有するエア流路を示す断面図である。
図13】分岐部に弁装置を備えたエア流路の出口開口部を示す断面図である。
図14】入口開口部側に合流部を有するエア流路を示す断面図である。
図15】表面増加部を示す説明図である。
図16】表面増加部を有するエア流路を備えた香料カートリッジを示す斜視図である。
図17】表面増加部の別の例を示す説明図である。
図18】表面増加部のさらに別の例を示す説明図である。
図19】内周面に螺旋溝を有するエア流路を示す説明図である。
図20】出口開口部に縮径テーパ部を有するエア流路を示す説明図である。
図21】同実施形態の第1の変形例にかかる香料カートリッジ及びエア流路を示す斜視図である。
図22】第1の変形例にかかる香料カートリッジの正面図である。
図23】同実施形態の第2の変形例にかかる香料カートリッジ及びエア流路を示す斜視図である。
図24】第2の変形例にかかる香料カートリッジの正面図である。
図25】第2の実施の形態にかかる香料カートリッジを示す斜視図である。
図26】同実施形態の第1の例にかかる香料カートリッジのエア流路とマスクの開口部を示す説明図である。
図27】マスクの回転角度とエア流路の開放位置を示す説明図である。
図28】同実施形態の第2の例にかかる香料カートリッジのエア流路とマスクの開口部を示す説明図である。
図29】同実施形態の第2の例にかかる香料カートリッジを示す斜視図である。
図30】同実施形態の第2の例にかかる香料カートリッジを示す斜視図である。
図31】マスクの回転角度とエア流路の開放位置を示す説明図である。
図32】すべてのエア流路が遮蔽された状態を示す説明図である。
図33】同実施形態の変形例にかかる香料カートリッジを示す斜視図である。
図34】キャップ状のマスクの回転角度とエア流路の開放位置を示す説明図である。
図35】香料カートリッジの販売システムの一例を示す説明図である。
図36】香料カートリッジへの香料の配置例を示す説明図である。
図37】香料カートリッジへの香料の配置例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に添付図面を参照しながら、本開示の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0011】
なお、説明は以下の順序で行うものとする。
1.第1の実施の形態
1−1.芳香装置
1−2.香料カートリッジ
1−2−1.全体構成
1−2−2.エア流路
1−3.変形例
1−4.効果
2.第2の実施の形態
2−1.基本的構成
2−2.第1の例
2−3.第2の例
2−4.変形例
2−5.効果
3.第3の実施の形態
【0012】
<<1.第1の実施の形態>>
<1−1.芳香装置>
まず、図1図5を参照して、本開示の第1の実施の形態にかかる芳香装置1の全体構成例について説明する。
【0013】
図1は、芳香装置1を示す斜視図であり、図2は、芳香装置1の断面を示す模式図であり、図3は、芳香装置1の分解斜視図である。本実施形態にかかる芳香装置1は、蓋部100と、香料カートリッジ200と、エアポンプ300と、バッテリ400と、カートリッジ保持部500と、シャーシ600と、スイッチ700と、駆動基板800とを備えている。かかる芳香装置1は、香料カートリッジ200に設けられたエア流路210に空気を流し、エア流路210に保持された香料を気化させつつ放出させる装置である。芳香装置1のうち、シャーシ600が位置する範囲については、図示しない筐体内に収容されていてもよい。この場合、スイッチ700は、筐体の外部から操作可能に構成される。
【0014】
エアポンプ300は、送風部の一例であって、シャーシ600上に配置され、香料カートリッジ200に向けて空気を圧送する。図2に示した芳香装置1では、エアポンプ300は、シャーシ600に設けられた流路610を介して、香料カートリッジ200のエア流路210に空気を供給する。エアポンプ300には、バッテリ400の電力が供給可能になっており、当該電力により駆動される。エアポンプ300は、例えば、圧電素子に対して交流電流を供給することによりダイヤフラムを変形させて、空気の吸引及び圧送を行う、ダイヤフラム式のポンプとすることができる。
【0015】
なお、香料カートリッジ200に向けて空気を供給する送風部はエアポンプ300に限られず、例えば、ファンを回転させる形式の送風器であってもよい。また、香料カートリッジ200に向けて空気を供給する送風部は、電動式のものでなくてもよく、手動式のものでもよい。空気を供給する手段を手動式のものとした場合、バッテリ400、スイッチ700及び駆動基板800が省略されていてもよい。
【0016】
バッテリ400は、シャーシ600上に配置され、エアポンプ300を駆動するための電力を蓄える。バッテリ400は、放電のみが可能な一次電池であってもよいし、充電及び放電が可能な二次電池であってもよい。バッテリ400とエアポンプ300とは、図示しない電気配線により、電気的に接続されている。
【0017】
駆動基板800は、シャーシ600上に配置され、駆動基板800上には、スイッチ700を含む電子部品等が実装されている。スイッチ700は、エアポンプ300への通電のオンオフを切り替える。例えば、スイッチ700の押下を繰り返すごとに、通電のオンオフが切り替わるようになっていてもよく、スイッチ700を押下している間、通電がオンの状態で維持されるようになっていてもよい。駆動基板800上には、芳香装置1の作動状態を示すLED(Light Emitting Diode)等の光源に例示されるような他の電子部品が実装されていてもよい。また、芳香装置1を、リモートコントローラやスマートホン等により操作可能にするには、駆動基板800上に通信装置が実装されていてもよい。
【0018】
香料カートリッジ200は、少なくとも1つのエア流路210を有する。エア流路210の内面の少なくとも一部には、例えば、精油、あるいは精油をエタノールで希釈した液体の香料が付着して保持される。かかる香料カートリッジ200のエア流路210に、エアポンプ300により供給される空気を流すことにより、液体の香料が気化し、空気とともにエア流路210から放出される。本実施形態にかかる芳香装置1では、香料カートリッジ200のエア流路210の内径が比較的小さくされ、エア流路210に空気を流さない状態では香料が外部に放出されにくくなっている。香料カートリッジ200の構成については、後で詳しく説明する。
【0019】
カートリッジ保持部500は、香料カートリッジ200を保持する。本実施形態にかかる芳香装置1では、中空円筒状のカートリッジ保持部500の内周に、同じく中空円筒状の香料カートリッジ200が保持される。香料カートリッジ200は、エア流路210とシャーシ600に設けられた流路610とが連通可能に保持される。また、香料カートリッジ200が、複数のエア流路210を有する場合、例えば、香料カートリッジ200を保持するカートリッジ保持部500が、シャーシ600に対して軸回転することにより、シャーシ600の流路610と連通するエア流路210が切り替え可能になっていてもよい。
【0020】
シャーシ600の流路610と連通する香料カートリッジ200のエア流路210を切り替える構成は、上記の例に限られない。例えば、シャーシ600と香料カートリッジ200との間に、流路を有する回転可能な部材を設けて、当該部材を回転させることによって、シャーシ600の流路610と連通する香料カートリッジ200のエア流路210を切り替えるようにしてもよい。あるいは、香料カートリッジ200のエア流路210の開放及び遮蔽を切り替え可能なマスクやキャップ等を用い、当該マスク等を回転させることによって、開放させるエア流路210を切り替えるようにしてもよい。
【0021】
蓋部100は、カートリッジ保持部500に保持された香料カートリッジ200をカバーするように香料カートリッジ200に装着される。蓋部100には吐出孔110が設けられ、香料カートリッジ200のエア流路210を通過する、気化した香料の成分を含む空気が、当該吐出孔110を介して外部に放出される。吐出孔110の内径は、特に限定されるものではないが、香料カートリッジ200のエア流路210を流れる空気の流れを阻害しないためには、少なくともエア流路210の内径以上の大きさとすることができる。
【0022】
なお、図示しないものの、芳香装置1は、未使用時に、エア流路210を遮蔽状態で維持できるように、香料カートリッジ200の端面又はエア流路210の端部に、適宜の弁装置、シャッター装置、シール装置、その他の任意の遮蔽装置を備えていてもよい。
【0023】
図4は、芳香装置1のシステムブロック図の一例を示す。バッテリ400は、駆動基板800及びスイッチ700を介して、エアポンプ300と電気的に接続されている。スイッチ700操作に応じて、バッテリ400の電力がエアポンプ300に供給される。エアポンプ300が駆動され、香料カートリッジ200のエア流路210に空気が流されると、エア流路210の内面に保持された香料が気化し、空気とともに香りが放出される。また、図4の例では、カートリッジ保持部500が手動で回転させられ、エアポンプ300から供給される空気が導入される香料カートリッジ200のエア流路210が切り替え可能になっている。
【0024】
図5は、芳香装置1Aのシステムブロック図の他の例を示している。図5に示す例では、カートリッジ保持部500がモータ310により回転させられ、エアポンプ300から供給される空気が導入される香料カートリッジ200のエア流路210が切り替え可能になっている。
【0025】
かかる芳香装置1は、例えば、比較的広範囲の空間内に香りを拡散させる装置として用いることができる。また、芳香装置1は、従来の芳香装置とは異なり、限られた範囲に香りを放出する装置として用いることもできる。例えば、ユーザが、自らの顔の近くで1回あるいは複数回香りを放出させ、気分をリラックスさせるような使い方が可能である。この場合、香りを広範囲に拡散させることがないため、周囲の人に香りを認知させにくくすることができる。
【0026】
<1−2.香料カートリッジ>
(1−2−1.全体構成)
以下、香料カートリッジ200の構成について詳細に説明する。図6は、香料カートリッジ200の一例を示す斜視図である。かかる香料カートリッジ200は、複数のエア流路210a〜210eを備え、芳香装置1に備えられた状態で、空気を流すエア流路を切り替えながら使用され得るカートリッジの一例である。
【0027】
香料カートリッジ200は、本体部202と、軸方向孔204と、複数のエア流路210a〜210eとを備える。本体部202は、円筒形状の外形を有する。本体部202には、軸方向孔204が設けられ、本体部202の外周面と軸方向孔204の内周面とは同心円状を成している。軸方向孔204は、例えば、カートリッジ保持部500あるいは芳香装置1への装着時のガイドとして利用することができる。なお、芳香装置1に対して装着可能であり、空気が供給される流路に対してエア流路210が連通可能であれば、香料カートリッジ200の外形は円筒形状に限られない。例えば、香料カートリッジ200の外形は、円柱、直方体、立方体、その他の適宜の形状とすることができる。
【0028】
エア流路210a〜210eは、本体部202に、それぞれ軸線方向に沿って形成されている。エア流路210a〜210eは、香料カートリッジ200の軸心を中心とする円周上に、等間隔で配置されている。これにより、例えば、図6に示す香料カートリッジ200を一定の回転角度で軸回転させることにより、空気を流すエア流路210a〜210eを切り替えることができる。
【0029】
本体部202に設けるエア流路210の数は、5個に限られない。例えば、図7に示すように、より多くのエア流路210が設けられてもよい。この場合においても、複数のエア流路210を、香料カートリッジ200の軸心を中心とする円周上に配置することにより、香料カートリッジ200を軸回転させることによって、空気を流すエア流路210を切り替えることができる。また、本体部202に設けるエア流路210は、1つのみとしてもよい。この場合、芳香装置1から、空気を流すエア流路210を切り替えるための構成が省略されていてもよい。
【0030】
また、図7に示したように、香料カートリッジ200の外周面に、係止溝208が設けられてもよい。例えば、図2等に示したカートリッジ保持部500の内周面に、係止溝208内に配置され得る大きさの係止突部を設け、係止突部と係止溝208とが嵌まり合うようにして、香料カートリッジ200をカートリッジ保持部500に装着させてもよい。これにより、カートリッジ保持部500と香料カートリッジ200との相対的な位置決めが可能になる。また、カートリッジ保持部500と香料カートリッジ200との相対的な回転が不可能になって、カートリッジ保持部500を回転させることによって、香料カートリッジ200を回転させることができる。
【0031】
香料カートリッジ200の構成材料としては、例えば、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、ABS樹脂、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)樹脂、ポリアセタール(POM)樹脂、シリコン樹脂、フッ素樹脂、シクロオレフィンポリマー樹脂、ポリイミド樹脂等の高分子樹脂や、ステンレス、アルミニウム等の金属、石英等の無機結晶、又はガラスのうちの一種又は複数の材料を用いることができる。ただし、香料カートリッジ200の構成材料は上記の例に限られない。なお、香料カートリッジ200は、3Dプリンタを用いて製造することができ、香料カートリッジ200の構成材料として、3Dプリンタに適した材料を選択してもよい。
【0032】
(1−2−2.エア流路)
次に、香料カートリッジ200に形成されるエア流路210について説明する。
【0033】
(1−2−2−1.基本的構成)
本実施形態にかかる香料カートリッジ200は、例えば、内径が10〜3,000μmのエア流路210を有するものとすることができる。特に、内径が数十〜数百μmの流路は、「マイクロ流路」とも呼ばれる。このような内径を有するエア流路210は、その内面に液体の香料を付着させて保持させることで、少量の香料を安定的に保持することができる。したがって、使用時に、香料を都度滴下する必要がない。エア流路210の内径は、50〜500μmの範囲内の値としてもよく、100〜200μmの範囲内の値としてもよい。
【0034】
また、香料カートリッジ200が、比較的小さい内径のエア流路210を有することにより、出口開口部が小さくなって、香りを放出する際の拡散の流束を狭小化することができる。したがって、例えば、ユーザが個人的に香りを楽しむ等、限られた範囲に香りを放出させることができる。
【0035】
また、比較的小さい内径のエア流路210であれば、エア流路210の体積に対する表面積の割合を高く確保することができ、少量の香料で、高濃度の香料を気化させて空気とともに放出させることができる。さらに、比較的小さい内径のエア流路210であれば、1つのエア流路210のみが形成される場合はもちろんのこと、複数のエア流路210が形成される場合であっても、香料カートリッジ200の外形を小さくすることができ、香料カートリッジ200の持ち運び、ひいては、芳香装置1の持ち運びを容易にすることができる。
【0036】
エア流路210は、本体部202内に直線状に設けられてもよいし、曲線状に設けられてもよい。あるいは、エア流路210が、部分的に直線状又は曲線状の部分を含んでいてもよい。エア流路210を曲線状にすることにより、本体部202内におけるエア流路210の長さを長くすることができ、保持させる香料の量を増やすことができる。
【0037】
エア流路210の出口開口部の向きは、本体部202の軸方向に平行であってもよく、垂直であってもよく、任意の角度とすることができる。また、エア流路210の断面形状は、その内面に液体の香料を付着させて保持することができ、エア流路210に空気を流すことができる形態であれば、特に限定されない。エア流路210の断面形状は、例えば、円形、楕円形、四角形、長方形、その他の適宜の形状とすることができる。
【0038】
図8は、香料カートリッジ200に形成されたエア流路210を透視して撮影した画像である。図8に示したエア流路210は、100μm角の四角形の断面を有する流路であり、両端の入口開口部214及び出口開口部212の断面積は、中央部に比べて大きくされている。このエア流路210の内面には、液体の香料が付着し、保持されている。かかるエア流路210の容積は、約0.18μLである。例えば、エア流路210の一端側から液体の香料を0.25μL注入した後、エア流路210に空気を供給することで、余剰の香料が排出されて、内面に付着した香料のみがエア流路210に保持される。
【0039】
また、香料カートリッジ200に形成されるエア流路210は、1つであってもよいし、複数であってもよい。香料カートリッジ200が複数のエア流路210を有することにより、香料カートリッジ200に保持させる香料の総量を増やすことができる。したがって、すべて同じ香料を保持させる場合には、1つの香料カートリッジ200の使用時間を延ばすことができる。また、エア流路210が複数形成されていれば、複数の異なる香料を保持させることができ、空気を流すエア流路210を切り替えることによって、異なる香りを放出させることができる。
【0040】
(1−2−2−2.テーパ形状)
図9図11は、テーパ形状を有するエア流路210の説明図であり、本体部202に形成されたエア流路210を示す部分断面図である。図9に示すように、エア流路210の出口開口部212は、開口端に向かって拡径するテーパ形状を有してもよい。かかるテーパ形状が出口開口部212に設けられていれば、エア流路210から放出される香料Fが拡散しやすくなる。また、図10に示すように、エア流路210の入口開口部214は、開口端に向かって拡径するテーパ形状を有してもよい。かかるテーパ形状が入口開口部214に設けられていれば、少量の液体の香料Fをエア流路210に注入しやすくなって、入口開口部214の端部の周りに香料Fが付着して残ることを防ぐことができる。
【0041】
かかる出口開口部212又は入口開口部214は、エア流路210の中心軸に対して5〜45°の範囲内のテーパ角としてもよく、10〜30°の範囲内のテーパ角としてもよい。また、かかるテーパ形状を有する出口開口部212又は入口開口部214の内径は、例えば、30〜2,000μmの範囲内の値としてもよいし、50〜500μmの範囲内の値としてもよいし、100〜300μmの範囲内の値としてもよい。なお、図11に示すように、エア流路210の入口開口部214及び出口開口部212が、ともに開口端に向かって拡径するテーパ形状を有してもよい。
【0042】
(1−2−2−3.分岐部及び合流部)
図12図14は、分岐部又は合流部を有するエア流路210の説明図であり、本体部202に形成されたエア流路210を示す部分断面図である。図12に示すように、エア流路210が分岐部216を有し、複数の分岐流路220,230に分岐してもよい。この場合、エア流路210は、複数の出口開口部222,232を有する。エア流路210が分岐部216で分岐し、複数の出口開口部222,232を有することによって、複数の異なる方向に対して香料Fを放出させることができる。エア流路210が分岐部216を有している場合においても、エア流路210の入口開口部側から液体の香料Fを注入することによって、2つの分岐流路220,230それぞれに香料Fを行き渡らせることができる。また、その後に、入口開口部側から空気を供給することによって、余剰の香料Fが排出され、分岐流路220,230を含むエア流路210の内面に香料Fを付着させて、保持させることができる。
【0043】
なお、エア流路210の出口開口部側に向けて複数の分岐流路に分岐する分岐部は、1つに限られず、複数設けられてもよい。
【0044】
また、図13に示すように、分岐部216に、エア流路210内を流れる香料Fあるいは空気の流れを切り替えるための弁装置280あるいはゲート装置を備えてもよい。分岐部216に弁装置280を備えることにより、空気を流す流路を一方の分岐流路220と他方の分岐流路230とで切り替えることができ、香料Fを放出させる方向を選択することができる。また、分岐部216に弁装置280を備えることにより、液体の香料Fをエア流路210に保持させる際に、一方の分岐流路220に保持させる香料Fと、他方の分岐流路230に保持させる香料Fとを異ならせることができる。
【0045】
かかる弁装置280は、例えば、分岐部216の頂点を回転軸として回動可能な磁性材料からなるフラップと、分岐流路220,230のうちのいずれか一方側(図13の上側又は下側)に、通電により磁界を発生させるアクチュエータとにより構成することができる。かかる弁装置280では、アクチュエータへの通電のオンオフにより、フラップが引き付けられ、フラップにより塞がれる分岐流路220,230を切り替えることができる。
【0046】
また、図14に示すように、エア流路210が複数の入口開口部244,254を有し、複数の分岐流路240,250が合流部218で合流してもよい。エア流路210が複数の入口開口部244,254を有し、合流部218で合流することにより、例えば、分岐流路240,250に、異なる香料F1,F2を保持させておき、空気を導入する入口開口部244,254を選択することによって、エア流路210から放出させる香料F1,F2を切り替えることができる。また、2つの入口開口部244,254から空気を導入させることにより、2つの香料F1,F2を混合させて放出させることができる。
【0047】
さらに、合流部218に、図示しない弁装置を備えてもよい。合流部218に弁装置を備えることにより、空気を導入する入口開口部244,254を選択するのではなく、弁装置を用いて、エア流路210から放出させる香料F1,F2を切り替えることができる。あるいは、弁装置により、分岐流路240,250の開度の割合を調節することにより、分岐流路240,250に保持されたそれぞれの香料F1,F2の混合割合を調節して、所望の香料を放出させることができる。合流部218に備えられる弁装置も、上記の分岐部216に備えられる弁装置280と同様に構成することができる。
【0048】
弁装置280の代わりにゲート装置を用いる場合、当該ゲート装置は、例えば、任意のアクチュエータにより進退動し、分岐流路240,250をそれぞれ開閉可能なシャッター構造とすることができる。
【0049】
(1−2−2−4.表面増加部)
図15図18は、表面増加部を有するエア流路210の説明図であり、図15図17図18が、エア流路210を示す模式図であり、図16が、表面増加部260を有するエア流路210を備えた香料カートリッジ200を示す説明図である。図15及び図16に示すように、エア流路210は、流路内の表面を増加させる表面増加部260を備えてもよい。エア流路210に表面増加部260を備えることにより、液体の香料が付着する面積が増加し、保持される香料の総量を増やすことができる。したがって、1つのエア流路210に空気を流して香りを放出させることができる総時間を延ばすことができる。
【0050】
図15に示したエア流路210は、エア流路210の軸線に垂直な断面上に形成された複数の十字状の構成部分が、十字の交差部において軸方向に連結された表面増加部260を備える。比較的小さいエア流路210であっても、例えば、3Dプリンタを用いて香料カートリッジ200を製造することにより、かかる表面増加部260をエア流路210の内部に形成することができる。かかる表面増加部260は、エア流路210の軸心に対して回転対称となるように配置されている。また、かかる表面増加部260は、エア流路210の軸方向に並進対称となるように配置されている。さらに、かかる表面増加部260は、任意の軸に対して鏡映対称となるように配置されている。
【0051】
エア流路210内に形成される表面増加部は、種々の形態であってよい。例えば図17に示すように、エア流路210の軸線に垂直な断面上に形成され、4本の直線が交差する複数の構成部分が、交差部において軸方向に連結された表面増加部262であってもよい。また、図18に示すように、エア流路210の軸線に垂直な断面上に形成された複数の十字状の構成部分を、当該断面上で、例えば1つおきに45°ずつ回転させた状態で、軸方向に連結した表面増加部264であってもよい。かかる表面増加部264は、エア流路210の軸方向に投影した場合、図17に示す表面増加部262と同じ形状となる。
【0052】
これらの表面増加部262,264についても、エア流路210の軸心に対して回転対称となるように配置され、エア流路210の軸方向に並進対称となるように配置され、かつ、任意の軸に対して鏡映対称となるように配置されている。また、図15図18に例示した表面増加部260,262,264は、いずれも任意の軸間角度及び任意の長さの単位辺を有する格子状に形成されている。すなわち、表面増加部260,262,264は、エア流路210の軸心から径方向に延びる一の単位辺と、当該一の単位辺を所定の角度(90°又は45°)回転させた他の単位辺と、エア流路210の内面とにより形成される単位格子が複数組み合わせられて構成されている。したがって、エア流路210内において、均等な密度で香料を保持させることができる。
【0053】
これらの表面増加部260,262,264は、流束を妨げないように、空気が通過する空間を維持しつつ、エア流路210の内面の表面積を増加させることができる。したがって、液体の香料が表面に付着し、その濡れ性や表面張力、界面における化学的な相互作用によって、重力や空気の流れに逆らって、エア流路210の内部に保持される香料の量を増加させることができる。
【0054】
なお、表面増加部は、必ずしも回転対称、並進対称、鏡映対称であることを要しない。また、表面増加部は、単位格子の組み合わせにより構成されることを要しない。表面増加部は、空気の流れを妨げることなく形成できるものであれば、任意の形態を取ることができる。
【0055】
(1−2−2−5.直進性を向上させる形態)
図19及び図20は、放出される空気の直進性を向上可能なエア流路210を示す模式図である。芳香装置1を、個人で香りを楽しむ装置として利用する場合、放出される香りが広い範囲に拡散しないように、放出される香りの直進性を向上させてもよい。例えば、図19に示すように、エア流路210が、その内周面に螺旋溝246を備えてもよい。エア流路210が螺旋溝246を有することにより、ジャイロ効果によって、エア流路210を流れて放出される空気の直進性を向上させることができる。
【0056】
あるいは、図20に示すように、エア流路210の出口開口部に、開口端に向けて縮径するテーパ部248を設けてもよい。かかるテーパ部248がエア流路210の出口開口部に設けられることにより、放出される空気の流速が高められて、直進性を向上させることができる。
【0057】
かかる螺旋溝246あるいはテーパ部248を有するエア流路210から短時間香りを放出させることにより、ユーザ自身が感じることができる狭い範囲に香りが放出され、個人利用での芳香装置1としての使い方ができるようになる。
【0058】
<1−3.変形例>
ここまで、本実施形態にかかる香料カートリッジ200の構成例について説明した。本実施形態にかかる香料カートリッジ200は種々の変形が可能である。以下、本実施形態にかかる香料カートリッジの変形例について説明する。
【0059】
(1−3−1.第1の変形例)
図21及び図22は、第1の変形例にかかる香料カートリッジ200Aを示す説明図である。図21は、香料カートリッジ200A及びエア流路210Aの斜視図であり、図22は、エア流路210Aの数及び大きさを異ならせた香料カートリッジ200Aの正面図である。
【0060】
香料カートリッジ200Aは、直方体状の外形を有する。かかる香料カートリッジ200Aは、本体部202Aに長手方向に沿って形成された複数のエア流路210Aが形成されている。エア流路210Aは、断面形状が正方形であり、縦横に等間隔で配列されている。図21に示した例では、香料カートリッジ200Aは、5mm角の断面を有し、長手方向の長さが30mmである。また、一辺が200μm(0.2mm)の正方形の断面を有するエア流路210Aが、縦横それぞれ10個ずつ等間隔で配置されている。
【0061】
また、図22に示した例では、香料カートリッジ200Aは、5mm角の断面を有し、一辺が300μm(0.3mm)の正方形の断面を有するエア流路210Aが、縦横それぞれ0.5mmの間隔を空けて、5個ずつ等間隔で配置されている。なお、5mm角の断面を有する香料カートリッジ200Aには、200μm(0.2mm)角の正方形の断面を有するエア流路210Aであれば、100本以上形成することもできる。
【0062】
かかる香料カートリッジ200Aにおいても、比較的小さい断面積のエア流路210Aを有し、当該エア流路210Aの内面に液体の香料が付着して保持されている。したがって、香料カートリッジ200Aは、少量の香料を安定的に保持することができる。また、かかるエア流路210Aに空気を流すことによって、比較的狭い範囲に、高濃度の気化した香料を放出させることができる。
【0063】
(1−3−2.第2の変形例)
図23及び図24は、第2の変形例にかかる香料カートリッジ200Bを示す説明図である。図23は、香料カートリッジ200B及びエア流路210Bの斜視図であり、図24は、香料カートリッジ200Bの正面図である。
【0064】
香料カートリッジ200Bは、円柱状の外形を有する。かかる香料カートリッジ200Bは、本体部202Bに円柱状の外形の軸線方向に沿って形成された複数のエア流路210Bが形成されている。上記の実施の形態にかかる香料カートリッジ200は、軸方向孔204を有する円筒形状であったのに対し、第2の変形例にかかる香料カートリッジ200Bは、軸方向孔204を有しておらず、断面上の全体に亘ってエア流路210Bが配置されている。
【0065】
図23及び図24に示した例では、香料カートリッジ200Bは、直径が8mmの真円状の断面を有し、軸方向長さが20mmである。また、直径が400μm(0.4mm)の真円状の断面を有するエア流路210Bが、3重の同心円の円周上にそれぞれ等間隔で配置されている。
【0066】
かかる香料カートリッジ200Bにおいても、比較的小さい断面積のエア流路210Bを有し、当該エア流路210Bの内面に液体の香料が付着して保持されている。したがって、香料カートリッジ200Bは、少量の香料を安定的に保持することができる。また、かかるエア流路210Bに空気を流すことによって、比較的狭い範囲に、高濃度の気化した香料を放出させることができる。
【0067】
なお、第1の変形例及び第2の変形例にかかる香料カートリッジ200A,200Bにおいても、上記で説明した点以外の点については、適宜、上記の実施の形態にかかる香料カートリッジ200の構成を組み合わせて構成することができる。
【0068】
<1−4.第1の実施の形態による効果>
以上説明したように、本開示の第1の実施の形態にかかる芳香装置1は、両端が開口し、内面の少なくとも一部に香料が保持されたエア流路210を有する香料カートリッジ200を備えている。かかる香料カートリッジ200は、比較的小さい内径のエア流路210を有し、少量の香料を安定的に保持することができる。
【0069】
かかる香料カートリッジ200は、比較的小さい内径のエア流路210を有し、当該エア流路210に空気を流すことによって、香料が気化し、空気とともに放出される。このとき、香りが放出される出口開口部が比較的小さいために、放出される香りの拡散の流束を狭小化することができる。また、かかる香料カートリッジ200は、エア流路210の体積に対する表面積の割合が高く、少量の香料で、高濃度の香料を気化させることができる。したがって、本実施形態にかかる芳香装置1は、例えば個人で香りを楽しむような使い方をする際に、高濃度の香りを狭い範囲に放出させることができる。
【0070】
また、香料カートリッジ200は、比較的小さい内径のエア流路210を有するため、香料カートリッジ200の外形を小さくすることができ、香料カートリッジ200の持ち運び、あるいは、芳香装置1の持ち運びを容易にすることができる。また、香料カートリッジ200は、本体部202内に形成されたエア流路210に香料を保持させるものであり、使用時に、香料を都度滴下する必要がない。
【0071】
また、香料カートリッジ200のエア流路210に、分岐部216あるいは合流部218を設けた場合には、香りの放出経路を切り替えたり、複数の香りを混合させたりすることができる。これにより、香りを放出させる領域を調節したり、香りを調節したりすることができ、芳香装置1の使用場面を広げることができる。
【0072】
また、香料カートリッジ200のエア流路210の内部に、表面増加部260,262,264を設けることにより、エア流路210に保持させる香料の量を増やすことができる。したがって、香料カートリッジ200の1回の使用期間を延ばすことができる。
【0073】
さらに、本実施形態にかかる芳香装置1は、交換式の香料カートリッジ200を装着して使用するものであり、使用場面に応じて、適宜の香料カートリッジ200を選択することができる。したがって、異なる種類の香りを楽しんだり、香りの拡散度合いを変更したり等、芳香装置1を様々な場面に応じて使用することができる。
【0074】
<<2.第2の実施の形態>>
次に、本開示の第2の実施の形態にかかる香料カートリッジについて説明する。本実施形態にかかる香料カートリッジは、複数のエア流路の中から、空気を流すエア流路を切り替えるためのマスクを備える点で、第1の実施の形態にかかる香料カートリッジと異なる。以下、第1の実施の形態にかかる香料カートリッジと異なる点を中心に、本実施形態にかかる香料カートリッジについて説明する。
【0075】
<2−1.基本的構成>
図25は、本実施形態の第1の例にかかる、マスク290を備えた香料カートリッジ200の基本的な構成を示す模式図である。香料カートリッジ200は、円柱状の外形を有し、軸心を中心とする円周上に複数のエア流路210が配置されている。図25においては、5つのエア流路210のみが示されているが、エア流路210の数は特に限定されない。また、香料カートリッジ200は、軸心を中心とする複数の同心円上に、それぞれ複数のエア流路210を備えていてもよい。
【0076】
マスク290は、少なくとも一つの開口部292を備え、香料カートリッジ200の一端面に回転自在に取り付けられる。図25の例では、マスク290は、香料カートリッジ200の軸心に固定され、当該軸心を中心に回転自在となっている。マスク290の回転に伴い、マスク290に設けられた開口部292も軸心を中心に回転する。これにより、香料カートリッジ200に設けられた複数のエア流路210の開放及び遮蔽が切り替えられる。開放されるエア流路210には、エアポンプ等から供給される空気が流れ、当該エア流路210内に保持された香料が気化され、空気とともに放出される。すなわち、マスク290を回転させることによって、空気を流すエア流路210、あるいは、放出させる香りを切り替えることができる。
【0077】
この場合、エアポンプ等により供給される空気は、図2等に示すように、1つのエア流路210のみに対して供給されるのではなく、香料カートリッジ200の一端面全面に対して供給されてよい。香料カートリッジ200の一端面全面に空気が供給された状態で、マスク290により遮蔽されたエア流路210には、空気が通過しないようになる。マスク290は、香料カートリッジ200における、空気が導入される側(入口側)の端面に配置されてもよいし、空気が放出される側(出口側)の端面に配置されてもよい。ただし、マスク290が香料カートリッジ200の入口側に配置されていれば、入口側端面に供給される空気によって、マスク290が香料カートリッジ200に押え付けられ、開放されないエア流路210を密閉することができる。
【0078】
マスク290の回転動作は、手動により行われてもよいが、例えば、電磁石モータや圧電素子、磁石、空力学アクチュエータ、エレクトアクティブポリマー(EAP)等の動力を利用した駆動装置により行われてもよい。また、本実施形態では、円柱状の香料カートリッジ200に対して、円形のディスク状のマスク290を備えた例について説明するが、マスクの形状は、円形のディスク状に限られず、香料カートリッジの端面の形状に合わせて適宜選択されてよい。
【0079】
マスク290の構成材料としては、例えば、香料カートリッジ200の構成材料と同様に、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、ABS樹脂、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)樹脂、ポリアセタール(POM)樹脂、シリコン樹脂、フッ素樹脂、シクロオレフィンポリマー樹脂、ポリイミド樹脂等の高分子樹脂や、ステンレス、アルミニウム等の金属、石英等の無機結晶、又はガラスのうちの一種又は複数の材料を用いることができる。ただし、マスク290の構成材料は上記の例に限られない。
【0080】
<2−2.第1の例>
図26は、本実施形態にかかる香料カートリッジの第1の例として、マスク290Aを備えた香料カートリッジ200Cを示す模式図である。図26は、香料カートリッジ200Cに設けるエア流路210X,210Y,210Zの開口部と、マスク290Aの開口部292X,292Y,292Zとの位置関係を示す説明図である。
【0081】
香料カートリッジ200Cは、軸心を中心とする3つの同心円上に、それぞれ複数のエア流路210X,210Y,210Zが開口している。エア流路210X,210Y,210Zは、それぞれの円周上に、等間隔で4つずつ開口している。すなわち、それぞれのエア流路210X,210Y,210Zは、90°間隔で開口している。また、軸心から径方向に延びる同一の線上に、複数のエア流路210X,210Y,210Zの開口が重ならないように配置されている。
【0082】
マスク290Aは、3つの開口部292X,292Y,292Zを有する。3つの開口部292X,292Y,292Zは、中心点から径方向に延びる同一線上に配置されている。マスク290Aの中心点から、それぞれの開口部292X,292Y,292Zまでの距離は、香料カートリッジ200Cの軸心から、それぞれのエア流路210X,210Y,210Zまでの距離に略一致する。すなわち、開口部292Xは、エア流路210Xを開放又は遮蔽し、開口部292Yは、エア流路210Yを開放又は遮蔽し、開口部292Zは、エア流路210Zを開放又は遮蔽する。
【0083】
かかる第1の例の香料カートリッジ200Cでは、マスク290Aを回転させることにより、複数のエア流路210X,210Y,210Zと、マスク290Aの3つの開口部292X,292Y,292Zとが、いずれか1箇所のみで重なり得る。したがって、香料カートリッジ200Cに設けられた12個のエア流路210X,210Y,210Zの中から、空気を流す1つのエア流路の切り替えが可能になる。
【0084】
図27は、第1の例にかかる香料カートリッジ200Cにおいて、マスク290Aの回転角度によって、開放されるエア流路が異なることを示す説明図である。図27は、図26に示したように香料カートリッジ200Cのエア流路210X,210Y,210Zが配置され、図26に示したマスク290Aの状態を、回転角度=0°として示している。かかる図27に示すように、第1の例にかかる香料カートリッジ200Cでは、マスク290Aの回転角度を30°ずつずらすことによって、開放されるエア流路210X,210Y,210Zを異ならせることができる。
【0085】
この場合、例えば、マスク290Aが30°ずつ回転するように駆動装置を設定し、駆動装置の操作スイッチを押す回数に応じてマスク290Aを所定角度回転させるようにしてもよい。このように、本実施形態の第1の例にかかる香料カートリッジ200Cでは、マスク290Aを回転させることによって、空気を流すエア流路210X,210Y,210Zを切り替えることができ、使用時の気分等に合わせて、放出させる香りを選択することができる。
【0086】
<2−3.第2の例>
図28は、本実施形態にかかる香料カートリッジの第2の例として、2枚のマスク290B,290Cを備えた香料カートリッジ200Dを示す模式図である。図28は、香料カートリッジ200Dに設けるエア流路210X,210Y,210Zの開口部と、第1のマスク290Bの開口部292BX,292BY,292BZと、第2のマスク290Cの開口部292CX,292CY,292CZとの位置関係を示す説明図である。
【0087】
香料カートリッジ200Dは、軸心を中心とする3つの同心円上に、それぞれ複数のエア流路210X,210Y,210Zが開口している。エア流路210Xの開口部は、円周上に、等間隔(18°間隔)で20個配置されている。エア流路210Yの開口部は、円周上に、等間隔(36°間隔)で10個配置されている。エア流路210Yの開口部は、円周上に、等間隔(120°間隔)で3個配置されている。これらのエア流路210X,210Y,210Zのうちのいくつかは、軸心から径方向に延びる同一線上に配置されている。
【0088】
第1のマスク290Bは、3つの開口部292BX,292BY,292BZを有する。3つの開口部292BX,292BY,292BZは、中心点から径方向に延びる同一線上に配置されている。第1のマスク290Bの中心点から、それぞれの開口部292BX,292BY,292BZまでの距離は、香料カートリッジ200Dの軸心から、それぞれのエア流路210X,210Y,210Zまでの距離に略一致する。
【0089】
第2のマスク290Cは、3つの開口部292CX,292CY,292CZを有する。第2のマスク290Cでは、中心点から径方向に延びる同一の線上に、異なる開口部292CX,292CY,292CZが重ならないように配置されている。すなわち、それぞれの同心円の円周上に1つずつ配置された複数の開口部292CX,292CY,292CZは、第2のマスク290Cの中心点と任意の開口部292CX,292CY,292CZの中心点とを結ぶ線に平行な線であって、当該任意の開口部292CX,292CY,292CZに接する二つの線により挟まれた領域に、他の開口部292CX,292CY,292CZが重ならないように配置される。
【0090】
第2の例にかかる香料カートリッジ200Dでは、第1のマスク290B及び第2のマスク290Cそれぞれの回転角度を変化させることによって、香料カートリッジ200Dに設けられた33個のエア流路210X,210Y,210Zのうちのいずれか1つのエア流路のみが開放される。
【0091】
図30に示すように、第1のマスク290B及び第2のマスク290Cは、ともに、香料カートリッジ200Dの両端面のうちのいずれか一方の端面に配置されてもよい。あるいは、図29に示すように、第1のマスク290B又は第2のマスク290Cは、香料カートリッジ200Dの両端面にそれぞれ配置されてもよい。
【0092】
図31は、第2の例にかかる香料カートリッジ200Dにおいて、第1のマスク290B及び第2のマスク290Cのそれぞれの回転角度によって、開放されるエア流路が異なることを示す説明図である。図31は、図28に示したように香料カートリッジ200Dのエア流路210X,210Y,210Zが配置され、図28に示した第1のマスク290B及び第2のマスク290Cの状態を、それぞれ回転角度=0°として示している。かかる図31に示すように、第2の例にかかる香料カートリッジ200Dでは、第1のマスク290B及び第2のマスク290Cの回転角度をそれぞれ18°ずつずらすことによって、開放されるエア流路210X,210Y,210Zを異ならせることができる。
【0093】
この場合、例えば、第1のマスク290B及び第2のマスク290Cが18°ずつ回転するように駆動装置を設定し、駆動装置の操作スイッチを押す回数に応じて第1のマスク290B及び第2のマスク290Cをそれぞれ所定角度回転させるようにしてもよい。このように、本実施形態の第2の例にかかる香料カートリッジ200Dでは、第1のマスク290B及び第2のマスク290Cをそれぞれ回転させることによって、空気を流すエア流路210X,210Y,210Zを切り替えることができ、使用時の気分等に合わせて、放出させる香りを選択することができる。
【0094】
なお、図32に例示するように、香料カートリッジ200Eにエア流路210X,210Y,210Zを配置する際に、マスク290Dがある回転角度に置かれた状態で、すべてのエア流路210X,210Y,210Zが遮蔽されるようにしてもよい。図32の例では、図示した香料カートリッジ200Eとマスク290Dとを重ね合わせたときに、すべてのエア流路210X,210Y,210Zが遮蔽され、空気が通過するエア流路が無い状態になる。これにより、芳香装置を使用しないときに、エア流路210X,210Y,210Zに保持された香料が漏れ出にくくなる。
【0095】
<2−4.変形例>
図33は、本実施形態の変形例にかかる香料カートリッジ200Fを示す説明図である。変形例にかかる香料カートリッジ200Fは、複数のエア流路205a〜205cの一端側の開口部207a〜207fが香料カートリッジ200Fの軸方向端部に形成され、他端側の開口部206a〜206cが香料カートリッジ200Fの外周面に形成されている。図33においては、6つのエア流路のうちの3つのエア流路205a〜205cのみが図示されている。
【0096】
また、エア流路205a〜205cを開放又は遮蔽するマスク290Eはキャップ状をなし、香料カートリッジ200Fの両端のうち、外周面にエア流路205a〜205cの開口部206a〜206cが形成された端部側から、香料カートリッジ200Fに装着される。キャップ状のマスク290Eは、香料カートリッジ200Fの軸心を中心に軸回転可能になっている。
【0097】
キャップ状のマスク290Eは、周面に1つの開口部294を有する。かかる開口部294は、マスク290Eを軸回転させることにより、複数のエア流路205a〜205cのうちのいずれかのエア流路205a〜205cの開口部206a〜206cに重なり得る。したがって、キャップ状のマスク290Eの回転角度を変えることによって、空気を通過させるエア流路205a〜205cを異ならせることができる。
【0098】
図34は、変形例にかかる香料カートリッジ200Fにおいて、キャップ状のマスク290Eの回転角度によって、開放されるエア流路が異なることを示す説明図である。図34は、図33に示したように香料カートリッジ200Fのエア流路205a〜205cが配置され、図33に示したキャップ状のマスク290Eの状態を回転角度=0°として示している。かかる図33に示すように、変形例にかかる香料カートリッジ200Fでは、キャップ状のマスク290Eの回転角度を60°ずつずらすことによって、開放されるエア流路205a〜205cを異ならせることができる。
【0099】
この場合においても、例えば、キャップ状のマスク290Eが60°ずつ回転するように駆動装置を設定し、駆動装置の操作スイッチを押す回数に応じてマスク290Eを所定角度回転させるようにしてもよい。また、マスク290Eの開口部294と、エア流路205a〜205cの開口部206a〜206cとが重ならない位置で、マスク290Eを保持することによって、すべてのエア流路205a〜205cを遮蔽することもできる。このように、本実施形態の変形例にかかる香料カートリッジ200Fでは、キャップ状のマスク290Eを回転させることによって、空気を流すエア流路205a〜205cを切り替えることができ、使用時の気分等に合わせて、放出させる香りを選択することができる。
【0100】
<2−5.第2の実施の形態による効果>
以上説明したように、本開示の第2の実施の形態にかかる香料カートリッジは、マスクを回転させることによって、複数のエア流路のうちの空気を流すエア流路を切り替えることができる。したがって、香料カートリッジの一端側全面に対して空気を供給しつつ、空気を通過させるエア流路を切り替えることができる。これにより、マスクを回転させることで、空気を通過させるエア流路を容易に切り替えることができ、放出させる香りを容易に選択できるようになる。
【0101】
なお、本実施形態にかかる香料カートリッジの基本的な構成は、第1の実施の形態にかかる香料カートリッジと同様の構成とすることができる。したがって、本実施形態にかかる香料カートリッジは、第1の実施の形態にかかる香料カートリッジにより得られる効果と同様の効果を得ることができる。
【0102】
<<3.第3の実施の形態>>
次に、第1及び第2の実施の形態で説明した香料カートリッジの販売システムの例について説明する。
【0103】
図35は、香料カートリッジをインターネット上で販売する場合の例を示し、香料カートリッジの販売者及び消費者それぞれが行う処理手順を示している。香料カートリッジの販売者は、インターネットを介して消費者のアクセスが可能なオンラインストアのウェブサイトを設置する(ステップSS1)。消費者は、当該ウェブサイトにアクセスし、例えば、香料の種類や、香料カートリッジのエア流路の数を選択する。具体的に、消費者は、用意されているラインナップの中から、香料カートリッジに備えられるエア流路の総数を選択し、どのエア流路に、どの香料を保持させるかを、自身の好みに合わせて自由に選択する。消費者は、香料カートリッジの仕様を決定した後、オンライン上で注文処理を確定する(ステップCS1)。
【0104】
注文を受け付けた販売者は、注文の内容に基づいて、カスタムメイドの香料カートリッジを製造する(ステップSS2)。例えば、販売者は、消費者によって選択された形態の香料カートリッジの所定のエア流路に対して、指定された液体の香料を注入するとともに、エア流路に空気を吹き込み、余剰の香料を排出させて、エア流路の内面に香料を保持させる。香料の注入は、オンライン上で注文処理を受け付けた後、専用の注入装置により自動で行われるようにしてもよい。製造されたカスタムメイドの香料カートリッジは、消費者に向けて配送される(ステップSS3)。このとき、香料カートリッジは、密閉された容器やパッケージ内に封入されて配送されるようにしてもよい。また、香料カートリッジの包装容器やパッケージが、遮光性を有してもよいし、香料カートリッジが除湿可能に封入されていてもよい。消費者は、香料カートリッジを受け取り(ステップCS2)、芳香装置に香料カートリッジを装着して、使用する(ステップCS3)。
【0105】
図36及び図37は、カスタムメイドにより製造される香料カートリッジ200Gの例を示している。かかる香料カートリッジ200Gは、28個のエア流路210を有する。ウェブサイト上では、香料A「お気に入り!!」、香料B「朝はこれ!」、香料C「眠気覚ましに必須!」、香料D「たまに欲しい」及び香料E「試してみたい!」それぞれについて、複数種類の香料が選択可能になっている。
【0106】
消費者は、それぞれのタイプの香料の中から、好みに合わせて適宜の香料を選択するとともに、それぞれの香料を保持させるエア流路を指定する。これにより、消費者の好みに応じたオリジナルの香料カートリッジが製造される。
【0107】
一連の取引において、香料カートリッジの購入料金の決済がオンライン上で行われるようにしてもよい。また、あらかじめ用意されたラインナップに、好みの香料が無い場合に、独自の配合の香料を指定したり、各種のブランドの香料を指定したりできるようにしてもよい。また、エア流路の数や香料をそれぞれ消費者に選択させる以外に、あらかじめ決められた複数の香料が保持された香料カートリッジが選択可能になっていてもよい。さらに、使用済みの香料カートリッジを販売者側に返送し、当該香料カートリッジを洗浄し、再利用してもよい。
【0108】
以上例示した香料カートリッジの販売システムによれば、消費者が好みに合わせて自由に香料を選択し、オリジナルの香料カートリッジを受け取ることができる。また、消費者は、オンライン上で容易に香りをカスタマイズし、オリジナルの香料カートリッジを注文することができる。また、消費者は、オンライン上で香料カートリッジを注文し、配送を受けることができ、実在の店舗等へ出向く必要がなくなる。
【0109】
また、販売者側においても、注文者の好みの香料の詳細なデータを蓄積し、分析することができる。また、注文を受け付けて、香料カートリッジを製造するシステムとすることにより、販売者が大量の在庫を抱えることなく、香料カートリッジを製造、販売することができる。
【0110】
以上、添付図面を参照しながら本開示の好適な実施形態について詳細に説明したが、本開示の技術的範囲はかかる例に限定されない。本開示の技術分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本開示の技術的範囲に属するものと了解される。
【0111】
なお、以下のような構成も本開示の技術的範囲に属する。
(1)本体部と、前記本体部に設けられ、両端が開口するエア流路と、前記エア流路の内面の少なくとも一部に保持された香料と、を備えた、芳香装置用カートリッジ。
(2)前記エア流路の内径が、10〜1,000μmの範囲内の値である、前記(1)に記載の芳香装置用カートリッジ。
(3)前記エア流路を複数備える、前記(1)又は(2)に記載の芳香装置用カートリッジ。
(4)前記エア流路の出口開口部が、開口端に向かって拡径するテーパ形状を有する、前記(1)〜(3)のいずれか1項に記載の芳香装置用カートリッジ。
(5)前記エア流路の入口開口部が、開口端に向かって拡径するテーパ形状を有する、前記(1)〜(4)のいずれか1項に記載の芳香装置用カートリッジ。
(6)前記エア流路が、少なくとも1つの分岐部で分岐し、複数の出口開口部を有する、前記(1)〜(5)のいずれか1項に記載の芳香装置用カートリッジ。
(7)前記エア流路が、複数の入口開口部を有し、少なくとも1つの合流部で合流する、前記(1)〜(6)のいずれか1項に記載の芳香装置用カートリッジ。
(8)前記エア流路を複数備え、複数の前記エア流路のうちの一部のエア流路を開放させるための少なくとも1つの開口部を有するマスクを備える、前記(1)〜(7)のいずれか1項に記載の芳香装置用カートリッジ。
(9)前記マスクが回転可能に支持される、前記(8)に記載の芳香装置用カートリッジ。
(10)前記マスクは、前記エア流路の入口開口部が設けられた面及び出口開口部が設けられた面のうちのいずれか一方あるいは両方に複数備えられる、前記(8)又は(9)に記載の芳香装置用カートリッジ。
(11)前記マスクを複数備える場合、複数の前記マスクの位置を切り換えることにより、1つの開口部のみが開放される、前記(8)〜(10)のいずれか1項に記載の芳香装置用カートリッジ。
(12)前記複数のエア流路の入口開口部又は出口開口部が、直径が異なる複数の同心円の円周上に配置され、前記マスクの前記開口部が、前記複数の同心円の円周上に設けられる、前記(8)〜(11)のいずれか1項に記載の芳香装置用カートリッジ。
(13)前記マスクは、それぞれの前記同心円の円周上に1つずつ配置された複数の前記開口部を有する、前記(12)に記載の芳香装置用カートリッジ。
(14)前記同心円の円周上に1つずつ配置された前記複数の開口部は、前記マスクの中心点から所定の径方向に延びる線上に配置される、前記(13)に記載の芳香装置用カートリッジ。
(15)前記同心円の円周上に1つずつ配置された前記複数の開口部は、前記マスクの中心点と任意の前記開口部の中心点とを結ぶ線に平行な線であって、前記任意の開口部に接する二つの線により挟まれた領域に、他の前記開口部が重ならないように配置される、前記(13)に記載の芳香装置用カートリッジ。
(16)前記エア流路内に、流路内表面を増加させる表面増加部を有する、前記(1)〜(15)のいずれか1項に記載の芳香装置用カートリッジ。
(17)前記表面増加部は、前記エア流路の軸を中心に回転対称となる構造、前記エア流路の軸方向に並進対称となる構造、及び、前記エア流路の軸方向に鏡映対称となる構造を有する、前記(16)に記載の芳香装置用カートリッジ。
(18)前記エア流路を軸方向に見たときに、前記表面増加部は、所定の軸で交差する格子状を有する、前記(16)又は(17)に記載の芳香装置用カートリッジ。
(19)本体部、前記本体部に設けられ、両端が開口するエア流路、及び、前記エア流路の内面の少なくとも一部に保持された香料を備えたカートリッジと、前記カートリッジの前記エア流路にエアを供給する送風部と、を備える、芳香装置。
(20)前記カートリッジが前記エア流路を複数備え、複数の前記エア流路のうちの一部のエア流路を開放させるための少なくとも1つの開口部を有するマスクを回転させるためのアクチュエータを備える、前記(19)に記載の芳香装置。
図1
図2
図3
図4
図5
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図10
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図12
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