(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
鋳造物及びハンガー部を有する鋳物が形成された鋳型を、前記ハンガー部にハンガーフックを引っ掛けて落下させつつ吊り下げて前記鋳物及びハンガー部と鋳型とを分離する鋳型ばらし装置であって、
前記ハンガーフックに前記鋳物が吊り下げられた状態において、
前記鋳物を挟んで対向する位置に、前記鋳物に振動を付与する第1の振動装置と、
前記鋳物に振動を付与する第2の振動装置または振動する鋳物を受け止める鋳物受けと、
を備え、
前記第1の振動装置と前記第2振動装置または鋳物受けとを備えた鋳型砂除去装置を複数備え、これら鋳型砂除去装置は、前記鋳物に対して振動を付与する位置を異ならせた、または鋳物に付与する振動の大きさ、振動数のいずれかまたは双方を異ならせた2以上の鋳型砂除去装置を含む、ことを特徴とする鋳型ばらし装置。
鋳造物及びハンガー部を有する鋳物が形成された鋳型を、前記ハンガー部にハンガーフックを引っ掛けて落下させつつ吊り下げて前記鋳物及びハンガー部と鋳型とを分離する鋳型ばらし装置であって、
前記ハンガーフックに前記鋳物が吊り下げられた状態において、
前記鋳物を挟んで対向する位置に、前記鋳物に振動を付与する第1の振動装置と、
前記鋳物に振動を付与する第2の振動装置または振動する鋳物を受け止める鋳物受けと、
前記ハンガーフックに前記鋳物が吊り下げられた状態において、前記ハンガー部の上方に位置して該ハンガー部の前記ハンガーフックからの脱落を防止する係止部材と、を備えることを特徴とする鋳型ばらし装置。
前記第1、第2の振動装置または前記鋳物受けの前記鋳物に当接する部分に、鋳物の被当接部の形状に対応する当接部材を設けたことを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の鋳型ばらし装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら上記特許文献1に記載の鋳型ばらし装置においては、残存する鋳型砂を除去する振動装置が鋳造物及びハンガー部の一側部のみに振動を付与する構成であるため、振動装置が振動する際に、振動装置に対して鋳造部及びハンガー部に不規則な跳ね上がりが生じ、振動装置の振動エネルギーが鋳造物及びハンガー部に効率よく伝達されず鋳型砂の除去が良好に行われないという問題があった。
【0007】
本発明は、鋳造物及びハンガー部を有する鋳物が形成された鋳型を落下させつつ吊り下げて鋳造物及びハンガー部と鋳型とを分離する鋳型ばらし装置において、鋳造物及びハンガー部に残存する鋳型砂を効率よく落とし得る鋳型ばらし装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、上記課題を解決するため、以下の手段を採用する。すなわち、本発明は、鋳造物及びハンガー部を有する鋳物が形成された鋳型を、前記ハンガー部にハンガーフックを引っ掛けて落下させつつ吊り下げて前記鋳物及びハンガー部と鋳型とを分離する鋳型ばらし装置であって、前記ハンガーフックに前記鋳物が吊り下げられた状態において、前記鋳物を挟んで対向する位置に、前記鋳物に振動を付与する第1の振動装置と、前記鋳物に振動を付与する第2の振動装置または振動する鋳物を受け止める鋳物受けと、を備えることを特徴とする。
本発明によれば、第1(または第2)の振動装置が鋳造物に振動を与えたとき、鋳造物は対向する側に位置する第2(または第1)の振動装置または鋳造物受けに当接するので、鋳造物に不規則な跳ね上がりが生じることがなく、また、対向する側からも振動を付与される、または跳ね返されて元の位置に戻り、鋳造物に規則的な振動が付与される。したがって、振動装置の振動エネルギーが有効に鋳造物に伝達され、鋳型砂の除去を効率よく行うことができる。
鋳物の砂落としにおいては、砂落としが不十分だと、製品が外気にさらされる部分と、砂に覆われている部分とが発生し、それらを比較すると冷却速度に差があり、製品に熱歪みや残留応力が発生することがあるが、本発明によって、効率よく砂を落とすことができるので、熱歪みや残留応力の発生を軽減し製品品質を維持・向上することができる。
【0009】
本発明の一態様では、前記鋳造物は被当接部を備えた構成とされ、前記第1の振動装置、第2の振動装置または鋳物受けは、前記被当接部に対向させて配置されることを特徴とする。
この一態様では、第1の振動装置、第2の振動装置は、鋳造物に備えられた被当接部に当接して鋳造物に振動を付与する。また、鋳造物受けは、被当接部に当接して鋳造物を受ける。被当接部は、その後鋳造物から切り離されるので、製品となる鋳造物に打痕を付けることがない。
【0010】
本発明の一態様では、前記鋳物がハンガーフックに吊り下げられた状態において、前記鋳物に対向させて前記鋳物に付着した鋳型砂の有無を検出する光センサーと、この光センサーの出力に基づいて前記第1の振動装置、第2の振動装置の振動を制御する制御部と、を備えてなることを特徴とする。
この一態様では、光センサーによって鋳造物に付着した鋳型砂の有無が検出され、この光センサーの出力に基づいて第1、第2の振動装置の振動が制御される。
【0011】
本発明の一態様では、前記第1の振動装置と前記第2振動装置または鋳物受けとを備えた鋳型砂除去装置を複数備え、これら鋳型砂除去装置は、前記鋳物に対して振動を付与する位置を異ならせた、または鋳物に付与する振動の大きさ、振動数のいずれかまたは双方を異ならせた2以上の鋳型砂除去装置を含むことを特徴とする。
この一態様では、鋳造時の型データに基づいて、鋳造物に振動を付与する位置、振動の大きさ、振動数を選択することにより、各種の鋳造物に対して鋳型砂の除去に効果的な振動を与えることができ、鋳造物毎に鋳型砂を効果的に除去することができる。
【0012】
本発明の一態様では、前記第1、第2の振動装置または前記鋳物受けの前記鋳物に当接する部分に、鋳物の被当接部の形状に対応する当接部材を設けたことを特徴とする。
この一態様では、第1、第2の振動装置または鋳造物受けの鋳物に当接する部分に鋳物の被当接部の形状に対応する当接部材を設けたので、第1、第2の振動装置の振動エネルギーを鋳物に効果的に伝達することができる。
【0013】
本発明の一態様では、前記ハンガーフックに前記鋳物が吊り下げられた状態において、前記ハンガー部の上方に位置して該ハンガー部の前記ハンガーフックからの脱落を防止する係止部材を備えていることを特徴とする。
この一態様では、ハンガー部をハンガーフックに引っ掛けた状態において、ハンガー部の上方に係止部材が位置するので、鋳物に振動を付与している状態でハンガー部がハンガーフックから脱落するのを防止することができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、鋳物を挟んで対向する位置に、第1の振動装置と第2の振動装置または鋳物受けとを配したので、鋳物に付着した鋳型砂を効率よく除去することができる。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0017】
[第1の実施形態]
本発明の第1実施形態における鋳型ばらし装置は、鋳造物及びハンガー部を有する鋳物が形成された鋳型を鋳物と分離するものであるが、まず鋳型ばらし装置に投入される鋳型及び鋳型内部に形成された鋳物について説明する。
図1、
図2は、鋳型及び鋳物の縦断面図と平断面図である。
図1、
図2においては、鋳型の内部に形成されている鋳物は、ハッチングで示されている。
鋳型102は、上鋳型103と下鋳型104とを備え、上鋳型103と下鋳型104との間に形成されるキャビティ内には鋳物101が形成されている。
【0018】
鋳物101は、製品となる鋳造物105、105と、ハンガー部106、106、突部107、107、‥、注湯部108とを備えている。鋳造物105、105間、及びハンガー部106、106間は連結部109により連結されており、突部107、107、‥、注湯部108は連結部109上に設けられている。
【0019】
ハンガー部106は、
図2に示すように連結部109とT字型に連結されており、このハンガー部106にはハンガーフック31(詳細は後述する)が掛けられるようになっている。またこのハンガー部106は、後述するように鋳物101に振動が与えられる際の振動装置等の被当接部を構成している。なお、
図2においてハンガー部106はT字型であるが、このハンガー部106の形状はH字型であってもよいし、後述するように十字型であってもよい。突部107はロボットアームが鋳物を掴む際の被把持部を構成するとともに、前述した振動装置などの被当接部を構成している。注湯部108は注湯の際湯口とされた部分である。
【0020】
図3は、第1実施形態に係る鋳型ばらし装置を含む鋳造ラインを示す概略図である。
図3に示す鋳造ライン20は、鋳型造型装置21と、注湯装置22と、第1搬送部23と、第2搬送部24と、鋳型ばらし装置30とを備えている。
【0021】
鋳型造型装置21は、鋳型砂を成形することで鋳型102を造型する。ここで、鋳型により形成される鋳物101は、
図1、
図2を用いて説明したように、製品となる鋳造物105と、鋳型ばらしにおいて利用されるハンガー部106、突部107とを有する形状である。注湯装置22は、鋳型造型装置21が造型した鋳型102に溶融金属を鋳込むために注湯を行う。
【0022】
第1搬送部23は、注湯装置22により溶湯が鋳込まれて鋳物が形成された鋳型102を鋳型ばらし装置30のばらし部30Aへ搬送する。ばらし部30Aは、第1搬送部23によって搬送された鋳型102と鋳物101とを分離し、鋳型102をばらし、発生した鋳型砂を回収し、鋳物101を排出する。第2搬送部24は、鋳型ばらし装置30から排出された鋳物101について、残存する鋳型砂を鋳型ばらし装置30の鋳型砂除去装置30Bによって除去し、更に鋳型砂が除去された鋳物101を例えば検査工程等の図示しない次の工程の場所へ搬送する。
【0023】
図4(a)は、鋳型ばらし装置30のばらし部30Aの側面図であり、
図4(b)は、ハンガーフックと鋳型及び鋳物との関係を説明する
図4(a)のB−B部分の断面図である。
ばらし部30Aは、テーブル32とプッシャー33を備えている。
テーブル32は、
図3の白抜き矢印で示す第1搬送部23の進行方向に隣接して設けられている。鋳物101が形成された鋳型102は、鋳型102を第1搬送部23からテーブル32の方向へ押し出すプッシャー33により押し出されて、テーブル32上に搬送され、載置される。
テーブル32は、第1搬送部23側の端辺が回転軸34を中心として回転自在に支持されている。このため、テーブル32の、回転軸34とは逆側の端辺32aを、下側の方向D1へと回転移動させて、テーブル32を32Aで示される位置へと移動させることで、テーブル32を、テーブル32上に載置された鋳型102から離脱可能な構造となっている。
【0024】
ばらし部30Aは、レール35、懸吊装置36、係合部材37、及びハンガーフック31を備えている。
レール35は、テーブル32の端辺32aの上方に、紙面に直交する方向に配設されている。懸吊装置36は、レール35に懸架されている。
【0025】
懸吊装置36の下端36aには、ハンガーフック31が設けられている。
ハンガーフック31は、断面矩形形状の、例えばステンレス等により形成された棒材の一方の端部31a側を湾曲した形状としたもので、一方の端部31aがテーブル32に向かうように配されている。この先端31aは、鋳型102がプッシャー33により押し出されて
図4(a)に二点鎖線で描かれた102Aに示される位置に搬送された際に、鋳物101のハンガー部106の下方に位置する。ハンガーフック31は、他端31c近傍に設けられた回転軸39を中心として自在に回転することにより、先端31a側が位置102Aに位置する鋳型102のハンガー部106に対して接近し、あるいは離れることが可能である。
【0026】
ハンガーフック31は、鋳型102がプッシャー33により位置102Aまで押し出された際に、その先端31aが鋳型102を形成する鋳型砂に当接する。この場合ハンガーフック31は、鋳型102に押されても係合部材37に当接してその位置に止まる。
係合部材37は、押出装置38に接続されており、押出装置38は係合部材37をハンガーフック31の方向に押し、ハンガーフック31の先端31aを位置102Aに位置する鋳型102のハンガー部106に接近させることができる。
【0027】
この第1実施形態においては、一対のハンガーフック31が、回転軸39の両端に設けられている。
一対のハンガーフック31の各々は、
図2及び
図4(b)に示すハンガー部106の2つの端部106aの各々に掛止できるようになっている。
上記の構成の下に、
図4(a)に示すように、鋳型102が位置102Aに搬送されてテーブル32を矢印D1方向へ回転させ鋳型102から離脱させた際には、テーブル32から鋳型102が自重により落下し、鋳型102内のハンガー部106に一対のハンガーフック31が引っ掛かり、鋳物101がハンガーフックに吊り下げられた状態となる。この際の落下による衝撃で、鋳型102を形成する鋳型砂の多くは鋳物101から離脱する。
【0028】
ばらし部30Aにより鋳型砂の多くを除去された鋳物101は、
図3に示す第2搬送部24に送られ、この第2搬送部24に設けられた鋳型砂除去装置30Bに送られる。
図5は鋳型砂除装置30Bの側面図である。この図に示すように鋳型砂除装置30Bは、鋳物101がハンガーフック31に吊り下げられた状態に置いて、鋳物101の下方に位置するハンガー部106を挟んで対向する位置に、鋳物101に振動を付与する振動装置41(第1の振動装置)と、振動する鋳物101を受け止める鋳物受け42とが配設されている。
【0029】
図6は、鋳型砂除去装置30Bの詳細を示す拡大平面図である。この図に示すように振動装置41は、油圧シリンダ43、振動機44、当接部材45を備えている。
油圧シリンダ43は、鋳物101との位置関係において定位置に支持されたフレーム46に取り付けられている。油圧シリンダ43のロッド47の先端にはプレート48が固定されており、プレート48はフレーム46に設けられた保持機構49により一定の姿勢を維持したまま進退動ができるようになっている。
【0030】
プレート48の前面には空気ばね50、50を介して当接部材45が設けられており、当接部材45の背面には振動機44が固定されている。
振動機44は、例えばユーラスバイブレータのように機器自身が振動源となるように構成されたものである。上記構成を有する振動装置41は、油圧シリンダ43を駆動してロッド47を進退動させることにより、プレート48、空気ばね50、50、当接部材45及び振動機44を鋳物101方向へ進出させ、また進出させた位置から後退させることができる。
また振動機44は、当接部材45を鋳物101のハンガー部などに当接させたときに、鋳物101に振動を付与することができる。
【0031】
鋳物受け42は、油圧シリンダ55、当接部材56を備えている。
油圧シリンダ55は、振動装置41と同様に、鋳物101との関係において定位置に支持されたフレーム57に取り付けられている。油圧シリンダ55のロッド58の先端にはプレート59が固定されており、プレート59はフレーム57に設けられた保持機構60により一定の姿勢を維持したまま進退動できるようになっている。
【0032】
プレート59の前面には空気ばね65、65を介して当接部材56が固定されている。
上記構成を有する鋳物受け42は、油圧シリンダ55を駆動してロッド58を進退動させることによりプレート59、空気ばね65、65、当接部材56を鋳物101方向へ進出させ、また進出させた位置から後退させることができる。
この鋳物受け42は、鋳物101に振動が付与されて鋳物101のハンガー部などが当接部材56に当接したときに、鋳物101を振動装置41側へ跳ね返すように作用する。
【0033】
この鋳型砂除去装置30Bは、
図7に示すように鋳物101に付着した残存する鋳型砂の有無を検出する光センサー70を備えている。
図7は、光センサー70、鋳物101、鋳型砂102aの位置関係を示す平面図であり、この図に示すように光センサー70は、鋳物101に鋳型砂102aが残存するであろうと思われる部分を中に挟んで対向する位置に配置された発光器71と受光器72を備えている。
なお、
図7では、発光器71と受光器72とを斜めに対向するように描いているが、実際には発光器71からの光が紙面手前から紙面奥へ進んで受光器72に到達するように配置されている。
【0034】
発光器71、受光器72は、
図7においては一組示しているが、鋳物101に付着している鋳型砂102aの付着状態が鋳物101の形状によって異なることから、鋳物101の形状に応じて複数組設けるようにしてよい。
なお、この実施形態では、光センサー70として発光器71からの光を受光器72が受光するタイプのものを示したが、この光センサー70は、レーザー測距計のようにレーザーで距離を測る反射型の物であってもよい。この場合、距離がある一定のものより短く検出されたときは砂があると判断し、それより長く検出された、または距離が測れないときには砂がないと判断する。
【0035】
上記光センサー70の出力は制御部73に入力される。制御部73は、光センサー70の出力に基づいて振動装置41の駆動を制御する。すなわち制御部73は、受光器72が発光器71の光を検出できない状態には鋳型砂102aが残存していると判断して振動装置41の振動を継続させ、受光器72が発光器71の光を検出したときには残存する鋳型砂102aが除去されたと判断して振動装置41の駆動を停止する。
【0036】
上記のように構成された鋳型ばらし装置30は、前述したように
図3、
図4に示すばらし部30Aにおいて鋳物101から鋳型102を構成していた鋳型砂の多くが除去される。そして
図3、
図5に示す鋳型砂除去装置30Bにおいては、鋳物101に付着した残存する鋳型砂102aが除去される。
【0037】
この場合、
図6に示す鋳型砂除去装置30Bは、予め振動装置41の当接部材45、及び鋳物受け42の当接部材56と鋳物101のハンガー部などの位置を鋳物101の大きさ、形状等に応じて調整しておく。この調整は、油圧シリンダ43、55を駆動して行う。上記当接部材45及び当接部材56とハンガー部などとの間は、僅かに離間させておくことが好ましい。
【0038】
この状態で振動装置41を駆動すると、振動機44が振動し、振動エネルギーが当接部材45を介してハンガー部106に伝達され、鋳物101が振動する。この際鋳物101は、当接部材45に押し出されて鋳物受け42側に向かい、当接部材56に衝突して跳ね返される。当接部材45側に戻った鋳物101はさらに当接部材56側に向かい、この動作が繰り返される。
ここでの鋳物101の振動は、当接部材45、当接部材56間で規則的な跳ね返りがなされる規則的な振動であり、振動機44の振動エネルギーが効果的に鋳物101に伝達されることになる。
したがってこの鋳型砂除去装置30Bにおいては、鋳物101に付着した残存する鋳型砂102aを効率よく除去することができる。
【0039】
一方、この鋳型砂除去装置30Bは、
図7に示すセンサー70を備えており、受光器72が発光器71の光を受光しない状態では制御部73が鋳物101に鋳型砂102aが付着していると判断し、振動装置41の運転を継続させる。
そして、受光器72が発光器71の光を受光すると制御部73が鋳型砂102aが除去されたと判断して振動装置41の運転を停止する。
かくして、鋳物101に付着した鋳型砂102aを的確に除去することができる。
【0040】
上記のように鋳型砂102aを除去した鋳物101は、
図3に示す第2の搬送部の図示しない次工程において、ハンガー部106、突部107、注湯部108及び連結部109が切り離され、鋳造物105が製品としてさらに検査工程等の次工程へ搬送される。
この実施形態においては、振動装置41の当接部材45及び鋳物受け42の当接部材56を鋳物101のハンガー部106に当接させるようにしているが、このハンガー部106は上記のように切り離される。したがって、この鋳型砂除去装置30Bにおいては、鋳物101に振動を付与する工程を有するが、製品となる鋳造物105に打痕が付く等の不都合を防止することができる。
【0041】
この実施形態では、鋳物101のハンガー部106に振動装置41により振動を付与し、またこのハンガー部106が鋳物受け42に当接するようにしたが、鋳物101が振動装置41、鋳物受け42と当接する部分は鋳物101の他の部分、例えば突部107、注湯口108、連結部109等であってもよい。
このようにハンガー部106、突部107、注湯部108、連結部109等は、振動装置41及び鋳物受け42に当接する被当接部を構成している。
【0042】
この実施の形態においては、
図5、
図6に示すように、鋳物101を挟んで対向する位置に、振動装置41と鋳物受け42とを配置した構成としている。
この構成に代えて、鋳物101を挟んで対向する位置に、第1の振動装置41と、第2の振動装置(第1の振動装置41と同一構成)を配置しても、上記の第1の実施形態と同様の作用効果が得られ、更に鋳物101により強い振動エネルギーを付与してより高い効率をもって鋳型砂102aの除去を行うことができる。
この場合は、第1の振動装置41、第2の振動装置が共に鋳型砂102aに振動を付与する機能を有すると共に、同時に互いに前述した鋳物受けの機能も有することになる。
【0043】
図8から
図12(a)(b)は、鋳物101への振動の与え方を示す説明図である。
図8は、鋳物101がハンガーフックから外れないこと、及び鋳型砂を効率よく除去することを考慮した振動の与え方を示している。
振動装置200は、鋳物101の一側方、振動装置201は鋳物101の他側方、振動装置202は鋳物101の下方に位置して鋳物101に振動を付与する。
各振動装置200〜202は、それぞれ油圧シリンダ43、振動機44を備え、前述した
図6に示すものと同一構成である。
【0044】
図において(1)〜(6)は鋳物101に振動を付与する位置を示しており、(1)は下方に位置するハンガー部106部分、(2)は下方に位置する突部107部分、(3)は注湯部109の部分、(4)は上方に位置する突部107部分、(5)は上方に位置するハンガー部106部分、(6)は下部ハンガー部106の底面である。
【0045】
(振動付与例1)
振動装置200を(1)に当接させ、振動装置201を(1)の反対側に当接させる。
この場合上方のハンガー部106及びハンガーフック31には、aで示す矢印のように水平方向の力が作用する。
(振動付与例2)
振動装置201を(1)の反対側に当接させ、振動装置200を(2)〜(5)のいずれかに当接させる。
この場合ハンガー部106及びハンガーフック31には、bで示す矢印のように斜め下方への力が作用する。
(振動付与例3)
振動装置200、201をそれぞれ(1)または(2)の両側方に当接させ、振動装置202を(6)に当接させる。
【0046】
上記の振動付与例1〜3は、いずれもハンガーフック31からハンガー部106が外れることなく、振動付与例2、3では鋳物101に強い振動エネルギーを付与することができ、効率的に鋳型砂を除去することができる。
【0047】
図9は、鋳物101の一側方に振動装置(または鋳物受け)203を配置している。振動装置203は、鋳物101の上方及び下方のハンガー部106、106に振動機204、204を当接させるようにしたものである。
鋳物101の他側方は下方のハンガー部106に振動装置201を当接させている。
この構成においても、鋳物101を保持して鋳物の落下を防ぐとともに、鋳物に強い振動エネルギーを付与することができる。
【0048】
図10(a)は、振動装置における鋳物101への当接部材の例を示す図である。
ハンガーフックに吊り下げられた鋳物101は、例えば図に示す例では一方の側に注湯部108が存在するため鋳物101の中心線が鉛直線に対してずれて位置する。
この状態で振動装置を下方のハンガー部106に当接させるには、振動装置の当接部材の形状をハンガー部106の姿勢に適合させることが好ましい。
【0049】
図10(a)(b)において(1)の振動装置205は当接部材205aをL形断面形状としたもの、(2)の振動装置206は当接部材206aをく字形断面形状としたもの、(3)の振動装置207は当接部材207aをコ字形断面形状としたものである。
図10(b)は、上記の当接部材を備えた振動装置の使用例を示す図である。
この図に示すように、鋳物101をハンガーフック31に吊り下げて鋳型をばらす場合には、鋳物101の下方、特に下方のハンガー部106付近に多くの鋳型砂102aが残っている場合もある。
この場合は、図に示すようにL字断面形状、く字断面形状を有する振動装置205、206を用いれば鋳型砂102aの除去を効率的に行うことができる。
【0050】
図11、
図12(a)(b)は振動装置の当接部材の別の例を示す図である。
図11において鋳物のハンガー部106は断面円形の棒状体を十字形に組んで構成されている。
この鋳物に振動を付与する振動装置209の当接部材209aは、後端部に振動機209bを備え、先端面から軸線方向の奥部へ窪む係合穴210を備えている。
係合穴210はハンガー部106を相対的に挿入可能であり、挿入が容易にできるように外方へ拡開するテーパを付与した穴となっている。
この例では、振動機209とハンガー部106とが互いに係合して振動の伝達が行われるので、振動機209の振動エネルギーを無駄なく的確に鋳物に伝達することができる。
【0051】
図12(a)(b)は、
図11の振動装置209の当接部材の別の例であり、(a)に示す当接部材211は係合穴212から外方へ連通する開口部213、213‥を設けたもので、(b)に示す当接部材214は係合穴215を外方へ開口させる溝216、216を設けたものである。
これらの当接部材211、214は、ハンガー部106に鋳型砂が付着していた場合に、この鋳型砂を開口部213、溝216から外部へ放出することができる。
【0052】
図13は、前述した第1の実施形態の変形例を示す図であり、ハンガーフック31に鋳物101を吊り下げた状態において、ハンガーフック31に掛けられたハンガー部106の上方に、ハンガー部106の脱落を防止する係止部材220を配置するようにしたものである。
掛止部材220は、ホルダ221に固定され、ホルダ221は油圧シリンダ222により進退可能とされている。
この構成においては、ハンガーフック31に鋳物101が吊り下げられた時点で、図示しない制御部により油圧シリンダ222を駆動させて係止部材220をハンガー部106の上方に至らせるようにすれば、鋳物101に振動を付与してもハンガー部106がハンガーフック31から脱落することはない。
【0053】
[第2の実施形態]
図14は本発明の第2の実施形態を示す図である。
この第2の実施形態では、第1の搬送路23に設けられたばらし部30の工程までの構成が第1の実施形態と同一であり、第2の搬送路24に設けた鋳型砂除去装置の構成が第1の実施形態と異なる。
【0054】
この実施形態において、
図14に示すように第2の搬送路24に2つの鋳型砂除去装置30C、30Dが設けられている。
鋳型砂除去装置30C、30Dは、それぞれ、鋳物を挟んで対向する位置に、第1の振動装置41と鋳物受け42とを備えている。
鋳型砂除去装置30D、30Dは、(1)振動装置41、鋳物受け42が鋳物と当接する位置を異ならせている、(2)鋳物に付与する振動の大きさを異ならせている、(3)鋳物に付与する振動の振動数を異ならせている、のいずれかであるか、あるいはこれら(1)〜(3)のいずれかを組み合わせた構成とされている。
【0055】
したがってこの構成においては、鋳物の大きさ、形状等を含んだ型データに基づき鋳物に適した振動を付与することができ、各種の鋳物に対して鋳型砂を的確に除去することができる。
なお、この実施形態においては、振動装置41を第1の振動装置とし鋳物受け42を第2の振動装置に変更することができる。この変形例では、鋳物により強い振動エネルギーを付与することができる。
【0056】
[第3の実施形態]
図15は本発明の第3の実施形態を示す図である。この実施形態も上述した第2の実施形態と同じく第1の搬送路に設けられたばらし部30の工程までの構成が第1の実施形態と同一であり、第2の搬送路24に設けた鋳型砂除去装置30Eの構成が第1の実施形態と異なる。
この実施形態においては、
図15に示すように鋳型砂除去装置30Eは、複数のハンガーフックにそれぞれ鋳物101が吊り下げられている状態において、各鋳物101を1つの振動装置300、鋳物受け301(または振動装置)により振動させるようにしたものである。
この構成においては、一つの鋳型砂除去装置30Eで複数の鋳物について一括して鋳型砂を除去することができ、効率的な鋳型砂の除去を行うことができる。