特許第6863324号(P6863324)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6863324表示入力装置およびそれを備えた画像形成装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6863324
(24)【登録日】2021年4月5日
(45)【発行日】2021年4月21日
(54)【発明の名称】表示入力装置およびそれを備えた画像形成装置
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/041 20060101AFI20210412BHJP
   B41J 29/00 20060101ALI20210412BHJP
   H04N 1/00 20060101ALI20210412BHJP
【FI】
   G06F3/041 510
   B41J29/00 T
   H04N1/00 350
【請求項の数】7
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2018-65129(P2018-65129)
(22)【出願日】2018年3月29日
(65)【公開番号】特開2019-175305(P2019-175305A)
(43)【公開日】2019年10月10日
【審査請求日】2020年2月20日
(73)【特許権者】
【識別番号】000006150
【氏名又は名称】京セラドキュメントソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001933
【氏名又は名称】特許業務法人 佐野特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】柳楽 二郎
【審査官】 木内 康裕
(56)【参考文献】
【文献】 特開2016−157335(JP,A)
【文献】 特開2002−318664(JP,A)
【文献】 特開平08−263215(JP,A)
【文献】 特開2009−129406(JP,A)
【文献】 特開2011−158970(JP,A)
【文献】 欧州特許出願公開第02860621(EP,A1)
【文献】 特開2005−071008(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/03
G06F 3/041 − 3/047
B41J 29/00
H04N 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
タッチスクリーンと、
前記タッチスクリーンに対する被接触体の接触点を検知し、同時に検知した前記接触点の数が2以上の値に設定された閾値以上であるとき、前記タッチスクリーンに対する操作を無効化するパネル清掃モードに移行する制御部と、を備え
前記制御部は、前記タッチスクリーンのうち予め定められた第1範囲で前記閾値以上の数の前記接触点を検知した場合に前記パネル清掃モードに移行し、
前記制御部は、前記タッチスクリーンのうち予め定められた第2範囲で前記閾値以上の数の前記接触点を検知した場合に前記パネル清掃モードを終了することを特徴とする表示入力装置。
【請求項2】
前記タッチスクリーンは、四角形状の操作受付面を有し、
前記操作受付面は、それぞれが前記操作受付面の異なる隅を含む4つの領域に分類されており、
前記操作受付面のいずれかの前記領域内に前記第1範囲が設定され、前記操作受付面の前記第1範囲を含む前記領域に対して対角の位置関係にある前記領域内に前記第2範囲が設定されることを特徴とする請求項に記載の表示入力装置。
【請求項3】
タッチスクリーンと、
前記タッチスクリーンに対する被接触体の接触点を検知し、同時に検知した前記接触点の数が2以上の値に設定された閾値以上であるとき、前記タッチスクリーンに対する操作を無効化するパネル清掃モードに移行する制御部と、を備え、
前記制御部は、前記パネル清掃モードを終了するとき、前記接触点と重なる位置に表示されているソフトウェアボタンを対象ボタンとして認識する処理を行い、前記対象ボタンとして認識した前記ソフトウェアボタンが存在する場合、前記対象ボタンとして認識した前記ソフトウェアボタンに対する操作については前記パネル清掃モードを終了してから所定時間が経過するまで無効化することを特徴とする表示入力装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記閾値以上の数の前記接触点を検知した時点では前記パネル清掃モードに移行せず、前記閾値以上の数の前記接触点が移動したことを検知した時点で前記パネル清掃モードに移行することを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載の表示入力装置。
【請求項5】
前記タッチスクリーンに対する電力供給を通常モードおよび前記通常モードよりも消費電力を抑制する省電力モードのいずれかの電力供給モードで行う電源部を備え、
前記制御部は、前記電力供給モードが前記省電力モードのときに検知した前記接触点の数が前記閾値以上でなければ前記パネル清掃モードに移行せずに前記電力供給モードを前記通常モードに復帰させる処理を行い、前記電力供給モードが前記省電力モードのときに検知した前記接触点の数が前記閾値以上であれば前記電力供給モードを前記通常モードに復帰させる処理を行わずに前記パネル清掃モードに移行することを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載の表示入力装置。
【請求項6】
前記制御部は、前記パネル清掃モードに移行したとき、前記パネル清掃モードに移行した旨のメッセージを前記タッチスクリーンに表示させるとともに、前記パネル清掃モードの終了方法を前記タッチスクリーンに表示させることを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載の表示入力装置。
【請求項7】
請求項1〜のいずれか1項に記載の表示入力装置を備えることを特徴とする画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示入力装置およびそれを備えた画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
画像形成装置には、タッチスクリーンを有する表示入力装置が設置されることが多い。タッチスクリーンを有する表示入力装置に対して操作を行うとき、ユーザーはタッチスクリーンに触れる。したがって、タッチスクリーンは汚れ易い。タッチスクリーンが汚れると、ユーザーはタッチスクリーンを清掃する。通常では、ユーザーは布を用いてタッチスクリーンの汚れを拭き取る。
【0003】
ここで、ユーザーによっては、タッチスクリーンにソフトウェアボタンが表示されている状態で拭き取り作業を行う場合がある。この場合、タッチスクリーンのソフトウェアボタンの表示領域に対してユーザーが拭き取り作業を行っているときに、拭き取り作業がソフトウェアボタンに対する操作として検知され得る。拭き取り作業がソフトウェアボタンに対する操作として検知されると、ソフトウェアボタンに割り当てられた処理がユーザーの意図に反して行われるという不都合が生じる。なお、このような不都合の発生を抑制するには、表示入力装置の電源をオフにした状態で拭き取り作業を行えばよい。しかし、表示入力装置の電源のオンオフを切り替えなければならないのは、ユーザーにとっては煩わしく利便性が悪い。
【0004】
このため、従来、電源をオフにしなくてもタッチスクリーンに対する操作を無効化することが可能な表示入力装置が提案されている(たとえば、特許文献1参照)。特許文献1の表示入力装置(情報端末装置)では、ユーザーから操作を受け付けるときに表示する操作画面に清掃ボタンが配される。特許文献1の表示入力装置は、清掃ボタンに対する操作を検知すると、タッチスクリーンに対する操作を無効化する。これにより、ユーザーによる拭き取り作業がソフトウェアボタンに対する操作として検知されることはない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2004−334762号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1の構成では、ユーザーが拭き取り作業を行おうとしているとき(タッチスクリーンに対する操作を無効化したいとき)、ユーザーが専用の操作(清掃ボタンに対する操作)を行うことにより、タッチスクリーンに対する操作が無効化される。
【0007】
しかし、ユーザーによっては、清掃ボタンに対する操作をし忘れる場合がある。また、タッチスクリーンに対する操作を無効化したいにもかかわらず、いずれのソフトウェアボタンに対して操作を行えばよいのかが分からない場合がある。これらの場合には、タッチスクリーンに対する操作が無効化されていない状態でユーザーによる拭き取り作業が行われる可能性が高い。その結果、ユーザーの意図に反して表示入力装置が何らかの処理を行うという不都合が生じ得る。
【0008】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、ユーザーが拭き取り作業を行おうとしているときに、ユーザーが専用の操作を行わなくても、タッチスクリーンに対する操作を無効化することが可能な表示入力装置およびそれを備えた画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するため、本発明の表示入力装置は、タッチスクリーンと、タッチスクリーンに対する被接触体の接触点を検知し、同時に検知した接触点の数が2以上の値に設定された閾値以上であるとき、タッチスクリーンに対する操作を無効化するパネル清掃モードに移行する制御部と、を備える。
【0010】
本発明の構成では、ユーザーが拭き取り作業を行うために清掃用の布をタッチスクリーンに押し当てたとき、制御部はタッチスクリーンに対して被接触体が接触したことを検知する。ここで、ユーザーは拭き取り作業を効率的に行うため、清掃用の布を広げてタッチスクリーンに押し当てる。したがって、ユーザーが拭き取り作業を行おうとしているときには、制御部が検知する接触点の数が多くなるので、制御部が検知する接触点の数が閾値以上になり易い。制御部は、検知した接触点の数が閾値以上であれば、自動的にパネル清掃モードに移行する。これにより、ユーザーが拭き取り作業を行おうとしているときに、ユーザーが専用の操作を行わなくても、タッチスクリーンに対する操作が無効化される。
【発明の効果】
【0011】
本発明の構成では、ユーザーが拭き取り作業を行おうとしているときに、ユーザーが専用の操作を行わなくても、タッチスクリーンに対する操作を無効化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の一実施形態による操作パネルおよびそれを備えた画像形成装置の構成を示すブロック図
図2】本発明の一実施形態による操作パネルの構成を示す平面図
図3】本発明の一実施形態による操作パネルのタッチスクリーンに対して清掃用の布が押し当てられた状態を示す図
図4】本発明の一実施形態による操作パネルのパネル制御部が行う開始条件判断処理および終了条件判断処理の流れを示すフローチャート
図5】本発明の一実施形態による操作パネルのタッチスクリーンの第1範囲および第2範囲を示す図
図6】本発明の一実施形態による操作パネルのタッチスクリーンに対して行われる拭き取り作業について説明するための図
図7】本発明の一実施形態による操作パネルのパネル制御部が対象ボタンとして認識し得るソフトウェアボタンを示す図
【発明を実施するための形態】
【0013】
<装置構成>
図1に示すように、本実施形態の画像形成装置1は、画像読取部11と印刷部12とを備える。画像読取部11は、原稿を読み取って原稿の画像データを生成する。印刷部12は、画像データ(たとえば、画像読取部11による原稿の読み取りによって得られた原稿の画像データ)に基づく画像を用紙に印刷する。
【0014】
ここで、画像形成装置1は、図2に示すような操作パネル2を備える。操作パネル2は「表示入力装置」に相当する。
【0015】
操作パネル2は、タッチスクリーン21を備える。タッチスクリーン21は、表示パネル211およびタッチパネル212を含む。表示パネル211は、バックライト付きの液晶表示パネルである。タッチパネル212は、複数の接触点を同時に検知可能なマルチタッチパネルである。タッチパネル212は、表示パネル211の表面上に設置される。
【0016】
タッチスクリーン21の表面(タッチパネル212の表面)は四角形状であり、当該表面がユーザーから操作を受け付けるための操作受付面210となる。タッチスクリーン21は、各種設定を受け付けるためのソフトウェアボタンSBを配した画面を表示パネル211に表示する。また、タッチスクリーン21は、タッチパネル212を介して、表示画面に配されたソフトウェアボタンSBに対する操作(以下、ボタン操作と称する)をユーザーから受け付ける。
【0017】
操作パネル2には、ジョブの実行指示を受け付けるためのスタートボタンや数値入力を受け付けるためのテンキーなど、種々のハードウェアボタン22が設けられる。操作パネル2には、ハードウェアボタン22として、ホームボタン22Hおよび節電ボタン22Sなども設けられる。ユーザーがホームボタン22Hに対して押下操作を行った場合には、操作パネル2の表示画面がホーム画面(初期画面)に戻る。ユーザーが節電ボタン22Sに対して押下操作を行った場合には、操作パネル2の表示が停止される(画像形成装置1が通常モードから省電力モードに移行する)。
【0018】
図1に戻って、画像形成装置1は、本体制御部10を備える。本体制御部10は、本体CPU101および本体メモリー102(ROMおよびRAM)を含む。本体制御部10は、画像読取部11および印刷部12に接続され、制御用プログラムおよび制御用データに基づき、画像読取部11の読取動作および印刷部12の印刷動作を制御する。
【0019】
また、操作パネル2は、パネル制御部20を備える。パネル制御部20は「制御部」に相当する。パネル制御部20は、パネルCPU201およびパネルメモリー202(ROMおよびRAM)を含む。
【0020】
パネル制御部20は、本体制御部10に接続される。パネル制御部20は、本体制御部10から指示を受け、操作パネル2を制御するためのパネル制御処理を行う。パネル制御部20は、パネル制御処理として、タッチスクリーン21の表示動作を制御する処理を行う。タッチスクリーン21に画面を表示させるための表示プログラムや当該画面の画面データなどはパネルメモリー202に記憶される。
【0021】
また、パネル制御部20は、パネル制御処理として、タッチスクリーン21の出力に基づき、タッチスクリーン21の操作受付面210に被接触体が接触したか否かを検知する処理を行う。操作受付面210に対する被接触体の接触を検知した場合、パネル制御部20は、操作受付面210に対する被接触体の接触点の位置(座標)を検知する処理や、操作受付面210に対す被接触体の接触点の数を検知する処理を行う。なお、パネル制御部20は、ハードウェアボタン22に対する押下操作の検知も行う。
【0022】
たとえば、パネル制御部20は、ユーザーがボタン操作を行ったか否か(タッチスクリーン21に対する被接触体の接触点がソフトウェアボタンSBと重なっているか否か)を判断する。パネル制御部20は、ユーザーがボタン操作を行った(タッチスクリーン21に対する被接触体の接触点がソフトウェアボタンSBと重なっている)と判断した場合、ボタン操作の対象となったソフトウェアボタンSBに割り当てられた処理(たとえば、タッチスクリーン21の表示画面を切り替える処理)を行う。通常では、ユーザーによるボタン操作は1本の指で行われる(ユーザーは1本の指でソフトウェアボタンSBの表示領域をタッチする)。このため、ユーザーがボタン操作を行った場合には、パネル制御部20により検知される接触点の数は1点となる。
【0023】
また、画像形成装置1は、電源部30を備える。電源部30は、商用電源(交流電源)に接続される。電源部30は、電圧を生成する電源回路や電力供給を制御する制御回路を含む。電源部30は、本体制御部10、画像読取部11、印刷部12および操作パネル2など画像形成装置1の各部に電力を供給し当該各部を動作させる。すなわち、本体制御部10、画像読取部11、印刷部12および操作パネル2は、電源部30から電力供給を受けて動作する被電力供給部である。
【0024】
<電力供給モード>
電源部30の電力供給モードとして、通常モードおよび省電力モード(スリープモードと称される場合がある)が準備される。通常モード時には、電源部30が被電力供給部に対して通常の電力供給を行う。省電力モード時には、電源部30から被電力供給部に対して供給される電力が通常モード時よりも抑制される。
【0025】
本体制御部10は、電力供給モードが通常モードのとき、通常モードから省電力モードに移行する条件として予め定められた移行条件が満たされたか否かを判断する移行判断処理を行う。移行条件が満たされたと判断したとき、本体制御部10は、電源部30に指示し、電力供給モードを通常モードから省電力モードに移行させる。
【0026】
たとえば、本体制御部10は、電力供給モードが通常モードのとき、操作パネル2の節電ボタン22S(図2参照)が操作されたか否かを判断する処理を移行判断処理として行う。本体制御部10は、節電ボタン22Sが操作されたとき、移行条件が満たされたと判断する。
【0027】
あるいは、本体制御部10は、電力供給モードが通常モードのとき、画像形成装置1が使用されないまま経過した時間である未使用時間を計測し、未使用時間が予め定められた上限時間を超えたか否かを判断する処理を移行判断処理として行う。本体制御部10は、未使用時間が上限時間を超えたとき、移行条件が満たされたと判断する。
【0028】
電源部30は、電力供給モードが省電力モードのとき、画像読取部11および印刷部12に対する電力供給を停止する一方、操作パネル2に対する電力供給については完全には停止しない。具体的には、電源部30は、タッチパネル212に対する電力供給は停止せず、表示パネル211(バックライト)に対する電力供給を停止する。これにより、省電力モード時には、タッチスクリーン21は画面を表示しない。
【0029】
ここで、パネル制御部20は、電力供給モードが省電力モードであっても、タッチスクリーン21に被接触体が接触したか否かの検知を行うとともに、タッチスクリーン21に対する被接触体の接触を検知した場合にはタッチスクリーン21に対する被接触体の接触点の位置および当該接触点の数の検知を行う。したがって、電源部30は、電力供給モードが省電力モードのとき、パネル制御部20に対する電力供給を完全には停止しない。
【0030】
パネル制御部20は、電力供給モードが省電力モードのとき、省電力モードから通常モードに復帰する条件として予め定められた復帰条件が満たされたか否かを判断する復帰判断処理を行う。復帰条件が満たされたと判断したとき、パネル制御部20は、復帰条件が満たされたことを示す復帰信号を本体制御部10に送信する。
【0031】
パネル制御部20は、電力供給モードが省電力モードのとき、タッチスクリーン21の1点をタッチする操作(当該操作ではパネル制御部20により検知される接触点の数は1点である)が行われたことを検知したとき、復帰条件が満たされたと判断する。また、パネル制御部20は、電力供給モードが省電力モードのとき、タッチスクリーン21の2点を同時にタッチする操作(当該操作ではパネル制御部20により同時に検知される接触点の数は2点である)が行われたことを検知したときにも、復帰条件が満たされたと判断する。仮に、電力供給モードが省電力モードのとき、タッチスクリーン21の3点以上を同時にタッチする操作をユーザーが行っても(パネル制御部20が同時に検知した接触点の数が3点以上であっても)、パネル制御部20は復帰条件が満たされたと判断しない。
【0032】
なお、電源部30は、電力供給モードが省電力モードのとき、本体制御部10に対して供給する電力を通常モード時よりも抑制する(本体制御部10に対する電力供給は完全には停止されない)。本体制御部10は、電力供給モードが省電力モードのとき、演算処理などは行わず、本体CPU101の一部の端子(割り込みポート)に入力された信号だけを取り込む省電力状態となる。パネル制御部20からの復帰信号は本体CPU101の割り込みポートに入力される。
【0033】
本体制御部10は、本体CPU101の割り込みポートに復帰信号が入力されると、省電力状態から通常状態(演算処理を行うことが可能な状態)に復帰する。そして、本体制御部10は、電源部30に指示し、電力供給モードを省電力モードから通常モードに復帰させる。これにより、画像形成装置1がレディ状態(ジョブの実行が可能な状態)に復帰する。電力供給モードが省電力モードから通常モードに復帰すると、表示パネル211(バックライト)に対する電力供給が再開されるので、タッチスクリーン21に画面が表示される。
【0034】
<パネル清掃モード>
ユーザーはタッチスクリーン21に対してボタン操作を行うとき、タッチスクリーン21の操作受付面210を指で触れるので、操作受付面210に指紋が付着する。また、操作受付面210は外部に露出しているので、操作受付面210には埃などが付着し易い。このため、操作受付面210の清掃が行われる。
【0035】
たとえば、図3に示すように、ユーザーは清掃用の布400を用いて、タッチスクリーン21の操作受付面210の汚れを拭き取る拭き取り作業を行う。ここで、タッチスクリーン21に表示されたソフトウェアボタンSBに対するボタン操作が有効になっている状態での拭き取り作業では、拭き取り作業がボタン操作として検知され得る。したがって、ソフトウェアボタンSBに割り当てられた処理がユーザーの意図に反して行われる可能性がある。
【0036】
そこで、本実施形態では、タッチスクリーン21に対する操作を無効化するパネル清掃モードが準備される。パネル制御部20は、予め定められた開始条件が満たされたか否かを判断する開始条件判断処理を行う。開始条件判断処理の結果、開始条件が満たされたと判断すると、パネル制御部20は、パネル清掃モードに移行し、パネル清掃モードでの動作を開始する。なお、電力供給モードが通常モードのときに開始条件が満たされた場合、電力供給モードが通常モードに維持されたままパネル清掃モードに移行する。電力供給モードが省電力モードのときに開始条件が満たされた場合、電力供給モードが省電力モードに維持されたままパネル清掃モードに移行する。
【0037】
また、パネル制御部20は、パネル清掃モードのとき、予め定められた終了条件が満たされたか否かを判断する終了条件判断処理を行う。終了条件判断処理の結果、終了条件が満たされたと判断すると、パネル制御部20は、パネル清掃モードを終了する(パネル清掃モードでの動作を終了する)。
【0038】
以下に、図4に示すフローチャートを参照し、パネル制御部20により行われる開始条件判断処理および終了条件判断処理の流れを説明する。図4に示すフローチャートは、タッチスクリーン21の操作受付面210に対して被接触体が接触したことをパネル制御部20が検知したときにスタートする。なお、図4に示すフローチャートのスタート時点では、電力供給モードが通常モードになっている場合もあるし、電力供給モードが省電力モードになっている場合もある。
【0039】
ステップS1において、パネル制御部20は、タッチスクリーン21の操作受付面210のうち予め定められた第1範囲R1(図5参照)で接触点を検知したか否かを判断する。その結果、第1範囲R1で接触点を検知したとパネル制御部20が判断した場合には、ステップS2に移行する。
【0040】
ここで、第1範囲R1について説明する。たとえば、図5に示すように、タッチスクリーン21の操作受付面210は、4つの領域210Rに分類される。図5では、4つの領域210Rを破線で区切る。4つの領域210Rは、それぞれが操作受付面210の異なる隅Cを含む。そして、第1範囲R1は、いずれかの領域210R内に設定される。特に限定されないが、第1範囲R1は、左上の領域210R内の一部(隅Cを含む部分)を含む範囲である。図5では、第1範囲R1を太線で囲む。
【0041】
図4に戻り、ステップS2に移行すると、パネル制御部20は、第1範囲R1で同時に検知した接触点の数が予め定められた閾値以上であるか否かを判断する。その結果、第1範囲R1で同時に検知した接触点の数が閾値以上であるとパネル制御部20が判断した場合には、ステップS3に移行する。ステップS3に移行すると、パネル制御部20は、開始条件が満たされたと判断し、パネル清掃モードに移行する。このとき、パネル制御部20は、電力供給モードが省電力モードであっても、本体制御部10に復帰信号を送信する処理(電力供給モードを通常モードに復帰させる処理)を行わない。
【0042】
ここで、閾値について説明する。図3に示したように、ユーザーによる拭き取り作業では清掃用の布400が使用される。拭き取り作業を行うとき、ユーザーは自身の手でタッチスクリーン21の操作受付面210に布400を押し当てるので、操作受付面210の複数の位置に被接触体が接触した状態となる。このため、ユーザーが拭き取り作業を行うときにパネル制御部20が検知する接触点の数は、ユーザーからのボタン操作の受付時にパネル制御部20が検知する接触点の数(1点)よりも多くなる。このため、ユーザーからのボタン操作の受付時にパネル制御部20が検知する接触点の数よりも多い値が閾値として設定される。
【0043】
なお、パネル制御部20は、電力供給モードが省電力モードのとき、タッチスクリーン21の2点を同時にタッチする操作(当該操作ではパネル制御部20により同時に検知される接触点の数は2点である)が行われたことを検知すると、復帰条件が満たされたと判断し、復帰信号を本体制御部10に通知する処理を行う。すなわち、当該処理にはタッチスクリーン21の2点を同時にタッチする操作が割り当てられている。したがって、閾値は3に設定される。
【0044】
仮に、タッチスクリーン21の2点を同時にタッチする操作に割り当てられた処理が他に無ければ、閾値を2に設定してもよい(閾値が2以上であればよい)。閾値を2に設定した場合には、パネル制御部20が同時に検知した接触点の数が2点以上であれば、パネル清掃モードに移行する。また、タッチスクリーン21の2点を同時にタッチする操作に加え、3点を同時にタッチする操作に割り当てられた処理が他に有れば、閾値を4に設定すればよい(閾値が4以上であればよい)。閾値を4に設定した場合には、パネル制御部20が同時に検知した接触点の数が4点以上であれば、パネル清掃モードに移行する。
【0045】
図4に戻り、パネル清掃モードへの移行後、ステップS4において、パネル制御部20は、タッチスクリーン21の操作受付面210のうち予め定められた第2範囲R2(図5参照)で閾値(パネル清掃モードに移行するか否かの判断で使用される閾値と同じ値)以上の数の接触点を同時に検知したか否かを判断する。言い換えると、パネル制御部20は、第1範囲R1で同時に検知した閾値以上の数の接触点が第2範囲R2に移動したか否かを判断する。その結果、第2範囲R2で閾値以上の数の接触点を同時に検知したとパネル制御部20が判断した場合には、ステップS5に移行し、第2範囲R2で閾値以上の数の接触点を同時に検知していないとパネル制御部20が判断した場合には、ステップS4の処理が繰り返される。
【0046】
ステップS5に移行すると、パネル制御部20は、終了条件が満たされたと判断し、パネル清掃モードを終了する。なお、第2範囲R2で閾値以上の数の接触点をパネル制御部20が同時に検知してから予め定められた待ち時間が経過したときに、パネル制御部20がパネル清掃モードを終了するようにしてもよい。
【0047】
ここで、図5および図6を参照し、第2範囲R2について説明する。たとえば、図6に示すように、ユーザーは第1範囲R1で拭き取り作業を始めて以降、清掃用の布400を左右方向または上下方向に往復移動させながらタッチスクリーン21の操作受付面210の汚れを拭き取っていく。図6では、ユーザーが布400を左右方向に往復移動させつつ拭き取り作業を行った場合の布400の移動経路を矢印で示す。
【0048】
図6に示したような拭き取り作業をユーザーが行った場合には、第1範囲R1内の隅Cと対角の位置関係にある隅Cに布400が到達した時点で拭き取り作業が完了する。すなわち、当該時点でパネル清掃モードを終了すればよい。
【0049】
そこで、図5に示すように、第2範囲R2は、4つの領域210Rのうち第1範囲R1を含む領域210Rに対して対角の位置関係にある右下の領域210R内に設定される。たとえば、第2範囲R2は、右下の領域210R内の一部(隅Cを含む部分)を含む範囲である。図5では、第2範囲R2を太線で囲む。
【0050】
なお、4つの領域210Rのうち2つ以上(全てでもよい)の領域210R内にそれぞれ第1範囲R1が設定されてもよい。たとえば、左上の領域210Rおよび右上の領域210Rの各領域内に第1範囲R1が設定されてもよい。
【0051】
この場合、パネル制御部20は、開始条件が満たされたとき(第1範囲R1で閾値以上の数の接触点を同時に検知したとき)、第2領域R2を自動設定する範囲設定処理を行う。範囲設定処理を行うとき、パネル制御部20は、閾値以上の数の接触点を同時に検知した第1範囲R1を認識し、当該認識した第1範囲R1を含む領域210Rに対して対角の位置関係にある領域210R内に第2範囲R2を設定する。たとえば、左上の領域210R内の第1範囲R1で閾値以上の数の接触点をパネル制御部20が同時に検知した場合には、右下の領域210R内に第2範囲R2が設定され、右上の領域210R内の第1範囲R1で閾値以上の数の接触点をパネル制御部20が同時に検知した場合には、左下の領域210R内に第2範囲R2が設定される。
【0052】
図4に戻り、ステップS2において、第1範囲R1で同時に検知した接触点の数が閾値未満であるとパネル制御部20が判断した場合には、ステップS6に移行する。また、ステップS1において、第1範囲R1では接触点を検知していないとパネル制御部20が判断した場合にも、ステップS6に移行する。ステップS6に移行すると、パネル制御部20は、開始条件が満たされていないと判断し、パネル清掃モードに移行しない。ステップS6に移行した場合、パネル制御部20は、現在の電力供給モードが通常モードであるか省電力モードであるかに応じて実行する処理を変える。
【0053】
現在の電力供給モードが通常モードである場合、パネル制御部20は、検知した接触点と重なる位置にソフトウェアボタンSBが表示されているか否かを判断する。その結果、検知した接触点と重なる位置にソフトウェアボタンSBが表示されていれば、パネル制御部20は、当該ソフトウェアボタンSBに割り当てられた処理を行う(当該ソフトウェアボタンSBに対してボタン操作が行われたと判断する)。一方で、検知した接触点と重なる位置にソフトウェアボタンSBが表示されていなければ、パネル制御部20は、タッチスクリーン21の状態を現状のまま維持させる。
【0054】
現在の電力供給モードが省電力モードである場合、パネル制御部20は、復帰条件が満たされたと判断し、復帰信号を本体制御部10に送信する。復帰信号を受けた本体制御部10は、通常状態に戻り、電力供給モードの省電力モードから通常モードへの復帰指示を電源部30に与える。これにより、電力供給モードが通常モードに復帰し、画像形成装置1がレディ状態となる。
【0055】
ここで、パネル制御部20は、パネル清掃モードに移行すると、パネル清掃モードに関するモード情報をタッチスクリーン21に表示させる。タッチスクリーン21は、モード情報として、パネル清掃モードに移行した旨のメッセージを表示する。たとえば、「パネル清掃モード中」というメッセージがタッチスクリーン21に表示される。
【0056】
また、タッチスクリーン21は、パネル清掃モードの終了方法(パネル清掃モードを終了させるための手順)を表示する。たとえば、タッチスクリーン21は、第2範囲R2を示す枠を表示するとともに、当該枠内に清掃用の布400が入るとパネル清掃モードが終了する旨のメッセージを表示する。後述するが、操作パネル2にはモード切替ボタン22C(図2参照)が設けられており、モード切替ボタン22に対する操作によってもパネル清掃モードを終了させることができる。さらに、ホームボタン22Hに対する操作によっても清掃モードを終了させることができる。このため、タッチスクリーン21は、モード情報として、モード切替ボタン22Cやホームボタン22Hに対する操作を行うことによって清掃モードを終了させることができる旨のメッセージも表示する。
【0057】
なお、電力供給モードが通常モードのときにパネル清掃モードに移行した場合には、パネル清掃モードに移行して以降も表示パネル211に対する電力供給は続行される。すなわち、タッチスクリーン21は表示を行うことができる。したがって、電力供給モードが通常モードのときにパネル清掃モードに移行した場合には、必ず、タッチスクリーン21はモード情報を表示する。
【0058】
一方で、電力供給モードが省電力モードのときにパネル清掃モードに移行した場合、タッチスクリーン21にモード情報を表示させるには表示パネル211に対する電力供給を再開しなければならない。電力供給モードが省電力モードであるにもかかわらず表示パネル211に対する電力供給を行うと、省電力効果が低下する。このため、電力供給モードが省電力モードのときにパネル清掃モードに移行した場合には、タッチスクリーン21にモード情報を表示しなくてもよい。
【0059】
ただし、タッチスクリーン21にモード情報が表示されなければ、パネル清掃モードに移行したか否かをユーザーは知ることができない。したがって、電力供給モードが省電力モードのときにパネル清掃モードに移行した場合であっても、タッチスクリーン21にモード情報を表示してもよい。あるいは、モード情報の表示を許可するか否かの設定を予めユーザーから受け付け、モード情報を表示する旨の設定がなされている場合にのみ、タッチスクリーン21にモード情報を表示してもよい。なお、電力供給モードが省電力モードのときにモード情報が表示されても、当該表示されるモード情報はパネル清掃モードに移行した旨のメッセージを含むので、ユーザーが戸惑うことはない(通常モードに復帰したとユーザーが誤認識することはない)。
【0060】
また、パネル制御部20は、終了条件が満たされたと判断したとき(パネル清掃モードを終了するとき)、第2範囲R2で同時に検知した閾値以上の数の接触点のいずれかと重なる位置に表示されているソフトウェアボタンSBを対象ボタンとして認識する処理を行う。たとえば、終了条件が満たされたとパネル制御部20が判断したときに、図7に示すように、いずれかのソフトウェアボタンSBが清掃用の布400で覆われた状態になっていれば、布400で覆われたソフトウェアボタンSBを対象ボタンとしてパネル制御部20が認識し得る。図7では、布400で覆われたソフトウェアボタンSB(パネル制御部20が対象ボタンとして認識し得るソフトウェアボタンSB)に符号OSを付す。
【0061】
対象ボタンとして認識したソフトウェアボタンSBが存在する場合、パネル制御部20は、対象ボタンとして認識したソフトウェアボタンSBに対する操作についてはパネル清掃モードを終了してから所定時間が経過するまで無効にする。すなわち、パネル制御部20は、少なくとも、パネル清掃モードを終了してから所定時間が経過するまで、対象ボタンとして認識したソフトウェアボタンSBに割り当てられた処理を行わない。たとえば、所定時間は数秒(2〜3秒)である。そして、パネル制御部20は、パネル清掃モードを終了してからの経過時間が所定時間に達すると、対象ボタンとして認識したソフトウェアボタンSBに対する操作の無効化を解除する。
【0062】
なお、パネル制御部20は、モード切替ボタン22Cに対する押下操作を検知した場合にも、開始条件が満たされたと判断し、パネル清掃モードに移行する。さらに、パネル制御部20は、ホームボタン22Hに対する押下操作(長押し操作)を検知した場合にも、開始条件が満たされたと判断し、パネル清掃モードに移行する。すなわち、ユーザーはハードウェアボタン22に対する操作によっても、操作パネル2をパネル清掃モードに移行させることができる。
【0063】
また、パネル制御部20は、パネル清掃モードで動作しているとき、モード切替ボタン22Cに対する押下操作を検知すると、終了条件が満たされたと判断し、パネル清掃モードを終了する。さらに、パネル制御部20は、パネル清掃モードで動作しているとき、ホームボタン22Hに対する押下操作(長押し操作)を検知すると、終了条件が満たされたと判断し、パネル清掃モードを終了する。すなわち、ユーザーはハードウェアボタン22に対する操作によっても、パネル清掃モードを終了させることができる。
【0064】
本実施形態の操作パネル2(表示入力装置)は、上記のように、タッチスクリーン21と、タッチスクリーン21に対する被接触体の接触点を検知し、同時に検知した接触点の数が2以上の値に設定された閾値以上であるとき、タッチスクリーン21に対する操作を無効化するパネル清掃モードに移行するパネル制御部20(制御部)と、を備える。
【0065】
本実施形態の構成では、ユーザーが拭き取り作業を行うために清掃用の布400をタッチスクリーン21に押し当てたとき、パネル制御部20はタッチスクリーン21に対して被接触体が接触したことを検知する。ここで、ユーザーは拭き取り作業を効率的に行うため、布400を広げてタッチスクリーン21に押し当てる。したがって、ユーザーが拭き取り作業を行おうとしているときには、パネル制御部20が検知する接触点の数が多くなるので、パネル制御部20が検知する接触点の数が閾値以上になり易い。パネル制御部20は、検知した接触点の数が閾値以上であれば、自動的にパネル清掃モードに移行する。これにより、ユーザーが拭き取り作業を行おうとしているときに、ユーザーが専用の操作を行わなくても、タッチスクリーン21に対する操作が無効化される。
【0066】
なお、前記閾値は3以上の値に設定されるのがより好ましい。これにより、タッチスクリーン21の2点をタッチし当該タッチした2点間の距離を変化させるタッチ操作であるピンチ操作(ピンチイン操作やピンチアウト操作)が他の処理に割り当てられている場合において、ユーザーがピンチ操作を行ったときに、ユーザーの意図に反してパネル清掃モードに移行するという不都合は生じない。
【0067】
また、本実施形態では、上記のように、パネル制御部20は、第1範囲R1で閾値以上の数の接触点を検知した場合にパネル清掃モードに移行する。この構成では、接触点の数が閾値以上になるような操作をユーザーが誤って行ったとしても、当該操作が第1範囲R1外で行われていれば、操作パネル2はパネル清掃モードに移行しない。これにより、操作パネル2が不必要にパネル清掃モードに移行するのを抑制することができる。
【0068】
なお、変形例として、パネル制御部20が閾値以上の数の接触点を検知した時点ではパネル清掃モードに移行されないように構成してもよい。変形例の構成では、パネル制御部20は、第1範囲R1で閾値以上の数の接触点を同時に検知したとき、パネル清掃モードに移行せず、第1範囲R1で検知した接触点が移動したか否かを判断する。その結果、第1範囲R1で同時に検知した閾値以上の数の接触点が移動せず、タッチスクリーン21に対する被接触体の接触が解除された場合、パネル制御部20は、操作パネル2の状態を現状のまま維持させる(パネル清掃モードに移行しない)。一方で、第1範囲R1で同時に検知した閾値以上の数の接触点が移動した場合、パネル制御部20は、パネル清掃モードに移行する。なお、パネル制御部20が第1範囲R1で同時に検知した閾値以上の数の接触点が移動したということは、ユーザーが拭き取り作業を始めたということである。
【0069】
変形例の構成では、第1範囲R1において接触点の数が閾値以上になるような操作をユーザーが誤って行ったとしても、当該操作を直ぐに解除すれば、操作パネル2はパネル清掃モードに移行しない。これにより、操作パネル2が不必要にパネル清掃モードに移行するのを抑制することができる。すなわち、変形例の構成では、ユーザーが拭き取り作業を始めなければパネル清掃モードに移行しない。
【0070】
また、本実施形態では、上記のように、タッチスクリーン21の操作受付面210のいずれかの領域210R内に第1範囲R1が設定され、操作受付面210の第1範囲R1を含む領域210Rに対して対角の位置関係にある領域210R内に第2範囲R2が設定される。この構成では、操作受付面210のいずれかの隅Cから拭き取り作業を始め、それ以降、上下方向または左右方向に清掃用の布400を移動させつつタッチスクリーン21の汚れを拭き取り、最終的に拭き取り作業を始めた隅Cとは対角の位置関係にある隅Cまでの拭き取りが完了すると(布400が第2範囲R2に入ると)、自動的にパネル清掃モードが終了する。これにより、パネル清掃モードを終了させるための操作を行わなくてもよいので、ユーザーにとっては利便性が良い。また、操作パネル2がパネル清掃モードに移行したまま放置されるのを抑制することができる。
【0071】
また、本実施形態では、上記のように、パネル制御部20は、パネル清掃モードを終了するとき、第2範囲R2で検知した接触点と重なる位置に表示されているソフトウェアボタンSBを対象ボタンとして認識する処理を行い、対象ボタンとして認識したソフトウェアボタンSBが存在する場合、対象ボタンとして認識したソフトウェアボタンSBに対する操作についてはパネル清掃モードを終了してから所定時間が経過するまで無効化する。この構成では、パネル清掃モードが終了したときに、ユーザーの意図に反して操作パネル2が何らかの処理を行うという不都合が生じるのを抑制することができる。
【0072】
また、本実施形態では、上記のように、パネル制御部20は、電力供給モードが省電力モードのときに検知した接触点の数が閾値以上でなければパネル清掃モードに移行せずに電力供給モードを通常モードに復帰させる処理(本体制御部10に復帰信号を送信する処理)を行い、電力供給モードが省電力モードのときに検知した接触点の数が閾値以上であれば電力供給モードを省電力モードに復帰させる処理を行わずにパネル清掃モードに移行する。この構成では、電力供給モードが省電力モードのときにユーザーが拭き取り作業を行っても、電力供給モードが不必要に通常モードに復帰するのを抑制することができる。
【0073】
なお、本実施形態の構成において、たとえば、操作パネル2がパネル清掃モードに移行したときに、指紋や埃が目立ち易い色(たとえば、グレー)の画面をタッチスクリーン21に表示してもよい。このような色の画面をタッチスクリーン21に表示すると、タッチスクリーン21のどの部分を重点的に清掃すればよいかが分かり易くなる(汚れの付着箇所が分かり易くなる)ので、ユーザーにとっては利便性がよい。
【0074】
今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
【符号の説明】
【0075】
1 画像形成装置
2 操作パネル(表示入力装置)
20 パネル制御部(制御部)
21 タッチスクリーン
30 電源部
210 操作受付面
210R 領域
C 隅
R1 第1範囲
R2 第2範囲
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7