(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、室内機のケーシングに設けられた冷媒配管やドレン配管には、これらを空調の対象である室内空間の外部と連通させる部材(例えば、内部を冷媒が流れる連絡配管、またはドレンホース)を接続するための接続部が設けられることが多い。そのような接続部は、室内機のメンテナンスの際に作業者が容易にアクセスできるものであることが好ましい。しかしながら、そのようなアクセス容易性を重視して当該接続部をむき出しにしておくと、室内機の意匠性が損なわれてしまう。
【0005】
本開示の目的は、室内機のメンテナンス容易性および意匠性を高めることにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の第1の態様は、天井吊り下げ型の空気調和装置(10)の室内機(30)を対象とする。この室内機(30)は、天井吊り下げ型の空気調和装置(10)の室内機(30)であって、空気通路(57)が内部に形成されたケーシング(40)と、上記ケーシング(40)に収容された熱交換器(31)と、上記ケーシング(40)と別体でありかつ該ケーシング(40)に着脱可能な化粧カバー(61,62)と、上記熱交換器(31)につながる冷媒配管(80)と、上記熱交換器(31)で生じたドレン水を排出するためのドレン配管(83)と、端子台(141)とを備え、上記冷媒配管(80)は、上記室内機(30)と室外機(20)とを接続して内部を冷媒が流れる連絡配管(13,14)が接続される第1接続部(81a,82a)を有し、上記ドレン配管(83)は、上記ドレン水を上記室内機(30)外へ排出するためのドレンホース(150)が接続される第2接続部(83a)を有し、上記端子台(141)は、配線(144)が接続される第3接続部(142)を有し、上記第1接続部(81a,82a)および上記第2接続部(83a)は、上記化粧カバー(61,62)によって覆われ、かつ該化粧カバー(61,62)が上記ケーシング(40)から取り外された状態で該ケーシング(40)から露出し、上記第1接続部(81a,82a)および上記第2接続部(83a)は、上記ケーシング(40)の一つの側面(45a)と、該側面(45a)を覆う一つの上記化粧カバー(61)との間に配置され、上記連絡配管(13,14)および上記ドレンホース(150)は、上記ケーシング(40)の上面(41a)に沿って広がる水平面(HP)と交差して延び、上記第1接続部(81a,82a)および上記第2接続部(83a)を覆う一つの上記化粧カバー(61)
に上板部を有し、該上板部には上記ケーシング(40)側に向かって開放する開口が形成される。
【0007】
第1の態様では、冷媒配管(80)、ドレン配管(83)、および端子台(141)が室内機(30)に備えられる。そして、冷媒配管(80)の第1接続部(81a,82a)、ドレン配管(83)の第2接続部(83a)、および端子台(141)の第3接続部(142)のうち少なくとも1つが化粧カバー(61,62)によって覆われる。これにより、室内機(30)の意匠性を高めることができる。
【0008】
また、第1の態様では、化粧カバー(61,62)はケーシング(40)に着脱可能である。このため、第1接続部(81a,82a)、第2接続部(83a)、または第3接続部(142)をメンテナンスしたい場合には、化粧カバー(61,62)をケーシング(40)から取り外すことで、これらに対して作業者が容易にアクセスできる。化粧カバー(61,62)をケーシング(40)から取り外すと、第1接続部(81a,82a)、第2接続部(83a)、または第3接続部(142)がケーシング(40)から露出するためである。このように、第1の態様によると、室内機(30)のメンテナンスを容易に行うことができる。
【0009】
また、第1の態様では、冷媒配管(80)の第1接続部(81a,82a)とドレン配管(83)の第2接続部(83a)とが、ケーシング(40)の同じ側面(45a,46a)側における当該ケーシング(40)外に位置している。このため、例えば第1接続部(81a,82a)および第2接続部(83a)をメンテナンスする場合に、そのメンテナンスをより容易化することができる。そして、第1接続部(81a,82a)に接続される連絡配管(13,14)と、第2接続部(83a)に接続されるドレンホース(150)とが、ケーシング(40)の上面(41a)に沿って広がる水平面(HP)と交差して延びている。換言すると、連絡配管(13,14)およびドレンホース(150)は、当該水平面(HP)を下から上に向かって横切るように延びている。更に、この態様では、第1接続部(81a,82a)および第2接続部(83a)を覆う一つの化粧カバー(61)の
上板部に、
ケーシング(40)側に向かって開放する開口が形成される。なお、ここで言う「下」および「上」とは、室内機(30)の設置状態における下および上のことである。
【0010】
本開示の第2の態様は、上記第1の態様において、上記化粧カバー(61,62)を上記ケーシング(40)に保持可能な保持部(90)を備え、上記保持部(90)は、上記化粧カバー(61,62)が上記ケーシング(40)の側面(45a,46a)に沿ってスライドすることで、上記化粧カバー(61,62)を上記ケーシング(40)に保持する保持状態と、上記化粧カバー(61,62)を上記ケーシング(40)から取り外せる非保持状態とに切替可能であることを特徴とする。
【0011】
第2の態様では、保持部(90)が保持状態にあると化粧カバー(61,62)がケーシング(40)に保持される。一方、保持部(90)が非保持状態にあると化粧カバー(61,62)をケーシング(40)から取り外すことができる。ここで、保持部(90)の保持状態と非保持状態とは、化粧カバー(61,62)をケーシング(40)の側面(45a,46a)に沿ってスライドさせることで切り替えられる。したがって、室内機(30)のメンテナンスをより容易に行うことができる。
【0012】
本開示の第3の態様は、上記第2の態様において、上記保持部(90)は、上記化粧カバー(61,62)が上記ケーシング(40)の側面(45a,46a)に沿って水平方向にスライドすることで、上記保持状態と上記非保持状態とに切替可能であることを特徴とする。
【0013】
第3の態様では、保持部(90)の保持状態と非保持状態とを、化粧カバー(61,62)をケーシング(40)の側面(45a,46a)に沿って水平方向にスライドさせることで切り替えられる。よって、保持部(90)の保持状態と非保持状態とを切り替える際に、室内の高所に存在する室内機(30)のケーシング(40)に取り付けられる化粧カバー(61,62)を持ち上げる必要がなく、作業者の負担を少なくできる。
【0014】
本開示の
第4の態様は、上記第1〜
第3の態様のいずれか1つにおいて、上記化粧カバー(61,62)は、上記第3接続部(142)を覆っていることを特徴とする。
【0015】
第4の態様では、化粧カバー(61,62)によって、端子台(141)の第3接続部(142)が覆われる。
【0016】
本開示の
第5の態様は、上記第1〜
第4の態様のいずれか1つにおいて、上記化粧カバー(61,62)は、上記ケーシング(40)の下面(42a)のうち該下面(42a)の中央よりも上記側面(45a,46a)寄りに設けられたねじ(47)を下方から覆うことを特徴とする。
【0017】
第5の態様では、ケーシング(40)の下面(42a)に設けられたねじ(47)が化粧カバー(61,62)で下方から覆われる。このため、例えば当該ねじ(47)がむき出しになっている場合に比べて、在室者に対して当該ねじ(47)が見えにくくなり、よって室内機(30)の意匠性を高めることができる。
【0018】
本開示の
第6の態様は、上記第1〜
第5の態様のいずれか1つにおいて、上記ケーシング(40)は、調和空気を吹き出すための吹出口(56)が前面(43a)に形成され、かつ該前面(43a)と対向する面を背面(44a)として、室内空気を吸い込むための吸込口(55)が上記背面(44a)に形成されており、上記化粧カバー(61,62)は、上記ケーシング(40)における上記前面(43a)および上記背面(44a)以外の側面(45a,46a)に着脱可能であることを特徴とする。
【0019】
第6の態様では、ケーシング(40)の背面(44a)に形成された吸込口(55)から室内の空気が吸い込まれる。吸い込まれた空気は、ケーシング(40)内を流れて、ケーシング(40)の前面(43a)に形成された吹出口(56)から室内へ吹き出される。化粧カバー(61,62)は、前面(43a)および背面(44a)以外のケーシング(40)の側面(45a,46a)に対して着脱される。
【0020】
本開示の第7の態様は、上記第3の態様において、上記ケーシング(40)は、調和空気を吹き出すための吹出口(56)が前面(43a)に形成され、上記化粧カバー(61,62)のうち上記ケーシング(40)の前面(43a)に沿った部分に、上記保持部(90)が設けられることを特徴とする。
【0021】
第7の態様では、化粧カバー(61,62)のうちケーシング(40)の前面(43a)に沿った部分に、保持部(90)が設けられる。
【発明を実施するための形態】
【0023】
実施形態について説明する。本実施形態の空気調和装置(10)は、室内機(30)とこれに接続される室外機(20)とを備え、室内の空気調和を行うものである。
【0024】
なお、本明細書において、「上」、「下」、「右」、「左」、「前面」、「背面」等の方向を示す語は、いずれも設置状態の室内機(30)を正面側(前面側)から見たときの方向を意味する。
【0025】
−空気調和装置−
図1を参照して、空気調和装置(10)について説明する。
【0026】
図1に示すように、空気調和装置(10)は、室内機(30)と、室外機(20)とを備える。空気調和装置(10)では、それぞれ後述する圧縮機(21)、四方切換弁(22)、室外熱交換器(23)、膨張弁(24)、および室内熱交換器(31)が配管で接続され、蒸気圧縮冷凍サイクルを行う冷媒回路(11)を構成している。
【0027】
〈室内機〉
室内機(30)は、空気調和の対象となる室内空間に設置されるものであって、室内熱交換器(31)と、室内ファン(32)とを有する。
【0028】
室内熱交換器(31)は、内部を流れる冷媒と室内ファン(32)によって供給される室内空気とを熱交換させるものである。室内熱交換器(31)は、例えばフィンアンドチューブ熱交換器によって構成される。室内熱交換器(31)は、熱交換器を構成している。
【0029】
室内ファン(32)は、室内熱交換器(31)に室内空気を供給すると共に、室内空間に調和空気を供給するためのものである。
【0030】
〈室外機〉
室外機(20)は、室外に設置されるものであって、圧縮機(21)と、四方切換弁(22)と、室外熱交換器(23)と、室外ファン(25)と、膨張弁(24)と、液側閉鎖弁(26)と、ガス側閉鎖弁(27)とを有する。
【0031】
圧縮機(21)は、室内熱交換器(31)および室外熱交換器(23)のうち蒸発器として機能するものから流出した低圧ガス冷媒を吸入し、これを圧縮することで高温の高圧ガス冷媒を吐出するものである。圧縮機(21)が吐出した高圧ガス冷媒は、室内熱交換器(31)および室外熱交換器(23)のうち放熱器として機能するものに流入する。
【0032】
四方切換弁(22)は、冷媒回路(11)における冷媒の流れを可逆的に切り替えるためのものである。具体的に、四方切換弁(22)は、室内熱交換器(31)が蒸発器となって空気調和装置(10)が冷房運転を行うための第1状態(
図1に実線で示す状態)と、室内熱交換器(31)が放熱器となって空気調和装置(10)が暖房運転を行うための第2状態(
図1に破線で示す状態)とに切替可能である。
【0033】
室外熱交換器(23)は、内部を流れる冷媒と室外ファン(25)によって供給される室外空気とを熱交換させるものである。室外熱交換器(23)は、例えばフィンアンドチューブ熱交換器によって構成される。
【0034】
室外ファン(25)は、室外熱交換器(23)に室外空気を供給するためのものである。
【0035】
膨張弁(24)は、室内熱交換器(31)および室外熱交換器(23)のうち放熱器として機能するものから流出した冷媒を減圧するためのものである。膨張弁(24)は、例えば開度調節可能な電子弁によって構成される。
【0036】
〈運転動作〉
空気調和装置(10)は、冷房運転と暖房運転を選択的に行う。
【0037】
冷房運転では、四方切換弁(22)が第1状態に設定され、冷媒回路(11)において冷媒が循環する。そして、室外熱交換器(23)が放熱器として機能し、室内熱交換器(31)が蒸発器として機能する。室内機(30)は、室内空間から吸い込んだ空気を室内熱交換器(31)において冷却し、冷却された空気を室内空間へ吹き出す。
【0038】
暖房運転では、四方切換弁(22)が第2状態に設定され、冷媒回路(11)において冷媒が循環する。そして、室内熱交換器(31)が放熱器として機能し、室外熱交換器(23)が蒸発器として機能する。室内機(30)は、室内空間から吸い込んだ空気を室内熱交換器(31)において加熱し、加熱された空気を室内空間へ吹き出す。
【0039】
−室内機−
本実施形態の室内機(30)は、天井吊り下げ型であって、室内空間の天井付近に設置される。ここでは、本実施形態の室内機(30)について、
図2〜
図10を適宜参照しながら説明する。
【0040】
図2〜
図6、および
図9に示すように、室内機(30)は、全体として扁平な直方体状に形成される。この室内機(30)は、ケーシング(40)と、吹出ユニット(70)と、一対の化粧カバー(61,62)と、保持部(90)とを備える。
【0041】
〈ケーシング〉
図3および
図6に示すように、ケーシング(40)は、扁平な直方体形状に形成される。ケーシング(40)は、上パネル(41)と、底パネル(42)と、前パネル(43)と、後パネル(44)と、右パネル(45)と、左パネル(46)とを備える。
【0042】
上パネル(41)の外面は、ケーシング(40)の上面(41a)を形成する。底パネル(42)の外面は、ケーシング(40)の下面(42a)を形成する。前パネル(43)の外面は、ケーシング(40)の前面(43a)を形成する。後パネル(44)の外面は、ケーシング(40)の背面(44a)を形成する。右パネル(45)の外面は、ケーシング(40)の右側面(45a)を形成する。左パネル(46)の外面は、ケーシング(40)の左側面(46a)を形成する。右側面(45a)および左側面(46a)は、それぞれが側面を構成している。
【0043】
図4に示すように、ケーシング(40)は、後パネル(44)に吸込口(55)が形成され、前パネル(43)に吹出口(56)が形成される。あるいは、ケーシング(40)は、背面(44a)に吸込口(55)が形成され、前面(43a)に吹出口(56)が形成される。ケーシング(40)の内部には、吸込口(55)から吹出口(56)に至る空気通路(57)が形成される。ケーシング(40)内の空気通路(57)には、室内熱交換器(31)と室内ファン(32)とが収容される。空気通路(57)では、室内ファン(32)が当該空気通路(57)の前後方向中央よりも吸込口(55)寄りに配置され、室内熱交換器(31)が室内ファン(32)よりも吹出口(56)寄りに配置される。また、室内熱交換器(31)の下方にはドレンパン(33)が配置される。
【0044】
図3および
図6に示すように、ケーシング(40)には、冷媒配管(80)およびドレン配管(83)が設けられる。
【0045】
冷媒配管(80)は、第1接続管(81)および第2接続管(82)と、連絡配管(13,14)が接続される液管接続端(81a)およびガス管接続端(82a)とを含む。ここで、連絡配管(13,14)は、それぞれが室内機(30)と室外機(20)とを接続して内部を冷媒が流れる液管(13)およびガス管(14)で構成される(
図1も参照)。また、第1接続管(81)および第2接続管(82)は、それぞれが室内熱交換器(31)につながる配管状の部材である。
【0046】
液管接続端(81a)は、第1接続管(81)の先端に設けられる。ガス管接続端(82a)は、第2接続管(82)の先端に設けられる。液管接続端(81a)は、第1接続管(81)と液管(13)とを互いに連通させる。ガス管接続端(82a)は、第2接続管(82)とガス管(14)とを互いに連通させる。液管接続端(81a)およびガス管接続端(82a)は、それぞれ、ケーシング(40)から露出していて、図示の例では、ケーシング(40)の右パネル(45)と右化粧カバー(61)との間に配置される。液管接続端(81a)およびガス管接続端(82a)は、それぞれが第1接続部を構成し、右化粧カバー(61)で覆われる。
【0047】
また、連絡配管(13,14)、換言すると液管(13)およびガス管(14)は、ケーシング(40)の上面(41a)に沿って広がる水平面(HP)と交差して延びている(
図4を参照)。換言すると、液管(13)は、液管接続端(81a)に接続される部分から上方に延びていて、当該水平面(HP)を下から上に向かって横切っている。また、ガス管(14)は、ガス管接続端(82a)に接続される部分から上方に延びていて、当該水平面(HP)を下から上に向かって横切っている。
【0048】
ドレン配管(83)は、不図示のポンプ接続管と、ドレンホース(150)が接続されるホース接続部材(83a)とを含む。ここで、ドレンホース(150)は、室内熱交換器(31)で生じたドレン水を室内機(30)外へ排出するためのものである。また、ポンプ接続管は、ケーシング(40)内に設けられてドレンパン(33)内のドレン水を汲み出すための不図示のドレンポンプに接続される。
【0049】
ホース接続部材(83a)は、ケーシング(40)の右パネル(45)に取り付けられた筒状部材で構成される。ホース接続部材(83a)は、ポンプ接続管の流出端と、ドレンホース(150)の流入端とを互いに連通させる。ホース接続部材(83a)は、ケーシング(40)から露出していて、図示の例では、ケーシング(40)の右パネル(45)と右化粧カバー(61)との間に配置される。なお、ドレン配管(83)は、ポンプ接続管およびホース接続部材(83a)が互いに一体形成されたものに相当する部材で構成されていてもよい。ホース接続部材(83a)は、第2接続部を構成し、右化粧カバー(61)で覆われる。なお、第2接続部を構成するものは、ホース接続部材(83a)に限られない。例えば、ドレンパン(33)内のドレン水を重力にしたがって排出する自然排水ホースの接続部が、第2接続部を構成していてもよい。
【0050】
また、ドレンホース(150)は、ケーシング(40)の上面(41a)に沿って広がる水平面(HP)(
図4を参照)と交差して延びている。換言すると、ドレンホース(150)は、ホース接続部材(83a)に接続される部分から上方に延びていて、当該水平面(HP)を下から上に向かって横切っている。
【0051】
図6に示すように、ケーシング(40)の下面(42a)のうち当該下面(42a)の中央よりも右側面(45a)寄りには、底パネル(42)を右パネル(45)に締結するためのねじ(47)が設けられる。なお、図示を省略するが、ケーシング(40)の下面(42a)のうち当該下面(42a)の中央よりも左側面(46a)寄りにも同様のねじが設けられる。
【0052】
図5および
図6に示すように、ケーシング(40)には、電装品箱(100)が設けられる。電装品箱(100)は、概ね直方体形状の箱状に形成される。
図6および
図7に示すように、電装品箱(100)は、最も短い辺が左右方向となり、最も長い辺が前後方向となる姿勢で、ケーシング(40)に設けられる。また、電装品箱(100)には、2つの端子台(141)が収容される。
【0053】
電装品箱(100)は、電装品箱本体(110)と蓋(120)とを備える。蓋(120)は、電装品箱本体(110)に対して着脱可能に取り付けられる。
【0054】
電装品箱本体(110)は、下面が開口した箱状に形成され、電装品箱(100)の前側面と後側面と上面と左右の側面とを形成する。この電装品箱本体(110)は、電装品箱(100)の上面を形成する上板(111)と、電装品箱(100)の前側面を形成する前側板(112)と、電装品箱(100)の後側面(102)を形成する後側板(113)と、電装品箱(100)の右側面(103)を形成する右側板(114)と、電装品箱(100)の左側面を形成する左側板(115)とを備える。
【0055】
蓋(120)は、蓋本体(121)と延出板(122)とを備える。蓋本体(121)は、電装品箱本体(110)の下面を覆うことができる大きさの長方形のトレイ状に形成される。延出板(122)は、蓋本体(121)に連続して形成された板状の部分であって、蓋本体(121)の右側方へ延びる。蓋(120)は、電装品箱本体(110)に対して、蓋本体(121)が電装品箱本体(110)の下面を覆うように取り付けられる。蓋(120)は、蓋本体(121)が電装品箱(100)の下面(101)を形成する。
【0056】
図8に示すように、各端子台(141)は、いわゆる中継用の端子台である。各端子台(141)は、電装品箱(100)の外部へ延びる電線(144)が接続される接続端子(142)を有する。電線(144)は、例えば電源線、または室内機(30)と室外機(20)を繋ぐ配線であってもよい。電線(144)は、定期的なメンテナンスを必要とする部品であり、メンテナンス時には右化粧カバー(61)を取り外す必要がある。各端子台(141)は、電装品箱(100)の電装品箱本体(110)の左側板(115)に、ステー等を介して固定される。接続端子(142)は、第3接続部を構成し、電線(144)は、配線を構成している。
【0057】
〈吹出ユニット〉
図2および
図3に示すように、吹出ユニット(70)は、外形が横長直方体状に形成され、ケーシング(40)の前面を覆うように設けられる。吹出ユニット(70)は、その背面がケーシング(40)の前パネル(43)と接するように配置される。
【0058】
図4に示すように、吹出ユニット(70)の内部には、吹出側通路(71)が形成される。吹出側通路(71)は、入口端が吹出ユニット(70)の背面に開口し、出口端が吹出ユニット(70)の前面に開口する。吹出側通路(71)の入口端は、ケーシング(40)の吹出口(56)に接続する。
【0059】
吹出側通路(71)の出口端には、複数枚(本実施形態では4枚)の風向調節羽根(72)が設けられる。風向調節羽根(72)は、細長い長方形板状の部材である。風向調節羽根(72)は、その長手方向が概ね水平となる姿勢で、吹出側通路(71)の出口端を左右に横断するように配置される(
図2を参照)。また、4枚の風向調節羽根(72)は、それぞれの長手方向が互いに平行となる姿勢で、吹出側通路(71)の出口端に上下方向に等間隔で配置される。各風向調節羽根(72)は、それぞれの長手方向に沿った回転軸を中心に、所定の角度範囲で回転可能となっている。風向調節羽根(72)の角度が変化すると、吹出側通路(71)から吹き出される空気の向きが上下方向に変化する。
【0060】
〈化粧カバー〉
化粧カバー(61,62)は、細長い直方体形の部材である。化粧カバー(61,62)は、長辺側の一方の側面が開口している。また、化粧カバー(61,62)の長さは、ケーシング(40)の背面から吹出ユニット(70)の前面までの長さと概ね等しい。化粧カバー(61,62)は、ケーシング(40)の右側に配置された右化粧カバー(61)と、ケーシング(40)の左側に配置された左化粧カバー(62)とを含む。なお、各化粧カバー(61,62)の内部には空気通路が形成されていない。
【0061】
各化粧カバー(61,62)は、開口した側面がケーシング(40)側を向く姿勢でケーシング(40)に取り付けられ、ケーシング(40)の側面と吹出ユニット(70)の側面とを覆う。右化粧カバー(61)は、ケーシング(40)の右側面(45a)と吹出ユニット(70)の右側面とを覆う。したがって、右化粧カバー(61)は、冷媒配管(80)の液管接続端(81a)およびガス管接続端(82a)と、ドレン配管(83)のホース接続部材(83a)とを覆う。左化粧カバー(62)は、ケーシング(40)の左側面(46a)と吹出ユニット(70)の左側面とを覆う。また、各化粧カバー(61,62)は、上記ねじ(47)を下方から覆う。
【0062】
〈保持部〉
保持部(90)は、室内機(30)における左右両側に同様に設けられるが、以下では、右側の保持部(90)についてのみ説明する。保持部(90)は、ケーシング(40)の右パネル(45)または吹出ユニット(70)に形成された保持孔(91)と、右化粧カバー(61)に設けられた保持フック(92)とを含む。
【0063】
保持孔(91)は、
図6に示すように、ケーシング(40)の右パネル(45)の上部と下部に1つずつ形成される。また、保持孔(91)は、吹出ユニット(70)の前部にも、上下に並んで2つ形成される。
【0064】
保持フック(92)は、
図9に示すように、右化粧カバー(61)における保持孔(91)に対応する位置に全部で4つ設けられる。具体的に、保持フック(92)は、右化粧カバー(61)において、上部に1つ、下部に1つ、そして前部に2つ、それぞれ設けられる。保持フック(92)は、突端側の部分が右化粧カバー(61)の後方に屈曲した鉤状に形成されている。
【0065】
図10は、上段部に取外状態にある保持部(90)が示され、中段部に非保持状態にある保持部(90)が示され、そして下段部に保持状態にある保持部(90)が示されている。
図10の下段部に示すように、右側の保持部(90)は、右化粧カバー(61)をケーシング(40)に保持することが可能である。
【0066】
次に、
図10を参照して、保持部(90)の動作について説明する。
【0067】
まず、保持部(90)を、取外状態から非保持状態へ切り替えるには、右化粧カバー(61)の各保持フック(92)とケーシング(40)または吹出ユニット(70)の対応する保持孔(91)とを互いに対向させ(
図10の上段部)、続けて各保持フック(92)を対応する保持孔(91)に挿入する(
図10の中段部)。これにより、保持部(90)は、非保持状態となる。ここで、取外状態とは、右化粧カバー(61)がケーシング(40)から取り外された状態である。非保持状態とは、右化粧カバー(61)をケーシング(40)に取り付けることが可能な状態である。
【0068】
続けて、保持部(90)を、非保持状態から保持状態へ切り替えるには、右化粧カバー(61)をケーシング(40)の右側面(45a)に沿って水平方向にスライドさせる。より具体的には、右化粧カバー(61)を後方にスライドさせる(
図10の下段部)。これにより、各保持フック(92)が対応する保持孔(91)に係合し、保持部(90)は、保持状態となる。ここで、保持状態とは、右化粧カバー(61)がケーシング(40)に保持される状態である。
【0069】
以上の操作により、保持部(90)を取外状態から非保持状態を経て保持状態へ切り替えることができる。換言すると、以上の操作により、右化粧カバー(61)をケーシング(40)に取り付けることができる。
【0070】
一方、これと逆の操作を行うことにより、保持部(90)を保持状態から非保持状態を経て取外状態へ切り替えることができる。換言すると、上記と逆の操作により、右化粧カバー(61)をケーシング(40)から取り外すことができる。
【0071】
具体的に、保持部(90)を保持状態から非保持状態へ切り替えるには、右化粧カバー(61)をケーシング(40)の右側面(45a)に沿って水平方向にスライドさせる。より具体的には、右化粧カバー(61)を前方にスライドさせる。これにより、各保持フック(92)の対応する保持孔(91)に対する係合が解除され、保持部(90)が非保持状態となる。ここで、非保持状態とは、右化粧カバー(61)をケーシング(40)から取り外すことが可能な状態である。
【0072】
続けて、保持部(90)を非保持状態から取外状態へ切り替えるには、右化粧カバー(61)の各保持フック(92)をケーシング(40)および吹出ユニット(70)の対応する保持孔(91)から引き抜く。これにより、保持部(90)は、取外状態となる。
【0073】
上述したように、保持部(90)は、非保持状態から、取外状態と保持状態の両方に切り替えられ得る。換言すると、非保持状態とは、右化粧カバー(61)をケーシング(40)に取り付けることが可能な状態であると同時に、右化粧カバー(61)をケーシング(40)から取り外すことが可能な状態でもある。
【0074】
−実施形態の効果−
本実施形態の室内機(30)は、空気通路(57)が内部に形成されたケーシング(40)と、上記ケーシング(40)に収容された室内熱交換器(31)と、上記ケーシング(40)と別体でありかつ該ケーシング(40)に着脱可能な化粧カバー(61,62)と、上記室内熱交換器(31)につながる冷媒配管(80)と、上記室内熱交換器(31)で生じたドレン水を排出するためのドレン配管(83)と、端子台(141)とを備え、上記冷媒配管(80)は、上記室内機(30)と室外機(20)とを接続して内部を冷媒が流れる連絡配管(13,14)が接続される液管接続端(81a)およびガス管接続端(82a)を有し、上記ドレン配管(83)は、上記ドレン水を上記室内機(30)外へ排出するためのドレンホース(150)が接続されるホース接続部材(83a)を有し、上記端子台(141)は、配線(144)が接続される接続端子(142)を有し、上記液管接続端(81a)および上記ガス管接続端(82a)、ならびに上記ホース接続部材(83a)は、上記化粧カバー(61,62)によって覆われ、かつ該化粧カバー(61,62)が上記ケーシング(40)から取り外された状態で該ケーシング(40)から露出する。したがって、冷媒配管(80)の液管接続端(81a)およびガス管接続端(82a)、ならびにドレン配管(83)のホース接続部材(83a)が化粧カバー(61,62)によって覆われる。これにより、室内機(30)の意匠性を高めることができる。また、化粧カバー(61,62)はケーシング(40)に着脱可能である。このため、液管接続端(81a)およびガス管接続端(82a)、またはホース接続部材(83a)をメンテナンスしたい場合には、化粧カバー(61,62)をケーシング(40)から取り外すことで、これらに対して作業者が容易にアクセスできる。化粧カバー(61,62)をケーシング(40)から取り外すと、液管接続端(81a)およびガス管接続端(82a)、ならびにホース接続部材(83a)がケーシング(40)から露出するためである。このように、本実施形態によると、室内機(30)のメンテナンスを容易に行うことができる。
【0075】
また、本実施形態の室内機(30)は、上記化粧カバー(61,62)を上記ケーシング(40)に保持可能な保持部(90)を備え、上記保持部(90)は、上記化粧カバー(61,62)が上記ケーシング(40)の右側面(45a)または左側面(46a)に沿ってスライドすることで、上記化粧カバー(61,62)を上記ケーシング(40)に保持する保持状態と、上記化粧カバー(61,62)を上記ケーシング(40)から取り外せる非保持状態とに切替可能である。したがって、保持部(90)が保持状態にあると化粧カバー(61,62)がケーシング(40)に保持される。一方、保持部(90)が非保持状態にあると化粧カバー(61,62)をケーシング(40)から取り外すことができる。ここで、保持部(90)の保持状態と非保持状態とは、化粧カバー(61,62)をケーシング(40)の右側面(45a)または左側面(46a)に沿ってスライドさせることで切り替えられる。したがって、室内機(30)のメンテナンスをより容易に行うことができる。
【0076】
また、本実施形態の室内機(30)は、上記保持部(90)が、上記化粧カバー(61,62)が上記ケーシング(40)の右側面(45a)または左側面(46a)に沿って水平方向にスライドすることで、上記保持状態と上記非保持状態とに切替可能である。したがって、保持部(90)の保持状態と非保持状態とを、化粧カバー(61,62)をケーシング(40)の右側面(45a)または左側面(46a)に沿って水平方向にスライドさせることで切り替えられる。よって、保持部(90)の保持状態と非保持状態とを切り替える際に、室内の高所に存在する室内機(30)のケーシング(40)に取り付けられる化粧カバー(61,62)を持ち上げる必要がなく、作業者の負担を少なくできる。
【0077】
また、本実施形態の室内機(30)は、上記液管接続端(81a)および上記ガス管接続端(82a)ならびに上記ホース接続部材(83a)が、上記ケーシング(40)の右側面(45a)と上記化粧カバー(61)との間に配置され、上記連絡配管(13,14)および上記ドレンホース(150)が、上記ケーシング(40)の上面(41a)に沿って広がる水平面(HP)と交差して延びている。したがって、冷媒配管(80)の液管接続端(81a)およびガス管接続端(82a)とドレン配管(83)のホース接続部材(83a)とが、ケーシング(40)の同じ右側面(45a)側における当該ケーシング(40)外に位置している。このため、例えば液管接続端(81a)およびガス管接続端(82a)ならびにホース接続部材(83a)をメンテナンスする場合に、そのメンテナンスをより容易化することができる。そして、液管接続端(81a)およびガス管接続端(82a)に接続される連絡配管(13,14)と、ホース接続部材(83a)に接続されるドレンホース(150)とが、ケーシング(40)の上面(41a)に沿って広がる水平面(HP)と交差して延びている。換言すると、連絡配管(13,14)およびドレンホース(150)は、当該水平面(HP)を下から上に向かって横切るように延びている。
【0078】
また、本実施形態の室内機(30)は、上記化粧カバー(61,62)が、上記ケーシング(40)の下面(42a)のうち該下面(42a)の中央よりも上記右側面(45a)寄りおよび上記左側面(46a)寄りに設けられたねじ(47)を下方から覆う。したがって、ケーシング(40)の底パネル(42)に設けられたねじ(47)が化粧カバー(61,62)で下方から覆われる。このため、例えば当該ねじ(47)がむき出しになっている場合に比べて、在室者に対して当該ねじ(47)が見えにくくなり、よって室内機(30)の意匠性を高めることができる。
【0079】
また、本実施形態の室内機(30)は、上記ケーシング(40)が、調和空気を吹き出すための吹出口(56)が前面(43a)に形成され、かつ該前面(43a)と対向する面を背面(44a)として、室内空気を吸い込むための吸込口(55)が上記背面(44a)に形成されており、上記化粧カバー(61,62)が、上記ケーシング(40)における上記右側面(45a)および上記左側面(46a)に着脱可能である。この構成によると、ケーシング(40)の背面(44a)に形成された吸込口(55)から室内の空気が吸い込まれる。吸い込まれた空気は、ケーシング(40)内を流れて、ケーシング(40)の前面(43a)に形成された吹出口(56)から室内へ吹き出される。化粧カバー(61,62)は、ケーシング(40)の右側面(45a)および左側面(46a)に対して着脱される。
【0080】
《その他の実施形態》
上記実施形態については、以下のような構成としてもよい。
【0081】
−
第1変形例−
例えば、電装品箱(100)は、右側板(114)が省略されたものであってもよい。この場合、各端子台(141)の接続端子(142)は、電装品箱(100)から、より広くはケーシング(40)から露出し、右化粧カバー(61)によって覆われる。
【0082】
−
第2変形例−
例えば、液管接続端(81a)、ガス管接続端(82a)、およびホース接続部材(83a)は、少なくとも1つがケーシング(40)の左パネル(46)に設けられていてもよい。この場合、液管接続端(81a)、ガス管接続端(82a)、およびホース接続部材(83a)のうち左パネル(46)に設けられるものは、左化粧カバー(62)によって覆われる。
【0083】
−
第3変形例−
例えば、液管接続端(81a)、ガス管接続端(82a)、ホース接続部材(83a)、および接続端子(142)は、これらのうち少なくとも1つがケーシング(40)から露出していればよい。ここで、液管接続端(81a)、ガス管接続端(82a)、ホース接続部材(83a)、および接続端子(142)は、これらの中で室内機(30)に存在しかつケーシング(40)から露出するものが、いずれかの化粧カバー(61,62)によって覆われていることが好ましい。
【0084】
−
第4変形例−
例えば、ケーシング(40)の背面(44a)に沿って広がる平面(P)は、当該背面(44a)が実質的に鉛直向きであるために実質的に鉛直面となっているが、ケーシング(40)の背面(44a)が鉛直面に対して傾いている場合はそれに伴って鉛直面に対して傾いた傾斜面となっていてもよい。
【0085】
−
第5変形例−
例えば、各化粧カバー(61,62)は、ケーシング(40)のみを覆い、吹出ユニット(70)を覆わないものであってもよい。
【0086】
−
第6変形例−
例えば、ケーシング(40)と吹出ユニット(70)とは、一体形成されていてもよい。
【0087】
以上、実施形態および変形例を説明したが、特許請求の範囲の趣旨および範囲から逸脱することなく、形態や詳細の多様な変更が可能なことが理解されるであろう。また、以上の実施形態および変形例は、本開示の対象の機能を損なわない限り、適宜組み合わせたり、置換したりしてもよい。