(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
孔部を有する複数のロータ板部材が積層されて形成されたロータコアと、スロット部を有する複数のステータ板部材が積層されて形成されたステータコアとを備える回転電機用コアの製造方法であって、
電磁鋼板の前記スロット部が形成される部分の少なくとも第1部分にステータ側逃がし穴を形成する工程と、
前記電磁鋼板の前記孔部が形成される部分の少なくとも一部にロータ側穴部を形成する工程と、
前記ステータ側逃がし穴を形成する工程、および、前記ロータ側穴部を形成する工程の後、前記ステータ側逃がし穴および前記ロータ側穴部の間で、かつ、前記電磁鋼板の前記ロータコアの径方向の外周の一部となる部分の厚みを小さくして潰し部を形成する工程と、
前記潰し部を形成する工程の後、前記電磁鋼板を打ち抜くことにより、前記ロータ板部材および前記ステータ板部材を形成する工程とを備える、回転電機用コアの製造方法。
前記ステータ側逃がし穴を形成する工程は、前記潰し部が形成される部分と前記スロット部が形成される部分との間の接続部分と前記第1部分とを一体的に打ち抜くことにより、前記ステータ側逃がし穴を形成する工程である、請求項1に記載の回転電機用コアの製造方法。
前記ステータ側逃がし穴を形成する工程は、前記接続部分と前記第1部分とを、平面視において、U字状、L字状またはI字状のうちの少なくとも1つの形状を有するように一体的に打ち抜くことにより、前記ステータ側逃がし穴を形成する工程である、請求項2に記載の回転電機用コアの製造方法。
前記ステータ側逃がし穴を形成する工程は、前記第1部分の周方向の幅が前記接続部分の径方向の幅よりも大きい状態で、前記接続部分と前記第1部分とを一体的に打ち抜くことにより、前記ステータ側逃がし穴を形成する工程である、請求項3に記載の回転電機用コアの製造方法。
前記ステータ側逃がし穴を形成する工程は、前記接続部分の径方向の幅が0.4mm以上でかつ0.8mm以下となるように、前記ステータ側逃がし穴を形成する工程である、請求項2〜4のいずれか1項に記載の回転電機用コアの製造方法。
前記ステータ側逃がし穴を形成する工程は、前記接続部分の径方向の幅が0.4mm以上でかつ0.7mm以下となるように、前記ステータ側逃がし穴を形成する工程である、請求項5に記載の回転電機用コアの製造方法。
前記ステータ側逃がし穴を形成する工程は、前記スロット部の周方向の幅よりも小さい周方向の幅を有する前記第1部分に、前記ステータ側逃がし穴を形成する工程である、請求項1〜6のいずれか1項に記載の回転電機用コアの製造方法。
前記ステータ側逃がし穴を形成する工程の後で、かつ、前記ロータ板部材を形成する工程の前に、前記ステータ側逃がし穴を含み、前記電磁鋼板の前記スロット部が形成される部分の少なくとも一部である第2部分を打ち抜く工程をさらに備える、請求項1〜7のいずれか1項に記載の回転電機用コアの製造方法。
前記第2部分を打ち抜く工程は、複数の前記スロット部が形成される部分の少なくとも一部である前記第2部分を一体的に打ち抜く工程である、請求項8に記載の回転電機用コアの製造方法。
前記ロータ板部材および前記ステータ板部材を形成する工程は、前記第2部分を打ち抜く工程の後、前記ステータ側逃がし穴および前記第2部分とは異なる前記電磁鋼板の前記ロータコアの外周となる部分を切り離すことにより、前記電磁鋼板から前記ロータ板部材を抜き落とした後、前記電磁鋼板から前記ステータ板部材を抜き落とす工程である、請求項8または9に記載の回転電機用コアの製造方法。
前記ロータ板部材および前記ステータ板部材を形成する工程は、前記電磁鋼板から前記ロータ板部材を抜き落とす工程の後、複数の前記スロット部と前記ロータコアの外周となる部分を切り離した部分とを一体的に打ち抜くことにより、前記スロット部を形成した後、前記電磁鋼板から前記ステータ板部材を抜き落とす工程である、請求項10に記載の回転電機用コアの製造方法。
前記ロータ側穴部を形成する工程は、前記電磁鋼板の前記孔部が形成される部分の一部にロータ側逃がし穴部を形成する工程である、請求項1〜11のいずれか1項に記載の回転電機用コアの製造方法。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0013】
[第1実施形態]
(回転電機の構造)
図1〜
図5を参照して、第1実施形態による回転電機100の構造について説明する。
【0014】
図1に示すように、回転電機100は、ロータ101とステータ102とを備える。ロータ101は、ロータコア10を含む。また、ステータ102は、ステータコア20を含む。
図2に示すように、ロータコア10は、複数のロータ板部材1が積層されて形成されている。また、ステータコア20は、複数のステータ板部材2が積層されて形成されている。なお、ロータコア10およびステータコア20は、請求の範囲の「回転電機用コア」の一例である。
【0015】
ここで、本願明細書では、「積層方向」とは、ロータコア10のロータ板部材1およびステータコア20のステータ板部材2の積層方向を意味し、Z方向を意味する。また、「軸方向」とは、ロータ101の回転軸線Cに沿った方向を意味し、Z方向を意味する。また、「径方向」は、ロータ101の径方向(矢印R1方向または矢印R2方向)を意味し、「周方向」は、ロータ101の周方向(矢印A1方向または矢印A2方向)を意味する。
【0016】
回転電機100は、たとえば、モータ、ジェネレータまたはモータ・ジェネレータとして構成されている。そして、ロータ101は、ステータ102の径方向内側において、ステータ102と径方向に対向するように配置されている。すなわち、回転電機100は、インナーロータ型の回転電機として構成されている。また、
図2に示すように、ロータコア10の径方向外側の端面である外周面10aと、ステータコア20の径方向内側の端面である内周面20aとは、隙間CL(エアギャップ)を隔てて配置されている。
【0017】
ロータコア10は、
図3に示すように、永久磁石30が内部に配置される複数の第1磁石用孔部11および複数の第2磁石用孔部12を有する。すなわち、第1実施形態の回転電機100は、埋込永久磁石型モータ(IPMモータ:Interior Permanent Magnet Motor)として構成している。ロータ101は、径方向内側の軸孔19に固定されたシャフト(図示せず)を介して、回転電機100の外部に回転力を伝達させるように構成されている。なお、第1磁石用孔部11および第2磁石用孔部12は、請求の範囲の「孔部」の一例である。
【0018】
たとえば、1つの磁極P(
図1参照)毎に、2つの第1磁石用孔部11と1つの第2磁石用孔部12とが設けられている。そして、Z方向に見て、2つの第1磁石用孔部11は、径方向外側に広がるV字状(またはハの字状)に配置されている。また、第2磁石用孔部12は、V字状の第1磁石用孔部11の周方向の間でかつ径方向外側に配置されている。また、ロータコア10には、2つの第1磁石用孔部11の周方向の間に、磁束漏れ抑制孔部13が設けられている。
【0019】
そして、第1磁石用孔部11と外周面10aとの間の部分(ブリッジ部分)には、第1潰し部14が形成されている。また、第2磁石用孔部12と外周面10aとの間の部分(ブリッジ部分)には、第2潰し部15が形成されている。また、第1磁石用孔部11と磁束漏れ抑制孔部13との間の部分(ブリッジ部分)には、第3潰し部16が形成されている。
【0020】
図4に示すように、第1潰し部14と第2潰し部15と第3潰し部16とのZ方向の厚みt1は、ロータ板部材1の厚みt2よりも小さい。そして、第1潰し部14と第2潰し部15と第3潰し部16では、ロータ板部材1の他の部分よりも磁気抵抗が大きく、磁極Pの内部における短絡磁束を減少させることが可能になる。
【0021】
また、
図3に示すように、ロータコア10には、ジャンプカット孔17と、カシメ部18が設けられており、カシメ部18同士、または、ジャンプカット孔17とカシメ部18とが嵌合することにより、ロータ板部材1同士が固定(位置決め)されている。
【0022】
ステータコア20には、
図5に示すように、ロータコア10側(径方向内側)に向かって径方向に突出する複数のティース部21と、隣り合うティース部21同士の間に形成されるスロット部22とが設けられている。スロット部22は、コイル(図示せず)が配置される。たとえば、スロット部22の周方向の幅W1は、径方向に渡って略一定に設定されている。これにより、スロット部22には、コイルを内径挿入することが可能である。
【0023】
また、ステータコア20には、ジャンプカット孔23と、カシメ部24とが設けられている。そして、カシメ部24同士、または、ジャンプカット孔23とカシメ部24とが嵌合することにより、ステータ板部材2同士が固定(位置決め)されている。また、ステータコア20には、耳穴25(
図1参照)が設けられている。
【0024】
また、
図1に示すように、第1潰し部14は、スロット部22に径方向に対向する位置に配置されている。第2潰し部15は、ティース部21に径方向に対向する位置に配置されている。
【0025】
(ロータコアおよびステータコアを製造するための装置の構成)
次に、第1実施形態によるロータコア10およびステータコア20を製造するためのプレス加工装置200(製造装置)について説明する。
【0026】
図6に示すように、プレス加工装置200は、帯状の電磁鋼板300を順次移動させながらプレス加工する順送プレス加工装置として構成されている。
【0027】
具体的には、プレス加工装置200は、上ダイセット210と、下ダイセット220とを含む。プレス加工装置200は、上ダイセット210と下ダイセット220との間に、帯状の電磁鋼板300が配置された状態で、送り機構により電磁鋼板300を矢印X2方向に搬送するように構成されている。
【0028】
プレス加工装置200には、上ダイセット210に配置された複数のパンチ211と、下ダイセット220に配置された複数のダイス221とが設けられている。そして、プレス加工装置200は、上ダイセット210を下ダイセット220に対して上下方向(Z方向)に移動させることにより、パンチ211とダイス221との間に電磁鋼板300を挟んで、打ち抜き加工、潰し加工、凸部形成(ダボ成形)加工等を行うように構成されている。なお、
図6では、プレス加工装置200の一部のパンチ211およびダイス221のみを図示しているが、後述する工程毎に、パンチ211およびダイス221が設けられているとともに、パンチ211およびダイス221の形状は、工程に対応させた形状を有する。
【0029】
たとえば、
図4に示すように、プレス加工装置200は、パンチ211およびダイス221により、第1潰し部14、第2潰し部15、および、第3潰し部16を、コイニング加工により形成するように構成されている。
【0030】
(ロータコアおよびステータコアの製造方法)
次に、ロータコア10およびステータコア20の製造方法について説明する。第1実施形態では、第1磁石用孔部11および第2磁石用孔部12を有する複数のロータ板部材1が積層されて形成されたロータコア10、および、スロット部22を有する複数のステータ板部材2が積層されて形成されたステータコア20の製造方法について説明する。
【0031】
以下の製造工程(ステップS1〜S12)は、プレス加工装置200(
図6参照)により実施され、電磁鋼板300が一方向に送出され、電磁鋼板300がパンチ211およびダイス221により挟み込まれる(プレスされる)ことにより、加工される。
【0032】
まず、
図7に示すように、ステップS1において、電磁鋼板300から、第1外径側逃がし穴41と、ジャンプカット孔17と、パイロット穴(図示せず)とが同時に打ち抜かれる。また、
図8に示すように、ステップS2において、電磁鋼板300から、第2外径側逃がし穴42と、中央ブリッジ一方逃がし穴51とが同時に打ち抜かれる。なお、第1外径側逃がし穴41および第2外径側逃がし穴42は、請求の範囲の「ステータ側逃がし穴」の一例である。また、
図7〜
図22では、ハッチング加工した部分を、図示した工程(ステップ)内で加工する部分として示し、ハッチング加工しない部分を、既に加工した部分として図示している。また、実線を加工後の部分として示し、点線を加工予定の部分(後の工程で加工される部分)として記載している。
【0033】
ここで、
図7に示すように、第1実施形態では、電磁鋼板300のうちのスロット部22が形成される部分の少なくとも第1部分41aが打ち抜かれることにより第1外径側逃がし穴41が形成される。たとえば、
図9Aに示すように、第1潰し部14が形成される部分とスロット部22が形成される部分との間の接続部分41bと第1部分41aとを一体的に打ち抜くことにより、平面視において、I字状を有する第1外径側逃がし穴41が打ち抜かれる。なお、「I字状」とは、「略I字形状」を含む広い概念を意味している。また、「一体的に打ち抜く」とは、一体的に形成されたパンチ211により打ち抜くことを意味している。
【0034】
また、
図8に示すように、第1実施形態では、電磁鋼板300のうちのスロット部22が形成される部分の少なくとも第1部分42aが打ち抜かれることにより第2外径側逃がし穴42が形成される。たとえば、
図9Bに示すように、第2潰し部15が形成される部分と2つの隣り合うスロット部22が形成される部分との間の接続部分42bと第1部分42aとを一体的に打ち抜くことにより、平面視において、U字状を有する第2外径側逃がし穴42が打ち抜かれる。なお、「U字状」とは、「略U字形状」を含む広い概念を意味している。
【0035】
ここで、ジャンプカット孔17は、後述するカシメ部18の凸部が配置される孔であり、ロータコア10(ブロックコア)の積層方向の端部を構成するロータ板部材1に形成され、他のロータ板部材1には、形成されない。また、パイロット穴は、電磁鋼板300上の位置を規定するための穴として用いられる。
【0036】
第1外径側逃がし穴41は、径方向内側に隣接して設けられる第1潰し部14が形成される際に、第1潰し部14からはみ出す部材を逃がすための孔部(肉逃がし用の下穴)として機能する。また、第2外径側逃がし穴42は、径方向内側に隣接して設けられる第2潰し部15が形成される際に、第2潰し部15からはみ出す部材を逃がすための孔部(肉逃がし用の下穴)として機能する。また、中央ブリッジ一方逃がし穴51は、第3潰し部16が形成される際の逃がし穴として機能する。
【0037】
また、
図9Aに示すように、第1外径側逃がし穴41の第1部分41aの周方向の幅W2が、接続部分41bの径方向の幅W3よりも大きい状態で、接続部分41bと第1部分41aとを一体的に打ち抜くことにより、第1外径側逃がし穴41が形成される。また、
図9Bに示すように、第2外径側逃がし穴42の第1部分42aの周方向の幅W4が、接続部分42bの径方向の幅W5よりも大きい状態で、接続部分42bと第1部分42aとを一体的に打ち抜くことにより、第2外径側逃がし穴42が形成される。
【0038】
また、第1実施形態では、接続部分42bの幅W5が0.4mm以上でかつ0.7mm以下となるように、第2外径側逃がし穴42が形成される。また、接続部分41bの幅W3も、接続部分42bと同様に、0.4mm以上でかつ0.7mm以下となるように、第1外径側逃がし穴41が形成される。また、ロータコア10およびステータコア20は、隙間CLの径方向の幅W7が、幅W5よりも大きく、かつ、0.6mm以上でかつ0.9mm以下となるように形成される。また、幅W7は、回転電機100の各構成部品の精度の積算に基づき設定される。すなわち、接続部分42bは、0.4mm以上でかつ0.9mmから径方向両側の取り代分(0.1mm×2)を差分した0.7mm以下である。また、ロータコア10の外周面10aと接続部分42bとの径方向の距離D1の大きさが、幅W5よりも小さく、かつ、0.1mm以上でかつ0.2mm以下となるように、ロータコア10が形成される。また、ステータコア20の内周面20a(ティース部21の先端面21a)と、接続部分42bとの径方向の距離D2の大きさが幅W5よりも小さく、かつ、0.1mm以上でかつ0.2mm以下になるようにステータコア20が形成される。すなわち、幅W5と距離D1およびD2との関係により、抜き代の部分(距離D1およびD2の部分)が確保される状態で、第2外径側逃がし穴42が形成される。また、距離D1およびD2は、好ましくは、電磁鋼板300の厚みt2以上の大きさである。
【0039】
また、第1実施形態では、
図9に示すように、スロット部22の周方向の幅W1よりも小さい周方向の幅W2を有する第1部分41aを含む第1外径側逃がし穴41が打ち抜かれるとともに、スロット部22の周方向の幅W1よりも小さい周方向の幅W4を有する第1部分42aを含む第2外径側逃がし穴42が打ち抜かれる。
【0040】
図10に示すように、ステップS3において、電磁鋼板300から、第1内径側逃がし穴43と、第2内径側逃がし穴44と、中央ブリッジ他方逃がし穴52とが同時に打ち抜かれる。なお、第1内径側逃がし穴43および第2内径側逃がし穴44は、請求の範囲の「ロータ側逃がし穴」および「ロータ側穴部」の一例である。
【0041】
ここで、第1内径側逃がし穴43は、第1磁石用孔部11が形成される領域の一部であり、第2内径側逃がし穴44は、第2磁石用孔部12が形成される領域の一部である。そして、第1内径側逃がし穴43は、径方向外側に隣接して設けられる第1潰し部14が形成される際に、第1潰し部14からはみ出す部材を逃がすための孔部として機能する。また、第2内径側逃がし穴44は、径方向外側に隣接して設けられる第2潰し部15が形成される際に、第2潰し部15からはみ出す部材を逃がすための孔部として機能する。また、中央ブリッジ他方逃がし穴52は、第3潰し部16が形成される際の逃がし穴として機能する。
【0042】
図11に示すように、ステップS4において、電磁鋼板300において、第1潰し部14、第2潰し部15、および、第3潰し部16が形成される。また、第1実施形態では、第1潰し部14は、第1外径側逃がし穴41と第1内径側逃がし穴43との間で、かつ、電磁鋼板300のロータコア10の径方向の外周面10aの一部となる部分の厚みをt2からt1に小さくされることにより形成される。また、第1実施形態では、第2潰し部15は、第2外径側逃がし穴42と第2内径側逃がし穴44との間で、かつ、電磁鋼板300のロータコア10の径方向の外周面10aの一部となる部分の厚みをt2からt1に小さくされることにより形成される。第3潰し部16は、中央ブリッジ一方逃がし穴51と中央ブリッジ他方逃がし穴52との間に形成される。
【0043】
具体的には、
図4に示すように、第1潰し部14、第2潰し部15、および、第3潰し部16は、パンチ211とダイス221とによりコイニング加工されることにより形成される。
【0044】
図12に示すように、ステップS5において、電磁鋼板300から第1磁石用孔部11が打ち抜かれる。具体的には、第1内径側逃がし穴43と中央ブリッジ他方逃がし穴52とが含まれている領域が打ち抜かれて、第1磁石用孔部11が形成される。
【0045】
図13に示すように、ステップS6において、電磁鋼板300から第2磁石用孔部12と、第2部分61と、軸孔19(
図1参照)と、磁束漏れ抑制孔部13とが打ち抜かれる。具体的には、2つの第2内径側逃がし穴44に渡る領域が打ち抜かれて、第2磁石用孔部12が形成される。また、2つの中央ブリッジ一方逃がし穴51に渡る領域が打ち抜かれて、磁束漏れ抑制孔部13が形成される。
【0046】
ここで、第1実施形態では、後述するロータコア10の外径(外周面10a)を打ち抜く工程(ステップS8)に先立って行われ、第1外径側逃がし穴41を含み、電磁鋼板300のスロット部22が形成される部分の少なくとも一部である第2部分61が、電磁鋼板300から打ち抜かれる。好ましくは、
図13に示すように、複数(たとえば、2つ)のスロット部22が形成される部分の少なくとも一部である第2部分61が一体的に打ち抜かれる。
【0047】
具体的には、第2部分61は、Z方向に見て、略U字状である。詳細には、第2部分61は、隣り合う第1外径側逃がし穴41同士の間の部分(エアギャップに対応する部分)を含むとともに、第1外径側逃がし穴41の周囲を覆う部分である。また、第2部分61のうちのスロット部22が形成される部分に対応する部分の周方向の幅W6は、スロット部22の周方向の幅W1よりも小さく、かつ、第1部分41aの周方向の幅W1よりも大きい。すなわち、スロット部22を仕上げ抜きの際にカス上がりを防止することが可能な程度に、スロット部22に肉が残された状態になっている。
【0048】
また、第2部分61は、ロータコア10の外周面10aの一部を含む。また、第2部分61が打ち抜かれることにより、ロータコア10の外周面10aの一部が形成される一方、ロータ板部材1自体は、この工程では打ち抜かれない。
【0049】
図14に示すように、ステップS7において、電磁鋼板300から第2部分62が打ち抜かれ、カシメ部18が加工されて形成される。詳細には、第2外径側逃がし穴42を含み、電磁鋼板300のスロット部22が形成される部分の少なくとも一部である第2部分62が、電磁鋼板300から打ち抜かれる。好ましくは、離間して配置された複数(たとえば、2つ)のスロット部22が形成される部分の少なくとも一部である第2部分62が一体的に打ち抜かれる。たとえば、第2部分62に対応するスロット部22同士の周方向の間に、2つのスロット部22が形成される領域が含まれる。
【0050】
また、第2部分62は、Z方向に見て、略U字状である。詳細には、第2部分62は、隣り合う第2外径側逃がし穴42同士の間および径方向内側の部分(エアギャップに対応する部分)を含むとともに、第2外径側逃がし穴42の周囲を覆う部分のうちの一部である。また、第2部分62のうちのスロット部22が形成される部分に対応する部分の周方向の幅W7は、スロット部22の周方向の幅W1よりも小さく、かつ、第1部分42aの周方向の幅W4よりも大きい。
【0051】
また、第2部分62は、ロータコア10の外周面10aの一部を含む。第2部分62が打ち抜かれることにより、ロータコア10の外周面10aの一部が形成される一方、ロータ板部材1自体は、この工程では打ち抜かれない。
【0052】
図15に示すように、ステップS8において、ロータ板部材1が抜き落とされる。第1実施形態では、外周面10aとなる部分のうち、第1外径側逃がし穴41および第2外径側逃がし穴42、および、第2部分61および62とは、異なる部分である切り離し部63を切り離すことにより、電磁鋼板300からロータ板部材1が抜き落とされる。そして、抜き落とされた複数のロータ板部材1が積層することにより、ロータコア10が形成される。なお、切り離し部63は、請求の範囲の「ロータコアの外周となる部分を切り離した部分」の一例である。
【0053】
図16に示すように、ステップS9において、電磁鋼板300からジャンプカット孔23が打ち抜かれる。そして、
図17に示すように、ステップS10において、電磁鋼板300からスロット部22が打ち抜かれる。第1実施形態では、電磁鋼板300からロータ板部材1を抜き落とす工程の後、複数のスロット部22と切り離し部63とを一体的に打ち抜くことにより、スロット部22が形成される。たとえば、電磁鋼板300から、切り離し部63と、切り離し部63に周方向に隣接する2つのスロット部22とが一体的に打ち抜かれる。
【0054】
図18に示すように、ステップS11において、カシメ部24が加工され、電磁鋼板300から耳穴25(
図1参照)が打ち抜かれる。そして、
図19に示すように、ステップS12において、電磁鋼板300からステータ板部材2が抜き落とされる。そして、複数のステータ板部材2が積層されることにより、ステータコア20が形成される。
【0055】
その後、
図3に示すように、ロータコア10に、永久磁石30が配置されることにより、ロータ101が形成される。ステータコア20に、コイルが配置されることにより、ステータ102が形成される。そして、
図1に示すように、ロータ101とステータ102とが組み立てられることにより、回転電機100が製造される。
【0056】
[第2実施形態]
次に、
図20を参照して、第2実施形態によるロータコア10およびステータコア20の製造方法について説明する。なお、第2実施形態による製造方法によって製造されたロータコア10およびステータコア20は、第1実施形態によるロータコア10およびステータコア20と同様の構成となる。また、第2実施形態による製造方法では、第1実施形態による製造方法におけるステップS1およびS2に換えてステップS101およびS102が実施される。なお、第1実施形態と同一の構成については、同一の符号を付して説明を省略する。
【0057】
図20Aに示すように、ステップS101において、第1外径側逃がし穴541が打ち抜かれる。第1外径側逃がし穴541として、接続部分541bと第1部分41aとが一体的に打ち抜かれる。また、
図20Bに示すように、ステップS102において、第2外径側逃がし穴542が同時に打ち抜かれる。第2外径側逃がし穴542として、接続部分542bと第1部分42aとが一体的に打ち抜かれる。なお、第1外径側逃がし穴541および第2外径側逃がし穴542は、請求の範囲の「ステータ側逃がし穴」の一例である。
【0058】
第2実施形態では、
図20Bに示すように、接続部分542bの幅W15が0.4mm以上でかつ0.8mm以下となるように、第2外径側逃がし穴542が形成される。また、接続部分541bの幅W13も、接続部分542bと同様に、0.4mm以上でかつ0.8mm以下となるように、第1外径側逃がし穴541が形成される。すなわち、接続部分542bは、0.4mm以上でかつ0.9mmから径方向内側の取り代分(0.1mm)を差分した0.8mm以下である。また、ロータコア10およびステータコア20は、隙間CLの径方向の幅はW7であり、かつ、0.6mm以上でかつ0.9mm以下となるように形成される。また、ロータコア10の外周面10aと接続部分542bとの径方向の距離D11の大きさが、幅W15よりも小さく、かつ、0.1mm以上でかつ0.2mm以下となるように、ロータコア10が形成される。また、ステータコア20の内周面20a(ティース21の先端面21a)と、接続部分42bとの径方向の距離D12の大きさが、略0mmになるようにステータコア20が形成される。すなわち、第2実施形態では、ステップS102の時点で、複数のティース21のうちの一部のティース21の先端面21aが仕上げ抜きされる。なお、第2実施形態によるその他の製造工程(ステップS3〜S12)は、第1実施形態と同様である。
【0059】
[第3実施形態]
次に、
図21を参照して、第3実施形態によるロータコア10およびステータコア20の製造方法について説明する。なお、第3実施形態による製造方法によって製造されたロータコア10およびステータコア20は、第1実施形態によるロータコア10およびステータコア20と同様の構成となる。また、第3実施形態による製造方法では、第1実施形態による製造方法におけるステップS3およびS5に換えてステップS203が実施される。なお、第1および第2実施形態と同一の構成については、同一の符号を付して説明を省略する。
【0060】
図21に示すように、ステップS203において、ロータ側穴部611が打ち抜かれる。ここで、ロータ側穴部611は、単に逃がし穴(下穴)として形成するものではなく、潰し部21が形成された後に、第1磁石用孔部11を構成するものである。すなわち、第3実施形態のステップS203では、第1実施形態のステップS5のように、第1潰し部21を形成する工程(ステップS4)の後、第1磁石用孔部11の仕上げ抜きが実施されずに、第1潰し部21の肉がロータ側穴部611に逃げた状態で、第1磁石用孔部11の製品形状となる。なお、第3実施形態によるその他の製造工程(ステップS1(S101)、S2(S102)、S4、および、S6〜S12)は、第1または第2実施形態と同様である。
【0061】
[第1〜第3実施形態の効果]
第1〜第3実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
【0062】
第1〜第3実施形態では、電磁鋼板(300)のスロット部(22)が形成される部分の少なくとも第1部分(41a、42a)にステータ側逃がし穴(41、42、541、542)を形成する。これにより、スロット部(22)の幅(W1)は、ロータコア(10)とステータコア(20)との間のエアギャップ(CL)の幅よりも大きいので、エアギャップ(CL)に対応する位置のみに逃がし穴を形成する場合に比べて、幅が大きいステータ側逃がし穴(41、42、541、542)を形成することができる。この結果、ロータ板部材(1)の外周に潰し部(14、15)を形成する場合でも、ステータ側逃がし穴(41、42、541、542)を打ち抜くためのパンチ(211)の強度を確保することができる。また、第1〜第3実施形態では、電磁鋼板(300)を打ち抜くことにより、ロータ板部材(1)およびステータ板部材(2)を形成するので、同一の電磁鋼板(300)から、ロータ板部材(1)およびステータ板部材(2)を共取りすることができる。これらの結果、外周(10a)に潰し部(14、15)を有するロータ板部材(1)とステータ板部材(2)とを同一の電磁鋼板(300)から共取りすることを可能にしながら、潰し部の逃がし穴形成用パンチ(211)の強度を確保することができる。
【0063】
また、第1〜第3実施形態では、ステータ側逃がし穴(41、42、541、542)を形成する工程は、潰し部(14、15)が形成される部分とスロット部(22)が形成される部分との間の接続部分(41b、42b、541b、542b)と第1部分(41a、42a)とを一体的に打ち抜くことにより、ステータ側逃がし穴(41、42、541、542)を形成する工程である。このように構成すれば、潰し部(14、15)が形成される部分が、スロット部(22)が形成される部分から離間する位置に設けられている場合でも、離間する部分を接続する接続部分(41b、42b、541b、542b)を、第1部分(41a、42a)と一体的に打ち抜くことにより、一体的に打ち抜くパンチ(211)の強度を確保しながらステータ側逃がし穴(41、42、541、542)を形成することができる。
【0064】
また、第1〜第3実施形態では、ステータ側逃がし穴(41、42、541、542)を形成する工程は、接続部分(41b、42b、541b、542b)と第1部分(41a、42a)とを、平面視において、U字状、L字状またはI字状のうちの少なくとも1つの形状を有するように一体的に打ち抜くことにより、ステータ側逃がし穴(41、42、541、542)を形成する工程である。このように構成すれば、U字状、L字状またはI字状に打ち抜くことにより、ステータ側逃がし穴形成用パンチ(211)の径方向の長さ(打ち抜き部分の面積)を大きくすることができるので、偏心荷重に対する強度を向上させることができる。また、I字状に打ち抜くことにより、比較的複雑な形状にパンチ(211)を構成する必要がなくなるので、パンチ(211)の強度を確保しながら、潰し部(14、15)の逃がし穴形成用パンチ(211)の構成が複雑になるのを防止することができる。
【0065】
また、第1〜第3実施形態では、ステータ側逃がし穴(41、42、541、542)を形成する工程は、第1部分(41a、42a)の周方向の幅(W2、W4)が接続部分(41b、42b、541b、542b)の径方向の幅(W3、W5)よりも大きい状態で、接続部分(41b、42b、541b、542b)と第1部分(41a、42a)とを一体的に打ち抜くことにより、ステータ側逃がし穴(41、42、541、542)を形成する工程である。このように構成すれば、たとえば、接続部分(41b、42b、541b、542b)をエアギャップ(CL)に対応する位置に設けることにより、接続部分(41b、42b、541b、542b)の径方向の幅(W3、W5)が比較的小さい場合でも、第1部分(41a、42a)の周方向の幅(W2、W4)が比較的大きいことにより、潰し部(14、15)の逃がし穴形成用パンチ(211)の強度をより一層確保することができる。
【0066】
また、第2および第3実施形態では、ステータ側逃がし穴(541、542)を形成する工程は、接続部分(541b、542b)の径方向の幅(W13、W15)が0.4mm以上でかつ0.8mm以下となるように、ステータ側逃がし穴(541、542)を形成する工程である。このように構成すれば、接続部分(541b、542b)の径方向の幅(W13、W15)を0.4mm未満とする場合と異なり、パンチ(211)の剛性を向上させることができる。そして、接続部分(541b、542b)の径方向の幅(W13、W15)を0.8mmよりも大きくする場合と異なり、潰し部(14、15)を形成する工程の後における潰し部(14、15)のロータ外周面(10a)の仕上げ打ち抜き加工性を向上させることができる。すなわち、ロータ外周面(10a)と接続部分(541b、542b)との間に、取り代を形成することができるので、パンチ(211)の剛性を向上させながら、ロータ外周面(10a)の仕上げ打ち抜き加工性を向上させることができる。
【0067】
また、第1および第3実施形態では、ステータ側逃がし穴(41、42)を形成する工程は、接続部分(41b、42b)の径方向の幅(W3、W5)が0.4mm以上でかつ0.7mm以下となるように、ステータ側逃がし穴(41、42)を形成する工程である。このように構成すれば、接続部分(41b、42b)の径方向の幅(W3、W5)を0.4mm未満とする場合と異なり、パンチ(211)の剛性を向上させることができる。そして、接続部分(41b、42b)の径方向の幅(W3、W5)を0.7mmよりも大きくする場合と異なり、潰し部(14、15)を形成する工程の後における潰し部(14、15)のロータコア(10)の外周面(10a)と、ティース(21)の先端面(21a)の両側との打ち抜き加工性を向上させることができる。すなわち、上記のように構成することにより、接続部分(41b、42b)と外周面(10a)との間および接続部分(41b、42b)と先端面(21a)との間に取り代(抜き代)(D1、D2の部分)を残存させることができるので、打ち抜き加工性を向上させることができる。この結果、パンチ(211)の剛性を向上させながら、ロータコア(10)の外周面(10a)と、ティース(21)の先端面(21a)との径方向両側における仕上げ打ち抜き加工性を向上させることができる。
【0068】
また、第1〜第3実施形態では、ステータ側逃がし穴(41、42、541、542)を形成する工程は、スロット部(22)の周方向の幅(W1)よりも小さい周方向の幅(W2、W4)を有する第1部分(41a、42a)に、ステータ側逃がし穴(41、42、541、542)を形成する工程である。このように構成すれば、第1部分(41a、42a)を打ち抜いた後に、スロット部(22)を打ち抜く際に、打ち抜かれるスロット部(22)の周方向の幅を確保することができるので、スロット部(22)を打ち抜く際のカス上がりを防止することができる。なお、「カス上がり」とは、打ち抜かれた抜きカスが、ダイ穴から上方向に戻ってしまう現象を意味するものとして記載している。
【0069】
また、第1〜第3実施形態では、ステータ側逃がし穴(41、42、541、542)を形成する工程の後で、かつ、ロータ板部材(1)を形成する工程の前に、ステータ側逃がし穴(41、42、541、542)を含み、電磁鋼板(300)のスロット部(22)が形成される部分の少なくとも一部である第2部分(61、62)を打ち抜く工程をさらに備える。ここで、ロータ板部材を形成する工程の後に、第2部分を打ち抜くように構成した場合には、ステータ側逃がし穴およびロータ板部材を打ち抜いた後に、比較的幅が小さく、ロータ板部材に対応する領域に支持されない状態の第2部分が電磁鋼板に残存する。この状態で第2部分を打ち抜けば、カス上がりが発生しやすくなると考えられる。これに対して、第1〜第3実施形態では、ステータ側逃がし穴(41、42、541、542)を形成する工程の後で、かつ、ロータ板部材(1)を形成する工程の前に、第2部分(61、62)が打ち抜かれるので、ロータ板部材(1)に対応する部分が電磁鋼板(300)に残存する状態で、第2部分(61、62)を打ち抜くことができる。この結果、ロータ板部材(1)に対応する部分により第2部分(61、62)を支持した状態で、第2部分(61、62)を打ち抜くことができるので、第2部分(61、62)を打ち抜く際のカス上がりを防止することができる。
【0070】
また、第1〜第3実施形態では、第2部分(61、62)を打ち抜く工程は、複数のスロット部(22)が形成される部分の少なくとも一部である第2部分(61、62)を一体的に打ち抜く工程である。このように構成すれば、1つのスロット部が形成される部分の第2部分のみを打ち抜く場合に比べて、パンチ(211)を大型化することができるので、潰し部(14、15)の逃がし穴形成用パンチ(211)の強度をより一層確保することができる。
【0071】
また、第1〜第3実施形態では、ロータ板部材(1)およびステータ板部材(2)を形成する工程は、第2部分(61、62)を打ち抜く工程の後、ステータ側逃がし穴(41、42、541、542)および第2部分(61、62)とは異なる電磁鋼板(300)のロータコア(10)の外周(10a)となる部分を切り離すことにより、電磁鋼板(300)からロータ板部材(1)を抜き落とした後、電磁鋼板(300)からステータ板部材(2)を抜き落とす工程である。このように構成すれば、第2部分(61、62)を打ち抜いた後に、ロータ板部材(1)およびステータ板部材(2)を抜き落とすので、第2部分(61、62)を、ロータ板部材(1)を打ち抜く前に打ち抜いた場合でも、ロータ板部材(1)とステータ板部材(2)とを個別に抜き落とすことができる。
【0072】
また、第1〜第3実施形態では、ロータ板部材(1)およびステータ板部材(2)を形成する工程は、電磁鋼板(300)からロータ板部材(1)を抜き落とす工程の後、複数のスロット部(22)とロータコア(10)の外周(10a)となる部分を切り離した部分(63)とを一体的に打ち抜くことにより、スロット部(22)を形成した後、電磁鋼板(300)からステータ板部材(2)を抜き落とす工程である。このように構成すれば、ロータコア(10)の外周(10a)となる部分を切り離した部分(63)および第1部分(41a、42a)が打ち抜かれた後のスロット部(22)では、打ち抜かれる部分の幅が比較的小さくなるので、複数のスロット部(22)とロータコア(10)の外周(10a)となる部分を切り離した部分(63)とを一体的に打ち抜くことにより潰し部(14、15)の逃がし穴形成用パンチ(211)の強度を確保するとともに、カス上がりを防止することができる。
【0073】
また、第1および第2実施形態では、ロータ側穴部(43、44)を形成する工程は、電磁鋼板(300)の孔部(11、12)が形成される部分の一部にロータ側逃がし穴部(43、44)を形成する工程である。このように構成すれば、電磁鋼板(300)の孔部(11、12)が形成される部分を利用してロータ側逃がし穴部(43、44)を形成することができるので、電磁鋼板(300)に孔部(11、12)とは別途、ロータ側逃がし穴部専用の穴部を設ける必要がなくなる。この結果、ロータ側逃がし穴部専用の穴部を設けることに起因して、ロータコア(10)内の磁束の通過が阻害されることを防止することができる。
【0074】
[変形例]
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく請求の範囲によって示され、さらに請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更(変形例)が含まれる。
【0075】
たとえば、上記実施形態では、ロータコアをステータコアの径方向内側に配置するいわゆるインナーロータとして構成する例を示したが、本発明はこれに限られない。すなわち、ロータコアをステータコアの径方向外側に配置して、ロータをアウターロータとして構成してもよい。
【0076】
また、上記実施形態では、第1外径側逃がし部をI字状に打ち抜き、第2外径側逃がし部をU字状に打ち抜く例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、
図22に示す変形例の製造方法のように、第2外径側逃がし部442を、平面視おいて、L字状に打ち抜いてもよい。第2外径側逃がし部(442)をL字状に形成することにより、第2潰し部(15)の周方向位置とスロット部(22)の周方向位置とが異なる位置に設けられている場合でも、パンチ(221)の強度を確保することができる。
【0077】
また、上記実施形態では、第1内径側逃がし部および第2内径側逃がし部を、第1磁石用孔部または第2磁石用孔部となる部分に形成する例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、磁束漏れ抑制用の孔部となる部分に、第1内径側逃がし部および第2内径側逃がし部を形成してもよい。
【0078】
また、上記実施形態では、スロット部を周方向に一定の幅を有するように形成する例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、スロット部を、ロータコア側に向かって徐々に周方向の幅が広がるように形成してもよい。
【0079】
また、上記実施形態では、幅W3(W13)、および、幅W5(W15)等、数値例を示したが、本発明はこれに限られない。すなわち、上記実施形態では、好ましい例を記載したものであり、幅W3(W13)、および、幅W5(W15)等を上記数値例以外の大きさに構成してもよい。