(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記ディッピング(dipping)コーティング部は、形状異方性を有する金属磁性粉末を、各粉末の長軸を水平に向けて含むスラリーに前記コイル部をディッピング(dipping)して形成される、請求項1に記載のコイル電子部品。
前記ディッピング(dipping)コーティング部に含まれた形状異方性を有する金属磁性粉末は、前記コイル部の上部から側部又は前記コイル部の下部から側部にかけて、前記コイル部の厚さ方向に垂直から順次に平行になるように長軸の向きを変えて配列される、請求項1又は2に記載のコイル電子部品。
前記形状異方性を有する金属粉末は、板状面の一軸が前記コイル部によって発生した磁束の流れ方向に向かうように配列される、請求項1から3のいずれか一項に記載のコイル電子部品。
前記ディッピング(dipping)コーティング部に含まれた形状異方性を有する金属磁性粉末は、前記コイル部の上部及び下部では板状面の一軸が前記コイル部の厚さ方向に垂直であるように配列され、前記コイル部の側部では板状面の一軸が前記コイル部の厚さ方向に水平であるように配列される、請求項1から3のいずれか一項に記載のコイル電子部品。
前記形状異方性を有する金属磁性粉末は、鉄(Fe)、ケイ素(Si)、ホウ素(B)、クロム(Cr)、アルミニウム(Al)、銅(Cu)、ニオビウム(Nb)及びニッケル(Ni)からなる群から選択されたいずれか一つ以上を含む金属又は合金からなる、請求項1〜5のいずれか一項に記載のコイル電子部品。
前記コア部及び外周部のうち少なくとも一つは形状異方性を有する金属磁性粉末を含み、前記コア部及び外周部のうち少なくとも一つに含まれた形状異方性を有する金属磁性粉末は板状面の一軸が前記コイル部の厚さ方向に水平であるように配列される、請求項1〜11のいずれか一項に記載のコイル電子部品。
前記第1及び第2のカバー部のうち少なくとも一つは形状異方性を有する金属磁性粉末を含み、前記第1及び第2のカバー部のうち少なくとも一つに含まれた形状異方性を有する金属磁性粉末は板状面の一軸が前記コイル部の厚さ方向に垂直であるように配列される、請求項1〜12のいずれか一項に記載のコイル電子部品。
前記ディッピング(dipping)コーティング部に含まれた形状異方性を有する金属磁性粉末は、前記コイル部の上部から側部又は前記コイル部の下部から側部にかけて、前記コイル部の厚さ方向に垂直から順次に平行になるように長軸の向きを変えて配列される、請求項15に記載のコイル電子部品の製造方法。
前記コア部、外周部及び第1及び第2のカバー部のうち少なくとも一つに形状異方性を有する金属磁性粉末を含む磁性体シートを配置した後、前記磁性体シートを積層及び圧着する、請求項15から17のいずれか一項に記載のコイル電子部品の製造方法。
前記第1及び第2のディッピング(dipping)コーティング部上に追加の層を形成するために、形状異方性を有する金属磁性粉末を、各粉末の長軸を水平に向けて含むスラリーに前記第1及び第2のコイル導体を交互に及び繰り返しディッピング(dipping)する段階をさらに含む、請求項19に記載のコイル電子部品の製造方法。
前記第1のディッピング(dipping)コーティング部に含まれた形状異方性を有する金属磁性粉末は、前記第1のコイル導体の上部から側部にかけて、前記コイル部の厚さ方向に垂直から順次に平行になるように長軸の向きを変えて配列される、請求項19又は20に記載のコイル電子部品の製造方法。
前記第2のディッピング(dipping)コーティング部は、前記第2のコイル導体の上部と、前記第2のコイル導体の上部から伸びる前記第2のコイル導体の側部の一部又は全部と、を覆って形成され、
前記第2のディッピング(dipping)コーティング部は、形状異方性を有する金属磁性粉末を、各粉末の長軸を前記コイル部の厚さ方向に関する断面上で前記第2のコイル導体の周方向に向けて含む、
請求項19から21のいずれか一項に記載のコイル電子部品の製造方法。
前記第2のディッピング(dipping)コーティング部に含まれた形状異方性を有する金属磁性粉末は、前記第2のコイル導体の上部から側部にかけて、前記コイル部の厚さ方向に垂直から順次に平行になるように長軸の向きを変えて配列される、請求項22に記載のコイル電子部品の製造方法。
前記第1及び第2のディッピング(dipping)コーティング部のそれぞれにおいて、前記形状異方性を有する金属磁性粉末は、板状面の一軸が前記コイル部によって発生した磁束の流れ方向に向かうように配列される、請求項19から23のいずれか一項に記載のコイル電子部品の製造方法。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下では、添付の図面を参照して本発明の好ましい実施形態について説明する。しかし、本発明の実施形態は様々な他の形態に変形されることができ、本発明の範囲は以下で説明する実施形態に限定されない。また、本発明の実施形態は、当該技術分野で平均的な知識を有する者に本発明をより完全に説明するために提供されるものである。したがって、図面における要素の形状及び大きさなどはより明確な説明のために誇張されることがある。
【0010】
コイル電子部品
以下では、本発明の一実施形態によるコイル電子部品を説明するにあたり、特に薄膜型インダクタとして説明するが、必ずしもこれに制限されるものではない。
【0011】
図1は、本発明の一実施形態によるコイル電子部品のコイル部を示す斜視図である。
【0012】
図1を参照すると、コイル電子部品の一例として電源供給回路の電源ラインに用いられる薄膜型パワーインダクタが開示される。
【0013】
本発明の一実施形態によるコイル電子部品100は、支持部20の両側に形成されたコイル部40、上記支持部20及びコイル部40を囲む磁性体部50、上記磁性体部50の外側に配置されて上記コイル部40と接続する第1及び第2の外部電極81、82を含む。
【0014】
本発明の一実施形態によるコイル電子部品100において、「長さ」方向は
図1の「L」方向、「幅」方向は「W」方向、「厚さ」方向は「T」方向と定義する。
【0015】
上記コイル部40は、支持部20の一面に形成された第1のコイル導体41と、上記支持部20の一面と対向する他面に形成された第2のコイル導体42が連結されて形成される。
【0016】
上記第1及び第2のコイル導体41、42のそれぞれは上記支持部20の同一平面上に形成される平面コイル状であればよい。
【0017】
上記第1及び第2のコイル導体41、42は螺旋(spiral)状に形成されることができる。
【0018】
上記第1及び第2のコイル導体41、42は支持部20上に電気メッキを行って形成されることができるが、必ずしもこれに制限されるものではない。
【0019】
上記第1及び第2のコイル導体41、42は、電気伝導性に優れた金属を含んで形成され、例えば、銀(Ag)、パラジウム(Pd)、アルミニウム(Al)、ニッケル(Ni)、チタン(Ti)、金(Au)、銅(Cu)、白金(Pt)又はこれらの合金などで形成されることができる。
【0020】
上記第1及び第2のコイル導体41、42は、絶縁膜(
図1に図示せず)で被覆されて磁性体部50をなす磁性材料と直接接触しない。
【0021】
上記支持部20は、例えば、印刷回路基板、フェライト基板又は金属系軟磁性基板などで形成される。但し、必ずしもこれに制限されるものではなく、第1及び第2のコイル導体41、42の形成及び支持が可能なものであればいずれのものでも適用可能である。
【0022】
上記支持部20の中央部は除去されて貫通孔を形成し、上記貫通孔は磁性材料で充填されてコイル部40の内側にコア部55を形成する。
【0023】
上記コア部55が磁性材料で充填されることにより、磁束が通過する磁性体の面積が増加してインダクタンス(L)を向上させることができる。
【0024】
但し、上記支持部20は必ずしも含まれるものではなく、支持部を含まず、金属ワイヤ(wire)でコイル部を形成してもよい。
【0025】
上記コイル部40を囲む磁性体部50は、磁気特性を示す磁性材料であれば制限なく含むことができ、例えば、フェライト又は金属粉末を含むことができる。
【0026】
上記磁性体部50に含まれた磁性材料の透磁率が高いほど、磁束が通過する磁性体部50の面積が大きいほど、インダクタンス(L)が向上することができる。
【0027】
上記第1のコイル導体41の一端部は伸びて第1の引出部41'を形成し、上記第1の引出部41'は磁性体部50の長さ(L)方向の一端面に露出し、上記第2のコイル導体42の一端部は伸びて第2の引出部42'を形成し、上記第2の引出部42'は磁性体部50の長さ(L)方向の他端面に露出する。
【0028】
但し、必ずしもこれに制限されず、上記第1及び第2の引出部41'、42'は上記磁性体部50の少なくとも一面に露出してもよい。
【0029】
上記磁性体部50の端面に露出する上記第1及び第2の引出部41'、42'とそれぞれ接続するように上記磁性体部50の外側に第1及び第2の外部電極81、82が形成される。
【0030】
上記第1及び第2の外部電極81、82は、電気伝導性に優れた金属を含んで形成され、例えば、銅(Cu)、銀(Ag)、ニッケル(Ni)又はスズ(Sn)などの単独又はこれらの合金などで形成されることができる。
【0031】
図2は、
図1のI−I'線に沿う断面図である。
【0032】
図2を参照すると、本発明の一実施形態によるコイル電子部品100の磁性体部50は、上記コイル部40の周辺に形成されたディッピング(dipping)コーティング部53を含み、上記ディッピング(dipping)コーティング部53は、形状異方性を有する金属粉末61を含む。
【0033】
上記磁性体部50は、上記コイル部40の内側に形成されたコア部55、上記コイル部40の外側に形成された外周部54(
図4参照)、上記コイル部40の上側及び下側に形成された第1及び第2のカバー部51、52を含んでなり、本発明の一実施形態では、上記コア部55、外周部54、第1及び第2のカバー部51、52に形状等方性を有する金属粉末71を含む。
【0034】
上記形状異方性を有する金属粉末61及び形状等方性を有する金属粉末71は、鉄(Fe)、ケイ素(Si)、ホウ素(B)、クロム(Cr)、アルミニウム(Al)、銅(Cu)、ニオビウム(Nb)及びニッケル(Ni)からなる群から選択されたいずれか一つ以上を含む金属又は合金からなり、結晶質又は非晶質金属であればよい。
【0035】
例えば、上記形状異方性を有する金属粉末61又は形状等方性を有する金属粉末71はFe−Si−Cr系非晶質金属であればよいが、必ずしもこれに制限されるものではない。
【0036】
上記形状異方性を有する金属粉末61及び形状等方性を有する金属粉末71は熱硬化性樹脂に分散された形で含まれる。
【0037】
上記熱硬化性樹脂は、例えば、エポキシ(epoxy)樹脂又はポリイミド(polyimide)などであればよい。
【0038】
図3aは、形状等方性金属粉末の拡大斜視図であり、
図3bは、形状異方性金属粉末の拡大斜視図である。
【0039】
図3aを参照すると、形状等方性を有する金属粉末71は球形を示すことができる。このようにx軸、y軸、z軸方向に全て同一の特性を示すことを形状等方性という。
【0040】
形状等方性を有する金属粉末71は、x軸、y軸、z軸方向に全て同一の透磁率を示す。
【0041】
これに対し、形状異方性を有する金属粉末61はx軸、y軸、z軸方向にそれぞれ異なる特性を示す。
【0042】
図3bに示されるように、形状異方性を有する金属粉末61は、例えば、板状金属粉末で示すことができる。
【0043】
一般に、形状異方性を有する金属粉末61は、形状等方性を有する金属粉末71に比べて高い透磁率を示す。よって、インダクタンス(L)の向上のために、形状等方性を有する金属粉末71に比べて透磁率が高い形状異方性を有する金属粉末61を含むシートを用いてコイル電子部品を製造した。
【0044】
しかしながら、形状異方性を有する金属粉末61は方向別に透磁率が異なるため、全体の透磁率は形状等方性を有する金属粉末71に比べて高いとしても、特定方向への透磁率は非常に低く、コイル部に印加された電流によって生成される磁束の流れを阻害する可能性がある。
【0045】
例えば、
図3bに示された形状異方性を有する金属粉末61は、板状面61'上のx軸、y軸方向への透磁率は高いが、板状面61'と垂直なz軸方向への透磁率は非常に低い。したがって、このような形状異方性を有する金属粉末61は、z軸方向に流れる磁束の流れを阻害し、その結果、インダクタンス(L)が却って減少するという問題があった。
【0046】
よって、本発明の一実施形態では、
図2に示されるように形状異方性を有する金属粉末61を含むディッピング(dipping)コーティング部53を形成し、上記ディッピング(dipping)コーティング部53に含まれた形状異方性を有する金属粉末61を板状面61'の一軸が磁束の流れ方向に向かうように配列することにより、上述した問題を解決した。
【0047】
上記形状異方性を有する金属粉末61は板状面61'の一軸方向に高い透磁率を示すため、上記形状異方性を有する金属粉末61を板状面61'の一軸が磁束の流れ方向に向かうように配列することにより磁束の流れを円滑にし、高い透磁率によってインダクタンス(L)を向上させることができる。また、形状異方性を有する金属粉末61の高い飽和磁化値(Ms)によって優れたQ特性及びDC−Bias特性などを具現することができる。
【0048】
上記ディッピング(dipping)コーティング部53は、形状異方性を有する金属粉末61を含むスラリーに上記コイル部40をディッピング(dipping)して形成される。
【0049】
従来は、形状異方性を有する金属粉末61を含むシートを用いてコイル電子部品を製造したため、形状異方性を有する金属粉末61が磁束の流れ方向に向かうように配列されるのに限界があった。即ち、形状異方性を有する金属粉末61を含むシートを用いて製造する場合、形状異方性を有する金属粉末61が磁束の流れ方向に向かうように配列させることが実質的には困難であり、特に、磁束の流れ方向の変化が大きい一部の領域において形状異方性を有する金属粉末61が磁束の流れ方向に向かうように配列されることができず、磁束の流れを阻害するという問題があった。
【0050】
よって、本発明の一実施形態では、形状異方性を有する金属粉末61を含むスラリーにコイル部40をディッピング(dipping)して、形状異方性を有する金属粉末61が磁束の流れ方向に向かうように配列されたディッピング(dipping)コーティング部53を形成する。
【0051】
形状異方性を有する金属粉末61がシートに含まれて形成される場合よりも、スラリーに含まれてディッピング(dipping)して形成される場合に、形状異方性を有する金属粉末61がより流動性を有して配列されることができるため、磁束の流れ方向に向かうように配列されることができる。
【0052】
このとき、上記コイル部40をなす第1及び第2のコイル導体41、42上には第1及び第2のコイル導体41、42を覆う絶縁膜30が形成され、上記絶縁膜30上に上記ディッピング(dipping)コーティング部53が形成されることができる。
【0053】
上記絶縁膜30は、例えば、エポキシ樹脂、ポリイミド(polyimid)樹脂などの高分子物質、フォトレジスト(photo resist、PR)、金属酸化物などを含むことができるが、必ずしもこれに制限されるものではなく、上記第1及び第2のコイル導体41、42を囲んでショート(short)を防止することができる絶縁物質であればいずれのものでも適用可能である。
【0054】
上記ディッピング(dipping)コーティング部53に含まれた形状異方性を有する金属粉末61は、板状面61'の一軸が磁束の流れ方向に向かうように配列される。
【0055】
例えば、上記ディッピング(dipping)コーティング部53に含まれた形状異方性を有する金属粉末61は、上記コイル部40の上部及び下部では板状面61'の一軸が上記コイル部40の厚さ(t)方向に垂直であるように配列され、上記コイル部40の側部では板状面61'の一軸が上記コイル部40の厚さ(t)方向に水平であるように配列される。
【0056】
これにより、形状異方性金属粉末61によって磁束の流れが阻害されることを防止し、磁束の流れをさらに円滑にして、より高いインダクタンス(L)を具現することができる。
【0057】
特に、磁束が集中するコイル部40の周辺に上記ディッピング(dipping)コーティング部53が形成されるため、インダクタンス(L)の向上により効果的である。
【0058】
図4は、
図1のII−II'線に沿う断面図である。
【0059】
図4を参照すると、本発明の一実施形態によるコイル電子部品100は、コイル部40の周辺に形状異方性を有する金属粉末61を含むディッピング(dipping)コーティング部53が形成され、コア部55、外周部54、第1及び第2のカバー部51、52には形状等方性を有する金属粉末71が含まれる。
【0060】
これは、コイル部40を、形状異方性を有する金属粉末61を含むスラリーにディッピング(dipping)してディッピング(dipping)コーティング部53を形成した後、形状等方性を有する金属粉末71を含む磁性体シートを積層及び圧着して形成することができる。
【0061】
図5は、本発明の一実施形態によるコイル電子部品のディッピング(dipping)コーティング部が形成されたコイル部を拡大した断面図である。
【0062】
図5を参照すると、上記コイル部40をなす第1及び第2のコイル導体41、42上には第1及び第2のコイル導体41、42を覆う絶縁膜30が形成され、上記絶縁膜30上に上記ディッピング(dipping)コーティング部53が形成される。
【0063】
上記ディッピング(dipping)コーティング部53は形状異方性を有する金属粉末61を含み、上記形状異方性を有する金属粉末61は、板状面61'の一軸が磁束の流れ方向に沿って配列される。
【0064】
即ち、上記ディッピング(dipping)コーティング部53に含まれた形状異方性を有する金属粉末61のうち上記コイル部40の上部及び下部に形成された形状異方性を有する金属粉末61は、板状面61'の一軸が上記コイル部40の厚さ(t)方向に垂直であるように配列され、上記コイル部40の側部に形成された形状異方性を有する金属粉末61は、板状面61'の一軸が上記コイル部40の厚さ(t)方向に水平であるように配列される。
【0065】
図6〜
図9は、本発明のそれぞれ異なる実施形態によるコイル電子部品の長さ−厚さ(L−T)方向の断面図である。
【0066】
図6を参照すると、本発明の他の実施形態によるコイル電子部品100は、上記形状異方性を有する金属粉末61を含むディッピング(dipping)コーティング部53が、コイル部40の上部及び下部と、上記コイル部40の上部及び下部から伸びるコイル部40の側部の一部に形成される。
【0067】
即ち、
図2に示された本発明の一実施形態では、上記ディッピング(dipping)コーティング部53が、コイル部40の上部及び下部と、上記コイル部40の上部及び下部から伸びるコイル部40の側部の全部に形成されるが、
図6に示された本発明の他の実施形態では、上記ディッピング(dipping)コーティング部53が、コイル部40の上部及び下部と、上記コイル部40の上部及び下部から伸びるコイル部40の側部の一部に形成される。
【0068】
上記コイル部40を、形状異方性を有する金属粉末61を含むスラリーにディッピング(dipping)するとき、ディッピング(dipping)する程度、即ち、コイル部40がスラリーにディッピング(dipping)される深さを調節して、ディッピング(dipping)コーティング部53の形状を異ならせることができる。
【0069】
図6に示された本発明の他の実施形態によるコイル電子部品100のディッピング(dipping)コーティング部53に含まれた形状異方性を有する金属粉末61も、上述した内容と同様に板状面61'の一軸が磁束の流れ方向に向かうように配列される。
【0070】
図6に示された本発明の他の実施形態には、上記ディッピング(dipping)コーティング部53がコイル部40の側部の一部に形成されることを除き、上述した本発明の一実施形態によるコイル電子部品100の構成と重複する構成が同一に適用されることができる。
【0071】
図7を参照すると、本発明のさらに他の実施形態によるコイル電子部品100は、上記コイル部40の周辺に形状異方性を有する金属粉末61を含むディッピング(dipping)コーティング部53が形成され、コア部55に形状異方性を有する金属粉末61がさらに含まれる。
【0072】
上記コア部55に含まれた形状異方性を有する金属粉末61は、板状面61'の一軸が磁束の流れ方向に向かうように上記コイル部40の厚さ(t)方向に水平であるように配列される。これにより、
図2に示された本発明の一実施形態である、コア部55に形状等方性を有する金属粉末71を含む場合よりも、コア部55に形成された形状異方性を有する金属粉末61の高い透磁率によってインダクタンス(L)をさらに向上させることができる。
【0073】
一方、
図7には示されていないが、コア部55と同様に外周部54にも、形状異方性を有する金属粉末61が、板状面61'の一軸が磁束の流れ方向に向かうように上記コイル部40の厚さ(t)方向に水平であるように配列されることができる。
【0074】
これは、コイル部40を、形状異方性を有する金属粉末61を含むスラリーにディッピング(dipping)してディッピング(dipping)コーティング部53を形成し、上記コア部55及び/又は外周部54に形状異方性を有する金属粉末61を含む磁性体シートを配置した後、形状等方性を有する金属粉末71を含む磁性体シートを積層及び圧着して形成することができる。
【0075】
図7に示された本発明のさらに他の実施形態には、上記コア部55に形状異方性を有する金属粉末61が形成されることを除き、上述した本発明の一実施形態によるコイル電子部品100の構成と重複する構成が同一に適用されることができる。
【0076】
図8を参照すると、本発明のさらに他の実施形態によるコイル電子部品100は、上記コイル部40の周辺に形状異方性を有する金属粉末61を含むディッピング(dipping)コーティング部53が形成され、第1及び第2のカバー部51、52に形状異方性を有する金属粉末61がさらに含まれる。
【0077】
上記第1及び第2のカバー部51、52に含まれた形状異方性を有する金属粉末61は、板状面61'の一軸が磁束の流れ方向に向かうように上記コイル部40の厚さ(t)方向に垂直であるように配列される。これにより、
図2に示された本発明の一実施形態である、第1及び第2のカバー部51、52に形状等方性を有する金属粉末71を含む場合よりも、第1及び第2のカバー部51、52に形成された形状異方性を有する金属粉末61の高い透磁率によってインダクタンス(L)をさらに向上させることができる。
【0078】
これは、コイル部40を、形状異方性を有する金属粉末61を含むスラリーにディッピング(dipping)してディッピング(dipping)コーティング部53を形成し、形状等方性を有する金属粉末71を含む磁性体シートを積層及び圧着してコア部55を形成し、上記第1及び第2のカバー部51、52に形状異方性を有する金属粉末61を含む磁性体シートを配置した後、形状等方性を有する金属粉末71を含む磁性体シートを再び積層及び圧着して形成することができる。
【0079】
図8に示された本発明のさらに他の実施形態には、上記第1及び第2のカバー部51、52に形状異方性を有する金属粉末61が形成されることを除き、上述した本発明の一実施形態によるコイル電子部品100の構成と重複する構成が同一に適用されることができる。
【0080】
図9を参照すると、本発明のさらに他の実施形態によるコイル電子部品100は、上記コイル部40の周辺に形状異方性を有する金属粉末61を含むディッピング(dipping)コーティング部53が形成され、第1及び第2のカバー部51、52の一部には板状面61'の一軸が磁束の流れ方向に向かうように形状異方性金属粉末61を含み、磁束の流れ方向の変化が大きいコア部55の上部領域及び下部領域には形状等方性金属粉末71を含む。
【0081】
図8に示されるように、カバー部全体に、板状面61'の一軸が上記コイル部40の厚さ(t)方向に垂直であるように形状異方性を有する金属粉末61を配列させる場合、カバー部のうちコア部55の上部領域及び下部領域に含まれた形状異方性を有する金属粉末61が磁束の流れを阻害する可能性がある。
【0082】
よって、
図9に示された本発明のさらに他の実施形態によるコイル電子部品100は、第1及び第2のカバー部51、52全体に形状異方性を有する金属粉末61を含むのではなく、第1及び第2のカバー部51、52の一部には形状異方性を有する金属粉末61を板状面61'の一軸が磁束の流れ方向に向かうようにコイル部40の厚さ(t)方向に垂直であるように配列し、磁束の流れ方向の変化が大きいコア部55の上部領域及び下部領域には形状等方性を有する金属粉末71を含む。
【0083】
これにより、コア部55の上部領域及び下部領域において形状異方性を有する金属粉末61によって磁束の流れが阻害されることを防止し、磁束の流れをさらに円滑にして、より高いインダクタンス(L)を具現することができる。
【0084】
これは、コイル部40を、形状異方性を有する金属粉末61を含むスラリーにディッピング(dipping)してディッピング(dipping)コーティング部53を形成し、形状等方性を有する金属粉末71を含む磁性体シートを積層及び圧着してコア部55を形成し、上記第1及び第2のカバー部51、52に形状異方性を有する金属粉末61を含むドーナツ状の磁性体シートを配置した後、形状等方性を有する金属粉末71を含む磁性体シートを再び積層及び圧着して形成することができる。
【0085】
図9に示された本発明のさらに他の実施形態には、上記第1及び第2のカバー部51、52のうちコイル部40に対応する領域に形状異方性を有する金属粉末61が形成されることを除き、上述した本発明の一実施形態によるコイル電子部品100の構成と重複する構成が同一に適用されることができる。
【0086】
図10は、本発明の他の実施形態によるコイル電子部品のコイル部及び形状異方性を有する金属粉末を含む磁性体シートを示す斜視図である。
【0087】
図10を参照すると、本発明の他の実施形態によるコイル電子部品100はコイル部40の周辺に形状異方性を有する金属粉末61を含む磁性体シート60が配置される(
図10では、コイル部40の周辺に形成されたディッピング(dipping)コーティング部53の図示を省略する)。
【0088】
図10に示されるように、上記コイル部40の上部及び下部に形状異方性を有する金属粉末61を含むドーナツ状の磁性体シート60aを配置して、第1及び第2のカバー部51、52のうちコイル部40に対応する領域に上記形状異方性を有する金属粉末61が含まれるようにすることができる。
【0089】
上記ドーナツ状の磁性体シート60aに含まれた形状異方性を有する金属粉末61は、板状面61'の一軸が上記コイル部40の厚さ(t)方向に垂直であるように配列される。
【0090】
また、上記コイル部40の内側のコア部55とコイル部40の外側の外周部54に形状異方性を有する金属粉末61を含む磁性体シート60bを配置して、コア部55及び外周部54に形状異方性を有する金属粉末61が含まれるようにすることができる。
【0091】
上記コア部55及び外周部54に配置された磁性体シート60bに含まれた形状異方性を有する金属粉末61は、板状面61'の一軸が上記コイル部40の厚さ(t)方向に水平であるように配列される。
【0092】
上記コイル部40を、形状異方性を有する金属粉末61を含むスラリーにディッピング(dipping)してディッピング(dipping)コーティング部53(
図10では図示を省略する)を形成し、上記形状異方性を有する金属粉末61を含む磁性体シート60を配置し、形状等方性金属粉末71を含む磁性体シート70で残りの部分を充填して、コイル部40を囲む磁性体部50を形成することができる。
【0093】
上記コイル部40の上部及び下部に形状異方性を有する金属粉末61を含むドーナツ状の磁性体シート60aを配置すると、第1及び第2のカバー部51、52のうちコア部55の上部領域及び下部領域は形状等方性を有する金属粉末71で充填されることができる。
【0094】
図10では、形状異方性を有する金属粉末61を含む特定形状の磁性体シート60を形成して、上述した本発明のそれぞれ異なる実施形態によるコイル電子部品100の構造を具現するように示しているが、必ずしもこれに制限されるものではなく、上述した本発明のそれぞれ異なる実施形態によるコイル電子部品100の構造を具現することができる方法であればいずれの方法でも適用可能である。
【0095】
コイル電子部品の製造方法
図11a〜
図11cは、本発明の一実施形態によるコイル電子部品の製造工程を順次説明する図である。
【0096】
図11aを参照すると、支持部20の両側にコイル部40を形成し、形状異方性を有する金属粉末61を含むスラリー68に上記コイル部40をディッピング(dipping)して、コイル部の一側にディッピング(dipping)コーティング部53を形成する。
【0097】
まず、支持部20にビアホール(図示せず)を形成し、上記支持部20上に開口部を有するメッキレジスト(図示せず)を形成した後、上記ビアホール及び開口部をメッキによって導電性金属で充填して、上記コイル部40をなす第1及び第2のコイル導体41、42とこれらを連結するビア(図示せず)を形成することができる。
【0098】
上記第1及び第2のコイル導体41、42とビアは、電気伝導性に優れた導電性金属で形成され、例えば、銀(Ag)、パラジウム(Pd)、アルミニウム(Al)、ニッケル(Ni)、チタン(Ti)、金(Au)、銅(Cu)、白金(Pt)又はこれらの合金などで形成されることができる。
【0099】
但し、コイル部40の形成方法は上記メッキ工程に必ずしも制限されるものではなく、金属ワイヤ(wire)でコイル部を形成してもよく、印加される電流によって磁束を発生させることができる形態であればいずれの形態でも適用可能である。
【0100】
上記コイル部40をなす第1及び第2のコイル導体41、42上には、第1及び第2のコイル導体41、42を覆う絶縁膜30が形成され、上記絶縁膜30は、例えば、エポキシ樹脂、ポリイミド(polyimid)樹脂などの高分子物質、フォトレジスト(photo resist、PR)、金属酸化物などを含むことができるが、必ずしもこれに制限されるものではなく、上記第1及び第2のコイル導体41、42を囲んでショート(short)を防止することができる絶縁物質であればいずれのものでも適用可能である。
【0101】
上記絶縁膜30は、スクリーン印刷法、フォトレジスト(Photo Resist、PR)の露光、現像による工程、スプレー(spray)塗布工程、コイル導体の化学的エッチング(etching)などによる酸化などの方法で形成されることができる。
【0102】
上記コイル部40をなす第1及び第2のコイル導体41、42を囲む絶縁膜30上に上記ディッピング(dipping)コーティング部53が形成されることができる。
【0103】
上記ディッピング(dipping)コーティング部53を形成するスラリーは、形状異方性を有する金属粉末61、熱硬化性樹脂、バインダー及び溶剤などの有機物を混合して製造されることができる。
【0104】
従来は、形状異方性を有する金属粉末61を含むシートを用いてコイル電子部品を製造したため、形状異方性を有する金属粉末61が磁束の流れ方向に向かうように配列されるのに限界があった。即ち、形状異方性を有する金属粉末61を含むシートを用いて製造する場合、形状異方性を有する金属粉末61が磁束の流れ方向に向かうように配列させることが実質的には困難であり、特に、磁束の流れ方向の変化が大きい一部の領域において形状異方性を有する金属粉末61が磁束の流れ方向に向かうように配列されることができず、磁束の流れを阻害するという問題があった。
【0105】
よって、本発明の一実施形態では、形状異方性を有する金属粉末61を含むスラリーにコイル部40をディッピング(dipping)して、形状異方性を有する金属粉末61が磁束の流れ方向に向かうように配列されたディッピング(dipping)コーティング部53を形成する。
【0106】
形状異方性を有する金属粉末61がシートに含まれて形成される場合よりも、スラリーに含まれてディッピング(dipping)して形成される場合に、形状異方性を有する金属粉末61がより流動性を有して配列されることができるため、磁束の流れ方向に向かうように配列されることができる。
【0107】
上記ディッピング(dipping)コーティング部53に含まれた形状異方性を有する金属粉末61は、板状面61'の一軸が磁束の流れ方向に向かうように配列される。
【0108】
例えば、上記ディッピング(dipping)コーティング部53に含まれた形状異方性を有する金属粉末61は、上記コイル部40の上部及び下部では板状面61'の一軸が上記コイル部40の厚さ(t)方向に垂直であるように配列され、上記コイル部40の側部では板状面61'の一軸が上記コイル部40の厚さ(t)方向に水平であるように配列される。
【0109】
これにより、形状異方性金属粉末61によって磁束の流れが阻害されることを防止し、磁束の流れをさらに円滑にして、より高いインダクタンス(L)を具現することができる。
【0110】
特に、磁束が集中するコイル部40の周辺に上記ディッピング(dipping)コーティング部53が形成されるため、インダクタンス(L)の向上により効果的である。
【0111】
図11bを参照すると、コイル部40の一側にディッピング(dipping)コーティング部53を形成した後、上記コイル部40の他側を、形状異方性を有する金属粉末61を含むスラリー68にディッピング(dipping)して、コイル部の他側にもディッピング(dipping)コーティング部53を形成する。
【0112】
このように、形状異方性を有する金属粉末61を含むスラリーにコイル部40の両側を交互に繰り返しディッピング(dipping)してディッピング(dipping)コーティング部53を形成することができる。上記スラリーにディッピング(dipping)した後、乾燥、圧着及び硬化を行う。
【0113】
上記ディッピング(dipping)コーティング部53は、形状異方性を有する金属粉末61が熱硬化性樹脂に分散された形で形成される。
【0114】
上記熱硬化性樹脂は、例えば、エポキシ(epoxy)樹脂又はポリイミド(polyimide)などであればよい。
【0115】
上記コイル部40を、形状異方性を有する金属粉末61を含むスラリーにディッピング(dipping)するとき、ディッピング(dipping)する程度、即ち、コイル部40がスラリーにディッピング(dipping)される深さを調節して、ディッピング(dipping)コーティング部53の形状を異ならせることができる。
【0116】
例えば、上記スラリーにコイル部40を深くディッピング(dipping)して、ディッピング(dipping)コーティング部53が、コイル部40の上部及び下部と、上記コイル部40の上部及び下部から伸びるコイル部40の側部の全部に形成されるようにするか、又は上記スラリーにコイル部40を浅くディッピング(dipping)して、ディッピング(dipping)コーティング部53が、コイル部40の上部及び下部と、上記コイル部40の上部及び下部から伸びるコイル部40の側部の一部に形成されるようにすることができる。
【0117】
次に、
図11cを参照すると、上記ディッピング(dipping)コーティング部53を形成した後、コイル部40の上側及び下側に磁性体シート70を積層及び圧着して、上記コイル部40の内側に形成されたコア部55、上記コイル部40の外側に形成された外周部54及び上記コイル部40の上側及び下側に形成された第1及び第2のカバー部51、52をさらに含んでなる磁性体部50を形成する。
【0118】
上記支持部20は、第1及び第2のコイル導体41、42が形成されていない領域の中央部が除去されてコア部ホール55'が形成されることができる。
【0119】
上記支持部20の除去は、機械的ドリル、レーザードリル、サンドブラスト、パンチング加工などによって行われることができる。
【0120】
上記コア部ホール55'に磁性体シート70が充填されてコア部55を形成することができる。
【0121】
上記磁性体シート70は、形状等方性を有する金属粉末71と、熱硬化性樹脂、バインダー及び溶剤などの有機物を混合してスラリーを製造し、上記スラリーをドクターブレード法でキャリアフィルム(carrier film)上に数十μmの厚さで塗布した後に乾燥してシート(sheet)状に製造されることができる。
【0122】
上記磁性体シート70は、形状等方性を有する金属粉末71がエポキシ(epoxy)樹脂又はポリイミド(polyimide)などの熱硬化性樹脂に分散された形で製造される。
【0123】
上記磁性体シート70を積層し、圧着及び硬化して、コア部55、外周部54、第1及び第2のカバー部51、52に形状等方性を有する金属粉末71を含む本発明の一実施形態によるコイル電子部品100を製造することができる。
【0124】
図11dは、本発明の他の実施形態によるコイル電子部品の製造工程を説明する図である。
【0125】
図11dを参照すると、上記ディッピング(dipping)コーティング部53を形成した後、上記ディッピング(dipping)コーティング部53が形成されたコイル部40の周辺に形状異方性を有する金属粉末61を含む磁性体シート60a、60bを配置する。
【0126】
上記磁性体シート60a、60bは、形状異方性を有する金属粉末61と、熱硬化性樹脂、バインダー及び溶剤などの有機物を混合してスラリーを製造し、上記スラリーをドクターブレード法でキャリアフィルム(carrier film)上に塗布した後に乾燥してシート(sheet)状に製造されることができる。
【0127】
上記磁性体シート60a、60bは、形状異方性を有する金属粉末61がエポキシ(epoxy)樹脂又はポリイミド(polyimide)などの熱硬化性樹脂に分散された形で製造される。
【0128】
図11dに示されるように、上記コイル部40の上側及び下側に形状異方性を有する金属粉末61を含むドーナツ状の磁性体シート60aを配置して、第1及び第2のカバー部51、52のうちコイル部40に対応する領域にのみ上記形状異方性を有する金属粉末61を含むように製造することができる。
【0129】
上記ドーナツ状の磁性体シート60aに含まれた形状異方性を有する金属粉末61は、板状面61'の一軸が上記コイル部40の厚さ(t)方向に垂直であるように配列される。
【0130】
また、上記コイル部40の内側のコア部ホール55'に形状異方性を有する金属粉末61を含む磁性体シート60bを配置して、コア部55に上記形状異方性を有する金属粉末61を含むように製造することができる。
【0131】
図11dには示されていないが、上記コイル部40の外側の外周部ホールにも形状異方性を有する金属粉末61を含む磁性体シート60bを配置して、外周部54に上記形状異方性を有する金属粉末61を含むように製造することができる。
【0132】
上記コア部55及び外周部54に位置する磁性体シート60bに含まれた形状異方性を有する金属粉末61は、板状面61'の一軸が上記コイル部40の厚さ(t)方向に水平であるように配列される。
【0133】
一方、
図11dでは、形状異方性を有する金属粉末61を含む特定形状の磁性体シート60a、60bを、第1及び第2のカバー部51、52のうちコイル部40に対応する領域及びコア部ホール55'に配置して、上述した本発明の一実施形態によるコイル電子部品100を製造するように示しているが、必ずしもこれに制限されるものではなく、上述した本発明の一実施形態によるコイル電子部品100の構造を具現することができる方法であればいずれの方法でも適用可能である。
【0134】
次に、コイル部40の上側及び下側に形状等方性を有する金属粉末71を含む磁性体シート70を積層、圧着及び硬化して磁性体部50を形成する。
【0135】
コイル部40の上側及び下側に上記形状等方性を有する金属粉末71を含む磁性体シート70を積層し、圧着及び硬化して、上記形状異方性を有する金属粉末61を含む磁性体シート60が配置された部分を除いた残りの部分を形状等方性を有する金属粉末71で充填することができる。
【0136】
図11dに示されるように、上記コイル部40の上側及び下側に形状異方性を有する金属粉末61を含むドーナツ状の磁性体シート60aを配置した後、上記形状等方性を有する金属粉末71を含む磁性体シート70を形成すると、第1及び第2のカバー部51、52のうちコア部55の上部領域及び下部領域が形状等方性を有する金属粉末71で充填されることができる。
【0137】
一方、本発明の他の実施形態によるコイル電子部品の製造方法でコイル部40にディッピング(dipping)コーティング部53を形成した後、形状異方性を有する金属粉末61を含む磁性体シート60及び形状等方性を有する金属粉末71を含む磁性体シート70を積層する工程を説明したが、必ずしもこれに制限されるものではなく、本発明の一実施形態によるコイル電子部品100構造の金属粉末−樹脂複合体を形成することができる方法であればいずれの方法でも適用可能である。
【0138】
次に、上記磁性体部50の外側に上記コイル部40と接続するように第1及び第2の外部電極81、82を形成する。
【0139】
なお、上記の説明を除き、上述した本発明の一実施形態によるコイル電子部品の特徴と重複する説明は省略する。
【0140】
以上、本発明の実施形態について詳細に説明したが、本発明の範囲はこれに限定されず、特許請求の範囲に記載された本発明の技術的思想から外れない範囲内で多様な修正及び変形が可能であるということは、当技術分野の通常の知識を有する者には明らかである。