(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6863615
(24)【登録日】2021年4月5日
(45)【発行日】2021年4月21日
(54)【発明の名称】皮剥機
(51)【国際特許分類】
B27L 1/10 20060101AFI20210412BHJP
【FI】
B27L1/10 504
【請求項の数】4
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2019-50618(P2019-50618)
(22)【出願日】2019年3月19日
(65)【公開番号】特開2020-151881(P2020-151881A)
(43)【公開日】2020年9月24日
【審査請求日】2020年11月26日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000237400
【氏名又は名称】富士鋼業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100092842
【弁理士】
【氏名又は名称】島野 美伊智
(74)【代理人】
【識別番号】100166578
【弁理士】
【氏名又は名称】鳥居 芳光
(72)【発明者】
【氏名】石澤 誠也
【審査官】
吉田 英一
(56)【参考文献】
【文献】
特開平02−269002(JP,A)
【文献】
特開昭63−207604(JP,A)
【文献】
米国特許第05699843(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B27L 1/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
原木収納体と、
上記原木収納体内に回転可能に設置され皮剥板を備えた複数本のロータと、
上記複数のロータ相互間に設置された櫛歯状仕切板受台と、
上記櫛歯状仕切板受台上に着脱可能に設置された櫛歯状仕切板と、
上記櫛歯状仕切板を上記櫛歯状仕切板受台に固定する固定手段と、
を具備し、
上記櫛歯状仕切板は上記ロータの軸方向に沿って分割された複数枚の仕切板要素から構成されていて、上記仕切板要素毎に着脱可能に構成されていて、
上記櫛歯状仕切板受台は受台本体と、上記受台本体の上に設置された櫛歯状受板と、から構成されていて、
上記櫛歯状仕切板は上記櫛歯状受板に着脱可能に設置されていることを特徴とする皮剥機。
【請求項2】
請求項1記載の皮剥機において、
上記櫛歯状受板は上記櫛歯状仕切板より小さいことを特徴とする皮剥装置。
【請求項3】
請求項1又は請求項2記載の皮剥機において、
上記固定手段は複数本のボルトであり、その一部は上記櫛歯状仕切板と上記櫛歯状受板の櫛歯の部分に螺合されていることを特徴とする皮剥機。
【請求項4】
請求項1〜請求項3の何れかに記載の皮剥装置において、
上記櫛歯状仕切板には皮剥補助用ブロックが設置されていることを特徴とする皮剥装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、伐採された原木の皮を剥ぐ皮剥機に係り、特に、複数本のロータを並列・配置し、ロータ相互間の隙間を櫛歯状仕切板により閉塞するものにおいて、その櫛歯状仕切板の補修作業、交換作業の容易化を図ることができるように工夫したものに関する。
【背景技術】
【0002】
従来の皮剥機は、例えば、
図9、
図10に示すような構成になっている。まず、基礎201があり、この基礎201の上には原木収納体203が設置されている。上記原木収納体203は一対の側壁205、207等から構成されている。上記原木収納体203内には、ロータ209、211がそれぞれ回転可能に並列・設置されている。上記ロータ211は上記ロータ209に対して斜め下方に設置されている。
【0003】
上記ロータ209は円筒形状をなしていてその両端にはシャフト213、215が突設されている。上記ロータ209はこれらシャフト213、215を介して軸受217、219に軸支されている。上記ロータ209の外周面には複数個の皮剥板221が設置さていて、これら皮剥板221には複数個の皮剥歯223が取り付けられている。
【0004】
上記ロータ211も上記ロータ209と同様の構成をなしていて、両端にはシャフト225、227が突設されている。上記ロータ211はこれらシャフト225、227を介して軸受229、231に軸支されている。上記ロータ211の外周面には複数個の皮剥板233が設置されていて、これら皮剥板233には複数個の皮剥歯235が取り付けられている。
【0005】
上記ロータ209、211は図示しない駆動モータと回転伝達機構を介して
図10中矢印a、bで示す方向に回転・駆動される。
【0006】
上記側壁205とロータ209の間には櫛歯状仕切板237が設置されていて、上記ロータ209とロータ211の間には櫛歯状仕切板239が設置されていて、上記ロータ211と側壁207との間には櫛歯状仕切板241が設置されている。
【0007】
上記櫛歯状仕切板237には上記ロータ209側に複数個のスリット243が所定のピッチで設けられていて、それらスリット243を上記ロータ209の皮剥板221が通過する。又、上記櫛歯状仕切板239には上記ロータ209側とロータ211側に複数個のスリット245、247が所定のピッチで設けられていて、上記スリット245を上記ロータ209の皮剥板221が通過し、上記スリット247を上記ロータ211の皮剥板233が通過する。又、上記櫛歯状仕切板241には上記ロータ211側に複数個のスリット249が設けられていて、そのスリット249を上記ロータ211の皮剥板233が通過する。
【0008】
上記櫛歯状仕切板237は上記側壁205に一体に固着されており、上記櫛歯状仕切板241は上記側壁207に一体に固着されている。一方、上記櫛歯状仕切板239は櫛歯状仕切板受台251に一体に固着されている。
【0009】
上記構成によると、まず、原木収納体203内に図示しない木材が投入される。原木収納体203内では上記ロータ209、211が回転・駆動されており、上記投入された木材は、回転するロータ209の皮剥板221の皮剥歯223の作用、同じく回転するロータ211の皮剥板233の皮剥歯235の作用、木材同士の摩擦によって、その樹皮が剥がされる。
【0010】
剥がされた樹皮は櫛歯状仕切板237のスリット243、櫛歯状仕切板239のスリット245、247、櫛歯状仕切板241のスリット249を介して、ロータ209、211の下方に落下する。落下した樹皮は原木収納体203の外に排出される。一方、樹皮を剥がされた木材は原木収納体203の出口に搬出され、図示しない搬送コンベアによって別の場所に搬送される。
【0011】
この種の皮剥機の構成を開示するものとして、例えば、特許文献1、特許文献2、特許文献3、等がある。何れも本件特許出願人によるものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】米国特許第4685498号公報
【特許文献2】米国特許公報第5630453号公報
【特許文献3】米国特許公報第5647418号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
上記従来の構成によると次のような問題があった。
前述したように、剥がされた樹皮は櫛歯状仕切板237のスリット243、櫛歯状仕切板239のスリット245、247、櫛歯状仕切板241のスリット249を介して、ロータ209、211の下方に落下するが、その際、スリット243、245、247、249が摩耗する或いは損傷してしまうことがある。そのように場合には、摩耗した箇所や損傷した箇所に肉盛補修或いは当て板補修を施す。
ところが、上記櫛歯状仕切板237は上記側壁205に一体に固着されており、上記櫛歯状仕切板241も上記側壁207に一体に固着されており、さらに、上記櫛歯状仕切板239も櫛歯状仕切板受台251に一体に固着されているので、それぞれ取り付けられたままの状態で上記補修作業を施す必要があり、作業が面倒で多くの労力と長い時間を要してしまうという問題があった。又、その作業中は本皮剥機を停止する必要があり、作業性を低下させていた。
特に、櫛歯状仕切板239はロータ209と211の間に設置されており、原木収納体203の外側からの作業は不可能であり、結局、原木収納体203内に補修作業員が入り込んでの困難な作業を余儀なくされていた。
【0014】
尚、この種の問題に対しては、例えば、
図11、
図12に示すような構成が考えられている。すなわち、櫛歯状仕切板239を櫛歯状仕切板受台251に対してボルト253によって着脱可能に取り付けた構成である。上記ボルト253は座金255を介して上記櫛歯状仕切板受台251に螺合されている。
尚、上記ボルト253の頭部と座金255は凹部257内に収容されている。
補修作業を行う場合には、ボルト253を緩めて櫛歯状仕切板239を支持構造物251から外して原木収納体203の外に搬出し、原木収納体203の外で補修作業を行う。
【0015】
しかしながら、上記構成によると、一枚物で大きな櫛歯状仕切板239を原木収納体203の外に搬出しなければならず、又、補修作業終了後には一枚物で大きな櫛歯状仕切板239を原木収納体203内に搬入しなければならず、搬出・搬入作業が面倒であるという問題があった。
又、機械的強度に関する問題もあった。すなわち、
図11に示すように、櫛歯状仕切板受台251は略U字形状をなしていて、ボルト253、253はそれぞれの板材の肉厚部分に螺合される。通常、板材相互間のピッチはそれ程大きなものではなく、その結果、櫛歯状仕切板239の片持ち長さが長くなってしまい運転時に大きな曲げモーメントが作用してしまう。
これに対しては、
図12に示すように、櫛歯状仕切板受台251の板材相互間のピッチを大きくすることが考えられるが、それでは、ロータ209、211のピッチを大きくすることになり、結局、皮剥機の大型化を来してしまう。
【0016】
本発明は、このような点に基づいてなされたもので、その目的とするところは、複数本のロータを並列・配置し、ロータ相互間の隙間を櫛歯状仕切板により閉塞するものにおいて、その櫛歯状仕切板の補修作業、交換作業の容易化を図ることができる皮剥機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0017】
上記課題を解決するべく本願の請求項1による皮剥機は、原木収納体と、 上記原木収納体内に回転可能に設置され皮剥板を備えた複数本のロータと、 上記複数のロータ相互間に設置された櫛歯状仕切板受台と、上記櫛歯状仕切板受台上に着脱可能に設置された櫛歯状仕切板と、上記櫛歯状仕切板を上記櫛歯状仕切板受台に固定する固定手段と、を具備し、上記櫛歯状仕切板は上記ロータの軸方向に沿って分割された複数枚の仕切板要素から構成されていて、上記仕切板要素毎に着脱可能に構成されてい
て、上記櫛歯状仕切板受台は受台本体と、上記受台本体の上に設置された櫛歯状受板と、から構成されていて、上記櫛歯状仕切板は上記櫛歯状受板に着脱可能に設置されていることを特徴とするものである。
又、請求項2による皮剥機は、請求項1記載の皮剥機において、
上記櫛歯状受板は上記櫛歯状仕切板より小さいことを特徴とするものである。
又、請求項3による皮剥機は、
請求項1又は請求項2記載の皮剥機において、
上記固定手段は複数本のボルトであり、その一部は上記櫛歯状仕切板と上記櫛歯状受板の櫛歯の部分に螺合されていることを特徴とするものである。
又、請求項4による皮剥機は、
請求項1〜請求項3
の何れかに記載の皮剥装置において、
上記櫛歯状仕切板には皮剥補助用ブロックが設置されていることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0018】
以上述べたように、本願の請求項1による皮剥機によると、原木収納体と、上記原木収納体内に回転可能に設置され皮剥板を備えた複数本のロータと、上記複数のロータ相互間に設置された櫛歯状仕切板受台と、上記櫛歯状仕切板受台上に着脱可能に設置された櫛歯状仕切板と、上記櫛歯状仕切板を上記櫛歯状仕切板受台に固定する固定手段と、を具備し、上記櫛歯状仕切板は上記ロータの軸方向に沿って分割された複数個の仕切板要素から構成されていて、上記仕切板要素毎に着脱可能に構成されているので、櫛歯状仕切板の補修作業の容易化、交換作業の容易化を図ることができる。
又、請求項2による皮剥機によると、請求項1記載の皮剥装置において、上記櫛歯状仕切板受台は受台本体と、上記受台本体の上に設置された櫛歯状受板と、から構成されていて、上記櫛歯状仕切板は上記櫛歯状受板に着脱可能に設置されているので、上記効果を得ることはもとより、櫛歯状受板により櫛歯状仕切板を強固に支持することができる。
又、請求項3による皮剥機によるとは、請求項2記載の皮剥機において、上記櫛歯状受板は上記櫛歯状仕切板より小さいので、櫛歯状仕切板の機能を何等損なうものではない。
又、請求項4による皮剥機によると、請求項2又は請求項3記載の皮剥機において、上記固定手段は複数本のボルトであり、その一部は上記櫛歯状仕切板と上記櫛歯状受板の櫛歯の部分に螺合されているので、櫛歯状仕切板に作用するモーメントの軽減を図ることができる。
又、請求項5による皮剥機によると、請求項1〜請求項4の何れかに記載の皮剥装置において、上記櫛歯状仕切板には皮剥補助用ブロックが設置されているので、皮剥機能を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】本発明の第1の実施の形態を示す図で、皮剥機の平面図である。
【
図2】本発明の第1の実施の形態を示す図で、
図1のII−II断面図である。
【
図3】本発明の第1の実施の形態を示す図で、櫛歯状仕切板受台と櫛歯状仕切板の構成を分解して示す側面図である。
【
図4】本発明の第1の実施の形態を示す図で、櫛歯状仕切板の仕切板要素の平面図である。
【
図5】本発明の第1の実施の形態を示す図で、櫛歯状仕切板の仕切板要素が櫛歯状受板の上に設置された状態を示す平面図である。
【
図6】本発明の第1の実施の形態を示す図で、作用・効果を従来の構成との対比で説明する図で、
図6(a)は本実施の形態の場合を示す側面図、
図6(b)は従来例の場合を示す側面図である。
【
図7】本発明の第2の実施の形態を示す図で、櫛歯状仕切板の仕切板要素が櫛歯状受板の上に設置された状態を示す平面図である。
【
図8】本発明の第3の実施の形態を示す図で、櫛歯状仕切板の上に皮剥補助用ブロックが設置された状態を示す斜視図である。
【
図10】従来例を示す図で、
図9のX−X断面図である。
【
図11】従来例を示す図で、櫛歯状仕切板受台と櫛歯状仕切板の構成を示す側面図である。
【
図12】従来例を示す図で、櫛歯状仕切板受台と櫛歯状仕切板の構成を示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、
図1乃至
図6を参照して、本発明の第1の実施の形態について説明する。まず、基礎1があり、この基礎1の上には原木収納体3が設置されている。上記原木収納体3は一対の側壁5、7等から構成されている。上記原木収納体3内には、ロータ9、11がそれぞれ回転可能に設置されている。上記ロータ11は上記ロータ9に対して斜め下方に設置されている。
【0021】
上記ロータ9は円筒形状をなしていてその両端にはシャフト13、15が突設されている。上記ロータ9はこれらシャフト13、15を介して軸受17、19に軸支されている。上記ロータ9の外周面には複数個の皮剥板21が設置されていて、これら皮剥板21には複数個の皮剥歯23が取り付けられている。
【0022】
上記ロータ11も上記ロータ9と同様の構成をなしていて、両端にはシャフト25、27が突設されている。上記ロータ11はこれらシャフト25、27を介して軸受29、31に軸支されている。上記ロータ11の外周面には複数個の皮剥板33が設置されていて、これら皮剥板33には複数個の皮剥歯35が取り付けられている。
【0023】
上記ロータ9、11は、図示しない駆動モータと回転伝達機構を介して、
図2中矢印A、Bで示す方向に回転・駆動される。
尚、
図1ではロータ9の皮剥板21、ロータ11の皮剥板33の図示を省略している。
【0024】
上記側壁5とロータ9の間には櫛歯状仕切板37が設置されていて、上記ロータ9とロータ11の間には櫛歯状仕切板39が設置されていて、上記ロータ11と側壁7との間には櫛歯状仕切板41が設置されている。
【0025】
上記櫛歯状仕切板37には上記ロータ9側に複数個のスリット43が所定のピッチで設けられていて、そのスリット43を上記ロータ9の皮剥板21が通過する。又、上記櫛歯状仕切板39には上記ロータ9、11側に複数個のスリット45、47が所定のピッチで設けられていて、上記スリット45を上記ロータ9の皮剥板21が通過し、上記スリット47を上記ロータ11の皮剥板33が通過する。又、上記櫛歯状仕切板41には上記ロータ11側に複数個のスリット49が所定のピッチで設けられていて、そのスリット49を上記ロータ11の皮剥板33が通過する。
【0026】
上記櫛歯状仕切板37は上記側壁5に取り付けられており、上記櫛歯状仕切板41は上記側壁7に取り付けられている。一方、上記櫛歯状仕切板39は櫛歯状仕切板受台51に着脱可能に取り付けられている。
【0027】
上記櫛歯状仕切板37はロータ9、11の軸方向に沿って分割された複数枚(本実施の形態の場合には9枚)の仕切板要素53から構成されている。上記各仕切板要素53はボルト55によって着脱可能に取り付けられている。
【0028】
上記櫛歯状仕切板41も、同様に、ロータ9、11の軸方向に沿って分割された複数枚(本実施の形態の場合には9枚)の仕切板要素57から構成されている。上記各仕切板要素57はボルト59によって着脱可能に取り付けられている。
【0029】
上記櫛歯状仕切板39も、同様に、ロータ9、11の軸方向に沿って分割された複数枚(本実施の形態の場合には9枚)の仕切板要素61から構成されている。
図4は仕切板要素61の平面図である。
【0030】
上記櫛歯状仕切板受台51は略U字形状をなす受台本体63と、この受台本体63の上端に固着された櫛歯状受板65と、上記受台本体63と櫛歯状受板65との間に固着された複数枚の支持板67から構成されている。
【0031】
上記櫛歯状受板65には、
図5に示すように、上記ロータ9、11側に複数個のスリット67、69が所定のピッチで設けられている。上記スリット67を上記ロータ9の皮剥板21が通過し、上記スリット69を上記ロータ11の皮剥板33が通過する。上記スリット67、69のピッチは既に説明した櫛歯状仕切板39のスリット45、47のピッチと同じである。又、上記櫛歯状受板65は上記櫛歯状仕切板39に対してその大きさが小さくなっている。
【0032】
上記櫛歯状仕切板39の各仕切板要素61は上記櫛歯状受板65の上に複数本(この実施の形態の場合には10本)のボルト71によって着脱可能に取り付けられている。上記ボルト71は座金73を介して上記仕切板要素61に形成された貫通孔を通して上記櫛歯状受板65に螺合されている。上記貫通孔の縁には凹部75が設けられていて、上記ボルト71の頭部と座金73はその凹部75内に収容されている。
【0033】
以上の構成を基にその作用を説明する。
まず、原木収納体3内に図示しない木材が投入される。原木収納体3内では上記ロータ9、11が回転駆動されており、上記投入された木材は、回転するロータ9の皮剥板21の皮剥歯23の作用、同じく回転するロータ11の皮剥板33の皮剥歯35の作用、木材同士の摩擦によって、その樹皮が剥がされる。
【0034】
剥がされた樹皮は櫛歯状仕切板37のスリット43、櫛歯状仕切板39のスリット45、47、櫛歯状仕切板41のスリット49を介して、ロータ9、11の下方に落下する。落下した樹皮は排出される。一方、樹皮を剥がされた木材は原木収納体203の出口に搬出され、図示しない搬送コンベアによって別の場所に搬送される。
【0035】
次に、櫛歯状仕切板39の補修作業、交換作業について説明する。
例えば、複数枚(本実施の形態の場合には9枚)の仕切板要素61の内、補修が必要な仕切板要素61を外す。すなわち、10本のボルト71を緩めることにより上記仕切板要素61を櫛歯状受板65から外して原木収納体3の外に搬出する。そこで、仕切板要素61の摩耗した箇所や損傷した箇所に肉盛補修或いは当て板補修を施す。補修作業が終了した後その仕切板要素61を原木収納体3内に搬入し、上記10本のボルト71と座金73によって櫛歯状受板65の所定位置に取り付ける。
【0036】
これは仕切板要素61を交換する場合も同様であり、10本のボルト71を緩めることにより上記仕切板要素61を櫛歯状受板65から外して原木収納体3の外に搬出する。代わりに、新規の仕切板要素61を原木収納体3内に搬入して、上記10本のボルト71と座金73によって櫛歯状受板65の所定位置に取り付ける。
【0037】
櫛歯状仕切板37、櫛歯状仕切板41の補修作業、交換作業も同様である。櫛歯状仕切板37の場合には、仕切板要素53毎に着脱して必要な補修作業、交換作業を行う。櫛歯状仕切板41の場合には、仕切板要素57毎に着脱して必要な補修作業、交換作業を行う。
尚、櫛歯状仕切板37は函体3の側壁5側に設置されており、櫛歯状仕切板41は函体3の側壁7側に設置されているので、設置されたままの状態でも補修作業は可能である。
【0038】
次に、ボルト71に作用する負荷について説明する。
図6はボルト71に作用する負荷を従来との対比で説明する図であり、
図6(a)は本実施の形態の場合、
図6(b)が従来の場合である。本実施の形態の場合には、
図6(a)に示すように、櫛歯状受板65が設けられていて、上記ボルト71の螺合位置が従来の場合より外側にあり片持ち長さ(L
1)が短くなっているので、例えば、櫛歯状仕切板39の先端に荷重が作用した場合に、ボルト67に作用するモーメントが軽減される。
一方、従来の場合には、片持ち長さ(L
2)が長く、例えば、櫛歯状仕切板39の先端に荷重が作用した場合に、ボルト253に作用するモーメントが大きくなってしまう。
【0039】
以上、本実施の形態によると次のような効果を奏することができる。
まず、櫛歯状仕切板39の補修作業、交換作業の容易化を図ることができる。これは、櫛歯状仕切板39を複数枚の仕切板要素61に分割して仕切板要素61毎に着脱可能に構成し、補修対象或いは交換対象の仕切板要素61のみを櫛歯状受板65から外して原木収納体3の外に搬出することができるからである。
櫛歯状仕切板37の場合も同様であり、櫛歯状仕切板37を複数枚の仕切板要素53に分割して仕切板要素53毎に着脱可能に構成し、補修対象或いは交換対象の仕切板要素53のみを原木収納体3の外に搬出することができるからである。
櫛歯状仕切板41の場合も同様であり、櫛歯状仕切板41を複数枚の仕切板要素57に分割して仕切板要素57毎に着脱可能に構成し、補修対象或いは交換対象の仕切板要素57のみを原木収納体3の外に搬出することができるからである。
又、櫛歯状仕切板39に作用する曲げモーメントを軽減させてその応力負荷を低減させることができる。これは櫛歯状受板65を設置することによりボルト71による固定位置のピッチを拡大することができ、それによって、片持ち長さ(L
1)を短くすることができるからである。
又、片持ち長さ(L
1)を短くするためにロータ9、11のピッチを大きくする必要もないので、皮剥機の大型化を来すこともない。
【0040】
次に、
図7を参照して本発明の第2の実施の形態を説明する。前記第1の実施の形態の場合には、ボルト71の幅方向ピッチを全て同じとしたが、この第2の実施の形態の場合には、左右二組のボルト71、71のピッチを幅方向に大きくしている。これは、櫛歯状受板65が文字通り櫛歯状に形成されているから可能になったものである。
尚、その他の構成は前記第1の実施の形態と同じであり、図中同一部分には同一符号を付して示しその説明を省略する。
【0041】
したがって、前記第1の実施の形態の場合と同様の効果を奏することができるとともに、一部のボルト71の幅方向ピッチを大きくしたことにより、より高い安全性を提供することができる。
【0042】
次に、
図8を参照して本発明の第3の実施の形態を説明する。この実施の形態の場合には、櫛歯状仕切板39上に皮剥補助用ブロック81を着脱可能に取り付けた構成になっている。上記皮剥補助用ブロック81はその横断面形状が低背の二等辺三角形となっていて、複数本(この実施の形態の場合には6本)のボルト83によって取り付けられている。
尚、その他の構成は前記第1の実施の形態と同じであり、図中同一部分には同一符号を付して示しその説明を省略する。
【0043】
上記構成によると前記第1、第2の実施の形態と同様の効果を奏することができるとともに、皮剥補助用ブロック81が設けられているので皮剥機能を向上させることができる。
【0044】
尚、本発明は前記第1乃至第3の実施の形態に限定されるものではない。
例えば、前記第1乃至第3の実施の形態の場合には、ロータが2本の場合を例に挙げて説明したが、それに限定されるものではなく、3本以上の場合も考えられる。
又、前記第1乃至第3の実施の形態の場合には、櫛歯状仕切板をロータの軸方向に沿って9分割した場合を例に挙げて説明したが、それに限定されるものではなく、分割数は任意に設定すれば良い。
又、前記第1乃至第3の実施の形態の場合には、櫛歯状仕切板を櫛歯状受板にボルトで固定する場合を荒れに挙げて説明したが、それに限定されるものではなく、例えば、ピン等で固定する構成も考えられる。
その他、図示した構成はあくまで一例である。
【産業上の利用可能性】
【0045】
本発明は、例えば、伐採された原木の皮を剥ぐ皮剥機に係り、特に、複数本のロータを並列・配置し、ロータ相互間の隙間を櫛歯状仕切板により閉塞するものにおいて、その櫛歯状仕切板の補修作業、交換作業の容易化を図ることができるように工夫したものに関し、例えば、木材チップ製造工場で用いられる皮剥機に好適である。
【符号の説明】
【0046】
3 原木収納体
9 ロータ
11 ロータ
21 皮剥板
23 皮剥歯
33 皮剥板
35 皮剥歯
37 櫛歯状仕切板
39 櫛歯状仕切板
41 櫛歯状仕切板
51 櫛歯状仕切板受台
53 仕切板要素
55 ボルト
57 仕切板要素
59 ボルト
61 仕切板要素
63 受台本体
65 櫛歯状受板
67 支持板
71 ボルト(固定手段)
73 座金
81 皮剥補助用ブロック