(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
室外機と室内機との間が金属で形成された複数経路の接続部材によって接続される空調システムの撤去作業において、前記室外機と前記室内機とから切り離された前記接続部材が撤去対象であるか否かを判定する方法であって、
前記接続部材の前記室外機が接続されていた側において前記接続部材から選択された一対の第1接続部材ペアを第1の導体で接続し、前記接続部材の前記室内機が接続されていた側において前記接続部材から選択された一対の第2接続部材ペアを第2の導体で接続した状態で、前記第2接続部材ペア間に電流が流れるか否かを確認する第1の確認工程と、
前記第1接続部材ペアのうち少なくとも一方から前記第1の導体を外し、前記第2接続部材ペアを前記第2の導体で接続した状態で、前記第2接続部材ペア間に電流が流れるか否かを確認する第2の確認工程と、
前記第1の確認工程において電流が流れ、かつ、前記第2の確認工程において電流が流れない場合に、前記第2接続部材ペアに含まれる接続部材を撤去対象であると判定する判定工程と、を含み、
前記接続部材は複数の連結管を連結して形成された冷媒管を含み、
前記判定工程は、前記冷媒管の各々の前記連結管について、前記室内機側から前記室外機側へ向けて段階的に実施される、
接続部材が撤去対象であるか否かを判定する方法。
室外機と室内機との間を金属で形成された複数経路の接続部材によって接続される空調システムの撤去作業において、前記室外機と前記室内機とから切り離された前記接続部材
の撤去方法であって、
前記接続部材の前記室外機が接続されていた側において前記接続部材から選択された一対の第1接続部材ペアを第1の導体で接続し、前記接続部材の前記室内機が接続されていた側において前記接続部材から選択された一対の第2接続部材ペアを第2の導体で接続した状態で、前記第2接続部材ペアに含まれる接続部材間に電流が流れるか否かを確認する第1の確認工程と、
前記第1接続部材ペアのうち少なくとも一方から前記第1の導体を外し、前記第2接続部材ペアを前記第2の導体で接続した状態で、前記第2接続部材ペアに含まれる接続部材間に電流が流れるか否かを確認する第2の確認工程と、
前記第1の確認工程において電流が流れ、かつ、前記第2の確認工程において電流が流れない場合に、前記第2接続部材ペアに含まれる接続部材を撤去対象であると判定する判定工程と、
前記撤去対象と判定された接続部材を撤去する撤去工程と、を含み、
前記接続部材は複数の連結管を連結して形成された冷媒管を含み、
前記判定工程は、前記冷媒管の各々の前記連結管について、前記室内機側から前記室外機側へ向けて段階的に実施される、
接続部材の撤去方法。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
室外機と室内機とは冷媒管や配線によって例示される接続部材によって接続され、接続部材によって室外機と室内機との間における冷媒の循環や制御信号の送受信が実現される。接続部材は金属で形成されており、配線を敷設するために設けられたシャフト内や天井裏を介して室外機と室内機とを接続する。接続部材は、例えば、建物の改修工事等の場合に、室外機および室内機とともに撤去されることがある。室外機および室内機近辺の接続部材は目視によって撤去対象であるか否かが容易に確認できるが、シャフト内や天井裏では、接続部材が撤去対象であるか否かを判定する事は難しい。
【0005】
そこで、開示の技術の1つの側面は、接続部材が撤去対象であるか否かを容易に判定できる方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
1つの側面では、本発明は、次のような接続部材が撤去対象であるか否かを判定する方法によって例示される。本方法は、室外機と室内機との間が金属で形成された複数経路の接続部材によって接続される空調システムの撤去作業において、室外機と室内機とから切り離された接続部材が撤去対象であるか否かを判定する方法によって例示される。本方法は、第1の確認工程、第2の確認工程および判定工程を含む。第1の確認工程は、接続部材の室外機が接続されていた側において接続部材から選択された一対の第1接続部材ペアを第1の導体で接続し、接続部材の室内機が接続されていた側において接続部材から選択された一対の第2接続部材ペアを第2の導体で接続した状態で、第2接続部材ペア間に電流が流れるか否かを確認する。第2の確認工程は、第1接続部材ペアのうち少なくとも一方から第1の導体を外し、第2接続部材ペアを第2の導体で接続した状態で、第2接続部材ペア間に電流が流れるか否かを確認する。判定工程は、第1の確認工程において電流が流れ、かつ、第2の確認工程において電流が流れない場合に、第2接続部材ペアに含まれる接続部材を撤去対象であると判定する。
【0007】
このような発明によれば、第1接続部材ペアと第2接続部材ペアとが同一の系統である場合、第1の確認工程では第1接続部材ペアと第2接続部材ペアとで閉回路が形成される。また、第2の確認工程では第1接続部材ペアのうち少なくとも一方から第1の導体を外すことで、第1接続部材ペアと第2接続部材ペアとで開回路が形成される。そのため、第1の確認工程において第2接続部材ペア間に電流が流れ、かつ、第2の確認工程において
第2接続部材ペア間に電流が流れないことで、第1接続部材ペアと第2接続部材ペアとが同一の系統であると判定できる。
【0008】
さらに、本発明は次の特徴を有してもよい。第2の導体の一方は、電流の導通を確認するテスターを含み、判定する工程は、テスターが備える一対の検査端子の一方を第2接続部材ペアの一方に接触させ、他方の検査端子を第2接続部材ペアの他方に接触させて行われる。このような発明によれば、テスターを用いることで、第2接続部相ペア間に電流が流れたか否かを容易に判定することができる。
【0009】
さらに、本発明は次の特徴を有してもよい。接続部材は複数の連結管を連結して形成された冷媒管を含み、判定する工程は、冷媒管の各々の連結管について、室内機側から室外機側へ向けて段階的に実施される。このような発明によれば、室外機と接続されていたことで容易に撤去対象と確認できる室外機側の冷媒管を基準として、室内機側の冷媒管が撤去対象であるか否かを判定できる。
【0010】
さらに、本発明は次の特徴を有してもよい。撤去対象であると判定された接続部材に撤去対象であることを示す表示を付する工程をさらに含む。このような発明によれば、撤去対象と判定された接続部材がどの接続部材であるか容易に特定できる。そのため、例えば、撤去対象の接続部材の特定を行った後、他の業者に接続部材の撤去を依頼する場合に、当該他の業者に撤去対象の接続部材を伝えることが容易になる。
【0011】
さらに、本発明は上記した方法によって撤去対象と判定した接続部材を撤去する接続部材の撤去方法として把握する事も可能である。
【発明の効果】
【0012】
本発明に係る接続部材が撤去対象であるか否かを判定する方法および接続部材の撤去方法は、撤去対象である接続部材か否かを容易に判定することができる。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図面を参照して、一実施形態に係る冷媒管が撤去対象であるか否かを判定する方法について説明する。以下に示す実施形態の構成は例示であり、開示の技術は実施形態の
構成に限定されない。
【0015】
<実施形態>
図1Aは、建物1に設置された空調システム100の一例を示す概略図である。建物1には、部屋2a、2bが設けられている。空調システム100は、室外機10a、10bと室内機20a、20b、20c、20dと冷媒管30a、30bと内外渡り配線40a、40bとを備える。室外機10aと室内機20a、20bとは冷媒管30aおよび内外渡り配線40aによって接続され、室外機10bと室内機20c、20dとは冷媒管30bおよび内外渡り配線40bによって接続される。冷媒管30a、30bは、室外機10a、10bによって冷却された冷媒を室内機20a、20b、20c、20dへ送る液管31a、31bと、室内機20a、20b、20c、20dによって部屋2a、2b内の空気から受熱した冷媒を室外機10a、10bへ送るガス管32a、32bとを含む。以下、本明細書において、室外機10a、10bを総称して室外機10と称し、室内機20a、20b、20c、20dを総称して室内機20と称し、冷媒管30a、30bを総称して冷媒管30と称する。さらに、液管31a、31bを総称して液管31と称し、ガス管32a、32bを総称してガス管32と称し、内外渡り配線40a、40bを総称して内外渡り配線40と称する。なお、以下の説明では室内機20は冷房機として説明するが、室内機20は暖房機であってもよい。液管31とガス管32とを含む冷媒管30および内外渡り配線40は、「接続部材」の一例である。室外機10と室内機20とは、液管31、ガス管32および内外渡り配線40によって例示される複数経路の接続部材によって接続されているということができる。
【0016】
図1Bは、冷媒管30の構造の一例を示す図である。冷媒管30は、室外機10と室内機20との間に冷媒50を循環させる管である。冷媒管30は、室外機10と室内機20との距離に応じて、複数の連結管34を連結して形成される。冷媒管30は、分岐管33を含み、分岐管33によって複数の経路に分岐される。冷媒管30の材質は、冷媒50を安定的に循環させ得る強度を有する物が好ましく、例えば、銅等の金属が採用される。冷媒管30の表面は、冷媒50への外気の影響を抑制するため、断熱性のカバーによって覆われる。冷媒管30は、建物1内の天井裏や建物1内に配管や配線等を敷設するために設けられたシャフト内を経由して室外機10と室内機20とを接続する。
【0017】
冷媒50は、室内機20と室外機10との間を循環して熱を輸送する媒体である。冷媒50は、室内機20における部屋2内の空気との熱交換によって受熱する。受熱した冷媒50は室外機10に送られる。室外機10に送られた冷媒50は室外機によって冷却され、冷却された冷媒50は室内機20へ送られる。冷媒50による熱の輸送は顕熱による輸送よりも潜熱による輸送の方が効率が良い。そこで、冷媒50としては、室内機20での受熱および室外機10による冷却によって相転移する物質が好ましい。換言すれば、冷媒50は、室内機20での受熱によって気化し、室外機10による冷却で液化する物質が好ましい。冷媒50は、例えば、代替フロンである。
【0018】
液管31は、上述の通り、室外機10から室内機20へ冷媒50を供給する管である。ガス管32は、上述の通り、室内機20から室外機10へ冷媒50を供給する管である。冷媒50として上述の代替フロンが採用された場合、液化した冷媒50が室外機10から室内機20へ液管31を介して送られ、気化した冷媒50が室内機20から室外機10へガス管32を介して送られる。
【0019】
図1Aに戻り、室内機20は、例えば、空気調和の対象となる部屋2の天井に設置される。
図1Aを参照すると、室内機20a、20bは部屋2aに設置され、室内機20c、20dは部屋2bに設置される。室内機20は、室外機10から液管31を介して供給された冷媒50と部屋2内の空気との熱交換によって部屋2の空気調和を行う。熱交換によ
って受熱した冷媒50は、ガス管32を介して室内機20から室外機10へ送られる。
【0020】
室外機10は、例えば、建物1の屋上に設置される。室外機10は、ガス管32を介して室内機20から送られた冷媒50を室外機10内に設けられた熱交換器によって外気と熱交換することで冷却する。室外機10は、冷却した冷媒50を液管31を介して室内機20へ送る。
【0021】
内外渡り配線40は、室外機10と室内機20とを電気的に接続する。室内機20は、内外渡り配線40を介して指示を送信することで、室外機10の回転数を制御できる。内外渡り配線40は、例えば、上記した断熱性のカバーによって冷媒管30と共巻きされる。
【0022】
以下、本明細書において、室外機10および当該室外機10と接続された冷媒管30、内外渡り配線40および室内機20を当該室外機10の系統と称する。例えば、
図1Aを参照すると、室外機10aの系統として室外機10a、冷媒管30a、内外渡り配線40aおよび室内機20a、20bを挙げることができる。また、室外機10bの系統として室外機10b、冷媒管30b、内外渡り配線40bおよび室内機20c、20dを挙げることができる。
【0023】
図2は、実施形態に係る室外機10、室内機20および冷媒管30を撤去する手順の一例を示す図である。実施形態では、室外機10aの系統が撤去対象であると仮定して説明する。
【0024】
OP1では、撤去対象の室外機10aの系統の冷媒管30aの配置を建物1の図面等によって確認する。図面が無い場合や図面と実際の配置に齟齬がある場合、空調システム100を設置したメーカーに問い合わせる等の手段で確認する。
【0025】
OP2では、室外機10aの系統に接続された冷媒管30aから冷媒50が回収される。冷媒50の回収は、例えば、冷媒回収を専門とする業者によって行われる。
【0026】
OP3では、室外機10aおよび室内機20a、20bを冷媒管30aおよび内外渡り配線40から外し、室外機10aおよび室内機20a、20bを撤去する。
【0027】
OP4では、撤去しようとする冷媒管30が撤去対象である冷媒管30aであるか否かを確認する。冷媒管30は、上述のように、複数の連結管34が連結されており、また、建物1の天井裏やシャフト内等を経由して配置されている。さらに、建物1には、撤去対象ではない冷媒管30bも敷設されている。そのため、例えば、天井裏やシャフト内等に配置されている連結管34を撤去する場合、撤去対象である冷媒管30aの連結管34であるか否かが判別しにくい場合もあり得る。そこで、OP4では、実際に冷媒管30の撤去を行う前に、当該冷媒管30が撤去対象である冷媒管30aであるか否かの判定を実施する。
【0028】
図3Aおよび
図3Bは、冷媒管30が撤去対象の系統であるか否かを判定する手順の一例を示す図である。
図3Aおよび
図3Bは、
図2のOP4の手順をより詳細に示す図となっている。また、
図4は、冷媒管30が撤去対象であるか否かを判定する際の作業員400a、400bの配置の一例を示す図である。以下、
図3A、
図3Bおよび
図4を参照して、冷媒管30が撤去対象である冷媒管30aであるか否かを判定する手順について説明する。
【0029】
OP21では、作業員400a(図中では、作業員1と記載)は、撤去した室外機10
aに接続されていた冷媒管30aの近くに移動する。OP22では、作業員400b(図中では、作業員2と記載)は、建物1に配置された冷媒管30のうち、撤去対象と思われる冷媒管30の室内機20側に移動する。
【0030】
OP23では、作業員400aは、撤去した室外機10aに接続されていた液管31aとガス管32aとを導線で接続する。OP23で導線によって接続された液管31aおよびガス管32aは、「第1接続部材ペア」の一例である。OP24では、作業員400bは、電流の導通を確認するテスターを用意する。
図5は、テスター300の一例を示す図である。テスター300は、本体部301および一対のテストリード304を備える。本体部301は、表示部302および設定ダイヤル303を備える。テスター300は、一対のテストリード304を回路に接触させることで、回路に流れる電流の測定、回路にかかる電圧の測定、回路の導通確認等の様々な機能を有し、設定ダイヤル303によってこれらの機能を切り替えることができる。テスター300による試験結果は、表示部302に表示される。本実施形態は、テスター300の導通確認の機能を利用する。導線は、「第1の導体」または「第2の導体」の一例である。
【0031】
OP24では、作業員400bは、撤去対象と思われる液管31とガス管32のカバーの一部を破る。作業員400bは、導通確認モードに設定したテスター300のテストリード304の一方を液管31のカバーを破った箇所から液管31に接触させ、他方をガス管32のカバーを破った箇所からガス管32に接触させる。
図6は、テスター300のテストリード304を液管31およびガス管32に接触させた様子の一例を示す図である。
図6を参照すると、液管31およびガス管32のカバーの一部が破られ、当該破られた箇所からテストリード304が各々差し込まれていることがわかる。OP23およびOP24の作業は、例えば、作業員400aと作業員400bとが携帯電話等で連絡を取り合って実施のタイミングを計る。テスター300は、「第1の導体」または「第2の導体」の一例である。テストリード304は、「検査端子」の一例である。OP24の作業は、「第1の確認工程」の一例である。OP24でテストリード304を接触させた液管31およびガス管32は、「第2接続部材ペア」の一例である。
【0032】
図7は、導線によって接続した液管31およびガス管32と、テスター300のテストリード304を接触させた液管31およびガス管32とが同一系統である状態の一例を示す図である。
図7では、図の簡略化のため、内外渡り配線40および他の系統の冷媒管30の図示が省略されている。この場合、液管31a、ガス管32a、作業員400aによる導線および作業員400bによるテスター300のテストリード304によって閉回路が形成される。そのため、テスター300がテストリード304間に電圧を加えると、当該閉回路を流れる電流が検知され、当該閉回路内の電流の導通が確認される。すなわち、テスター300は、テストリード304が接触している液管31とガス管32との間を流れる電流を検知する。また、作業員400aが液管31およびガス管32の少なくとも一方から導線を外すと、作業員400aによる導線および作業員400bによるテスター300のテストリード304によって開回路が形成される。そのため、テスター300がテストリード304間に電圧を加えても、テスター300は電流を検知しなくなる。
【0033】
一方、
図8は、導線によって接続した液管31およびガス管32と、テスター300のテストリード304を接触させた液管31およびガス管32とが異なる系統である状態の一例を示す図である。
図8では、図の簡略化のため、内外渡り配線40の図示は省略されている。
図8では、導線によって液管31aとガス管32aとが接続され、テスター300のテストリード304によって液管31bとガス管32bとが接続されている。この場合、液管31bとガス管32bとは室外機10b内部の銅管10mによって電気的に接続される。そのため、作業員400aの導線による液管31aとガス管32aとの接続の有無とは無関係に、テスター300は継続して電流を検知する。
図7と
図8とを比較すると
理解できるように、作業員400aが導線で液管31およびガス管32を接続したタイミングで作業員400bのテスター300が電流を検知し、作業員400aが液管31およびガス管32から導線を外したタイミングで作業員400bのテスター300が電流を検知しなくなることで、作業員400bが撤去対象と判断した冷媒管30が作業員400aが導線を接続した冷媒管30と同一系統であるか否かが判定できる。作業員400bは、作業員400aが導線を接続したり外したりするタイミングを、例えば、携帯電話によって例示される通信手段によって作業員400aと連絡を取ることで、把握可能である。
【0034】
図3Aに戻り、テスター300によって導通が確認されなかった場合(OP25でNO)、作業はOP29に進められる。テスター300によって導通が確認された場合(OP25でYES)、作業はOP26に進められる。OP26では、作業員400aは、導線を液管31およびガス管32から外す。作業員400bは、導線が液管31およびガス管32から外された状態で、テスター300によって導通を確認する。OP26の作業は、「第2の確認工程」の一例である。
【0035】
テスター300によって導通が確認されなかった場合(OP27でNO)、作業員400bは、テスター300のテストリード304を接触させた液管31およびガス管32が撤去対象であると判断できる。そのため、OP28では、作業員400bは、撤去対象であることを示すタグを当該冷媒管30に付する。その後、作業はOP22に戻り、作業員400bは、撤去対象と思われるより室外機10a側の冷媒管30の前に移動する。OP28の作業は、「表示工程」の一例である。OP25でYESに分岐し、OP27でNOに分岐する作業は、「判定工程」の一例である。
【0036】
テスター300によって導通が確認された場合(OP27でYES)、作業員400bがテスター300のテストリード304を接触させた冷媒管30は撤去対象ではないと判断できる(OP29)。そのため、作業員400bは、撤去対象と思われる他の冷媒管30の前に移動し、当該冷媒管30に対し、OP24以降の確認手順を実行する(OP29からOP24)。
【0037】
図2のOP5に戻り、作業員400aおよび400bは、
図3BのOP28でタグが付された冷媒管30の撤去を行う。OP5の作業は、「撤去工程」の一例である。
【0038】
実施形態では、テスター300を用いた導通確認によって冷媒管30が撤去対象の系統のものであるか否かが確認された。導通確認によって、例えば、天井裏やシャフト内に配置された連結管34に対しても容易に系統の確認を行うことができる。そのため、実施形態によれば、冷媒管30の撤去作業において、撤去作業の対象となる冷媒管30であるか否かの判定が容易になる。
【0039】
実施形態では、室外機10a側の作業員400aは移動せず、室内機20a側に配置した作業員400bが冷媒管30の連結管34の撤去に伴って室外機10a側へと段階的に移動した。そのため、実施形態によれば、室外機10aと接続されていたことで容易に撤去対象と確認できる作業員400a側の冷媒管30aを基準として、室内機20a側の冷媒管30が撤去対象であるか否かを判定できる。
【0040】
実施形態では、冷媒管30が撤去対象の系統のものであるか否かの判定に導線とテスター300を使用した。導線とテスター300のいずれも小型で容易に持ち運び可能である。また、導線とテスター300は、作業員が作業現場に持ち込む荷物に含まれることが多いと思われる。そのため、実施形態によれば、作業員は追加の荷物を持ち運ばずに冷媒管30が撤去対象か否かを判定できる。
【0041】
実施形態では、テスター300の導通確認機能を利用して冷媒管30が撤去対象の系統のものであるか否かを判定した。しかしながら、冷媒管30が撤去対象の系統のものであるか否かは、テスター300を用いる方法に限定されない。冷媒管30が撤去対象であるか否かを確認する作業には、電流の導通を確認できる手段であれば、どのような手段でも採用可能である。
【0042】
実施形態では、テスター300を用いた導通確認によって冷媒管30が撤去対象の系統のものであるか否かが判定された。しかしながら、撤去対象の系統であるか否かが判定されるのは冷媒管30に限定されない。例えば、液管31および内外渡り配線40に対して、
図3Aおよび
図3Bを基に説明した方法を適用することで、液管31および内外渡り配線40が撤去対象であるか否かを判定することもできる。この場合、液管31および内外渡り配線40の室外機に接続されていた側は、「第1接続部材ペア」の一例であり、液管31および内外渡り配線40の室内機に接続されていた側は、「第2接続部材ペア」の一例である。また、例えば、ガス管32および内外渡り配線40に対して、
図3Aおよび
図3Bを基に説明した方法を適用することで、ガス管32および内外渡り配線40が撤去対象であるか否かを判定することもできる。この場合、ガス管32および内外渡り配線40の室外機に接続されていた側は、「第1接続部材ペア」の一例であり、ガス管32および内外渡り配線40の室内機に接続されていた側は、「第2接続部材ペア」の一例である。
【0043】
実施形態では、2名の作業員によって冷媒管30が撤去対象であるか否かの判定作業が実施されたが、当該作業を実施する作業員の人数に限定は無い。冷媒管30が撤去対象であるか否かの確認作業は、例えば、1名の作業員によって実施されてもよい。1名の作業員で実施する場合、例えば、室外機10a側の液管31とガス管32とを導線で接続した後、作業員は室内機20a側の液管31とガス管32の近くに移動し、テスター300のテストリード304を液管31とガス管32とに接触させればよい。また、3名以上の作業員によって冷媒管30が撤去対象であるか否かの確認作業が実施されてもよい。
【0044】
実施形態では、撤去対象の系統のものであると確認された冷媒管30aの撤去を行ったが、冷媒管30aの撤去は別の業者が担当してもよい。この場合、撤去対象であると確認された冷媒管30aに撤去対象であることを示すタグを付しておき、撤去作業を担当する業者に作業を引き継げばよい。
【0045】
以上で開示した実施形態や変形例はそれぞれ組み合わせることができる。