特許第6863659号(P6863659)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6863659
(24)【登録日】2021年4月5日
(45)【発行日】2021年4月21日
(54)【発明の名称】データ通信方法及びデータ通信装置
(51)【国際特許分類】
   H04W 16/26 20090101AFI20210412BHJP
   H04W 84/12 20090101ALI20210412BHJP
   H04W 88/04 20090101ALI20210412BHJP
   H04W 92/18 20090101ALI20210412BHJP
【FI】
   H04W16/26
   H04W84/12
   H04W88/04
   H04W92/18
【請求項の数】17
【外国語出願】
【全頁数】20
(21)【出願番号】特願2020-49508(P2020-49508)
(22)【出願日】2020年3月19日
(62)【分割の表示】特願2018-560180(P2018-560180)の分割
【原出願日】2017年7月26日
(65)【公開番号】特開2020-120384(P2020-120384A)
(43)【公開日】2020年8月6日
【審査請求日】2020年4月24日
(31)【優先権主張番号】201610723606.7
(32)【優先日】2016年8月25日
(33)【優先権主張国】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】504161984
【氏名又は名称】ホアウェイ・テクノロジーズ・カンパニー・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】龍華国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】ガン、ミン
(72)【発明者】
【氏名】ユ、ジアン
(72)【発明者】
【氏名】ヤン、シュン
【審査官】 伊東 和重
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2016/0183162(US,A1)
【文献】 特表2016−507183(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2015/0327265(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/24−7/26
H04W 4/00−99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線ローカルエリアネットワークに適用されるデータ通信装置であって、前記データ通信装置は、プロセッサと、コンピュータが実行可能なプログラムコードを格納するように構成されるメモリとを備え、前記プログラムコードは命令を含み、前記プロセッサが前記命令を実行するとき、前記命令は、前記データ通信装置が以下のオペレーション
前記データ通信装置に関連付けられたステーション(STA)が報告したフレームを受信するオペレーションであって、前記データ通信装置及び前記STAは、第1の基本サービスセット(BSS)に属し、前記フレームは第2のBSS識別子を含む、オペレーションと、
物理層プロトコルデータユニット(PPDU)を受信するオペレーションであって、前記PPDUは物理層プリアンブル高効率フィールドを含み、前記物理層プリアンブル高効率フィールドは、対象のBSS識別子を含む、オペレーションと、
前記PPDU内の前記対象のBSS識別子が前記第2のBSS識別子と同じであり、事前設定された条件が満たされる場合、前記第1のBSSにおける前記ステーションにフレームを送信しないオペレーションであって、前記事前設定された条件は、前記PPDU内の前記対象のBSS識別子が前記第1のBSSの第1のBSS識別子と異なることを含む、オペレーションと、
を行うことを可能にする
装置。
【請求項2】
前記第2のBSS識別子は、前記STAが属する第2のBSSの識別子である、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記PPDUは、空間再利用禁止フィールドを含み、前記事前設定された条件は、前記PPDU内の前記空間再利用禁止フィールドの値が空間再利用禁止識別子ではないことをさらに含む、請求項1または2に記載の装置。
【請求項4】
前記事前設定された条件は、受信信号強度インジケータが重複BSS(OBSS)パケット検出レベル(OBSS PD level)より小さいことをさらに含む、請求項1から3のいずれか一項に記載の装置。
【請求項5】
前記PPDU内の前記対象のBSS識別子が前記第2のBSS識別子と同じであり、事前設定された条件が満たされる場合、前記第1のBSSにおける前記ステーションにフレームを送信しない前記オペレーションであって、前記事前設定された条件は、前記PPDU内の前記対象のBSS識別子が前記第1のBSS識別子と異なることを含む、前記オペレーションは、
前記PPDU内の前記対象のBSS識別子が前記第2のBSS識別子と同じであり、事前設定された条件が満たされる場合、前記第1のBSSにおける前記ステーション以外の別のステーションにフレームを送信するオペレーションであって、前記事前設定された条件は、前記PPDU内の前記対象のBSS識別子が前記第1のBSS識別子と異なることを含む、オペレーション
を含む、請求項1から4のいずれか一項に記載の装置。
【請求項6】
前記オペレーションは、前記PPDU内の前記対象のBSS識別子が前記第2のBSS識別子と異なり、前記事前設定された条件が満たされる場合、前記第1のBSSにおける前記STAにフレームを送信するオペレーションをさらに含む、請求項1から5のいずれか一項に記載の装置。
【請求項7】
前記フレームは、データフレーム、管理フレームまたは制御フレームのうちいずれか1つである、請求項1から6のいずれか一項に記載の装置。
【請求項8】
前記データ通信装置は、前記第1のBSSにおけるアクセスポイントに適用される、請求項1から7のいずれか一項に記載の装置。
【請求項9】
前記STAは、非アクセスポイント局である、請求項1から8のいずれか一項に記載の装置。
【請求項10】
コンピュータプログラムであって、前記コンピュータプログラムがアクセスポイント(AP)によって実行される場合、以下のオペレーション
前記APに関連付けられたステーション(STA)が報告したフレームを受信するオペレーションであって、前記AP及び前記STAは、第1の基本サービスセット(BSS)に属し、前記フレームは第2のBSS識別子を含む、オペレーションと、
物理層プロトコルデータユニット(PPDU)を受信するオペレーションであって、前記PPDUは物理層プリアンブル高効率フィールドを含み、前記物理層プリアンブル高効率フィールドは、対象のBSS識別子を含む、オペレーションと、
前記PPDU内の前記対象のBSS識別子が前記第2のBSS識別子と同じであり、事前設定された条件が満たされる場合、前記第1のBSSにおける前記ステーションにフレームを送信しないオペレーションであって、前記事前設定された条件は、前記PPDU内の前記対象のBSS識別子が前記第1のBSSの第1のBSS識別子と異なることを含む、オペレーションと、
が行われる、コンピュータプログラム。
【請求項11】
前記第2のBSS識別子は、前記STAが属する第2のBSSの識別子である、請求項10に記載のコンピュータプログラム。
【請求項12】
前記PPDUは、空間再利用禁止フィールドを含み、前記事前設定された条件は、前記PPDU内の前記空間再利用禁止フィールドの値が空間再利用禁止識別子ではないことをさらに含む、請求項10または11に記載のコンピュータプログラム。
【請求項13】
前記事前設定された条件は、受信信号強度インジケータが重複BSS(OBSS)パケット検出レベル(OBSS PD level)より小さいことをさらに含む、請求項10から12のいずれか一項に記載のコンピュータプログラム。
【請求項14】
前記PPDU内の前記対象のBSS識別子が前記第2のBSS識別子と同じであり、事前設定された条件が満たされる場合、前記第1のBSSにおける前記ステーションにフレームを送信しない前記オペレーションであって、前記事前設定された条件は、前記PPDU内の前記対象のBSS識別子が前記第1のBSS識別子と異なることを含む、前記オペレーションは、
前記PPDU内の前記対象のBSS識別子が前記第2のBSS識別子と同じであり、事前設定された条件が満たされる場合、前記第1のBSSにおける前記ステーション以外の別のステーションにフレームを送信するオペレーションであって、前記事前設定された条件は、前記PPDU内の前記対象のBSS識別子が前記第1のBSS識別子と異なることを含む、オペレーション
を含む、請求項10から13のいずれか一項に記載のコンピュータプログラム。
【請求項15】
前記オペレーションは、前記PPDU内の前記対象のBSS識別子が前記第2のBSS識別子と異なり、前記事前設定された条件が満たされる場合、前記第1のBSSにおける前記STAにフレームを送信するオペレーションをさらに含む、請求項10から14のいずれか一項に記載のコンピュータプログラム。
【請求項16】
前記フレームは、データフレーム、管理フレームまたは制御フレームのうちいずれか1つである、請求項10から15のいずれか一項に記載のコンピュータプログラム。
【請求項17】
前記STAは、非アクセスポイント局である、請求項10から16のいずれか一項に記載のコンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は無線ネットワーク技術の分野に関し、特に、データ通信方法及びデータ通信装置に関する。
【背景技術】
【0002】
次世代のIoT(モノのインターネット)におけるワイヤレスフィディリティ(Wireless Fidelity、Wi−Fi)プロトコルの1つの目的は、長距離伝送である。長距離伝送を実現するために、マルチホップ式中継伝送が802.11ahに導入されている。中継器(relay)によって、中継局(relay station、relay−STA)機能及び中継アクセスポイント(relay access point、relay−AP)機能という2つの機能が論理的に実装される。関連する上位層のAPと通信する場合、中継器は通常、非アクセスポイント局の役割を果たす、すなわち、relay−STAの役割を果たす。中継器によって管理されるステーションが中継器と通信する場合、中継器はアクセスポイント局の役割を果たす、すなわち、relay−APの役割を果たす。各中継器及び中継器によって管理されるステーションは、1つの基本サービスセット(Basic Service Set、BSS)と呼ばれ、さらに、各中継器及び中継器と関連付けられる上位層のAPはそれぞれ、別のBSSに属する。図1に示すように、relay1及びrelay1と関連付けられる上位層のroot APがBSS1に属する(BSS1では、中継器がrelay−STAの役割を果たす)。さらに、relay1及びrelay1によって管理されるステーション(STA1及びSTA3を含む)はBSS2と呼ばれる(BSS2では、中継器がrelay−APの役割を果たす)。
【0003】
システム全体のスループット及びスペクトル利用を改善するために、通常は空間再利用(Spatial Reuse、SR)が複数のBSSで行われることがある。すなわち、複数のBSSが同一周波数内でのデータ送信を同時に行う。具体的には、ステーションが重複BSS(Overlapping BSS、OBSS)からデータパケットを受信する場合、ステーションはチャネルに関して競合することがあり、特定のSR条件が満たされるとSR送信を行う。
【0004】
しかしながら、中継ネットワークにおいて、中継器、例えば図1のrelay1は、同時に2つのBSSに属することがある。relay1のrelay1−APモジュールはBSS2に属するが、relay1−STAモジュールはBSS1に属する。BSS識別子に基づく複数のBSSによる従来の同時送信は、送信衝突問題を引き起こすことがある。例えば、relay1−APはPPDU1をSTA1に送信する。この場合、root APはPPDU1を受信するが、PPDU1の物理層プリアンブルで搬送されるBSS識別子がOBSSのPPDUとして判定されることに基づいて、現在受信されたPPDU1がSR条件を満たす場合、root APはチャネルに関して競合し、root APによって管理されるステーションにデータを送信してよい。root APがデータをrelay1−STAに送信するが、この時点でrelay1がデータを送信しており、データを同時に受信できない場合、root APによって送信されたデータは受信されない。これにより、データ送信衝突問題が引き起こされる。
【発明の概要】
【0005】
異なるBSSの間で空間再利用が行われる場合に生じるデータ送信衝突問題を解決して、リソース利用を改善するために、本発明の実施形態がデータ通信方法及びデータ通信装置を提供する。
【0006】
1つの態様によれば、本発明の一実施形態が、無線ローカルエリアネットワークに適用されるデータ通信方法を提供する。無線ローカルエリアネットワークは、ルートアクセスポイントroot AP、中継器、及びステーションSTAを含み、root APは複数の中継器と関連付けられており、複数の中継器のそれぞれは1つ又は複数のSTAと関連付けられている。本方法は、無線ローカルエリアネットワーク内のネットワークノードによって行われ、任意選択で、ネットワークノードは、ルートアクセスポイントroot AP、ステーションSTA、又は中継器であってよい。任意選択で、物理層プロトコルデータユニットPPDUを受信した後に、ネットワークノードがPPDU内の基本サービスセットBSS識別子を取得する。PPDU内のBSS識別子が第1のBSS識別子と異なり、PPDU内のBSS識別子が第2のBSS識別子と同じである場合、ネットワークノードは事前設定された空間再利用条件をPPDUが満たすかどうかを判定する。ここで、第1のBSS識別子は、ネットワークノードが属する第1のBSSの識別子であり、第2のBSS識別子は、対象の中継器が属する拡張BSSの識別子であり、対象の中継器及びネットワークノードは第1のBSSに属する。事前設定された空間再利用条件をPPDUが満たす場合、ネットワークノードはアクセスチャネルに関して競合し、第1のBSS内の対象の中継器以外のステーションと通信する。
【0007】
実行可能な設計において、ネットワークノードが第1のBSS内のアクセスポイント局であり(例えば、ネットワークノードがルートアクセスポイントroot APであるか、又はネットワークノードが中継器である)、中継器が第1のBSS内のrelay−APである場合、PPDU内の基本サービスセットBSS識別子を取得する前に、ネットワークノードはさらに、中継器によって報告される事前設定フレームを受信してよく、事前設定フレームは中継器が属する拡張BSSの識別子を含み、中継器及びネットワークノードは第1のBSSに属する。任意選択で、事前設定フレームは、データフレーム、管理フレーム、又は制御フレームのうちいずれか1つを含む。
【0008】
別の実行可能な設計において、ネットワークノードが第1のBSS内の非アクセスポイント局であり(例えば、ネットワークノードがSTAであるか、又はネットワークノードが中継器である)、中継器が第1のBSS内のrelay−STAである場合、PPDU内の基本サービスセットBSS識別子を取得する前に、ネットワークノードはさらに管理フレームを受信してよい。管理フレームは、第1のBSS内の全ての中継器が属する拡張BSSの識別子を搬送し、管理フレームは、ネットワークノードが属する第1のBSSでアクセスポイント局によってブロードキャストされる。
【0009】
別の実行可能な設計において、前述の管理フレームで搬送される、第1のBSS内の全ての中継器が属する拡張BSSの識別子は、第1のBSS内の中継器によってアクセスポイント局に事前報告され、これらの中継器が属する拡張BSSの識別子である。
【0010】
別の実行可能な設計において、PPDUが空間再利用禁止フィールドを含む場合、ネットワークノードがアクセスチャネルに関して競合する前に、ネットワークノードは空間再利用禁止フィールドの値を読み取り、PPDU内の空間再利用禁止フィールドの値が空間再利用禁止識別子であるかどうかを判定し、PPDU内の空間再利用禁止フィールドの値が空間再利用禁止識別子に設定されている場合、チャネルの競合を禁止する。
【0011】
別の態様によれば、本発明の一実施形態が中継ネットワークを提供する。中継ネットワークは少なくとも2つの基本サービスセットBSSを含み、少なくとも2つのBSSのBSS識別子は同じである。したがって、中継ネットワークのBSS間で空間再利用を行うことはできない。
【0012】
別の態様によれば、本発明の一実施形態が、無線ローカルエリアネットワーク内のネットワークノードに適用されるデータ通信装置を提供する。無線ローカルエリアネットワークは、ルートアクセスポイントroot AP、中継器、及びステーションSTAを含み、root APは複数の中継器と関連付けられており、複数の中継器のそれぞれは1つ又は複数のSTAと関連付けられている。データ通信装置は、取得ユニット、判定ユニット、及び送受信機ユニットを含む。取得ユニットは、物理層プロトコルデータユニットPPDUを受信した後に、PPDU内の基本サービスセットBSS識別子を取得するように構成される。判定ユニットは、PPDU内のBSS識別子が第1のBSS識別子と異なり、PPDU内のBSS識別子が第2のBSS識別子と同じである場合、事前設定された空間再利用条件をPPDUが満たすかどうかを判定するように構成され、第1のBSS識別子は、ネットワークノードが属する第1のBSSの識別子であり、第2のBSS識別子は、対象の中継器が属する拡張BSSの識別子であり、対象の中継器及びネットワークノードは第1のBSSに属する。送受信機ユニットは、事前設定された空間再利用条件をPPDUが満たす場合、アクセスチャネルに関して競合し、第1のBSS内の対象の中継器以外のステーションと通信するように構成される。
【0013】
別の態様によれば、本発明の一実施形態が、無線ローカルエリアネットワーク内の任意のネットワークノードに適用されるデータ通信装置を提供する。無線ローカルエリアネットワークは、ルートアクセスポイントroot AP、中継器、及びステーションSTAを含み、root APは複数の中継器と関連付けられており、複数の中継器のそれぞれは1つ又は複数のSTAと関連付けられている。データ通信装置は、コンピュータが実行可能なプログラムコードを格納するように構成されたメモリと、送受信機と、メモリ及び送受信機に連結するように構成されたプロセッサとを含む。
【0014】
プログラムコードは命令を含み、プロセッサが命令を実行すると、データ通信装置は命令によって以下のオペレーションを行うことが可能になる。すなわち、物理層プロトコルデータユニットPPDUを受信した場合、PPDU内の基本サービスセットBSS識別子を取得するオペレーションと、PPDU内のBSS識別子が第1のBSS識別子と異なり、PPDU内のBSS識別子が第2のBSS識別子と同じである場合、事前設定された空間再利用条件をPPDUが満たすかどうかを判定するオペレーションであって、第1のBSS識別子はネットワークノードが属する第1のBSSの識別子であり、第2のBSS識別子は対象の中継器が属する拡張BSSの識別子であり、対象の中継器及びネットワークノードは第1のBSSに属する、オペレーションと、事前設定された空間再利用条件をPPDUが満たす場合、アクセスチャネルに関して競合し、第1のBSS内の対象の中継器以外のステーションと通信するオペレーションとである。さらに別の態様によれば、本発明の一実施形態が、前述のデータ通信装置によって用いられるコンピュータソフトウェア命令を格納するように構成されたコンピュータ記憶媒体を提供する。コンピュータソフトウェア命令は、前述の態様を実行するように設計されたプログラムを含む。
【0015】
本発明のこの実施形態において、物理層プロトコルデータユニットPPDUを受信した後に、ネットワークノードはPPDU内の基本サービスセットBSS識別子を取得する。PPDU内のBSS識別子が第1のBSS識別子と異なり、PPDU内のBSS識別子が第2のBSS識別子と同じである場合、ネットワークノードは、事前設定された空間再利用条件をPPDUが満たすかどうかを判定する。ここで、第1のBSS識別子は、ネットワークノードが属する第1のBSSの識別子であり、第2のBSS識別子は、対象の中継器が属する拡張BSSの識別子であり、対象の中継器及びネットワークノードは第1のBSSに属する。事前設定された空間再利用条件をPPDUが満たす場合、ネットワークノードはアクセスチャネルに関して競合し、第1のBSS内の対象の中継器以外のステーションと通信する。このように、中継ネットワークで空間再利用を実施してリソース利用を改善するために、異なるBSSの間で空間再利用が行われる場合のデータ送信衝突問題を解決することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
本発明の実施形態又は背景技術における技術的解決手段をより明確に説明するために、以下では、本発明の実施形態又は背景技術を説明するのに必要な添付図面を簡潔に説明する。
【0017】
図1】本発明の一実施形態による応用シナリオの概略図である。
【0018】
図2】本発明の一実施形態によるデータ通信方法の概略フローチャートである。
【0019】
図3】本発明の一実施形態によるBSSカラー要素の概略図である。
【0020】
図4】本発明の一実施形態によるデータ通信装置の概略構造図である。
【0021】
図5】本発明の一実施形態による別のデータ通信装置の概略構造図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
本発明の実施形態は、無線ローカルエリアネットワーク(Wireless Local Area Network、WLAN)に適用され得る。現在、WLANに用いられている規格はIEEE(Institute of Electrical and Electronics Engineers)802.11シリーズである。長距離伝送を実現するために、マルチホップ式中継伝送が802.11ahに導入されている。中継局によって、中継局(relay−STA)機能及び中継アクセスポイント(relay access point、relay−AP)機能という2つの機能が論理的に実装される。関連する上位層のAPと通信する場合、中継器は通常、ステーションの役割を果たす(すなわち、relay−STA機能を実現する)。中継器によって管理されるステーションが中継器と通信する場合、中継器は通常、アクセスポイントの役割を果たす(すなわち、relay−AP機能を実現する)。
【0023】
WLANは、複数の基本サービスセットBSSを含んでよく、基本サービスセット内のネットワークノードはステーションであり、ステーションはアクセスポイント(Access Point、AP)局及び非アクセスポイント局(Non−AP STA)を含む。各基本サービスセットは、1つのAP及び当該APと関連付けられた複数のNon−AP STAを含んでよい。中継器が導入された後、中継器は2つの機能を含むので、中継器は通常、2つの異なるBSSに属する。中継器のrelay−STAモジュールが、あるBSSに属し、中継器は当該BSS内の非アクセスポイント局に属する。中継器のrelay−APモジュールが別のBSSに属し、中継器は当該別のBSS内のアクセスポイント局に属する。
【0024】
アクセスポイント局は、無線アクセスポイント、ホットスポットなどとも呼ばれる。アクセスポイント局は、移動体加入者が有線ネットワークにアクセスするのに用いられるアクセスポイントであり、主に、家庭内、建物内、又は大学の構内に配置され、典型的なカバレッジ半径は数十メートルから数百メートルである。もちろん、アクセスポイント局は屋外に配置されてもよい。アクセスポイント局は、有線ネットワークと無線ネットワークとを接続するブリッジに相当する。アクセスポイント局の主な機能は、無線ネットワークの複数のクライアントを共に接続し、その後、無線ネットワークをイーサネット(登録商標)ネットワークに接続することである。具体的には、アクセスポイント局は、Wi−Fi(英文:Wireless Fidelity、中国文:無線保真)チップを備えた端末機器又はネットワーク機器であってよい。任意選択で、アクセスポイント局は、802.11ax規格をサポートする機器であってよい。さらに任意選択で、アクセスポイント局は、802.11ac、802.11n、802.11g、802.11b、802.11a、及び802.11ahなどの複数のWLAN規格をサポートする機器であってよい。
【0025】
非アクセスポイント局(Non−AP STA)は、無線通信チップ、無線センサ、又は無線通信端末であってよく、例えば、Wi−Fi通信機能をサポートする携帯電話、Wi−Fi通信機能をサポートするタブレットコンピュータ、Wi−Fi通信機能をサポートするセットトップボックス、Wi−Fi通信機能をサポートするスマートTV、Wi−Fi通信機能をサポートするインテリジェントなウェアラブルデバイス、Wi−Fi通信機能をサポートする車両用通信機器、又はWi−Fi通信機能をサポートするコンピュータである。任意選択で、Non−AP STAは、802.11ax規格をサポートしてよい。さらに任意選択で、ステーションは、802.11ac、802.11n、802.11g、802.11b、802.11a、及び802.11ahなどの複数のWLAN規格をサポートする。
【0026】
中継器は、アクセスポイント局機能及び非アクセスポイント局機能を有するステーションである。中継器は、あるBSSではアクセスポイント局の役割を果たし、中継器は、別のBSSでは非アクセスポイント局の役割を果たす。
【0027】
既存のWi−Fi技術は、搬送波感知多重アクセス/衝突検出(Carrier Sense Multiple Access/Collision Detection、CSMA/CA)プロトコルを用いて干渉を回避し、これにより、チャネル使用権を競合によって最初に取得したステーションがチャネルリソースを排他的に占有し、他の周辺通信ピアは、当該ステーションが通信を終えた後にだけ、チャネルに関して競合してよい。このように、通信に用いられているリンクがより適切に保護されるが、802.11axの超密集ネットワークでは、リンクのスペクトル効率が大幅に制限される。複数のBSSの重複領域にいる端部のユーザが、周辺の複数のBSSによって干渉されることがあり、端部のユーザの通信機会及びスループットが、中心部のユーザの通信機会及びスループットよりも大幅に低くなり得る。したがって、端部のユーザが、通信機会を増やしてスペクトル効率を改善するために、OBSS通信ピアの送信時間に空間再利用を行うことは、超密集Wi−Fiネットワークシナリオでは重要である。
【0028】
空間再利用技術では、OBSSのデータパケット受信が進行しているときにユーザが同時送信を行うが、空間再利用(Spatial Reuse、SR)送信ピアは、OBSSの進行中の送信に干渉を引き起こさないことが必要とされる。この技術を実施するために、SRノードは、空間再利用を行うための特定の条件を満たす必要がある。さらに、空きチャネル判定(Clear Channel Assessment、CCA)及び既存規格のネットワーク割り当てベクトル(Network Allocation Vector、NAV)ルールも、空間再利用機会を増やすために改善する必要がある。
【0029】
802.11axは、基本サービスセット(basic service set、BSS)のカラーフィールドを物理層プリアンブル高効率フィールドに導入している。このフィールドは、BSSを識別するのに用いられ、受信されたPPDUが当該BSSからのものであるかどうかを受信局が判定するのに役立つ。PPDUの物理層プリアンブル高効率フィールドに含まれるBSSカラーが、受信局が設置されているBSSのBSSカラーと同じである場合、PPDUはBSSのデータパケットである。あるいは、PPDUの物理層プリアンブル高効率フィールドに含まれるBSSカラーが、受信局が設置されているBSSのBSSカラーと異なる場合、PPDUはOBSSのデータパケットである。BSSカラーに基づいて、受信局は、空間再利用ルールを用いてチャネルにアクセスしてよく、又は、エネルギーを節約するために、受信されたPPDUを事前に読み取ることを中止してよい。
【0030】
空間再利用ルール:CCA方式とは、無線通信システムにおいて、あるチャネルを用いてデバイスがデータを送信する必要がある前に、当該デバイスは最初にこのチャネルでデータを受信し、このチャネルが占有されているかどうかを、受信信号強度インジケータ(RSSI)を用いて判定することを意味する。RSSIは、CCA感度とも呼ばれる。802.11規格に基づいて、有効なプリアンブルがCCA閾値より大きいか又はそれに等しいRSSI(−82dBm(デシベルミリワット))を有することが検出された場合、CCAはチャネルがビジー状態であることを示す。チャネルがビジーであることを示すのに用いられるCCA閾値は、プリアンブルが検出されない場合、−62dBmである。このチャネルでデータを送信しているデバイスが他にないことを、当該デバイスが所与の期間においてCCA方式で確認した場合、当該デバイスはデータ送信を開始する。あるいは、別のデバイスがこのチャネルでデータを送信していることが確認された場合、当該デバイスは、このプロセスを任意の期間の後に再度行う。
【0031】
既存のWi−Fi規格は固定閾値のCCAを用いており、この閾値は比較的低いので、ある程度干渉を回避できるが、密集ネットワークの場合には同時確率を大幅に減少させることもある。したがって、空間再利用機会を増やすために、OBSSパケット検出レベル(OBSS PD level、OPD)レベルが、OBSSデータパケットの信号強度を検出するために提供される。
【0032】
空間再利用は、システム全体のスループット及びスペクトル利用を改善するための主要技術である。STAはOBSSからデータパケットを受信した後に、特定の条件が満たされてSRが使用可能になると、STAはOPDレベル(OBSS PD level、OPD)を開始し、CCA検出を行う。RSSIがOPDレベルより小さいという条件が満たされた場合、STAは、チャネルに関して競合し、SRを送信してよい。
【0033】
省電力ルール:PPDUの物理層プリアンブルに含まれる、受信局のBSSカラーと異なるBSSカラーを受信した場合、受信局は、電力を節約するために、PPDUの物理層プリアンブルのBSSカラーフィールドの後続部分(例えば、PPDUの媒体アクセス制御(medium access control、MAC)層)の受信を中止してよい。受信局が中継器であるならば、PPDUを受信した場合、受信局は、PPDUの物理層プリアンブルで搬送されるBSSカラーが、中継器のrelay−STA、及びrelay−APが設置されているBSSのBSSカラーの両方と異なることが判定されたときにだけ、電力を節約するためにPPDUの受信を中止してよいことに留意されたい。
【0034】
本発明の実施形態において、BSS識別子は、あるBSSを一意に識別するのに用いられる。例えば、BSS識別子は、BSSカラー、APのMACアドレス、又はMACアドレスの一部であってよい。図1では、例えば、BSSカラーがBSS識別子として説明に用いられている。
【0035】
本発明の実施形態において、ネットワークノードはステーションSTAであってよく、又はネットワークノードはルートアクセスポイントroot APであってよく、又はネットワークノードは中継器であってよい。
【0036】
本発明の実施形態において、中継器はrelay−APモジュール及びrelay−STAモジュールを含み、この2つのモジュールは異なるBSSに属する。本発明の実施形態において、中継器及びネットワークノードが属する同じBSSが第1のBSSと呼ばれ、中継器が属する別のBSSが拡張BSSと呼ばれる。図1に示すように、relay1が説明のための一例として用いられており、ネットワークノードがroot APである場合、relay1−STAはBSS1に属し、relay1−APはBSS2に属する。本発明の実施形態において、relay1−STA及びネットワークノードroot APが属するBSSは第1のBSSと呼ばれ、relay1−APが属するBSS2は拡張BSSと呼ばれる。
【0037】
図1を参照すると、図1は、典型的なWLAN配置シナリオのシステムの概略図である。この図に示すように、この実施形態のシステムアーキテクチャは、3層のネットワークノードを含む。もちろん、3層のネットワークノードは、本発明のこの実施形態において単なる一例として用いられており、本発明に制限を設けるものではない。本発明は、N層のネットワークノードを含んでよい(Nは3より大きいか又はそれに等しい)。例えば、図1のSTA1はrelay3であってよく、relay3は複数のSTAを管理する。このように、4層のネットワークアーキテクチャが構成される。
【0038】
図1に示すネットワークは3つのBSSを含む(3つのBSSは単なる一例であり、本発明に制限を設けるものではないことが理解され得る)。この図の中継器は、中継局(relay−STA)機能及び中継アクセスポイント(relay−AP)機能という2つの機能を論理的に実装する。関連する上位層のAP(例えば、この図のroot AP)と通信する場合、中継器は通常、relay−STAの役割を果たし、中継器によって管理されるステーションが中継器と通信する場合、例えば、STA1がデータパケットをrelay1に送信する場合、relay1はrelay−APの役割を果たす。各中継器及び中継器によって管理されるステーションは1つのBSSと呼ばれ、例えば、relay1、STA1、及びSTA3は1つのBSSである。
【0039】
本発明のこの実施形態のネットワークノードは、図1のroot AP、STA、又は中継器であってよい。ネットワークノードがrelay1である場合、第1のBSSは、図1のBSS1又は図1のBSS2であってよいことに留意されたい。第1のBSSを決定するための具体的な方法が、relay1が通信する必要のあるステーションが属するBSSに基づいて、第1のBSSを決定することであってよい。例えば、relay1はSTA1と通信する必要があるので、第1のBSSはBSS2である。
【0040】
マルチホップ式中継ネットワークにおいて、各BSSは1つのBSSカラーを有し、これはBSSを識別するのに用いられる。BSSカラーフィールドは、PPDUの物理層プリアンブルシグナリングフィールド又はMACヘッダに配置される。PPDUを受信した後に、ネットワークノードは、ネットワークスループットを改善するために、空間再利用ルールを用いて同時データパケットの伝送効率を改善してよい。さらに、異なるBSSカラーに基づいて、ネットワークノードは、省電力効果を実現するために、省電力ルールを用いてPPDUの受信を事前に中止してよい。
【0041】
図1に示すように、BSS1、BSS2、及びBSS3内の各ステーションによる同時送信の確率が、BSSカラーを用いて改善され得る。しかしながら、中継器は同時に2つのBSSに属することがあり、例えば、relay1のrelay1−APはBSS2に属し、relay1−STAはBSS1に属するので、BSSカラーに基づく複数のBSSの同時送信によって、データ送信衝突問題が引き起こされることがある。例えば、relay1−APはPPDU1をSTA1に送信する。この場合、root APはPPDU1を受信するが、PPDU1の物理層プリアンブルで搬送されるBSSカラーがOBSSのPPDUとして判定されることに基づいて、現在受信されたPPDU1のRSSIがOPDレベルより小さいという条件を満たし、且つPPDU1のRSSIがSR条件を満たす場合、root APはチャネルに関して競合し、root APによって管理されるステーションにデータを送信してよい。root APがデータをrelay1−STAに送信するが、この時点でrelay1がデータを送信していて、データを受信できない場合、root APによって送信されたデータは受信されない。別の例では、STA1はPPDU2をrelay1−APに送信する。この場合、root APはPPDU2を受信するが、PPDU2の物理層プリアンブルで搬送されるBSSカラーがOBSSのPPDUとして判定されることに基づいて、現在受信されたPPDU2のRSSIがOPDレベルより小さいという条件を満たし、且つPPDU2のRSSIがSR条件を満たす場合、root APはチャネルに関して競合し、root APによって管理されるステーションにデータを送信してよい。root APがデータをrelay1−STAに送信するならば、この場合、STA1及びroot APからrelay1によって同時に受信されるデータパケットが衝突し得る。
【0042】
本発明のこの実施形態では、前述のデータ送信衝突問題を解決するために、空間再利用が行われる場合、従来の空間再利用ルールを判定に用いることに加えて、BSS内の全ての中継器が属する拡張BSSの識別子をさらに取得する必要がある。このように、対象の中継器が属する拡張BSSのPPDUを受信する場合、ネットワークノードは、データ衝突問題が生じ得るので、対象の中継器と通信できない。
【0043】
図2を参照すると、図2は、本発明の一実施形態によるデータ通信方法のフローチャートである。本発明のこの実施形態のデータ通信方法は、無線ローカルエリアネットワークに適用される。無線ローカルエリアネットワークは、ルートアクセスポイントroot AP、中継器、及びステーションSTAを含む。root APは複数の中継器と関連付けられており、複数の中継器のそれぞれは1つ又は複数のSTAと関連付けられている。本発明のこの実施形態のネットワークノードは、無線ローカルエリアネットワーク内の任意のステーション(ルートアクセスポイントroot AP、中継器、及びステーションSTAのうちいずれか1つを含む)であってよい。この図に示すように、本発明のこの実施形態のデータ通信方法は、以下の段階を含む。
【0044】
S200.物理層プロトコルデータユニットPPDUを受信した後に、ネットワークノードはPPDU内の基本サービスセットBSS識別子を取得する。
【0045】
本発明のこの実施形態において、ネットワークノードは、アクセスポイント局(例えば、図1のroot AP又はrelay−AP)又は非アクセスポイント局(例えば、図1のSTA又はrelay−STA)を含んでよい。中継器は、アクセスポイント局relay−AP又は非アクセスポイント局relay−STAであってよい。中継器は、異なるBSSにおいて異なる識別情報を有する。PPDUを受信した場合、ネットワークノードは、PPDUの物理層プリアンブルから、解析によってBSS識別子を取得する。PPDU内のBSS識別子は、PPDUの送信元のBSSの識別子を表すのに用いられる。PPDUを送信するステーションが中継器である場合、PPDU内のBSS識別子は、PPDUを送信する中継器のモジュールが属するBSSを識別するのに用いられることに留意されたい。図1に示すように、relay1はPPDUをBSS1のAPに送信し、PPDUに含まれるBSS識別子は、relay−STAが属するBSS1の識別子である。
【0046】
任意選択で、ネットワークノードが第1のBSS内のアクセスポイント局である場合、PPDU内に含まれる基本サービスセットBSS識別子を取得する前に、本方法はさらに、中継器によって報告される事前設定フレームをネットワークノードによって受信する段階を含む。ここで、事前設定フレームは中継器が属する拡張BSSの識別子を含み、中継器及びネットワークノードは第1のBSSに属する。
【0047】
任意選択で、事前設定フレームは、データフレーム、管理フレーム、又は制御フレームのうちいずれか1つを含む。
【0048】
本発明のこの実施形態において、ネットワークノードが第1のBSS内のアクセスポイント局である場合、例えば、図1のBSS1(第1のBSSはBSS1である)のroot AP、又はBSS2(第1のBSSはBSS2である)のrelay1−APである場合、第1のBSS内の各中継器は、中継器と関連付けられたアクセスポイント局(すなわち、ネットワークノード)に、中継器が属する別のBSSの識別子、すなわち、中継器が属する拡張BSSの識別子を報告する。図1に示すように、各中継器は、中継器のrelay−APが設置されているBSSのBSS識別子(例えば、BSS識別子はBSSカラーであってよい)をネットワークノードに報告する。
【0049】
図1に示すように、ネットワークノードがBSS1のroot APであり、第1のBSSがBSS1である場合、relay1は、relay1のrelay1−APが属する拡張BSSの識別子(すなわち、BSS2の識別子)をroot APに報告し、relay1−STAはBSS1に属する。また、relay2は、relay2のrelay−APが属する拡張BSSの識別子(すなわち、BSS3の識別子)をroot APに報告し、relay2−STAはBSS1に属する。
【0050】
同様に、ネットワークノードが中継器である場合、中継器は第1のBSS内のrelay−APであり、第1のBSS内の各中継器は、中継器のrelay−APが設置されている別のBSSの識別子をネットワークノードに報告する。
【0051】
具体的には、任意選択で、各中継器がBSSカラーをネットワークノードに報告する方法は、各中継器が中継器のrelay−STAモジュールを用いて事前設定フレームをネットワークノードに送信することであってよい。ネットワークノードのrelay−APが設置されているBSSのBSSカラーをネットワークノードに通知するために、事前設定フレームのMACヘッダがBSSカラーを搬送する。事前設定フレームは、データフレーム、管理フレーム、又は制御フレームのうちいずれか1つであってよい。
【0052】
任意選択で、ネットワークノードが第1のBSS内の非アクセスポイント局である場合、PPDU内の基本サービスセットBSS識別子を取得する段階の前に、本方法はさらに、管理フレームをネットワークノードによって受信する段階を含む。ここで、管理フレームは、第1のBSS内の全ての中継器が属する拡張BSSの識別子を搬送し、管理フレームは、ネットワークノードが属する第1のBSS内のアクセスポイント局によってブロードキャストされる。
【0053】
本発明のこの実施形態において、ネットワークノードが第1のBSS内の非アクセスポイント局である場合、例えば、図1のBSS1(第1のBSSはBSS1である)のSTA0、又はBSS1(第1のBSSはBSS1である)のrelay1−STAである場合、又は、BSS2のrelay1−APによって管理されるステーションがさらにrelay3を含み、relay3のrelay3−STAがBSS2に属する場合、ネットワークノードは、BSS2(第1のBSSはBSS2である)のrelay3−STAであってよい。
【0054】
第1のBSS内の各中継器は、中継器と関連付けられたアクセスポイント局(AP又はrelay−APであってよい)に、中継器のrelay−APが設置されているBSSのBSSカラーを事前に報告する。具体的には、任意選択で、各中継器がBSSカラーを報告する方法は、relay−STAモジュールを用いて、中継器と関連付けられたアクセスポイント局に事前設定フレームを送信することであってよい。
事前設定フレームは、中継器と関連付けられたアクセスポイント局のrelay−APが設置されているBSSのBSSカラーを中継器に通知するために、MACヘッダでBSSカラーを搬送する。事前設定フレームは、制御フレーム、データフレーム、又は管理フレームであってよい。
【0055】
アクセスポイント局(root AP又はrelay−APであってよい)は、第1のBSS内の全ての中継器が属する拡張BSSの識別子を収集し、アクセスポイント局は次に、第1のBSSによって管理される全てのrelay−STAと共に同じ場所に設置されたrelay−APが設置されているBSSのBSSカラーを第1のBSSでブロードキャストする。任意選択で、ブロードキャスト方式は、ビーコンフレームビーコン又は別の管理フレームを用いて、BSSカラー要素を搬送することであってよい。図3に示すように、図3は、本発明の一実施形態によるBSSカラー要素の概略図である。各中継器のBSSIDが、BSSカラー要素に含まれていなくてもよい。さらに任意選択で、第1のBSS内の全ての中継器が属する拡張BSSの識別子をアクセスポイント局がブロードキャストする場合、アクセスポイント局がrelay−APであるならば、ブロードキャストに用いられる管理フレームは、中継器のrelay−STAが属するBSSの識別子を含んでよい。
【0056】
S201.PPDU内の識別子が第1のBSS識別子と異なり、PPDU内の識別子が第2のBSS識別子と同じである場合、ネットワークノードは、事前設定された空間再利用条件をPPDUが満たすかどうかを判定する。ここで、第1のBSS識別子は、ネットワークノードが属する第1のBSSの識別子であり、第2のBSS識別子は、対象の中継器が属する拡張BSSの識別子であり、対象の中継器及びネットワークノードは第1のBSSに属する。
【0057】
S202.事前設定された空間再利用条件をPPDUが満たす場合、ネットワークノードはアクセスチャネルに関して競合し、第1のBSS内の対象の中継器以外のステーションと通信する。
【0058】
本発明のこの実施形態において、PPDUを受信した場合、ネットワークノードは最初に、PPDUがOBSSのPPDUであるかどうかを判定する、すなわち、ネットワークノードが属する第1のBSSの第1のBSS識別子とPPDUで搬送されるBSS識別子とが同じであるかどうかを判定する必要がある(ネットワークノードが中継器である場合、第1のBSSは、中継器と通信するステーションが属するBSSであることに留意されたい)。PPDU内のBSS識別子が第1のBSSと異なる場合、PPDUはOBSSのPPDUであり、さらに、PPDU内のBSS識別子と、ネットワークノードによって取得される、第1のBSS内の全ての中継器が属する拡張BSSの識別子との間で照合が行われる。PPDU内のBSS識別子が、全ての中継器の中の対象の中継器が属する拡張BSSの第2のBSS識別子と同じである場合、PPDUが、対象の中継器が属する拡張BSSのPPDUであることが判定される。対象の中継器は、第1のBSS内の全ての中継器のうちの1つであり、対象の中継器が属する拡張BSSは、PPDU内のBSS識別子と一致し得ることに留意されたい。
【0059】
事前設定された空間再利用条件をPPDUが満たすかどうかを判定することは、PPDUのRSSIがOPDレベルより小さいという条件を満たすかどうか、且つPPDUのRSSIがSR条件を満たすかどうかを判定することである。事前設定された空間再利用条件をPPDUが満たす場合、データ送信衝突問題を回避するために、ネットワークノードはアクセスチャネルに関して競合し、第1のBSS内の対象の中継器以外のステーションと通信してよい。PPDUは、対象の中継器が属する拡張BSSからのものであり、したがって、対象の中継器はデータを受信してもデータを送信してもよい。ネットワークノードがこの時点で対象の中継器と通信する場合、データ送信衝突問題が引き起こされることがある。
【0060】
さらに任意選択で、ネットワークノードがOBSSのPPDUを受信した場合、且つPPDUの物理層プリアンブルで搬送されるBSSカラーが、ネットワークノードによって収集される、第1のBSS内の全ての中継器が属する拡張BSSの識別子と異なる場合、受信されたPPDUのRSSIがOPDレベルより小さいという条件を満たし、且つPPDUのRSSIがSR条件を満たすならば、ネットワークノードはチャネルに関して競合し、第1のBSS内の任意のステーションにデータを送信してよい。
【0061】
ネットワークノードがSTA又はroot APであり、OBSSのPPDUが受信された場合(受信されたPPDUのBSSカラーは、STAが設置されているBSSのBSSカラーと一致しない)、PPDUの受信は、電力を節約するために中止されてよいことに留意されたい。ネットワークノードが中継器であるならば、PPDUを受信した場合、ネットワークノードは、PPDUの物理層プリアンブルで搬送されるBSSカラーが、中継器のrelay−STAが設置されているBSSのBSSカラー、及びrelay−APが設置されているBSSのBSSカラーの両方と異なることが判定されたときにだけ、電力を節約するためにPPDUの受信を中止してよい。
【0062】
さらに任意選択で、PPDUは空間再利用禁止フィールドを含む。
【0063】
したがって、本発明のこの実施形態において、アクセスチャネルに関して競合する前に、ネットワークノードはさらに、PPDUの空間再利用禁止フィールドの値が空間再利用禁止識別子であるかどうかを判定してよい。PPDU内の空間再利用禁止フィールドの値が空間再利用禁止識別子である場合、チャネル競合が禁止される。又は、PPDU内の空間再利用禁止フィールドの値が空間再利用禁止識別子ではない場合、アクセスチャネルの競合が許可される。
【0064】
本発明のこの実施形態では、マルチホップ式中継ネットワークにおいて、各BSSは異なるBSSカラーを有し、これらのBSSカラーは省電力のためにだけ用いられる。具体的なオペレーション段階は以下の通りである。各BSS内のステーションによって送信されるPPDUの物理層プリアンブルは1つの空間再利用禁止フィールドを含み、このフィールドは空間再利用禁止識別子に設定されてよい。別のBSSのステーションは、空間再利用によって引き起こされる衝突を回避するために、PPDUの受信後に空間再利用を行わない。
【0065】
別の任意選択の実装例において、中継ネットワークは少なくとも2つの基本サービスセットBSSを含み、少なくとも2つのBSSのBSS識別子は同じである。したがって、PPDUで搬送されるBSSカラーとステーションが属するBSSのBSSカラーとが同じであることを、各ステーションが解析によって確認した場合、空間再利用は行われなくてよい。異なる中継ネットワークではBSSカラーが異なり得る、すなわち、異なる中継ネットワークでは空間再利用が許可されることに留意されたい。
【0066】
本発明のこの実施形態において、物理層プロトコルデータユニットPPDUを受信した後に、ネットワークノードはPPDU内の基本サービスセットBSS識別子を取得する。PPDU内のBSS識別子が第1のBSS識別子と異なり、PPDU内のBSS識別子が第2のBSS識別子と同じである場合、ネットワークノードは、事前設定された空間再利用条件をPPDUが満たすかどうかを判定する。ここで、第1のBSS識別子は、ネットワークノードが属する第1のBSSの識別子であり、第2のBSS識別子は、対象の中継器が属する拡張BSSの識別子であり、対象の中継器及びネットワークノードは第1のBSSに属する。事前設定された空間再利用条件をPPDUが満たす場合、ネットワークノードはアクセスチャネルに関して競合し、第1のBSS内の対象の中継器以外のステーションと通信する。このように、中継ネットワークで空間再利用を実施してリソース利用を改善するために、異なるBSSの間で空間再利用が行われる場合のデータ送信衝突問題を解決することができる。
【0067】
図4及び図5を参照して、以下では、本発明のこの実施形態において提供されるデータ通信装置の特定の実装例を説明する。
【0068】
図4を参照すると、図4は、本発明の一実施形態によるデータ通信装置の概略構造図である。データ通信装置は、無線ローカルエリアネットワーク内の任意のネットワークノードに適用されてよい。無線ローカルエリアネットワークは、ルートアクセスポイントroot AP、中継器、及びステーションSTAを含む。root APは複数の中継器と関連付けられており、複数の中継器のそれぞれは1つ又は複数のSTAと関連付けられている。ネットワークノードは、ステーションSTA、ルートアクセスポイントroot AP、中継器、又は図1の任意のネットワークノードであってよい。図4に示すように、この実施形態のデータ通信装置は、取得ユニット100、判定ユニット101、及び送受信機ユニット102を含む。
【0069】
取得ユニット100は、物理層プロトコルデータユニットPPDUを受信した後に、PPDU内の基本サービスセットBSS識別子を取得するように構成される。
【0070】
判定ユニット101は、PPDU内のBSS識別子が第1のBSS識別子と異なり、PPDU内のBSS識別子が第2のBSS識別子と同じである場合、事前設定された空間再利用条件をPPDUが満たすかどうかを判定するように構成される。ここで、第1のBSS識別子は、ネットワークノードが属する第1のBSSの識別子であり、第2のBSS識別子は、対象の中継器が属する拡張BSSの識別子であり、対象の中継器及びネットワークノードは第1のBSSに属する。
【0071】
送受信機ユニット102は、事前設定された空間再利用条件をPPDUが満たす場合、アクセスチャネルに関して競合し、第1のBSS内の対象の中継器以外のステーションと通信するように構成される。
【0072】
任意選択で、ネットワークノードが第1のBSS内のアクセスポイント局である場合、送受信機ユニットはさらに、中継器によって報告される事前設定フレームを受信するように構成される。ここで、事前設定フレームは中継器が属する拡張BSSの識別子を含み、中継器及びネットワークノードは第1のBSSに属する。
【0073】
任意選択で、事前設定フレームは、データフレーム、管理フレーム、又は制御フレームのうちいずれか1つを含む。
【0074】
任意選択で、ネットワークノードが第1のBSS内の非アクセスポイント局である場合、送受信機ユニットはさらに、管理フレームを受信するように構成される。ここで、管理フレームは、第1のBSS内の全ての中継器が属する拡張BSSの識別子を搬送し、管理フレームは、ネットワークノードが属する第1のBSS内のアクセスポイント局によってブロードキャストされる。
【0075】
前述の管理フレームで搬送される、第1のBSS内の全ての中継器が属する拡張BSSの識別子は、第1のBSS内のこれらの中継器によってアクセスポイント局に事前報告される識別子である。
【0076】
任意選択で、PPDUは空間再利用禁止フィールドを含む。
【0077】
判定ユニットはさらに、空間再利用禁止フィールドの値を読み取り、PPDU内の空間再利用禁止フィールドの値が空間再利用禁止識別子であるかどうかを判定し、PPDU内の空間再利用禁止フィールドの値が空間再利用禁止識別子である場合、チャネルの競合を禁止するように構成される。
【0078】
本発明のこの実施形態において、物理層プロトコルデータユニットPPDUを受信した後に、ネットワークノードはPPDU内の基本サービスセットBSS識別子を取得する。PPDU内のBSS識別子が第1のBSS識別子と異なり、PPDU内のBSS識別子が第2のBSS識別子と同じである場合、ネットワークノードは、事前設定された空間再利用条件をPPDUが満たすかどうかを判定する。ここで、第1のBSS識別子は、ネットワークノードが属する第1のBSSの識別子であり、第2のBSS識別子は、対象の中継器が属する拡張BSSの識別子であり、対象の中継器及びネットワークノードは第1のBSSに属する。事前設定された空間再利用条件をPPDUが満たす場合、ネットワークノードはアクセスチャネルに関して競合し、第1のBSS内の対象の中継器以外のステーションと通信する。このように、中継ネットワークで空間再利用を実施してリソース利用を改善するために、異なるBSSの間で空間再利用が行われる場合のデータ送信衝突問題を解決することができる。
【0079】
図5を参照すると、図5は、本発明の一実施形態による別のデータ通信装置の概略構造図である。データ通信装置は、無線ローカルエリアネットワーク内の任意のネットワークノードに適用されてよい。無線ローカルエリアネットワークは、ルートアクセスポイントroot AP、中継器、及びステーションSTAを含む。root APは複数の中継器と関連付けられており、複数の中継器のそれぞれは1つ又は複数のSTAと関連付けられている。ネットワークノードは、ステーションSTA、ルートアクセスポイントroot AP、中継器、又は図1の任意のネットワークノードであってよい。図5に示すように、データ通信装置1000は、プロセッサ1010、メモリ1020、及び送受信機1030を含む。このデータ通信装置が適用されるネットワークノードは、STA、root AP、又は図1に示す中継器であってよい。
【0080】
具体的には、プロセッサ1010はデータ通信装置1000のオペレーションを制御する。メモリ1020は、リードオンリメモリ及びランダムアクセスメモリを含んでよく、命令及びデータをプロセッサ1010に提供する。プロセッサは、汎用プロセッサ、デジタル信号プロセッサ、特定用途向け集積回路、フィールドプログラマブルゲートアレイ、又は別のプログラム可能な論理デバイスであってよい。メモリ1020の一部がさらに、不揮発性ランダムアクセスメモリ(NVRAM)を含んでよい。データ通信装置1000の全ての構成要素が、バス1040を用いて共に連結される。バスシステム1040は、データバスに加えて、電力バス、制御バス、及びステータス信号バスを含む。しかしながら、明確な説明のために、図の様々なバスはバスシステム1040として表示されている。データ通信装置の構造についての前述の説明は、この後の実施形態に適用されてよいことに留意されたい。
【0081】
プロセッサ1010は、物理層プロトコルデータユニットPPDUを受信した後に、PPDU内の基本サービスセットBSS識別子を取得するように構成される。
【0082】
プロセッサ1010はさらに、PPDU内のBSS識別子が第1のBSS識別子と異なり、PPDU内のBSS識別子が第2のBSS識別子と同じである場合、事前設定された空間再利用条件をPPDUが満たすかどうかを判定するように構成される。ここで、第1のBSS識別子は、ネットワークノードが属する第1のBSSの識別子であり、第2のBSS識別子は、対象の中継器が属する拡張BSSの識別子であり、対象の中継器及びネットワークノードは第1のBSSに属する。
【0083】
送受信機1030は、事前設定された空間再利用条件をPPDUが満たす場合、アクセスチャネルに関して競合し、第1のBSS内の対象の中継器以外のステーションと通信するように構成される。
【0084】
任意選択で、ネットワークノードが第1のBSS内のアクセスポイント局である場合、プロセッサ1010がPPDU内の基本サービスセットBSS識別子を取得する前に、送受信機1030はさらに、中継器によって報告される事前設定フレームを受信するように構成される。ここで、事前設定フレームは中継器が属する拡張BSSの識別子を含み、中継器及びネットワークノードは第1のBSSに属する。
【0085】
事前設定フレームは、データフレーム、管理フレーム、又は制御フレームのうちいずれか1つを含む。
【0086】
任意選択で、ネットワークノードが第1のBSS内の非アクセスポイント局である場合、プロセッサ1010がPPDU内の基本サービスセットBSS識別子を取得する前に、送受信機1030はさらに、管理フレームを受信するように構成される。ここで、管理フレームは、第1のBSS内の全ての中継器が属する拡張BSSの識別子を搬送し、管理フレームは、ネットワークノードが属する第1のBSS内のアクセスポイント局によってブロードキャストされる。
【0087】
任意選択で、管理フレームで搬送される、第1のBSS内の全ての中継器が属する拡張BSSの識別子は、第1のBSS内のこれらの中継器によってアクセスポイント局に事前報告される識別子である。
【0088】
さらに任意選択で、PPDUは空間再利用禁止フィールドを含む。
【0089】
送受信機がアクセスチャネルに関して競合する前に、プロセッサ1010はさらに、空間再利用禁止フィールドの値を読み取り、PPDU内の空間再利用禁止フィールドの値が空間再利用禁止識別子に設定されているかどうかを判定し、PPDU内の空間再利用禁止フィールドの値が空間再利用禁止識別子に設定されている場合、チャネルの競合を禁止するように構成される。
【0090】
本発明のこの実施形態において、物理層プロトコルデータユニットPPDUを受信した後に、ネットワークノードはPPDU内の基本サービスセットBSS識別子を取得する。PPDU内のBSS識別子が第1のBSS識別子と異なり、PPDU内のBSS識別子が第2のBSS識別子と同じである場合、ネットワークノードは、事前設定された空間再利用条件をPPDUが満たすかどうかを判定する。ここで、第1のBSS識別子は、ネットワークノードが属する第1のBSSの識別子であり、第2のBSS識別子は、対象の中継器が属する拡張BSSの識別子であり、対象の中継器及びネットワークノードは第1のBSSに属する。事前設定された空間再利用条件をPPDUが満たす場合、ネットワークノードはアクセスチャネルに関して競合し、第1のBSS内の対象の中継器以外のステーションと通信する。このように、中継ネットワークで空間再利用を実施してリソース利用を改善するために、異なるBSSの間で空間再利用が行われる場合のデータ送信衝突問題を解決することができる。
【0091】
前述のデータ通信装置の構成要素の特定の実装例については、方法の実施形態の関連説明をさらに参照してよいことが理解され得る。
【0092】
当業者であれば、実施形態における方法のプロセスの全て又は一部が、関連するハードウェアに命令するコンピュータプログラムによって実現されてよいことを理解できるであろう。プログラムは、コンピュータ可読記憶媒体に格納されてよい。プログラムが実行された場合、実施形態における方法のプロセスが行われる。前述の記憶媒体は、ROM、ランダムアクセスメモリRAM、又はプログラムコードを格納できる磁気ディスク又は光ディスクなどの様々な媒体を含む。
図1
図2
図3
図4
図5