特許第6863700号(P6863700)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6863700不揮発性半導体記憶装置及びその測定方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6863700
(24)【登録日】2021年4月5日
(45)【発行日】2021年4月21日
(54)【発明の名称】不揮発性半導体記憶装置及びその測定方法
(51)【国際特許分類】
   G11C 29/34 20060101AFI20210412BHJP
   G11C 29/50 20060101ALI20210412BHJP
   G11C 16/04 20060101ALI20210412BHJP
【FI】
   G11C29/34
   G11C29/50 100
   G11C16/04 130
【請求項の数】8
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2016-188086(P2016-188086)
(22)【出願日】2016年9月27日
(65)【公開番号】特開2018-55738(P2018-55738A)
(43)【公開日】2018年4月5日
【審査請求日】2019年8月8日
(73)【特許権者】
【識別番号】000116024
【氏名又は名称】ローム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001933
【氏名又は名称】特許業務法人 佐野特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】安田 貴憲
(72)【発明者】
【氏名】冨田 達也
【審査官】 酒井 恭信
(56)【参考文献】
【文献】 特開平07−312100(JP,A)
【文献】 特開2005−276426(JP,A)
【文献】 特開2013−105513(JP,A)
【文献】 特開2000−113686(JP,A)
【文献】 特開2007−107930(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G11C 29/00 − 29/56
G11C 16/02 − 16/34
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
データを蓄積する不揮発性のメモリトランジスタと、前記メモリトランジスタに直列に接続されるビットセレクトトランジスタとを備え、前記ビットセレクトトランジスタはワードライン及びセンスアンプに接続されるビットラインに結合され、前記メモリトランジスタと前記ビットセレクトトランジスタによってメモリセル列を構成し、前記メモリセル列は複数並べられてメモリセルアレイを構成し、前記メモリセルアレイは制御・論理回路で制御され、さらに前記メモリセルアレイはあらかじめ決められた前記メモリセル列の列数によって複数のカラムに区分けされており、前記メモリセル列に結合される前記ビットラインと前記センスアンプとの間に前記カラム単位でオン、オフさせるカラム選択用トランジスタが介在されている不揮発性半導体記憶装置であって、
前記カラム単位で設けられた複数の前記センスアンプの出力信号についてそれぞれ論理積演算及び論理和演算を行う論理積回路及び論理和回路と、
前記制御・論理回路により制御されて前記論理積回路での論理演算結果及び前記論理和回路での論理和演算結果のいずれかを選択出力する第1セレクタ回路と、
前記制御・論理回路により制御されて複数の前記センスアンプの出力信号のいずれかを選択出力する第2セレクタ回路と、
前記制御・論理回路により制御されてテストモードでは前記第1セレクタ回路の出力信号を選択出力して通常モードでは前記第2セレクタ回路の出力信号を選択出力する第3セレクタ回路と、
を有する、不揮発性半導体記憶装置。
【請求項2】
前記カラム選択用トランジスタと前記センスアンプの共通接続点はビット対応線に接続され、前記ビット対応線には等差数列に添って選択された前記カラムの同じ番地が与えられたビットライン同士が共通に接続される請求項1に記載の不揮発性半導体記憶装置。
【請求項3】
前記カラム選択用トランジスタは前記センスアンプと前記メモリセル列との間に直列に接続され、前記カラム選択用トランジスタと前記センスアンプとの共通接続点はビット対応線に結合され、前記ビット対応線には等差数列に添って選択された前記カラムの前記ビットラインが結合される請求項1に記載の不揮発性半導体記憶装置。
【請求項4】
前記メモリトランジスタのゲートはバイトセレクトトランジスタに接続され、前記バイトセレクトトランジスタは直流電圧を印加する直流電圧印加手段に結合され、前記直流電圧印加手段は前記メモリトランジスタをオフまたはオンさせるに十分な直流電圧に設定されている請求項1〜のいずれか一項に記載の不揮発性半導体記憶装置。
【請求項5】
前記直流電圧は前記メモリトランジスタをオフまたはオンさせるに十分なステップ状の電圧である請求項に記載の不揮発性半導体記憶装置。
【請求項6】
前記メモリトランジスタをオフさせるに十分な直流電圧が前記直流電圧印加手段から印加された時、前記論理積回路での論理積演算結果が前記第1セレクタ回路から選択されて出力される請求項に記載の不揮発性半導体記憶装置。
【請求項7】
前記メモリトランジスタをオンさせるに十分な直流電圧が前記直流電圧印加手段から印加された時、前記論理和回路での論理和演算結果が前記第1セレクタ回路から選択されて出力される請求項に記載の不揮発性半導体記憶装置。
【請求項8】
請求項1〜のいずれか一項に記載の不揮発性半導体記憶装置において、前記テストモードで前記メモリトランジスタの閾値電圧を測定するにあたり、まず、スタートコンディションで、通信の開始を示すスタートビット信号を入力し、その後オペコード入力で、前記メモリトランジスタのゲートステップ状の直流電圧を印加し、その後前記メモリトランジスタのオフまたはオンへの遷移状態のデータを前記ビットラインから前記センスアンプを介して、前記論理積回路及び前記論理和回路において各論理演算を行う不揮発性半導体記憶装置の演算測定方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、不揮発性半導体記憶装置及びその測定方法に関し、とりわけ測定方法は半導体記憶装置を構成するメモリセルの閾値電圧の測定に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、半導体記憶装置とりわけ不揮発性半導体記憶装置の大容量化が普及しつつある。不揮発性半導体記憶装置の大容量化に伴い、通常モードとは異なるテストモードにおける各メモリセルの閾値電圧を測定する時間も増大する。
【0003】
特許文献1は、例えばフラッシュ・メモリのように所定回数以上の書き込み・読み出しができないDUT(Device Under Test:被試験デバイス)のテストに適する半導体試験装置用の同時測定制御回路を提供する。
【0004】
特許文献1は、DUTのテストモードにおいて複数のDUTからそれぞれ良の時に出力されるマッチ・フラグの論理積をとった信号と、予め定められたマッチ・インデックスの回数間に少なくとも1個のDUTのマッチが取れている時の論理和をとった信号との論理和をとることで、取り出した信号を期待値と論理比較して一致しているか否かを測定する。
【0005】
特許文献2は、プログラム検証、読み出し用の基準電圧の適正型セッティングを用いた、不揮発性マルチレベルメモリを提供する。不揮発性半導体記憶素子の閾値電圧分布の変化を測定するプロセスを開示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平11−64454号公報
【特許文献2】特表2011−519110号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1は、複数のDUTのデータから論理積または論理和を求め、読み出し回数を最小にすることで、結果的に読み出し時間を短縮することができる。しかし、例えばDUT内部の大容量のメモリセルアレイにおいて、複数メモリセルのデータから論理積または論理和を求め出し、例えばEEPROM(Electronically−Erasable and Programmable Read Only Memory)のような不揮発性半導体記憶装置であるDUT内部の読み出し時間を短縮することは期待できない。
【0008】
特許文献2は、既定のステップサイズ電圧を複数回に分けて印加することで、メモリセル内のデータ変化を詳細に測定できる。しかし、近年の不揮発性半導体記憶装置の大容量化により、EEPROMのような不揮発性半導体記憶装置の大容量のデータを測定し、そのデータ変化量を出力するための、スループットを向上させることは期待できない。
【0009】
本発明では、テストモードにおける閾値電圧の測定時間を短縮することができる不揮発性半導体記憶装置及びその測定方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明に係る一態様の不揮発性半導体記憶装置は、データを蓄積する不揮発性のメモリトランジスタと、前記メモリトランジスタに直列に接続されるビットセレクトトランジスタとを備え、前記ビットセレクトトランジスタはワードライン及びセンスアンプに接続されるビットラインに結合され、前記メモリトランジスタと前記ビットセレクトトランジスタによってメモリセル列を構成し、前記メモリセル列は複数並べられてメモリセルアレイを構成し、前記メモリセルアレイは制御・論理回路で制御され、さらに前記メモリセルアレイはあらかじめ決められた前記メモリセル列の列数によって複数のカラムに区分けされており、前記メモリセル列に結合される前記ビットラインと前記センスアンプとの間に前記カラム単位でオン、オフさせるカラム選択用トランジスタが介在されている。
【0011】
また本発明の別の態様では、前記カラム選択用トランジスタと前記センスアンプの共通接続点はビット対応線に接続され、前記ビット対応線には等差数列に添って選択された前記カラムの同じ番地が与えられたビットライン同士が共通に接続されている。
【0012】
また本発明の別の態様では、前記制御・論理回路で制御される論理積回路及び論理和回路の入力が前記センスアンプの出力に結合されている。
【0013】
また本発明の別の態様では、前記論理積回路及び前記論理和回路は、前記カラム単位でそれぞれ論理積演算及び論理和演算を行う。
【0014】
また本発明の別の態様では、前記論理積回路及び前記論理和回路の各出力は第1セレクタ回路の入力に各別に結合され、第1セレクタ回路は、前記論理積回路での論理演算結果及び前記論理和回路での論理和演算結果の少なくとも一方を出力する。
【0015】
また本発明の別の態様では、前記カラム選択用トランジスタは前記センスアンプと前記メモリセル列との間に直列に接続され、前記カラム選択用トランジスタと前記センスアンプとの共通接続点はビット対応線に結合され、前記ビット対応線には等差数列に添って選択された前記カラムの前記ビットラインが結合されている。
【0016】
また本発明の別の態様では、前記メモリトランジスタのゲートはバイトセレクトトランジスタに接続され、前記バイトセレクトトランジスタは直流電圧を印加する直流電圧印加手段に結合され、前記直流電圧印加手段は前記メモリトランジスタをオフまたはオンさせるに十分な直流電圧に設定されている。
【0017】
また本発明の別の態様では、前記直流電圧は前記メモリトランジスタをオフまたはオンさせるに十分なステップ状の電圧に設定されている。
【0018】
また本発明の別の態様では、前記メモリトランジスタをオフさせるに十分な直流電圧が印加された時、前記論理積回路での論理積演算結果が前記第1セレクタ回路から選択されて出力される。
【0019】
また本発明の別の態様では、前記メモリトランジスタをオンさせるに十分な直流電圧が前記直流電圧印加手段から印加された時、前記論理和回路での論理和演算結果が前記第1セレクタ回路から選択されて出力される。
【0020】
本発明の別の発明である不揮発性半導体記憶装置の演算測定方法は、前記メモリトランジスタの閾値電圧を測定するにあたり、まず、スタートコンディションで、通信の開始を示すスタートビット信号を入力し、その後オペコード入力で、前記メモリトランジスタのゲートに前記バイトセレクトトランジスタを介してステップ状の直流電圧を印加し、その後前記メモリトランジスタのオフまたはオンへの遷移状態のデータを前記ビットラインから前記センスアンプを介して、前記論理積回路及び前記論理和(OR)回路において各論理演算を行う。
【0021】
また本発明の不揮発性半導体記憶装置の演算測定方法の別の態様では、前記論理積(AND)回路及び前記論理和(OR)回路において各論理演算を行う前に前記メモリセルアレイの一部に設けられたトリミングデータ領域から読み出される情報は、各論理演算1回で対象とする情報を有する等差数列の情報である。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】本発明の実施の形態に係る不揮発性半導体記憶装置の構成を示す回路ブロック図である。
図2図1のカラム0の周辺及びそれに接続されるセンスアンプの詳細な回路構成を示す回路ブロック図である。
図3】本発明のメモリセルトランジスタの閾値電圧を測定する時に用いられる測定入力電圧を示す図である。
図4】本発明のメモリセルトランジスタの閾値電圧を測定する時に用いられる測定入力電圧を示す図である。
図5図3に示した測定入力電圧をメモリトランジスタに印加した時のカラム0〜3の論理積(AND)演算出力の一例を示す図である。
図6図4に示した閾値電圧測定入力電圧をメモリトランジスタに印加した時のカラム0〜3の論理和(OR)演算出力の一例を示す図である。
図7図1に示した不揮発性半導体記憶装置のメモリセルトランジスタに測定入力電圧を印加し、かつ閾値電圧を測定する時の動作フローである。
【発明を実施するための形態】
【0023】
(本発明の実施の形態)
図1は、本発明の実施に係る不揮発性半導体記憶装置の構成を示す回路ブロック図である。
【0024】
不揮発性半導体記憶装置1は、制御・論理回路2、メモリセルアレイ3、センスアンプ4a,4b,4c,4d、論理積(AND)回路5、論理和(OR)回路6 第1セレクタ回路7、第2セレクタ回路8、第3セレクタ回路9、論理回路入力部10及びデータ出力部11を備えている。
【0025】
制御・論理回路2は、不揮発性半導体記憶装置1の中枢部を成し、第1セレクタ回路7、第2セレクタ回路8、及び第3セレクタ回路9には制御信号や切り換え信号を、メモリセルアレイ3に対しては、情報の書き込み信号、読み出し信号、及び消去信号をそれぞれ供給する。なお、制御・論理回路2には、本発明に係るメモリトランジスタの閾値電圧を測定する時にメモリトランジスタのゲートに測定入力電圧(直流電圧)生成部を設けてもよい。こうした測定入力電圧の印加経路について本書の説明及び図面の簡略化の観点から割愛し、これらの各種信号、電圧の供給については信号線Sdで代用している。制御・論理回路2は論理回路入力部10に接続されている。論理回路入力部10及びデータ出力部11は図示しない他のCPU、ICテスター等に接続される。
【0026】
メモリセルアレイ3は複数のメモリセルがアレイ状に配列されたものである。メモリセルは、情報の最小単位である「0」又は「1」から成る1ビットのデータを保持することができる。「メモリセル」とは別に「メモリセル列」なる語句が存在する。一般的に「メモリセル列」には「メモリセル」に他のトランジスタやメモリトランジスタが列方向に接続されたものを含むと解すべきであるが、本書では「メモリセル」と「メモリセル列」とは同義語として扱い、これらを総称して以降「メモリセル列」として表記する。メモリセルアレイ3は、横方向(行方向)と縦方向(列方向)に夫々複数配列されたワードラインWL及びビットラインbit0〜bit7に複数のメモリセル列が接続されマトリクス状に配置されている。本発明で採用されるメモリトランジスタは単体でデータの蓄積が可能な不揮発性である。
【0027】
メモリセルアレイ3において、例えばメモリトランジスタM0とワードラインWLに接続されたビットセレクトトランジスタBS0によって1つのメモリセル列が構成されている。こうしたメモリセル列はバイトセレクトトランジスタBSTに接続されている。さらにメモリセル列は例えば8個の単位で複数のカラムに区分けされている。図1にはカラム0〜カラム127の128個のカラムに区分けされたものを示す。また、メモリトランジスタM0であってビットセレクトトランジスタBS0と接続されない端子(例えばソース)はオープン状態として示したが、実際には他のメモリトランジスタの一方の端子(例えばドレイン)に接続され1つのメモリセル列を構成している。NAND型フラッシュメモリにおいては多数のメモリトランジスタが直列に接続され「メモリセル列」を成している。
【0028】
カラム選択用トランジスタKS0、・・・KS8・・・KS16・・・KS24・・・KS32・・・KS1016・・・KS1023は、メモリセルアレイ3とは区別されている。カラム0に配置されたカラム選択用トランジスタKS0は、ビットセレクトトランジスタBS0とセンスアンプ4aとの間に直列に接続されている。こうした回路構成によって、ビットセレクトトランジスタBS0の出力であるビットラインbit0は、カラム選択用トランジスタKS0を介してセンスアンプ4aに結合されることになる。
【0029】
カラム選択用トランジスタKS8は、カラム1に配置され、ビットセレクトトランジスタBS8と直列に接続されている。カラム選択用トランジスタKS8の出力(例えばドレイン)はセンスアンプ4bの入力側に接続されている。こうした回路構成によって、ビットセレクトトランジスタBS8の出力であるビットラインbit0は、カラム選択用トランジスタKS8を介してセンスアンプ4bに結合されることになる。
【0030】
カラム選択用トランジスタKS16は、カラム2に配置されビットセレクトトランジスタBS16と直列に接続されている。カラム選択用トランジスタKS16の出力(例えばドレイン)はセンスアンプ4cの入力側に接続されている。こうした回路構成によって、ビットセレクトトランジスタBS16の出力であるビットラインbit0は、カラム選択用トランジスタKS16を介してセンスアンプ4cに結合されることになる。
【0031】
カラム選択用トランジスタKS24は、カラム3に配置されビットセレクトトランジスタBS24と直列に接続されている。カラム選択用トランジスタKS24の出力(例えばドレイン)はセンスアンプ4dの入力側に接続されている。こうした回路構成によって、ビットセレクトトランジスタBS24の出力であるビットラインbit0は、カラム選択用トランジスタKS24を介してセンスアンプ4dに結合されることになる。
【0032】
カラム選択用トランジスタKS32は、カラム4に配置されビットセレクトトランジスタBS32と直列に接続されている。カラム選択用トランジスタKS32の出力(例えばドレイン)は図示しない所定のセンスアンプの入力側に接続されている。こうした回路構成によって、ビットセレクトトランジスタBS32の出力であるビットラインbit0はカラム選択用トランジスタKS32を介して所定のセンスアンプに結合されることになる。
【0033】
カラム選択用トランジスタKS1016は、カラム127に配置されビットセレクトトランジスタBS1016と直列に接続されている。カラム選択用トランジスタKS1016の出力(例えばドレイン)は図示しない所定のセンスアンプの入力側に接続されている。こうした回路構成によって、ビットセレクトトランジスタBS1016であるビットラインbit0は、カラム選択用トランジスタKS1016を介して所定のセンスアンプに結合されることになる。
【0034】
カラム選択用トランジスタKS1023は、最終段のカラム127の最終段ビットセレクトトランジスタBS1023と直列に接続されている。カラム選択用トランジスタKS1023の出力(例えばドレイン)は図示しない所定のセンスアンプの入力側に接続されている。こうした回路構成によって、ビットセレクトトランジスタBS1023の出力であるビットラインbit7は、カラム選択用トランジスタKS1023を介して所定のセンスアンプに結合されることになる。
【0035】
図1に示したカラム選択用トランジスタは作図の便宜上、KS0,KS8,KS16,KS24,KS32及びKS1016の6つのみを示している。しかし実際の回路構成においては各メモリセル列に対応してカラム選択用トランジスタKS0,KS1,KS2,KS3・・・・・KS1020,KS1021,KS1022,KS1023の合わせて1024個のトランジスタが用意されている。
【0036】
閾値電圧を測定するために、測定入力電圧(直流電圧)が、バイトセレクトトランジスタBSTを介してメモリトランジスタM0〜M1023の各ゲートに印加される。この時にカラム選択用トランジスタKS0〜KS31はオン状態であり、カラム4〜カラム127を構成するカラム選択用トランジスタはすべてオフに置かれる。こうしたカラム選択用トランジスタのオンオフ制御は制御・論理回路2で行われる。また、カラム124〜カラム127を構成するメモリトランジスタM1016〜M1023の閾値電圧を測定する場合には、カラム選択用トランジスタKS1016〜KS1023のすべてが同時にオンとされる。この時カラム0〜カラム123に結合されるすべてのカラム選択用トランジスタはオフに置かれている。こうした回路構成と条件設定によって論理積(AND)回路5での論理積演算及び論理和(OR)回路6での論理和演算を迅速かつ確実に行うことができる。
【0037】
センスアンプ4a,4b,4c及び4dはビットラインbit0〜bit7それぞれに取り出される微小信号を増幅するために用意されている。なお、図1に示したセンスアンプは4個であるが、実際は32個用意されており、各センスアンプ4a,4b,4c及び4dは、それぞれ8個のセンスアンプで構成されている。バス線BUS1〜BUS4は、各センスアンプ出力A0〜A7,B0〜B7,C0〜C7,D0〜D7を束ねて表示している。バス線BUS1〜BUS4は、論理和(OR)回路6、論理積(AND)回路5および第2スイッチ8に接続する。さらに、先ほど述べた微小信号増幅のためのセンスアンプ32個とは別に、ECC機能を実現するために6個用意され、全部で38個のセンスアンプが不揮発性半導体記憶装置1に内蔵されている。
【0038】
論理積(AND)回路5は、本発明のテストモードで用いられるが、通常モードでの回路動作は停止される。テストモードでは、例えばメモリトランジスタM0〜M1023の閾値電圧が測定される。この時にメモリトランジスタM0〜M1023のゲートには例えば2V〜4Vの電圧がバイトセレクトトランジスタBSTを介して印加される。
【0039】
論理積(AND)回路5ではまず、カラム0〜カラム3の各ビットラインbit0〜bit7から取り出されたデータの論理積演算を行う。以降、カラム4〜カラム7、カラム8〜カラム11という具合に、最後にカラム124〜カラム127の各ビットラインbit0〜bit7から取り出されるデータの論理積演算を行う。ビットラインbit0〜bitから取り出される各微小情報信号はカラム選択用トランジスタKS0〜KS24等を介してセンスアンプ4a〜4dに入力され、これらのセンスアンプで増幅された後論理積(AND)回路5に入力される。論理積(AND)回路5は、論理積演算によって論理値「1」または「0」を出力する。
【0040】
本発明の一実施の形態では論理積(AND)回路5から出力される論理積出力が例えば「1」になるように設定されている。こうした条件設定は本発明では期待値「1」であるとして定義される。論理値「1」が出力された場合には例えば論理演算を行った4カラム分(32個のメモリトランジスタ)のすべての閾値電圧が期待値「1」を満たしたことになる。すなわち、論理値「1」が出力された場合には例えば論理演算を行った4カラム分のすべての閾値電圧が所定の範囲内に存在している状態である。逆に論理値「0」が出力された場合には例えば論理演算を行った4カラム分の内、少なくとも1つのメモリトランジスタの閾値電圧が期待値「1」を満たしていないということになる。すなわち、論理値「0」が出力された場合には例えば論理演算を行った4カラム分の内、少なくとも1つのメモリトランジスタの閾値電圧が所定の範囲外に存在している状態である。
【0041】
図1には作図の便宜上、センスアンプ4a〜4cのそれぞれのビットラインbit0からの情報をセンスアンプ4a〜4dで増幅しそのデータを論理積(AND)回路5で論理積演算するものを示している。本発明の特徴の1つとして、論理積(AND)回路5で行う論理積演算は複数のカラム単位で行うことである。図1にはカラム0〜カラム3までの4つのカラムのビットラインbit0のデータについて論理積演算を行うものを示しているすなわち、本発明の一実施の形態はカラム1つ単位ではなく4つのカラム単位で論理積演算を行うものを例示している。論理和演算の対象のカラム数は4つだけではなく少なくとも2つ以上で論理積演算時間を短縮することができる。
【0042】
論理積(AND)回路5で行う論理積演算は、例えば、カラム0〜カラム3、カラム4〜カラム7、カラム8〜カラム11、・・・・・、カラム120〜カラム123、カラム124〜127という具合に例えば4つのカラム単位で、すなわち等差数列の公差のカラム単位で行われる。これによって、論理積演算に要する時間の短縮を図っている。すなわち、本発明の一実施の形態は、カラム0〜カラム127が数字の順に配置されているメモリセルアレイにおいて論理演算を行うものである。その論理演算の対象となるカラムを等差数列を用いて考えると、初項のカラムは(0,4,8,12,・・・・・120,124)となり、公差が4カラムということになり、1回の論理積演算の対象とされるカラムは初項を含めた4カラム分ずつ(0〜3,4〜7,8〜11,12〜15・・・117〜120,121〜124)ということになる。
【0043】
論理和(OR)回路6は、論理積(AND)回路5と同様に本発明でのテストモードで用いられる。論理和(OR)回路6はまずカラム0〜カラム3の各ビットラインbit0〜bit7から取り出されたデータの論理和演算を行う。以降カラム127までのすべてのカラムについて先ほどの論理演算と同様に等差数列に添って論理和演算を行う。ビットラインbit0〜bit7から取り出される微小情報信号はカラム選択用トランジスタKS0〜KS24等を介してセンスアンプ4a〜4dで増幅されて論理和(OR)回路6に入力される。論理和(OR)回路6は、論理和演算によって論理和出力6oを出力する。論理和出力6oは「0」または「1」である。本発明の一実施の形態は論理値「1」が出力された場合にはカラム0〜カラム127のメモリトランジスタM0〜M1023の少なくとも1つの閾値電圧が所定の範囲から逸脱していると判定される。論理値「0」が出力された場合には閾値電圧は所定の範囲であり、期待値「0」を満足しているとして判定される。図1には作図の便宜上、センスアンプ4a〜4cのそれぞれのビットラインbit0からの情報をセンスアンプ4a〜4dで取り出し、そのデータ値を論理和演算するものを示している。
【0044】
図1にはカラム0〜カラム3までの4つのカラムのビットラインbit0のデータについて論理和演算を行うものを示している。論理和演算の対象とするカラムの数は4個に限るものではなく少なくとも2個であれば論理演算時間の短縮を図ることができる。
【0045】
論理和(OR)回路6で行う論理和演算は、論理積演算と同様に行われる。すなわち、論理和演算の対象となるカラムを等差数列を用いて考えると、初項のカラムは(0,4,8,12,・・・・・120,124)となり、公差が4カラムということになり、1回の論理和演算の対象とされるカラムは、初項を含めた4カラム分ずつ(0〜3,4〜7,8〜11,12〜15・・・117〜120,121〜124)ということになる。公差のカラムと同じ4カラムということになる。
【0046】
第1セレクタ回路7は、論理積(AND)回路5及び論理和(OR)回路6から出力される論理値を各別に受け入れる。第1セレクタ回路7は、本発明のテストモードで論理積(AND)回路5及び論理和(OR)回路6のいずれか一方の論理値を後段の第3セレクタ回路9に伝達する。第1セレクタ回路7は制御・論理回路2によって制御されている。すなわち、制御・論理回路2によって、論理積演算の出力が選択された場合にはが第1セレクタ回路7、第3セレクタ回路9を介して、論理積(AND)回路5での論理積演算結果がデータ出力部11に導き出される。一方、制御・論理回路2によって論理和演算の出力が選択された場合には第1セレクタ回路7、第3セレクタ回路9を介して、論理和(OR)回路6での論理和演算結果がデータ出力部11に導き出される。データ出力11には図示しない例えばICテスターが接続され、ICテスターには論理和演算が記憶される。
【0047】
第2セレクタ回路8は、第1セレクタ回路7とは異なる目的で用意されている。第2セレクタ回路8はテストモードではなく通常モードで用いられる。通常モードでは、メモリトランジスタM0〜M1023の閾値電圧の測定は行われることなく本来の不揮発性半導体記憶装置としての回路動作が行われる。第2セレクタ回路8及び第1セレクタ回路7は制御・論理回路2によって二者択一される。
【0048】
第3セレクタ回路9は、本発明の不揮発性半導体記憶装置1をテストモード及び通常モードのいずれか一方に切り換えるために用意されている。いずれか一方への切り換えは制御・論理回路2から印加される図示しない切り換え(制御)信号によって行われる。第3セレクタ回路9にはデータ出力部11が接続されている。データ出力部11には、テスモードでは不揮発性半導体記憶装置1の閾値電圧及びその測定結果が出力される。なおテスモードとは異なる通常モードでは外部との通信を行う信号が出力される。
【0049】
図2は、図1中のカラム0とその周辺部を示した回路ブロック図である。カラム0を構成するメモリセル列MS0は、メモリトランジスタM0とビットセレクトトランジスタBS0との直列接続体で構成されている。メモリセル列MS1は、メモリトランジスタM1とビットセレクトトランジスタBS1との直列接続体で構成されている。メモリセル列MS2は、メモリトランジスタM2とビットセレクトトランジスタBS2との直列接続体で構成されている。メモリセル列MS3は、メモリトランジスタM3とビットセレクトトランジスタBS3との直列接続体で構成されている。メモリセル列MS4は、メモリトランジスタM4とビットセレクトトランジスタBS4との直列接続体で構成されている。メモリセル列MS5は、メモリトランジスタM5とビットセレクトトランジスタBS5との直列接続体で構成されている。メモリセル列MS6は、メモリトランジスタM6とビットセレクトトランジスタBS6との直列接続体で構成されている。同様にメモリセル列MS7は、メモリトランジスタM7とビットセレクトトランジスタBS7との直列接続体で構成されている。メモリトランジスタM0〜M7であってビットセレクトトランジスタBS0〜BS7と接続されない端子(例えばソース)はオープン状態として示したが、実際には他のメモリトランジスタの一方の端子(例えばドレイン)に接続されメモリセル列を構成している。本発明では図示しないこうしたメモリトトランジス等も含めた回路構成をメモリセル列として定義される。カラム0を構成するセンスアンプ4aを例にとると、図1に示したセンスアンプ4aは、センスアンプ4a0,4a1,4a2,4a3,4a4,4a5,4a6及び4a7の8個で構成されている
【0050】
図2に示したセンスアンプ4a0〜4a7は図1のセンスアンプ4aに相当する。センスアンプ4a0〜4a7はすべて同じ回路構成であり、例えばCMOSインバータ型で構成されている。一般的にセンスアンプの形式として、CMOSインバータ型、差動型、ラッチ型等が用いられるが、本発明ではCMOSインバータ型を採用している。センスアンプ4a0は、デプレッショントランジスタDE、抵抗RE、pMOSトランジスタP1,P2,P3、nMOSトランジスタN1,N2及びインバータINVから構成された信号増幅回路である。センスアンプ4a1〜4a7はセンスアンプ4a0と同様の回路構成である。各センスアンプからそれぞれセンスアンプ出力A0〜A7が取り出される。センスアンプ出力A0〜A7は図1に示した論理積(AND)回路5及び論理和(OR)回路6に各別に供給される。
【0051】
ビット対応線BT0〜BT7は、カラム選択用トランジスタKS0〜KS7の出力側すなわちセンスアンプ4a1〜4a7の入力側に接続されている。カラム選択用トランジスタKS0〜KS7の出力側は従前のビットラインとは異なるが、ビットラインbit0〜bit7のデータと実質的に同じ情報が取り出される。
【0052】
ビット対応線BT0には、カラム0のビットラインbit0の他にカラム4,8,12・・・・116,120,124のビットラインbit0が接続されている。
【0053】
ビット対応線BT1には、カラム0のビットラインbit1の他にカラム4,8,12・・・・116,120,124のビットラインbit1が接続されている。
【0054】
ビット対応線BT2には、カラム0のビットラインbit2の他にカラム4,8,12・・・・116,120,124のビットラインbit2が接続されている。
【0055】
ビット対応線BT3には、カラム0のビットラインbit3の他にカラム4,8,12・・・・116,120,124のビットラインbit3が接続されている。
【0056】
ビット対応線BT4には、カラム0のビットラインbit4の他にカラム4,8,12・・・・116,120,124のビットラインbit4が接続されている。
【0057】
ビット対応線BT5には、カラム0のビットラインbit5の他にカラム4,8,12・・・・116,120,124のビットラインbit5が接続されている。
【0058】
ビット対応線BT6には、カラム0のビットラインbit6の他にカラム4,8,12・・・・116,120,124のビットラインbit6が接続されている。
【0059】
ビット対応線BT7には、カラム0のビットラインbit7の他にカラム4,8,12・・・・116,120,124のビットラインbit7が接続されている。
【0060】
図2にはカラム0を示し、ビット対応線BT0〜BT7にカラム4,8,・・・120,124のビットラインbit0〜bit7が結合される状態を示した。なお、カラム1のビット対応線BT0〜BT7には、カラム5,9,・・・121,125のビットラインbit0〜bit7が結合されている。また、カラム2のビット対応線BT0〜BT7には、カラム6,10,・・・122,126のビットラインbit0〜bit7が結合されている。同様にカラム3のビット対応線BT0〜BT7には、カラム7,11,・・・123,127のビットラインbit0〜bit7が結合されている。すなわち、等差数列状にグルーピングされたカラムがビット対応線BT0〜BT7に結合されている。
【0061】
図3は、図1に示したメモリトランジスタM0〜M1027の閾値電圧を測定する時に用いる模式的な測定入力電圧VM1を示す。ステップ状の測定入力電圧VM1はテストモードにおいて、バイトセレクトトランジスタBSTを介してメモリトランジスタM0〜M1027の各ゲートに印加される。測定入力電圧VM1は図1に示した制御・回路論理回路2で生成されるか、または図示しないICテスターで生成されている。なお、ICテスターは測定入力電圧VM1を生成するだけではなく、本発明での閾値電圧の測定結果の保持や良否判定結果等の結果が保持される。
【0062】
測定入力電圧VM1は、例えば2.1V〜4.0Vの範囲であって例えば0.1V刻みのステップ状に設定されている。こうした測定入力電圧VM1の範囲は、メモリトランジスタM0〜M1027に要求される例えばデータの書き込み、読み出しまたは消去時に要求される閾値電圧の規格値や分布特性に基づき決定される。こうした範囲の電圧ではメモリトランジスタM0〜M1027のすべてが例えばオフ状態となり、ビットラインbit0〜bit7に出力されるデータ値は「1」となることが期待されている。
【0063】
測定入力電圧VM1の初期値は例えば電圧2.1Vに設定されている。電圧2.1Vは許容される閾値電圧の範囲の下限値となる。電圧2.1Vは例えば75msの時間において、メモリトランジスタM0〜M1027の各ゲートに印加される。電圧2.1Vの印加が完了すると、それよりも0.1V高い電圧2.2Vが印加され、その後は順次4.0Vまで0.1V刻みの電圧が75msの時間印加される。なお、図3には電圧2.1Vの印加が完了すると直ちに電圧2.2Vを印加するように示したが、実際は電圧2.1Vの印加された後に論理積(AND)回路5で論理積演算が行われ、論理積演算が完了した後に次の電圧2.2Vが印加される。以降最大で4.0Vまで同じ処理が行われる。
【0064】
例えば電圧4.0Vまで上昇させるに要する測定時間は1500ms(1.5sec)である。なお、測定入力電圧VM1の範囲、測定時間の設定は不揮発性半導体記憶装置の設計サイドまたは製造サイドで逐次決定されるいわば設計的事項である。
【0065】
本発明の一実施の形態はステップ電圧を0.1V刻みに設定したが、閾値電圧の測定精度がさほど要求しないのであれば、例えば0.2V以上に広げてもよい。ステップ電圧の刻みを広げることで測定時間を短縮することができる。
【0066】
図4は、図1に示したメモリトランジスタM0〜M1027の閾値電圧を測定する時に用いるもう1つの測定入力電圧VM2を示す。ステップ状の測定入力電圧VM2は、図3のものと同様にテストモードでバイトセレクトトランジスタBSTを介してメモリトランジスタM0〜M1027の各ゲートに印加される。
【0067】
測定入力電圧VM2は、図3のものとは異なり0V以下の例えば−0.1V〜−2.0Vの範囲であって例えば0.1V刻みのステップ状に設定されている。こうした測定入力電圧の範囲は、メモリトランジスタM0〜M1027に要求される閾値電圧の規格値に基づき決定される。こうした範囲の電圧がメモリトランジスタM0〜M1027のゲートに印加されると、メモリトランジスタM0〜M1027のすべてがオン状態となり、ビットラインbit0〜bit7に出力されるデータ値は「0」となることが期待されている。
【0068】
測定入力電圧VM2の初期値は例えば−0.1Vに設定されている。電圧−0.1Vは例えば75msの時間において、メモリトランジスタM0〜M1027の各ゲートに印加される。電圧−0.1Vの印加が完了すると、電圧−0.2Vが印加され、その後は順次0.1V刻みの電圧が75msの時間で最小−2.0Vまで印加される。なお、図4には電圧−0.1Vの印加が完了すると直ちに電圧−0.2Vを印加するように示したが、実際は電圧−0.1Vが印加された後に論理和(OR)回路6で論理和演算が行われ、論理和演算が完了した後に電圧−0.2Vに引き下げられ、以降−2.0Vまで同じ処理が行われる。
【0069】
電圧−0.1Vから−2.0Vまで下降させるに要する測定時間は例えば1500ms(1.5sec)である。なお、測定入力電圧の範囲、測定時間の設定は不揮発性半導体記憶装置の設計サイドまたは製造サイドで逐次決定されるいわば設計的事項である。
【0070】
本発明の一実施の形態はステップ電圧を−0.1V刻みに設定したが、例えば−0.2V以下に広げてもよい。ステップ電圧の刻みを広げることで測定時間を短縮することができる。
【0071】
図4及び図3に示した測定入力電圧が供給される時間は例えばそれぞれ1.5secであり、合わせて3sec(秒)となる。したがって、本発明の不揮発性半導体記憶装置1の閾値電圧を測定に要する時間は合わせて3秒となる。こうした時間は図1に示したように例えば4カラム単位で閾値電圧を測定することで得られるものであって、従前の1カラム単位で閾値電圧を測定する方法では、本発明の4倍すなわち12秒の測定時間を要することになり、閾値電圧の測定時間を短縮することはできない。
【0072】
図5は、図3に示した2.1V〜4.0Vの範囲の電圧をメモリトランジスタM0〜M1023に印加した時に論理積(AND)回路5に出力された論理積出力5oを示した一例である。なお、電圧2.1V〜4.0Vの範囲は必ずしも良品として判定される規格値を表すものではなく、あくまでもメモリトランジスタM0〜M1023の閾値電圧を測定するために用意された電圧の範囲である。図5は期待値が「1」である場合を示す。ここで期待値「1」は多くのカラムのビットラインにデータ「1」が出力されることが予測される状態を指す。ここで、カラム0のデータを見てみると、ビットラインbit0,bit1,bit2,bit3,bit4,bit5,bit6及びbit7のデータがそれぞれ「0」,「1」,「1」,「1」,「1」,「1」,「1」,「1」として出力されビットラインbit0がビットラインbit1〜bit7とは異なり、期待値「1」が出力されていないことが分かる。同様に、各カラムのデータを見てみると、カラム1,カラム3は期待値「1」を出力しているが、カラム2のビットラインbit7が期待値「1」ではなくデータ「0」を出力していることが分かる。論理積(AND)回路5の論理積出力5oはビットラインbit0,bit7が「0」となり、ビットラインbit1〜bit7が「1」となる。なお、閾値電圧の測定入力電圧VM1の範囲と製品の良否判定の規格値とは別々に設定される。なお、図5に示した論理積出力5oが図3に示した例えばスタート電圧の2.1Vで出力された場合には、次の電圧2.2Vの印加と論理積演算は停止される。
【0073】
図6は、図4に示した−0.1V〜−2.0Vの範囲の電圧をメモリトランジスタM0〜M1023に印加した時に論理和(OR)回路6に出力された論理和出力6oを示した一例である。なお、電圧−0.1V〜−2.0Vの範囲は必ずしも良品として判定される規格値を表すものではなく、あくまでもメモリトランジスタM0〜M1023の閾値電圧を測定するために用意された電圧の範囲である。図6は期待値が「0」である場合を示す。ここで期待値「0」は多くのカラムのビットラインにデータ「0」が出力されることが予測される状態を指す。ここで、カラム0のデータを見てみると、ビットラインbit0,bit1,bit2,bit3,bit4,bit5,bit6及びbit7のデータがそれぞれ「0」,「0」,「0」,「0」,「0」,「0」,「1」,「0」として出力されビットラインbit6がビットラインbit1〜bit5及びbit7とは異なり、期待値「0」が出力されていないことが分かる。同様に、各カラムのデータを見てみると、カラム1,カラム3は期待値「0」を出力しているが、カラム2のビットラインbit6が期待値「0」ではなくデータ「1」を出力していることが分かる。論理和(AOR)回路6の論理和出力6oはビットラインbit6が「1」となり、その他のビットラインが「0」となる。閾値電圧の測定入力電圧VM2の範囲と製品の良否判定の規格値とは別々に設定される。なお、図6に示した論理積出力5oが図4に示した例えばスタート電圧の−0.1Vで出力された場合には、次の電圧−0.2Vの印加と論理積演算は停止される。
【0074】
図7は、図1に示した不揮発性半導体記憶装置1をテストモードでの測定入力電圧の印加、及び論理演算を行う時の処理、駆動フローを示す。テストモードでは制御・論理回路2、メモリセルアレイ3、カラムセレクトトランジスタKS0〜KS1023、センスアンプ4a〜4b、論理積(AND)回路5、論理和(OR)回路6、第1セレクタ回路7、及び第3セレクタ回路9が動作の対象となる。なお、テストモードではデータ出力部11に図示しないICテスターが結合され、論理積(AND)回路5、論理和(OR)回路6での測定された閾値電圧の測定結果がこのICテスターに記録される。また、図3及び図4に示したステップ状の直流電圧は、このICテスターから供給しても良いし、または制御・論理回路2から供給しても良い。以下、図1図6を参照して図7について説明する。
【0075】
図7においてステップS100は、スタートコンディションである。スタートコンディションでは通信の開始を示すいわゆるスタートビットが制御・論理回路2に入力される。ステップS100では例えばスタートビット「1」が入力される。
【0076】
ステップS200は、オペコード入力を実行する。オペコード入力では各メモリトランジスタの閾値電圧を測定するために、バイトセレクトトランジスタBSTを介してメモリトランジスタに例えば図3図4に示したステップ状の直流電圧を印加する。
【0077】
メモリセル3の一部に設けられたメモリセル領域からカラム0〜3の4カラム分のデータを読み込む。そして、読み出されたカラム0〜3の4カラム分のメモリトランジスタM0〜M31に電圧を印加して論理演算を行い、その結果を制御・論理回路2に保持する。この時、読み込まれるデータはメモリトランジスタ及びECC機能の情報であり、例えば図1中のカラム0〜3の4カラム分、即ちメモリトランジスタM0〜M31の32ビット分の情報と、ECC機能の6ビット分の情報を合わせた38ビットである。
【0078】
ステップS300は、データ出力である。4カラム分のデータを出力する各ステップにおいて、制御・論理回路2で保持されていた4カラム分のデータの出力、次のステップの4カラム分のデータ読み出し、及び読み出された4カラム分のメモリトランジスタに電圧を印加して論理演算を行い、その結果を制御・論理回路2に保持する。この一連の動作が以降、ステップS301、ステップS302、・・・ステップS331でも行われている。ステップS332はデータ出力のみを行う。データ出力において、例えば2.1V〜4.0Vの範囲であって例えば0.1V刻みのステップ状に設定されている場合、カラム0〜127までの4カラムずつの論理積(AND)演算または論理和(OR)演算の全ての出力データが期待値を満たしている場合のみ次のステップ電圧で測定を行う。例えば、2.1Vで論理積(AND)演算をカラム0〜127までの行った結果、全てのデータが「1」であれば、次の電圧2.2Vで論理積(AND)演算を行う。少なくとも1つデータが「0」があれば、次の電圧2.2Vで論理積(AND)演算は行われず、停止する。
【0079】
ステップS301は、ステップS400の1つであり、カラム0〜カラム3までの4カラムの論理積(AND)演算及び論理和(OR)演算のデータ出力を示す。すなわち、カラム0〜3までの4カラムのデータ出力が終了と同時にカラム4〜7のデータを読み出し、この4カラム分の論理積(AND)演算及び論理和(OR)演算を行い、制御・論理回路2にデータを保持する。
【0080】
ステップS302は、ステップS300の1つであり、前ステップS301で制御・論理回路2に保持されたカラム4〜カラム7までの4カラムの論理積(AND)演算及び論理和(OR)演算のデータ出力を示す。すなわち、カラム4〜7までの4カラムのデータ出力が終了と同時にカラム8〜11のデータを読み出し、この4カラム分の論理積(AND)演算及び論理和(OR)演算を行い、制御・論理回路2にデータを保持する。以降、図示しないステップS303〜S331についても同様の動作が行われるが、説明の便宜上割愛している。
【0081】
ステップS332は、ステップS300の1つであり、図示されていない前ステップS331で制御・論理回路2に保持された、最終であるカラム124〜カラム127までの4カラムの論理積(AND)演算及び論理和(OR)演算のデータ出力を行う。
【0082】
ステップS400は、ストップコンディションである。ストップコンディションは、ステップS100からステップS332までの一連のインストラクションが終わったことを示す。すなわち、本発明に係るメモリセルトランジスタM0〜M1023の閾値電圧の測定がすべて完了したことを告げるとともに次のステップに移行できることを表示するフラッグでもある。ステップS400が完了した後は、閾値電圧の測定結果が記憶された図示しないICテスターで所定の処理が実行される。以上で本発明に係る不揮発性半導体記憶装置の閾値電圧の測定が終了する。
【産業上の利用可能性】
【0083】
以上説明したように、本発明の不揮発性半導体記憶装置はテストモードにおける閾値電圧の測定時間を短縮することでコスト削減と生産性向上を実現できるので産業上の利用可能性は高い。
【符号の説明】
【0084】
1 不揮発性半導体記憶装置
2 制御・論理回路
3 メモリセルアレイ
4a0,4a,4b,4c,4d センスアンプ
5 論理積(AND)回路
5o 論理積出力
6 論理和(OR)回路
6o 論理和出力
7 第1セレクタ回路
8 第2セレクタ回路
9 第3セレクタ回路
10 論理回路入力部
11 データ出力部
BUS1〜BUS4 バス配線
A0〜A7,B0〜B7,C0〜C7,D0〜D7 センスアンプ出力
BT0〜BT7 ビット対応線
bit0〜bit7 ビットライン
BS0〜BS1023 ビットセレクトトランジスタ
KS0〜KS1023 カラム選択用トランジスタ
M0〜M1023 メモリトランジスタ
MS1〜MS7 メモリセル
Sd 信号線
WL ワードライン
BST バイトセレクトトランジスタ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7