特許第6863726号(P6863726)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6863726屋根パネルの設置方法、屋根パネルおよび屋根構造
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6863726
(24)【登録日】2021年4月5日
(45)【発行日】2021年4月21日
(54)【発明の名称】屋根パネルの設置方法、屋根パネルおよび屋根構造
(51)【国際特許分類】
   E04D 3/36 20060101AFI20210412BHJP
   E04D 12/00 20060101ALI20210412BHJP
【FI】
   E04D3/36 Y
   E04D12/00 H
【請求項の数】8
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2016-237540(P2016-237540)
(22)【出願日】2016年12月7日
(65)【公開番号】特開2018-91103(P2018-91103A)
(43)【公開日】2018年6月14日
【審査請求日】2019年9月30日
(73)【特許権者】
【識別番号】390037154
【氏名又は名称】大和ハウス工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105843
【弁理士】
【氏名又は名称】神保 泰三
(72)【発明者】
【氏名】松原 悟志
【審査官】 津熊 哲朗
(56)【参考文献】
【文献】 特開平11−303333(JP,A)
【文献】 特開昭60−226951(JP,A)
【文献】 特開2002−317538(JP,A)
【文献】 特開平04−222749(JP,A)
【文献】 米国特許第04314428(US,A)
【文献】 特開平07−233568(JP,A)
【文献】 登録実用新案第3090661(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04D 3/36
E04D 12/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
屋根材が載せられる上野地板と、母屋側に固定される下野地板とが互いにずれて設けられ上記下野地板の一部が上記上野地板の縁からはみ出ることによって、締結部材の装着を可能とする張出部が上記下野地板上に形成されており、上記上野地板と上記下野地板は互いに離間し、当該離間による空間に、通気層と熱の移動を抑制する断熱層とが形成された屋根パネルを作製し、
上記屋根パネルを、母屋上に、上記通気層が軒先側から棟側に通じるように配置し、当該屋根パネルを、上記張出部に装着した締結部材によって、上記母屋側に固定することを特徴とする屋根パネルの設置方法
【請求項2】
母屋側に締結部材を用いて固定されることで軒先側から棟側に通じる通気層を形成する屋根パネルであって
屋根材が載せられる上野地板と、母屋側に固定される下野地板とが互いにずれて設けられ
上記下野地板の一部が上記上野地板の縁からはみ出ることによって、締結部材の装着を可能とする張出部が上記下野地板上に形成されており、
上記上野地板と上記下野地板は互いに離間し、当該離間による空間に、上記通気層と熱の移動を抑制する断熱層とが形成されていることを特徴とする屋根パネル。
【請求項3】
請求項2に記載の屋根パネルにおいて、上記上野地板と上記下野地板との間には、上記通気層と上記断熱層を仕切る中間板が設けられていることを特徴とする屋根パネル。
【請求項4】
請求項3に記載の屋根パネルにおいて、上記中間板と上記上野地板との間には、上記母屋と交差する方向に上垂木部材が設けられており、上記中間板と上記下野地板との間には、上記上垂木部材と重なるように下垂木部材が設けられていることを特徴とする屋根パネル。
【請求項5】
請求項2〜請求項4のいずれか1項に記載の屋根パネルにおいて、上記断熱層上に垂木部材が設けられており、この垂木部材上に上記上野地板が設けられていることを特徴とする屋根パネル。
【請求項6】
請求項〜請求項のいずれか1項に記載の屋根パネルが上記母屋上に固定された屋根構造であって、上記屋根パネルにおける上記下野地板が、上記張出部の上側から入れられた締結部材によって、上記母屋側に固定されたことを特徴とする屋根構造。
【請求項7】
請求項6に記載の屋根構造において、上記母屋に取り付けられた取付部材に桟木が固定されており、この桟木に上記下野地板が留め付けられていることを特徴とする屋根構造。
【請求項8】
請求項7に記載の屋根構造において、上記取付部材と同一の取付部材が別途用いられており、この取付部材に小屋裏側から入れられて上記下野地板に達した締結部材によって上記屋根パネルが上記取付部材に留め付けられていることを特徴とする屋根構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、屋根パネルおよびこの屋根パネルを用いた屋根構造に関する。
【背景技術】
【0002】
図9は従来の屋根構造200の一部を示した概略の斜視図である。この屋根構造200においては、母屋201、201上に、これと交差するように複数の垂木202が設けられており、上記垂木202上に野地板203がビス等により固定される。上記垂木202の側面には係止金具204が取り付けられており、この係止金具204によって、上記垂木202が上記母屋201に係止される。また、上記野地板203上には、ルーフィング205、屋根材206、軒先水切り207等が設けられる。
【0003】
また、特許文献1には、母屋の側面部に取り付けられるベース部品と、軸部の先端側に屋根パネルの垂木に係合される鉤部が設けられた鉤形部品と、屋根パネルの垂木を母屋側に引き寄せ、垂木を母屋に固定する引寄せ固定機構とが備えられ、鉤形部品が、垂木と母屋との交差角度に応じて、軸部回りで回転できるようにベース部品に保持されている構造が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−207348号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記従来の屋根構造200は、屋根がパネル化されていない構造であるため、施工効率が低く、また、上記特許文献1に記載の構造では、屋根パネルの固定を狭くて障害が多い小屋裏側から行う必要があった。
【0006】
この発明は、上記の事情に鑑み、屋根上から屋根パネルの固定が行えるようにして施工効率を向上できる屋根パネルおよび屋根構造を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明の屋根パネルは、上記の課題を解決するために、屋根材が載せられる上野地板と、母屋側に固定される下野地板とが互いにずれて設けられており、上記下野地板の一部が上記上野地板の縁からはみ出ていることを特徴とする。
【0008】
上記の構成であれば、上記下野地板における上記のはみ出す部位において、上方から、ビス等を打ち込むことが可能となる。このように、上記ビス等を上記下野地板に上側から打ち込むことができるので、当該屋根パネルを屋根に効率的に取り付けることが可能になる。
【0009】
上記上野地板と上記下野地板は互いに離間して設けられており、この離間空間には軒先側から棟側に通じる通気層と熱の移動を抑制する断熱層とが形成されていてもよい。これによれば、屋根を屋根パネル構成としつつ省エネルギー化も図ることができる。
【0010】
上記上野地板と上記下野地板との間には、上記通気層と上記断熱層を仕切る中間板が設けられていてもよい。上記中間板により、上記仕切りが的確に行えるとともに、パネル強度を高めることが可能になる。
【0011】
上記中間板と上記上野地板との間には、上記母屋と交差する方向に上垂木部材が設けられており、上記中間板と上記下野地板との間には、上記上垂木部材と重なるように下垂木部材が設けられていてもよい。上記上垂木部材および上記下垂木部材により、パネル強度を高めることが可能になる。
【0012】
或いは、上記断熱層上に垂木部材が設けられており、この垂木部材上に上記上野地板が設けられていてもよい。これによれば、中間板を備えず、単層で垂木部材を備えることになるので、屋根パネルの構造簡素化等が図れる。
【0013】
この発明の屋根構造は、上記の屋根パネルを建物の母屋上に固定した屋根構造であって、上記屋根パネルにおける上記下野地板が、上記はみ出ている箇所の上側から入れられた締結部材によって、上記母屋側に固定されたことを特徴とする。
【0014】
このような構造であれば、上記下野地板の上記はみ出ている箇所において、上方から締結部材を打ち込むことで、当該屋根パネルを屋根上から容易に取り付けることができる。
【0015】
上記母屋に取り付けられた取付部材に桟木が固定されており、この桟木に上記下野地板が留め付けられていてもよい。これによれば、上記取付部材および桟木を用いて簡単に上記屋根パネルを母屋上に固定することができる。
【0016】
上記取付部材と同一の取付部材が別途用いられており、この取付部材に小屋裏側から入れられて上記下野地板に達した締結部材によって上記屋根パネルが上記取付部材に留め付けられていてもよい。これによれば、当該屋根パネルを屋根上から取り付けることが困難な箇所においては、上記取付部材と同一の取付部材を用いて低コスト化等を図ることができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明であれば、屋根パネルの固定を屋根上から行うことができ、施工効率の向上が図れるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明の実施形態に係る屋根パネルの一部を示した概略の斜視図である。
図2図1の屋根パネルを示した図であって、同図(A)は平面図、同図(B)は側面図、同図(C)は正面図である。
図3図1の屋根パネルを母屋に固定する取付金物を示した図であって、同図(A)は正面図、同図(B)は側面図、同図(C)は平面図である。
図4】本発明の実施形態に係る屋根構造の一部を示した概略の説明図である。
図5】本発明の実施形態に係る屋根構造の他の一部を示した概略の説明図である。
図6】本発明の実施形態に係る屋根構造の他の一部を示した概略の説明図である。
図7】本発明の実施形態に係る屋根構造の他の一部を示した概略の説明図である。
図8図7の屋根構造に用いる取付金物を示した図であって、同図(A)は底面図、同図(B)は正面図、同図(C)は側面図である。
図9】従来の屋根構造の一部を示した概略の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、この発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
図1および図2に示すように、この実施形態の屋根パネル1は、上野地板11と下野地板12とが互いにずれて設けられており、上記下野地板12の上部側は、上記上野地板11の上縁から上側にはみ出している。このはみ出した部位を、以下、張出部12Aとする。また、上記下野地板12の一方の横側が、上記上野地板11の横縁から横側にはみ出しており、他方の横側は上記上野地板11の横縁において凹んで位置している。
【0020】
上記上野地板11および上記下野地板12は、例えば、合板等の木質系材料からなる。上記上野地板11上には、現場施工において、防水層(ルーフィング)21、瓦等の屋根材22および軒先水切り23等が設けられる。また、上記下野地板12は、現場施工によって母屋3側に固定される。図1において、上記屋根材22等の二点鎖線で示す部材は、この実施形態における上記屋根パネル1を構成するものではなく、当該屋根パネル1上に現場施工において設けられる部分を示している。
【0021】
上記上野地板11と上記下野地板12は、上下方向に互いに離間して設けられ、上記上野地板11の下側には、軒先側から棟側に通じる通気層101が形成されており、上記通気層101の下側には、熱の移動を抑制する断熱層102が形成されている。上記断熱層102は、例えば、グラスウール等からなる。
【0022】
そして、上記上野地板11と上記下野地板12との間には、上記通気層101と上記断熱層102を仕切る中間板13が設けられている。上記中間板13は、上記上野地板11と横幅寸法が同じで互いにはみ出さないように重なっている。また、上記中間板13は、例えば、合板等の木質系材料からなっている。なお、上記屋根パネル1は、上記断熱層102の上面や中間板13の上面等に遮熱シートを備えることができる。この遮熱シートとしては、輻射熱の90パーセント以上を反射するものを用いるのが望ましい。
【0023】
さらに、上記中間板13と上記上野地板11との間には、上記母屋3に対して直交する方向に上垂木部材15が設けられており、上記中間板13と上記下野地板12との間には、上記上垂木部材15と重なるように下垂木部材16が設けられている。上垂木部材15および上記下垂木部材16は、例えば、角材からなり、横縁部と中央部に合計で3本設けられている。
【0024】
また、上記屋根パネル1は、例えば、水勾配方向に離間する2か所の母屋3によって支持される構成としており、下側の横縁の2か所に設けた係止具14を下側の母屋3に係止させている。上記係止具14は、例えば、上記下垂木部材16の側面にビス等により固定されている。
【0025】
そして、上記屋根パネル1は、上側の母屋3の上方に上記屋根パネル1の上記張出部12Aを位置させるように設けられる。上記張出部12Aは、当該屋根パネル1を母屋3に固定するための締結部材が打たれる締結領域となる。
【0026】
上記の上側の母屋3は、例えば、リップ溝形鋼からなからなり、この母屋3のリップ部を利用して取付金物(取付部材)31が係止される。この取付金物31は、図3にも示すように、上記母屋3のリップ部に係止される係止部31aと、上記母屋3の延設方向に長い横桟32を下側から支持する支持面部31bと、上記係止部31aと支持面部31bとを繋ぐ繋ぎ部31cとを備える。また、この取付金物31は、例えば、バネ鋼からなり、上記係止部31aを撓ませて上記母屋3のリップ部に係止させることができる。
【0027】
上記支持面部31bには、例えば、ビス挿通孔が6か所形成されており、このビス挿通孔に挿通されたビス33によって上記横桟32が取付金物31に固定される。そして、上記横桟32の上面に上記下野地板12が載せられた状態で、ビス(締結部材)34が上から上記下野地板12に打ち込まれ、当該屋根パネル1が上記横桟32および上記取付金物31を介して上記母屋3に固定されている。
【0028】
また、屋根上で横に隣り合って配置される2枚の屋根パネル1においては、当該屋根パネル1の一方の横側にはみ出している下野地板12の部分の上に、その隣の屋根パネル1の他方の横側の上野地板11および中間板13が重なるようになっている。さらに、この実施形態では、上記の重なり箇所において、上記通気層101および上記断熱層102も重なるようになっている。
【0029】
上記の構成であれば、上記下野地板12における上記張出部12Aにおいて、上方から、ビス34を打ち込むことが可能となる。このように、上記ビス34を上記下野地板12に上側から打ち込むことができるので、当該屋根パネル1を屋根に効率的に取り付けることが可能になる。
【0030】
上記上野地板11の下側に軒先側から棟側に通じる通気層101が形成される構造であると、上記上野地板11の側の熱が上記通気層101を気流に乗って棟側へと排熱されることになる。また、上記通気層101の下側に断熱層102が形成される構造であると、上記断熱層102によって熱が小屋裏側へと伝わるのを抑制することができる。すなわち、屋根を屋根パネル構成としつつ省エネルギー化も図ることができる。
【0031】
上記上野地板11と上記下野地板12との間に、上記通気層101と上記断熱層102を仕切る中間板13が設けられていると、上記仕切りが的確に行われるとともに、屋根パネル1の強度を高めることができる。
【0032】
また、上記中間板13と上記上野地板11との間に上垂木部材15が設けられ、上記中間板13と上記下野地板12との間に上記上垂木部材15と重なるように下垂木部材16が設けられていると、当該屋根パネル1の強度をさらに高めることが可能になる。
【0033】
図4は、この実施形態の屋根構造における軒先側を例示した説明図である。この例では、下側の母屋3は、溝形鋼ではなく、略Z字形状に鋼材を設けて成る。また、外壁パネル6に形成されている通気層6aの上端の上方に、上記屋根パネル1の通気層101の軒先側が位置している。また、上記軒先水切り23の下側の空間も上記通気層101に通じるようになっている。
【0034】
図5は、この実施形態の屋根構造における片棟タイプの棟側を例示した説明図である。なお、屋根パネル1は軒先から棟までの長さを有する1枚ものを配置するようにしてもよいし、その半分程度の長さとし、軒先側から棟側にかけて2枚の屋根パネル1を配置するようにしてもよいものである。図5に示す屋根パネル1においても、上記下野地板12における張出部12Aにおいて、上方から、ビス34を打ち込むことが可能となる。ここで、このように、上方からビス34を打ち込むために、この屋根パネル1の張出部12A上においては、破線で示しているように、上端側部分を屋根の施工現場で組み付けている。そして、このように上端側部分を組み付けた後に、屋根材22等を配置して換気部26を取り付けている。
【0035】
なお、図2に示した屋根パネル1を下側のパネルとし、上側に別の屋根パネル1を配置する場合は、この上側となる別の屋根パネル1の下端部に断熱層を設けておいて、この断熱層が下側となる屋根パネル1における張出部12A上に重なるようにすることができる。
【0036】
図6は、この実施形態の屋根構造における寄棟タイプの棟側を例示した説明図である。この図6に示す屋根パネル1においても、上記下野地板12における張出部12Aにおいて、上方から、ビス34を打ち込むことが可能となる。ここでも、このように、上方からビス34を打ち込むために、屋根パネル1の張出部12A上では、破線で示しているように、上端側部分を、屋根の施工現場で組み付けるようにしている。そして、このように上端側部分を組み付けた後に、換気部26等を取り付けている。
【0037】
図7は、この実施形態における屋根構造の寄棟タイプの棟側を例示した説明図である。この図7に示す屋根パネル1の上端箇所においては、上記下野地板12における張出部12Aは形成されていない。したがって、屋根の上方から、ビス34を打ち込むことができない。ここで、このような場合においても、上記取付金物31を用いるが、その支持面部31bによって横桟32を支持するのではなく、当該支持面部31bを上側に位置させて当該取付金物31を母屋3に取り付ける。そして、上記支持面部31bに形成されているビス挿通孔に、締結部材であるビス34を、小屋裏側から挿通し、上記下野地板12に打ち込む。
【0038】
図8(A)、図8(B)および図8(C)は、上記図7の仕様での上記取付金物31の用い方を示している。繰り返しになるが、これらの図からも分かるように、屋根の上方からビス34を打ち込むことができない場合は、上記横桟32を用いずに、上記取付金物31を逆使いし、小屋裏側から支持面部31bに対してビス34を打ち込んで、上記屋根パネル1を母屋3に固定する。このように、小屋裏側から固定する場合に、同じ取付金物31を用いることで、コスト低減が図れる。片棟タイプ等でも同様の構成とすることができる。
【0039】
なお、上記の例では、上記上垂木部材15と重なるように下垂木部材16が設けられた構造を例示したが、これに限らない。例えば、上記下垂木部材16を設けずに、上記断熱層102として、硬質の断熱材層を用い、この硬質の断熱材層上に直接或いは、断熱材層に差し込んだ支持部材を介して垂木部材を設けるようにしてもよいものである。また、上記の例では、屋根パネル1は、通気層101と断熱層102の両方を備えたが、いずれか一方のみを備える構造とすることもできる。
【0040】
以上、図面を参照してこの発明の実施形態を説明したが、この発明は、図示した実施形態のものに限定されない。図示した実施形態に対して、この発明と同一の範囲内において、あるいは均等の範囲内において、種々の修正や変形を加えることが可能である。
【符号の説明】
【0041】
1 :屋根パネル
3 :母屋
6 :外壁パネル
11 :上野地板
12 :下野地板
13 :中間板
14 :係止具
15 :上垂木部材
16 :下垂木部材
22 :屋根材
23 :軒先水切り
26 :換気部
31 :取付金物
31a :係止部
31b :支持面部
31c :繋ぎ部
32 :横桟
33 :ビス
34 :ビス(締結部材)
101 :通気層
102 :断熱層
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9