特許第6863730号(P6863730)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6863730トンネル切羽の施工管理装置及び施工管理方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6863730
(24)【登録日】2021年4月5日
(45)【発行日】2021年4月21日
(54)【発明の名称】トンネル切羽の施工管理装置及び施工管理方法
(51)【国際特許分類】
   E21D 9/00 20060101AFI20210412BHJP
   G09G 5/00 20060101ALI20210412BHJP
   G09G 5/377 20060101ALI20210412BHJP
【FI】
   E21D9/00 Z
   G09G5/00 550C
   G09G5/00 510D
   G09G5/00 530M
   G09G5/36 520M
【請求項の数】4
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2016-250192(P2016-250192)
(22)【出願日】2016年12月23日
(65)【公開番号】特開2018-104932(P2018-104932A)
(43)【公開日】2018年7月5日
【審査請求日】2019年10月9日
(73)【特許権者】
【識別番号】000201478
【氏名又は名称】前田建設工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100130362
【弁理士】
【氏名又は名称】小川 嘉英
(72)【発明者】
【氏名】水谷 和彦
(72)【発明者】
【氏名】工藤 敏邦
(72)【発明者】
【氏名】森田 篤
(72)【発明者】
【氏名】松尾 健二
【審査官】 松本 泰典
(56)【参考文献】
【文献】 特開2000−155855(JP,A)
【文献】 特開平09−330489(JP,A)
【文献】 特開2012−184568(JP,A)
【文献】 特開2005−220687(JP,A)
【文献】 特開2000−110488(JP,A)
【文献】 特開平05−156885(JP,A)
【文献】 国際公開第2015/139090(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E21D 9/00
G09G 5/00
G09G 5/377
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
トンネル掘削に必要な情報をトンネル切羽の鏡面と関連付けて表示することによりトンネル切羽の施工管理を行うための装置であって、
トンネル掘削に必要な情報を記憶する情報記憶手段と、
前記情報記憶手段に記憶した情報が鏡面と関連付くようにして、利用者が装着した透過型ウェアラブル端末を用いて表示させるための表示制御手段と、
作業現場以外の場所に設置され、実際の施工状況をリアルタイムで表示する表示装置と、
を備え、
前記透過型ウェアラブル端末は、前記作業現場に居る利用者と、前記表示装置が設置された作業現場以外の場所に居る管理者とが装着し、
前記管理者は、前記表示装置の表示画面に表示される実際の施工状況と、前記透過型ウェアラブル端末に表示されるトンネル掘削に必要な情報を目視して、実際の作業現場で作業している作業員と情報を共有する、
ことを特徴とするトンネル切羽の施工管理装置。
【請求項2】
前記透過型ウェアラブル端末に表示する情報は、素掘り状態の切羽状況、地質状況、湧水状況、注意喚起、発破パターン、補助工法の打設位置及び方向範囲、過去の施工において収集した情報の中で同様の事象が発生した場合における対処方法のうちの少なくとも一つに関する情報である、
ことを特徴とする請求項に記載のトンネル切羽の施工管理装置。
【請求項3】
前記透過型ウェアラブル端末に表示する情報は、三次元的に表現する、
ことを特徴とする請求項1または2に記載のトンネル切羽の施工管理装置。
【請求項4】
トンネル掘削に必要な情報をトンネル切羽の鏡面と関連付けて表示することによりトンネル切羽の施工管理を行うための方法であって、
トンネル掘削に必要な情報を予め記憶するとともに、
作業現場以外の場所に、実際の施工状況をリアルタイムで表示する表示装置を設置し、
前記作業現場に居る利用者と、前記表示装置が設置された作業現場以外の場所に居る管理者とに透過型ウェアラブル端末を装着させ、
前記管理者は、前記表示装置の表示画面に表示される実際の施工状況と、前記透過型ウェアラブル端末に表示されるトンネル掘削に必要な情報を目視して、実際の作業現場で作業している作業員と情報を共有する、
ことを特徴とするトンネル切羽の施工管理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、トンネル切羽の施工管理装置及び施工管理方法に関するものであり、詳しくは、作業員等の利用者が視認可能となるように、トンネル掘削に必要な情報をトンネル切羽の鏡面と関連付けて表示することによりトンネル切羽の施工管理を行うための技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
トンネル掘削を行う際には、切羽(鏡面)の安定性確保や変状発生を確認するために、吹き付けコンクリートを施工するのが一般的である。この際、切羽(鏡面)に吹き付けコンクリートを施工すると、素掘り面を目視することができなくなるため、事前に素掘り面のスケッチや写真撮影を行い、切羽観察簿を作成している。そして、作業員の交代時等に、利用者詰め所に保管されている作業日報や、打合せに使用するホワイトボード等に切羽(鏡面)の状況を描くとともに、湧水状況や地質の硬軟、注意事項等を併記して、情報の共有を図っている。
【0003】
また、発破の孔位置は、通常の場合、利用者の目視と勘に頼って決定しているのが現状である。この点、コンピュータジャンボ等を用いることにより、発破の孔位置を決定する技術が開発されているが、高価な機器を使用するものであり、一般的に普及しているとは言い難い。
【0004】
削孔の位置決め等を行うための技術として、特許文献1及び特許文献2に記載されたものがある。特許文献1に記載された技術は、削岩機に生ずるたわみや遊び等、あるいはドリルジャンボの据付け位置の作業中のずれに影響されることなく、予め計算された穿孔位置に削岩機のビットを正確かつ迅速に位置決めすることを目的としたものであり、削岩機の先端にリフレクターを設けるとともに、削岩機の後方にレーザー投光・追跡部を設け、レーザー光の投光とリフレクターの反射によってリフレクターの移動方向を検出し、その位置情報により削岩機の動作を自動制御させ、削岩機の穿孔位置を決める構成となっている。
【0005】
特許文献2に記載された技術は、レーザー照射器の盛り替え作業およびレーザー光の投影障害をなくすことを目的としたものであり、トンネル掘削を行う際に、レーザー光をトンネルの切羽面に照射してマーキングを行うレーザー照射器を有している。また、レーザー照射器は、トンネルの坑内を移動するブームジャンボの頂部付近に搭載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平5−156885号公報
【特許文献2】特開2000−110488号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、従来のトンネル切羽の施工管理方法には、種々の問題点があった。すなわち、トンネル切羽の施工管理を切羽観察簿等により行う方法では、実際に掘削作業を行うトンネル切羽から利用者詰め所まで距離があるため、作業員が正確な情報を記憶しているとは限らず、施工管理を行うために作成した情報が、実際の安全管理や施工管理に反映され難い。
【0008】
また、発破の削孔位置については、作業員が記憶しているトンネル切羽面の地質に基づいて、当該利用者の目視と勘に頼って決定しているため、必ずしも効率的な発破を行うことができるとは限らない。
【0009】
本発明は、上述した事情に鑑み提案されたもので、作業員等の利用者に対して必要な情報を確実に提供することにより、正確かつ適切な情報に基づいてトンネル掘削を行うことが可能なトンネル切羽の施工管理装置及び施工管理方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明のトンネル切羽の施工管理装置及び施工管理方法は、上述した目的を達成するため、以下の特徴点を有している。なお、本発明のトンネル切羽の施工管理装置及び施工管理方法において、利用者とは、トンネル掘削に必要な情報を目視して作業を行う作業員等のことをいうが、管理事務所に駐在する管理者や作業現場において監督を行う監督者等、トンネル掘削に必要な情報を利用する人員のすべてを含んでいる。
【0011】
本発明のトンネル切羽の施工管理装置は、トンネル掘削に必要な情報をトンネル切羽の鏡面と関連付けて表示することによりトンネル切羽の施工管理を行うための装置であって、トンネル掘削に必要な情報を記憶する情報記憶手段と、情報記憶手段に記憶した情報が鏡面と関連付くようにして、利用者が装着した透過型ウェアラブル端末を用いて表示させるための表示制御手段と、作業現場以外の場所に設置され、実際の施工状況をリアルタイムで表示する表示装置とを備えている。そして、透過型ウェアラブル端末は、作業現場に居る利用者と、表示装置が設置された作業現場以外の場所に居る管理者とが装着する。管理者は、表示装置の表示画面に表示される実際の施工状況と、透過型ウェアラブル端末に表示されるトンネル掘削に必要な情報を目視して、実際の作業現場で作業している作業員と情報を共有することを特徴とするものである。
【0012】
また、上述した構成に加えて、透過型ウェアラブル端末に表示する情報は、素掘り状態の切羽状況、地質状況、湧水状況、注意喚起、発破パターン、補助工法の打設位置及び方向範囲、過去の施工において収集した情報の中で同様の事象が発生した場合における対処方法のうちの少なくとも一つに関する情報とすることが可能である。また、上述した構成に加えて、透過型ウェアラブル端末に表示する情報は、三次元的に表現することが可能である。
【0014】
本発明のトンネル切羽の施工管理方法は、トンネル掘削に必要な情報をトンネル切羽の鏡面と関連付けて表示することによりトンネル切羽の施工管理を行うための方法であって、トンネル掘削に必要な情報を予め記憶するとともに、作業現場以外の場所に、実際の施工状況をリアルタイムで表示する表示装置を設置し、作業現場に居る利用者と、表示装置が設置された作業現場以外の場所に居る管理者とに透過型ウェアラブル端末を装着させる。そして、管理者は、表示装置の表示画面に表示される実際の施工状況と、透過型ウェアラブル端末に表示されるトンネル掘削に必要な情報を目視して、実際の作業現場で作業している作業員と情報を共有することを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0015】
本発明に係るトンネル切羽の施工管理装置及び施工管理方法では、利用者が装着したウェアラブル端末を用いて、トンネル掘削に必要な情報をトンネル切羽の鏡面と関連付けて表示するので、正確かつ適切な情報に基づいて、トンネル掘削を行うことができる。また、利用者の勘や経験に頼る必要がないので、熟練した利用者は勿論のこと、経験が少ない利用者であっても、適切なトンネル切羽の施工管理を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明の実施形態に係るトンネル切羽の施工管理装置の構成を示すブロック図。
図2】本発明の実施形態における情報表示の態様を示す模式図(1)。
図3】本発明の実施形態における情報表示の態様を示す模式図(2)。
図4】本発明の実施形態において利用者に対して表示する情報の一例を示す説明図。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、図面を参照して、本発明に係るトンネル切羽の施工管理装置及び施工管理方法の実施形態を説明する。図1図4は本発明の実施形態に係るトンネル切羽の施工管理装置及び施工管理方法を説明するもので、図1は施工管理装置の構成を示すブロック図、図2及び図3は情報表示の態様を示す模式図、図4は利用者に対して表示する情報の一例を示す説明図である。
【0018】
<トンネル切羽の施工管理装置及び施工管理方法の概要>
本発明の実施形態に係るトンネル切羽の施工管理装置及び施工管理方法は、トンネル掘削に必要な情報をトンネル切羽の鏡面と関連付けて表示することによりトンネル切羽の施工管理を行うための技術である。
【0019】
例えば、吹き付けコンクリートが施工されて、素掘り面を目視することができなくなった状態であっても、素掘り状態の切羽状況、地質状況、湧水状況、注意喚起、発破パターン、補助工法の打設位置及び方向範囲を透過型ウェアラブル端末に写し出して、実際の鏡面を目視しながら必要な情報を把握することができる。これにより、利用者は、利用者詰め所に保管されている作業日報等を確認して、その内容を正確に記憶しておく必要がなくなり、適切なトンネル切羽の施工管理を行うことができる。
【0020】
<施工管理装置>
本発明の実施形態に係るトンネル切羽の施工管理装置は、図1に示すように、トンネル掘削に必要な情報を記憶する情報記憶手段10と、情報記憶手段10に記憶した情報を利用者が装着した透過型ウェアラブル端末30に表示するための制御を行う表示制御手段20とを備えている。
【0021】
<情報記憶手段>
情報記憶手段10は、例えば、HDD等の大容量記憶装置からなり、素掘り状態の切羽状況、地質状況、湧水状況、注意喚起、発破パターン、補助工法の打設位置及び方向範囲等が記憶されている。記憶された情報のデータフォーマットはどのようなものであってもよいが、透過型ウェアラブル端末30に表示する際に、映像化する必要がある。
【0022】
このため、情報記憶手段10に記憶される情報は、JPEG、GIF、TIFF等の画像フォーマットや、MPEG、AVI等の動画フォーマット等のデータであってもよいし、情報を投影する際に、これらのフォーマットに変換可能なフォーマットであってもよい。すなわち、情報記憶手段10に記憶し、透過型ウェアラブル端末30に表示する情報は、静止画であってもよいし、動画であってもよい。
【0023】
また、過去の施工において収集した種々の情報を記憶しておき、同様の事象が発生した場合に、対処方法の一例として記憶した情報の中から該当する情報を検索し、透過型ウェアラブル端末30に表示する情報としてもよい。また、上述した各種の情報及び過去の施工において収集した種々の情報は、各情報に対して検索インデックスを付した表示情報データベース11として、情報記憶手段10に記憶しておくことが好ましい。なお、情報記憶手段10に記憶する情報は、上述したものに限られず、トンネル毎に必要な情報として、これらの情報の一部であってもよいし、他の情報を付加してもよい。
【0024】
情報記憶手段10は、図3に示すように、パーソナルコンピュータ等に内蔵(付帯)していてもよいが、図4に示すように、データ通信回線40を介して表示制御手段20に接続してもよい。例えば、管理施設に設置したサーバー(図示せず)を情報記憶手段10として機能させるとともに、サーバーと表示制御手段20とをデータ通信回線40を介して接続することにより、情報を送受信することができる。この場合、サーバーはクラウドシステム上に構築した仮想サーバーであってもよい。また、データ通信回線40は、データの送受信を行うことができればどのような回線であってもよく、インターネット、公衆電話回線、専用データ通信回線、無線LAN回線、有線LAN回線等を、単独であるいは組み合わせて用いることができる。このように、情報記憶手段10をサーバーの機能とすることにより、情報を一元管理することができるとともに、遠隔地において多様な情報を利用することができる。
【0025】
<透過型ウェアラブル端末>
透過型ウェアラブル端末30は、例えば、ゴーグル及びゴーグルのレンズ面に映像を表示させるための表示装置からなり、種々の形態がある。例えば、ゴーグル本体の側面あるいは両側面にプロジェクタを配設し、このプロジェクタからレンズ面に映像を投写し、レンズ内に埋め込まれたホログラムによって光を反射させることにより、利用者が目視している物体に重ね合わせて情報を表示するものがある。この透過型ウェアラブル端末30は、情報の表示形式を限定するものではなく、トンネル掘削に必要な情報をトンネル切羽の鏡面と関連付けて表示することができれば、どのような態様であってもよい。
【0026】
また、トンネル掘削に必要な情報をトンネル切羽の鏡面と関連付けて表示するためには、透過型ウェアラブル端末30の現在位置やレンズ面の向き等に関する位置情報を取得する必要がある。位置情報の取得には、地磁気センサ、ジャイロセンサ、加速度センサ、GNSS、位置情報を発信するビーコン、撮影したマーカーの撮像データを用いた位置解析等のシステムを、単独または組み合わせて用いることができる。
【0027】
<表示制御手段>
表示制御手段20は、透過型ウェアラブル端末30における情報表示を制御するための電子機器及びソフトウェアからなる。なお、ソフトウェアは、これと同等の機能を有する論理回路であってもよい。また、情報を三次元的に表現するには、拡張現実(AR)技術、複合現実(MR)技術、仮想現実(VR)技術を利用する。拡張現実(AR)技術、複合現実(MR)技術、仮想現実(VR)技術を利用すると、利用者は、ゴーグルのレンズ面を通して実際の切羽面を目視しながら、レンズ面に表示されたトンネル掘削に必要な情報を重ね合わせて認識することができる。
【0028】
<トンネル切羽の施工管理方法>
本実施形態のトンネル切羽の施工管理方法では、上述した施工管理装置を用いて、トンネル掘削に必要な情報を予め記憶し、当該情報が鏡面と関連付くようにして、利用者が装着した透過型ウェアラブル端末30を用いて表示させ、トンネル掘削に必要な情報を提示することにより、トンネル切羽の施工管理を行う。すなわち、HDD等からなる情報記憶手段10により、トンネル掘削に必要な情報を記憶しておき、表示制御手段20の制御により、利用者が装着した透過型ウェアラブル端末30に情報を表示する。これにより、トンネル掘削に必要な情報を利用者に提示することができる。
【0029】
<表示する情報>
トンネル切羽の鏡面と関連付けた情報(画像)は、トンネル掘削に必要な情報であり、例えば、図4に示すように、素掘り状態の切羽状況、地質状況、湧水状況、注意喚起、発破パターン、補助工法の打設位置及び方向範囲、過去の施工において収集した情報等である。透過型ウェアラブル端末30に表示する情報は、これらの情報のうちから選択した一つであってもよいし、複数の情報を組み合わせて表示してもよい。表示する情報は、利用者の指示入力等に応じて、適宜切り替えることができる。これにより、利用者は、必要な情報のみを取得することができるので、余分な情報に惑わされることなく適切な作業を行うことができる。
【0030】
<他の実施形態>
上述した実施形態では、トンネル切羽付近において、作業者が装着した透過型ウェアラブル端末30に種々の情報を表示しているが、トンネル切羽の鏡面をウェブカメラ等により撮影し、管理事務所等に設置した表示装置の表示画面に撮影した画像を表示するとともに、管理者が透過型ウェアラブル端末30を装着して、実際のトンネル切羽の鏡面と関連付けた情報を目視することにより、現場作業の監督管理を行うことができる。
【0031】
一般的に、管理事務所では、実際の施工状況を表示装置の表示画面にリアルタイムで表示することにより、管理者が作業現場に出向くことなく、作業現場の状況を確認している。また、管理事務所と作業者との間では、無線通信等により情報の伝達(意思の疎通)を図っている。したがって、管理者が透過型ウェアラブル端末30を装着することにより、実際の作業現場で作業している作業員と情報を共有しながら、適切な指示を行うことができるので、作業の適切化を図ることができる。特に、作業に未熟な作業者であっても、リアルタイムで熟練者の指示を受けることができるので、安全性の向上を図ることができる。
【0032】
なお、表示装置の表示画面に作業現場の状況をリアルタイムに表示するとともに、トンネル掘削に必要な情報をトンネル切羽の鏡面と関連付けて表示することもできる。この場合には、表示装置の表示画面を見るすべての者が、同時に情報を得ることができるという利点がある反面、同時に同一の情報のみしか得ることができない。しかし、透過型ウェアラブル端末30を利用して情報を表示する場合には、複数の者が、それぞれ異なる情報をトンネル切羽の鏡面と関連付けて認識することができる。すなわち、確認事項を分担して同時に確認作業を行うことができるので、管理者各自の専門性に応じた判断を同時に行うことが可能となる。
【0033】
<従来技術と比較した有利な効果>
本発明のトンネル切羽の施工管理装置を用いた施工管理方法によれば、吹付コンクリートの施工前の切羽写真やスケッチ、地質状況、湧水状況、注意喚起等の映像を、利用者が装着した透過型ウェアラブル端末30に表示することにより、種々の情報と鏡吹付コンクリート面とを重ね合わせて目視することができる。これにより、利用者への注意喚起を行うことができるため、切羽災害の防止をより一層確実に行うことが可能となる。また、地質に応じた発破削孔の位置計画や、鏡面への水抜き位置の計画を現地で行うことができる。
【0034】
また、基本発破パターンを鏡面に表示することにより、正確な位置での削孔が可能になる。また、切羽前方の探査結果を3次元的に表示することにより、補助工法(例えば、AGF)の打設位置や方向範囲をその場で計画することができる。また、現場で予測地質分布を確認することにより、臨場感のある掘削方法等のシミュレーションや打合せを行うことができる。さらに、鏡押出し計測結果やトンネル内空変位計測を連続的に行い、管理値を超過した際には、注意喚起情報を映し出すことにより、早期対策の対応や緊急避難等を行うことができる。
【符号の説明】
【0035】
10 情報記憶手段
11 表示情報データベース
20 表示制御手段
30 透過型ウェアラブル端末
40 データ通信回線
図1
図2
図3
図4