(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記生成された電気エネルギーの少なくとも一部を蓄積するように前記モータ及び前記電源の間にある1つ又は複数の蓄電器であって、前記過渡吸収ダイオード回路と並列であり、かつ前記生成された電気エネルギーの蓄積された部分を前記バスに供給するように前記直流ライン及び前記接地ラインに接続される1つ又は複数の蓄電器をさらに備えている請求項1に記載の呼吸装置。
前記商用電源用スイッチング電源が、前記モータによって生成された電気エネルギーに起因する負の回生電流であって、前記電源による給電に起因する電流に対して逆流する負の回生電流を遮断するように構成されている、請求項3に記載の呼吸装置。
前記過渡吸収ダイオード回路が、前記生成された電気エネルギーをモータ制動中に吸収するようにさらに構成されており、負の有効電圧が前記モータに誘導されるようになっている、請求項1〜8のいずれか一項に記載の呼吸装置。
前記過渡吸収ダイオード回路が、前記生成された電気エネルギーを約100ミリ秒以上の時間に渡って吸収するように構成されている、請求項1〜9のいずれか一項に記載の呼吸装置。
前記モータの動作を制御するように構成されるモータ駆動部であって、前記ブリッジ回路に接続されるモータ駆動部をさらに備えている請求項11〜15のいずれか一項に記載の呼吸装置。
【発明を実施するための形態】
【0044】
本技術の詳細な説明に先立って、本技術は、本明細書に記載の特定の例に限定されず、変化し得ると解釈されるものとする。また、本開示において使用する専門用語は、本明細書に記載の特定の例を説明することのみを目的としたものであって、何ら限定をもたらすものではないと解釈されるものとする。
【0045】
[治療システム]
一実施形態において、本技術は呼吸器疾患を治療する装置を含むものとなっている。かかる装置は、患者用インターフェース3000に繋がる空気導管を介して空気等の加圧呼吸ガスを患者1000に供給するように構成される流れ生成器又は送風機を備えていてもよい。
【0046】
[療法]
一実施形態において、本技術は、患者1000の気道の入口に陽圧を印加するステップを含む呼吸器疾患治療方法を含むものとなっている。
【0047】
[OSA用経鼻CPAP]
一実施形態において、本技術は、患者に経鼻的持続気道陽圧を印加することによって患者の閉塞性睡眠時無呼吸を治療する方法を含むものとなっている。
【0048】
本技術の特定の実施形態においては、1つ又は複数の鼻孔を介して、患者の鼻道に陽圧の空気が供給される。
【0049】
[患者用インターフェース3000]
図3を参照すると、本技術の一態様に係る非侵襲的患者用インターフェース3000は、機能的態様、すなわち、密閉構造3100と、プレナム室3200と、位置決め・安定化構造3300と、空気回路4170に接続するための接続部とを備えている。いくつかの実施形態においては、1つ又は複数の物理的構成要素によって機能的態様がもたらされてもよい。また、いくつかの実施形態においては、1つの物理的構成要素によって1つ又は複数の機能的態様がもたらされてもよい。使用に際して、密閉構造3100は、患者の気道の入口を囲むことによって、陽圧の空気を気道に供給することを促すように構成されている。患者用インターフェース3000は、呼気の二酸化炭素を清浄化できるように構成及び配置された通気口3400を含んでいてもよい。また、患者用インターフェース3000が前頭支持部3700を含んでいてもよい。他の種類の患者用インターフェースがまた実現されてもよい。
【0050】
[PAP機器4000]
図4aを参照すると、PAP機器4000等の呼吸治療装置は、機械的空気圧構成要素4100及び電気的構成要素4200を含んでいてもよく、1つ又は複数のアルゴリズム4300(
図4dに示す)を実行するようにプログラムされていてもよい。
図4aの形式において示すように、PAP機器は、2つの部品により構成された外部ハウジング4010と、外部ハウジング4010の上部4012と、外部ハウジング4010の下部4014とを有している。別の実施形態においては、外部ハウジング4010が1つ又は複数のパネル4015を含んでいてもよい。PAP機器4000は、その1つ又は複数の内部構成要素を支持するように構成されるシャーシ部材4016を備えている。一実施形態においては、シャーシ部材4016によって空気圧ブロック機構4020が支持されているか、又はシャーシ部材4016の一部として空気圧ブロック機構4020が形成されている。PAP機器4000は取っ手部材4018を含んでいてもよい。
【0051】
図4bを参照すると、PAP機器4000の空気圧経路は、入口側空気フィルタ4112と、入口側マフラー4122と、陽圧の空気を供給可能に構成される制御可能な圧力機器4140(好ましくは、送風機4142)と、出力側マフラー4124とを備えている。空気圧経路には、1つ又は複数の圧力センサ及び流量センサが設置されている。
【0052】
空気圧ブロック機構4020には、外部ハウジング4010内に配置された空気圧経路の部分を含んでいてもよい。
【0053】
図4cを参照すると、PAP機器4000の電子的構成要素4200は、電源4210と、1つ又は複数の入力機器4220と、中央制御器4230と、治療機器用制御器4240と、治療機器4245と、1つ又は複数の保護回路4250と、メモリ4260と、トランスデューサ4270と、データ通信インターフェース4280と、1つ又は複数の出力機器4290とを含んでいてもよい。
図4aに示すように、電気的構成要素4200は、単一のプリント基板組立体(PCBA)4202上に実装されてもよい。別の実施形態においては、PAP機器4000は、2つ以上のPCBA4202を含んでいてもよい。
【0054】
図4dを参照すると、PAP機器4000の中央制御器4230は、一実施態様において、前処理モジュール4310と、治療用エンジンモジュール4320と、圧力制御モジュール4330と、障害状態検出モジュール4340とを含む1つ又は複数のアルゴリズム4300のモジュールを実行するようにプログラムされている。
【0055】
本技術のいくつかの態様によれば、中央制御器4230は、任意選択的には、障害状態動作モジュール4340を省略していてもよい。それどころか、障害検出は、中央制御器4230とは別個の障害緩和用集積回路4500によって実行されてもよい。このような障害緩和用集積回路4500については、本明細書においてより詳しく説明する。
【0056】
一実施形態において、PAP機器4000は、区別なく人工呼吸器と呼ばれることがある。
【0057】
[PAP機器の機械的空気圧構成要素4100]
[(1つ又は複数の)空気フィルタ4110]
図4bを参照すると、本技術の一実施形態に係るPAP機器は1つ又は複数の空気フィルタ4110を含んでいてもよい。
【0058】
一実施形態において、送風機4142の上流側の空気圧経路における始点には、入口側空気フィルタ4112が配置されている(
図4b参照)。
【0059】
一実施形態において、空気圧ブロック機構4020の出口と患者用インターフェース3000との間には、抗菌フィルタ等の出口側空気フィルタ4114が配置されている(
図4b参照)。
【0060】
[(1つ又は複数の)マフラー4120]
本技術の一実施形態において、入口側マフラー4122は、送風機4142の上流側の空気圧経路に配置されている(
図4b参照)。
【0061】
本技術の一実施形態において、出口側マフラー4124は、送風機4142と患者用インターフェース3000との間の空気圧経路に配置されている(
図4b参照)。
【0062】
[圧力機器4140]
図4bを参照すると、本技術の一実施形態においては、陽圧の空気の流れを生成するように構成される圧力機器4140が制御可能な送風機4142となっている。例えば、送風機は、1つ又は複数のインペラを螺旋状に収容しているブラシレスDCモータ4144を含んでいてもよい。また、送風機は、例えば、約120リットル/分にて、約4cmH
2O〜約20cmH
2O、他の実施形態では、最大約30cmH
2Oの範囲にある陽圧の空気を供給可能である。
【0063】
圧力機器4140は治療機器用制御器4240の制御下にある。
【0064】
[(1つ又は複数の)トランスデューサ4270]
図4bを参照すると、本技術の一実施形態においては、圧力機器4140の上流側に1つ又は複数のトランスデューサ4270が配置されている。この1つ又は複数のトランスデューサ4270は、空気圧経路の当該地点における空気の特性を測定するように構成及び配置されている。
【0065】
本技術の一実施形態においては、1つ又は複数のトランスデューサ4270が、圧力機器4140の下流側かつ空気回路4170の上流側に配置されている。この1つ又は複数のトランスデューサ4270は、空気圧経路の当該地点における空気の特性を測定するように構成及び配置されている。
【0066】
本技術の一実施形態においては、1つ又は複数のトランスデューサ4270が、患者用インターフェース3000に近接して配置されている。
【0067】
[逆流防止弁4160]
本技術の一実施形態においては、加湿器5000と空気圧ブロック機構4020との間に逆流防止弁が配置されている。逆流防止弁は、加湿器5000からモータ4144等に向かって上流側に水が流れるような危険性を減らすように構成及び配置されている。
【0068】
[空気回路4170]
図4bに示すように、本技術の一態様に係る空気回路4170は、空気圧ブロック機構4020と患者用インターフェース3000との間にて空気又は呼吸可能なガスが流れ得るように構成及び配置されている。
【0069】
[酸素の供給]
引き続き
図4bを参照すると、本技術の一実施形態においては、空気圧経路のある地点に予備酸素4180が供給される。
【0070】
本技術の一実施形態においては、予備酸素4180は、空気圧ブロック機構4020の上流側に供給される。
【0071】
本技術の一実施形態においては、予備酸素4180は、空気回路4170に供給される。
【0072】
本技術の一実施形態においては、予備酸素4180は、患者用インターフェース3000に供給される。
【0073】
[PAP機器の電気的構成要素4200]
[基本PAP機器]
[電源4210]
図4cを参照すると、電源4210は、基本PAP機器4000の他の構成要素、すなわち、入力機器4220と、中央制御器4230と、治療機器4245と、出力機器4290とに電力を供給するようになっている。
【0074】
本技術の一実施形態において、電源4210は、PAP機器4000の外部ハウジング4010の内部に設けられている。本技術の別の実施形態においては、電源4210は、PAP機器4000の外部ハウジング4010の外部に設けられている。
【0075】
電源4210は、負の再生電流を遮断可能に構成される商用電源用スイッチング電源を含んでいてもよい。
【0076】
[(1つ又は複数の)入力機器4220]
入力機器4220(
図4cに示す)は、PAP機器4000を人と相互作用することを可能にすべく、ボタン、スイッチ、ダイヤルのうち1つ又は複数を含んでいてもよい。ボタン、スイッチ、又はダイヤルは、物理的機器であってもよいし、タッチスクリーンを介してアクセス可能に構成されるソフトウェア機器であってもよい。ボタン、スイッチ、又はダイヤルは、一実施形態においては、外部ハウジング4010に対して物理的に接続されていてもよいし、別の実施形態においては、中央制御器4230に対して電気的に接続された受信機と無線通信するようになっていてもよい。
【0077】
一実施形態においては、入力機器4220は、人によって値及び/又はメニューオプションが選択可能となるように構成及び配置されていてもよい。
【0078】
[中央制御器4230]
本技術の一実施形態において、中央制御器4230(
図4cに示す)は、入力機器4220から(1つ又は複数の)入力信号を受信すると共に、(1つ又は複数の)出力信号を出力機器4290及び/又は治療機器制御器4240に与えるように構成された専用の電子回路となっている。
【0079】
一実施形態においては、中央制御器4230は特定用途向けの集積回路となっている。別の実施形態においては、中央制御器4230に、個別の電子的構成要素が形成されてもよい。
【0080】
[治療機器4245]
本技術の一実施形態において、治療機器4245(
図4cに示す)は、中央制御器4230の制御下において、患者1000に治療を施すように構成されている。また、治療機器4245は、空気陽圧機器4140等の制御可能な圧力機器4140であってもよい。
【0081】
[出力機器4290]
本技術に係る出力機器4290(
図4cに示す)は、視覚出力機器、音響出力機器、及び触覚出力機器のうち1つ又は複数の形態であってもよい。視覚出力機器は、液晶ディスプレイ(LCD)又は発光ダイオード(LED)ディスプレイであってもよい。音響出力機器は、スピーカ又は音声階調放出機器であってもよい。
【0082】
[マイクロプロセッサ制御PAP機器]
[電源4210]
本技術の一実施形態において、電源4210(
図4cに示す)は、PAP機器4000の外部ハウジング4010の内部に設けられている。本技術の別の実施形態においては、電源4210は、PAP機器4000の外部ハウジング4010の外部に設けられている。
【0083】
本技術の一実施形態において、電源4210は、PAP機器4000のみに電力を供給するようになっている。本技術の別の実施形態においては、電源4210は、PAP機器4000及び加湿器5000の両方に電力を供給するようになっている。
【0084】
[入力機器4220]
本技術の一実施形態において、PAP機器4000は、当該機器を人と相互作用することを可能にすべく、ボタン、スイッチ、ダイヤルの形態のうち1つ又は複数の入力機器4220(
図4cに示す)を含んでいる。ボタン、スイッチ、又はダイヤルは、物理的機器であってもよいし、タッチスクリーンを介してアクセス可能に構成されるソフトウェア機器であってもよい。ボタン、スイッチ、又はダイヤルは、一実施形態において、外部ハウジング4010に対して物理的に接続されていてもよいし、別の実施形態においては、中央制御器4230に対して電気的に接続された受信機と無線通信するようになっていてもよい。
【0085】
一実施形態においては、入力機器4220が、人によって値及び/又はメニューオプションが選択可能となるように構成及び配置されていてもよい。
【0086】
[中央制御器4230]
本技術の一実施形態において、中央制御器4230(
図4cに示す)は、x86 INTELプロセッサ等のように、PAP機器4000の制御に適したプロセッサ又はマイクロプロセッサであってもよい。
【0087】
本技術の別の実施形態に係るPAP機器4000の制御に適した中央制御器4230は、ARM HoldingsのARM Cortex−Mプロセッサに基づくプロセッサを含んでいてもよい。例えば、ST MICROELECTRONICSのSTM32シリーズマイクロコントローラを用いてもよい。
【0088】
本技術のさらに別の実施形態において、中央制御器4230は、ARM9ベースの32ビットRISC CPUのファミリから選択される1つを含んでいてもよい。例えば、ST MICROELECTRONICSのSTR9シリーズマイクロコントローラを用いてもよい。
【0089】
本技術における別の特定の実施形態では、PAP機器4000の中央制御器4230として16ビットRISC CPUを用いてもよい。例えば、TEXAS INSTRUMENTS製のMSP430マイクロコントローラファミリのプロセッサを用いてもよい。
【0090】
中央制御器4230は、1つ又は複数のトランスデューサ4270及び1つ又は複数の入力機器4220から(1つ又は複数の)入力信号を受信するように構成されてもよい。
【0091】
中央制御器4230は、出力機器4290、治療機器用制御器4240、データ通信インターフェース4280、及び加湿器用制御器5250のうち1つ又は複数に対して、(1つ又は複数の)出力信号を与えるように構成されている。
【0092】
中央制御器4230又は複数のそのようなプロセッサは、メモリ4260等のコンピュータ読取可能記憶媒体に格納されたコンピュータプログラムとして表される1つ又は複数のアルゴリズム4300(
図4dに示す)等のように、本明細書に記載の1つ又は複数の方法を実施するように構成されている。場合によっては、上記の通り、(1つ又は複数の)このようなプロセッサがPAP機器4000と統合されてもよい。ただし、いくつかの機器においては、呼吸治療の提供を直接的に制御することなく本明細書に記載の方法のいずれかを実施すること等を目的として、PAP機器の流れ生成構成要素とは個別に(1つ又は複数の)プロセッサが実装されてもよい。例えば、このようなプロセッサは、本明細書に記載のいずれかのセンサ等からの格納データの分析によって人工呼吸器又は他の呼吸関連事象の制御設定を決定することを目的として、本明細書に記載の方法のいずれかを実施するようになっていてもよい。
【0093】
[クロック4232]
PAP機器4000は、プロセッサ又は中央制御器4230に接続されたクロック4232(
図4cに示す)を含んでいると好ましい。
【0094】
[治療機器用制御器4240]
本技術の一実施形態において、治療機器用制御器4240(
図4cに示す)は、中央制御器4230による実行又は中央制御器4230と協働した実行が成されるようなアルゴリズム4300の特徴を実装可能な治療制御モジュール4330(
図4dに示す)となっている。場合により、治療機器用制御器4240には、モータ駆動部が実装されてもよい。
【0095】
本技術の一実施形態において、治療機器用制御器4240は、専用のモータ制御集積回路となっている。例えば、一実施形態においては、ONSEMI製のMC33035ブラシレスDCモータ用制御器が用いられる。
【0096】
[保護回路4250]
本技術に係るPAP機器4000は、
図4cに示すような1つ又は複数の保護回路4250を含んでいると好ましい。
【0097】
本技術に係る保護回路4250の一実施形態は、電気保護回路とすることができる。
【0098】
本技術に係る保護回路4250の一実施形態は、温度又は圧力安全回路とすることができる。
【0099】
本技術のいくつかの形式において、保護回路4250が過渡吸収ダイオード回路4400を含んでいてもよい。この回路は、送風機モータ等からの回転運動エネルギーから生成又は変換されたエネルギーを吸収するように構成されていてもよい。本技術の別の実施態様によれば、保護回路4250は、障害緩和用集積回路4500(
図8及び
図9に示す単一のIC回路等)を含んでいてもよい。過渡吸収ダイオード回路4400及び障害緩和用集積回路4500に関する特定の実施形態については、本明細書においてより詳しく論じる。
【0100】
[メモリ4260]
本技術の一実施形態によれば、PAP機器4000は、メモリ4260(
図4cに示す)、好ましくは、不揮発性メモリを含んでいる。いくつかの実施形態においては、メモリ4260が電池式のスタティックRAMを含んでいてもよい。いくつかの実施形態においては、メモリ4260が揮発性RAMを含んでいてもよい。
【0101】
メモリ4260は、PCBA4202(
図4aに示す)上に配置されると好ましい。また、メモリ4260は、EEPROM又はNANDフラッシュの形態であってもよい。
【0102】
このことに対する追加又は代替として、PAP機器4000が、セキュアデジタル(SD)規格に従って構成されたメモリカード等のような着脱式のメモリ4260を含んでいてもよい。
【0103】
本技術の一実施形態において、メモリ4260は、1つ又は複数のアルゴリズム4300等のように、本明細書に記載の1つ又は複数の方法を表すコンピュータプログラム命令を格納したコンピュータ読取可能記憶媒体として作用するものとなっている。
【0104】
[トランスデューサ4270]
トランスデューサ4270(
図4cに示す)は、PAP機器の内部に設けられてもよいし、外部に設けられてもよい。外部のトランスデューサは、例えば、空気供給回路及び/又は患者用インターフェース上に配置されていてもよいし、空気供給回路及び/又は患者用インターフェースの一部を構成していてもよい。また、外部のトランスデューサは、データをPAP機器に送信又は転送するドップラーレーダ移動センサ等の非接触式センサの形態であってもよい。
【0105】
[流量]
本技術に係る流量トランスデューサ4274(
図4cに示す)は、SENSIRIONのSDP600シリーズ差圧トランスデューサ等の差圧トランスデューサに基づいていてもよい。差圧トランスデューサは、それぞれが流量制限要素の第1及び第2の接点に接続された状態で空気圧回路と流体連通している。
【0106】
使用時においては、流量トランスデューサ4274からの総流量Qtを表す信号を中央制御器4230が受信する。ただし、このような流量信号の生成又は流量の推定を行う他のセンサが実装されてもよい。例えば、いくつかの実施形態においては、熱線質量流量センサ等の質量流量センサの実装によって、流量信号が生成されてもよい。任意選択的には、流量は、米国特許出願第12/192,247号に記載の方法等のいずれかに従って、本明細書に記載の他のセンサの1つ又は複数の信号から推定されてもよく、その開示内容は、それを参照することによって本明細書に組み入れられるものとする。
【0107】
[圧力]
本技術に係る圧力トランスデューサ4272(
図4cに示す)は、空気圧回路と流体連通するように配置されてもよい。適切な圧力トランスデューサの一例は、HONEYWELL ASDXシリーズのセンサであるとよい。別の適切な圧力トランスデューサは、GENERAL ELECTRICのNPAシリーズのセンサであるとよい。
【0108】
使用時においては、圧力トランスデューサ4272からの信号を中央制御器4230が受信する。一実施形態においては、圧力トランスデューサ4272からの信号は、中央制御器4230により受信される前にフィルタリングされる。
【0109】
[モータ速度]
本技術の一実施形態においては、モータ速度トランスデューサ4276(
図4cに示す)からのモータ速度信号が生成される。モータ速度信号は、治療機器制御器4240によって与えられると好ましい。モータ速度は、例えば、ホール効果センサ等の速度センサによって生成されてもよい。
【0110】
[温度]
温度トランスデューサ4278(
図4cに示す)は、空気圧回路のガスの温度を測定するように構成されてもよい。温度トランスデューサ4278の一例としては、熱電対又は抵抗温度検出器(RTD)が挙げられる。
【0111】
[データ通信システム]
本技術の好適な一実施形態においては、データ通信インターフェース4280(
図4cに示す)が設けられ、これが中央制御器4230に接続されている。データ通信インターフェース4280は、リモート外部通信ネットワーク4282に接続可能であると好ましい。また、データ通信インターフェース4280は、ローカル外部通信ネットワーク4284に接続可能であると好ましい。リモート外部通信ネットワーク4282は、リモート外部機器4286に接続可能であると好ましい。ローカル外部通信ネットワーク4284は、ローカル外部機器4288に接続可能であると好ましい。
【0112】
一実施形態においては、データ通信インターフェース4280が中央制御器4230の一部となっている。別の実施形態においては、データ通信インターフェース4280が、中央制御器4230とは別個の集積回路となっている。
【0113】
一実施形態においては、リモート外部通信ネットワーク4282がインターネットとなっている。データ通信インターフェース4280は、有線通信(例えば、イーサネット(登録商標)又は光ファイバ経由)又は無線プロトコルを用いてインターネットに接続するようになっていてもよい。
【0114】
一実施形態においては、ローカル外部通信ネットワーク4284が、Bluetooth(登録商標)等の1つ若しくは複数の通信規格又はコンシューマ赤外線プロトコルを利用するようになっている。
【0115】
一実施形態においては、リモート外部機器4286が、ネットワークコンピュータのクラスタ等のような1つ又は複数のコンピュータとなっている。一実施形態においては、リモート外部機器4286が、物理コンピュータではなく仮想コンピュータであってもよい。いずれにしても、このようなリモート外部機器4286は、臨床医等のような適切な許可を得た人が利用し易いものであるとよい。
【0116】
ローカル外部機器4288は、パーソナルコンピュータ、携帯電話、タブレット、又はリモコンであると好ましい。
【0117】
[任意選択的にディスプレイ、アラームを含む出力機器]
本技術に係る出力機器4290(
図4cに示す)は、視覚ユニット、音声ユニット、及び触覚ユニットのうち1つ又は複数の形態であってもよい。視覚表示機器は、液晶ディスプレイ(LCD)又は発光ダイオード(LED)ディスプレイであってもよい。
【0118】
[ディスプレイドライバ4292]
ディスプレイドライバ4292(
図4cに示す)は、ディスプレイ4294への表示を意図した文字、記号、又は画像の入力を受けて、ディスプレイ4294にこれらの文字、記号、又は画像を表示させるコマンドに変換するようになっている。
【0119】
[ディスプレイ4294]
ディスプレイ4294(
図4cに示す)は、ディスプレイドライバ4292から受信したコマンドに応答して、文字、記号、又は画像を視覚表示するように構成されている。例えば、ディスプレイ4294は、8セグメントディスプレイであってもよく、この場合、ディスプレイドライバ4292は、数字「0」等の各文字又は記号を、8つの各セグメントを有効にして特定の文字又は記号を表示するか否かを示す8つの論理信号に変換するようになっている。
【0120】
[過渡吸収ダイオード回路4400]
本技術のいくつかの態様によれば、保護回路4250は、モータ4144の制動又は急減速時に生じる電圧及び/又は電流等のような過剰なエネルギーを吸収する運動エネルギー吸収回路を含んでいてもよい。このようなエネルギーは、制動又は急減速時のモータの回転運動エネルギーにより生成又は再生される場合がある。
【0121】
一例として、PAP機器が定常状態にある場合、モータ4144は、特定の速度で動作するように構成されていてもよい。この状態で、モータ4144は、印加された負荷及び内部損失に比例して、電源4210により供給された電力を消費するようになっていてもよい。このプロセスにおいて、モータ4144は、電源4210により供給された電気エネルギー、すなわち、電力を回転運動エネルギーに変換するようになっている。
【0122】
モータ4144は、急減速又は制動時に、過渡期間に渡ってエネルギー変換を反転するようになっている。例えば、モータ4144は、急減速又は制動時に、回転方向と反対の方向に与えられた回転運動エネルギーの結果としてエネルギーを生成するようになっている。モータ4144は、急減速又は制動時に、回転運動エネルギーを電気エネルギーに変換する。通常では、これによって、電源4210及びモータ4144間のバス又は回路ライン上の電圧又は電流が急上昇する。このような電圧及び/又は電流の上昇を防止すべく、電源4210及びモータ4144間のバス又は回路ラインには、運動エネルギー吸収回路が配置されてもよい。
【0123】
一実施形態においては、運動エネルギー吸収回路が、
図6に示す構成等のような過渡吸収ダイオード回路4400であってもよい。
図6は、例示的なPAP機器4000の態様の模式図である。
図6に示すように、過渡吸収ダイオード回路4400は、電源4210及びモータ4144間に実装されてもよく、例えば、電源4210とインバータブリッジ回路4410等のブリッジ回路との間に実装されてもよい。
【0124】
インバータブリッジ回路4410は電子回路となっている。このような回路によって、モータ4144の両方向に1つ又は複数の電圧レベルを印加することにより、モータ4144の加速又は減速が可能であってもよい。例えば、インバータブリッジ回路4410には、1つ又は複数のスイッチング要素(例えば、トランジスタ又はMOSFET)が実装されてもよい。モータ4144の動作は、モータの加速又は減速等を行う異なるスイッチの開放又は閉鎖の制御によって設定されてもよい。例えば、インバータブリッジ回路4410は、モータの逆起電力(EMF)電圧を下回るレベルまでモータの有効電圧を下げることによって、モータ4144の制動又は急減速を行うように構成されてもよい。このプロセスによって、電流の方向が反転して、電流がインバータブリッジ回路4410から電源4210へと流れる。より具体的には、モータの制動のために、負の有効電圧がモータに誘導される。負の有効電圧によって、電流が反転して電源4210及びモータ4144間のバス又は回路ライン上に逆流し、その結果、バス又は回路ライン上の電圧レベルが上昇する。また、インバータブリッジ回路4410は、モータとPAP機器4000のその他の電子的構成要素(例えば、治療機器用制御器及び/又は中央制御器)との間に電流信号等の制御接続を含んでいてもよい。
【0125】
図6に示すように、インバータブリッジ回路は、治療機器用制御器4240によって制御されるようになっていてもよい。上述の通り、治療機器用制御器4240は、中央制御器4230により実行されるアルゴリズムのプロセスの一部を実装した治療制御モジュールであってもよい。例えば、
図6に示すように、中央制御器4230は、圧力トランスデューサ4272、流量トランスデューサ4274、及び温度トランスデューサ4278からそれぞれ受信した圧力、流量、及び温度測定結果等の1つ又は複数の入力信号に基づく実行可能命令を与えることによって、治療機器用制御器4240の動作を制御するように構成されてもよい。これらのトランスデューサは、送風機4142の出口4432の近接位置等のような送風機4142に対する様々な位置にて、空気圧経路における呼吸可能なガスの流れの特性を測定するように位置決めされてもよい。
【0126】
また、中央制御器4230は、治療機器用制御器4240からモータ速度を受信するように構成されてもよい。1つ又は複数の様々な入力に応じて、中央制御器4230は、モータブリッジの制御に基づいてモータ4144に供給される電流又は電圧の変更を治療機器用制御器4240に指示することによって、送風機4142の出力を調節するように構成されてもよい。
【0127】
引き続き
図6を参照すると、本技術の一態様によれば、過渡吸収ダイオード回路4400は、電源4210とインバータブリッジ回路4410との間に配置されてもよい。具体的には、
図6に示すように、電源4210の第1の端子4212が第1のライン4422(例えば、ワイヤ又は信号線)によってインバータブリッジ回路4410の第1の端子4412に接続され、電源4210の第2の端子4214が第2のライン4424によってインバータブリッジ回路4410の第2の端子4414に接続されるように、電源4210がインバータブリッジ回路4410に接続されてもよい。場合によっては、第1のライン4422が直流(DC)バス又はラインである一方、第2のライン4424が接地ラインであってもよいし、その逆も可能である。
【0128】
図6に示すように、過渡吸収ダイオード回路4400は、当該過渡吸収ダイオード回路4400の第1の端子4402が第1のライン4422に接続されると共に当該過渡吸収ダイオード回路4400の第2の端子4404が第2のライン4424に接続されるように、電源4210とインバータブリッジ回路4410との間に配置されている。
【0129】
一実施形態によれば、過渡吸収ダイオード回路4400は、1つ又は2つ以上の過渡吸収ダイオード4420を含んでいてもよい。過渡吸収ダイオード4420の例としては、数ある可能性の中で特に、過渡電圧抑制(TVS)ダイオード及びTransil(商標)が挙げられる。過渡吸収ダイオード4420は、互いに直列又は並列に接続されることによって、一体的に、第1のライン4422及び第2のライン4424に跨る電圧クランプとして機能するようになっていてもよい。特に、過渡吸収ダイオード4420を互いに直列に接続することによって、各過渡吸収ダイオード4420において、エネルギー吸収をより均一に分散させることができる。
図6に示す例においては、第1のライン4422及び第2のライン4424に跨って、2つの過渡吸収ダイオード4420(例えば、過渡電圧抑制ダイオード)が直列に接続されている。再生エネルギーの増加を取り扱う必要に応じて、過渡吸収ダイオード回路4400には、別の過渡吸収ダイオード4420が追加されてもよい。
【0130】
このような構成によって、モータ4144の制動又は急減速時に生成されたエネルギーは、過渡吸収ダイオード回路4400へと放出又は転流される。この点について、過渡吸収ダイオードは、通常、数十マイクロ秒オーダ等の極短時間に渡る非常に高いエネルギーの外部の破壊的なスパイクを吸収するものであると解釈できる。それでもなお、本技術の通常の用途においては、(例えば、流れ生成器のモータからの)エネルギーのスパイクが100ミリ秒オーダ等の長い時間に渡って継続する場合であってもそのエネルギー量がはるかに小さければ、過渡吸収ダイオード回路4400がそのスパイクを抑制するように機能してもよいことが決まっている。過渡吸収ダイオード回路4400は、例えば、当該回路4400の分岐合流点において温度が許容限界を超えることなく、長い時間に渡ってエネルギーのスパイクを抑制できるように、所定の速度でエネルギーを吸収するように構成されてもよい。直列接続された2つ以上の過渡吸収ダイオード4420を使用することによって、プリント基板(PCB)のより多くの銅にエネルギー散逸負荷、ひいては、熱が拡がり、その結果として、回路4400の分岐合流点における温度が許容限界内に維持されるようになっていてもよい。
【0131】
図7に示すように、本技術の別の実施形態によれば、過渡吸収ダイオード回路4400は、過渡吸収ダイオード4420の他、1つ又は複数の蓄電器4421を含んでいてもよい。この1つ又は複数の蓄電器4421は、例えば、並列に互いに接続されてもよい。また、この1つ又は複数の蓄電器4421は、順次接続された過渡吸収ダイオード4420によって、例えば、並列に接続されてもよい。この1つ又は複数の蓄電器4421は、モータ4144の制動又は急減速時に生成されたエネルギーの少なくとも一部を蓄積するように機能してもよい。そして、蓄積されたエネルギーは、モータ等の回路のパワー構成要素に再利用されてもよい。
【0132】
[過渡吸収ダイオード回路4400の潜在的な利点]
このような過渡吸収ダイオード回路については、複数の利点が考えられる。例えば、過渡吸収ダイオード回路4400は、モータの制動又は急減速時に生成された運動再生エネルギーに対処するコスト効率の高い簡単な手法を提供するようになっていてもよい。
【0133】
例えば、過渡吸収ダイオード回路4400は、実装し得るより高価なスイッチトレジスタ負荷又はスイッチトレジスタ回路の代替として機能するようになっていてもよい。このようなスイッチトレジスタ負荷又はスイッチトレジスタ回路においては、一般的に、非常に大きなプリント基板(PCB)設置領域が必要となり、構成要素のコスト、労力、及び開発時間の大幅な増加が必要となる。さらに、スイッチトレジスタ回路法では、制御回路が必要であり、複雑性、コスト、及び故障モードが増大する場合がある。ただし、過渡吸収ダイオード回路を使用する場合、このような制御回路は不要である。スイッチトレジスタ負荷又はスイッチトレジスタ回路を過渡吸収ダイオード回路4400に置き換えることによって、PCB設置領域、労力、開発時間が大幅に抑えられるため、商品としてのコスト又は機器当たりのコストが大幅に低くなる可能性がある。
【0134】
[障害緩和用集積回路4500]
本技術の一態様によれば、保護回路4250は、単一の集積回路又はチップを含んでいてもよい。このようなチップは、障害検出を実行するように構成されてもよい。このような集積回路の動作は、中央制御器4230とは独立かつ別個であってもよい。ただし、このような回路は、障害情報(例えば、1つ又は複数の出力信号)を中央制御器4230に与えるように構成されてもよい。また、このような集積回路は、障害緩和用集積回路(IC)4500として機能するようになっていてもよい。このような構成要素の一例を
図8及び
図9に示す。
【0135】
いくつかの形式においては、障害緩和IC4500が、混合型の単一チップとなっていてもよい。このようなチップは、アナログ及びデジタル入力信号であるとよい1つ又は複数の信号を受信するように構成されている。障害緩和IC4500により受信される(1つ又は複数の)入力信号は、PAP機器4000の1つ又は複数の物理又はシステムパラメータを表していてもよい。このような物理又はシステムパラメータとしては、モータ電流、モータバス電圧、モータ速度、圧力測定結果、流量測定結果、温度測定結果、及びシステムリセット信号のうち1つ又は複数が挙げられるが、これらに限定されない。
【0136】
障害緩和IC4500は、物理又はシステムパラメータのうち1つ又は複数に依拠することによって、任意の望ましくない状態又は潜在的に危険な状態、すなわち、障害が存在するか否かを検出するように構成されてもよい。障害緩和IC4500は、PAP機器4000に関して、数ある可能性の中で特に、(a)ゼロ電力又は不十分な電力等の停電、(b)推奨範囲外の動作パラメータ(例えば、圧力、流量、温度、又はPaO
2測定結果)、(c)試験アラームによる検出可能なアラーム信号の生成ミス、(d)例えば、圧力トランスデューサ4272、流量トランスデューサ4274、モータ速度トランスデューサ4276、及び温度トランスデューサ4278等のトランスデューサのいずれかに関する異常、並びに(e)構成要素の有無の検出ミス等のような様々な種類の障害を検出する構成であるとよいが、これらに限定されない。
【0137】
障害緩和IC4500は、障害を検出したら、1つ又は複数の信号(例えば、デジタル及び/又はアナログ)を生成して、重要なハードウェアを停止するように構成されてもよい。このような重要なハードウェアの例としては、数ある可能性の中で特に、送風機4142、モータ4144、インバータブリッジ回路4410、及び治療機器用制御器4240のうち1つ又は複数が挙げられる。このことに対する追加又は代替として、障害緩和IC4500は、障害を検出した場合、当該検出した障害を表す情報を(例えば、デジタル割り込み信号の送信によって)中央制御器4230に報告するように構成されてもよい。
【0138】
図8〜
図11を参照すると、障害緩和IC4500は、一般的に、信号を受信及び出力する入力ピン及び出力ピン、受信信号の評価に基づいて障害を判定する機構を実装したプログラマブルロジック、並びに1つ若しくは複数の計時器のような構成要素のうち1つ又は複数を含んでいてもよい。以下、各構成要素を詳細に論じる。
【0139】
[入力ピン]
障害緩和IC4500は、
図8及び
図9に示す8つの入力ピン等のような任意数の入力ピンを含んでいてもよい。また、障害緩和IC4500は、入力ピンのうちの1つ又は複数を介して、アナログ及びデジタル入力信号を受信するように構成されてもよい。入力ピンのうち1つ又は複数は、機器4000における1つ又は複数の構成要素に接続されることによって、当該機器4000の物理又はシステムパラメータを受信するようになっていてもよい。例えば、機器4000の様々な構成要素との接続によって、入力ピンは、モータ電流、モータバス電圧、モータ速度、圧力測定結果、流量測定結果、温度測定結果、及びシステムリセット信号等の入力信号を受信するようになっていてもよい。
【0140】
さらに一例として、
図11に示すように、入力ピン「IN1」は、治療機器用制御器4240に接続されることによって、モータ4144に供給された電流、すなわち、要求電流信号又はモータ電流信号を受信するようになっていてもよい。また、入力ピン「IN2」及び「IN3」についても、治療機器用制御器4240に接続されることによって、モータバス電圧信号及びモータ速度信号をそれぞれ受信するようになっていてもよい。入力ピン「IN4」は、圧力トランスデューサ4272に接続されることによって、圧力測定結果信号を受信するようになっていてもよい。入力ピン「IN5」は、流量トランスデューサ4274に接続されることによって、流量測定結果信号を受信するようになっていてもよい。入力ピン「IN6」は、温度トランスデューサ4278に接続されることによって、温度測定結果信号を受信するようになっていてもよい。入力ピン「IN7」は、システムリセット信号を受信するように構成されていてもよい。システムリセット信号は、入力機器4220(
図11には示さず)又は中央制御器4230によって与えられるようになっていてもよい。
【0141】
図8〜
図11に示す入力ピンの数は説明上の便宜的なものに過ぎない。実際には、障害緩和IC4500は、実施態様の様々な必要性又は複雑性に基づいて、任意数の入力ピンを含んでいてもよく、図示の数に必ずしも限定されない。
【0142】
[出力ピン]
図8〜
図11を参照すると、障害緩和IC4500は、8つの出力ピン等のような任意数の出力ピンを含んでいてもよい。また、障害緩和IC4500は、出力ピンのうち1つ又は複数を介して、アナログ及び/又はデジタル信号を生成するように構成されてもよい。いくつかの実施形態において、各出力ピンは、2進値を表す論理出力を生成するようになっていてもよい。出力ピンの論理出力がhighの場合、当該出力ピンにより与えられる対応2進値は「1」と見なすことができる。これに対して、出力ピンの論理出力がlowの場合、当該出力ピンにより与えられる対応2進値は「0」と見なすことができる。
【0143】
障害緩和IC4500は、チップのプログラム論理等に従って障害を検出した場合は、中央制御器等のソフトウェアを介在させることなく、1つ又は複数の出力信号によって、機器4000の重要なハードウェアのうち一部又は全部を直接制御するように構成されてもよい。また、障害緩和IC4500は、1つ又は複数の出力信号によって、検出した障害を中央制御器4230に報告するように構成されてもよい。場合により、障害緩和IC4500は、同じ出力信号を実装することによって、機器4000の重要なハードウェアを制御すると共に、障害情報を中央制御器4230に報告するように構成されてもよい。
【0144】
例えば、いくつかの実施形態においては、障害緩和IC4500が、障害を検出した場合、「OUT1」等のデジタル出力ピンを介して停止信号(割り込み信号とも呼び得る)を出力すると共に、「OUT2」、「OUT3」、及び「OUT4」等の1つ又は複数の他の出力ピンを介して、検出した障害の種類を出力するように構成されてもよい。
【0145】
例えば、障害が一切検出されていない場合、出力ピン「OUT1」の論理出力は、2進値「0」にてlowに設定されるようになっていてもよい。そして、機器4000は、この状況下で正常動作するようになっていてもよい。障害が検出された場合、出力ピン「OUT1」の論理出力は、2進値「1」にてhighに設定され、停止信号を出力するようになっていてもよい。
【0146】
出力ピン「OUT1」の論理出力は、複数の目的を果たすようになっていてもよい。例えば、出力ピン「OUT1」は、治療機器用制御器4240に接続されてもよい。出力ピン「OUT1」の論理出力が障害緩和IC4500によってlowに設定されている場合、治療機器用制御器4240、インバータブリッジ回路4410、及びモータ4144は、それぞれの動作を正常通りに継続するようになっていてもよい。ただし、出力ピン「OUT1」の論理出力が障害緩和IC4500によってhighに設定された場合、言い換えると、停止信号が生成されている場合、治療機器用制御器4240は、これに応じてモータ4144の動作を停止するように動作してもよい。この構成の利点として、ソフトウェアプロセスを一切呼び出すことなく、重要なハードウェア構成要素(モータ4144等)を停止可能とすることが挙げられる。場合により、出力ピン「OUT1」は、デジタル信号を出すようになっていてもよい。
【0147】
また、出力ピン「OUT1」は中央制御器4230に接続されてもよい。出力ピン「OUT1」の論理出力がlowを維持する場合、中央制御器4230は、その正常動作を継続するようになっていてもよい。ただし、出力ピン「OUT1」の論理出力がhighになった場合は、停止信号の生成によって、中央制御器4230への割り込みが行われる。中央制御器4230は、停止信号を受信した場合、検出された障害の種類に関する信号情報を読み出すこと又は評価することによって、障害緩和IC4500へのアクセス等のような相応の動作を行うように構成されてもよい。
【0148】
いくつかの実施形態においては、出力ピン「OUT1」により生成された停止信号に基づいて、モータ4144及び中央制御器4230の両方の動作が同時に制御される。
【0149】
さらに、障害緩和IC4500は、障害を検出した場合、1つ又は複数の他の出力ピンにおいて、検出した障害の種類を示すように構成されてもよい。例えば、障害緩和IC4500は、1つ又は複数の出力ピンの論理出力を設定することによって、検出した障害の種類を示すように構成されてもよい。一例として、障害緩和IC4500は、複数の出力ピン(例えば、「OUT2」、「OUT3」、及び「OUT4」)を駆動することによって、障害の種類を示すように構成されてもよい。
図12は、障害の種類と出力ピン「OUT2」、「OUT3」、及び「OUT4」の様々な出力組み合わせとの間における例示的な関係を含んだテーブル4560を示す。
図12に示すように、3つの出力ピンすべての2進値が「0」の場合は、障害の種類がないことを示す。ただし、出力ピン「OUT2」、「OUT3」、及び「OUT4」の2進値がそれぞれ「0」、「0」、「1」の場合、検出した障害の種類は超過圧力である。従って、
図12に示すように、3つのデジタル出力ピンを介した3ビットの2進コードは、8つの異なる障害の種類を付与することができる。当然のことながら、障害緩和IC4500は、より多く又はより少ない出力ピンを用いて、より多く又はより少ない異なる障害の種類を表すように構成されてもよい。任意選択的には、このような出力は、1つ又は複数のアナログ信号により表されるようになっていてもよい。出力ピンにより表される異なる障害の種類の数は、2の使用出力ピン数乗となっている。例えば、2つのデジタル出力ピンを介した2ビットの2進コードは、2
2=4のように4つの異なる障害の種類を付与し、4つのデジタル出力ピンを介した4ビットの2進コードは、2
4=16のように16個の異なる障害の種類を付与することとなる。
【0150】
障害緩和IC4500は、障害を検出した場合、「OUT1」、「OUT2」、「OUT3」、及び「OUT4」等の様々な出力ピンの論理出力を同時に変更するように構成されてもよい。具体的には、障害緩和IC4500は、様々な出力ピンにおいて同時に、停止信号を生成すると共に障害の種類を示すように構成されてもよい。これによって、中央制御器4230は、停止信号による割り込みがあった場合、検出された障害の種類を直ちに利用することができる。従って、中央制御器4230は、割り込みがあった場合、「OUT2」、「OUT3」、及び「OUT4」等の出力ピンの信号から障害の種類を読み取った後、機器の動作制御の変更、障害の記録、並びに/又は表示装置若しくは電子通信による障害の警告若しくはメッセージの提示等によって、相応の応答を行うように構成されてもよい。
【0151】
いくつかの実施形態において、障害緩和IC4500は、システムリセット信号を受信した場合、例えば、各出力ピンの論理出力をlow、すなわち、2進値「0」に設定することによって、すべての出力ピンの論理出力をクリアするように構成されてもよい。
【0152】
図8〜
図11に示す出力ピンの数は説明上の便宜的なものに過ぎない。実際には、障害緩和IC4500は、実施態様の様々な必要性又は複雑性に基づいて、任意数の出力ピンを含んでいてもよく、図示の数に必ずしも限定されない。
【0153】
[プログラマブルロジック]
図10に示すように、障害緩和IC4500は、障害検出アルゴリズムを実装したプログラマブルロジック4510を有する1つ又は複数のプログラマブルロジックデバイス(PLD)を含んでいてもよい。適切なプログラマブルロジックデバイスには、例えば、プログラマブルロジックセル又はプログラマブルロジックアレイが実装されてもよい。
【0154】
場合により、プログラマブルロジックデバイスにPLD半導体が実装されてもよい。このようなデバイスは、選択的に構成可能であるが、通常はソフトウェアプロセッサよりもはるかに小さく、信頼性が高いと考えられる。例えば、プログラマブルロジックデバイスは、プログラム可能なリードオンリーメモリコアを含んでいてもよい。また、プログラマブルロジックデバイスは、複雑な障害緩和アルゴリズム等の論理関数を実装したトランジスタセルのアレイを含んでいてもよい。トランジスタセルのアレイは、インバータ4514を介して得られた入力又はその論理補数に関して、各出力の2進論理方程式を実装するように構成されてもよい。
図10に示すように、プログラマブルロジック4510は、様々な入力ピンから受信した入力に基づいて、様々な出力ピンを駆動するようになっていてもよい。
【0155】
プログラマブルロジック4510は、PAP機器4000の様々な障害の種類を検出する論理関数を実装していてもよい。例えば、プログラマブルロジック4510は、1つ又は複数の予想範囲から外れた1つ若しくは複数の所与の動作パラメータ又はその任意の組み合わせを検出するようになっていてもよい。一例として、プログラマブルロジック4510は、測定圧力が超過圧力閾値又は予想圧力範囲を超える場合に、超過圧力状態を検出するようになっていてもよい。超過圧力閾値又は予想圧力範囲は、予め定められていてもよいし、又はプログラマブルロジック内に設定されるようになっていてもよい。
図11に示すように、プログラマブルロジック4510は、「IN4」等の入力ピンを介して測定圧力を取得し、この測定圧力を閾値又は予想範囲と比較するようになっていてもよい。超過圧力閾値又は予想範囲の超過等のように測定圧力が高過ぎる場合は、モータ4144の動作がユーザに危険と判断されるようになっていてもよい。その結果として、障害緩和IC4500は、「OUT1」等の出力ピンを介して停止信号を生成することによって、障害の検出を示すように構成されてもよい。同時に、障害緩和IC4500は、ストール(stall)又は超過圧力状態等の検出した障害の種類を1つ又は複数の他の出力ピンに設定するように構成されてもよい。例えば、出力ピン「OUT2」、「OUT3」、及び「OUT4」の論理出力又は信号をそれぞれ2進値「0」、「0」、「1」に設定することによって、検出した障害の種類として超過圧力が示されるようになっていてもよい。
【0156】
同様に、プログラマブルロジック4510は、測定圧力が不足圧力閾値又は予想圧力範囲を下回っているか否かを判定するようになっていてもよい。下回っている場合、プログラマブルロジック4510は、検出した障害の種類として不足圧力を出力するようになっていてもよい。
【0157】
これに対して、測定圧力が予想圧力範囲内にある場合は、圧力トランスデューサ4272が機器4000の正常動作に適していると判断されるようになっていてもよい。これによっては、障害は検出されない。「OUT1」等の障害報告に使用する出力ピンの論理出力がlowを維持してもよい。この点について、中央制御器4230と、治療機器用制御器4240と、インバータブリッジ回路4410と、モータ4144とを含む機器4000は、それぞれの正常動作を継続するようになっていてもよい。
【0158】
また、プログラマブルロジック4510には、モータ電流、モータバス電圧、モータ速度、流量、又は温度の測定結果がそれぞれの閾値又は予想範囲を超えているか否か等のような他の種類の障害を検出する論理が実装されてもよい。
【0159】
[計時器]
図10に示すように、障害緩和IC4500は、1つ又は複数の計時器4512を含んでいてもよい。この1つ又は複数の計時器4512は、
図10に示すようにプログラマブルロジック4510の内部に設けられてもよいし、プログラマブルロジック4510の外部に設けられてもよい。このような計時器4512は、高度に設定可能であってもよく、複雑な時間依存性障害緩和方法の実装を容易にするようになっていてもよい。計時器4512は、クロック信号を生成するように構成されてもよい。
【0160】
[ラッチ]
図10に示すように、障害緩和IC4500は、プログラマブルロジック4510と出力ピンとの間に配置された1つ又は複数のラッチ4520を含んでいてもよい。また、ラッチ4520は、状態情報を格納するように構成されたフリップフロップと呼ばれる場合もある。ラッチ4520は、数ある可能性の中で特に、単純なセット・リセットラッチ(例えば、SR NORラッチ、SR NANDラッチ、JKラッチ)、ゲーテッドラッチ(例えば、ゲーテッドSRラッチ、ゲーテッドDラッチ、アールラッチ)、Dフリップフロップ、Tフリップフロップ、及びJKフリップフロップ等のように様々な種類とすることができるが、これらに限定されない。
【0161】
図10に示す一例においては、ラッチ4520がDフリップフロップとなっている。各ラッチ4520は、例えば、計時器4512からクロック信号を受信するようになっていてもよい。プログラマブルロジック4510がラッチ4520のD入力ピンに信号を生成した場合は、ラッチ4520によりこの信号が取得されてロックされる。D入力ピンに関するその後のいかなる変化も、次のクロックイベントまで無視されるようになっていてもよい。
【0162】
[例示的な動作]
図11を参照すると、動作時、障害緩和IC4500は、特に、モータ電流、モータバス電圧、モータ速度、圧力、流量、温度、及びシステムリセット等の機器4000の物理及びシステムパラメータをモニタリングしてもよい。これらのパラメータのうち1つ又は複数に基づいて、障害緩和IC4500は、危険な状況が差し迫っているか否か、すなわち、障害が存在するか否かを判定してもよい。存在する場合、障害緩和IC4500は、モータ4144を停止して、ユーザ及び/又は機器4000の安全を損ない得る危険状態の発生の防止又は改善を行うように構成されてもよい。
【0163】
例えば、障害緩和IC4500は、障害を検出した場合、「OUT1」等の出力ピンにおいて、単一のデジタル出力信号をラッチしてもよい。この単一のデジタル出力信号によって、治療機器用制御器4240を停止にしてもよい。その結果として、モータ4144が停止することとなる。
【0164】
また、信号分岐ラインを介して同じ単一のデジタル出力信号を印加することによって、中央制御器4230への割り込みを行って、障害が発生したことを知らせてもよい。
【0165】
さらに、障害緩和IC4500は、障害を検出した場合、「OUT2」、「OUT3」、及び「OUT4」等のような1つ又は複数の他の出力ピンにおいて、1つ又は複数の信号をラッチすることによって、検出した障害の種類を報告してもよい。プログラマブルロジック4510は、障害の種類を判定して、それに応じて障害の種類に対応する2進値を出力ピンに設定してもよい。
【0166】
いくつかの実施形態において、障害緩和IC4500の出力ピンのうち1つ又は複数は、システムの電源サイクル又はシステムリセット信号の受信までラッチされたままであってもよい。システムリセット信号によって、当該ラッチの解放、障害緩和IC4500のリセット、又は機器4000全体のリセットが行われてもよい。従って、例えば、モータ4144の動作を停止する停止信号は、流れ生成器の連続使用に対する保護のため、実質的に維持されてもよい。
【0167】
いくつかの形式においては、障害緩和IC4500が、開始手順の一部等のような患者の治療に先立って、(1つ又は複数の)障害を検出するように構成されていてもよい。このことに対する追加又は代替として、障害緩和IC4500が、患者の治療中に、障害を周期的又は連続的に検出するように構成されてもよい。
【0168】
[障害緩和用集積回路4500の潜在的な利点]
障害緩和IC4500については、複数の利点が考えられる。第1に、単一の集積回路としての実装によって、障害検出を実行するために本来使用すべき個別の電子部品、構成要素、又は他の回路要素の必要性が置き換えられる。個別の電子部品、構成要素、又は回路では、一般的に、非常に大きなプリント基板(PCB)設置領域が必要であり、構成要素のコスト、労力、及び開発時間の大幅な増加を必要とする場合がある。個別の電子部品、構成要素、又は回路を障害緩和IC4500に置き換えることによって、PCB設置領域、労力、開発時間が大幅に抑えられるので、商品としてのコスト又は機器当たりのコストが低くなる可能性がある。
【0169】
第2に、障害緩和IC4500のプログラマブルロジック4510が高度に設定可能であることから、製品開発時間を抑えることができる。また、障害緩和IC4500は、その高度に設定可能な性質のため、様々な種類の障害を検出するように容易に構成及び再構成可能である。
【0170】
第3に、障害緩和IC4500は、ハードウェアのみによって障害検出アルゴリズムを実装しており、ソフトウェア実装の必要性を一切排除している。これによって、機器4000の安全性が大幅に向上することとなる。
【0171】
さらに、障害緩和IC4500は、中央制御器4230とは独立かつ別個に障害検出を実行できるので、中央制御器4230の実装が簡素化されることとなる。
【0172】
[PAP機器のアルゴリズム]
上述の通り、中央制御器には、呼吸治療の機能を実行するプロセスにおけるアルゴリズムが実装されてもよい。以下の例示的なプロセスモジュールのうちいずれか1つ又は複数が備わっていてもよい。
【0173】
[前処理モジュール4310]
図4dを参照すると、本技術に係る前処理モジュール4310は、圧力トランスデューサ4272又は流量トランスデューサ4274等のトランスデューサからの生データを入力として受信し、1つ又は複数のプロセスステップを実行することによって、治療用エンジンモジュール4320等のような別のモジュールへの入力として用いられる1つ又は複数の出力値を計算すると好ましい。
【0174】
本技術の一実施形態においては、出力値として、インターフェース又はマスク圧力Pm、呼吸流量Qr、及び漏れ流量Qlが挙げられる。
【0175】
本技術の種々の実施形態において、前処理モジュール4310は、圧力補償アルゴリズム4312、通気口流量アルゴリズム4314、漏れ流量アルゴリズム4316、呼吸流量アルゴリズム4318、及び妨害検出アルゴリズム4319のようなアルゴリズムのうちの1つ又は複数を含んでいる。
【0176】
[圧力補償]
本技術の一実施形態において、圧力補償アルゴリズム4312(
図4dに示す)は、空気圧ブロック機構の出口に近接する空気圧経路の圧力を示す信号を入力として受信する。圧力補償アルゴリズム4312は、空気回路4170の圧力低下を推定すると共に、患者用インターフェース3000における推定圧力Pmを出力として付与する。
【0177】
[通気口流量]
本技術の一実施形態においては、通気口流量を計算するための通気口流量アルゴリズム4314(
図4dに示す)が、患者用インターフェース3000における推定圧力Pmを入力として受信すると共に、患者用インターフェース3000の通気口3400からの通気口空気流量Qvを推定する。
【0178】
[漏れ流量]
本技術の一実施形態においては、漏れ流量アルゴリズム4316(
図4dに示す)が、総流量Qt及び通気口流量Qvを入力として受信すると共に、約10秒等のように複数の呼吸サイクルを含むのに十分長い時間に渡って、Qt−Qvの平均を計算することによって、漏れ流量Qlを出力として付与する。
【0179】
一実施形態においては、漏れ流量アルゴリズム4316が、総流量Qt、通気口流量Qv、及び患者用インターフェース3000における推定圧力Pmを入力として受信すると共に、漏れコンダクタンスの計算並びに漏れコンダクタンス及びインターフェース圧力Pmの関数としての漏れ流量Qlの判定によって、漏れ流量Qlを出力として付与する。一実施態様において、漏れコンダクタンスは、低域通過非通気口流量Qt−Qv及びマスク圧力Pmの低域通過平方根の割合として計算され、低域通過フィルタの時定数は、約10秒等の複数の呼吸サイクルを含むように十分長い値を有している。
【0180】
[呼吸流量]
本技術の一実施形態において、呼吸流量アルゴリズム4318が、総流量Qt、通気口流量Qv、及び漏れ流量Qlを入力として受信すると共に、総流量Qtから通気口流量Qv及び漏れ流量Qlを減算することによって、患者の呼吸流量Qrを推定する。
【0181】
[妨害検出]
漏れが直近で変化して、漏れ流量アルゴリズム4316がこの変化を完全に補償していない場合は、「妨害」と表される状態が存在することとなるが、これは、米国特許第6,532,957号、米国特許第6,810,876号、又は米国特許出願公開第2010/0101574A1号に記載の方法に従って判定されてもよく、それぞれの開示内容は、それを参照することによって本明細書に取り入れられるものとする。妨害状態においては、呼吸流量の基準値が通例ある程度間違っており、これによって流れの形状がひずむと共に、流量制限の検出への影響がもたらされる。補償されていない漏れの程度を表すものと考えられる妨害は、妨害検出アルゴリズム4319(
図4dに示す)によって計算される。
【0182】
[治療用エンジンモジュール4320]
本技術の一実施形態において、治療用エンジンモジュール4320(
図4dに示す)は、患者用インターフェース3000における圧力Pm、患者への呼吸空気流量Qr、漏れ流量Ql、妨害変数のうち1つ又は複数を入力として受信すると共に、1つ又は複数の治療パラメータを出力として付与するようになっている。
【0183】
本技術のいくつかの形式においては、治療パラメータが、CPAP治療圧力Pt又は2段階圧力治療となっている。
【0184】
本技術の一実施形態において、治療パラメータは、圧補助レベル及び目標換気のうち1つ又は複数となっている。
【0185】
[位相決定]
本技術の一実施形態において、PAP機器4000は位相を決定しないようになっている。
【0186】
本技術の一実施形態においては、位相決定アルゴリズム4321(
図4dに示す)が、呼吸流量Qrを示す信号を入力として受信すると共に、患者1000における呼吸サイクルの位相の推定値Φを付与する。位相の変化速度は呼吸速度を示す。
【0187】
[波形の決定]
本技術の一実施形態において、治療制御モジュール4330は、治療機器4245を制御することによって、患者の呼吸サイクル全体で略一定の気道陽圧を付与する。
【0188】
本技術の一実施形態において、治療制御モジュール4330が、治療機器4245を制御することによって、圧力対位相の所定の波形に応じた気道陽圧を付与する。一実施形態において、この波形は、すべての位相値に対して略一定のレベルに維持される。また、一実施形態においては、この波形は、一部の位相値に対して高い値を有し、他の位相値に対して低いレベルを有する方形波となっている。
【0189】
本技術の一実施形態において、波形決定アルゴリズム4322(
図4dに示す)が、患者の現在の換気を示す値Ventを入力として受信すると共に、圧力対位相の波形を出力として付与する。
【0190】
一実施形態においては、この波形が、吸気に対応する早い位相値に対して値1を有し、呼気に対応する遅い位相値に対して値0を有する方形波となっている。他の実施形態においては、この波形は、早い位相値の場合に1まで徐々に上昇し、かつ遅い位相値の場合に0まで徐々に降下するようなより「滑らかで快適な」波形となっている。
【0191】
[換気決定]
本技術の一実施形態において、換気決定アルゴリズム4323(
図4dに示す)は、呼吸流量Qrを入力として受信すると共に、患者の換気を示す尺度Ventを決定する。
【0192】
一実施形態においては、換気決定アルゴリズム4323が、呼吸流量Qrの低域通過絶対値の半分として、患者の換気の現在値Ventを決定する。
【0193】
[吸気流量制限の決定]
本技術の一実施形態において、プロセッサは、1つ又は複数の吸気流量制限アルゴリズム4324(
図4dに示す)を実行することによって、吸気流量制限を検出する。
【0194】
一実施形態においては、吸気流量制限アルゴリズム4324が、呼吸流量信号Qrを入力として受信すると共に、呼吸の吸気部分が吸気流量制限を示すような程度の測定基準を出力として与える。
【0195】
吸気流量制限アルゴリズム4324は、通常の平坦型、M型、及び「逆椅子型(reverse chairness)」のような3種類の吸気流量制限のうち少なくとも1つの尺度を演算する。
【0196】
[無呼吸及び低呼吸の検出]
本技術の一実施形態において、中央制御器4230は、1つ又は複数の無呼吸及び/又は低呼吸アルゴリズム4325(
図4dに示す)を実行することによって、無呼吸及び/又は低呼吸を検出する。
【0197】
[いびきの検出]
本技術の一実施形態において、中央制御器4230は、1つ又は複数のいびきアルゴリズム4326(
図4dに示す)を実行することによって、いびきを検出する。
【0198】
[EPAPの決定]
本技術の一実施形態において、上部気道閉塞(「UAO」)を示す多くの異なる特徴が存在する場合は、これらによって、EPAPが、予め設定された最小値の最小EPAPを超えて、上部気道閉塞の重症度に概ね比例する程度まで上昇する。UAOを示す特徴が存在しない場合、EPAPは、予め設定された最小EPAPに向かって漸次低下する。この低下によって、供給されるEPAPが最小となる傾向がある。任意所与の時間において、EPAPは、上昇させようとする力と低下傾向との間にて平衡である。また、緩やかなUAOの予備的指標によってEPAPが上昇し、UAOの指標がない場合に生じる低下によって、これが相殺される略均衡が達成されるようになっていてもよい。
【0199】
EPAP調節アルゴリズム4327(
図4dに示す)がEPAPの上昇を規定している場合は、当該上昇が瞬時に発生しない場合がある。このようなEPAPの上昇は、中央制御器4230により制御されると共にに、PAP機器4000により吸気と見なされる間のみ発生するようにタイミング調節されていてもよい。このような技術の一例は、米国特許出願公開第2011/0203588A1号に開示されており、その開示内容は、それを参照することによって本明細書に組み入れられるものとする。
【0200】
[目標換気4328の決定]
場合により、目標換気は、瞬時換気に適用される時定数3分の1次低域通過フィルタ(換気フィルタ)の出力として計算された最新通常換気の百分率(例えば、90%)に設定されてもよい。
【0201】
[治療パラメータの決定]
中央制御器4230が、1つ又は複数のアルゴリズム4329(
図4dに示す)を実行することによって、治療パラメータを決定する。
【0202】
[制御モジュール4330]
本技術の一実施形態に係る治療制御モジュール4330は、目標治療圧力Ptを入力として受信すると共に、当該圧力を供給するように治療機器4245を制御する構成となっている。
【0203】
本技術の別の実施形態に係る治療制御モジュール4330は、EPAP、波形値、及び圧補助レベルを入力として受信すると共に、目標治療圧力Ptを演算して、当該圧力を供給するように治療機器4245を制御する構成となっている。
【0204】
本技術の別の実施形態に係る治療制御モジュール4330は、EPAP、波形値、目標換気、及び瞬時換気を入力として受信すると共に、目標換気及び瞬時換気から圧補助レベルを演算し、EPAP、波形値、及び圧補助を用いることによって目標治療圧力Ptを演算して、当該圧力を供給するように治療機器4245を制御する構成となっている。
【0205】
[障害状態の検出]
本技術の一実施形態において、中央制御器4230が、障害状態を検出する1つ又は複数の方法を実行してもよい。この1つ又は複数の方法により検出された障害状態には、以下のうちの少なくとも1つを含んでいてもよい。
− 停電(ゼロ電力又は不十分な電力)
− トランスデューサ障害検出
− 構成要素の有無の検出ミス
− 推奨範囲外の動作パラメータ(例えば、圧力、流量、温度、PaO
2)
− 試験アラームによる検出可能なアラーム信号の生成ミス
【0206】
障害状態の検出時に、対応するアルゴリズムは、以下のうちの1つ又は複数によって、障害の有無を知らせる。
− 可聴、視覚、及び/又は運動(例えば、振動)アラームの開始
− 外部機器へのメッセージの送信
− 事象の記録
【0207】
本技術の別の実施態様によれば、中央制御器4230は、障害状態を検出するソフトウェアモジュールを省略していてもよい。それどころか、上述の通り、障害状態の検出は、中央制御器4230とは別個の障害緩和用集積回路4500によって排他的に取り扱われるようになっていてもよい。場合により、障害緩和用集積回路4500は、アルゴリズムを中央制御器にて同様に処理する類似の障害検出/緩和モジュールの冗長バックアップとして機能してもよい。
【0208】
[治療機器4245]
本技術の好適な一実施形態においては、治療機器4245(
図4cに示す)が、治療制御モジュール4330の制御下にて、患者1000に治療を施すように構成されている。
【0209】
治療機器4245は空気陽圧機器4140であると好ましい。
【0210】
[加湿器5000]
本技術の一実施形態においては、水タンク及び加熱板を備える加湿器5000(
図5に示す)が設けられている。
【0211】
[用語解説]
本技術の開示を目的として、本技術の特定の実施形態においては、以下の定義のうち1つ又は複数を適用することができる。本技術の他の実施形態においては、別の定義を適用することができる。
【0212】
[全般]
空気:本技術の特定の実施形態においては、患者に供給される空気が大気であってもよく、本技術の他の実施形態においては、大気に酸素が追加されていてもよい。
【0213】
持続気道陽圧(CPAP):CPAP治療は、大気に対して持続的に陽圧であり、好ましくは、患者の呼吸サイクルを通して略一定の圧力で空気又は呼吸可能なガスを気道の入口に供給することを意味するものと考えられる。いくつかの実施形態においては、気道の入口における圧力は、吸気中の上昇及び呼気中の降下等、1回の呼吸サイクルにおいて数水柱センチメートルだけ変動する。また、いくつかの実施形態においては、気道の入口における圧力は、呼気中にてわずかに上昇し、吸気中にてわずかに降下する。いくつかの実施形態においては、この圧力は、部分的な上部気道閉塞の兆候の検出に応じた上昇及び部分的な上部気道閉塞の兆候がない場合の降下等のように、患者の異なる呼吸サイクル間で変動する。
【0214】
[PAP機器の態様]
空気回路:PAP機器と患者用インターフェースとの間で空気又は呼吸可能なガスを供給する用途で構成及び配置された管路又は管である。特に、空気回路は、空気圧ブロック機構の出口及び患者用インターフェースと流体接続されてもよい。空気回路は、空気導管と呼ばれる場合もある。場合によっては、回路の別個の枝部が吸気及び呼気用に設けられていてもよい。別の場合には、単一の枝部が用いられる。
【0215】
APAP:自動気道陽圧であり、SDB事象の兆候の有無に応じて、最小限界と最大限界との間で継続的に調節可能な気道陽圧である。
【0216】
送風機又は流れ生成器:周囲圧力よりも高い圧力で空気流を供給する機器である。
【0217】
制御器:入力に基づいて出力を調節する機器又は機器の一部である。例えば、制御器の一形態は、機器の入力を構成する制御変数として、制御下の変数を有する。機器の出力は、制御変数の現在値の関数及び当該変数の設定点である。サーボ人工呼吸器は、入力としての換気、設定点としての目標換気、及び出力としての圧補助レベルを有する制御器を含んでいてもよい。入力の他の形態は、酸素飽和度(SaO2)、二酸化炭素の分圧(PCO2)、移動、光電式指尖容積脈波からの信号、及びピーク流量のうち1つ又は複数であってもよい。制御器の設定点は、固定、可変、又は学習のうち1つ又は複数であってもよい。例えば、人工呼吸器の設定点は、患者の測定換気の長期平均であってもよい。別の人工呼吸器は、時間と共に変化する換気設定点を有していてもよい。圧力制御器は、特定の圧力で空気を供給する送風機又はポンプを制御するように構成されてもよい。
【0218】
療法:本背景における療法は、陽圧療法、酸素療法、二酸化炭素療法、死腔の調節、及び薬の投与のうち1つ又は複数であってもよい。
【0219】
モータ:電気エネルギーを部材の回転移動に変換する機器である。本背景において、回転部材はインペラであり、適所で固定軸周りを回転することによって、回転軸に沿って移動する空気を昇圧する。
【0220】
気道陽圧(PAP)機器:陽圧の空気を気道に供給する機器である。
【0221】
トランスデューサ:ある形態のエネルギー又は信号を別の形態に変換する機器である。トランスデューサは、機械的エネルギー(移動等)を電気信号に変換するセンサ又は検出器であってもよい。トランスデューサの例としては、圧力センサ、流量センサ、二酸化炭素(CO
2)センサ、酸素(O
2)センサ、力センサ、移動センサ、ノイズセンサ、容積脈波記録計、及びカメラが挙げられる。
【0222】
渦巻室:インペラにより送られた空気を受容する遠心力ポンプのケーシングであり、かつ空気の流量を低下させると共に圧力を上昇させるようになっている。渦巻室の断面積は、排出口に向かって大きくなる。
【0223】
[呼吸サイクルの態様]
無呼吸:無呼吸は、10秒等の継続時間に渡って流量が所定の閾値を下回る場合に発生しているものと考えられる。閉塞性無呼吸は、患者の努力にも関わらず、気道の何らかの閉塞によって空気が流れない場合に発生しているものと考えられる。中枢性無呼吸は、呼吸努力の低下又は呼吸努力の消失に起因する無呼吸が検出される場合に発生しているものと考えられる。
【0224】
呼吸速度:患者の自発呼吸の速度であって、通例、1分当たりの呼吸数にて測定される。
【0225】
デューティサイクル:総呼吸時間Ttotに対する吸気時間Tiの比率である。
【0226】
努力(呼吸):呼吸努力は、呼吸を試みる自発呼吸者が行う行為と考えるのが好ましい。
【0227】
呼吸サイクルの呼気部分:呼気流の開始から吸気流の開始までの時間である。
【0228】
流量制限:流量制限は、患者の努力の増大に対応して流量が増加していない患者の呼吸状態と捉えるのが好ましい。呼吸サイクルの吸気部分で流量制限が発生している場合は、吸気流量制限と表される。呼吸サイクルの呼気部分で流量制限が発生している場合は、呼気流量制限と表される。
【0229】
[流量制限吸気波形の種類]
(i)平坦型:上昇後、相対的に平坦な部分が存在し、その後降下する。
(ii)M型:前縁に1つ及び後縁に1つの2つの局所的なピークが存在し、2つのピーク間に相対的に平坦な部分が存在する。
(iii)椅子型:前縁に1つの局所的なピークが存在し、その後、相対的に平坦な部分が存在する。
(iv)逆椅子型:相対的に平坦な部分が存在し、その後、後縁に1つの局所的なピークが存在する。
【0230】
低呼吸:低呼吸は、流量の低下であり、流れの中断とは捉えないのが好ましい。一形態において、低呼吸は、継続時間に渡って流量が低下して閾値を下回る場合に発生しているものと考えられる。大人の場合の一形態においては、以下のいずれかが低呼吸と見なされる。
(i)少なくとも10秒間にわたる患者の呼吸の30%低下(4%の飽和度低下を伴う)
(ii)少なくとも10秒間にわたる患者の呼吸の低下(ただし、50%未満)(少なくとも3%の飽和度低下又は覚醒を伴う)
【0231】
呼吸サイクルの吸気部分:吸気流の開始から呼気流の開始までの時間を呼吸サイクルの吸気部分と捉えるのが好ましい。
【0232】
開存性(気道):気道の開口度又は気道の開口程度である。開放気道は、開口状態である。気道開存性は、例えば値1を開放、値0を閉鎖として数値で表すことができる。
【0233】
呼気終末陽圧(PEEP):呼気の終末に存在する肺中の大気を上回る圧力である。
【0234】
ピーク流量(Qpeak):呼吸流量波形の吸気部分における流量の最大値である。
【0235】
呼吸流量、空気流量、患者空気流量、呼吸空気流量(Qr):これらの同義語は、患者が経験する実際の呼吸流量である「真の呼吸流量」又は「真の呼吸空気流量」とは対照的に、PAP機器による呼吸空気流量の推定値を表し、通例、1分当たりのリットルで表されることが理解されるであろう。
【0236】
1回換気量(Vt):特別な努力がなされていない場合の正常呼吸時の吸気又は呼気の空気体積である。
【0237】
(吸気)時間(Ti):呼吸流量波形の吸気部分の持続時間である。
【0238】
(呼気)時間(Te):呼吸流量波形の呼気部分の持続時間である。
【0239】
(総)時間(Ttot):ある呼吸流量波形の吸気部分の開始と次の呼吸流量波形の吸気部分の開始との間の総持続時間である。
【0240】
最新通常換気:所定の時間スケールを超える最新値が集まる傾向にある換気の値すなわち換気の最新値の中心傾向の尺度である。
【0241】
上部気道閉塞(UAO):部分的な上部気道閉塞及び全体的な上部気道閉塞の両方を含む。これは、上部気道全体の圧力差が上昇した場合に流量レベルが少しだけ上昇するか、又は降下する場合もある流量制限状態に関連する(スターリングレジスタ挙動)。
【0242】
換気(Vent):単位時間当たりに患者の呼吸器系が交換する総ガス量の尺度であって、吸気流及び呼気流の両方を含む。1分当たりの体積として表される場合、この量は、「分時換気量」と呼ばれることが多い。分時換気量は、単に体積として付与される場合がある(1分当たりの体積として解釈されるものとする)。
【0243】
[PAP機器のパラメータ]
流量:単位時間当たりに供給される空気の瞬時体積(又は質量)である。流量及び換気は、単位時間当たりの体積又は質量という同じ次元を有するが、流量は、はるかに短い時間に渡って測定される。流量は名目上、患者の呼吸サイクルの吸気部分で正、患者の呼吸サイクルの呼気部分で負であってもよい。場合により、流量の言及は、スカラー量すなわち大きさのみを有する量を表す。別の場合、流量の言及は、ベクトル量すなわち大きさ及び方向の両方を有する量を表す。流量は、記号Qで表される。総流量Qtは、PAP機器から出る空気の流量である。通気口流量Qvは、呼気ガスを清浄化可能な通気口から出る空気の流量である。漏れ流量Qlは、患者用インターフェースシステムからの予期せぬ漏れの流量である。呼吸流量Qrは、患者の呼吸器系に受容される空気の流量である。
【0244】
漏れ:漏れという用語は、大気中への空気の流れと捉えるのが好ましい。漏れは、例えば、呼気CO
2の清浄化を可能にすることを意図されたものであってもよい。また、漏れは、例えば、マスクと患者の顔との間の不完全な封止の結果として、意図されていないものであってもよい。
【0245】
圧力:単位面積当たりの力である。圧力は、cmH
2O、g−f/cm
2、及びヘクトパスカル等、様々な単位で測定可能である。1cmH
2Oは、1g−f/cm
2に等しく、約0.98ヘクトパスカルである。本明細書においては、特に指定のない限り、圧力をcmH
2Oの単位で示している。OSAの経鼻CPAP治療の場合、治療圧力の言及は、約4cmH
2O〜20cmH
2O又は約4cmH
2O〜30cmH
2Oの範囲の圧力を表す。患者用インターフェースにおける圧力は、記号Pmで表される。
【0246】
音響出力:音波が伝える単位時間当たりのエネルギーである。音響出力は、波面の面積を乗じた音圧の2乗に比例する。また、音響出力は、通例、デシベルSWL、すなわち、通常10
−12ワットの基準出力に対するデシベルで与えられる。
【0247】
音圧:音波が媒体を伝搬した結果としての所与の瞬間における大気圧力からの局所偏差である。音響出力は、通例、デシベルSPLすなわち人間の聴覚閾値と考えられる通常20×10
−6パスカル(Pa)の基準出力に対するデシベルで与えられる。
【0248】
[人工呼吸器の用語]
適応サーボ人工呼吸器:目標換気が固定ではなく変更可能な人工呼吸器である。変更可能な目標換気は、患者の呼吸特性等、患者の何らかの特性から学習されるようになっていてもよい。
【0249】
バックアップ速度:特に起動されていない場合に患者にもたらされる最小呼吸速度(通常、1分当たりの呼吸数)を規定する人工呼吸器のパラメータである。
【0250】
サイクル:人工呼吸器の吸気相の終端である。人工呼吸器は、自発呼吸している患者に呼吸を提供している場合、呼吸サイクルの吸気部分の終末において、呼吸の提供をサイクル停止するものと考えられる。
【0251】
EPAP(又は、EEP):呼吸の範囲内で変動する圧力の追加によって、人工呼吸器が所与の時間に実現しようとする所望のマスク圧力を生成する基準圧である。
【0252】
IPAP:呼吸の吸気部分において人工呼吸器が実現しようとする所望のマスク圧力である。
【0253】
圧補助:人工呼吸器の呼気時を超える人工呼吸器の吸気時の圧力上昇を示す値であって、一般的には、吸気時の最大値と呼気時の最小値との間の圧力差を意味する(例えば、PS=IPAP−EPAP)。いくつかの背景において、圧補助は、人工呼吸器が実際に実現した差ではなく、実現しようとしている差を意味する。
【0254】
サーボ人工呼吸器:患者の換気を測定する人工呼吸器は、目標換気を有し、圧補助レベルを調節することによって、患者の換気を目標換気に近づける。
【0255】
自発/タイミング(S/T):自発的に呼吸している患者の呼吸の開始を検出しようとする人工呼吸器等の機器のモードである。ただし、この機器は、所定の時間内に呼吸を検出できない場合、自動的に呼吸の提供を開始する。
【0257】
起動:自発的に呼吸している患者に対して人工呼吸器が呼吸を提供する場合は、患者の努力による呼吸サイクルの呼吸部分の開始時にこれが起動するものと考えられる。
【0258】
人工呼吸器:圧補助を患者に与えて呼吸行為の一部又は全部を実行する機械装置である。
【0259】
人工呼吸器の吸気及び人工呼吸器の呼気:患者の吸気及び呼気それぞれに適した圧力を供給すべきと人工呼吸器が見なす期間である。患者と人工呼吸器との同期の質及び上部気道閉塞の有無に応じて、患者の実際の吸気又は呼気に対応していてもよいし、対応していなくてもよい。
【0260】
[呼吸器系の構造]
横隔膜:胸郭の底部全体に拡がった筋層である。横隔膜は、心臓、肺、及び肋骨を含む胸腔を腹腔から分離している。横隔膜が収縮すると胸腔の容積が増加して、肺に空気が引き込まれる。
【0261】
喉頭:喉頭(larynx又はvoice box)は、声帯を収容するとともに、咽頭の下部(下咽頭)を気管に接続している。
【0262】
肺:人間の呼吸器である。肺の気道には、気管、気管支、細気管支、及び終末細気管支を含む。呼吸領域には、呼吸細気管支、肺胞管、及び肺胞を含む。
【0263】
鼻腔:鼻腔(又は、鼻窩)は、顔中央の鼻の上側背後における大容量含気空間である。鼻腔は、鼻中隔と呼ばれる縦ひれによって2つに分かれている。鼻腔の左右には、鼻甲介又は鼻甲骨と呼ばれる3つの水平伸長部が存在する。鼻腔の前部までが鼻であり、後部は後鼻孔を介して鼻咽頭に紛れ込んでいる。
【0264】
咽頭:鼻腔の直下(下側)かつ食道及び喉頭の上にある咽喉の一部である。咽頭は従来、鼻咽頭(上咽頭)(咽頭の鼻部)、中咽頭(中間咽頭)(咽頭の口部)、及び咽喉頭(下咽頭)という3つの部分に分かれている。
【0265】
[その他の特記事項]
本特許文献の開示の一部には、著作権保護の対象物が含まれる。著作権所有者は、本特許文献又は特許開示が特許商標庁の包袋又は特許記録に現れる場合は、いかなる者による複製にも異存はないが、その他の場合はいかなるものであっても、すべての著作権を留保する。
【0266】
文脈上の明確な指定がない限り、値の範囲が規定されている場合、当該範囲の上限と下限との間の下限単位の四捨五入としての各中間値及び上記指定範囲のその他任意の表示値又は中間値は、本技術の範囲に含まれると解釈される。また、中間範囲に独立して含まれ得るこれら中間範囲の上限及び下限についても、上記指定範囲で具体的に除外された任意の限界に応じて、本技術の範囲に含まれる。上記指定範囲が上記限界の一方又は両方を含む場合は、このように含まれる限界の一方又は両方を除く範囲についても、本技術に含まれる。
【0267】
さらに、本技術の一部として実現されるものとして1つ又は複数の値が本明細書に記載されている場合、このような値は、特に指定のない限りは近似可能であり、実際の技術的実装で許可又は必要とされ得る程度まで、任意適当な有効桁で利用可能と解釈される。
【0268】
特段の定義のない限り、本明細書に使用するすべての技術的用語及び化学的用語は、本技術が属する技術分野の当業者が一般的に理解しているものと同じ意味を有する。本技術の実施又は試験においては、本明細書の記載と同様又は同等の任意の方法及び材料も使用可能であるが、本明細書においては、限られた数の例示的な方法及び材料のみを記載している。
【0269】
構成要素の構成に特定の材料を使用するのが好ましいと確認された場合は、特性が類似する明らかに別の材料を代替として使用するようにしてもよい。さらに、反対の指定がない限りは、本明細書に記載のありとあらゆる構成要素が製造可能であるため、一体的又は別個に製造するようにしてもよいことが解釈される。
【0270】
本明細書及び添付の特許請求の範囲において、単数形「a」、「an」、及び「the」は、文脈上の明確な指定がない限り、それぞれの複数同等物を含むことに留意する必要がある。
【0271】
本明細書に記載のすべての刊行物は、本明細書に援用することによって、これら刊行物の主題である方法及び/又は材料を開示及び記載する。本明細書に記載の刊行物は、本願の出願日に先立つそれぞれの開示のみを目的としている。本明細書は、先行発明を理由として本技術が当該刊行物に先行する権利がないことを認めるものと何ら解釈すべきではない。さらに、提供される公開日は、実際の公開日と異なる場合があるため、個別に確認する必要がある。
【0272】
さらに、本開示の解釈において、すべての用語は、文脈に矛盾することなく最も広い合理的な様態で解釈すべきである。特に、用語「備える(comprises及びcomprising)」は、非排他的に要素、構成要素、又はステップを表しており、当該言及要素、構成要素、又はステップが、明確に言及されていない他の要素、構成要素、又はステップと併せて存在、利用、又は組み合わせ可能であることを示しているものと解釈すべきである。
【0273】
詳細な説明に用いた項目名は、読者の容易な参照のみを目的として採用したものであり、本開示又は特許請求の範囲全体を通した主題を制限するために使用しないものとする。また、これらの項目名は、特許請求の範囲又はその限定事項の解釈に使用しないものとする。
【0274】
以上、特定の実施形態を参照して本技術を説明したが、これらの実施形態は、本技術の原理及び用途の一例に過ぎないと解釈されるものとする。いくつかの例において、上記専門用語及び記号は、本技術の実施に必要ではない特定の詳細を意味する場合がある。例えば、「第1」及び「第2」という用語を使用可能であるが、特段の定めのない限り、これらの用語は、何ら順序を示すものではなく、異なる要素間の識別に利用可能である。さらに、上記方法のプロセスステップは、ある順序で記載又は図示可能であるが、このような順序付けは不要である。当業者には、このような順序付けの変更及び/又はその態様の同時又は同期実行が可能であることが認識されよう。
【0275】
従って、本技術の主旨及び範囲から逸脱することなく、上記例示的な実施形態を多様に改良可能であるとともに、他の構成を考案可能であると解釈されるものとする。
なお、以下に本発明の実施形態例を追加的に記載する。
[実施形態例1]
呼吸可能なガスの流れを生成するように構成される送風機であって、モータによって駆動される送風機と、
物理パラメータ及びシステムパラメータの少なくとも一方を示す少なくとも1つの入力信号を与えるように構成される少なくとも1つのセンサと、
前記モータを制御する実行可能命令を与えるように構成されたマイクロプロセッサと、
前記モータ及び前記マイクロプロセッサに繋がる障害緩和用集積回路と
を備え、
該障害緩和用集積回路が、前記少なくとも1つのセンサから前記少なくとも1つの入力信号を受信するように構成されており、前記受信した少なくとも1つの入力信号に基づいて障害を検出するように構成されており、かつ前記検出した障害に基づいて前記モータを停止する出力信号を生成するように構成されている、呼吸装置。
[実施形態例2]
前記障害緩和用集積回路が、前記検出した障害を表すマイクロプロセッサ情報とデジタル通信されるように構成されている、実施形態例1に記載の呼吸装置。
[実施形態例3]
前記少なくとも1つの入力信号が、アナログ信号及びデジタル信号の少なくとも一方を含んでいる、実施形態例1に記載の呼吸装置。
[実施形態例4]
前記障害緩和用集積回路がプログラマブルロジックデバイスを含んでいる、実施形態例1〜3のいずれか一項に記載の呼吸装置。
[実施形態例5]
前記障害緩和用集積回路が計時器を含んでいる、実施形態例1〜4のいずれか一項に記載の呼吸装置。
[実施形態例6]
前記少なくとも1つの物理及びシステムパラメータが、システムリセット、圧力、モータ電流、温度、モータ速度、及びモータバス電圧信号のうち1つ又は複数を含んでいる、実施形態例1〜5のいずれか一項に記載の呼吸装置。
[実施形態例7]
前記障害緩和用集積回路が1つ又は複数のデジタル出力ピンを含んでいる、実施形態例1〜6のいずれか一項に記載の呼吸装置。
[実施形態例8]
前記障害緩和用集積回路が、前記1つ又は複数のデジタル出力ピンのうち1つを介して、前記マイクロプロセッサに割り込む停止信号を送信する構成となっている、実施形態例7に記載の呼吸装置。
[実施形態例9]
前記障害緩和用集積回路が、1つ又は複数の他のデジタル出力ピンに対して、前記検出した障害の種類を示す2進値であって、前記マイクロプロセッサによって読み取り可能な2進値を設定するように構成されている、実施形態例8に記載の呼吸装置。
[実施形態例10]
前記生成された信号がデジタル信号となっており、
前記集積回路が前記信号をラッチするように構成されている、実施形態例1〜9のいずれか一項に記載の呼吸装置。
[実施形態例11]
前記ラッチされた信号が、障害の発生を示す前記マイクロプロセッサへの割り込み信号となっている、実施形態例10に記載の呼吸装置。
[実施形態例12]
前記障害緩和用集積回路が、前記検出した障害の種類を示す信号を複数のデジタル出力ピンにてラッチするように構成されている、実施形態例1〜11のいずれか一項に記載の呼吸装置。
[実施形態例13]
前記複数のデジタル出力ピンにおける前記信号が2進コードを表すようになっている、実施形態例12に記載の呼吸装置。
[実施形態例14]
前記障害緩和用集積回路が、前記呼吸装置の電源サイクル毎にリセットされるように構成されている、実施形態例1〜13のいずれか一項に記載の呼吸装置。
[実施形態例15]
前記障害緩和用集積回路が、システムリセット信号の受信時にリセットされるように構成されている、実施形態例1〜13のいずれか一項に記載の呼吸装置。