特許第6863769号(P6863769)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6863769ブロック投入方法及びこれを利用する構造物の構築方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6863769
(24)【登録日】2021年4月5日
(45)【発行日】2021年4月21日
(54)【発明の名称】ブロック投入方法及びこれを利用する構造物の構築方法
(51)【国際特許分類】
   E02B 3/14 20060101AFI20210412BHJP
   B63B 35/00 20200101ALI20210412BHJP
【FI】
   E02B3/14
   B63B35/00 F
【請求項の数】8
【全頁数】20
(21)【出願番号】特願2017-30006(P2017-30006)
(22)【出願日】2017年2月21日
(65)【公開番号】特開2018-135663(P2018-135663A)
(43)【公開日】2018年8月30日
【審査請求日】2019年12月2日
(73)【特許権者】
【識別番号】000222668
【氏名又は名称】東洋建設株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001999
【氏名又は名称】特許業務法人はなぶさ特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】酒井 大樹
(72)【発明者】
【氏名】糸永 克彦
【審査官】 亀谷 英樹
(56)【参考文献】
【文献】 特開2005−335423(JP,A)
【文献】 特開2011−094299(JP,A)
【文献】 特開2009−133190(JP,A)
【文献】 特開2005−264588(JP,A)
【文献】 特開2017−144830(JP,A)
【文献】 米国特許第03946686(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E02B 3/14
B63B 35/00
B63B 25/04
E02D 15/08
A01K 61/78
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
船体の幅方向両端側から中央へ向かって下方へと傾斜する2つの傾斜面から成る底面を有し、前記船体の幅方向中央で前後に延びる回転軸を中心に、前記2つの傾斜面の境界が割けるようにして、前記底面の少なくとも一部が両開きとなる船倉と、該船倉の前記2つの傾斜面上に、船体の前後方向及び幅方向に並列配置された複数のブロックを、所定数のブロック毎に前記船倉内に固縛する複数の固縛手段と、該複数の固縛手段による固縛状態を、任意の1つ以上の固縛手段毎に解除する固縛解除手段と、を含むブロック運搬船を利用して、水中へブロックを投入する方法であって、
並列配置された前記複数のブロックを、前記船体の前後方向に少なくとも2つのグループにグループ分けし、該グループ毎に、前記2つの傾斜面の境界を基準として対向するブロック同士が同時に投入されないように、前記固縛解除手段を利用して2回に分けてブロックを投入し、
前記グループ毎に、1回目の投入時に、前記2つの傾斜面のうち、一方の傾斜面上に配置された全ブロックを投入し、2回目の投入時に、他方の傾斜面上に配置された全ブロックを投入する、第1のブロック投入工程を含むことを特徴とするブロック投入方法。
【請求項2】
前記第1のブロック投入工程において、前記各グループ内の2回目の投入を行う前のタイミングで、少なくとも前記船体の幅方向に前記ブロック運搬船の位置を調整すると共に、異なるグループのブロックを投入する前のタイミングで、少なくとも前記船体の前後方向に前記ブロック運搬船の位置を調整することを特徴とする請求項記載のブロック投入方法。
【請求項3】
船体の幅方向両端側から中央へ向かって下方へと傾斜する2つの傾斜面から成る底面を有し、前記船体の幅方向中央で前後に延びる回転軸を中心に、前記2つの傾斜面の境界が割けるようにして、前記底面の少なくとも一部が両開きとなる船倉と、該船倉の前記2つの傾斜面上に、船体の前後方向及び幅方向に並列配置された複数のブロックを、所定数のブロック毎に前記船倉内に固縛する複数の固縛手段と、該複数の固縛手段による固縛状態を、任意の1つ以上の固縛手段毎に解除する固縛解除手段と、を含むブロック運搬船を利用して、水中へブロックを投入する方法であって、
並列配置された前記複数のブロックを、前記船体の前後方向の少なくとも7列にわたるブロックが各グループに含まれるように、前記船体の前後方向に少なくとも2つのグループにグループ分けし、該グループ毎に、前記2つの傾斜面の境界を基準として対向するブロック同士が同時に投入されないように、前記固縛解除手段を利用して2回に分けてブロックを投入し、
前記グループ毎に、1回目の投入時に、前記2つの傾斜面のうち、一方の傾斜面上に配置されたブロックと他方の傾斜面上に配置されたブロックとから、前記船体の前後方向の1列毎に千鳥状に選択したブロックを投入し、2回目の投入時に、残りのブロックを投入する、第2のブロック投入工程を含むことを特徴とするブロック投入方法。
【請求項4】
前記第2のブロック投入工程において、異なるグループのブロックを投入する前のタイミングで、少なくとも前記船体の前後方向に前記ブロック運搬船の位置を調整することを特徴とする請求項記載のブロック投入方法。
【請求項5】
請求項又は記載のブロック投入方法の前記第1のブロック投入工程と、請求項又は記載のブロック投入方法の前記第2のブロック投入工程との、少なくともいずれか一方を利用して、水底に構造物を構築することを特徴とする構造物の構築方法。
【請求項6】
前記構造物として、水底にマウンド礁を構築することを特徴とする請求項記載の構造物の構築方法。
【請求項7】
前記第1のブロック投入工程を利用して、前記マウンド礁の頂上と法尻及び法肩とのうち、少なくとも一方を構築することを特徴とする請求項記載の構造物の構築方法。
【請求項8】
前記第2のブロック投入工程を利用して、少なくとも前記マウンド礁の基礎部分を構築することを特徴とする請求項又は記載の構造物の構築方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ブロック運搬船を利用するブロック投入方法と、このブロック投入方法を利用する構造物の構築方法とに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、広域漁場整備事業として、水深100m以深の海底にマウンド礁を築造する工事が行われている。マウンド礁築造工事では、全開式バージ船にブロックを搭載し、施工現場まで運搬した後、バージ船の底を開き、複数のブロックを海中に投下する方法が採用されている。より具体的に、例えば、本願の出願人が先に出願しているブロック運搬船及びブロック投入方法(特願2016−026950参照)や、特許文献1に開示されたブロックの投下方法及び投下装置等を利用して、マウンド礁等の構造物の築造工事が行われる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−264588号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、マウンド礁に限らず、水底に構造物を構築する際には、構造物の用途に応じた所定の形状にブロックを堆積させる必要がある。このようなブロックの堆積を精度よく行うために、投入する複数のブロックの着底範囲を制御することが求められている。
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、水中に投入する複数のブロックの着底範囲を抑制することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
(発明の態様)
以下の発明の態様は、本発明の構成を例示するものであり、本発明の多様な構成の理解を容易にするために、項別けして説明するものである。各項は、本発明の技術的範囲を限定するものではなく、発明を実施するための最良の形態を参酌しつつ、各項の構成要素の一部を置換し、削除し、又は、更に他の構成要素を付加したものについても、本願発明の技術的範囲に含まれ得るものである。
【0006】
(1)船体の幅方向両端側から中央へ向かって下方へと傾斜する2つの傾斜面から成る底面を有し、前記船体の幅方向中央で前後に延びる回転軸を中心に、前記2つの傾斜面の境界が割けるようにして、前記底面の少なくとも一部が両開きとなる船倉と、該船倉の前記2つの傾斜面上に、船体の前後方向及び幅方向に並列配置された複数のブロックを、所定数のブロック毎に前記船倉内に固縛する複数の固縛手段と、該複数の固縛手段による固縛状態を、任意の1つ以上の固縛手段毎に解除する固縛解除手段と、を含むブロック運搬船を利用して、水中へブロックを投入する方法であって、並列配置された前記複数のブロックを、前記船体の前後方向に少なくとも2つのグループにグループ分けし、該グループ毎に、前記2つの傾斜面の境界を基準として対向するブロック同士が同時に投入されないように、前記固縛解除手段を利用して2回に分けてブロックを投入するブロック投入方法。
【0007】
本項に記載のブロック投入方法は、底面の少なくとも一部が両開きとなって、水中への開口部が形成される船倉を有する、所謂全開式や底開式のバージと呼ばれる種類のブロック運搬船を利用して、ブロックを投入する方法である。より詳しくは、このブロック運搬船は、船倉の底面が、船体の幅方向両端側から中央へ向かって下方へと傾斜する2つの傾斜面から成り、船体の幅方向中央で前後に延びる回転軸を中心に、2つの傾斜面の境界が割けるようにして底面が両開きとなり、水中への開口部が形成される。すなわち、船倉の底面は、2つの傾斜面の各々の水面に対する傾斜角度が大きくなる態様で両開きになり、船体の幅方向中央に開口部が形成される。又、船倉の2つの傾斜面上には、複数のブロックが、船体の前後方向及び幅方向に並列配置され、それら並列配置された複数のブロックを、所定数のブロック毎に船倉内に固縛する複数の固縛手段を備えている。更に、複数の固縛手段による固縛状態を、任意の1つ以上の固縛手段毎に解除する固縛解除手段を備えている。
【0008】
上記のような構成のブロック運搬船を利用するブロック投入方法では、船倉の2つの傾斜面上に並列配置され、複数の固縛手段により固縛されている複数のブロックを、船体の前後方向に少なくとも2つのグループにグループ分けする。そして、グループ毎に、船倉の2つの傾斜面の境界を基準として対向するブロック同士が同時に投入されないように、固縛解除手段を利用して2回に分けてブロックを投入するものである。すなわち、例えば複数のブロックを2つのグループに分けた場合は、グループ毎に2回ずつ投入を行うため、船倉内の全ブロックを4回に分けて投入することになる。このようなブロックの投入を、固縛手段により固縛されている所定数のブロック単位で任意のブロックの固縛状態を任意のタイミングで解除可能な、固縛解除手段を利用して実現する。これにより、少なくとも4回に分けて行うブロックの投入作業毎に、ブロックの目標投入位置が定められるため、例えば船倉内の全ブロックを2回に分けて投入する場合と比較して、複数のブロックの着底範囲が抑制されるものとなる。
【0009】
(2)上記(1)項において、前記グループ毎に、1回目の投入時に、前記2つの傾斜面のうち、一方の傾斜面上に配置された全ブロックを投入し、2回目の投入時に、他方の傾斜面上に配置された全ブロックを投入する、第1のブロック投入工程を含むブロック投入方法(請求項)。
本項に記載のブロック投入方法は、第1のブロック投入工程を含むものであり、この第1のブロック投入工程では、各グループの1回目の投入時に、船倉の2つの傾斜面のうち、一方の傾斜面上に配置された全ブロックを投入する。そして、各グループの2回目の投入時に、他方の傾斜面上に配置された全ブロックを投入する。すなわち、ブロックの投入作業毎に、船倉の2つの傾斜面の、いずれか一方の傾斜面上のブロックのみを投入するものである。
【0010】
ここで、船倉の底面が両開き状態のとき、底面を成す2つの傾斜面は、船体の回転軸を通る平面を基準とした対称関係にあるため、水面に対して、前記の平面を基準として互いに反転した角度を成している。このため、2つの傾斜面上のブロックが混在して同時に投入された場合、一方の傾斜面上のブロックと他方の傾斜面上のブロックとで、水中を沈んでいく際の、特に船体の幅方向への移動傾向が異なり、混在して投入されたブロックは、主に船体の幅方向に拡散して着底することが想定される。しかしながら、第1のブロック投入工程では、上述したように、ブロックの投入作業毎に、いずれか一方の傾斜面上のブロックのみを投入するため、ブロックが水中を沈んでいく際の、船体の幅方向への移動傾向が、同時に投入されたブロックの中で大きく異なることはない。これにより、特に船体の幅方向について、複数のブロックの着底範囲が抑制されるものとなる。
【0011】
(3)上記(2)項における、前記第1のブロック投入工程において、前記各グループ内の2回目の投入を行う前のタイミングで、少なくとも前記船体の幅方向に前記ブロック運搬船の位置を調整すると共に、異なるグループのブロックを投入する前のタイミングで、少なくとも前記船体の前後方向に前記ブロック運搬船の位置を調整するブロック投入方法(請求項)。
本項に記載のブロック投入方法は、第1のブロック投入工程において、各グループ内の2回目の投入を行う前のタイミングで、少なくとも船体の幅方向にブロック運搬船の位置を調整する。すなわち、各グループの1回目の投入と2回目の投入とでは、投入するブロックが載置されている傾斜面が異なるため、ブロック運搬船の位置を調整せずに1回目と2回目の投入を行うと、1回目に投入したブロックと2回目に投入したブロックとが、特に船体の幅方向に異なる位置に着底することが想定される。そこで、2回目の投入を行う前のタイミングで、少なくとも船体の幅方向にブロック運搬船の位置を調整することで、1回目に投入したブロックに近い位置に、2回目に投入するブロックを着底させるものである。
【0012】
更に、本項に記載のブロック投入方法は、第1のブロック投入工程において、異なるグループのブロックを投入する前のタイミングで、少なくとも船体の前後方向にブロック運搬船の位置を調整する。すなわち、船倉内に並列配置された複数のブロックは、属するグループが異なると、船体の前後方向の位置が大きく異なるため、ブロック運搬船の位置を調整せずに異なるグループの投入を行うと、異なるグループのブロックが、特に船体の前後方向に異なる位置に着底することが想定される。そこで、異なるグループのブロックを投入する前のタイミングで、少なくとも船体の前後方向にブロック運搬船の位置を調整することで、直前に投入したグループのブロックに近い位置に、次に投入するグループのブロックを着底させるものである。このように、適切なタイミングで、船体の幅方向や前後方向にブロック運搬船の位置を調整することにより、船体の幅方向と前後方向とのいずれの方向においても、複数のブロックの着底範囲を効率よく抑制するものである。
【0013】
(4)船体の幅方向両端側から中央へ向かって下方へと傾斜する2つの傾斜面から成る底面を有し、前記船体の幅方向中央で前後に延びる回転軸を中心に、前記2つの傾斜面の境界が割けるようにして、前記底面の少なくとも一部が両開きとなる船倉と、該船倉の前記2つの傾斜面上に、船体の前後方向及び幅方向に並列配置された複数のブロックを、所定数のブロック毎に前記船倉内に固縛する複数の固縛手段と、該複数の固縛手段による固縛状態を、任意の1つ以上の固縛手段毎に解除する固縛解除手段と、を含むブロック運搬船を利用して、水中へブロックを投入する方法であって、並列配置された前記複数のブロックを、前記船体の前後方向の少なくとも7列にわたるブロックが各グループに含まれるように、前記船体の前後方向に少なくとも2つのグループにグループ分けし、該グループ毎に、前記2つの傾斜面の境界を基準として対向するブロック同士が同時に投入されないように、前記固縛解除手段を利用して2回に分けてブロックを投入し、前記グループ毎に、1回目の投入時に、前記2つの傾斜面のうち、一方の傾斜面上に配置されたブロックと他方の傾斜面上に配置されたブロックとから、前記船体の前後方向の1列毎に千鳥状に選択したブロックを投入し、2回目の投入時に、残りのブロックを投入する、第2のブロック投入工程を含むブロック投入方法(請求項)。
本項に記載のブロック投入方法は、上記(1)項と同様の構成において、並列配置された複数のブロックを、船体の前後方向に少なくとも2つのグループにグループ分けする際に、船体の前後方向の少なくとも7列にわたるブロックが各グループに含まれるようにグループ分けするものである。更に、本項に記載のブロック投入方法は、第2のブロック投入工程を含むものであり、この第2のブロック投入工程では、各グループの1回目の投入時に、2つの傾斜面のうち、一方の傾斜面上に配置されたブロックと他方の傾斜面上に配置されたブロックとから、船体の前後方向の1列毎に千鳥状に選択したブロックを投入する。ここにおける千鳥状とは、2つの傾斜面の境界を基準として対向するブロック同士を含まないように、固縛手段により固縛されている所定数のブロック単位、ここでは船体の前後方向の1列毎のブロック単位で、一方の傾斜面上のブロックと他方の傾斜面上のブロックとから交互に、傾斜面毎に見ると船体の前後方向に1つ置きに、ブロックを選択することを示している。そして、各グループの2回目の投入時に、残りのブロックを投入するものであり、この残りのブロックは、並列配置されたブロックから千鳥状に選択されたブロックが投入された後のものであるため、1回目に投入されたブロックと同様に、船体の前後方向の1列毎に千鳥状に配置されたブロックとなる。
【0014】
ここで、千鳥状に配置されたブロックは、2つの傾斜面の各々に配置されたブロックを含むため、船倉から水中に投入されると、上記(2)項に記載したように、主に船体の幅方向に拡散して着底することが想定される。そして、第2のブロック投入工程では、少なくとも4回に分けて行う船倉内のブロック投入作業の、いずれの投入作業時においても、2つの傾斜面上に千鳥状に配置されたブロックを投入するため、水中を沈んでいく際のブロックの挙動が、特に船体の幅方向に関して類似し、着底範囲が予想し易くなる。このため、複数のブロックが少なくとも船体の幅方向に拡散して着底することが許容される状況において、目標通りに効率よくブロックが投入されるものとなる。
【0015】
(5)上記(4)項における、前記第2のブロック投入工程において、異なるグループのブロックを投入する前のタイミングで、少なくとも前記船体の前後方向に前記ブロック運搬船の位置を調整するブロック投入方法(請求項)。
本項に記載のブロック投入方法は、第2のブロック投入工程において、異なるグループのブロックを投入する前のタイミングで、少なくとも船体の前後方向にブロック運搬船の位置を調整するものである。すなわち、上記(3)項に記載したように、船倉内に並列配置された複数のブロックは、属するグループが異なると、船体の前後方向の位置が大きく異なるため、ブロック運搬船の位置を調整せずに異なるグループの投入を行うと、異なるグループのブロックが、特に船体の前後方向に異なる位置に着底することが想定される。
【0016】
そこで、異なるグループのブロックを投入する前のタイミングで、少なくとも船体の前後方向にブロック運搬船の位置を調整することで、直前に投入したグループのブロックに近い位置に、次に投入するグループのブロックを着底させるものである。このように、適切なタイミングで、船体の前後方向にブロック運搬船の位置を調整することにより、船体の前後方向について、複数のブロックの着底範囲を効率よく抑制するものである。なお、第2のブロック投入工程は、上記(4)項に記載したように、いずれの投入作業時においても、2つの傾斜面上に千鳥状に配置されたブロックを投入するため、船体の幅方向については、ブロック運搬船の位置を調整せずとも、類似した範囲にブロックが着底することが想定される。
【0017】
(6)上記(2)又は(3)項のブロック投入方法の前記第1のブロック投入工程と、上記(4)又は(5)項のブロック投入方法の前記第2のブロック投入工程との、少なくともいずれか一方を利用して、水底に構造物を構築する構造物の構築方法(請求項)。
本項に記載の構造物の構築方法は、上記(2)項や(3)項に記載した第1のブロック投入工程と、上記(4)項や(5)項に記載した第2のブロック投入工程とのうち、少なくとも一方を利用して、水底に構造物を構築するものである。すなわち、構造物の大きさや形状等に応じて、異なる特徴を有する第1のブロック投入工程と第2のブロック投入工程との、いずれか一方或いは双方を利用して、効率よく構造物を構築するものである。
【0018】
(7)上記(6)項において、前記構造物として、水底にマウンド礁を構築する構造物の構築方法(請求項)。
本項に記載の構造物の構築方法は、水底に構築する構造物としてマウンド礁を構築するものであり、第1のブロック投入工程と第2のブロック投入工程とを使い分けて或いは組み合わせて、精度よくマウンド礁を構築するものである。
【0019】
(8)上記(7)項において、前記第1のブロック投入工程を利用して、前記マウンド礁の頂上と法尻及び法肩とのうち、少なくとも一方を構築する構造物の構築方法(請求項)。
本項に記載の構造物の構築方法は、特に限られた範囲にブロックを着底させる必要がある、マウンド礁の頂上や法尻及び法肩を構築する際に、船体の幅方向及び前後方向の双方について、複数のブロックの着底範囲を抑制する、第1のブロック投入工程を利用することで、より精度よくマウンド礁を構築するものである。
【0020】
(9)上記(7)(8)項において、前記第2のブロック投入工程を利用して、少なくとも前記マウンド礁の基礎部分を構築する構造物の構築方法(請求項)。
本項に記載の構造物の構築方法は、特にマウンド礁の延在方向についてブロックの着底範囲の制約を受けることが少ない、マウンド礁の基礎部分を構築する際に、第2のブロック投入工程を利用するものである。すなわち、船体の幅方向については複数のブロックを拡散させて着底させ、船体の前後方向については複数のブロックの着底範囲を抑制する、第2のブロック投入工程を、主に船体の幅方向をマウンド礁の延在方向に合わせて実行することで、より効率よくマウンド礁を構築するものである。なお、ここにおけるマウンド礁の基礎部分とは、マウンド礁の頂上、法尻、法肩を除いた、主にマウンド礁の内部に相当する部位である。
【発明の効果】
【0021】
本発明は上記のような構成であるため、水中に投入する複数のブロックの着底範囲を抑制することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】本発明の実施の形態に係るブロック投入方法で用いるブロック運搬船の構成の一例を、船体の平面図を利用して示した概略図である。
図2図1のブロック運搬船の前後方向と直交する断面のイメージ図である。
図3】船底が開いた状態の、図1のブロック運搬船の前後方向と直交する断面のイメージ図である。
図4】本発明の実施の形態に係るブロック投入方法の、第1のブロック投入工程におけるブロック投入の手順を示したイメージ図である。
図5】第1のブロック投入工程においてブロック運搬船を船体の幅方向に移動させる様子を示したイメージ図である。
図6】本発明の実施の形態に係るブロック投入方法の第1及び第2のブロック投入工程において、ブロック運搬船を船体の前後方向に移動させる様子を示したイメージ図である。
図7】第2のブロック投入工程におけるブロック投入の手順を示したイメージ図である。
図8】第1のブロック投入工程の実験結果として、複数のブロックの着底範囲を示した座標プロット図である。
図9】第2のブロック投入工程の実験結果として、複数のブロックの着底範囲を示した座標プロット図である。
図10】従来のブロック投入方法の実験結果として、複数のブロックの着底範囲を示した座標プロット図である。
図11】従来のブロック投入方法におけるブロック投入の手順を示したイメージ図である。
図12】第1のブロック投入工程の施工結果として、複数のブロックの着底範囲を示した座標プロット図である。
図13】第2のブロック投入工程の施工結果として、複数のブロックの着底範囲を示した座標プロット図である。
図14】本発明の実施の形態に係る構造物の構築方法により構築するマウンド礁の断面を示した模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明を実施するための形態を、添付図面に基づき説明する。なお、図面の全体にわたって、同一部分は同一符号で示している。
図1は、本発明の実施の形態に係るブロック投入方法で利用する、ブロック運搬船10の構成を概略的に示している。図示のように、ブロック運搬船10は、複数のブロック70が並列配置される船倉12と、所定数(本実施例では2つ)毎に複数のブロック70を固縛する複数の固縛手段30と、固縛手段30によるブロック70の固縛を解除する固縛解除手段40と、衛星測位システム(GNSS)を利用して船体を誘導するための誘導システム60とを備えている。なお、ブロック運搬船10は、所謂全開式のバージである。
【0024】
船倉12は、図2で確認できるように、船体の幅方向(図中左右方向)両端側から中央へ向かって下方へと傾斜する2つの傾斜面14a、14bから成る底面14を有しており、各傾斜面14a、14b上にブロック70が配置されている。本実施例では、傾斜面14a、14bに30個ずつ、合計で60個のブロック70が、船倉12に積み込まれている(図1参照)。更に、船倉12は、図3に示すように、船体の幅方向中央で前後に延びる回転軸Cを中心に、底面14が両開きとなり、2つの傾斜面14a、14bの境界14cが割けるようにして、水中80への開口部16が形成される構造を有している。なお、本実施例において、傾斜面14a、14b上には、固縛手段30により固縛された2個のブロック70の、船体の前後方向両側に、ガイドバー22が設置されている。更に、傾斜面14a、14bとブロック70との間には、固縛手段30により固縛された2個のブロック70毎に、船体の幅方向端部側から境界14cへ向かって延びる2本の滑り鋼板24が、船体の前後方向に並んで設置されている。
【0025】
図1及び図2を参照して、固縛手段30は、本実施例では船倉12内に30組設置されており、各固縛手段30が2個のブロック70を固縛している。固縛手段30の各々は、固縛ワイヤ32と可動式フック34とを含んでおり、可動式フック34は、掛止位置と解除位置との間を変位することで、固縛ワイヤ32の一端の掛止状態と掛止状態解除とを切り替えるものであり、船倉12内に設置されている。固縛ワイヤ32は、2個のブロック70の周囲に掛け回された状態で、一端が手摺20上のワイヤ回収装置36を介して船体に固定され、他端が掛止位置にある可動式フック34に掛止されている。なお、1組の固縛手段30により固縛するブロック70の個数は、2個に限定されるものではなく、ブロック70の大きさや船倉12の大きさに応じて、任意の個数のブロック70を固縛してよい。
【0026】
固縛解除手段40は、図1に示すように、固縛手段30の可動式フック34毎に設置されるフック変位機構42と、作業員等により入力操作される操作部54と、制御部56とを含んでいる。フック変位機構42は、可動式フック34を掛止位置から解除位置へと変位させるものである。操作部54は、例えば制御室18内に設置され、ブロック運搬船10に搭載された全ての固縛手段30を、個別に選択入力できるようなスイッチや、選択入力された固縛手段30の固縛解除の実行指示が入力されるスイッチ等が設けられた、例えばコンソール状のものである。制御部56は、操作部54に選択入力された固縛手段30の可動式フック34に対応するフック変位機構42を、操作部54に入力された固縛解除の実行指示を受けて作動させる等の、固縛解除手段40の制御を担うものである。
【0027】
一方、誘導システム60は、本実施例では、2つの受信部62と演算部64と表示部66とを備えている。2つの受信部62は、GNSSの電波信号を受信するためのものであり、ブロック運搬船10上の互いに離れた位置に設置される。演算部64は、2つの受信部62によって受信したGNSSの電波信号に基づいて、ブロック運搬船10の現在位置や船首方向等を算出する。又、演算部64は、ブロック70の投入目標位置が予め設定入力されていることで、ブロック運搬船10の現在位置と投入目標位置との差を誘導量として算出し、更に、ブロック運搬船10の移動速度と移動方位とから、数分後等のブロック運搬船10の予測位置を算出する。そして、表示部66は、演算部64により算出された結果、すなわち、ブロック運搬船10の現在位置及び方角、数分後の予測位置、投入目標位置までの誘導量等を表示する。演算部64及び表示部66は、例えば制御室18内に設置される。
【0028】
続いて、上述したブロック運搬船10を用いる、本発明の実施の形態に係るブロック投入方法について説明する。なお、ブロック運搬船10の構成については、適宜、図1から図3を参照されたい。
図4には、本発明の実施の形態に係るブロック投入方法の、第1のブロック投入工程によるブロック70の投入手順を、ブロック運搬船10の船倉12を平面視した概略図によって示している。なお、図4では、図中右側をブロック運搬船10の前方側、図中左側をブロック運搬船10の後方側とし、又、図3に示したように、回転軸Cを中心に運搬船10の船底を開扉して、船倉12に水中80への開口部16が形成された状態とする。更に、誘導システム60等を利用しながら、タグボート等によってブロック運搬船10を操船し、投入目標位置の近傍まで運搬船10を移動させたことを前提として、第1のブロック投入工程の説明を開始する。
【0029】
まず、第1のブロック投入工程では、船倉12に並列配置された複数のブロック70を、ブロック運搬船10の船体の前後方向(図4における左右方向)に、少なくとも2つのグループにグループ分けする。本実施例では、図4(a)に示すように、船体の後方側(図中左側)のグループG1と、船体の前方側(図中右側)のグループG2との、2つのグループにグループ分けしている。より具体的に、船倉12に並列配置された、本実施例では60個のブロック70を、船体後方側に配置された32個のブロック70を含むグループG1と、船体前方側に配置された28個のブロック70を含むグループG2とに分けている。第1のブロック投入工程では、後述するように、グループG1、G2毎に2回ずつ、合計で4回のブロック70の投入作業を行う。なお、このグループ分けは、概念上のものであり、複数のブロック70を物理的にグループ分けする作業は不要である。
【0030】
次に、図4(a)に示すように、グループG1に含まれるブロック70のうち、一方の傾斜面14a上に配置されている16個のブロック70(ハッチングで示されている)を選択する。このブロック70の選択作業は、作業者等により、固縛解除手段40の操作部54に対して、固縛手段30による固縛状態を解除するブロック70を、固縛手段30による固縛の個数単位(本実施例では2個単位)で選択入力することで実行する。
そして、上記のように選択したブロック70の投入作業を実行する。具体的に、作業者等により、操作部54に対して、選択入力したブロック70の投入の実行指示(固縛解除の実行指示)を入力することで、図4(a)に矢印で示すように、選択されていた16個のブロック70を開口部16から水中80へ投入する。これがブロック70の1回目の投入作業となる。なお、以降に説明するブロック70の選択作業及び投入作業の具体的な作業内容は、ここで説明した内容と同様とする。又、図4に符号Mで示されている丸印は、各投入作業で投入する複数のブロック70の、船体の前後方向の投入中心位置を模式的に示したものである。
【0031】
ここで、ブロック70の投入作業を実行する際の、固縛解除手段40の具体的な動作について説明する。上記のように操作部54に対して固縛解除の実行指示が入力されると、固縛解除手段40の制御部56は、選択入力されたブロック70を固縛している固縛手段30の、固縛ワイヤ32を掛止している可動式フック34に対応する、フック変位機構42を作動させる。これにより、可動式フック34が掛止位置から解除位置へと変位され、可動式フック34から固縛ワイヤ32の端部が解放されて、固縛手段30による固縛状態が解除される。すると、図3の右側に示した2個のブロック70のように、解放された固縛ワイヤ32が掛け回されていたブロック70が、ガイドバー22によってガイドされながら、滑り鋼板24上を船体の幅方向中央側に向かって滑り、開口部16から水中80へ投入される。なお、端部が解放された固縛ワイヤ32は、もう一方の端部側に備えられたワイヤ回収装置36によって船上に回収するものとする。
【0032】
さて、投入手順の説明に戻ると、上記のように1回目の投入作業を行った後、2回目の投入作業時に選択及び投入するブロック70は、図4(b)に示すように、グループG1に含まれるブロック70のうち、他方の傾斜面14b上に配置されている残りの16個のブロック70(ハッチングで示されている)である。そこで、ブロック70の2回目の投入作業を行う前に、図5に示すように、誘導システム60等を利用して、少なくとも船体の幅方向(図中左右方向)について、ブロック運搬船10の位置を調整する。すなわち、例えば、1回目の投入時に選択されたブロック70が、図5(a)の如く水底80bに投入されたと仮定すると、図5(b)に示すように、2回目に投入される複数のブロック70が、1回目に投入されたブロック70の近傍に着底するように、ブロック運搬船10の位置を調整する。図5の例では、図5(a)から図5(b)の状態に至るまでの間に、図5(a)で投入された複数のブロック70を基準として、少なくとも図中右方向へブロック運搬船10を移動させている。なお、図5に符号R1で示されている範囲は、複数のブロック70の船体幅方向の着底範囲である。
【0033】
そして、上記のように船体の幅方向についてブロック運搬船10の位置を調整した後、図4(b)に示すように、グループG1に含まれる残り16個のブロック70を選択し、選択した16個のブロック70を、開口部16から矢印の如く投入する。これがブロック70の2回目の投入作業となる。なお、このときのブロック70の選択作業は、ブロック運搬船10の位置を調整する前に行っていてもよく、これは後述する3回目及び4回目の投入作業についても同様である。
【0034】
続いて、3回目の投入作業時に選択及び投入するブロック70は、図4(c)に示すように、グループG2に含まれるブロック70のうち、一方の傾斜面14a上に配置されている14個のブロック70(ハッチングで示されている)である。そこで、ブロック70の3回目の投入作業を行う前に、図6に示すように、誘導システム60等を利用して、少なくとも船体の前後方向(図中左右方向)について、ブロック運搬船10の位置を調整する。すなわち、1回目及び2回目の投入作業時に投入した、グループG1に含まれる複数のブロック70は、船体の後方側に配置されていたブロック70であるため、図6(a)に示すように、船体の後方側の下方に位置する水底80b上へ着底している。このため、図6(b)に示すように、グループG2に含まれる、船体の前方側に配置されたブロック70が、グループG1に含まれていたブロック70の近傍に着底するように、ブロック運搬船10の位置を調整する。図6の例では、図6(a)から図6(b)の状態に至るまでの間に、図6(a)で投入された複数のブロック70を基準として、少なくとも図中左方向(船体の後方向)へブロック運搬船10を移動させている。なお、図6に符号R2で示されている範囲は、複数のブロック70の船体前後方向の着底範囲である。
【0035】
更に、このタイミングで、船体の幅方向についてブロック運搬船10の位置を調整する。すなわち、ブロック運搬船10は、この時点では、船体の幅方向について、図5(b)に示すような、傾斜面14b上のブロック70が、先に投入されているブロック70の近傍に着底するような位置にある。このため、図5(a)に示すように、次に投入する傾斜面14a上のブロック70が、先に投入されているブロック70の近傍に着底するように、図中左方向へブロック運搬船10を移動させる。このように、船体の前後方向及び幅方向についてブロック運搬船10の位置を調整する際に、図4(a)から(d)に示されている投入中心位置Mを目安として、ブロック運搬船10の位置を調整してもよい。
そして、上記のようにブロック運搬船10の位置を調整した後、図4(c)に示すように、グループG2に含まれる14個のブロック70を選択し、選択した14個のブロック70を、開口部16から矢印の如く投入する。これがブロック70の3回目の投入作業となる。
【0036】
4回目の投入作業時に選択及び投入するブロック70は、図4(d)に示すように、グループG2に含まれるブロック70のうち、他方の傾斜面14b上に配置されている残りの14個のブロック70(ハッチングで示されている)である。そこで、ブロック70の4回目の投入作業を行う前に、2回目の投入作業を行う前と同様に、図5に示すように、誘導システム60等を利用して、少なくとも船体の幅方向(図中左右方向)について、ブロック運搬船10の位置を調整する。
そして、船体の幅方向についてブロック運搬船10の位置を調整した後、図4(d)に示すように、グループG2に含まれる残り14個のブロック70を選択し、選択した14個のブロック70を、開口部16から矢印の如く投入する。これがブロック70の4回目の投入作業となり、第1のブロック投入工程が終了となる。なお、図4に示した第1のブロック投入工程の投入順序は一例であり、例えば、グループG1のブロック70より先にグループG2のブロック70を投入してもよく、グループG1、G2の各々において、傾斜面14a上のブロック70よりも先に傾斜面14b上のブロック70を投入してもよい。
【0037】
次に、図7には、本発明の実施の形態に係るブロック投入方法の、第2のブロック投入工程によるブロック70の投入手順を、ブロック運搬船10の船倉12を平面視した概略図によって示している。なお、図7では、図4と同様に、図中右側をブロック運搬船10の前方側、図中左側をブロック運搬船10の後方側とし、又、図3に示したように、回転軸Cを中心に運搬船10の船底を開扉して、船倉12に水中80への開口部16が形成された状態とする。更に、誘導システム60等を利用しながら、タグボート等によってブロック運搬船10を操船し、投入目標位置の近傍まで運搬船10を移動させたことを前提として、第2のブロック投入工程の説明を開始する。
【0038】
まず、第2のブロック投入工程では、第1のブロック投入工程と同様に、船倉12に並列配置された複数のブロック70を、ブロック運搬船10の船体の前後方向(図7における左右方向)に、少なくとも2つのグループにグループ分けする。本実施例では、図7(a)に示すように、船倉12に並列配置された60個のブロック70を、船体後方側(図中左側)に配置された32個のブロック70を含むグループG1と、船体前方側(図中右側)に配置された28個のブロック70を含むグループG2との、2つのグループG1、G2にグループ分けしている。第2のブロック投入工程では、後述するように、グループG1、G2毎に2回ずつ、合計で4回のブロック70の投入作業を行う。
【0039】
次に、図7(a)に示すように、グループG1に含まれるブロック70のうち、ハッチングで示されている千鳥状に配置された16個のブロック70を選択する。そして、選択した16個のブロック70の投入作業を実行する。これがブロック70の1回目の投入作業となる。なお、図7に符号Mで示されている丸印は、各投入作業で投入する複数のブロック70の、船体の前後方向の投入中心位置を模式的に示したものである。
上記のように1回目の投入作業を行った後、図7(b)に示すように、グループG1に含まれるブロック70のうち、千鳥状に配置された残りの16個のブロック70(ハッチングで示されている)を選択する。そして、選択した16個のブロック70を、開口部16から矢印の如く投入する。これがブロック70の2回目の投入作業となる。
【0040】
続いて、3回目の投入作業時に選択及び投入するブロック70は、図7(c)に示すように、グループG2に含まれるブロック70のうち、ハッチングで示されている千鳥状に配置された14個のブロック70である。そこで、ブロック70の3回目の投入作業を行う前に、図6に示すように、誘導システム60等を利用して、少なくとも船体の前後方向(図中左右方向)について、ブロック運搬船10の位置を調整する。すなわち、1回目及び2回目の投入作業時に投入した、グループG1に含まれる複数のブロック70は、船体の後方側に配置されていたブロック70であるため、図6(a)に示すように、船体の後方側の下方に位置する水底80b上へ着底している。このため、図6(b)に示すように、グループG2に含まれる、船体の前方側に配置されたブロック70が、グループG1に含まれていたブロック70の近傍に着底するように、図6(a)で投入された複数のブロック70を基準として、少なくとも図中左方向(船体の後方向)へブロック運搬船10を移動させる。このとき、図7(a)から(d)に示されている投入中心位置Mを目安として、ブロック運搬船10の位置を調整してもよい。
【0041】
そして、上記のようにブロック運搬船10の位置を調整した後、図7(c)に示すように、グループG2に含まれる14個のブロック70を選択し、選択した14個のブロック70を、開口部16から矢印の如く投入する。これがブロック70の3回目の投入作業となる。
更に、3回目の投入作業を行った後、図7(d)に示すように、グループG2に含まれるブロック70のうち、千鳥状に配置された残りの14個のブロック70(ハッチングで示されている)を選択する。そして、選択した14個のブロック70を、開口部16から矢印の如く投入する。これがブロック70の4回目の投入作業となり、第2のブロック投入工程が終了となる。なお、図7に示した第2のブロック投入工程の投入順序は一例であり、例えば、グループG1のブロック70より先にグループG2のブロック70を投入してもよい。
【0042】
次に、本発明者らが行った、本発明の実施の形態に係るブロック投入方法の実験結果及び施工結果について説明する。ブロック投入方法の実験では、縮尺1/60の水理模型実験を行い、図8から図10に示している実験結果には、実地スケールに換算して、複数のブロック70の着底位置をプロットで示している。又、ブロック投入方法の実施工では、実際にブロック運搬船10からブロック70を海中へ投入し、図12及び図13に示している施工結果には、投入した複数のブロック70の着底位置をプロットで示している。更に、実施工では、ブロック70が潮の流れの影響を受けることを考慮して、超音波流速計(ADCP)により潮の流れ(流向及び流速)をリアルタイムに観測し、ブロック運搬船10の船位位置を調整しながら、ブロック70を投入した。各ブロック70の大きさは、2m角の略立方体とする。なお、図8から図10及び図12図13では、横軸であるX軸方向をブロック運搬船10の船体前後方向、縦軸であるY軸方向をブロック運搬船10の船体幅方向とし、ブロック70の大まかな着底範囲を円形で示している。
【0043】
図8及び図9に示す実験結果は、夫々、本発明の実施の形態に係るブロック投入方法の、第1のブロック投入工程及び第2のブロック投入工程による実験結果である。又、図10に示す実験結果は、比較例として、船倉12内のブロック70をグループ分けせずに、図11(a)に示すような1回目の投入と、図11(b)に示すような2回目の投入とに、船倉12内のブロック70を千鳥配置の2回に分けて投入した、従来のブロック投入方法による実験結果である。
まず、図8図10とを比較すると、図10の従来のブロック投入方法では、X軸方向の着底範囲が75.2m、Y軸方向の着底範囲が70.0mであるのに対し、図8の第1のブロック投入工程では、X軸方向の着底範囲が64.0m、Y軸方向の着底範囲が49.0mである。すなわち、第1のブロック投入工程では、従来のブロック投入方法よりも、船体前後方向であるX軸方向の着底範囲が約15%抑制され、船体幅方向であるY軸方向の着底範囲が約30%抑制されていることが分かる。
【0044】
又、図9の第2のブロック投入工程では、X軸方向の着底範囲が59.6m、Y軸方向の着底範囲が75.7mであるため、図10の従来のブロック投入方法との比較において、船体幅方向であるY軸方向の着底範囲は微増しているものの、船体前後方向であるX軸方向の着底範囲が約21%抑制されていることが分かる。
更に、図8図9とを比較すると、図8の第1のブロック投入工程は、図9の第2のブロック投入工程よりも、船体幅方向であるY軸方向の着底範囲が約35%抑制されていることが確認できる。
【0045】
一方、図12及び図13に示す施工結果は、夫々、本発明の実施の形態に係るブロック投入方法の、第1のブロック投入工程及び第2のブロック投入工程による施工結果である。図8図12とを比較すると分かるように、第1のブロック投入工程は、船体幅方向であるY軸方向の着底範囲が、実験結果と施工結果とで一致しており、船体前後方向であるX軸方向の着底範囲が、施工結果の方がより抑制されている。又、図9図13とを比較すると分かるように、第2のブロック投入工程は、船体前後方向であるX軸方向の着底範囲と、船体幅方向であるY軸方向の着底範囲との双方が、実験結果と施工結果とで概ね一致している。すなわち、第1のブロック投入工程及び第2のブロック投入工程は、実験による再現性が良好であり、実施工においても、ブロック70の着底範囲が抑制されることが分かる。
【0046】
続いて、本発明の実施の形態に係る構造物の構築方法について説明する。
本発明の実施の形態に係る構造物の構築方法は、上述した第1のブロック投入工程と第2のブロック投入工程との、少なくもいずれか一方を利用して、例えば図14に示すような構造物90を水底80bに構築するものである。図14に示している構造物90は、頂上92aと、法尻92b及び法肩92cと、基礎部分92dとを含む、延在方向の断面形状が略三角形のマウンド礁92である。このようなマウンド礁92の構築にあたり、本実施例では、例えば、マウンド礁92の基礎部分92dを、第2のブロック投入工程を利用して構築し、マウンド礁92の頂上92aと法尻92b及び法肩92cとを、第1のブロック投入工程を利用して構築する。このとき、構造物90(マウンド礁92)に対するブロック運搬船10の船首の向きは、図14における左右方向や紙面と直交する方向に沿った向きに限定されるものではなく、風や波の向き等を考慮しつつ、予想されるブロック70の着底範囲が、構築する構造物90の各部位(頂上92a、基礎部分92d等)の設計範囲に収まるような船首の向きであればよい。
【0047】
又、別の実施例として、例えば、マウンド礁92の基礎部分92dを、第2のブロック投入工程と、図11に示した従来のブロック投入方法との双方を利用して構築してもよい。すなわち、本発明の実施の形態に係る構造物の構築方法は、第1のブロック投入工程や第2のブロック投入工程と併せて、他のブロック投入方法を実行してもよいものである。例えば、マウンド礁92の構築にあたり、未だ施工していないマウンド礁92の部位を構築するための、複数の投入箇所及びそれに対応する適切な投入方法の候補を予め挙げておき、海象条件等に応じて、実際にブロック70を投入する投入箇所及びそれに対応する適切な投入方法を決定してもよい。
【0048】
さて、上記構成をなす本発明の実施の形態によれば、次のような作用効果を得ることが可能である。すなわち、本発明の実施の形態に係るブロック投入方法は、図1から図3に示すような、底面14の少なくとも一部が両開きとなって、水中80への開口部16が形成される船倉12を有する、所謂全開式や底開式のバージと呼ばれる種類のブロック運搬船10を利用して、ブロック70を投入する方法である。より詳しくは、このブロック運搬船10は、船倉12の底面14が、船体の幅方向両端側から中央へ向かって下方へと傾斜する2つの傾斜面14a及び14bから成り、船体の幅方向中央で前後に延びる回転軸Cを中心に、2つの傾斜面14a、14cの境界14cが割けるようにして底面14が両開きとなり、水中80への開口部16が形成される。
【0049】
すなわち、船倉12の底面14は、2つの傾斜面14a、14bの各々の水面80aに対する傾斜角度が大きくなる態様で両開きになり、船体の幅方向中央に開口部16が形成される。又、船倉12の2つの傾斜面14a、14b上には、複数のブロック70が、船体の前後方向及び幅方向に並列配置されており、ブロック運搬船10は、それら並列配置された複数のブロック70を、所定数(図示の例では2個)のブロック70毎に船倉12内に固縛する複数の固縛手段30を備えている。更に、複数の固縛手段30による固縛状態を、任意の1つ以上の固縛手段30毎に解除する固縛解除手段40を備えている。
【0050】
上記のような構成のブロック運搬船10を利用するブロック投入方法では、船倉12の2つの傾斜面14a、14b上に並列配置され、複数の固縛手段30により固縛されている複数のブロック70を、例えば図4及び図7で確認できるように、船体の前後方向(図中左右方向)に少なくとも2つのグループG1、G2にグループ分けする。そして、グループG1、G2毎に、船倉12の2つの傾斜面14a、14bの境界14cを基準として対向するブロック70同士が同時に投入されないように、固縛解除手段40を利用して2回に分けてブロック70を投入するものである。
【0051】
すなわち、図4及び図7の例のように、複数のブロック70を2つのグループG1、G2に分けた場合は、グループG1、G2毎に2回ずつ投入を行うため、船倉12内の全ブロック70を4回に分けて投入することになる。このようなブロック70の投入を、固縛手段30により固縛されている2個のブロック単位で任意のブロック70の固縛状態を任意のタイミングで解除可能な、固縛解除手段40を利用して実現する。これにより、少なくとも4回に分けて行うブロック70の投入作業毎に、ブロック70の目標投入位置を定めることができるため、例えば船倉12内の全ブロック70を2回に分けて投入する場合と比較して、複数のブロック70の着底範囲を抑制することが可能となる。
【0052】
又、本発明の実施の形態に係るブロック投入方法は、第1のブロック投入工程を含むものであり、この第1のブロック投入工程では、各グループG1、G2の1回目の投入時に、図4(a)、(c)に示すように、船倉12の2つの傾斜面14a、14bのうち、一方の傾斜面14a上に配置された全ブロック70を投入する。そして、各グループG1、G2の2回目の投入時に、図4(b)、(d)に示すように、他方の傾斜面14b上に配置された全ブロック70を投入する。すなわち、ブロック70の投入作業毎に、船倉12の2つの傾斜面14a、14bの、いずれか一方の傾斜面14a又は14b上のブロック70のみを投入するものである。
【0053】
ここで、図3に示すように、船倉12の底面14が両開き状態のとき、底面14を成す2つの傾斜面14a、14bは、船体の回転軸Cを通る平面を基準とした対称関係にあるため、水面80aに対して、前記の平面を基準として互いに反転した角度を成している。このため、2つの傾斜面14a、14b上のブロック70が混在して同時に投入された場合、一方の傾斜面14a上のブロック70と他方の傾斜面14b上のブロック70とで、水中80を沈んでいく際の、特に船体の幅方向への移動傾向が異なり、混在して投入されたブロック70は、主に船体の幅方向に拡散して着底することが想定される。しかしながら、第1のブロック投入工程では、上述したように、ブロック70の投入作業毎に、いずれか一方の傾斜面14a又は14b上のブロック70のみを投入するため、ブロック70が水中80を沈んでいく際の、船体の幅方向への移動傾向が、同時に投入されたブロック70の中で大きく異なることはない。これにより、特に船体の幅方向について、複数のブロック70の着底範囲を抑制することができる。
【0054】
又、本発明の実施の形態に係るブロック投入方法は、第1のブロック投入工程において、各グループG1、G2内の2回目の投入(図4(b)、(d)に示す投入)を行う前のタイミングで、図5に示すように、少なくとも船体の幅方向にブロック運搬船10の位置を調整する。すなわち、各グループG1、G2の1回目の投入と2回目の投入とでは、投入するブロック70が載置されている傾斜面が異なるため、ブロック運搬船10の位置を調整せずに1回目と2回目の投入を行うと、1回目に投入したブロック70と2回目に投入したブロック70とが、特に船体の幅方向に異なる位置に着底することが想定される。そこで、2回目の投入を行う前のタイミングで、少なくとも船体の幅方向にブロック運搬船10の位置を調整することで、1回目に投入したブロック70に近い位置に、2回目に投入するブロック70を着底させることができる。
【0055】
更に、本発明の実施の形態に係るブロック投入方法は、第1のブロック投入工程において、異なるグループのブロック70を投入する(図4(c)に示す投入を行う)前のタイミングで、図6に示すように、少なくとも船体の前後方向にブロック運搬船10の位置を調整する。すなわち、船倉12内に並列配置された複数のブロック70は、属するグループが異なると、船体の前後方向の位置が大きく異なるため、ブロック運搬船10の位置を調整せずに異なるグループの投入を行うと、異なるグループのブロック70が、特に船体の前後方向に異なる位置に着底することが想定される。そこで、異なるグループのブロック70を投入する前のタイミングで、少なくとも船体の前後方向にブロック運搬船10の位置を調整することで、直前に投入したグループG1のブロック70に近い位置に、次に投入するグループG2のブロック70を着底させることができる。
【0056】
このように、第1のブロック投入工程は、適切なタイミングで、船体の幅方向や前後方向にブロック運搬船10の位置を調整することにより、船体の幅方向と前後方向とのいずれの方向においても、複数のブロック70の着底範囲R1及びR2(図5図6参照)を、効率よく抑制することが可能となる。この第1のブロック投入工程による、ブロック70の着底範囲の抑制効果は、図8に示す実験結果や、図12に示す施工結果からも明らかである。
【0057】
又、本発明の実施の形態に係るブロック投入方法は、第2のブロック投入工程を含むものであり、この第2のブロック投入工程では、各グループG1、G2の1回目の投入時に、図7(a)、(c)に示すように、2つの傾斜面14a、14bのうち、一方の傾斜面14a上に配置されたブロック70と他方の傾斜面14b上に配置されたブロック70とから、千鳥状に選択したブロック70を投入する。そして、各グループG1、G2の2回目の投入時に、図7(b)、(d)に示すように、残りのブロック70を投入するものであり、この残りのブロック70は、並列配置されたブロック70から千鳥状に選択されたブロック70が投入された後のものであるため、1回目に投入されたブロック70と同様に、千鳥状に配置されたブロック70となる。
【0058】
ここで、千鳥状に配置されたブロック70は、2つの傾斜面14a、14bの各々に配置されたブロック70を含むため、船倉12から水中80に投入されると、主に船体の幅方向に拡散して着底することが想定される。そして、第2のブロック投入工程では、少なくとも4回に分けて行う船倉12内のブロック70の投入作業の、いずれの投入作業時においても、2つの傾斜面14a、14b上に千鳥状に配置されたブロック70を投入するため、水中80を沈んでいく際のブロック70の挙動が、特に船体の幅方向に関して類似し、着底範囲が予想し易くなる。このため、複数のブロック70が少なくとも船体の幅方向に拡散して着底することが許容される状況において、目標通りに効率よくブロック70を投入することができる。
【0059】
更に、本発明の実施の形態に係るブロック投入方法は、第2のブロック投入工程において、異なるグループのブロック70を投入する(図7(c)に示す投入を行う)前のタイミングで、図6に示すように、少なくとも船体の前後方向にブロック運搬船10の位置を調整するものである。すなわち、上述したように、船倉12内に並列配置された複数のブロック70は、属するグループが異なると、船体の前後方向の位置が大きく異なるため、ブロック運搬船10の位置を調整せずに異なるグループの投入を行うと、異なるグループのブロック70が、特に船体の前後方向に異なる位置に着底することが想定される。
【0060】
そこで、第1のブロック投入工程と同様に、異なるグループのブロック70を投入する前のタイミングで、少なくとも船体の前後方向にブロック運搬船10の位置を調整することで、直前に投入したグループG1のブロック70に近い位置に、次に投入するグループG2のブロック70を着底させることができる。このように、第2のブロック投入工程は、適切なタイミングで、船体の前後方向にブロック運搬船10の位置を調整することにより、船体の前後方向について、複数のブロック70の着底範囲R2を効率よく抑制することが可能となる。この第2のブロック投入工程による、ブロック70の着底範囲の抑制効果は、図9に示す実験結果や、図13に示す施工結果からも明らかである。
【0061】
なお、本発明の実施の形態に係るブロック投入方法は、船倉12内の複数のブロック70のグループ分けが、図4図7の例のような2つのグループG1、G2に限定されるものではなく、船体の前後方向に3つ以上のグループに分けてもよい。複数のブロック70をより多くのグループに分けることにより、複数のブロック70の着底範囲を、船体の前後方向について、より抑制することが期待できる。又、各グループに含まれるブロック70の数は任意であり、2つのグループG1、G2に分ける場合であっても、図4図7の例に限定されるものではない。
又、本発明の実施の形態に係るブロック投入方法は、第1及び第2の投入工程において、少なくとも4回行う各投入作業の前に、ブロック運搬船10の前後方向や幅方向への位置調整に加えて、ブロック運搬船10の船首の向きの調整や、船倉12の底面14の開扉角度の調整を行ってもよい。
【0062】
一方、本発明の実施の形態に係る構造物の構築方法は、上述した第1のブロック投入工程と第2のブロック投入工程とのうち、少なくとも一方を利用して、例えば図14に示すように、水底80bに構造物90を構築するものである。すなわち、構造物90の大きさや形状等に応じて、異なる特徴を有する第1のブロック投入工程と第2のブロック投入工程との、いずれか一方或いは双方を利用することで、効率よく構造物90を構築することができる。そのような構造物90として、図14に示すようなマウンド礁92を構築する場合には、第1のブロック投入工程と第2のブロック投入工程とを使い分けて或いは組み合わせて、精度よくマウンド礁92を構築することができる。
【0063】
又、本発明の実施の形態に係る構造物の構築方法は、特に限られた範囲にブロック70を着底させる必要がある、マウンド礁92の頂上92aや法尻92b及び法肩92cを構築する際に、船体の幅方向及び前後方向の双方について、複数のブロック70の着底範囲を抑制可能な、第1のブロック投入工程を利用することにより、より精度よくマウンド礁92を構築することができる。更に、特にマウンド礁92の延在方向についてブロック70の着底範囲の制約を受けることが少ない、マウンド礁92の基礎部分92dを構築する際に、第2のブロック投入工程を利用してもよい。すなわち、船体の幅方向については複数のブロック70を拡散させて着底させ、船体の前後方向については複数のブロック70の着底範囲を抑制する、第2のブロック投入工程を、主に船体の幅方向をマウンド礁92の延在方向(図14における紙面と直交する方向)に合わせて実行することで、より効率よくマウンド礁92を構築することが可能となる。
【符号の説明】
【0064】
10:ブロック運搬船、12:船倉、14:底面、14a、14b:傾斜面、14c:傾斜面の境界、30:複数の固縛手段、40:固縛解除手段、70:ブロック、G1、G2:グループ、80:水中、80b:水底、90:構造物、92:マウンド礁、92a:頂上、92b:法尻、92c:法肩、92d:基礎部分、C:回転軸
図1
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