特許第6863775号(P6863775)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6863775ベルトコンベアの蛇行修正装置および監視システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6863775
(24)【登録日】2021年4月5日
(45)【発行日】2021年4月21日
(54)【発明の名称】ベルトコンベアの蛇行修正装置および監視システム
(51)【国際特許分類】
   B65G 15/64 20060101AFI20210412BHJP
   B65G 43/02 20060101ALI20210412BHJP
【FI】
   B65G15/64
   B65G43/02 E
【請求項の数】4
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2017-42960(P2017-42960)
(22)【出願日】2017年3月7日
(65)【公開番号】特開2018-144969(P2018-144969A)
(43)【公開日】2018年9月20日
【審査請求日】2020年3月4日
(73)【特許権者】
【識別番号】000206211
【氏名又は名称】大成建設株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100082418
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 朔生
(74)【代理人】
【識別番号】100167601
【弁理士】
【氏名又は名称】大島 信之
(74)【代理人】
【識別番号】100201329
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 真二郎
(72)【発明者】
【氏名】石井 稔之
【審査官】 大塚 多佳子
(56)【参考文献】
【文献】 特開平07−228328(JP,A)
【文献】 特開2008−105786(JP,A)
【文献】 実開平04−135510(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65G 15/00 − 15/28
B65G 15/60 − 15/64
B65G 43/00 − 43/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベルトコンベアを構成するベルトの蛇行を修正するための蛇行修正装置であって、
前記ベルトの上方または下方に設置する、昇降装置と、
前記昇降装置によって、前記ベルトの表面のうち任意の箇所を押圧可能とした、ローラと、
を少なくとも備え
前記昇降装置の昇降方向の角度を変更可能に構成したことを特徴とする、
ベルトコンベアの蛇行修正装置。
【請求項2】
前記昇降装置と前記ローラとの間に弾性材を介設してあることを特徴とする、
請求項に記載のベルトコンベアの蛇行修正装置。
【請求項3】
ベルトコンベアを監視するためのシステムであって、
ベルトコンベアを構成するベルトに対してレーザ光を照射する、ラインレーザと、
前記レーザ光の照射によって前記ベルト上に描かれた輪郭線を、前記ラインレーザの照射方向と異なる角度から撮影する、デジタルカメラと、
前記デジタルカメラによる撮影データに基づいて、前記ベルトの蛇行の有無を解析する、解析装置と、
前記解析装置が、前記ベルトが蛇行していると判定した際に前記ベルトの蛇行を修正する、請求項1または2に記載の蛇行修正装置と、
を少なくとも備えることを特徴とする、
ベルトコンベア監視システム。
【請求項4】
前記解析装置が、
前記ベルトの正常位置と異常位置とのしきい値とを記憶する、記憶手段と、
前記ベルトの現在位置を検出する、位置検出手段と、
前記ベルトの正常位置から現在位置までの差分が、前記しきい値を超えた際に、前記ベルトが蛇行していると判定する、蛇行判定手段と、
を少なくとも含んでなることを特徴とする、
請求項に記載のベルトコンベア監視システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ベルトコンベアを構成するベルトの蛇行修正やブレの低減を実現するための蛇行修正装置および、該蛇行修正装置を備えたベルトコンベアの監視システムに関する。
【背景技術】
【0002】
ベルトコンベアを構成するベルトの蛇行を修正する発明として、以下の特許文献に記載の発明がある。
特許文献1に係る蛇行調整装置は、ベルトの両側に鋭角にセットしたベルト押さえローラを有し、押さえローラ間にベルトが滑り込んできた際に、ローラとベルトとの間の抵抗力によって、蛇行調整装置を旋回させることによりベルトの蛇行を修正する機能を備えている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−57205号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、上記特許文献1に記載の蛇行修正装置では、ベルトの両側に設けたベルト押さえローラとベルトの側縁(耳部)との接触でもって蛇行を修正するため、抵抗力が耳部に集中してしまい、耳部の損傷を招く場合があった。
【0005】
本発明は、ベルトの耳部に大きな負担をかけることなく、ベルトの蛇行修正やブレの低減を実現可能な手段の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決するためになされた本願の第1発明は、ベルトコンベアを構成するベルトの蛇行を修正するための蛇行修正装置であって、前記ベルトの上方または下方に設置する、昇降装置と、前記昇降装置によって、前記ベルトの表面のうち任意の箇所を押圧可能とした、ローラと、を少なくとも備え、前記昇降装置の昇降方向の角度を変更可能に構成したことを特徴とする。
また、本願の第発明は、前記第1発明において、前記昇降装置と前記ローラとの間に弾性材を介設してあることを特徴とする。
また、本願の第発明は、ベルトコンベアを監視するためのシステムであって、ベルトコンベアを構成するベルトに対してレーザ光を照射する、ラインレーザと、前記レーザ光の照射によって前記ベルト上に描かれた輪郭線を、前記ラインレーザの照射方向と異なる角度から撮影する、デジタルカメラと、前記デジタルカメラによる撮影データに基づいて、前記ベルトの蛇行の有無を解析する、解析装置と、前記解析装置が、前記ベルトが蛇行していると判定した際に前記ベルトの蛇行を修正、前記第1発明または第2発明に記載の蛇行修正装置と、を少なくとも備えることを特徴とする。
また、本願の第発明は、前記第発明において、前記解析装置が、前記ベルトの正常位置と異常位置とのしきい値とを記憶する、記憶手段と、前記ベルトの現在位置を検出する、位置検出手段と、前記ベルトの正常位置から現在位置までの差分が、前記しきい値を超えた際に、前記ベルトが蛇行していると判定する、蛇行判定手段と、を少なくとも含んでなることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、以下に記載する効果を奏する。
(1)ベルトの耳部の損傷を抑制できる。
ベルトの上方または下方から昇降するローラでもってベルトの蛇行を修正するため、ベルトの耳部に過大な負担が生じることがない。
(2)ローラとベルトとの接触面積を確保できる。
昇降装置の昇降方向およびローラの回転軸方向のうち少なくとも何れか一方の角度を変更することにより、ローラとベルトとの接触面積を確保することができる。
(3)ローラによる押圧力を調整できる。
ローラと昇降装置との間に弾性手段を介設することで、ベルトに対するローラの押圧力が必要以上に大きくならないように調整することができる。
(4)ベルトの蛇行をただちに修正することができる。
デジタルカメラで撮影したデータからリアルタイムにベルトの蛇行を判定した際にローラを稼働することで、ベルトの蛇行をただちに修正することができる。
(5)損傷の検知精度が向上する。
別途ベルトの損傷監視装置を設ける際にベルトの蛇行を修正しながらベルトの損傷を監視することができるため、損傷位置の検出精度にズレが生じにくい。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】実施例1に係るベルトコンベア監視システムの概略側面図。
図2】レーザ光の照射による輪郭線の軌跡を示す概略断面図。
図3】撮影データと、見かけの鉛直断面図のイメージ図。
図4】蛇行修正装置による蛇行修正の方法を示す概略断面図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照しながら、本発明に係るベルトコンベア監視システムおよび蛇行修正装置の実施例について説明する。
【実施例1】
【0010】
<1>全体構成
図1は、本発明の実施例1に係るベルトコンベア監視システムを示す概略構成図である。
本発明に係るベルトコンベア監視システムは、被搬送物を搬送するベルトコンベアに設けるシステムである。
本実施例に係るベルトコンベア監視システムは、ラインレーザ10と、デジタルカメラ20と、解析装置30と、蛇行修正装置40を少なくとも備えて構成する。
以下、各構成要素の詳細について説明する。
【0011】
<2>ラインレーザ
ラインレーザ10は、ベルトコンベアのベルトAの表面に輪郭線12を描くための装置である。
本実施例では、ラインレーザ10は、ベルトコンベアの上方にあって、ベルトコンベアの往路側のベルトAに対してレーザ光11を照射するように配置している。
【0012】
<2.1>レーザ光の照射方向
レーザ光11の照射方向θ1は、水平方向を0°(180°)としたとき、0°<θ1<180°の範囲で適宜決定する。
本実施例では、レーザ光11の照射方向を鉛直方向(θ1=90°)としている。
【0013】
<2.2>レーザ光の照射タイミング
レーザ光11は、常に照射する態様としても良いし、デジタルカメラ20の撮影時にのみ照射する態様としてもよい。
【0014】
<2.3>輪郭線の一例
図2に、レーザ光11の照射箇所においてベルトAの幅方向に切断した断面図を示す。なお、図2は搬送ローラBの直上でない箇所を切断した断面図であるため、説明の便宜上、搬送ローラBを仮想線で示している。
図2に示すように、ベルトAの表面には、ベルトAの上方に設けたラインレーザ10からのレーザ光11を略鉛直方向に向けて照射することにより輪郭線12が描かれることとなる。
この輪郭線12は、後述するデジタルカメラ20によって撮影される。
【0015】
<3>デジタルカメラ
デジタルカメラ20は、ベルトAの表面に描かれた輪郭線12を撮影するための装置である。
デジタルカメラ20の撮影データは、適宜解析装置30に送られてベルトAの蛇行判定に使用される。
【0016】
<3.1>デジタルカメラの撮影方向
デジタルカメラ20は、ラインレーザ10が位置する側から、ラインレーザ10の照射方向と異なる角度から撮影する。
これは、前記レーザ光11による輪郭線12がベルトAの表面に描かれているのか、ベルトA以外の箇所の表面に描かれているのかを、撮影データにおける輪郭線12の欠落や段差によって認識するためである。
【0017】
<3.2>デジタルカメラの画素数
デジタルカメラ20の画素数は、多ければ多いほど、画像解析の精度が向上する点で好ましいが、解析時間も長くなるため、適切な範囲で決定すれば良い。
【0018】
<4>解析装置
解析装置30は、デジタルカメラ20の撮影データに基づいてベルトAの蛇行を判定するための装置である。
解析装置30は、PCなどの情報処理装置を構成するハードウェアまたはソフトウェア、あるいはこれらの組合せによって実現することができる。
【0019】
<4.1>ソフトウェアの態様
なお、解析装置30に用いるソフトウェアは、予め判定基準を設定してあるプログラムを組み込むだけでなく、過去の判定プロセスを学習して判定基準を自律的に生成する、いわゆる人工知能型のプログラムを組み込んでおいても良い。
【0020】
<4.2>解析装置の構成例
本実施例では、解析装置30は、記憶手段31と、位置検出手段32と、蛇行判定手段33とを含んで構成する。
以下、各手段の詳細について説明する。
【0021】
<4.3>記憶手段
記憶手段31は、ベルトAの正常位置と、ベルトAの蛇行を修正するか否かを判定するためのしきい値を記憶しておくための手段である。
【0022】
<4.3.1>正常位置の記憶方法
ベルトAの正常位置を記憶しておく方法としては、蛇行していない状態で走行しているベルトAの輪郭線12をデジタルカメラ20で撮影し、この撮影データを画像処理して得られる見かけの鉛直断面図のデータを記憶しておく方法を採用できる。
【0023】
<4.3.2>しきい値の設定方法
ベルトAが蛇行していると判断するためのしきい値は、ベルトA1の幅長や、ベルトコンベアの進行路の曲率などに応じてユーザーが予め設定しておくことができる。
【0024】
<4.4>位置検出手段
位置検出手段32は、デジタルカメラ20の撮影データから、ベルトAの撮影時の位置(現在位置)を求めるための手段である。
ベルトAの現在位置は、前記<4.3.1>に示したベルトAの正常位置を記憶する方法と同様に、デジタルカメラ20で輪郭線12を撮影した撮影データを画像処理することで得られる見かけの鉛直断面図のデータから求める方法などがある。
【0025】
<4.5>蛇行判定手段
蛇行判定手段33は、ベルトAの蛇行の有無を判定する手段である。
蛇行判定手段33は、記憶手段31で記憶してあるベルトAの正常位置を示すデータと、位置検出手段32で求めたベルトAの現在位置を示すデータを比較することで、ベルトAの蛇行の有無を判定し、この差分が、記憶手段31に記憶してあるしきい値を超えている場合に、蛇行修正装置40に対し、修正作業の実行を通知するよう構成する機能を有する。
【0026】
<5>蛇行修正装置
蛇行修正装置40は、ベルトAの蛇行を修正するための装置である。
蛇行修正装置40による押圧方向は、後述するようにベルトAの蛇行を修正する方向の違いや、ベルトAの中央揃え(センタリング)などによって変更する必要がある。そこで、右蛇行修正用、左蛇行修正用、センタリング用のように各用途に応じてそれぞれの蛇行修正装置40を設けても良いし、一台の蛇行修正装置40で複数用途を兼用可能に構成してもよい。
【0027】
本実施例では、蛇行修正装置40は、昇降装置41と、ローラ42とを少なくとも含む。
以下、各構成要素とその他の構成の詳細について説明する。
【0028】
<5.1>昇降装置
昇降装置41は、ローラ42を昇降させるための装構である。
昇降装置41には、油圧ピストンなどの公知の装置によってローラ42を昇降させるよう構成する。
【0029】
<5.1.1>昇降装置の移動機構および昇降方向の角度調整
さらに、昇降装置41は、昇降装置41そのものをベルトAの幅方向に対して移動可能な構成や、昇降方向の角度を調節可能な構成とすることができる。
当該構成によれば、一台の蛇行修正装置40で複数用途(右蛇行修正用、左蛇行修正用、センタリング用)を兼用することができる。
【0030】
<5.1.2>弾性材の介設
さらに、昇降装置41とローラ42との間には、バネやゴムなどの弾性材を介設しておいてもよい。42を昇降
当該構成によれば、ベルトA1がローラ42によって過剰に押圧されることを防止することができる。
【0031】
<5.2>ローラ
ローラ42は、ベルトAの位置を修正するようにベルトAを押圧するための装置である。
ローラ42の回転軸は、平面視したときに、ベルトAを搬送する搬送ソーラBの回転軸と略並行に構成する。
【0032】
<6>その他の装置
本発明に係る監視システムは、その他、以下の装置を設けることもできる。
【0033】
<6.1>移動量センサ
移動量センサ50は、ベルトコンベアの移動量(搬送速度)を検知可能な装置である。
移動量センサ50は、公知の部材を用いれば良く、詳細な説明は省略する。
移動量センサ50によるベルトコンベアの移動量(搬送速度)を把握できると、解析装置30では、デジタルカメラ20による撮影箇所から、蛇行修正装置40での蛇行修正位置Dまでの距離と、前記ベルトコンベアの搬送速度から、ラインレーザ10の照射箇所である蛇行判定位置Cから、蛇行修正領域Eまでの到達時間を求めることができる。
【0034】
<6.2>遮光手段
遮光手段(図示せず)は、ラインレーザ10によるレーザ光11の照射箇所を、照明装置や日光などのその他の光源から遮断するための装置である。
レーザ光11の照射箇所の周囲に遮光手段を設けておけば、輪郭線12をより明瞭に表示した撮影データを得ることができる。
【0035】
<7>使用方法
再度、図1を参照しながら、本実施例に係るベルトコンベア監視システムの使用方法の一例について以下に説明する。
【0036】
<7.1>輪郭線の撮影および見かけの鉛直断面図の生成
まず、デジタルカメラ20は、ラインレーザ10で照射したレーザ光11によってベルトA上に描かれる輪郭線12を、ラインレーザ10の照射方向と異なる方向から所定間隔を空けて撮影し、解析装置30へと送信する。
解析装置30では、デジタルカメラ20から受信した撮影データを画像処理して見かけの鉛直断面図を生成する。
図3(a)に、ベルトが正常位置にある状態での、デジタルカメラによる撮影データと、解析装置で生成した見かけの鉛直断面図のイメージ図を示す。
デジタルカメラ20によって撮影された撮影データでは、ベルトAの進行方向に対して遠近を伴うように表示されている。
解析装置30では、この撮影データと、レーザ光11の照射方向θ1、およびレーザ光の照射方向から所定角度を呈するデジタルカメラの撮影角度θ2に基づいて、画像処理を行い、輪郭線12上を鉛直方向に切断したように表示した見かけの鉛直断面図を生成する。
【0037】
<7.2>蛇行の判定
さらに、解析装置30は、前記<7.1>で生成した現状のベルトAにおける見かけの鉛直断面図を、予め記憶してある、正常状態のベルトAにおける見かけの鉛直断面図と比較して、ベルトAの蛇行の有無を判定する。
図3(b)に、ベルトAが右に蛇行した状態での、デジタルカメラによる撮影データと、解析装置で生成した見かけの鉛直断面図のイメージ図を示す。
図3(a)に係る正常時の見かけの鉛直断面図と、蛇行時の見かけの直弾面図を比較すると、ベルトAの右側の端部が蛇行した分だけ右に伸びているように表示されて、輪郭線12に余剰部121が生じている。
そしてベルトAの左側の端部も右にずれており、正常時と比較して輪郭線が欠落していたり、段差が生じていたりするように表示される(欠落部122)。
解析装置30では、この輪郭線12の余剰部121や欠落部122の長さが所定の長さを超えた場合に、ベルトAの位置修正が必要な程度にベルトが蛇行していると判断する。
【0038】
<7.3>蛇行修正作業
解析装置30でベルトAの蛇行の修正を要すると判定した際には、解析装置30は、ベルトAの蛇行箇所が蛇行修正装置40の場所に達するタイミングで蛇行修正装置40に修正作業の実行を送信する。
修正作業のタイミングは、解析装置30による判定時間が短ければ直ちに行っても良いし、蛇行判定位置Cから、蛇行修正位置Dまでの距離が遠い場合には、前記した移動量センサ50によるベルトコンベアの搬送速度の情報を踏まえて、適切なタイミングで蛇行修正装置40によるローラ42の押圧作業が実行されるように設定してもよい。
【0039】
<7.3.1>蛇行修正例
図4を参照しながら、ベルトAが右側に寄った形で蛇行している場合での、蛇行修正装置40による蛇行修正方法について説明する。
まず、ベルトAの中央に位置する昇降装置41をベルトAの右側へと移動させる(図3(a))。
その後、昇降装置41の昇降方向を直交方向から右側に鋭角を設けるように傾けた状態とする(図3(b))。
その状態から昇降装置を伸ばして、ローラ42でベルトAを押圧する(図3(c))。
このとき、ローラ42をベルトAに押圧する際には、ローラ42の回転軸がベルトAを搬送する回転軸と平面視して略並行状態となるため、ベルトAとローラ42との間では十分な面接触が確保できることとなり、ベルトAの一部に過大な抵抗が発生することはない。
ローラ42に押されたベルトAは一時的に沈み込んで右側に寄ったベルトを左側へと引き寄せるように作用する。
この状態でベルトAの運転を継続していると、ベルトAの蛇行が自然に解消されていき、ローラ42をベルトAから離した後もベルトAの位置が維持される(図4(d))。
【実施例2】
【0040】
本発明における監視対象はベルトAの往路に限らず、ベルトAの復路であってもよい。
また、ラインレーザ10、デジタルカメラ20および蛇行修正装置40を設置する箇所は、ベルトAの往路の上方に限らず、ベルトAの往路の下方(ベルトAの復路の上方に相当)、ベルトAの復路の下方であってもよい。
【符号の説明】
【0041】
A ベルト
B 搬送ローラ
C 蛇行判定位置
D 蛇行修正位置
10 ラインレーザ
11 レーザ光
12 輪郭線
20 デジタルカメラ
30 解析装置
31 記憶手段
32 位置検出手段
33 蛇行判定手段
40 蛇行修正装置
41 昇降装置
42 ローラ
50 移動量センサ
図1
図2
図3
図4