(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第一極板及び前記第二極板の少なくとも一方は、前記ケースの前記第二面の外周部に沿って設けられて、前記第二面の中央部に対向する位置に開口部を有していることを特徴とする請求項5又は6に記載の時計。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に開示されたような構成にあっては、月を示す円が描かれた回転板を用いる構成、月の満ち欠けを表示する液晶表示部を用いる構成の何れの場合も、表示される情報は、平面的なものとなる。
【0006】
そこで、本発明は、上記事情に鑑みたものであって、情報を、より立体的に表示することができる表示装置、時計、電子デバイスを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決するため、本発明の表示装置は、磁力を発生する磁力発生部と、磁性流体が封入されたケースと、前記ケースに沿って設けられた第一極板及び第二極板と、前記磁力発生部から前記第一極板に磁力を伝達する第一磁力伝達部材と、前記磁力発生部から前記第二極板に磁力を伝達する第二磁力伝達部材と、前記磁力発生部から前記第一極板及び前記第二極板への磁力の伝達を制御する制御部と、を備えることを特徴としている。
【0008】
本発明によれば、磁力発生部で発生した磁力を、第一磁力伝達部材及び第二磁力伝達部材を介し、第一極板及び第二極板に伝達させる。すると、第一極板と第二極板とによって作用する磁界によって、ケース内に封入された磁性流体が動き、その形状が立体的に変化する。制御部により、第一極板、第二極板への磁力の伝達を制御することで、磁性流体によって表される立体的な像を変化させることができる。
【0009】
また、前記磁力発生部は、コアとコイルとからなる電磁石であり、前記制御部は、前記コイルに印加する電流量を制御することを特徴としている。
【0010】
本発明によれば、制御部においてコイルに印加する電流量を制御することで、磁性流体に作用させる磁界の強度を変化させることができる。これによって、ケース内の磁性流体の形状を、磁界の強度に応じて変化させることができ、多様性に富んだ情報を、磁性流体の形状によって表示することが可能となる。
【0011】
また、前記ケースの第一面側に設けられ、前記ケース内を視認可能な窓を備え、前記第一極板及び前記第二極板は、前記ケースの前記第一面に対向する第二面側に沿って設けられていることを特徴としている。
【0012】
本発明によれば、第一極板及び第二極板によって遮られることなく、窓を通してケース内の磁性流体を目視することができる。
【0013】
また、前記第一極板及び前記第二極板は、前記第一磁力伝達部材及び前記第二磁力伝達部材によって、前記ケースの前記第二面に向かって付勢されていることを特徴としている。
【0014】
本発明によれば、第一極板及び第二極板をケースの第二面に押し付けることで、第一極板及び第二極板による磁界をケース内の磁性流体に効率良く作用させることができる。
【0015】
また、前記第一極板及び前記第二極板は、前記ケースの前記第二面の全体を覆うよう設けられていることを特徴としている。
【0016】
本発明によれば、第一極板及び第二極板からケース内の第二面の全体に作用する磁界によって、磁性流体の形状を変化させることができる。
【0017】
また、前記第一極板及び前記第二極板の少なくとも一方は、前記ケースの前記第二面の外周部に沿って設けられて、前記第二面の中央部に対向する位置に開口部を有していることを特徴としている。
【0018】
本発明によれば、第一極板及び第二極板による磁界は、ケースの第二面の外周部に沿って集中的に作用する。これにより、ケースの外周部に磁性流体を引き寄せることができ、その中央部に、磁性流体の無い部分を形成することができる。一方、第一極板及び第二極板による磁界を作用させない状態では、磁性流体は、ケースの外周部に引き寄せられることがなくなる。したがって、磁界のON/OFFによって、磁性流体を中央部に穴のあいた環状に配置したり、穴の無い状態に配置することが可能となる。
【0019】
また、前記ケースは、前記窓よりも大きな径を有した大径部を有していることを特徴としている。
【0020】
本発明によれば、磁界の作用によって、磁性流体は、ケースの大径部の外周部に引き寄せられる。これにより、磁性流体は、少なくともその一部が窓よりも径方向外側に位置することとなる。したがって、磁性流体の少なくとも一部は、窓を通して視認することができなくなる。
【0021】
また、前記窓は、前記開口部の開口径以下であることを特徴としている。
【0022】
本発明によれば、磁界の作用によって、磁性流体をケースの外周部に引き寄せた状態で、窓を通してケース内を見たときに、磁性流体が目視できないようにすることができる。これによって、磁界のON/OFFによって、磁性流体が窓から見えない状態と、窓から見える状態とに切り換えることが可能となる。
【0023】
また、前記ケースの内部は、複数に区分され、それぞれの区分に前記磁性流体が封入されていることを特徴としている。
【0024】
本発明によれば、ケースの複数の区分のそれぞれで、磁性流体の形状変化による情報の表示を行うことが可能となる。
【0025】
また、複数の前記区分に封入された前記磁性流体の色が異なることを特徴としている。
【0026】
本発明によれば、複数種類の色の磁性流体により、複数種の情報の表示を行うことが可能となる。
【0027】
また、複数の前記区分において、前記ケースの色が異なることを特徴としている。
【0028】
本発明によれば、磁性流体の形状の変化によって、ケースの一部を隠蔽したり露出させることで、ケースの色を利用した情報の表示を行うこともできる。
【0029】
また、前記ケースの内部に、前記磁性流体と非磁性流体とが封入されていることを特徴としている。
【0030】
本発明によれば、ケースの内部で、磁性流体の流動性が良好となる。
【0031】
また、前記非磁性流体が、前記磁性流体と分離する流体であることを特徴としている。
【0032】
本発明によれば、非磁性流体中で磁性流体の動きが良好となり、磁性流体の形状変化による情報の表示のレスポンス性を高めることができる。
【0033】
本発明の時計は、上記したような表示装置を備えることを特徴としている。
【0034】
本発明によれば、時計における各種の情報表示を、磁性流体の立体的な像の変化によって行うことが可能となる。これにより、情報を、より顕著に表示したり、より特徴的に表示することが可能となる。
【0035】
また、前記磁力発生部は、時刻表示用の転換機の電磁石であることを特徴としている。
【0036】
本発明によれば、磁性流体の形状を変化させるための磁力発生部として、別途電磁石を用意する必要がなくなる。これにより、時計の軽量化、コンパクト化、低コスト化を図ることが可能となる。
【0037】
また、時刻表示用の転換機の電磁石を駆動する電池の出力電圧を検出する電圧検出部を備え、前記制御部は、前記電圧検出部で検出された前記出力電圧が予め定めた基準値を下回ったときに、前記磁力発生部から前記第一極板及び前記第二極板に伝達する磁力を変化させ、前記ケース内の前記磁性流体の形状を変化させることを特徴としている。
【0038】
本発明によれば、電池の残量が減ったときに、磁性流体の形状を変化させることで、電池の残量インジケータとして表示装置を用いることができる。
【0039】
また、外部との通信を行う通信部を備え、前記制御部は、前記通信部が外部との通信を行っているときに、前記磁力発生部から前記第一極板及び前記第二極板に伝達する磁力を変化させ、前記ケース内の前記磁性流体の形状を変化させることを特徴としている。
【0040】
本発明によれば、外部との通信を行っているときに、磁性流体の形状を変化させることで、通信中であることを示す情報を外部に報知することができる。
【0041】
本発明の電子デバイスは、上記したような表示装置を備えることを特徴としている。
【0042】
本発明によれば、電子デバイスにおける各種の情報表示を、磁性流体の立体的な像の変化によって行うことが可能となる。これにより、情報を、より顕著に表示したり、特徴的に表示することが可能となる。
【0043】
また、本発明の電子デバイスは、外部との通信を行う通信部を備え、前記制御部は、前記通信部が外部との通信を行っているときに、前記磁力発生部から前記第一極板及び前記第二極板に伝達する磁力を変化させ、前記ケース内の前記磁性流体の形状を変化させることを特徴としている。
【0044】
本発明によれば、通信部が外部との通信を行っているときにおいても、電子デバイスにおける通信状況等の情報表示を、磁性流体の立体的な像の変化によって行うことが可能となる。これにより、外部との通信状況を、より顕著に表示したり、特徴的に表示することが可能となる。
【発明の効果】
【0045】
本発明によれば、第一極板、第二極板への磁力の伝達を制御することで、磁性流体によって表される立体的な像を変化させることができる。これにより、表示装置において、情報を立体的な像によって表示することが可能となる。
【発明を実施するための形態】
【0047】
以下に、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。本実施形態では、アナログクォーツ式の時計を一例として説明する。
[第一実施形態]
(時計)
一般に、時計の駆動部分を含む機械体を「ムーブメント」と称する。このムーブメントに文字板、指針を取り付けて、時計ケースの中に入れて完成品にした状態を時計の「コンプリート」と称する。
時計の基盤を構成する地板の両側のうち、時計ケースのガラスのある方の側、すなわち、文字板のある方の側をムーブメントの「裏側」と称する。また、地板の両側のうち、時計ケースのケース裏蓋のある方の側、すなわち、文字板と反対の側をムーブメントの「表側」と称する。
【0048】
図1は、第1実施形態に係る時計を示す外観図である。
図1に示すように、時計1のコンプリートは、ケース裏蓋(不図示)およびガラス2を有する時計ケース3の内部に、ムーブメント10、文字板11、指針12,13、および表示部15A(請求項の「表示装置」に相当。)
を備える。
文字板11は、少なくとも時に関する情報を示す目盛り等を有する。指針12,13は、時を示す時針12、分を示す分針13を含む。
【0049】
ムーブメント10は、地板20(
図2参照)を備える。地板20は、ムーブメント10の基盤を構成する。地板20の裏側には、文字板11がガラス2を通じて視認可能に配置される。
地板20の表側には、電池(不図示)、水晶ユニット(不図示)、回路基板(不図示)、ステップモータ35(動力源)、輪列機構23等が配設される。
【0050】
ステップモータ35は、コイルブロック30と、このコイルブロック30の磁心の両端部分と接触するように配置されたステータ31と、このステータ31のロータ穴31aに配置されたロータ32と、を有する。
【0051】
ロータ32は、地板20に対して回転可能に支持されている。ロータ32は、1秒ごとに1ステップ回転するようになっており、輪列機構23に回転力を付与する。
【0052】
輪列機構23は、ロータ32の回転に基づいて回転する複数の歯車を備え、例えば、1時間に1回転する二番車(不図示)、12時間に1回転する筒車(不図示)等を備える。二番車には、分針13が取り付けられ、筒車には、時針12が取付けられている。
【0053】
(時計の作用)
次に、上述のように構成された時計1の作用について説明する。
ムーブメント10において、水晶ユニットにおける水晶振動子が所定周波数で発振すると、この水晶振動子の振動に基づいて、集積回路に内蔵されている発振部が基準信号を出力すると共に、分周部が発振部からの出力信号を分周する。この分周部の出力信号に基づいて、ステップモータ35を駆動するモータ駆動信号を駆動部が出力する。コイルブロック30にこのモータ駆動信号が入力されると、ステータ31が磁化してロータ32を回転させる。このとき、ロータ32は、例えば1秒ごとに180度回転しながら、連続的に回転を継続する。
【0054】
ロータ32の回転力は輪列機構23に伝達され、輪列機構23を構成する各歯車が回転する。このとき、二番車(不図示)が1時間に1回転し、筒車(不図示)が12時間に1回転する。これにより、分針13を1時間に1回転させ、時針12を12時間に1回転させることができる。
【0055】
(表示部)
図2は、本発明の第1実施形態に係る表示装置の構成を示す図であり、
図1のA−A矢視断面図である。
図3は、表示装置の一部の構成を示す平面図である。
図4は、表示装置を構成する第一極板及び第一磁力伝達部材、第二極板及び第二磁力伝達部材を示す平面図である。
図5は、表示装置の機能的な構成を示すブロック図である。
図2、
図3に示すように、表示部15Aは、磁力発生部51と、ケース52Aと、第一極板53A及び第二極板54Aと、第一磁力伝達部材55と、第二磁力伝達部材56と、制御部60(
図5参照)と、を備えている。
【0056】
磁力発生部51は、コア511とコイル512とからなる電磁石であり、ケース52Aに伝達する磁力を発生する。磁力発生部51は、時計ケース3の内部に収容された電池(不図示)から供給される電流がコイル512に印加されると、磁界を発生する。磁力発生部51は、コイル512に通電したときに発生する磁界のN極側とS極側に、磁極部51n,51sを有している。
【0057】
ケース52Aは、ガラス、樹脂等の透明性を有した材料からなる、扁平状の中空容器である。ケース52Aは、第一面521と、第二面522と、周壁部523と、を有する。第一面521は、地板20の裏側を向き、外周部に対して中央部が裏側に膨出した湾曲面によって形成されている。第二面522は、地板20の表側を向き、地板20と平行な平面によって形成されている。周壁部523は、第一面521の外周部と第二面522の外周部とを連結するよう、円筒状に形成されている。ケース52Aは、第一面521及び周壁部523からなるケース本体520Aと、第二面522を形成するベースカバー520Bと、からなる。ベースカバー520Bは、ケース本体520Aよりも大きな外径を有し、文字板11にその外周部が突き当たっている。
このケース52Aは、第一面521が、文字板11に形成された円形の窓57を通して、ガラス2側に露出するよう設けられている。
【0058】
このケース52Aの内部には、磁性流体Mと非磁性流体Lとが封入されている。
磁性流体Mは、印加される磁界が強くなるほど、せん断抵抗(見かけの粘性)が大きくなる性質を有する。磁性流体Mは、マグネタイト、フェライト系、ネオジム系、サマリウムコバルト系等の磁性材料からなる粉末を、分散媒中に分散させた液状体である。分散媒としては、例えば、水、イソパラフィン、ポリオレフィン、パーフルオロポリエーテル、界面活性剤等を含むものを用いることができる。ここで、磁性流体Mを構成する材料やその混合比等については、何ら限定するものではない。例えば、磁性流体Mに含まれる磁性材料からなる粉末は、その表面に適宜材料からなるコーティングを施す等してもよい。また、磁性流体Mに含まれる磁性材料からなる粉末は、その粒径がなるべく小さいのが好ましい。
【0059】
非磁性流体Lは、磁性流体Mと混ざり合わずに分離している。このような非磁性流体Lとしては、例えば、純水(水)の他、生理食塩水、各種のオイル、有機溶媒等を用いることができる。また、非磁性流体Lとして、空気や、その他のガスを用いることも可能である。
また、非磁性流体Lは、磁性流体Mとの分離性を高めるため、その比重が磁性流体Mの比重と異なるのが好ましい。例えば、非磁性流体Lの比重を、磁性流体Mの比重よりも小さくするのが好ましい。これにより、一定以上の強度の磁界が作用していない状態では、ケース52A内で、磁性流体Mは非磁性流体L中で鉛直方向下方に沈む。また、非磁性流体Lの比重を、磁性流体Mの比重よりも大きくしても良い。
【0060】
第一極板53A、第二極板54Aは、磁性材料からなる金属製で、ケース52Aの第二面522に沿うよう設けられている。第一極板53Aは、ケース52Aの第二面522に突き当たるよう配置され、第二極板54Aは、第一極板53Aに対して地板20の表側に積層して配置されている。
図3、
図4に示すように、これら第一極板53A、第二極板54Aは、ケース52Aの第二面522の全面を覆うよう、円板状に形成されている。
【0061】
第一磁力伝達部材55は、鉄等の磁性材料からなり、帯状に延びている。第一磁力伝達部材55は、その一端が磁力発生部51の磁極部51nに、接合ピン58を介して接続されている。第一磁力伝達部材55は、他端が第一極板53Aに一体に接合されている。すなわち、第一磁力伝達部材55と第一極板53Aとは、プレス加工等によって金属板から一体に形成されている。
【0062】
第二磁力伝達部材56は、鉄等の磁性材料からなり、帯状に延びている。第二磁力伝達部材56は、その一端が磁力発生部51の磁極部51sに、接合ピン58を介して接続されている。第二磁力伝達部材56は、他端が第二極板54Aに一体に接合されている。すなわち、第二磁力伝達部材56と第二極板54Aとは、プレス加工等によって金属板から一体に形成されている。
【0063】
このような第一磁力伝達部材55、第二磁力伝達部材56は、その一端と他端との間に、クランク状に折曲された折曲部55s、56sを有しており、第一極板53A,第二極板54Aを、ケース52Aの第二面522側に向かって付勢している。これによって、第一極板53A,第二極板54Aは、ケース52Aの第二面522に密着している。
【0064】
このような第一磁力伝達部材55,第二磁力伝達部材56によって、磁力発生部51で発生した磁力が、第一極板53A、第二極板54Aに伝達される。
【0065】
図5に示すように、制御部60は、磁力発生部51から第一極板53A及び第二極板54Aへの磁力の伝達を制御する。
制御部60は、予め定めたコンピュータプログラムに基づいて、所定のタイミングで磁力発生部51のコイル512に電池(不図示)から電流を供給する。ここで、制御部60において、コイル512に電流を供給するタイミングについては、何ら限定するものではない。例えば、ムーブメント10の水晶ユニットにおける水晶振動子の発振に基づいて出力される出力信号をトリガーとして、例えば1秒ごと、1分ごと、1時間ごと、といったタイミングでコイル512に電流を供給することができる。また、制御部60は、ユーザが設定したアラーム時刻等に、コイル512に電流を供給することもできる。
【0066】
また、表示部15Aは、磁力発生部51の電磁石を駆動する電池(不図示)の出力電圧を検出する電圧検出部61を備えるようにし、制御部60は、電圧検出部61で検出される電池の出力電圧に基づいて、コイル512への電流供給を制御することもできる。
この場合、制御部60は、電圧検出部61で検出された出力電圧が予め定めた基準値を下回ったときに、コイル512に電流を供給し、磁力発生部51から第一極板53A及び第二極板54Aに磁力を伝達させる。
【0067】
また、時計1は、外部との通信を行う、例えばブルートゥース(登録商標)、赤外線通信等の通信部62を備えることもできる。この場合、制御部60は、通信部62が外部との通信を行っているときに、コイル512に電流を供給し、磁力発生部51から第一極板53A及び第二極板54Aに磁力を伝達させる。
【0068】
(表示部の作用)
次に、上記のように構成された表示部15Aの作用について説明する。
表示部15Aにおいては、文字板11に形成された窓57から、ケース52A内の磁性流体Mを目視することができる。
表示部15Aにおいては、磁力発生部51で発生した磁力を、第一磁力伝達部材55及び第二磁力伝達部材56を介し、第一極板53A及び第二極板54Aに伝達させる。すると、第一極板53Aと第二極板54Aとによって作用する磁界の磁力線によって、ケース52A内に封入された磁性流体Mが動き、その形状が立体的に変化する。
【0069】
ここで、
図6、
図7は、磁界が作用していない状態における、ケース52A内の磁性流体Mの形状の一例を示すものである。この
図6、
図7の例では、磁界が作用していない状態で、磁性流体Mは、ケース52A内の中央部に固まって位置している。
【0070】
このような磁性流体Mに、磁界を作用させると、
図8から
図11に示すように、磁性流体Mの形状が変化する。
図8は、弱磁界を作用させた状態におけるケース内の磁性流体の形状の一例を示す断面図である。
この
図8に示すように、第一極板53A,第二極板54Aによって弱磁界を作用させると、その磁力線Lmがケース52Aの第二面522の全面を通るため、磁性流体Mは、ケース52Aの第二面522の全面に沿うように薄く広がる。
【0071】
図9は、中磁界を作用させた状態におけるケース内の磁性流体の形状の一例を示す断面図である。
この
図9に示すように、
図8よりも強い中程度の磁界を、第一極板53A,第二極板54Aによって作用させると、より強い磁力線が、第二面522の全面において、第二面522に直交する方向に作用する。これにより、磁性流体Mは、ケース52Aの第二面522に沿いつつ、磁力線に沿って針状に突出する。
【0072】
図10は、強磁界を作用させた状態におけるケース内の磁性流体の形状の一例を示す平面図である。
図11は、強磁界を作用させた状態におけるケース内の磁性流体の形状の一例を示す断面図である。
これら
図10、
図11に示すように、
図9よりもさらに強い強磁界を、第一極板53A,第二極板54Aによって作用させると、さらに強い磁力線Lmが、第二面522の全面において、第二面522に直交する方向に作用する。これにより、磁性流体Mは、ケース52Aの第二面522に沿いつつ、磁力線に沿って、針状に、より高く突出する。
【0073】
このように、制御部60により、第一極板53A、第二極板54Aへの磁力の伝達を制御することで、磁性流体Mによって表される立体的な像を変化させる。これにより、ユーザは、窓57から磁性流体Mの立体的な像の変化により、情報を明確に認識することができる。
【0074】
上述した表示部15Aは、磁力を発生する磁力発生部51と、磁性流体Mが封入されたケース52Aと、ケース52Aに沿って設けられた第一極板53A及び第二極板54Aと、磁力発生部51から第一極板53Aに磁力を伝達する第一磁力伝達部材55と、磁力発生部51から第二極板54Aに磁力を伝達する第二磁力伝達部材56と、磁力発生部51から第一極板53A及び第二極板54Aへの磁力の伝達を制御する制御部60と、を備えている。
このように構成することで、第一極板53Aと第二極板54Aとによって作用する磁界によって、ケース52A内に封入された磁性流体Mが動き、その形状を立体的に変化させることができる。さらに、制御部60により、第一極板53A、第二極板54Aへの磁力の伝達を制御することで、磁性流体Mによって表される立体的な像を変化させることができる。これにより、表示部15Aにおいて、情報を立体的な像によって表示することが可能となり、情報を、より明確に表示することが可能となる。
【0075】
また、磁力発生部51は、コア511とコイル512とからなる電磁石であり、制御部60は、コイル512に印加する電流量を制御している。
このように構成することで、磁性流体Mに作用させる磁界の強度を変化させることができる。これによって、ケース52A内で磁性流体Mの形状を、磁界の強度に応じて変化させることができ、多様性に富んだ情報を、磁性流体Mの形状によって表示することが可能となる。
【0076】
また、表示部15Aは、ケース52Aの第一面521側に設けられ、ケース52A内を視認可能な窓57を備え、第一極板53A及び第二極板54Aは、ケース52Aの第一面521に対向する第二面522側に沿って設けられている。
このように構成することで、第一極板53A及び第二極板54Aによって遮られることなく、ケース52A内の磁性流体Mを目視することができる。
【0077】
また、第一極板53A及び第二極板54Aは、第一磁力伝達部材55及び第二磁力伝達部材56によって、ケース52Aの第二面522に向かって付勢されている。
このように構成することで、第一極板53A及び第二極板54Aをケース52Aの第二面522に押し付けて、第一極板53A及び第二極板54Aによる磁界をケース52A内の磁性流体Mに効率良く作用させることができる。
【0078】
また、第一極板53A及び第二極板54Aは、ケース52Aの第二面522の全体を覆うよう設けられている。
このように構成することで、第一極板53A及び第二極板54Aからケース52A内の第二面522の全体に作用する磁界によって、磁性流体Mの形状を変化させることができる。
【0079】
また、ケース52Aの内部に、磁性流体Mと非磁性流体Lとが封入されている。
このように構成することで、ケース52Aの内部で、磁性流体Mの流動性が良好となる。
【0080】
さらに、非磁性流体Lは、磁性流体Mと分離する流体である。
このように構成することで、非磁性流体L中で磁性流体Mの動きが良好となり、磁性流体Mの形状変化による情報の表示のレスポンス性を高めることができる。
【0081】
また、上述した時計1は、上記したような表示部15Aを備える。
これにより、時計1における各種の情報表示を、磁性流体Mの立体的な像の変化によって行うことが可能となる。これにより、情報を、より顕著に表示したり、より特徴的に表示することが可能となる。
【0082】
また、時計1は、ムーブメント10を駆動する電池(不図示)の出力電圧を検出する電圧検出部61を備え、制御部60は、電圧検出部61で検出された出力電圧が予め定めた基準値を下回ったときに、磁力発生部51から第一極板53A及び第二極板54Aに磁力を伝達させ、ケース52A内の磁性流体Mの形状を変化させている。
このように構成することで、電池の残量が減ったときに、磁性流体Mの形状を変化させることで、電池の残量インジケータとして表示部15Aを用いることができる。
【0083】
また、時計1は、外部との通信を行う通信部62を備え、制御部60は、通信部62が外部との通信を行っているときに、磁力発生部51から第一極板53A及び第二極板54Aに磁力を伝達させ、ケース52A内の磁性流体Mの形状を変化させている。
このように構成することで、通信部62で外部との通信を行っているときに、磁性流体Mの形状を変化させることで、通信中であることを示す情報を外部に報知することができる。
【0084】
[第二実施形態]
次に、本発明にかかる表示装置、時計、電子デバイスの第二実施形態について説明する。
以下に説明する第二実施形態では、上記第一実施形態とは、ケースの形状が異なる。なお、以下に説明する第二の実施形態においては、上記第一の実施形態と共通する構成については図中に同符号を付してその説明を省略する。
【0085】
図12は、本発明の第2実施形態に係る時計を示す外観図である。
図13は、本発明の第2実施形態に係る表示装置の構成を示す図であり、
図12のB−B矢視断面図である。
図14は、表示装置の一部の構成を示す平面図である。
図15は、表示装置の一部の構成を示す断面図である。
図12、
図13に示すように、本実施形態における時計1の表示部15B(請求項の「表示装置」に相当。)は、磁力発生部51と、ケース52Bと、第一極板53B及び第二極板54Aと、第一磁力伝達部材55と、第二磁力伝達部材56と、制御部60(
図5参照)と、を備えている。
【0086】
図13、
図14、
図15に示すように、ケース52Bは、ガラス、樹脂等の透明性を有した材料からなる、扁平状の中空容器である。ケース52Bは、第一面521と、第二面522と、周壁部524と、を有する。
【0087】
第一面521は、地板20の裏側を向き、外周部に対して中央部が裏側に膨出した湾曲面によって形成されている。第二面522は、地板20の表側を向き、地板20と平行な平面によって形成されている。
【0088】
周壁部524は、第一面521の外周部と第二面522の外周部とを連結する。周壁部524は、第一面521側が、文字板11に形成された窓57に嵌め込まれる外径を有した小径部524aとされている。周壁部524は、第二面522側が、窓57及び小径部524aよりも外径が大きな大径部524bとされている。周壁部524は、小径部524aと大径部524bとの間に、文字板11の地板20側に突き当たる段部524cを有している。
【0089】
このケース52Bは、周壁部524の小径部524aを窓57に挿入し、窓57を通して、第一面521をガラス2側に露出させて設けられている。ケース52Bは、大径部524bにおいて、小径部524aよりも径方向外側の環状の部分が、窓57よりも径方向外側に位置して、文字板11によって覆われている。
【0090】
このケース52Bの内部には、磁性流体Mと非磁性流体Lとが封入されている。
また、ケース52Bの第二面522には、第一極板53B、第二極板54Aが沿うように設けられている。
【0091】
第一極板53Bは、磁性材料からなる金属製で、ケース52Bの第二面522に沿うよう設けられている。第一極板53Bは、ケース52Bの第二面522の外周部に沿って連続する環状をなし、第二面522の中央部に対向する位置に開口部531を有している。この開口部531は、窓57の内径以上の開口径を有している。言い換えると、窓57は、開口部531の開口径以下の内径を有している。これにより、環状をなした第一極板53Bは、窓57よりも径方向外側に位置して、文字板11によって覆われている。
【0092】
第二極板54Aは、上記第一実施形態と同様、磁性材料からなる金属製で、第一極板53Bに対して地板20の表側に積層して配置されている。第二極板54Aは、ケース52Bの第二面522の全面を覆うよう、円板状に形成されている。
【0093】
第一磁力伝達部材55,第二磁力伝達部材56は、磁力発生部51で発生した磁力を、第一極板53B、第二極板54Aに伝達するよう設けられている。
【0094】
制御部60は、磁力発生部51から第一極板53B及び第二極板54Aへの磁力の伝達を、上記第一実施形態と同様に制御する。
【0095】
(表示部の作用)
次に、上記のように構成された表示部15Bの作用について説明する。
表示部15Bにおいては、文字板11に形成された窓57から、ケース52B内の磁性流体Mを目視することができる。
表示部15Bにおいては、磁力発生部51で発生した磁力を、第一磁力伝達部材55及び第二磁力伝達部材56を介し、第一極板53B及び第二極板54Aに伝達させる。すると、第一極板53Bと第二極板54Aとによって作用する磁界の磁力線によって、ケース52B内に封入された磁性流体Mが動き、その形状が立体的に変化する。
【0096】
図14、
図15に示すように、磁界が作用していない状態で、磁性流体Mは、ケース52B内の中央部に固まって立体的に位置している。これにより、磁性流体Mは、窓57を通して視認可能となっている。
【0097】
図16は、磁界を作用させた状態におけるケース内の磁性流体の形状の一例を示す平面図である。
図17は、磁界を作用させた状態におけるケース内の磁性流体の形状の一例を示す断面図である。
図16、
図17に示すように、第一極板53B,第二極板54Aによって磁界を作用させると、その磁力線が、環状の第一極板53Bが位置するケース52Bの外周部に集中する。このため、磁性流体Mは、ケース52Bの外周部に引き寄せられ、中央部に磁性流体Mの存在しない、環状をなす。
このとき、ケース52Bは、窓57よりも径方向外側に拡がる大径部524bを有している。これにより、外周部に引き寄せられた磁性流体Mは、窓57よりも径方向外側の大径部524bに入り込む。これにより、窓57側から見たときに、磁性流体Mは、文字板11によって覆われた状態となり、視認できない状態となる。
【0098】
上述した表示部15Bは、第一極板53Bが、ケース52Bの第二面522の外周部に沿って設けられて、第二面522の中央部に対向する位置に開口部531を有している。
このように構成することで、第一極板53B及び第二極板54Aによる磁界は、ケース52Bの第二面522の外周部に沿って集中的に作用する。これにより、ケース52Bの外周部に磁性流体Mを引き寄せることができ、その中央部に、磁性流体Mの無い部分を形成することができる。磁界を作用させない状態では、磁性流体Mは、ケース52Bの外周部に引き寄せられることがなく、立体状に固まっている。したがって、磁界のON/OFFによって、磁性流体Mを中央部に穴のあいた環状に配置したり、穴の無い状態に配置することが可能となる。したがって、表示部15Bは、窓57を通して視認できる磁性流体Mの有無によって、情報を表示することが可能となる。これにより、表示部15Bにおいて、情報を立体的な像によって表示することが可能となり、情報を、より明確に表示することが可能となる。
【0099】
また、窓57は、開口部531の開口径以下である。
このように構成することで、磁界の作用によって、磁性流体Mをケース52Bの外周部に引き寄せた状態で、窓57を通してケース52B内を見たときに、磁性流体Mが目視できないようにすることができる。これによって、磁界のON/OFFによって、磁性流体Mが窓57から見えない状態と、窓57から見える状態とに切り換えることが可能となる。
【0100】
また、上述した時計1は、上記したような表示部15Bを備える。
これにより、第一実施形態と同様に、時計1における各種の情報表示を、磁性流体Mの立体的な像の変化によって行うことが可能となる。これにより、情報を、より顕著に表示したり、特徴的に表示することが可能となる。
【0101】
(第二実施形態の変形例)
なお、上記実施形態では、磁界によって外周部に引き寄せられた磁性流体Mは、窓57よりも径方向外側の大径部524bに入り込み、窓57側から見たときに、磁性流体Mが視認できない状態となるようにしたが、これに限らない。
図18は、本発明の第2実施形態の変形例を示す断面図である。
例えば、
図18に示すように、磁界によって外周部に引き寄せられた磁性流体Mは、窓57よりも径方向外側の大径部524bに入り込み、窓57側から見たときに、磁性流体Mの内周縁部Mrがリング状に視認できるようにしてもよい。
【0102】
また、上記実施形態では、第一極板53Bのみを環状に形成したが、第二極板54Aについても、第一極板53Bと同様に、中央部に開口部を有した環状に形成してもよい。
【0103】
[第三実施形態]
次に、本発明にかかる表示装置、時計、電子デバイスの第三実施形態について説明する。
以下に説明する第三実施形態では、上記第一、第二実施形態とは、ケース内部が複数に区分されている点が異なる。なお、以下に説明する第三の実施形態においては、上記第一、第二の実施形態と共通する構成については図中に同符号を付してその説明を省略する。
【0104】
図19は、本発明の第三実施形態に係る表示装置の一部の構成を示す平面図である。
図20は、表示装置の一部の構成を示す断面図である。
図21は表示装置の一部の構成を示す平面図である。
図22は、表示装置を構成する第一極板及び第一磁力伝達部材、第二極板及び第二磁力伝達部材を示す平面図である。
図19〜
図21に示すように、時計1の表示部15C(請求項の「表示装置」に相当。)は、磁力発生部51(
図21参照)と、ケース52Cと、第一極板53C及び第二極板54C(
図21参照)と、第一磁力伝達部材55と、第二磁力伝達部材56(
図21参照)と、制御部60(
図5参照)と、を備えている。
【0105】
磁力発生部51は、コア511とコイル512とからなる電磁石であり、ケース52Cに伝達する磁力を発生する。
【0106】
図19、
図20に示すように、ケース52Cは、ガラス、樹脂等の透明性を有した材料からなる、扁平状の中空容器である。ケース52Cは、第一面521と、第二面522と、周壁部523と、仕切部525を有する。
仕切部525は、ケース52Cの径方向に延び、ケース52Cの内部空間を2つの空間526A,526Bに区分している。
このケース52Cは、第一面521が、文字板11に形成された円形の窓57を通して、ガラス2側に露出するよう設けられている。
【0107】
このケース52Cの内部には、各空間526A,526Bに、磁性流体Mと非磁性流体Lとが封入されている。
【0108】
図21、
図22に示すように、第一極板53C、第二極板54Cは、磁性材料からなる金属製で、ケース52Cの第二面522に沿うよう設けられている。第一極板53Cは、ケース52Cの第二面522に突き当たるよう配置され、第二極板54Cは、第一極板53Cに対して地板20の表側に積層して配置されている。
【0109】
これら第一極板53C、第二極板54Cは、ケース52Cの仕切部525に対向する部分に、スリット535,545を有している。ここで第一極板53Cにおいて、スリット535は、第一磁力伝達部材55が接続されている側の端部53dとは反対側の、第二磁力伝達部材56が接続されている側の端部53e側に開口して形成されている。これに対し、第二極板54Cにおいて、スリット545は、第二磁力伝達部材56が接続されている側の端部54dとは反対側の、第一磁力伝達部材55が接続されている側の端部54e側に開口して形成されている。これにより、一体に形成された第一極板53C及び第一磁力伝達部材55と、第二極板54C及び第二磁力伝達部材56とは、同形状にプレス加工した材料を、表裏を裏返しにすることで形成することができる。
【0110】
(表示部の作用)
次に、上記のように構成された表示部15Cの作用について説明する。
表示部15Cにおいては、文字板11に形成された窓57から、ケース52Cの各空間526A,526B内の磁性流体Mを目視することができる。
表示部15Cにおいては、磁力発生部51で発生した磁力を、第一磁力伝達部材55及び第二磁力伝達部材56を介し、第一極板53C及び第二極板54Cに伝達させる。すると、第一極板53Cと第二極板54Cとによって作用する磁界の磁力線によって、ケース52Cの各空間526A,526B内に封入された磁性流体Mが動き、その形状が立体的に変化する。
【0111】
図19、
図20に示すように、磁界が作用していない状態で、磁性流体Mは、ケース52Cの各空間526A,526B内の中央部に固まって位置している。
【0112】
このような磁性流体Mに、磁界を作用させると、
図23から
図25に示すように、磁性流体Mの形状が変化する。
図23は、弱磁界を作用させた状態におけるケース内の磁性流体の形状の一例を示す断面図である。
この
図23に示すように、第一極板53C,第二極板54Cによって弱磁界を作用させると、その磁力線がケース52Cの各空間526A,526B内で、第二面522を通るため、磁性流体Mは、ケース52Cの各空間526A,526B内で、第二面522に沿うように薄く広がる。
【0113】
図24は、強磁界を作用させた状態におけるケース内の磁性流体の形状の一例を示す平面図である。
図25は、強磁界を作用させた状態におけるケース内の磁性流体の形状の一例を示す断面図である。
図24、
図25に示すように、
図23よりも強い強磁界を、第一極板53C,第二極板54Cによって作用させると、より強い磁力線が、各空間526A,526B内で、第二面522に直交する方向に作用する。これにより、磁性流体Mは、ケース52Cの各空間526A,526Bで、第二面522に沿いつつ、磁力線に沿って、針状に、より高く突出する。
【0114】
このように、制御部60により、第一極板53C、第二極板54Cへの磁力の伝達を制御することで、各空間526A,526Bのそれぞれで、磁性流体Mによって表される立体的な像を変化させる。これにより、ユーザは、窓57から磁性流体Mの立体的な像の変化により、情報を明確に認識することができる。
【0115】
上述した表示部15Cは、上記第一実施形態と同様、第一極板53Cと第二極板54Cとによって作用する磁界によって、ケース52Cの各空間526A,526B内に封入された磁性流体Mが動き、その形状を立体的に変化させることができる。さらに、制御部60により、第一極板53C、第二極板54Cへの磁力の伝達を制御することで、磁性流体Mによって表される立体的な像を変化させることができる。これにより、表示部15Cにおいて、情報を立体的な像によって表示することが可能となり、情報を、より明確に表示することが可能となる。
【0116】
また、ケース52Cの内部は、複数の空間526A,526Bに区分され、それぞれの空間526A,526Bに磁性流体Mが封入されている。
これにより、ケース52Cの空間526A,526Bのそれぞれで、磁性流体Mの形状変化による情報の表示を行うことが可能となる。
【0117】
また、上述した時計1は、上記したような表示部15Cを備える。
これにより、時計1における各種の情報表示を、空間526A,526B内のそれぞれの磁性流体Mの立体的な像の変化によって行うことが可能となる。これにより、情報を、より顕著に表示したり、特徴的に表示することが可能となる。
【0118】
(第三実施形態の第一変形例)
次に、上記第三実施形態の各変形例を示す。上記第三実施形態では、空間526A,526B内にそれぞれ磁性流体Mを封入するようにしたが、複数の空間526A,526Bで、封入された磁性流体Mの色が互いに異なるようにしても良い。また、複数の空間526A,526Bで、封入された非磁性流体Lの色を互いに異ならせるようにしても良い。
このようにすることで、複数の空間526A,526Bで、複数種類の色の磁性流体Mによる情報表示を行うことが可能となる。
【0119】
(第三実施形態の第二変形例)
また、上記第三実施形態の構成において、ケース52Cの空間526Aと空間526Bとで、第二面522を形成するガラスや樹脂等の材料の色を異ならせるようにしても良い。
このようにすることで、磁界の印加によって磁性流体Mの形状が変化したときに、空間526Aと空間526Bとで、磁性流体Mによって隠蔽されていた第二面522を露出させた状態で、その色が互いに異なることとなる。これによって、複数の空間526A,526Bで、互いに異なる種類の情報表示を、色の違いによって行うことが可能となる。
【0120】
(第三実施形態の第三変形例)
また、上記第三実施形態の構成において、空間526Aと空間526Bとで、共通の磁力発生部51から伝達される磁力による磁界を発生するようにしたが、これに限らない。
例えば、
図26に示すように、空間526Aと空間526Bとで、それぞれ独立した第一極板53D,第二極板54Dを備えるようにしても良い。空間526Aの第一極板53D及び第二極板54Dと、空間526Bの第一極板53D及び第二極板54Dとは、それぞれ、第一磁力伝達部材55D,第二磁力伝達部材56Dを介して、別々の磁力発生部51Dに磁気的に接続されている。
このような構成によれば、空間526A,526Bとで、磁性流体Mに個別に磁界を印加し、磁性流体Mの形状を独立して制御することが可能となる。
【0121】
[第四実施形態]
次に、本発明にかかる表示装置、時計、電子デバイスの第四実施形態について説明する。
以下に説明する第四実施形態では、上記第一〜第三実施形態とは、ケース内部が複数に区分されている点が異なる。なお、以下に説明する第四の実施形態においては、上記第一〜第三の実施形態と共通する構成については図中に同符号を付してその説明を省略する。
【0122】
図27は、本発明の第四実施形態に係る表示装置の一部の構成を示す平面図である。
図28は、表示装置の一部の構成を示す断面図である。
図29は、表示装置の一部の構成を示す平面図である。
図27〜
図29に示すように、時計1の表示部15E(請求項の「表示装置」に相当。)は、磁力発生部51(
図29参照)と、ケース52Eと、第一極板53E及び第二極板54Eと、第一磁力伝達部材55と、第二磁力伝達部材56(
図29参照)と、制御部60(
図5参照)と、を備えている。
【0123】
磁力発生部51は、コア511とコイル512とからなる電磁石であり、ケース52Eに伝達する磁力を発生する。
【0124】
図27、
図28に示すように、ケース52Eは、ガラス、樹脂等の透明性を有した材料からなる、扁平状の中空容器である。ケース52Eは、第一面521と、第二面522と、周壁部523と、仕切部527を有する。
仕切部527は、ケース52E内で十字状に延び、ケース52Eの内部空間を4つの空間528A,528B,528C,528Dに区分している。
このケース52Eは、第一面521が、文字板11に形成された円形の窓57を通して、ガラス2側に露出するよう設けられている。
【0125】
このケース52Eの内部には、各空間528A,528B,528C,528Dに、磁性流体Mと非磁性流体Lとが封入されている。
【0126】
図28に示すように、第一極板53E、第二極板54Eは、磁性材料からなる金属製で、ケース52Eの第二面522に沿うよう設けられている。第一極板53Eは、ケース52Eの第二面522に突き当たるよう配置され、第二極板54Eは、第一極板53Eに対して地板20の表側に積層して配置されている。
【0127】
図29に示すように、第一極板53Eは、ケース52Eの仕切部527に対向する部分に、十字状のスリット537を有している。
【0128】
(表示部の作用)
次に、上記のように構成された表示部15Eの作用について説明する。
表示部15Eにおいては、文字板11に形成された窓57から、ケース52Eの各空間528A,528B,528C,528D内の磁性流体Mを目視することができる。
表示部15Eにおいては、磁力発生部51で発生した磁力を、第一磁力伝達部材55及び第二磁力伝達部材56を介し、第一極板53E及び第二極板54Eに伝達させる。すると、第一極板53Eと第二極板54Eとによって作用する磁界の磁力線によって、ケース52Eの各空間528A,528B,528C,528D内に封入された磁性流体Mが動き、その形状が立体的に変化する。
【0129】
図27、
図28に示すように、磁界が作用していない状態で、磁性流体Mは、ケース52Eの各空間528A,528B,528C,528D内の中央部に固まって位置している。
【0130】
このような磁性流体Mに、磁界を作用させると、
図30から
図32に示すように、磁性流体Mの形状が変化する。
図30は、弱磁界を作用させた状態におけるケース内の磁性流体の形状の一例を示す断面図である。
図30に示すように、第一極板53E,第二極板54Eによって弱磁界を作用させると、その磁力線がケース52Eの各空間528A,528B,528C,528D内で、第二面522を通るため、磁性流体Mは、ケース52Eの各空間528A,528B,528C,528D内で、第二面522に沿うように薄く広がる。
【0131】
図31は、強磁界を作用させた状態におけるケース内の磁性流体の形状の一例を示す平面図である。
図32は、強磁界を作用させた状態におけるケース内の磁性流体の形状の一例を示す断面図である。
図31、
図32に示すように、
図30よりも強い強磁界を、第一極板53E,第二極板54Eによって作用させると、より強い磁力線が、各空間528A,528B,528C,528D内で、第二面522に直交する方向に作用する。これにより、磁性流体Mは、ケース52Eの各空間528A,528B,528C,528Dで、第二面522に沿いつつ、磁力線に沿って、針状に、より高く突出する。
【0132】
このように、制御部60により、第一極板53E、第二極板54Eへの磁力の伝達を制御することで、各空間528A,528B,528C,528Dのそれぞれで、磁性流体Mによって表される立体的な像を変化させる。これにより、ユーザは、窓57から磁性流体Mの立体的な像の変化により、情報を明確に認識することができる。
【0133】
上述した表示部15Eは、上記第一実施形態と同様、第一極板53Eと第二極板54Eとによって作用する磁界によって、ケース52Eの各空間528A,528B,528C,528D内に封入された磁性流体Mが動き、その形状を立体的に変化させることができる。さらに、制御部60により、第一極板53E、第二極板54Eへの磁力の伝達を制御することで、磁性流体Mによって表される立体的な像を変化させることができる。これにより、表示部15Eにおいて、情報を立体的な像によって表示することが可能となり、情報を、より明確に表示することが可能となる。
【0134】
また、ケース52Eの内部は、複数の空間528A,528B,528C,528Dに区分され、それぞれの空間528A,528B,528C,528Dに磁性流体Mが封入されている。
これにより、ケース52Eの空間528A,528B,528C,528Dのそれぞれで、磁性流体Mの形状変化による情報の表示を行うことが可能となる。
【0135】
また、上述した時計1は、上記したような表示部15Eを備える。
これにより、時計1における各種の情報表示を、空間528A,528B,528C,528D内のそれぞれの磁性流体Mの立体的な像の変化によって行うことが可能となる。これにより、情報を、より顕著に表示したり、特徴的に表示することが可能となる。
【0136】
(その他の実施形態)
なお、本発明は、図面を参照して説明した上述の各実施形態に限定されるものではなく、その技術的範囲において様々な変形例が考えられる。
例えば、上記各実施形態では、表示部15A〜15Eで磁性流体Mに印加する磁界を、磁力発生部51で発生するようにしたが、これに代えて、時計1における時刻表示用の転換機を構成するステップモータ35のコイルブロック30(請求項の「電磁石」に相当。)を用いるようにしても良い。これにより、磁力発生部51を省略することができ、時計1を構成する部品の点数を削減することが可能となる。
【0137】
また、上記の各実施形態では、時計1に、1つの表示部15Aを備えるようにしたが、これに限定されない。したがって、例えば、表示部15Aを複数備え、それぞれの表示部15Aを、一斉に、または個別に制御し、磁性流体Mの形状変化による情報表示を行うようにしてもよい。
【0138】
また、時計1およびムーブメント10の各部の構成、配置等は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲であれば、他のいかなる構成としてもよい。
また、上記各実施形態では、本発明に係る表示装置を、クォーツ式の時計1に適用した場合を例に挙げて説明したが、機械式時計や、デジタル式時計に適用しても良い。さらに、本発明に係る表示装置は、時計に限らず、各種のモバイル機器、タブレット機器、携帯型ゲーム機等をはじめとする各種の電子デバイスに適用することが可能である。
その他、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、上述した実施の形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能である。